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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】燃料ガス生成装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   C10J 3/54 20060101AFI20230104BHJP
【FI】
C10J3/54 M
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022120563
(22)【出願日】2022-07-28
【審査請求日】2022-09-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522268432
【氏名又は名称】盛勢環球系統科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】李輝雄
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-042697(JP,A)
【文献】特表2010-520353(JP,A)
【文献】特開昭60-158292(JP,A)
【文献】実開昭60-009955(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10J 3/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガス生成装置であって、これは、
分層塔式炉を含み、それは、
収容空間、
間隔をあけて設置された複数の穿孔を有する第一ガス誘導ユニット、及び
複数の貫通孔と複数のサイクロン式噴気ユニットを有する少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットを含み、その中で、
前記複数の貫通孔は互いに間隔をおいて設置され、前記複数のサイクロン式噴気ユニットの各々は連通路を有し、かつ前記複数のサイクロン式噴気ユニットの各々の連通路はそれぞれ前記複数の貫通孔の各々と位置が互いに対応するとともに相互に連通しており、また前記分層塔式炉の底部から頂部の方向へ、前記第一ガス誘導ユニットと前記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットが順に設置されており、これにより前記収容空間を互いに連通している複数の層の混合室に区画分けし、その中で、
前記複数の層の混合室は、前記分層塔式炉の底部と前記第一ガス誘導ユニットの間に位置する下層混合室、前記第一ガス誘導ユニットと前記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの間に位置する中層混合室、及び前記分層塔式炉の頂部と前記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの間に位置する上層混合室を含み、
反応ガスの提供に用いられる給気口、
熱伝導材料の提供に用いられる第一材料供給口、
目的有機物の提供に用いられる第二材料供給口、
処理後の目的有機物の排出に用いられ、かつ前記処理後の目的有機物は前記燃料ガスを含む第一排出口、及び
前記熱伝導材料の排出に用いられる第二排出口を含み、その中で、
前記収容空間、前記給気口、前記第一材料供給口、前記第二材料供給口、前記第一排出口及び前記第二排出口は互いに連通しており、かつ前記給気口は前記下層混合室に設けられており、並びに
前記分層塔式炉と連結され、又はそれを囲繞する加熱設備を含む、燃料ガス生成装置。
【請求項2】
前記第一材料供給口は前記上層混合室に設置され、前記第二材料供給口は前記中層混合室に設置され、前記第一排出口は前記上層混合室に設置され、また前記第二排出口は前記下層混合室に設置されている、請求項1に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項3】
前記上層混合室の幅が前記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットから前記分層塔式炉の頂部の方向に沿って徐々に広がっている、請求項1に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットは複数の第二ガス誘導ユニットであり、かつ前記複数の第二ガス誘導ユニットの互いに隣接する任意の二つの間に位置する任意の一つの混合室は中上層混合室であり、かつ前記上層混合室の幅は前記中上層混合室の幅より大きい、請求項1に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項5】
前記第一ガス誘導ユニットは相対する第一平面と第二平面を有し、かつ前記複数の穿孔の各々は前記第一平面から前記第二平面まで延在し、また前記第一平面の総面積を基準として、前記第一平面に位置する前記複数の穿孔の各々の断面積の総計は0.1~1.5%である、請求項1に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項6】
