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特許7203151二酸化炭素水中放出デバイス及び補充システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】二酸化炭素水中放出デバイス及び補充システム
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/02 20060101AFI20230104BHJP
   A01G 33/02 20060101ALI20230104BHJP
【FI】
A01M1/02 C
A01G33/02 101
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021094110
(22)【出願日】2021-06-04
(62)【分割の表示】P 2020506310の分割
【原出願日】2018-04-16
(65)【公開番号】P2021121229
(43)【公開日】2021-08-26
【審査請求日】2021-06-28
(31)【優先権主張番号】62/485,772
(32)【優先日】2017-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519365573
【氏名又は名称】バブコック、グレン
(73)【特許権者】
【識別番号】519365584
【氏名又は名称】バブコック ギャレット、ウェンディー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バブコック、グレン
(72)【発明者】
【氏名】バブコック ギャレット、ウェンディー
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特許第6895012(JP,B2)
【文献】特開2003-164246(JP,A)
【文献】特表2003-526341(JP,A)
【文献】特開2017-007897(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106305657(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0373920(US,A1)
【文献】特開2015-008690(JP,A)
【文献】特開2005-125067(JP,A)
【文献】米国特許第05230430(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/02
A01G 18/66
A01G 33/00-33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中二酸化炭素放出デバイスであって、
密封容器と、
前記密封容器内に配置された有機体と、
前記密封容器内の前記有機体と混合された、前記有機体に給餌するための食糧基質と、
前記密封容器上に配置された通気パッチであって、二酸化炭素分子が前記密封容器を離れること、及び酸素分子が前記密封容器に入ることを可能にするのに十分な濾過性能を有し、且つ全水分子が前記密封容器に入るのを防ぐのに十分な濾過性能を有している、通気パッチと、
取付機構と
を有し、
前記取付機構が前記デバイスを水中環境内で固定し、それにより前記水中環境に二酸化炭素を補充する、水中二酸化炭素放出デバイス。
【請求項2】
クリップをさらに有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記クリップが、前記通気パッチを通じた前記有機体への空気流を制限するための、選択的に適用される密封デバイスとして機能する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記クリップが前記取付機構と協働する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記密封容器が単一バッグを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記密封容器が第1のバッグ層及び第2のバッグ層を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記密封容器が硬質シェル・ケースによって取り囲まれる、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
Missoula、Montana在住のアメリカ合衆国民であるGlen Babcock及びWendy Babcock Garrettは、新規で有用で且つ非自明な二酸化炭素水中放出デバイス及び補充システムを発明した。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年4月16日に出願した米国特許出願第15/954,438号の分割出願であり、したがって2017年4月14日に出願した「Carbon Dioxide Underwater Delivery Device and Supplementation System」と題する米国仮特許出願第62/485,772号に対して、米国特許法第119条(e)及び米国特許法第21条に基づいて優先権を主張するものである。この特許出願の開示全体が参照により本出願の開示に組み込まれる。
