(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】物品処理システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/30 20060101AFI20230104BHJP
B65G 47/53 20060101ALI20230104BHJP
B65G 35/08 20060101ALI20230104BHJP
【FI】
B65G47/30 F
B65G47/53 Z
B65G35/08 A
(21)【出願番号】P 2018199408
(22)【出願日】2018-10-23
【審査請求日】2020-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391058381
【氏名又は名称】キリンビバレッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】水川 憲二
(72)【発明者】
【氏名】上田 敦士
(72)【発明者】
【氏名】吉井 孝平
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0111710(US,A1)
【文献】特開2012-030883(JP,A)
【文献】特開2002-362502(JP,A)
【文献】特開2014-024665(JP,A)
【文献】特開2006-111406(JP,A)
【文献】特許第6155406(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/22-47/32
B65G 47/52-47/53
B65G 35/08
B65G 47/86
B65B 35/42-46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流から下流に向けて樹脂材料からなる飲料用の容器を搬送する搬送路と、
前記搬送路を搬送される前記容器に対して所定の処理をする第一処理部と、
前記第一処理部を経た後に複数列とされた前記容器を第一方向に搬送するかまたは貯留する第一貯留部と、
前記第一処理部を経て搬送される前記容器を受け取って前記第一貯留部に受け渡す第一上流搬送部と、
前記第一貯留部から受け取った前記容器を下流側の前記搬送路に受け渡す第一下流搬送部と、を備え、
前記第一下流搬送部は、
前記第一方向に搬送される複数列の前記容器を受け取り、前記第一方向と交差する第三方向に搬送することで前記容器を単列として下流側に受け渡し、
かつ、前記第一下流搬送部は、
それぞれが独立して移動できる、前記容器を支持する複数の第二可動子を含む第二可動子群を備え、
前記第三方向における受取位置において停止した状態で、前記第二可動子群が前記第一貯留部から所定数のグループの単位で、かつ、所定の間隔をあけた状態で前記容器を受け取る、
物品処理システム。
【請求項2】
前記第二可動子群は、
複数の前記容器を受け渡す受渡位置よりも上流の第二待機位置で待機している状態から
、
先頭の前記第二可動子から順に前記受渡位置に移動して前記容器を受け渡す、
請求項
1に記載の物品処理システム。
【請求項3】
前記第一下流搬送部は、
第二おもて経路と第二うら経路を備え、前記第二おもて経路が前記第一貯留部に対向するように設けられる第二周回搬送路を備え、
前記第二可動子群は、
前記第二おもて経路において順番に前記容器を受け取り、
受け取った順番で前記第二うら経路に移動する、
請求項
2に記載の物品処理システム。
【請求項4】
前記第二可動子群は、前記受取位置よりも手前の停止位置において停止してから前記受取位置まで移動して停止する、
請求項
3に記載の物品処理システム。
【請求項5】
前記第二可動子群は、先行して前記受取位置において前記容器を受け取った前記第二可動子群が、前記受取位置から前記第二うら経路に向けて移動した後に、前記受取位置まで移動して停止する、
請求項
4に記載の物品処理システム。
【請求項6】
前記第二うら経路に前記容器を搬出する第二回転体搬送装置が設けられ、
前記第二回転体搬送装置の搬送速度と同期した速度とされた前記第二可動子群の複数の前記第二可動子が、前記第二回転体搬送装置に順に前記容器を受け渡す、
請求項
3~請求項
5のいずれか一項に記載の物品処理システム。
【請求項7】
前記第一上流搬送部は、
前記容器を受け取り、前記第一方向と交差する第二方向において単列として前記容器を前記第一貯留部まで搬送することで、前記第一方向に対して前記容器を複数列として前記第一貯留部に受け渡し、
かつ、前記第一上流搬送部は、
それぞれが独立して移動できる、前記容器を支持する複数の第一可動子を含む第一可動子群を備え、
前記容器を所定数からなるグループの単位で、かつ、所定の間隔をあけた状態で前記第一可動子群により前記第二方向における受渡位置まで搬送した後に停止し、前記第一貯留部に前記グループの単位で前記容器を受け渡す、
請求項1に記載の物品処理システム。
【請求項8】
前記第一可動子群は、
複数の前記容器を受け取る受取位置よりも上流の第一待機位置で待機している状態から、
先頭の前記第一可動子から順に前記受取位置に移動して前記容器を受け取る、
請求項
7に記載の物品処理システム。
【請求項9】
前記第一上流搬送部は、
第一おもて経路と第一うら経路を備え、前記第一おもて経路が前記第一貯留部に対向するように設けられる第一周回搬送路を備え、
前記第一可動子群は、
前記第一うら経路において順番に前記容器を受け取り、
受け取った順番で前記第一おもて経路に移動する、
請求項
8に記載の物品処理システム。
【請求項10】
前記第一可動子群は、前記受渡位置よりも手前の停止位置において停止してから前記受渡位置まで移動して停止する、
請求項
9に記載の物品処理システム。
【請求項11】
前記第一うら経路において前記容器を受け取った前記第一可動子群は、
前記受渡位置よりも手前の前記停止位置まで連続的に移動してから停止し、
先行して前記受渡位置において前記容器を受け渡した前記第一可動子群が、前記受渡位置から前記第一うら経路に向けて移動した後に、前記受渡位置まで移動して停止する、
請求項
10に記載の物品処理システム。
【請求項12】
前記第一うら経路に前記容器を搬入する第一回転体搬送装置が設けられ、
前記第一回転体搬送装置の搬送速度と同期した速度とされた前記第一可動子群の複数の前記第一可動子が、前記第一回転体搬送装置から順に前記容器を受け取る、
請求項
9~請求項
11のいずれか一項に記載の物品処理システム。
【請求項13】
前記第一貯留部は、
前記第一方向に直列に配置される複数のコンベヤを備える、
請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の物品処理システム。
【請求項14】
互いに平行に配列される一対の前記第一貯留部を備え、
一対の前記第一貯留部のそれぞれに前記第一上流搬送部が設けられる、
請求項
7~請求項13のいずれか一項に記載の物品処理システム。
【請求項15】
互いに平行に配列される一対の前記第一貯留部を備え、
一対の前記第一貯留部のそれぞれに前記第一下流搬送部が設けられる、
請求項
1~請求項6および請求項13のいずれか一項に記載の物品処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキュムレータと称される物品の搬送装置を備える物品処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料製品は、一例として、プラスチック容器の成形、容器への製品液の充填、ラベルの装着および箱詰めの工程を経て製造される。この工程を実現する製造ラインは、成形機、充填機、ラベラおよびケーサといった機器を備える。それぞれの機器は容器を搬送する搬送システムで繋がれている。
