(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】根切除装置
(51)【国際特許分類】
A23N 15/08 20060101AFI20230104BHJP
【FI】
A23N15/08 B
(21)【出願番号】P 2018162383
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100102015
【氏名又は名称】大澤 健一
(72)【発明者】
【氏名】久保 陽拓
(72)【発明者】
【氏名】戸舘 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】三浦 駿
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-169460(JP,A)
【文献】特開2003-334053(JP,A)
【文献】実開昭63-028394(JP,U)
【文献】特開2000-253861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 1/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鱗茎野菜の根部を切除するための駆動部を有した根切除部と、
前記根切除部に向けて鱗茎野菜を押圧する押圧部と、
前記根切除部、前記押圧部の間に配置され、鱗茎野菜の根部を前記根切除部に向けて鱗茎野菜を載置する載置部と、
前記押圧部及び保持部のそれぞれを連動させて動作させる操作部と、を備え、
前記載置部は、鱗茎野菜を載置すると共に根部を露出させる孔部を有した載置板と、
前記駆動部の回転軸の軸方向と平行方向に移動可能なスライド部と、
前記載置板に設置され鱗茎野菜の周囲を支持するために支持動作が可能で複数の支持片を有した保持部と、
を備えたことを特徴とした根切除装置。
【請求項2】
前記根切除部は、根部に向って配置された複数の刃部を有し、前記駆動部によって回転駆動させて根部を切除するための切削刃と、
を備えたことを特徴とした請求項1に記載の根切除装置。
【請求項3】
前記載置部は、前記スライド部による移動量を規制するための規制部と、
を備えたことを特徴とした請求項1又は請求項2のいずれかに記載の根切除装置。
【請求項4】
前記規制部は、孔部を囲むように設置した円環状のベース上に高さの異なる突起を並べてなることを特徴とし
た請求項
3に記載の根切除装置。
【請求項5】
前記保持部に複数備えた前記支持片の支持動作は、それぞれ同時に連動させて動作させる案内板と、
を備えたことを特徴とした請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4のいずれかに記載の根切除装置。
【請求項6】
前記案内板は、案内板周囲に設置するローラにより支持されることを特徴とし
た請求項
5に記載の根切除装置。
【請求項7】
前記支持片は、平面視ヘ字状からなることを特徴とした請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6のいずれかに記載の根切除装置。
【請求項8】
前記支持片は、案内板の外周付近に設置した回転軸を回動中心として、回転することを特徴とし
た請求項5又は請求項
6のいずれかに記載の根切除装置。
【請求項9】
案内板の回動に伴い、案内板中心側又は案内板周辺側に、支持片端部をガイドするガイドを有することを特徴とし
た請求項5又は請求項
6又は請求項8のいずれかに記載の根切除装置。
【請求項10】
前記押圧部は鱗茎野菜を押圧する押圧面と、
該押圧面は鱗茎野菜の茎部を突出させるための切欠部と、
を備えたことを特徴とした請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8又は請求項9のいずれかに記載の根切除装置。
【請求項11】
押圧部に一部開口した切欠部に、鱗茎野菜の茎部分を逃がし、押圧部で鱗茎野菜を上から抑えることを特徴とした請求項1
0に記載の根切除装置。
【請求項12】
前記切削刃は、前記載置部の移動によって前記載置部から突出することを特徴とした請求項2に記載の根切除装置。
【請求項13】
前記操作部は、
一連の操作によって、押圧部及び前記保持部のそれぞれを動作させ、
鱗茎野菜に向かって移動する保持部で、鱗茎野菜の周囲を挟む移動をして支持した後、押圧部で鱗茎野菜を上下方向に押圧して、位置決めすることを特徴とした請求項1に記載の根切除装置。
【請求項14】
前記押圧部の上下方向の作動ストロークを、保持部で、鱗茎野菜の周囲を挟む移動をして鱗茎野菜を支持した後に、鱗茎野菜に上下方向に接触する作動ストローク、としたことを特徴とした請求項1又は請求項10又は請求項11又は請求項13のいずれかに記載の根切除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、根切除装置に係る。詳細には、ニンニク等の鱗茎野菜の毛根を切除するための根切除装置に関するものである。さらに詳細には、食用として出荷調整するためにニンニク等の鱗茎野菜の盤茎を切除する根切除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ニンニクは、その毛根を根元からきれいに切除されてから市場に出荷されることが望まれている。従来から、ニンニク等の鱗茎野菜の根部を切除する装置として、特開平7-250664号公報(特許文献1)の「ニンニク等の毛根切断装置」、特開2017-38586号公報(特許文献2)の「毛根切削装置」が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された「ニンニク等の毛根切断装置」は、「ニンニク等を載置するバケットを搬送体に取り付けて移動する搬送部を形成する。バケットの移動軌跡にそって近接させて、毛根切断カッタを配置して毛根切断装置を形成する。この切断カッタの前段階でニンニク等の毛根を圧着支持する把持装置を搬送体の一側部に近接させて配置したこと特徴としたニンニク等の毛根切断装置。」からなる。
【0004】
