(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】PCグラウト組成物及びPCグラウト材
(51)【国際特許分類】
C04B 28/08 20060101AFI20230104BHJP
C04B 24/26 20060101ALI20230104BHJP
C04B 22/14 20060101ALI20230104BHJP
C04B 18/08 20060101ALI20230104BHJP
C04B 18/14 20060101ALI20230104BHJP
C04B 14/26 20060101ALI20230104BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20230104BHJP
【FI】
C04B28/08
C04B24/26 B
C04B24/26 F
C04B22/14 B
C04B18/08 Z
C04B18/14 Z
C04B14/26
C04B24/26 E
C08F290/06
(21)【出願番号】P 2019021114
(22)【出願日】2019-02-08
【審査請求日】2021-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000103769
【氏名又は名称】オリエンタル白石株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000210654
【氏名又は名称】竹本油脂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【氏名又は名称】小池 成
(74)【代理人】
【識別番号】100132403
【氏名又は名称】永岡 儀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100173495
【氏名又は名称】内田 高正
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 千秋
(72)【発明者】
【氏名】渡瀬 博
(72)【発明者】
【氏名】岡田 和寿
【審査官】小川 武
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-314154(JP,A)
【文献】特開2002-167255(JP,A)
【文献】特開2015-209534(JP,A)
【文献】特開2007-001828(JP,A)
【文献】特開2020-128312(JP,A)
【文献】特開2019-006645(JP,A)
【文献】特開2000-086315(JP,A)
【文献】特開2006-290694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B2/00-32/02
C04B40/00-40/06
C04B103/00-111/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の結合材、下記のグラウト用分散剤、有機発泡剤及び増粘剤を含有するPCグラウト組成物。
結合材:
ポルトランドセメントを含むセメント及び、高炉スラグ微粉末を有する混和材を含有
し、前記混和材は、二水石膏(CaSO
4
・2H
2
O)、無水石膏(CaSO
4
)、フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む結合材
グラウト用分散剤:下記共重合体(A)を含有するグラウト用分散剤
共重合体(A):構成単位(1)及び構成単位(2)を含むポリカルボン酸系共重合体
構成単位(1):下記の式(1)で示される単量体から選ばれる一つ又は二つ以上から形成される構成単位
構成単位(2):(メタ)アクリル酸及び/又はその塩から選ばれる一つ又は二つ以上から形成される構成単位
【化1】
(式(1)において、R
1、R
2及びR
3は、同一又は異なる、水素原子又はメチル基を表し、R
4は、同一又は異なる、水素原子又は炭素数1~22の炭化水素基を表す。pは0~5の整数を表す。qは0又は1の整数を表す。A
1Oは炭素数2~4のオキシアルキレン基を表す。nはA
1Oの平均付加モル数であり、5~300の数を表す。)
【請求項2】
前記セメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメントからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む請求項
1に記載のPCグラウト組成物。
【請求項3】
前記セメントは、早強ポルトランドセメントを含む請求項
1又は
2のいずれか1項に記載のPCグラウト組成物。
【請求項4】
前記高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積は、4000~12000cm
2/gである請求項
1~
3のいずれか1項に記載のPCグラウト組成物。
【請求項5】
前記セメントを30~60質量%、
