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<図1-1>
  • -リラグルチドの合成 図1-1
  • -リラグルチドの合成 図1-2
  • -リラグルチドの合成 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】リラグルチドの合成
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/575 20060101AFI20230104BHJP
   C07K 1/06 20060101ALI20230104BHJP
   C07K 1/10 20060101ALI20230104BHJP
【FI】
C07K14/575 ZNA
C07K1/06
C07K1/10
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019531170
(86)(22)【出願日】2017-12-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 IB2017057763
(87)【国際公開番号】W WO2018104922
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】201641042252
(32)【優先日】2016-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】506292941
【氏名又は名称】バイオコン・リミテッド
【住所又は居所原語表記】20th KM,Hosur Road,Electronic City,Karnataka Bangalore 560 100,India
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ガンガ,ラム,ヴァサンサクマ―
(72)【発明者】
【氏名】パティル,ニティン
(72)【発明者】
【氏名】チャーユル,パレ ヴェンカタ,ラガヴェンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスミン,カステリーノ,ルーパ
(72)【発明者】
【氏名】マカニ,ランバブ
(72)【発明者】
【氏名】スヴァルナ,ディーパ,シャンカー
【審査官】木原 啓一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/199397(WO,A2)
【文献】中国特許出願公開第103087181(CN,A)
【文献】国際公開第2016/059609(WO,A1)
【文献】Int. J. Peptide Protein Res.,1992年,Vol. 39,pp. 237-244
【文献】Org. Lett.,1999年,Vol. 1,pp. 91-93
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リラグルチドの調製のためのプロセスであって、
a)カップリング剤の存在下での、C末端グリシンのレジン固相担体へのローディング、
b)未反応の官能部位のキャッピング、
c)カップリング剤および無機塩の存在下での、リラグルチドの主鎖を調製するための、Nα-および側鎖が保護されたアミノ酸の逐次カップリング、
d)リジンの側鎖保護基を脱保護すること、
e)カップリング剤および無機塩の存在下での、グルタミン酸およびパルミチン酸のリジンの側鎖へのカップリング、
f)粗リラグルチドが、保護基の除去およびレジンからのペプチドの切断によって得ること、
というステップを含み、
ここで、当該プロセスは、室温より高温でのアミノ酸9~13のカップリングを含み、
ここで、無機塩は、触媒量で存在し、塩化マグネシウム、塩化亜鉛または塩化銅からなる群から選択され、
ここで、ステップc)は、DMF中のピペリジンまたはピペリジン/DBU/DMF混合物を使用するロードされた各アミノ酸のFmoc基の脱保を含み、ここで各Fmoc脱保護ステップの後の、DMF中のHOBtを使用する洗浄ステップおよびリジンのメチルトリチル保護基の脱保護が存在する、
前記プロセス
【請求項2】
リラグルチドの調製のためのプロセスであって、
a)カップリング剤の存在下での、Nα-Fmoc-保護グリシン(Fmoc-Gly-OH)のレジン固相担体へのカップリング、
b)カップリング剤および無機塩の存在下での、リラグルチドの主鎖を調製するための、Nα-および側鎖が保護されたアミノ酸の逐次カップリング、
c)リジンの側鎖保護基脱保護すること、
d)カップリング剤および無機塩の存在下での、パルミトイル-グルタミン酸(Pal-Glu-OtBu)側鎖のリジンの側鎖へのカップリング、
e)粗リラグルチドが、保護基の除去およびレジンからのペプチドの切断によって得られること、
というステップを含み、
ここで、当該プロセスは、室温より高温でのアミノ酸9~13のカップリングを含み、
ここで、無機塩は、触媒量で存在し、塩化マグネシウム、塩化亜鉛または塩化銅からなる群から選択され、
ここで、ステップc)は、DMF中のピペリジンまたはピペリジン/DBU/DMF混合物を使用するロードされた各アミノ酸のFmoc基の脱保を含み、ここで各Fmoc脱保護ステップの後の、DMF中のHOBtを使用する洗浄ステップおよびリジンのメチルトリチル保護基の脱保護が存在する、
前記プロセス。
【請求項3】
HBTU、COMU、DEPBT、DICまたはこれらのいずれかの組み合わせから選択されるカップリング剤を伴う、請求項1に記載のリラグルチドの調製のためのプロセス。
【請求項4】
oxymapure、HOBtまたはこれらのいずれかの組み合わせから選択されるカップリング添加剤を伴う、請求項1に記載のリラグルチドの調製のためのプロセス。
【請求項5】