【0003】
(連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載)
該当なし。
【0004】
(共同研究契約のある当事者)
該当なし。
【0005】
(コンパクト・ディスクで提出された資料の参照による援用)
該当なし。
【0006】
本発明は、水環境での二酸化炭素補充に関する。
【背景技術】
【0007】
蚊などの昆虫は、人間及び動物によって吐き出された二酸化炭素(本明細書ではCOと略される)に誘引されることが知られている。蚊及び他の昆虫が動物間で病気を広めることも、よく知られている。近年、懸念される病気には、どちらも蚊によって人間に伝播される、西ナイル・ウイルス及びジカ・ウイルスが含まれる。それらのウイルスの蔓延を制御するために、人々は、昆虫の個体数を制御することを目指してきた。ある場合には、自治体が、蚊の繁殖場所として機能することが知られている過剰な停滞水を全てなくすことを目指してきた。より積極的な手段が使用され始めており、やって来て産卵する昆虫を誘引するために水リザーバ(貯水池又は貯水器)が実際に使用されている。卵が適所に位置付けられると、卵を駆除する形でそれらの領域が処理される。子の撲滅をもたらす所望のリザーバへ昆虫を誘引するために、研究者らは、リザーバを昆虫にとって最も魅力的にする方法を探し求めている。蚊は二酸化炭素に誘引されるので、それらのリザーバでの二酸化炭素の産出量の増大が、蚊を誘引する。問題は、どのようにしてそれらのリザーバからの二酸化炭素産出量を高めるかということである。今日利用可能な唯一の解決策は、COを生成するためのプロパン燃焼器の使用を含む。酵母によって発酵されたスクロース(純粋な白砂糖)により生成されるCOが、蚊をわなの方へ引き付けるために使用される別の誘引物質である。これらの選択肢のどちらにも欠点がある。プロパン燃焼器は、費用がかかり、火災の恐れのために潜在的に危険であり、且つ環境的に理にかなった選択肢ではない。プロパンはまた、蚊の時期を通じて継続的に購入されなければならない。発酵した誘引物質は、小規模でしか威力を発揮せず、蚊の時期を通じて2週間毎に継続的に取り換えられなければならず、且つ現在の疾病管理需要に対処するのに必要とされる規模にはまるで実際的ではない。
【0008】
水槽内の水生植物にCOを提供する主な方法は、調整器(又は調整弁)とシリンダ内の圧縮したCOとを使用することであった。これは非常に費用がかかり、且つ調整器が故障した場合に問題をもたらす可能性がある。水槽のための環境条件に関する一般的な情報のために、この背景は、ウェブ・サイト「http://www.myaquariumclub.com/water-chemistry-parameters-gh-and-kh-8815.html」における情報をこの参照によって組み込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第9,720,196B2号
【非特許文献】
【0010】
【文献】http://www.myaquariumclub.com/water-chemistry-parameters-gh-and-kh-8815.html
【発明の概要】
【0011】
本発明は、電力の必要性又は圧縮したCOの使用を伴わずに水中環境においてCOを放出するためのデバイス(delivery device)である。このデバイスは、呼吸有機体(又は呼吸生物)を食糧源及び成長基質と一緒に保持する容器を有する。例えば、本発明は、米国特許第9,720,196B2号を含む本発明者らの特許出願のファミリーで説明されている方法などの方法によって作製された、菌糸体塊、食糧基質を含む菌糸体、又は菌糸体に似た特性を持つ細菌を用いることができる。デバイスは、COがデバイスから出て水中環境に入るためのポータル(出入り口)をさらに有し、そのようなポータルは、微孔性の通気パッチ(breather patch)を有しているだけでよく、又は特定の実施例では、追加の構成要素を有し得る。1つの実施例では、デバイスは、各バッグライナ上にフィルタを含む、2枚重ねで二重フィルタ付きの1つのバッグから成り、フィルタは、好ましくは反対方向に面する。この実施例を作り出すために2つの独立したバッグが結合される場合、デバイスを密封するために3つのシールが必要とされる。第1のシールは、両方のバッグが相互の底部シールを共有するように、底部において両方のバッグを閉じ、第2のシールは、内側ライナの上部を閉じ、第3のシールは、バッグの外側ライニングの上部を閉じる。デバイスは、選択的な密封を提供するために、また、COの流れを選択的に遅延させ且つ制御するために、外部の密封クランプなどの分離装置をさらに有する。デバイスはまた、水中環境において二酸化炭素補充システムを所定の位置に保持するために、固定構成要素を有する。デバイスは、単独で、又は容器を収容するための外側シェルと併せて使用され得る。そのような外部シェルは、保護目的及び/又は審美的な目的のために、デバイスを隔離又は隠蔽する。硬質シェル・ケースとも呼ばれる外部シェルを組み込んだ実施例では、水中二酸化炭素補充デバイスは、有機体及び食糧の呼吸塊(respirating mass)を保持するための、内部の軟質シェル・ブラダ(嚢)を含み、外部ケースは、軟質シェル・ブラダを受容し、保護し、且つ覆い隠す硬質シェル容器である。硬質シェル・ケースの変形形態では、軟質ブラダとして単一バッグの又は二重バッグの実施例が利用され得るが、少なくとも、デバイスは、水体と呼吸塊との間に最低限1つの気体交換ポータル(gaseous interchange portal)をなおも含んで、水が呼吸塊に到達するのを防ぐ。