前記高炉スラグ微粉末を35~60質量%、
二水石膏(CaSO
4・2H
2O)及び無水石膏からなる群から選ばれる1種以上をCaSO
4として1~6質量%、並びに、
フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末からなる群から選ばれる1種以上を2~15質量%、
含有する請求項
1~4のいずれか1項に記載のPCグラウト組成物。
【請求項6】
請求項
1~
5のいずれか1項に記載のPCグラウト組成物と水とを含有するPCグラウト材。
【請求項7】
水結合材比は、30~50%(質量比)である請求項
6に記載のPCグラウト材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木分野、建築分野等で使用される、PCグラウト用分散剤を用いるPCグラウト組成物及びこのPCグラウト組成物を用いるPCグラウト材に関する。更に詳細には、プレストレストコンクリート構造物(PC構造物)に使用される、優れた流動性と長い可使時間を有し、低温環境下においても硬化不良を抑制し、優れた強度を発現するPCグラウト組成物及びPCグラウト材に関する。
【背景技術】
【0002】
道路や鉄道の橋梁等にプレストレストコンクリート(PC)が使用されている。プレストレストコンクリート(PC)は、高張力に耐えうるPC鋼材を使用して、コンクリートに圧縮応力を与え、鉄筋コンクリートと比べても優れた曲げ耐力を有するものである。このようなプレストレストコンクリート(PC)の製造方法には、予めPC鋼材を緊張したままコンクリートを打設し、コンクリートが硬化した後に緊張を解放してコンクリートに圧縮応力を導入するプレテンション方式と、パイプ状のシース管を配置した後、コンクリートを打設し、コンクリートの硬化後にシース管内にPC鋼材を配置し、PC鋼材を緊張させてコンクリートに圧縮応力を導入するポストテンション方式がある。
【0003】
高架道路や橋梁等にプレストレストコンクリート(PC)を使用する場合、施工現場でPC鋼材を自由な形に配置することができるので、通常、ポストテンション方式が採用される。ポストテンション方式のプレストレストコンクリート(PC)では、PC鋼材とコンクリートとの一体化を図る目的、及びPC鋼材が腐食等により損傷することを防止するためにシース管内にグラウト材が注入される。しかしながら、従来の技術や施工方法では、グラウト材の注入時に空気が抜けなかったり、シース管が閉塞していたりするなど様々な原因によりPC鋼材の周囲にグラウト材が注入されていない未充填部分が発生することがあった。
【0004】
特に、高架道路のPC桁では、引張応力が作用する箇所が端部と中央部で相異するので、シース管が上下に蛇行し、一度に、未充填部のないようにグラウト材を注入することが困難であった。
【0005】
高架道路では、冬季に凍結防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が散布されるため、これらが雨水とともに、シース管内のグラウト材の未充填部分に進入し、PC鋼材が腐食し、破断するおそれがあり、高架道路等のプレストレストコンクリート構造物の耐荷性能、耐久性の低下が懸念されている。
【0006】
このようなプレストレストコンクリート(PC)におけるPC鋼材の腐食を防止し、PC鋼材の耐久性を向上させるために、既設のプレストレストコンクリート構造物のPC鋼材の腐食が進行していない状態のうちに、シース管内にグラウトを再注入することが行われてきた。
【0007】
プレストレストコンクリート構造物のグラウトの未充填部分にグラウトを再注入する際、PC鋼材の腐食を防止するために、腐食防止剤として、亜硝酸塩を含有するグラウトを使用することが提案されている(特許文献1、特許文献2)。また、腐食防止剤として、亜硝酸塩を含有し、塩化物イオン固定化剤としてポルトランドセメント中にCaO・2Al2O3を含有する粉末が混和されたグラウトを使用することが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2013-2055号公報
【文献】特開2013-2056号公報
【文献】特開2017-206418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
既設プレストレストコンクリート構造物におけるシース管内のグラウトの未充填部分にグラウト材を再注入するに当たり、狭い隙間に充填するため、グラウト材は流動性に優れることが必要である。また、近年、プレストレストコンクリート構造物が長大化し、1日におけるグラウトの再注入作業は、多箇所の未充填部分に少量づつグラウトを再注入するため、長い可使時間(流動性が保持される時間)が必要となっている。
【0010】
