(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】3次元NOR型メモリアレイアーキテクチャ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20230104BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230104BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20230104BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20230104BHJP
H10B 43/30 20230101ALI20230104BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L29/78 371
H01L27/11568
(21)【出願番号】P 2019570376
(86)(22)【出願日】2018-06-19
(86)【国際出願番号】 US2018038373
(87)【国際公開番号】W WO2018236937
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-08
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518109985
【氏名又は名称】サンライズ メモリー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハラリ、エリ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルナー、スコット ブラッド
(72)【発明者】
【氏名】チエン、ウー-イー
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0092371(US,A1)
【文献】特開2014-140054(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0207185(US,A1)
【文献】特開2009-301600(JP,A)
【文献】特表2019-526934(JP,A)
【文献】国際公開第2018/039654(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0012921(US,A1)
【文献】国際公開第2012/009076(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0047325(US,A1)
【文献】国際公開第2009/150767(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/11582
H01L 27/11568
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ構造体であって、
略平坦な表面を有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記略平坦な表面上に形成され、前記略平坦な表面に対して実質的に平行な第1の方向に沿って所定の距離によって互いに分離された、第1のアクティブストリップ積層体及び第2のアクティブストリップ積層体と、
ストレージ層と、
前記半導体基板の前記略平坦な表面に対して略垂直な第3の方向に沿って長手方向に延びる複数の導体と、を備え、
前記第1のアクティブストリップ積層体及び前記第2のアクティブストリップ積層体はそれぞれ、2以上のアクティブストリップを含み、
前記2以上のアクティブストリップは、互いに重畳して配置され、かつ、前記略平坦な表面に対して略平行なかつ前記第1の方向に対して直交する第2の方向に沿って互いに長手方向に略整列され、
互いに隣接する前記アクティブストリップは、第1の誘電体層によって互いに分離され、
前記各アクティブストリップは、第1の導電型を有する第1の半導体層と、第2の導電型を有する第2の半導体層及び第3の半導体層とを含み、前記第1の半導体層は、前記第2の半導体層と前記第3の半導体層との間に配置された第2の誘電体層に形成された1以上の凹部に設けられ、前記第1の半導体層、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、前記第3の方向に沿って積層され、
前記複数の導体の各導体は、前記第1のアクティブストリップ積層体と前記第2のアクティブストリップ積層体との間に設けられ、かつ、前記ストレージ層によって前記第1のアクティブストリップ積層体及び前記第2のアクティブストリップ積層体から分離された導体群内に存在し、それにより、前記各アクティブストリップ内に少なくとも1つのNORストリングを形成し、
前記各NORストリングは、前記アクティブストリップの前記第1の半導体層、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層と、それらに隣接する前記ストレージ層及び前記導体群内の前記導体とから形成された複数のストレージトランジスタと
、
前記メモリ構造体は、互いに隣接する前記アクティブストリップ積層体間に形成された1以上のストラットを有するハードマスク層とを含み、
前記各ストラットは、前記互いに隣接する前記アクティブストリップ積層体を互いに物理的に連結する絶縁層を含み、
前記ストラットは、前記アクティブストリップ積層体の頂部において、それに隣接する前記アクティブストリップ積層体に連結される、メモリ構造体。
【請求項2】
請求項1に記載のメモリ構造体であって、
前記各アクティブストリップは、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層の一方に電気的に接続され、かつ長手方向に略整列された少なくとも1つの金属層をさらに備える、メモリ構造体。
【請求項3】
請求項1に記載のメモリ構造体であって、
前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層の一方に電気的に接続された金属層をさらに備える、メモリ構造体。
【請求項4】
請求項3に記載のメモリ構造体であって、
前記第2の半導体層と前記第3の半導体層との間に設けられた非導電材料層と、
前記非導電材料層に形成されたキャビティまたは凹部に設けられ、前記第2の半導体層に電気的に接続された金属層と、をさらに備える、メモリ構造体。
【請求項5】
請求項4に記載のメモリ構造体であって、
前記非導電材料層は、酸化シリコン、ホウ素ドープ酸化シリコン、リンドープ酸化シリコン、ホウ素リンドープ酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、窒化シリコン炭素、シリコン炭素酸素水素、ゲルマニウム、及びこれらの任意の組み合わせのうちの1以上を含む、メモリ構造体。
【請求項6】
請求項4に記載のメモリ構造体であって、
前記非導電材料層は多孔質である、メモリ構造体。
【請求項7】
請求項3に記載のメモリ構造体であって、
前記金属層は、2以上の副層をさらに含み、
前記2以上の副層の第1の副層は、前記2以上の副層の第2の副層に隣接して、かつ電気的に接続して配置され、
前記第1の副層は、前記第2の副層の3方以上を取り囲む、メモリ構造体。
【請求項8】
請求項7に記載のメモリ構造体であって、
前記第2の副層の厚さは、前記第1の副層の厚さの少なくとも1.5倍である、メモリ構造体。
【請求項9】
請求項3に記載のメモリ構造体であって、
前記金属層は、チタン、窒化チタン、窒化タングステン、タングステン、チタンタングステン、タンタル、窒化タンタル、コバルト、クロム、モリブデン、ニオブ、及びそれらの任意の合金のうちの1以上を含む、メモリ構造体。
【請求項10】
請求項3に記載のメモリ構造体であって、
前記金属層は、原子層堆積法によって形成される、メモリ構造体。
【請求項11】
メモリ構造体であって、
略平坦な表面を有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記略平坦な表面上に形成され、前記略平坦な表面に対して実質的に平行な第1の方向に沿って所定の距離によって互いに分離された、第1のアクティブストリップ積層体及び第2のアクティブストリップ積層体と、
ストレージ層と、
前記半導体基板の前記略平坦な表面に対して略垂直な第3の方向に沿って長手方向に延びる複数の導体と、を備え、
前記第1のアクティブストリップ積層体及び前記第2のアクティブストリップ積層体はそれぞれ、2以上のアクティブストリップを含み、
前記2以上のアクティブストリップは、互いに重畳して配置され、かつ、前記略平坦な表面に対して略平行なかつ前記第1の方向に対して直交する第2の方向に沿って互いに長手方向に略整列され、
互いに隣接する前記アクティブストリップは、第1の誘電体層によって互いに分離され、
前記各アクティブストリップは、第1の導電型を有する第1の半導体層と、第2の導電型を有する第2の半導体層及び第3の半導体層とを含み、前記第1の半導体層は、前記第2の半導体層と前記第3の半導体層との間に配置された第2の誘電体層に形成された1以上の凹部に設けられ、前記第1の半導体層、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、前記第3の方向に沿って積層され、
前記複数の導体の各導体は、前記第1のアクティブストリップ積層体と前記第2のアクティブストリップ積層体との間に設けられ、かつ、前記ストレージ層によって前記第1のアクティブストリップ積層体及び前記第2のアクティブストリップ積層体から分離された導体群内に存在し、それにより、前記各アクティブストリップ内に少なくとも1つのNORストリングを形成し、
前記各NORストリングは、前記アクティブストリップの前記第1の半導体層、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層と、それらに隣接する前記ストレージ層及び前記導体群内の前記導体とから形成された複数のストレージトランジスタと、
前記メモリ構造体は、互いに隣接する前記アクティブストリップ積層体間に形成された1以上のストラットを有するハードマスク層とを含み、
前記ストラットは、前記アクティブストリップ積層体の高さ方向の一部においてのみ、それに隣接する前記アクティブストリップ積層体に連結されるように設けられる、メモリ構造体。
【請求項12】
請求項
1に記載のメモリ構造体であって、
前記各ストラットは、前記メモリ構造体の実質的に全体高さに沿って、それに隣接する前記アクティブストリップ積層体に連結されるように設けられる、メモリ構造体。
【請求項13】
請求項1に記載のメモリ構造体であって、
前記ストレージ層は、前記メモリ構造体における互いに異なる位置に設けられた第1の種類のストレージ材料及び第2の種類のストレージ材料を含み、
前記第1の種類のストレージ材料及び第2の種類のストレージ材料は、互いに異なる特性を有する、メモリ構造体。
【請求項14】
請求項
13に記載のメモリ構造体であって、
前記第1の種類のストレージ材料及び第2の種類のストレージ材料は、それぞれ、第1のトンネル誘電体層及び第2のトンネル誘電体層を含み、
前記第1のトンネル誘電体層の厚さは、前記第2のトンネル誘電体層の厚さよりも大きい、メモリ構造体。
【請求項15】
請求項
14に記載のメモリ構造体であって、
前記第1のトンネル誘電体層は、5nm以上の厚さを有する、メモリ構造体。
【請求項16】
請求項
14に記載のメモリ構造体であって、
前記第2のトンネル誘電体層は、3nm以下の厚さを有する、メモリ構造体。
【請求項17】
請求項1に記載のメモリ構造体であって、
前記ストレージ層は、酸化物/窒化物/酸化物材料を含む、メモリ構造体。
【請求項18】
メモリ構造体の作製方法であって、
略平坦な表面を有する半導体基板を用意するステップと、
前記半導体基板の前記略平坦な表面上に形成され、前記略平坦な表面に対して実質的に平行な第1の方向に沿って所定の距離によって互いに分離された、第1のアクティブストリップ積層体及び第2のアクティブストリップ積層体であって、前記第1のアクティブストリップ積層体及び前記第2のアクティブストリップ積層体はそれぞれ、2以上のアクティブストリップを含み、前記2以上のアクティブストリップは、互いに重畳して配置され、かつ、前記略平坦な表面に対して略平行なかつ前記第1の方向に対して直交する第2の方向に沿って互いに長手方向に略整列され、互いに隣接する前記アクティブストリップは、第1の誘電体層によって互いに分離され、前記各アクティブストリップは、第1の導電型を有する第1の半導体層と、第2の導電型を有する第2の半導体層及び第3の半導体層とを含み、前記第1の半導体層は、前記第2の半導体層と前記第3の半導体層との間に配置された第2の誘電体層に形成された1以上の凹部に設けられ、前記第1の半導体層、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、前記半導体基板の前記略平坦な表面に対して略垂直な第3の方向に沿って積層された、前記第1のアクティブストリップ積層体及び前記第2のアクティブストリップ積層体を設けるステップと、
ストレージ層を設けるステップと、
前記第3の方向に沿って長手方向に延びる複数の導体であって、前記各導体は、前記第1のアクティブストリップ積層体と前記第2のアクティブストリップ積層体との間に設けられ、かつ、前記ストレージ層によって前記第1のアクティブストリップ積層体及び前記第2のアクティブストリップ積層体から分離された導体群内に存在し、それにより、前記各アクティブストリップ内に少なくとも1つのNORストリングを形成し、前記各NORストリングは、前記アクティブストリップの前記第1の半導体層、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層と、それらに隣接する前記ストレージ層及び前記導体群内の前記導体とから形成された複数のストレージトランジスタを含む、前記複数の導体を設けるステップと、
互いに隣接する前記アクティブストリップ積層体間に形成された1以上のストラットを有するハードマスク層を設けるステップとを含
