(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】流路切換弁及び冷却水回路
(51)【国際特許分類】
F16K 11/08 20060101AFI20230104BHJP
F16K 11/16 20060101ALI20230104BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20230104BHJP
F28D 9/00 20060101ALN20230104BHJP
【FI】
F16K11/08 Z
F16K11/16 Z
F25B1/00 399Y
F28D9/00
(21)【出願番号】P 2021176983
(22)【出願日】2021-10-28
【審査請求日】2021-12-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】マレリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 聡
(72)【発明者】
【氏名】丸山 智弘
(72)【発明者】
【氏名】川俣 達
(72)【発明者】
【氏名】廣野 幸治
(72)【発明者】
【氏名】松平 範光
(72)【発明者】
【氏名】堰合 誠
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-243051(JP,A)
【文献】特開2013-238310(JP,A)
【文献】実開昭63-175367(JP,U)
【文献】実開昭60-149576(JP,U)
【文献】特開2004-353846(JP,A)
【文献】実公昭49-002482(JP,Y2)
【文献】特表2011-523018(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02736985(FR,A1)
【文献】特許第0030166(JP,C1)
【文献】特開2011-202738(JP,A)
【文献】特開2021-055943(JP,A)
【文献】特表2005-509777(JP,A)
【文献】特開2020-026196(JP,A)
【文献】特開2020-185880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00 - 11/24
F16K 31/00 - 31/05
F01P 7/14 - 7/16
F25B 41/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路切換弁であって、
回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路が内部に画成される弁体と、
一対の前記弁体を収容するハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、
前記弁体が回転可能に配置される一対の弁体収容部と、
前記弁体収容部と前記ハウジングの外部とを連通させ、一対の前記弁体のいずれかにおける前記弁内通路と連通する複数の接続孔と、
各々の前記弁体収容部の間を連通させる連通孔と、
を有し、
一対の前記弁体は、単一のアクチュエータによって共に回転駆動さ
れ、
前記接続孔は6つ設けられ、
前記ハウジング内には、前記接続孔を2つずつ連通させる3つの流路が形成され、
一対の前記弁体は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置され、
各々の前記弁体収容部には、3つの前記接続孔と前記連通孔とが周方向に十字状になるように配置され、
一方と他方との前記弁体収容部に各々連通する前記接続孔は、基準ループによって連結され、
一方の前記弁体収容部に連通する一対の前記接続孔は、第1ループによって連結され、
他方の前記弁体収容部に連通する一対の前記接続孔は、第2ループによって連結され、
前記基準ループと前記第1ループとを連結させる第1モードと、前記基準ループと前記第2ループとを連結させる第2モードと、前記基準ループと前記第1ループと前記第2ループとを連結させる第3モードと、に切り換え可能である、
ことを特徴とする流路切換弁。
【請求項2】
請求項
1に記載の流路切換弁であって、
前記基準ループと前記第1ループと前記第2ループとがいずれも連結されずに独立している第4モードに更に切り換え可能である、
ことを特徴とする流路切換弁。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載の流路切換弁であって、
6つの前記接続孔は、一方の前記弁体を挟むように設けられる第1接続孔及び第2接続孔と、他方の前記弁体を挟むように設けられる第3接続孔及び第4接続孔と、一方の前記弁体と他方の前記弁体とを挟むように設けられる第5接続孔及び第6接続孔と、であり、
前記連通孔は、前記第5接続孔と前記第6接続孔とを結ぶ直線上に設けられる、
ことを特徴とする流路切換弁。
【請求項4】
請求項
1から3のいずれか一つに記載の流路切換弁と、前記基準ループと、前記第1ループと、前記第2ループと、を有し、冷却水が循環する冷却水回路であって、
前記基準ループは、冷却水が冷却される冷却水熱交換器を有し、
前記第1ループは、駆動系発熱体と熱交換を行う駆動系発熱体熱交換部を有し、
前記第2ループは、前記駆動系発熱体への電力を供給可能な蓄電池と熱交換を行う蓄電池熱交換部を有し、
前記流路切換弁は、前記冷却水熱交換器にて冷却された冷却水の前記第1ループと前記第2ループへの供給を切り換え可能である、