【0012】
一般的な言葉で言うと、この水中CO生成デバイスは、水中二酸化炭素レベルを高めるために使用され得る。水中環境でのCOの生成は、水生植物の光合成サイクル中に利用される二酸化炭素を生成することにより水中環境に恩恵をもたらすために使用される。水生植物は、陸生植物のように、光合成の過程を使用して炭素を取り込み、葉緑素を生成し、且つ、酸素を放出する。
【0013】
デバイス及びシステムはまた、飛行する昆虫をそれらが産卵する場所である水域の方へ引き付けるのを支援するのに有用である。この場合、水域は、産み付けられたいかなる卵も駆除されるわなとしての役割を果たしている。卵撲滅の既知の手段は、水の循環を含む。補充される二酸化炭素は、水域内へ移動し、人間の息と同じように周囲大気中に放出されて、昆虫を誘引する。
【0014】
同様に、デバイスはまた、水中環境において二酸化炭素を作り出し、停滞した水の質を高めて、蚊などの水に産卵する昆虫を誘引するために使用され得る。目的のある誘引活動は、昆虫の卵を捕獲して殺す目的のために人間が昆虫を操り、それにより昆虫の個体数をより良く制御し、ひいては血液感染性の病気の蔓延を阻止することができる手段である。
【0015】
前文は、本発明の態様を概説しており、また、以下のより完全で詳細な説明のさらなる理解の補助として機能する。前記を参照すると、本発明は本明細書において説明され且つ例示された方法又は構造、製作、材料、若しくは用途の詳細に限定されないことが、はっきりと理解されるであろう。製作、使用、又は適用の任意の他の変形形態は、明らかに本発明の代替実施例と見なされるべきである。
【0016】
以下の図面は、本発明の利点及び目的を、図解によってさらに説明する。各図面は、以下に続く「発明を実施するための形態」セクション内で、対応する図の参照文字によって参照される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】水中環境の一実例としての水槽内に設置された二酸化炭素放出デバイス及びシステムの二重バッグ実施例の斜視図である。
図2】二重バッグ軟質ブラダが硬質シェル・ケースに挿入されて水中環境内に設置された、本発明の二酸化炭素放出デバイス及びシステムの斜視図である。
図3】水中環境の一実例としての水槽内に設置された二酸化炭素放出デバイス及びシステムの単一バッグ実施例の斜視図である。
図4】その蓋から分離された本発明の硬質シェル・ケースと、この場合ではクリップを含む二重バッグ実施例が示されている、容器として機能する軟質シェル・ブラダとの斜視図である。
図5図4に示されたもののような硬質シェル内に設置される準備が整った、本発明の単一バッグの密封容器の実例の斜視図である。
図6】クリップが取り付けられており、且つ、図3に示されるような使用のための準備が整った、本発明の単一バッグの密封容器の実例の斜視図である。
図7】クリップが取り付けられており、且つ、図3に示されるような使用のための準備が整った、本発明の単一バッグの密封容器の実例の側面図である。
図8図2に示されたもののような硬質シェル内に設置される準備が整った、本発明の二重バッグ容器の実例の斜視図である。
図9図8の側面図である。
図10図8の正面図である。
図11図8の背面図である。
図12】クリップが取り付けられており、また、図1に示されるような使用のための準備が整った、本発明の二重バッグ容器の実例の斜視図である。
図13図12の正面図である。
図14図12の背面図である。
図15図12の側面図である。
図16】通気パッチの一部分上に取り付けられたクリップを有する、本発明の二重バッグ容器の実例の正面図である。
図17】通気パッチの下方に取り付けられたクリップを有する、本発明の二重バッグ容器の実例の正面図である。
図18】三重シールを含む二重バッグ実施例を作り出す技法を説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図2、及び図3を参照すると、水中二酸化炭素放出デバイス1が示されている。水中デバイス1は、通気パッチ8を備え且つ呼吸塊9を収容する密封容器3で構成され、呼吸塊9は、呼吸有機体と、食糧及び成長基質(food and growth substrate)との混合物で形成されている。通気パッチ8は、気体交換ポータルであり、この気体交換ポータルは、二酸化炭素分子が密封容器3から離れて酸素分子が密封容器3に入ることを可能にするのに十分な濾過性能を有するのと同時に水分子又は微生物又は他の汚染物質の全てが密封容器3に入るのを防ぐので、本明細書ではフィルタ又は微孔性フィルタとも呼ばれる。最後に、図1図3における実例によって示されるように、取付機構が、デバイス1を水中で固定し、本発明によるデバイスの設置により、水中環境において二酸化炭素を補充するためのシステムが作り出される。