み、
前記各ストラットは、前記互いに隣接する前記アクティブストリップ積層体を互いに物理的に連結する絶縁層を含み、
前記ストラットは、前記アクティブストリップ積層体の頂部において、それに隣接する前記アクティブストリップ積層体に連結される、方法。
【請求項19】
請求項
18に記載の方法であって、
前記各アクティブストリップは、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層の一方に電気的に接続され、かつ長手方向に略整列された少なくとも1つの金属層をさらに備える、方法。
【請求項20】
請求項
18に記載の方法であって、
前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層の一方に電気的に接続された金属層をさらに備える、方法。
【請求項21】
請求項
20に記載の方法であって、
前記第2の半導体層と前記第3の半導体層との間に設けられた非導電材料層と、
前記非導電材料層に形成されたキャビティまたは凹部に設けられ、前記第2の半導体層に電気的に接続された金属層と、をさらに備える、方法。
【請求項22】
請求項
21に記載の方法であって、
前記非導電材料層は、酸化シリコン、ホウ素ドープ酸化シリコン、リンドープ酸化シリコン、ホウ素リンドープ酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、窒化シリコン炭素、シリコン炭素酸素水素、ゲルマニウム、及びこれらの任意の組み合わせのうちの1以上を含む、方法。
【請求項23】
請求項
21に記載の方法であって、
前記非導電材料層は多孔質である、方法。
【請求項24】
請求項
20に記載の方法であって、
前記金属層は、2以上の副層をさらに含み、
前記2以上の副層の第1の副層は、前記2以上の副層の第2の副層に隣接して、かつ電気的に接続して配置され、
前記第1の副層は、前記第2の副層の3方以上を取り囲む、方法。
【請求項25】
請求項
24に記載の方法であって、
前記第2の副層の厚さは、前記第1の副層の厚さの少なくとも1.5倍である、方法。
【請求項26】
請求項
20に記載の方法であって、
前記金属層は、チタン、窒化チタン、窒化タングステン、タングステン、チタンタングステン、タンタル、窒化タンタル、コバルト、クロム、モリブデン、ニオブ、及びそれらの任意の合金のうちの1以上を含む、方法。
【請求項27】
請求項
20に記載の方法であって、
前記金属層は、原子層堆積法によって形成される、方法。
【請求項28】
メモリ構造体の作製方法であって、
略平坦な表面を有する半導体基板を用意するステップと、
前記半導体基板の前記略平坦な表面上に形成され、前記略平坦な表面に対して実質的に平行な第1の方向に沿って所定の距離によって互いに分離された、第1のアクティブストリップ積層体及び第2のアクティブストリップ積層体であって、前記第1のアクティブストリップ積層体及び前記第2のアクティブストリップ積層体はそれぞれ、2以上のアクティブストリップを含み、前記2以上のアクティブストリップは、互いに重畳して配置され、かつ、前記略平坦な表面に対して略平行なかつ前記第1の方向に対して直交する第2の方向に沿って互いに長手方向に略整列され、互いに隣接する前記アクティブストリップは、第1の誘電体層によって互いに分離され、前記各アクティブストリップは、第1の導電型を有する第1の半導体層と、第2の導電型を有する第2の半導体層及び第3の半導体層とを含み、前記第1の半導体層は、前記第2の半導体層と前記第3の半導体層との間に配置された第2の誘電体層に形成された1以上の凹部に設けられ、前記第1の半導体層、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層は、前記半導体基板の前記略平坦な表面に対して略垂直な第3の方向に沿って積層された、前記第1のアクティブストリップ積層体及び前記第2のアクティブストリップ積層体を設けるステップと、
ストレージ層を設けるステップと、
前記第3の方向に沿って長手方向に延びる複数の導体であって、前記各導体は、前記第1のアクティブストリップ積層体と前記第2のアクティブストリップ積層体との間に設けられ、かつ、前記ストレージ層によって前記第1のアクティブストリップ積層体及び前記第2のアクティブストリップ積層体から分離された導体群内に存在し、それにより、前記各アクティブストリップ内に少なくとも1つのNORストリングを形成し、前記各NORストリングは、前記アクティブストリップの前記第1の半導体層、前記第2の半導体層及び前記第3の半導体層と、それらに隣接する前記ストレージ層及び前記導体群内の前記導体とから形成された複数のストレージトランジスタを含む、前記複数の導体を設けるステップと、
互いに隣接する前記アクティブストリップ積層体間に形成された1以上のストラットを有するハードマスク層を設けるステップとを含み、
前記各ストラットは、前記互いに隣接する前記アクティブストリップ積層体を互いに物理的に連結する絶縁層を含み、
前記ストラットは、前記アクティブストリップ積層体の高さ方向の一部においてのみ、それに隣接する前記アクティブストリップ積層体に連結されるように設けられる、方法。
【請求項29】
請求項
18に記載の方法であって、
前記各ストラットは、前記メモリ構造体の実質的に全体高さに沿って、それに隣接する前記アクティブストリップ積層体に連結されるように設けられる、方法。
【請求項30】
請求項
18に記載の方法であって、
前記ストレージ層は、前記メモリ構造体における互いに異なる位置に設けられた第1の種類のストレージ材料及び第2の種類のストレージ材料を含み、
前記第1の種類のストレージ材料及び第2の種類のストレージ材料は、互いに異なる特性を有する、方法。
【請求項31】
請求項
30に記載の方法であって、
前記第1の種類のストレージ材料及び第2の種類のストレージ材料は、それぞれ、第1のトンネル誘電体層及び第2のトンネル誘電体層を含み、
前記第1のトンネル誘電体層の厚さは、前記第2のトンネル誘電体層の厚さよりも大きい、方法。
【請求項32】
請求項
31に記載の方法であって、
前記第1のトンネル誘電体層は、5nm以上の厚さを有する、方法。
【請求項33】
請求項
31に記載の方法であって、
前記第2のトンネル誘電体層は、3nm以下の厚さを有する、方法。
【請求項34】
請求項
18に記載の方法であって、
前記ストレージ層は、酸化物/窒化物/酸化物材料を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性NOR型メモリストリングに関する。特に、本発明は、このような不揮発性NOR型メモリストリングの3次元構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
同時係属出願に開示されているような高密度3次元メモリ構造体では、ソース副層またはドレイン副層のいずれかに電気的に接続された金属副層シャントを含めることが望ましい。ソース副層及びドレイン副層の両方を、導電性副層シャントによって接続してもよい(すなわち、別個の導電性副層のように)。例えば、同時係属出願の
図5aに示すプロセスでは、ソース副層521、ドレイン副層523、犠牲副層522(後でチャネル副層に置き換えられる)に加えて、導電性副層を堆積させてもよい。これらの副層は、一層ずつ堆積させ、その後、フォトレジストを使用してパターニング及びエッチングされる。この詳細な説明では、任意の関連する導電性副層を含む、ドレイン副層、ソース副層、チャネル副層または犠牲副層は、「アクティブ層」と総称する。そして、互いに積み重ねて設けられ、かつ、誘電体層によって互いに分離された、複数のアクティブ層は、「NINスタック」と称する。
【0003】
金属副層は、ソース副層及びドレイン副層の各層の抵抗を大幅に低減させるために設けられる。抵抗が低くなるほど、抵抗/容量(RC)時定数が低くなり、その結果、より高速なデバイスが得られる。この目的のために、厚い金属含有導電性副層を用いて低抵抗を実現することが望ましい。
【0004】
その後の高温処理(>500°C)に耐えることができる金属(例えば、タングステン)を有する導電性副層は、3Dメモリ構造体では、エッチング選択性に起因して、エッチングすることが困難である。すなわち、導電層のエッチング速度は、エッチングを意図しない他のフィーチャを保護するために使用されるフォトレジスト及び/またはハードマスクのエッチング速度よりも大幅に速くはない(一般的に、エッチングを意図しない材料を保護するために、ターゲット材料は、マスキング層よりも大幅に速い速度でエッチングするべきである。また、ターゲット材料のエッチングの完了前に、マスキング層を完全に除去することは望ましくない)。エッチング選択性は、各金属副層がより厚くなるに従って、より多くの金属副層がスタック内に存在するに従って(例えば、金属シャント副層が、ソース副層及びドレイン副層の両方に設けられる)、及び、より多くのメモリ層(例えば、8層または16層の活性ストリップ)が設けられるに従って、より一層大きな問題となる。しかしながら、高密度化を低コストで実現するためには、8層以上のメモリ層を設けることが望ましい。
【0005】
これらのメモリ構造体の製造において直面する別の問題は、これらのメモリ構造体の高アスペクト比に起因する機械的安定性である(これに関して、アスペクト比は、メモリ構造体の高さと幅の比である)。高アスペクト比を有する半導体構造体は機械的に不安定であり、製造プロセス中に傾いたり、さらには完全に倒れたりすることが分かっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、低コストかつ低抵抗の金属相互接続、及び、高アスペクト比構造体における機械的安定性を得ることを目的とする。本明細書に開示された様々な実施形態によれば、本発明は、製造プロセスにおける金属エッチングステップの必要性を、全てのパターニングされたフォトレジストがもはや存在しなくなるまで先送りすることができる金属置換プロセスを提供する。このプロセスでは、導電性副層は、厚くてもよいし多数でもよい。本発明はまた、高アスペクト比構造体でのエッチングステップを容易にし、かつ、高アスペクト比メモリスタックの機械的安定性を高めるストラット構造体を提供する。
【0007】
本発明は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することにより、より良く理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】半導体構造体500のY-Z平面を通る断面図である。
【
図1A】
図1Aは、アクティブ層110を有するメモリ構造体100を示す。このメモリ構造体100は、アクティブ層110に形成される半導体デバイスを、半導体基板108に形成されるデバイスに接続する手段を備えている。
図1Aでは、メモリ構造体100内のアクティブ層110は、第1の半導体層101及び第2の半導体層103を含む。第1の犠牲層102及び第2の犠牲層104は、導体層106(「グローバルワード線」)上に作製され、1または複数の誘電体層によって半導体基板108から分離される。アクティブ層110内に形成されるデバイスは、誘電体層内に形成されたビア107を介して、半導体基板108内の回路に接続される。
【
図1B】
図1Bは、
図1Aのメモリ構造体100の3つのアクティブ層を示す。これらの3つのアクティブ層は、n
+ドープされた半導体層101と半導体基板108との間のビア107を介した接続をそれぞれ有する。
【
図1C】
図1Cは、8つのアクティブ層を有するメモリ構造体150を示す。各アクティブ層にはビット線が形成され、このビット線は、ドープシリコンが充填されたビアによって半導体基板に接続される。
【
図1D】
図1Dは、メモリ構造体160における第1のアクティブ層の製造を示す断面図であり、N
+ドープされた半導体副層101と半導体基板108との間のビア接続部、及び、これから形成されるアクティブ層のためのビア接続部の一部を示す。
【
図1E】
図1Eは、第2のアクティブ層を第1のアクティブ層と同様の方法を用いて形成した後の、
図1Dのメモリ構造体160を示す。
【
図2】
図2Aは、本発明の一実施形態による、メモリ構造体500内の様々な材料層の断面概略図を示す。
図2Bは、
図1の断面から実質的に90度回転させた、
図2Aのメモリ構造体の断面を示す。
図1の断面は、例えば、
図2の符号550で示す領域を横断する垂直面を通る断面であり得る。
【
図3】
図3は、4つのNIN積層体310a、310b、310c及び310dを三次元で示す。各NIN積層体は、8つのアクティブ層を含む。各アクティブ層は、ソース副層303、ドレイン副層301、層間誘電体(ILD)層309、SAC1材料を含有する第1の犠牲副層302、ソース副層303に接触する、SAC4材料を含有する第2の犠牲副層304a、及び、ドレイン副層301に接触する、SAC4材料を含有する第2の犠牲副層304bを含む。
【
図4】
図4は、
図3のトレンチ312a、312b及び312cを充填し、かつNIN積層体の頂部を覆うように堆積させた第3の犠牲層318(「SAC2材料」)を示す。
【
図5】
図5は、
図4のメモリ構造体300上に堆積させたストラット層314をパターニングした後のメモリ構造体300を示す。
【
図6】
図6は、
図5のNIN積層体をさらにパターニングして、残りのトレンチを形成した後のメモリ構造体300を示す。
【
図7】
図6の各NIN積層体からSAC4を含有する第2の犠牲副層304a及び304bを除去した後、それにより形成されたキャビティ内に導電性材料を堆積させて導電性副層319a及び319bを形成し、その後、トレンチの側壁及びNIN積層体の頂部の露出領域から導電性副層を除去した結果を示す。
【
図8】
図8は、
図7のメモリ構造体におけるアクティブ層の副層をさらに詳細に示す。この副層はそれぞれ、2以上の副層によって形成された金属膜を含む。
【
図9】
図9は、トレンチ312a、312b及び312cからSAC2材料を除去した後の、
図7のメモリ構造体300を示す。
【
図10】
図10は、選択的エッチングによってSAC1を含有する第1の犠牲層302を部分的に除去し、チャネル副層332を堆積させ、エッチングした後の、