特許文献2に開示された「毛根切削装置」は、「切削刃を先端に備える毛根切削機構装置と、食物玉体を固定して設置するための固定設置装置とを備え、固定設置装置は、玉体を固定載置台に設けられた固定手段で固定して挟持してクランプし、ここで玉体を挟持するクランプ力は、切削刃の回転数が60~90rpmに設定されている時に、2.5~3.5kgに設定され、よって切削刃を玉体に当て、押し込むことにより毛根を切削する毛根切削装置。」からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平7-250664公報
【文献】特開2017-38586公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ニンニクの収穫から出荷までの流れを説明する。ニンニクは土壌から掘って収穫後、1次処理として茎部及び根部をある程度短く切断する。その後、ニンニクは一定期間、乾燥と共に貯蔵された後、2次処理として出荷時に改めて根部及び茎部及び表皮を手作業等で完全に除去した後に市場に出荷される。根部は盤茎と呼ばれる根の鱗茎底部の中央部を取り除かれることで、カビや腐敗の原因となる菌類の繁殖を防止すると共に商品価値を高めている。
【0007】
特許文献1に示された「ニンニク等の毛根切断装置」は、ニンニク等を載置するバケットを搬送体に取り付けて移動する搬送部と、バケットの側部に毛根切断カッタを当接させてニンニク等の毛根切断するものである。しかし、特許文献1に示された「ニンニク等の毛根切断装置」では、ニンニクの鱗茎部より窪んだ位置から生えている盤茎と呼ばれる根部を切断カッタでは完全には除去することはできない。
【0008】
特許文献2に示された「毛根切削装置」は、ニンニクの毛根を完全に除去するために載置台に根部を上方に向けてニンニク等の玉体を載置し、載置台上のクランプ部材でニンニク等の玉体を固定した後に、回転する切削用刃を下方に押下してニンニクの根部を切削していくものである。しかし、特許文献2に示された「毛根切削装置」では、連続して大量のニンニクの根部を切削するには、ニンニク等の玉体を固定するためのレバー操作と、回転する切削用刃を下方に押下するためのレバー操作が必要であり、作業効率が悪い。
【0009】
したがって、本発明は上記問題点に着眼してなされたものであり、作業者が簡単に扱うことが可能で、ニンニク等の鱗茎野菜の根部の切除が容易で効率的にできる根切除装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、
鱗茎野菜の根部を切除するための駆動部を有した根切除部と、
前記根切除部に向けて鱗茎野菜を押圧する押圧部と、
前記根切除部、前記押圧部の間に配置され、鱗茎野菜の根部を前記根切除部に向けて鱗茎野菜を載置する載置部と、
前記押圧部及び保持部のそれぞれを連動させて動作させる操作部と、を備え、
前記載置部は、鱗茎野菜を載置すると共に根部を露出させる孔部を有した載置板と、
前記駆動部の回転軸の軸方向と平行方向に移動可能なスライド部と、
前記載置板に設置され鱗茎野菜の周囲を支持するために支持動作が可能で複数の支持片を有した保持部と、
を備えたことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0011】
この発明は、更に、
前記根切除部は、根部に向って配置された複数の刃部を有し、前記駆動部によって回転駆動させて根部を切除するための切削刃と、
を備えたことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0012】
この発明は、更に、
前記載置部は、前記スライド部による移動量を規制するための規制部と、
を備えたことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0013】
この発明は、更に、
前記規制部は、孔部を囲むように設置した円環状のベース上に高さの異なる突起を並べてなる、
ことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0014】
この発明は、更に、
前記保持部に複数備えた前記支持片の支持動作は、それぞれ同時に連動させて動作させる案内板と、
を備えたことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0015】
この発明は、更に、
前記案内板は、案内板周囲に設置するローラにより支持される、
ことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0016】
この発明は、更に、
前記支持片は、平面視ヘ字状からなる、
ことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0017】
この発明は、更に、
前記支持片は、案内板の外周付近に設置した回転軸を回動中心として、回転する、
ことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0018】
この発明は、更に、
案内板の回動に伴い、案内板中心側又は案内板周辺側に、支持片端部をガイドするガイドを有する、
ことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0019】
この発明は、更に、
前記押圧部は鱗茎野菜を押圧する押圧面と、
該押圧面は鱗茎野菜の茎部を突出させるための切欠部と、
を備えたことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0020】
この発明は、更に、
押圧部に一部開口した切欠部に、鱗茎野菜の茎部分を逃がし、押圧部で鱗茎野菜を上から抑えることを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0021】
この発明は、更に、
前記切削刃は、前記載置部の移動によって前記載置部から突出する、
ことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0022】
この発明は、更に、
前記操作部は、
一連の操作によって、押圧部及び前記保持部のそれぞれを動作させ、
鱗茎野菜に向かって移動する保持部で、鱗茎野菜の周囲を挟む移動をして支持した後、押圧部で鱗茎野菜を上下方向に押圧して、位置決めする、
ことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【0023】