【0019】
図1図2、及び図3のそれぞれは、水中状況内に設置された本発明によるデバイス1の実施例を示す。水は、タンク・リザーバ7内の灰色の陰影によって表されており、水面19は、水の高さを示す。図1では、デバイス1の二重バッグ実施例18が、水中状況内に設置されている。この図では、容器の二重バッグ実施例18全体が、透明な水槽タンク7内で水中に沈められて示されている。図2は、二重バッグ実施例18が蓋11付きの箱10内に挿入される本発明の硬質シェル変形形態を示す。単独で示されていないが、硬質シェル変形形態はまた、単一バッグ実施例107との併用において有用である。図3は、一部の用途にとって、また特に例示された水槽のような管理されて落ち着いた環境において本発明の目的を達成するのに1つの層で十分である容器の、単一バッグ実施例107を示す。図1図3では、気泡15が、デバイス1から水面19に向かう二酸化炭素の動きを表し、二酸化炭素は、水面19において大気に放出される。水環境内の植物も図1及び図3に描かれており、また、本明細書において論じられるように、水生植物は、それらの環境への二酸化炭素の補充から恩恵を受ける。沈められた容器3のフィルタ8又は複数のフィルタは、酸素が呼吸塊9に到達することを可能にし、この塊は、二酸化炭素を放出する(菌糸体などの)有機体と、滅菌された成長基質とで構成され、この塊において、有機体は、同じく基質内にある食糧を消費するにつれて成長し且つ繁殖する。
【0020】
引き続き図1図3を参照すると、デバイス1を水中に取り付けるための手段の実例が示されている。菌糸体及び基質の塊9は、図1及び図3に示されるように水面に向かって自然に浮く傾向がある。Cフック4が完全に伸張して示されているので、組み合わせたものは明らかに水中で浮遊している。同じ呼吸塊9、及び時折捕捉される空気により、本発明のケースに入れられたバージョンもまた、図2に示されるように浮く傾向がある。これらの理由により、容器は、何らかの形で水リザーバ7内に固定されるべきである。用いるのが単一バッグ実施例であろうと二重バッグ実施例であろうと、示された実例において容器3をタンク7の底に固定するのを支援するには、クリップ2が有用である。図1及び図3では、クリップ2は、吸着カップ6から延在するリング5にフック4を介して取り付けられており、この吸着カップは、水槽7の底に取り付けられている。図2では、硬質シェル10及び蓋11が示されており、Cフック4及び固定具受入部(tie-down accommodation)13が、吸着カップ6及びそのリング5からデバイスを浮かせて示されている。水槽ではない環境でデバイスが用いられる場合、吸着カップ6が機能しない可能性があり、水中でデバイスを固定する別の方法が用いられなければならない。示された実例では、容器3は、水リザーバの底に又は底の近くに係止されるが、他の適用では、水リザーバの側部を越えて水リザーバ内に延在するアームが、水中取付けの手段としての役割を果たし得る。より大型の水のリザーバでは、錘、アンカ、又はねじが、取付け点として使用され得る。水の表面19の下方で少なくとも通気パッチ8の高さまでデバイス1を保持するのであれば、どのような手段でも十分である。Cフックが示されているが、カラビナ又は類似のデバイスなどの連結器がこの役割を果たすように、Sフックもこの役割を果たすことができる。
【0021】
図4では、有機体の容器3は、それを受容する硬質シェル10の隣に置かれている。この図では二重バッグ18が示されているが、硬質ケースが追加の支持及び保護を提供している場合では、単一バッグ107が好ましいことがある。この図は、なおもバッグ上にクリップ2を示しているが、この実施例におけるクリップ2は、硬質シェル10内に挿入されるのに先立ってバッグから取り外される。引き続き図4を参照すると、硬質シェル受容器の下には蓋11が示されており、この蓋11は、デバイス1のこの実施例では、容器を封入するために使用される。蓋11は、任意選択のものである。しかし、蓋11は、この実施例では封じ込め及び取付けの目的としての役割を果たし、また、特定の用途に対しては美的な目的に役立ち得る。図2及び図4を参照すると、デバイスは、蓋11付きの外側シェルを有することができ、その場合、蓋11は、通気穴12を有さなければならない。
【0022】
本明細書において論じられるように、一部の用途にとっては、また、一部の環境においては、外部の硬質シェル10が望ましい。図4に示されるように、二重バッグ実施例を準備し、硬質シェル受容器を確保した後、この実施例を設置するための次のステップは、クランプ2とも呼ばれる外側クリップとして示されている遅発性活性化シールを取り外すことである。クランプ2が取り外されると、容器は、硬質シェル・ケース10内に配置され、蓋11は、図2に示されるようにケース10に固着される。図2では、内部通気パッチ81及び外部通気パッチ82は、透明なケースを通して見ることができるが、ケースは不透明であってもよい。ケース内での滑合にもかかわらず、容器及び通気パッチは、ベント形の蓋11を通じた酸素及び二酸化炭素の自由な交換を可能にするのに十分な余地をなおも維持する。図4は、蓋11を貫いて開けられた開口部又は空気穴12を示す。穴以外では、蓋11は、硬質ケース10のバッグ受容区画を閉鎖する。固定具受入部13が、ケースの蓋11に固着され、この例では、固定具受入部13は、錆に耐性を持つリングである。あまり洗練されていない実施例では、硬質ケース10の固定具受入部13は、蓋を貫いて穿孔された2つの追加の穴と、穴に通されて蓋11上のスナグ・ループ内に嵌まるように切り取られるケーブル・タイ(ジップ・タイとも呼ばれる)とを有するように単純であり得る。引き続き図4を参照すると、フック4の追加物は、水の表面よりも下の高さにおいてケースと封入された容器とを掛止めする又は取り付けるために固定具受入部13を組み合わせることができる1つの手段である。