【0003】
この搬送システムは、所定の速度で容器を搬送するだけではなく、例えば特許文献1に記載されるように、容器が搬送される向きに隣接する装置間において複数の容器を貯留させるアキュームレーション機能を備えている。この機能は、装置間の能力差を吸収するのに加えて、一部の要素が停止しても製造ラインを継続して運転するために設けられる。アキュームレーション機能を備える搬送装置は、アキュムレータ、アキュームコンベヤなどと称される。
【0004】
アキュムレータは、単列で搬送される容器を複数列に並び変えた状態で、容器を搬送および貯留する。また、アキュムレータで搬送および貯留された容器は、複数列から単列に並びが変換されてから下流側の機器に向けて搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アキュムレータは、容器を貯留および搬送するコンベヤが占有するスペースの他に、上流側において単列から複数列へ並び変えるためのコンベヤおよび下流側において複数列から単列へ並び変えるコンベヤが必要である。これらの容器の整列用コンベヤは、例えば特許文献1の
図1に示されるように、相当の長さを有するために、アキュムレータを備える製造ラインは大きなスペースを占有する。
【0007】
以上より、本発明は、アキュムレータを備えながらも省スペースを実現できる物品処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の物品処理システムは、上流から下流に向けて物品を搬送する搬送路と、搬送路を搬送される物品に対して所定の処理をする第一処理部と、第一処理部を経た後に複数列とされた物品を第一方向に搬送するかまたは貯留する第一貯留部と、第一処理部を経て搬送される物品を受け取って第一貯留部に受け渡す第一上流搬送部と、第一貯留部から受け取った物品を下流側の搬送路に受け渡す第一下流搬送部と、を備える。
本発明における第一上流搬送部は、物品を受け取り、第一方向と交差する第二方向において単列として物品を第一貯留部まで搬送することで、第一方向に対して物品を複数列として第一貯留部に受け渡す。
なお、この物品処理システムを第一発明と称する。
また、本発明において、単列および複数列は物品の搬送方向に直交する方向に並ぶ物品の数によって特定される。つまり、搬送方向に直交する方向に並ぶ物品が一つであれば単列であり二つ以上であれば複数列である。
【0009】
また、本発明の物品処理システムは、上流から下流に向けて物品を搬送する搬送路と、搬送路を搬送される物品に対して所定の処理をする第一処理部と、第一処理部を経た後に複数列とされた物品を第一方向に搬送するかまたは貯留する第一貯留部と、第一処理部を経て搬送される物品を受け取って第一貯留部に受け渡す第一上流搬送部と、第一貯留部から受け取った物品を下流側の搬送路に受け渡す第一下流搬送部と、を備える。
本発明における第一下流搬送部は、第一方向に搬送される複数列の物品を受け取り、第一方向と交差する第三方向に搬送することで物品を単列として下流側に受け渡す。
なお、この物品処理システムを第一発明と称する。
【0010】
第一発明において、第一上流搬送部は、好ましくは、物品を所定数からなるグループの単位で、第二方向における受渡位置まで搬送した後に停止し、第一貯留部にグループの単位で物品を受け渡す。
第一発明において、第一上流搬送部は、好ましくは、第一おもて経路と第一うら経路を備え、第一おもて経路が第一貯留部に対向するように設けられる第一周回搬送路と、第一周回搬送路をそれぞれが独立して移動できる複数の可動子を含む第一可動子群と、を備え、第一可動子群は、第一うら経路において順番に物品を受け取り、受け取った順番で第一おもて経路に移動する。
また、第一発明において、第一可動子群は、好ましくは、受渡位置よりも手前の停止位置において停止してから受渡位置まで移動して停止する。
さらに、第一発明において、好ましくは、第一うら経路において物品を受け取った第一可動子群は、受渡位置よりも手前の停止位置まで連続的に移動してから停止し、先行して受渡位置において物品を受け渡した第一可動子群が、受渡位置から第一うら経路に向けて移動した後に、受渡位置まで移動して停止する。
【0011】
第一発明において、好ましくは、第一うら経路に物品を搬入する第一回転体搬送装置が設けられ、第一回転体搬送装置の搬送速度と同期した速度とされた第一可動子群の複数の可動子が、第一回転体搬送装置から順に物品を受け取る。
【0012】
第二発明において、第一下流搬送部は、好ましくは、第三方向における受取位置において停止した状態で、第一貯留部から所定数のグループの単位で物品を受け取る。
第二発明において、第一下流搬送部は、好ましくは、第二おもて経路と第二うら経路を備え、第二おもて経路が第一貯留部に対向するように設けられる第二周回搬送路と、第二周回搬送路をそれぞれが独立して移動できる複数の可動子からなる第二可動子群と、を備え、第二可動子群は、第二おもて経路において順番に物品を受け取り、受け取った順番で第二うら経路に移動する。
また、第二発明において、好ましくは、第二可動子群は、受取位置よりも手前の停止位置において停止してから受取位置まで移動して停止する。
さらに、第二発明において、第二おもて経路において物品を受け取った第二可動子群は、
受取位置よりも手前の停止位置まで連続的に移動してから停止し、先行して受取位置において物品を受け取った第二可動子群が、受取位置から第二うら経路に向けて移動した後に、受取位置まで移動して停止する。
【0013】
第二発明において、好ましくは、第二うら経路に物品を搬出する第二回転体搬送装置が設けられ、第二回転体搬送装置の搬送速度と同期した速度とされた第二可動子群の複数の可動子が、第二回転体搬送装置に順に物品を受け渡す。
【0014】
第一発明および第二発明において、第一貯留部は、好ましくは、第一方向に直列に配置される複数のコンベヤを備える。
第一発明において、好ましくは、互いに平行に配列される一対の第一貯留部を備え、一対の第一貯留部のそれぞれに第一上流搬送部が設けられる。
第二発明において、好ましくは、互いに平行に配列される一対の第一貯留部を備え、一対の第一貯留部のそれぞれに第一下流搬送部が設けられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造ラインによれば、第一上流搬送部が単列で搬送される物品を複数列に並び替える。第一上流搬送部は、第一貯留部が物品を搬送する第一方向に対して交差、典型的には直交する第二方向に物品を搬送する。これにより、第一上流搬送部を単列で搬送される物品を第一貯留部では複数列に並び替える。第一上流搬送部が第一方向に対して占有するのは、物品を単列で搬送できるスペースで足りる。したがって、搬送のための装置を含めたとしても、例えば特許文献1に開示される従来の単列から複数列への並び変えのためのコンベヤに比べて、第一上流搬送部の第一方向の寸法は相当に短い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る飲料製造ラインを示すブロック図である。
【
図2】
図1の飲料製造ラインに適用されるアキュームレーション装置の構成を示す平面図である。
【
図3】
図2の第一上流搬送部の動作を説明する図である。
【
図4】
図3に続いて
図2の第一上流搬送部の動作を説明する図である。