この発明は、更に、
前記押圧部の上下方向の作動ストロークを、保持部で、鱗茎野菜の周囲を挟む移動をして鱗茎野菜を支持した後に、鱗茎野菜に上下方向に接触する作動ストローク、とした、
ことを特徴とした根切除装置、
からなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、作業者が簡単に扱うことが可能で、ニンニク等の鱗茎野菜の根部の切除が容易で効率的にできる根切除装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の正面図である。
【
図2】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の左側面図である。
【
図3】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の平面断面図であって
図1のCC断面図である。操作部(押圧部)押下前の状態をあらわす。
【
図4】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の側部断面図であって
図1のAA断面図である。操作部(押圧部)押下前の状態をあらわす。
【
図5】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の側部断面図であって
図1のBB断面図である。操作部(押圧部)押下前の状態をあらわす。
【
図6】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の保持部平面断面図であって
図1のDD断面図である。操作部(押圧部)押下前の状態をあらわす。
【
図7】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の保持部断面図である。
【
図8】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の平面断面図であって
図1のEE断面図である
【
図9】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の規制部の模式図である。
【
図10】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の左側面図である。操作部(押圧部)押下後の状態をあらわす。
【
図11】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の側部断面図であって
図1のAA断面図である。操作部(押圧部)押下後の状態をあらわす。
【
図12】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の側部断面図であって
図1のBB断面図である。操作部(押圧部)押下後の状態をあらわす。
【
図13】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の保持部平面断面図であって
図1のDD断面図である。操作部(押圧部)押下後の状態をあらわす。
【
図14】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の案内板を図示する保持部拡大平面図である。操作部(押圧部)押下前の状態をあらわす。
【
図15】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の案内板を図示しない保持部拡大平面図である。操作部(押圧部)押下前の状態をあらわす。
【
図16】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の案内板側部拡大断面図である。操作部(押圧部)押下前の状態をあらわす。
【
図17】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の案内板を図示する保持部拡大平面図である。操作部(押圧部)押下後の状態をあらわす。
【
図18】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の案内板を図示しない保持部拡大平面図である。操作部(押圧部)押下後の状態をあらわす。
【
図19】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の案内板側部拡大断面図である。操作部(押圧部)押下後の状態をあらわす。
【
図20】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の支持片平面図である。
【
図21】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の支持片正面図である。
【
図22】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の支持片側面図である。
【
図23】この発明の実施の形態に係る第1実施例の根切除装置の押圧面の作動の概念図である。
【
図24】この発明の実施の形態に係る第2実施例の根切除装置の規制部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この発明の実施例に係る根切除装置について説明する。
11は、根切除装置である。この発明の第1実施例に係る根切除装置11は、
図1に図示する作業者が位置する前面を開口した、全体として直方体からなる。根切除装置11は、鱗茎野菜W、例えばにんにくの根切りを行う。根切除装置11は、押圧部41、載置部21、保持部31、根切除部51を上から順に設置する。
12は、ベース板である。載置部21は、ベース板12上に設置する。
【0027】
載置部21について説明する。
載置部21は、根切除部51と押圧部41の間に配置する。載置部21は、鱗茎野菜Wの根部を下方にある根切除部51に向けて、鱗茎野菜Wを載置する。
載置部21は、載置板22と、載置板22上に設置する保持部31を上下に積層する。載置板22は、板状態からなり、中央に孔部24を設ける。載置板22に設けた孔部24上に、鱗茎野菜Wを載置する。孔部24からは、載置板22に載置した鱗茎野菜Wの根部を露出させる。
【0028】
23は、載置板カバーである。載置板カバー23は、載置板22及び保持部31からなる載置部21全体を被覆する。
