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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   G10L 15/28 20130101AFI20230104BHJP
   G10L 13/00 20060101ALI20230104BHJP
   G10L 15/30 20130101ALI20230104BHJP
   G10L 15/22 20060101ALI20230104BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20230104BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20230104BHJP
   H04R 1/34 20060101ALI20230104BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20230104BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230104BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20230104BHJP
   G10L 15/10 20060101ALN20230104BHJP
【FI】
G10L15/28 230K
G10L13/00 100M
G10L15/30
G10L15/22 300Z
G10L15/00 200N
H04R1/02 107
H04R1/34 320
G06F3/16 650
G06F3/16 690
G06F3/01 510
G06F3/16 640
F25D23/00 301R
F25D23/00 301H
F25D23/00 301J
G10L15/10 200W
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018210624
(22)【出願日】2018-11-08
(65)【公開番号】P2020076884
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】浅田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】大峠 誠志郎
(72)【発明者】
【氏名】山出 欽也
【審査官】大野 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-095450(JP,A)
【文献】特開2014-196847(JP,A)
【文献】特開2017-133818(JP,A)
【文献】特開2017-126223(JP,A)
【文献】特開昭61-140999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 15/28
G10L 13/00
G10L 15/30
G10L 15/22
G10L 15/00
H04R 1/02
H04R 1/34
G06F 3/16
G06F 3/01
F25D 23/00
G10L 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフォンを有する音声取得部と、
冷蔵庫のドアの開閉を検出するドア開閉検出部と、
前記ドア開閉検出部が前記ドアの開状態を検出したときに、前記音声取得部が取得した音声データが前記冷蔵庫との対話の開始の意思を示す発話であるという音声認識開始条件を満たすかどうかを判定し、前記音声データが前記音声認識開始条件を満たす場合に、音声認識部により前記音声データの音声認識を行わせる一方、前記音声データが前記音声認識開始条件を満たさない場合に、前記音声認識部により前記音声データの音声認識を行わせない音声認識制御部とを備え
前記マイクロフォンは、冷蔵庫の上面に設けられた、上下方向の貫通孔を有する部材の前記貫通孔に、音声入力部を下方に向けて取り付けられ、
前記ドアの閉状態では、前記貫通孔の下方に前記ドアの上部が位置することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記音声認識制御部は、前記音声認識部が音声認識を行っている場合に、前記音声取得部が取得した音声データが前記冷蔵庫との対話の終了の意思を示す発話であるという音声認識終了条件を満たすかどうかを判定し、前記音声データが前記音声認識終了条件を満たす場合に、前記音声認識部による前記音声データの音声認識を終了させることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記音声認識制御部は、前記ドア開閉検出部が前記ドアの閉状態を検出したときに、前記ドアの閉状態の検出時点から所定時間、前記音声認識部による前記音声データの音声認識を継続して行わせ、前記ドアの閉状態の検出時点から所定時間経過後に、前記音声認識部による前記音声データの音声認識を終了させることを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
ユーザへの警告を行う警告部と、
前記ドアの開状態が警告要となる時間続いた場合に、前記警告部を動作させる警告制御部とを備え、
前記警告制御部は、前記音声取得部が音声を取得し、かつ前記音声認識部が音声認識を行っていない場合には、通常時の警告動作を行うように前記警告部を制御する一方、前記音声取得部が音声を取得し、かつ前記音声認識部が音声認識を行っている場合には、前記警告部が前記通常時とは異なる動作を行うように前記警告部を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
ユーザへの警告を行う警告部と、
前記ドアの開状態が警告要となる時間続いた場合に、前記警告部を動作させる警告制御部とを備え、
前記警告制御部は、前記音声取得部が取得した音声データが示す音量が所定の閾値未満である場合には、通常時の警告動作を行うように前記警告部を制御する一方、前記音声取得部が取得した音声データが示す音量が所定の閾値以上である場合には、前記警告部が前記通常時とは異なる動作を行うように前記警告部を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
ユーザへの警告を行う警告部と、
前記ドアの開状態が警告要となる時間続いた場合に、前記警告部を動作させる警告制御部とを備え、
前記警告制御部は、前記音声取得部へ一定時間以上継続して音声の入力がない場合には、通常時の警告動作を行うように前記警告部を制御する一方、前記音声取得部へ一定時間以上継続して音声の入力がある場合には、前記警告部が前記通常時とは異なる動作を行うように前記警告部を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