【
図5】
図4に続いて
図2の第一上流搬送部の動作を説明する図である。
【
図6】
図5に続いて
図2の第一上流搬送部の動作を説明する図である。
【
図7】
図2の第一貯留部で行われる搬送モードの動作を説明する図であり、(a)~(c)は時系列に従っている。
【
図8】
図2の第一貯留部で行われるアキュームモードの動作を説明する図であり、(a)~(e)は時系列に従っている。
【
図9】
図2の第一下流搬送部の動作を説明する図である。
【
図13】単列で搬送される容器を二列に分岐する手段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1に示す飲料製品の製造ライン1は、容器の成形、製品液の充填、ラベル付けおよび箱詰めの工程を備えて飲料製品を製造するものであり、本発明の物品処理システムの一例である。
【0018】
本実施形態における飲料製品の容器5は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)等の樹脂材料から形成されたボトルである。ただし、製造ライン1により製造される飲料製品の容器5は、樹脂材料から形成されたボトルに限らず、ガラス材料から形成されたびんや、金属材料から形成された缶やボトル缶等であってもよい。また、本発明における搬送の対象は、容器に限るものではなく、搬送の対象となり得る物品に広く適用される。
【0019】
[製造ライン]
製造ライン1は、
図1に示すように、樹脂製の容器5を成形する成形機10と、容器の内部に製品液を充填し、キャップを取り付ける無菌充填装置20と、ラベル付けや箱詰め、封函等を行うパッケージライン30とを備えている。製造ライン1は、成形機10、無菌充填装置20およびパッケージライン30の動作を制御する制御装置3を備えている。製造ライン1において、一点鎖線の矢印は容器5が搬送される向きを示しており、成形機10からパッケージライン30にかけて形成される搬送路に沿って容器5が搬送されながら所定の処理がなされる。
【0020】
成形機10は、一例として樹脂材料からなるプリフォームPFと呼ばれる前駆体に熱を加えて溶融し、金型を用いて容器5をブロー成形する。
無菌充填装置20は、一例として、容器5の内部に製品液(内容物)を充填するノズルを有した充填機と、製品液が充填された容器5の開口部にキャップを装着することで容器5を密閉するキャッパと、充填機およびキャッパを覆うチャンバと、を備えている。チャンバの内側の無菌環境下で、容器5への製品液の充填と、容器へのキャップの装着とが行われる。
成形機10、無菌充填装置20などが本発明の第一処理部に該当する。
【0021】
成形機10および無菌充填装置20の充填機およびキャッパは、回転体やスターホイールからなるロータリ式の搬送装置によりプリフォームPFおよび容器5を所定のピッチで搬送しながら、成形および充填の処理を行う。成形機10により得られた容器5の首部は、回転体の外周部に所定ピッチで備わるグリッパと称される把持手段により支持される。
【0022】
[パッケージライン30]
図1に一点鎖線で示すパッケージライン30は、上流から下流の順に、製品液が充填された容器5を搬送および貯留する第一アキュムレータ40と、第一アキュムレータ40から排出された容器5にラベルを装着するラベラ60と、検査装置70と、ラベルが装着された容器5を搬送および貯留する第二アキュムレータ80と、第二アキュムレータ80から排出された容器5を箱に詰めるケーサ100と、箱を封函する封函機110と、検査装置120と、箱を積み上げる段積機130と、を備えている。
【0023】
パッケージライン30に備わる第一アキュムレータ40、第二アキュムレータ80により、ラインを流れる容器5を一時的に留め置くことで、第一アキュムレータ40、第二アキュムレータ80のそれぞれの上流と下流との単位時間あたりの搬送能力差を吸収し、また、上流または下流のいずれかで装置や機械が停止しても、製造ライン1の全てを効率的に稼働させることができる。このようなアキュームレーティング(accumulating)機能をアキュムレータ40,80は有している。第一貯留部43の領域内に搬送対象の物品である容器5を留め置くことを、「貯留」と言うものとする。
【0024】
パッケージライン30は、それよりも上流の成形機10や無菌充填装置20を含むラインによる搬送能力を上回る搬送能力を有している。パッケージライン30よりも上流のラインは、成形機10のヒータへの通電や充填ノズルの安定した動作のため、断続的に運転するよりも連続して運転することが好ましい。この上流ラインを連続して運転させることで得られた充填済みの容器5からなる容器群を第一アキュムレータ40、第二アキュムレータ80に貯めることができる間は、パッケージライン30の稼働を停止しても、上流ラインの稼働を停止する必要がない。第一アキュムレータ40、第二アキュムレータ80により一時的に貯留した容器群は、装置や機械の運転再開により、適切な能力で搬送される。
これとは逆に、上流ラインが停止した場合には、第一アキュムレータ40、第二アキュムレータ80に貯留された容器群が下流へと供給されるため、パッケージライン30を連続して運転することができる。
【0025】
検査装置70は、一例として、容器5やラベル、箱等の外観に汚損があったり印字がかすれていたりしないかどうか、あるいは製品液位等を検査する。検査装置70に限らず、必要な検査項目を検査可能な検査装置をパッケージライン30の適宜な箇所に備えることができる。
【0026】
図1に示すパッケージライン30の構成は、一例に過ぎず、製品仕様に応じて必要な装置を適宜にレイアウトして構成することができる。本実施形態では、ラベラ60を一括りとして示しているが、製造する飲料製品の仕様に応じて、二つのラベラを置いて選択的に使用することができる。例えば、一方のラベラでは処理されずに通過した容器5に対して他方のラベラによりラベルを装着することができる。二つのラベラは直列に配置されていてもよいし、並列に配置されてもよい。
【0027】
パッケージライン30には、任意の容器5を抽出して検査したり、処理に異常のあった容器5あるいは容器5が入った箱をラインの外に排出したりするため、適宜な箇所にサンプリングラインやリジェクトラインを設けることができる。
【0028】
第一アキュムレータ40は、
図1に示すように、第一上流搬送部41と、第一貯留部43と、第一下流搬送部45と、を備える。
本実施形態においては、同じ構成を一対の第一上流搬送部41を並列に設けられるのに加えて、同じ構成を備える一対の第一下流搬送部45を並列に設けられる。一方の第一上流搬送部41と第一下流搬送部45の間に第一貯留部43が設けられ、また、他方の第一上流搬送部41と第一下流搬送部45の間にも第一貯留部43が設けられる。一対の第一貯留部43,43は互いに平行に配列される。この構成は、
図1に示すように、第二アキュムレータ80にも適用される。
【0029】
第一上流搬送部41は、無菌充填装置20から例えば転送スターホイールを介して供給される容器5を第一貯留部43に向けて搬送する。第一貯留部43は、第一上流搬送部41から受け渡された容器5を並べて貯留する。第一下流搬送部45は、第一貯留部43に並んでいた容器5を受け取って第一アキュムレータ40よりも下流に位置するラベラ60に向けて搬送する。
第一アキュムレータ40は、第一上流搬送部41から第一貯留部43への容器5の受け渡し、第一貯留部43から第一下流搬送部45への容器5の受け渡しが、四本の単位で行われる。ただし、四本はあくまで一例にすぎず、例えば五本、七本など他の単位とすることができる。