25は、スポンジ状部材である。スポンジ状部材25は、載置板22の下面周辺周囲に下方に突起させて設ける。スポンジ状部材25は、切削カバー56と、載置板22との隙間を常時塞いで、切削後の鱗茎野菜Wの根の飛散を防止する。
【0029】
保持部31について説明する。
保持部31は、根切除装置11の中央部の載置部21上に載置部21上と平行に設置する。保持部31は、案内板32、支持片33、ローラ34を有する。
案内板32は、全体として略中空円盤状あるいは円形輪郭状の板状からなる。案内板32は、載置部21の載置板22上に平行に設置する。案内板32は、外周は円形からなり、中心部に、載置板22に設けた孔部24よりも大きな中空部321を設ける。
【0030】
図6、
図13乃至
図15、
図17、
図18に図示するように、中空部321には、空隙凹部322を等間隔に4箇所設ける。空隙凹部322は、外側に空隙部分を大きくし、外輪部分を幅狭くする。空隙凹部322は、支持片33の自由端を外側に移動したときに収納する支持片33の自由端収納箇所となる。
323は、案内輪である。案内輪323は、円筒状からなり、各空隙凹部322と空隙凹部322との間の外輪部分が幅広となった部分の案内板32表面から等間隔の4箇所に、ピン324により下方に突設させる。
326は、係合片である。係合片326は、
図3、
図6、
図13乃至
図15、
図17、
図18に図示するように、案内板32の外周の一端から外側に突設させる。
【0031】
支持片33は、
図6、
図13乃至
図15、
図17、
図18に図示するように、平面視全体として略く字状の板状体からなる。支持片33は、平面視く字状となった湾曲部の内側面を、案内板32内側に向けて設置する。
支持片33の平面視く字状となった湾曲部の内側面で、載置板22に設置された鱗茎野菜Wの側方部を支持及び支持解除する。支持片33は、この第1実施例では4個からなる。
331は、支持支点軸であって支持片回転軸である。支持支点軸331は、案内板32の外周のベース板12の板面上に等間隔に90°間隔で上方に向けて、4個設置する。333は、ボルトである。
図7等に図示する332は、係止部材であり、座金である。
【0032】
図7、
図21、
図22に図示する、334は支持板、335は緩衝部材である。支持板334は、
図21、
図22に図示するように、断面L字状からなり、支持片33に、L字状片の一片を縦方向に突設させて取り付ける。そのため、支持板334は、L字状片の一片を案内板32の中空部321から縦方向に突設する。
緩衝部材335は、支持片33の、支持板334が取り付けられる案内板32および支持板334の中空部321側の面すなわち鱗茎野菜W側の面に取り付ける。緩衝部材335は、スポンジ等の緩衝部材からなる。緩衝部材335は、鱗茎野菜Wに直接支持板334が当たって鱗茎野菜Wに傷つけるのを避けることができる。
【0033】
図20、
図21に図示する337は、支持片回動支点である。支持片回動支点337は、支持片33の一端に設ける。支持片33は、支持片回動支点337で、一端を案内板32に設けた支持支点軸331に回動自在に取り付け、支持支点軸331を回動中心として案内板32に対して回動する。
支持支点軸331は、ボルト333により案内板32に取り付け、支持片33の回動軸となる。
【0034】
図3、
図6、
図13乃至
図15、
図17、
図18に図示する336は、案内孔である。案内孔336は、図示するように、支持片33の長手方向の一部に沿って長孔状に設ける。案内孔336は、案内板32に取り付ける案内輪323を嵌めて、案内輪323をガイドする。
案内板32の回動に伴い、支持支点軸331を回動中心として支持片33を回動すると、案内孔336にガイドされた案内輪323の可動範囲で支持片33の自由端は、中心方向すなわち鱗茎野菜W方向と、外側方向すなわち鱗茎野菜Wから離れる方向に移動可能である。
【0035】
ローラ34は、
図6等に図示するように、この第1実施例では、案内板32周囲に等間隔に4か所設置する。ローラ34は、支持片33の回動軸と同軸の支持支点軸331に取り付け、支持支点軸331を回動軸として回動自在とする。但し、ローラ34は回転するだけで、駆動はしない。
案内板32は、案内板32周囲に設置するローラ34により支持される。案内板32の仮想上の回動中心点はあるが、案内板32の中心には切削刃52を設置するため、回転軸は設けられない。
中空部321中心の、載置板22の孔部24に載置した鱗茎野菜W周囲で、支持片33の自由端が作動する。
【0036】
325は付勢手段である。この第1実施例では、付勢手段325は引張バネあるいはコイルばねからなる。付勢手段325は、一端は載置板22に取り付け、他端は案内板32に取り付ける。
付勢手段325は、係合片326が、係合金具84に係合する方向に付勢し、支持片33は、案内孔336と案内孔336にガイドされた案内輪323に従い、支持片33がニンニク等鱗茎野菜Wを支持する方向、支持片33の自由端が内側に移動する方向に案内板32を常時付勢する。案内板32の回動は、係合片326が係合金具84に係止することで停止される。係合片326と係合金具84との係止解除することで、案内板32は、係合片326が係合金具84を乗り越える方向に図中反時計回りに回動する。
押圧部41の押下と共に、案内板32は、係合片326が係合金具84を乗り越える方 向の図中反時計回りに回動して鱗茎野菜Wの側部を自動支持させる。操作部81の操作レバーを押し上げることによって、案内板32は、係合片326が係合金具84と離れる方向の図中時計回りに回動して、係合金具84が案内板32に設けた係合片326を付勢手段325の付勢に抗して支持解除する。係合金具84は後述する操作部81に備えられた部材であり、この操作部81の詳細は後述する。
【0037】
次に押圧部41について説明する。
押圧部41は、載置部21の上部に、載置部21と平行に設ける。押圧部41は、押圧本体部材411、押圧台412、押圧面413、切欠部414、緩衝部材415を有する。
押圧本体部材411は、押圧部41を上下動するためのベースであり、根切除装置11の幅方向に設置する。押圧台412は、押圧面413を有する緩衝部材415の取付け基部となる。押圧部41は、押圧台412を、押圧本体部材411の下面に取り付けて固定する。