図9のメモリ構造体300を示す。
【
図11】
図11は、ストレージ層335(例えば、酸化物/窒化物/酸化物(ONO)層)及びワード線層336を堆積させパターニングした後の、
図10のメモリ構造体300を示す。
【
図12A】
図12Aは、トレンチの最初のセットの形成後にストラット314d、314e及び314fを形成した、様々なストラット構造体を示す。
【
図12B】
図12Bは、メモリ構造体のブロックの領域を画定するためにエッチングされた、メモリ構造体370内の第1のアクティブ層を示す。また、ビア377a、377b及び377cがアクティブ層にエッチングされる。
【
図12C】
図12Cは、第2のアクティブ層の形成後、かつ、第2のアクティブ層内にエッチングされたビア377a、377b及び377cにILD材料を充填する前の、
図12Bのメモリ構造体370を示す。
【
図12E】
図12Eは、選択的エッチングを用いてトレンチを形成することによって、
図12Dのメモリ構造体370内にNIN積層体を形成した状態を示す。選択的エッチングは、アクティブ層を貫通して充填されたビア377a、377b及び377c内のILD構造をそのままの状態に保つ。
【
図13】
図13は、SAC4材料(例えば、第2の犠牲副層304a及び304b)の除去及び金属交換がまだ行われていないことを除いて、
図11のメモリ構造体300と実質的に同じメモリ構造体400を示す。
【
図14】
図14は、ワード線層336のスキップされたセクション405に対応するNIN積層体の部分を露出させた後の
図13のメモリ構造体400を示す。
【
図16】
図16は、メモリアレイ400の一部の断面図であり、2つのメモリセルを示す。SAC4を含有する第2の犠牲層304a及び304bは、エッチングによって除去され、ライナ/バリア副層及びより多くの副層の組み合わせによって置換される。
【
図17】
図17は、4つのNIN積層体501a、501b、501c及び501d(「第1の部分」)を含むメモリ構造体500を示す。4つのNIN積層体の第1の犠牲層302を部分的に除去してその両側に凹部を形成し、形成された凹部にチャネル材料を充填してチャネル副層332を形成した。
【
図18】
図18は、誘電体層509を堆積させ、誘電体層509の誘電体材料を、例えばエッチングまたはCMPを用いて除去した後の、
図17のメモリ構造体500を示す。
【
図19】
図19は、第1の部分の頂部の上側に、別の4つのNIN積層体501e、501f、501g及び501h(「第2の部分」)を作製することにより得られたメモリ構造体500を示す。
【
図20】
図20は、例えば誘電体層509の誘電体材料と同一の誘電体材料をトレンチ内に堆積させ、メモリ構造体500をパターニング及びエッチングして、第1の部分及び第2の部分の1つおきのトレンチから誘電体材料を除去した後の、
図19のメモリ構造体500を示す。
【
図21】
図21は、各アクティブ層のSAC4を含有する第2の犠牲層304a及び304bを選択的エッチングによって除去した後、導電性副層319a及び319bによって置換した後の、
図20のメモリ構造体500を示す。
図21に示すように、トレンチの側壁及びNIN積層体の頂部上の堆積からの過剰な導電性材料は除去されている。
【
図22】
図22は、各NINスタックの一方の側部に、ストレージ層446及びローカルワード線層336を形成した後の、
図21のメモリ構造体500を示す。
【
図23】
図23は、1つおきのトレンチ内の誘電体層509の残りの材料を完全に除去し、除去された誘電体層内にストレージ層及びワード線を形成した後の、
図22のメモリ構造体500を示す。
図23は、メモリ構造体500内の選択されたメモリセルをアドレス指定するために、ワード線層336から形成されたローカルワード線に接続するために、NIN積層体の上側に形成されたグローバルワード線106aをさらに示す。
【
図24】
図24は、互いに幅が異なるトレンチ602-1、602-2、602-3、602-4及び602-5によって互いに分離された6つのNIN積層体601a~601fを含むメモリ構造体600を示す。
【
図25】
図25は、誘電体材料609を堆積させ、パターニングし、NIN積層体の頂部及び幅の広いトレンチ602-1、602-3、及び602-5から誘電体材料を除去し、誘電体材料609を幅の狭いトレンチ602-2及び602-4内にのみ残した後の、
図24のメモリ構造体600を示す。
【
図26】
図26は、SAC1を含有する第1の犠牲層302を部分的に除去し、それにより形成された凹状キャビティにチャネル層332を堆積させて充填した後の、
図25のメモリ構造体600を示す。
【
図27】
図27は、ストレージ副層335(例えば、ONO副層)を堆積させ、次いで、トレンチの底部と頂部の両方から異方性エッチングによって選択的に除去した後の、
図26のメモリ構造体600を示す。
【
図28】
図28は、ワード線層336を形成するために導電性材料を堆積させ、次いで、ワード線を形成するためにパターニング及びエッチングした後の、
図27のメモリ構造体600を示す。
【
図29】
図29は、SAC4を含有する第2の犠牲層304a及び304bの除去または部分的除去により形成されたキャビティ内に導電性副層319a及び319bを堆積させ、次いで、トレンチの側壁及びNIN積層体の頂部上の過剰な導電性材料を除去し、キャビティに充填された導電性副層304a及び304bを残した後の、
図28のメモリ構造体600を示す。
【
図30】
図30は、幅の狭いトレンチ602-2及び602-4に誘電体材料612を堆積させて充填し、エッチングによって、ワード線層336における、NIN積層体の頂部に位置する部分の下面から凹んだ凹部を形成し、そして、例えばデュアルダマシン法を用いて、NIN積層体上にグローバルワード線106aを形成した後の、
図29のメモリ構造体600を示す。
【
図31】
図31は、8つのアクティブ層を含むメモリ構造体700を示す。アクティブ層は、グローバルワード線として機能する下部導体106sから底部アクティブ層を分離する頂部の絶縁層720(例えば、SiO
2)上に形成される。
【
図32】
図32は、第2のハードマスク層702をメモリ構造体700の全体にわたって堆積させた後の、
図31のメモリ構造体700を示す。
【
図33】
図33は、アクティブ層の全長にわたってパターニング及びエッチングすることによってトレンチを形成し、互いに連結されたNIN積層体710a、710b、710c及び710dを形成した後の、
図32のメモリ構造体700を示す。
【
図34】
図34は、トレンチを犠牲材料(SAC2)で充填し、次いで、パターニングして1つおきのトレンチから犠牲材料を除去した後の、
図33のメモリ構造体700を示す。
【
図35】
図35は、露出した、SAC4を含有する第2の犠牲副層304a及び304bを選択的エッチングによって除去し、導電性副層319a及び319bで置換した後の、
図34のメモリ構造体700を示す。トレンチの側壁及びNIN積層体の頂部上の過剰な導電性副層材料は、異方性エッチングによって除去し、実質的に、それにより形成されたキャビティ内にのみ導電性副層319a及び319bを残す。
【
図36】
図36は、選択的エッチングを用いて導電性副層319a及び319bにその側壁から凹んだ凹部を形成し、形成された凹所に誘電体バリア材料を堆積させることによって導電性副層319a及び319bをシールした後の、
図35のメモリ構造体700を示す。
【
図37】
図37は、凹状のチャネル副層332を形成した後の、
図36のメモリ構造体700を示す。
【
図38】
図37は、トレンチの側壁上にストレージ層335及び薄い保護誘電体副層713を堆積させ、次いで、ストレージ層335を保護誘電体副層713と共に異方性エッチングによって除去した後の、
図37のメモリ構造体700を示す。
【
図39】
図39は、誘電体犠牲層718(SAC2材料を含有する)をトレンチ内に堆積させ、次いで、ビア719が1つおきのトレンチ内にエッチングされるようにパターニングした後の、
図700のメモリ構造体38を示す。ビア719は、NIN積層体の高さ全体にわたって延在し、下層の誘電体層720を貫通して、グローバルワード線として機能する下層の導体を露出させる。
【
図40】
図40は、導電性材料(導電性層336)を堆積させ、次いで、選択的エッチングによってNIN積層体の頂部から除去してハードマスク層701及び702に凹部を形成し、続いて、必要に応じて、パターニングによって露出領域から導電層336及び保護誘電体副層713の両方を除去した後の、
図39のメモリ構造体700を示す。
【
図41】
図41は、
図40のメモリ構造体をパターニングすることにより、ローカルワード線をNIN積層体の反対側の位置に交互に設けた一例を挿入図に示す(すなわち、ローカルワード線層336a及び336b内のワード線は、NIN積層体の両側では互いに直接対向していない)。
【
図42】
図42は、
図700は、堆積させた誘電体層721上にグローバルワード線106aの第2層を形成した後の、
図41のメモリ構造体700を示す。堆積させた誘電体層721内には、グローバルワード線106aの第2層を、NINスタックの下側のグローバルワード線106sに接続されていないローカルワード線に接続するためのビアが設けられる。
【
図43】
図43は、スペーサ802を有する互いに隣接するハードマスクフィーチャ801間にトレンチ803がエッチングされたメモリ構造体800を示す。ハードマスクフィーチャ801は、その後に形成されるフィーチャと比較して大きい。
【
図44】
図44は、第1のセットのトレンチ803をエッチングして、互いに隣接するハードマスクフィーチャ801のスペーサを互いに連結するストラット層804aを形成した後の、
図43のメモリ構造体800を示す。
【
図45】
図45は、ハードマスクフィーチャ801を除去し、次いで、側壁フィーチャ802をマスクとして使用して第2のセットのトレンチ805をエッチングした後の、
図44のメモリ構造体800を示す。
【
図46】
図46は、グローバルワード線106sを示し、このグローバルワード線106sは、その上側に形成された垂直相互接続部901sを含む。
【
図47】
図47は、
図46のグローバルワード線910s及び垂直相互接続部901s上に形成されたメモリ構造体900を示す。このメモリ構造体900は、3つのNIN積層体910a、910b及び901cを含む。
【
図48】
図48は、トレンチ911-1及び911-2内に充填された一時的な充填材料(例えば、SAC2材料)と協働して、
図47のメモリ構造体900上のハードマスク902層のフィーチャを互いに連結するために形成されたストラット構造体903を示す。
【
図49】
図49は、
図48のメモリ構造体900に形成される追加のトレンチ911-3、911-4及び911-5を示す。
【
図50】
図50は、
図49のメモリ構造体900における、(i)アクティブ層内の第1の犠牲副層302のSAC1材料の部分的な除去と、その結果形成されたキャビティのチャネル材料332による置換、並びに、(ii)金属置換プロセスを用いた、アクティブ層内の第2の犠牲副層304a及び304bのSAC4材料の導電性副層319a及び319bによる置換を示す。
【
図51】
図51は、SAC2材料をトレンチ911-3、911-4、及び911-5内に堆積させ、次いで、アクティブ層内の半導体副層303、332及び301を露出させるビアを形成するためにパターニングした後の、
図50のメモリ構造体900を示す。アクティブ層内の露出した半導体副層303、332及び301は、その後、原子層エッチングによって選択的に除去され、ソース副層303及びドレイン副層301に開口923及び開口921がそれぞれ形成される。
【
図52】
図52は、ストレージ層355及び保護誘電体副層713(例えば、ONO副層及びAl
2O
3副層)を堆積させた状態を示す。ストレージ層355及び保護誘電体副層713は、その後、異方性エッチングされ、過剰な材料は、NIN積層体の頂部及び1つおきのトレンチの底部から除去される。
【
図53】トレンチ911-3、911-4及び911-5内にワード線層336を堆積させ、次いで、パターニング及びエッチングして垂直ローカルワード線(隣接するトレンチ内のローカルワード線に対して互い違いに位置する)を形成し、形成された垂直ローカルワード線の半分を垂直相互接続部901sによってメモリ構造体52の下側のグローバルワード線106sに電気的に接続した後の、
図52のメモリ構造体900を示す。
【
図54】
図53のメモリ構造体900の上側の誘電体層上に形成された、グローバルワード線106aの第2の層及び垂直相互接続部901aを示す。グローバルワード線106aの第2の層及び垂直相互接続部901aにより、メモリ構造体901の下側のグローバルワード線106sに接続されていないローカルワード線への接続が提供される。
【0009】
この詳細な説明では、図中の構成要素への参照を容易にするために、図中の同様の構成要素には同様の参照番号が付与されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の様々な実施形態が、本明細書に一般的に説明される。様々な実施形態を説明した後、様々な実施形態を形成するために適用可能な材料及び作製ステップのいくつかの具体的な例を説明する。
【0011】
この詳細な説明では、「パターニング」(ターゲット層に適用された場合)という用語は、(i)ターゲット層上にマスキング層(例えば、フォトレジスト層またはハードマスク層)を設けること、(ii)適切なフォトリソグラフィ技術を用いて、マスキング層にパターンを形成すること、及び、(iii)エッチングステップを用いて、マスキング層のパターンをターゲット層に転写することを指す。
【0012】
