(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】制輪子と車輪との隙間調整器及びブレーキシリンダ
(51)【国際特許分類】
F16D 65/56 20060101AFI20230104BHJP
B61H 15/00 20060101ALI20230104BHJP
【FI】
F16D65/56 Z
B61H15/00
(21)【出願番号】P 2018235259
(22)【出願日】2018-12-17
【審査請求日】2021-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】麻野 吉雄
(72)【発明者】
【氏名】大家 秀幸
【審査官】前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-100259(JP,U)
【文献】実開昭60-114358(JP,U)
【文献】実開昭54-136012(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00 - 71/04
B61H 1/00 - 15/00
F16H 19/00 - 37/16
F16H 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制輪子を駆動する押棒を収容するさや棒に取り付けられるラチェット歯車と、
前記ラチェット歯車に噛み合い前記ラチェット歯車の一方向の回転を規制する爪部と、
前記ラチェット歯車の歯に接触する
ラチェット押え及び前記
ラチェット押えの振動を吸収する
コイルばねを別部材で有し前記ラチェット歯車の振動による回転を規制する規制部と
、
前記ラチェット押えに前記コイルばねを固定するねじと、を備え
、
前記ラチェット押えは、前記ラチェット歯車の歯に接触する押え部と、前記ねじが貫通する貫通部と、を備える
制輪子と車輪との隙間調整器。
【請求項2】
前記
ラチェット押えの回転を規制する回り止め部を備える
請求項
1に記載の制輪子と車輪との隙間調整器。
【請求項3】
前記
コイルばねに貫通して前記コイルばねを所定
の長さに圧縮する
ばね押えを備える
請求項1
又は2に記載の制輪子と車輪との隙間調整器。
【請求項4】
空気によってブレーキ力を出力する空気シリンダと、
前記空気シリンダの出力を伝達するさや棒と、
前記さや棒に取り付けられる押棒と、
前記さや棒に取り付けられる請求項1~
3のいずれか一項に記載の制輪子と車輪との隙間調整器とを備える
ブレーキシリンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制輪子と車輪との隙間調整器及びブレーキシリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
ブレーキ装置は、制輪子が押棒によって車輪に押し付けられることによってブレーキを掛けている。ブレーキ装置は、空気シリンダのピストンの出力がさや棒に伝達されて、さや棒に収容された押棒が制輪子を車輪に対して移動させる。ブレーキ装置は、車輪と制輪子との隙間を自動で調整する隙間調整器を備えている。
【0003】
隙間調整器は、押棒の移動を上下動に変換する調整押棒と、さや棒に取り付けられたラチェット歯車と、てこ押棒の移動に応じてラチェット歯車を一方向に回転させる爪部とを備える。制輪子と車輪との隙間が規定値以上になると、調整押棒が大きく動いて爪部がラチェット歯車を回転させ、ラチェット歯車とともにさや棒が回転することでさや棒に螺合している押棒が車輪側へ変位して隙間が規定値内に調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載の隙間調整器では、ラチェット歯車が不用意に回転しないよう板ばねによって規制されている。この板ばねを取り付けるときには、ラチェット歯車に対する付勢を調整する必要がある。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ラチェット歯車の不用意な回転を規制する規制部の取り付けが容易である制輪子と車輪との隙間調整器及びブレーキシリンダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する制輪子と車輪との隙間調整機構は、制輪子を駆動する押棒を収容するさや棒に取り付けられるラチェット歯車と、前記ラチェット歯車に噛み合い前記ラチェット歯車の一方向の回転を規制する爪部と、前記ラチェット歯車の歯に接触する接触部及び前記接触部の振動を吸収する弾性部を別部材で有し前記ラチェット歯車の振動による回転を規制する規制部とを備える。
【0008】
上記構成によれば、接触材の振動を弾性部が吸収するため、接触部の取付時の調整が不要であり、ラチェット歯車の歯に接触部を接触させて、弾性部を取り付けるだけでよい。よって、ラチェット歯車の振動による回転を規制する規制部の取り付けが容易である。
【0009】
上記制輪子と車輪との隙間調整機構について、前記接触部と前記弾性部とを固定するねじを備えることが好ましい。
