(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】デジタルミラー及びデジタルミラーシステム
(51)【国際特許分類】
B60R 1/04 20060101AFI20230104BHJP
【FI】
B60R1/04 D
B60R1/04 Z
(21)【出願番号】P 2021118333
(22)【出願日】2021-07-16
【審査請求日】2021-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】521317612
【氏名又は名称】ネオトーキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100220582
【氏名又は名称】秋元 達也
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 義博
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-147158(JP,A)
【文献】登録実用新案第3140339(JP,U)
【文献】特開2020-6954(JP,A)
【文献】実開昭57-185653(JP,U)
【文献】米国特許第6412959(US,B1)
【文献】韓国登録特許第10-0613471(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のルームミラーに対して鏡面を覆うように装着されるとともに、前記車両の外部が撮像された撮像画像をディスプレイに表示可能なデジタルミラーであって、
本体部と、
前記本体部の裏面における上端側に立設された上側把持片と、
前記本体部の前記裏面における下端側に立設され、前記上側把持片と協働して前記ルームミラーを把持する下側把持片と、を備え、
前記本体部は、
前記裏面とは反対側の表面に前記ディスプレイが設けられたディスプレイ装置部と、
前記ディスプレイ装置部の上端面から上方に突出して設けられた台座部と、
前記ディスプレイ装置部から前記表面に沿って上方に延在し、前記台座部の少なくとも一部を前記表面側から覆う壁部と、を有し、
前記上側把持片は、前記台座部に立設されている、デジタルミラー。
【請求項2】
前記ディスプレイ装置部は、当該ディスプレイ装置部の前記上端面に、プラグを上下方向に挿抜可能なコンセントを含む、請求項1に記載のデジタルミラー。
【請求項3】
前記壁部は、前記ディスプレイ装置部の幅方向において、前記コンセントに対応する位置を含む範囲に設けられている、請求項2に記載のデジタルミラー。
【請求項4】
前記壁部は、前記ディスプレイ装置部の前記幅方向における一端から他端にわたる範囲に設けられている、請求項3に記載のデジタルミラー。
【請求項5】
前記壁部は、前記コンセントに挿入された前記プラグを前記表面側から覆う、請求項2~4のいずれか一項に記載のデジタルミラー。
【請求項6】
前記壁部は、前記台座部の全部を前記表面側から覆う、請求項1~5のいずれか一項に記載のデジタルミラー。
【請求項7】
前記壁部は、前記ディスプレイ装置部の前記表面と面一に設けられている、請求項1~6のいずれか一項に記載のデジタルミラー。
【請求項8】
前記壁部は、前記台座部と連結されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のデジタルミラー。
【請求項9】
前記上側把持片及び前記下側把持片のそれぞれは、少なくとも上下方向における可撓性を有している、請求項1~8のいずれか一項に記載のデジタルミラー。
【請求項10】
前記上側把持片は、前記台座部の上端部に位置しており、
前記下側把持片は、前記ディスプレイ装置部の下端部に位置している、請求項1~9のいずれか一項に記載のデジタルミラー。
【請求項11】
前記本体部は、
当該本体部の前記裏面における前記上側把持片の下方に設けられた上側緩衝部と、
当該本体部の前記裏面における前記下側把持片の上方に設けられた下側緩衝部と、を備え、
前記上側緩衝部及び前記下側緩衝部のそれぞれは、当該デジタルミラーが前記ルームミラーに装着された状態において前記ルームミラーに当接する、請求項1~10のいずれか一項に記載のデジタルミラー。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のデジタルミラーと、
前記車両の外部を撮像して前記撮像画像を取得し、取得した前記撮像画像を前記デジタルミラーに送信するカメラと、を具備する、デジタルミラーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デジタルミラー及びデジタルミラーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両のルームミラーに対して鏡面を覆うように装着されるとともに、車両の外部が撮像された撮像画像をディスプレイに表示可能なデジタルミラーが知られている。例えば特許文献1には、車両の後方を撮像して撮像画像を取得する後方カメラを当該デジタルミラーの背面側に取り付けることにより、当該後方カメラを乗員から視認されにくくする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなデジタルミラーは、当該デジタルミラーの背面側において上下に対をなすように立設された把持片により、車両に予め設置されているルームミラーを上下方向に把持することで、当該ルームミラーに装着される。
【0005】