【0023】
図5には、呼吸塊を保持する最も単純な軟質シェル・ブラダが示されている。図4に示されたような硬質ケース内に設置されている二重バッグの代わりに、この軟質シェル・ブラダは、費用を安く抑えるために、また、単純な態様で本発明の目的を果たすために、導入され得る。単一バッグ容器は、一重の底部シール103、及び1つの上部シール106を有する。硬質シェル容器は、大抵の水条件において単一バッグの軟質シェル・ブラダさえも受容し且つ保護する。図4と比較すると、水体と呼吸塊との間の単一の気体交換ポータルは、水が呼吸塊に到達するのを防ぐ。呼吸塊9は、汚染及び有機体の死を回避するために、乾燥した状態を維持しなければならない。本発明の通気パッチ8を含む、説明された密封容器のいずれかは、バッグの内容物が濡れるのを可能にしない。水分子は、本発明の微生物フィルタ8を透過するには大き過ぎ、したがって、容器3の内部空間には入れない。大抵の環境では単一バッグ実施例107で十分であるが、二重バッグ実施例18は、不利な水条件におけるバッグの劣化による透水に対するさらなる保護手段を提供する。二重バッグ実施例において用いられるバッグのそれぞれは、それ特有の微生物フィルタ8を有する。二重バッグ実施例を作り出すためにバッグが組み合わせられる場合、フィルタは、それらの位置によって区別され、本明細書においては、内部フィルタ81及び外部フィルタ82と呼ばれる(例えば、図9及び図15参照)。
【0024】
図8図11を参照すると、二重バッグ実施例18は、水環境の外側でクリップ2を含まずに示されている。二重バッグ実施例18は、図12図15では、クリップ2を含んで、水から出て示されている。クリップ2は、図16及び図17における二重バッグ実施例のフィルタの上及びフィルタより下方の様々な位置に設置されたクリップ2の実例によって示されるように、容器3上の様々な位置で使用され得る。本発明の各容器3の通気パッチ8は、酸素がデバイス1に入ることと二酸化炭素がデバイス1から出て行くこととを可能にする、微生物フィルタである。図8図17は、2つのフィルタ8を有する二重壁の透明プラスチックバッグ18を含む、本発明の実施例を示す。以下で説明される方法に従ってこの実施例が形成された場合、各バッグ上の通気パッチ8は、同じ方向又は反対方向に向けられ得る。二重壁のバッグ実施例(二重バッグ実施例とも呼ばれる)18のこのバージョンでは、第1のフィルタは、第2のバッグ102の中に配置される第1のバッグ101上に存在し、第2のバッグは、それ特有のフィルタを有する。その結果、内部通気パッチ81及び外部通気パッチ82は、図9及び図15に最も良く示される。図8図17に示されるように、デバイス1のこのバージョンは、3つのシールを含む、2枚重ねで二重フィルタ付きの1つのバッグから成る。第1のシール103は、単一の相互シールにより2つのバッグを底部において互いに固着して、呼吸塊9のための単一の入れ物を作り出す。次のシール104は、その中に菌糸体及び食糧源/成長基質が密封された第1の内部ライナバッグ101を閉じる。最後のシール105は、第1のバッグ101を囲むように第2のバッグ102を閉じる。
【0025】
本発明では、二酸化炭素補充のためのシステムとしてデバイスが設置される場合、通気パッチが呼吸塊9の高さよりも下方に配置されることが好ましい。したがって、デバイス1は、沈められたときに浮く傾向があるが、取付機構は、通気パッチ8を水面19よりも下方に保持する。さらに、パッチ8の高さよりも上方での呼吸塊9の浮遊は、より重い二酸化炭素分子が降下又は沈降して内部通気パッチ81から漏れ次いで外部通気パッチ82から漏れる能力を高める。デバイスの便益は、たとえ図5図17によって視覚化され得るように呼吸塊9が容器内で一方又は両方の通気パッチ8よりも下方に位置していても、実現される。
【0026】
図6及び図7、並びに図12図17を参照すると、デバイスはクリップ2をさらに有し、このクリップは、フッキング穴21及び密封滑りクランプ22(例えば、図14参照)を含む。クリップ2は、通気パッチ8を通じた有機体への空気流を制限するために、又は、COの解放を制限するために、選択的に適用され得る。クリップ1はまた、取外し可能であり、且つ、図17において二重バッグ実施例のために示されるように呼吸塊9と通気パッチ8との間又は図16に示されるように通気パッチ8の上を含む様々な箇所において適用され得るように、様々な箇所においてバッグ容器3上に嵌まるように形成される。
【0027】
この水中二酸化炭素放出システムの使用は、菌糸体のための生育環境として気体交換ポータルを有する容器を準備すること、気体交換ポータルは別にして容器を密封すること、及び、デバイスを水中に配置することを含む、ステップを有し得る。