上記構成によれば、ねじによって接触部と弾性部とを固定することができるので、規制部の取り付けが容易である。
【0010】
上記制輪子と車輪との隙間調整機構について、前記接触部材の回転を規制する回り止め部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、回り止め部によって接触部の回転が規制されているので、接触部の取り付けが容易である。
【0011】
上記制輪子と車輪との隙間調整機構について、前記弾性部を所定値で圧縮する押え部材を備えることが好ましい。
上記構成によれば、押え部材によって弾性部の圧縮が所定値に設定されるため、弾性部の取り付け時に調整が不要であり、弾性部の取り付けが容易である。
【0012】
上記制輪子と車輪との隙間調整機構について、前記弾性部は、コイルばねであることが好ましい。
上記構成によれば、弾性部がコイルばねであるため、コイルばねは負荷応力が小さく、経年変化が小さいため、弾性部の交換回数を低減することができる。
【0013】
上記課題を解決するブレーキシリンダは、空気によってブレーキ力を出力する空気シリンダと、前記空気シリンダの出力を伝達するさや棒と、前記さや棒に取り付けられる押棒と、前記さや棒に取り付けられる上記隙間調整器とを備える。
【0014】
上記構成によれば、接触部の振動を弾性部が吸収するため、接触部の取付時の調整が不要であり、ラチェット歯車の歯に接触部を接触させて、弾性部を取り付けるだけでよい。よって、振動によるラチェット歯車の回転を規制する規制部の取り付けが容易である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ラチェット歯車の振動による回転を規制する規制部の取り付けが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】制輪子と車輪との隙間調整器を備えるブレーキシリンダの一実施形態の構成を示す断面図。
【
図2】同実施形態の隙間調整器の構成を示す正面図。
【
図3】同実施形態の隙間調整器の構成を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、
図1~
図4を参照して、制輪子と車輪との隙間調整器を備えたブレーキシリンダの一実施形態について説明する。ブレーキシリンダは、車両の台車に取り付けられ、車輪の踏面に制輪子を接触させることで制動を得るトレッドブレーキタイプのブレーキ装置として用いられる。
【0018】
(ブレーキシリンダ1)
図1に示すように、ブレーキシリンダ1は、有底筒状のシリンダ21と、シリンダ21の軸方向に移動するピストン22と、ピストン22を付勢する緩めばね23と、ピストン22に接続されるさや棒24と、さや棒24に収容される押棒25とを備えている。押棒25の先端には、図示しない制輪子頭を介して制輪子が取り付けられる。
【0019】
さや棒24は、ピストン22に対して回転可能に接続されている。押棒25は、さや棒24に螺合している。よって、さや棒24が回転すると、ピストン22は回転せず、押棒25がさや棒24の回転方向に応じた軸方向のいずれかに移動する。
【0020】
シリンダ21の底部21A(図中左側)には、圧縮空気をシリンダ21内に供給する供給口26が設けられている。圧縮空気は、シリンダ21とピストン22とに囲まれた作動室27に供給される。ブレーキシリンダ1は、作動室27に圧縮空気が供給されると、ピストン22がシリンダ21の底部21Aから離間する方向へ移動する。一方、ブレーキシリンダ1は、作動室27から圧縮空気が排出されると、ピストン22が緩めばね23によってシリンダ21の底部21Aに近づく方向へ移動する。
【0021】
(隙間調整器30)
ブレーキシリンダ1は、図示しない車輪と押棒25の先端に取り付けられる制輪子(図示略)との隙間を自動で調整する隙間調整器30を備えている。隙間調整器30は、さや棒24の外周に設けられ、さや棒24を回転させることで押棒25(制輪子)の先端位置を調整する。
【0022】
ブレーキシリンダ1は、隙間調整器30を収容する枠体10を備えている。枠体10は、有底筒状の筒部11と筒部11の開口部を閉じる蓋12とを備えている。筒部11は、シリンダ21の開口部を閉じ、隙間調整器30を収容している。さや棒24及び押棒25の先端側は、蓋12から外部に突出している。
【0023】
さや棒24の先端側の外周には、円筒状の手動隙間調整ハンドル50が固定されている。手動隙間調整ハンドル50は、さや棒24の外周に固定され、さや棒24と一体に回転する。手動隙間調整ハンドル50の先端には、断面L字状の把持部51が設けられている。
【0024】
手動隙間調整ハンドル50と枠体10の蓋12との間には、水やごみ等の侵入を防ぐ第1ブーツ52が取り付けられている。また、手動隙間調整ハンドル50と押棒25との間には、水やごみ等の侵入を防ぐ第2ブーツ53が取り付けられている。第1ブーツ52及び第2ブーツ53は、円筒部材が断面蛇腹状に形成されている。第1ブーツ52の末端は、枠体10の蓋12に密着されている。第1ブーツ52の先端は、手動隙間調整ハンドル50に対して相対移動可能である。第2ブーツ53の末端は、手動隙間調整ハンドル50に密着されている。第2ブーツ53の先端は、押棒25に対して相対移動可能である。手動隙間調整ハンドル50の把持部51は、第1ブーツ52及び第2ブーツ53が取り付けられた状態において露出している。よって、手動隙間調整ハンドル50を操作するために、ブーツを外す必要がないため、第1ブーツ52及び第2ブーツ53を取り付けたままで手動隙間調整ハンドル50を操作することができる。