前記複数のサイクロン式噴気ユニットの各々は複数の噴気管を有し、その中で前記複数の噴気管の各々は互いに連通している噴気口と吸気口を有し、前記複数の噴気管の各々の噴気口はそれぞれ所属するサイクロン式噴気ユニットの連通路のほうを向き、かつ全て時計回り又は反時計回りの方向を向くことによりサイクロン式気流を提供する、請求項1に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項7】
さらに、前記第二材料供給口に連結されている輸送設備、前記給気口に連結されている少なくとも一つのガス誘導設備、及び前記第一排出口に連結されている熱交換設備を含み、その中で、前記輸送設備はスクリューコンベア又はエアコンベアを含み、前記少なくとも一つのガス誘導設備はルーツ送風機、遠心送風機、リング型送風機又は軸流送風機を含み、前記加熱設備は電熱式加熱器、ボイラー式加熱器又は高周波加熱器を含み、また前記第一ガス誘導ユニットは反応ガス分散板である、請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項8】
燃料ガス生成方法であって、
熱伝導材料、目的有機物及び反応ガスを、請求項1に記載の燃料ガス生成装置に提供し、また前記熱伝導材料、前記目的有機物及び前記反応ガスに前記収容空間中で流動床(fluidized bed)を形成させる流動化ステップ、及び
前記流動床を加熱し、前記目的有機物をガス化することで、前記燃料ガスを得るガス化ステップを含む、燃料ガス生成方法。
【請求項9】
前記流動化ステップは、
前記第一材料供給口から前記熱伝導材料を前記収容空間に充填する充填ステップ、
前記加熱設備によって前記収容空間の温度を上昇させる予熱ステップ、
前記第二材料供給口から前記目的有機物を投入する材料投入ステップ、及び
前記給気口から前記反応ガスを入れるとともに、前記反応ガスが前記第一ガス誘導ユニットの前記複数の穿孔の各々、前記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの前記複数の貫通孔の各々及び前記複数のサイクロン式噴気ユニットの各々の連通路を順に通過するようにし、前記反応ガスを前記下層混合室から前記中層混合室を経由した後、前記上層混合室に到達させることで、上昇気相を形成するガス誘導ステップを含み、
並びに前記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの前記複数のサイクロン式噴気ユニットの各々から前記反応ガスを入れることにより、サイクロン式気流を提供する、請求項8に記載の燃料ガス生成方法。
【請求項10】
前記熱伝導材料には珪砂、鉄系触媒、銅系触媒及びカルシウム含有化合物のうち任意の一つ又はその組み合わせを含み、前記熱伝導材料の直径は0.1mm以上0.6mm以下であり、
前記目的有機物にはアルキル、アルコール、エステル、ケトン、汚泥、プラスチック材料、偏光子(polarizer)、塗料残渣(paint residues)、プリント基板(printed circuit board,PCB)膜濾過残渣、自動車破砕残渣(auto shredder residue,ASR)及び農業副資材のうち任意の一つ又はその組み合わせを含み、
かつ前記プラスチック材料はポリウレタン(polyurethane,PU)又はエポキシ樹脂(epoxy)を含み、
前記農業副資材は籾殻、稲わら、街路樹残渣のうち任意の一つ又はその組み合わせを含み、
前記反応ガスは空気、酸素ガス、窒素ガス、水蒸気及び二酸化炭素のうち任意の一つ又はその組み合わせを含み
びに、
前記燃料ガスは水素ガス、一酸化炭素及び短鎖炭化水素化合物のうち任意の一つ又はその組み合わせを含み、かつ前記短鎖炭化水素化合物はメタン、エタン及びエチレンのうち任意の一つ又はその組み合わせを含む、請求項8に記載の燃料ガス生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガス生成装置及び方法、特に廃棄物を利用した燃料ガス生成装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
よく見られる廃棄物処理方法には、焼却法、熱分解法、溶融法及び溶錬法が含まれる。これらは全て熱化学処理を運用することで廃棄物の組成並びに物理的、化学的及び生物的性質を変化させている。
【0003】
上記焼却法、溶融法及び溶錬法の処理温度はすべて1000℃に達していなければならず、その中で、焼却法は、有機物を分解して安定したガス、例えば、無害の二酸化炭素と水蒸気、及び物質にする。溶融法は、有害有機物を酸化させ、又は重金属を揮発させ、その残った有害物質をスラグ中に滞留させる。また溶錬法は、廃棄物を金属高温製錬プロセスに取り込む。焼却法、溶融法及び溶錬法は全て、大量の燃料又はエネルギー源の投入が必要であるため、処理コストが高い。
【0004】
熱分解法の処理温度は相対的に低く、一般的には1000℃より低く、かつ得られる産物に燃料又は化学原料を含むことができ、例えば中国の特許公開番号CN109628682Bでは、廃プラスチック顆粒を熱分解してガスにし、製鋼での使用に供している。しかし、廃棄物の燃料又は化学原料への転換効率をいかに効果的に向上させるかは、研究し続けなければならない問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題を解決するため、本発明は燃料ガス生成装置を提供し、これは、
分層塔式炉を含み、それは、
収容空間、
