(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】化学線硬化性ウレタン/尿素含有航空宇宙用コーティング及びシーラント
(51)【国際特許分類】
C08G 75/045 20160101AFI20230104BHJP
C08G 18/67 20060101ALI20230104BHJP
C08G 18/83 20060101ALI20230104BHJP
C08L 75/02 20060101ALI20230104BHJP
C08L 75/16 20060101ALI20230104BHJP
C09K 3/10 20060101ALI20230104BHJP
【FI】
C08G75/045
C08G18/67 010
C08G18/83
C08L75/02
C08L75/16
C09K3/10 D
C09K3/10 F
(21)【出願番号】P 2019506709
(86)(22)【出願日】2017-08-08
(86)【国際出願番号】 US2017045871
(87)【国際公開番号】W WO2018031532
(87)【国際公開日】2018-02-15
【審査請求日】2019-04-04
(32)【優先日】2016-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502328466
【氏名又は名称】ピーアールシー-デソト インターナショナル,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーネルソン、ブルース
(72)【発明者】
【氏名】ラオ、シャンドラ ビー.
(72)【発明者】
【氏名】リン、レンヘ
【審査官】前田 孝泰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/021363(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/134885(WO,A1)
【文献】特開2014-084393(JP,A)
【文献】特開昭56-065022(JP,A)
【文献】特開2015-089907(JP,A)
【文献】特表2015-501213(JP,A)
【文献】特開2013-181095(JP,A)
【文献】特開2015-205989(JP,A)
【文献】特開昭61-179232(JP,A)
【文献】特表2013-538267(JP,A)
【文献】特表2013-529708(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0319559(US,A1)
【文献】特表昭57-502131(JP,A)
【文献】特表昭57-502129(JP,A)
【文献】特表平07-507773(JP,A)
【文献】特表2017-510691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/16
C09D 1/00-201/10
C09J 1/00-201/10
C09K 3/10
C08G 75/00- 75/32
C08G 18/00- 18/87
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
(a) ポリチオールであって、
前記ポリチオールが式(2a)のチオール末端ウレタン含有ポリチオエーテルプレポリマー、式(2b)のチオール末端尿素含有ポリチオエーテルプレポリマー、又はその組合せを含み、
HS-R
1-S-[-(CH
2)
2-R
2-O-C(=O)-NH-R
5-NH-C(=O)-O-R
2-(CH
2)
2-S-R
1-S-]
n-H (2a)
HS-R
1-S-[-(CH
2)
2-R
2-NH-C(=O)-NH-R
5-NH-C(=O)-NH-R
2-(CH
2)
2-S-R
1-S-]
n-H (2b)
式中、
nが1~20の整数であり、
R
1がC
2-6アルカンジイル、C
6-8シクロアルカンジイル、C
6-10アルカンシクロアルカンジイル、C
5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR
3)
p-X-]
q-(CHR
3)
r-
(式中、
各R
3は独立して水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH
3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
から選択され、
各R
2が独立して、C
3-10アルカンジイル、置換C
3-10アルカンジイル、C
3-10ヘテロアルカンジイル及び置換C
3-10ヘテロアルカンジイルから選択され、かつ
各R
5が独立して、C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル、C
5-12シクロアルカンジイル、C
5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C
6-20アレーンジイル、C
5-20ヘテロアレーンジイル、C
6-20アルカンシクロアルカンジイル、C
6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C
7-20アルカンアレーンジイル、C
7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、置換C
2-10ヘテロアルカンジイル、置換C
5-12シクロアルカンジイル、置換C
5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6-20アレーンジイル、置換C
5-20ヘテロアレーンジイル、置換C
6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C
6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C
7-20アルカンアレーンジイル及び置換C
7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、
各置換基が、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、及び-OHから独立に選択される、上記ポリチオール、並びに
(b) ポリアルケニルであって、
前記ポリアルケニルが、式(6a)の2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、式(6b)の2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、又はその組合せを含み、
CH
2=CH-R
2-O-C(=O)-NH-{-R
5-NH-C(=O)-O-[-R
6-O-]
n-C(=O)-NH-}
m-R
5-NH-C(=O)-O-R
2-CH=CH
2 (6a)
CH
2=CH-R
2-NH-C(=O)-NH-{-R
5-NH-C(=O)-O-[-R
6-O-]
n-C(=O)-NH-}
m-R
5-NH-C(=O)-NH-R
2-CH=CH
2 (6b)
式中、
mが1~20の整数であり、
nが1~20の整数であり、
各R
2が独立して、C
2-10アルカンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R
5が独立して、C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル、C
5-12シクロアルカンジイル、C
5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C
6-20アレーンジイル、C
5-20ヘテロアレーンジイル、C
6-20アルカンシクロアルカンジイル、C
6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C
7-20アルカンアレーンジイル、C
7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、置換C
2-10ヘテロアルカンジイル、置換C
5-12シクロアルカンジイル、置換C
5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6-20アレーンジイル、置換C
5-20ヘテロアレーンジイル、置換C
6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C
6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C
7-20アルカンアレーンジイル及び置換C
7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、かつ
各R
6が独立して、C
2-10アルカンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各置換基が、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、及び-OHから独立に選択される、上記ポリアルケニル
を含み、
該組成物が、
30重量%~55重量%の
式(2a)のチオール末端ウレタン含有ポリチオエーテルプレポリマー、式(2b)のチオール末端尿素含有ポリチオエーテルプレポリマー、又はその組合せ、及び
40重量%~70重量%の式(6a)の2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、式(6b)の2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、又はその組合せ、を含み、
ここで前記重量%は該組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく、上記組成物。
【請求項2】
2重量%~6重量%のヒドロキシル官能性ジチオール、及び2.5重量%~7重量%の3官能性ポリアルケニル、を含み、ここで重量%は、組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリアルケニルが式(8a)の3官能性ウレタン含有ポリアルケニル、式(8b)の尿素含有ポリアルケニル、又はその組合せを含み、
B{-R
7-NH-C(=O)-O-R
2-CH=CH
2}
z (8a)
B{-R
7-NH-C(=O)-NH-R
2-CH=CH
2}
z (8b)
式中、
R
2がC
2-10アルカンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
R
7がC
2-10アルカンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、かつ
Bがz価の多官能化剤B(-V)
zのコアを表し、式中、
zが3であり、かつ
各-Vが-R
7-N=C=Oを含み、
各置換基が、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、及び-OHから独立に選択され、
該組成物が2.5重量%~7重量%の
式(8a)の3官能性ウレタン含有ポリアルケニル
、式(8b)の尿素含有ポリアルケニル、又はその組合せ、を含み、ここで重量%は、該組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく、
請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリチオールが式(4a)のウレタン含有ポリチオール、式(4b)の尿素含有ポリチオール又はその組合せを含み、
B{-R
7-NH-C(=O)-O-R
2-(CH
2)
2-S-R
1-SH}
z (4a)
B{-R
7-NH-C(=O)-NH-R
2-(CH
2)
2-S-R
1-SH}
z (4b)
式中、
R
1が、C
2-6アルカンジイル、C
6-8シクロアルカンジイル、C
6-10アルカンシクロアルカンジイル、C
5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR
3)
p-X-]
q-(CHR
3)
r-
(式中、
各R
3は独立して水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH
3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、かつ
rは2~10の整数である。)
から選択され、
R
2が独立して、C
2-10アルカンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
R
7が、C
2-10アルカンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、かつ
Bが、z価の多官能化剤B(-V)
zのコアを表し、式中、
zが3~6の整数であり、かつ
各-Vが-R
7-N=C=Oを含
み、
各置換基が、C
1-3
アルキル、C
1-3
アルコキシ、及び-OHから独立に選択される、
請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が15重量%~35重量%の溶媒を含み、重量%が前記組成物の総重量に基づく、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
シーラントとして配合される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物がスプレー可能である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が40重量%未満の揮発性有機物含有量を有し、重量%が前記組成物の総重量に基づく、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
部品を封止する方法であって、
請求項6に記載の組成物を部品の表面に塗布すること、
前記塗布された組成物を化学線に露光させること、及び
前記
露光された組成物を硬化させて前記部品を封止すること、
を含む、上記方法。
【請求項10】
硬化した請求項6に記載の組成物を含む部品。
【請求項11】
シーラント系であって、
(a)第1部分であって、
ポリチオールを含み、該ポリチオールが式(2a)のチオール末端ウレタン含有ポリチオエーテルプレポリマー、式(2b)のチオール末端尿素含有ポリチオエーテルプレポリマー、又はその組合せを含み、
HS-R
1-S-[-(CH
2)
2-R
2-O-C(=O)-NH-R
5-NH-C(=O)-O-R
2-(CH
2)
2-S-R
1-S-]
n-H (2a)
HS-R
1-S-[-(CH
2)
2-R
2-NH-C(=O)-NH-R
5-NH-C(=O)-NH-R
2-(CH
2)
2-S-R
1-S-]
n-H (2b)
式中、
nが1~20の整数であり、
R
1がC
2-6アルカンジイル、C
6-8シクロアルカンジイル、C
6-10アルカンシクロアルカンジイル、C
5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR
3)
p-X-]
q-(CHR
3)
r-
(式中、
各R
3は独立して水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH
3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
から選択され、
各R
2が独立して、C
3-10アルカンジイル、置換C
3-10アルカンジイル、C
3-10ヘテロアルカンジイル及び置換C
3-10ヘテロアルカンジイルから選択され、かつ
各R
5が独立して、C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル、C
5-12シクロアルカンジイル、C
5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C
6-20アレーンジイル、C
5-20ヘテロアレーンジイル、C
6-20アルカンシクロアルカンジイル、C
6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C
7-20アルカンアレーンジイル、C
7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、置換C
2-10ヘテロアルカンジイル、置換C
5-12シクロアルカンジイル、置換C
5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6-20アレーンジイル、置換C
5-20ヘテロアレーンジイル、置換C
6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C
6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C
7-20アルカンアレーンジイル及び置換C
7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、
各置換基が、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、及び-OHから独立に選択される、
上記第1部分及び
(b)第2部分であって、ポリアルケニルを含み、該ポリアルケニルが
式(6a)の2官能性ウレタン含有
ポリアルケニルプレポリマー、式(6b)の2官能性尿素含有
ポリアルケニルプレポリマー、又はその組合せ
を含み、
CH
2=CH-R
2-O-C(=O)-NH-{-R
5-NH-C(=O)-O-[-R
6-O-]
n-C(=O)-NH-}
m-R
5-NH-C(=O)-O-R
2-CH=CH
2 (6a)
CH
2=CH-R
2-NH-C(=O)-NH-{-R
5-NH-C(=O)-O-[-R
6-O-]
n-C(=O)-NH-}
m-R
5-NH-C(=O)-NH-R
2-CH=CH
2 (6b)
式中、
mが1~20の整数であり、
nが1~20の整数であり、
各R
2が独立して、C
2-10アルカンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R
5が独立して、C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル、C
5-12シクロアルカンジイル、C
5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C
6-20アレーンジイル、C
5-20ヘテロアレーンジイル、C
6-20アルカンシクロアルカンジイル、C
6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C
7-20アルカンアレーンジイル、C
7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、置換C
2-10ヘテロアルカンジイル、置換C
5-12シクロアルカンジイル、置換C
5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6-20アレーンジイル、置換C
5-20ヘテロアレーンジイル、置換C
6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C
6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C
7-20アルカンアレーンジイル及び置換C
7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、かつ
各R
6が独立して、C
2-10アルカンジイル、置換C
2-10アルカンジイル、C
2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各置換基が、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、及び-OHから独立に選択される、
上記第2部分
を含み、
上記シーラント系が、
30重量%~55重量%の式(2a)のチオール末端ウレタン含有ポリチオエーテルプレポリマー、式(2b)のチオール末端尿素含有ポリチオエーテルプレポリマー、又はその組合せ、及び
40重量%~70重量%の式(6a)の2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、式(6b)の2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、又はその組合せ、を含み、
ここで前記重量%は該シーラント系中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく、
上記シーラント系。
【請求項12】
前記第1部分、前記第2部分及び溶媒の組合せを含む、請求項11に記載のシーラント系。
【請求項13】
部品を封止する方法であって、
請求項11に記載のシーラント系の第1部分と請求項11に記載のシーラント系の第2部分とを組み合わせてシーラント組成物を提供すること、
前記シーラント組成物を部品の表面に塗布すること、
前記塗布された組成物を化学線に露光すること、及び
前記
露光された組成物を硬化させて前記部品を封止すること、
を含む、上記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2016年8月8日に出願された米国仮特許出願第62/372,158号の米国特許法119条(e)に基づく利益を請求する。
【0002】
ポリチオール及びウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーを含有する化学線硬化性組成物は、航空宇宙用コーティング及びシーラントに使用することができる。コーティング及びシーラントは、例えば航空機の一体型燃料タンクの二次燃料障壁として使用することができる。
【背景技術】
【0003】
航空宇宙産業の要件を満たす硬化性コーティング及びシーラントが既知である。例えば、コーティングは芳香族ポリアミン硬化剤で硬化するイソシアナート末端プレポリマーを含むことができる。そのようなコーティング及びシーラントは、室温(23℃)で完全に硬化するのに数日から数週間を要することがあり、部品を加熱して硬化速度を加速することは、不便であり、コーティング作業に費用がかかり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
航空宇宙産業の発展する要求を満たすために、急速に硬化することができる新たなコーティング及びシーラント組成物が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、組成物はポリチオール及びポリアルケニルを含み、ポリアルケニルはウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む。
【0006】
本発明によれば、組成物はシーラントとして調合される。
【0007】
本発明によれば、部品を封止する方法は、本発明による組成物を部品の表面に塗布すること、塗布された組成物を紫外線に露光させること、及び照射された組成物を硬化させて部品を封止することを含む。
【0008】
本発明によれば、部品は硬化した本発明による組成物を含む。
【0009】
本発明によれば、シーラント系は、第1部分であって、ポリチオールを含む第1部分及び第2部分であって、第2部分がポリアルケニルを含み、ポリアルケニルがウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む、第2部分を含む。
【0010】
本発明によれば、部品を封止する方法は、本発明によるシーラント系の第1部分と本発明によるシーラント系の第2部分とを組み合わせてシーラント組成物を提供すること、シーラント組成物を部品の表面に塗布すること、塗布された組成物を化学線に露光させること、及び照射された組成物を硬化させて部品を封止することを含む。
なお、下記[1]から[20]は、いずれも本発明の一形態又は一態様である。
[1]
組成物であって、
ポリチオール、及び
ポリアルケニルであって、
ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、
尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又は
その組合せ
を含む上記ポリアルケニル
を含む上記組成物。
[2]
前記ポリチオールが、
ウレタン含有ポリチオール、
尿素含有ポリチオール、
ウレタン基も尿素基も含有しないポリチオール又は
上記のいずれかの組合せ
を含む、[1]に記載の組成物。
[3]
前記ポリチオールが3~6のチオール官能価を有するポリチオールを含む、[1]に記載の組成物。
[4]
前記ポリチオールがヒドロキシル官能性ポリチオールを含む、[1]に記載の組成物。
[5]
前記ポリアルケニルが
2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、
2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又は
その組合せ
を含む、[1]に記載の組成物。
[6]
前記ポリアルケニルが式(6a)の2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、式(6b)の2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含み、
CH
2
=CH-R
2
-O-C(=O)-NH-{-R
5
-NH-C(=O)-O-[-R
6
-O-]
n
-C(=O)-NH-}
m
-R
5
-NH-C(=O)-O-R
2
-CH=CH
2
(6a)
CH
2
=CH-R
2
-NH-C(=O)-NH-{-R
5
-NH-C(=O)-O-[-R
6
-O-]
n
-C(=O)-NH-}
m
-R
5
-NH-C(=O)-NH-R
2
-CH=CH
2
(6b)
式中、
mが1~20の整数であり、
nが1~20の整数であり、
各R
2
が独立して、C
2-10
アルカンジイル、置換C
2-10
アルカンジイル、C
2-10
ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10
ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R
5
が独立して、C
2-10
アルカンジイル、C
2-10
ヘテロアルカンジイル、C
5-12
シクロアルカンジイル、C
5-12
ヘテロシクロアルカンジイル、C
6-20
アレーンジイル、C
5-20
ヘテロアレーンジイル、C
6-20
アルカンシクロアルカンジイル、C
6-20
ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C
7-20
アルカンアレーンジイル、C
7-20
ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C
2-10
アルカンジイル、置換C
2-10
ヘテロアルカンジイル、置換C
5-12
シクロアルカンジイル、置換C
5-12
ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6-20
アレーンジイル、置換C
5-20
ヘテロアレーンジイル、置換C
6-20
アルカンシクロアルカンジイル、置換C
6-20
ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C
7-20
アルカンアレーンジイル及び置換C
7-20
ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、かつ
各R
6
が独立して、C
2-10
アルカンジイル、置換C
2-10
アルカンジイル、C
2-10
ヘテロアルカンジイル又は置換C
2-10
ヘテロアルカンジイルを含む、
[1]に記載の組成物。
[7]
前記ポリチオールが式(2a)のジチオール、式(2b)のジチオール又はその組合せを含み、
HS-R
1
-S-[-(CH
2
)
2
-R
2
-O-C(=O)-NH-R
5
-NH-C(=O)-O-R
2
-(CH
2
)
2
-S-R
1
-S-]
n
-H (2a)
HS-R
1
-S-[-(CH
2
)
2
-R
2
-NH-C(=O)-NH-R
5
-NH-C(=O)-NH-R
2
-(CH
2
)
2
-S-R
1
-S-]
n
-H (2b)
式中、
nが1~20の整数であり、
R
1
がC
2-6
アルカンジイル、C
6-8
シクロアルカンジイル、C
6-10
アルカンシクロアルカンジイル、C
5-8
ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR
3
)
p
-X-]
q
-(CHR
3
)
r
-
(式中、
各R
3
は独立して水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH
3
)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
から選択され、
各R
2
が独立して、C
3-10
アルカンジイル、置換C
3-10
アルカンジイル、C
3-10
ヘテロアルカンジイル及び置換C
3-10
ヘテロアルカンジイルから選択され、かつ
各R
5
が独立して、C
2-10
アルカンジイル、C
2-10
ヘテロアルカンジイル、C
5-12
シクロアルカンジイル、C
5-12
ヘテロシクロアルカンジイル、C
6-20
アレーンジイル、C
5-20
ヘテロアレーンジイル、C
6-20
アルカンシクロアルカンジイル、C
6-20
ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C
7-20
アルカンアレーンジイル、C
7-20
ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C
2-10
アルカンジイル、置換C
2-10
ヘテロアルカンジイル、置換C
5-12
シクロアルカンジイル、置換C
5-12
ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6-20
アレーンジイル、置換C
5-20
ヘテロアレーンジイル、置換C
6-20
アルカンシクロアルカンジイル、置換C
6-20
ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C
7-20
アルカンアレーンジイル及び置換C
7-20
ヘテロアルカンアレーンジイルから選択される、
[1]に記載の組成物。
[8]
前記ポリアルケニルが式(8a)のウレタン含有ポリアルケニル、式(8b)の尿素含有ポリアルケニル、又はその組合せを含み、
B{-R
7
-NH-C(=O)-O-R
2
-CH=CH
2
}
z
(8a)
B{-R
7
-NH-C(=O)-NH-R
2
-CH=CH
2
}
z
(8b)
式中、
R
2
がC
2-10
アルカンジイル、置換C
2-10
アルカンジイル、C
2-10
ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10
ヘテロアルカンジイルから選択され、
R
7
がC
2-10
アルカンジイル、置換C
2-10
アルカンジイル、C
2-10
ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10
ヘテロアルカンジイルから選択され、かつ
Bがz価の多官能化剤B(-V)
z
のコアを表し、式中、
zが3~6の整数であり、かつ
各-Vが-R
7
-N=C=Oを含む、
[1]に記載の組成物。
[9]
前記ポリチオールが式(4a)のウレタン含有ポリチオール、式(4b)の尿素含有ポリチオール又はその組合せを含み、
B{-R
7
-NH-C(=O)-O-R
2
-(CH
2
)
2
-S-R
1
-SH}
z
(4a)
B{-R
7
-NH-C(=O)-NH-R
2
-(CH
2
)
2
-S-R
1
-SH}
z
(4b)
式中、
R
1
が、C
2-6
アルカンジイル、C
6-8
シクロアルカンジイル、C
6-10
アルカンシクロアルカンジイル、C
5-8
ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR
3
)
p
-X-]
q
-(CHR
3
)
r
-
(式中、
各R
3
は独立して水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH
3
)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、かつ
rは2~10の整数である。)
から選択され、
R
2
が独立して、C
2-10
アルカンジイル、置換C
2-10
アルカンジイル、C
2-10
ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10
ヘテロアルカンジイルから選択され、
R
7
が、C
2-10
アルカンジイル、置換C
2-10
アルカンジイル、C
2-10
ヘテロアルカンジイル及び置換C
2-10
ヘテロアルカンジイルから選択され、かつ
Bが、z価の多官能化剤B(-V)
z
のコアを表し、式中、
zが3~6の整数であり、かつ
各-Vが-R
7
-N=C=Oを含む、
[1]に記載の組成物。
[10]
前記ポリチオールが式(1a)のジチオール、式(1b)のポリチオール又はその組合せを含み、
HS-R
1
-SH (1a)
B{-V’-S-R
1
-SH}
z
(1b)
式中、
R
1
が、C
2-6
アルカンジイル、C
6-8
シクロアルカンジイル、C
6-10
アルカンシクロアルカンジイル、C
5-8
ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR
3
)
p
-X-]
q
-(CHR
3
)
r
-
(式中、
各R
3
は独立して水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH
3
)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、かつ
rは2~10の整数である。)
から選択され、
Bがz価の多官能化剤B(-V)
z
のコアを表し、式中、
zが3~6の整数であり、かつ
各-Vが、チオール基と反応性である末端基を含む部分であり、かつ
各-V’-が、-Vとチオールとの反応から誘導される、
[1]に記載の組成物。
[11]
前記ポリチオールがトリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオナート)(TMPMP)、ペンタエリスリトールテトラ(3-メルカプトプロピオナート)(PETMP)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-メルカプトプロピオナート)、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオナート)、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオナート)、トリス[02-(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌラート(TEMPIC)又は上記のいずれかの組合せを含む、[1]に記載の組成物。
[12]
前記組成物が35重量%~75重量%のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、5重量%~25重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオール及び15重量%~35重量%の溶媒を含み、重量%が前記組成物の総重量に基づく、[1]に記載の組成物。
[13]
シーラントとして配合される、[1]に記載の組成物。
[14]
前記組成物がスプレー可能である、[13]に記載の組成物。
[15]
前記組成物が40重量%未満の揮発性有機物含有量を有し、重量%が前記組成物の総重量に基づく、[14]に記載の組成物。
[16]
部品を封止する方法であって、
[13]に記載の組成物を部品の表面に塗布すること、
前記塗布された組成物を化学線に露光させること、及び
前記照射された組成物を硬化させて前記部品を封止すること、
を含む、上記方法。
[17]
硬化した[13]に記載の組成物を含む部品。
[18]
シーラント系であって、
第1部分であって、ポリチオールを含む上記第1部分及び
第2部分であって、ポリアルケニルを含み、該ポリアルケニルが
ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、
尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又は
その組合せ
を含む、上記第2部分
を含む、上記シーラント系。
[19]
前記第1部分、前記第2部分及び溶媒の組合せを含む、[18]に記載のシーラント系。
[20]
部品を封止する方法であって、
[18に記載のシーラント系の第1部分と[18]に記載のシーラント系の第2部分とを組み合わせてシーラント組成物を提供すること、
前記シーラント組成物を部品の表面に塗布すること、
前記塗布された組成物を化学線に露光すること、及び
前記照射された組成物を硬化させて前記部品を封止すること、
を含む、上記方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明を目的として、本開示によって提供される実施形態が、明示的に反対のことが規定されている場合を除いて、様々な代替の変形及び一連のステップを取り得ることを理解されたい。さらに、例以外又は別途指摘する場合、明細書及び特許請求の範囲で使用される、例えば成分の量を表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解すべきである。したがって、反対のことが指摘されていない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、得られる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低限、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、通常の丸め技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
【0012】
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は、可能な限り正確に報告される。しかし、いずれの数値も、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を、本質的に含む。
【0013】
