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特許7203163プラスチックフィルム処理を促進する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】プラスチックフィルム処理を促進する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/74 20060101AFI20230104BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20230104BHJP
   B26F 3/12 20060101ALI20230104BHJP
   B26D 1/60 20060101ALI20230104BHJP
   B26D 1/547 20060101ALI20230104BHJP
【FI】
B29C65/74
B26D7/02 B
B26F3/12
B26D1/60 D
B26D1/60 H
B26D1/60 L
B26D1/547 A
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2021127620
(22)【出願日】2021-08-03
(62)【分割の表示】P 2019572419の分割
【原出願日】2019-05-24
(65)【公開番号】P2022000342
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】16/230,551
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(72)【発明者】
【氏名】アッカーマン、 ブライアン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ツィマーマン、 ダニエル ピー.
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0126129(US,A1)
【文献】特開2016-210183(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103523486(CN,A)
【文献】特開平05-104662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00-65/82
B26D 1/00- 1/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム処理モジュールと、
一枚のフィルムの移動に対する前記フィルム処理モジュールの移動を動的に調整し、前記フィルム処理モジュールを使用して前記一枚のフィルム上で機能を実行するために、前記フィルム処理モジュールと通信するプロセッサ及びメモリと、
支持レールとを含み、
前記フィルム処理モジュールは、前記支持レールに移動可能に装着され、
前記フィルム処理モジュールを使用して、前記一枚のフィルムから切断したフィルム製品を運び、
前記フィルム処理モジュールは、前記支持レールに同心円状に配置されたバスによって電力が供給される、システム。
【請求項2】
前記支持レールは、前記プロセッサと通信する複数のレールセンサを含み、前記プロセッサは、前記支持レールに沿った前記フィルム処理モジュールの位置を監視するようにさらに構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
フィルム処理モジュールと、
一枚のフィルムの移動に対する前記フィルム処理モジュールの移動を動的に調整し、前記フィルム処理モジュールを使用して前記一枚のフィルム上で機能を実行するために、前記フィルム処理モジュールと通信するプロセッサ及びメモリと、
支持レールとを含み、
前記フィルム処理モジュールは、前記支持レールに移動可能に装着され、
前記フィルム処理モジュールを使用して、前記一枚のフィルムから切断したフィルム製品を運び、
前記支持レールは、曲線周回路を形成する、システム。
【請求項4】
前記支持レールは、長円形である、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記一枚のフィルムは、前記支持レールに隣接しかつ平行な軸に沿って移動する、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
フィルム処理モジュールと、
一枚のフィルムの移動に対する前記フィルム処理モジュールの移動を動的に調整し、前記フィルム処理モジュールを使用して前記一枚のフィルム上で機能を実行するために、前記フィルム処理モジュールと通信するプロセッサ及びメモリとを含み、
前記フィルム処理モジュールを使用して、前記一枚のフィルムから切断したフィルム製品を運び、
前記フィルム処理モジュールは、前記プロセッサと通信するモジュールセンサを含み、前記プロセッサは、前記モジュールセンサからの情報に基づいて前記一枚のフィルム上の境界に対する前記フィルム処理モジュールのオフセットを決定するようにさらに構成される、システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記一枚のフィルムに対して前記フィルム処理モジュールを移動させて前記オフセットを縮めるようにさらに構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記オフセットが縮められると、前記フィルム処理モジュールで前記一枚のフィルムを切断するようにさらに構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
フィルム処理モジュールと、
一枚のフィルムの移動に対する前記フィルム処理モジュールの移動を動的に調整し、前記フィルム処理モジュールを使用して前記一枚のフィルム上で機能を実行するために、前記フィルム処理モジュールと通信するプロセッサ及びメモリとを含み、
前記フィルム処理モジュールを使用して、前記一枚のフィルムから切断したフィルム製品を運び、
前記フィルム処理モジュールは、複数のフィルム処理モジュールのうちの1つであり、前記プロセッサは、前記フィルム処理モジュールの動きを互いに対して動的に調整するようにさらに構成される、システム。
【請求項10】
前記複数のフィルム処理モジュールの第1セットは、前記一枚のフィルム上で第1機能を実行するように構成され、
前記複数のフィルム処理モジュールの第2セットは、前記一枚のフィルム上で第2機能を実行するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
フィルム処理モジュールと、
一枚のフィルムの移動に対する前記フィルム処理モジュールの移動を動的に調整し、前記フィルム処理モジュールを使用して前記一枚のフィルム上で機能を実行するために、前記フィルム処理モジュールと通信するプロセッサ及びメモリとを含み、
前記フィルム処理モジュールを使用して、前記一枚のフィルムから切断したフィルム製品を運び、
前記プロセッサは、前記一枚のフィルムから形成されたフィルム製品を保持するために真空に引くように、前記フィルム処理モジュールの空気制御装置を制御するようにさらに構成される、システム。
【請求項12】
フィルム処理モジュールと、
一枚のフィルムの移動に対する前記フィルム処理モジュールの移動を動的に調整し、前記フィルム処理モジュールを使用して前記一枚のフィルム上で機能を実行するために、前記フィルム処理モジュールと通信するプロセッサ及びメモリとを含み、
前記フィルム処理モジュールを使用して、前記一枚のフィルムから切断したフィルム製品を運び、
前記プロセッサ及び前記フィルム処理モジュールは、互いに無線通信する、システム。
【請求項13】
フィルム処理モジュールと、
一枚のフィルムの移動に対する前記フィルム処理モジュールの移動を動的に調整し、前記フィルム処理モジュールを使用して前記一枚のフィルム上で機能を実行するために、前記フィルム処理モジュールと通信するプロセッサ及びメモリとを含み、
前記フィルム処理モジュールを使用して、前記一枚のフィルムから切断したフィルム製品を運び、
前記フィルム処理モジュールは、バッテリを含み、バッテリによって電力が供給される、システム。
【請求項14】
フィルム処理モジュールと、
一枚のフィルムの移動に対する前記フィルム処理モジュールの移動を動的に調整し、前記フィルム処理モジュールを使用して前記一枚のフィルム上で機能を実行するために、前記フィルム処理モジュールと通信するプロセッサ及びメモリとを含み、
前記フィルム処理モジュールを使用して、前記一枚のフィルムから切断したフィルム製品を運び、
前記一枚のフィルムに隣接した位置合わせセンサをさらに含み、前記位置合わせセンサは、前記一枚のフィルムに対する境界を検出する、システム。
【請求項15】
前記プロセッサ及びメモリは、前記境界が位置合わせセンサを通過するときの前記境界の周波数、及び前記境界の間のオフセットをさらに決定する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサ及びメモリは、前記オフセットに基づいて一枚のフィルムの移動に対するフィルム処理モジュールの移動を動的に調整する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記フィルム処理モジュールは、前記フィルムをクランプ、切断、及び密封するように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記フィルム処理モジュールの切断機構と前記一枚のフィルムとの間に、所定の時間、接触を保つように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記フィルム処理モジュールは、1つ以上の切断ワイヤ及び加熱可能なナイフを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
フィルム製品を製造する方法において、