【0025】
隙間調整器30は、さや棒24の外周に取り付けられ、さや棒24と相対回転するさや棒外筒31を備えている。さや棒外筒31は、回転せず、その位置に固定されている。隙間調整器30は、さや棒24の外周に取り付けられ、さや棒24に固定されるラチェット歯車32を備えている。ラチェット歯車32は、さや棒24と一体に回転する。
【0026】
隙間調整器30は、車輪と制輪子との隙間を検出する調整押棒33と、さや棒24の軸方向の移動を調整押棒33の上下動に変換する斜面13Aを有するカム13とを備えている。調整押棒33の基端には、カム13の斜面13Aを転がるコロ33Aが設けられている。カム13は、枠体10の筒部11の内壁に設置されている。カム13は、車輪と制輪子との所望の隙間に対応させて、蓋12に設けられたボルトによってさや棒24の軸方向に変更可能となっている。押棒25が進出すると、コロ33Aがカム13の斜面13Aを上ることでコロ33Aがリフトして調整押棒33が上へ移動する。つまり、コロ33Aのリフト量と調整押棒33の移動量とが一致する。
【0027】
図2に示すように、隙間調整器30は、調整押棒33の上下動に応じて回転する爪部としてのラチェット爪34を備えている。ラチェット爪34は、車輪と制輪子との隙間が規定値以上であるときに、ラチェット歯車32の一歯を乗り越え、次の歯先と噛み合う。そして、制動が解除されると、調整押棒33が下方へ移動して、ラチェット爪34は、ラチェット歯車32を一歯分だけ回転させる。
【0028】
(規制部40)
図2~
図4に示すように、隙間調整器30は、ラチェット歯車32の振動による回転を規制する規制部40を備えている。規制部40は、さや棒外筒31の上面に設置される。規制部40は、ラチェット歯車32の歯に接触する接触部としてのラチェット押え41と、ラチェット押え41の振動を吸収する弾性部としてのコイルばね42とを別部材で備えている。ラチェット押え41は、ラチェット歯車32の歯に接触する円柱状の押え部41Aを有している。ラチェット押え41は、コイルばね42によって付勢されている。
【0029】
規制部40は、コイルばね42を所定値で圧縮する押え部材としてのばね押え43を備えている。ばね押え43は、コイルばね42の内側に挿通される円筒部43Aと、コイルばね42の上端に接触する鍔部43Bとを備えている。コイルばね42は、ばね押え43の鍔部43Bによって圧縮され、円筒部43Aの長さによってコイルばね42の圧縮が所定値に規定されている。
【0030】
規制部40は、ラチェット押え41とコイルばね42とをさや棒外筒31に固定するねじとしてのボルト44を備えている。ラチェット押え41は、コイルばね42が挿通されず、ばね押え43が挿通される貫通孔41Bを有している。ばね押え43は、ラチェット押え41を貫通する。ボルト44は、コイルばね42に挿通されたばね押え43とラチェット押え41の貫通孔41Bとを貫通して、さや棒外筒31の雌ねじ31Aに螺着される。ボルト44のねじ頭とばね押え43の鍔部43Bとの間には、ばね座金46が挟まれている。ラチェット押え41とさや棒外筒31との間には、ばね座金46が挟まれている。これらのばね座金46によってボルト44のゆるみを抑制している。
【0031】
規制部40は、ラチェット押え41の回転を規制する回り止め部としてのピン45を備えている。ピン45は、さや棒外筒31の上面に固定され、ラチェット押え41に設けられたピン孔41Cに貫通される。ラチェット押え41は、ボルト44とピン45とによって回転が規制されている。
【0032】
次に、上記隙間調整器30の動作について説明する。
図1に示すように、シリンダ21の供給口26から作動室27に圧縮空気が供給されると、緩めばね23の付勢力に抗してピストン22がシリンダ21の底部21Aから離間する側、
図1中右側へ移動する。そして、ピストン22が
図1中右側へ移動すると、ピストン22に接続されるさや棒24を介して押棒25がピストン22と一体となって
図1中右側へ進出する。
【0033】
さや棒24が
図1中右側へ移動すると、隙間調整器30が
図1中右側へ移動して、調整押棒33のコロ33Aがカム13の斜面13Aを上ることで調整押棒33が上方へ移動する。調整押棒33が上方へ移動すると、ラチェット爪34が
図2中の反時計回りに回転する。
【0034】
図2に示すように、車輪と制輪子との隙間が規定値に満たず、押棒25の進出量が規定値より小さいとき、コロ33Aのリフト量(調整押棒33の移動量)によってラチェット爪34がラチェット歯車32に一歯を乗り越えるには至らず、ラチェット歯車32は回転しない。
【0035】