一例では、マスキング層は、当業者に既知の「ハードマスク」層である。ハードマスク材料からマスキング層を作製するためには、まず、ターゲット層上にハードマスク材料を提供し(例えば、堆積によって)、次いで、ハードマスク材料上にフォトレジスト材料を提供する。続いて、フォトレジストパターンをパターニングする。フォトレジストパターンは、ハードマスク材料の一部をエッチング剤に対して選択的に露光させると共に、ハードマスク材料の残りの部分をエッチング剤から保護する。次に、エッチング剤によって、ハードマスク材料の露出部分を除去し、ハードマスク材料の保護された部分を残すことにより、フォトレジストパターンをハードマスク材料に転写する。その後、ハードマスク材料を固定して(例えば、ベーキングによって)、ターゲット層をパターニングするためのマスキング層を形成する。通常は別のエッチングステップによってターゲット層をパターニングした後、その次のステップでマスキング層を除去する。ハードマスクを必要としない例では、フォトレジスト層のパターンは、ターゲット層に直接転写される。この詳細な説明では、本明細書中で特に明記しない限り、マスキング材料は、ターゲット層の1または複数のエッチングステップの完了後に適宜除去される。
【0013】
この詳細な説明では、半導体基板上にメモリ構造体を作製する方法を説明する。メモリ構造体を作製する前に、従来の技術を用いて、半導体基板上または半導体基板内に様々なデバイス及び回路が作製される。まず、半導体基板上または半導体基板内のデバイスまたは回路にビット線を接続する方法の例を概略的に説明する。このような方法は、通常、メモリ構造体の作製前に実行される。
【0014】
ビット線接続の説明後に、メモリ構造体に関する本発明の様々な実施形態を説明する。これらの実施形態は、一般的に、個々のメモリセルのアレイを形成するためにメモリ構造体を作製する様々な態様に関する。これらの実施形態では、メモリ構造体には、予め形成され、かつ、半導体基板上または半導体基板内に既に形成されたデバイス及び回路に接続されたビット線が組み込まれる。
【0015】
メモリ構造体内に形成されるビット線と、半導体基板内のデバイスとの接続の形成
例1:
【0016】
図1Aは、アクティブ層110を有するメモリ構造体100を示し、このメモリ構造体100は、アクティブ層110に形成される半導体デバイスを、半導体基板108に形成されるデバイスに接続する手段を備えている。
図1Aのメモリ構造体100を形成するためには、まず、導体層106(「グローバルワード線」)を、第1の誘電体層上の半導体基板108上に作製する。次いで、第2の誘電体層を、グローバルワード線106の上側及び周囲に堆積させる。続いて、第2の誘電体層を、化学機械研磨(CMP)プロセスを用いて平坦化する。次に、犠牲材料SAC4を、第2の犠牲層104として第2の誘電体層上に設ける。その後、第2の犠牲層104をパターニングし、1または複数のエッチングステップにより、第2の犠牲層104(すなわち、犠牲材料SAC4)、第1の誘電体層、及び第2の誘電体層を貫通エッチングして、第2の犠牲層104の上面から半導体基板108内の回路に達するビア107を形成する。後のステップで、ビア107に導体材料が充填される。
【0017】
あるいは、犠牲材料SAC4を堆積させる前に、第1の誘電体層及び第2の誘電体層にビア107をエッチングしてもよい。この代替アプローチでも、SAC4材料が、第1の誘電体層及び第2の誘電体層を貫通エッチングして形成されたビア107に充填される。
【0018】
後述するように、第2の犠牲層104及びビア107内の犠牲材料SAC4は、後のステップで、金属などの低抵抗率導体材料によって同時に置き換えられる。ビア107内に充填されたSAC4材料を後のステップで低抵抗率金属と置き換える(置換する)ことを可能にすることによって、垂直コネクタの抵抗を大幅に低減させるという利点が提供される。特に、背の高いNIN積層体の場合は、ビアにN+ドープポリを充填することによって、共通ドレインまたはビット線に抵抗を追加することができる。このように、背の高いNIN積層体の場合は、後のステップで金属置換されるSAC4材料によってビア107を充填することが好ましい。
【0019】
図1Aを再び参照して、第2の犠牲層104上に、導電性の半導体層101(例えばn
+ドープシリコン)を堆積させる。導電性の半導体層101は、アクティブ層110から形成されるメモリセルのためのドレインまたはビット線を最終的に提供するように指定される。半導体層101の導電性半導体材料が、ビア107に充填される。次いで、第1の犠牲層102(犠牲材料「SAC1」によって提供される)及び導電性の第2の半導体層103(例えばn
+ドープシリコン)を第1の半導体層101上に堆積させる。後のステップで、第1の犠牲層102の全部または一部を、薄膜トランジスタのチャネル領域を形成するのに適した材料と置換する。メモリ構造体100を、メモリアレイを作製するのに適したサイズのブロックとなるようにパターニング及びエッチングする。第2の犠牲層104(すなわち、犠牲材料SAC4)、第1の半導体層101、第2の半導体層103、及び第1の犠牲層102は(それらにより形成されるチャネル領域材料と共に)、この詳細な説明では、「アクティブ層」と称する。アクティブ層110の構成層の各々は、この詳細な説明では、「副層」とも称する。第1の犠牲層102及び第2の犠牲層104(すなわち、SAC1材料層及びSAC4材料層)は、その後のステップで、その全体または一部が半導体材料及び導電性材料と置換される。次に、層間誘電体(ILD)層を、パターニングされたアクティブ層上に堆積させ、CMPによって平坦化させる。その後、上記のプロセスを、必要に応じて繰り返すことによって、所望の数のアクティブ層が作製される。例えば、
図1Bは、
図1Aのメモリ構造体100に2つのアクティブ層を追加した場合を示す。
【0020】
図1Bに示すように、メモリ構造体の3つのアクティブ層が、
図1Aに関連して上述したプロセスにしたがって提供される。これらの3つのアクティブ層は、n
+ドープされた半導体層101と半導体基板108との間のビア107を介した接続をそれぞれ有する。
図1Cは、別のアクティブ層が引き続き追加された、8つのアクティブ層を有するメモリ構造体150を示す。各アクティブ層には、ビット線が形成され、このビット線は、導体材料(例えば、ビット線101のドープシリコン)が充填されたビア107の1つによって半導体基板108に接続される(当然ながら、SAC4が充填されたビアを形成する別のアプローチを用いる場合には、最終的なビット線は、低抵抗率金属を介して半導体基板108に接続される)。
【0021】
メモリ構造体内に形成されるビット線と、半導体基板内のデバイスとの接続の形成
例2:
【0022】
この例では、ビア107による、メモリ構造体の第2のアクティブ層及びそれよりも高いアクティブ層への接続は、先行する各アクティブ層の作製中に、後続の各アクティブ層のために部分的に作製される。このスキームでは、各ビアは、比較的低いアスペクト比(完成したビアに対して)を各々有する1または複数の部分に構成され、これにより、
図1A-1Cに関連して上述したプロセスと比較して、ビアをより簡単に作製することが可能となる。
図1Dは、メモリ構造体160における第1のアクティブ層の作製を、該第1のアクティブ層の半導体基板108へのビア接続(107)、及び、その後に形成されるアクティブ層のためのビア接続の部分と共に示す断面図を示す。
図1Dに示すように、その後に形成されるアクティブ層のためのビア接続の部分は、第1のアクティブ層内に第1の半導体層101を形成するために堆積及びパターニングされた導電性材料(例えば、ドープシリコン)によって既に充填されている(上述したように、代替的なアプローチは、後のステップで、低抵抗率金属と置換されるSAC4材料でビアを充填することであり、これは、高密度用途ではより有利である)。このメモリ構造体160では、ドープシリコン層101はエッチングによって除去されて誘電体層161が露出し、これにより、他のアクティブ層のためのビア107の一部が形成される。
図1Eは、第2のアクティブ層を第1のアクティブ層と同様の方法で形成した後の、
図1Dのメモリ構造体160を示す。
図1Eでは、第2のアクティブ層の第1の半導体層101は、2つの部分から構成される完成したビアによって半導体基板108に接続される。
【0023】
メモリセルの作製
【0024】
実施形態1
【0025】
この実施形態では、高アスペクト比を有する背の高いメモリ構造体が、補強ストラットを使用して達成される。高アスペクト比構造体は、先行する構造体がストラット構造体システムによって安定化され、1または複数の犠牲層(「SAC4副層」)が1または複数のエッチングステップによってNIN積層体を通ってトレンチの露出側壁に除去された後に作製される。
【0026】
図2Aは、本発明の一実施形態による、メモリ構造体500内の様々な材料層の断面概略図を示す。
図2Aにおいて、アクティブ層502-0~502-7はそれぞれ、ドレイン副層523、ソース副層521、及び、犠牲材料1(「SAC1」)副層522(後で、その全部または一部が、チャネル材料副層と置換される)を含む。加えて、犠牲材料4(SAC4)副層524が設けられている。このSAC4副層524は、後で、導電性副層と置換され、置換された導電性副層は、実質的にその全長にわたって、ドレイン副層523に電気的に接続される。
図2Bは、
図2Aの断面から垂直軸(「Z」)を中心にして実質的に90度回転させた、
図2Aのメモリ構造体500の断面を示す。
図2Aの断面は、例えば、
図2Bの符号550で示す領域を横断する垂直面を通る断面であり得る。
【0027】
図3は、4つのNIN積層体310a、310b、310c及び310dを三次元で示す。各NIN積層体は、8つのアクティブ層を含む。各アクティブ層は、ソース副層303、ドレイン副層301、層間誘電体(ILD)層309、第1の犠牲副層302(「SAC1」材料)、ソース副層303に接触する第2の犠牲副層304a(「SAC4」材料)、及び、ドレイン副層301に接触する別の第2の犠牲副層304b(「SAC4」材料を同様に含んでいる)を含む。この詳細な説明では、各図に示す各メモリ構造体(例えば、
図3のメモリ構造体300)は、メモリアレイの一部のみを表している。例えば、
図3のメモリ構造体における8つのアクティブ層は、説明及び例示のためのものに過ぎない。アクティブ層の数は、2、4、16、32、64、128、またはそれ以上であってもよい。
図3に示すように、各NIN積層体の頂部には、ハードマスク層313が設けられる。ハードマスク層313は、1または複数の材料を使用して各々形成された1または複数の層を表す。ハードマスク層313は、その下側の層を異方性エッチングから保護するとともに、電気絶縁を提供する。ハードマスク層313は、任意の適切な材料(例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭素、これらの任意の組み合わせ、または、これらの材料と他の材料との任意の組み合わせ)から形成することができる。
【0028】
図3では、第2の犠牲層304aと第2の犠牲層304bとの2つのSAC4が、各アクティブ層と共に設けられており、ドレイン副層301は第2の犠牲副層304bと接触しており、ソース副層303は第2の犠牲副層304aと接触している。別の実施形態では、
図2A及び2Bのメモリ構造体の場合のように、各アクティブ層に、ソース副層またはドレイン副層のいずれかに接触するSAC4層を1つだけ設けてよい。いくつかの実施形態では、或るアクティブ層のSAC4を含有する第2の犠牲副層が、そのアクティブ層に隣接するアクティブ層のSAC4副層に面するようにし、このパターンをNIN積層体の2つのアクティブ層ごとに繰り返すことが好ましい。
【0029】
図3は、メモリアレイ作製の中間ステップにおける、4つの8層NIN積層体310a、310b、310c、310dと、それらの間に形成された3つのトレンチ312a、312b、312cとを示す。その後、
図4~6に示すエッチングを実施することにより、8つのNIN積層体310a-1、310a-2、310b-1、310b-2、310c-1、310c-2、310d-1及び310d-2のセット(組)と、各積層体間の7つのトレンチとが形成される。このようにして、最終的に形成される7つのトレンチのうちの3つのトレンチが最初のステップでエッチングされ、残りの4つのトレンチが次のステップでエッチングされる。このような2段階エッチングは、単なる例である。トレンチの任意の適切な割合、例えば、1/4、1/3、または任意の適切な割合が最初のステップでエッチングされる。後続のトレンチエッチングステップに至るまでは、NIN積層体には金属層がまだ設けられていないので、この時点では、金属エッチングに関連する問題は回避されていることに留意されたい。
図3の各NIN積層体は、最終的なNIN積層体(
図6参照)の少なくとも2倍の幅を有するので、
図3のNIN積層体は、
図6のより狭いNIN積層体よりも機械的に安定的である。4つのNIN積層体310a、310b、310c及び310dを形成する最初のエッチングステップの後、第3の犠牲層318(「SAC2材料」を含む)をNIN積層体上に堆積させて、露出したトレンチ312a、312b及び312dに充填する。
図4は、トレンチ312a、312b及び312c内に第3の犠牲層318のSAC2材料を堆積させた後の、
図3のメモリ構造体300を示す。
【0030】
SAC2材料を堆積させた後、第3の犠牲層318のSAC2材料を各NIN積層体の頂部から除去して、ハードマスク層313を露出させる。SAC2材料の一部は、SAC2材料がハードマスク層313の頂面から凹んだ凹部を形成するように、トレンチの頂部から除去される。SAC2材料のこの部分的な除去は、ウェットエッチング、ドライエッチング、CMP、またはそれらの技術の組み合わせなどの任意の適切な技術を用いて達成される。続いて、ストラット層314を堆積させる。ストラット層314は、窒化シリコンなどの任意の適切な材料であってもよい。いくつかの実施形態では、ストラット層314は、ハードマスク層313と同じ材料であってよい。次に、ストラット層314をパターニングして、NIN積層体のハードマスク層に連結されたストラット構造体314a、314b及び314cを形成する。
図5は、
図4のメモリ構造体300上に堆積させたストラット層314をパターニングした後のメモリ構造体300を示す。ストラット構造体314a、314b及び314cは、互いに隣接するNIN積層体を物理的に固定及び補強する。
【0031】