ところで、近年、機能上又はデザイン上の要請から、従来のルームミラーと比較して上下幅の広いルームミラーが採用される場合がある。このような上下幅の広いルームミラーに対してデジタルミラーを装着可能とするためには、把持片の上下間隔を広くする必要がある。そこで、ディスプレイの位置よりも上下にはみ出した位置に把持片を設置することが考えられる。しかし、その場合、把持片が乗員に視認されやすくなり、美観が損なわれるおそれがある。
【0006】
そこで、本開示に係るデジタルミラー及びデジタルミラーシステムは、上下幅の広いルームミラーに対しても装着可能としつつ、美観が損なわれにくくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るデジタルミラーは、車両のルームミラーに対して鏡面を覆うように装着されるとともに、車両の外部が撮像された撮像画像をディスプレイに表示可能なデジタルミラーであって、本体部と、本体部の裏面における上端側に立設された上側把持片と、本体部の裏面における下端側に立設され、上側把持片と協働してルームミラーを把持する下側把持片と、を備え、本体部は、裏面とは反対側の表面にディスプレイが設けられたディスプレイ装置部と、ディスプレイ装置部の上端面から上方に突出して設けられた台座部と、ディスプレイ装置部から表面に沿って上方に延在し、台座部の少なくとも一部を表面側から覆う壁部と、を有し、上側把持片は、台座部に立設されている。
【0008】
本開示の一態様に係るデジタルミラーシステムは、本開示に係るいずれかのデジタルミラーと、車両の外部を撮像して撮像画像を取得し、取得した撮像画像をデジタルミラーに送信するカメラと、を具備する。
【0009】
これらのデジタルミラー及びデジタルミラーシステムの少なくともいずれかによれば、車両のルームミラーを上下方向に把持するための上側把持片及び下側把持片のうち上側把持片が、ディスプレイ装置部の上端面から上方に突出して設けられた台座部に立設されている。これにより、上側把持片と下側把持片との上下間隔が広くなるため、従来のルームミラーと比較して上下幅の広いルームミラーであっても把持することができる。また、台座部の少なくとも一部が壁部によって覆われているため、上側把持片が乗員に視認されにくくなる。したがって、上下幅の広いルームミラーに対しても装着可能としつつ、美観が損なわれにくくすることができる。
【0010】
本開示の一態様に係るデジタルミラーでは、ディスプレイ装置部は、当該ディスプレイ装置部の上端面に、プラグを上下方向に挿抜可能なコンセントを含んでもよい。これによれば、ディスプレイ装置部に対して電力を供給したり、ディスプレイ装置部との間で制御信号を授受したりすることが可能となる。
【0011】
本開示の一態様に係るデジタルミラーでは、壁部は、ディスプレイ装置部の幅方向において、コンセントに対応する位置を含む範囲に設けられていてもよい。これによれば、コンセントに挿入されるプラグが乗員に視認されにくくなるため、より一層美観が損なわれにくくすることができる。
【0012】
本開示の一態様に係るデジタルミラーでは、壁部は、ディスプレイ装置部の幅方向における一端から他端にわたる範囲に設けられていてもよい。これによれば、より一層美観が損なわれにくくすることができる。
【0013】
本開示の一態様に係るデジタルミラーでは、壁部は、コンセントに挿入されたプラグを表面側から覆ってもよい。これによれば、コンセントに挿入されるプラグが乗員に視認されにくくなるため、より一層美観が損なわれにくくすることができる。また、これによれば、コンセントに挿入されたプラグがデジタルミラーの周囲の構造物等と干渉することが抑制され、ひいてはプラグを保護することができる。
【0014】
本開示の一態様に係るデジタルミラーでは、壁部は、台座部の全部を表面側から覆ってもよい。これによれば、より確実に上側把持片が乗員に視認されにくくなるため、より一層美観が損なわれにくくすることができる。
【0015】
本開示の一態様に係るデジタルミラーでは、壁部は、ディスプレイ装置部の表面と面一に設けられていてもよい。これによれば、壁部の存在により乗員が違和感を覚えることを抑制することができる。
【0016】
本開示の一態様に係るデジタルミラーでは、壁部は、台座部と連結されていてもよい。これによれば、壁部及び台座部の剛性を向上させることができる。
【0017】
本開示の一態様に係るデジタルミラーでは、上側把持片及び下側把持片のそれぞれは、少なくとも上下方向における可撓性を有していてもよい。これによれば、装着されるべきルームミラーの上下幅に応じて上側把持片及び下側把持片を撓ませることにより、上側把持片及び下側把持片のそれぞれをルームミラーに密着させることができる。したがって、様々な上下幅のルームミラーに対して好適に装着可能となる。
【0018】
本開示の一態様に係るデジタルミラーでは、上側把持片は、台座部の上端部に位置しており、下側把持片は、ディスプレイ装置部の下端部に位置していてもよい。これによれば、本開示に係るデジタルミラーの上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
【0019】
本開示の一態様に係るデジタルミラーでは、本体部は、当該本体部の裏面における上側把持片の下方に設けられた上側緩衝部と、当該本体部の裏面における下側把持片の上方に設けられた下側緩衝部と、を備え、上側緩衝部及び下側緩衝部のそれぞれは、当該デジタルミラーがルームミラーに装着された状態においてルームミラーに当接してもよい。これによれば、車両のルームミラーに対して好適に装着可能となる。
【発明の効果】
【0020】