【0028】
水中環境において二酸化炭素を補充する方法が、呼吸有機体の団体と成長基質内の食糧源の組合せ、及び水を通さない気体アクセスを有する、密封容器を確保することと、密封容器を水中で固定することとを有するステップによって説明される。方法は、蚊又は昆虫に対する水中わなにおける誘引物質としての商業的応用を見出す。方法はまた、水槽などの水中環境における商業的応用を見出す。方法は、密封容器を保護ハウジング内に配置するステップ、及び/又は、呼吸有機体が二酸化炭素の生成を止めたときに密封容器を交換するステップを、さらに有し得る。
【0029】
要約すると、二酸化炭素を補充する独創的な方法が生み出された。容器の気体交換ポータルが、密封された有機体成長環境内に水の分子が入ることを可能にしない場合に、予想外の有益な結果がもたらされた。同じく予想外であったことは、明らかなガス交換勾配(gas exchange gradient)が、容器内に酸素が入ることを許容することであり、この容器では、呼吸有機体は、生存のために酸素にアクセスすることができる。有機体の生存は、有機体からの二酸化炭素の吐き出しをもたらし、次いで密封されたバッグの気体交換ポータルからの二酸化炭素の吐き出しをもたらす。二酸化炭素は、密封容器から出て行くにつれて、デバイスを保持している水リザーバに流入し、次いで、大気中に放出される。製品は自然過程を利用しているが、それらの自然過程は、異質な環境に置かれている。好ましい実施例の菌糸体などの呼吸有機体は、典型的には水中では生存しない。それらの有機体のための食糧基質は、水没した場合、当然ながら乾いた状態を維持しない。本発明は、電力の必要性又は圧縮したCOの使用を伴わずに水中環境においてCOを補充するための放出デバイス及びシステムを提供するために、自然に発生する呼吸過程の商業的な適応及び利用である。好ましい生物有機体は、カワラタケ系統の菌の菌糸体である。気体交換ポータルが水中環境内へのCOの退出を可能にすることは、極めて重要である。デバイスはまた、COの流れを遅延させ且つ制御するために、分離デバイスを組み込むことができる。分離デバイスに関しては、取外し可能な締付けクリップの形態をした外部シールが意図されている。外部シールは、特殊なクリップによって完成されてもよい。
【0030】
システムは、デバイスが水中環境において固定点を通じて所定の位置に保持されることを必要とする。デバイスに対する最小限の要件が説明されたが、場合によっては、デバイスは、水中でのその配置を保護する又は美的に隠すために、外側シェル・ハウジングとの組合せで使用されることが好ましい。水中で二酸化炭素を補充するための本デバイス及びシステムの使用は、多くの産業及び用途に及ぶ。本デバイス及びシステムは、蚊が卵を産む水に蚊を誘引するのに特に役立ち、その場合、卵を駆除することができる。本発明によって放出される二酸化炭素はまた、植物又は動物を保持する水槽のような水中生育環境においてCOを補充し、それらの植物の成長に役立ち、且つ、動物のために環境を安定させるのに役立つことができる。
【0031】
外部硬質シェル10が、一部の用途にとって、また、一部の環境において望ましい。図2及び4は、本発明のそのような代替実施例を示す。上述の特徴などの特徴を有するバッグが使用されるが、この代替実施例では、バッグは、硬質ケース10内に配置される。硬質シェル容器10実施例の外部容器又はカプセルの態様は、一部の用途にとって最も望ましい。場合により、カプセルは、瓦礫がバッグを破裂させる可能性のある荒れた水域、好奇心の強い動物がバッグに穴を開ける可能性のある居住水域、又はバッグが太陽若しくは風などの要素にさらされ得る戸外リザーバなどの潜在的に不都合な条件においてより長い使用期間にわたってデバイスを保護するために、機能的であり得る。これは、一重の柔軟な側面の容器が菌糸体を封入していてそれが次にケース内に配置される場合に、特に当てはまる。他の例では、装飾的なケースが、魚の水槽などの中で審美的理由のために用いられ得る。大まかに説明すると、本発明は、有機体及び食糧の塊を保持する軟質シェル・ブラダと、軟質シェル・ブラダを受容し且つ保護する硬質シェル容器と、水体と有機体及び食糧の塊との間の最低限1つの気体交換ポータルと、を有し、気体交換ポータルは、水及び汚染物質が有機体及び食糧に到達するのを防ぐ。気体交換ポータルは、軟質シェル・ブラダ上に存在することが好ましい。ブラダが気体交換ポータルを有する場合には、硬質シェル容器は、軟質シェル・ブラダと水体との間での水及び空気の移動を可能にするために、少なくとも1つの穴を有する必要がある。少なくとも気体交換機能を有するデバイスの部分は、水の表面よりも下方に固定されなければならない。最も単純な実施例では、硬質ケースの機能性は、組み合わせたものが水中に配置される前にバッグの上に配置されるバケットによって提供され得る。
【0032】
二酸化炭素を吐き出し且つ本発明の制約によって課せられる条件において生存することができる任意の有機体が用いられ得る。ExHale(登録商標)銘柄のバッグの中で使用される有機体が、本明細書において説明される環境の制約に適している。したがって、菌糸体、具体的には白色腐朽菌種(white rot variety)の菌糸体が好ましい。本発明の目的を達成することができる他の有機体には、菌糸体に似た生活環を有するバクテリアが含まれる。