プロセッサを使用して、一枚のフィルムの移動に対するフィルム処理モジュールの動きを動的に調整するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記フィルム処理モジュールに前記一枚のフィルム上で機能を実行するように指示するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記一枚のフィルムから切断したフィルム製品を運ぶように前記フィルム処理モジュールに指示するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記フィルム処理モジュールに装着されたモジュールセンサからの情報に基づいて前記一枚のフィルム上の境界に対する前記フィルム処理モジュールのオフセットを決定するステップとを含む、方法。
【請求項21】
前記プロセッサを使用して、前記フィルム処理モジュールが前記オフセットを縮めるために前記一枚のフィルムに対して移動するように指示するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記オフセットが縮められたとき、前記プロセッサを使用して、前記一枚のフィルムを切断するように前記フィルム処理モジュールに指示するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
フィルム製品を製造する方法において、
プロセッサを使用して、一枚のフィルムの移動に対するフィルム処理モジュールの動きを動的に調整するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記フィルム処理モジュールに前記一枚のフィルム上で機能を実行するように指示するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記一枚のフィルムから切断したフィルム製品を運ぶように前記フィルム処理モジュールに指示するステップと、
前記フィルム処理モジュールは、複数のフィルム処理モジュールのうちの1つであり、前記プロセッサを使用して、互いに対する前記フィルム処理モジュールの動きを動的に調整するステップとを含む、方法。
【請求項24】
フィルム製品を製造する方法において、
プロセッサを使用して、一枚のフィルムの移動に対するフィルム処理モジュールの動きを動的に調整するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記フィルム処理モジュールに前記一枚のフィルム上で機能を実行するように指示するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記一枚のフィルムから切断したフィルム製品を運ぶように前記フィルム処理モジュールに指示するステップとを含み、
前記フィルム処理モジュールに前記フィルム製品を運ぶように指示するステップは、前記フィルム処理モジュールの空気制御装置を制御して、前記フィルム製品を保持するために、真空に引くことを含む、方法。
【請求項25】
前記プロセッサを使用して、前記フィルム処理モジュールが前記フィルム処理モジュールの切断機構と前記一枚のフィルムとの間に、所定の時間、接触を保つように指示するステップをさらに含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記切断機構は、1つ以上の切断ワイヤ及び加熱可能なナイフを含む、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連する出願の参照]
本出願は、2018年12月21日付で出願された米国特許出願第16/230,551号の優先権の利益を主張し、その内容は、その全体が本明細書に参照として含まれる。
【0002】
本発明は、一般にフィルム処理に関し、より詳しくは、プラスチックフィルムをプラスチックフィルム製品の完成品へ加工することを容易にする方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、プラスチックフィルム製品及びそれらの製品を継続的に生産する機械が開発されている。これらのプラスチックフィルム製品は、典型的に再封止可能なパウチを形成するために密封されたシーム及びジッパーを有する。一部の例では、これらプラスチックフィルム製品は印刷済みの画像を有する。プラスチックフィルム加工機械は、典型的にプラスチックフィルムのシート又はチューブからパウチの構成要素を切断し、ジッパーを配置して、パウチの構成要素及びジッパーを一緒に溶接するツールを含む。
【0004】
いくつかの公知のフィルム製品の製造方法は、それぞれが異なる機械と関連するコンベヤを備えた複数の処理ステーションを使用して、それらのステーション間で様々な完成段階でフィルム製品を移動させる。従って、公知のフィルム製品の製造方法は、プラスチックフィルム製品の完成品を製造するために、製造施設に大きな設置面積を有する。さらに、いくつかの公知のフィルム製品の製造方法では、複数の異なる機械装置に対するメンテナンスを実行するために、フィルム製品の製造ライン全体を停止しなければならないこともある。
【0005】
また、事前に印刷されたフィルムロールは、典型的に単一のロール内で均一であるが、同じ画像を有する場合でも、第1及び第2の事前に印刷されたロールの間には、多くの場合空間的な違いが存在する。言い換えれば、第2のロール上の画像は、第1のロールに対して位相がずれている(「クリープ(creep)」と呼ぶこともある)。従って、事前に印刷されたフィルムロールがフィルム処理機械に対してずれている場合、事前に印刷された画像は、周期的に切断される。従って、いくつかの公知のフィルム製品の製造方法においては、事前に印刷された一枚のフィルムが新たにフィルム処理ステーションに導入されるたびに、フィルム処理ステーション内の全てのフィルム処理機械を停止及び再調整することが必要とされる。
【0006】
従って、占有空間をより少なくし、印刷済みのフィルムロールの差を補正し、より簡単かつ迅速にメンテナンス、修理、及び位置合わせできるフィルム製品の製造方法及び関連機械を開発する必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、フィルム処理モジュール、プロセッサ、及びメモリを含むシステムが開示される。プロセッサ及びメモリは、フィルム処理モジュールと通信する。プロセッサは、一枚のフィルムの移動に対するフィルム処理モジュールの移動を動的に調整し、フィルム処理モジュールを使用して一枚のフィルムで機能を実行するように構成される。
【0008】
別の態様では、キャリッジアセンブリ、リニアアクチュエータ、及び上部多機能アセンブリを含むフィルム処理モジュールが開示される。キャリッジアセンブリは、支持レール
に沿って移動するように構成される。リニアアクチュエータは、キャリッジアセンブリと係合する。上部多機能アセンブリは、リニアアクチュエータと係合して、支持レールに隣接したフィルムで機能を実行する。
【0009】
さらに別の態様では、フィルム製品を製造する方法が開示される。この方法は、一枚のフィルムの移動に対するフィルム処理モジュールの移動を動的に調整するステップ、及び一枚のフィルムに機能を実行するようにフィルム処理モジュールに指示するステップを実行するためにプロセッサを使用する。
【0010】
別の態様では、キャリッジアセンブリ、リニアアクチュエータ、ベース、及び上部多機能アセンブリを含むフィルム処理モジュールが開示される。キャリッジアセンブリは、支持レールに沿って移動するように構成される。リニアアクチュエータは、キャリッジアセンブリと係合する。ベースは、リニアアクチュエータと係合する。上部多機能アセンブリは、リニアアクチュエータと駆動可能に係合し、ベースに対して移動する。上部多機能アセンブリは、ベースに対してフィルムの一部を選択的にクランプするためのクランププレートと、フィルムの一部を切断及び密封するための切断機構とを含む。
【0011】
別の態様では、密封されたフィルム製品を製造する方法が開示される。この方法は、プロセッサを使用して、フィルム処理モジュールのベースに対して準備位置にフィルム処理モジュールの上部多機能アセンブリを移動させるステップと、長円形の支持レールに平行に走るフィルムの一部が上部多機能アセンブリとベースとの間にあるようにフィルム処理モジュールを長円形の支持レール上の整列位置に移動させるステップと、上部多機能アセンブリをベースに向かってクランプ位置に移動させてフィルムをクランプするステップと、切断機構を加熱するために上部多機能アセンブリの切断機構にエネルギーを供給するステップと、上部多機能アセンブリをベースに向かって切断位置に移動させてフィルムを切断するステップと、上部多機能アセンブリをベースから開放位置に移動させるステップと、コンベヤが上部多機能アセンブリとベースとの間にあるようにフィルム処理モジュールを支持レール上の移送位置に移動させるステップとを実行する。
【0012】
また別の態様では、長円形の支持レール、電源、及び支持レールと電気通信するコントローラ、及び支持レールと移動可能に係合するフィルム処理モジュールを含むシステムが開示される。フィルム処理モジュールは、ベース及び上部多機能アセンブリを含む。上部多機能アセンブリは、クランププレート及びフィルムを切断及び密封するために電源及びコントローラと電気通信する切断機構を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】例示的な一実施形態による、例示的なフィルム処理ステーションの等角図である。
図2図1のフィルム処理ステーションの概略的な平面図である。
図3】開放位置における図1のフィルム処理ステーションのフィルム処理モジュールの等角図である。
図4】準備位置における図1図3のフィルム処理モジュールの概略的な側断面図である。
図5】クランプ位置における図4のフィルム処理モジュールの概略的な側断面図である。
図6】切断位置における図1及び図2のフィルム処理モジュールの概略的な側断面図である。
図7】準備位置における図4のフィルム処理モジュールの概略的な断面図である。
図8】クランプ位置における図5のフィルム処理モジュールの概略的な断面図である。
図9】切断位置における図6のフィルム処理モジュールの概略的な断面図である。
図10】切断及び密封されたフィルムを運ぶ開放位置におけるフィルム処理モジュールの概略的な断面図である。
図11図1及び図2のフィルム処理ステーションの電子部品のブロック図である。