優れた流動性と長い可使時間を得るために、分散剤を含有するグラウト組成物が検討されている。しかしながら、長い可使時間が得られるポリカルボン酸系分散剤を使用しても、強度のバラツキが大きかったり、初期分散性が不足し、低温環境下において、水和反応が遅延するため硬化不良が発生し、十分な圧縮強度が確保できないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、上記従来の問題を解決し、強度のバラツキが少なく、初期分散性に優れ、長い可使時間が得られ、低温環境下でも硬化不良が発生せず、十分な圧縮強度を確保することのできる、PCグラウト組成物及びPCグラウト材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定の成分を有するPCグラウト用分散剤が好適であることを見出した。本発明によれば、以下のPCグラウト組成物及びPCグラウト材が提供される。
【0013】
(削除)
【0014】
(削除)
【0015】
(削除)
【0016】
(削除)
【0017】
(削除)
【0018】
(削除)
【0019】
(削除)
【0020】
(削除)
【0021】
(削除)
【0022】
(削除)
【0023】
[
1] 下記の結合材、下記のグラウト用分散剤、有機発泡剤及び増粘剤を含有するPCグラウト組成物。
結合材:
ポルトランドセメントを含むセメント及び、高炉スラグ微粉末を有する混和材を含有
し、前記混和材は、二水石膏(CaSO
4
・2H
2
O)、無水石膏(CaSO
4
)、フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む結合材
グラウト用分散剤:下記共重合体(A)を含有するグラウト用分散剤
共重合体(A):構成単位(1)及び構成単位(2)を含むポリカルボン酸系共重合体
構成単位(1):下記の式(1)で示される単量体から選ばれる一つ又は二つ以上から形成される構成単位
構成単位(2):(メタ)アクリル酸及び/又はその塩から選ばれる一つ又は二つ以上から形成される構成単位
【化1】
(式(1)において、R
1、R
2及びR
3は、同一又は異なる、水素原子又はメチル基を表し、R
4は、同一又は異なる、水素原子又は炭素数1~22の炭化水素基を表す。pは0~5の整数を表す。qは0又は1の整数を表す。A
1Oは炭素数2~4のオキシアルキレン基を表す。nはA
1Oの平均付加モル数であり、5~300の数を表す。)
【0024】
[2] 前記セメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメントからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む前記[1]に記載のPCグラウト組成物。
【0025】
[3] 前記セメントは、早強ポルトランドセメントを含む前記[1]又は[2]のいずれかに記載のPCグラウト組成物。
【0026】
[4] 前記高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積は、4000~12000cm2/gである前記[1]~[3]のいずれかに記載のPCグラウト組成物。
【0027】
(削除)
【0028】
[5] 前記セメントを30~60質量%、
前記高炉スラグ微粉末を35~60質量%、
二水石膏(CaSO4・2H2O)及び無水石膏からなる群から選ばれる1種以上をCaSO4として1~6質量%、並びに、
フライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末からなる群から選ばれる1種以上を2~15質量%、
含有する前記[1]~[4]のいずれかに記載のPCグラウト組成物。
【0029】
[6] 前記[1]~[5]のいずれかに記載のPCグラウト組成物と水とを含有するPCグラウト材。
【0030】
[7] 水結合材比は、30~50%(質量比)である前記[6]に記載のPCグラウト材。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、初期分散性に優れ、10時間以上の可使時間が得られ、5℃の低温環境下でも、混練りした後、約20時間後には硬化完了し、すなわち、硬化不良が発生しない。また、材齢7日後には、PCグラウト材として必要な圧縮強度30N/mm2を上回る圧縮強度を得ることのできるPCグラウト材が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し適宜変更、改良等が加えられ得ることが理解されるべきである。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
【0033】
本実施形態のPCグラウト用分散剤は、下記共重合体(A)を含有するPCグラウト用分散剤である。
【0034】
共重合体(A)は、構成単位(1)と構成単位(2)を含むポリカルボン酸系共重合体である。
【0035】
先ず、構成単位(1)について説明する。構成単位(1)は、下記の式(1)で示される単量体から選ばれる一つ又は二つ以上から形成される構成単位である。
【化2】
【0036】
