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特許7203110ホルムアルデヒド酸化を触媒するための触媒並びにその調製及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】ホルムアルデヒド酸化を触媒するための触媒並びにその調製及び使用
(51)【国際特許分類】
   B01J 29/16 20060101AFI20230104BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20230104BHJP
   A61L 9/014 20060101ALI20230104BHJP
   A61L 9/16 20060101ALI20230104BHJP
【FI】
B01J29/16 A
A61L9/00 C
A61L9/014
A61L9/16 F
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020534577
(86)(22)【出願日】2018-12-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2018084478
(87)【国際公開番号】W WO2019121200
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/117930
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】18152150.1
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ユアンユアン
(72)【発明者】
【氏名】カイ,チェン
(72)【発明者】
【氏名】リー,シャオチャン
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-069418(JP,A)
【文献】特開昭53-028592(JP,A)
【文献】特開昭50-030795(JP,A)
【文献】特開2013-116440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
A61L 9/00
A61L 9/014
A61L 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルムアルデヒドの酸化に触媒作用するための、マンガン酸化物を含む触媒であって、前記マンガン酸化物が:
Mnのモルを基準にした、40~60モル%の量のMnO;
Mnのモルを基準にした、40~60モル%の量のMn2O3;及び
Mnのモルを基準にした、1~10モル%の量のMn3O4
を含み、
当該触媒内のマンガンの総モルは100モル%である、触媒。
【請求項2】
前記マンガン酸化物が、(0.92~1.08):1のモル比でMn2+及びMn3+を提供する、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
キャリアをさらに含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項4】
当該触媒が、20~80重量%のマンガン酸化物、20~70重量%のキャリア及び0~50重量%の接着剤を含む、請求項3に記載の触媒。
【請求項5】
前記キャリアが、シリカ、アルミナ、活性炭、ゼオライト、及びモレキュラーシーブからなる群から選択される、請求項3に記載の触媒。
【請求項6】
当該触媒が、ポリビニルアルコール、セルロースポリウレタン、エポキシ及びアクリレートからなる群から選択される接着剤をさらに含む、請求項3に記載の触媒。
【請求項7】
当該触媒が、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される接着剤をさらに含む、請求項3に記載の触媒。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の触媒を含む、空気清浄器。
【請求項9】
前記触媒が、空気流の方向に見て、粒子フィルター、静電フィルター及び/又は活性炭フィルターの後に配置される、請求項8に記載の空気清浄器。
【請求項10】
請求項3に記載の触媒を製造する方法であって:
MnCO3からMn2O3を調製するステップ;
MnCO3からMnOを調製するステップ;
MnOからMn3O4を調製するステップ;
Mn2O3、MnO、Mn3O4、キャリア及び接着剤を含むスラリーを調製するステップ;及び
前記スラリーから当該触媒を調製するステップ;
を含む方法。
【請求項11】