図12図1及び図2のフィルム処理ステーションのモジュールアナライザのより詳細なブロック図である。
図13】プラスチックフィルムをパウチに加工するために実行することができる例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で説明するように、本発明は、例えばプラスチックフィルムパウチを製造するためにフィルムの切断、成形、及び密封を改善する多重フィルム処理モジュールを備えたフィルム処理ステーションの例を提供する。フィルム処理ステーションは、プラスチックフィルム製品を製造するために比較的小さな設置面積を占める。また、フィルム処理モジュールは、プラスチックフィルムをそれぞれ独立的にクランプ、切断、及び密封して完成品にし、例えば完成品を包装のために待機コンベヤに移す。
【0015】
図1図10に示すように、フィルム処理ステーション100は、1つ以上のフィルム処理モジュール102、コンベヤ104、支持レール106、バス電源108a、レール電源108b、バス空気源108c、メインコントローラ110a、レールコントローラ110b、電力及び空気バス112、第1送受信機114、位置合わせセンサ(registration sensor)116a、複数のレールセンサ116bを含む。各フィルム処理モジュール102は、他のフィルム処理モジュール102と実質的に構造的に同一であることを理解されたい。従って、複数のフィルム処理モジュール102を所定の時間に支持レール106上で使用することができ、フィルム処理モジュール102は、互いに交換可能であり、コンベヤ104、支持レール106、バス電源108a、レール電源108b、バス空気源108c、メインコントローラ110a、レールコントローラ110b、電力及び空気バス112、第1送受信機114、位置合わせセンサ116a、及び/又は複数のレールセンサ116bに対する修正を要求しない。図示されたフィルム処理モジュール102と構造的に異なる代替のフィルム処理モジュールを支持レール106及びフィルム処理モジュール102と共に使用することも考慮される。
【0016】
図2を参照すると、メインコントローラ110aは、レールコントローラ110b、送受信機114、位置合わせセンサ116a、及びレールセンサ116bと通信する。メインコントローラ110aは、レールコントローラ110bを介して支持レール106に沿ってフィルム処理モジュール102の移動を制御する。いくつかの実施形態において、メインコントローラ110a及び/又はレールコントローラ110bは、フィルム処理モジュール102から離れている。メインコントローラ110aは、送受信機114及び/又はバス112を介して、フィルム処理モジュール102のフィルム処理機能、例えば切断及び密封などを制御する。バス112は、フィルム処理モジュール102に電力及び圧縮空気を供給して、それぞれのフィルム処理機能を実行する。メインコントローラ110a、レールコントローラ110b、送受信機114、位置合わせセンサ116a、及びレールセンサ116bの間の相互作用は、図11図13と関連して以下にて詳細に説明される。
【0017】
再び図2を特に参照すると、支持レール106は、対向する一般に直線の平行な第1及び第2の側部118,120と、対向する第1及び第2の曲面端部122,124とを有する長円形周回路を形成する。長円形周回路は、実質的にレーストラック形状として特徴付けられるか、トラックを形成するために直線及び曲線セグメントの両方を備えた何らか
の形態を取ることが考えられる。レールセンサ116bは、支持レール106の長さに沿って規則的に離隔している。支持レール106は、モジュール式パネルで形成されるため、任意の所望のサイズであり得ることを理解されたい。支持レール106は、レール電源108bと電気通信し、それによって駆動する。レール電源108bは、レールコントローラ110bによって制御される。フィルム処理モジュール102の各々は、支持レール106と移動可能に係合している。
【0018】
フィルム処理モジュール102の各々は、互いに独立していることを理解されたい。支持レール106上のフィルム処理モジュール102の数は、支持レール106の長さ及び/又は形状に基づいている。動作中、レールコントローラ110bは、フィルム処理モジュール102の全部又は一部を任意に作動させる。また、動作中、メインコントローラ110aは、レールコントローラ110bを介して支持レール106の周りのそれぞれのフィルム処理モジュール102の移動を独立して制御する。また、動作中、コントローラ110a,110bは、フィルム移動モジュール102が様々な移動速度で支持レール106の周りを移動するように制御してもよい。従って、フィルム処理モジュール102は、支持レール106の周りを移動する際に、互いに接近したり、離れたりし得る。言い換えれば、動作中、コントローラ110a,110bは、支持レール106に対するフィルム処理モジュール102の独立した動きを動的に調整する。さらに、図示のフィルム処理モジュール102と共に、又はその代わりに代替のフィルム処理モジュールが使用される場合、コントローラ110a,110bはまた、これらの代替のフィルム処理モジュールの独立した動きを動的に調整する。
【0019】
図2を再び参照すると、図示の例では、バス112は、フィルム処理モジュール102に電力及び/又は圧縮空気を提供するために、支持レール106の外部に同心円状に配置されている。バス112は、フィルム処理モジュール102が支持レール106の周りを移動するに従って、フィルム処理モジュール102に電力及び/又は圧縮空気を提供する支持レール106に対して任意の位置に配置され得ることを理解されたい。例えば、フィルム処理モジュール102は、バス112が支持レール106の内部、下又は上の同心円状に電力及び/又は圧縮空気を受け取るように配列されてもよい。
【0020】
図1を参照すると、一枚のフィルム126は、第1側部118に隣接して、又は並んで示されている。フィルム126がフィルム処理ステーション100に提供されるとき、フィルム126は、チューブ状又は折り畳まれている。従って、フィルム126は、図5図6、及び図8~10に示すように、上部層128及び下部層130を有する。いくつかの実施形態において、フィルム126は、巻き出し機からフィルム処理ステーション100に出発物質として提供される。他の実施形態において、フィルム126は、平らに押し出され、印刷され、折り畳まれた後に出発物質としてフィルム処理ステーション100に提供される。さらに、他の実施形態では、フィルム126がフィルム処理ステーション100に出発物質として提供される前に、ジッパーがフィルム126に位置決めして取り付けられ、フィルム126が折り畳まれてジッパーが閉じられる。
【0021】
図1図3に示された実施形態を参照すると、フィルム処理モジュール102は、フィルム126をクランプ、切断、及び密封するように構成される。支持レール106上に装着され、フィルム処理モジュール102と共に又はその代わりに使用される代替のフィルム処理モジュールは、フィルム126上で他の機能を実行し得ることを理解及び認識されたい。例えば、代替のフィルム処理モジュールは、装飾パターン及び/又は生産情報をフィルム126にエンボス装飾パターン及び/又は生産情報をフィルム126上に印刷し、フィルム126に穴をあけ、フィルム126上に封止ジッパーを配置し、超音波でフィルム126を形成し、砂及び/又はウォータージェトでフィルム126を研磨し、フィルム126内にパターンを溶融し、フィルム126をレーザアブレーションし、フィルム12
6のリップ部分を除去し、フィルム126に個別部品を追加し、フィルム126の形状に切断し、フィルム126のスコアリングをし、ホットバーは、フィルム126などを密封する。従って、フィルム126上で連続したインライン機能を実行するために、複数のタイプのフィルム処理モジュールが共に使用されてもよい。例えば、フィルム126は、プリンタフィルム処理モジュールによってその上に印刷された画像を有してもよく、エンボスフィルム処理モジュールによってエンボス加工され、次に図示された切断フィルム処理モジュール102によってパウチとして切断されてもよい。あるいは、複数のタイプのフィルム処理モジュールを他の方式で使用することも考えらえる。例えば、いくつかのモジュールは、プロセスの第1段階中に遊休状態で保たれても良く、プロセスの第2段階で単独又は他のモジュールと共に活性化してもよい。実際に、類似又は異なるフィルム処理モジュールの任意の組み合せ又は配置を使用できると考えられる。
【0022】
特に図2を参照すると、フィルム126は、複数の境界132を有する。いくつかの実施形態において、境界132はフィルム126上に印刷される。いくつかの実施形態において、境界132はフィルム126にエンボス加工されている。いくつかの実施形態において、境界132はフィルム126の隆起した特徴部である。境界132は、一般に均一なフィルム126上に位置基準点を提供するために任意の形態を取ることができると考えられる。位置合わせセンサ116aは、境界132を検出するためにフィルム126に隣接して配置される。図示の例では、位置合わせセンサ116aは、フィルム126を横断する。
【0023】
再び図1を見ると、より具体的には、それぞれのフィルム処理モジュール102は、キャリッジアセンブリ134及び成形アセンブリ136を含む。キャリッジアセンブリ134は、支持レール106と連通する。キャリッジアセンブリ134は、それぞれ支持ブラケット140を含む。支持ブラケット140は、支持レール106と移動可能に係合される。キャリッジアセンブリ134は、それぞれ支持ブラケット140(図示せず)に係合する位置磁石をさらに含む。位置磁石は、支持レール106でレールセンサ116bを作動させる。成形アセンブリ136は、支持ブラケット140と係合する。支持レール106、レール電源108b、レールセンサ116b、及びキャリッジアセンブリ134は、完全なモーション制御キット、例えばロックウェルオートメーションを介して利用可能なiTrak(登録商標)システムとして提供され得ることを理解されたい。
【0024】