【0033】
一般的な言葉で言うと、この水中CO生成デバイスは、水中二酸化炭素レベルを高めるために使用され得る。水中環境でのCOの生成は、水生植物の光合成サイクル中に利用される二酸化炭素を補充することにより水中環境に恩恵をもたらすために使用される。水生植物は、陸生植物のように、光合成の過程を使用して炭素を取り込み、葉緑素を生成し、且つ、酸素を放出する。
【0034】
二重バッグ実施例を作り出すための過程は、図18の流れ図によって部分的に示されている。準備手順中、ユーザは、
1)2つのバッグを選択し、それらのバッグが既存の底部シールを有するのであれば、各バッグからシールを鋏で切り取ることなどにより底部シールを除去する。
2)外側バッグ102の長辺(long line)が内側バッグ101の長辺よりも長くなるように、各バッグの寸法を測定し、切って調整する。
3)フィルタ81及び82が反対方向を向くように、また、各バッグのひだが互いに円滑に位置することと底端部が互いに同一平面になることとを確実にするように注意して、内側の(より短い)バッグ101を他方の(より長い)バッグ102内に挿入する。
4)シールされたときに2つのバッグが単一の接合シールによって互いに接続されるように、2つのバッグの底部を熱シール103する。
5)内側バッグ101を部分的に基質で満たすが、このステップ及び以下のステップ6~9は、米国特許第9,750,196B2号で説明されているものなどの技法に従って作成される。
6)組み合わせられたバッグユニットを121.11℃(華氏250度)で少なくとも1時間にわたって蒸気滅菌し、そしてユニットを冷却させる。
7)内側に重ねられたバッグ内の基質に、滅菌した純粋培養の菌糸体又は類似の有機体を接種する。
8)フィルタ81よりも上方で、内側に重ねられたバッグ101の頂部を熱シール104する。
9)フィルタ82よりも上方で、また、内部バッグ101上の頂部シール104よりも上方で、外側バッグ102の頂部を熱シール105する。
10)72時間にわたって菌糸体を移植から回復させる。
11)固定デバイス2(クリップ、ハンガ、分離シーム、又は他の固定機構)(図6図7及び図12図17に示される)を取り付ける。
12)水生植物にCOを提供するために、又は、昆虫、具体的には蚊を誘引することなどの他の目的のために、デバイス18を水中環境内に設置する(図1図3に示される)。
【0035】
上述のものなどの二重バッグ実施例18は、菌糸体を水中環境から確実に分離し、且つ、以下の試験の結果によって確立されたとおりに二酸化炭素を水中環境に移送するので、本発明の目的を達成する。水面下での二重バッグ実施例18の配置に先立つ、水域に直接隣接する領域における初期の周囲二酸化炭素レベルは、百万分の(ppm)503であった。図1に示されるように本発明に従ってバッグが配置された後、水リザーバの周囲の二酸化炭素の測定が、48時間にわたって行われた。同じ場所における後の測定は、二酸化炭素産出量が、30時間前後におよそ667ppmのピークに達し、そして48時間後にはおよそ640ppmで終了したことを示した。
【0036】
最後に、本発明のためのケース入れの最も基本的なバージョンでは、密封されて通気パッチが備えられた容器内で二酸化炭素を生成する有機体は、水位下に、また、硬質ケース10(場合により、透明ではなく不透明)として働くバケットが容器の上で逆さにされて水位よりも下方に沈められたときに作り出される空気のドーム内に、配置される。バケットが、図2に示されるようにリザーバ7内へ逆さにされた、密封され通気パッチが備えられた容器3を収容する。いくつかの実施例では、硬質ケースは蓋を有さず、そのため、追加の空気穴は必要とされないが、デバイスを水面下で固定する何らかの方法は必要とされる。
【0037】
試験は、先行出願で開示されたようなバッグの性能は、CO補充の理想的な範囲に従って菌糸体の寿命が平均6カ月から平均3~5カ月に短縮され得ることを除いては、水中での配置によって不利に影響を受けることはないことを示した。3~5カ月の期間にわたる水体又はリザーバへのCOの積極的な補充は、ほとんどの気候において蚊の繁殖期全体をカバーする。
【0038】
本発明の各実施例は、調整器、又は電力の使用を必要としない、全く自然的な解決法を提供する。本発明は、蚊のシーズン全体にわたってCOを提供し、混合又は維持管理を必要とせず、火災の危険性をもたらすこともない。
【0039】
本開示は、このデバイスの水中での使用に焦点をおいてきたが、デバイスは、宇宙を含む任意の人工的な生育環境において実装され得る。地球外の庭園又は水リザーバが二酸化炭素補充を必要とすることになる場合には、本発明が実施されるべきである。
【0040】