HBTU-oxyma pure、COMU-oxyma pure、DEPBT-oxyma pureまたはDIC-oxyma pureから選択されるカップリング剤混合物を使用するBoc-ヒスチジンのカップリングを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
Boc-ヒスチジンのカップリングが、DEPBT-oxyma pureを使用する、請求項5に記載のリラグルチドの調製のためのプロセス。
【請求項7】
HFIP/TES/TFE/MDC混合物を使用する、リジンのメチルトリチル保護基の脱保護を含む、請求項1または2に記載のリラグルチドの調製のためのプロセス。
【請求項8】
粗リラグルチドを精製することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
未反応の官能部位のキャッピングが、無水酢酸および有機塩基を使用して行われ、グルタミン酸およびパルミチン酸のリジンの側鎖へのカップリングが逐次的に行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
粗リラグルチドを精製することをさらに含む、請求項2に記載のプロセス。
【請求項11】
リジンの側鎖保護基の脱保護が、ジクロロメタン中のTFAを使用する、リジンの側鎖メチルトリチル保護基の脱保護を含み、続いて、HBTU、COMU、DEPBT、およびDICから選択されるカップリング剤、oxymapureおよびHOBtから選択される添加剤、またはこれらのカップリング剤/添加剤の組み合わせ、および無機塩の存在下での、パルミトイル-グルタミン酸(Pal-Glu-OtBu)側鎖のリジンの脱保護された側鎖へのカップリングを含む、請求項2に記載のプロセス。
【請求項12】
リジンの側鎖メチルトリチル保護基の脱保護が、HFIP/TES/TFE/MDC混合物を使用する、および/または保護されたグルタミン酸およびパルミチン酸のカップリングが、カップリング剤および無機塩の存在下で、リジンの側鎖への逐次的に行われる、
請求項2に記載のプロセス。
【請求項13】
触媒量が0.01~0.1当量の範囲である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
触媒量が0.01~0.1当量の範囲である、請求項2に記載のプロセス。
【請求項15】
室温より高温が、30~45の範囲である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
室温より高温が、30~45の範囲である、請求項2に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野
本発明は、式Iによって表されるリラグルチドの効率的な固相合成に関する。
【化1】
リラグルチド(VICTOZA(登録商標))は、2型糖尿病の成人において血糖コントロールを改善するための食事および運動の補助として適応されているグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体アゴニストである。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
リラグルチドは、天然のヒトグルカゴン様ペプチド1(GLP-1(7-37))の長時間作用型類似体であるが、34位のリジンはアルギニンで置き換えられ、パルミトイル基はグルタモイルスペーサーを介して26位のリジンへ付着されている。
Novo Nordiskによって開発されたリラグルチド(VICTOZAR)は、皮下注射剤として2010年に米国で最初の承認を得た。
【0003】
米国特許第6,268,343号は、リラグルチドおよびその調製プロセスを開示している。ここで組み換え技術は、Arg34-GLP-1(7-37)-OHを調製し、続いてNα-ヘキサデカノイル-Glu(ONSu)-OtBuと反応させることに関与する。
US 7,273,921 B2およびUS 6,451,974 B1は、リラグルチドを得るためのArg34-GLP-1(7-37)-OHのアシル化プロセスを開示している。
【0004】
US 9,260,474 B2は、a)リラグルチドのペプチド主鎖の配列に基づくN末端保護および側鎖保護をもつアミノ酸の逐次カップリング、ここでFmoc-Lys(Alloc)-OHがリジンに採用される;
b)リジンの側鎖上のAllocの脱保護;
c)パルミトイル-Glu-OtBuのカップリング、またはグルタミン酸と塩化パルミトイルのリジン側鎖への逐次カップリング;
d)粗リラグルチドを得るための保護基の除去およびレジンの切断
を含むことを特徴とする、リラグルチドの固相合成を開示する。
【0005】
WO 2014/199397 A2は、逐次カップリングアプローチおよびフラグメントアプローチを使用するリラグルチドの固相合成を開示しており、ここでFmoc-Lys(dde)-OHがリジンに採用されている。
WO 2016/059609 A1は、リラグルチドを得るための銅剤を使用するArg34-GLP-1(7-37)-OHのアシル化のためのプロセスを開示している。
【0006】
リラグルチドを調製するための先行のプロセスは欠点を有する。当該方法は、複雑な技術および高コストに起因してリラグルチドの大量生産に好適ではない;Allocが、リジン側鎖保護基として採用されるプロセスにおいて、Allocの脱保護は、Pd(PPhなどのむしろ高価な金属触媒を必要とする。さらに、触媒は感湿性であり、反応は制御された条件で行われなければならず、最終製品中の重金属含有量は考慮されるべきである。ゆえに、当該プロセスは商業的に実行可能ではないか、または実行上の問題(execution problems)が根強く残る。
【0007】
固相合成の間、採用された条件でペプチドが凝集しやすいという揺るぎない傾向があることが観察される。これは以下の理由による。
a)成長しているペプチド配列は、β-シート種の構造を形成しやすいが、これによってペプチジルレジンの崩壊がもたらされること、および