図1及び図2を参照すると、フィルム処理モジュール102がコントローラ110a,110bによって選択的に操作されることに加えて、いくつかの実施形態において、成形アセンブリ136は、選択的に、キャリッジアセンブリ134に取り付けられないことが考えられる。この場合、フィルム処理モジュール102のうち選択されたものは、ベースキャリッジアセンブリ134だけを有し、フィルム処理機能を実行しない。言い換えれば、達成されるフィルムプロセスに応じて、フィルム処理ステーション100は、「ブランク」フィルム処理モジュール102を有するように構成してもよい。
【0025】
一実施形態では、キャリッジアセンブリ134は、それぞれ1つ以上のローラ及びモータをさらに含む。ローラ及びモータは、支持ブラケット140に係合する。ローラは、支持レール106と転がり接触している。従って、支持ブラケット140は、支持レール106によって支持されて移動可能に係合する。また、1つ以上のローラがモータによって駆動する。従って、キャリッジアセンブリ134のモータは、レール電源108bによって駆動されてレールコントローラ110b及び支持レール106を介してメインコントローラ110aによって制御される。言い換えれば、モータは、1つ以上のローラを駆動して、レール106に沿ってフィルム処理モジュール102を並進させる。支持レール106に沿ったフィルム処理モジュール102の移動は、支持レール106のレールセンサ116bからの信号に基づいてコントローラ110a,110bを介して制御される。
【0026】
代替的に又は上記の開示と共に、処理モジュール102は、支持レール106の周りに配置された磁石を介して電磁的に移動する。それぞれのキャリッジアセンブリ134は、支持レール106の周りを移動するための磁気駆動機構を含む。上記の議論と同様に、支持レール106に沿ったフィルム処理モジュール102の移動は、支持レール106のレールセンサ116bからの信号に基づいてコントローラ110a,110bを介して制御される。
【0027】
図1及び図2に示すように、支持レール106が閉鎖周回路であるため、フィルム処理モジュール102は、支持レール106の周りを移動する。フィルム処理モジュール102が第1側部118に沿って移動するに従って、フィルム処理モジュール102は、フィルム126に対して機能を実行し、切断及び密封されたフィルム製品142をコンベヤ104上に置く。また、フィルム処理モジュール102は、第1曲面端部122、第2側部120、及び第2曲面端部124に沿って移動してフィルム126に戻る。
【0028】
図3を参照すると、それぞれのフィルム処理モジュール102の成形アセンブリ136は、フレーム144、ベース148、リニアアクチュエータ150、及び上部多機能アセンブリ152を含む。いくつかの実施形態において、成形アセンブリ136は、第2送受信機154及びバッテリ156をさらに含む。いくつかの実施形態において、成形アセンブリ136は、空気制御装置158をさらに含む(図7図10参照)。
【0029】
より具体的には、再び図3を参照すると、リニアアクチュエータ150は、フレーム144を支持する。フレーム144は、ベース148を支持する。従って、ベース148は、リニアアクチュエータ150に対して片持ち支持されている。図示の例では、フレーム144は、三角形の支柱である。上部多機能アセンブリ152は、リニアアクチュエータ150を介してベース148に向かって、及びベース148から離れるように移動する。フレーム144、ベース148、及び上部多機能アセンブリ152は、支持レール106に対してリニアアクチュエータ150から外側に概して垂直に延びている。従って、ベース148と上部多機能アセンブリ152は、一般に互いに平行である。また、ベース148は、外側に延びるインレー(inlay)160を画定する。一部の例では、インレー160は、エラストマ162でライニングされている。
【0030】
より具体的には、リニアアクチュエータ150は、モータハウジング164内のモータ(図示せず)、ガイドレール166、及びスレッド168を含む。第2送受信機154及びバッテリ156は、モータハウジング164によって支持される。ガイドレール166は、図1及び図3に示すように、モータハウジング164及び支持ブラケット140に係合する。ガイドレール166は、モータハウジング164に対して上向きに延びている。スレッド168は、例えばベアリングなどを介してスライド可能にガイドレール166と移動可能に係合する。フレーム144は、モータハウジング164及びガイドレール166と係合する。上部多機能アセンブリ152は、スレッド168と係合する。
【0031】
いくつかの実施形態において、リニアアクチュエータ150は、例えば電気ブラシを介してバス112と電気通信する。いくつかの実施形態において、リニアアクチュエータ150は、バッテリ156と電気通信する。従って、リニアアクチュエータ150のモータは、バス電源108a及び/又はバッテリ156によって電力が供給される。いくつかの実施形態において、リニアアクチュエータ150は、バス112を介してメインコントローラ110aによって制御される。他の実施形態において、リニアアクチュエータ150は、第2送受信機154と電気通信して第1及び第2送受信機114,154を介してメインコントローラ110aによって制御される。言い換えれば、モータは、メインコントローラ110aから命令を受信してスレッド168を駆動してガイドレール166に沿っ
て上部多機能アセンブリ152を移動させる。従って、ガイドレール166に沿った上部多機能アセンブリ152の移動は、メインコントローラ110aを介して制御される。
【0032】
ここで図4を参照すると、上部多機能アセンブリ152は、支持アーム170、第1上部付勢部材172a、第2上部付勢部材172b、第1下部付勢部材174a、第2下部付勢部材174b、熱線アセンブリ176及びクランプアセンブリ178を含む。
【0033】
熱線アセンブリ176は、キャリアプレート180、切断機構182、第1支持ワイヤ184a、及び第2支持ワイヤ184bを含む。第1支持ワイヤ184a及び第2支持ワイヤ184bは、切断機構182の対向する端部と係合する。あるいは、第1及び第2支持ワイヤ184a,184bは、他のコネクタ構造を構成してもよく、切断機構182の長さに沿って他の場所に配置されてもよい。再び本実施形態に戻ると、第1支持ワイヤ184a及び第2支持ワイヤ184bは、キャリアプレート180と係合している。従って、切断機構182は、キャリアプレート180から吊り下げられている。
【0034】
切断機構182は、フィルム126を介して真っ直ぐな切断及び密封を行うために、一般的な直線で示されている。切断機構182は曲線形状を有してもよいことがさらに考慮される。従って、切断機構182は、例えばスカラップ、インターロック、ジグザグ、蛇行、波形スクロール、起伏など、フィルム126を介した曲線状の装飾及び/又は機能的切断及び密封を行うことができる。また、切断機構182はワイヤとして示されているが、切断機構182は、例えばナイフ、刃、パンチ、鋸などの任意のタイプの切断機構であってもよいと考えられる。
【0035】
いくつかの実施形態において、熱線アセンブリ176は、バス112と電気通信する。他の実施形態において、熱線アセンブリ176は、バッテリ156と電気通信する。従って、熱線アセンブリ176は、バス電源108a及び/又はバッテリ156によって電力が供給される。いくつかの実施形態において、熱線アセンブリ176は、バス112を介してメインコントローラ110aによって制御される。他の実施形態において、熱線アセンブリ176は、第2送受信機154と電気通信し、第1及び第2送受信機114,154を介してメインコントローラ110aによって制御される。言い換えれば、熱線アセンブリ176は、メインコントローラ110aから命令を受信して電源を供給及び遮断する。
【0036】
いくつかの実施形態において、熱線アセンブリ176は、メインコントローラ110aによって連続的に通電される。熱線アセンブリ176が通電されると、切断機構182は、フィルム126を切断及び密封するために高温になるが、これについては以下でより詳細に説明する。即ち、切断機構182に電流が印加されると、切断機構182は、フィルム126の溶融温度以上の温度に加熱される。従って、切断機構182は、加熱可能である。さらに、いくつかの実施形態において、切断機構182は、成形アセンブリ136(図示せず)に装着されたコントローラで制御される、商業的に利用可能な加熱器と互換性があるように配列される。
【0037】
フィルム126は、例えば熱可塑性材料、金属箔、層状複合材、織物、紙などを含む任意の数の材料を含むことができると考えられる。使用され得る例示的な熱可塑性材料は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、メタロセン-ポリエチレン(mPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、二軸配向ポリエチレンテレフタレート(BPET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)、その他ポリオレフィンプラストマ及びこれらの組み合せ及び混合物を含む。使用され得るまた他の材料には、スチレン系ブロック共重合体、ポリオレフィンブレンド、エラストマア
ロイ、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミド、ポリ塩化ビニル(PVC)のポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、サランポリマー、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET)、イオノマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、スチレンアクリロニトリル、芳香族ポリエステル、線状ポリエステル、タイベック(登録商標)などの不織布材料、及び熱可塑性ポリビニルアルコールを含む。当業者は、フィルム126を形成するために様々な他の材料も使用できることを認識するであろう。使用され得る例示的な持続可能なフィルム材料には、例えば、LDPE、LLPDEなどのバイオベースポリエチレン、再生可能な樹脂及び/又はバイオベース原料、使用済み再生プラスチック、堆肥可能な樹脂(例:PHA、PBAT、PCL、PLAなど)を含む。