第一アキュムレータ40のより具体的な構成については後述する。
【0030】
ラベラ60は、具体的な構成の図示を省略するが、例えばフィルム状のラベルを容器5の胴部に巻くロール式のラベラが適用される。ラベラ60は、容器5の胴部、首部または底部にかけてフィルム状のラベルを装着するシュリンク式のラベラが適用される。
【0031】
ラベラ60から検査装置70を経た容器5は、検査装置70により基準に満たないと判定されたものや、個々の容器5に付与された識別情報に基づく容器5の追跡により、例えば充填機の一部のノズルの故障やラベル付けのミス等の異常が発生したと特定されているものについては、リジェクトラインを通じてラインの外へと排出される。排出される以外の容器5は第二アキュムレータ80へと供給される。
【0032】
第二アキュムレータ80は、
図1に示すように、第二上流搬送部81と、第二貯留部83と、第二下流搬送部85と、を備える。
第二上流搬送部81は、検査装置70から例えば転送スターホイールを介して供給される容器5を第二貯留部83にむけて搬送する。第二貯留部83は、第二上流搬送部81から受け渡された容器5を並べて貯留する。第二下流搬送部85は、第二貯留部83に並んでいた容器5を受け取って第二アキュムレータ80よりも下流に位置するケーサ100に向けて搬送する。第二アキュムレータ80のより具体的な構成については後述する。
図示しない制御装置による制御の下、第二アキュムレータ80から適時に排出される容器5が、ケーサ100により段ボールの箱に詰められる。
第二アキュムレータ80は、第一アキュムレータ40と同様の構成および動作をするので、以降の説明を省略する。
【0033】
ケーサ100は、所定の位置まで運ばれた段ボールの箱の内部に、第二アキュムレータ80から供給される所定数の容器5を詰める。
図1では省略しているが、ケーサ100および第二アキュムレータ80の周囲には、箱を組み立てる装置や、組み立てた状態の箱が配置されている。
【0034】
ケーサ100は、図示しない制御装置による制御の下、旋回や伸縮の動作が可能なロボットアームと、ロボットアームに支持されて上下動可能なハンド装置とを含んで構成されている。ハンド装置は、第二アキュムレータ80により所定位置に運ばれた複数の容器5を一括して把持し、箱に同時に収めることができる。箱に規定の収容本数に応じて、ハンドリング装置による把持と箱詰めの動作が1つの箱につき1回以上行われる。
【0035】
容器5が詰められた箱は、封函機110により封がなされ、検査装置120を経て、品質に問題のないものが段積機130により複数の段に積み上げられる。積み上げられた箱が出荷される。
【0036】
[第一アキュムレータ40の構成]
次に、
図2を参照して第一アキュムレータ40の構成について説明する。
製造ライン1は、第一アキュムレータ40の第一上流搬送部41および第一下流搬送部45にリニアモータを適用することで、第一アキュムレータ40を省スペース化できるなどの効果を奏する。
【0037】
第一アキュムレータ40は、
図2に示すように、第一上流搬送部41と、第一貯留部43と、第一下流搬送部45とを備えている。これらに加えて、第一アキュムレータ40は、容器5を第一上流搬送部41から第一貯留部43へ移載する移載部と、容器5を第一貯留部43から第一下流搬送部45へ移載する移載部とを備えることが好ましい。
【0038】
搬送路がレーストラック状の周回搬送路(第一周回搬送路)に構成される第一上流搬送部41と、同じく搬送路がレーストラック状の周回搬送路(第二周回搬送路)に構成される第一下流搬送部45とは、第二方向D2と直交(交差)する第一方向D1に間隔をおいて互いに平行に設置される。第一上流搬送部41と第一下流搬送部45との間に、第一貯留部43が配置されている。第一上流搬送部41および第一下流搬送部45は容器5を第二方向D2に搬送し、第一貯留部43は容器5を第一方向D1に容器5を搬送できる。本実施形態は、本発明における第二方向と第三方向が一致する例を示している。
【0039】
<第一上流搬送部41、第一下流搬送部45>
第一上流搬送部41は、リニアモータから構成されており、
図2に示すように、容器5を搬送可能な複数の可動子46と、複数の可動子46が個別に移動する第一搬送路48と、を有する。無端状の第一搬送路48を複数の可動子46が一点鎖線の矢印で示す向きに循環するように移動する。第一搬送路48は、互いに平行な第一おもて経路48Aと第一うら経路48Bを有してレーストラック状に形成されており、第一おもて経路48Aが第一貯留部43に対向するように設けられている。また、第一搬送路48は、可動子46の移動を案内するレールを含んで構成されている。
可動子46は、搬送能力や第一アキュムレータ40の第一貯留部43に貯留する容器5の数に応じて最低限必要な数だけ第一上流搬送部41に備えられている。ただし、可動子46の数に特に制限はなく、容器5の搬送には使用されない余剰の可動子46およびグリッパ47が存在していてもよい。この場合には、グリッパ群G11およびグリッパ群G12を構成する可動子46およびグリッパ47が変動する。
【0040】
また、第一搬送路48は、後述する連続的な搬送および間欠的な搬送を実現するために、グリッパ群G11およびグリッパ群G12が第一搬送路48を占める距離よりも総延長が十分に長い。換言すれば、第一搬送路48は、グリッパ群G11およびグリッパ群G12が存在しない空白の領域を備えている。第二搬送路49も同様である。
【0041】
それぞれの可動子46には、容器5を把持するグリッパ47が備えられている。可動子46は、グリッパ47により把持される容器5に、第一搬送路48に沿って移動させる搬送力を与える。
グリッパ47は、典型的には容器5の首部を保持する。しかし、製品液が充填済みの容器5は、製品液が充填されていない空の容器5よりも重心が下方にあるため、首部だけを保持するのでは搬送中に首部を支点に振れ回り易い。そこで、搬送中にグリッパ47が首部を保持する状態をロックする機構を設ける、あるいは、グリッパ47に容器5の胴部を保持する機構を設けることができる。
【0042】
第一下流搬送部45は、
図2に示すように、容器5を搬送可能な複数の可動子46と、複数の可動子46が個別に移動する第二搬送路49とを有し、第一上流搬送部41と同様に構成されている。
第一下流搬送部45の可動子46は、一点鎖線の矢印で示すように、第一上流搬送部41の可動子46と同じ向きに第二搬送路49を移動する。
【0043】
本実施形態の第一上流搬送部41および第一下流搬送部45は、可動子46と第一搬送路48、第二搬送路49がリニアモータ式の搬送装置として構成されている。このリニアモータ式の搬送装置は、それぞれの可動子46に図示が省略される永久磁石と、第一搬送路48、第二搬送路49に沿って配列される図示が省略される電磁コイルと、図示が省略される駆動制御部と、を備えている。第一下流搬送部45も同様に構成されている。
駆動制御部により、複数の電磁コイルのそれぞれ印可される電流印加を制御することで、電磁コイルと永久磁石との電気磁気的な相互作用により、複数の可動子46の位置や速度が個別に駆動制御される。駆動制御部は制御装置3の指示に基づいて動作することができる。第二アキュムレータ80における動作の制御も同様になされる。
【0044】
電磁的作用を利用した可動部の少ないリニアモータ式の第一上流搬送部41,第一下流搬送部45は、駆動制御部により、位置や速度に応じた制御量の指令に基づいて、可動子46を安定して正確に駆動制御することができる。