マイクロフォンを有する音声取得部と、
冷蔵庫のドアの開閉を検出するドア開閉検出部と、
前記ドア開閉検出部が前記ドアの開状態を検出したときに、前記音声取得部が取得した音声データが前記冷蔵庫との対話の開始の意思を示す発話であるという音声認識開始条件を満たすかどうかを判定し、前記音声データが前記音声認識開始条件を満たす場合に、音声認識部により前記音声データの音声認識を行わせる一方、前記音声データが前記音声認識開始条件を満たさない場合に、前記音声認識部により前記音声データの音声認識を行わせない音声認識制御部とを備え、
前記マイクロフォンは、冷蔵庫の上面に設けられた、上下方向の貫通孔を有する部材の前記貫通孔に、音声入力部を下方に向けて取り付けられ、
前記部材の下面の前記貫通孔の周りは、下方へ広がるコーン形状に形成されていることを特徴とする蔵庫。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の冷蔵庫と、
前記音声認識部を備え、前記冷蔵庫から受信した音声データの音声認識を前記音声認識部により行って発話の内容を特定し、特定した内容に基づいた回答の音声データを冷蔵庫に返信するサーバとを備えていることを特徴とする冷蔵庫の音声対話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声取得機能を有する冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロフォン(以下、単にマイクと称する)など音声取得装置によってユーザの音声を取得し、取得した音声についての音声認識機能を有する冷蔵庫が開発されている。
【0003】
特許文献1には、冷蔵庫本体の上部前方部に操作関連機能部が設けられ、その操作関連機能部にマイクやスピーカ等の音声関連機能を内蔵させた構成が開示されている。
【0004】
特許文献2には、家電である例えば冷蔵庫は、音声取得部を起動させるきっかけとなる予め定められた事象の発生を検知すると、音声取得部が起動して音声を取得し、かつ音声取得部が稼働状態であることをユーザに通知する構成が開示されている。上記事象の発生とは、冷蔵庫のドアが開状態となることや冷蔵庫の所定のボタンが操作されたりすることである。また、音声取得部の稼働状態の通知は、音声出力や通知ランプの点灯にて行われる。通知ランプは、冷蔵庫の前扉の前面に設置された操作パネルに設けられている。特許文献2に記載の冷蔵庫では、上記構成により、ユーザの発話が間違いなく取得されているかどうかや、音声の取得を希望しない場合に音声取得機能が非稼働であるかどうかなど、音声取得機能についてのユーザの不安を解消できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3904390号公報
【文献】特開2017-4231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載の構成では、冷蔵庫のドアが開状態である場合に、継続して音声認識を行っている。この場合、音声認識を行っていることはユーザに通知されるものの、音声認識の停止にはユーザ操作が必要である。
【0007】
すなわち、ユーザが音声認識をしてほしくない場合にはその度に音声認識の停止操作が必要であり、また、ユーザが音声認識の停止操作を忘れた場合には不必要に音声認識が行われることになる。
【0008】
したがって、本発明の一態様は、適切なタイミングにてユーザの発話を音声認識することができる冷蔵庫の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る冷蔵庫は、マイクロフォンを有する音声取得部と、冷蔵庫のドアの開閉を検出するドア開閉検出部と、前記ドア開閉検出部が前記ドアの開状態を検出したときに、前記音声取得部が取得した音声データが前記冷蔵庫との対話の開始の意思を示す発話であるという音声認識開始条件を満たすかどうかを判定し、前記音声データが前記音声認識開始条件を満たす場合に、音声認識部により前記音声データの音声認識を行わせる一方、前記音声データが前記音声認識開始条件を満たさない場合に、前記音声認識部により前記音声データの音声認識を行わせない音声認識制御部とを備え、前記マイクロフォンは、冷蔵庫の上面に設けられた、上下方向の貫通孔を有する部材の前記貫通孔に、音声入力部を下方に向けて取り付けられ、前記ドアの閉状態では、前記貫通孔の下方に前記ドアの上部が位置している。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る冷蔵庫は、マイクロフォンを有する音声取得部と、冷蔵庫のドアの開閉を検出するドア開閉検出部と、前記ドア開閉検出部が前記ドアの開状態を検出したときに、前記音声取得部が取得した音声データが前記冷蔵庫との対話の開始の意思を示す発話であるという音声認識開始条件を満たすかどうかを判定し、前記音声データが前記音声認識開始条件を満たす場合に、音声認識部により前記音声データの音声認識を行わせる一方、前記音声データが前記音声認識開始条件を満たさない場合に、前記音声認識部により前記音声データの音声認識を行わせない音声認識制御部とを備え、前記マイクロフォンは、冷蔵庫の上面に設けられた、上下方向の貫通孔を有する部材の前記貫通孔に、音声入力部を下方に向けて取り付けられ、前記部材の下面の前記貫通孔の周りは、下方へ広がるコーン形状に形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、適切なタイミングにてユーザの発話を音声認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態の冷蔵庫を含む音声対話システムの構成を示す説明図である。
図2図1に示した冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。
図3図1に示したサーバの制御系統の構成を示すブロック図である。
図4図1に示した冷蔵庫の外観を示す斜視図である。
図5図4に示したカバー部材の上カバーを外した状態における冷蔵庫の上面部分を示す斜視図である。
図6図4に示した冷蔵庫が有するドアスイッチのオンオフに連動してマイクをオンオフする構成を示す回路図である。
図7図1に示した音声対話システムにおける冷蔵庫の動作を示すフローチャートである。
図8図7に示した冷蔵庫の動作のうち、ドアの開閉と音声認識の要否との関係に注目した動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の他の実施形態の冷蔵庫の図7に示した動作のうち、ドアの開閉と音声認識の要否との関係に注目した動作を示すフローチャートである。
図10】本発明のさらに他の実施形態の冷蔵庫の警報制御部の動作を示すフローチャートである。
図11】本発明のさらに他の実施形態の冷蔵庫の警報制御部の動作を示すフローチャートである。