【0038】
441は、押圧部用スライドシャフト、442は、スライドベアリングである。
押圧部用スライドシャフト441は、
図1、
図2等に図示するように、根切除装置11の両幅方向端部に上下方向にそれぞれ計2本設置する。押圧部用スライドシャフト441の下端は、ベース板12に固定する。スライドベアリング442は、押圧部用スライドシャフト441に上下にスライド自在に取り付ける。
スライドベアリング442に押圧本体部材411を取り付ける。そのため、押圧本体部材411は上下にスライド自在であり、押圧本体部材411、押圧台412、緩衝部材415を有する押圧部41も一体として上下にスライド自在である。
【0039】
押圧部41は、根切除部51に向けて鱗茎野菜Wを上から押圧する。押圧面413は、鱗茎野菜を押圧する。
押圧部41に一部開口した切欠部414に、鱗茎野菜の茎部分を逃がし、すなわち切欠部414に入れて、押圧部41の押圧面413で鱗茎野菜を上から押さえる。
【0040】
緩衝部材415は、押圧台412の下方すなわち鱗茎野菜Wと接触面側に取り付ける。切欠部414が、鱗茎野菜Wと接触することで、鱗茎野菜Wに傷つけることを避けるために取り付ける。押圧面413は、緩衝部材415の鱗茎野菜Wとの接触面である。
切欠部414は、
図3に図示するように、押圧面413中央に
図1、
図3手前側の作業者側に開口部を向けて奥側にかけて、平面視U字状の凹部を緩衝部材415に設ける。切欠部414は、押圧部41の押圧面413による鱗茎野菜W押圧時に、押圧面413が鱗茎野菜Wの茎部と接触するのを避け、鱗茎野菜Wの茎部を切欠部414から突出させるための、凹みである。緩衝部材415は、切欠部414の開口部周囲に設ける。
【0041】
42は、付勢体である。付勢体42は、引張バネからなり、根切除装置11の天井面に一端を取り付け、他端を第2押圧リンク部材432に取り付ける。
押圧部41は、図示した付勢体42よって常時上方に付勢する。付勢体42は、押圧部41の引き上げに要する力を軽減する。
【0042】
433は、回動支点軸である。回動支点軸433は、根切除装置11の上部幅方向に架け渡す。431は、第1押圧リンク部材、432は、第2押圧リンク部材である。第1押圧リンク部材431は、
図2、
図4、
図5、
図10乃至
図12、
図16、
図19に図示するようにく字状からなる。第1押圧リンク部材431は、ほぼ中央のく字状の折れ曲げ点で、回動支点軸433に、回動自在に取り付ける。
第1押圧リンク部材431の上端には第2押圧リンク部材取付け軸4311を設ける。第1押圧リンク部材431の下端には、ケーブル取付け軸4312を設ける。
【0043】
第2押圧リンク部材432は、直線状からなる。第1押圧リンク部材431の一端である上端で第2押圧リンク部材取付け軸4311により第2押圧リンク部材432の一端を回動自在に取り付ける。
第2押圧リンク部材432の他端は、回動自在に、押圧本体部材411に取り付ける。
【0044】
次に、根切除部51について説明する。根切除部51は、切削刃52、回転軸53、駆動部54を有する。
根切除部51は、載置部21の載置板22中央に設けた孔部24の下部に載置する鱗茎野菜Wの根部に向かって設ける。
521は、刃部である。刃部521は、複数からなって切削刃52を構成し、孔部24の下部の根部に向って配置する。
【0045】
刃部521は回転軌跡が円錐状であるため鱗茎野菜Wの根部を効率よく切除できる。また刃部521を複数配置することで、切削刃52が1回転当りに切除する根部を多くでき、効率的である。
回転軸53は、切削刃52の下部に根切除装置11に縦方向に平行に、載置部21のベース板12上から垂直に取り付ける。駆動部54は、この第1実施例では電動モータからなり、回転軸53を駆動し、切削刃52を駆動する。541は、根切除装置11の駆動部54駆動用スイッチである。駆動用スイッチ541は、駆動部54の駆動の入切をする。
【0046】
切削刃52は、載置部21の移動によって載置部21から突出する。根切除部51は、駆動部54の駆動により、駆動部54によって回転駆動させて、載置板22の孔部24に載置した鱗茎野菜Wの根部を切除する。
531は、回転羽根である。回転羽根531は、
図1、
図11等に図示するように、円盤状で回転軸53基部に取り付ける。
532は、羽根である。羽根532は、
図1、
図4、
図8、
図11等に図示するように回転羽根531上に取り付け、先端を設置される鱗茎野菜Wの根部方向に向けて突設して設ける。羽根532の先端は回転軸53の回転方向後方側に向けてやや斜めに設ける。回転羽根531、羽根532は、回転しながら、切削刃52で切削された鱗茎野菜Wの根部を外側に排除する。
【0047】
55は、根排除部である。根排除部55は、回転羽根531、羽根532により排除された鱗茎野菜Wの根部を収納する。
56は、切削カバーである。切削カバー56は、切削刃52、回転軸53、回転羽根531、羽根532を被覆する。
図3乃至
図5等に図示する57は、切除排出口である。切除排出口57は、排除された鱗茎野菜Wの根部を切削カバー56の内側面に沿わせて排出する。
【0048】
次に、スライド部61について説明する。
61は、スライド部である。スライド部61は、スライドシャフト62、スライドベアリング63、付勢体64を有する。スライドシャフト62は、4本からなり、上端にスライドベアリング63を取り付ける。スライドシャフト62は、上端で、載置部21の載置板22の四隅にスライドベアリング63を介して固定する。スライド部61のスライドシャフト62下端は、ベース板12に固定する。
【0049】
付勢体64は、スライドベアリング63を常に上方に付勢している。そのため、載置部21はスライド部61によって、駆動部54の回転軸53の軸方向と平行方向に移動可能である。
押圧部41の押下により、載置部21に載置された鱗茎野菜Wを介して載置部21を押下する。載置部21の下方への移動により、切削刃52は載置部21に近接し、載置部21に載置された鱗茎野菜Wの根部を切除することが可能となる。押圧部41の押下解除と共に付勢体64によって載置部21を押し上げて、切削刃52から載置部21を離し、鱗茎野菜Wの根部切除を終了する。
【0050】
次に、規制部71について説明する。
71は規制部、72は規制部材である。規制部材72は、