可動子46は、容器5の底部が第一搬送路48の表面から離れるように、首部や胴部等を把持する。そうすると、容器5の底部に生じる摩擦によって可動子46の位置や速度に悪影響が出るのを避けることができるとともに、容器5の底部に摩擦傷が生じるのを避けることができる。
【0045】
第一上流搬送部41の駆動制御部は、第一アキュムレータ40の制御装置と連係して動作するように構成されている。また、パッケージライン30の制御系統全体としても、第一アキュムレータ40や第二アキュムレータ80を始め、ラベラ60やケーサ100等も含め、それぞれの制御部が連係して動作するように構成されていることが好ましい。
【0046】
第一上流搬送部41および第一下流搬送部45によれば、可動子46により搬送される容器5の位置や速度を正確に制御できる。そのため、ピッチの割り出しや同期を図るために典型的に使用されるタイミングスクリュを設けることなく、容器5の移動速度の制御により下流のコンベヤの搬送速度と同じ速度で容器5を排出したり、容器5に所定のピッチを割り出したり、あるいは、下流の搬送部へと排出可能なタイミングや下流の工程における容器5への処理のタイミングに合わせて容器5が供給されるように、同期を図ることができる。
【0047】
第一上流搬送部41は、連続的に搬送される容器5を第一うら経路48Bの受取位置RPにおいて可動子46により順次受け取り、第一おもて経路48Aへと移動する。第一上流搬送部41は、第一おもて経路48Aの受渡位置において、可動子46に把持された容器5を第一貯留部43へと受け渡す。第一貯留部43は、容器5を第一方向D1へ搬送することができるし、第一方向D1に並べて貯留できる。
第一下流搬送部45は、後述するように第一貯留部43に貯留された容器5を可動子46で受け取る。そして、第一下流搬送部45の可動子46からラベラ60へと容器5が排出される。
【0048】
<第一貯留部43>
次に、
図2に示される第一貯留部43は、第一上流搬送部41の可動子46から受け渡された容器5を、第一方向D1に順次並べて貯留することができる。
【0049】
第一貯留部43は、複数のコンベヤ43A,43B,43C,43Dが第一方向D1に直列に配置されており、容器5を第一方向D1に搬送するように構成されている。コンベヤ43Aが最も上流側に配置され、コンベヤ43Dが最も下流に配置されている。なお、ここでは四つのコンベヤ43A,43B,43C,43Dを示しているが、これはあくまで一例に過ぎない。
それぞれのコンベヤ43A,43B,43C,43Dは、例えば、容器5の底部を支持するチェーンコンベヤまたはベルトコンベヤ等をコンベヤ要素として含んでいる。それぞれのコンベヤ43A,43B,43C,43Dは、一例として四列のコンベヤ要素を備えており、容器5を四列として搬送する。隣接する四列のコンベヤ要素の間にはガイドを設けることができる。ガイドは、例えば首部の高さに設置され、搬送される容器5がコンベヤ要素から第二方向D2にずれるのを防ぐことができる。
【0050】
それぞれのコンベヤ43A,43B,43C,43Dは、独立した駆動速度で運転される。例えば、コンベヤ43A,43B,43C,43Dの駆動速度をVA,VB,VC,VDとすると、VA,VB,VC,VDを同じ駆動速度で運転することができるし、VA,VB,VC,VDを全て異なる駆動速度で運転することができる。駆動速度は容器5の搬送速度と同義である。駆動速度VA,VB,VC,VDを制御することにより、第一貯留部43に貯留する容器5の数を増減できる。第一貯留部43における、貯留する容器5の数を増減する動作について詳しくは後述する。
第一貯留部43は、複数の容器5を貯留することが可能な少なくとも1つのコンベヤを備えていれば足りる。つまり、第一貯留部43が必ずしも複数のコンベヤを備えることを必須としない。
【0051】
[第一アキュムレータ40(第一上流搬送部41)の動作]
図3、
図4、
図5および
図6を参照して第一アキュムレータ40の第一上流搬送部41の動作を説明する。なお、
図3~
図6において、第一貯留部43の最も上流側のコンベヤ43Aだけが示されている。
第一アキュムレータ40は、容器5の受け渡しが四本の単位で行われる。そこでここでは理解を容易にするために、
図3~
図6に示すように、第一アキュムレータ40は、それぞれが四つのグリッパ47からなるグリッパ群G11およびグリッパ群G12を備える例について説明する。
グリッパ群G11およびグリッパ群G12は、以下のように連続移動と間欠移動を行う。第一うら経路48Bにおいて例えば
図3(a)~
図4(b)に示すように、グリッパ群G12が容器5を受け取ってから、第一おもて経路48Aの第一停止位置SP1に達するまで連続的に移動する。また、
図4(b)~
図5(a)に示すように、例えばグリッパ群G12が第一おもて経路48Aの第一停止位置SP1から容器5を第一貯留部43に受け渡す第二停止位置SP2まで間欠的に移動する。また、先に容器5を受け渡した例えばグリッパ群G11は、
図4(b)~
図5(a)に示すように、第二停止位置SP2から第一うら経路48Bにおける上流側の待機位置WP1に向けて連続的に移動する。ここで、上流か否かは容器5、可動子46が移動する向きを基準として特定される。以下も同様である。
以下、
図3~
図6を参照してより具体的に第一アキュムレータ40の動作を説明する。
なお、グリッパ群G11およびグリッパ群G12のそれぞれが本発明の第一可動子群に対応する。
【0052】
図3(a)において、グリッパ群G11が第一おもて経路48Aにおいて第二停止位置SP2に停止している。このとき、グリッパ群G11における四つのグリッパ47のそれぞれが、コンベヤ43Aの四つのコンベヤ要素のそれぞれに対応するように配置され、容器5の受け渡しが可能とされる。つまり、第二停止位置SP2は容器5の受渡位置である。
また、
図3(a)において、グリッパ群G12が第一うら経路48Bの待機位置WP1において停止している。待機位置WP1は、容器5を搬入するスターホイールSWAよりも上流側に、スターホイールSWAと所定の間隔を空けて設けられている。スターホイールSWAは、本発明における第一回転体搬送装置に該当する。
【0053】
グリッパ群G11またはグリッパ群G12が第二停止位置SP2(受渡位置)にいるときには、四つのグリッパ47の間隔は狭い狭間隔とされる。この狭間隔は、下流側の工程においても引き継がれるので、容器5と容器5の間隔を狭くすることにより単位時間当たりの飲料の生産量を増やすことができる。
一方で、グリッパ群G11またはグリッパ群G12が容器5をコンベヤ43Aに受け渡した後は、四つのグリッパ47の間隔は広い広間隔とされる。
【0054】
次に、
図3(b)に示すように、グリッパ群G11は第二停止位置SP2において把持していた四本の容器5をコンベヤ43Aに受け渡す。第一上流搬送部41において、第二停止位置SP2が容器5を第一貯留部43に受け渡す位置である。
待機位置WP1で待機していたグリッパ群G12は、先頭(一番目)の可動子46はグリッパ47を伴って受取位置RPに向けて移動し、スターホイールSWAから容器5を受け取る。可動子46は、容器5を受け取る時点でスターホイールSWAにおける容器5の搬送速度(回転速度)と同期した速度になるように、リニアモータの動作が制御される。次以降に容器5を受け取る可動子46も同様である。
【0055】
次に、
図3(c)に示すように、グリッパ群G11からコンベヤ43Aに容器5を受け渡している最中に、グリッパ群G12の次(二番目)の可動子46がグリッパ47を伴って受取位置RPに向けて移動し、スターホイールSWAから容器5を受け取る。二番目の可動子46は、スターホイールSWAが複数の容器5を保持するピッチおよび搬送速度を考慮した時間間隔を、一番目の可動子46が移動を開始してから空けて、移動を開始する。三番目、四番目に移動する可動子46も同様である。