ことを特徴とする冷却水回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路切換弁、流路切換弁を備える冷却水回路、及び流路切換弁を備える熱交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、主弁ハウジングと、当該主弁ハウジング内に回動可能に設けられる円柱状の主弁体と、主弁体を回動させるためのアクチュエータと、備え、主弁体を回転させることによって連通するポートが切り換えられる流路切換弁が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の流路切換弁は、主弁体が第1の回転位置と第2の回転位置とに切り換えられて2つのモードの切り換えしかできない。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で多くのモードの切り換えが可能な流路切換弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、流路切換弁は、回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路が内部に画成される弁体と、一対の前記弁体を収容するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記弁体が回転可能に配置される一対の弁体収容部と、前記弁体収容部と前記ハウジングの外部とを連通させ、一対の前記弁体のいずれかにおける前記弁内通路と連通する複数の接続孔と、各々の前記弁体収容部の間を連通させる連通孔と、を有し、一対の前記弁体は、単一のアクチュエータによって共に回転駆動され、前記接続孔は6つ設けられ、前記ハウジング内には、前記接続孔を2つずつ連通させる3つの流路が形成され、一対の前記弁体は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置され、各々の前記弁体収容部には、3つの前記接続孔と前記連通孔とが周方向に十字状になるように配置され、一方と他方との前記弁体収容部に各々連通する前記接続孔は、基準ループによって連結され、一方の前記弁体収容部に連通する一対の前記接続孔は、第1ループによって連結され、他方の前記弁体収容部に連通する一対の前記接続孔は、第2ループによって連結され、前記基準ループと前記第1ループとを連結させる第1モードと、前記基準ループと前記第2ループとを連結させる第2モードと、前記基準ループと前記第1ループと前記第2ループとを連結させる第3モードと、に切り換え可能である。
【発明の効果】
【0007】
上記態様では、回転中心周りに回転可能な一対の弁体と、一対の弁体を収容するハウジングと、が設けられ、弁体が収容される各々の弁体収容部が連通孔を介して連通している。そのため、一対の弁体を各々回転させることで、弁体内に画成される弁内通路を通じて複数の接続孔どうしを直接接続したり、弁内通路及び連通孔を介して複数の接続孔を接続したり、多くのモードの切り換えが可能である。したがって、簡素な構成で多くのモードの切り換えが可能な流路切換弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る熱交換装置が適用される温度制御システムの構成図である。
【
図2】
図2は、冷凍サイクル回路が冷房モードで運転されて空調装置が冷房運転を行う場合について説明する図である。
【
図3】
図3は、冷凍サイクル回路が冷房・蓄電池冷却モードで運転されて空調装置が冷房運転を行う場合について説明する図である。
【
図4】
図4は、冷凍サイクル回路が除湿暖房モードで運転されて空調装置が除湿暖房運転を行う場合について説明する図である。
【
図5】
図5は、冷凍サイクル回路が暖房モードで運転されて空調装置が暖房運転を行う場合について説明する図である。
【
図6】
図6は、冷凍サイクル回路が蓄電池冷却モードで運転される場合について説明する図である。
【
図7】
図7は、温度制御システムが第1運転モードで運転される場合について説明する図である。
【
図8】
図8は、温度制御システムが第2運転モードで運転される場合について説明する図である。
【
図9】
図9は、温度制御システムが第3運転モードで運転される場合について説明する図である。
【
図10】
図10は、温度制御システムが第4運転モードで運転される場合について説明する図である。
【
図14A】
図14Aは、流路切換弁が第2モードに切り換えられたときの伝達機構の動作について説明する図である。
【
図15A】
図15Aは、流路切換弁が第1モードに切り換えられたときの伝達機構の動作について説明する図である。
【
図16A】
図16Aは、流路切換弁が第3モードに切り換えられたときの伝達機構の動作について説明する図である。
【
図21】
図21は、変形例に係る熱交換装置の正面からの斜視図である。
【
図22】
図22は、変形例に係る熱交換装置の背面からの斜視図である。
【
図23】
図23は、本発明の実施形態に係る熱交換装置が適用される温度制御システムの変形例の構成図である。
【
図24】
図24は、温度制御システムが第5運転モードで運転される場合について説明する図である。
【
図25】
図25は、温度制御システムが第6運転モードで運転される場合について説明する図である。
【
図26】
図26は、温度制御システムが第7運転モードで運転される場合について説明する図である。
【
図27】
図27は、温度制御システムが第8運転モードで運転される場合について説明する図である。