図1、
図13に図示するように、2本からなり、この第1実施例では、ボルトからなる。規制部材72の上端は、図示するように、載置部21の載置板22図中手前側の作業者側と奥側の中間部両端付近に取り付ける。規制部材72の下端は、固定しない。
図8、
図9に図示する73は、調整板である。調整板73は、円環板状体からなり、回転軸53を中心としてベース板12上に取り付ける。
74は、調整部である。この第1実施例において調整部74は、複数の調整突起74a、74b、74c、74d、74eからなる。
【0051】
図8、
図9に図示するように、規制部71は、回転軸53及び孔部24を囲むように設置した円環状の調整板73上に、順次高さの異なる上方に凸状とする調整突起74a、74b、74c、74d、74eを並べて固定してなる。
調整突起74a、74b、74c、74d、74eは、片側5点、時計方向に向かうに従って突起高さが低くなる。作業時においては、調整突起の突起高さが低くなるにしたがい、根部を削る量すなわち深さが大きくなる。
調整突起74a、74b、74c、74d、74eは、
図8に図示するように、回転軸53を挟んで対象に2セット設置する。対称位置にある調整突起74a、74b、74c、74d、74eはそれぞれ同一高さの調整突起とする。
【0052】
図8に図示する、762は規制部回動用案内孔、761は抜け止め用ボルトナットである。規制部回動用案内孔762は、ベース12表面に、円弧状に設け、調整板73の回転軸53を回転中心とする移動をガイドする。
抜け止め用ボルトナット761は、上端で調整板73に固定し、下端を規制部回動用案内孔762に嵌合する。抜け止め用ボルトナット761が、規制部回動用案内孔762に沿って移動することで、調整板73が規制部回動用案内孔762に沿って移動するのをガイドする。
【0053】
図8において、751は連結軸、752は調整用連結板である。連結軸751は、調整用連結板752の一端と調整板73の一端を取り付ける。
773は、長孔である。長孔773は、調整用連結板752の移動方向に沿ってベース12表面に直線状に設け、調整用連結板752の移動をガイドする。
【0054】
771はつまみ、772は目印板である。つまみ771、目印板772ともに、調整用連結板752の連結軸751との反対端部に取り付ける。目印板772は、長孔773に嵌合して、長孔773にそって移動する。つまみ771で目印板772を、長孔773に沿って移動することで、調整用連結板752を移動し、調整用連結板752に連結軸751で取り付ける調整板73を、規制部回動用案内孔762に沿って移動する。
調整板73の移動により、調整突起74a、74b、74c、74d、74eを移動し、規制部材72下端に当接する調整突起74a、74b、74c、74d、74eの調整突起を変える。規制部材72の下端に当接する調整突起を変え、高さを変えることで、規制部材72の上下動を規制させ、載置部21のスライド部61による移動量を規制する。
【0055】
規制部71は、規制部材72を上下動させることで、載置部21のスライド部61による移動量を規制する。
図8、
図9に図示する第1実施例では、5点の高さの異なる調整突起74a、74b、74c、74d、74eを規制部材72に当てて、載置部21の下方への移動を規制している。これによって、ニンニク等鱗茎野菜W根部の切削高さを調整できる。生育状況や品種によってニンニク等鱗茎野菜W底部から引っ込んでいる根部盤茎をより多く効率的に取り除くことができる。
【0056】
図24に図示の第2実施例において調整部74は、傾斜させたスロープからなる。
規制部材72はボルトであることに限定は無く、載置部21載置板22の高さ調整のつっかえになるものであれば何でもよい。例えば、単純な棒部材などでも可能である。また、図示した調整突起74a、74b、74c、74d、74eは、段階的に選択できるようになっているが、
図24に図示の第2実施例では傾斜した端面を上部に向けた板状のものを設けてなる。この場合、切削高さを調整は段階的な規制はなくなるため、さらに微調整が可能である。
【0057】
次に、操作部81について説明する。
操作部81は、押圧部41及び保持部31のそれぞれを操作部81の一連の動作に連動させて動作させる。
操作部81は、レバー82を有する。821は、握り用部材である。握り用部材821はレバー82の端部に、作業者が握りやすく経大とする。レバー82は、握り用部材821を設けた部分から途中までは
図1に図示するように根切除装置11側面と平行に設置するが、途中の折り曲げ部822で直角に折り曲げ、先端を根切除装置11内側に突設させる。
【0058】
83は、レバー回動ボスである。レバー回動ボス83は、根切除装置11の側面にとりつける。レバー回動ボス83は、折り曲げ部822で直角に折り曲げたレバー82の回動自在な軸受であり、操作レバー支点831となる。レバー82は、握り用部材821から折り曲げ部822までの延長上に、ケーブル取り付け金具823を取り付ける。ケーブル取り付け金具823と、折り曲げ部822で直角に折り曲げたレバー82とは直角の関係になる。
レバー82は、操作レバー支点831を回動中心として、
図1手前側の作業者側および上方に回動可能である。レバー回動ボス83すなわち操作レバー支点831を回動中心として根切除装置11内のレバー82も、レバー82を回動軸として回動する。他方、レバー82先端に取り付けたケーブル取り付け金具823は、操作レバー支点831を回動中心とするレバー82の回動により、上下動する。
【0059】
レバー回動ボス83よりも、根切除装置11内側に位置するレバー82先端には、係合金具84を取り付ける。操作レバー支点831を回動中心とするレバー82の回動により回動に伴い係合金具84先端は、
図1手前側である作業者側および奥側に移動する。
係合金具84は、案内板32に設けた係合片326に係止している。そのため、操作レバー支点831を回動中心とするレバー82の回動により、係合金具84先端の、レバー82の回動に伴う、
図1手前側である作業者側および奥側への作動に連動して移動し、保持部31を作動する。
【0060】
85は、ケーブルである。握り用部材821から折り曲げ部822までの延長上にレバー82の折り曲げ部822より先端に取り付けたケーブル取り付け金具823に、ケーブル85の一端は取り付ける。そのため、操作レバー支点831を回動中心とするレバー82の回動により、ケーブル取り付け金具823先端は、上下動する。