図5に示すように、ストラット構造体314a、314b及び314cは、各NIN積層体のハードマスク層313によって覆われる領域と比較してより小さい領域を覆う。ストラット構造体314a、314b及び314cによって覆われる領域は、機械的安定性を損なうことなく、後続の作製ステップにおけるトレンチへの自由なアクセスを依然として可能にするように、小さいことが好ましい。
図5のメモリ構造体300では、互いに隣接するNIN積層体間には、1つのストラット構造体のみが示されているが、所望の機械的安定性を提供するために、必要に応じて、互いに隣接するNIN積層体間に任意の数のストラットを設けてもよい。また、各ストラット構造体は、任意の有益なサイズまたは形状で設けてもよい。
【0032】
次いで、
図5のメモリ構造体300は、NIN積層体310a、310b、310c及び310dをそれぞれ切断して2つのNIN積層体に分割する残りの4つのトレンチを形成するためにさらにパターニングされる(分割後のNIN積層体には、それぞれ、310a-1、310a-2、310b-1、310b-2、310c-1、310c-2、310d-1、310d-2の符号を付す)。
図6は、残りの4つのトレンチをエッチングすることによって得られたメモリ構造体300を示す(NIN積層体310a-1は図示しない)。いくつかの実施形態では、最終トレンチ(残りの4つのトレンチ)のパターンを形成するために使用されたフォトレジスト層は、次の作製ステップ中にトレンチ312a、312b及び312c内のSAC2材料を保護するために、NIN積層体上に残してもよい。この時点で、
図6に示すように、各NIN積層体の一方の側部は、その長さに沿って新たに切断形成されたトレンチ内に露出し、各NIN積層体の他方の側部は、第1のセットのトレンチ312a、312b及び312cのSAC2材料によってシールされる。
【0033】
次に、各NIN積層体の各アクティブ層における、SAC4を含有する第2の犠牲層304a及び304bの全部または一部をエッチングによって除去する。このエッチングは、アクティブ層内の他の副層をエッチングしないか、またはほとんどエッチングしない選択的化学エッチングを用いて達成することができる。各アクティブ層の第2の犠牲副層304a、304b内のSAC4材料を除去した後、導電性材料を堆積させて、SAC4材料の除去によって形成された空隙(void)を充填し、導電性副層319a、319bを形成する。また、導電性材料で、第2のセットのトレンチの側壁及びNIN積層体の頂部を被覆し、その後、これらの両方を、等方性エッチングまたは異方性エッチングによって除去する。この結果得られたメモリ構造体300を
図7に示す。残っているフォトレジスト層は、導電性材料を堆積させる前に除去することが好ましい。導電性材料は、或る副層が、比較的高い抵抗率、及び誘電体膜(例えば、ILD層309)に対して良好な接着性を有し、別の副層が、より低い抵抗率、及び誘電体膜ではなく他の金属膜に対して良好な接着性を有する、いくつかの副層を含む金属膜を形成する。その金属膜の別の副層は、金属膜の他の2つの副層間の望ましくない化学反応を低減または防止する拡散バリアとして機能する。さらに、いくつかの実施形態では、ライナまたはバリア副層を含まない、単一の金属元素膜のみが形成される。導電性副層の形成に適した材料の他の例を以下に説明する。
【0034】
図8は、
図7のメモリ構造体300におけるアクティブ層の副層301、302及び303をさらに詳細に示し、導電性副層319a及び319bはそれぞれ、2以上の副層によって形成された金属膜を含む。
図8に示すように、SAC4を含有する第2の犠牲層304a及び304bの除去後、最初の副層321によって、SAC4材料の除去によって形成された空隙の露出した壁を被覆する。その後、空隙を実質的に埋める低抵抗副層322を堆積させる。低抵抗率副層322には、いくつかの孔隙(porosity)が存在し得る。最初の副層321は、
図8に示すように、断面視でC字形の層を形成する、ライナ膜、バリア膜、またはその両方であり得る。
【0035】
次に、選択的エッチングによって、トレンチ312a、312b及び312cからSAC2材料を除去する。
図9は、SAC2材料を除去した後の、
図7のメモリ構造体300を示す。メモリ構造体は、オープントレンチ(すなわち、SAC2材料が充填されていないトレンチ)を選択的エッチング中の損傷から保護するために、選択的エッチングの前にパターニングされる。この結果得られたNIN積層体は、各々高アスペクト比を有し、互いに隣接するNIN積層体間に設けられたストラットによって、部分的には、機械的及び構造的に支持することが可能となる。ストラットは、NIN積層体が傾いたり倒れたりすることを防止する。
【0036】
導電性副層319a及び319bはまた、下記の実施形態5に関連して後述するように、後続のプロセスステップでの損傷を防止するためにシールされる。後述するように、シールは、導電性副層319a及び319bの両側を露出させた後(すなわち、トレンチ312a、312b及び312cからSAC2材料を除去した後)、かつ、チャネル副層332及びストレージ層335を形成する前に行われる。
【0037】
図9のメモリ構造体300からの残りの作製ステップは、同時係属出願に開示された作製ステップに従うことができる。例えば、
図10は、選択的エッチングによってSAC1を含有する第1の犠牲層302を部分的に除去し、チャネル副層332を堆積させ、エッチングした後の、
図9のメモリ構造体300を示す。
図10に示すように、SAC1材料の部分的な除去により、SAC1材料の壁が形成され、壁の両側に、凹部または空隙がそれぞれ形成される。チャネル材料を堆積させて、空隙を埋める。その後、チャネル材料をエッチングして、NIN積層体間のトレンチからチャネル材料を除去する。
図10には、チャネル副層332及び残っている第1の犠牲副層302(「スパイン(spine)」)の詳細を示す挿入図が示されている。
【0038】
次に、ストレージ層335(例えば、酸化物/窒化物/酸化物(ONO)層)を、
図10のメモリ構造体300上に堆積させる。ストレージ層335は、エッチングステップによって、NIN積層体間のトレンチの底部から除去される。その後、得られた構造体上にワード線層336を堆積させ、
図11に示すようにパターニングする。ストレージ層335は、NIN積層体の頂部に残してもよいし、または、トレンチの底部から除去するために、エッチング中にNIN積層体の頂部から除去してもよい。
図11は、メモリセルの作製が実質的に完了した状態を示す。
【0039】
上述したように、
図5~11に示した実施例では、ストラット構造体314b、314c及び314dは、ハードマスク層313の部分の間のみに設けられている。
図12Aは、トレンチの最初のセットの形成後にストラット314d、314e及び314fを形成した、様々なストラット構造体を示す(例えば、
図3では、SAC2材料の堆積前)。
図12Aでは、ストラット314d、314e及び314fは、トレンチ312a、312b及び312cの全長にわたって延在する構造体である。ストラット314d、314e及び314fは、ストラット材料を、トレンチ312a、312b及び312c内及びNIN積層体上に堆積させ、パターニングすることにより形成される。ストラット314d、314e及び314fは、
図5に示したストラット構造体314a、314b及び314cよりも形成が困難であり、メモリセルをストラットに隣接して形成することができないので、メモリ密度ペナルティが生じる。
【0040】
この例では、チャネル副層332は、第2の犠牲副層309a及び309b内のSAC4材料が導電層319a及び319bで置換された後に形成される(「金属置換」)。他の実施形態では、チャネル副層332は、金属置換の前に形成してもよい。
【0041】
この実施形態のさらなる例では、単一のマスク層を使用してすべてのアクティブ層の高さを支持及び延長するのではなく、酸化物ストラットによって、アクティブ層の高さを1つずつ延長する。
図12Bは、メモリ構造体のブロックの領域を画定するためにエッチングされた、メモリ構造体370内の第1のアクティブ層を示す。
図12Bに示すように、1または複数のビア(例えば、ビア377a、377b及び377c)が、画定された領域内にエッチングされる。ビア377a、377b及び377cは、NIN積層体間のトレンチの形成予定位置に形成される(
図12Bのアクティブ層380は、アクティブ層110と構造的に類似している。すなわち、
図1Bまたは
図1Dに関して上述したように、各アクティブ層内にSAC4材料の単一層のみを有する)。
【0042】
ビア377a、377b及び377cをアクティブ層380にエッチングした後、ILD材料349を堆積させてビアを充填する。次に、ILD材料を平坦化する。アクティブ層を形成し、ILD材料をパターニングし、ビア377に充填するプロセスは、アクティブ層ごとに繰り返される。
図12Cは、第2のアクティブ層の形成後、かつ、第2のアクティブ層内にエッチングされたビア377a、377b及び377cにILD材料を充填する前の、
図12Bのメモリ構造体370を示す。第2のアクティブ層のエッチングされたビア377a、377b及び377cは、ILD材料の連続したピラーが形成されるように、第1のアクティブ層の対応するビア377a、377b及び377cと実質的に同じ位置に配置される。
図12Dは、8つのアクティブ層が形成された後の、
図12Cのメモリ構造体370を示す。この実施形態では、各アクティブ層内の各ビアは、アクティブ層間の若干の位置ずれを許容し、そのベースよりも小さいピークを有するストラットを形成することができるように、それに先行して形成された隣接するアクティブ層内の対応するビアよりも小さい断面積を有する。この結果得られた、テーパ状ILD構造体(または「ピラミッド」、例えばピラミッド378)を形成するストラットを
図12Eに示す。
図12Eは、選択的エッチングを用いてトレンチを形成することによって、
図12Dのメモリ構造体370内にNIN積層体を形成した状態を示す。選択的エッチングは、アクティブ層を貫通して充填されたビア377a、377b及び377c内のILD構造をそのままの状態に保つ。
【0043】
テーパ状の断面を有する酸化物ストラット(例えば、
図12Eのピラミッド378)は、トレンチをエッチングしたるときにNINストリンガが形成される可能性を最小限に抑える。
図12Eの連続する各アクティブ層のビアエッチングは、
図12Aに示した酸化物ストラットを形成するエッチングと比較して、より短い時間で酸化物ストラットを形成することができる。このアプローチは、新しい各アクティブ層がNIN積層体内に形成されるときに、成長するNIN積層体がその成長ストラットによって支持されるという利点を有する。この利点は、酸化物ストラットを形成するためにNIN積層体内のすべてのアクティブ層を貫通してエッチングする
図12Aのアプローチでは得られない。
【0044】
酸化物ストラットは
図12B~12Eのすべてのトレンチに形成されているが、多くの用途では各NIN積層体の一方の側への機械的支持だけで十分であるので、いくつかの実施形態では、酸化物ストラットは1つおきのトレンチにだけ形成してもよい。
【0045】
実施形態2
【0046】
この実施形態では、SAC4材料含有副層(例えば、
図7の第2の犠牲副層304a及び304b)は、
図6~7(実施形態1)を参照して上述したようにトレンチの側壁から露出した部分を通じて横向きに(すなわち、その幅に沿った方向に)エッチングする代わりに、各副層の長さに沿った方向に長いキャビティをエッチングすることによって除去される。換言すれば、エッチング液により、SAC4材料は、第2の犠牲層の長さに沿った一方または両方の端部から順次除去される。このエッチングは、より経路を必要とするが、実施形態2は、メモリセルの形成後に金属置換を実施することができ、これにより、メモリセル内の金属汚染のリスクが低減するという点で、実施形態1よりも有利である。
【0047】
図13に示すメモリ構造体400は、
図11のメモリ構造体300と実質的に同一であるが、
図7を参照して上述した、第2の犠牲副層304a及び304bの除去及び金属置換がまだ実施されていないという点が異なる。加えて、
図13のメモリ構造体400では、ワード線層336は、NIN積層体のNORストリング内のすべてのストレージトランジスタがワード線を備えないように(「スキップされたワード線」)、各NORストリングに沿ってギャップが形成されるようにパターニング及びエッチングされる。スキップされたセクション405として
図13に示されている、このようなスキップされたワード線は、例えば、1、2、4、16、64、128、またはそれ以上の数のスキップされたワード線の空間にわたって延在し得る。ストレージ副層(例えば、ONOを含むストレージ副層335)が設けられており、このストレージ副層は、ワード線が「スキップ」された場所を含むあらゆる場所で無傷である。ワード線がスキップされるNIN積層体の各セクションは、NIN積層体の高さにわたって延在してもよい。明確にするために、
図13~15では、スキップされたセクション(すなわち、スキップされたセクション405)は1つだけ示している。2以上のスキップされたセクションを、各NORストリングに沿って形成してもよい。
【0048】
次に、
図13のメモリ構造体上に誘電体層403を堆積させて、ワード線間のトレンチを充填する。続いて、誘電体層403をパターニングして、スキップされたセクション(例えば、スキップされたセクション405)を露出させる。
図14は、スキップされたセクション405を露出させた後の、
図13のメモリ構造体400を示す。その後、スキップされたセクション405の下側のストレージ副層335の露出部分を、その下側のアクティブ層を露出させるために除去する。
【0049】
次に、NIN積層体内のすべてのアクティブ層(例えば、第2の犠牲副層304a及び304b)のSAC4材料含有副層を選択的にエッチングする。エッチングは、各露出副層から開始し、長さ方向(すなわち、ソース副層303及びドレイン副層301の長さの方向に)に進め、ストレージ層335の非露出部分の下まで続け、これにより、SAC4材料が除去されるに従って、SAC4材料含有副層内に長いキャビティが形成される。SAC4材料含有副層の除去後、キャビティ内、NIN積層体の露出側壁上、及びNIN積層体の頂部に導電性材料を堆積させることによって、金属置換を実施する。その後、NIN積層体の露出側壁及びNIN積層体の頂部から導電性材料を除去し、これにより、キャビティに導電性材料を充填することにより形成された導電性副層を残す。これで金属置換ステップは完了する。
