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  • 特許-格子フェンス用ミラー取付具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】格子フェンス用ミラー取付具
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/681 20160101AFI20230104BHJP
   E01F 9/608 20160101ALI20230104BHJP
【FI】
E01F9/681
E01F9/608
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020084997
(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公開番号】P2021179119
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】393006388
【氏名又は名称】信栄物産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】東海 正博
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-038014(JP,U)
【文献】登録実用新案第3007002(JP,U)
【文献】特開2015-138384(JP,A)
【文献】特開2003-213972(JP,A)
【文献】特開2016-093113(JP,A)
【文献】登録実用新案第3002512(JP,U)
【文献】特開2001-336125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/681
E01F 9/608
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子フェンスの隣り合う二本の格子の間隔の二倍よりも長い一辺を有する表裏側当板と、ミラーの支持板とからなり、
前記表裏側当板の上下辺寄りに、等間隔で多数の取付孔を設け、
前記支持板の前記表側当板の上辺寄りに設けられた取付孔の少なくとも二個に合致する個所に二個の取付孔を設け、前記支持板の前記表側当板の下辺寄りに設けられた取付孔の少なくとも二個に合致する個所に二個の取付孔を設けたことを特徴とする格子フェンス用ミラー取付具。
【請求項2】
前記支持板は、前記表側当板に着脱自在とした当接体と、この当接体に一体として設けたミラーの支持体からなることを特徴とする請求項1に記載の格子フェンス用ミラー取付具。
【請求項3】
前記支持板は、前記表側当板に着脱自在とした当接体と、この当接体に別体として設けたミラーの支持体からなることを特徴とする請求項1に記載の格子フェンス用ミラー取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の出入口やガレ-ジなどに立設されている格子フェンスに安全確認ミラーなどを取り付けるための格子フェンス用ミラー取付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、安全確認ミラーは、地面などに立設された支柱に取り付けられていた。このような取付具としては、例えば図6に示したように、一対の帯体11、12を支柱13の外形に略合わせて湾曲したものとしており、この支柱13に挟着するようにしたものが存在する(特許文献1)。
【0003】
前記取付具は、帯体11、12を対向配置にしたとき、片側両端部で揺動可能に連結され、かつ他側両端部で締結されるように形成されており、これら帯体11、12のすくなくとも一方に安全確認ミラーを着脱自在に固定する係止部14を固着したものとしている。
【0004】
さらに、従来の安全確認ミラーの取付具としては、例えば図7に示したように、保持具21と継手具23とからなるものが存在する(特許文献2)。
【0005】
前記保持具21は、ボルト・ナット結合を介して支柱23に取付けられる二個の半体24、24を備えている。そして、一方の半体24には安全確認ミラー25を取付ける連結部26を突設している。この連結部26に凹凸圧接面部27を一体形成している。また、継手具22は帯板状の板片の長軸廻りに捩じりを加えて、板片の両端部が90°の相対関係に形成されている。さらに、両端部に凹凸圧接面部(図示せず)を一体形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開平5-38014号公報
【文献】登録実用新案第3007002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された安全確認ミラーの取付具では、帯体の締結用ボルト・ナットを緩めてこれを取り外しすれば、支柱から直ちに外すことができ、従来のように一旦締結用ボルト・ナットを緩めて支柱の頭部まで持ち上げる必要性がなくなるとしている。
【0008】