【
図28A】
図28Aは、流路切換弁が第1モードに切り換えられたときの伝達機構の動作について説明する図である。
【
図29A】
図29Aは、流路切換弁が第2モードに切り換えられたときの伝達機構の動作について説明する図である。
【
図30A】
図30Aは、流路切換弁が第3モードに切り換えられたときの伝達機構の動作について説明する図である。
【
図31】
図31は、第1実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図32】
図32は、第2実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図33】
図33は、第3実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図34】
図34は、第4実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図35】
図35は、第5実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図36】
図36は、第6実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図37】
図37は、第7実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図38】
図38は、第8実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図39】
図39は、第9実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図40】
図40は、第10実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図41】
図41は、第11実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図42】
図42は、第12実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図43】
図43は、第13実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図44】
図44は、第14実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図45】
図45は、第15実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図46】
図46は、第16実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図47】
図47は、第17実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図48】
図48は、第18実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図49】
図49は、第19実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図50】
図50は、第20実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図51】
図51は、第21実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図52】
図52は、第22実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図53】
図53は、第23実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図54】
図54は、第24実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図55】
図55は、第25実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【
図56】
図56は、第26実施例に係る流路切換弁の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<温度制御システム>
以下、
図1から
図22を参照して、本発明の実施形態に係る熱交換装置100が適用される温度制御システム1について説明する。
【0011】
まず、
図1を参照して、温度制御システム1の全体構成について説明する。
図1は、温度制御システム1の構成図である。
【0012】
温度制御システム1は、車両(図示省略)に搭載されるシステムであって、車室(図示省略)内の空調を行うと共に、駆動系発熱体としての駆動用モータ2を冷却して蓄電池3の温度を調整するものである。温度制御システム1は、空調装置10と、冷却水が循環する冷却水回路40と、を備える。
【0013】
<空調装置>
空調装置10は、空調に利用される空気が通過するHVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)ユニット11と、冷媒が循環する冷凍サイクル回路20と、コントローラ(図示省略)と、を有する。空調装置10は、冷暖房可能なヒートポンプシステムである。空調装置10は、車両(図示省略)に搭載されて車室(図示省略)内の空調を行う。冷媒には、例えばHFC-134aやHFO-1234yf等のHF系冷媒や、R744(CO2)等の自然冷媒が用いられる。