b)折り畳まれるペプチド鎖を引き起こす疎水性アミノ酸が存在する。
かかる条件下では、ペプチジルレジン中への試薬の分散が制限され、カップリングおよび脱保護の反応が鈍くかつ不完全であろう。そしてこれによって、精製の困難性に繋がりおよび低収率をもたらすペプチド不純物が生成される。ゆえに、度重なる煩わしく冗長な精製ステップを回避することによって、高収率で、拡張可能で、コスト効率が高く、環境に優しく、商業的に実行可能である、リラグルチドの調製のための効率的なプロセスを提供するニーズが依然としてある。
【0008】
本発明の目的
本発明の目的は、無機塩、新規かつ効率的なカップリング条件を活用して式Iで表されるリラグルチドの調製のための簡便で、堅固なおよび商業的に実行可能な逐次プロセスを開発することである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面の簡単な記載
図1-1】本発明に従うリラグルチド(式I)の固相合成のためのプロセスのフローチャート。
図1-2】本発明に従うリラグルチド(式I)の固相合成のためのプロセスのフローチャート。
図2図2は、リラグルチドのHPLCクロマトグラムを説明する。
【発明の概要】
【0010】
本発明の概要
本発明の態様は、以下のステップを含むリラグルチドの調製のための合成プロセスを伴う:
a)カップリング剤の存在下での、C末端グリジンのレジン固相担体へのローディング。
b)カップリング剤および無機塩の存在下での、リラグルチドの主鎖を調製するための、Nα-および側鎖が保護されたアミノ酸の逐次カップリング。
c)リジンの側鎖保護基の脱保護。
d)カップリング剤および無機塩の存在下での、リジンの側鎖へのγ-グルタミン酸およびパルミチン酸の逐次的なカップリング。
e)粗リラグルチドが、保護基の除去およびレジンからのペプチドの切断によって得られること。
f)粗リラグルチドの精製。
当該プロセスの概略図を図1に示す。
【0011】
採用されるアプローチは、逐次アプローチによるリラグルチドの固相ペプチド合成であり、カップリング中、通常のカップリング剤および添加剤と共に無機塩を伴う。当該方法は、カップリングおよび脱保護反応の完了ならびにラセミ化の低減を供給し、これによって、標的分子に極めて近い異性体不純物を抑制し、同様にペプチドの精製ステップを軽減する。
本発明をさらに改善するために、該ステップa)において、ワングレジン(wang resin)がレジン固相担体として採用され、DICをカップリング剤としておよびMDCを溶媒として使用してFmoc-Gly-OHへカップリングさせる。
【0012】
2-クロロトリチルレジン(CTC)の固相担体としての使用は制限されていた。なぜなら、カップリングは鈍く、15アミノ酸配列の後には完成することがなく(not going for completion)、CTCレジンへ付着されたペプチドは不安定であり、カップリング/洗浄サイクル中に採用される穏やかな酸性条件において浸出しやすいからであった。リラグルチドの合成はマルチステップを伴うので、各ステージにて部分的な浸出が起こり、全体の収率の低下に繋がる。
【0013】
本発明をさらに改善するために、該ステップb)において、以下のステップを含む:
B1)H-Gly-レジンを入手するためのピペリジン/DMFまたはピペリジン、DBU、DMF混合物を使用するFmoc-Gly-レジンからのFmoc保護基の脱保護。
B2)ロードされたレジンを洗浄すること。
B3)カップリング剤、カップリング添加剤、無機塩および塩基の存在下での、Fmoc-Arg(Pbf)-OHのH-Gly-レジンへのカップリング。
B4)ステップB1、B2およびB3を繰り返すことによって、リラグルチド主鎖が合成されること、ここでステップB3において、保護されたアミノ酸は、リラグルチド主鎖を入手するために逐次的にカップリングされる。
本発明をさらに改善するために、該ステップb)およびd)において、カップリング剤は、HBTU、COMU、DEPBTまたはDICからなる群から選択された。
【0014】
カップリング添加剤は、oxyma pureまたはHOBtからなる群から選択され、塩基は、DIPEA、NMMまたはTMPから選択され、無機塩は、塩化マグネシウム、塩化亜鉛または塩化銅からなる群から選択された。
ステップB2)において述べられたとおり、ロードされたレジンは、DMFまたはイソプロパノール中0.01~0.1MのHOBtで洗浄された。
【0015】
本発明をさらに改善するために、ステップb)において述べられたとおり、Mttがリジンの保護基として使用され、ステップc)において述べられたとおり、保護基Mttがリジンの側鎖からTFA/MDCまたはHFIP/TES/TFE/MDCを使用することによって除去された。
【0016】
本発明をさらに改善するために、該ステップd)において、パルミトイル-グルタミン酸(Pal-Glu)側鎖が、HBTU、COMU、DEPBTまたはDICからなる群から選択されるカップリング剤;oxyma pureまたはHOBtからなる群から選択されるカップリング添加剤;DIPEA、NMMまたはTMPから選択される塩基;および塩化マグネシウム、塩化亜鉛または塩化銅からなる群から選択される無機塩の存在下でカップリングさせられた。
【0017】
本発明の別の態様は、以下のステップを含むリラグルチドの調製のための合成プロセスを伴う:
a)カップリング剤の存在下での、Nα-Fmoc-保護グリジン(Fmoc-Gly-OH)のレジン固相担体へのカップリング。
b)カップリング剤および無機塩の存在下での、リラグルチドの主鎖を調製するための、Nα-および側鎖が保護されたアミノ酸の逐次カップリング。
c)リジンの側鎖保護基の脱保護。
d)カップリング剤および無機塩の存在下での、パルミトイル-グルタミン酸(Pal-Glu)側鎖のリジン側鎖へのカップリング。
e)粗リラグルチドが、保護基の除去およびレジンからのペプチドの切断によって得られること。
f)粗リラグルチドの精製。