図12】本発明のさらに他の実施形態の冷蔵庫の外観を示す斜視図である。
図13図12に示したカバー部材の上カバーを外した状態における冷蔵庫の上面部分を示す斜視図である。
図14図14の(a)は、図5に示したマイク取付け部の構造と第1ドア61との位置関係を示す縦断面図、14の(b)は、図14の(a)の構造を下から見た場合の下カバーの下面図である。
図15図15の(a)は、図14の(a)に示したマイク取付け部の他の例に係るマイク取付け部の構造と第1ドアとの位置関係を示す縦断面図、15の(b)は、図15の(a)の構造を下から見た場合の下カバーの下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0013】
(音声対話システム1の構成)
図1は、本実施形態の冷蔵庫13を含む音声対話システム1の構成を示す説明図である。図1に示すように、音声対話システム1では、サーバ11とユーザ宅12に設置された冷蔵庫13とが通信ネットワーク15を介して接続されている。
【0014】
冷蔵庫13は、通信ネットワーク15に接続してサーバ11と通信するための無線通信機能を有するネットワーク家電である。無線通信機能は、冷蔵庫13本体に内蔵されていてもよいし、冷蔵庫13本体に外付けされる通信アダプタに備えられていてもよい。
【0015】
ユーザ宅12には、通信ネットワーク15の一部をなす無線LAN(Wireless Local Area Network)が整備されている。無線LANの無線AP14は、インターネットを含む通信ネットワーク15と接続されている。無線AP14は、例えばWiFi(登録商標)ルータやWiFi(登録商標)アクセスポイントなどの通信機器である。本実施の形態では、通信ネットワーク15としてインターネットを含む構成を例示しているが、電話回線網、移動体通信網、CATV(CAble TeleVision)通信網、衛星通信網などを利用することもできる。
【0016】
冷蔵庫13は、ユーザの発話した音声を取得し、取得した音声に対する回答を発話する音声対話機能を有している。この場合、冷蔵庫13は取得した音声の音声データをサーバ11に送信し、サーバ11は、冷蔵庫13から受信した音声データの音声認識を行って発話の内容を特定し、特定した内容に基づいた回答の音声データを冷蔵庫13に送信する。回答の音声データとは、冷蔵庫13から発話する音声データであって、例えばユーザからの問いかけに返答する音声データや、ユーザの発話内容に対して対話が成立するような音声データである。
【0017】
なお、冷蔵庫13が音声認識機能を有し、冷蔵庫13にて音声認識を行って発話の内容を特定し、特定した内容をサーバ11に送信して、回答の音声データをサーバ11から受信する構成としてもよい。あるいは、サーバ11によらずに、冷蔵庫13が音声認識を行い、かつ回答する音声データを準備する構成としてもよい。
【0018】
(冷蔵庫13の構成)
図2は、冷蔵庫13の制御系統の構成を示すブロック図である。図2に示すように、冷蔵庫13は、制御部21、記憶部22、通信部23、音声出力部24、音声取得部25、ドアスイッチ(ドア開閉検出部)26、庫内灯27、警報ブザー(警告部)28および操作パネル29を備えている。制御部21は、音声出力制御部31、音声認識制御部33、点灯制御部34、警報制御部(警告制御部)35および操作パネル制御部36を備えている。
【0019】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や専用プロセッサなどの演算処理部などにより構成されるマイクロコンピュータからなり、冷蔵庫13の各部の動作を制御する。
【0020】
記憶部22は、冷蔵庫13で用いられる各種情報を記憶し、サーバ11からダウンロードした発話すべき音声データや音声対話における回答の音声データなども記憶する。通信部23は、制御部21の制御により、通信ネットワーク15を介してサーバ11と相互通信を行う。
【0021】
音声出力部24は、スピーカを有し、音声出力制御部31の制御により、音声データに基づいた音声を出力する。音声取得部25は、マイク81(図5参照)を有し、音声取得制御32の制御により音声を取得し、取得した音声を電気信号に変換する。
【0022】
ドアスイッチ26は、冷蔵庫13のドアの開閉状態を検知し、例えばドアの開状態にてオン、閉状態にてオフとなる。庫内灯27は、冷蔵庫13のドアの開状態において点灯する。警報ブザー28は、冷蔵庫13のドアの開状態をユーザに警告するブザーである。
【0023】
操作パネル29は、表示部を有し、操作パネル制御部36の制御により、冷蔵庫13に対してユーザが指示を入力したり、冷蔵庫13の状態(庫内温度、設定温度等)を表示部によって通知したりするためのユーザ・インターフェースである。本実施形態において、操作パネル29は、冷蔵庫13の庫内に設けられている。
【0024】
音声出力制御部31は音声出力部24を制御する。具体的には、音声出力制御部31は、発話すべき音声データが存在する場合に、その音声データを音声出力部24により発話させる。発話すべき音声データには、サーバ11から受信した音声データや、記憶部22に記憶されている音声データなどである。
【0025】
音声認識制御部33は、音声取得部25が取得した音声データが示すユーザの発話がサーバ11での音声認識開始条件を満たす場合に、ユーザの音声データをサーバ11へ送信して音声認識を開始させる。音声認識制御部33は、サーバ11での音声認識の開始以降、音声取得部25が取得したユーザの音声データを順次サーバ11へ送信する。
【0026】
一方、音声認識制御部33は、音声取得部25が取得した音声データが示すユーザの発話がサーバ11での音声認識開始条件を満たさない場合、その音声データをサーバ11へ送信しない。これにより、サーバ11での音声認識は開始されない。
【0027】
また、音声認識制御部33は、音声取得部25が取得した音声データが示すユーザの発話がサーバ11での音声認識終了条件を満たす場合に、サーバ11への音声データの送信を停止する。あるいは、音声認識制御部33は、ユーザから(例えば操作パネル29に対するユーザの操作入力により)サーバ11での音声認識の終了指示を受けた場合、サーバ11への音声データの送信を停止する。これにより、サーバ11での音声認識は終了する。
【0028】
音声認識開始条件は、例えば、ユーザの発話の語尾が上がっていること、すなわちユーザの発話が疑問形であること、または、ユーザの発話に所定の開始キーワードが含まれていることである。ユーザの疑問形の発話は、例えば「前に○○を買っておいたけど、どこに置いたかな?」といった発話である。開始キーワードは、例えば「あれ?」や「どこ?」といった発話である。なお、ユーザによるこれら疑問形の発話および開始キーワードは、いずれもユーザの冷蔵庫13との対話の開始の意思を示す発話である。
【0029】