【0038】
図3及び図4を参照すると、クランプアセンブリ178は、第1ポスト186a、第2ポスト186b、及び切断開口部190を画定するクランププレート188を含む。切断開口部190は、切断機構182が切断開口部190を通過できるサイズを有する。第1及び第2ポスト186a,186bは、支持アーム170とスライド可能に係合する。クランププレート188は、第1及び第2ポスト186a,186bと係合する。第1上部付勢部材172a及び第1下部付勢部材174aは、クランププレート188と支持アーム170との間の第1ポスト186aの周りに配置される。第2上部付勢部材172b及び第2下部付勢部材174bは、クランププレート188と支持アーム170との間の第2ポスト186bの周りに配置される。従って、クランププレート188は、支持アーム170から吊り下げられ、それに対して移動可能である。第1及び第2上部付勢部材172a,172b及び第1及び第2下部付勢部材174a,174bは、クランププレート188を支持アーム170から離れるように付勢する。
【0039】
図3及び図4をさらに参照すると、キャリアプレート180は、第1及び第2ポスト186a,186bとスライド可能に係合する。キャリアプレートは、第2上部付勢部材172bと第2下部付勢部材174bとの間に配置される。従って、キャリアプレート180は、第1及び第2上部付勢部材172a,172bと第1及び第2下部付勢部材174a,174bの間に挟まれる。言い換えれば、キャリアプレート180は、第1及び第2ポスト186a,186b上にスライド可能に捕捉される。第1及び第2上部付勢部材172a,172bは、キャリアプレート180を支持プレート170から離れるように付勢する。第1及び第2下部付勢部材174a,174bは、キャリアプレート180をクランププレート188から離れるように付勢する。従って、熱線アセンブリ176は、支持アーム170及びクランプアセンブリ178から吊り下げられ、これに対して移動可能である。
【0040】
図3及び図4に例示されるように、第1及び第2上部付勢部材172a,172b及び第1及び第2下部付勢部材174a,174bは、コイルばねである。いくつかの実施形態において、第1及び第2上部付勢部材172a,172bは、第1及び第2下部付勢部材174a,174bより大きいばね力定数を有する。好ましい実施形態では、第1及び第2下部付勢部材174a,174bは、約50~60ポンド(222.4~266.9ニュートン)のクランプ力を提供する。従って、第1及び第2上部付勢部材172a,172bは、切断サイクル中に第1及び第2下部付勢部材174a,174bを押し出すが、これについては、以下にて詳細に説明する。
【0041】
空気制御装置158を含む実施形態において、クランプアセンブリ178は、1つ以上の空気流ライン192をさらに含む(例えば、図7参照)。このような実施形態において、クランププレート188は、1つ以上の空気流開口部194をさらに画定する。空気流開口部194は、支持レール106に沿ってフィルム処理モジュール102の進行方向に対してクランププレート188の後部に画定される。空気流ライン192は、空気流開口
部194でクランププレート188に取り付けられる。言い換えれば、空気流ライン192は、空気流開口部194に対応して流体連通している。空気流ライン192はまた、空気制御装置158と流体連通する。空気流ライン192は、支持アーム170に対するクランププレート188の移動に適応するように柔軟性がある。本実施形態では、工場空気は、真空源を生成するためにベンチュリ装置と組み合わせて使用することが考慮される。
【0042】
空気制御装置158は、空気流誘導装置である。いくつかの実施形態において、空気制御装置158は、電気駆動式空気ポンプである。他の実施形態において、空気制御装置158は、電気式又は機械式の駆動弁と関連する空気圧駆動式ベンチュリ装置である。このような実施形態において、空気制御装置158は、バス112と流体連通しており、空気制御装置158は、バス空気供給源108cによって空圧式で駆動する。いくつかの実施形態において、空気制御装置158は、バス112と電気通信する。他の実施形態において、空気制御装置158は、バッテリ156と電気通信する。従って、空気制御装置158は、バス電源108a及び/又はバッテリ156によって電気的に電力が供給される。いくつかの実施形態において、空気制御装置158は、バス112を介してメインコントローラ110aによって制御される。他の実施形態において、空気制御装置158は、第2送受信機154と電気通信し、第1及び第2送受信機114,154を介してメインコントローラ110aによって制御される。言い換えれば、空気制御装置158は、メインコントローラ110aから空気流開口部194及び空気流ライン192を介して空気を引き込むように指示を受信し、フィルム126とクランププレート188との間に真空を生成する。
【0043】
図7図10を参照すると、いくつかの実施形態において、熱線アセンブリ176は、オンボードヒーター制御装置196をさらに含む。ヒーター制御装置196は、切断機構182と電気通信する。このような実施形態において、切断機構182は、1つ以上のカートリッジヒータを含む。
【0044】
支持アーム170は、スレッド168と係合してガイドレール166から外側に延びる。支持アーム170は、重量を低減し、空気制御装置158、空気流ライン192、ヒーター制御装置196、及び/又は熱線アセンブリ176に電力を供給するための配線のハウジングのために中空である。
【0045】
特に図4を参照すると、いくつかの実施形態において、成形アセンブリ136は、1つ以上のモジュールセンサ198をさらに含む。モジュールセンサ198の動作は、以下により詳細に説明される。
【0046】
ここで図11を参照すると、メインコントローラ110a、レールコントローラ110b、バス112、第1送受信機114、位置合わせセンサ116a、レールセンサ116b、キャリッジアセンブリ134、リニアアクチュエータ150、第2送受信機154、空気制御装置158、熱線アセンブリ178及びモジュールセンサ198は、フィルム処理ステーション100の電子部品200と総称される。
【0047】
いくつかの実施形態において、バス112は、メインコントローラ110a、リニアアクチュエータ150、空気制御装置158、熱線アセンブリ176、及びモジュールセンサ198を通信可能に接続する。いくつかの実施形態において、リニアアクチュエータ150、空気制御装置158、熱線アセンブリ176、及びモジュールセンサ198は、第1送受信機114と無線通信する第2送受信機154に通信可能に接続される。バス112は、国際標準化機構(ISO)11898-1によって定義されたコントローラエリアネットワーク(CAN)バスプロトコル、メディア指向システムトランスポート(MOST:Media Oriented Systems Transport)バスプロト
コル、CANフレキシブルデータ(CAN-FD)バスプロトコル(ISO 11898-7)、K-ラインバスプロトコル(ISO 9141及びISO 14230-1)及び/又はイーサネット(登録商標)バスプロトコルIEEE 802.3(2002以降)などで実現されてもよい。
【0048】
第1及び第2送受信機114,154は、外部ネットワークとの通信を可能にする有線又は無線ネットワークインターフェースを含む。第1及び第2送受信機114,154はまた、有線、無線ネットワークインターフェースを制御するためのハードウェア、例えばプロセッサ、メモリ、記憶装置、アンテナなど、及びソフトウェアを含む。いくつかの実施形態において、第1及び第2送受信機114,154は、スマートフォン、スマートウォッチなどのモバイル装置と通信可能に接続するための、有線又は無線インターフェース、例えば、補助ポート、USB(Universal Serial Bus)ポート、ブルートゥース(登録商標)無線ノードなどを含む。このような実施形態において、フィルム処理ステーション100は、モバイル装置を介して外部ネットワークと通信してもよい。外部ネットワークは、インターネットなどのパブリックネットワークであってもよく;イントラネットなどのプライベートネットワーク;又はこれらの組み合せであってもよく、TCP/IPベースのネットワークプロトコルを含むがこれらに制限されない、現在利用可能な又は後に開発される様々なネットワークプロトコルを使用することができる。
【0049】
レールセンサ116bは、支持レール106に沿ってフィルム処理モジュール102の位置を検出するための位置センサであり、例えば、磁気渦電流、超音波、ホール効果、誘導などである。位置合わせセンサ116a及びモジュールセンサ198は、フィルム126上の境界132を検出及び位置特定し、及び/又は特定の運動又は運動プロファイルを実行するためにリニアアクチュエータ150に個別の入力を提供するための特徴検出センサであり、例えば、カメラ、光学、超音波、無線周波数などである。
【0050】
メインコントローラ110aは、メインプロセッサ202a及びメインメモリ204aを含む。レールコントローラ110bは、レールプロセッサ202b及びレールメモリ204bを含む。プロセッサ202a,202bは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラベースのプラットフォーム、集積回路、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)などであるが、これらに制限されない任意の適切な処理装置又は処理装置のセットであってもよい。メモリ204a,204bは、揮発性メモリ(例えば、非揮発性RAM、磁気RAM、強誘電体RAMなどを含むRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ディスクメモリ、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM、メモリスタベースの不揮発性固体メモリなど)、変更不可能なメモリ(例えば、EPROMs)、読み取り専用メモリ、及び/又は大容量記憶装置(例えば、ハードドライブ、ソリッドステートドライブなど)であってもよい。一部の例では、メモリ204a,204bは、様々な種類のメモリ、特に揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含む。