【0018】
本発明をさらに改善するために、該ステップd)において、パルミトイル-グルタミン酸(Pal-Glu)側鎖が、HBTU、COMU、DEPBTまたはDICからなる群から選択されるカップリング剤;oxyma pureまたはHOBtからなる群から選択されるカップリング添加剤;DIPEA、NMMまたはTMPから選択される塩基;および塩化マグネシウム、塩化亜鉛または塩化銅からなる群から選択される無機塩の存在下でカップリングさせられた。
【0019】
本発明の更なる別の態様は、以下のステップを含むリラグルチドの調製のための合成プロセスを伴う:
i)カップリング剤の存在下での、Nα-Fmoc-保護グリシン(Fmoc-Gly-OH)のレジン固相担体へのカップリング。
ii)カップリング剤および無機塩の存在下での、リラグルチドの主鎖を調製するための、Nα-および側鎖が保護されたアミノ酸の逐次カップリング。
iii)DMF中のピペリジンまたはピペリジン/DBU/DMF混合物を使用する、ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護。
iv)各Fmoc脱保護ステップの後の、DMF中のHOBtを使用する洗浄ステップ。
v)リジンの側鎖保護基の脱保護。
vi)カップリング剤および無機塩の存在下での、パルミトイル-グルタミン酸(Pal-Glu)側鎖のリジン側鎖へのカップリング。
vii)粗リラグルチドが、保護基の除去およびレジンからのペプチドの切断によって得られること。粗リラグルチドの精製。
【0020】
さらに、上の態様への改善として、9~13の番号が付されたアミノ酸[すなわち、Fmoc-Glu(OtBu)9、Fmoc-Gly10、Fmoc-Thr(tBu)11、Fmoc-Phe12、Fmoc-Thr(tBu)13]が、およそ30~45℃の高温にてカップリングされることで、リラグルチド主鎖が形成される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の詳細な記載
本発明は、固相アプローチを採用する逐次カップリングによるリラグルチドの調製のための効率的なプロセスに関する。これは、リラグルチドの主鎖を調製するための、保護されたアミノ酸の逐次カップリングを伴い、および線状配列の完成の際に、合成が、γ-グルタミン酸およびパルミチン酸を加えることによって、リジン側鎖から延長され、保護基の除去、固体担体からのペプチドの切断、および得られた粗リラグルチドの精製が続いた。本発明はまた、カップリングの間の無機塩の利用も伴い、ペプチドの凝集を抑えかつ反応を確実にするためのFmoc脱保護ステップ後のDMF溶液中HOBtを用いる洗浄によって完成し、よって欠失配列が避けられ、プロセスの収率が改善される。
【0022】
略語:
ACN:アセトニトリル
Boc:tert-ブチルオキシカルボニル
COMU:1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルフォリノ-ヘキサフルオロホスファート
CuCl:塩化銅
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DEPBT:3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン
DIC:N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド
DMAP:ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N’-ジメチルホルムアミド
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
Fmoc:9-フルオレニルメトキシカルボニル
HBTU:O-ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
HOBt:N-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HFIP:1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール
Mtt:メチルトリチル
MeOH:メタノール
MgCl:塩化マグネシウム
NMM:N-メチルモルホリン
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
TES:トリエチルシラン
TFE:トリフルオロエタノール
TFA:トリフルオロ酢酸
Pbf:2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン
Pd(PPh:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
RT:室温
Bu:tert-ブチル
TIS:トリイソプロピルシラン
Trt:トリチル
TMP:2,4,6-トリメチルピリジン
ZnCl:塩化亜鉛
本発明は以下の例に代表される。これらの例は説明のためだけのものであり、ゆえに本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0023】
例1:MgClを使用するリラグルチドの合成
ステージ1:Fmoc-Gly37-ワングレジンの合成
ワングレジン(0.3~0.6mmol/g、ローディング容量)をペプチド合成容器にロードし、10vのMDCで2度洗浄し、その洗浄した液をデカントし、10vのMDCを添加し、1時間膨潤させ続けた。Fmoc-Gly-OH(3.0~5.0当量)をMDCに溶解し、最小量のDMFを加えて透明な溶液を得て、混合物を反応容器に移した。反応容器にDIPC(3.0~6.0当量)、続いてDMAP(0.01~0.1当量)を加え、rtにて1.0~3.0時間撹拌した。反応塊を排出し、アミノ酸がロードされたレジンを、MDCに続いてDMFで2度洗浄した。未反応官能部位のキャッピングを、無水酢酸およびDIPEAを使用して行った。