音声認識終了条件は、ユーザの発話に所定の終了キーワードが含まれていることである。終了キーワードは、例えば「止めて」や「違う」といった発話である。このような終了キーワードは、例えばユーザの冷蔵庫13との対話の終了の意思を示す発話である。また、音声認識の終了指示は、操作パネル29の音声認識終了として設定されたキーが操作されることである。
【0030】
上記の動作を行うために、音声認識制御部33は、ユーザの音声データについて語尾が上がっていることを検出する周波数解析機能を有している。さらに、ユーザの音声データに開始キーワードが含まれていること、および終了キーワードが含まれていることを検出する音声認識機能を有している。なお、終了キーワードは、サーバ11での音声認識処理によって検出させてもよい。
【0031】
点灯制御部34は、音声取得部25が取得した音声データを音声認識制御部33がサーバ11へ送信している期間中、すなわち音声取得部25が取得した音声データについての音声認識をサーバ11が行っている期間中、庫内灯27が通常の点灯状態とは異なる点灯状態となるように庫内灯27を制御する。これにより、点灯制御部34は、ユーザの音声について音声認識中であることをユーザに知らせる。
【0032】
なお、通常の点灯状態とは異なる点灯状態とは、例えば、庫内灯27が明るい状態(明状態)と暗い状態(暗状態)とを周期的に繰り返す状態、あるいは庫内灯27が点滅する状態である。また、点灯制御部34は、庫内灯27が点灯色を変化可能なものである場合、音声認識制御部33が音声データをサーバ11へ送信している期間中、点灯色を順次変化させるようにしてもよい。
【0033】
警報制御部35は、ドアスイッチ26のオンオフによって冷蔵庫13のドアの開閉状態を検出し、ドアの開状態の検出時点からドアの開状態が所定時間以上続いた場合に、警報ブザー28を動作させてユーザに警告を与える。
【0034】
また、警報制御部35は、サーバ11へのユーザの音声データの送信を開始または終了するときに、そのことをユーザに知らせるために、警報ブザー28を動作させる。
【0035】
操作パネル制御部36は、操作パネル29に対するユーザの入力操作を受け付け、また、冷蔵庫13の状態(庫内温度、設定温度等)を操作パネル29の表示部に表示させる。
【0036】
(サーバ11の構成)
図3は、サーバ11の制御系統の構成を示すブロック図である。サーバ11は、冷蔵庫13を管理しており、図3に示すように、制御部41、記憶部42、通信部43および音声認識部44を備えている。制御部41は音声データ提供部51を備えている。
【0037】
制御部21は、例えば、例えば、CPU(Central Processing Unit)や専用プロセッサなどの演算処理部などにより構成されるマイクロコンピュータからなり、サーバ11の各部の動作を制御する。
【0038】
記憶部42は、サーバ11で用いられる各種情報を記憶し、また、各種の文章例であって、音声データ提供部51が冷蔵庫13に提供する音声データの作成時に参照する文章例等を記憶している。通信部43は、制御部41の制御により通信ネットワーク15を介して冷蔵庫13と通信する。
【0039】
音声認識部44は、冷蔵庫13から送信され、通信部43が受信した音声データの音声認識を行い、文字列に変換する。音声認識部44は、音声データの単なる文字列への変換機能だけでなく、意味ある文章に変換する機能等も備えている。
【0040】
音声データ提供部51は、音声認識後の音声データに対する回答の音声データを冷蔵庫13に提供する。この場合、音声データ提供部51は、回答の音声データを、記憶部42を参照して作成したり、通信ネットワーク15を介して取得したりする。
【0041】
(冷蔵庫13の構造の概要)
図4は冷蔵庫13の外観を示す斜視図である。図5は、図4に示したカバー部材(部材)71の上カバーを外した状態における冷蔵庫13の上面部分を示す斜視図である。図6は、ドアスイッチ26のオンオフ(第1ドア61のドアの開閉)に連動してマイク81をオンオフする構成を示す回路図である。
【0042】
図4に示すように、冷蔵庫13は、上部から下部へ向かって例えば第1から第5ドア61~65を有している。第1ドア61は冷蔵室のドアであり、第2ドア62は調整冷凍室のドアであり、第3ドア63は製氷室のドアであり、第4ドア64は冷凍室のドアであり、第5ドア65は野菜室のドアである。第1ドア61は観音開きタイプである。操作パネル29は、例えば第1ドア61の2枚あるドアのうちの大きい方のドアの開放端側に設けられている。
【0043】
冷蔵庫13は、上面にカバー部材71を有する。カバー部材71の内部には、第1ドア61を開閉可能に支持するヒンジ、第1ドア61の開閉を検知するドアスイッチ26、および音声取得部25が有するマイク81が設けられている。
【0044】
図5に示すように、マイク81は、カバー部材71の下カバー71aの前端部における冷蔵庫13の幅方向の中央部分付近のマイク取付け部72に、音声入力部を下方に向けて取り付けられている。マイク取付け部72は略円筒形のマイク保持部72aを有し、下カバー71aのマイク81の下の部分には、下カバー71aを貫通した貫通孔が形成されている。
【0045】
図6に示すように、ドアスイッチ26は、例えば第1ドア61の開状態によりオンとなり、第1ドア61の閉状態によりオフとなる。マイク81は、ドアスイッチ26のオン動作に連動して電源に接続され、オンとなる。これにより、マイク81は必要に応じて容易にオンオフすることができる。
【0046】
(冷蔵庫13の動作)
上記の構成において、音声対話システム1における冷蔵庫13の動作について以下に説明する。図7は、音声対話システム1における冷蔵庫13の動作を示すフローチャートである。ここでは、ドアスイッチ26のオンオフにて第1ドア61の開閉が検出される場合の動作について説明する。なお、第1ドア61は単にドアと表現する。
【0047】
図7に示すように、音声対話システム1が動作を開始すると、制御部21は、ドアスイッチ26のオンオフ状態すなわちドアの開閉状態を監視する。制御部21の音声認識制御部33は、ドアが開状態(ドアスイッチ26がオン)になると(S11)、音声取得部25のマイク81によりユーザの音声を取得し、音声認識開始要かどうかを判定する(S12)。この判定では、音声認識制御部33は、ユーザの発話が前述した音声認識開始条件を満たすかどうかを判定する。
【0048】
音声認識制御部33は、S12での判定の結果がYESであれば、マイク81にて取得したユーザの音声データをサーバ11へ送信する(S13)。
【0049】