デバイスの試験は、水中濃度、及び水の表面より上方の大気中濃度の両方において、COレベルの向上を示した。行われた試験では、以下のパラメータが実装された:20ガロンの入れ物が、内側の10ガロンの水リザーバと一緒に使用された。COメータが、水リザーバの外側に、しかし20ガロンの入れ物の内側に配置された。次いで、バッグによって生成され水の外に放出されたCOを測定するために、封止された蓋が20ガロンの入れ物の上に配置された。初期の周囲大気のCOレベルが、デバイスを導入する前に測定され且つ手書きによって文書化され、およそ+/-20ppmの範囲内でかなり堅調に推移した。周囲大気のCOレベルは、典型的には400~450ppmに及ぶことが知られているが、各試験における処理を始める前の初期読取り値は、百万分の(ppm)462から484ppmの間であった。水界のCO(水の中のCO)の初期周囲レベルは、百万分の(ppm)3~5の間であった。水槽においてデバイスを水中に配置した24時間後の繰り返し試験は、水界のCOのレベルが10~20ppmの間であることを示した。繰り返し試験は、デバイスによって生成されて水から大気中に放出されたCOが、大気中のCOレベルを550~1000ppmに向上させたことを示す。試験は、COがフィルタから出て行き、溶液に溶け、次いで大気中にもう一度放出されていたことを証明した。
【0041】
水性植物のための水中生育環境に対して、又は、魚若しくは他の海洋生物をも保持するような環境において本発明を使用する場合、他の化合物のレベル、及びpHへの影響は、注意深く監視されなければならない。高いKH(炭酸硬度)を有する水は、ずっと多くの酸を中和することができ、pHの低下に抵抗する。pHは、KHが160~180ppmの範囲内である場合、pHは、より良く制御され続ける。試験は、COの補充がそれらの注意深くバランスが取られた生活環境に不利な影響を及ぼさないことを確かにするために行われた。それらの試験は、管理された環境においてCOを補充することは他の生育因子に不利に作用することなしにシステムにとっての便益を示すという仮説を支持する。
【0042】
試験の次の段階では、実験の段取りは、同一の水及び植物内容物を含む2つの水槽を配置した。本発明の二酸化炭素水中放出デバイス及び補充システムは、一方のタンク内にのみ設置された。この試験は、水生植物、具体的には水タマネギ(water onion)の成長に対するCO補充の影響を経時的に測定した。この実験では、水生植物(水タマネギ球根)が、標準的な水中生育培地調合物に植えられて、水中に配置された-水タマネギを保持する一方のタンクには、0.4~0.7BPSの標準的な水槽周囲空気補充のみが与えられた。目に見える発芽後に、日々の成長が、写真比較によって追跡された。水タマネギの1日目の成長が比較された。本発明によって処理された水内に植物が配置された場合の水タマネギの成長は、本発明による補充を伴わないタマネギよりも堅調であるように見えた。この試験のための次の測定は、目に見える成長の4日後に行われた。本発明によって処理された水において生育されてきた4日目の水タマネギの成長は、補充のない水における植物の成長に比べて引き続き堅調であった。それぞれの環境での生育7日後のこの試験の結果は、処理された水におけるタマネギ植物の成長が、補充のない水におけるタマネギ植物よりも堅調であったことを示した。
【0043】
本発明の二重バッグの実施は、図1では水の中に示されている。図3では、クリップ2が、二重バッグ容器18と同じように可視である。クリップ2の上方の白い正方形は、通気パッチ8である。通気パッチの上方には、塊がある。この塊は、二酸化炭素を吐き出す有機体を有する。図5図7に示された遅延活性化を含むExHale(登録商標)銘柄のバッグが本発明に使用されることが、好ましい。ExHale(登録商標)銘柄のバッグは、菌糸体とその菌糸体のための食糧基質の特別な混合物を有する。ExHale(登録商標)銘柄のバッグでは、菌糸体は、給餌に必要とされる食糧の全てを有し、最大6カ月にわたって生き延びる。菌糸体は、食糧に加えて、生存するために酸素を必要とする。このデバイスの効率及び用意を実例説明することにおいて、このデバイスが水面下に配置された場合に菌糸体が本発明の通気パッチを通じて生存に必要な酸素に接することができることが実証された。菌糸体の呼吸は、水が少なくとも1日に1回循環されると助長される。
【0044】
本発明者らは、水中環境において二酸化炭素を補充する方法を特許請求する。ここで、特許請求される方法は、呼吸有機体と食糧源の組合せ、及び水を通さない気体アクセスを有する密封容器を確保するステップと、次いで密封容器を水中に固定するステップとを有する。水中で固定されると、方法は、蚊のわな又は水槽である水中環境における固定された容器の使用をさらに求める。方法によれば、密封容器は、保護ハウジング内に配置され得る。次いで、呼吸有機体が二酸化炭素の生成を止めたときに、それらを取り換えることができ、容器又はシェルは再使用される。
【0045】
本発明者らはまた、本発明の目的に整合した水中二酸化炭素放出システム及び補充システムを特許請求する。この新規なシステムは菌糸体のための生育環境としての容器を用意することを有し、容器は、気体交換ポータルを有し、また、その容器は、気体交換ポータルを別にすれば密封される。次いで、その密封容器は、その水中環境に二酸化炭素を供給及び補充する形で水中に設置される。
【0046】
詳細に書かれた説明又は本明細書に含まれた図の中で具体的に明記されていないが当業者には明白又は明らかであると考えられる、使用若しくは動作の応用又は方法、製造方法、形状、サイズ、又は材料の変更によって生じる本発明の他のいかなる実施例も、本発明の範囲に含まれることが、さらに意図されている。
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