式(1)において、R1、R2及びR3は、同一又は異なる、水素原子又はメチル基を表す。R4は、同一又は異なる、水素原子又は炭素数1~22の炭化水素基を表す。炭素数1~22の炭化水素基としては、例えば、炭素数1~22のアルキル基、炭素数2~22のアルケニル基、ベンゼン環を持つ炭素数6~22のアリール基等が挙げられる。本発明の効果をより一層発現する点で、水素原子又は炭素数1~8の炭化水素基が好ましく、水素原子又は炭素数1~4の炭化水素基が更に好ましい。
【0037】
式(1)において、pは0~5の整数であり、好ましくは0~2の整数である。また、qは0又は1の整数である。
【0038】
式(1)において、A1Oは炭素数2~4のオキシアルキレン基であり、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などが挙げられる。A1Oが2種類以上の場合は、ランダム付加体、ブロック付加体、交互付加体のいずれの形態であってもよい。共重合体の溶解性を考慮し、共重合体の水溶性を保つためには、式(1)において、オキシアルキレン基全体の50mol%以上がオキシエチレン基であることが好ましく、90mol%以上がオキシエチレン基であることがより好ましく、95mol%以上がオキシエチレン基であることが更に好ましい。式(1)において、nはA1Oの平均付加モル数を表し、5~300の数であり、好ましくは10~200の数であり、より好ましくは20~180の数であり、更に好ましくは40~150、最も好ましくは40~80の数である。なお、nが5より小さい場合、分散性が劣るおそれがあり、nが300より大きい場合、製造が困難である。
【0039】
式(1)で示される単量体として、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレン(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)ブチレングリコールビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコールモノ(2-メチル-2-プロペニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3-メチル-ブテニル)エーテル、ポリエチレン(ポリ)プロピレングリコールモノ(2-メチル-2-プロペニル)エーテル等が好ましい。構成単位(1)を形成する式(1)で示される単量体は1種又は2種以上使用してもよい。
【0040】
次に、構成単位(2)について説明する。構成単位(2)は、不飽和カルボン酸及び/又はその塩から形成される構成単位である。構成単位(2)を形成する不飽和カルボン酸及び/又はその塩としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、フマル酸及びこれらの塩などが挙げられる。塩としては、特に制限するものではないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアミン塩などが挙げられる。なかでもナトリウム塩とカルシウム塩が好ましい。
【0041】
構成単位(2)を形成する不飽和カルボン酸及び/又はその塩としては、全不飽和カルボン酸及び/又はその塩の全体の内80~100モル%が(メタ)アクリル酸及び/又はその塩から選ばれる一つ又は二つ以上であり、全不飽和カルボン酸及び/又はその塩の全体の内90~100モル%が(メタ)アクリル酸及び/又はその塩から選ばれる一つ又は二つ以上であるのが好ましく、全不飽和カルボン酸及び/又はその塩の全体の内95~100モル%が(メタ)アクリル酸及び/又はその塩から選ばれる一つ又は二つ以上であるのが更に好ましい。
【0042】
共重合体(A)は構成単位(3)を含むのが好ましい。構成単位(3)は、アルキル基の炭素数が1~4である(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種または2種以上から形成される構成単位である。(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレートとして、アクリル酸メチル、ヒドロキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート等が好ましい。構成単位(3)を形成する単量体は一種又は二種以上使用してもよい。
【0043】