このように、本開示に係るデジタルミラー及びデジタルミラーシステムは、上下幅の広いルームミラーに対しても装着可能としつつ、美観が損なわれにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るデジタルミラーシステムを搭載した車両を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、デジタルミラーを表面側から見た図である。
【
図3】
図3は、デジタルミラーを裏面側から見た図である。
【
図4】
図4は、コンセントにプラグが挿入された状態のデジタルミラーを裏面側から見た図である。
【
図6】
図6は、ルームミラーに装着された状態のデジタルミラーを示す図である。
【
図7】
図7は、変形形態に係るデジタルミラーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して例示的な実施形態について説明する。なお、各図における同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係るデジタルミラーシステム100を搭載した車両Vを模式的に示す図である。
図1に示されるように、デジタルミラーシステム100は、デジタルミラー1及びカメラ2を具備し、カメラ2により撮像された車両外部の撮像画像(映像)をデジタルミラー1に表示するシステムである。ここでは車両Vとして乗用車が例示されているが、車両Vは例えばバス、トラック等といった乗用車以外のものであってもよい。デジタルミラーシステム100は、車両Vに後付け可能であってもよい。
【0024】
デジタルミラーシステム100において用いられるカメラ2は、車両Vの外部を撮像して撮像画像を取得し、取得した撮像画像をデジタルミラー1に送信する撮像機器である。カメラ2は、例えば光学カメラであってもよい。カメラ2は、取得した撮像画像を有線又は無線通信によりデジタルミラー1に送信する。カメラ2は、撮像画像を取得した直後に(すなわち、リアルタイムで)当該撮像画像をデジタルミラー1に送信する。
【0025】
ここでは、カメラ2は、例えば車両Vの車室内におけるリアガラス上部に設けられ、車両Vの後方を撮像する。この場合、デジタルミラーシステム100は、車両Vの後方を撮像した撮像画像をデジタルミラー1に表示することにより、車両Vの後方の状況を乗員に知得させるシステムである。
図1において破線で示された扇状の領域Rは、カメラ2により撮像画像として撮像される領域の一例を模式的に示している。カメラ2は、いわゆる広角レンズを用いていてもよい。なお、カメラ2は、例えば車両Vの最後部(リア側ナンバープレートの上方等)に配置されていてもよい。また、カメラ2は、車両Vの前部に設けられて車両Vの前方を撮像してもよく、車両Vの側部に設けられて車両Vの側方を撮像してもよい。カメラ2は、車両Vの車室外に設けられていてもよく、車室内に設けられていてもよい。カメラ2は、複数設けられて複数領域の撮像画像を取得してもよい。
【0026】
図2は、デジタルミラー1を表面10a側から見た図である。
図3は、デジタルミラー1を裏面10b側から見た図である。
図4は、コンセントCにプラグPが挿入された状態のデジタルミラー1を裏面10b側から見た図である。
図5は、
図3のV-V線に沿う断面図である。
図6は、ルームミラーMに装着された状態のデジタルミラー1を示す図である。
図1~
図6に示されるように、デジタルミラー1は、車両Vの後方(外部)が撮像された撮像画像をディスプレイDSに表示可能な機器である。デジタルミラー1は、例えば撮像画像をカメラ2から受信する。なお、デジタルミラー1は、カメラ2から受信する以外の任意の手段により、撮像画像を取得してもよい。デジタルミラー1は、取得した撮像画像を記憶媒体に記憶可能な、いわゆるドライブレコーダーであってもよい。
【0027】
デジタルミラー1は、車両VのルームミラーMに対して鏡面を覆うように装着される。「ルームミラー」とは、例えば車両Vの運転席の頭上付近に設けられ、運転席に座る乗員から車両Vの後方を間接的に視認可能とするためのミラーである。ルームミラーMは、鏡が取り付けられた主要部分であり幅方向D2に長尺なミラー本体部Ma、及び、ミラー本体部Maを車両V(具体的には、天井又はフロントガラス等)に接続するミラーアーム部Mbを備えている。ミラー本体部Maは、ミラーアーム部Mbに対して、接続点を中心として向きを変えることができる。
【0028】
「鏡面を覆うように」とは、デジタルミラー1が、ミラー本体部Maに取り付けられた鏡の少なくとも一部に対して、当該鏡の鏡面側から見て重畳することを意味している。つまり、デジタルミラー1は、ルームミラーMに装着された状態において、鏡面の全部を覆っていてもよく、鏡面の一部を覆っていなくてもよい。また、デジタルミラー1は、ルームミラーMに装着された状態において、鏡面と接触していてもよく、鏡面と接触していなくてもよい。
【0029】
デジタルミラー1は、本体部10、上側把持片20、下側把持片30、及び結束部40を備えている。
【0030】
本体部10は、デジタルミラー1の本体部分を構成する部分である。本体部10は、カメラ2により取得された撮像画像を表示する。本体部10は、幅方向D2に長尺な、薄い概略直方体状を呈している。後述するように、上側把持片20及び下側把持片30は、デジタルミラー1がルームミラーMに装着された状態において、本体部10の車両前方側(つまり、運転席とは反対側)である裏面10bに設けられている。本体部10は、ディスプレイ装置部11、台座部12、壁部13、上側板状部14、上側緩衝部15、下側板状部16、及び下側緩衝部17を有している。