特許文献2に記載された安全確認ミラーの取付具では、安全確認ミラーを確実に支柱に取付けることができ、かつ容易に安全確認ミラーが回転しないものとなるとしている。
【0009】
しかしながら、前記特許文献1、2記載された安全確認ミラーの取付具は、支柱に取り付けることができても、格子フェンスには取り付けることができなかった。
【0010】
そこで、本発明は、各種の格子フェンスに取り付けることができる格子フェンス用ミラー取付具を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのため、本発明の格子フェンス用ミラー取付具は、格子フェンスFの隣り合う二本の格子1の間隔W1 の二倍よりも長い一辺を有する表裏側当板2、3と、ミラーMの支持板4とからなり、前記表裏側当板2、3の上下辺2a、2b、3a、3b寄りに、等間隔W2 で多数の取付孔5a、5b、6a、6bを設け、前記支持板4の前記表側当板2の上辺寄りに設けられた取付孔5aの少なくとも二個に合致する個所に二個の取付孔7aを設け、前記支持板4の前記表側当板2の下辺寄りに設けられた取付孔5bの少なくとも二個に合致する個所に二個の取付孔7bを設けている。
【0012】
本発明の格子フェンス用ミラー取付具において、前記支持板4は、前記表側当板2に着脱自在とした当接体4aと、この当接体4aに一体として設けたミラーMの支持体4bからなるものとしている。
【0013】
本発明の格子フェンス用ミラー取付具において、前記支持板4は、前記表側当板2に着脱自在とした当接体4aと、この当接体4aに別体として設けたミラーMの支持体4bからなるものとしている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の格子フェンス用ミラー取付具は、縦形格子、横形格子、ラティス形格子などの各種の格子フェンスに、安全確認用などのミラーを簡単に取り付けることができるものとなった。
【0015】
しかも、本発明の格子フェンス用ミラー取付具は、縦形格子、横形格子、ラティス形格子などの各種の格子フェンスの格子間隔の大小にかかわらず、安全確認用などのミラーを安定した状態で取り付けることができるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の格子フェンス用ミラー取付具の一実施形態を示す分解斜視図である。
図2】本発明の格子フェンス用ミラー取付具の表側取付板(裏側取付板)の正面図である。
図3】本発明の格子フェンス用ミラー取付具の支持板の正面図である。
図4】本発明の格子フェンス用ミラー取付具の一使用状態を示す斜視図である。
図5】本発明の格子フェンス用ミラー取付具の他の使用状態を示す斜視図である。
図6】従来のミラー取付具の一例の使用状態を示す斜視図である。
図7】従来のミラー取付具の他の例の使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の格子フェンス用ミラー取付具を実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
本発明の格子フェンス用ミラー取付具は、図1、4、5に示したように、格子フェンスFの隣り合う二本の格子1の間隔W1 の二倍よりも長い一辺を有する横長の略長方形状の表裏側当板2、3と、ミラーMの支持板4とからなるものとしている。
【0019】
前記格子フェンスFは、縦形格子、横形格子、ラティス形格子などの各種の格子フェンスとすることができる。図4に示した格子フェンスFは、縦形格子としており、一本の格子の幅を約1.5cm、隣り合う二本の格子1の間隔W1 を約5cmとしており、図5に示した格子フェンスFは、ラティス形格子としており、一本の格子の幅を約1.5cm、隣り合う二本の格子1の間隔W1 を約7cmとしている。
【0020】
前記表裏側当板2、3には、それぞれ上下辺2a、2b、3a、3bと両側辺2c、2d、3c、3dからなる略長方形状の平面板としており、それぞれの上下辺2a、2b、3a、3b寄りに、水平方向に等間隔W2 で多数の取付孔5a、5b、6a、6bを設けている。これら表裏側当板2、3は、図示したものでは鋼板としているが、軽量化するためにアルミ板としたり、強度性に優れた合成樹脂板からなるものとすることができる。
【0021】
前記表裏側当板2、3は、図1、2に示したものでは、それぞれ上下辺2a、2b、3a、3bの長さを約18cmとしているが、前記間隔W1 の二倍の10~14cmよりも長ければよい。なお、前記表裏側当板2、3の両側辺2c、2d、3c、3dは、図示したものではそれぞれの長さを約9cmとしているが、それぞれ上下辺2a、2b、3a、3bの長さより短ければよく、図示したもののように上下辺2a、2b、3a、3bの長さの1/2程度にすれば、縦横のバランスが取れたものとなり、取り扱い易いものとなる。
【0022】
前記表裏側当板2、3の多数の取付孔5a、5b、6a、6bは、図示したものでは、それぞれ等間隔W2 で11個設けたものとし、それぞれの等間隔W2 を約1.5cmとしているが、それぞれの等間隔W2 は、前記間隔W1 よりも短ければよい。
【0023】