また、本明細書に挙げる任意の数値範囲は、その中に包含される全ての下位範囲を含むものであることを理解すべきである。例えば、「1から10」の範囲は、示された約1の最小値と、示された約10の最大値との間の(最小値及び最大値を含む)全ての下位範囲を含む、即ち、約1以上の最小値及び約10以下の最大値を有するものである。また、本出願において、「又は」の使用は、「及び/又は」がある場合に明示的に使用され得るとしても、別途特に記載しない限り「及び/又は」を意味する。
【0014】
2つの文字又は記号の間にないダッシュ(「-」)は、置換基のための又は2個の原子間の結合点を示すために使用される。例えば、-CONH2は、炭素原子を介して別の化学部分に結合している。
【0015】
「アルカンジイル」は、例えば1~18個の炭素原子(C1-18)、1~14個の炭素原子(C1-14)、1~6個の炭素原子(C1-6)、1~4個の炭素原子(C1-4)又は1~3個の炭化水素原子(C1-3)を有する、飽和、部分不飽和、分枝又は直鎖の非環式炭化水素基のジラジカルを示す。分枝アルカンジイルは、最低3個の炭素原子を有することが理解される。アルカンジイルは、C2-14アルカンジイル、C2-10アルカンジイル、C2-8アルカンジイル、C2-6アルカンジイル、C2-4アルカンジイル又はC2-3アルカンジイルであることができる。アルカンジイル基の例としては、メタン-ジイル(-CH2-)、エタン-1,2-ジイル(-CH2CH2-)、プロパン-1,3-ジイル及びイソ-プロパン-1,2-ジイル(例えば-CH2CH2CH2-及び-CH(CH3)CH2-)、ブタン-1,4-ジイル(-CH2CH2CH2CH2-)、ペンタン-1,5-ジイル(-CH2CH2CH2CH2CH2-)、ヘキサン-1,6-ジイル(-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-)、ヘプタン-1,7-ジイル、オクタン-1,8-ジイル、ノナン-1,9-ジイル、デカン-1,10-ジイル並びにドデカン-1,12-ジイルが挙げられる。
【0016】
「アルカンシクロアルカン」は、1個以上のシクロアルキル基及び/又はシクロアルカンジイル基並びに1個以上のアルキル基及び/又はアルカンジイル基を有する飽和又は部分不飽和炭化水素基を示し、シクロアルキル、シクロアルカンジイル、アルキル及びアルカンジイルは、本明細書に定義されている。各シクロアルキル基及び/又はシクロアルカンジイル基は、C3-6、C5-6、シクロヘキシル又はシクロヘキサンジイルであることができる。各アルキル基及び/又はアルカンジイル基は、C1-6、C1-4、C1-3、メチル、メタンジイル、エチル又はエタン-1,2-ジイルであることができる。アルカンシクロアルカン基は、C4-18アルカンシクロアルカン、C4-16アルカンシクロアルカン、C4-12アルカンシクロアルカン、C4-8アルカンシクロアルカン、C6-12アルカンシクロアルカン、C6-10アルカンシクロアルカン又はC6-9アルカンシクロアルカンであることができる。アルカンシクロアルカン基の例としては、1,1,3,3-テトラメチルシクロヘキサン及びシクロヘキシルメタンが挙げられる。
【0017】
「アルカンシクロアルカンジイル」は、アルカンシクロアルカン基のジラジカルを示す。アルカンシクロアルカンジイル基は、C4-18アルカンシクロアルカンジイル、C4-16アルカンシクロアルカンジイル、C4-12アルカンシクロアルカンジイル、C4-8アルカンシクロアルカンジイル、C6-12アルカンシクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル又はC6-9アルカンシクロアルカンジイルであることができる。アルカンシクロアルカンジイル基の例としては、1,1,3,3-テトラメチルシクロヘキサン-1,5-ジイル及びシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイルが挙げられる。
【0018】
「アルカンアレーン」は、1個以上のアリール基及び/又はアレーンジイル基並びに1個以上のアルキル基及び/又はアルカンジイル基を有する炭化水素基を意味し、ここでアリール、アレーンジイル、アルキル及びアルカンジイルは本明細書で定義されている。各アリール基及び/又はアレーンジイル基は、C6-12、C6-10、フェニル又はベンゼンジイルであることができる。各アルキル基及び/又はアルカンジイル基は、C1-6、C1-4、C1-3、メチル、メタンジイル、エチル又はエタン-1,2-ジイルであることができる。アルカンアレーン基は、C7-18アルカンアレーン、C7-16アルカンアレーン、C7-12アルカンアレーン、C7-8アルカンアレーン、C7-12アルカンアレーン、C7-10アルカンアレーン又はC7-9アルカンアレーンであることができる。アルカンアレーン基の例としては、ジフェニルメタンが挙げられる。
【0019】
「アルカンアレーンジイル」はアルカンアレーン基のジラジカルを示す。アルカンアレーンジイル基は、C4-18アルカンアレーンジイル、C7-16アルカンアレーンジイル、C7-12アルカンアレーンジイル、C7-8アルカンアレーンジイル、C7-12アルカンアレーンジイル、C7-10アルカンアレーンジイル又はC7-9アルカンアレーンジイルである。アルカンアレーンジイル基の例としては、ジフェニルメタン-4,4’-ジイルが挙げられる。
【0020】
アルケニル基は、構造-CR=C(R)2を示し、式中、アルケニル基は末端基であり、より大きな分子に結合されている。そのような実施形態において、各Rは独立して、例えば水素及びC1-3アルキルを含み得る。各Rは水素であることができ、アルケニル基は構造-CH=CH2を有することができる。
【0021】
「アルコキシ」は、Rが本明細書で定義されるアルキルである、-OR基を示す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ及びn-ブトキシが挙げられる。アルコキシ基は、C1-8アルコキシ、C1-6アルコキシ、C1-4アルコキシ又はC1-3アルコキシであり得る。
【0022】
「アルキル」は、例えば1~20個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子又は1~3個の炭素原子を有する、飽和、部分不飽和、分枝又は直鎖の非環式炭化水素基のモノラジカルを示す。分枝アルキルは、最低3個の炭素原子を有することが理解される。アルキル基は、C1-6アルキル、C1-4アルキル又はC1-3アルキルであることができる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル、n-デシル及びテトラデシルが挙げられる。アルキル基は、C1-6アルキル、C1-4アルキル及びC1-3アルキルであることができる。
【0023】
「アレーンジイル」は、ジラジカル単環式又は多環式芳香族基を示す。アレーンジイル基の例としては、ベンゼン-ジイル及びナフタレン-ジイルが挙げられる。アレーンジイル基は、C6-12アリーレンジイル、C6-10アリージイル、C6-9アレーンジイル又はベンゼンジイルであることができる。
【0024】
「シクロアルカンジイル」は、ジラジカル飽和又は部分不飽和単環式又は多環式炭化水素基を示す。シクロアルカンジイル基は、C3-12シクロアルカンジイル、C3-8シクロアルカンジイル、C3-6シクロアルカンジイル又はC5-6シクロアルカンジイルであることができる。シクロアルカンジイル基の例として、シクロヘキサン-1,4-ジイル、シクロヘキサン-1,3-ジイル及びシクロヘキサン-1,2-ジイルが挙げられる。
【0025】
「シクロアルキル」は、飽和又は部分不飽和単環式又は多環式炭化水素モノラジカル基を示す。シクロアルキル基は、C3-12シクロアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-6シクロアルキル又はC5-6シクロアルキルであることができる。
【0026】
「ヘテロアルカンジイル」は、炭素原子の1個以上がヘテロ原子、例えばN、O、S又はPで置換されたアルカンジイル基を示す。ヘテロアルカンジイルにおいて、1個以上のヘテロ原子は、N及びOであることができる。
【0027】
「ヘテロシクロアルカンジイル」は、炭素原子の1個以上がヘテロ原子、例えばN、O、S又はPで置換されたシクロアルカンジイル基を示す。ヘテロシクロアルカンジイルにおいて、1個以上のヘテロ原子は、N及びOであることができる。
【0028】
「ヘテロアレーンジイル」は、炭素原子の1個以上がN、O、S又はPのなどのヘテロ原子で置換されたアレーンジイル基を示す。ヘテロアレーンジイルにおいて、1個以上のヘテロ原子は、N及びOであることができる。
【0029】
「ヘテロアルカンシクロアルカンジイル」は、炭素原子の1個以上がヘテロ原子、例えばN、O、S又はPで置換されたアルカンシクロアルカンジイル基を示す。ヘテロシクロアルカンジイルにおいて、1個以上のヘテロ原子は、N及びOであることができる。
【0030】
「ヘテロアルカンアレーンジイル」は、炭素原子の1個以上がヘテロ原子、例えばN、O、S又はPで置換されたアルカンアレーンジイル基を示す。ヘテロシクロアルカンジイルにおいて、1個以上のヘテロ原子は、N及びOであることができる。
【0031】
「置換された」とは、1個以上の水素原子がそれぞれ独立して同じ又は異なる置換基で置換されている基を示す。置換基は、ハロゲン、-S(O)2OH、-S(O)2、-SH、-SR(式中、RはC1-6アルキルである)、-COOH、-NO2、-NR2(式中、各Rは、独立して水素又はC1-3アルキルである)、-CN、=O、C1-6アルキル、-CF3、-OH、フェニル、C2-6ヘテロアルキル、C5-8ヘテロアリール、C5-6シクロアルキル、C5-6ヘテロシクロアルキル、C1-6アルコキシ、-COOR(式中、RはC1-6アルキルである)又は-COR(式中、RはC1-6アルキルである)であることができる。置換基は、-OH、-NH2又はC1-3アルキルであることができる。
【0032】
「から形成された」又は「から調製された」は、含む(comprising)などのオープンなクレーム文言を示す。そのようなものとして、記載される成分のリスト「から形成された」又は「調製された」組成物は少なくともこれらの記載される成分又は少なくとも記載される成分の反応生成物を含む組成物であり、組成物を形成又は調製するために使用される他の記載されていない成分をさらに含み得ることが意図される。
【0033】
「の反応生成物」は、列挙された反応物の化学反応生成物を意味し、部分反応生成物並びに完全反応生成物及びより少ない量で存在する他の反応生成物を含むことができる。
【0034】
本明細書で使用する場合、組成物、例えば「硬化時の組成物」又は「硬化組成物」に関して使用される「硬化する」又は「硬化した」という用語は、組成物の任意の硬化性又は架橋性成分が、少なくとも部分的に反応又は架橋されていることを意味する。
【0035】
「等価」という用語は、物質の官能性反応基の数を示す。「当量」は、物質の原子価又は官能性反応性基の数で割った物質の分子量に事実上等しい。
【0036】
「プレポリマー」は、オリゴマー、ホモポリマー及びコポリマーを示す。チオール末端プレポリマーでは、分子量は、ヨウ素滴定を使用した末端基分析によって求められる数平均分子量「Mn」である。チオール末端ではないプレポリマーでは、数平均分子量は、ポリスチレン標準を使用したゲル透過クロマトグラフィーによって求められる。本開示によって提供されるチオール末端硫黄含有プレポリマーなどのプレポリマーは、硬化剤と混和されて硬化性組成物を提供することができ、硬化性化合物は、硬化して硬化ポリマー網目を提供することができる。プレポリマーは室温(20℃~25℃)及び室圧(760torr;101kPa)にて液体である。例えば、本開示によって提供されるプレポリマーは、例えば、-20℃未満、-30℃未満又は-40℃未満のガラス転移温度Tgを有することができる。ガラス転移温度Tgは、TA Instruments Q800装置を使用して動的質量分析(DMA)により、周波数1Hz、振幅20ミクロン及び-80℃~25℃の温度傾斜で求め、Tgはtanδ曲線のピークとして確認される。本開示によって提供されるプレポリマーは、No.6スピンドルを用いてBrookfield CAP 2000粘度計を使用して、回転数300rpm及び温度25℃にて測定すると、例えば20ポアズ~1,000ポアズ(2Pa-sec~100Pa-sec)、20ポアズ~500ポアズ(2Pa-sec~50Pa-sec)、20ポアズ~200ポアズ(2Pa-sec~20Pa-sec)又は40ポアズ~120ポアズ(4Pa-sec~12Pa-sec)の範囲内の粘度を示すことができる。
【0037】
「硬化性組成物」は、反応して硬化組成物を形成することができる、少なくとも2種類の反応物を含む組成物を示す。例えば、硬化性組成物は、反応して硬化ポリマーを形成することができる、チオール末端ポリチオエーテルプレポリマー及びポリエポキシドを含むことができる。硬化性組成物は、硬化反応のための触媒及び他の成分、例えば充填剤、顔料及び接着促進剤を含み得る。硬化性組成物は、室温にて硬化可能であり得るか、又は硬化反応を開始及び/若しくは促進するために室温を上回る温度などの高温又は他の条件への暴露を必要とし得る。硬化性組成物は、最初に、例えば別個の主成分及び促進剤成分を含む2成分組成物として提供され得る。主組成物は、チオール末端ポリチオエーテルプレポリマーなどの硬化反応に関与する反応物の1つを含有することができ、促進剤成分はポリエポキシドなどの他の反応物を含むことができる。2種類の成分を使用直前に混合して、硬化性組成物を提供することができる。硬化性組成物は、特定の塗布方法に好適な粘度を示すことができる。例えば、ブラシ塗布に好適なクラスAシーラント組成物は、1ポアズ~500ポアズ(0.1Pa-sec~50Pa-sec)の粘度によって特徴付けることができる。フィレットシール塗布に好適であるクラスBシーラント組成物は、4,500ポアズ~20,000ポアズ(450Pa-sec~2,000Pa-sec)の粘度によって特徴付けることができる。フェイシール塗布に好適であるクラスCシーラント組成物は、500ポアズ~4,500ポアズ(50Pa-sec~450Pa-sec)の粘度によって特徴付けることができる。組成物の粘度は、本明細書に記載するように測定される。本明細書に記載するように、シーラント系の2成分を混和及び混合した後、硬化反応が進行することができ、硬化性組成物の粘度が上昇することがあり、ある時点ではもはや作用できなくなる。2成分が混合されて硬化性組成物を形成するときと、硬化性組成物がその所期の目的のために、表面にもはや合理的に又は実際に塗布できなくなるときとの間の期間を、作業時間と呼ぶことができる。認識できるように、作業時間は、例えば硬化化学作用、使用した触媒、塗布方法及び温度を含むいくつかの要因に依存する可能性がある。硬化性組成物が表面に塗布されると(及び塗布中に)、硬化反応が進行して硬化組成物を提供することができる。硬化組成物は、非粘着性表面を発現し、硬化し、次いである期間にわたって完全に硬化する。硬化性組成物は、表面の硬度がクラスBのシーラント又はクラスCのシーラントで少なくとも30ショアAであるときに、硬化したと見なすことができる。シーラントが硬化して30ショアAとなった後、硬化性組成物が完全に硬化するには数日から数週間かかることがある。硬度がもはや上昇しない場合、組成物は完全に硬化したと見なされる。配合に応じて、完全硬化シーラントは、例えば、ASTM 2240に従って測定すると、40ショアA~70ショアAの硬度を示すことができる。
【0038】
「化合物から誘導された部分」での「から誘導された」は、親化合物と反応物との反応の際に生成される部分を示す。例えば、CH2=CH-R-CH=CH2などのビス(アルケニル)化合物は、チオール基を有する2つの化合物などの別の化合物と反応して、反応から誘導された部分-(CH2)2-R-(CH2)2-を生成することができる。
【0039】
「-Vとチオールとの反応から誘導された」は、チオール基と、チオール基と反応性である末端基を含む部分との反応から生じる部分-V’-を示す。例えば、基V-はCH2=CH-CH2-O-であることができ、式中、末端アルケニル基CH2=CH-はチオール基-SHと反応性である。チオール基と反応すると、部分-V’-は-CH2-CH2-CH2-O-である。
【0040】
プレポリマーの主鎖などの「主鎖」は、プレポリマーの繰返しセグメントを示す。例えば、繰返しセグメントが-[A]-である構造R-[A]n-Rを有するプレポリマーでは、プレポリマーの主鎖は部分-[A]n-を示す。
【0041】
化合物又はポリマーの「コア」は、反応性末端基間のセグメントを示す。例えば、ポリチオールHS-R-SHのコアは-R-となる。化合物又はプレポリマーのコアは、化合物の主鎖又はプレポリマーの主鎖とも呼ぶことができる。
【0042】
組成物及びシーラントの比重及び密度は、ISO 2781に従って求める。
【0043】
充填剤の比重及び密度は、ISO 787(Part10)に従って求める。
ガラス転移温度Tgは、TA Instruments Q800装置を使用して動的機械分析(DMA)により、周波数1Hz、振幅20ミクロン及び-80℃~25℃の温度傾斜で求め、Tgはtanδ曲線のピークとして確認される。
【0044】
粘度は、ASTM D-2849 §79-90に従って、Brookfield CAP 2000粘度計を使用して、スピンドル#6を使用し、300rpmの速度及び25℃の温度にて測定される。
【0045】
「シクロアルカンジイル」は、飽和又は部分単環式炭化水素基のジラジカルを示す。シクロアルカンジイル基は、C3-12シクロアルカンジイル、C3-8シクロアルカンジイル、C3-6シクロアルカンジイル又はC5-6シクロアルカンジイルであることができる。シクロアルカンジイル基の例として、シクロヘキサン-1,4-ジイル、シクロヘキサン-1,3-ジイル及びシクロヘキサン-1,2-ジイルが挙げられる。
【0046】
ウレタン/尿素含有ポリチオールは、ポリチオール中に少なくとも1個のウレタン基-NH-CO-O-又は少なくとも1個の尿素基-NH-CO-NH-を有するポリチオールを示す。ウレタン/尿素含有ポリチオールは、ポリチオール中にウレタン基及び尿素基の両方を有することができる。
【0047】
ウレタン/尿素含有ポリチオールプレポリマーは、少なくとも1つのウレタン及び/又は尿素セグメントを含む主鎖を有するポリチオールプレポリマーを示す。例えば、ウレタン/尿素含有ポリチオールの繰返しセグメントは、少なくとも1つのウレタン及び/又は尿素セグメントを含む。
【0048】
ウレタン/尿素含有ポリアルケニルは、ポリアルケニル中に少なくとも1つのウレタン基-NH-CO-O-又は少なくとも1つの尿素基-NH-CO-NH-を有するポリアルケニルを示す。ウレタン/尿素含有ポリアルケニルは、ウレタン基及び/又は尿素基の両方を有することができる。
【0049】
ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーは、少なくとも1つのウレタン及び/又は尿素セグメントを含む主鎖を有するポリアルケニルプレポリマーを示す。例えば、ウレタン/尿素含有ポリアルケニルの繰返しセグメントは、少なくとも1つのウレタン及び/又は尿素セグメントを含む。
【0050】
「ポリチオール」は、少なくとも2つのチオール基を有する化合物を示す。少なくとも2個のチオール基は末端チオール基であり得、そのようなポリチオールはチオール末端化合物と呼ぶことができる。チオール基はペンダントチオール基であることもできる。ポリチオールは、2個のチオール基を有するジチオールであることができる。ポリチオールは、3~6個のチオール基などの、2個を超えるチオール基を有することができる。ポリチオールは、単一の種類のポリチオールを含むことができ、同じチオール官能基を有するポリチオールの組合せであることができ、又は異なる種類のポリチオール及び/若しくは異なるチオール官能基を表すポリチオールの組合せであることができる。ポリチオールとしては、ポリチオールプレポリマー及びモノマー性ポリチオールが挙げられる。
【0051】
「ポリチオールプレポリマー」は、ポリチオール主鎖中に少なくとも1つの繰返し単位を有するポリチオールを示す。ポリチオールプレポリマーは、例えば500ダルトン~6,000ダルトン、例えば500ダルトン~4,000ダルトン、500ダルトン~3,000ダルトン又は500ダルトン~2,000ダルトンの重量平均分子量を有することができる。例3及び4のジチオールは、ポリチオールプレポリマーの例である。
【0052】
「モノマー性ポリチオール」は、低分子量ポリチオールを示す。モノマー性ポリチオールは、一般に、ポリチオールプレポリマーの分子量よりも小さい分子量を有する。モノマー性ポリチオールは、2官能性であることができるか、又は2を超えるチオール官能性を有することができる。例えば、例5の3官能性ポリチオールなどの、ある3官能性ポリチオールは、モノマー性3官能性ポリチオールと見なされ得る。モノマー性ポリチオールは、例えば100ダルトン~300ダルトン、100ダルトン~500ダルトン、100ダルトン~750ダルトン、100ダルトン~1,000ダルトンの分子量を有することができる。
【0053】
「ポリアルケニル」は、少なくとも2個のアルケニル基を有する化合物を示す。少なくとも2個のアルケニル基は末端アルケニル基であることができ、そのようなポリアルケニルはアルケニル末端化合物と呼ぶことができる。アルケニル基は、ペンダントアルケニル基であることもできる。ポリアルケニルは、2個のアルケニル基を有するジケニルであることができる。ポリアルケニルは、3~6個のアルケニル基などの、2個を超えるアルケニル基を有することができる。ポリアルケニルは、単一の種類のポリアルケニルを含むことができ、同じアルケニル官能基を有するポリアルケニルの組合せであることができ、又は異なる種類のポリアルケニル及び/若しくは異なるアルケニル官能基を表すポリアルケニルの組合せであることができる。ポリアルケニルとしては、ポリアルケニルプレポリマー及びモノマー性ポリアルケニルが挙げられる。
【0054】
「ポリアルケニルプレポリマー」は、ポリアルケニル主鎖中に少なくとも1つの繰返し単位を有するポリアルケニルを示す。ポリアルケニルプレポリマーは、一般に、500ダルトン~6,000ダルトン、例えば500ダルトン~4,000ダルトン、800ダルトン~3,000ダルトン又は500ダルトン~2,000ダルトンの重量平均分子量を有する。例1のポリアルケニルは、ポリアルケニルプレポリマーの一例である。
【0055】
「モノマー性ポリアルケニル」は、ポリアルケニル主鎖中に繰返し単位を含まないポリアルケニルを示す。モノマー性ポリアルケニルは、ポリアルケニルプレポリマーよりも小さい重量平均分子量を有することができる。モノマー性ポリアルケニルは、2官能性であるか、又は2を超えるアルケニル官能性を有することができる。例えば、例3の3官能性ポリアルケニルなどの、ある3官能性ポリアルケニルは、モノマー性3官能性ポリアルケニルと見なされ得る。モノマー性ポリアルケニルは、例えば100ダルトン~300ダルトン、100ダルトン~500ダルトン、100ダルトン~750ダルトン、100ダルトン~1000ダルトンの分子量を有することができる。
【0056】
「多官能化剤」は、3以上、例えば3~6の反応性官能性を有する化合物を示す。多官能化剤は、3つの反応性官能基を有することができ、三官能化剤と呼ぶことができる。多官能化剤は、本開示によって提供される硫黄含有プレポリマーを合成するための前駆体として使用することができ、及び/又はポリマー硬化組成物中の反応物として使用して硬化ポリマー網目の架橋密度を向上させることができる。多官能化剤は、反応性末端チオール基、反応性末端アルケニル基又はその組合せを有することができる。多官能化剤は、1,000ダルトン未満、800ダルトン未満、600ダルトン未満、400ダルトン未満、又は200ダルトン未満の計算分子量を有することができる。多官能化剤は以下の構造を有することができ、
B(-V)z
式中、Bは多官能化剤のコアであり、各Vは、チオール基又はアルケニル基などの反応性官能基で終端した部分であり、zは3、4、5又は6などの3~6の整数である。
【0057】
多官能化剤において、各-Vは、例えば-R-SH又は-R-CH=CH2の構造を有することができ、式中、RはC2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルであることができる。多官能化剤は、エポキシ基、イソシアナート基、ヒドロキシル基、アミノ基又はマイケル受容体基などの他の官能基で終端することができる。
【0058】
多官能化剤において、各-Vは構造-R7-R8を有することができ、式中、R8はアルケニル基、チオール基、イソシアナート基、エポキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基又はマイケル受容体基などの反応性末端基であり、各R7は、例えばC1-8アルカンジイル、C1-8ヘテロアルカンジイル、置換C1-8アルカンジイル、及び置換C1-8ヘテロアルカンジイルであることができる。
【0059】
多官能化剤において、BはC2-8アルカン-トリイル、C2-8ヘテロアルカン-トリイル、C5-8シクロアルカン-トリイル、C5-8ヘテロシクロアルカン-トリイル、置換C5-8シクロアルカン-トリイル、C5-8ヘテロシクロアルカン-トリイル、C6アレーン-トリイル、C3-5ヘテロアレーン-トリイル、置換C6アレーン-トリイル又は置換C3-5ヘテロアレーン-トリイルであることができる。
【0060】
好適なアルケニル末端多官能化剤の例としては、トリアリルシアヌラート(TAC)、トリアリルイソシアヌラート(TAIC)、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン)、1,3-ビス(2-メチルアリル)-6-メチレン-5-(2-オキソプロピル)-1,3,5-トリアジノン-2,4-ジオン、トリス(アリルオキシ)メタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1-(アリルオキシ)-2,2-ビス((アリルオキシ)メチル)ブタン、2-プロパ-2-エトキシ-1,3,5-トリス(プロパ-2-エニル)ベンゼン、1,3,5-トリス(プロパ-2-エニル)-1,3,5-トリアジナン-2,4-ジオン及び1,3,5-トリス(2-メチルアリル)-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン、1,2,4-トリビニルシクロヘキサン並びに上記のいずれかの組合せが挙げられる。
【0061】
式(1)の多官能化剤は、チオール末端であることができる。好適なチオール末端多官能化剤の例としては、1,3,5-トリアジン-2,4-6-トリチオール及びプロパン-1,2,3-トリチオールが挙げられる。
【0062】
「イソシアナート基との反応から誘導される部分」とは、親部分とイソシアナート基との反応によって生成される部分を示す。例えば、構造-R1-OHを有するヒドロキシル末端親部分は、末端にイソシアナート基を有する部分-R2-N=C=Oと反応すると、部分-R1-O-C(=O)-NH-R2-を生成し、部分-O-C(=O)-NH-は、-R1-OHとイソシアナート基との反応から誘導されるとされる。
【0063】
チオール官能基又はアルケニル官能基を有する化合物は、それぞれ反応性チオール基又は反応性アルケニル基を有する化合物を示す。反応性チオール基又は反応性アルケニル基は、分子の末端に結合している末端基であってもよく、分子の主鎖に結合していてもよく、又は化合物は末端基である若しくは主鎖に結合しているチオール基又はアルケニル基を含んでいてよい。
【0064】
「ジイソシアナートのコア」は、ジイソシアナートの2個のイソシアナート基の間の部分を示す。例えば、一般構造O=C=N-R-N=C=Oを有するジイソシアナートの場合、部分-R-は2個のイソシアナート基-N=C=Oの間のジイソシアナートのコアを表す。さらなる例として、構造
【化1】
を有するジイソシアナート4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(H
12MDI)のコアは、
【化2】
で表される。
【0065】
「ポリオールのコア」とは、末端ヒドロキシル基の間のポリマー性ポリオールの部分を示す。例えば、構造HO-(-(CH2)4-O-)n-Hを有するポリマー性ポリオールのコアは、-(-(CH2)4-O-)n-(CH2)4-である。
【0066】
化合物の「コア」とは、反応性末端基間のセグメントを示す。例えば、ポリチオールHS-R-SHのコアは-R-となる。
【0067】
プレポリマーの「主鎖」は、反応性末端基間のプレポリマーの繰返しセグメントを示す。例えば、構造HS-R1-[R2]3-R3-SHを有するプレポリマーにおいて、プレポリマーの主鎖は、繰返しセグメント-[R2]-を有する要素-[R2]3-を示す。
【0068】
ここで本発明のある化合物、組成物及び方法について示す。開示された化合物、組成物及び方法は、特許請求の範囲を限定するものではない。反対に、特許請求の範囲は、全ての代替物、修正物及び均等物を包含するものである。
【0069】
本開示によって提供される組成物は、ウレタン/尿素含有ポリチオールプレポリマー及び/又はウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーを含むことができる。
【0070】
本開示によって提供される組成物は、ウレタン/尿素含有ジチオールプレポリマー及びウレタン/尿素ジアルケニルプレポリマーを含むことができる。
【0071】
本開示によって提供される組成物は、ウレタン/尿素含有ポリチオールプレポリマー及び/又はモノマー性ウレタン/尿素含有ポリチオール及びウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び/又はモノマー性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルを含み得る。
【0072】
本開示によって提供される組成物は、ウレタン/尿素含有ジアルケニルプレポリマー、ウレタン/尿素含有ジチオールプレポリマー及びヒドロキシル官能性ジチオールなどのヒドロキシル官能性ポリチオールを含むことができる。
【0073】
本開示によって提供される組成物は、ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、ウレタン/尿素含有ポリチオールプレポリマー、モノマー性ポリアルケニル及びヒドロキシル官能性ポリチオールを含むことができる。
【0074】
本開示によって提供される組成物は、ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及びポリチオールを含むことができる。
【0075】
本開示によって提供される組成物は、(a)ポリチオール及び(b)ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含むポリアルケニルを含むことができる。
【0076】
本開示によって提供される組成物は、(a)ポリチオールプレポリマーであって、ウレタン含有ポリチオールプレポリマー、尿素含有ポリチオールプレポリマー、ウレタン基も尿素基も含有しないポリチオールプレポリマー又は上記のいずれかの組合せを含む、ポリチオールプレポリマー、及び(b)ポリアルケニルプレポリマーであって、ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、ウレタン基も尿素基も含有しないポリアルケニルプレポリマー又は上記のいずれかの組合せを含む、ポリアルケニルプレポリマーを含むことができる。
【0077】
本開示によって提供される組成物は、(a)ポリチオールプレポリマーであって、ウレタン含有ジチオールプレポリマー、尿素含有ジチオールプレポリマー、ウレタン基も尿素基も含有しないジチオールプレポリマー又は上記のいずれかの組合せを含む、ポリチオールプレポリマー、及び(b)ウレタン含有ジアルケニルプレポリマー、尿素含有ジアルケニルプレポリマー、ウレタン基も尿素基も含有しないジアルケニルプレポリマー又は上記のいずれかの組合せを含む、ポリアルケニルプレポリマーを含むことができる。
【0078】
本開示によって提供される組成物は、(a)ポリチオールであって、3~6のチオール官能価を有するポリチオール及び(b)ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含むポリアルケニルを含むことができる。
【0079】
本開示によって提供される組成物は、(a)ポリチオールであって、3~6のチオール官能価を有するウレタン含有ポリチオールを含むポリチオール、3~6のチオール官能価を有する尿素含有ポリチオール、3~6のチオール官能価を有するウレタン基も尿素基も含有しないポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含むポリチオール及び(b)ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含むポリアルケニルを含むことができる。
【0080】
本開示によって提供される組成物は、(a)ポリチオールであって、ジチオール及び3~6のチオール官能価を有するポリチオール並びに(b)ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含むポリアルケニルを含むことができる。
【0081】
本開示によって提供される組成物は、(a)ジチオールを含むポリチオールであって、ウレタン含有ジチオール、尿素含有ジチオール、ウレタン基も尿素基も含有しないジチオール又は上記のいずれかの組合せを含むジチオールを含むポリチオール;及び3~6のチオール官能価を有するポリチオールであって、3~6のチオール官能価を有するウレタン含有ポリチオール、3~6のチオール官能価を有する尿素含有ポリチオール、ウレタン基も尿素基も含有しない、3~6のチオール官能価を有するポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含む、3~6のチオール官能価を有するポリチオールを含むことができる。
【0082】
本開示によって提供される組成物は、(a)ポリチオールであって、ヒドロキシル官能性ポリチオールを含むポリチオール及び(b)ポリアルケニルプレポリマーであって、ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む、ポリアルケニルプレポリマーを含むことができる。
【0083】
本開示によって提供される組成物は、(a)ポリチオールであって、ヒドロキシル官能性ジチオール、3~6のチオール官能性を有するヒドロキシル官能性ポリチオール又はその組合せを含むポリチオール及び(b)ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含むポリアルケニルプレポリマーを含むことができる。
【0084】
本開示によって提供される組成物は、(a)ポリチオールであって、ヒドロキシル官能性ジチオール、2、3若しくは4のチオール官能性を有するウレタン/尿素含有ポリチオールプレポリマー又は上記のいずれかの組合せを含むポリチオール及び(b)ポリアルケニルプレポリマーであって、ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、3官能性アルケニル、4官能性アルケニル又は上記のいずれかの組合せを含む、ポリアルケニルプレポリマーを含むことができる。
【0085】
ポリチオールは、2~6個の反応性チオール基などの少なくとも2個の反応性チオール基を有する化合物である。反応性チオール基は末端チオール基であることができる。
【0086】
ポリチオールは、ウレタン含有ポリチオール、尿素含有ポリチオール、ウレタン基も尿素基も含有しないポリチオール、ヒドロキシル官能性ポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含むことができる。
【0087】
ポリチオールは、ジチオール、2を超えるチオール官能価を有するポリチオール又はその組合せを含むことができる。
【0088】
ポリチオールは、ポリチオールプレポリマー、モノマー性ポリチオール又はその組合せを含むことができる。ポリチオールは、ウレタン/尿素含有ポリチオールプレポリマー及びモノマー性ヒドロキシル官能性ポリチオールを含むことができる。
【0089】
ポリチオールは、いかなるウレタン基も尿素基も含まないポリチオールを含むことができる。いかなるウレタン基も尿素基も含まないポリチオールは、いかなるウレタン基も尿素基も含まないジチオール及び/若しくは3~6などの2を超えるチオール官能価を有するいかなるウレタン基も尿素基も含まないポリチオール又はその組合せであることができる。
【0090】
ポリチオールは、式(1a)のジチオール、式(1b)のポリチオール、又はその組合せを含むことができ、
HS-R1-SH (1a)
B{-V’-S-R1-SH}z (1b)
式中、
R1は、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して、水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-又は-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)から選択され、
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、
zは3~6の整数であり、並びに
各-Vは、チオール基と反応性である末端基を含む部分であり、並びに
各-V’-は、-Vとチオールとの反応から誘導される。
【0091】
式(1a)及び(1b)のポリチオールは、ウレタン基も尿素基も含まない。
【0092】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は、C2-6n-アルカンジイル、例えばエタン-ジイル、n-プロパン-ジイル、n-ブタン-ジイル、n-ペンタン-ジイル又はn-ヘキサン-ジイルであることができる。
【0093】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CHR-)p-X-]q-(-CHR-)r-であることができる。
【0094】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CHR-)p-X-]q-(-CHR-)r-であることができ、式中、少なくとも1つのRは-CH3であることができる。
【0095】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができる。
【0096】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、各Xは-O-であることができる。