【0031】
ディスプレイ装置部11は、本体部10の裏面10bとは反対側の表面10aにディスプレイDSが設けられた部分である。ディスプレイ装置部11は、ディスプレイDS、ディスプレイDSを制御するための各種装置、及び当該各種装置を収容した筐体を含んで構成されている。ディスプレイDSは、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)であってもよい。ディスプレイDSは、筐体の表面10a側の面(つまり、ディスプレイ装置部11の表面10a側の面)の大部分を占有しており、好ましくは当該面の面積の90%以上、より好ましくは当該面の面積の95%以上、より一層好ましくは当該面積の98%以上を占有している。
【0032】
ディスプレイ装置部11は、概略直方体状を呈し、上下方向D1における上面が上端面11aを形成するように構成されている。上端面11aは、略水平に延在している。上端面11aには、後述する台座部12が設けられている。また、ディスプレイ装置部11は、上下方向D1における下面が略水平に延在した下端面を形成し、幅方向D2における両端面が略垂直に延在した一端面及び他端面を形成するように構成されている。さらに、ディスプレイ装置部11は、裏面10bが略垂直に延在した背面を形成するように構成されている。デジタルミラー1がルームミラーMに装着される際には、ディスプレイ装置部11の背面がルームミラーMの鏡面と対面することとなる。
【0033】
ディスプレイ装置部11は、当該ディスプレイ装置部11の上端面11aに、プラグPを上下方向D1に挿抜可能なコンセントCを含んでいる。「プラグ」とは、デジタルミラー1と外部機器との間を電気的に接続するコード及び当該コードの端子部分である。プラグPは、コードとしてケーブルPaを含む。プラグPは、デジタルミラー1のディスプレイ装置部11に対して電力を供給するためのものであってもよく、デジタルミラー1のディスプレイ装置部11との間で制御信号を授受するためのものであってもよい。ここでは、ディスプレイ装置部11は、幅方向D2に並んで3個のコンセントCを含んでいる。コンセントCの形状は、所定の規格に準じた形状であってもよい。
【0034】
プラグPは、コンセントCに挿入された状態において上下方向D1と交差する方向(ここでは、デジタルミラー1の幅方向D2)にケーブルPaが延びるような形状を有している。ケーブルPaは比較的柔軟に形成されており、プラグPがコンセントCに挿入されると、プラグPのケーブルPaはディスプレイ装置部11の上端面11aに沿って幅方向D2に配設されることとなる。プラグPは、例えばディスプレイ装置部11の上端面11a又は上端面11aの近傍に設けられた種々の固定具等により、上端面11a上に固定されてもよい。
【0035】
台座部12は、ディスプレイ装置部11の上端面11aから上方に突出して設けられた構造部分である。台座部12は、ディスプレイ装置部11の上端面11aに固定されている。台座部12は、コンセントCに挿入されるべきプラグPの上下方向D1の高さと同等に又は当該高さよりも高く形成されていてもよい。例えば、台座部12は、好ましくは上下方向D1に1cm以上、より好ましくは1.5cm以上、より一層好ましくは2cm以上の高さを有している。なお、台座部12は、ディスプレイ装置部11(つまり、筐体)の上端面11aと一体に成形されていてもよい。
【0036】
台座部12は、ディスプレイ装置部11の上端面11aに、幅方向D2に互いに離間して2個設けられている。各台座部12は、ディスプレイ装置部11の幅方向D2における一端11b及び他端11cからそれぞれ等距離ずつ離間して設けられている。つまり、各台座部12は、ディスプレイ装置部11の上端面11aにおいて互いに左右対称となる位置にそれぞれ設けられている。各台座部12は、直方体状を呈しており、それらの上面は略平面状に形成されている。なお、各台座部12は互いに左右対称となる位置にそれぞれ設けられていなくてもよい。また、台座部12は1個又は3個以上設けられていてもよい。その場合、後述する上側板状部14及び上側緩衝部15、並びに、上側把持片20等は、台座部12の個数に対応した個数だけ設けられてもよい。
【0037】
壁部13は、ディスプレイ装置部11から本体部10の表面10aに沿って上方に延在する薄板状の構造体である。壁部13は、台座部12の少なくとも一部を表面10a側から覆うように設けられている。「台座部の少なくとも一部を表面側から覆う」とは、壁部13が、台座部12の少なくとも一部に対して、本体部10の表面10a側から見て重畳することを意味している。ここでは、壁部13は、台座部12の全部(全体)を表面10a側から覆っている。したがって、壁部13は、台座部12の上下方向D1における高さと同等又は当該高さよりも高く形成されている。
【0038】
壁部13は、ディスプレイ装置部11の幅方向D2における一端11bから他端11cにわたる範囲に設けられている。つまり、壁部13は、ディスプレイ装置部11の幅方向D2における全体にわたって設けられている。より詳細には、壁部13は、ディスプレイ装置部11の幅方向D2における全体にわたって一定の高さに形成されている。
【0039】
さらに、壁部13は、ディスプレイ装置部11の幅方向D2における一端11bからディスプレイ装置部11の側面に沿うように屈曲し、本体部10の裏面10bに相当する位置まで延在していてもよい。同様に、壁部13は、ディスプレイ装置部11の幅方向D2における他端11cからディスプレイ装置部11の側面に沿うように屈曲し、本体部10の裏面10bに相当する位置まで延在していてもよい。壁部13は、ディスプレイ装置部11の側面に沿って屈曲した両側の部分においても他の部分(つまり、ディスプレイ装置部11の表面10aに沿う部分)と同等の高さに形成されていてもよい。