図2に図示するように、ケーブル取り付け金具823先端に取り付けられたケーブル85は、引っ張られる、あるいは、戻される。
【0061】
ケーブル85の他端は、
図2、
図4、
図5、
図10~
図12に図示するように、根切除装置11側部に取り付けたケーブル取付け部851にガイドされて、根切除装置11内に入り、第1押圧リンク部材431の下端に設けたケーブル取付け軸4312に連結する。
すなわち、ケーブル85の他端は、回動支点軸433で回動自在である第1押圧リンク部材431と連結し、第1押圧リンク部材431の第2押圧リンク部材取付け軸4311で第2押圧リンク部材432に連結し、第2押圧リンク部材432の他端に回動自在に取り付ける押圧本体部材411に連結する。
そのため、ケーブル85の作動により、第1押圧リンク部材431、第2押圧リンク部材432を介して、押圧部41を作動する。
【0062】
操作部81は、一連のレバー82の操作によって、押圧部41及び保持部31のそれぞれを動作させ、押圧部41及び保持部31の作動を連動させる。
鱗茎野菜Wを載置した中心に向かって移動する保持部31で、鱗茎野菜Wの周囲を挟む移動をして鱗茎野菜Wを支持した後、押圧部41で鱗茎野菜Wを上下方向に押圧して、位置決めする。次いで、保持部31及び押圧部41及び載置板22で挟まれた内側でニンニク等鱗茎野菜Wを挟むと共に鱗茎野菜Wを介して載置板22を下方に移動させる。下方に移動した載置板22の孔部24から切削刃52が相対的に突出して、孔部24上に位置する鱗茎野菜Wの根部を切除する。
押圧部41の上下方向の作動ストローク長を、保持部31で、鱗茎野菜Wの周囲を挟む移動をして鱗茎野菜Wを支持した後に、押圧部41が押圧部用スライドシャフト441に沿って、押圧面413の
図2、
図4、
図5、
図23に図示するA位置から、押圧面413の
図1、
図10乃至
図12、
図23に図示するB位置に、鱗茎野菜Wに上下方向に接触する作動ストロークlとした。根部の切除は、保持部31で鱗茎野菜Wの周囲を支持した後に載置部21を移動させる工程であるため、押圧部41の高さの初期設定が重要となる。
【0063】
すなわち、この実施例では、レバー82の下方側への操作に連動する、保持部31の横方向の作動と、続いて起きる押圧部41が鱗茎野菜Wを介して起こす載置部21の縦方向の作動に時間差あるいは、距離差を設ける。
図23に図示するように、押圧部41の押圧面413が移動する上端のA位置から、第2押圧リンク部材取付け軸4311を介して上下動する押圧面413のストロークlの、下端B位置に行くまでに、ニンニク等鱗茎野菜Wを保持部31によって水平方向につかみ終わる。
保持部31内側に位置する鱗茎野菜Wの側方周囲は、付勢部材325の付勢力のみで支持板334によって保持される。保持部31が、鱗茎野菜Wを水平方向につかみ終わり閉じてから押圧面413はニンニク等鱗茎野菜Wに接触する。
【0064】
さらにレバー82を下方に回動操作をすると、押圧部41が鱗茎野菜Wを介して載置部21を下方へ移動させ、次いで、孔部24から切削刃52が相対的に突出することによって孔部24上に位置する鱗茎野菜Wの根部を切除する。
この実施例では、押圧部用スライドシャフト441に沿った押圧部41の上下方向の作動ストロークlで、押圧部41及び保持部31の作動を調整したが、ケーブルの作動当初作動をキャンセルする機構としてもよい。
すなわち、ケーブル取付け軸4312と係合するケーブル85の取り付け孔を長穴化することで不感帯を生じさせて、レバー82と第1押圧リンク部材431の連動に時間差をつける。結果、レバー82のみで保持部31による保持動作後に、押圧部41の下方移動が開始される。
【0065】
さらに、ギヤを用いて押圧部41及び保持部31の作動速度を変更する機構を用いても、押圧部41及び保持部31の作動を調整することも考えられる。具体的には、レバー82の回動運動を複数のギヤを用いて第1押圧リンク部材431の回動動作するように伝動させ、さらに変速比を調整することによって保持部31の保持動作後に押圧部41による鱗茎野菜Wの押圧動作を行う機構である。
本実施例では、ワンアクションで、レバーとワイヤーの簡単な構造で、一連のレバー82の操作によって、押圧部41及び保持部31のそれぞれを動作させ、押圧部41及び保持部31の作動を連動させる。さらに、保持部31の水平移動の後、押圧部41によって載置部21を垂直移動させるように時間差あるいは距離差を設けている。
【0066】
付勢部材325は、常に支持片33をしぼみ方向、すなわち
図13、
図17、
図18に図示する支持片33の自由端が内側に入る状態方向に付勢する。
操作部81の一連のレバー82の操作によって、ある程度までは、係合金具84は、係合片326と一緒に移動する。
【0067】
操作部81の一連のレバー82の操作について説明する。
レバー82を押下げると、係合金具84と係合片326が係止して、
図6、
図14、15に図示する状態から、係合金具84と係合片326が回動して、案内板32を回転して
図3、
図13、
図17、
図18に図示する方向に係合片326を回動する。すると、案内板32は付勢部材325の付勢力によって回転する。案内板32が回転すると、支持片33は動作して、支持片33の自由端が内側に入る。更に、レバー82を引くと係合金具84から係合片326が離れる。支持片33の自由端が更に内側に入る。
押圧部41の押下と共に支持片33は鱗茎野菜Wの側部を自動支持させる。また、操作部81のレバー82を押し上げることによって、係合金具84が案内板32に設けた係合片326を付勢部材325のバネの付勢に抗して、案内板32が回転させて支持片33の支持解除する。
【0068】
保持部31に複数備えた支持片33は、案内板32の外周付近に中心から離して設置した支持支点軸331を回動中心として、回転し、支持片33の支持動作は、案内板32の回動に伴いそれぞれ同時に連動させて動作する。
レバー82の押下げ操作により、保持部31でニンニク等の鱗茎野菜Wを支持すると共に、押圧部41を押下する。押圧部41の押下によって鱗茎野菜W(ニンニク)及び載置部21を押下できる。