【0014】
HVACユニット11は、空調に利用する空気を冷却又は加熱する。HVACユニット11は、ブロワ(図示省略)と、エアミックスドア13と、これらを空調に利用する空気が通過可能となるように囲うケース14と、を備える。HVACユニット11内には、冷凍サイクル回路20の後述するエバポレータ25とヒータコア22とが配置される。ブロワから送風された空気は、エバポレータ25内を流れる冷媒との間、及びヒータコア22内を流れる冷媒との間で熱交換を行う。
【0015】
ブロワは、HVACユニット11内に空気を送風する送風機である。ブロワは、コントローラからの指令信号によって回転速度が制御される。
【0016】
エアミックスドア13は、HVACユニット11内に配置されたヒータコア22を通過する空気の量を調整する。エアミックスドア13は、ヒータコア22のブロワ側に設置される。エアミックスドア13の位置は、コントローラの指令信号に応じて移動する。エアミックスドア13は、暖房運転時にヒータコア22側を開き、冷房運転時にヒータコア22側を閉じる。エアミックスドア13の開度によって、空気とヒータコア22内の冷媒との間の熱交換量が調節される。
【0017】
<冷凍サイクル回路>
冷凍サイクル回路20は、圧縮機としての電動コンプレッサ21と、放熱器としてのヒータコア22と、第1室外熱交換器としての室外熱交換器23と、気液分離器24と、蒸発器としてのエバポレータ25と、冷却水熱交換器としての冷却水-冷媒熱交換器26と、第1可変絞り機構としての可変絞り機構27と、第2可変絞り機構としての可変絞り機構28と、第1冷媒バイパス通路としてのバイパス通路30と、第1冷媒流路切換弁としての流路切換弁31と、第2冷媒バイパス通路としてのバイパス通路32と、第2冷媒流路切換弁としての流路切換弁33と、第1逆止弁としての逆止弁35と、第2逆止弁としての逆止弁36と、を有する。
【0018】
冷凍サイクル回路20は、電動コンプレッサ21と、ヒータコア22と、室外熱交換器23と、逆止弁35と、可変絞り機構27と、エバポレータ25と、逆止弁36と、気液分離器24と、を有し、冷媒が循環する主ループと、主ループにおける可変絞り機構27とエバポレータ25と逆止弁36とをバイパスするバイパス通路32と、可変絞り機構28と、冷却水-冷媒熱交換器26と、を有し、冷媒が流通する第1分岐通路と、主ループにおける流路切換弁33と室外熱交換器23と逆止弁35とをバイパスするバイパス通路30と、流路切換弁31と、を有し、冷媒が流通する第2分岐通路と、を有する。
【0019】
電動コンプレッサ21は、電動モータ(図示省略)によって駆動されて冷媒を圧縮する。電動コンプレッサ21は、例えばベーン形の回転式コンプレッサであるが、スクロール形のコンプレッサであってもよい。電動コンプレッサ21は、コントローラからの指令信号によって回転速度が制御される。
【0020】
ヒータコア22は、電動コンプレッサ21にて圧縮された冷媒の熱を用いて流体としての空調に用いられる空気を加熱する。なお、ヒータコア22が空調に用いられる空気を直接加熱するのではなく、冷媒の熱を用いて温水を加熱し、加熱された温水によって空調に用いられる空気を加熱してもよい。この場合、冷凍サイクル回路20内の冷媒と温水との熱交換を行う冷媒-温水熱交換器(図示省略)が設けられる。
【0021】
ヒータコア22は、ケース14内に設けられる。ヒータコア22には、電動コンプレッサ21によって圧縮された冷媒が流入する。ヒータコア22は、ケース14内を流れる空気が接触する場合には、当該空気と電動コンプレッサ21によって圧縮された冷媒との間で熱交換を行い空気を暖める。ヒータコア22に接触する空気の量は、ヒータコア22よりもケース14内の風流れ方向上流側に設けられるエアミックスドア13の位置に応じて調整される。
【0022】
室外熱交換器23は、例えば車両のエンジンルーム(電気自動車においてはモータルーム)内に配置される。室外熱交換器23は、冷媒と外気との間で熱交換を行う。室外熱交換器23には、車両の走行や室外ファン(図示省略)の回転によって、外気が導入される。室外熱交換器23は、空調装置10が冷房運転を行う場合に凝縮器として機能する。
【0023】
気液分離器24は、エバポレータ25又は冷却水-冷媒熱交換器26から流入する冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離させる。気液分離器24は、気相冷媒を電動コンプレッサ21に供給する。
【0024】
エバポレータ25は、可変絞り機構27を通過して膨張し温度が低下した冷媒によってケース14内を通過する空気を冷却及び除湿する。エバポレータ25内では、ケース14内を流れる空気の熱によって液相冷媒が蒸発して気相冷媒になる。エバポレータ25にて蒸発した気相冷媒は、気液分離器24を介して再び電動コンプレッサ21に供給される。
【0025】
冷却水-冷媒熱交換器26は、バイパス通路32において可変絞り機構28よりも下流に設けられる。冷却水-冷媒熱交換器26には、可変絞り機構28を介して冷媒が流入すると共に、第1冷却水回路50を介して冷却水が流入する。即ち、冷却水-冷媒熱交換器26は、可変絞り機構28を通過して膨張し温度が低下した冷媒と第1冷却水回路50内を流通する冷却水との間で熱交換を行う。冷却水-冷媒熱交換器26内では、冷却水回路40内を流れる冷却水の熱によって液相冷媒が蒸発して気相冷媒になる。冷却水-冷媒熱交換器26にて蒸発した気相冷媒は、気液分離器24を介して再び電動コンプレッサ21に供給される。