【0040】
壁部13は、台座部12と連結されている。つまり、壁部13は、台座部12の少なくとも一部に対して表面10a側から接触し、互いに固定されている。また、壁部13は、ディスプレイ装置部11の表面10a側の面(つまり、ディスプレイ装置部11の表面)と面一に設けられている。「面一」とは、各部の面どうしの間の段差がないか、十分に小さいことを意味している。壁部13は、台座部12と一体に成形されていてもよい。壁部13は、表面10a側から見てディスプレイ装置部11との境界が視認されないように設けられていてもよい。
【0041】
より詳細には、壁部13は、ディスプレイ装置部11の幅方向D2において、コンセントCに対応する位置を含む範囲に設けられている。特に、壁部13は、コンセントCに挿入されたプラグPを表面10a側から覆うように設けられている。つまり、壁部13は、プラグPの上下方向D1における高さと同等又は当該高さよりも高く形成されている。また、壁部13は、台座部12と同等の高さに設けられていてもよい。したがって、壁部13は、好ましくは上下方向D1に1cm以上、より好ましくは1.5cm以上、より一層好ましくは2cm以上の高さを有している。なお、壁部13は、ディスプレイ装置部11(つまり、筐体)と一体に成形されていてもよい。
【0042】
壁部13は、表面10a側に任意の表示13aを有していてもよい。表示13aは、例えばデジタルミラー1の製造者等を表すロゴマークであってもよく、模様又はデザインであってもよく、乗員に対して知得させるべき情報(例えば、危険を喚起する情報)等であってもよい。これにより、乗員に対して所定の情報を提供したりデジタルミラー1の美観を向上させたりすることが可能となる。また、壁部13には、カメラ、スピーカ、又は各種センサが設けられてもよい。例えば、壁部13に車室内又は車両後方を撮像するカメラが設けられる場合には、壁部13の裏面10b側にカメラ本体が配置されるとともに、壁部13において当該カメラ本体による撮像方向に対応する位置に開口が形成されていてもよい。壁部13にスピーカが設けられる場合には、壁部13の少なくとも一部にスピーカの振動板が取り付けられていてもよく、壁部13の少なくとも一部自体がスピーカの振動板として機能してもよい。
【0043】
上側板状部14は、後述する上側緩衝部15及び上側把持片20を保持するための構造体である。上側板状部14は、裏面10b側において、ディスプレイ装置部11及び台座部12の少なくとも一部にわたって設けられた薄板状の部材である。上側板状部14は、台座部12ごとに対応した位置にそれぞれ設けられている。つまり、上側板状部14は、デジタルミラー1の裏面10b側における上部に1対設けられている。
【0044】
上側緩衝部15は、本体部10の裏面10bにおける上側把持片20の下方に設けられた緩衝材である。具体的には、上側緩衝部15は、上側板状部14の面上において、上側把持片20の下方に設けられている。上側緩衝部15は、例えばゴム(ラバー)等の部材により構成されている。上側緩衝部15は、デジタルミラー1がルームミラーMに装着された状態において、当該上側緩衝部15の接面部15aがルームミラーMのミラー本体部Maに当接するように構成されている。例えば、上側緩衝部15は、ミラー本体部Maの鏡面に当接してもよい。上側緩衝部15の大きさ(面積及び高さ)は、デジタルミラー1が装着されるべきルームミラーMの形状等に応じて任意に設定され得る。
【0045】
下側板状部16は、後述する下側緩衝部17及び下側把持片30を保持するための構造体である。下側板状部16は、裏面10b側において、ディスプレイ装置部11の少なくとも一部に設けられた薄板状の部材である。下側板状部16は、台座部12の下方の位置にそれぞれ設けられている。つまり、下側板状部16は、デジタルミラー1の裏面10bにおける下部に1対設けられている。
【0046】
下側緩衝部17は、本体部10の裏面10bにおける下側把持片30の上方に設けられた緩衝材である。具体的には、下側緩衝部17は、下側板状部16の面上において、下側把持片30の上方に設けられている。下側緩衝部17は、例えばゴム(ラバー)等の部材により構成されている。下側緩衝部17は、デジタルミラー1がルームミラーMに装着された状態において、当該下側緩衝部17の接面部17aがルームミラーMのミラー本体部Maに当接するように構成されている。例えば、下側緩衝部17は、ミラー本体部Maの鏡面に当接してもよい。下側緩衝部17の大きさ(面積及び高さ)は、デジタルミラー1が装着されるべきルームミラーMの形状等に応じて任意に設定され得る。
【0047】
上側把持片20は、本体部10の裏面10bにおける上端10c側に立設された薄板状部材である。上側把持片20は、台座部12に立設されている。上側把持片20は、台座部12から略水平に延在し、その先で上方に略180度湾曲したフック状を呈している。「台座部に立設されている」とは、上側把持片20が台座部12に直接設けられている場合のみならず、別途の部材を介して台座部12に間接的に設けられている場合も含む。ここでは、上側把持片20は、上側板状部14を介して台座部12に立設されている。上側把持片20は、基端部20aが台座部12(ここでは、上側板状部14)に接続され、基端部20aとは反対側の先端部20bが自由端となっている。なお、上側把持片20は、先端部20b側の湾曲部に後述する結束部40を引っ掛けることが可能である。