保持部31の複数ある支持片33は案内板32によって同時動作するので、レバー82操作で載置部21の押下と共に鱗茎野菜Wの盤茎を孔部24の中央部に位置させつつ、固定、支持することができる。
【0069】
載置部21を押下によって、下方に位置する回転駆動された切削刃52は載置板22から突出して鱗茎野菜Wの盤茎を切除することができる。
載置部21を押下量すなわち移動量は、規制部71によって調整されることで、個体差がある鱗茎野菜Wの盤茎の切除深さを調整できる。
【0070】
押圧部41に一部開口する構造からなる切欠部414を設けることで鱗茎野菜Wの茎部を避けて押圧できると共に、載置板22へスムーズに載置できる。押圧部41並びに押圧面413を避けることなく正面から載置することができる。
また、ニンニク等鱗茎野菜Wの茎部が傾いていても、傾いた方向を切欠きの開放側、すなわち、開放されている
図1手前側の作業者側、に向けることで、ニンニク等鱗茎野菜Wに対する本発明の装置の適応性を向上できる。作業上も容易となる。
【0071】
操作部81のレバー82からの力の伝達経路は以下の通りである。
保持部31については、以下作動する。
操作部81のレバー82を
図1手前側の作業者側に押し下げる。すると、レバー82の、操作レバー支点831であるレバー回動ボス83で軸受けされ、折り曲げ部822で直角に折り曲げたレバー82の先が回動軸となり、回動する。
【0072】
操作レバー支点831であるレバー回動ボス83を回動中心とするレバー82の回動により係合金具84先端は、レバー82の回動に伴い、
図1奥側に移動する。
係合金具84は、案内板32に設けた係合片326に係止している。そのため、操作レバー支点831を回動中心とするレバー82の回動により、係合金具84先端の、レバー82の回動に伴う、
図1奥側への作動に連動して移動し、係合金具84先端が
図1奥側及び
図5右側へ回動する。
【0073】
係合金具84先端が
図1奥側及び
図5右側へ回動すると、
図6、
図14、
図15に図示する状態から、
図3、
図13、
図17、
図18に図示する状態に、案内板32を付勢部材325の付勢力により回動させる。
支持片33は、一端の支持片回動支点337をベース板12上に設けた支持支点軸331に回動自在に取り付ける。さらに案内板32の下方に設けた案内輪323を支持片33の長手方向中央部付近に設けた案内孔336内に嵌められている。そのため、案内板32の回動に伴い、支持支点軸331を回動中心として支持片33が回動する。
【0074】
支持片33は案内孔336にガイドされた案内輪323の可動範囲で回動が可能である。案内板32に設けた案内輪323が、案内孔336内で
図14及び
図15に示す位置から反時計方向の
図17及び
図18に示す位置に移動する。
すると、支持片33の自由端は、中心方向すなわち閉じる方向すなわち内かつ鱗茎野菜W方向側に移動する。このようにして鱗茎野菜Wの周囲は支持片33によって保持される。支持片33の保持力は、案内板32を回転方向に付勢している付勢部材325により案内輪323及び案内孔336を介して与えられ、レバー82の回動量とは関連がない。
【0075】
支持片33の自由端はニンニク等鱗茎野菜Wを固定あるいは支持して、保持部31は作動する。
他方、レバー82を押し上げる。すると、順次、逆に作用して、保持部31の他部材が元に復帰する。
【0076】
押圧部41については、以下作動する。
操作部81のレバー82を
図1手前側の作業者側に押し下げるとケーブル85を作動させる。
ケーブル85一端は、握り用部材821から折り曲げ部822までの延長上のレバー82の折り曲げ部822より先端に取り付けたケーブル取り付け金具823に取り付ける。操作レバー支点831を回動中心とするレバー82の回動により、ケーブル取り付け金具823先端は、上下動する。そのため、レバー82を
図1手前側の作業者側に押し下げると、
図2に図示するように、ケーブル取り付け金具823先端に取り付けられた、ケーブル85は、上方側に引っ張られる。
【0077】
ケーブル85を引くと、第1押圧リンク部材431が回転支点軸433を回動中心として、第2押圧リンク部材取付け軸4311を
図2、
図4、
図5、
図16図中左側に回動する。
第2押圧リンク部材取付け軸4311を
図2、
図4、
図5、
図16図中左側に回動すると、
図10乃至
図12、
図19に図示するように、第1押圧リンク部材431の上端に設けられた第2押圧リンク部材取付け軸4311で第1押圧リンク部材431に取り付けられた第2押圧リンク部材432は、第1押圧リンク部材431の作動に押されて、下方に移動する。
【0078】
第2押圧リンク部材432が下方に移動すると、押圧部41が下方に移動する。この時点で、支持片33による鱗茎野菜Wの保持が終了しているため、支持片33の中心への移動および案内板32も鱗茎野菜Wの保持状態のまま停止している。さらに、押圧部41が下方に移動すると、ニンニク等鱗茎野菜Wを押下げる。
ニンニク等鱗茎野菜Wと共に載置板22も押下げる。押圧部41は、ニンニク等鱗茎野菜Wに当たった後は相対的に載置板22との距離を保ちながらニンニク等鱗茎野菜Wと共に載置板22を押下げる。載置板22を押下は規制部71によって下方への移動が規制され、それ以上の作動、下降はしなくなる。
【0079】
次いで、ニンニク等鱗茎野菜Wの盤茎が相対的に孔部24から突出した根切除部51に接触して、根切除部51の複数の刃部521を有した切削刃52によって切除される。
根切除部51によってニンニク等鱗茎野菜Wの盤茎が切除されると、レバー82を押し上げる。
すると、順次、逆に作用して、押圧部41の他部材が元に復帰する。
【0080】
回転羽根531、羽根532は、回転しながら、切削刃52で切削された鱗茎野菜Wの根部を外側に排除する。根排除部55は、回転羽根531、羽根532により排除された鱗茎野菜Wの根部を収納する。排除された鱗茎野菜Wの根部は、
図3に図示する切除排出口57から排出する。
【0081】
レバー82操作のみで押圧部41でのニンニク等鱗茎野菜Wの押下、支持片33によるニンニク等鱗茎野菜Wの支持、ニンニク等鱗茎野菜Wの根の切除ができる。
【符号の説明】
【0082】
11 根切除装置
21 載置部
22 載置板
24 孔部
31 保持部
33 支持片
41 押圧部
51 根切除部
53 回転軸
54 駆動部
61 スライド部
71 規制部
81 操作部
W 鱗茎野菜