かかる共重合体(A)は、構成単位(1)、構成単位(2)、構成単位(3)に加えて、これらの構成単位を形成する単量体と共重合可能な単量体に由来する、構成単位(4)を含んでいてもよい。すなわち、共重合体(A)は、構成単位(1)、構成単位(2)及び構成単位(4)を含むものであつてもよく、また、共重合体(A)は、構成単位(1)、構成単位(2)、構成単位(3)及び構成単位(4)を含むものであつてもよい。このような構成単位(4)を形成する単量体は、構成単位(1)、構成単位(2)、構成単位(3)を形成する単量体のうちの少なくとも一つと共重合可能であれば特に制限はなく、かかる単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類、(メタ)アクリロニトリル等の不飽和シアン類、マレイン酸やフマル酸等の不飽和ジカルボン酸と(ポリ)アルキレングリコールや炭素数1~22のアルキル基やアルケニル基のアルコールとのモノエステルやジエステルとなる不飽和ジカルボン酸エステル類、不飽和カルボン酸や不飽和ジカルボン酸と炭素数が1~22であるアミンとのモノアミドやジアミドとなるアミド単量体類、不飽和カルボン酸や不飽和ジカルボン酸と炭素数が1~22であるアミンとのモノアミドやジアミドとなるアミド単量体類、アルキルジカルボン酸とポリエチレンポリアミンを縮合させたものの活性水素を持つ窒素原子にエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加させたものと(メタ)アクリル酸との反応物や、不飽和カルボン酸や不飽和ジカルボン酸と炭素数が1~22であるアミンとのモノアミドやジアミドとなるアミド単量体類、アルキルジカルボン酸とポリエチレンポリアミンを縮合させたものの活性水素を持つ窒素原子にエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加させたものとグリシジル(メタ)アクリレートと反応させたものである、ポリアミドポリアミン単量体類、(メタ)アリルスルホン酸やビニルスルホン酸及びそれらの塩などからなるスルホン酸系単量体類、リン酸2-(メタクリロイルオキシ)エチルやリン酸-ビス[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]およびそれらの塩などからなるリン酸系単量体類等が挙げられる。
【0044】
共重合体(A)は、分散性と流動性の保持性の観点から、構成単位(1)を全構成単位中に70~85質量%含むのが好ましく、全構成単位中に74.5~85.5質量%含むのがより好ましく、全構成単位中に75~84質量%含むのが更に好ましい。共重合体(A)は、分散性と流動性の保持性の観点から、構成単位(2)を全構成単位中に15~30質量%含み、全構成単位中に14.5~25.5質量%含むのが好ましく、全構成単位中に15~24質量%含むのが更に好ましい。共重合体(A)は、分散性と流動性の保持性の観点から、構成単位(3)を全構成単位中に0.5~5質量%の割合で含むのが好ましく、全構成単位中に0.5~3質量%の割合で含むのが更に好ましい。共重合体(A)は、構成単位(4)を全構成単位中に0~20質量%の割合で含むのが好ましく、全構成単位中に0~5質量%の割合で含むのが更に好ましい。また、構成単位(1)、構成単位(2)及び構成単位(3)の合計が96~100質量%であることが好ましい。
【0045】
共重合体(A)は、添加率の増加を抑制する観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリエチレングリコール換算の質量平均分子量が20000~100000であるのが好ましく、25000~40000であるのがより好ましい。
【0046】
共重合体(A)は、各種方法で製造することができる。これには、溶媒に水を使用したラジカル重合、溶媒に有機溶媒を使用したラジカル重合、無溶媒のラジカル重合による方法が挙げられる。ラジカル重合における反応温度は、反応時間等の観点から、好ましくは0~120℃であり、より好ましくは20~100℃であり、更に好ましくは50~90℃である。ラジカル重合に使用するラジカル重合開始剤は、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過酸化物や、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2-アゾビス(イソブチロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられ、重合反応温度下において分解し、ラジカル発生するものであれば、その種類は特に制限されない。これらは、亜硫酸塩やL-アスコルビン酸等の還元性物質、更にはアミン等と組み合わせ、レドックス開始剤として使用することもできる。得られる共重合体(A)の質量平均分子量を所望の範囲とするため、2-メルカプトエタノール、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオグリセリン、チオリンゴ酸等の連鎖移動剤を使用することもできる。これらのラジカル重合開始剤や還元性物質、連鎖移動剤は、それぞれ単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。グラウト用分散剤に供する共重合体(A)は、水や有機溶媒を含んだまま使用してもよく、乾燥させて粉末として使用してもよく、水や有機溶媒を含んだままで無機多孔質粉体に担持させて使用してもよく、水や有機溶媒を含んだままで無機多孔質粉体に担持させ、かつ乾燥させて使用してもよい。
【0047】