間隔をおいて設置された複数の穿孔を有する第一ガス誘導ユニット、及び
複数の貫通孔と複数のサイクロン式噴気ユニットを有する少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットを含み、
その中で上記複数の貫通孔は互いに間隔をおいて設置され、各上記サイクロン式噴気ユニットは連通路を有し、かつ各上記サイクロン式噴気ユニットの連通路はそれぞれ各上記貫通孔と位置が互いに対応するとともに相互に連通しており、また上記分層塔式炉の底部から頂部の方向へ、上記第一ガス誘導ユニットと上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットが順に設置されており、これにより上記収容空間が互いに連通している複数の層の混合室に区画分けされ、その中で、上記複数の層の混合室は、上記分層塔式炉の底部と上記第一ガス誘導ユニットの間に位置する下層混合室、上記第一ガス誘導ユニットと上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの間に位置する中層混合室、及び上記分層塔式炉の頂部と上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの間に位置する上層混合室を含み、
反応ガスの提供に用いられる給気口、
熱伝導材料の提供に用いられる第一材料供給口、
目的有機物の提供に用いられる第二材料供給口、
処理後の目的有機物の排出に用いられ、かつ上記処理後の目的有機物は上記燃料ガスを含む第一排出口、及び、
上記熱伝導材料の排出に用いられる第二排出口を含み、
その中で、上記収容空間、上記給気口、上記第一材料供給口、上記第二材料供給口、上記第一排出口及び上記第二排出口は互いに連通しており、かつ上記給気口は上記下層混合室に設置され、並びに、
上記分層塔式炉と連結され、又はそれを囲繞する加熱設備を含む。
【0006】
本発明で設置する給気口と第一ガス誘導ユニットは、熱伝導材料、目的有機物及び反応ガスに上記収容空間中において流動床(fluidized bed)を形成させることで、熱伝導と物質移動の効率を向上させるとともに、上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの複数のサイクロン式噴気ユニットによって熱伝導材料、目的有機物及び反応ガスの混合効果を大幅に向上させる。これにより熱分解の効果を高めるとともに、ダイオキシンの生成を低減又は防止し、並びに分層塔式炉の内部におけるスケールの形成を低減又は防止する。このほか、従来の単一炉管と比較して、本発明は第一ガス誘導ユニットと少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットによって複数の層の混合室に区画分けし、一つの層の混合室ごとの熱分解法の反応環境を精密かつ正確に制御可能であるため、さらに熱分解の効果を向上させるとともに、上層混合室の燃料ガス含有量を引き上げることができる。
【0007】
本発明が熱化学処理によって目的有機物を燃料ガスに転換することに基づき、上記目的有機物は廃棄物に属するため、本発明は廃棄物の減容化と減量化の目的を達成できるほか、再利用可能な燃料ガスを生成し、廃棄物を資源化することが可能であるため、新規のグリーンケミストリーの範疇に属する。
【0008】
実施例において、上記分層塔式炉は管状を呈する。
【0009】
実施例において、上記分層塔式炉は内壁を有し、かつ上記内壁は上記収容空間を囲繞している。
【0010】
実施例において、上記第一材料供給口は上記上層混合室に設置されているが、これに限定されない。好ましくは、上記第一材料供給口は上記分層塔式炉の頂部に設置され、また同時に観察孔(sight hole)とすることができる。
【0011】
実施例において、上記第二材料供給口は中層混合室に設置されているが、これに限定されない。
【0012】
実施例において、上記第一排出口は上記上層混合室に設置されているが、これに限定されない。好ましくは、上記第一排出口は上記分層塔式炉の頂部に近接している。
【0013】
実施例において、上記第二排出口は上記下層混合室に設置されているが、これに限定されない。好ましくは、上記第二排出口は熱伝導材料又はガス化していない目的有機物を収集しやすいように、上記分層塔式炉の底部に設置されている。
【0014】
実施例において、上記上層混合室の幅は上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットから上記分層塔式炉の頂部の方向に沿って徐々に広くなっている。言い換えると、上記分層塔式炉の頂部に近接する部分の幅は、上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットに近接する部分の幅より大きい。本発明は、上層混合室の幅を徐々に広げる設計によって、目的有機物の上昇速度を効果的に低減し、また熱伝導材料が第一材料供給口から溢れ出るのを防止し、又はまだ完全にガス化していない目的有機物の固体顆粒が第一排出口に入るのを防止することができる。
【0015】
実施例において、上記上層混合室の幅は上記中層混合室の幅より大きい。
【0016】