【0056】
次に、
図4(a),(b)に示すように、グリッパ群G12を構成する全てのグリッパ47がスターホイールSWAから容器5の受け取りを終え、かつ、第二停止位置SP2よりも上流の第一停止位置SP1に達する。グリッパ群G12は、ここで所定時間だけ停止する。
一方、グリッパ群G11は、容器5のコンベヤ43Aへの受け渡しを完了する。
この時点で、グリッパ群G11とグリッパ群G12は、それぞれ第二停止位置SP2および第一停止位置SP1において停止して並んでいる。
【0057】
次に、
図4(c)に示すように、グリッパ群G11は第一うら経路48Bの待機位置WP1に向けて、四つの可動子46が一緒に移動する。この移動の間に、四つの可動子46の間隔が広間隔に拡大される。
一方、第一停止位置SP1において待機していたグリッパ群G12は、第二停止位置SP2に向けて移動を開始する。この移動の過程で四つの可動子46の間隔は狭間隔に縮小される。
【0058】
次に、
図5(a)に示すように、グリッパ群G11は先頭の可動子46が第一うら経路48Bの待機位置WP1に達すると移動を停止する。一方、グリッパ群G12は、第一停止位置SP1から第二停止位置SP2まで移動して停止するともに、容器5のコンベヤ43Aへの受け渡し動作を開始する。
【0059】
次に、
図5(b),(c)に示すように、グリッパ群G11の可動子46はグリッパ47を伴って受取位置RPに向けて先頭から順番に移動し、スターホイールSWAから順番に容器5を受け取る。可動子46が容器5を受け取る時点での速度が、スターホイールSWAにおける容器5の搬送速度(回転速度)と同期することは、グリッパ群G12のときと同じである。また、先行する可動子46と後続の可動子46の時間間隔が、スターホイールSWAの容器5を保持するピッチおよび搬送速度を考慮して決定されることも、グリッパ群G12のときと同じである。
この過程で、グリッパ群G12はコンベヤ43Aへの容器5の受け渡しの動作を継続している。
【0060】
次に、
図6(a)および
図6(b)に示すように、グリッパ群G11を構成する全てのグリッパ47がスターホイールSWAから容器5の受け取りを終え、第一停止位置SP1に達する。グリッパ群G11は、ここで所定時間だけ停止する。
一方、グリッパ群G12は、容器5のコンベヤ43Aへの受け渡しを完了する。
【0061】
次に、
図6(c)に示すように、グリッパ群G12は第一うら経路48Bの待機位置WP1に向けて、四つの可動子46が一緒に移動する。この移動の間に、四つの可動子46の間隔が広間隔に拡大される。
一方、第一停止位置SP1において待機していたグリッパ群G12は、第二停止位置SP2に向けて移動を開始する。この移動の過程で四つの可動子46の間隔は狭間隔に縮小される。
【0062】
以上の動作を繰り返すことにより、第一アキュムレータ40は第一上流搬送部41から第一貯留部43へ四本の単位で容器5を順に受け渡す。
なお、いずれかのグリッパ群が容器5を受け取ってから第一停止位置SP1に至るまでの速度、および、いずれかのグリッパ群が容器5を受け渡してから待機位置WP1に至るまでの速度は、同じであってもよいし異なってもよい。
【0063】
[第一アキュムレータ40(第一貯留部43)の動作]
次に、
図7および
図8を参照して第一貯留部43の動作を説明する。
第一貯留部43は、第一上流搬送部41から受け渡された容器5を貯留することなく搬送する搬送モードと、第一上流搬送部41から受け渡された容器5を貯留するアキュームモードの二つのモードを備えている。
搬送モードは、製造ライン1に異常が生じておらず正常に運転されているときに選択される。アキュームモードは、製造ライン1、例えば第一アキュムレータ40の例えば下流側において異常が生じたためにそのまま容器5を下流に向けて搬送することができない場合に選択される。搬送モードとアキュームモードは、製造ライン1の動作を監視する制御装置3が選択する。
以下、
図7を参照して搬送モードの一例について説明し、次いで
図8を参照してアキュームモードの一例について説明される。
【0064】
<搬送モード>
搬送モードは、コンベヤ43A,43B,43C,43Dのそれぞれの容器5の搬送速度をVA,VB,VC,VDとすると、一例として、以下の式(1)のように設定される。つまり、最上流のコンベヤ43Aの搬送速度を遅くし、コンベヤ43Aよりも下流側のコンベヤ43B,43C,43Dの搬送速度を速くする。コンベヤ43Aとコンベヤ43A,43B,43C,43Dの搬送速度は、一例として、以下の式(2)のように設定される。
VA<VB=VC=VD … 式(1)
5×VA=VB=VC=VD … 式(2)
【0065】
搬送モードによる第一貯留部43の容器5の搬送の様子を
図7に示す。式(1),式(2)に従った搬送速度が適用されるために、
図7(a)~
図7(c)に示すように、コンベヤ43Aでは容器5が第一方向D1に密に配列されているのに対して、コンベヤ43B,43C,43Dでは第一方向D1に粗に配列されている。搬送モードにおいては、容器5はコンベヤ43B,43C,43Dの搬送速度(V
B=V
C=V
D)で第一下流搬送部45に向けて搬送される。
【0066】
<アキュームモード>
アキュームモードは、搬送モードから移行して行われ、容器5のアキューム状態に応じて、コンベヤ43A,43B,43C,43Dの搬送を制御する。以下、移行の順に初期、中期、後期に区分してアキュームモードについて説明する。
【0067】
〈初期〉
搬送モードからアキュームモードに移行すると、最も下流側のコンベヤ43Dの搬送速度V
Dを落とす一方、コンベヤ43A,43B,43Cの搬送速度V
A,V
B,V
Cは従前を維持する。一例を、式(3)に示す。そうすると、
図8(a)~
図8(c)に示すように、下流側のコンベヤ43Dに容器5がアキュームされる。
図8(c)に示すように、定量の容器5がコンベヤ43Dにアキュームされると、コンベヤ43Dは停止する。同時に、コンベヤ43Cの搬送速度V
Cを落とす一方、コンベヤ43A,43Bの搬送速度V
A,V
Bは式(4)に示すように従前を維持する。
V
A=V
D<V
B=V
C=
…
式(3)
V
A=V
C<V
B,V
D=0…
式(4)
【0068】
その後、
図8(d)~(e)に示すように、コンベヤ43Cに容器5がアキュームされる。
図8(e)に示すように、定量の容器5がコンベヤ43Cにアキュームされると、コンベヤ43Cは停止する。同時に、コンベヤ43Bの搬送速度V
Bを落とす。以後、定量の容器5がコンベヤ43Bにアキュームされると、コンベヤ43A,43Bは停止することになる。
V
A=V
B,V
C,V
D=0…
式(5)
【0069】
なお、アキュームモードの途中で、製造ライン1の異常がなくなると、停止していたコンベヤ43A,43B,43C,43Dの搬送が再開され、搬送モードに復帰する。
【0070】
[第一アキュムレータ40(第一下流搬送部45)の動作]
次に、
図9、
図10、
図11および
図12を参照して第一アキュムレータ40の第一下流搬送部45の動作を説明する。なお、
図9~
図12において、第一貯留部43の最も下流側のコンベヤ43Dの一部だけが示されている。
第一下流搬送部45においても、理解を容易にするために、それぞれが四つのグリッパ47からなるグリッパ群G21およびグリッパ群G22を例にして説明する。