次に、本発明の実施形態のPCグラウト組成物について説明する。本実施形態のPCグラウト組成物は、以上説明したような本実施形態のPCグラウト用分散剤と、結合材と、有機発泡剤と、増粘剤とを含有するものである。本実施形態のPCグラウト組成物は、結合材として、セメント及び、高炉スラグ微粉末を有する混和材を含有するものである。本実施形態のPCグラウト組成物は、結合材として、ポルトランドセメントを含むセメントを含有するものであるが、このようなセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント等の各種混合セメントからなる群から選ばれる少なくとも一種を含むものが使用可能である。本実施形態のPCグラウト組成物中のセメントの含有量は、30~60質量%であるのが好ましく、ブリーディングを抑え、強度の安定化を図るため、40~60質量%であるのがより好ましく、45~60質量%であるのが更に好ましい。
【0048】
また、結合材は、混和材を含有するものであるが、このような混和材は、高炉スラグ微粉末を含有するものである。高炉スラグ微粉末は、ブレーン比表面積が、4000~12000cm2/gであるのが好ましく、6000~12000cm2/gであるのがより好ましく、8000~12000cm2/gであるのが更に好ましい。本実施形態のPCグラウト組成物中の高炉スラグ微粉末の含有量は、強度のバラツキを防止する観点から、35~60質量%であるのが好ましく、35~50質量%であるのがより好ましく、35~45質量%であるのが更に好ましい。
【0049】
また、混和剤としては、高炉スラグ微粉末に加えて、二水石膏(CaSO4・2H2O)、無水石膏(CaSO4)、フライアッシュ、シリカフューム、石灰石微粉末からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むものである。本実施形態のグラウト組成物中の二水石膏(CaSO4・2H2O)及び無水石膏(CaSO4)からなる群から選ばれる1種以上の含有量は、ブリーディングの抑制、膨張の防止、初期強度の低下を防止する観点および塩化物イオンを固定する観点から、CaSO4として、1~6質量%であるのが好ましく、2~5質量%であるのがより好ましい。本実施形態のPCグラウト組成物中のフライアッシュ、シリカフューム及び石灰石微粉末からなる群から選ばれる1種以上の含有量は、良好な流動性を得る観点及び強度低下や凝結遅延を防止する観点から、2~15質量%であるのが好ましく、5~15質量%であるのがより好ましく、単位水量を抑えることができ、耐久性を向上させる観点から、5~10質量%であるのが更に好ましい。
【0050】
本実施形態のPCグラウト組成物は、有機発泡剤を含有する。本実施形態においては、このような有機発泡剤として、窒素ガス発生物質を使用することが、PC鋼材の劣化防止、可使時間の確保の観点から好ましい。ここで窒素ガス発生物質として、アゾ化合物、ニトロソ化合物、及びヒドラジン誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種が使用可能である。アゾ化合物としては、アゾジカルボンアミドやアゾビスイソブチルニトリルなどが挙げられ、ニトロソ化合物としては、N,N’-ジニトロペンタメチレンテトラミンなどが挙げられ、ヒドラジン誘導体としては、4,4’-オキシビスやヒドラジンカルボンアミドなどが挙げられ、これらの一種又は二種以上が使用可能である。なかでも、このような有機発泡剤として、アゾジカルボンアミドが好ましい。本実施形態のPCグラウト組成物中の有機発泡剤の含有量は、過大な膨張を抑制し、また、収縮が大きくなることを防止する観点から、結合材に対し、0.003~0.007質量%であるのが好ましく、0.0035~0.006質量%であるのがより好ましい。
【0051】
本実施形態のPCグラウト組成物は、増粘剤を含有する。このような増粘剤として、増粘多糖類の増粘剤、アクリル系増粘剤、セルロース系増粘剤、ミセル形成型増粘剤等を使用できる。増粘多糖類としては、例えば、グアガム、キサンタンガム、デュータンガム、ウェランガム、カラギナン、ローカストビーンガム、タラガム、ペクチン、ジェランガム、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)及びこれらの誘導体等が挙げられる。アクリル系増粘剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、スルホン化ポリアクリルアミド等が挙げられる。セルロース系増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース等のセルロースエーテル系増粘剤が挙げられる。本実施形態のPCグラウト組成物中の増粘剤の含有量は、材種間の分離防止及び流動性悪化を防止する観点から、水に対し、0.5~4.5質量%であるのが好ましく、1.0~4.0質量%であるのがより好ましく、1.5~3.5質量%であるのが更に好ましい。なお、本実施形態のPCグラウト組成物においては、これらの増粘剤の一種又は二種以上が使用可能である。
【0052】