前記のMnCO3からMn2O3を調製するステップが、空気中でMnCO3を673~873Kで2~6時間焼成するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記のMnCO3からMnOを調製するステップが、水素雰囲気下でMnCO3を673-873Kで3~6時間焼成し、窒素雰囲気下で室温へと冷却するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記のMnOからMn3O4を調製するステップが、空気中でMnOを室温で3~6時間エージングし、さらに空気中で673-693Kで2~6時間エージングするステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記スラリーから当該触媒を調製するステップが、
前記スラリーから粒子サイズ2~3mmの粒子を形成するステップ;
前記粒子を2~4時間エージングするステップ;及び
473-573Kで4~6時間加熱するステップ;
を含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して触媒に関する。より詳細には、本発明は、ホルムアルデヒド酸化に触媒作用を及ぼすための触媒及びその調製に関する。本発明の触媒は、空気清浄器内での使用に特に適している。
【背景技術】
【0002】
ホルムアルデヒド(formaldehyde, HCHO)は発がん性(carcinogenic)及び催奇形性(teratogenic)があり、それゆえヒトの健康に対する重大な危険性がある。ホルムアルデヒドは工業プロセス及び製品から排出されてしまうものである。また、主要な屋内汚染物質の一つでもある。近年、人々の生活の質や健康意識の向上に伴い、ホルムアルデヒド、特に屋内ホルムアルデヒドの除去法に対する需要が高まっている。
【0003】
使用する方法は、吸着(adsorption)と分解(decomposition)に分類することができる。吸着は、ホルムアルデヒドを固定化するために、活性炭(active carbon)、モレキュラーシーブ(molecular sieves)、ゼオライト(zeolites)などの多孔質材料を用いることによって実施される。しばらく使用された後、多孔質材料は飽和され、それによってホルムアルデヒドを吸着することができなくなり、吸着方法の失敗につながる。さらに、吸着されたホルムアルデヒドは、周囲温度の上昇などの条件の変化により脱着し、二次汚染につながる可能性がある。
【0004】
分解方法には、プラズマ分解及び触媒酸化が含まれる。触媒酸化は、有望な技術である触媒を介してホルムアルデヒドを水と二酸化炭素に変換する。このような技術の鍵は、適切な触媒を開発することである。近年、遷移金属酸化物触媒及び貴金属触媒が開発されてきた。二酸化マンガンは比較的豊富で安価な物質である。そこで、有機化合物を好気的に酸化するために、酸化マンガン系触媒が開発されている。
【0005】
マンガン酸化物含有触媒は、他の有害物質を分解するのに有用であることも知られている。例えば、JP2014140816Aは、好ましくはMnO2、Mn2O3、Mn3O4(マンガン酸化物として)及びM<I>MnO4及び<II>MnO4(過マンガン酸塩として)(M<I>アルカリ及びM<II>土類アルカリ金属を含む)を含む二酸化塩素のための分解剤を開示した。定量的には、50~95重量%のマンガン酸化物及び0.01~3重量%の過マンガン酸塩が好ましい。
【0006】
しかしながら、MnO2のような従来のマンガン酸化物は、屋内ホルムアルデヒドが一般に比較的低いレベルでのみ存在するので、室温で屋内ホルムアルデヒドの触媒プロセスを行うのに十分な活性を有していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、ホルムアルデヒド酸化に効果的に触媒作用することができ、それにより低レベルで存在する屋内ホルムアルデヒドを効果的に除去するための空気清浄機内で使用することができる触媒に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一般に、特定の比率でMnO、Mn2O3及びMn3O4を含むマンガン酸化物が、ホルムアルデヒドの酸化に対して触媒作用するために、好ましくは室温でホルムアルデヒドの酸化に触媒作用するために、より好ましくは室温で屋内ホルムアルデヒドの酸化に触媒作用するために触媒として使用できるという驚くべき発見に関する。これらのマンガン酸化物は、同じ前駆体から簡単な操作で調製することができる。この発見は、低レベルで存在するホルムアルデヒドを処理するために高い触媒活性と耐久性を必要とする用途のための触媒の費用対効果の高い製造を可能にする。本発明はまた、空気清浄器におけるこのような触媒の使用に関する。
本発明の一実施形態は、マンガン酸化物を含む触媒であって、前記マンガン酸化物は以下を含む。
【0009】
Mnのモルを基準にした、40~60モル%の量のMnO;
Mnのモルを基準にした、40~60モル%の量のMn2O3;及び
Mnのモルを基準にした、1~10モル%の量のMn3O4
【0010】
本発明のさらなる実施形態は、以下のステップを含む、上記の触媒を調製する方法である。
【0011】
MnCO3からMn2O3を調製するステップ;
MnCO3からMnOを調製するステップ;