【0024】
ステージ2:Fmoc-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを用いて5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行い、続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Arg(Pbf)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBTおよびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気および室温で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出しペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0025】
ステージ3:Fmoc-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Gly-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0026】
ステージ4:Fmoc-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Arg(Pbf)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0027】
ステージ5:Fmoc-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
v)ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することにより行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Val-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0)当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0028】
ステージ6:Fmoc-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。次いでレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Leu-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0)当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0029】
ステージ7:Fmoc-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Trp(Boc)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0030】
ステージ8:Fmoc-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Ala-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBTおよびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0031】
ステージ9:Fmoc-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Ile-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0032】
ステージ10:Fmoc-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Phe-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0033】
ステージ11:Fmoc-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
xi)ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することにより行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Glu(OtBu)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングした。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0034】
ステージ12:Fmoc-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Lys(Mtt)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0035】
ステージ13:Fmoc-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Ala-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行われた。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0036】
ステージ14:Fmoc-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Ala-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、MgCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0037】
ステージ15:Fmoc-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Ala-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0038】
ステージ16:Fmoc-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Gly-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBTおよびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0039】
ステージ17:Fmoc-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Glu(OtBu)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0040】
ステージ18:Fmoc-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Leu-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0041】
ステージ19:Fmoc-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護は、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Tyr(tBu)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0042】
ステージ20:Fmoc-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Ser(tBu)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0043】
ステージ21:Fmoc-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Ser(tBu)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0044】
ステージ22:Fmoc-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Val-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBTおよびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0045】
ステージ23:Fmoc-Asp(OtBu)15-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Ser(tBu)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0046】
ステージ24:Fmoc-Ser(tBu)14-Asp(OtBu)15-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Ser(tBu)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBTおよびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0047】
ステージ25:Fmoc-Thr(tBu)13-Ser(tBu)14-Asp(OtBu)15-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Thr(tBu)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気で、約30~45℃の高温にて行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0048】
ステージ26:Fmoc-Phe12-Thr(tBu)13-Ser(tBu)14-Asp(OtBu)15-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Phe-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気中で、約30~45℃の高温にて行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0049】
ステージ27:Fmoc-Thr(tBu)11-Phe12-Thr(tBu)13-Ser(tBu)14-Asp(OtBu)15-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Thr(tBu)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(22.0~4.0当量))と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気中で、約30~45℃の高温にて実施した。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0050】
ステージ28:Fmoc-Gly10-Thr(tBu)11-Phe12-Thr(tBu)13-Ser(tBu)14-Asp(OtBu)15-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Gly-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物)を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気中で、約30~45℃の高温にて行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0051】