本実施形態のPCグラウト組成物は、プレミックス材として使用され得る。従って、所定量の水を計量し、混練するだけですぐに使用できるように、配合成分の全てが予め混合され、粉末状であるプレミックス製品とする。本実施形態のPCグラウト組成物において、配合成分をプレミックス化させる方法は、特に限定されず、V型混合機や可傾式コンクリートミキサー等の重力式ミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー、パドルミキサー等で混合される。また、容器に、各配合成分を計量し、直接投入する方法によりプレミックス化することもできる。
【0053】
本実施形態のPCグラウト材は、上記のとおり、本実施形態のPCグラウト組成物と水を混練して、PCグラウト組成物と水とを含有するものである。本実施形態のPCグラウト組成物を使用してPCグラウト材を製造するには、可使時間を長くする観点、ブリーディングや材種間の分離が大きくなることを防止する観点から、水結合材比30~50%(質量比)で混練するのが好ましく、35~45%(質量比)で混練するのがより好ましく、35~40%(質量比)で混練するのが更に好ましい。
【0054】
ここで、水結合材比とは、結合材となるセメント,高炉スラグ微粉末,二水石膏,無水石膏,フライアッシュ,シリカフューム,石灰石粉などを有する混和材の合計質量に対する水の質量比である。また、水の質量は、使用する混和材等に含まれる水をも合わせた質量である。
【実施例】
【0055】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
【0056】
[使用材料]
・PCグラウト用分散剤
(分散剤PC-1の調製)
蒸留水160gを温度計、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器(以下、同様のものを使用した)に仕込み、雰囲気を窒素置換し、窒素雰囲気下にて反応系の温度を65℃に保持した。次に蒸留水200g、メタクリル酸80g、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(n=68)オキシエチレン316g、アクリル酸メチル4g、及び3-メルカプトプロピオン酸5gを均一混合し、単量体混合物水溶液を調整した。この単量体混合物水溶液と10%過硫酸ナトリウム水溶液32gとを4時間かけて撹拌を行っている反応容器に同時に滴下してラジカル共重合反応を行い、更に、10%過硫酸ナトリウム水溶液8gを1時間かけて滴下して反応を行った。その後、反応系の温度を65℃に保持して1時間、ラジカル共重合反応を行った。次いで、反応系を室温まで冷却した後、30%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH6に調整し、蒸留水にて濃度を40%に調整して反応混合物を得た。ここの反応混合物を共重合体(A-1)とした。共重合体(A-1)の40%水溶液を分散剤PC-1とした。
【0057】
(分散剤PC-2の調製)
蒸留水250g、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-ポリ(n=50)オキシエチレン324gを反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて70℃に保持した。次に、3.5%過酸化水素水20gを3時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換水76gにアクリル酸68gおよびヒドロキシエチルアクリレート8gを均一に溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換水14gにL-アスコルビン酸3.2gとチオグリコール酸3.2gを溶解させた水溶液を4時間かけて滴下した。その後、2時間、反応系の温度を65℃に維持し、重合反応を終了した。その後、反応系に30%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH5に調整し、イオン交換水にて濃度を40%に調整して反応混合物を得た。この反応物を共重合体(A-2)とした。共重合体(A-2)の40%水溶液を分散剤PC-2とした。
【0058】
(分散剤PC-3の調製)
蒸留水160gを反応容器に仕込み、雰囲気を窒素置換し、窒素雰囲気下にて反応系の温度を65℃に保持した。次に蒸留水200g、メタクリル酸96g、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(n=23)オキシエチレン304g、及び3-メルカプトプロピオン酸6gを均一混合し、単量体混合物水溶液を調整した。この単量体混合物水溶液と10%過硫酸ナトリウム水溶液32gとを4時間かけて撹拌を行っている反応容器に同時に滴下してラジカル共重合反応を行い、更に、10%過硫酸ナトリウム水溶液8gを1時間かけて滴下して反応を行った。その後、反応系の温度を65℃に保持して1時間、ラジカル共重合反応を行った。次いで、反応系を室温まで冷却した後、30%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH6に調整し、蒸留水にて濃度を40%に調整して反応混合物を得た。ここの反応混合物を共重合体(A-3)とした。共重合体(A-3)の40%水溶液を分散剤PC-3とした。