実施例において、上記上層混合室にはフィルターが設置されている。好ましくは、上記フィルターは、上記第一排出口と上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの間に設置されている。さらに好ましくは、上記フィルターは、上記上層混合室の幅が徐々に拡大を開始する場所に設置され、これにより、まだ完全にガス化していない目的有機物の固体顆粒が第一排出口に入ることの防止を強化する。
【0017】
実施例において、上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットは、1つの第二ガス誘導ユニットを含む。
【0018】
実施例において、上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットは複数の第二ガス誘導ユニットを含み、かつ互いに隣接する任意の二つの上記第二ガス誘導ユニットの間に位置する任意の一つの混合室は中上層混合室である。好ましくは、上記複数の第二ガス誘導ユニットは互いに平行である。さらに好ましくは、上記複数の第二ガス誘導ユニットは2つから8つである。
【0019】
実施例において、上記複数の第二ガス誘導ユニットは互いに並列接続されている。好ましくは、上記複数の第二ガス誘導ユニットは上記分層塔式炉の底部から頂部の方向に沿って順に並列接続されており、例えば、上記複数の第二ガス誘導ユニットは2つの第二ガス誘導ユニットであり、また上記分層塔式炉の底部から頂部の方向に沿って順に設置され、並びにそれぞれが少なくとも一つのガス誘導設備と連結していることで、上記少なくとも一つのガス誘導設備が同時に各上記第二ガス誘導ユニットへガス供給するのに有利である。言い換えると、上記反応ガスが上記分層塔式炉の底部に近接する第二ガス誘導ユニットに先に送られた後で、余った反応ガスが上記分層塔式炉の頂部に近接する第二ガス誘導ユニットに送られるのではなく、上記反応ガスは上記少なくとも一つのガス誘導設備を離れた後、直ちに各上記第二ガス誘導ユニットへ分流される。
【0020】
実施例において、上記上層混合室の幅は各上記中上層混合室の幅より大きい。
【0021】
実施例において、上記下層混合室、中層混合室及び各上記中上層混合室の幅は、すべて同じである。
【0022】
実施例において、上記第一ガス誘導ユニットは相対する第一平面と第二平面を有し、かつ各上記穿孔は上記第一平面から上記第二平面まで延在し、また上記第一平面の総面積を基準として、上記第一平面に位置する各上記穿孔の断面積の総計は0.1~1.5%である。
【0023】
本発明に基づいて、上記第一ガス誘導ユニットの第一平面は上記分層塔式炉の頂部を向いており、並びに上記第一平面の総面積からは各上記穿孔の断面積を差し引いていない。
【0024】
実施例において、上記第一ガス誘導ユニットは反応ガス分散板である。好ましくは、上記反応ガス分散板の材質はステンレスであるが、これに限定されない。
【0025】
実施例において、上記第一ガス誘導ユニットは水平に設置され、即ち上記分層塔式炉の底部から頂部への方向に対しておよそ垂直である。
【0026】
実施例において、上記第一ガス誘導ユニットは上記分層塔式炉の内壁と連結されており、これにより複数の混合室に区画分けしている。好ましくは、上記第一ガス誘導ユニットは上記分層塔式炉の内壁と直接接触している。
【0027】
実施例において、各上記第二ガス誘導ユニットは水平に設置され、即ち上記分層塔式炉の底部から頂部への方向に対しておよそ垂直である。好ましくは、上記第一ガス誘導ユニットと各上記第二ガス誘導ユニットは平行である。
【0028】
実施例において、各上記第二ガス誘導ユニットは上記分層塔式炉の内壁と連結されており、これにより複数の混合室に区画分けしている。好ましくは、各上記第二ガス誘導ユニットは上記分層塔式炉の内壁と直接接触している。
【0029】
実施例において、各上記サイクロン式噴気ユニットの連通路は管状を呈する。好ましくは、上記連通路の直径又は最長内径は、上記連通路の高さより大きい。さらに好ましくは、上記連通路の半径又は最長内径の半分は、上記連通路の高さより大きい。
【0030】
実施例において、各上記サイクロン式噴気ユニットの連通路と各上記貫通孔は一対一で互いに正確にきっちりと合っている。好ましくは、各上記サイクロン式噴気ユニットの連通路の直径又は最長内径と各上記貫通孔の直径又は最長内径とは等しい。
【0031】
実施例において、各上記サイクロン式噴気ユニットは複数の噴気管を有し、その中で各上記噴気管は互いに連通している噴気口と吸気口を有し、かつ各上記噴気管の噴気口はそれぞれ所属するサイクロン式噴気ユニットの連通路のほうを向いている。好ましくは、各上記噴気管の噴気口は全て時計回り又は反時計回りの方向を向いており、これによりサイクロン式気流を提供する。
【0032】
実施例において、各上記噴気管の噴気口はそれぞれ所属するサイクロン式噴気ユニットの連通路に間隔をおいて設置され、これにより、所属するサイクロン式噴気ユニットの連通路においてサイクロン式気流を形成するのに有利となる。
【0033】
実施例において、各上記噴気管は、直線形を呈するか、孤形を呈する。好ましくは、各上記噴気管は孤形を呈し、これによりサイクロン式気流の旋回の程度をさらに向上させる。
【0034】
実施例において、各上記噴気管は、所属するサイクロン式噴気ユニットの連通路の外縁のほぼ接線方向に沿って設置され、これによりサイクロン式気流の旋回の程度をさらに向上させる。