さらに、制御部21は、ユーザの音声について音声認識中であることをユーザに報知する(S14)。このために、点灯制御部34は、ユーザの音声データをサーバ11へ送信している期間中、庫内灯27が通常の点灯状態とは異なる点灯状態となるように制御する。具板的には、庫内灯27が明状態と暗状態とを周期的に繰り返す状態、あるいは庫内灯27が点滅する状態となるように制御する。あるいは、点灯制御部34は、庫内灯27が点灯色を変化可能なものである場合、サーバ11へのユーザの音声データの送信期間中、点灯色を順次変化させる。また、警報制御部35は、サーバ11へのユーザの音声データの送信を開始するときに、警報ブザー28を動作させる。なお、点灯制御部34および警報制御部35による上記報知動作は、少なくとも一つを行えばよい。
【0050】
その後、音声認識制御部33は、音声認識を終了要かどうかを判定する(S15)。この判定では、音声認識制御部33は、ユーザの発話が前述した音声認識終了条件を満たすかどうか、またはユーザから音声認識の終了指示があったかどうかを判定する。S15の判定結果がYESであれば、S20へ進み、ユーザの音声データのサーバ11への送信を終了する。S20において、警報制御部35は、サーバ11へのユーザの音声データの送信が終了したことをユーザに報知するために、警報ブザー28を動作させる。このとき、警報ブザー28は、サーバ11へのユーザの音声データの送信が開始したことを報知するとき(S14)とは音色や音程が異なるようにする。これにより、ユーザは音声データがサーバ11へ送信開始されたこと、および送信が終了したことを認識でき、音声認識動作の稼働状態についての不安を解消できる。
【0051】
次に、音声出力制御部31は、S15での判定結果がNOであり、サーバ11から回答の音声データを受信した場合(S16)、その音声データを音声出力部24によって音声に再生させ出力させる(S17)。
【0052】
その後、音声認識制御部33は、ドアが閉状態(ドアスイッチ26がオフ)となり(S18)、ドアの閉状態が所定時間(例えば10~20秒)以上続くと(ドアの閉状態の検出時点から所定時間経過後に)(S19)、ユーザの音声データのサーバ11への送信を終了する(S20)。
【0053】
また、S12での判定の結果がNOであり、ドアの開状態が所定時間(例えば10秒)以上続くと(S21)、音声出力制御部31は、音声出力部24によりユーザに対して話しかけるような発話を行わせる(S22)。ここでの発話は、例えば「何かお話はありませんか?」とか「今日は元気ですか?」とかの内容であり、その音声データは例えば記憶部22が記憶している。
【0054】
次に、S22での冷蔵庫13からの発話に対してユーザから何等かの返答があると(S23)、S13に進み、マイク81にて取得したユーザの音声データをサーバ11へ送信する。その後、同様にしてS14以降の動作を行う。
【0055】
一方、S23においてユーザから何等かの返答がなく、ドアの開状態が警報を必要とする時間続くと、警報制御部35は、ドアの開状態の警報要と判断し(S25)、警報ブザー28を動作させる(S26)。その後、S24の動作に戻り、ドアが閉状態(ドアスイッチ26がオフ)になると、音声対話システム1すなわち冷蔵庫13は、動作を終了する。
【0056】
また、S18において、ドアが開状態(ドアスイッチ26がオン)であり、ドアの開状態が警報を必要とする時間続くと、警報制御部35は、ドアの開状態の警報要と判断し(S27)、警報ブザー28を動作させる(S28)。その後、S13の動作に戻る。
【0057】
また、S19において、音声認識制御部33は、ドアの閉状態が所定時間未満のときには、ユーザの音声データをサーバ11へ送信し(S29)、制御部21(点灯制御部34、警報制御部35)は、ユーザの音声について音声認識中であることをユーザに報知し(S30)、S19の動作に戻る。なお、S29およびS30の動作の後に、S16およびS17の場合と同様、サーバ11から回答の音声データを受信した場合には、その音声データを音声出力部24によって音声に再生させ出力させる。
【0058】
(冷蔵庫13のドアの開閉と音声認識の要否との関係)
次に、図7に示した冷蔵庫13の動作のうち、ドアの開閉と音声認識の要否との関係に注目した冷蔵庫13の動作を図8に示す。図8は、ドアの開閉と音声認識の要否との関係に注目した冷蔵庫13の動作を示すフローチャートである。
【0059】
図8の各ステップSの番号に示す動作は、図7の各ステップSの番号に示す動作と同様であるので、図8の動作の説明は省略する。
【0060】
(冷蔵庫13の利点)
冷蔵庫13では、冷蔵庫13のドアが開状態である場合に、マイク81から音声データを取得し、音声データが示すユーザの発話が、音声認識開始条件を満たす場合に音声認識を開始し、音声認識開始条件を満たさない場合に音声認識を開始しないようになっている。なお、ここでの音声認識開始条件は、ユーザの発話が疑問形であること、または、ユーザの発話に所定の開始キーワードが含まれていることであり、これらは、ユーザの冷蔵庫13との対話の開始の意思を示す発話である。
【0061】
したがって、ユーザは、音声認識をしてほしい場合やしてもよい場合に、音声認識開始条件を満たすような発話を行うことにより、操作パネル29に対する操作等、音声認識の開始を指示するための操作を行うことが不要である。同様に、ユーザは、音声認識をしてほしくない場合に、音声認識開始条件を満たすような発話を行わないことにより、操作パネル29に対する操作等、音声認識の停止を指示するための操作を行うことが不要である。これにより、冷蔵庫13は、利便性を向上でき、かつ適切なタイミングにてユーザの発話を音声認識することができる。
【0062】
また、冷蔵庫13では、サーバ11にて音声認識中である場合に、マイク81から取得した音声データが示すユーザの発話が音声認識終了条件を満たす場合に、音声認識を終了するようになっている。なお、ここでの音声認識終了条件は、ユーザの発話に所定の終了キーワードが含まれていることである。この終了キーワードは、ユーザの冷蔵庫13との対話の終了の意思を示す発話である。
【0063】
したがって、ユーザは、音声認識を終了させる場合に、操作パネル29に対する操作等、音声認識の終了を指示するための操作を行うことが不要である。これにより、冷蔵庫13は、利便性を向上することができる。
【0064】
また、冷蔵庫13は、ドアが閉状態となってから所定時間が経過するまでは、ユーザの音声データを継続して音声認識するようにしている。これにより、冷蔵庫13は、例えばユーザが発話をしながらドアを閉めた場合やドアを閉めた直後に発話した場合であっても、そのようなユーザの発話を音声認識することができ、利便性を向上することができる。
【0065】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0066】
(冷蔵庫91の音声認識制御部33の構成)
前記の実施形態の冷蔵庫13では、音声認識制御部33は、音声取得部25が取得した音声データが示すユーザの発話がサーバ11での音声認識開始条件を満たす場合に、ユーザの音声データをサーバ11へ送信して音声認識を開始させるようにした。さらに、この場合の音声認識開始条件は、ユーザの発話が疑問形であること(ユーザの発話の語尾が上がっていること)、または、ユーザの発話に所定の開始キーワードが含まれていることとした。