【0059】
合成した各共重合体(A-1)~(A-3)の質量平均分子量を下記測定条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定した。
【0060】
[測定条件]
装置:昭和電工株式会社製 Shodex GPC-101
カラム:昭和電工株式会社製 OHpak SB-G+SB-806M HQ+SB-806M HQ
検出器:示差屈折計(RI)
溶離液:50mM硝酸ナトリウム水溶液
流量:0.7mL/分
カラム温度:40℃
試料濃度:0.5質量%の溶離液溶液
標準物質:ポリエチレングリコール
【0061】
各共重合体の内容及び測定結果を表1にまとめて示した。
【0062】
【0063】
表1において、
M-1:α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(n=68)オキシエチレン
M-2:α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-ポリ(n=50)オキシエチレン
M-3:α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(n=23)オキシエチレン
C-1:メタクリル酸
C-2:アクリル酸
E-1:アクリル酸メチル
E-2:ヒドロキシエチルアクリレート
【0064】
・結合材(S-1~S-3)
表2に記載の配合条件で、早強ポルトランドセメント、高炉スラグ微粉末、二水石膏とフライアッシュを混合して結合材を調製した。
【0065】
【0066】
表2において、
N:早強ポルトランドセメント
sg-1:粉末度が6000cm2/gの高炉スラグ微粉末
gp-1:二水石膏
FA:フライアッシュ
【0067】
・有機発泡剤
有機発泡剤として、三協化成株式会社製のアゾジカルボンアミド(略号:ADCA)を使用した。
【0068】
・増粘剤
増粘剤として、花王株式会社製の商品名ビスコトップ300(略号:BIS)を使用した。
・水
水として水道水を使用した。
【0069】
[PCグラウト材の製造]
水を除く各材料を、表3に示す配合量となるようにあらかじめプレミックスし、さらにセメント100重量部に対して水を所定量加え、グラウトミキサ(GM50、回転数1000rpm)で3分間混練して、実施例1~29のPCグラウト材を製造した。
【0070】
【0071】
表3において、
※1 PCグラウト用分散剤の粉体は、水溶液である分散剤をスプレードライヤーにて粉末としたものである。
※2 BNSF:β‐ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩40%水溶液(竹本油脂株式会社製ポールファイン510-AN)
【0072】
[試験方法]
得られたPCグラウト材について以下の試験を実施した。その結果を表4~8に示す。
(1)流動性
JP漏斗流下時間測定方法
土木学会基準「PCグラウト試験方法(JSCE-F531-1999)」に準じてJP漏斗流下時間を混練から、0.33時間後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、7時間後、8時間後、9時間後、10時間後に測定した。漏斗の排出口の内径は14mmのものを使用した。
【0073】
(2)ブリーディング率
実施例1、4、7のPCグラウト材について、日本道路公団規格「PCグラウトのブリーディング率および体積変化率試験方法(鉛直管法)(JHS 420-2004)」に準じてブリーディング率および沈下量を求めた。
【0074】
(3)圧縮強度
実施例10、11、12、16、17、18、22、23、24のPCグラウト材については、土木学会基準「PCグラウトの圧縮強度試験方法(JSCE-G 531)」に準じて、20℃、5℃の圧縮強度を求めた。実施例13、14、15、19、20、21、25、26、27のPCグラウト材については、5℃の圧縮強度を求めた。
【0075】
【0076】
※ 比較例2および比較例3は、水結合材の質量比を40%から50%に増加させたが、下記の流動性(JP漏斗)試験において流動化しなかった。
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
(結果)
実施例1~29においては、共重合体(A)を含むPCグラウト用分散剤を使用することにより、比較例1~3に比して、流動性、ブリーディング率、圧縮強度のいずれにおいても優れた値を示すことが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0082】
PCグラウト用分散剤は、PCグラウト組成物を調製する際の添加剤として利用することができる。