【0051】
メモリ204a,204bは、本発明の方法を動作させるためのソフトウェアなどの1つ以上の命令セットを内蔵することができるコンピュータ可読媒体である。命令は、本明細書で説明されるような1つ以上の方法又は論理を具体化してもよい。例えば、命令は、命令の実行中にメモリ204a,204b、コンピュータ可読媒体のうちのいずれか1つ以上、及び/又はプロセッサ202a,202b内に完全に又は少なくとも部分的に存在する。
【0052】
「非一時的コンピュータ可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、中央型又は分散型データベース、及び/又は1つ以上の命令セットを格納する関連キャッシュ及びサーバなどの単一媒体又は多重媒体を含む。さらに、「非一時的コンピュータ可読媒
体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、プロセッサによる実行のための命令セットを保存、エンコード又は運搬でき、システムが本明細書に開示された方法又は動作のいずれか1つ以上を実行させる任意の有形媒体を含む。本明細書で使用される用語「コンピュータ可読媒体」は、任意のタイプのコンピュータ可読記憶媒体及び/又は記憶ディスクを含み、伝搬信号を排除するように明確に定義される。
【0053】
メインプロセッサ202aは、モジュールアナライザ206(図12参照)を含むように構成される。モジュールアナライザ206は、モジュールロケータ208、フィルム境界検出器210、オフセット決定器212、モジュール位置調節器214、熱線エナジャイザ(hot wire energizer)216、真空決定器218、及びクランプ調節器220を含む。
【0054】
動作中、モジュールロケータ208は、支持レール106に沿ってフィルム処理モジュール102のそれぞれの位置に対応するレールセンサ116bから信号を受信する。モジュールロケータ208は、フィルム処理モジュール102が支持レール106の周りを移動するに従って、フィルム処理モジュール102のそれぞれの位置を監視する。モジュールロケータ208がフィルム処理モジュール102の位置を監視するに従って、例えば、フィルム処理プロセスを介してフィルム処理モジュール102を移動するため、衝突の防止などのために、モジュール位置調節器214は、支持レール106に沿って、及びレールコントローラ110bを介して、お互いに対するそれぞれのフィルム処理モジュール102の位置を調整する。
【0055】
また、動作時、図12のモジュール位置調節器214は、図2に示すように、それぞれのフィルム処理モジュール102を支持レール106に沿って開始位置230まで連続的に移動させる。フィルム処理モジュール102が開始位置230に移動する間、図4及び図7に示すように、クランプ調節器220は、ベース148に対してそれぞれの上部多機能アセンブリ152を準備位置232に移動させる。図2に示すように、開始位置230は、フィルム126から離隔している。従って、フィルム処理モジュール102は、上部多機能アセンブリ152が準備位置232に到達する前にフィルム126を妨げない。上部多機能アセンブリ152が準備位置232にあるとき、フィルム処理モジュール102は、上部多機能アセンブリ152とベース148との間でフィルム126を受け入れる準備ができている。いくつかの実施形態において、クランププレート188は、上部多機能アセンブリ152が準備位置232にあるとき、ベース148から約1~約3インチ(2.54~7.62センチメートル)離れている。好ましい実施形態では、クランププレート188は、上部多機能アセンブリ152が準備位置232にあるとき、ベース148から約2.1インチ(5.3センチメートル)離れている。加えて、上部多機能アセンブリ152が準備位置232にあるとき、熱線アセンブリ176は、支持アーム170とクランププレート188との間にある。
【0056】
さらに動作中、いくつかの実施形態において、熱線エナジャイザ216は、フィルム126を切断するために熱線アセンブリ176にエネルギーを供給する。より具体的には、熱線エナジャイザ216は、モジュールロケータ208によって決定された支持レール106に沿ってフィルム処理モジュール102の位置に接近する。熱線エナジャイザ216が熱線アセンブリ176をオンにすることにより、切断機構182は、支持レール106に沿ってさらにフィルム126を切断することに間に合うように加熱される。従って、熱線エナジャイザ216は、レールセンサ116によって提供された情報を使用して、レール106に対する熱線アセンブリ176の通電を調整及び同期化する。言い換えれば、熱線エナジャイザ216は、切断機構182が第1側部118に沿ってフィルム126を切断する準備ができるように、切断機構182の加熱の時間を調整する。
【0057】
切断機構182がカートリッジヒータを含む他の実施形態において、動作中に、熱線アセンブリ176は、オンボードヒーター制御装置196を介して連続的に加熱される。
【0058】
動作を続けると、図11のモジュール位置調節器214は、図2に示すように、フィルム126を迎えるために第2曲面端部124に沿って第1側部118に向かってそれぞれのフィルム処理モジュール102を連続的に移動させる。フィルム処理モジュール102がフィルム126に出会うと、上部多機能アセンブリ152はフィルムの上にあり、ベース148はフィルム126の下にある。フィルム処理モジュール102が支持レール106の第1側部118に沿った整列位置234に到達すると、図1及び図2に示すように、フィルム処理モジュール102はフィルム126が移動する軸Aに対して横方向になる。さらに、フィルム処理モジュール102が整列位置234に到達すると、それぞれの上部多機能アセンブリ152及びベース148は、図1に示すように支持レール106に対してフィルム126を越えて延びる。言い換えれば、ひとまずフィルム処理モジュール102が整列位置234にあれば、フィルム126は、上部多機能アセンブリ152とベース148との間にあり、それらに対してほぼ垂直である。さらに、フィルム処理モジュール102が整列位置234に到達すると、フィルム処理モジュール102は、第1側部118にほぼ垂直である。従って、整列位置234に到達した後、フィルム処理モジュール102は、第1側部118及び軸Aに平行な支持レール106に沿って移動する。
【0059】
動作を続けると、いくつかの実施形態において、図12のフィルム境界検出器210は、図2に示すように図11のモジュールセンサ198から信号を受信してフィルム126上の境界132を検出する。言い換えれば、フィルム境界検出器210は、境界132を検索するためにモジュールセンサ198を使用してフィルム126を下向きに見る。フィルム126がフィルム処理ステーション100に提供され、フィルム処理モジュール102が整列位置234でフィルム126と出会うとき、境界132は上部多機能アセンブリ152の真下になくてもよいことを理解されたい。
【0060】
さらに動作中、そのような実施形態では、フィルム境界検出器210がフィルム126上の境界132のうちの1つを検出すると、図2に示すように図12のオフセット決定器212は、切断機構182に対する境界132に対するオフセット236を決定する。より具体的には、オフセット決定器212は、境界132と切断機構182との間の距離を決定するために、モジュールロケータ208によって決定された支持レール106に沿ってフィルム処理モジュール102の位置にアクセスする。言い換えれば、そのような実施形態において、オフセット決定器212は、モジュールセンサ198及びレールセンサ116によって提供される情報を使用して、フィルム処理モジュール102が軸Aに沿って検出された境界132との同期からどの程度解離しているかを決定する。
【0061】
動作を続けると、他の実施形態では、図12のフィルム境界検出器210は、図2及び図11の位置合わせセンサ116aから信号を受信してフィルム126上の境界132を検出する。言い換えれば、フィルム境界検出器210は、境界132を検索するために位置合わせセンサ116aを使用してフィルム126を下向きに見る。
【0062】
さらに動作中、このような実施形態では、フィルム境界検出器210がフィルム126上の2つ以上の境界132を検出すると、図2に示すように、図12のオフセット決定器212は、境界132が位置合わせセンサ116aをどれだけ速く通過するかの周波数(「ピッチ」)を決定する。この周波数から、オフセット決定器212は、図2に示すように互いに対する境界132のオフセット236を決定する。言い換えれば、このような実施形態では、オフセット決定器212は、位置合わせセンサ116a及びレールセンサ116bによって提供される情報を使用してフィルム処理モジュール102が軸Aに沿って検出された境界132との同期からどの程度解離しているかを決定する。
【0063】
動作を継続すると、モジュール位置調節器214は、図2に示すように、整列位置234から第1側部118に沿って、第1加圧位置238に向かって第1側部118に沿ってフィルム処理モジュール102を連続的に移動させる。フィルム処理モジュール102が整列位置234から第1加圧位置238に移行するに従って、モジュール位置調節器214は、フィルム処理モジュール102の位置をオフセット236に近づく及び/又は同期化するように調整する。より具体的には、いくつかの実施形態において、フィルム処理モジュール102が整列位置234から第1加圧位置238に向かって移動するとき、図8に示すようにモジュール位置調節器214は、フィルム126に対して軸Aに沿ったフィルム処理モジュール102の移動速度を調整して、インレー160と切断機構182との間に境界132を生成する。いくつかの実施形態において、モジュール位置調節器214は、軸Aに沿ったフィルム処理モジュール102の移動速度を調整して境界132がフィルム処理モジュール102の所定の基準点と一致するようにする。言い換えれば、モジュール位置調節器214は、レールセンサ116b、位置合わせセンサ116a、及び/又はモジュールセンサ198によって提供された情報を使用して、境界132に対するフィルム処理モジュール102の位置を調整及び同期する。