前記支持板4は、前記表側当板2に着脱自在とした当接体4aと、この当接体4aに一体として設けたミラーMの支持体4bからなるものとしており、図示したものでは鋼板としているが、前記表裏側当板2、3と同様に軽量化するためにアルミ板としたり、強度性に優れた合成樹脂板からなるものとすることができる。
【0024】
前記当接体4aは、縦長の略長方形状に形成しており、上辺寄りの前記表側当板2の取付孔5aの少なくとも二個に合致する個所に二個の取付孔7aを設け、下辺寄りの前記表側当板2の取付孔5bの少なくとも二個に合致する個所に二個の取付孔7bを設けている。図示したものでは、前記取付孔7a、7bは、前記表側当板2の一つ置きの取付孔5a、5bにそれぞれ合致する個所にそれぞれ二個設けているが、前記表側当板2の隣り合う取付孔5a、5bにそれぞれ合致する個所や、前記表側当板2の二つ置きの取付孔5a、5bにそれぞれ合致する個所にそれぞれ二個設けてもよい。
【0025】
前記支持体4bは、図示したものでは、前記当接体4aの上端に約30度の上向き傾斜角を有して、前記当接体4aに設けているが、前記当接体4aの下端に約30度の下向き傾斜角を有して、前記当接体4aに設けてもよい。さらに、前記支持体4bの上端部には取付部4cを形成しており、この取付部4cにはミラーMをボルトVなどで止めておくための止着孔8を形成したものとしている。また、前記支持体4bは、前記支持板4を折り曲げるなどして前記当接体4aに一体として設けているが、前記当接体4aと支持体4bを別体とし、ボルトナット(図示せず)などで両者を連結するものとしてもよい。
【0026】
前記取付孔5a、5b、6a、6bは、図示したものでは、これらに表側当板2から裏側当板23に向かってボルトVを通したとき、ボルトVの位置が変らないように、そのボルトVの軸に合わせた丸孔としているが、表側当板2から裏側当板3にボルトVを通したとき、ボルトVの位置が移動できるように、そのボルトVの軸に沿うような長孔としてもよい。
【0027】
前記取付孔7a、7bは、図示したように、これらに取付板4から表側当板2に向かってボルトVを通したとき、ボルトVの位置が変らないように、そのボルトVの軸に合わせた丸孔としている。なお、前記取付孔7a、7bは、前記取付孔5a、5b、6a、6bを丸孔とした場合には、ボルトVの位置が移動できるように、そのボルトVの軸に沿うような長孔としてもよい。
【0028】
前記ミラーMは、正面視した形状が略長方形や略円形としたカ-ブミラ-などからなる安全確認ミラーとすることができるが、このような安全確認ミラーに限定されることはない。
【0029】
本発明の格子フェンス用ミラー取付具は、以上に述べたように構成されているので、格子フェンスFにミラーMを取り付けるには、次のようにして行う。
【0030】
先ず、本発明の格子フェンス用ミラー取付具の表側当板2の多数の取付孔5aのうちの任意の二個の取付孔5aに、支持板4の二個の取付孔7aを一致させると共に、表側当板2の多数の取付孔5bのうちの任意の二個の取付孔5bに、支持板4の二個の取付孔7bを一致させ、前記取付孔5a、5bから取付孔7a、7bに向かってそれぞれにボルトVを通してナットNで止めることにより、前記表側当板2に支持板4を止着する。
【0031】
次に、前記支持板4を止着した表側当板2を、格子フェンスFに取り付けたい任意の位置の格子1の表側に押し当て、この格子フェンスFを間に挟んで格子1の裏側に裏側当板3を押し当てて、前記格子フェンスFの隣り合う二本の格子1の間に位置する空間Sに位置する前記表側当板2のそれぞれ二個の取付孔5a、5bから、これら取付孔5a、5bに対向する裏側当板3の二個の取付孔6a、6bに向かって、それぞれにボルトVを通してナットNで止めることにより、格子フェンスFに表裏側当板2、3を止着する。
【0032】
このようにして、本発明の格子フェンス用ミラー取付具を、図4、5に示したように、格子フェンスFに取り付けたい任意の位置の格子1に取り付けてから、支持板4の支持体4bに安全確認用などのミラーMをボルトVなどで止めておけばよい。
【0033】
したがって、本発明の格子フェンス用ミラー取付具は、図4に示したような縦形格子の格子フェンスFや、図5に示したようなラティス形格子の格子フェンスFなどの各種の格子フェンスの取り付けたい任意の位置に、安全確認用などのミラーMを簡単に取り付けることができるものとなった。
【0034】
しかも、本発明の格子フェンス用ミラー取付具は、前記縦形格子の格子フェンスFや、ラティス形格子の格子フェンスFなどの各種の格子フェンスの格子1の間隔W1 の大小にかかわらず、安全確認用などのミラーMを安定した状態で取り付けることができるものとなった。
【符号の説明】
【0035】
1 格子
2 表側当板
2a 上辺
2b 下辺
3 裏側当板
3a 上辺
3b 下辺
4 支持板
4a 当接体
4b 支持体
5a 取付孔
5b 取付孔
6a 取付孔
6b 取付孔
7a 取付孔
7b 取付孔
F 格子フェンス
M ミラー
1 間隔
2 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7