グリッパ群G21およびグリッパ群G22が、以下のように連続移動および間欠移動をする点では第一上流搬送部41と同じである。例えば
図9(a)~
図10(c)に示すように、第二おもて経路49Aにおいてグリッパ群G21が容器5をコンベヤ43Dから受け取ってから、容器5を受け渡す第二うら経路49Bに向けて連続的に移動する。また、
図10(b)~
図11(a)にしめすように、例えばグリッパ群G22が第二おもて経路49Aの第三停止位置SP3から容器5を第一貯留部43から受け取る第四停止位置SP4まで間欠的に移動する。以下、
図9~
図12を参照してより具体的に第一アキュムレータ40の動作を説明する。
なお、グリッパ群G21およびグリッパ群G22のそれぞれが本発明の第二可動子群に対応する。
【0071】
図9(a)において、グリッパ群G21が第二おもて経路49Aにおいて第四停止位置SP4に停止している。このとき、グリッパ群G21における四つのグリッパ47のそれぞれが、コンベヤ43Dの四つのコンベヤ要素のそれぞれに対応するように配置され、容器5の受け取りが可能とされる。つまり、第四停止位置SP4は容器5の受取位置である。また、
図9(a)において、グリッパ群G22が第二うら経路49Bの待機位置WP2において停止している。待機位置WP2は、容器5を搬出するスターホイールSWBよりも上流側に、スターホイールSWBと所定の間隔を空けて設けられている。スターホイールSWBは、本発明における第二回転体搬送装置に該当する。
【0072】
グリッパ群G21またはグリッパ群G22が第四停止位置SP4(受取位置)にいるときには、四つのグリッパ47の間隔は狭い狭間隔とされる。この狭間隔は、下流側の工程においても引き継がれるので、容器5と容器5の間隔を狭くすることにより単位時間当たりの飲料の生産量を増やすことができる。
一方で、グリッパ群G21またはグリッパ群G22が容器5をコンベヤ43Dから受け取った後は、四つのグリッパ47の間隔は広い広間隔とされる。
【0073】
次に、
図9(b)に示すように、グリッパ群G21は第四停止位置SP4において四本の容器5をコンベヤ43Dから受け取る動作を開始する。第一下流搬送部45において、第四停止位置SP4が容器5を第一貯留部43から受け取る位置である。
待機位置WP2で待機していたグリッパ群G22は、先頭(一番目)の可動子46がグリッパ47を伴って受渡位置HPに向けて移動し、スターホイールSWBに容器5を受け渡す。可動子46は、容器5を受け渡す時点でスターホイールSWBにおける容器5の搬送速度(回転速度)と同期した速度になるように、リニアモータの動作が制御される。次以降に容器5を受け渡す可動子46も同様である。
【0074】
次に、
図9(c)に示すように、グリッパ群G21がコンベヤ43Dから容器5を受け取っている最中に、グリッパ群G22の次(二番目)の可動子46がグリッパ47を伴って受渡位置HPに向けて移動し、スターホイールSWBに容器5を受け渡す。二番目の可動子46は、スターホイールSWBが複数の容器5を保持するピッチおよび搬送速度を考慮した時間間隔を、一番目の可動子46が移動を開始してから空けて、移動を開始する。三番目、四番目に移動する可動子46も同様である。
【0075】
次に、
図10(a),(b)に示すように、グリッパ群G22を構成する全てのグリッパ47がスターホイールSWBへの容器5の受け渡しを終え、かつ、第四停止位置SP4よりも上流の第三停止位置SP3に達する。グリッパ群G22はここで所定時間だけ停止する。
一方、グリッパ群G21は、容器5のコンベヤ43Dからの受け取りを完了する。
この時点で、グリッパ群G21とグリッパ群G22は、それぞれ第四停止位置SP4および第三停止位置SP3において停止して並んでいる。
【0076】
次に、
図10(c)に示すように、グリッパ群G21は第二うら経路49Bの待機位置WP2に向けて、四つの可動子46が一緒に移動する。この移動の間に、四つの可動子46の間隔が広間隔に拡大される。
一方、第三停止位置SP3において待機していたグリッパ群G22は、第四停止位置SP4に向けて移動を開始する。この移動の過程で四つの可動子46の間隔は狭間隔に縮小される。
【0077】
次に、
図11(a)に示すように、グリッパ群G21は先頭の可動子46が第二うら経路49Bの待機位置WP1に達すると移動を停止する。一方、グリッパ群G22は、第三停止位置SP3から第四停止位置SP4まで移動して停止するともに、容器5のコンベヤ43Aへの受け取り動作を開始する。
【0078】
次に、
図11(b),(c)に示すように、グリッパ群G21の可動子46はグリッパ47を伴って受渡位置HPに向けて先頭から順番に移動し、スターホイールSWBに順番に容器5を受け渡す。可動子46が容器5を受け渡す時点での速度が、スターホイールSWBにおける容器5の搬送速度(回転速度)と同期することは、グリッパ群G22のときと同じである。また、先行する可動子46と後続の可動子46の時間間隔が、スターホイールSWBの容器5を保持するピッチおよび搬送速度を考慮して決定されることも、グリッパ群G22のときと同じである。
この過程で、グリッパ群G22はコンベヤ43Dからの容器5の受け取りの動作を継続している。
【0079】
次に、
図12(a)および
図12(b)に示すように、グリッパ群G21を構成する全てのグリッパ47がスターホイールSWBへの容器5の受け渡しを終え、第三停止位置SP3に達する。グリッパ群G21は、ここで所定時間だけ停止する。
一方、グリッパ群G22は、容器5のコンベヤ43Dからの受け取りを完了する。
【0080】
次に、
図12(c)に示すように、グリッパ群G22は第二うら経路49Bの待機位置WP2に向けて、四つの可動子46が一緒に移動する。この移動の間に、四つの可動子46の間隔が広間隔に拡大される。
一方、第三停止位置SP3において待機していたグリッパ群G21は、第四停止位置SP4に向けて移動を開始する。この移動の過程で四つの可動子46の間隔は狭間隔に縮小される。
【0081】
以上の動作を繰り返すことにより、第一アキュムレータ40は第一下流搬送部45から下流に向けて容器5を順に受け渡す。
なお、いずれかのグリッパ群が容器5を受け渡してから第四停止位置SP4に至るまでの速度、および、いずれかのグリッパ群が容器5を受け取ってから受渡位置HPに至るまでの速度は、ここでは一定としたが、速度を変えることもできる。また、グリッパ群が容器5を受け渡してから第四停止位置SP4に至るまでの速度とグリッパ群が容器5を受け取ってから受渡位置HPに至るまでの速度は、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0082】
[本実施形態による効果]
以上で説明した本実施形態により得られる効果は以下の通りである。なお、以下では第一アキュムレータ40を例にして効果を説明するが、第一アキュムレータ40と同様の構成および動作をなす第二アキュムレータ80についても同様の効果が得られる。
<製造ラインの省スペース化>
本実施形態の第一アキュムレータ40は、第一上流搬送部41が単列で搬送する容器5を複数列に並び替える。第一上流搬送部41は、第一貯留部43が容器5を搬送する第一方向D1に対して直交する第二方向D2に容器5を搬送する。これにより、第一上流搬送部41を単列で搬送される容器5を第一貯留部43では複数列に並び替える。第一上流搬送部41が第一方向D1に対して占有するのは、容器5を単列で搬送できるスペースで