図15は、金属置換ステップが完了した後の、
図14のメモリ構造体400を示す。
【0050】
図16は、
図15のメモリ構造体400におけるアクティブ層の全体をより詳細に示す断面図である。
図16に示すように、ドレイン副層301及びソース副層303は、それぞれ、導電性副層419b及び419aと接触している。他の実施形態では、ドレイン副層301またはソース副層303のみが、導電性副層と接触している。
図8の断面図では、メモリ構造体300内の各導電性副層は、ライナまたはバリア層として機能する最初の副層(例えば、
図8のライナまたはバリア副層321)を有する金属膜を含み得る。しかしながら、
図8のメモリ構造体300eにおけるライナまたはバリア副層321とは異なり、メモリ構造体400のライナまたはバリア副層407は、各キャビティのすべての4つの側部(すなわち、NIN積層の両側のストレージ層335、隣接するソース副層3303またはドレイン副層301、及び対応する隣接するILD層309)を被覆する。次いで、キャビティに、低空隙率を有する低抵抗材料408を充填する。
【0051】
図16はまた、アクティブストリップの両側のチャネル副層332によって提供されるチャネル領域の間に、第1の犠牲副層302(SAC1材料を含有する)が、チャネル領域を互いに電気的に絶縁するフィン構造体として残されることを示す。このフィン構造体もまた、チャネル副層332の堆積後に、選択的エッチングによって除去される。この選択的エッチングは、この例におけるSAC4材料のエッチングと同様な方法で、別の選択性を有するエッチング液を使用して、ソース副層303及びドレイン副層301の長さに沿って進めることができる。フィン構造体のSAC1材料の除去により、互いに隣接する2つのメモリセル間の寄生容量結合を低減するエアギャップ絶縁が提供される。このエアギャップ絶縁技術は、同様の利点を達成するために、この詳細な説明における他の実施形態または実施例に対して同様に適用することができる。
【0052】
図16のNIN積層体は、
図5-11のメモリ構造体に関連して上述したストラット構造体を使用して達成され得る。
【0053】
実施形態3
【0054】
あるいは、NIN積層体は、2以上の部分により段階的に作製してもよい。各部分では、限られた数のアクティブ層のみが垂直方向にエッチングされる。具体的には、高アスペクト比NIN積層体のエッチングは、より少ないアクティブ層をエッチングすることによって第1の部分(最初の部分)では回避され、これにより、アスペクト比が低減される。NIN積層体の第2の部分をNIN積層体の第1の部分の上側に追加してエッチングするとき、第1の部分は、第1の部分のトレンチ内に堆積させた誘電体層によって支持される。第2の部分は、エッチングにより高アスペクト比構造が形成されないので、エッチング中は自立する。NIN積層体のすべての部分が作製されると、誘電体層を堆積させて残りの開口トレンチを充填し、パターニングし、エッチングして、先行して堆積させた同様の誘電体層をNIN積層体のすべての第1の部分から除去し、この間、NIN積層体の機械的強度は維持される。導電性副層がNIN積層体に挿入されたとき、各NIN積層体の片側のみがトレンチ内に露出し、反対側のトレンチは誘電体層で充填される。
【0055】
図17は、構造的に堅固な状態を維持するために任意の適切な数のアクティブ層を含むことができる、4つのNIN積層体501a、501b、501c及び501d(「第1の部分」)を含むメモリ構造体500を示す(すなわち、各NIN積層体のアスペクト比は、傾いたり倒れたりすることを回避できるように十分に低い)。第1の部分は、1、2、3、4、またはそれ以上の数のアクティブ層を有し得る。
図17では、各アクティブ層の第1の犠牲副層302は、部分的に除去され、チャネル副層332を堆積させて、SAC1材料の除去により形成されたキャビティを充填する。また、チャネル副層332からの過剰材料も、NIN積層体の側壁、及びNIN積層体の頂部から除去される(代替的に、第1の犠牲層302のこの部分的な除去、及びチャネル層332による置換は、第2の犠牲層304(すなわち、SAC4材料)を導電層319で置換した後のステップで行ってもよい)。続いて、誘電体層509を堆積させて、すべてのトレンチを充填する。次に、NIN積層体の頂部に堆積させた誘電体層509からの誘電体材料を、例えばエッチングまたはCMP工程を用いて除去する。この結果得られたメモリ構造体500を
図18に示す。
【0056】
次に、
図18の第1の部分の頂部の上側に、別の4つのNIN積層体501e、501f、501g及び501h(「第2の部分」)を作製する。この結果得られたメモリ構造体500を
図19に示す。第2の部分のNIN積層体は、各NIN積層体が第1の部分の対応するNIN積層体と整列するようにエッチングされる。第1の部分と同様に、第2の部分は、構造的に堅固な状態(すなわち、第2の部分の各NIN積層体のアスペクト比は、傾いたり倒れたりすることを回避できるように十分に低い)を維持するために任意の適切な数のアクティブ層を含み得る。この点に関して、第2の部分は、1、2、3、4、またはそれ以上の数のアクティブ層を有し得る。続いて、第2の部分のトレンチを、誘電体材料(例えば、誘電体層509と同じ誘電体材料)で充填する。次に、
図20に示すように、第2の部分及び第1の部分の両方における1つおきのトレンチから誘電体材料をエッチングによって除去して、メモリ構造体500をパターニングする。その後、各アクティブ層(例えば、第2の犠牲副層304a及び304b)のSAC4材料含有副層を選択的エッチングによって除去し、導電性副層(例えば、導電性副層319a及び319b)を堆積させることにより、SAC4材料を導電性副層で置換する。その後、トレンチの側壁及びNIN積層体の頂部に堆積した過剰な導電性材料を択的に除去する。この結果得られたメモリ構造体500を
図21に示す。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1の部分は、第2の部分の作製を開始する前に、ストレージ層335及びローカルワード線の形成を通して処理してもよい。
【0058】
また、導電性副層319a及び319bは、作製プロセスにおける後続のステップにおいて保護するためにシールされる。シール工程の一例は、実施形態5に関連して後述する。シール工程は、導電層をトレンチに露出させた後、かつ、チャネル及びストレージ副層の形成前に行われる。
【0059】
上述したように、チャネル副層332は、金属置換ステップ(例えば、導電性副層319a及び319b)の前に形成されるが、チャネル副層332の形成は、金属置換ステップの後に行ってもよい。金属置換ステップの直後は、誘電体層509は依然として1つおきのトレンチを充填しているので、チャネル副層332は、NIN積層体のオープントレンチ側に露出したアクティブ層内にのみ形成される。トレンチの底部、トレンチの側壁、及びNIN積層体の頂部に存在する過剰なチャネル材料を、エッチングによって除去する。ストレージ層335(例えば、ONO層)を、オープントレンチをライニング(line)するために、及びNIN積層体の頂部に堆積させる。次いで、トレンチの底部及びNIN積層体の頂部の過剰なストレージ層材料を除去して、ストレージ層335をトレンチの側壁上にのみ残す。あるいは、ワード線の形成後まで、過剰ストレージ層材料を残しておいてもよい。
【0060】
次に、ワード線を形成するための導電性材料を、露出したトレンチの側壁上のストレージ層上に堆積させ、パターニングして、
図22に示すメモリ構造体を形成する。作製プロセスのこの時点で、メモリセルの約半分が実質的に作製された。この時点で、ワード線用の導電性材料で保護されていないストレージ材料を任意選択で除去する。
【0061】
次いで、1つおきのトレンチ内の誘電体層509の残りの部分を完全に除去し、上述したプロセスと実質的に同じプロセスを用いて、ストレージ層335及びワード線層336を形成する。この結果得られたメモリ構造体を
図23に示す。ワード線は、NIN積層体の全体にわたって電気的に連続している。その後、ワード線層336のパターニング及びエッチングを行って、個々のローカルワード線を形成する。
【0062】
各導電性副層(例えば、導電性副層319a及び319b、隣接するソース副層303及びドレイン副層301)が2以上の材料を含む場合、
図8に示した導電性副層319a及び319bの断面と同様の断面が得られる。最初に堆積させた材料(例えば、ライナまたはバリア材料321)は、元々はSAC4材料によって占められていた空間の3つの側面を被覆し、最後に堆積させた低抵抗率材料322は、その空間を実質的に満たす。完成した導電性材料には、いくつかの小さな孔隙が存在し得る。トレンチの側壁から導電性材料を除去することにより、
図8に示したような断面で見た場合、ライナまたはバリア層321がC字形構造体として形成される。
【0063】
さらに、メモリ構造体500の上側にグローバルワード線106aを形成し、ビア109aをドロップダウンさせてローカルワード線と接触させることができる。
図23には、メモリ構造体500の作製前に、メモリ構造体500の下側に形成されたグローバルワード線106sも示されている。
【0064】
図17~23は、2つの部分から作製されたNIN積層体を示すが、3以上の部分(例えば、3、4、またはそれ以上)から作製されるNIN積層体も、
図17~23に関連して説明したステップを繰り返すことによって作製可能である。
【0065】
この詳細な説明では、最初に、第1のグループのメモリセル(例えば、第1の部分のメモリセル、またはアクティブストリップの片側のメモリセル)のためのストレージ層(例えば、ONO層)を形成し、その後に、第2のグループのメモリセル(例えば、第2の部分のメモリセル、またはアクティブストリップの反対側のメモリセル)のための別のストレージ層を形成する場合、第1のグループのメモリセルのストレージ層は、第2のグループのメモリセルのストレージ層と同一である必要はない。例えば、一方のストレージ層が、書き込みが遅く、書き込み/消去サイクル耐久性がより制限されるが、長期間のデータ保持を提供するために比較的厚いトンネル誘電体層(例えば、5ナノメートル以上)であり、他方のストレージ層が、書き込みがより速く、書き込み/消去サイクル耐久性がより高いが、短期間のデータ保持を提供するために比較的薄いトンネル誘電体層(例えば3ナノメートル以下)であってもよい。この結果、同一のメモリ構造体内に、2種類以上のメモリセルを設けることが可能となる。
【0066】
実施形態4
【0067】
同時係属出願では、メモリセルは、NIN積層体の一方の側にのみ設けられ、他方の側には設けられない。このような構成は、作製を容易にし、同じNIN積層体の並列メモリセルで発生する可能性がある「セルディスターブ(cell disturb)」問題を排除する。この例では、メモリセルの作製が実質的に完了し(例えば、SAC4材料などの犠牲材料による金属置換の前)、メモリセルが効果的に「密閉された」された後、各NIN積層体内のアクティブ層に導電性副層を導入するために、金属置換ステップが、実施形態2に関連して上述したようにして行われる。これにより、メモリセル内の金属汚染の有害なリスクが低減される。
【0068】
図24は、互いに幅が異なるトレンチ602-1、602-2、602-3、602-4及び602-5によって互いに分離された6つのNIN積層体601a~601fを含むメモリ構造体600を示す。
図24では、とりわけ、1つおきのトレンチ(すなわち、トレンチ602-1、602-3または602-5)は、その両側のトレンチ(すなわち、トレンチ602-2及び602-4)よりも幅の広い。幅の広い各トレンチは、それに隣接するNIN積層体における、トレンチに面するメモリセルを分離する。幅の狭いトレンチに面したNIN積層体の側面には、メモリセルは設けられない。次に、誘電体材料609を、NIN積層体のトレンチ内に堆積させる。続いて、誘電体材料609をパターニングして、NIN積層体の頂部及び幅の広いトレンチ602-1、602-3及び602-5から誘電体材料を除去し、誘電体材料609を幅の狭いトレンチ602-2及び602-4のみに残す。この結果得られたメモリ構造体600を
図25に示す。その後、上述したプロセスステップを用いて、幅の広いトレンチ602-1、602-3及び602-5の側壁に露出したアクティブ層からSAC1材料含有副層(例えば、第1の犠牲副層302)を部分的に除去し、次いで、チャネル層332を堆積させることによって、埋め込みチャネル副層を形成する。この結果得られた構造体600を
図26に示す。次に、
図27のメモリ構造体600を作製するために、ストレージ副層335(例えば、ONO副層)を堆積させ、NIN積層体の頂部及びトレンチの底部の両方から異方性エッチングによって除去する。続いて、
図28に示すように、導電性材料を堆積させてワード線層336を形成し、その後、パターニングしてローカルワード線を形成する。この時点で、ワード線副層336のワード線によって保護されていないストレージ副層335の露出部分のストレージ材料は除去される。
【0069】
次に、誘電体層611を、NIN積層体の上側、及び、任意のオープントレンチ内に堆積させる。続いて、誘電体層611をパターニングして、幅の狭いトレンチ(例えば、トレンチ601-2及び602-4)と、狭いトレンチを覆うワード線層336の任意の部分とを露出させる。次いで、狭いトレンチ内の露出した誘電体材料609と、これらの狭いトレンチを覆うワード線層336の部分とをエッチングによって除去する。
【0070】