【0097】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、各Xは-S-であることができる。
【0098】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、各pは2であることができ、rは2であることができる。
【0099】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、pは1、2、3、4又は5であることができる。
【0100】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、qは1、2、3、4又は5であることができる。
【0101】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、rは1、2、3、4又は5であることができる。
【0102】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、各pは2であることができ、rは2であることができ、及びqは1、2、3、4又は5であることができる。
【0103】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、Xは-S-であることができ、各pは2であることができ、rは2であることができ、及びqは1、2、3、4又は5であることができる。
【0104】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、各Xは-O-であることができ、各pは2であることができ、rは2であることができ、及びqは1、2、3、4又は5であることができる。
【0105】
式(1a)及び(1b)のポリチオールにおいて、R1は-(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-であることができる。
【0106】
好適なポリチオールの例としては、ジチオール、例えばジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)(式(1a)において、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(CH2)r-であり、式中、pは2であり、rは2であり、qは1であり、及びXは-S-である。)、ジメルカプトジオキサオクタン(DMDO、2,2’-(エチレンジオキシジエタンチオール))(式(1a)において、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(CH2)r-であり、式中、pは2であり、qは2であり、rは2であり、及びXは-O-である。)並びに1,5-ジメルカプト-3-オキサペンタン(式(1a)において、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(CH2)r-であり、式中、pは2であり、rは2であり、qは1であり、及びXは-O-である)が挙げられる。
【0107】
式(1a)の好適なジチオールの他の例としては、1,2-エタンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,3-ブタンジチオール、1,4-ブタンジチオール、2,3-ブタンジチオール、1,3-ペンタンジチオール、1,5-ペンタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,3-ジメルカプト-3-メチルブタン、ジペンテンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド、メチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、1,5-ジメルカプト-3-オキサペンタン及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。ジチオールは、C1-6アルキルなどの低級アルキル基、C1-6アルコキシなどの低級アルコキシ基及びヒドロキシル基を含む1個以上のペンダント基を有し得る。好適なアルキルペンダント基としては、例えばC1-6直鎖アルキル、C3-6分枝アルキル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0108】
ペンダントメチル基を有する好適なジチオールの例としては、メチル置換DMDS、例えばHS-CH2-CH(-CH3)-S-(CH2)2-SH、HS-CH(-CH3)-CH2-S-(CH2)2-SH並びにジメチル置換DMDS、例えばHS-CH2-CH(-CH3)-S-CH(-CH3)-CH2-SH及びHS-CH(-CH3)-CH2-S-CH2-CH(-CH3)-SHが挙げられる。
【0109】
式(1b)のポリチオールにおいて、zは3、4、5又は6であることができる。
【0110】
式(1b)のポリチオールにおいて、チオール基と反応性である末端基は、アルケニル基、マイケル受容体基又はエポキシ基を含むことができる。
【0111】
式(1b)のポリチオールにおいて、多官能化剤B(-V)zは、例えばトリアリルシアヌラート(TAC)、トリアリルイソシアヌラート、トリメチロールプロパントリビニルエーテル又は上記のいずれかの組合せを含むことができる。
【0112】
2を超えるチオール官能価を有する好適なポリチオールの例として、トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオナート)(TMPMP)、ペンタエリスリトールテトラ(3-メルカプトプロピオナート)(PETMP)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-メルカプトプロピオナート)、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオナート)、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオナート)、トリス[02-(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌラート(TEMPIC)又は上記のいずれかの組合せが挙げられる。好適なポリチオールは、例えばBruno Bock ThiochemicalsからThiocure(いずれかの国における登録商標)の商品名で入手可能である。
【0113】
2を超えるチオール官能価を有するポリチオールは、1,2,3-プロパントリチオールであることができる。
【0114】
式(1)及び式(2)のポリチオールは、モノマー性ポリチオールと呼ぶことができる。モノマー性ポリチオールは、200ダルトン未満、400ダルトン未満又は600ダルトン未満の理論分子量を有することができる。
【0115】
ウレタン/尿素含有ポリチオールプレポリマーは、ポリチオールプレポリマー主鎖中に少なくとも1個のウレタン基-NH-CO-O-又は少なくとも1個の尿素基-NH-CO-NH-を包含するポリチオールプレポリマーを示す。ウレタン/尿素含有ポリチオールプレポリマーは、ウレタン含有ポリチオールプレポリマー、尿素含有ポリチオールプレポリマー、ポリチオール主鎖中にウレタン基及び尿素基の両方を有するポリチオールプレポリマー並びに上記のいずれかの組合せを示す。ウレタン含有ポリチオールプレポリマーは、ポリチオールプレポリマー主鎖中に少なくとも1個のウレタン基を含有することができる。尿素含有ポリチオールプレポリマーは、ポリチオールプレポリマー主鎖中に少なくとも1個のウレタン基を含有することができる。ウレタン/尿素含有ポリチオールプレポリマーは、ポリチオールプレポリマー主鎖中に少なくとも1個のウレタン基及び少なくとも1個の尿素基も含有することができる。ウレタン/尿素含有ポリチオールプレポリマーは、プレポリマー主鎖中に1~20個のウレタン基及び/又は尿素基を含むことができる。ウレタン基及び/又は尿素基は、プレポリマー主鎖の繰返しセグメント内に存在することができる。
【0116】
ウレタン/尿素含有ポリチオールは、ウレタン/尿素含有ジチオール、2を超える、例えば3~6のチオール官能価を有するウレタン/尿素含有ポリチオール又はその組合せを含むことができる。
【0117】
2官能性ポリチオールプレポリマーは、式(2a)のウレタン含有ジチオールプレポリマー、式(2b)の尿素含有ジチオールプレポリマー又はその組合せを含むことができ、
HS-R1-S-[-(CH2)2-R2-O-C(=O)-NH-R5-NH-(CH2)2-C(=O)-O-R2-CH2-S-R1-S-]n-H (2a)
HS-R1-S-[-(CH2)2-R2-NH-C(=O)-NH-R5-NH-(CH2)2-C(=O)-NH-R2-CH2-S-R1-S-]n-H (2b)
式中、
nは1~20の整数であり、
R1は、C2-10アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-(式中、
各R3は独立して、水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)から選択され、
各R2は独立して、C3-10アルカンジイル、置換C3-10アルカンジイル、C3-10ヘテロアルカンジイル及び置換C3-10ヘテロアルカンジイルから選択され、並びに
各R5は独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C5-12シクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C6-20アレーンジイル、C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル、C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル、C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、置換C6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択される。
【0118】
式(2a)及び式(2b)のウレタン/尿素含有ジチオールプレポリマーにおいて、各置換基は独立して、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及び-OHから選択することができる。
【0119】
式(2a)及び式(2b)のウレタン/尿素含有ジチオールプレポリマーにおいて、nは、1~20、1~10又は1~50、例えば1、2、3、4又は5などの整数であることができる。
【0120】
式(2a)及び式(2b)のウレタン/尿素含有ジチオールプレポリマーにおいて、各R1は独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10置換ヘテロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-から選択することができる。
【0121】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、R1は、C2-6n-アルカンジイル、例えばエタン-ジイル、n-プロパン-ジイル、n-ブタン-ジイル、n-ペンタン-ジイル又はn-ヘキサン-ジイルであることができる。
【0122】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CHR-)p-X-]q-(-CHR-)r-であることができる。
【0123】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CHR-)p-X-]q-(-CHR-)r-であることができ、式中、少なくとも1つのRは-CH3であることができる。
【0124】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができる。
【0125】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、及び各Xは-O-であることができる。
【0126】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、及び各Xは-S-であることができる。
【0127】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、各pは2であることができ、及びrは2であることができる。
【0128】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、pは1、2、3、4又は5であることができる。
【0129】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、qは1、2、3、4又は5であることができる。
【0130】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、rは1、2、3、4又は5であることができる。
【0131】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、各pは2であることができ、rは2であることができ、及びqは1、2、3、4、又は5であることができる。
【0132】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、各Xは-S-であることができ、各pは2であることができ、rは2であることができ、及びqは1、2、3、4、又は5であることができる。
【0133】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(-CH2-)r-であることができ、式中、各Xは-O-であることができ、各pは2であることができ、rは2であることができ、及びqは1、2、3、4、又は5であることができる。
【0134】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は式(1a)のジチオールなどのジチオールから誘導することができる。好適なジチオールの例としては、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)(式(2a)及び(2b)において、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(CH2)r-であり、式中、pは2であり、rは2であり、qは1であり、及びXは-S-である。)、ジメルカプトジオキサオクタン(DMDO)(式(2a)及び(2b)において、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(CH2)r-であり、式中、pは2であり、qは2であり、rは2であり、及びXは-O-である。)並びに1,5-ジメルカプト-3-オキサペンタン(式(2a)及び(2b)において、R1は-[(-CH2-)p-X-]q-(CH2)r-であり、式中、pは2であり、rは2であり、qは1であり、及びXは-O-である。)が挙げられる。
【0135】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は独立して、少なくとも1個のヘテロ原子が-O-であるC3-10ヘテロアルカンジイルであることができる。
【0136】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R1は、構造-(CH2)n-O-(CH2)2-を有することができ、式中、nは、2~7の整数、例えば2、3、4、5、6及び7であることができる。
【0137】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R2は、C3-10アルカンジイル及びC3-10ヘテロアルカンジイルから選択することができる。式(2a)及び(2b)のジチオールにおいて、各R2は、-CH2-O-、-(CH2)2-O-、-(CH2)3-O-、-(CH2)4-O-、-(CH2)5-O-又は-(CH2)6-O-であることができる。式(2a)及び(2b)のジチオールにおいて、各R2は-(CH2)4-O-であることができる。
【0138】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、各R2はヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルから誘導することができる。好適なヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルの例としては、本明細書中に記載されるような、式(3a)及び式(3b)の構造を有するものが挙げられる。
【0139】
式(2a)及び(2b)のジチオールプレポリマーにおいて、部分R5は、脂肪族ジイソシアナート、脂環式ジイソシアナート又は芳香族ジイソシアナートなどのジイソシアナートのコアであることができる。
【0140】
本開示によって提供されるウレタン/尿素含有ポリチオールプレポリマーを調製するための好適な脂肪族ジイソシアナートとしては、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、テトラメチルキシレンジイソシアナート(TMXDI)、4,4’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(H12MDI)、メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)、トルエンジイソシアナート(TDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、1,5-ジイソシアナト-ペトナン(petnane)及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。
【0141】
好適な脂肪族ジイソシアナートの例としては、1,6-ヘキサメチレンジイソシアナート、1,5-ジイソシアナト-2-メチルペンタン、メチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノアート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,2,4-トリメチルヘキサン1,6-ジイソシアナート、2,4,4-トリメチルヘキサン1,6-ジイソシアナート、2,5(6)-ビス(イソシアナトメチル)シクロ[02.2.1]ヘプタン、1,3,3-トリメチル-1-(イソシアナトメチル)-5-イソシアナトシクロヘキサン、1,8-ジイソシアナト-2,4-ジメチルオクタン、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンジメチルジイソシアナート並びに1,1’-メチレンビス(4-イソシアナトシクロヘキサン)及び4,4-メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート)(H12MDI)が挙げられる。好適な芳香族ジイソシアナートの例としては、1,3-フェニレンジイソシアナート、1,4-フェニレンジイソシアナート、2,6-トルエンジイソシアナート(2,6-TDI)、2,4-トルエンジイソシアナート(2,4-TDI)、2,4-TDI及び2,6-TDIの配合物、1,5-ジイソシアナトナフタレン、ジフェニルオキシド4,4’-ジイソシアナート、4,4’-メチレンジフェニルジイソシアナート(4,4-MDI)、2,4’-メチレンジフェニルジイソシアナート(2,4-MDI)、2,2’-ジイソシアナトジフェニルメタン(2,2-MDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンイソシアナート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアナート、1-[(2,4-ジイソシアナトフェニル)メチル]-3-イソシアナト-2-メチルベンゼン及び2,4,6-トリイソプロピル-m-フェニレンジイソシアナートが挙げられる。
【0142】
好適な脂環式ジイソシアナートの例としては、イソホロンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)-2,2-プロパン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)-1,2-エタン、2-イソシアナトメチル-3-(3-イソシアナトプロピル)-5-イソシアナトメチル-ビシクロ[02.2.1]-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-3-(3-イソシアナトプロピル)-6-イソシアナトメチル-ビシクロ[02.2.1]-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-5-イソシアナトメチル-ビシクロ[02.2.1]-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-6-イソシアナトメチル-ビシクロ[02.2.1]-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-3-(3-イソシアナトプロピル)-6-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ[02.2.1]-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-5-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ[02.2.1]-ヘプタン及び2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-6-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ[02.2.1]-ヘプタンが挙げられる。
【0143】
イソシアナート基が芳香族環に直接結合していない好適な芳香族ジイソシアナートの例としては、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、α,α,α’,α’-テトラメチルキシレンジイソシアナート、1,3-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタラート及び2,5-ジ(イソシアナトメチル)フランが挙げられる。芳香族環に直接結合したイソシアナート基を有する芳香族ジイソシアナートとしては、フェニレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、メチルナフタレンジイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナート、ビス(3-メチル-4-イソシアナトフェニル)メタン、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3’-ジメトキシ-ビフェニル-4,4’-ジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)エチレングリコール、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)-1,3-プロピレングリコール、ベンゾフェノンジイソシアナート、カルバゾールジイソシアナート、エチルカルバゾールジイソシアナート、ジクロロカルバゾールジイソシアナート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナート、p-フェニレンジイソシアナート、2,4-トルエンジイソシアナート及び2,6-トルエンジイソシアナートが挙げられる。
【0144】
他の好適な芳香族ジイソシアナートの例としては、1,3-フェニレンジイソシアナート、1,4-フェニレンジイソシアナート、2,6-トルエンジイソシアナート(2,6-TDI)、2,4-トルエンジイソシアナート(2,4-TDI)、2,4-TDI及び2,6-TDIの配合物、1,5-ジイソシアナトナフタレン、ジフェニルオキシド4,4’-ジイソシアナート、4,4’-メチレンジフェニルジイソシアナート(4,4-MDI)、2,4’-メチレンジフェニルジイソシアナート(2,4-MDI)、2,2’-ジイソシアナトジフェニルメタン(2,2-MDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンイソシアナート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアナート、1-[(2,4-ジイソシアナトフェニル)メチル]-3-イソシアナト-2-メチルベンゼン、2,4,6-トリイソプロピル-m-フェニレンジイソシアナート、4,4-メチレンジシクロヘキシルジイソシアナート(H12MDI)及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。
【0145】
ウレタン/尿素含有プレポリマーを調製するための好適なジイソシアナートの他の例としては、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、1,1’-メチレン-ビス-(4-イソシアナトシクロヘキサン)、4,4’-メチレン-ビス-(シクロヘキシルジイソシアナート)、水素化トルエンジイソシアナート、4,4’-イソプロピリデン-ビス-(シクロヘキシルイソシアナート)、1,4-シクロヘキシルジイソシアナート(CHDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート(Desmodur(いずれかの国における登録商標)W)及び3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルジイソシアナート(IPDI)が挙げられる。これらのジイソシアナートの混合物及び組合せも使用することができる。
【0146】
好適なジイソシアナートは、例えば150ダルトン~600ダルトン、100ダルトン~1,000ダルトン又は300ダルトン~1,000ダルトンの分子量を有することができる。
【0147】
式(2a)及び(2b)のウレタン/尿素含有ジチオールプレポリマーにおいて、各R
5は、例えば構造:
【化3】
【化4】
【化5】
又は
【化6】
を有することができる。
【0148】
式(2a)及び式(2b)のウレタン/尿素含有ジチオールプレポリマーにおいて、nは、1~20、1~10又は1~5の整数、例えば1、2、3、4又は5であることができ、各R
1は-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-であることができ、R
2は-(CH
2)
4-O-(CH
2)
2-であることができ、R
5は、
【化7】
【化8】
【化9】
及び/又は
【化10】
であることができる。
【0149】
式(2a)及び式(2b)のジチオールプレポリマーは、(a)ジイソシアナートをヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルと反応させてビニルエーテル末端ジイソシアナート前駆体を得ること、(b)ビニルエーテル末端ジイソシアナート前駆体をジチオールと反応させて、対応するウレタン/尿素含有ジチオールプレポリマーを得ることによって調製することができる。
【0150】
したがって、本開示によって提供されるジチオールプレポリマーは、ジイソシアナート、ヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテル及びジチオールを含む反応物の反応生成物を含むことができる。
【0151】
ヒドロキシル官能性ビニルエーテルは、式(3a)の構造を有することができ:
CH2=CH-O-(CH2)t-OH (3a)
式中、tは2~10の整数である。式(3a)のヒドロキシル官能性ビニルエーテルにおいて、tは1、2、3、4、5であることができ、又はtは6であることができる。ジイソシアナートとの反応に有用な、好適なヒドロキシル官能性ビニルエーテルの例としては、1,4-シクロヘキサンジメチロールモノビニルエーテル、1-メチル-3-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。ヒドロキシル官能性ビニルエーテルは、4-ヒドロキシブチルビニルエーテルとすることができる。式(2a)及び(2b)のウレタン/尿素含有プレポリマーに関して、R2はヒドロキシル官能性ビニルエーテルから誘導することができ、R2は-O-(CH2)t-であることができる。
【0152】
アミノ官能性ビニルエーテルは式(3b)の構造を有することができ、
CH2=CH-O-(CH2)t-NH2 (3b)
式中、tは2~10の整数である。式(3b)のアミノ官能性ビニルエーテルにおいて、tは1、2、3、4、5であることができ、又はtは6であることができる。ジイソシアナートとの反応に有用であるアミノ官能性ビニルエーテルの例としては、3-アミノプロピルビニルエーテルが挙げられる。式(2a)及び(2b)のウレタン/尿素含有プレポリマーに関して、R2はアミノ官能性ビニルエーテルから誘導することができ、R2は-O-(CH2)t-であることができる。
【0153】
ヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテル又はヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルの組合せを高温にて好適な触媒の存在下でジイソシアナート又はジイソシアナートの組合せと反応させて、対応するジビニルエーテル末端ジイソシアナートを得ることができる。この反応に好適な触媒の例としては、ジブチルスズジラウラートなどのスズ触媒が挙げられる。ヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルとジイソシアナートを2:1当量比で反応させて、対応するウレタン含有ジビニルエーテルを得ることができる。
【0154】
ジビニルエーテル末端ジイソシアナート前駆体を、式(2a)及び/又は式(2b)のウレタン/尿素含有ジチオールプレポリマーを与える温度にてジチオールと反応させることができる。ジビニルエーテル末端ジイソシアナート前駆体は、nモルのジビニルエーテル末端ジイソシアナート前駆体と(n+1)モルのジチオールとのモル比、例えば1:2、2:3、3:4などでジチオールと反応させることができる。
【0155】
ウレタン/尿素含有ポリチオールはまた、2を超える、例えば3~6のチオール官能価を有するウレタン/尿素含有ポリチオールを含むこともできる。
【0156】
2を超えるチオール官能価を有するウレタン/尿素含有ポリチオールは、式(4a)のウレタン含有ポリチオール、式(4b)の尿素含有ポリチオール、又はその組合せを含むことができ、
B{-R7-NH-C(=O)-O-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4a)
B{-R7-NH-C(=O)-NH-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4b)
式中、
R1は、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して、水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
から選択され、
R2は独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、
各-Vは-R7-N=C=Oであり、並びに
R7は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択される。
【0157】
式(4a)及び(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、各置換基は独立して、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ又は-OHから選択することができる。
【0158】
式(4a)及び(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R1は式(1a)及び式(1b)のポリチオールと同様に定義することができる。
【0159】
式(4a)及び(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R2は式(1a)及び式(1b)のポリチオールと同様に定義することができる。
【0160】
式(4a)及び(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、B及びzは式(1b)のポリチオールと同様に定義することができる。
【0161】
式(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、zは3、4、5又は6であることができる。
【0162】
式(4a)及び(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R2は、例えば-(CH2)2-O-、-(CH2)3-O-、-(CH2)4-O-、-(CH2)5-O-又は-(CH2)6-O-であることができる。
【0163】
式(4a)及び(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R2は-(CH2)4-O-であることができる。
【0164】
式(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R7はC2-10アルカンジイル又はC2-10ヘテロアルカンジイルであることができる。
【0165】
式(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R7は-(CH2)2-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-(CH2)5-、-(CH2)6-又は-(CH2)7-であることができる。
【0166】
式(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、Bは構造
【化11】
を有することができる。
【0167】
式(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、B(-V)zは、Desmodur(いずれかの国における登録商標)N 3390などのヘキサメチレンジイソシアナート三量体であることができる。
【0168】
式(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、zは3であることができ、R
2は-(CH
2)
4-O-であることができ、R
7は-(CH
2)
6-であることができ、Bは構造
【化12】
を有することができる。
【0169】
式(4a)及び式(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールは、(a)2を超える、例えば3~6のイソシアナート官能価を有するポリイソシアナートをイソシアナート基と反応性である末端基を有する化合物、例えばヒドロキシル/アミノ官能性アルケニル化合物、例えばヒドロキシル/アミノ含有ビニルエーテルと反応させて、対応するウレタン/尿素含有ポリアルケニルを形成すること、並びに(b)ウレタン/尿素含有ポリアルケニルをジチオールと反応させて式(4a)及び式(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールを形成することによって、調製することができる。
【0170】
したがって、式(4a)及び式(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールは、ポリイソシアナートと、ヒドロキシル/アミノ官能性ジビニルエーテルなどのヒドロキシル/アミノ官能性ポリアルケニルとジチオールを含む反応物の反応生成物を含むことができる。
【0171】
好適な多官能性イソシアナートの例としては、Desmodur(いずれかの国における登録商標)N 3390(1,3,5-トリス(6-イソシアナトヘキシル)-1,3,5-トリアジナン-2,4-6-トリオン)、1,3,5-トリイソシアナト-1,3,4-トリアジナン-2,4,6-トリオン、1-イソシアナト-1-アザ-ジアザニドシクロヘキサン-2,4,6-トリオン、1,3,5-トリイソシアナト-2-メチルベンゼン、1,2,3-トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナト-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリイソシアナトベンゼン、1,2,3-トリイソシアナト-2-メチルシクロヘキサン、1,2,3-トリイソシアナト-5-メチルベンゼン、1,2,4-トリイソシアナト-1-メチルシクロヘキサン、2-エチル-1,3,5-トリイソシアナト-4-メチルベンゼン、1,2,3-トリイソシアナト-4,5-ジメチルベンゼン、1,2,4-トリイソシアナト-3,5-ジメチルベンゼン及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。
【0172】
好適なヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルとしては、式(3a)及び式(3b)のヒドロキシル/アミノ含有ビニルエーテルを含む、本明細書に開示されているもののいずれも挙げられる。
【0173】
好適なジチオールとしては、式(1a)のジチオールを含む、本明細書に開示されているもののいずれも挙げられる。
【0174】
式(4a)及び式(4b)のウレタン/尿素含有ポリチオールは、Desmodur(いずれかの国における登録商標)N-3390、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル及びDMDOを含む反応物の反応生成物を含むことができる。
【0175】
2を超えるチオール官能価を有するウレタン/尿素含有ポリチオールは、式(4c)のウレタン含有ポリチオール、式(4d)の尿素含有ポリチオール又はその組合せを含むことができ、
B{-V’-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-O-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4c)
B{-V’-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-NH-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4d)
式中、