足りる。したがって、搬送のための装置を含めたとしても、例えば特許文献1に開示される従来の単列から複数列への並び変えのためのコンベヤに比べて、第一上流搬送部41の第一方向D1の寸法は相当に短い。
【0083】
第一下流搬送部45においても同様であり、第一貯留部43が容器5を搬送する第一方向D1に対して直交する第二方向D2に容器5を搬送する。これにより、第一貯留部43を複数列で搬送される容器5を第一下流搬送部45では単列に並び替える。第一下流搬送部45が第一方向D1に対して占有するのは、やはり容器5を単列で搬送できるスペースで足りるので、第一下流搬送部45の第一方向D1の寸法は相当に短い。
【0084】
<生産開始時・生産終了時の待ち時間短縮>
第一アキュムレータ40は、生産開始時に、第一上流搬送部41において受け取った容器5を受渡位置(第三位置)まで即座に搬送して第一貯留部43に受け渡すことができる。つまり、第一上流搬送部41において、容器5を受け取ってから第一貯留部43に受け渡すまでの間に容器5が停滞する時間が短い。
また、第一アキュムレータ40は、生産終了時においても同様であり、第一上流搬送部41において受け取った容器5を受渡位置まで即座に搬送して下流に向けて受け渡すことができる。つまり、第一上流搬送部41において、容器5を受け取ってから第一貯留部43に受け渡すまでの間に容器5が停滞する時間が短い。
したがって、第一アキュムレータ40によれば、生産開始時における単列から複数列に並び変えるまでの待ち時間および生産終了時における複数列から単列に並び替えるまでの待ち時間を短くできる。
【0085】
<容器の加減速の機会低減>
第一アキュムレータ40は、コンベヤで容器5を搬送するのは第一貯留部43に限られる。つまり、第一アキュムレータ40によれば、第一上流搬送部41および第一下流搬送部45において容器5を搬送する過程で容器5を加速または減速する機会が減る。これにより、第一アキュムレータ40によれば、加速または減速による容器5の転倒するおそれが少なくなる。
【0086】
<容器の変形防止>
第一アキュムレータ40は、第一下流搬送部45から第一貯留部43に順に容器5を受け渡す際に、第一方向D1に相前後する容器5の間に隙間を設けることができる。しかも、第一貯留部43は、その後もこの間隔を維持しながら容器5を搬送および貯留できる。したがって、第一アキュムレータ40によれば、第一方向D1に相前後する容器5が接触して押し合うことを避けることができるので、容器5の変形や破損、転倒を防ぐことができる。加えて、第一方向D1において容器5の間に隙間があいていれば、容器5が第一貯留部43の幅方向(第二方向D2)に位置ずれすることもないので、ガイドへの接触による容器5の変形などが避けられる。
具体的な説明は省略するが、第二アキュムレータ80についても同様の効果が得られる。
【0087】
<容器(製品)の個別管理>
第一アキュムレータ40は、第一上流搬送部41が受け取った容器5を、その順番を維持したままで第一下流搬送部45から下流に向けて受け渡すことができる。したがって、製造ライン1は、容器が不定な順番で下流に搬送されるのに対して、個々の容器を追跡して、品質基準を満たさない特定の容器を排出するなどの製品の個別管理を行うことができない。
【0088】
<可動子のグループ駆動制御>
第一アキュムレータ40の第一上流搬送部41および第一下流搬送部45は複数の可動子46をグループ単位で駆動制御することができる。したがって、従来のアキュームレーション装置で用いられているタイミングスクリュを使用することなく、容器5のピッチの割り出しをし、また、スターホイールからの供給やスターホイールへの排出、後工程の処理等に対する同期を図ることができる。
タイミングスクリュを使用しないことで、タイミングスクリュにより容器5に加わる負荷をなくせる。タイミングスクリュに容器5が噛み込むこともない。また、タイミングスクリュを設置するスペースが必要ないので、製造ライン1に必要なスペースの節減にも貢献できる。さらに、製造する製品の容器5の径が変わっても、スクリューを交換する作業が必要ないので、型替え作業を軽減することができる。
【0089】
<アキュームレーション装置の複数列化>
本実施形態は、一対の第一アキュムレータ40および一対の第二アキュムレータ80を備える。このように、アキュームレーション装置を複数列にすることにより、アキュームレーション装置が単列の場合に比べて、処理能力を高くできる。つまり、第一上流搬送部41、第一下流搬送部45などにおける容器5の搬送速度はリニアモータの能力に依存するので、単列では実現できない単位時間当たりの処理本数を、複数列とすることにより実現できる。
【0090】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることができる。
例えば、単列で搬送されてきた容器5を一対の第一アキュムレータ40に振り分けるには、少なくとも二つの手段を採用し得る。
図13(a),(b)において、スターホイールSW1およびスターホイールSW2までは容器5が単列で搬送されるが、スターホイールSW3およびスターホイールSW4において容器5は二手に振り分けられ。その中で、
図13(a)はスターホイールSW3が全ての容器5を受け取るが、途中でスターホイールSW3からスターホイールSW4に容器5が受け渡される。また、
図13(b)はスターホイールSW2からスターホイールSW3とスターホイールSW4に交互に容器5が受け渡される。なお、
図13(a),(b)において、白抜きの矢印はその先に第一上流搬送部41が設けられていることを示している。
さらに、スターホイールSW3と一方の第一上流搬送部41の間、および、スターホイールSW4と他方の第一上流搬送部41の間に、スターホイールSW3,SW4と第一上流搬送部41,41の間の搬送速度を調整するためのスターホイールを設けることもできる。さらにまた、スターホイールSW3とスターホイールSW4よりも下流側に、搬送速度を調整するためのスターホイールを設けることもできる。
【0091】
また、本実施形態においては、アキュムレータ40の第一上流搬送部41および第一下流搬送部45の双方について本発明を適用したが、第一上流搬送部41および第一下流搬送部45のいずれか一方だけに本発明を適用できる。これによっても、十分に特許文献1に開示される従来の単列から複数列への並び変えのためのコンベヤに比べて、第一方向D1の寸法を短くできる。
【0092】
また、以上の実施形態は、飲料の製造ラインについて説明したが、本発明はこれに限らず、アキューム機能を有する物品の処理システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0093】
1 製造ライン
3 制御装置
5 容器
10 成形機
20 無菌充填装置
30 パッケージライン
40 第一アキュムレータ
41 第一上流搬送部
43 第一貯留部
43A,43B,43C,43D コンベヤ
45 第一下流搬送部
46 可動子
47 グリッパ
48 第一搬送路
48A 第一おもて経路
48B 第一うら経路
49 第二搬送路
49A 第二おもて経路
49B 第二うら経路
60 ラベラ
70,120 検査装置
80 第二アキュムレータ
81 第二上流搬送部
83 第二貯留部
85 第二下流搬送部
100 ケーサ
110 封函機
130 段積機
G11,G12,G21,G22 グリッパ群
D1 第一方向
D2 第二方向
HP 受渡位置
RP 受取位置
WP1,WP2 待機位置
SP1 第一停止位置
SP2 第二停止位置
SP3 第三停止位置
SP4 第四停止位置
SWA,SWB,SW1,SW2,SW3,SW4 スターホイール