【0035】
実施例において、各上記噴気管の噴気口の噴気方向は、所属するサイクロン式噴気ユニットの連通路の外縁の接線方向にほぼ平行であり、これによりサイクロン式気流の旋回の程度をさらに向上させる。
【0036】
実施例において、各上記サイクロン式噴気ユニットの断面の外輪郭は、ほぼ多辺形、例えば、五辺形、六辺形、七辺形、八辺形又は九辺形を呈し、かつ各上記サイクロン式噴気ユニットの断面方向は、上記分層塔式炉の底部から頂部への方向とほぼ垂直である。好ましくは、上記多辺形の一辺ごとに全て噴気管が設けられている。さらに好ましくは、各上記噴気管は所属するサイクロン式噴気ユニットの連通路から遠ざかる方向へ突出している。言い換えると、各上記噴気管の吸気口は上記多辺形の外に位置し、これにより上記少なくとも一つのガス誘導設備との連結に有利となる。
【0037】
実施例において、各上記サイクロン式噴気ユニットの断面の外輪郭は、ほぼ円形を呈し、かつ各上記サイクロン式噴気ユニットの断面方向は、上記分層塔式炉の底部から頂部への方向とほぼ垂直である。好ましくは、各上記噴気管は所属するサイクロン式噴気ユニットの連通路から遠ざかる方向へ突出している。言い換えると、各上記噴気管の吸気口は上記円形の外に位置し、これにより上記少なくとも一つのガス誘導設備との連結に有利となる。
【0038】
実施例において、上記第一ガス誘導ユニットの各上記穿孔と上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの各上記貫通孔の気流の方向はすべて上記分層塔式炉の底部から頂部の方向へ流動し、これにより上昇気相を形成する。比較すると、各上記サイクロン式噴気ユニットは上記分層塔式炉の底部から頂部への方向に垂直な方向へ向けて噴気する。言い換えると、各上記サイクロン式噴気ユニットは水平方向に向けて噴気する。
【0039】
実施例において、上記加熱設備は、上記下層混合室、上記中層混合室、上記中上層混合室及び上記上層混合室のうち任意の一つ若しくはその組み合わせと連結し、又はそれらを囲繞している。好ましくは、上記加熱設備は、上記中上層混合室及び/若しくは上記上層混合室と連結し、又はそれらを囲繞している。さらに好ましくは、上記加熱設備は、上記上層混合室の上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットに近接する箇所と連結し、又はそれを囲繞している。
【0040】
実施例において、本発明の燃料ガス生成装置は、さらに輸送設備を含み、上記第二材料供給口と連結している。好ましくは、上記輸送設備は、スクリューコンベア又はエアコンベアを含む。
【0041】
実施例において、さらに本発明の燃料ガス生成装置は、上記給気口に連結された少なくとも一つのガス誘導設備を含み、好ましくは、上記少なくとも一つのガス誘導設備は、ルーツ送風機、遠心送風機、リング型送風機又は軸流送風機を含む。
【0042】
実施例において、上記少なくとも一つのガス誘導設備は、上記給気口及び各上記噴気管の吸気口に連結されている。好ましくは、上記少なくとも一つのガス誘導設備は、少なくとも一つの長管によって各上記噴気管の吸気口に連結されている。
【0043】
実施例において、上記少なくとも一つのガス誘導設備は、1つのガス誘導設備であり、かつ上記ガス誘導設備は、上記給気口及び各上記噴気管の吸気口にそれぞれ連結されている。
【0044】
実施例において、上記少なくとも一つのガス誘導設備は、複数のガス誘導設備であり、かつ上記複数のガス誘導設備は、上記給気口と連結されている第一ガス誘導設備、及び各上記噴気管の吸気口と連結されている第二ガス誘導設備を含む。
【0045】
実施例において、上記少なくとも一つのガス誘導設備には、オリフィス流量計(orifice flow meter)及び/又は加温器が設置されている。
【0046】
実施例において、本発明の燃料ガス生成装置は、さらに熱交換設備を含み、上記第一排出口と連結している。本発明で設置する熱交換設備は、燃料ガス中の熱エネルギーを回収し、また上記燃料ガス生成装置の加熱設備及び/又は上記少なくとも一つのガス誘導設備の加温器に輸送することが可能であり、これによりエネルギー消費及び廃熱全体を低減する。
【0047】
実施例において、本発明の加熱設備は、電熱式加熱器、ボイラー式加熱器又は高周波加熱器を含む。好ましくは、上記加熱設備の加熱温度は、400℃以上950℃以下であり、例えば、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃若しくは950℃であるが、これらに限定されない。
【0048】
そのほか、本発明は燃料ガス生成方法を提供し、それは、
熱伝導材料、目的有機物及び反応ガスを上記燃料ガス生成装置に提供するとともに、上記熱伝導材料、上記目的有機物及び上記反応ガスに上記収容空間中で流動床(fluidized bed)を形成させる流動化ステップ、及び、
上記流動床を加熱し、上記目的有機物をガス化することで、上記燃料ガスを得るガス化ステップを含む。
【0049】
本発明に基づき、「上記目的有機物をガス化させる」とは、熱分解法によって目的有機物を燃料ガスに転化することを指す。
【0050】
実施例において、上記流動化ステップには、
上記第一材料供給口から上記熱伝導材料を上記収容空間に充填する充填ステップ、