R1は、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して、水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
から選択され、
各R2は独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R5は独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C5-12シクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C6-20アレーンジイル、C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル、C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル、C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、置換C6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、
各-Vは、イソシアナート基と反応性である末端基を含む部分であり、並びに
各-V’-は、-Vとイソシアナート基と反応性である末端基との反応から誘導される。
【0176】
式(4c)及び式(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、各置換基は独立して、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ又は-OHから選択することができる。
【0177】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R1は式(1a)及び式(1b)のポリチオールと同様に定義することができる。
【0178】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R2は式(1a)及び式(1b)のポリチオールと同様に定義することができる。
【0179】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R5は式(2a)及び式(2b)のポリチオールと同様に定義することができる。
【0180】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、zは3、4、5又は6であることができる。
【0181】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、イソシアナート基と反応性である末端基は、ヒドロキシル基又はアミノ基であることができる。
【0182】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、各-V’-は、ヒドロキシル基又はアミノ基とイソシアナート基との反応から誘導される部分であることができる。
【0183】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R2は、例えば-(CH2)2-O-、-(CH2)3-O-、-(CH2)4-O-、-(CH2)5-O-又は-(CH2)6-O-であることができる。
【0184】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R2は-(CH2)4-O-であることができる。
【0185】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R2は、C2-10アルカンジイル及びC2-10ヘテロアルカンジイルから選択することができる。
【0186】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、R2は-(CH2)2-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-(CH2)5-、-(CH2)6-又は-(CH2)7-から選択することができる。
【0187】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、Bは構造
【化13】
を有することができる。
【0188】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、B(-V)zは、Desmodur(いずれかの国における登録商標)N 3390などのヘキサメチレンジイソシアナート三量体であることができる。
【0189】
式(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、-Vは-R7-OH又は-R7-NH2であることができ、式中、R7は式(4a)及び(4b)と同様に定義される。
【0190】
式(4c)及び(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールにおいて、zは3であることができ、R
2は-(CH
2)
4-O-であることができ、R
7は-(CH
2)
6-であることができ、R
5は構造
【化14】
【化15】
【化16】
及び
【化17】
を有する部分を含むことができ、又は
Bは構造
【化18】
を有する部分であることができる。
【0191】
式(4c)及び式(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールは、(a)ヒドロキシル基又はアミノ基などのイソシアナート基と反応性である末端基を有する多官能化剤をジイソシアナートと反応させて、イソシアナート末端多官能化剤を形成すること、(b)イソシアナート末端多官能化剤をヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルなどのヒドロキシル/アミノ官能性アルケニルと反応させて、ウレタン/尿素含有ポリアルケニル化合物を形成すること、及び(c)ウレタン/尿素含有ポリアルケニル化合物をジチオール反応させることによって調製することができる。
【0192】
したがって、式(4c)及び式(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールは、ヒドロキシル基又はアミノ基などのイソシアナート基と反応性である末端基を有する多官能化剤、ジイソシアナート、ヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルなどのヒドロキシル/アミノ官能性アルケニル及びジチオールを含む反応物の反応生成物を含むことができる。
【0193】
イソシアナート基と反応性である末端基を有する好適な多官能化剤の例としては、ポリオールが挙げられる。ポリオール多官能化剤は、式B(-V)zで表すことができ、式中、Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、zは3~6の整数であり、各-Vは、-R7-OHなどの末端ヒドロキシル(-OH)基を含む部分であり、式中、R7は本明細書で定義されている。好適な3官能性、4官能性又はそれ以上のポリオールの例としては、分枝鎖アルカンポリオール、例えばグリセロール又はグリセリン、テトラメチロールメタン、トリメチロールエタン(例えば1,1,1-トリメチロールエタン)、トリメチロールプロパン(TMP)(例えば1,1,1-トリメチロールプロパン)、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビタン、そのアルコキシル化誘導体及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。ポリオールは、トリメチレンビス(1,3,5-シクロヘキサントリオール)などのシクロアルカンポリオールであることができる。ポリオールは、トリメチレンビス(1,3,5-ベンゼントリオール)などの芳香族ポリオールであることができる。他の好適なポリオールの例としては、エトキシル化、プロポキシル化及びブトキシル化などのアルコキシル化誘導体であることができるポリオールが挙げられる。好適なポリオールは、1~10個のアルコキシ基でアルコキシル化することができ、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ベンゼントリオール、シクロヘキサントリオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトールであることができる。アルコキシル化、エトキシル化及びプロポキシル化ポリオール並びにその組合せは、単独で又は少なくとも3個のヒドロキシル基を有する非アルコキシル化、非エトキシル化及び非プロポキシル化ポリオール並びにそれらの混合物と組み合わせて使用することができる。アルコキシ基の数は、1~10若しくは2~8又は1~10の間の任意の有理数であることができる。アルコキシ基はエトキシであることができ、そしてエトキシ基の数は1~5単位であることができる。ポリオールは、最大2個のエトキシ基を有するトリメチロールプロパンであることができる。好適なアルコキシル化ポリオールとしては、エトキシル化トリメチロールプロパン、プロポキシル化トリメチロールプロパン、エトキシル化トリメチロールエタン及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。
【0194】
好適なヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルとしては、式(3a)及び式(3b)のヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルを含む、本明細書に開示されているもののいずれも挙げられる。
【0195】
好適なジチオールとしては、式(1a)のジチオールを含む、本明細書に開示されているもののいずれも挙げられる。
【0196】
式(4c)及び式(4d)のウレタン/尿素含有ポリチオールは、例えばトリメチレンビス(1,3,5-ベンゼントリオール)などの多官能化剤、H12MDIを含むジイソシアナート、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル又は3-アミノプロピルビニルエーテルを含むヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテル及びDMDOなどのジチオールを含む反応物の反応生成物を含むことができる。
【0197】
ポリチオールは、ヒドロキシル官能性ジチオール、ヒドロキシル官能性ポリチオール、3~6などの2を超えるチオール官能価を有するヒドロキシル官能性ポリチオール又はその組合せを含む、ヒドロキシル官能性ポリチオールを含むことができる。
【0198】
ポリチオールは、式(5a)のヒドロキシル官能性ポリチオール、式(5b)のヒドロキシル官能性ポリチオール、式(5c)のヒドロキシル官能性ポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含むことができ、
HS-R1-S-R4-S-R1-SH (5a)
B{-V’-S-R1-SH}z (5b)
SH-R1-S-CH2-CH(-OH)-R6-CH(-OH)-CH2-S-R1-SH (5c)
式中、
R1は、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して、水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH及び-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
から選択され、
R4は、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル及び置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル(式中、R4は少なくとも1個のペンダントヒドロキシル基を含む)から選択され、
R6は、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル及び置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、
各Vは、チオール基と反応性である末端基を含む部分であり、並びに
各-V’-は、-Vとチオールとの反応から誘導され、少なくとも1個の水酸基を含む。
【0199】
式(5a)、式(5b)及び式(5c)のヒドロキシル官能性ジチオールにおいて、各R1は独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-から選択することができる。
【0200】
式(5a)、式(5b)及び式(5c)のヒドロキシル官能性ジチオールにおいて、各R1は式(1a)のジチオールに関して定義することができる。
【0201】
式(5a)~(5c)のヒドロキシル官能性ジチオールにおいて、各置換基はヒドロキシル基であることができるか、又はその部分は2個以上のヒドロキシル基によって置換することができる。
【0202】
式(5a)のヒドロキシル官能性ジチオールにおいて、各R4は独立して、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C7-20アルカンアレーンジイルから選択することができ、R4は少なくとも1個のペンダントヒドロキシル基を含む。
【0203】
式(5a)のヒドロキシル官能性ジチオールにおいて、各R4は少なくとも1つの芳香環を含むことができる。
【0204】
式(5a)のヒドロキシル官能性ジチオールにおいて、各R4は、構造-CH2-CH(-OH)-R6-CH(-OH)-CH2-を有することができ、式中、R6は式(5a)と同様に定義される。
【0205】
式(5a)のヒドロキシル官能性ジチオールにおいて、各R
4は構造
【化19】
を有する部分を含むことができる。
【0206】
式(5a)及び式(5b)のヒドロキシル官能性ジチオールは、好適な触媒の存在下、高温にてジエポキシド又はジエポキシドの組合せをジチオール又はジチオールの組合せと反応させることによって調製することができる。ジエポキシドは1:2の当量比でジチオールと反応させることができる。
【0207】
したがって、式(5a)及び式(5b)のヒドロキシル官能性ジチオールは、ジエポキシド又はジエポキシドの組合せ及びジチオール又はジチオールの組合せを含む反応物の反応生成物を含むことができる。例えば、式(5a)及び式(5b)のヒドロキシル官能性ジチオールは、レゾルシノールジグリシジルエーテル及びDMDOを含む反応物の反応生成物を含むことができる。
【0208】
好適なジエポキシドの例として、レゾルシノールジグリシジルエーテル、m-キシレンジアミンのグリシジルアミン、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールグリシジルエーテル、ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル、1,2,6-ヘキサントリオールトリグリシジルエーテル、メタンテトライルテトラキス(グリシジルエーテル)及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。
【0209】
好適なジチオールの例としては、DMDOなどの本明細書に開示されているジチオールのいずれも含まれる。
【0210】
好適な触媒の例としては、第4級アミン触媒、例えばトリエチレンジアミン(1,4-ジアザビシクロ[02.2.2]オクタン、DABCO(いずれかの国における登録商標))、ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、ジメチルエタノールアミン(DMEA)、ビス-(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N-エチルモルホリン、トリエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[05.4.0]ウンデセン-7(DBU)、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、N,N,N’-トリメチル-N’-ヒドロキシエチル-ビス(アミノエチル)エーテル及びN’-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミンが挙げられる。
【0211】
式(5b)のヒドロキシル官能性ポリチオールにおいて、zは3、4、5又は6であることができる。
【0212】
式(5b)のヒドロキシル官能性ポリチオールにおいて、各-V’-は、チオール基と反応性である末端基を含む部分-Vの反応から誘導することができる。チオール基と反応性である基は、例えばアルケニル基、マイケル受容体基又はエポキシ基であることができる。
【0213】
式(5b)のヒドロキシル官能性ポリチオールにおいて、部分-Vはペンダントヒドロキシル基を含むことができ、及び/又は-Vが末端エポキシ基を含む場合、チオール基との反応時に、得られる部分-V’-は、ペンダントヒドロキシル基を含む。
【0214】
式(5b)のヒドロキシル官能性ポリチオールにおいて、部分-Vは、構造-R10-R11を有する部分を含むことができ、式中、R10は、置換C1-10アルカンジイル又は置換C1-10ヘテロアルカンジイルであることができ、ここで置換基は、少なくとも1個のヒドロキシル基を含み、R11は、アルケニル-CH=CH2基、マイケル受容体基又はエポキシ基であることができる。
【0215】
好適なマイケル受容体基の例としては、ケトン、ニトロ、ハロ、ニトリル、カルボニル又はニトロ基などの電子求引性基に近接したアルケニル基などの活性化アルケンが挙げられる。マイケル受容体基は、ビニルケトン、ビニルスルホン、キノン、エナミン、ケチミン、オキサゾリジン又はアクリレートを含むことができる。マイケル受容体の他の例は、Mather et al.,Prog.Polym.Sci.2006,31,487-531に開示され、アクリラートエステル、アクリロニトリル、アクリルアミド、マレイミド、アルキルメタクリラート、シアノアクリラートが挙げられる。他のマイケル受容体としては、ビニルケトン、α,β-不飽和アルデヒド、ビニルホスホナート、アクリロニトリル、ビニルピリジン、あるアゾ化合物、β-ケトアセチレン及びアセチレンエステルが挙げられる。マイケル受容体基はビニルケトンから誘導することができ、構造-S(O)2-CR=CH2を有し、式中、各Rは独立して水素、フッ素又はC1-3アルキルを含む。ある実施形態において、各Rは水素である。
【0216】
式(5b)のヒドロキシル官能性ポリチオールにおいて、B(-V)zはポリエポキシド(ポリグリシジルエーテル)であることができる。好適なポリエポキシドの例としては、m-キシレンジアミンのグリシジルアミン、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールグリシジルエーテル、ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル、1,2,6-ヘキサントリオールトリグリシジルエーテル、メタンテトライルテトラキス(グリシジルエーテル)及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。
【0217】
式(5b)のヒドロキシル官能性ポリチオールは、3~6などの2を超える官能価、少なくとも1個のペンダントヒドロキシル基及びチオール基と反応性である末端官能基を含む多官能化剤を、ジチオールと反応させることによって調製することができる。
【0218】
したがって、ヒドロキシル官能性ポリチオールは、チオール基と反応性である末端基を有するヒドロキシル官能性多官能化剤とジチオールとを含む反応物の反応生成物を含むことができる。例えば、ヒドロキシル官能性ポリチオールは、レゾルシノールジグリシジルエーテル及びDMDOを含む反応物の反応生成物を含むことができる。
【0219】
式(5c)のヒドロキシル官能性ジチオールにおいて、各R6は独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C7-20アルカンアルカンジイル、C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル又はC10-20アルカンシクロアルカンジイル又はC10-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイルであることができる。
【0220】
式(5c)のヒドロキシル官能性ジチオールにおいて、各R6は少なくとも1つの芳香環を含有することができる。
【0221】
式(5c)のヒドロキシル官能性ジチオールにおいて、各R
6は独立して、構造
【化20】
を有する部分を含むことができる。
【0222】
式(5c)のヒドロキシル官能性ジチオールは、ジエポキシド(ジグリシジルエーテル)又はジエポキシドの組合せ(ジグリシジルエーテルの組合せ)とジチオール又はジチオールの組合せとを反応させることによって調製することができる。
【0223】
したがって、式(5c)のヒドロキシル官能性ジチオールは、ジエポキシド(ジグリシジルエーテル)及びジチオールを含む反応物の反応生成物を含むことができる。
【0224】
ジエポキシドは、脂肪族ジエポキシド、脂環式ジエポキシド及び芳香族ジエポキシド又は上記のいずれかの組合せであることができる。
【0225】
好適な脂肪族ジエポキシドの例としては、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。
【0226】
好適な脂環式及び芳香族ジエポキシドの例としては、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4-ビス(グリシジルオキシメチル)シクロヘキサン、2-[[04-(オキシラン-2-イルメトキシ)ナフタレン-1-イル]オキシメチル]オキシラン、2-メトキシ-4-グリシジルフェニル)グリシジルエーテル及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。
【0227】
好適なポリグリシジルエーテルは、Emerald Performance Materialsから商品名Epalloy(いずれかの国における登録商標)及びErisys(いずれかの国における登録商標)で入手可能である。
【0228】
式(5a)~(5c)のポリチオールは、例えば200ダルトン~2,000ダルトン又は100ダルトン~1,000ダルトンの重量平均分子量を有することができる。
【0229】
ポリアルケニルプレポリマーは、ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、ウレタン基及び尿素基を含まないポリアルケニルプレポリマー又は上記のいずれかの組合せを含むことができる。
【0230】
ポリアルケニルプレポリマーは、2官能性アルケニル末端プレポリマー、2を超えるアルケニル官能価、例えば3~6のアルケニル官能価を有するポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含むことができる。
【0231】
ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーは、2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、2を超える、例えば3~6の官能価を有するポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含むことができる。
【0232】
2を超えるアルケニル官能価を有するポリアルケニルプレポリマーは、3官能性アルケニル末端プレポリマー、4官能性アルケニル末端プレポリマー又はその組合せを含むことができる。
【0233】
2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーは、式(6a)のウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、式(6b)の尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含むことができ、
CH2=CH-R2-O-C(=O)-NH-{-R5-NH-C(=O)-O-[-R6-O-]n-C(=O)-NH-}m-R5-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2 (6a)
CH2=CH-R2-NH-C(=O)-NH-{-R5-NH-C(=O)-O-[-R6-O-]n-C(=O)-NH-}m-R5-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2 (6b)
式中、
mは1~20の整数であり、
nは1~20の整数であり、
各R2は独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R5は独立して、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル及び置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイルから選択され、並びに
各R6は独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択される。
【0234】
式(6a)及び式(6b)のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、各置換基は独立して、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及び-OHから選択することができる。
【0235】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、nは、1~20、1~10又は1~5、例えば1、2、3、4又は5の整数であることができる。
【0236】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、mは、1~20、1~10又は1~5、例えば1、2、3、4又は5の整数であることができる。
【0237】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、各R2は独立して、C4-10アルカンジイル、置換C4-10アルカンジイル、C4-10テロアルカンジイル及び置換C4-10ヘテロアルカンジイルから選択することができる。
【0238】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、各R2は独立して、C6-10アルカンジイル、置換C6-10アルカンジイル、C6-10ヘテロアルカンジイル及び置換C6-10ヘテロアルカンジイルから選択できる。
【0239】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、各R2は独立して、C6-10ヘテロアルカンジイル及び置換C6-10ヘテロアルカンジイルから選択することができ、式中、1個以上のヘテロ原子は-S-又は-O-を含む。
【0240】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、各R2は独立して、(CH2)6-O-(CH2)2-、-(CH2)5-O-(CH2)2-、-(CH2)4-O-(CH2)2-、-(CH2)3-O-(CH2)2-及び-(CH2)2-O-(CH2)2-から選択することができる。
【0241】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、各R2は-(CH2)4-O-(CH2)2-であることができる。
【0242】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、各R5は、例えば2,4-トルエンジイソシアナート(2,4-TDI)及び2,6-トルエンジイソシアナート(2,6-TDI)を含む、本明細書に開示されるジイソシアナートのいずれかなどのジイソシアナートのコアを表すことができる。
【0243】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、各R
5は、化学構造:
【化21】
及び
【化22】
を有することができる。
【0244】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、各R6はコアポリマー性ポリオールであることができる。
【0245】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、部分-O-[-R6-O-]n-は、ポリマー性ポリオールから誘導することができる。
【0246】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、各R6は脂肪族ポリオール、例えばポリテトラヒドロフラン、ポリカプロラクトン又はポリ(1,4-ブタンジオール)のコアであることができる。
【0247】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、各R6は、-(CH2)4-O-、-[-(CH2)4-]0.6-[-CH2-CH(-CH2-CH3]0.2-[-(CH2)4-]0.2-及び-(CH2)5-CH(-OH)-から選択することができる。
【0248】
式(6a)及び式(1b)のウレタン/尿素含有アルケニル末端プレポリマーにおいて、nは1~5の整数であることができ、mは1~5の整数であることができ、R
2は-(CH
2)
4-O-(CH
2)
2-であることができ、R
5は、構造
【化23】
を有する部分であることができ、並びに
R
6は-(CH
2)
4-、-[-(CH
2)
4-]
0.6-[-CH
2-CH(-CH
2-CH
3)]
0.2-[-(CH
2)
4-]
0.2-及び-(CH
2)
5-CH(-OH)-から選択することができる。
【0249】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーは、(a)ポリマー性ポリオールをジイソシアナートと反応させてウレタン/尿素含有イソシアナート末端プレポリマーを得ること及び(b)ウレタン/尿素含有イソシアナート末端プレポリマーを、ヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルなどのヒドロキシル/アミノ官能性アルケニルと反応させてウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーを得ることによって調製することができる。
【0250】
市販のウレタン含有イソシアナートプレポリマーの例としては、Chemtura Corporationから入手可能なAdiprene(いずれかの国における登録商標)L-167オレフィン及びBASFから入手可能なLaromer(いずれかの国における登録商標)LR9000が挙げられる。
【0251】
したがって、ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーは、ポリマー性ポリオール、ジイソシアナート及びヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルなどのヒドロキシル/アミノ官能性アルケニルを含む反応物の反応生成物を含むことができる。
【0252】
好適なポリマー性ポリオールの例としては、ポリテトラヒドロフランポリオール、ポリカプロラクトンポリオール及びポリブタンポリオールポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリカーボナートポリオールが挙げられる。
【0253】
好適なジイソシアナートとしては、本明細書に開示されているもののいずれも挙げられる。
【0254】
好適なヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルとしては、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、3-アミノプロピルビニルエーテル及び1,4-シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルが挙げられる。
【0255】
ウレタン含有イソシアナート末端プレポリマーとヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルなどのヒドロキシル/アミノ官能性アルケニルとの反応は、ジブチルスズジラウラート又は他のスズ系触媒などの好適な触媒の存在下で高温にて行うことができる。
【0256】
尿素含有イソシアナート末端プレポリマーとヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルなどのヒドロキシル/アミノ官能性アルケニルとの反応は、周囲温度にて行うことができる。
【0257】
式(6a)及び式(6b)の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーにおいて、R6はポリマー性ジオールのコアであることができる。
【0258】
ポリマー性ジオールは、ポリエーテルジオールを含むことができる。本開示によって提供されるウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーの調製に有用なポリエーテルポリオールとしては、式(7)の構造:
HO-[-(CH2)m-O-]n-H (7)
を有するものが挙げられ、式中、mは1~10の整数であることができ、nは5~50の整数であることができる。
【0259】
好適なポリエーテルジオールとしては、末端ヒドロキシル基がテトラメチレンエーテル基を繰返すことによって分離されている直鎖ジオールのブレンドである、Terathane(いずれかの国における登録商標)ポリエーテルグリコール(Invista)が挙げられる。Terathane(いずれかの国における登録商標)ポリエーテルグリコールは、Terathane(いずれかの国における登録商標)1000(nの平均が14)、Terathane(いずれかの国における登録商標)2000(nの平均が27)、Terathane(いずれかの国における登録商標)2900(ポリテトラメチレンエーテルグリコール、PTMEG)、Terathane(いずれかの国における登録商標)650又は上記のいずれかの組合せであることができる。これらのポリエーテルグリコールは、それぞれ950ダルトン~1,050ダルトン、1,900ダルトン~2,100ダルトン及び625ダルトン~675ダルトンの分子量を有する。他のTerathane(いずれかの国における登録商標)ポリエーテルグリコールを使用してもよい。Terathane(いずれかの国における登録商標)は、テトラメチレンエーテル基(ポリ(オキシ-1,4-ブタンジイル)a-ヒドロ-w-ヒドロキシル)HO-(-CH2-CH2-CH2-CH2-)n-Hを反応させることによって、ヒドロキシル基が分離されている直鎖ジオールのブレンドであり、式中、nは4~45の整数である。
【0260】
好適なポリエーテルグリコールは、商品名PolyTHF(いずれかの国における登録商標)でBASFから入手可能である。
【0261】
ポリエーテルポリオールは、約250ダルトン~約3,000ダルトンの重量平均分子量を有することができる。例えば、ポリエーテルポリオールは、650ダルトン~2000ダルトン、1,000ダルトン~1,800ダルトン又は1,000ダルトン~1,400ダルトンの重量平均分子量を有することができる。ポリエーテルポリオールは結晶性であることができる。
【0262】
2種類以上のポリエーテルポリオールを使用することができる。組成物は、複数の異なる重量平均分子量を有するポリエーテルポリオールの組合せを含むことができる。組成物は、複数の異なるガラス転移温度を有するポリエーテルポリオールの混合物を含むことができる。
【0263】
好適なポリエステルポリオールの例として、ポリエステルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボナートポリオール及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。ポリエステルグリコールは、アジピン酸、コハク酸又はセバシン酸などの4~10個の炭素原子を有する1つ以上のジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール及び1,10-デカンジオールなどの2~10個の炭素原子を有する1つ以上の低分子量グリコールとのエステル化生成物を含むことができる。好適なポリカプロラクトンポリオールの例としては、水又は低分子量グリコール、例えばエチレングリコール及びプロピレングリコールなどの2官能性活性水素材料の存在下で、カプロラクトンを縮合することによって調製されたものが挙げられる。好適なポリカプロラクトンポリオールの例としては、Solvay ChemicalからのCAPA(いずれかの国における登録商標)シリーズと呼ばれる市販の材料、例えばCAPA(いずれかの国における登録商標)2047A及びCAPA(いずれかの国における登録商標)2077A、並びにDow ChemicalからのポリカプロラクトンTONE(いずれかの国における登録商標)シリーズ、例えばTONE(いずれかの国における登録商標)0201、0210、0230及び0241が挙げられる。ポリカプロラクトンポリオールは、例えば500ダルトン~2,000ダルトン又は500ダルトン~1,000ダルトンの範囲の数平均分子量を有することができる。ポリエステルポリオールとしては、Covestroから入手可能なDesmophen(いずれかの国における登録商標)及びBaycoll(いずれかの国における登録商標)製品ライン内のものが挙げられる。
【0264】
好適なポリカーボナートポリオールの例としては、脂肪族ポリカーボナートジオール、例えばアルキレングリコール、エーテルグリコール、脂環式グリコール又はその混合物を主成分とするものが挙げられる。ポリカーボナートポリオールを調製するためのアルキレン基は、5~10個の炭素原子を含むことができ、直鎖、シクロアルキレン又はその組合せであることができる。このようなアルキレン基の例としては、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、シクロヘキシレン及びシクロヘキシルジメチレンが挙げられる。好適なポリカーボナートポリオールは、例えば、ヒドロキシ末端アルキレングリコールをジアルキルカーボナート、例えばメチル、エチル、n-プロピル若しくはn-ブチルカーボナート又はジアリールカーボナート、例えばジフェニル若しくはジナフチルカーボナートと反応させることによって、又は当業者に周知の方法で、ヒドロキシル末端アルキレンジオールをホスゲン若しくはビスクロロホルマートと反応させることによって調製することができる。このようなポリカーボナートポリオールの例としては、Enichem S.p.A.(Polimeri Europa)からRavecarb(商標)107として市販されているもの、及びStahlから入手可能な、ヘキサンジオールから調製された13410-1733ポリカーボナートジオールなどの1,000数平均分子量のポリヘキシレンカーボナートジオールが挙げられる。市販されている他の好適なポリカーボナートポリオールの例としては、KM10-1122、KM10-1667(シクロヘキサンジメタノールとヘキサンジオールの50/50重量%混合物から調製される)(Stahl USA Inc.から市販されている)及びDesmophen(いずれかの国における登録商標)2020E(Bayer Corp)が挙げられる。