ステージ29:Fmoc-Glu(OtBu)9-Gly10-Thr(tBu)11-Phe12-Thr(tBu)13-Ser(tBu)14-Asp(OtBu)15-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Glu(OtBu)-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気で、約30~45℃の高温にて行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0052】
ステージ30:Fmoc-Ala8-Glu(OtBu)9-Gly10-Thr(tBu)11-Phe12-Thr(tBu)13-Ser(tBu)14-Asp(OtBu)15-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Fmoc-Ala-OH(2.0~4.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~4.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0053】
ステージ31:Boc-His(Trt)7-Ala8-Glu(OtBu)9-Gly10-Thr(tBu)11-Phe12-Thr(tBu)13-Ser(tBu)14-Asp(OtBu)15-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Mtt)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中15~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。Boc-His(Trt)-OH(3.0~5.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDEPBT(3.0~5.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(3.0~5.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(6.0~10.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0054】
ステージ32:Boc-His(Trt)7-Ala8-Glu(OtBu)9-Gly10-Thr(tBu)11-Phe12-Thr(tBu)13-Ser(tBu)14-Asp(OtBu)15-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(Fmoc-Glu-OtBu)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ペプチドの分岐を、MDC中0.5~2.0%TFAでの処置を15~20サイクル×10v行うことにより、Lys26側鎖のMtt保護基を除去することにより行なった。ペプチジルレジンを、MDC 2×10v、2×10v、2×10v DMF、およびDMF中5~10.0%のDIPEAで洗浄した。Fmoc-Glu-OtBu(2.0~5.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBTおよびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~5.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~5.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~10.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMF/NMP混合物を使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0055】
ステージ33:Boc-His(Trt)7-Ala8-Glu(OtBu)9-Gly10-Thr(tBu)11-Phe12-Thr(tBu)13-Ser(tBu)14-Asp(OtBu)15-Val16-Ser(tBu)17-Ser(tBu)18-Tyr(tBu)19-Leu20-Glu(OtBu)21-Gly22-Gln(Trt)23-Ala24-Ala25-Lys(パルミトイル-Glu-OtBu)26-Glu(OtBu)27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp(Boc)31-Leu32-Val33-Arg(Pbf)34-Gly35-Arg(Pbf)36-Gly37-ワングレジンの合成
ロードされたアミノ酸のFmoc脱保護を、DMF中の10~25%ピペリジンを使用して5分間および10分間の2回、レジンを洗浄することによって行った。続いてレジンを3~5×8v、0.01~0.1MのHOBt/DMFで洗浄した。ヘキサデカン酸(2.0~5.0当量)を、HBTU、COMU、DEPBT、およびDIC、好ましくはDIC(2.0~5.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~4.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~8.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてDMFを使用してカップリングさせた。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0056】