【0064】
また、動作中、フィルム処理モジュール102が整列位置234から第1加圧位置238に移行するに従って、図5及び図8に示すようにクランプ調節器220は、ベース148に対してクランプ位置242に向かってそれぞれの上部多機能アセンブリ152を移動させる。
【0065】
上部多機能アセンブリ152がベース148に向かって下方に移動するとき、クランププレート188は、フィルム126と接触して第1及び第2下部付勢部材174a,174bを圧縮する。上部多機能アセンブリ152が図5及び図8に示されたクランプ位置242内にベース148に向かってさらに下方に移動するとき、第1及び第2下部付勢部材174a,174bは圧縮され、フィルム126の一部がクランププレート188とベース148との間にクランプされる。
【0066】
フィルム処理モジュール102が第1側部118に沿って第1加圧位置238に到達すると、それらのそれぞれの上部多機能アセンブリ152は、ベース148に対してクランプ位置242に到達する。好ましい実施形態では、上部多機能アセンブリ152がクランプ位置242にあるとき、切断機構182はベース148から約0.1インチ(2.54mm)離れている。
【0067】
また他の動作中、図2に示すようにモジュール位置調節器214は、第1側部118に沿ってフィルム処理モジュール102を第1加圧位置238から第2加圧位置244に向かって連続的に移動させる。従って、クランプされたフィルム126は、第1加圧位置238から第2加圧位置244まで運ばれる。いくつかの実施形態において、直線形の第1側部118の長さは、所与のフィルム材料の切断及び密封作業を実行するのに必要な時間に対応する。
【0068】
フィルム処理モジュール102が第1加圧位置238から第2加圧位置244に移動する間、作動が続き、クランプ調節器220は、図6及び図9に示されたようにベース148に対して切断位置246に向かってそれぞれの上部多機能アセンブリ152を移動させる。
【0069】
上部多機能アセンブリ152がクランプ位置242から切断位置246に向かって移動するとき、クランププレート188はベース148に対して停止状態に保たれ、第1及び第2下部付勢部材174a,174bはクランププレート188とキャリアプレート18
0との間で圧縮される。従って、フィルム126はクランププレート188とベース148との間で固くクランプされ、熱線アセンブリ176はベース148に向かってさらに近くへ移動する。
【0070】
フィルム処理モジュール102が第1加圧位置238から第2加圧位置244に移動し続ける間、上部多機能アセンブリ152は、第1及び第2下部付勢部材174a,174bの圧縮中にベース148に対してさらに切断位置246に向かって移動する。従って、切断機構182は、切断開口部190を通過して、フィルム126をインレー160に対して圧縮し、フィルム126を切断及び密封して、インレー160と接触する。言い換えれば、切断機構182は、フィルム処理モジュール102が第1加圧位置238と第2加圧位置244との間にある間フィルム126を切断して密封する。
【0071】
より具体的には、クランプ調節器220は、モジュールロケータ208によって決定された支持レール106に沿ってフィルム処理モジュール102の位置に接近する。クランプ調節器220は、次に上部多機能アセンブリ152をクランプ位置242から切断位置246に向かって移動させ、支持レール106に対するフィルム126の切断位置は、所定時間の間、熱線アセンブリ176が切断位置246に保たれるように構成される。従って、クランプ調節器220は、モジュールセンサ198及びレールセンサ116bによって提供される情報を使用して、支持レール106に対するフィルム126の切断を調整及び同期化する。言い換えれば、クランプ調節器220は、クランプ位置242から切断位置246まで上部多機能アセンブリ152の下降を動的に調整し、切断機構182は、切断が完了した後に一定時間の間フィルム126と接触を保つ。従って、フィルム製品142は、以下により詳細に説明するように移送位置248でコンベヤ104上に置かれたとき、しっかりと密封される。いくつかの実施形態において、熱線アセンブリ176のクランプ位置242から切断位置246までの移動時間は、約0.1~約2.0秒である。図9及び図10に示すように、切断機構182とインレー160との間のフィルム126の圧縮、及び切断位置246における熱線アセンブリ176の滞留期間は、必要な熱及び圧力をフィルム126上の所定の位置に適用してその上部及び下部層128,130を各々切断し、上部及び下部層128,130をリーディングシール250及びトレーリングシール252に融合させることを理解されたい。従って、図1及び図2に示すように、熱線アセンブリ176は、フィルム126を所定の長さを有する個別密封されたフィルム製品142、例えば、個別のパウチに切断する。図6及び図9に示すように、インレー160は、切断位置246において切断機構182及びそれによる上部多機能アセンブリ152のハードストップ(hard stop)として作用することを理解されたい。
【0072】
さらに動作中、図2に示すように、モジュール位置調節器214は、第2加圧位置244から第1側部118に沿って、移送位置248で第1側部118に沿ってフィルム処理モジュール102を連続的に移動させる。フィルム処理モジュール102が第2加圧位置244から移送位置248に移行するに従って、クランプ調節器220は、図10に示すように、ベース148に対する開放位置254内にそれぞれの上部多機能アセンブリ152を移動させる。いくつかの実施形態において、クランププレート188は、上部多機能アセンブリ152が開放位置254にあるとき、ベース148から約3~約7インチ(7.62~17.78センチメートル)離れている。好ましい実施形態では、クランププレート188は、上部多機能アセンブリ152が開放位置254にあるとき、ベース148から約5.1インチ(12.95センチメートル)離れている。従って、多機能アセンブリ152及び運ばれたフィルム製品142は、コンベヤ104の上に配置される。さらに、ベース148は、移送位置248でコンベヤ104の下にある。それぞれのフィルム処理モジュール102が移送位置248に到達すると、密封されたフィルム製品142は、コンベヤ104上に置かれる。従って、図1及び図2に示すように、連続した一連の個別の密封されたフィルム製品142がコンベヤ104に沿って配置される。
【0073】
いくつかの実施形態において、密封されたフィルム製品142は、クランププレート188に対して接着性及び/又は静電力によって一時的に保持される。
【0074】
空気制御装置158を含む実施形態では、作動中、上部多機能アセンブリ152が切断位置246から開放位置254に上昇するときに、空気流ライン192及び空気流開口部194から空気を引き込み、真空決定器218は空気制御装置158を活性化させる。従って、空気制御装置158は、切断フィルム126とクランププレート188との間に真空を形成し、切断フィルム126は、大気圧によってクランププレート188に対して保持される。このような実施形態では、真空決定器218は、移送位置248で空気制御装置158を非活性化して、クランププレート188からコンベヤ104上で切断されたフィルム126を解放する。あるいは、そのような実施形態では、真空決定器218は、移送位置248で空気制御装置158を逆転させ、クランププレート188からコンベヤ104上に切断されたフィルム126を吹き付ける。このような実施形態において、真空決定器218は、フィルム製品142がコンベヤ104上に吹き付けられると、空気制御装置158の電源を遮断する。
【0075】
上記の説明では、上部多機能アセンブリ152がベース148に近づいたり離れたりする方法について説明しているが、いくつかの実施形態では、フィルム処理モジュール102は、上部多機能アセンブリ152がリニアアクチュエータ150に対して静止し、ベース148がリニアアクチュエータ150と係合して上部多機能アセンブリ152に近づいたり離れたりするように配置されることが考慮される。いくつかの実施形態において、フィルム処理モジュール102は、上部多機能アセンブリ152及びベース148がリニアアクチュエータ150と移動可能に係合し、互いに対して移動可能になるように配列され得ることが考慮される。言い換えれば、ベース148と上部多機能アセンブリ152がリニアアクチュエータ150を介して互いに対して移動する全ての構成が考慮される。
【0076】
動作を継続すると、いくつかの実施形態において、熱線エナジャイザ216は、フィルム製品142がコンベヤ104上に置かれると、熱線アセンブリ176の電源を遮断する。より具体的には、熱線エナジャイザ216は、モジュールロケータ208によって決定された支持レール106に沿ってフィルム処理モジュール102の位置に接近する。熱線エナジャイザ216は、フィルム処理モジュール102が移送位置248を通過して移動するときに熱線アセンブリ176をオフにする。従って、熱線エナジャイザ216は、レールセンサ116によって提供された情報を使用されるが、レール106に対する熱線アセンブリ176の電源遮断を調整及び同期化する。言い換えれば、熱線エナジャイザ216は、切断機構182が使用されていないときに、電気エネルギーを節約するために切断機構182の電源断絶を行うように合わせる。
【0077】
動作を継続すると、モジュール位置調節器214は、フィルム処理モジュール102を支持レール106の第1曲面端部122及び第2側部120に沿って、例えば「バックストレッチ(back stretch)」に沿って開始位置230へ連続的に移動させる。一方、図3及び図7に示すように、クランプ調節器220は、ベース148に対して上部多機能アセンブリ152を準備位置232に移動させる。従って、コントローラ110は、整列位置234でフィルム126の連続した新しいセクションに会うようにフィルム処理モジュール102を準備する。
【0078】