【0048】
上側把持片20は、上側板状部14の面上において、上側緩衝部15の上方に設けられている。より具体的には、上側把持片20は、台座部12の上端部12aに位置している。上側把持片20は、少なくとも上下方向D1における可撓性を有している。上側把持片20は、下側把持片30と協働してルームミラーMのミラー本体部Maを上下方向D1に把持する。つまり、デジタルミラー1がルームミラーMに装着された状態において、ルームミラーMのミラー本体部Maは上側把持片20の下面側に位置することとなる。
【0049】
下側把持片30は、本体部10の裏面10bにおける下端10d側に立設された薄板状部材である。下側把持片30は、ディスプレイ装置部11に立設されている。下側把持片30は、ディスプレイ装置部11から略水平に延在し、その先で下方に略180度湾曲したフック状を呈している。「ディスプレイ装置部に立設されている」とは、下側把持片30がディスプレイ装置部11に直接設けられている場合のみならず、別途の部材を介してディスプレイ装置部11に間接的に設けられている場合も含む。ここでは、下側把持片30は、下側板状部16を介してディスプレイ装置部11に立設されている。下側把持片30は、基端部30aがディスプレイ装置部11(ここでは、下側板状部16)に接続され、基端部30aとは反対側の先端部30bが自由端となっている。なお、下側把持片30は、先端部30b側の湾曲部に後述する結束部40を引っ掛けることが可能である。
【0050】
下側把持片30は、下側板状部16の面上において、下側緩衝部17の下方に設けられている。より具体的には、下側把持片30は、ディスプレイ装置部11の下端部11dに位置している。下側把持片30は、少なくとも上下方向D1における可撓性を有している。下側把持片30は、上側把持片20と協働してルームミラーMのミラー本体部Maを上下方向D1に把持する。つまり、デジタルミラー1がルームミラーMに装着された状態において、ルームミラーMのミラー本体部Maは下側把持片30の上面側に位置することとなる。
【0051】
結束部40は、デジタルミラー1をルームミラーMに装着させる際に、上側把持片20と下側把持片30とを結束するための部材である。結束部40は、上側把持片20の先端部20b付近と下側把持片30の先端部30b付近とに架け渡されて、上側把持片20と下側把持片30とを互いに接近させる付勢力を生じさせる。例えば、結束部40は、上側把持片20の先端部20b側に形成された湾曲部と、下側把持片30の先端部30b側に形成された湾曲部と、のそれぞれに引っ掛けられるようにして、上側把持片20と下側把持片30とを結束する。結束部40は、例えば環状の弾性体(輪ゴム等)であってもよい。
【0052】
[ルームミラーへの装着]
デジタルミラー1をルームミラーMに装着する方法について説明する。デジタルミラー1は、一例として、
図6に示される態様でルームミラーMに装着される。
図6においては、まず、デジタルミラー1の上側把持片20と下側把持片30との間にルームミラーMのミラー本体部Maが配置される。このとき、ミラー本体部Maの鏡面がデジタルミラー1の上側緩衝部15及び下側緩衝部17のそれぞれに当接するようにミラー本体部Maが位置していることが好ましい。また、このとき、幅方向D2においてミラー本体部Maとデジタルミラー1との位置が一致していることが好ましい。
【0053】
この状態において、上側把持片20及び下側把持片30が協働してミラー本体部Maを挟持(把持)することでデジタルミラー1がルームミラーMから脱落しない場合には、デジタルミラー1のルームミラーMへの装着が完了してもよい。例えば、上側把持片20と下側把持片30との上下間隔とミラー本体部Maの上下幅とが好適に対応しており、且つ、上側把持片20とミラー本体部Maとの間及び下側把持片30とミラー本体部Maとの間のそれぞれに生じる摩擦力が十分に大きいような場合には、デジタルミラー1をルームミラーMに取り付けるために別途の操作を要しない場合がある。つまり、この場合には、デジタルミラー1は結束部40を備えていなくてもよい。
【0054】
一方、この状態においてもデジタルミラー1がルームミラーMから脱落し得る場合には、以下のような別途の操作を行うことによりデジタルミラー1のルームミラーMへの装着が完了してもよい。例えば、上側把持片20の先端部20b付近と下側把持片30の先端部30b付近とに結束部40を架け渡すことにより、上側把持片20と下側把持片30とを互いに接近させる付勢力を生じさせてもよい。これにより、上側把持片20及び下側把持片30が協働してミラー本体部Maを挟持(把持)することとなり、デジタルミラー1がルームミラーMから脱落しにくくなる。つまり、この場合には、デジタルミラー1は結束部40を備えている。
【0055】
[作用及び効果]
以上説明したように、デジタルミラー1は、車両VのルームミラーMに対して鏡面を覆うように装着されるとともに、車両Vの後方が撮像された撮像画像をディスプレイDSに表示可能なデジタルミラー1であって、本体部10と、本体部10の裏面における上端10c側に立設された上側把持片20と、本体部10の裏面における下端10d側に立設され、上側把持片20と協働してルームミラーMを把持する下側把持片30と、を備え、本体部10は、裏面10bとは反対側の表面10aにディスプレイDSが設けられたディスプレイ装置部11と、ディスプレイ装置部11の上端面11aから上方に突出して設けられた台座部12と、ディスプレイ装置部11から表面10aに沿って上方に延在し、台座部12の少なくとも一部を表面10a側から覆う壁部13と、を有し、上側把持片20は、台座部12に立設されている。