【0265】
適切なポリマー性ポリオールとしては、ポリカーボナートジオール及びCovestroから入手可能なDesmophen(いずれかの国における登録商標)Cなどのポリカーボナート-ポリエステルジオールが挙げられる。
【0266】
ポリマー性ジオールはダイマー酸ジオールを含むことができる。例えばダイマー酸ジオールは、Croda Polymers&Coatingsから入手可能なPriplast(商標)ダイマー酸系ポリエステルポリオールを含むことができる。
【0267】
フルオロポリエーテルジオール及びフルオロポリエステルジオールなどの好適なフルオロポリオールは、Solvayから入手可能である。
【0268】
ウレタン/尿素含有ポリアルケニルは、式(8a)のウレタン含有ポリアルケニル、式(8b)の尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含むことができ、
B{-R7-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2}z (8a)
B{-R7-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2}z (8b)
式中、
R2は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
R7は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、並びに
Bは、z価の多官能化剤B(-R7-N=C=O)zのコアを表し、式中、zは3~6の整数である。
【0269】
式(8a)及び式(8b)のウレタン/尿素含有ポリアルケニルにおいて、zは3、4、5又は6であることができる。
【0270】
式(8a)及び式(8b)のウレタン/尿素含有ポリアルケニルにおいて、R2は-(CH2)2-O-、-(CH2)3-O-、-(CH2)4-O-、-(CH2)5-O-及び-(CH2)6-O-から選択することができる。
【0271】
式(8a)及び式(8b)のウレタン/尿素含有ポリアルケニルにおいて、R2は-(CH2)4-O-であることができる。
【0272】
式(8a)及び式(8b)のウレタン/尿素含有ポリアルケニルにおいて、各R7は独立して、C2-10アルカンジイル及びC2-10ヘテロアルカンジイルから選択することができる。
【0273】
式(8a)及び式(8b)のウレタン/尿素含有ポリアルケニルにおいて、各R7は-(CH2)2-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-(CH2)5-、-(CH2)6-及び-(CH2)7-から選択することができる。
【0274】
式(8a)及び式(8b)のウレタン/尿素含有ポリアルケニルにおいて、Bは、構造
【化24】
を有することができる。
【0275】
式(8a)及び式(8b)のウレタン/尿素含有ポリアルケニルにおいて、B(-V)
zは、Desmodur(いずれかの国における登録商標)N 3390などのヘキサメチレンジイソシアナートダイマーであることができ、zは3であることができ、R
2は-(CH
2)
4-O-であることができ、各R
7は-(CH
2)
6-であることができ、及びBは、構造
【化25】
を有する部分であることができる。
【0276】
式(8a)及び式(8b)の多官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルは、3~6などの2を超えるイソシアナート官能価を有するポリイソシアナートと、ヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルなどのヒドロキシル/アミノ官能性アルケニルを、スズ系触媒などの好適な触媒の存在下で反応させることによって調製することができる。
【0277】
したがって、多官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルは、3~6などの2を超える官能価を有するポリイソシアナート及びヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルなどのヒドロキシル/アミノ官能性アルケニルの反応生成物を含むことができる。
【0278】
2を超えるイソシアナート官能価を有する好適なポリイソシアナートの例としては、Desmodur(いずれかの国における登録商標)N 3390、1,3,5-トリイソシアナト-1,3,4-トリアジナン-2,4,6-トリオン、1-イソシアナト-1-アザ-ジアザニダイクロヘキサン(diazanidayclohexane)-2,4,6-トリオン、1,3,5-トリイソシアナト-2-メチルベンゼン、1,2,3-トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナト-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリイソシアナトベンゼン、1,2,3-トリイソシアナト-2-メチルシクロヘキサン、1,2,3-トリイソシアナト-5-メチルベンゼン、1,2,4-トリイソシアナト-1-メチルシクロヘキサン、2-エチル-1,3,5-トリイソシアナト-4-メチルベンゼン、1,2,3-トリイソシアナト-4,5-ジメチルベンゼン、1,2,4-トリイソシアナト-3,5-ジメチルベンゼン及び上記のいずれかの組合せが挙げられる。
【0279】
好適なヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルの例としては、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、3-アミノプロピルビニルエーテル及び1,4-シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルが挙げられる。
【0280】
ウレタン/尿素含有ポリアルケニルは、式(8c)のウレタン含有ポリアルケニル、式(8d)の尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含むことができ、
B{-V’-O-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2}z (8c)
B{-V’-NH-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2}z (8d)
式中、
R2は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R5は独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C5-12シクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C6-20アレーンジイル、C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル、C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル、C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、置換C6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、並びに
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、並びに
各-Vは、イソシアナート基と反応性である末端基を含む部分を含み、並びに
-V’-は、-Vとイソシアナート基との反応から誘導される部分である。
【0281】
式(8c)及び(8d)のポリアルケニルにおいて、R2はC2-10アルカンジイル及びC2-12ヘテロアルカンジイルから選択することができる。
【0282】
式(8c)及び(8d)のポリアルケニルにおいて、R5はジイソシアナートのコアであることができる。好適なジイソシアナートの例としては、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナートメチレン-ビス-(4-イソシアナトシクロヘキサン)(H12MDI)、イソホロンジイソシアナート、2,4-トルエンジイソシアナート、2,6-トルエンジイソシアナート及び2,4-トルエンジイソシアナートが挙げられる。
【0283】
好適な多官能化剤B(-V)zとしては、チオール基と反応性である末端基を含むポリオール及びポリアミンが挙げられる。
【0284】
式(8c)及び式(8d)のポリアルケニルなどの2を超えるアルケニル官能価を有するウレタン/尿素含有ポリアルケニルは、(a)イソシアナート基と反応性である末端基を有する多官能化剤をジイソシアナートと反応させて、対応するイソシアナート末端多官能化剤を得ること、及び(b)イソシアナート末端多官能化剤をヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルなどのヒドロキシル/アミノ官能性アルケニルと反応させて、対応する多官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルを得ることによって調製することができる。
【0285】
したがって、多官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルは、イソシアナート基と反応性である末端基を有する多官能化剤又はイソシアナート基と反応性である末端基を有する多官能化剤の組合せ、ジイソシアナート又はジイソシアナートの組合せ及びヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルなどのヒドロキシル/アミノ官能性アルケニル又はヒドロキシル/アミノ官能性ビニルエーテルの組合せなどのヒドロキシル/アミノ官能性アルケニルの組合せを含む反応物の反応生成物を含むことができる。
【0286】
好適なヒドロキシル末端多官能化剤の例としては、ポリオールが挙げられる。ポリオール多官能化剤は、式B(-V)zで表すことができ、式中、Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、zは3~6の整数であり、各-Vは、末端ヒドロキシル(-OH)基を含む部分である。
【0287】
好適なアミノ末端多官能化剤の例としては、1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン、ベンゼン-1,3,5-トリアミン、ピリミジン-4,5,6-トリアミン、4H-1,2,4-トリアゾール-3,4,5-トリアミン、ベンゼン-1,2,4-トリアミン及び2,6-ジメチルベンゼン-1,3,5-トリアミンが挙げられる。
【0288】
好適なジイソシアナートの例としては、本明細書に開示されているもののいずれも挙げられる。
【0289】
好適なヒドロキシル/アミノビニルエーテルの例としては、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、3-アミノプロピルビニルエーテル及び1,4-シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルが挙げられる。
【0290】
本開示によって提供される組成物は、好適な界面活性剤又は消泡剤を含むことができる。好適な消泡剤としては、Palmer Holland製のBYK-1794(非放出性シリコーン不含有ポリマー性消泡剤)が挙げられる。
【0291】
組成物は、例えば40重量%~70重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び30重量%~55重量%のウレタン/尿素含有ジチオール、45重量%~65重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び35重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオール、又は50重量%~60重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び40重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオールを含むことができ、ここで重量%は、組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく。
【0292】
組成物は、例えば2重量%~6重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール、2.5重量%~5.5重量%のヒドロキシル官能性ジチオール、3重量%~5重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール又は3重量%~4重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオールを含むことができ、ここで重量%は、組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく。
【0293】
組成物は、例えば2.5重量%~7重量%の3官能性ポリアルケニル、3重量%~6.5重量%の3官能性ポリアルケニル、3.5重量%~6重量%の3官能性ポリアルケニル、4重量%~5.5重量%の3官能性ポリアルケニル又は4~5重量%の3官能性ポリアルケニルを含むことができ、ここで重量%は、組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく。
【0294】
組成物は、例えば1重量%~7重量%の4官能性ポリチオール、1.5重量%~5重量%の4官能性ポリチオール、1.5重量%~4重量%の4官能性ポリチオール、2重量%~3.5重量%の4官能性ポリチオール又は2重量%~3重量%の4官能ポリチオールを含むことができ、ここで重量%は、組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく。
【0295】
組成物は、例えば40重量%~70重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、30重量%~55重量%のウレタン/尿素含有ジチオール及び2重量%~6重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール、45重量%~65重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、35重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオール及び3重量%~5重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール、又は50重量%~60重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、40重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオール及び3重量%~4重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオールを含むことができ、ここで重量%は、組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく。
【0296】
組成物は、例えば40重量%~70重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、30重量%~55重量%のウレタン/尿素含有ジチオール及び2.5重量%~7重量%の3官能性ポリアルケニル、45重量%~65重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、35重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオール及び4重量%~5.5重量%の3官能性ポリアルケニル又は50重量%~60重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、40重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオール及び4重量%~5重量%の3官能性ポリアルケニルを含むことができ、ここで重量%は、組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく。
【0297】
組成物は、例えば40重量%~70重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、30重量%~55重量%のウレタン/尿素含有ジチオール及び1重量%~7重量%の4官能性ポリチオール、45重量%~65重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、35重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオール及び1.5重量%~4重量%の4官能性ポリチオール又は50重量%~60重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、40重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオール及び2重量%~3重量%の4官能性ポリチオールを含むことができ、ここで重量%は、組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく。
【0298】
組成物は、例えば40重量%~70重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、30重量%~55重量%のウレタン/尿素含有ジチオール、2重量%~6重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール及び2.5重量%~7重量%の3官能性ポリアルケニル、45重量%~65重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、35重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオール、3重量%~5重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール及び4重量%~5.5重量%の3官能性ポリアルケニル又は50重量%~60重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、40重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオール、3重量%~4重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール及び4重量%~5重量%の3官能ポリアルケニルを含むことができ、ここで重量%は、組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく。
【0299】
組成物は、例えば40重量%~70重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、30重量%~55重量%のウレタン/尿素含有ジチオール、2重量%~6重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール及び1重量%~7重量%の4官能性ポリチオール、45重量%~65重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、35重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオール、3重量%~5重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール及び1.5重量%~4重量%の4官能性ポリチオール又は50重量%~60重量%の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、40重量%~50重量%のウレタン/尿素含有ジチオール、3重量%~4重量%のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール及び2重量%~3重量%の4官能ポリチオールを含むことができ、ここで重量%は、組成物中のポリアルケニル及びポリチオールの総重量に基づく。
【0300】
組成物は、例えば0.35~0.65当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び0.35~0.65当量のウレタン/尿素含有ジチオール、0.40~0.60当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び0.40~0.60当量のウレタン/尿素含有ジチオール又は0.45~0.55当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び0.45~0.55当量のウレタン/尿素含有ジチオールを含むことができ、ここで当量は、組成物中の総アルケニル当量又は総チオール当量に基づく。
【0301】
組成物は、例えば0.05~0.12当量のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール、0.06~0.11当量のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール、0.07~0.10当量のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール又は0.08~0.95当量のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオールを含むことができ、ここで当量は、組成物中の総チオール当量に基づく。
【0302】
組成物は、例えば0.05~0.15当量の3官能性ポリアルケニル、0.06~0.14当量の3官能性ポリアルケニル、0.07~0.13当量の3官能性ポリアルケニル、0.08~0.12当量の3官能性ポリアルケニル又は0.09~0.11当量の3官能性ポリアルケニルを含むことができ、ここで当量は組成物中の総アルケニル当量に基づく。
【0303】
組成物は、例えば0.35~0.65当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、0.35~0.65当量のウレタン/尿素含有ジチオール及び0.05~0.12当量のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール、0.40~0.60当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、0.40~0.60当量のウレタン/尿素含有ジチオール及び0.07~0.10当量のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール又は0.45~0.55当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、0.45~0.55当量のウレタン/尿素含有ジチオール及び0.08~0.95当量のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオールを含むことができ、ここで当量は、組成物中の総アルケニル当量又は総チオール当量に基づく。
【0304】
組成物は、例えば0.35~0.65当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、0.35~0.65当量のウレタン/尿素含有ジチオール及び0.05~0.15当量の3官能性ポリアルケニル、0.40~0.60当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、0.40~0.60当量のウレタン/尿素含有ジチオール及び0.08~0.12当量の3官能性ポリアルケニル又は0.45~0.55当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、0.45~0.55当量のウレタン/尿素含有ジチオール及び0.09~0.11当量の3官能性ポリアルケニルを含むことができ、ここで当量は、組成物中の総アルケニル当量又は総チオール当量に基づく。
【0305】
組成物は、例えば0.35~0.65当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、0.35~0.65当量のウレタン/尿素含有ジチオール、0.05~0.12当量のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール及び0.05~0.15当量の3官能性ポリアルケニル、0.40~0.60当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、0.40~0.60当量のウレタン/尿素含有ジチオール、0.07~0.10当量のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール及び0.08~0.12当量3官能性ポリアルケニル又は0.45~0.55当量の2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、0.45~0.55当量のウレタン/尿素含有ジチオール、0.08~0.95当量のヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール及び0.09~0.11当量の3官能性ポリアルケニルを含むことができ、ここで当量は、組成物中の総アルケニル当量又は総チオール当量に基づく。
【0306】
組成物は、ポリマー性ジチオールなどのジチオール及びモノマー性ヒドロキシル/アミノ官能性ジチオールなどのヒドロキシル官能性ジチオールを含むことができる。組成物は、ヒドロキシル/アミノ官能性ジチオールに1当量対してジチオール2~6当量、ヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール1当量に対してジチオール3~6当量、ヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール1当量に対してジチオール4~6当量、ヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール1当量に対してヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール2~5当量又はヒドロキシル1当量に対してヒドロキシル/アミノ官能性ジチオール2~4当量を含むことができる。
【0307】
組成物は、2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーなどのポリアルケニル及びモノマー性3官能性ポリアルケニルなどの3~6のポリアルケニル官能価を有するポリアルケニルを含むことができる。組成物は、3~6のポリアルケニル官能価1当量に対して2官能ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー2~6当量、3~6のポリアルケニル官能価1当量に対して2官能ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー3~6当量、3~6のポリアルケニル官能価1当量に対して2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー4~6当量、3~6のポリアルケニル官能価1当量に対して2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー2~5当量又は3~6のポリアルケニル官能価1当量に対して2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー2~4当量を含むことができる。
【0308】
本開示によって提供される組成物は、例えば50重量%~80重量%、55重量%~75重量%又は60重量%~70重量%などの45重量%~85重量%のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーを含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0309】
本開示によって提供される組成物は、12重量%~28重量%、14重量%~26重量%、16重量%~24重量%などの10重量%~30重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオールを含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0310】
本開示によって提供される組成物は、0.75重量%~3.5重量%又は1重量%~3重量%などの、0.5重量%~4重量%のヒュームドシリカなどの充填剤を含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0311】
本開示によって提供される組成物は、4重量%~14重量%の溶媒、6重量%~12重量%、8重量%~10重量%の溶媒を含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0312】
本開示によって提供される組成物は、例えば45重量%~85重量%のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び10重量%~30重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオールを含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。本開示によって提供される組成物は、例えば50重量%~80重量%のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び12重量%~28重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオールを含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。本開示によって提供される組成物は、例えば55重量%~75重量%のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び14重量%~26重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオールを含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0313】
本開示によって提供される組成物は、例えば45重量%~85重量%のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、10重量%~30重量%のウレタン基又は尿素基を含まないポリチオール、10重量%~30重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオール及び4重量%~14重量%の溶媒を含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。本開示によって提供される組成物は、例えば50重量%~80重量%のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、12重量%~28重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオール、10重量%~30重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオール及び6重量%~12重量%の溶媒を含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。本開示によって提供される組成物は、例えば55重量%~75重量%のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、10重量%~30重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオール、14重量%~26重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオール及び8重量%~10重量%の溶媒を含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0314】
本開示によって提供される組成物は、例えば60重量%~90重量%、65重量%~85重量%又は70重量%~75重量%の固形分を含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0315】
組成物は、例えば60重量%~90重量%のポリアルケニル、65重量%~85重量%、70重量%~80重量%のポリアルケニルを含むことができ、ここで重量%は組成物の総固形分重量に基づく。組成物は、例えば10重量%~30重量%、12重量%~28重量%、14重量%~26重量%、16重量%~24重量%又は18重量%~22重量%のポリチオールを含むことができ、ここで重量%は組成物の総固形分重量に基づく。組成物は、例えば0.1重量%~5重量%の無機充填剤、0.5重量%~4重量%、1重量%~3重量%の無機充填剤を含むことができ、ここで重量%は組成物の総固形分重量に基づく。
【0316】
組成物は、例えば60重量%~90重量%のポリアルケニル、10重量%~30重量%のポリチオール及び0.1重量%~5重量%の無機充填剤、65重量%~85重量%のポリアルケニル、12重量%~28重量%のポリチオール及び0.5重量%~4重量%の無機充填剤又は70重量%~80重量%のポリアルケニル、14重量%~26重量%のポリチオール及び1重量%~3重量%の無機充填剤を含むことができ、ここで重量%は組成物の総固形分重量に基づく。
【0317】
本開示によって提供される組成物は、酸化防止剤、UV光開始剤、消泡剤、接着促進剤及び架橋剤をさらに含むことができる。
【0318】
本開示によって提供される組成物は、UV光開始剤を含むことができる。
【0319】
適切なUV光開始剤の例としては、α-ヒドロキシケトン、ベンゾフェノン、α,α-ジエトキシアセトフェノン、4,4-ジエチルアミノベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、4-イソプロピルフェニル2-ヒドロキシ-2-プロピルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソアミルp-ジメチルアミノベンゾアート、メチル4-ジメチルアミノベンゾアート、メチルO-ベンゾイルベンゾアート、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビスアシクロホスフィンオキシドが挙げられる。
【0320】
好適なUV光開始剤の他の例としては、BASF製のIrgacure(商標)製品、例えば製品Irgacure(商標)184、Irgacure(商標)500、Irgacure(商標)1173、Irgacure(商標)2959、Irgacure(商標)745、Irgacure(商標)651、Irgacure(商標)369、Irgacure(商標)907、Irgacure(商標)1000、Irgacure(商標)1300、Irgacure(商標)819、Irgacure(商標)819DW、Irgacure(商標)2022、Irgacure(商標)2100、Irgacure(商標)784、Irgacure(商標)250が挙げられる。さらにBASF製のIrgacure(商標)製品、例えば製品Irgacure(商標)MBF、Darocur(商標)1173、Darocur(商標)TPO、Darocur(商標)4265を使用することができる。
【0321】
UV光開始剤は、例えば2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(Irgacure(いずれかの国における登録商標)651、Ciba Specialty Chemicals)、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド(Darocur(いずれかの国における登録商標)TPO、Ciba Specialty Chemicals)又はその組合せを含むことができる。
【0322】
本開示によって提供される組成物は、1重量%~5重量%、1.5重量%~4.5重量%、2重量%~4重量%、2.5重量%~3.5重量%のUV光開始剤又はUV光開始剤の組合せを含むことができ、ここで重量%は硬化性組成物の総重量に基づく。
【0323】
本開示によって提供される組成物は、シーラントとして配合され得る。配合されるとは、硬化ポリマー網目を形成する反応種に加えて、未硬化シーラント及び/又は硬化シーラントに所望の特性を付与するために、組成物に追加の材料を添加できることを意味する。未硬化シーラントでは、これらの特性は、粘度、pH及び/又はレオロジーを含むことができる。硬化シーラントでは、これらの特性は、重量、接着性、耐食性、色、ガラス転移温度、電気伝導度、凝集力及び/又は物性、例えば引張強さ、伸び及び硬度を含むことができる。本開示によって提供される組成物は、航空宇宙用シーラントでの使用に好適な1種以上の追加の成分を含み得て、使用条件下で硬化シーラントの所望の性能特性に少なくとも部分的に依存し得る。
【0324】