上記加熱設備によって上記収容空間の温度を上昇させる予熱ステップ、
上記第二材料供給口から上記目的有機物を投入する材料投入ステップ、及び、
上記給気口から上記反応ガスを入れるとともに、上記反応ガスが上記第一ガス誘導ユニットの各上記穿孔、上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの各上記貫通孔及び各上記サイクロン式噴気ユニットの連通路を順に通過するようにし、上記反応ガスを上記下層混合室から上記中層混合室を経由した後、上記上層混合室に到達させることで、上昇気相を形成するガス誘導ステップを含み、
並びに上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの各上記サイクロン式噴気ユニットから上記反応ガスを入れることにより、サイクロン式気流を提供する。
【0051】
実施例において、上記ガス化ステップ中の加熱温度は、400℃以上950℃以下であり、例えば、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃若しくは950℃であるが、これらに限定されない。
【0052】
実施例において、上記予熱ステップと上記ガス化ステップは同じ温度を採用する。
【0053】
実施例において、本発明の燃料ガス生成方法は、さらに燃料ガス熱回収ステップを含み、熱交換設備を上記分層塔式炉の第一排出口に連結し、これにより上記燃料ガスの熱エネルギーを回収するとともに、上記熱エネルギーを上記燃料ガス生成装置の加熱設備まで輸送する。
【0054】
実施例において、本発明の燃料ガス生成装置は、さらに上記給気口と連結されている少なくとも一つのガス誘導設備を含み、かつ上記少なくとも一つのガス誘導設備には加温器が設置され、並びに上記熱交換設備は上記熱エネルギーを上記燃料ガス生成装置の加熱設備及び/又は上記少なくとも一つのガス誘導設備の加温器に輸送する。
【0055】
実施例において、上記熱伝導材料は触媒を含む。
【0056】
実施例において、上記熱伝導材料は珪砂、鉄系触媒、銅系触媒及びカルシウム含有化合物のうち任意の一つ又はその組み合わせを含む。
【0057】
実施例において、上記熱伝導材料の直径は、0.1mm以上0.6mm以下である。本発明に基づくと、上記熱伝導材料の直径は、熱伝導又は触媒反応の効率を高めることができる。
【0058】
実施例において、上記珪砂は石英砂を含み、上記鉄系触媒は四酸化三鉄(Fe)、二炭化五鉄(Fe)、ニッケル鉄合金(Ni-Fe)又は鉄窒素ドープ炭素材料(Fe-N-C)を含み、上記銅系触媒は銅/酸化亜鉛(Cu/ZnO)、銅/酸化亜鉛/酸化アルミニウム(Cu/ZnO/Al)又は銅/酸化亜鉛/酸化ジルコニウム(Cu/ZnO/ZrO)を含み、並びに/又は上記カルシウム含有化合物は酸化カルシウム、水酸化カルシウム又は炭酸カルシウムを含む。
【0059】
実施例において、上記目的有機物は、アルキル、アルコール、エステル、ケトン、汚泥、プラスチック材料、偏光子(polarizer)、塗料残渣(paint residues)、プリント基板(printed circuit board,PCB)膜濾過残渣、自動車破砕残渣(auto shredder residue,ASR)、農業副資材のうち任意の一つ又はその組み合わせを含む。
【0060】
実施例において、上記プラスチック材料はポリウレタン(polyurethane,PU)又はエポキシ樹脂(epoxy)を含み、上記プラスチック材料は重合体であり、上記農業副資材は籾殻、稲わら、街路樹残渣のうち任意の一つ又はその組み合わせを含み、並びに/又は上記汚泥は有機汚泥若しくは無機汚泥を含む。
【0061】
実施例において、上記反応ガスは、空気、酸素ガス、窒素ガス、水蒸気及び二酸化炭素のうち任意の一つ又はその組み合わせを含む。本発明は、特定の反応ガスを選択することによりダイオキシン等の空気汚染物の発生を防止できる。

【0062】
好ましくは、上記酸素ガスの濃度は0%以上20%以下である。焼却法の酸素消費量の多さに加え、二酸化炭素を最終生成物とすることによって、カーボンフットプリントが多くなる、といった欠点と比較して、本発明の燃料ガス生成方法は低酸素又は無酸素環境下で実施するとともに、再利用可能な燃料ガスを生成し、廃棄物を資源化させることができ、循環型経済の理念を実現可能である。
【0063】
実施例において、上記燃料ガスは、水素ガス、一酸化炭素及び短鎖炭化水素化合物のうち任意の一つ又はその組み合わせを含む。好ましくは、上記短鎖炭化水素化合物はメタン、エタン及びエチレンのうち任意の一つ又はその組み合わせを含む。
【発明の効果】
【0064】
上記内容をまとめると、本発明の燃料ガス生成装置は、熱伝導材料、目的有機物及び反応ガスに流動床を形成させるとともに、少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットの複数のサイクロン式噴気ユニットによって混合効果を大幅に向上させ、並びに第一ガス誘導ユニットと少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットによって複数の層の混合室に区画分けすることで、一つの層の混合室ごとの熱分解法の反応環境を精密かつ正確に制御可能であり、廃棄物の燃料又は化学原料への転換効率を大幅に向上させるとともにエネルギー消費全体を低減可能であり、環境的便益を有する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】本発明の燃料ガス生成装置の実施例の概略図である。