【0067】
本実施形態の冷蔵庫91での音声認識開始条件は、ドアの開状態において、音声取得部25のマイク81が取得した音声データが示す音量が所定の閾値以上であり、かつその音声データをユーザの声の音声データと認識した場合とする。したがって、音声認識制御部33は、ドアの開状態において、マイク81が取得した音声データが示す音量が所定の閾値以上であり、かつその音声データをユーザの声の音声データと認識した場合に、マイク81が取得したユーザの音声データをサーバ11へ送信して音声認識を開始させる。
【0068】
(冷蔵庫91の動作)
上記の構成において、音声対話システム1における冷蔵庫91の動作について以下に説明する。
【0069】
音声認識制御部33は、図7の動作において、ドアが開状態(ドアスイッチ26がオン)になると(S11)、音声認識開始要かどうかを判定する(S12)。この判定では、音声認識制御部33は、音声取得部25のマイク81により取得した音声データが音声認識開始条件を満たすかどうかを判定する。具体的には、音声認識制御部33は、S12において、マイク81が取得した音声データが示す音量が所定の閾値以上であり、かつその音声データをユーザの声の音声データと認識した場合に音声認識開始要と判定する。音声認識制御部33は、S12での判定の結果がYESであれば、マイク81にて取得した音声データをサーバ11へ送信する(S13)。冷蔵庫91のその他の動作は、図7にて説明した冷蔵庫13の動作と同様である。
【0070】
(冷蔵庫91のドアの開閉と音声認識の要否との関係)
次に、図7にて説明した冷蔵庫91の動作のうち、ドアの開閉と音声認識の要否との関係に注目した冷蔵庫91の動作を図9に示す。図9は、ドアの開閉と音声認識の要否との関係に注目した冷蔵庫91の動作を示すフローチャートである。なお、図9の各ステップSの番号に示す動作のうち、図7の各ステップSの番号と同じ番号の動作は、図7において説明した動作と同様であるので説明を省略する。また、S51およびS52の動作は、図7のS12の動作に対応する動作である。
【0071】
図9に示すように、音声認識制御部33は、ドアが開状態(ドアスイッチ26がオン)になると(S11)、音声取得部25のマイク81により音声データを取得し、取得した音声データから音声認識開始の要否を判定する。この場合、音声認識制御部33は、マイク81が取得した音声データが示す音量が所定の閾値以上であり(S51)、かつその音声データをユーザの声の音声データと認識すると(S52)、ユーザの音声データをサーバ11へ送信して音声認識を開始させる(S13)。
【0072】
なお、S51において、マイク81が取得した音声データが示す音量が所定の閾値未満である場合、およびS52において、音声データをユーザの声の音声データと認識できない場合には、音声認識制御部33は何もしない。
【0073】
また、S13において、ユーザの音声データをサーバ11へ送信して音声認識を開始させた場合には、サーバ11からユーザに対して適当な返答を行う回答の音声データを冷蔵庫91へ送信し、冷蔵庫91からその音声データを再生し出力するようにしてもよい。
【0074】
(冷蔵庫91の利点)
冷蔵庫91では、冷蔵庫91のドアが開状態である場合に、冷蔵庫13と同様、マイク81から音声データを取得し、音声データが示すユーザの発話が、音声認識開始条件を満たす場合に音声認識を開始し、音声認識開始条件を満たさない場合に音声認識を開始しないようになっている。なお、ここでの音声認識開始条件は、マイク81から取得した音声データが示す音量が所定の閾値以上であり、かつ音声データがユーザの声の音声データと認識した場合である。
【0075】
したがって、ユーザは、音声認識をしてほしい場合やしてもよい場合に、音声認識開始条件を満たすような発話、すなわち音声データが示す音量が所定の閾値以上となるような音量で発話することにより、操作パネル29に対する操作等、音声認識の開始を指示するための操作を行うことが不要である。同様に、ユーザは、音声認識をしてほしくない場合に、音声認識開始条件を満たすような上記の発話を行わないことにより、操作パネル29に対する操作等、音声認識の停止を指示するための操作を行うことが不要である。これにより、冷蔵庫91は、利便性を向上でき、かつ適切なタイミングにてユーザの発話を音声認識することができる。
【0076】
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0077】
図10は、本実施形態の音声対話システム1における冷蔵庫92の警報制御部35の動作を示すフローチャートである。図7に示した冷蔵庫13の警報制御部35は、ドアの開状態が警報を必要とする時間続くと、ドアの開状態の警報要と判断し(S25,S27)、単に警報ブザー28を動作させていた(S26,S28)。
【0078】
これに対し、本実施形態の冷蔵庫92の警報制御部35は、ドアの開状態の警報要と判断した場合、図10の動作を行うようになっている。すなわち、冷蔵庫92の警報制御部35は、図10に示すように、ドアが開状態となって(S61)、例えばドアの開状態が2分以上(所定時間以上)続くとドアの開状態の警報要と判断する(S62)。
【0079】
この場合、警報制御部35は、マイク81が取得した音声データが示す音量が閾値未満であると(S63)、警報ブザー28を動作させることにより(S64)、ドアの開状態の警報を行う。その後、S66の動作へ進む。警報制御部35によるこの警報動作は、図7に示したS26およびS28の動作と同様、通常(通常時)の警報動作であり、例えば警報ブザー28を短い間隔にて長い時間鳴らすものである。
【0080】
一方、警報制御部35は、S63において、マイク81が取得した音声データが示す音量が閾値以上であると、短い警告音による警報を行う(S65)。その後、S66の動作へ進む。警報制御部35によるこの警報動作は、S64の通常の警報動作とは異なり、例えば警報ブザー28を長い間隔にて短い時間鳴らすものである。
【0081】
このように、警報制御部35は、マイク81が取得した音声データが示す音量が閾値以上である場合、すなわちユーザが冷蔵庫92のドアを開けた状態にて発話をしていると判断した場合には、例えば警報ブザー28を長い動作間隔にて短い時間鳴らすようにしている。このような、S65の警報制御部35の警報ブザー28に対する制御は、S64の警報制御部35の警報ブザー28に対する通常の制御とは異なる制御であり、警報がユーザの発話およびマイク81によるユーザの音声データの取得の邪魔にならないようにするものである。
【0082】