モジュールアナライザ206を使用してメインコントローラ110aによって調整されたフィルム処理モジュール102の動作に加えて、又は代替として、メインコントローラ110aは、支持レール106に装着された代替のフィルム処理モジュールによって実行される機能を動的に調整してもよいと考えられる。従って、メインコントローラ110a
は、フィルム処理モジュール102によって実行されるクランプ機能及び切断機能を、他のタイプのモジュールによって実行される追加機能と調整及び同期してもよい。例えば、メインコントローラ110aは、フィルム126に装飾パターン及び/又は生産情報を形成するエンボス加工モジュールを備えたフィルム処理モジュール102、装飾パターン及び/又は生産情報をフィルム126に印刷する印刷モジュール、フィルム126に穴をあける穿孔モジュールなどによって、フィルムのクランプ及び切断を調整してもよい。
【0079】
図13は、プラスチックフィルムをパウチに加工するために実行することができる例示的な方法300を示すフローチャートである。図13のフローチャートは、メモリ(図11のメモリ204aなど)に格納される機械可読命令を示し、プロセッサ(図1Aのプロセッサ202aなど)によって実行されるとき、メインコントローラ110aが図1及び図2の支持レール106上で図1図10のフィルム処理モジュール102を動作させる1つ以上のプログラムを含む。例示的なプログラムは、図13に示されたフローチャートを参照して説明されるが、支持レール106上でフィルム処理モジュール102を動作させる多くの異なる方法が代替的に使用されてもよい。例えば、ブロックの実行順序は、方法300を実行するために再配列、変更、除去及び/又は結合されてもよい。さらに、方法300は、図1図10の構成要素と関連して開示されているため、これらの構成要素の一部の機能については、以下では詳細に説明しない。
【0080】
最初に、ブロック302で、メインコントローラ110aは、フィルム処理モジュール102を開始位置230に移動させる。従って、メインコントローラ110aは、フィルム126から離れた開始位置で支持レール106に沿ってフィルム処理モジュール102を位置決めする。
【0081】
ブロック304で、メインコントローラ110aは、上部多機能アセンブリ152を準備位置232に移動させる。上部多機能アセンブリ152が準備位置232にあるとき、フィルム処理モジュール102は、上部多機能アセンブリ152とベース138との間でフィルム126を受け入れる準備ができている。また、図4に示すように、上部多機能アセンブリ152が準備位置232にあるとき、第1及び第2上部付勢部材172a,172b及び第1及び第2下部付勢部材174a,174bは圧縮されない。
【0082】
ブロック306で、メインコントローラ110aは、フィルム処理モジュール102を整列位置234に移動させる。フィルム処理モジュール102が整列位置234に移動すると、フィルム126は、上部多機能アセンブリ152とベース148との間に配置される。
【0083】
ブロック308で、メインコントローラ110aは、支持レール106に沿ったフィルム処理モジュール102の位置を調整して、フィルム126上の1つ以上の境界132と同期する。フィルム処理モジュール102は、境界132と整列して規則的なサイズのフィルム製品142を生成する。
【0084】
ブロック310で、メインコントローラ110aは、上部多機能アセンブリ152をクランプ位置242に移動させる。上部多機能アセンブリ152がクランプ位置242に移動すると、下部付勢部材174a,174bが圧縮され、クランププレート188は、ベース148に対してフィルム126を圧縮する。また、図5に示すように、上部多機能アセンブリ152がクランプ位置242にあるとき、第1及び第2上部付勢部材172a,172bは圧縮されない。
【0085】
ブロック312で、メインコントローラ110aは、フィルム処理モジュール102を第1加圧位置238に移動させる。従って、フィルム処理モジュール102は、フィルム
処理モジュール102が第1加圧位置238に到達するに従って、クランプされたフィルム126を運ぶ。
【0086】
いくつかの実施形態において、ブロック314で、メインコントローラ110aは、熱線アセンブリ176にエネルギーを供給する。従って、熱線アセンブリ176の切断機構182は、フィルム126を切断及び密封するために加熱する。いくつかの実施形態において、熱線アセンブリ176は、オンボードヒーター制御装置196によって連続的に加熱されることを理解されたい。
【0087】
ブロック316で、メインコントローラ110aは、上部多機能アセンブリ152を切断位置246に移動させる。上部多機能アセンブリ152が切断位置246まで下降すると、第1及び第2下部付勢部材174a,174bはさらに圧縮され、切断機構182は切断開口部190を通過し、切断機構182はフィルム126を切断して密封し、切断機構182はインレー160に対してハードストップする。
【0088】
ブロック318で、メインコントローラ110aは、フィルム処理モジュール102を第2加圧位置244に移動させる。従って、フィルム処理モジュール102は、フィルム処理モジュール102が第2加圧位置244に向かって移動するとき、クランプされたフィルム126を運ぶ。第1加圧位置238と第2加圧位置244との間の移動時間期間により、切断機構182が先行及び後行シール250,252を形成できることを理解されたい。
【0089】
空気制御装置158を含む実施形態では、メインコントローラ110aは、ブロック320で真空に引く。より具体的には、メインコントローラ110aは、空気流ライン192及び空気流開口部194を介して空気を引き込むように空気制御装置158にエネルギーを供給し、クランププレート188に対してフィルム126を保持する。
【0090】
ブロック322で、メインコントローラ110aは、上部多機能アセンブリ152を開放位置254に移動させる。従って、メインコントローラ110aは、フィルム126と共に多機能アセンブリ152をベース148から離れるように上昇させる。多機能アセンブリ152が開放位置254に移動するとき、切断機構182は、切断開口部190を介してフィルム126から後退する。
【0091】
ブロック324で、メインコントローラ110aは、熱線アセンブリ176の電源を遮断する。従って切断機構182はオフにされる。フィルム126を切断及び密封した後に切断機構182をオフにすることにより、フィルム製品142の製造中に電気エネルギーを節約できることを理解されたい。
【0092】
ブロック326で、メインコントローラ110aは、フィルム処理モジュール102を移送位置248に移動させる。従って、上部多機能アセンブリ152及び運ばれたフィルム製品142は、コンベヤ104の上に配置される。
【0093】
空気制御装置158を含む実施形態では、メインコントローラ110aは、ブロック328で真空を解除する。いくつかの実施形態において、メインコントローラ110aは、空気制御装置158を不活性化して、フィルム製品142は受動的にコンベヤ104に落下する。いくつかの実施形態において、メインコントローラ110aは、空気制御装置158を逆転させて、フィルム製品142をコンベヤ104上に能動的に吹き付け、次に空気制御装置158を不活性化させる。コンベヤ104上にフィルム製品142を置いた後、空気制御装置158をオフにすることによってフィルム製品142の製造の間電気エネルギーを節約できることを理解されたい。方法300は、ブロック302に戻る。
【0094】
上述したように、上記の開示されたシステム及び方法は、フィルム製品を製造するために使用される機械の数及び関連するフットプリントの大きさを低減し、関連する製造費用及びエネルギー消費を低減するのを助けるフィルム処理ステーション100を開示することが理解されるであろう。さらに、フィルム処理モジュール102は、交換可能であるため、個別のフィルム処理モジュール102は、例えばメンテナンスのためにフィルム処理ステーション100から容易に取り外すことができ、フィルム処理ステーション100の非生産的な停止時間及び関連費用を低減する。また、切断機構182は、フィルム126上に留まってクランププレート188の上で後退するため、フィルム処理モジュール102は、製造上の欠陥、関連するフィルム廃棄物及び関連する廃棄費用を低減しながら、強固な密閉を有するフィルム製品142を生産する。
【0095】
さらに、上記の開示されたフィルム処理ステーション100は、フィルム処理モジュール102を一枚のフィルム102と動的に整列させるため、印刷済みのフィルムロール上の画像の非同期処理及び切断(「クリープ」ともいう)を避けることができる。本フィルム処理ステーション100システム及び関連方法は、フィルム処理ステーション100に供給される一枚のフィルム126に対してフィルム処理モジュール102のリアルタイム調整を有利に可能にする。従って、本フィルム処理ステーション100システム及び関連方法は、プロセスを中断することなく、供給された一枚のフィルム126の間の差を補償する。このような利点は、同一又は異なる供給源からのシート及び/又はフィルム製品間の均一な切断を考慮する任意の工程にも適用可能である。
【0096】
本開示の例を説明するために、頂部、底部、下部、中間、側部、水平、垂直、前面などの様々な空間的及び方向的な用語が使用され得るが、このような用語は、単に図面に示した方向と関連して使用されるものと理解される。向きは、上部を下部に、その反対、水平を垂直にするなど、反転、回転、又はその他の方法で変更されてもよい。
【0097】
前述した実施形態の変形及び修正は、本発明の範囲にある。本明細書で開示及び定義された例は、本文及び/又は図面で言及又は明らかにされる個々の特徴の2つ以上の全ての代替の組み合せに及ぶことが理解される。これら異なる組み合せのすべては、本開示の様々な代替の態様を構成する。本明細書に記載の例は、本開示を実施するために知られている最良のモードを説明し、当業者が本開示を利用できるようにする。特許請求の範囲は、従来技術によって許容される範囲までの代替例を含むと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13