図2】本発明の燃料ガス生成装置の第一ガス誘導ユニットの立体図である。
図3】本発明の燃料ガス生成装置の少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットのサイクロン式噴気ユニットの上面概略図である。
図4】本発明の燃料ガス生成装置の上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットのサイクロン式噴気ユニットの断面図である。
図5】本発明の燃料ガス生成装置の別の実施例の概略図である。
図6】本発明の燃料ガス生成方法の実施例のフローチャートである。
図7】本発明の燃料ガス生成方法の流動化ステップのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本発明の実施例を説明しやすくするため、以下、数種類の操作方法を提供する。この技術を熟知している者は、本明細書の内容を通じて、本発明が達成可能な特長と効果、また本発明の趣旨から逸脱することなく、各種の修飾および変更を行うことで、本発明の内容を実施または応用していることを容易に理解することができる。
【実施例1】
【0067】
〔燃料ガス生成装置〕
図1に示す通り、本発明の燃料ガス生成装置1は、分層塔式炉10を含み、それは
収容空間100、
間隔をおいて設置された複数の穿孔1010を有する第一ガス誘導ユニット101、及び、
複数の貫通孔1020と複数のサイクロン式噴気ユニット1021を有する少なくとも一つの第二ガス誘導ユニット102Aを含み、
その中で上記複数の貫通孔1020は互いに間隔をおいて設置され、上記複数の貫通孔1020と上記複数のサイクロン式噴気ユニット1021の数量は同じであり、両方ともそれぞれ8つであり、かつ各上記サイクロン式噴気ユニット1021は連通路10210を有し、かつ各上記サイクロン式噴気ユニット1021の連通路10210はそれぞれ各上記貫通孔1020と位置が互いに対応するとともに相互に連通しており、また上記分層塔式炉10の底部103から頂部104の方向へ、上記第一ガス誘導ユニット101と上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニット102Aが順に設置されており、これにより上記収容空間100を互いに連通している複数の層の混合室に区画分けし、
その中で、上記複数の層の混合室は、上記分層塔式炉10の底部103と上記第一ガス誘導ユニット101の間に位置する下層混合室1000A、上記第一ガス誘導ユニット101と上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニット102Aの間に位置する中層混合室1000B、及び上記分層塔式炉10の頂部104と上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニット102Aの間に位置する上層混合室1000Cを含み、
反応ガスの提供に用いられる給気口105、
熱伝導材料の提供に用いられる第一材料供給口106、
目的有機物の提供に用いられる第二材料供給口107、
処理後の目的有機物の排出に用いられ、かつ上記処理後の目的有機物は上記燃料ガスを含む第一排出口108、及び、
上記熱伝導材料の排出に用いられる第二排出口109を含み、
その中で、上記収容空間100、上記給気口105、上記第一材料供給口106、上記第二材料供給口107、上記第一排出口108及び上記第二排出口109は互いに連通しており、かつ上記給気口105は上記下層混合室1000Aに設置され、
並びに上記分層塔式炉10と連結され、又はそれを囲繞している加熱設備11を含む。
【0068】
このほか、上記第一材料供給口106は上記上層混合室1000Cに設置され、上記第二材料供給口107は上記中層混合室1000Bに設置され、上記第一排出口108は上記上層混合室1000Cに設置され、並びに上記第二排出口109は上記下層混合室1000Aに設置されている。
【0069】
図2に示す通り、上記第一ガス誘導ユニット101は相対する第一平面1011と第二平面1012を有し、かつ各上記穿孔1010は上記第一平面1011から上記第二平面1012まで延在し、また上記第一平面1011の総面積を基準として、上記第一平面1011に位置する各上記穿孔1010の断面積の総計は0.1~1.5%である。
【0070】
図3は、上記サイクロン式噴気ユニット1021の上面図であり、第一に、各上記サイクロン式噴気ユニット1021の外輪郭はほぼ八辺形を呈し、かつ一辺10211ごとに全て噴気管10212が設けられており、合計で8つの噴気管10212が設けられている。
【0071】
第二に、各上記噴気管10212は互いに連通している噴気口102120と吸気口102121を有し、その中で各上記噴気管10212の噴気口102120はそれぞれ所属するサイクロン式噴気ユニット1021の連通路10210のほうを向き、かつ全て反時計回りの方向を向いている。
【0072】