なお、S65での警報ブザー28に対する警報制御部35の制御は、上記の制御の他、単に警報ブザー28の動作間隔を長くする制御(無音時間を長くする制御)、単に警報ブザー28の音量を小さくする制御、あるいは警報ブザー28の動作間隔を長くし、短い時間、かつ小さい音量にて鳴らす制御であってもよい。あるいは、警報制御部35は、S65での警報ブザー28による警報動作に代えて、音声出力部24からの発話により、ドアが開状態であることユーザに警告するようにしてもよい。さらには、後述の冷蔵庫93のように、警報動作を行わない構成としてもよい。
【0083】
このような制御は、例えば、警報制御部35が警報強度弱から警報強度強まで複数段階の警報制御を行うようになっている場合において、警報強度弱に相当する制御である。
【0084】
(冷蔵庫92の利点)
冷蔵庫92は、ドアの開状態が所定時間以上続いてドアの開状態の警報要と判断した場合であって、マイク81が取得した音声データが示す音量が所定の閾値未満である場合には、ユーザが発話をしていないと判断し、通常の警報動作を行う。一方、冷蔵庫92は、同様に、ドアの開状態の警報要と判断した場合であって、マイク81が取得した音声データが示す音量が所定の閾値以上である場合には、ユーザが発話をしていると判断し、警報がユーザの発話およびマイク81によるユーザの音声データの取得の邪魔にならないように、通常の警報動作とは異なる警報動作を行う。
【0085】
なお、本実施形態では、冷蔵庫92(音声認識制御部33)は、マイク81が取得した音声データが示す音量が所定の閾値未満である場合と所定の閾値以上である場合とで、上記のように、異なる警報動作が行われるように制御する場合について示した。しかしながら、冷蔵庫92(音声認識制御部33)は、マイク81が取得した音声データが示す音量が所定の閾値未満である場合に代えて、音声取得部25が音声を取得し、かつサーバ11にて音声認識を行っていない場合とし、マイク81が取得した音声データが示す音量が所定の閾値以上である場合に代えて、音声取得部25が音声を取得し、かつサーバ11にて音声認識を行っている場合として、上記のように、異なる警報動作が行われるように制御する構成としてもよい。
【0086】
これにより、冷蔵庫92は、ドアの開状態が所定時間以上続いてドアの開状態の警報動作を行う場合であっても、警報がユーザの発話およびマイク81によるユーザの音声データの取得の邪魔にならないようにすることができる。
【0087】
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0088】
図11は、本実施形態の音声対話システム1における冷蔵庫93の警報制御部35の動作を示すフローチャートである。本実施形態の冷蔵庫93の警報制御部35は、図7のS25(S27)およびS26(S28)の動作に代えて、図11のS72およびS73動作を行うようになっている。
【0089】
すなわち、冷蔵庫93の警報制御部35は、図11に示すように、ドアが開状態となって(S71)、マイク81に一定時間以上継続して音声の入力がなければ(S72)、ドアの開状態の警報要と判断する。この場合、警報制御部35は、警報ブザー28を動作させることにより(S73)、ドアの開状態の警報を行う。その後、S74の動作へ進む。警報制御部35によるこの警報動作は、図7に示したS26およびS28の動作と同様、通常の警報動作である。
【0090】
一方、警報制御部35は、S72において、マイク81に一定時間以上継続して音声の入力があれば、ドアの開状態の警報を行わず(警報ブザー28を動作させず)、S74の動作へ進む。
【0091】
このように、警報制御部35は、マイク81に一定時間以上継続して音声の入力がある場合、すなわちユーザが冷蔵庫92のドアを開けた状態にて一定時間以上継続して発話している場合には、ドアの開状態の警報を行わない(警報ブザー28を動作させない)ようにしている。このような、警報制御部35の制御は、警報がユーザの発話およびマイク81によるユーザの音声データの取得の邪魔にならないようにするものである。
【0092】
なお、警報制御部35は、S72において、マイク81に一定時間以上継続して音声の入力があれば、ドアの開状態の警報を行わない構成に代えて、冷蔵庫92の警報制御部35(例えば図10のS65の動作)と同様の動作を行う構成であってもよい。
【0093】
(冷蔵庫93の利点)
冷蔵庫93は、ドアの開状態が所定時間以上続いてドアの開状態の警報要と判断した場合であって、マイク81に一定時間以上継続して音声の入力がない場合には、ユーザが発話をしていないので、通常の警報動作を行う。一方、冷蔵庫93は、同様に、ドアの開状態の警報要と判断した場合であって、マイク81に一定時間以上継続して音声の入力がある場合には、ユーザが発話をしていると判断し、警報動作を行わない。
【0094】
なお、本実施形態では、冷蔵庫93(音声認識制御部33)は、マイク81に一定時間以上継続して音声の入力がない場合とある場合とで、警報動作の有無が切り替わるように制御する場合について示した。しかしながら、冷蔵庫93(音声認識制御部33)は、マイク81に一定時間以上継続して音声の入力がない場合に代えて、音声取得部25が音声を取得し、かつサーバ11にて音声認識を行っていない場合とし、マイク81に一定時間以上継続して音声の入力がある場合に代えて、音声取得部25が音声を取得し、かつサーバ11にて音声認識を行っている場合として、上記のように、警報動作の有無が切り替わるように制御する構成としてもよい。
【0095】
これにより、冷蔵庫93は、ドアの開状態が所定時間続いた場合に、通常はドアの開状態の警報動作を行う構成であっても、ユーザの発話およびマイク81によるユーザの音声データの取得の邪魔にならないようにすることができる。
【0096】
〔実施形態5〕
以上の実施形態では、第1ドア61を開閉する場合を例として、音声認識動作や警報動作等を制御する場合について説明した。しかしながら、以上の実施形態の構成は、第1ドア61を開閉する場合に限定されず、他の第2ドア62~第5ドア65を開閉する場合にも同様に適用可能である。
【0097】
〔実施形態6〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0098】
図12は、本実施形態の冷蔵庫91~93の外観を示す斜視図である。図13は、図12に示したカバー部材71の上カバーを外した状態における冷蔵庫13の上面部分を示す斜視図である。
【0099】
以上の実施形態では、冷蔵庫91~93が第1ドア61として観音開きの2枚ドアを有する形式である場合について示した。しかしながら、冷蔵庫91~93は、図12に示すように、第1ドア61として右開きおよび左開きが可能な1枚ドアを有する形式であってもよい。
【0100】
この場合、図13に示すように、図5の場合と同様に、カバー部材71の下カバー71aのマイク取付け部72にマイク81が下向きに取り付けられている。
【0101】
〔実施形態7〕
図14の(a)は、図5に示したマイク取付け部72の構造と第1ドア61との位置関係を示す縦断面図、14の(b)は、図14の(a)の構造を下から見た場合の下カバー71aの下面図である。