本開示によって提供される組成物は、1種以上の接着促進剤を含むことができる。組成物は、組成物の全乾燥重量に対して、0.1重量%~15重量%の接着促進剤、5重量%未満、2重量%未満又は1重量%未満の接着促進剤を含有し得る。接着促進剤の例としては、フェノール類、例えばMethylon(いずれかの国における登録商標)フェノール樹脂及びオルガノシラン、例えばSilquest(いずれかの国における登録商標)A-187及びSilquest(いずれかの国における登録商標)A-1100を含む、エポキシ官能性シラン、メルカプト官能性シラン又はアミノ官能性シランが挙げられる。他の有用な接着促進剤は当分野において既知である。
【0325】
好適な接着促進剤としては、参照によりその全体がそれぞれ組み入れられている、米国特許第8,513,339号、第8,952,124号及び第9,056,949号並びに米国特許出願公開第2014/0051789号にに開示されているものなどの、硫黄含有接着促進剤が挙げられる。
【0326】
接着促進剤は、イソシアナート官能性脂肪族アクリル酸エステルを含むことができる。好適なイソシアナート官能性アクリル酸エステルの例は、BASFから入手可能な、1,6-ジイソシアナトヘキサンを含む2-プロペン酸、2-ヒドロキシエチルエステルポリマーである、Laromer(いずれかの国における登録商標)LR9000である。
【0327】
本開示によって提供される組成物は、1種以上の異なる種類の充填剤を含み得る。好適な充填剤としては、無機充填剤、例えばカーボンブラック及び炭酸カルシウム(CaCO3)、シリカ、ポリマー粉末並びに軽量充填剤を含む、当分野で一般に既知の充填剤が挙げられる。非導電性充填剤の例としては、炭酸カルシウム、マイカ、ポリアミド、ヒュームドシリカ、モレキュラーシーブパウダー、マイクロスフェア、二酸化チタン、チョーク、アルカリブラック、セルロース、硫化亜鉛、重晶石、アルカリ土類酸化物及びアルカリ土類水酸化物などの材料が挙げられる。組成物は、組成物の全乾燥重量に対して、5重量%~60重量%、10重量%~50重量%又は20重量%~40重量%の充填剤又は充填剤の組合せを含むことができる。本開示によって提供される組成物は、1種以上の着色剤、チキソトロープ剤、促進剤、難燃剤、接着促進剤、溶媒、マスキング剤又は上記のいずれかの組合せをさらに含み得る。認識できるように、組成物に用いられる充填剤及び添加剤は、相互に並びにポリマー成分、硬化剤及び/又は触媒と相溶性となるように選択され得る。
【0328】
本開示によって提供される組成物は、疎水性ヒュームドシリカ、親水性ヒュームドシリカ又はその組合せを含むことができる。
【0329】
本開示によって提供される組成物は、低密度充填剤粒子を含むことができる。低密度粒子は、0.7以下、0.25以下、又は0.1以下の比重を有する粒子を示す。好適な軽量充填剤粒子は、ミクロスフェア及びアモルファス粒子の2種類に分類されることが多い。ミクロスフェアの比重は、0.1~0.7の範囲に及び得て、例えばポリスチレンフォーム、ポリアクリレート及びポリオレフィンのミクロスフェア、並びに5ミクロン~100ミクロンの範囲に及ぶ粒径及び0.25の比重を有するシリカミクロスフェア(Eccospheres(いずれかの国における登録商標))が挙げられる。他の例としては、5~300ミクロンの範囲の粒径及び0.7の比重を有するアルミナ/シリカミクロスフェア(Fillite(いずれかの国における登録商標))、約0.45~約0.7の比重を有するアルミニウムシリカートミクロスフェア(Z-Light(いずれかの国における登録商標))、0.13の比重を有する炭酸カルシウムコーティングされたポリビニリデンコポリマーミクロスフェア(Dualite(いずれかの国における登録商標)6001AE)並びに約40μmの平均粒径及び0.135g/ccの密度を有する炭酸カルシウムコーティングされたアクリロニトリルコポリマーミクロスフェア、例えばDualite(いずれかの国における登録商標)E135(Henkel)が挙げられる。組成物の比重を低下させるのに好適な充填剤としては、例えば、Expancel(いずれかの国における登録商標)ミクロスフェア(AkzoNobelから入手可能)又はDualite(いずれかの国における登録商標)低密度ポリマーミクロスフェア(Henkelから入手可能)などの、中空ミクロスフェアが挙げられる。本開示によって提供される組成物は、その全体が参照により組み込まれている、米国特許出願公開第2010/0041839号に記載されているものなどの、薄いコーティングでコーティングされた外表を含む軽量充填剤粒子を含むことができる。好適な軽量充填剤は、米国特許第6,525,168号にも開示されている。軽量充填剤は、その全体が参照により組み入れられている、2015年1月9日に出願された米国特許出願第14/640,044号に開示されているような、ポリフェニレンスルフィドを含むことができる。
【0330】
組成物は、組成物の全乾燥固形分重量に対して、2重量%未満の軽量粒子、1.5重量%未満、1.0重量%未満、0.8重量%未満、0.75重量%未満、0.7重量%未満又は0.5重量%未満の組成物を含むことができる。
【0331】
本開示によって提供される組成物は、組成物の比重を低下させる軽量充填剤を含むことができる。例えば、組成物は、0.8~1、0.7~0.9、0.75~0.85、0.9~1.2、1.0~1.2又は約0.8若しくは約1.1の比重を有することができる。組成物は、1.02~1.22、1.04~1.20、1.06~1.18、1.08~1.16、1.10~1.14又は1.11~1.13の比重を有することができる。組成物の比重は、約1.2未満、約1.1未満、約1.0未満、0.9未満、約0.8未満、約0.75未満、約0.7未満、約0.65未満、約未満0.6未満又は約0.55未満である。比重は、室温及び室圧における物質の密度の水の密度に対する比を示す。密度は、ASTM D 792 Method Aに従って測定することができる。
【0332】
本開示によって提供される組成物は、導電性充填剤を含むことができる。導電性材料を包含することによって、導電性及びEMI/RFIシールド有効性を組成物に付与することができる。導電性要素は、例えば金属粒子又は金属メッキ粒子、布地、メッシュ、繊維及びその組合せを含むことができる。金属は、例えばフィラメント、粒子、フレーク又は球体の形態であることができる。好適な金属の例としては、銅、ニッケル、銀、アルミニウム、スズ及び鋼鉄が挙げられる。ポリマー組成物にEMI/RFIシールド有効性を付与するために使用することができる他の導電性材料としては、炭素又は黒鉛を含む導電性粒子又は繊維が挙げられる。ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリ(p-フェニレン)ビニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレン及びポリアセチレンなどの導電性高分子を使用することもできる。
【0333】
導電性充填剤は、硫化亜鉛及び無機バリウム化合物などの高バンドギャップ材料も含む。
【0334】
導電性及びEMI/RFIシールド有効性をポリマー組成物に付与するために使用される充填剤は、当分野において周知である。導電性充填剤の例としては、導電性貴金属系充填剤、例えば純銀、貴金属メッキ貴金属、例えば銀メッキ金、貴金属メッキ非貴金属、例えば銀メッキ銅、ニッケル又はアルミニウム、例えば銀メッキアルミニウムコア粒子又は白金メッキ銅粒子、貴金属メッキガラス、プラスチック又はセラミック、例えば銀メッキガラスミクロスフェア、貴金属メッキアルミニウム又は貴金属メッキプラスチックミクロスフェア、貴金属メッキマイカ及び他のこのような貴金属導電性充填剤がさらに挙げられる。非貴金属系材料も使用することができ、例としては、非貴金属メッキ非貴金属、例えば銅コーティング鉄粒子又はニッケルメッキ銅、非貴金属、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、非金属メッキ非金属、例えばニッケルメッキ黒鉛及び非金属材料、例えばカーボンブラック及び黒鉛が挙げられる。所望の導電率、EMI/RFIシールド有効性、硬度及び特定の用途に好適な他の特性を満たすために、導電性充填剤の組合せを使用することもできる。
【0335】
本開示の組成物に使用される導電性充填剤の形状及びサイズは、硬化組成物にEMI/RFIシールド有効性を付与するための任意の適切な形状及びサイズであることができる。例えば、充填剤は、球状、フレーク状、小板状、粒子状、粉末状、不規則形状、繊維状などを含む、導電性充填剤の製造で一般的に使用される任意の形状とすることができる。本開示の特定のシーラント組成物において、主組成物は、粒子、粉末又はフレークとしてのNiコーティング黒鉛を含むことができる。主組成物中のNiコーティング黒鉛の量は、主組成物の総重量に対して、40重量%~80重量%又は50重量%~70重量%の範囲に及ぶことができる。導電性充填剤は、Ni繊維を含むことができる。Ni繊維は、10μm~50μmの範囲に及ぶ直径を有し、250μm~750μmの範囲に及ぶ長さを有することができる。主組成物は、例えば、主組成物の総重量に対して、2重量%~10重量%又は4重量%~8重量%の量のNi繊維を含むことができる。
【0336】
炭素繊維、特に黒鉛化炭素繊維を使用して、シーラント組成物に導電性を付与することもできる。気相熱分解法により形成され、熱処理によって黒鉛化され、0.1ミクロン~数ミクロンの範囲に及ぶ繊維径を有する中空又は中実である炭素繊維は、高い導電性を有する。米国特許第6,184,280号に開示されているように、0.1μm未満~数十ナノメートルの外径を有するカーボンマイクロファイバー、ナノチューブ又はカーボンフィブリルを導電性充填剤として使用することができる。本開示の導電性組成物に好適な黒鉛化炭素繊維の例としては、0.00055Ω-cmの電気抵抗率を有する直径0.921μmの円形繊維である、Panex(いずれかの国における登録商標)3OMF(Zoltek Companies,Inc.、セントルイス、ミズーリ州)が挙げられる。
【0337】
導電性充填剤の平均粒径は、ポリマー系組成物に導電性を付与するのに有用な範囲内であることができる。例えば、1種以上の充填剤の粒径は、0.25μm~250μm、0.25μm~75μm又は0.25μm~60μmの範囲に及ぶことができる。本開示の組成物は、1000mg/g~11500mg/g(J0/84-5試験法)のヨウ素吸収量及び480cm3/100g~510cm3/100gの細孔容積(DBP吸収量、KTM 81-3504)によって特徴付けられる導電性カーボンブラックである、ケッチェンブラック(いずれかの国における登録商標)EC-600 JD(アクゾノーベル社、シカゴ、イリノイ州)を含むことができる。導電性カーボンブラック充填剤は、Black Pearls(いずれかの国における登録商標)2000(キャボットコーポレーション)を含むことができる。
【0338】
本開示の組成物は、2種以上の導電性充填剤を含むことができ、2種以上の導電性充填剤は、同じ又は異なる材料及び/又は形状の充填剤であることができる。例えばシーラント組成物は、導電性Niファイバー並びに粉末、粒子及び/又はフレークの形態の導電性Niコーティング黒鉛を含むことができる。導電性充填剤の量及び種類は、硬化時に0.50Ω/cm2未満のシート抵抗(4点抵抗)又は0.15Ω/cm2未満のシート抵抗を示すシーラント組成物を生成するように選択することができる。充填剤の量と種類は、1MHz~18GHzの周波数範囲を上回る有効なEMI/RFIシールディングを提供するように選択することもできる。
【0339】
本開示の異なる金属表面及び導電性組成物の異種金属接触腐食は、腐食防止剤を組成物に添加することによって、及び/又は適切な導電性充填剤を選択することによって、最小化又は防止することができる。非クロマート腐食防止剤は、導電性充填剤を含むシーラントの耐食性を向上させることができる 米国特許第5,284,888号及び米国特許第5,270,364号は、本開示によって提供されるシーラント組成物に含めることもできる、アルミニウム表面及び鋼鉄表面の腐食を抑制する芳香族トリアゾールの使用を開示している。腐食防止剤として、Znなどの犠牲酸素捕捉剤を使用することができる。腐食防止剤は、導電性組成物の総重量の10重量%未満を構成することができる。腐食防止剤は、導電性組成物の総重量の2重量%~8重量%の範囲に及ぶ量を構成することができる。異なる金属表面間の腐食は、組成物を構成する導電性充填剤の種類、量及び特性の選択によっても、最小化又は防止することができる。
【0340】
シーラント組成物は、可塑剤、顔料、界面活性剤、接着促進剤、チキソトロープ剤、難燃剤、マスキング剤、促進剤(1,4-ジアザ-ビシクロ[02.2.2]オクタン、DABCO(いずれかの国における登録商標))及び上記のいずれかの組合せも含み得る。添加剤は、使用する場合、組成物中に例えば約0重量%~約60重量%の範囲に及ぶ量で存在し得て、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。添加剤は、組成物中に約25重量%~約60重量%の範囲に及ぶ量で存在し得て、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0341】
本開示によって提供される未硬化組成物は、1成分組成物として提供され、暗条件下及び低温下で貯蔵することができる。塗布時に、組成物を表面に塗布するために使用される方法及び装置に適切となるように、追加の溶媒を添加して粘度を調整することができる。
【0342】
本開示によって提供される未硬化組成物は、個別に調製及び貯蔵し、次いで使用時に混和及び混合することができる、第1成分及び第2成分を含む2成分系として提供することができる。
【0343】
第1成分又は組成物はポリチオールを含むことができる。第2成分はポリアルケニルを含むことができる。光開始剤を第1及び/又は第2成分に含めることができる。
【0344】
第1成分及び第2成分は、主成分及び促進剤成分の構成成分が混ざり合い、均質に分散して基材に塗布するためのシーラント又はコーティング組成物を提供できるように、混和時に相溶性となるように配合することができる。主成分と促進剤成分との相溶性に影響を及ぼす要因としては、例えば粘度、pH、密度及び温度が挙げられる。塗布前に、追加の溶媒を第1及び第2の成分と混和することができる。
【0345】
したがって、第1成分及び第2成分を含むコーティング及びシーラント系は、本開示によって提供される。シーラント系はさらに溶媒を含むことができる。
【0346】
シーラント系の第1成分は、ポリチオール又はポリチオールの組合せを含むことができる。第1成分は、例えば50重量%~90重量%のポリチオール、55重量%~85重量%、60重量%~80重量%又は65重量%~75重量%のポリチオールを含むことができ、ここで重量%は第1成分の総重量に基づく。第1成分は、例えば0.1重量%~4重量%の無機充填剤及び1重量%~8重量%の消泡剤を含むことができる。第1部分は、1重量%~21重量%の有機溶媒、4重量%~18重量%、7重量%~15重量%又は9重量%~13重量%の有機溶媒を含むことができ、ここで重量%は第1部分の総重量に基づく。
【0347】
第1成分は、例えば90重量%~99重量%のポリチオール、92重量%~98重量%又は94重量%~97重量%のポリチオールを含むことができ、ここで重量%は第1成分の総固形分重量に基づく。
【0348】
シーラント系の第2成分は、ポリアルケニル又はポリアルケニルの組合せを含むことができる。第2成分は、例えば76~96重量%のポリアルケニル、78~94重量%、80~92重量%又は82~90重量%のポリアルケニルを含むことができ、ここで重量%は第2成分の総重量に基づく。第2成分は、例えば0.1重量%~5重量%の無機充填剤及び0.1重量%~3重量%の接着促進剤を含むことができ、ここで重量%は第2成分の総重量に基づく。第2の成分は、例えば1重量%~20重量%の有機溶媒、4重量%~16重量%、6重量%~14重量%の有機溶媒を含むことができ、ここで重量%は第2成分の総重量に基づく。
【0349】
第2の成分は、例えば70重量%~90重量%のポリアルケニル、73重量%~87重量%又は76重量%~84重量%のポリチオールを含むことができ、ここで重量%は第2成分の総固形分重量に基づく。
【0350】
本開示によって提供される硬化性組成物は、シーラント又はコーティングとして、特に低温可撓性が望まれるシーラント又はコーティングとして有利に使用することができる。例えば、硬化性組成物は、航空及び航空宇宙用シーラント及びコーティングとして使用することができる。シーラントとは、硬化時に水分及び温度のような大気条件に耐える能力を有し、水、水蒸気、燃料、溶媒並びに/又は液体及び気体などの物質の透過を少なくとも部分的に遮断する、硬化性組成物を示す。
【0351】
本開示によって提供される組成物は、当業者に既知の任意の好適なコーティング方法によって、基材の表面上又は下地層上に直接塗布され得る。
【0352】
さらに、本開示によって提供される組成物を利用して表面を封止する方法が提供される。これらの方法は、例えば硬化性組成物を部品の少なくとも1つの表面に塗布すること及び塗布した組成物を硬化させて封止部品を与えることを含む。
【0353】
2成分系の場合、ポリアルケニル含有成分及びポリチオール含有成分を使用前に混和及び混合することができる。組合せ及び混合は、別個に又は塗布工程と併せて実施することができる。例えば、2成分は、スタティックミキサ及びダイナミックミキサなどの任意の好適な混合装置内で混和することができる。
【0354】
本開示によって提供される組成物は、任意の好適な方法によって表面に塗布することができる。組成物の粘度は、塗布方法を使用して組成物の塗布が容易になるように調整することができる。塗布方法の例としては、スプレー、ブラシコーティング、直接ローラーコーティング、逆ローラーコーティング、フロートコーティング、カーテンコーティング 真空コーティング、ディップコーティング及び浸漬塗布が挙げられる。組成物を基材に塗布するための方法及び装置は、少なくとも一部は、基板材料の構成及び種類によって決定され得る。スプレー塗布に好適な装置の例としては、エアレススプレ装置及びエアアシストスプレ装置が挙げられる。
【0355】
本開示によって提供される組成物は、任意の様々な表面に塗布され得る。組成物が塗布され得る基材の例としては、いずれも陽極酸化、プライマー処理、有機コーティング又はクロマートコーティングされ得るチタン、ステンレス鋼及びアルミニウムなどの金属、エポキシ、ウレタン、黒鉛、ガラス繊維複合材、ケブラー(いずれかの国における登録商標)、アクリル類並びにポリカーボナート類が挙げられる。本開示によって提供される組成物は、ポリウレタンコーティング又はプライマーコーティングなどの基材上のコーティングに塗布され得る。表面は、金属表面、ポリマー表面、コーティング又は他の好適な表面であることができる。好適な表面の例としては、ステンレス鋼AMS 5513、硫酸陽極処理アルミニウムAMS 2471、チタン組成物C AMS 4911、Alclad 2024 T3アルミニウムQQA 250/5、CA8000ポリウレタン、研磨CA8000ポリウレタン、PR205エポキシプライマー、アルミニウムQQA 250/12、アルミニウムQQA 250/13、AMS-C-27725プライマー、MIL-PRF-23377エポキシプライマー、Alodine(いずれかの国における登録商標)1200及び1776MクラスB表面が挙げられる。本開示によって提供される硬化性組成物は、これら及び航空宇宙産業で使用される他の表面に塗布することができる。
【0356】
本開示によって提供される組成物は、周囲条件下で硬化され得て、この場合、周囲条件は、20℃~25℃の温度及び大気湿度を示す。組成物は、0℃~100℃の温度及び0%相対湿度~100%相対湿度を含む条件下で硬化され得る。組成物は、より高い温度、例えば少なくとも30℃、少なくとも40℃又は少なくとも50℃にて硬化され得る。組成物は室温、例えば25℃で硬化され得る。組成物は、紫外線などの化学線への暴露時に硬化され得る。また認識されるように、本方法は、航空機及び航空宇宙機を含む航空宇宙機の開口部を封止するために使用され得る。
【0357】
ポリアルケニルとポリチオールを組み合わせた後、硬化性組成物は室温(23℃)で硬化することができ、又は硬化速度は高温にて上昇させることができる。硬化速度は、硬化性組成物を電子線照射、紫外線照射又は可視光照射などの化学線に露光させることによって実質的に上昇させることができる。化学線と共に使用するための組成物は、光開始剤などのフリーラジカル発生剤を含むことができる。200nm~400nmの範囲内の放射線を発することができる任意の好適なUV光源を使用して、硬化反応を開始させることができる。400nm~700nmの範囲内の放射線を発することができる任意の好適な可視光源を使用して、硬化反応を開始させることができる。例えば390nm~410nmの波長範囲内の光を発することができる放射線源を使用して、チオール-エン硬化反応を促進することができる。化学線は、表面への塗布中及び/又は表面への塗布後に硬化性組成物に適用することができる。例えば、化学線は、スプレーアプリケータからスプレーされるときに又は硬化性組成物が表面に塗布された後、3時間未満などの数時間以内に、硬化性組成物に適用することができる。熱及び化学線の両方を使用してチオール-エン硬化反応の速度を調整することができる。
【0358】
本開示の硬化性組成物を使用して利用可能なシールを形成する時間は、当業者が認識できるような、並びに適用可能な標準及び仕様の要件によって定義されるような、いくつかの要因によって変わる場合がある。一般に、本開示の硬化性組成物は、混合及び表面への塗布後約3日~約7日以内に接着強度を発現する。一般に、本開示の硬化組成物の完全な接着強度及び他の特性は、硬化性組成物の混合及び塗布後7日以内に完全に発現する。
【0359】
本開示によって提供されるヒドロキシル官能性ビス(アルケニル)エーテル含有プレポリマー及びポリエポキシド硬化剤を含有する組成物は、例えば0.5時間~3時間、1時間~2.5時間又は1時間~2時間で硬化することができ、硬化時間とは、プレポリマー及び硬化剤の混合後から組成物が30のショアA硬度を示す時間までの時間を示す。ショアA硬度40を示す硬化時間は、例えば1時間~4時間、1.5時間~3.5時間又は2時間~3時間の範囲に及ぶことができる。ショアA硬度は、ASTM D2240に従って、A型デュロメータを使用して測定することができる。
【0360】
本開示によって提供される組成物から調製した硬化シーラントは、AMS 3277に記載されているような航空宇宙用シーラントの要件を満たすか又は超えている。
【0361】
本開示によって提供される組成物で封止された、開口部、表面、接合部、フィレット、フェイ表面、開口部を含むフェイ表面、翼、胴体及び中間翼などの航空宇宙機のファスナ表面並びに航空宇宙機も開示される。
【0362】
本開示によって提供される組成物は、ポリチオールとポリアルケニルとが組み合わされ、混合組成物として貯蔵されている1成分組成物として提供することができる。組成物はヒュームドシリカ及び消泡剤又はレベリング剤を含むことができる。
【0363】
本開示によって提供される組成物は、スプレー可能である。スプレー可能な組成物は、例えば1ポアズ~200ポアズ(0.1Pa-sec~20Pa-sec)、20ポアズ~200ポアズ(2Pa-sec~20Pa-sec)、20ポアズ~100ポアズ(2Pa-sec~10Pa-sec)、20ポイズ~80ポイズ(2Pa-sec~8Pa-sec)又は30ポイズ~60ポイズ(2Pa-sec~6Pa-sec)又は100ポアズ(10Pa-sec)未満の粘度を有することができる。粘度はBrookfield粘度計を使用して測定することができる。
【0364】
本開示によって提供される組成物は溶媒を含むことができ、40重量%未満、35重量%未満、30重量%未満、25重量%未満、20重量%未満、15重量%未満又は10重量%未満の揮発性有機物含有量を有することができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。本開示によって提供される組成物は、10重量%~40重量%の溶媒、15重量%~35重量%又は20重量%~30重量%の溶媒を含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0365】
溶媒は、メチルイソブチルケトン、メタノール、N-メチル-2-ピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ブチルアセタート及び上記のいずれかの組合せなどのスプレーコーティング及びシーラントに使用される任意の好適な有機溶媒であることができる。
【0366】
本開示によって提供されるスプレー可能な組成物は、任意の好適なスプレー装置を使用して表面にスプレーすることができる。
【0367】
本開示によって提供されるスプレー可能な組成物を含む組成物は、紫外線硬化性であることができる。塗布後、塗布されたコーティングは、紫外線に露光されて組成物を硬化させることができる。
【0368】
本開示によって提供される硬化組成物は、以下の:少なくとも9lbf(40.03N)の最小荷重、最大荷重における少なくとも700psi(4.83MPa)の引張応力、最大負荷における少なくとも600%の引張歪み(伸び)、少なくともショア35Aの硬度のうちの1つ以上を示すことができ、ここで荷重、引張応力及び引張歪みは、ASTM D412に従って求められ、硬度はASTM D2240に従って求められる。
【0369】
本開示によって提供される硬化組成物は、光学的に透明であり得る。光学的に透明な材料は、透き通っていて、曇りがなく、不透明でもない。光透過性は、約5フィートの距離から硬化したコーティングを通して黒い線又はプリントの可読性を判定することによって評価することができる。本開示によって提供される組成物は、硬化前に、少なくとも部分的に紫外線を透過し得る。透明コーティングは、そのコーティングによってコーティングを不透明にならないか、さもなければ下にある基材が見える能力を有意な程度まで妨げない限り、ある程度の色を有することができる。
【0370】
本開示によって提供される組成物は、例えば40重量%未満、35重量%未満の溶媒又は25重量%未満の溶媒などの溶媒を含有し得て、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。溶媒を使用して粘度を低下させて、スプレー性を高めることができる。組成物は、溶媒を含まないことが可能であり、実質的に溶媒を含まないことが可能であり又は5重量%~10重量%の溶媒を含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0371】
組成物は、粘度を制御するために可塑剤を含み得る。組成物は、25重量%未満の可塑剤、例えば5重量%~10重量%の可塑剤を含有し得て、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。好適な可塑剤の例としては、フタラート及びポリ-α-メチルスチレンが挙げられる。
【0372】
組成物は、例えばヒュームドシリカ充填剤などの充填剤を含有することができる。組成物は、15重量%未満の充填剤、10重量%未満の充填剤又は5重量%未満の充填剤を含むことができ、ここで重量%は組成物の総重量に基づく。
【0373】
塗布中、組成物は、スプレー性を高めるために125°F(52℃)~175°F(79℃)などの温度まで加熱され得る。
【0374】
塗布された組成物は、例えば0.1ミル~30ミル(2.54μm~762μm)、1ミル~25ミル(25.4μm~635μm)、5ミル~25ミル(127μm~635μm)、例えば10ミル~20ミル(254μm~508μm)の厚さを有することができる。
【0375】
硬化した硬化組成物は、例えば0.1ミル~30ミル(2.54μm~762μm)、1ミル~25ミル(25.4μm~635μm)、5ミル~25ミル(127μm~635μm)、例えば10ミル~20ミル(254μm~508μm)の乾燥厚を有することができる。
【0376】
例
本開示によって提供される実施形態は、あるウレタン/尿素含有ポリアルケニル、ウレタン/尿素含有ポリチオール及び/又はヒドロキシル官能性ポリチオールの合成、特性及び使用、あるウレタン/尿素含有ポリアルケニル、ウレタン/尿素含有ポリチオール及び/又はヒドロキシル官能性ポリチオールを含む組成物並びにそのような組成物の使用について記載する、以下の例を参照することによってさらに説明される。
【0377】
当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく、材料及び方法の両方に対する多くの修正が実施され得ることが明らかとなる。
なお、下記例「1」から「例12」中、「例6」から「例11」までは本願発明を「実施」した「実施例」にあたり、「例1」から「例5」まではそれら「実施例」において使用する化合物を合成するための「合成例」であり、「例12」は「参考例」にあたる。
【0378】
例1
2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマーの合成
【化26】
Semi-waxy Adiprene(いずれかの国における登録商標)L-167(200.28g、0.31当量;Chemtura Corporation)を、乾燥した500mLの3口丸底フラスコに投入した。フラスコに機械式攪拌機、温度プローブ及びガスアダプタを装着した。内容物を窒素で洗浄した。攪拌しながら、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE、35.74g、0.31当量)を添加した。この段階で反応混合物は白濁していた。混合物を43℃まで加熱すると、透明で均質な液体が形成された。反応混合物を30℃まで冷却して、ジブチルスズジラウラート触媒(10%メチルエチルケトン溶液0.236g)を添加した。穏やかな発熱が生じた。次の24分間の間に温度が46℃まで上昇し、次いで降下を始めた。反応混合物を70℃~72℃まで2.5時間加熱した。反応混合物の一部分の赤外スペクトルによってイソシアナートピークの消失が示された時点で、反応は完了した。反応混合物から1.5時間排気し(真空:9mm)、液体生成物を得た。粘度:586ポアズ、理論オレフィン当量:767。
【0379】
例2
3官能性ポリアルケニルの合成
【化27】
HDI(ヘキサメチレンジイソシアナート)三量体Desmodur(いずれかの国における登録商標)N-3390(
88.44g、0.527当量)及び4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE、61.19g、0.527当量)を乾燥した250mLの3口丸底フラスコに投入した。フラスコに機械式攪拌機及びガスアダプタを装着した。内容物を窒素で洗浄し、フラスコに温度プローブを装着した。200rpm及び21℃の温度で攪拌しながら、ジブチルスズジラウラート触媒(10%メチルエチルケトン溶液0.162g)を添加した。1分以内に穏やかな発熱が認められ、温度は約2時間以内に31℃まで上昇した。反応混合物を68℃~70℃の温度に3.5時間加熱した。反応混合物の一部分の赤外スペクトルによってイソシアナートピークの消失が示された時点で、反応は完了した。反応混合物を約2.5時間排気し(真空:8mm)、液体生成物を得た。粘度:505ポアズ(50.5Pa-sec)、理論オレフィン当量:308。生成物の物理的状態は、室温で一晩静置すると固体に変化した。
【0380】
例3
ウレタン含有ジチオールプレポリマー(1)の合成
【化28】
4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)(23.24g、0.2当量)を100mLの3口丸底フラスコに投入した。フラスコに温度プローブ、機械式攪拌機及びガスアダプタを装着した。200rpmで攪拌しながら、混合物を窒素で洗浄した。ジブチルスズジラウラート触媒(10%メチルエチルケトン溶液0.052g)を添加した。Desmodur(いずれかの国における登録商標)W(H
12MDI)(26.30g、0.2当量)を45分にわたってゆっくり添加し、この間、著しい発熱は認められなかった。1時間攪拌した後、反応混合物は白濁した。さらに4時間攪拌した後、反応混合物は粘稠な白色ペーストとなった。反応混合物を70℃にて3時間加熱した。反応混合物の一部分の赤外スペクトルによってイソシアナートピークの消失が示された時点で、ヒドロキシル基とイソシアナートとの反応は完了した。反応混合物を48℃まで冷却し、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン(DMDO、36.46g、0.4当量)を添加した。反応混合物を77℃まで加熱して透明な液体を得た。77℃にて加熱を続け、2回分のVazo(いずれかの国における登録商標)67(2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル、各0.044g)を2時間の間隔で加えて反応を完了させた。生成物は透明な液体であった。当量:438。
【0381】
例4
ウレタン含有ジチオールプレポリマー(2)の合成
4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)(41.83g、0.36当量)を250mLの3口丸底フラスコに投入した。フラスコに温度プローブ、機械式攪拌機及びガスアダプタを装着した。100rpmにて攪拌を開始し、内容物を窒素で洗浄した。ジブチルスズジラウラート触媒(10%メチルエチルケトン溶液0.089g)を添加した。攪拌速度を200rpmに上昇させた。22℃にてDesmodur(いずれかの国における登録商標)W(47.34g、0.36当量)を20分にわたって添加した。45分間攪拌した後、反応混合物は白濁して、温度は37℃まで上昇した。さらに45分後、温度は47℃まで上昇し、反応混合物は粘稠な白色ペースト形状であった。反応混合物を43℃まで冷却し、次いで70℃~73℃にて2時間加熱した。反応混合物の一部分の赤外スペクトルによってイソシアナートピークの消失が示された時点で、ヒドロキシルとイソシアナートとの反応は完了した。反応混合物を63℃まで冷却し、DMDO(49.22g、0.54当量)を添加した。次の35分間の間に、温度は40℃まで低下した。反応混合物を次いで70℃まで加熱し、2回分のVazo(いずれかの国における登録商標)67(各0.031g)を2時間の間隔で添加して反応を完了させた。反応混合物を5時間排気し(真空度:6mm)、当量:805の粘稠な液体生成物を得た。
【0382】
例5
ヒドロキシル官能性ジチオールの合成
【化29】
DMDO(40.11g、0.44当量)及びレゾルシノールジグリシジルエーテル(25.74g、0.22当量)を100mLの3口丸底フラスコに投入した。フラスコに機械式攪拌機、温度プローブ及びガスアダプタを装着した。内容物を窒素で洗浄した。200rpmにて攪拌しながら、不均一混合物を45℃まで加熱して透明な溶液を生成した。反応混合物を21℃まで冷却し、塩基触媒DABCO(いずれかの国における登録商標)33-LV(1,4-ジアザビシクロ[02.2]オクタン溶液、0.26g、量:0.4%)を添加した。3分以内にゆっくりとした温度上昇が見られた。さらに7分後に温度は50℃に達した。反応混合物を28℃まで放冷し、次いで70℃~72℃にて4時間加熱して、293当量及び44ポアズ(4.4Pa-sec)の粘度をそれぞれ有する液体ジチオールを得た。
【0383】
例6
シーラント配合物(1)
例3のウレタン含有ジチオールプレポリマー(1)(10.99g、0.0251当量)及び例1のウレタン含有ジアルケニルプレポリマー(19.25g、0.0251当量)をHauschild混合カップ(サイズ60g)に投入した。Hauschildミキサで4分間混合した。内容物を手動で混合し、内容物が透明になるまでHauschildミキサでさらに4分間混合した。UV触媒(Irgacure(いずれかの国における登録商標)651(2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン)及びDarocur(いずれかの国における登録商標)TPO(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド)の4:1重量混合物の10%エチルアセタート溶液0.9g)を透明混合物に添加した。内容物を手動で混合し、さらにHauschildミキサで4分間混合した。6.1インチ×2インチ×0.13インチの金属グリッド内に混合物を注入し、UVに露光させて硬化させる(硬化条件:7インチ(17.8cm)の高さにて1分×2回)ことによってフローアウト(flow-out)を作製した。硬化した試験片は、ショア36Aの硬度、639psi(4.4MPa)の引張強さ及び699%の伸びを有していた。
【0384】
例7
シーラント配合物(2)
例4のウレタン含有ジチオールプレポリマー(2)(9.66g、0.012当量)及び例1のウレタン含有ジアルケニルプレポリマー(9.20g、0.012当量)をHauschild混合カップ(サイズ:60g)に投入し、Hauschildミキサで4分間混合した。内容物を手動で混合し、Hauschildミキサで4分間さらに混合した。UV触媒(Irgacure(いずれかの国における登録商標)651及びDarocur(いずれかの国における登録商標)TPOの4:1重量混合物の10%エチルアセタート溶液0.56g)を透明混合物中に添加した。内容物を手動で混合し、さらにHauschildミキサで4分間混合した。6.1インチ×2インチ×0.13インチの金属グリッド内に混合物を注入し、UVに露光させて硬化させる(硬化条件:7インチ(17.8cm)の高さで1分×2回、395nm、4WのUV LEDランプで30秒~45秒)ことによってフローアウト(flow-out)を作製した。硬化した試験片は、ショア38Aの硬度、782psi(5.39MPa)の引張強さ及び916%の伸びを有していた。
【0385】
例8
シーラント配合物(3)
例1のウレタン含有ジアルケニルプレポリマー(9.97g、0.013当量)、例4のウレタン含有ジチオールプレポリマー(8.37g、0.0104当量)及び例5のヒドロキシル官能性ジチオール(0.70g、0.0024当量)をHauschild混合カップ(サイズ:60g)に投入して、Hauschildミキサで4分間混合した。内容物を手動で混合し、内容物が透明になるまでHauschildミキサでさらに4分間混合した。触媒(Irgacure(いずれかの国における登録商標)651及びDarocur(いずれかの国における登録商標)TPOの4:1混合物の10%エチルアセタート溶液0.56g)を添加し、内容物を手動で混合し、さらにHauschildミキサで4分間混合した。6.1インチ×2インチ×0.13インチの金属グリッド内に混合物を注入し、UVに露光させて硬化させる(硬化条件:7インチの高さで1分×2回、395nm、4WのUV LEDランプで30秒~45秒)ことによってフローアウト(flow-out)を作製した。硬化した試験片は、ショア40Aの硬度、808psi(5.57MPa)の引張強さ及び849%の伸びを有していた。
【0386】
例9
シーラント配合物(4)