MnOからMn3O4を調製するステップ;
Mn2O3、MnO、Mn3O4、キャリア及び接着剤を含むスラリーを調製するステップ;及び
前記スラリーから当該触媒を調製するステップ;
本発明のさらに別の実施形態は、空気清浄器における上記触媒の使用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書等で使用される「室温」及び「周囲温度」という用語は、約293Kの温度を指す。
【0013】
本明細書等で使用される「屋内ホルムアルデヒド」という用語は、屋内の空気中に含まれるホルムアルデヒドを指す。ホルムアルデヒドは、一般に比較的低レベル、例えば、10~100,000ppb、20~10,000ppb、50~5,000ppb、又は100~1000ppbなどのように重量で数ppb~数ppm存在する。
【0014】
本発明は、マンガン酸化物が以下を含む、マンガン酸化物を含む触媒を開示する:
Mnのモルを基準にした、約40~60モル%、好ましくは約45~55モル%の量のMnO;
Mnのモルを基準にした、約40~60モル%、好ましくは約45~55モル%の量のMn2O3;及び
Mnのモルを基準にした、約1~10モル%、好ましくは約4~8モル%の量のMn3O4
【0015】
モルパーセントは、酸化物中の全マンガンイオンモルに基づいており、それらの合計は100モル%である。
【0016】
いかなる理論にも拘束されないが、マンガン酸化物はMn2+とMn3+の混合価電子状態(mixed valence state)を提供し、ホルムアルデヒド酸化のための酸化還元環(redox-circle)の迅速な構築を容易にすると考えられている。この過程は次のように示される:
【0017】
【化1】
上に示したように、Mn2+及びMn3+の両方がマンガン酸化物中に存在し、それぞれ空気中で酸素とホルムアルデヒドと相互作用し、次に酸素とホルムアルデヒドとの間の酸化還元反応(redox reaction)を開始させ、反応サイクルを強制する。この点で、ホルムアルデヒドが比較的低いレベルで存在していても分解することが可能である。その結果、このマンガン酸化物は、従来のマンガン酸化物と比較して、ホルムアルデヒド酸化に対してより高い活性及び耐久性を有する。
【0018】
一実施形態において、マンガン酸化物は、約(0.92~1.08):1のモル比で、好ましくは約(0.95~1.05):1のモル比で、より好ましくは約1:1のモル比でMn2+及びMn3+を提供する。
【0019】
マンガン酸化物は、例えば、堆積(deposition)、共堆積(co-deposition)、含浸(impregnation)、スプレー乾燥(spray drying)等の方法により支持体上に配置することができる。支持体は、触媒と共に使用される従来の任意の支持体であり得る。伝統的な支持体は、一般に、活性部位の露出、並びに当該支持体と触媒剤との間の相乗効果を増強する反応物及び生成物の吸着及び拡散を容易にするように、大きな比表面積(specific surface area)を有する。変形例では、触媒活性を高めるために、支持体は、バー、ボール及び孔などの形状を付与するために、その形態に関して改変される。好ましい支持体としては、シリカ、アルミナ、活性炭、ゼオライト、モレキュラーシーブ、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0020】
触媒は、任意に接着剤を含む。一実施形態において、接着剤は、ポリビニルアルコール、セルロースポリウレタン、エポキシ及びアクリレートからなる群から選択される。好ましくは、接着剤は、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される。
【0021】
触媒は、約20~80重量%のマンガン酸化物、約20~70重量%のキャリア及び約0~50重量%の接着剤を含むことができる。好ましくは、触媒は、約40~70質量%のマンガン酸化物、約30~60質量%のキャリア及び約0~20質量%の接着剤を含むことができる。より好ましくは、触媒は、約50~70重量%のマンガン酸化物、約30~50重量%のキャリア及び約0~10重量%の接着剤を含むことができる。パーセンテージは触媒の総量に基づいている。
【0022】
触媒は空気清浄器内で使用することができる。一実施形態において、触媒は、フィルターに形成される。例えば、触媒を含有するフィルターを形成するために、例えば、コーティング、堆積、共堆積、含浸、スプレー乾燥などによって、触媒をフィルター基体に適用することができる。一変形例では、触媒又は触媒を含有するフィルターは、空気清浄器において他のフィルターと共に使用することができる。好ましくは、触媒又は触媒を含むフィルターは、空気の流れの方向に見て、粒子フィルター、静電フィルター及び/又は活性炭フィルターの後に配置される。このような配置は、触媒上に粒子汚染物質が蓄積することに伴う副作用を排除する。
【0023】
触媒の製造方法は、以下のステップを含む:
MnCO3からMn2O3を調製するステップ;