一方、車輪と制輪子との隙間が規定値以上となり、押棒25の進出量が規定値以上であるとき、コロ33Aのリフト量(調整押棒33の移動量)によってラチェット爪34がラチェット歯車32の一歯を乗り越え、次の歯先と噛み合う。そして、この状態から作動室27から圧縮空気を排出することで制動を解除すると、押棒25が進出方向と反対方向に移動するのに伴って、調整押棒33がカム13の斜面13Aを下がることで、ラチェット爪34がラチェット歯車32を一歯分だけ回転させる。ラチェット歯車32が回転することにより、ラチェット歯車32と一体に固定されたさや棒24も回転し、さや棒24と螺合されている押棒25は進出方向に移動して位置が調整される。
【0036】
隙間調整器30の規制部40は、ラチェット歯車32の歯に常に接触することで、ラチェット歯車32の振動による回転を規制している。規制部40のラチェット押え41は、コイルばね42によって付勢されている。このコイルばね42は、ばね押え43によって所定値に圧縮されているため、従来の板ばねのような調整が不要であり、規制部40の部材を組み付けるだけで所定の付勢力でラチェット歯車32の回転を規制することができる。また、ラチェット歯車32の歯にはラチェット押え41の押え部41Aが接触し、ラチェット押え41の振動はコイルばね42が吸収する。このため、ラチェット歯車32の接触の機能と振動吸収の機能とを別部材とすることで、それぞれの組み付けの調整を不要とすることができる。
【0037】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)ラチェット押え41の振動をコイルばね42が吸収するため、ラチェット押え41の取付時の調整が不要であり、ラチェット歯車32の歯にラチェット押え41を接触させて、コイルばね42を取り付けるだけでよい。よって、振動によるラチェット歯車32の回転を規制する規制部40の取り付けが容易である。
【0038】
(2)ボルト44によってラチェット押え41とコイルばね42とを固定することができるので、規制部40の取り付けが容易である。
(3)ピン45によってラチェット押え41の回転が規制されているので、ラチェット押え41の取り付けが容易である。
【0039】
(4)押え部材によってコイルばね42の圧縮が所定値に設定されるため、コイルばね42の取り付け時に調整が不要であり、コイルばね42の取り付けが容易である。
(5)コイルばね42は負荷応力が小さく、経年変化が小さいため、コイルばね42の交換回数を低減することができる。
【0040】
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0041】
・上記実施形態では、規制部40にばね座金46を用いたが平座金を用いてもよい。
・上記実施形態では、ボルト44のねじ頭とばね押え43の鍔部43Bとの間にばね座金46を挟んだが、ボルト44のねじ頭とばね押え43の鍔部43Bとの間のばね座金46を省略してもよい。
【0042】
・上記実施形態では、ラチェット押え41とさや棒外筒31との間にばね座金46を挟んだが、ラチェット押え41とさや棒外筒31との間のばね座金46を省略してもよい。
・上記実施形態では、ラチェット押え41の振動を吸収する弾性部としてコイルばね42を用いた。しかし、コイルばねに限らず、ゴム等の弾性材料からなる弾性部を用いてもよい。例えば、コイルばね42及びばね押え43に代えて弾性材料からなる筒状の弾性部をさや棒外筒31にねじ留めして、ラチェット押え41の振動を吸収してもよい。
【0043】
・上記実施形態では、弾性部を所定値で圧縮するばね押え43を備えたが、ばね押え43を省略してもよい。
・上記実施形態では、ラチェット押え41の回転を規制するピン45を備えたが。回り止め部としてのピン45を省略してもよい。
【0044】
・上記実施形態では、ラチェット押え41とコイルばね42とをさや棒外筒31に固定するボルト44を備えた。しかし、ねじではなく、圧入してラチェット押え41とコイルばね42とをさや棒外筒31に固定する圧入部材であってもよい。
【0045】
・上記実施形態では、トレッドブレーキタイプのブレーキシリンダに設けられる隙間調整器30としたが、ディスクブレーキタイプのブレーキ装置に設けられる隙間調整器としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…ブレーキシリンダ、10…枠体、11…筒部、12…蓋、13…カム、13A…斜面、21…シリンダ、21A…底部、22…ピストン、23…緩めばね、24…さや棒、25…押棒、26…供給口、27…作動室、30…隙間調整器、31…さや棒外筒、31A…雌ねじ、32…ラチェット歯車、33…調整押棒、33A…コロ、34…爪部としてのラチェット爪、40…規制部、41…接触部としてのラチェット押え、41A…押え部、41B…貫通孔、41C…ピン孔、42…弾性部としてのコイルばね、43…押え部材としてのばね押え、43A…円筒部、43B…鍔部、44…ねじとしてのボルト、45…回り止め部としてのピン、46…ばね座金、50…手動隙間調整ハンドル、51…把持部、52…第1ブーツ、53…第2ブーツ。