例1のウレタン含有ジアルケニルプレポリマー(9.97g、0.013当量)、例4のウレタン含有ジチオールプレポリマー(2)(8.37g、0.0104当量)及び例5のヒドロキシル官能性ジチオール(0.70g、0.0024当量)をHauschild混合カップ(サイズ:60g)に投入して、Hauschildミキサで4分間混合した。内容物を手動で混合し、内容物が透明になるまでHauschildミキサでさらに4分間混合した。充填剤、Gasil(いずれかの国における登録商標)IJ35(シリカゲル/合成非晶質シリカ、0.020g、量:1重量%)を添加し、内容物をHauschildミキサで30秒間混合した。内容物を手動で混合し、Hauschildミキサでさらに4分間混合した。内容物はほぼ透明であった。UV触媒(Irgacure(いずれかの国における登録商標)651及びDarocur(いずれかの国における登録商標)TPOの4:1混合物の10%エチルアセタート溶液0.6g)を添加し、内容物を手動で混合し、さらにHauschildミキサで4分間混合した。内容物は透明であった。6.1インチ×2インチ×0.13インチの金属グリッド内に混合物を注入し、UVに露光させて硬化させる(硬化条件:7インチ(17.8cm)の高さで1分×2回、395nm、4WのUV LEDランプで30秒~45秒)ことによってフローアウト(flow-out)を作製した。硬化した試験片は、ショア38Aの硬度、997psi(6.87MPa)の引張強さ及び949%の伸びを有していた。
【0387】
例10
シーラント配合物(5)
例1のウレタン含有ジアルケニルプレポリマー(9.20g、0.012当量)及び例2の固体3官能性ポリアルケニル(0.93g、0.003当量)をHauschild混合カップ(サイズ:60g)に投入し、30秒間、次いで4分間Hauschildミキサで混合した。混合物は均質かつ透明であった。内容物をHauschildミキサでさらに4分間のサイクルにわたって混合した。例4のウレタン含有ジチオールプレポリマー(2)(9.66g、0.012当量)及び例5のヒドロキシル官能性ジチオール(0.7g、0.0024当量)を添加し、Hauschildミキサで4分間混合した。内容物を手動で混合し、さらにHauschildミキサで4分間混合した。内容物は透明のままであった。UV触媒(Irgacure(いずれかの国における登録商標)651及びDarocur(いずれかの国における登録商標)TPOの4:1混合物の10%エチルアセタート溶液0.61g)を添加し、内容物を手動で混合し、さらにHauschildミキサで4分間混合した。内容物は透明なままであった。6.1インチ×2インチ×0.13インチの金属グリッド内に混合物を注入し、UVに露光させて硬化させる(硬化条件:7インチ(17.8cm)の高さで1分×2回、)ことによってフローアウト(flow-out)を作製した。硬化した試験片は、ショア48Aの硬度、996psi(6.87MPa)の引張強さ及び672%の伸びを有していた。
【0388】
例11
シーラント配合物(6)
例1のウレタン含有ジアルケニルプレポリマー(9.20g、0.012当量)及び例2の固体3官能性ポリアルケニル(0.93g、0.003当量)をHauschild混合カップ(サイズ:60g)に投入し、Hauschildミキサで2サイクル、それぞれ4分間混合した。混合物は均質かつ透明であった。例4のウレタン含有ジチオールプレポリマー(2)(9.66g、0.012当量)及び例5のヒドロキシル官能性ジチオール(0.7g、0.0024当量)を添加し、Hauschildミキサで4分間混合した。内容物を手動で混合し、さらにHauschildミキサで4分間混合した。内容物は透明なままであった。Cab-O-Sil(いずれかの国における登録商標)M5(ヒュームドシリカ、1.02g、量:5重量%)を添加し、Hauschildミキサで30秒間混合し、この時点で内容物は乳状であった。内容物を手動で混合し、さらにHauschildミキサで4分間混合した。内容物が透明となった。UV触媒(Irgacure(いずれかの国における登録商標)651及びDarocur(いずれかの国における登録商標)TPOの4:1混合物の10%エチルアセタート溶液0.61g)を添加し、内容物を手動で混合し、さらにHauschildミキサで4分間混合した。内容物は透明なままであった。6.1インチ×2インチ×0.13インチの金属グリッド内に混合物を注入し、UVに露光させて硬化させる(硬化条件:7インチ(17.8cm)の高さで1分×2回、395nm、4WのUV LEDランプで30秒~45秒)ことによってフローアウト(flow-out)を作製した。硬化した試験片は、ショア52Aの硬度、1,565psi(10.79MPa)の引張強さ及び665%の伸びを有していた。
【0389】
例6~11の硬化シーラントの組成及び特性を表1にまとめる。
【表1】
【0390】
【0391】
例12
スプレー可能なシーラント組成物
スプレー可能なシーラントは、A部及びB部を組み合わせることによって調製した。
【0392】
【0393】
B部を調製するために、例1のウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー13,860gをMyers5ガロン(18.9L)ミキサに投入し、50rpmにて10分間攪拌した。Aerosil(いずれかの国における登録商標)R202疎水性ヒュームドシリカ(190.8g、Evonik Corp.)を添加して、20rpmにてスイープブレード及び800rpmにて剪断ブレードを用いて5分間混和した。Cab-O-sil(いずれかの国における登録商標)M5親水性ヒュームドシリカ(228.6g、Cabot Corp.)を添加し、20rpmにてスイープブレード及び800rpmにて剪断ブレードを用いて5分間混和した。次に混合物を50rpmにてスイープブレード及び1,000rpmにて剪断ブレードを用いて15分間混合し、粉砕度が8+ヘグマン単位未満になるまでこの工程を繰返した。次いでモレキュラーシーブで脱水したメチルエチルケトン(MEK、1,648g)を添加し、温度が32℃(90°F)を下回るまで冷却しながら、20rpmにてスイープブレードを用いて1時間混和した。Laromer(いずれかの国における登録商標)LR9000(115.2g、BASF)を添加し、冷却しながら20rpmにてスイープブレードを用いて10分間混和した。MEKの量は、揮発性有機物含有量(VOC)が8.6±0.2%になるまで真空下で混合すること又はMEKを添加することによって、8.6重量%に調整した。
【0394】
A部は、Thiocure(いずれかの国における登録商標)TEMPIC(トリス[02-(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌラート)12,105gをMyers5ガロン(18.9L)ミキサに投入し、50rpmにてスイープブレードを用いて10分間攪拌することによって調製した。スイープブレードを20rpmで、Cab-O-sil(いずれかの国における登録商標)M5(228.6g、Cabot Corp.)を10回に分けてポリチオールを、20rpmにてスイープブレード及び800rpmにて剪断ブレードを用いて5分間混合しながら混和した。混合物を50rpmにてスイープブレード及び1,000rpmにて剪断ブレードを用いて15分間混合し、粉砕度が8+ヘグマン単位未満になるまでこの工程を繰返した。混合物の温度が32℃(90°F)を下回るまで冷却しながら、25重量%完全無水MEK(合計492g)を20rpmにてスイープブレードを用いて1時間混和した。BYK(いずれかの国における登録商標)-1794(756g、Palmer Holland)を添加し、冷却しながら50rpmにてスイープブレードを用いて5分間混和した。Agerite(いずれかの国における登録商標)Superlite(いずれかの国における登録商標)酸化防止剤(1,296g、不活性担体担持液体ポリブチル化ビスフェノールA、Vanderbilt Chemicals、LLC)を添加し、冷却しながら50rpmにてスイープブレードを用いて5分間混和した。Irgacure(いずれかの国における登録商標)TPO(無水MEK中1:1の重量比の溶液中1,036g)を添加し、冷却しながら50rpmにてスイープブレードを用いて5分間混和した。残りのMEK(687g)を添加し、冷却しながら混和した。VOCを10.9±0.2重量%に調整した。
【0395】
シーラントを調製するために、B部50gを200g暗色Hauschildカップに添加した。A部(15.4g)をHauschildカップに添加し、手動で混合した。MEK(12.32g)を添加し、均一に混和されるまで手動で混合した。混合物を、Hauschildミキサを使用して、1,000rpmにて30秒間/1,500rpmにて30秒間/2,000rpmにて30秒間の2回の混合サイクルで配合した。
【0396】
試験片は、シーラントを基材上に15ミル~20ミル(0.38mm~0.51mm)の厚さにスプレー又はブラシ塗布することによって作製した。ドローダウン試料の場合、離型剤を塗布したポリエチレンシート上にカップから材料を注入し、ドローバーを使用して均一に広げ、シート厚を15ミル~20ミル(0.38mm~0.51mm)とした。395nm、4WのUV LEDランプを使用して3インチ(7.62cm)の距離で30秒~45秒間、試料を硬化させた。シーラントは20ポアズ(2Pa-sec)の粘度を有していた。
【0397】
接着は、基材から手で剥離することによって評価した。エポキシプライマーでコーティングした基材及び1776MクラスB基材への接着破壊はなかった。試料をJRFタイプIII中に120°F(49℃)にて168時間(ASTM D471)又は蒸留水中に120°F(49℃)にて168時間浸漬した後、これらの表面への接着性の消失もなかった。
【0398】
硬化後20時間の試料の引張強さ及び伸びをASTM D412に従って求め、結果を表4に示す。
【表5】
【0399】
発明の態様
本発明の一態様によれば、組成物は(a)ポリチオール及び(b)ポリアルケニルを含み、ポリアルケニルはウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む。
【0400】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、ウレタン含有ポリチオール、尿素含有ポリチオール、ウレタン基も尿素基も含有しないポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含む。
【0401】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールはジチオールを含む。
【0402】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、ウレタン含有ジチオール、尿素含有ジチオール、ウレタン基も尿素基も含有しないジチオール又は上記のいずれかの組合せを含む。
【0403】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、3~6のチオール官能基を有するポリチオールを含む。
【0404】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、3~6のチオール官能価を有するウレタン含有ポリチオール、3~6のチオール官能価を有する尿素含有ポリチオール、ウレタン基も尿素基も含有しない、3~6のチオール官能価を有するポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含む。
【0405】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールはジチオール及び3~6のチオール官能価を有するポリチオールを含む。
【0406】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、ジチオールであって、ウレタン含有ジチオール、尿素含有ジチオール、ウレタン基も尿素基も含有しないジチオール又は上記のいずれかの組合せを含むジチオール及び3~6のチオール官能価を有するポリチオールであって、3~6のチオール官能価を有するウレタン含有ポリチオール、3~6のチオール官能価を有する尿素含有ポリチオール、ウレタン基も尿素基も含有しない、3~6のチオール官能価を有する、3~6のチオール官能価を有するポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含むポリチオールを含む。
【0407】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、ヒドロキシル含有ポリチオールを含む。
【0408】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、ヒドロキシル含有ジチオール、3~6のチオール官能価を有するヒドロキシル含有ポリチオール又はその組合せを含む。
【0409】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、式(5a)の構造を有するヒドロキシル含有ポリチオール、式(5b)の構造を有するヒドロキシル含有ポリチオール又はその組合せを含み、
HS-R1-S-R4-S-R1-SH (5a)
B{-V’-S-R1-SH}z (5b)
式中、
R1は、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル又は-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素及びメチルを含み、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-又は-N(-CH3)-を含み、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
を含み、
R4は、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル又は置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイルを含み、式中、R4は少なくとも1個のヒドロキシル基を含み、
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、並びに
各Vはチオール基と反応性である末端基を含む部分であり、並び
各-V’-は、-Vとチオールとの反応から誘導され、少なくとも1個の水酸基を含む。
【0410】
上記の態様のいずれかによれば、R
1は-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-であり、及びR
4は
【化30】
である。
【0411】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、ジチオール及びヒドロキシル含有ジチオールを含み、組成物は、ヒドロキシル含有ジチオール1当量に対してジチオール2当量~6当量を含む。
【0412】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、ジチオール及びヒドロキシル含有ジチオールを含み、組成物は、ヒドロキシル含有ジチオール1当量に対してジチオール2当量から6当量を含み、ポリアルケニルは、2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び3~6のアルケニル官能価を有するポリアルケニルを含み、並びに組成物は、3~6のアルケニル官能価を有するポリアルケニル1当量に対して2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー2当量~6当量を含む。
【0413】
上記の態様のいずれかによれば、ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマーは、2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む。
【0414】
上記の態様のいずれかによれば、ポリアルケニルは、3~6のアルケニル官能価を有するウレタン含有ポリアルケニル、3~6のアルケニル官能価を有する尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含む。
【0415】
上記の態様のいずれかによれば、ポリアルケニルは、2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、3~6のアルケニル官能価を有するウレタン含有ポリアルケニル、3~6のアルケニル官能価を有する尿素含有ポリアルケニル又は上記のいずれかの組合せを含む。
【0416】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオール及びウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーは、800ダルトン~3,000ダルトンの分子量を特徴とする。
【0417】
上記の態様のいずれかによれば、ポリアルケニルは、2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む2官能性ポリアルケニルプレポリマー及び3官能性ウレタン含有ポリアルケニル、3官能性尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含む3官能性ポリアルケニルを含み、組成物は、3官能性ポリアルケニル1当量に対して2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー2当量~6当量を含む。
【0418】
上記の態様のいずれかによれば、ポリアルケニルは、2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む2官能性ポリアルケニルプレポリマー及び4官能性ウレタン含有ポリアルケニル、4官能性尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含む4官能性ポリアルケニルを含み、組成物は、4官能性ポリアルケニル末端1当量に対して2官能性ウレタン/尿素含有アルケニル末端プレポリマー2当量~6当量を含む。
【0419】
上記の態様のいずれかによれば、2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーは、式(6a)の構造を有する2官能性ウレタン含有プレポリマー、式(6b)の構造を有する2官能性尿素含有プレポリマー又はその組合せを含み、
CH2=CH-R2-O-C(=O)-NH-{-R5-NH-C(=O)-O-[-R6-O-]n-C(=O)-NH-}m-R5-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2 (6a)
CH2=CH-R2-NH-C(=O)-NH-{-R5-NH-C(=O)-O-[-R6-O-]n-C(=O)-NH-}m-R5-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2 (16b)
式中、
mは1~1~20の整数であり、
nは1~1~20の整数であり、
各R2は独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、
各R5は、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル又はC6-20アルカンシクロアルカンジイルを含み、及び
各R6は独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含む。
【0420】
上記の態様のいずれかによれば、nは1から5の整数であり、mは1~5の整数であり、R
2は-(CH
2)
4-O-(CH
2)
2-であり、
R
5は
【化31】
であり、及びR
6は-(CH
2)
4-O-、-[-(CH
2)
4-]
0.6-[-CH
2-CH(-CH
2-CH
3]
0.2-[-(CH
2)
4-]
0.2-又は-(CH
2)
5-CH(-OH)-を含む。
【0421】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、式(2a)の構造を有するジチオール、式(2b)の構造を有するジチオール又はその組合せを含み、
HS-R1-S-[-(CH2)2-R2-O-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-O-R2-(CH2)2-S-R1-S-]n-H (2a)
HS-R1-S-[-(CH2)2-R2-NH-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-NH-R2-(CH2)2-S-R1-S-]n-H (2b)
式中、
nは1~1~20の整数であり、
R1は、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル又は-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素又はメチルを含み、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-又は-N(-CH3)-を含み、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
を含み、
各R2は独立して、C3-10アルカンジイル、置換C3-10アルカンジイル、C3-10ヘテロアルカンジイル又は置換C3-10ヘテロアルカンジイルを含み、及び
各R5は独立して、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル又は置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイルを含む。
【0422】
上記の態様のいずれかによれば、nは1から5の整数であり、R
1は-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-であり、R
2は-(CH
2)
4-O-(CH
2)
2-であり、及びR
3は
【化32】
【化33】
又は
【化34】
を含む。
【0423】
上記の態様のいずれかによれば、ポリアルケニルは、式(8a)の構造を有するウレタン含有ポリアルケニル、式(8b)の構造を有する尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含み、
B{-R7-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2}z (8a)
B{-R7-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2}z (8b)
式中、
R2は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、
R7は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、及び
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、及び
各-Vは-R7-N=C=Oを含む。
【0424】
上記の態様のいずれかによれば、zは3であり、R
2は-(CH
2)
4-O-であり、R
7は-(CH
2)
6-であり、及びBは
【化35】
である。
【0425】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、式(4a)の構造を有するポリチオール、式(4b)の構造を有するポリチオール又はその組合せを含み、
B{-R7-NH-C(=O)-O-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4a)
B{-R7-NH-C(=O)-NH-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4b)
式中、
R1は、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル又は-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素又はメチルを含み、
各Xは独立して-O-、-S-、-NH-又は-N(-CH3)-を含み、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
を含み、
R2は独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、
R7は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、及び
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、及び
各-Vは-R7-N=C=Oを含む。
【0426】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールは、式(1a)の構造を有するジチオール、式(1b)の構造を有するポリチオール又はその組合せを含み、
HS-R1-SH (1a)
B{-V’-S-R1-SH}z (1b)
式中、
R1は、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル、又は-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素又はメチルを含み、
各Xは独立して-O-、-S-、-NH-又は-N(-CH3)-を含み
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
を含み、
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、
各-Vは、チオール基と反応性である末端基を含む部分であり、及び
各-V’-は、-Vとチオールとの反応から誘導される。
【0427】
上記の態様のいずれかによれば、R1は-(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-である。
【0428】
上記の態様のいずれかによれば、ポリチオールはトリス[02-(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル](TEMPIC)を含む。
【0429】
上記の態様のいずれかによれば、組成物は顔料を含む。
【0430】
上記の態様のいずれかによれば、組成物はUV光開始剤をさらに含む。
【0431】
上記の態様のいずれかによれば、組成物はシーラントとして配合される。
【0432】
上記の態様のいずれかによれば、組成物はスプレー可能である。
【0433】
上記の態様のいずれかによれば、組成物は、Brookfield粘度計を使用して求められる、10ポアズ~200ポアズの粘度を示す。
【0434】
上記の態様のいずれかによれば、組成物は実質的に溶媒を含まない。
【0435】
本発明の一態様において、上記の態様のいずれかによる組成物から調製された硬化組成物が提供される。
【0436】
上記の態様のいずれかによれば、硬化組成物は、以下の:少なくとも9lbfの最小荷重、最大荷重における少なくとも700psiの引張応力、最大負荷における少なくとも600%の引張歪み、少なくとも35ショアの硬度のうちの1つ以上を示し、ここで荷重、引張応力及び引張歪みは、ASTM D412に従って求められ、硬度はASTM D2240に従って求められる。
【0437】
上記の態様のいずれかによれば、硬化組成物は光学的に透明である。
【0438】
本発明の一態様によれば、2官能性ポリチオールは、式(2a)の構造を有するウレタン含有ジチオール、式(2b)の尿素含有ジチオール又はその組合せを含み、
HS-R1-S-[-(CH2)2-R2-O-C(=O)-NH-R5-NH-(CH2)2-C(=O)-O-R2-S-R1-S-]n-H (2a)
HS-R1-S-[-(CH2)2-R2-NH-C(=O)-NH-R5-NH-(CH2)2-C(=O)-NH-R2-S-R1-S-]n-H (2b)
式中、
nは1~20の整数であり、
R1は、C2-10アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル又は-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素又はメチルを含む。
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-又は-N(-CH3)-を含み、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である)
を含み、
各R2は独立して、C3-10アルカンジイル、置換C3-10アルカンジイル、C3-10ヘテロアルカンジイル又は置換C3-10ヘテロアルカンジイルを含み、及び
各R5は独立して、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル又は置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイルを含む。
【0439】
本発明の一態様によれば、ウレタン/尿素含有ポリチオールは、式(4a)の構造を有するウレタン含有ポリチオール、式(4b)の構造を有する尿素含有ポリチオール又はその組合せを含み、
B{-R7-NH-C(=O)-O-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4a)
B{-R7-NH-C(=O)-NH-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4b)
式中、
R1は、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル又は-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素又はメチルを含む。
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-又は-N(-CH3)-を含み、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
を含み、
R2は独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、
各-Vは-R7-N=C=Oを含み、及び
R7は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、及び
各-V’-は、-Vとヒドロキシル基又はアミノ基との反応から誘導される。
【0440】
本発明の一態様によれば、ウレタン/尿素含有ポリチオールは、式(4c)の構造を有するウレタン/尿素含有ポリチオール、式(4d)の構造を有する尿素含有ポリチオール又はその組合せを含み、
B{-V’-O-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-O-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4c)
B{-V’-NH-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-NH-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4d)
式中、
R1は、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル又は-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素又はメチルを含み、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-又は-N(-CH3)-を含み、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
を含み、
R2は独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、
各R5は独立して、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル又は置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイルを含み、
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、及び
各-Vは、イソシアナート基と反応性である末端基を含む部分であり、及び
各-V’-は、-Vとイソシアナート基と反応性である末端基との反応から誘導される。
【0441】
本発明の一態様によれば、ヒドロキシル含有ポリチオールは、式(5a)の構造を有するヒドロキシル含有ポリチオール、式(5b)の構造を有するヒドロキシル含有ポリチオール、式(5c)の構造を有するヒドロキシ含有ポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含み、
HS-R1-S-R4-S-R1-SH (5a)
B{-V’-S-R1-SH}z (5b)
SH-R1-S-CH2-CH(-OH)-R6-CH(-OH)-CH2-S-R1-SH (5c)
式中、
R1は、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル又は-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素及びメチルを含み、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-又は-N(-CH3)-を含み、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
を含み、
R4は、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル及び置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル又は置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルを含むことができ、ここでR4は少なくとも1つのヒドロキシル基を含み、
R6は、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル及び置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル又は置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルを含むことができ、
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、及び
各Vは、チオール基と反応性である末端基を含む部分であり、及び
各-V’-は、-Vとチオールの反応から誘導され、少なくとも1個の水酸基を含む。
【0442】
本発明の一態様によれば、2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーは、式(6a)の構造を有するウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、式(6b)の構造を有するウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含み、
CH2=CH-R2-O-C(=O)-NH-{-R5-NH-C(=O)-O-[-R6-O-]n-C(=O)-NH-}m-R5-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2 (6a)
CH2=CH-R2-NH-C(=O)-NH-{-R5-NH-C(=O)-O-[-R6-O-]n-C(=O)-NH-}m-R5-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2 (6b)
式中、
mは1~1~20の整数であり、
nは1~1~20の整数であり、
各R2は独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、
各R5は、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル又はC6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイルを含み、及び
各R6は独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含む。
【0443】
本発明の一態様によれば、ウレタン/尿素含有ポリアルケニル付加体は、式(8a)の構造を有するウレタン含有ポリアルケニル付加体、式(8b)の構造を有する尿素含有ポリアルケニル付加体又はその組合せを含み、
B{-R7-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2}z (8a)
B{-R7-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2}z (8b)
式中、
R2は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、
R7は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、及び
Bは、z価の多官能化剤B(-R7-N=C=O)zのコアを表し、式中、zは3~6の整数である。
【0444】
本発明の一態様によれば、ウレタン/尿素含有ポリアルケニル付加体は、式(8c)の構造を有するウレタン含有ポリアルケニル付加体、式(8d)の構造を有する尿素含有ポリアルケニル付加体又はその組合せを含み、
B{-V’-O-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2}z (8c)
B{-V’-NH-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2}z (8d)
式中、
R2は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、
R5は、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含み、及び
Bは、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、及び
各-Vは、イソシアナート基と反応性である末端基を含む部分を含み、及び
-V’-は、-Vとイソシアナート基との反応から誘導される部分である。