MnCO3からMnOを調製するステップ;
MnOからMn3O4を調製するステップ;
Mn2O3、MnO、Mn3O4、キャリア及び接着剤を含むスラリーを調製するステップ;及び
前記スラリーから当該触媒を調製するステップ。
【0024】
炭酸マンガン(manganese carbonate)は、市販されているか、又は当技術分野で既知の方法により入手可能である。炭酸マンガンを含む材料又は炭酸マンガン前駆体を、追加的に又は代替的に使用することが可能である。MnCO3からMn2O3を調製するステップは、空気中で約673~873KでMnCO3を約2~6時間焼成するステップを含む。MnCO3からMnOを調整するステップは、水素雰囲気下で、約673-873Kで3-6時間、MnCO3を焼成するステップ、窒素雰囲気下で、室温に冷却するステップを含む。MnOからMn3O4を調製するステップは、空気中でMnOを室温で約3~6時間エージング(aging)し、さらに空気中で約673~693Kで2~6時間エージングするステップを含む。スラリーから触媒を調製するステップは、スラリーから粒子サイズが約1~10mm、好ましくは2~3mmの粒子を形成するステップ、該粒子を約2~4時間エージングするステップ、及び約473~573Kで約4~6時間加熱するステップを含む。
【0025】
マンガン酸化物は、触媒の調製を安全にし、操作を簡単にし、制御を容易にするのと同じ出発物質から調製される。
【0026】
実施例
本発明の特徴及び利点は、以下の実施例によってより自明である。これらの実施例は、本発明を例示するものであるが、本発明を限定するものではない。
【0027】
薬剤リスト(agent list):
炭酸マンガン:市販の化学的純度
アルミナ:中国アルミニウム社山東支店より入手
13Xモレキュラーシーブ:大連カイテリ触媒技術有限公司より入手
カルボキシメチルセルロース:市販の化学的純度
作成例
マンガン酸化物を以下のように調製した。
【0028】
10kgの炭酸マンガンをオーブンに入れ、次いで、空気中で773Kで4時間、オーブン中で焼成した。黒色粉末として13.80kgのMn2O3を得た。
【0029】
炭酸マンガン10kgをオーブンに入れた。水素(H2)流が10ml/分の速度でオーブンを通過する間に、炭酸マンガンを水素雰囲気下で773Kで4時間焼成した。次に、H2流を10ml/分の速度のN2流に切り替えた。窒素雰囲気下で室温に冷却した後、緑色粉末として7.0kgのMnOが得られた。
【0030】
上記調製した3kgのMnOをオーブンに添加した(入れた)。オーブン温度を293Kandに設定し、空気中で3時間維持した。次に、温度を673Kに上昇させ、空気中で2時間維持した。褐色粉末として3.5 Kg のMn3O4を得た。
【0031】
表1に示す化学組成を有する5種の触媒を以下のように調製した:
Mn2O3、MnO及びMn3O4を固相中で混合して、マンガン酸化物の粉末を形成した。次に、このマンガン酸化物の粉末にアルミナと13Xモレキュラーシーブを添加した。その後、カルボキシメチルセルロースを添加した。得られた粉末に3kgのH2Oを添加して、スラリーを形成した。このスラリーを型内で圧搾し、2mmの粒子サイズを有するペレットにした。このペレットを2時間エージングし、493Kで4時間加熱した後、触媒を得た。
【0032】
【表1】
触媒1~3は本発明に従った触媒であり、触媒4~5は比較触媒である。触媒4は、Mn3O4を添加しなかったことを除き、触媒1の調製を繰り返すことによって調製した。触媒5は、MnO及びMn3O4をMnO2で置換した以外は、触媒1の調製を繰り返すことによって調製した。
【0033】
実験結果:
上記調製した触媒をサンプリングし、分解し、粒子にプレスした。粒子サイズが30~60メッシュの粒子を80mgの負荷で試験管に添加した。2.8ppm (重量)のホルムアルデヒドを含む気流を試験管の入口に通した時に、時間記録が開始された。試験管の出口でホルムアルデヒド濃度0.1ppm (重量)を検出した時に、記録を中止した。ホルムアルデヒドを除去する触媒の能力を特性化するために時間を用いた。その結果を表2にまとめた。
【0034】
【表2】
上の表の結果から分かるように、本発明に従った触媒は、ホルムアルデヒドが低濃度でのみ存在する場合であっても、ホルムアルデヒドを効果的に除去する。Mnイオンの混合価電子状態が存在しない場合、又は3価より大きい原子価を有するマンガンイオンを含むマンガン酸化物では、ホルムアルデヒドを除去する能力は、触媒5によって示されるように、実質的に低下する。Mn3O4が触媒に含まれない場合、触媒4に示されるように、ホルムアルデヒドを除去する能力が低下する。
【0035】
当業者であれば、本発明の広範な概念から逸脱することなく、上述の実施形態に変更を加えることができることが理解されるであろう。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲内の変更をカバーすることが意図されていることが理解される。