ステージ34:H-His7-Ala8-Glu9-Gly10-Thr11-Phe12-Thr13-Ser14-Asp15-Val16-Ser17-Ser18-Tyr19-Leu20-Glu21-Gly22-Gln23-Ala24-Ala25-Lys(γ-Glu-パルミトイル)26-Glu27-Phe28-Ile29-Ala30-Trp31-Leu32-Val33-Arg34-Gly35-Arg36-Gly37-OHの合成
ロードされたペプチジルレジンを、DMF 2×10v、MDC 2×10v、MeOH 2×10vおよびMTBE 3×10vで洗浄した。ペプチドの全切断は、TFA、フェノール、TIS、HOチオアニソールカクテル混合物を使用して行った。ペプチド-TFAカクテルを濃縮し、冷却したMTBE5~15vに添加した。沈殿した化合物を遠心分離および/または濾過により単離およびVTD中で乾燥し、精製へ進めた(プロセス収率18.25%、純度51.3%)。
【0057】
例2:CuClを使用するリラグルチドの合成
当該プロセスは例1に記載したものと同じであり、唯一の変更点は、MgClの代わりに、CuClを全ての個々のアミノ酸の逐次カップリングの間の触媒として採用することである(プロセス収率17.84%、純度51.16%)。
【0058】
例3:Mtt保護基の脱保護のためのHFIP-TES-TFEカクテルを使用するリラグルチドの合成
当該プロセスは例1に記載したものと同じであり、唯一の変更点は、Lys(Mtt)26の除去にあり、ここでMDC 10~30v中、5.0~40.0%のHFIP、2.0~10.0%のTES、5.0~10%のTFEを採用し、混合物を2~6時間撹拌した(実際のプロセス収率21.23%、純度51.7%)。
【0059】
例4:リラグルチドの合成
当該プロセスは例1に記載したものと同じであり、唯一の変更点は、無機塩をカップリングの間に使用しないことである(プロセス収率6.79%、純度34.4%)。
【0060】
例5:無機塩を使用しないリラグルチドの合成
当該プロセスは例1に記載したものと同じであり、唯一の変更点は、無機塩をカップリングの間に使用せず、DMF中0.1MのHOBtの代わりにIPAで洗浄したことである(プロセス収率8.62%、純度39.1%)。
【0061】
例6:Pal-Glu-OtBu側鎖のカップリングを使用するリラグルチドの合成
ペプチドの分岐を、MDC中0.5~2.0%TFAでの処置を15~20サイクル×10v行うことによりLys26側鎖のMtt保護基を除去することによって行なった。ペプチジルレジンをMDC 2×10v、2×10v、2×10v DMF、およびDMF中5~10.0%のDIPEAで洗浄した。Pal-Glu-OtBu側鎖を、HBTU、COMU、DEPBTおよびDIC、好ましくはDEPBT(2.0~5.0当量)などのカップリング剤と、oxymapure、HOBt、好ましくはoxymapure(2.0~5.0当量)と、DIPEA、NMM、TMP、好ましくはDIPEA(5.0~10.0当量)と、MgCl、ZnCl、好ましくはMgCl(0.01~0.1当量)と、溶媒としてのDMF/NMP混合物を使用してカップリングした。反応は窒素雰囲気およびr.t.で行なった。カイザーテストによって確認されたアミノ酸のカップリングが完了した際に、過剰の試薬を排出し、ペプチジルレジンを3×10vのDMFで洗浄した。
【0062】
例7:リラグルチドの合成
当該プロセスは、例1に記載したものと同じであり、Mtt除去は例3に記載のとおりに行った。ピペリジンを確実に完全に除去するとともに合成中の線状ペプチドの凝集を回避するために、各Fmoc脱保護ステップの後に追加の0.01~0.1MのHOBt/DMF洗浄を行った(実際のプロセス収率27.0%、純度>60.0%)。
【化2】
【0063】
例8:リラグルチドの精製
粗リラグルチドを、5~40%ACNを含有する希炭酸アンモニウム溶液に5~75mg/mlの濃度で溶解し、予め平衡化した100-10-C8カラム(10mm×250mm)にロードした。この後に0.2CVの希釈を続けた。移動相の段階勾配(A:水中0.1%TFA;B:ACN中0.1%TFA:IPA)を使用して、結合したリラグルチドを溶出した。純度>92%を有する画分を真空下で濃縮し、続いて等電点沈殿させた。沈殿物を遠心分離により回収した。回収した沈殿物を再び、カラム100-10-C8カラム(10mm×250mm)上の別のRP-HPLCステップに供した。結合したリラグルチドを、移動相、つまりA:希酢酸アンモニウム;B:ACNから構成される移動相の勾配溶出を使用して溶出した。>98.5%の画分をプールし、真空下で濃縮し、等電点で沈殿させ、&最後に凍結乾燥した。
【0064】
例9:リラグルチドの精製
リラグルチドを10~75mg/mlの濃度で希アンモニア溶液に溶解し、100-10-C8カラム(10mm×250mm)上のRP-HPLC-1ステップに供した。この後に0.2CVの希釈を続けた。移動相の段階勾配(A:水中0.1%TFA;B:ACN中0.1%TFA:IPA)を使用して、結合したリラグルチドを溶出した。純度>90%を有する画分を真空下で濃縮し、続いて等電点沈殿させた。沈殿物を遠心分離により回収した。回収した沈殿物を再び、カラム100-10-C8カラム(10mm×250mm)上の別のRP-HPLC-2ステップに供した。結合したリラグルチドを、移動相、つまりA:水中TFA;B:メタノール中TFAから構成される移動相の勾配溶出を使用して溶出した。このステップは特定の不純物の低減に役立った。>93%の画分をプールし、酢酸アンモニウムで希釈し、カラム100-10-C8カラム(10mm×250mm)上のRP-HPLC-3ステップにロードした。結合したリラグルチドは、移動相、つまりA:酢酸アンモニウム;B:ACNから構成される移動相の勾配溶出を使用して溶出した。>98.5%の画分をプールし、真空下で濃縮し、等電点で沈殿させ、&最後に凍結乾燥した。
図1-1】
図1-2】
図2