【0445】
態様1 ポリチオール及びポリアルケニルを含む組成物であって、前記ポリアルケニルがウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む、組成物。
【0446】
態様2 前記ポリチオールがウレタン含有ポリチオール、尿素含有ポリチオール、ウレタン基も尿素基も含有しないポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含む、態様1に記載の組成物。
【0447】
態様3 前記ポリチオールがジチオールを含む、態様1~2のいずれか一項に記載の組成物。
【0448】
態様4 前記ポリチオールがウレタン含有ジチオール、尿素含有ジチオール、ウレタン基も尿素基も含有しないジチオール又は上記のいずれかの組合せを含む、態様1~2のいずれか一項に記載の組成物。
【0449】
態様5 前記ポリチオールが3~6のチオール官能価を有するポリチオールを含む、態様1~2のいずれか一項に記載の組成物。
【0450】
態様6 前記ポリチオールが3~6のチオール官能価を有するウレタン含有ポリチオール、3~6のチオール官能価を有する尿素含有ポリチオール、ウレタン基も尿素基も含有しない、3~6のチオール官能価を有するポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含む、態様1に記載の組成物。
【0451】
態様7 前記ポリチオールがジチオール及び3~6のチオール官能価を有するポリチオールを含む、態様1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【0452】
態様8 前記ポリチオールが、ジチオールであって、ウレタン含有ジチオール、尿素含有ジチオール、ウレタン基も尿素基も含有しないジチオール又は上記の任意の組合せを含むジチオール及び3~6のチオール官能価を有するポリチオールであって、3~6のチオール官能価を有するウレタン含有ポリチオール、3~6のチオール官能価を有する尿素含有ポリチオール、ウレタン基も尿素基も含有しない、3~6のチオール官能価を有する、3~6の官能価を有するポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含む、3~6のチオール官能価を有するポリチオールを含む、態様7に記載の組成物。
【0453】
態様9 前記ポリチオールがヒドロキシル官能性ポリチオールを含む、態様1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【0454】
態様10 前記ポリチオールがヒドロキシル官能性ジチオール、3~6のチオール官能価を有するヒドロキシル官能性ポリチオール又はその組合せを含む、態様1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【0455】
態様11 前記ポリチオールが、式(5a)のヒドロキシル官能性ジチオール、式(5b)のヒドロキシル官能性ポリチオール又はその組合せを含み、
HS-R1-S-R4-S-R1-SH (5a)
B{-V’-S-R1-SH}z (5b)
式中、
R1が、C2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-又は-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
から選択され、
R4が、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル及び置換C6-20から選択され、ここでR4が少なくとも1個のヒドロキシル基を含み、
Bが、z価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zが3~6の整数であり、及び
各Vが、チオール基と反応性である末端基を含む部分であり、及び
各-V’-が、-Vとチオールとの反応から誘導され、少なくとも1個の水酸基を含む、
態様1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【0456】
態様12 R
1が-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-であり、及び
R
4が
【化36】
である、態様11に記載の組成物。
【0457】
態様13 前記ポリチオールがペンダントヒドロキシル基を有さないジチオール及びヒドロキシル官能性ジチオールを含み、並びに前記組成物が前記ヒドロキシル官能性ジチオール1当量に対して前記ジチオール2当量~6当量を含む、態様1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【0458】
態様14 前記ポリチオールがペンダントヒドロキシル基を有さないジチオール及びヒドロキシル官能性ジチオールを含み、並びに前記ポリアルケニルが2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び3~6のアルケニル官能価を有するポリアルケニルを含み、並びに前記組成物が前記3~6のアルケニル官能価を有するポリアルケニル1当量に対して前記2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー2当量~6当量を含む、態様1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【0459】
態様15 前記組成物がヒドロキシル官能性ジチオール1当量に対してペンダントヒドロキシル基を有さないジチオール2当量~6当量を含み、並びに前記組成物が前記3~6のアルケニル官能価を有するポリアルケニル1当量に対して前記2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー2当量~6当量を含む、態様14に記載の組成物。
【0460】
態様16 前記ポリアルケニルが2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む、態様1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【0461】
態様17 前記ポリアルケニルが3~6のアルケニル官能価を有するウレタン含有ポリアルケニル、3~6のアルケニル官能価を有する尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含む、態様1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【0462】
態様18 前記ポリアルケニルが2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、3~6のアルケニル官能価を有するウレタン含有ポリアルケニル、3~6のアルケニル官能価を有する尿素含有ポリアルケニル又は上記のいずれかの組合せを含む、態様1~17のいずれか一項に記載の組成物。
【0463】
態様19 前記ポリチオール及び前記ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーがそれぞれ800ダルトン~3,000ダルトンの分子量を特徴とする、態様1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【0464】
態様20 前記ポリアルケニルが2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む2官能性ポリアルケニルプレポリマー及び3官能性ウレタン含有ポリアルケニル、3官能性尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含む3官能性ポリアルケニルを含む、態様1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【0465】
態様21 前記組成物が前記3官能性ポリアルケニル1当量に対して前記2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー2当量~6当量を含む、態様20に記載の組成物。
【0466】
態様22 前記ポリアルケニルが2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む2官能性ポリアルケニルプレポリマー及び4官能性ウレタン含有ポリアルケニル、4官能性尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含む4官能性ポリアルケニルを含み、前記組成物が前記4官能性ポリアルケニル末端1当量に対して前記2官能性ウレタン/尿素含有アルケニル末端プレポリマー2当量~6当量を含む、態様1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【0467】
態様23 前記ポリアルケニルが式(6a)の2官能性ウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、式(6b)の2官能性尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含み、
CH2=CH-R2-O-C(=O)-NH-{-R5-NH-C(=O)-O-[-R6-O-]n-C(=O)-NH-}m-R5-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2 (6a)
CH2=CH-R2-NH-C(=O)-NH-{-R5-NH-C(=O)-O-[-R6-O-]n-C(=O)-NH-}m-R5-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2 (6b)
式中、
mが1~20の整数であり、
nが1~20の整数であり、
各R2が独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R5が独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C5-12シクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C6-20アレーンジイル、C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル、C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル、C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、置換C6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、並びに
各R6が独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル又は置換C2-10ヘテロアルカンジイルを含む、
態様1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【0468】
態様24 nが1~5の整数であり、
mが1~5の整数であり、
R
2が-(CH
2)
4-O-(CH
2)
2-であり、
R
5が
【化37】
であり、及び
R
6が-(CH
2)
4-O-、-[-(CH
2)
4-]
0.6-[-CH
2-CH(-CH
2-CH
3]
0.2-[-(CH
2)
4-]
0.2-及び-(CH
2)
5-CH(-OH)-である、
態様23の組成物。
【0469】
態様25 ポリチオールが式(2a)のジチオール、式(2b)のジチオール又はその組合せを含み、
HS-R1-S-[-(CH2)2-R2-O-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-O-R2-(CH2)2-S-R1-S-]n-H (2a)
HS-R1-S-[-(CH2)2-R2-NH-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-NH-R2-(CH2)2-S-R1-S-]n-H (2b)
式中、
nが1~20の整数であり、
R1がC2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
から選択され、
各R2が独立して、C3-10アルカンジイル、置換C3-10アルカンジイル、C3-10ヘテロアルカンジイル及び置換C3-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R5が独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C5-12シクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C6-20アレーンジイル、C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル、C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル、C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、置換C6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択される、
態様1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【0470】
態様26 nが1~5の整数であり、
R
1が-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-O-(CH
2)
2-であり、
R
2が-(CH
2)
4-O-(CH
2)
2-であり、並びに
R
5が
【化38】
【化39】
【化40】
及び
【化41】
から選択される、態様25のシーラント組成物。
【0471】
態様27 ポリアルケニルが式(8a)のウレタン含有ポリアルケニル、式(8b)の尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含み、
B{-R7-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2}z (8a)
B{-R7-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2}z (8b)
式中、
R2がC2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
R7がC2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、並びに
Bがz価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、並びに
各-Vが-R7-N=C=Oを含む、
態様1~26のいずれか一項に記載の組成物。
【0472】
態様28 zが3であり、
R
2が-(CH
2)
4-O-であり、
R
7が-(CH
2)
6-であり、及び
Bが
【化42】
である、態様27に記載の組成物。
【0473】
態様29 ポリチオールが、式(4a)のウレタン含有ポリチオール、式(4b)の尿素含有ポリチオール又はその組合せを含み、
B{-R7-NH-C(=O)-O-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4a)
B{-R7-NH-C(=O)-NH-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4b)
式中、
R1がC2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
から選択され、
R2が独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
R7がC2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、並びに
Bがz価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zが3~6の整数であり、並びに
各-Vが-R7-N=C=Oを含む、
態様1~28のいずれか一項に記載の組成物。
【0474】
態様30 ポリチオールが、式(1a)のジチオール、式(1b)のポリチオール、又はその組合せを含み、
HS-R1-SH (1a)
B{-V’-S-R1-SH}z (1b)
式中、
R1がC2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
から選択され、
Bがz価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zが3~6の整数であり、並びに
各-Vがチオール基と反応性である末端基を含む部分であり、並びに
各-V’-が-Vとチオールとの反応から誘導される、
態様1~29のいずれか一項に記載の組成物。
【0475】
態様31 R1が-(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-である、態様30に記載の組成物。
【0476】
態様32 前記ポリチオールがトリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオナート)(TMPMP)、ペンタエリスリトールテトラ(3-メルカプトプロピオナート)(PETMP)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-メルカプトプロピオナート)、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオナート)、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオナート)、トリス[02-(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌラート(TEMPIC)又は上記のいずれかの組合せを含む、態様1~31のいずれか1つの組成物。
【0477】
態様33 前記組成物が35重量%~75重量%のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーを含み、ここで重量%が前記組成物の総重量に基づく、態様1~32のいずれか一項に記載の組成物。
【0478】
態様34 前記組成物が5重量%~25重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオールを含み、重量%が前記組成物の総重量に基づく、態様1~33のいずれか一項に記載の組成物。
【0479】
態様35 前記組成物が0.5重量%~4重量%の無機充填剤を含み、重量%が前記組成物の総重量に基づく、態様1~34のいずれか一項に記載の組成物。
【0480】
態様36 前記組成物が15重量%~35重量%の溶媒を含み、重量%が前記組成物の総重量に基づく、態様1~35のいずれか一項に記載の組成物。
【0481】
態様37 前記組成物が35重量%~75重量%のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー及び5重量%~25重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオールを含む、態様1~36のいずれか一項に記載の組成物。
【0482】
態様38 前記組成物が45重量%~85重量%のウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー、10重量%~30重量%のウレタン基も尿素基も含まないポリチオール及び4重量%~14重量%の溶媒を含み、重量%が前記組成物の総重量に基づく、態様1~37のいずれか一項に記載の組成物。
【0483】
態様39 前記組成物が顔料を含む、態様1~38のいずれか一項に記載の組成物。
【0484】
態様40 前記組成物がUV光開始剤を含む、態様1~39のいずれか一項に記載の組成物。
【0485】
態様41 シーラントとして配合された、態様1~40のいずれか一項に記載の組成物。
【0486】
態様42 前記組成物がスプレー可能である、態様41に記載の組成物。
【0487】
態様43 前記組成物が、Brookfield CAP 2000粘度計を使用して、スピンドル#6を使用した、300rpmの速度及び25℃の温度における10ポアズ~200ポアズ(10Pa-sec~20Pa-sec)の粘度を有する、態様41~42のいずれか一項に記載の組成物。
【0488】
態様44 前記組成物が40重量%未満の揮発性有機物含有量を有し、重量%が前記組成物の総重量に基づく、態様1~43のいずれか1項に記載の組成物。
【0489】
態様45 態様41~44のいずれか一項に記載の組成物から調製された硬化組成物。
【0490】
態様46 前記硬化組成物が以下の:少なくとも9lbfの最小荷重、最大荷重における少なくとも700psiの引張応力、最大負荷における少なくとも600%の引張歪み、少なくともショア35Aの硬度のうちの1つ以上を示し、前記荷重、引張応力及び引張歪みがASTM D412に従って求められ、前記硬度はASTM D2240に従って求められる、態様45に記載の硬化組成物。
【0491】
態様47 前記硬化組成物が光学的に透明である、態様45~46のいずれか一項に記載の硬化組成物。
【0492】
態様48 部品を封止する方法であって、態様41~45のいずれか一項に記載の組成物を部品の表面に塗布すること、前記塗布された組成物を紫外線に露光させること、及び前記照射された組成物を硬化させて部品を封止することを含む、方法。
【0493】
態様49 前記組成物を塗布することが、前記部品の表面に前記組成物をスプレーすることを含む、態様48に記載の方法。
【0494】
態様50 態様45~47のいずれか一項に記載の硬化組成物を含む部品。
【0495】
態様51 前記部品が開口部、表面、接合部、フィレット、フェイ表面又はファスナを含む、態様50に記載の部品。
【0496】
態様52 前記部品が航空宇宙機の表面を含む、態様50~51のいずれか一項に記載の部品。
【0497】
態様53 2官能性ポリチオールであって、式(2a)のウレタン含有ジチオール、式(2b)の尿素含有ジチオール又はその組合せを含み、
HS-R1-S-[-(CH2)2-R2-O-C(=O)-NH-R5-NH-(CH2)2-C(=O)-O-R2-S-R1-S-]n-H (2a)
HS-R1-S-[-(CH2)2-R2-NH-C(=O)-NH-R5-NH-(CH2)2-C(=O)-NH-R2-S-R1-S-]n-H (2b)
式中、
nが1~20の整数であり、
R1がC2-10アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して、水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である。)
から選択され、
各R2が独立して、C3-10アルカンジイル、置換C3-10アルカンジイル、C3-10ヘテロアルカンジイル及び置換C3-10ヘテロアルカンジイルから選択され、並びに
各R5が独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C5-12シクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C6-20アレーンジイル、C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル、C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル、C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、置換C6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択される、2官能性ポリチオール。
【0498】
態様54 ウレタン/尿素含有ポリチオールであって、式(4a)のウレタン含有ポリチオール、式(4b)の尿素含有ポリチオール又はその組合せを含み、
B{-R7-NH-C(=O)-O-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4a)
B{-R7-NH-C(=O)-NH-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4b)
式中、
R1がC2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して、水素及びメチルから選択され、
各Xは、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である)
から選択され、
R2が独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
Bがz価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zが3~6の整数であり、
各-Vが-R7-N=C=Oを含み、並びに
R7がC2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、並びに
各-V’-が-Vとヒドロキシル基又はアミノ基との反応から誘導される、ウレタン/尿素含有ポリチオール。
【0499】
態様55 ウレタン/尿素含有ポリチオールであって、式(4c)のウレタン含有ポリチオール、式(4d)の尿素含有ポリチオール又はその組合せを含むことができ、
B{-V’-O-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-O-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4c)
B{-V’-NH-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-NH-R2-(CH2)2-S-R1-SH}z (4d)
式中、
R1がC2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して、水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH-及び-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である)
から選択され、
R2が独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R5が独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C5-12シクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C6-20アレーンジイル、C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル、C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル、C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、置換C6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、
Bがz価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、並びに
各-Vがイソシアナート基と反応性である末端基を含む部分であり、並びに
各-V’-が-Vとイソシアナート基と反応性である末端基との反応から誘導される、ウレタン/尿素含有ポリチオール。
【0500】
態様56 ヒドロキシル官能性ポリチオールであって、式(5a)のヒドロキシル官能性ポリチオール5、式(5b)のヒドロキシル官能性ポリチオール5、式(5c)のヒドロキシル官能性ポリチオール又は上記のいずれかの組合せを含み、
HS-R1-S-R4-S-R1-SH (5a)
B{-V’-S-R1-SH}z (5b)
SH-R1-S-CH2-CH(-OH)-R6-CH(-OH)-CH2-S-R1-SH (5c)
式中、
R1がC2-6アルカンジイル、C6-8シクロアルカンジイル、C6-10アルカンシクロアルカンジイル、C5-8ヘテロシクロアルカンジイル及び-[-(CHR3)p-X-]q-(CHR3)r-
(式中、
各R3は独立して、水素及びメチルから選択され、
各Xは独立して、-O-、-S-、-NH、及び-N(-CH3)-から選択され、
pは2~6の整数であり、
qは1~5の整数であり、並びに
rは2~10の整数である)
から選択され、
R4が置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル及び置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル(式中、R4は少なくとも1個のペンダントヒドロキシル基を含む)から選択され、
R6がC2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C5-12シクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C6-20アレーンジイル、C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル、C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル及びC7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、
Bがz価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zは3~6の整数であり、
各Vがチオール基と反応性である末端基を含む部分であり、
各-V’-が-Vとチオールとの反応から誘導され、少なくとも1個の水酸基を含む、ヒドロキシル官能性ポリチオール。
【0501】
態様57 2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマーであって、式(6a)のウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、式(6b)のウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含み、
CH2=CH-R2-O-C(=O)-NH-{-R5-NH-C(=O)-O-[-R7-O-]n-C(=O)-NH-}m-R5-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2 (6a)
CH2=CH-R2-NH-C(=O)-NH-{-R5-NH-C(=O)-O-[-R7-O-]n-C(=O)-NH-}m-R5-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2 (6b)
式中、
mが1~20の整数であり、
nが1~20の整数であり、
各R2が独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R5が独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C5-12シクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C6-20アレーンジイル、C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル、C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル、C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、置換C6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、並びに
各R7が独立して、C2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択される、
2官能性ウレタン/尿素含有ポリアルケニルプレポリマー。
【0502】
態様58 ウレタン/尿素含有ポリアルケニル付加体であって、式(8a)のウレタン含有ポリアルケニル付加体、式(8b)の尿素含有ポリアルケニル付加体又はその組合せを含み、
B{-R7-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2}z (8a)
B{-R7-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2}z (8b)
式中、
R2がC2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
R7がC2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、並びに
Bがz価の多官能化剤B(-R7-N=C=O)zのコアを表し、式中、zが3~6の整数である、ウレタン/尿素含有ポリアルケニル付加体。
【0503】
態様59 ウレタン/尿素含有ポリアルケニルであって、式(8c)のウレタン含有ポリアルケニル、式(8d)の尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含み、
B{-V’-O-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2}z (8c)
B{-V’-NH-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2}z (8d)
式中、
R2がC2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R5が独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C5-12シクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C6-20アレーンジイル、C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル、C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル、C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、置換C6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、
Bがz価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zが3~6の整数であり、並びに
各-Vがイソシアナート基と反応性である末端基を含む部分を含み、並びに
-V’-が-Vとイソシアナート基との反応から誘導される部分である、ウレタン/尿素含有ポリアルケニル。
【0504】
態様60 ウレタン/尿素含有ポリアルケニルであって、式(8c)のウレタン含有ポリアルケニル、式(8d)の尿素含有ポリアルケニル又はその組合せを含み、
B{-V’-O-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-O-R2-CH=CH2}z (8c)
B{-V’-NH-C(=O)-NH-R5-NH-C(=O)-NH-R2-CH=CH2}z (8d)
式中、
R2がC2-10アルカンジイル、置換C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル及び置換C2-10ヘテロアルカンジイルから選択され、
各R5が独立して、C2-10アルカンジイル、C2-10ヘテロアルカンジイル、C5-12シクロアルカンジイル、C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、C6-20アレーンジイル、C5-20ヘテロアレーンジイル、C6-20アルカンシクロアルカンジイル、C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、C7-20アルカンアレーンジイル、C7-20ヘテロアルカンアレーンジイル、置換C2-10アルカンジイル、置換C2-10ヘテロアルカンジイル、置換C5-12シクロアルカンジイル、置換C5-12ヘテロシクロアルカンジイル、置換C6-20アレーンジイル、置換C5-20ヘテロアレーンジイル、置換C6-20アルカンシクロアルカンジイル、置換C6-20ヘテロアルカンシクロアルカンジイル、置換C7-20アルカンアレーンジイル及び置換C7-20ヘテロアルカンアレーンジイルから選択され、
Bがz価の多官能化剤B(-V)zのコアを表し、式中、
zが3~6の整数であり、並びに
各-Vがイソシアナート基と反応性である末端基を含む部分を含み、並びに
-V’-が-Vとイソシアナート基との反応から誘導される部分である、ウレタン/尿素含有ポリアルケニル。
【0505】
態様61 シーラント系であって、第1部分であって、ポリチオールを含む第1部分及び第2部分であって、ポリアルケニルを含み、ポリアルケニルがウレタン含有ポリアルケニルプレポリマー、尿素含有ポリアルケニルプレポリマー又はその組合せを含む第2部分を含む、シーラント系。
【0506】
態様62 前記ポリアルケニルが態様2~32のいずれか一項に記載のポリアルケニルを含む、態様61に記載のシーラント系。
【0507】
態様63 前記ポリチオールが態様2~32のいずれか一項に記載のポリチオールを含む、態様61~62のいずれか一項に記載のシーラント系。
【0508】
態様64 前記第1部分が50重量%~90重量%のポリチオールを含み、及び前記第2部分が76重量%~96重量%のポリアルケニルを含む、態様61~63のいずれか一項に記載のシーラント系。
【0509】
態様65 前記第1部分、前記第2部分及び溶媒の組合せを含む、態様61~64のいずれか一項に記載のシーラント系。
【0510】
態様66 部品を封止する方法であって、請求項61~64のいずれか一項に記載のシーラント系の第1部分と、請求項61~64のいずれか一項に記載のシーラント系の第2部分とを組み合わせてシーラント組成物を提供すること、前記シーラント組成物を部品の表面に塗布すること、塗布された組成物を化学線に露光させること、及び前記照射された組成物を硬化させて前記部品を封止することを含む、方法。
【0511】
最後に、本明細書に開示した実施形態を実施する代替の方法があることに留意すべきである。したがって、本実施形態は例示的であり、限定的ではないと考えるべきである。さらに、特許請求の範囲は、本明細書に与えた詳細に限定されるものではなく、その範囲全体及びその等価物に権利が与えられる。