これにより、アクティブ層内のSAC4材料含有副層(例えば、第2の犠牲副層304a及び304b)が狭いトレンチ内に露出し、エッチングによって除去することが可能になる。この例では、SAC4材料含有副層は完全には除去されず、例えば、露出部分の遠位側(例えば、ストレージ副層335に隣接する)の第2の犠牲副層304a及び304bの一部が残る。別の例では、第2の犠牲副層304a及び304bは、完全に除去され得る。次に、導電性副層(例えば、導電性副層319a及び319b、それぞれに隣接するソース副層303及びドレイン副層301)を、SAC4材料を除去または部分的に除去した結果として形成されたキャビティ内に堆積させる。次いで、
図29に示すように、トレンチの側壁上及びNIN積層体の頂部の導電性副層319a及び319bからの過剰材料を除去して、キャビティを充填する導電性副層319a及び319bを残す。
【0071】
次に、誘電体層612を、狭いトレンチ(例えば、トレンチ602-2及び602-4)に堆積させて充填し、NIN積層体の頂部に位置するワード線層336の部分の下面から凹んだ凹部をエッチングによって形成する(あるいは、狭いトレンチ602-2及び602-4は、互いに隣接するNIN積層体間のエアギャップとして機能させるために、充填しないままにしてもよい。多くの用途では、エアギャップによる隔離が好ましい)。次いで、
図30に示すように、例えば、デュアルダマシン法を用いて、グローバルワード線106aをNIN積層体上に形成する(
図30には図示していないが、グローバルワード線106sは、所望であれば、
図23に関して上述したのと同じ方法で、NIN積層体の下側に形成してもよい)。
【0072】
実施形態5
【0073】
この実施形態では、NIN積層体の高さ全体にわたって延在するストラットは、ビアエッチアンドフィル法(via etch and fill method)を用いて作製される。
図12A(実施形態1)に関連して上述した上記の例に加えて、
図12Aに関連して上述した方法とは異なり2つのトレンチエッチングを必要としない下記の例でも、NIN積層体の高さ全体にわたって延在するストラットについて説明する。下記の例では、すべてのトレンチが、単一のプロセスで同時にパターニング及びトレンチングされ、これにより、パターニング及びエッチングの複数のプロセスを用いた場合に生じる可能性がある位置合わせエラーを排除する。
【0074】
図31は、8つのアクティブ層を含むメモリ構造体700を示す。アクティブ層は、グローバルワード線として機能する下部導体106sから底部アクティブ層を分離する頂部絶縁層720(例えば、SiO
2)上に形成される。ハードマスク層701(例えば、SiN、ILD、または他の適切な材料)は、アクティブ層の上側に設けられる。
図31のメモリ構造体700では、ハードマスク層701の高さ全体にわたって延在するビア703及び8つのアクティブ層が、パターニング及びエッチングされる。各ビア703は、2つのNIN積層体間のトレンチの幅と略同一の幅を有する。各ビア703は、形成されるトレンチの位置をマークし、それに隣接して形成されるトレンチは、これから形成されるNIN積層体の幅と実質的に等しい距離だけ分離されて形成される。隣接して形成されるトレンチ内のビア703は、互いに位置がずれていてもよい。続いて、ビア703は、例えば化学気相成長(CVD)プロセスを用いて誘電体材料704(例えば、SiO2)で充填され、その後、ハードマスク層701の頂部から除去される。その結果、誘電体材料704は、これから形成されるNIN積層体に対する機械的支持を提供する垂直ピラーまたはストラットを形成する。
図32に示すように、第2のハードマスク層702を、メモリ構造体700上に堆積させる。次に、アクティブ層をその高さ全体にわたってパターニング及びエッチングしてトレンチを形成し、これにより、
図33に示すような、互いに連結されたNIN積層体710a、710b、710c及び710dが作製される。ビア704内の誘電体材料703の垂直ピラーは、ハードマスク層701及び702によって除去から保護されており、これにより、NIN積層体710a、710b、710c及び710dを互いに連結する機械的ピラーまたはストラットが形成される。これらのピラーまたはストラットは、8つのアクティブ層の高さ全体にわたって延在する。
【0075】
次に、トレンチに、上述したSAC2材料を含む第3の犠牲層318を充填する。この結果得られたメモリ構造体700をパターニングして、
図34に示すように、1つおきのトレンチからSAC2材料を除去する。1つおきのトレンチをパターニングして除去する前に、例えばCMPプロセスを用いてSAC2材料を平坦化して、
図34に示すように、1つおきのトレンチ内に残るSAC2材料がハードマスク層702の上面と同一平面をなすようにする。続いて、アクティブ層内の露出した、SAC4材料を含有する犠牲副層304a及び304bを、選択的エッチングによって除去し、対応する導電性副層319a及び319bによって置換する。トレンチの側壁及びNIN積層体710a、710b、710c及び710dの頂部上の過剰な導電性副層材料を異方性エッチングによって除去し、実質的に、それにより形成されたキャビティ内にのみ、導電性副層304a及び304bを残す。次に、第3の犠牲層318内の残りのSAC2材料を選択的エッチングによって除去する。この結果得られたメモリ構造体700を
図35に示す。あるいは、一変形例では、第3の犠牲層318のSAC2材料を、1つおきのトレンチに導入せず、SAC4材料の除去及び金属置換のステップ中のメモリ構造体700の機械的支持は、酸化物ストラット(すなわち、誘電体材料704のピラー)により大きく依存する。
【0076】
次に、後続の処理ステップにおいてメモリ構造体700が二次汚染されることを回避するために、導電性副層319a及び319bをシールする。各アクティブ層の導電性副層319a及び319bを選択的にエッチングして、導電性副層319a及び319bにその側壁から凹んだ凹部を形成し、その凹部に誘電体バリア材料712を堆積させることによって、シールを実現することができる。その後、過剰の誘電体バリア材料712をトレンチから除去することによって、
図36に示すように、導電性副層319a及び319bの側壁に形成された凹部内にのみ誘電体バリア材料712を残す。
【0077】
次いで、凹部チャネル形成を、上述したようにして行って(すなわち、第1の犠牲副層302からSAC1材料を部分的に除去した後、チャネル副層332を堆積させる)、
図37に示すメモリ構造体700を作製する。次に、NIN積層体の側壁上に、ストレージ層335(例えば、ONO層)を形成する。ストレージ層335は、薄い保護誘電体副層713(図示しない;例えば1~2nmのAl
2O
3)をさらに含んでもよい。薄い保護誘電体副層713は、後続のプロセスで使用されるプラズマによって生じる損傷からストレージ層335を保護し、さらに、消去動作中の電子のトンネリングを妨げることによって、ストレージ層335内のブロッキング誘電体副層714(図示しない)を強化する。次に、
図38に示すように、異方性エッチングによって、NIN積層体の頂部及びトレンチの底部から、ストレージ層335を保護誘電体副層713と共に除去する。
【0078】
あるいは、保護誘電体副層713は、薄い1~5nmのシリコン層によって形成してもよい。いくつかの実施形態では、保護誘電体副層713は設けられない。いくつかの実施形態では、ストレージ層335及び保護誘電体副層713は、ワード線形成の前に、NIN積層体の頂部からもトレンチの底部からも除去されない。さらに別の実施形態では、ストレージ層335は、1つおきのトレンチの底部からのみ除去される。
【0079】
プロセスのこの時点で、SAC2材料を含有する犠牲層718を、トレンチ内、及びNIN積層体上に堆積させる。犠牲層718を平坦化し、NIN積層体の頂部でハードマスク層702から除去する。次に、ビア719が1つおきのトレンチ内にエッチングされるように、犠牲層718をパターニングする。
図39に示すように、ビア719は、NIN積層体の高さ全体にわたって延在し、下層の誘電体層720を貫通して、グローバルワード線として機能する下層の導体を露出させる。次に、選択的エッチングによって、すべてのトレンチから犠牲層718を除去する。次いで、その後のローカルワード線の形成を可能にするために、トレンチに導電層336を堆積させて充填する。また、導電層336を下層の誘電体層720内のビア719に充填して、下層の導体(すなわち、グローバルワード線106s)に接続させる。次に、導電層336内の導電性材料をNIN積層体の頂部から除去し、選択的エッチングによってハードマスク層701に凹部を形成する。その後、必要に応じて、導電層336をパターニングして、
図40に示すように、導電層336と保護誘電体副層335との両方の露出した領域を除去する。このようにして、パターニングによって保護された導電層336の部分によって、ローカルワード線が形成される。
図41は、
図40のメモリ構造体をパターニングすることにより、ローカルワード線をNIN積層体の反対側の位置に交互に設けた一例を挿入図に示す(例えば、
図41の挿入図におけるローカルワード線層336a及び336b内のワード線は、NIN積層体の両側では互いに直接対向していない)。
図39~41に関連して上述したメモリ構造体700では、ワード線の半分は、NIN積層体の下側の誘電体層720内のビア719によって、NIN積層体の底部に設けられたグローバルワード線106sに接続される。
【0080】
次に、上述したNIN積層体の空間と同様に、形成された任意のオープントレンチは、堆積させた誘電体材料721で充填され、次いで、堆積させた誘電体材料は、CMPプロセスを用いて平坦化される。その後、平坦化された誘電体層721内にビアを形成した後、グローバルワード線106aの第2の層を形成する。グローバルワード線106aの第2の層は、誘電体層721内に形成されたビアによって、NIN積層体の下側のグローバルワード線106sに接続されていないワード線層336内のローカルワード線に接続される。グローバルワード線106aの第2の層は、例えば、デュアルダマシン法を用いて形成される。この結果得られたメモリ構造体700を
図42に示す。
【0081】
上記の実施形態1~4の説明では、グローバルワード線106a、106sの作製工程、及び、ビアによるグローバルワード線106a、106sとローカルワード線層336のローカルワード線との接続については説明しなかったが、実施形態5に関連して説明したことは、実施形態1~4に関連するグローバルワード線106a、106sを形成する場合にも適用可能である。
【0082】
実施形態6
【0083】
この実施形態では、スペーサーハードマスクアプローチ(spacer hard mask approach)を用いて、1つのモジュール内のトレンチフィーチャをパターニングする。なお、パターニングされたフィーチャのエッチングは、2以上の別の後続のモジュール内で行ってもよい。この実施形態は、すべてのトレンチが同時にマスクされるので、トレンチ間の位置ずれが生じないという点で有利である。トレンチを2以上の互いに異なる時点でエッチングすることによって、より大きな構造体がストラットによって安定化された後まで、傾斜したり倒れたりする可能性のある高アスペクト比フィーチャが回避される。ストラットの形成後、トレンチエッチングを行い、これにより、高アスペクト比フィーチャが作製される。
【0084】
図43は、スペーサ802(「側壁フィーチャ」)を有する互いに隣接するハードマスクフィーチャ801間にトレンチ803がエッチングされたメモリ構造体800を示す。ハードマスクフィーチャ801は、その後に形成されるフィーチャと比較して大きい。トレンチ803をエッチングする前に、フォトレジストをウエハから除去し、ハードマスクフィーチャ801及び側壁フィーチャ802のみを、後続のフィーチャをパターニングするために使用する。第1のセットのトレンチ803を、1または複数の非ターゲット層をマスクするより大きなハードマスクフィーチャ801及び側壁フィーチャ802の両方を使用してエッチングする。第1のセットのトレンチ803をエッチングした後、トレンチ803に犠牲材料(例えば、SAC2)を充填し、次いで、ストラット層804の堆積を可能にするために凹部を形成する。次いで、ストラット層804をパターニングして、互いに隣接する側壁フィーチャ802を互いに連結するストラットを形成する。次いで、トレンチ803内のSAC2材料を除去し、
図44に示すように、互いに隣接するハードマスクフィーチャ801の互いに隣接する側壁フィーチャ802を互いに連結するトレンチの頂部にストラットフィーチャ804aを残す。
【0085】
次に、ハードマスクフィーチャ801を選択的に除去し(例えば、パターニング及びエッチングによって)、側壁フィーチャ802及びストラットフィーチャ804aを残す。その後、
図45に示すように、側壁フィーチャ802をマスクとして使用して、第2のセットのトレンチ805をエッチングする。作製プロセスの残りの部分は、上述した技術、例えば実施形態1~3(
図3-17)に関連して説明した技術を用いて行われる。
【0086】
実施形態7
【0087】
この例では、ILD層(層間誘電体層)内のビアを介した、メモリ構造体の下側のグローバルワード線と、これから形成されるローカルワード線との間の垂直接続部は、メモリ構造体の作製前に形成される。この実施形態は、例えば上述した
図39の高アスペクト比ビアの困難なエッチングを回避することができる。
【0088】
図46は、グローバルワード線106sを示し、このグローバルワード線106sは、その上側に形成された垂直相互接続部901sを含む。グローバルワード線106sは、任意の適切な技術、例えば、サブトラクティブ金属プロセスまたはダマシン金属プロセスを使用して作製される。垂直相互接続部901sは、金属(例えば、T
i/T
iN/W)またはp
+ポリシリコンの1または複数の層などの導電性材料から形成される。垂直相互接続部901sは、グローバルワード線106s上に堆積させた誘電体または絶縁層720をパターニングして形成したビアに導電性材料を充填することによって形成される。過剰な導電性材料を任意の適切な方法(例えば、CMP)により水平面から除去し、エッチングされたビア内に導電性材料のみを残す。
【0089】
図46の構造体上のメモリ構造体の作製は、上述した任意の方法により行われる。例えば、
図47は、