第三に、各上記噴気管10212の噴気口102120はそれぞれ所属するサイクロン式噴気ユニット1021の連通路10210に間隔をおいて設置され、かつ各上記噴気管10212は所属するサイクロン式噴気ユニット1021の連通路10210の外縁のほぼ接線方向に沿って設置されている。
【0073】
最後に、各上記噴気管10212は所属するサイクロン式噴気ユニット1021の連通路10210から遠ざかる方向へ突出している。言い換えると、各上記噴気管10212の吸気口102121は上記八辺形の外に位置する。
【0074】
図4からわかるように、各上記サイクロン式噴気ユニット1021は複数の噴気管10212を含むため、内部に複数の気体流路102122を有する。
【実施例2】
【0075】
〔燃料ガス生成装置〕
図5に示す通り、本発明の燃料ガス生成装置1は、2つの第二ガス誘導ユニット102A、102Bを含み、かつ上記2つの第二ガス誘導ユニット102A、102Bの間に位置する混合室は中上層混合室1000Dである。
【0076】
このほか、上記上層混合室1000Cの幅は上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニット102Bから上記分層塔式炉10の頂部104の方向に沿って徐々に広がっており、即ち上記分層塔式炉10の頂部104に近接する部分の幅は、上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニット102Bに近接する部分の幅より大きく、これにより、目的有機物の上昇速度を効果的に低減し、また熱伝導材料が第一材料供給口106から溢れ出るのを防止し、又はまだ完全にガス化していない目的有機物の固体顆粒が第一排出口108に入るのを防止することができる。
【0077】
最後に、上記上層混合室1000Cの幅は、上記中上層混合室1000Dの幅より大きい。
【実施例3】
【0078】
〔燃料ガス生成方法〕
図6に示す通り、本発明の燃料ガス生成方法には、流動化ステップS1及びガス化ステップS2を含む。
【0079】
図1図6に示す通り、流動化ステップS1は、熱伝導材料、目的有機物及び反応ガスを図1に示す燃料ガス生成装置1に提供するとともに、上記熱伝導材料、上記目的有機物及び上記反応ガスが上記収容空間100中で流動床を形成するようにし、具体的には、石英砂、廃棄物及び窒素ガスを混合することにより流動床を形成し、かつ上記石英砂の直径は0.1mm以上0.6mm以下である。またガス化ステップS2は、上記流動床を加熱し、上記目的有機物をガス化させることで、上記燃料ガスを得て、具体的には、加熱温度は400℃以上950℃以下であり、これにより目的有機物を熱分解して燃料ガスにする。
【実施例4】
【0080】
〔燃料ガス生成方法〕
図6図7に示す通り、本発明の燃料ガス生成方法の流動化ステップS1には、充填ステップS1-1、予熱ステップS1-2、材料投入ステップS1-3及びガス誘導ステップS1-4を含む。
【0081】
図1図7に示す通り、充填ステップS1-1は、上記第一材料供給口106から上記熱伝導材料を上記収容空間100に充填する。予熱ステップS1-2は、上記加熱設備11によって上記収容空間100の温度を上昇させる。材料投入ステップS1-3は、上記第二材料供給口107から上記目的有機物を投入する。またガス誘導ステップS1-4は、上記給気口105から上記反応ガスを入れるとともに、上記反応ガスが上記第一ガス誘導ユニット101の各上記穿孔1010、上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニット102Aの各上記貫通孔1020及び各上記サイクロン式噴気ユニット1021の連通路10210を順に通過するようにし、上記反応ガスを上記下層混合室1000Aから上記中層混合室1000Bを経由した後、上記上層混合室1000Cに到達させることで、上昇気相を形成し、
並びに上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニット102Aの各上記サイクロン式噴気ユニット1021から上記反応ガスを入れることにより、サイクロン式気流を提供する。
【0082】
上記内容をまとめると、本発明の燃料ガス生成装置及び方法は、優れた熱伝導及び物質移動効果を有しており、また酸素ガスの使用を低減又は回避して熱分解を行うことで、再利用可能な燃料ガスを生成し、エネルギー資源の全体の使用コストを低減可能であるほか、循環型経済の理念を実現可能である。
【要約】
【課題】本発明は、燃料ガス生成装置及び燃料ガス生成方法を提供する。
【解決手段】本発明は燃料ガス生成装置を提供し、これは分層塔式炉と加熱設備を含み、かつ上記分層塔式炉は収容空間を含むとともに、第一ガス誘導ユニットと少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットによって下層混合室、中層混合室及び上層混合室に区画分けされ、かつ上記少なくとも一つの第二ガス誘導ユニットは複数のサイクロン式噴気ユニットを有する。本発明は、さらに燃料ガス生成方法を提供する。本発明の燃料ガス生成装置及び方法は、優れた熱伝導及び物質移動効果を有しており、また熱分解反応を行うことで、再利用可能な燃料ガスを生成し、エネルギー消費全体を低減可能であるほか、循環型経済の理念を実現可能である。
【選択図】なし
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7