【0056】
デジタルミラーシステム100は、デジタルミラー1と、車両Vの後方を撮像して撮像画像を取得し、取得した撮像画像をデジタルミラー1に送信するカメラ2と、を具備している。
【0057】
デジタルミラー1及びデジタルミラーシステム100の少なくともいずれかによれば、車両VのルームミラーMを上下方向D1に把持するための上側把持片20及び下側把持片30のうち上側把持片20が、ディスプレイ装置部11の上端面11aから上方に突出して設けられた台座部12に立設されている。これにより、上側把持片20と下側把持片30との上下間隔が広くなるため、従来のルームミラーMと比較して上下幅の広いルームミラーMであっても把持することができる。また、台座部12の少なくとも一部が壁部13によって覆われているため、上側把持片20が乗員に視認されにくくなる。したがって、上下幅の広いルームミラーMに対しても装着可能としつつ、美観が損なわれにくくすることができる。
【0058】
デジタルミラー1では、ディスプレイ装置部11は、当該ディスプレイ装置部11の上端面11aに、プラグPを上下方向D1に挿抜可能なコンセントCを含んでいる。これによれば、ディスプレイ装置部11に対して電力を供給したり、ディスプレイ装置部11との間で制御信号を授受したりすることが可能となる。
【0059】
デジタルミラー1では、壁部13は、ディスプレイ装置部11の幅方向D2において、コンセントCに対応する位置を含む範囲に設けられている。これによれば、コンセントCに挿入されるプラグPが乗員に視認されにくくなるため、より一層美観が損なわれにくくすることができる。
【0060】
デジタルミラー1では、壁部13は、ディスプレイ装置部11の幅方向D2における一端11bから他端11cにわたる範囲に設けられている。これによれば、より一層美観が損なわれにくくすることができる。
【0061】
デジタルミラー1では、壁部13は、コンセントCに挿入されたプラグPを表面10a側から覆っている。これによれば、コンセントCに挿入されるプラグPが乗員に視認されにくくなるため、より一層美観が損なわれにくくすることができる。また、これによれば、コンセントCに挿入されたプラグPがデジタルミラー1の周囲の構造物等と干渉することが抑制され、ひいてはプラグPを保護することができる。
【0062】
デジタルミラー1では、壁部13は、台座部12の全部を表面10a側から覆っている。これによれば、より確実に上側把持片20が乗員に視認されにくくなるため、より一層美観が損なわれにくくすることができる。
【0063】
デジタルミラー1では、壁部13は、ディスプレイ装置部11の表面10aと面一に設けられている。これによれば、壁部13の存在により乗員が違和感を覚えることを抑制することができる。
【0064】
デジタルミラー1では、壁部13は、台座部12と連結されている。これによれば、壁部13及び台座部12の剛性を向上させることができる。
【0065】
デジタルミラー1では、上側把持片20及び下側把持片30のそれぞれは、少なくとも上下方向D1における可撓性を有している。これによれば、装着されるべきルームミラーMの上下幅に応じて上側把持片20及び下側把持片30を撓ませることにより、上側把持片20及び下側把持片30のそれぞれをルームミラーMに密着させることができる。したがって、様々な上下幅のルームミラーMに対して好適に装着可能となる。
【0066】
デジタルミラー1では、上側把持片20は、台座部12の上端部12aに位置しており、上側把持片20は、ディスプレイ装置部11の下端部11dに位置している。これによれば、デジタルミラー1の上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
【0067】
デジタルミラー1では、本体部10は、当該本体部10の裏面10bにおける上側把持片20の下方に設けられた上側緩衝部15と、当該本体部10の裏面10bにおける下側把持片30の上方に設けられた下側緩衝部17と、を備え、上側緩衝部15及び下側緩衝部17のそれぞれは、当該デジタルミラー1がルームミラーMに装着された状態においてルームミラーMに当接する。これによれば、車両VのルームミラーMに対して好適に装着可能となる。
【0068】
また、デジタルミラー1では、上側把持片20は、ディスプレイ装置部11の上端面11aから上方に突出して設けられた台座部12の上端部12aに立設されている。つまり、上側把持片20は、デジタルミラー1の最上部付近に配置されている。このため、ルームミラーMにデジタルミラー1が装着された場合に、デジタルミラー1の上端の位置はルームミラーM(ミラー本体部Ma)の上端の位置と比較して高くなりにくい。したがって、デジタルミラー1が装着されたルームミラーMのミラー本体部Maの向きをデジタルミラー1ごと変えようとした場合であっても、デジタルミラー1が車両Vの天井又はフロントガラス等と干渉しにくく、また、デジタルミラー1と車両Vの天井又はフロントガラス等との間の空隙が狭くなりにくい。よって、デジタルミラー1によれば、ルームミラーMに装着された場合であっても利便性が悪化することを抑制することができる。
【0069】
[変形形態]
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて変更又は改良が施された様々な形態により実施可能である。
【0070】
例えば、上述した各実施形態に記載されている個々の構成の一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