【0102】
図15の(a)は、図14の(a)に示したマイク取付け部72の他の例に係るマイク取付け部72の構造と第1ドア61との位置関係を示す縦断面図、15の(b)は、図15の(a)の構造を下から見た場合の下カバー71aの下面図である。
【0103】
図14の(a)(b)に示すように、マイク取付け部72は、マイク81を保持するマイク保持部72a、下カバー71aを貫通した貫通孔72b、下カバー71aの下面側の貫通孔72bの周りを下広がりのコーン形状に加工したコーン形状部72cを有している。マイク取付け部72は、コーン形状部72cを有することにより、集音性能を高めることができる。
【0104】
また、マイク取付け部72と第1ドア61との位置関係は、図14の(a)に示すように、第1ドア61を閉じたときに、第1ドア61(第1ドア61a)の上面によってコーン形状部72cが完全に塞がれる状態であってもよい。あるいは、第1ドア61を閉じたときに、第1ドア61(第1ドア61b)の上面によってコーン形状部72cが完全に塞がれることなく、コーン形状部72cの一部が第1ドア61(第1ドア61b)の外面側へはみ出す状態であってもよい。後者の場合には、第1ドア61(第1ドア61b)を閉じた状態であっても、マイク81は外部の音声を取り込み易くなる。したがって、後者の構成は、第1ドア61以外の第2ドア62~第5ドア65の開閉動作に伴い音声認識動作や警報動作等を制御する場合に好適である。
【0105】
また、図14の(a)(b)に示したマイク取付け部72の構造は、図15(a)(b)に示す構造であってもよい。図15(a)(b)に示すマイク取付け部72は、図14の(a)(b)に示すマイク取付け部72とは、コーン形状部72cの形状が異なる。
【0106】
〔まとめ〕
本発明の態様1にかかる冷蔵庫は、音声取得部と、冷蔵庫のドアの開閉を検出するドア開閉検出部と、前記ドア開閉検出部が前記ドアの開状態を検出したときに、前記音声取得部が取得した音声データが所定の音声認識開始条件を満たすかどうかを判定し、前記音声データが前記音声認識開始条件を満たす場合に、音声認識部により前記音声データの音声認識を行わせる一方、前記音声データが前記音声認識開始条件を満たさない場合に、前記音声認識部により前記音声データの音声認識を行わせない音声認識制御部とを備えている。
【0107】
本発明の態様2にかかる冷蔵庫は、上記態様1において、前記音声認識制御部は、前記音声認識部が音声認識を行っている場合に、前記音声取得部が取得した音声データが所定の音声認識終了条件を満たすかどうかを判定し、前記音声データが前記音声認識終了条件を満たす場合に、前記音声認識部による前記音声データの音声認識を終了させる構成としてもよい。
【0108】
本発明の態様3にかかる冷蔵庫は、上記態様1または2において、前記音声認識制御部は、前記ドア開閉検出部が前記ドアの閉状態を検出したときに、前記ドアの閉状態の検出時点から所定時間、前記音声認識部による前記音声データの音声認識を継続して行わせ、前記ドアの閉状態の検出時点から所定時間経過後に、前記音声認識部による前記音声データの音声認識を終了させる構成としてもよい。
【0109】
本発明の態様4にかかる冷蔵庫は、上記態様1から3のいずれか1態様において、ユーザへの警告を行う警告部と、前記ドアの開状態が警告要となる時間続いた場合に、前記警告部を動作させる警告制御部とを備え、前記警告制御部は、前記音声取得部が音声を取得し、かつ前記音声認識部が音声認識を行っていない場合には、通常時の警告動作を行うように前記警告部を制御する一方、前記音声取得部が音声を取得し、かつ前記音声認識部が音声認識を行っている場合には、前記警告部が前記通常時とは異なる動作を行うように前記警告部を制御する構成としてもよい。
【0110】
本発明の態様5にかかる冷蔵庫は、上記態様1から3のいずれか1態様において、ユーザへの警告を行う警告部と、前記ドアの開状態が警告要となる時間続いた場合に、前記警告部を動作させる警告制御部とを備え、前記警告制御部は、前記音声取得部が取得した音声データが示す音量が所定の閾値未満である場合には、通常時の警告動作を行うように前記警告部を制御する一方、前記音声取得部が取得した音声データが示す音量が所定の閾値以上である場合には、前記警告部が前記通常時とは異なる動作を行うように前記警告部を制御する構成としてもよい。
【0111】
本発明の態様6にかかる冷蔵庫は、上記態様1から3のいずれか1態様において、ユーザへの警告を行う警告部と、前記ドアの開状態が警告要となる時間続いた場合に、前記警告部を動作させる警告制御部とを備え、前記警告制御部は、前記音声取得部へ一定時間以上継続して音声の入力がない場合には、通常時の警告動作を行うように前記警告部を制御する一方、前記音声取得部へ一定時間以上継続して音声の入力がある場合には、前記警告部が前記通常時とは異なる動作を行うように前記警告部を制御する構成としてもよい。
【0112】
本発明の態様7にかかる冷蔵庫は、上記態様1から6のいずれか1態様において、前記音声取得部はマイクロフォンを有し、前記マイクロフォンは、冷蔵庫の上面に設けられた、上下方向の貫通孔を有する部材の前記貫通孔に、音声入力部を下方に向けて取り付けられ、前記部材の下面の前記貫通孔の周りは、下方へ広がるコーン形状に形成されている構成としてもよい。
【0113】
本発明の態様8にかかる冷蔵庫の音声対話システムは、上記態様1から7のいずれか1態様の冷蔵庫と、前記音声認識部を備え、前記冷蔵庫から受信した音声データの音声認識を前記音声認識部により行って発話の内容を特定し、特定した内容に基づいた回答の音声データを冷蔵庫に返信するサーバとを備えている。
【0114】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0115】
1 音声対話システム
11 サーバ
12 ユーザ宅
13,91~93 冷蔵庫
15 通信ネットワーク
21 制御部
22 記憶部
24 音声出力部
25 音声取得部
26 ドアスイッチ(ドア開閉検出部)
27 庫内灯
28 警報ブザー(警告部)
29 操作パネル
31 音声出力制御部
32 音声取得制御
33 音声認識制御部
34 点灯制御部
35 警報制御部(警告制御部)
36 操作パネル制御部
41 制御部
42 記憶部
44 音声認識部
51 音声データ提供部
61~65 第1ドア~第5ドア
61a,61b 第1ドア
71 カバー部材(部材)
71a 下カバー
72 マイク取付け部
72a マイク保持部
72b 貫通孔
72c コーン形状部
81 マイクロフォン
図1
図2
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図5
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