図46のグローバルワード線910s及び垂直相互接続部901s上に形成されたメモリ構造体900を示す。このメモリ構造体900は、3つのNIN積層体910a、910b及び901cを含み、各NIN積層体は、8つのアクティブ層を含む(各NIN積層体は、より多くのNIN積層体を形成するためにさらにエッチングされる。例えば、
図47のメモリ構造体900は、最終的なトレンチ数の半分のみを含む)。
図47は、NIN積層体910a、910b及び910cがそれぞれ、ハードマスク層902によって覆われていることを示す。このハードマスク層902は、トレンチ911-1及び911-2をパターニング及びエッチングするために使用され、保持される。
図48は、
図47のメモリ構造体900上のハードマスク902層のフィーチャを互いに連結するために形成されたストラット構造体903を示す。その後、NIN積層体910a、910b及び910cに対して機械的安定性をストラット構造体903と協働して提供する支持ピラーを形成するために、トレンチ911-1及び911-2内に、一時的な充填材料913(例えば、SAC2材料)を充填する。
【0090】
図49は、
図48のメモリ構造体900に形成される追加のトレンチ911-3、911-4及び911-5を示す。
図50は、
図49のメモリ構造体900における、(i)アクティブ層内の第1の犠牲副層302のSAC1材料の部分的な除去と、その結果形成されたキャビティのチャネル材料332による置換、並びに、(ii)
図37に関して上述したような金属置換プロセスを用いた、アクティブ層内の第2の犠牲副層304a及び304bのSAC4材料の導電性副層319a及び319bによる置換を示す。
【0091】
仮出願IIIに記載されているように、NORストリング内のソース副層303またはドレイン副層301のブレーク(break)は、このようなソース副層またはドレイン副層を水平にセグメント化するために導入される。セグメント化は、第1のトレンチ911-1~911-5にSAC2材料を充填することによって達成される。SAC2材料を平坦化して過剰のSAC2材料をNIN積層体の頂部から除去した後、メモリ構造体900をパターニング及びエッチングして、SAC2材料内にビアを形成する。その後、金属性の導電性副層319aまたは319bのいずれでもなく、アクティブ層内の露出した半導体副層(例えば、ソース副層303、ドレイン副層301及びチャネル副層332)を、例えば原子層エッチングを用いて選択的に除去して、ソース副層303及びドレイン副層301に開口923及び開口921をそれぞれ形成する(「セグメント化」)。この結果得られた構造体900を
図51に示す。ソース副層303の互いに隣接するセグメントは互いに分離され、そして、ドレイン副層301の互いに隣接するセグメントは、導電性または金属性の接続線319bによって架橋され、これにより、ドレイン副層は、NORストリングの全長にわたって互いに分離されない。次に、トレンチ911-1~911-5内のSAC2材料を除去する。
【0092】
セグメント化の後、
図52に示すように、ストレージ層355及び保護誘電体副層713(例えば、ONO副層及びAl
2O
3副層)を堆積させる。次に、ストレージ層355及び保護誘電体副層713を異方性エッチングして、NIN積層体の頂部及び1つおきのトレンチの底部から、過剰なストレージ及び保護誘電体材料を除去する。
図53は、トレンチ911-3、911-4及び911-5内に堆積させたワード線層336を堆積させ、次いで、パターニング及びエッチングして垂直ローカルワード線(隣接するトレンチ内のローカルワード線に対して互い違いに位置する)を形成し、形成された垂直ローカルワード線の半分を垂直相互接続部901sによってメモリ構造体52の下側のグローバルワード線106sに電気的に接続した後の、
図52のメモリ構造体900を示す。
【0093】
図54は、
図53のメモリ構造体900の上側の誘電体層上に形成された、グローバルワード線106aの第2の層及び垂直相互接続部901aを示す。グローバルワード線106aの第2の層及び垂直相互接続部901aにより、メモリ構造体901の下側のグローバルワード線106sに接続されていないローカルワード線への接続が提供される。NIN積層体の下側に設けられたグローバルワード線106s及びそれに関連するローカルワード線は、NIN積層体上に形成されたグローバルワード線106a及びそれに関連するローカルワード線に対して位置が互いに違いなっている、または位置がオフセットされている。このような配置により、フィーチャ密度を高めることができる。
【0094】
ストラット
【0095】
この詳細な説明では、ストラットは、高アスペクト比のメモリ構造体が作製される場合に該メモリ構造体を機械的に補強するために、様々な形態で用いられている。しかしながら、一般的に、メモリ構造体のアスペクト比が約25未満である場合、このメモリ構造体は、ストラットまたは他の補強材を使用することなく自立できるほど機械的に安定的である。例えば、4つのNIN積層体を含み、各NIN積層体が約600nmの高さ及び約30nmのワード線間隔を有するメモリ構造体では、各NIN積層体のアスペクト比は20である。この場合、約30nm幅の最小フィーチャサイズを有するメモリ構造体は、ストラットまたは他の補強材を使用せずに作製される。
【0096】
層間誘電体材料
【0097】
この詳細な説明に記載される層間誘電体材料は、SAC1、SAC2及びSAC4材料の任意のエッチング(複数回のエッチングを含む)に対する耐えられることが好ましい。ここで使用される層間絶縁材料を選択する際には、NIN積層体に発生するキャパシタンスを考慮することが好ましい。層間絶縁材料は、酸化シリコン(例えば、高温酸化物(HTO)、または、他の高品質、耐エッチング性のもの)、窒化シリコン、またはこれらの組み合わせ(例えば、一部分が酸化シリコンであり、一部分が窒化シリコンであるもの)であることが好ましい。
【0098】
例:犠牲材料及びエッチング
【0099】
SAC1材料、SAC2材料及びSAC4材料は、任意の適切な犠牲材料であってよく、そのうちのいくつかは、同時係属出願に記載されている。そのような犠牲材料としては、酸化シリコン、ホウ素ドープ酸化シリコン(BSG)、リンドープ酸化シリコン(PSG)、ホウ素リンドープ酸化シリコン(BPSG)、窒化シリコン、炭化シリコン、窒化シリコン炭素、シリコン炭素酸素水素、ゲルマニウム、またはこれらの材料の任意の組み合わせが挙げられる。犠牲層は、高密度または低密度(すなわち、多孔質)であってよく、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)、電着、スパッタリング、蒸着、またはスピンオン技術などの任意の適切な方法を用いて形成することができる。犠牲材料は、任意の適切な選択的技術、すなわち、標的犠牲材料を除去するが、非ターゲット層は実質的に除去しない技術を用いてエッチングされる。例えば、フッ化水素酸(HF)によりSiO2及びバリアントを迅速にエッチングし、一方、HFによりSiN及びSiを非常に遅い速度で除去する。
【0100】
例1:犠牲材料及びエッチング
【0101】
この例におけるSAC1材料は、希釈HF中で比較的低いエッチング速度を有する高温酸化シリコン(HTO)を含み得る。この例におけるSAC4材料は、Ge、または、SiとGeとの二重層を含み得る。SAC4材料はまた、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)からのBPSGまたはSiO2を含んでよく、この場合、希釈HF中でHTOのエッチング速度よりも速いエッチング速度を有する。ストラット及びハードマスク材料は、窒化ケイ素を含み得る。この例におけるSAC2材料はGeを含んでよく、この場合、このSAC4材料は、水と混合された高温の(70°C)過酸化水素(例えば、20vol%H2O2)を使用してエッチングされ得る。なお、任意の適切なエッチング混合物を使用してもよい。
【0102】
本明細書中で使用される、「適切なエッチング」とは、或る材料を、エッチング液に曝される任意の及び他のすべての材料のエッチングよりも少なくとも10倍速い速度でエッチングすることを指す。例えば、過酸化水素ウェットエッチングは、Ge(ゲルマニウム)に対して非常に選択的であり、他の材料(例えば、シリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン)はエッチングしないかまたは最小限にしかエッチングしない。
【0103】
SAC4材料は、フッ化水素(HF)酸及び水の溶液、または緩衝HF中でエッチングされ得る。HFまたは緩衝HFは、HTOよりも大幅に速い速度でBPSGまたはTEOSをエッチングし(例えば、>10:1)、他の材料、シリコン及び窒化シリコンは、大幅に遅い速度でエッチングするか、または全くエッチングしない。
【0104】
SAC4材料及びSAC2材料を除去した後、SAC1材料をウェット技術またはドライ技術を用いて部分的にエッチングし、これにより、同時係属出願に詳細に記載されている凹部フィーチャを形成することができる。いくつかの実施形態では、同一のアクティブストリップにおける互いに隣接する2つのチャネル間に残っているSAC1「スパイン」を、活性ストリップの長さに沿った選択的な横方向エッチングによって除去することによって、空気で満たされたキャビティが形成される。この結果、1.0の誘電率を有するいわゆる「エアギャップ」分離が提供され、これにより、互いに隣接する2つのチャネル間の寄生結合を実質的に低減させることができる。
【0105】
例2:犠牲材料及びエッチング
【0106】
この例におけるSAC1材料は、窒化シリコンを含み得る。この例におけるSAC4材料は、Ge、または、SiとGeとの二重層を含み得る。この例におけるSAC2は、BPSGまたはTEOSを含み得る。この例におけるストラット及びハードマスクは、窒化シリコンを含み得る。SAC4材料がGeを含む場合、このSAC4材料は、水と混合された高温の(70°C)過酸化水素(例えば、20vol%H2O2)を使用してエッチングされ得る。このウェットエッチングは、ゲルマニウムに対して非常に選択的であり、他の材料(例えば、シリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン)はエッチングしないかまたは最小限にしかエッチングしない。SAC2材料は、フッ化水素(HF)酸及び水の溶液、または緩衝HF中でエッチングされ得る。フッ化水素(HF)酸及び水の溶液、または緩衝HFは、Ge、Si、またはSiNをエッチングしないかまたは最小限にしかエッチングしない。最後に、SAC4材料及びSAC2材料を除去した後、SAC1材料を、リン酸を含む溶液(ウェット技術)または任意の適切な選択的ドライエッチング技術を用いて部分的にエッチングし、これにより、同時係属出願に詳細に記載されている凹部フィーチャを形成することができる。
【0107】
例3:犠牲材料及びエッチング
【0108】
この例におけるSAC1材料は、比較的低いエッチング速度を有する酸化シリコン(HTO)を含み得る。この例におけるSAC2材料は、比較的高いエッチング速度を有するBPSGまたはTEOSを含み得る。この例におけるSAC4材料は、BPSGまたはTEOSを含み得る。この例におけるストラット及びハードマスクは、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含み得る。SAC2及びSAC4材料は、フッ化水素(HF)酸及び水の溶液、または緩衝HFを使用してエッチングされ得る。SAC2材料をエッチングするとき、SAC4材料はフォトレジストによってウェットエッチングから保護される。このウェットエッチングは、BPSG及びTEOSに対して非常に選択的であり、他の材料(例えばシリコン、HTO、窒化シリコン)はエッチングしないかまたは最小限にしかエッチングせず、HTO(SAC1)をゆっくりとエッチングする。最後に、SAC4及びSAC2材料を除去した後、SAC1材料を、ウェット技術またはドライ技術を用いて部分的にエッチングし、これにより、同時係属出願に詳細に記載されている凹部フィーチャを形成することができる。
【0109】
例:導電性副層材料
【0110】
この詳細な説明に記載される導電性副層は、チタン、窒化チタン、窒化タングステン、タングステン、チタンタングステン、タンタル、窒化タンタル、コバルト、クロム、モリブデン、ニオブ、または、それらの任意の組み合わせ若しくは合金などの任意の適切な材料または材料であり得る。金属層は、CVD、原子層堆積(ALD)、PVD、スパッタリング、蒸着、電着、またはそれらの任意の組み合わせなどの任意の適切な方法を用いて堆積させることができる。また、この詳細な説明における金属層は、化学気相成長(CVD)、原子層蒸着(ALD)、物理気相成長(PVD)、スパッタリング、蒸着、電着、またはそれらの組み合わせなどの任意の適切な方法を用いて蒸着させることができる。
【0111】
例1:導電性副層材料
【0112】
副層群の例は、Ti/TiN/Wである。Ti副層は誘電体層またはシリコン層に対して良好な接着性を有し、TiN副層は拡散バリアであり、W副層はTiまたはTiNのいずれかよりも低い抵抗率を有する。Ti/TiN層は、ライナ層またはバリア層と称することができる。一般的に、これは必須ではないが、ライナまたはバリア副層の厚さは、低抵抗率副層よりも薄いことが好ましい。導電性副層は、1~5nmのチタン、1~5nmの窒化チタン、及び1~40nmのタングステンを含み得る。
【0113】
例2:導電性副層材料
【0114】
副層群の別の例は、TiN/Wである。TiN副層は誘電体層またはシリコン層に対して良好な接着性を有し、W副層はTiNよりも低い抵抗率を有する。導電性副層は、1~5nmの窒化タングステン、及び1~40nmのタングステンを含み得る。
【0115】
他の例:導電性副層材料
【0116】
他の副層群の例は、WN/W、Ta/W、Ta/TaN/W、TaN/W、Ti/Cr、及びTi/TiN/Crである。この例は限定を意図するものではなく、副層の任意の適切な組み合わせを用いてよい。導電性副層は、1~5nmのタンタル、及び1~40nmのタングステンを含み得る。金属層は、1~5nmの窒化タンタル、及び1~40nmのタングステンを含み得る。金属層はまた、1~40nmの窒化チタンを含み得る。