【0071】
また、上述した実施形態において、ディスプレイ装置部11は概略直方体状を呈している。しかし、ディスプレイ装置部11の形状は特に限定されない。すなわち、ディスプレイ装置部11の形状はミラー本体部Maの形状に応じたものであればよい。
【0072】
また、上述した実施形態において、台座部12は直方体状を呈しており、その上面は略平面状に形成されている。しかし、台座部12は、ディスプレイ装置部11の上端面11aよりも上方に上側把持片20を配置することができればよく、台座部12の形状は特に限定されない。例えば、台座部12は、ディスプレイ装置部11の上端面11aから上方に伸びるアーム状を呈していてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態において、壁部13は、ディスプレイ装置部11の幅方向D2における全体にわたって一定の高さに形成されている。しかし、壁部13の形状は特に限定されない。例えば、壁部13は、例えば幅方向D2における両端部に近づくほど低くなるように形成されていてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態において、壁部13は、その上方が開放された形状を呈している。しかし、壁部13は、その上方を塞ぐ天板を含んでいてもよい。この場合、乗員により壁部13の上端越しにプラグP等が視認されてしまうことを避けることができため、より一層美観が損なわれにくくなる。
【0075】
また、上述した実施形態において、壁部13は、その後方(裏面10b側)が開放された形状を呈している。しかし、壁部13は、その後方を塞ぐ背板を含んでいてもよい。この場合、車両Vの前方の車外から、フロントガラス越しにプラグP等が視認されてしまうことを避けることができため、より一層美観が損なわれにくくなる。
【0076】
また、上述した実施形態において、ディスプレイ装置部11は上端面11aにコンセントCを含んでいる。しかし、ディスプレイ装置部11は、上端面11aにコンセントCを含んでいなくてもよい。この場合であっても、デジタルミラー1によれば、上下幅の広いルームミラーMに対しても装着可能としつつ、台座部12及び上側把持片20が乗員から視認されにくくなるため美観が損なわれにくくなる。
【0077】
また、上述した実施形態において、壁部13は、台座部12の少なくとも一部に対して表面10a側から接触して互いに固定されることにより、台座部12と連結されている。しかし、壁部13が台座部12と連結される態様は、このような構成に限定されない。例えば、壁部13は、端部が台座部12に対して固定されるアームを有することにより、台座部12と連結されていてもよい。
【0078】
また、上述した実施形態において、ディスプレイDSはLCDである。しかし、ディスプレイDSは、撮像画像を表示可能なディスプレイであればよく、必ずしもLCDでなくてもよい。例えば、ディスプレイDSは、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。
【0079】
また、上述した実施形態において、上側把持片20は、台座部12から略水平に延在し、その先で上方に略180度湾曲したフック状を呈している。また、下側把持片30は、ディスプレイ装置部11から略水平に延在し、その先で下方に略180度湾曲したフック状を呈している。しかし、上側把持片20及び下側把持片30の少なくともいずれかは、フック状を呈していなくてもよい。例えば、上側把持片20及び下側把持片30の少なくともいずれかは、全体が略水平に延在していてもよい。ここで、
図7は、変形形態に係るデジタルミラー1を示す図である。
図7に示されるように、デジタルミラー1においては、上側把持片20及び下側把持片30の両方について、それらの全体が略水平に延在した平板なプレート状を呈してもよい。あるいは、上側把持片20及び下側把持片30の少なくともいずれかは、略水平に延在した先で、180度より小さい角度(例えば、30度、60度、90度、135度等)だけ湾曲していてもよい。
【符号の説明】
【0080】
V 車両
M ルームミラー
DS ディスプレイ
1 デジタルミラー
2 カメラ
10 本体部
10a 表面
10b 裏面
10c 上端
10d 下端
11 ディスプレイ装置部
11a 上端面
11b 一端
11c 他端
11d 下端部
12 台座部
12a 上端部
13 壁部
14 上側板状部
15 上側緩衝部
16 下側板状部
17 下側緩衝部
20 上側把持片
30 下側把持片
100 デジタルミラーシステム
C コンセント
D1 上下方向
D2 幅方向
P プラグ
【要約】
【課題】上下幅の広いルームミラーに対しても装着可能としつつ、美観が損なわれにくくする。
【解決手段】デジタルミラー1は、車両Vのルームミラーに対して鏡面を覆うように装着されるとともに、車両Vの外部が撮像された撮像画像をディスプレイに表示可能である。デジタルミラー1は、本体部10と、本体部10の裏面における上端10c側に立設された上側把持片20と、本体部10の裏面における下端10d側に立設され、上側把持片20と協働してルームミラーを把持する下側把持片30と、を備えている。本体部10は、表面10aにディスプレイが設けられたディスプレイ装置部11と、ディスプレイ装置部11の上端面11aから上方に突出して設けられた台座部12と、ディスプレイ装置部11から表面10aに沿って上方に延在し、台座部12を表面10a側から覆う壁部13と、を有し、上側把持片20は、台座部12に立設されている。
【選択図】
図3