【0026】
可変絞り機構27は、室外熱交換器23とエバポレータ25との間に設けられる。可変絞り機構27は、室外熱交換器23から逆止弁35を介して流入する液相冷媒を減圧膨張させて温度を低下させる。可変絞り機構27は、閉状態の場合には冷媒の通過を遮断し、絞り状態の場合には冷媒を減圧膨張させる。絞り状態における絞りの程度は、コントローラによって調整される。
【0027】
可変絞り機構28は、室外熱交換器23と冷却水-冷媒熱交換器26との間に設けられる。可変絞り機構28は、室外熱交換器23から逆止弁35を介して流入する液相冷媒を減圧膨張させて温度を低下させる。可変絞り機構28は、閉状態の場合には冷媒の通過を遮断し、絞り状態の場合には冷媒を減圧膨張させる。絞り状態における絞りの程度は、コントローラによって調整される。
【0028】
バイパス通路30は、流路切換弁33の上流と逆止弁35の下流とを連結する。バイパス通路30には、流路切換弁33,室外熱交換器23,及び逆止弁35をバイパスする冷媒が流れる。
【0029】
流路切換弁31は、バイパス通路30に設けられる。流路切換弁31は、冷媒が流通する開状態と、冷媒の流通を遮断する閉状態と、に切り換えられる。流路切換弁31は、コントローラからの指令信号によって切り換えられる。
【0030】
流路切換弁33は、ヒータコア22と室外熱交換器23との間におけるバイパス通路30との分岐点の下流に設けられる。流路切換弁33は、冷媒が流通する開状態と、冷媒の流通を遮断する閉状態と、に切り換えられる。流路切換弁33は、コントローラからの指令信号によって切り換えられる。
【0031】
流路切換弁31が閉状態であり流路切換弁33が開状態である場合には、ヒータコア22から流入する冷媒は、流路切換弁33,室外熱交換器23,及び逆止弁35を流通し、バイパス通路30には冷媒が流通しない。流路切換弁31が開状態であり流路切換弁33が閉状態である場合には、ヒータコア22から流入する冷媒は、バイパス通路30を流通し、流路切換弁33,室外熱交換器23,及び逆止弁35には冷媒が流通しない。
【0032】
バイパス通路32は、逆止弁35の下流かつ流路切換弁31の下流と気液分離器24の上流とを連結する。バイパス通路32には、可変絞り機構27,エバポレータ25,及び逆止弁36をバイパスする冷媒が流れる。バイパス通路32には、可変絞り機構28と冷却水-冷媒熱交換器26とが設けられる。
【0033】
可変絞り機構27が絞り状態であり可変絞り機構28が閉状態である場合には、ヒータコア22からバイパス通路30を介して又は室外熱交換器23から流入する冷媒は、可変絞り機構27,エバポレータ25,及び逆止弁36を流通し、バイパス通路32には冷媒が流通しない。可変絞り機構27が閉状態であり可変絞り機構28が開状態である場合には、ヒータコア22からバイパス通路30を介して又は室外熱交換器23から流入する冷媒は、可変絞り機構28及び冷却水-冷媒熱交換器26を流通し、可変絞り機構27,エバポレータ25,及び逆止弁36には冷媒が流通しない。
【0034】
逆止弁35は、室外熱交換器23の下流に設けられる。逆止弁35は、室外熱交換器23から流入する冷媒の流れを許容すると共に、バイパス通路30を流れてきた冷媒が室外熱交換器23に逆流することを防止する。
【0035】
逆止弁36は、エバポレータ25の下流に設けられる。逆止弁36は、エバポレータ25から流入する冷媒の流れを許容すると共に、バイパス通路32を流れてきた冷媒がエバポレータ25に逆流することを防止する。
【0036】
<冷却水回路>
冷却水回路40は、基準ループとしての第1冷却水回路50と、第1ループとしての第2冷却水回路60と、第2ループとしての第3冷却水回路70と、流路切換弁101と、を有する。
【0037】
第1冷却水回路50は、冷却水-冷媒熱交換器26と、流路切換弁101と、を有する。第1冷却水回路50には、電動ポンプは設けられない。第1冷却水回路50は、冷却水-冷媒熱交換器26にて冷却された冷却水の第2冷却水回路60と第3冷却水回路70への供給を切り換え可能である。第1冷却水回路50は、第2冷却水回路60と第3冷却水回路70との少なくとも一方と連結されたときに、電動ポンプ61又は電動ポンプ71によって冷却水が流通する。
【0038】
第2冷却水回路60は、第1ポンプとしての電動ポンプ61と、駆動系発熱体熱交換部としての駆動系熱交換器63と、気液分離器64と、第2室外熱交換器としての室外熱交換器65と、流路切換弁101と、を有する。
【0039】
電動ポンプ61は、駆動系熱交換器63の上流かつ気液分離器64の下流に設けられる。電動ポンプ61は、電動モータ(図示省略)によって駆動されて第2冷却水回路60内の冷却水を吸入吐出して循環させる。電動ポンプ61は、コントローラからの指令信号によって回転速度が制御される。
【0040】
駆動系熱交換器63は、流路切換弁101の上流かつ電動ポンプ61の下流に設けられる。駆動系熱交換器63は、駆動用モータ2と熱交換を行う。駆動系熱交換器63は、駆動用モータ2の排熱を回収し、駆動用モータ2を冷却する。なお、駆動系発熱体は、動作中に発熱する部品であればよいため、駆動用モータ2ではなく、駆動用モータ2を駆動するインバータ(図示省略)や、内燃機関(図示省略)等であってもよい。
【0041】
気液分離器64は、電動ポンプ61の上流かつ室外熱交換器65の下流に設けられる。気液分離器64は、第2冷却水回路60内を流通する冷却水内に発生した気泡を分離させ、液体の冷却水のみを電動ポンプ61に流入させる。
【0042】
室外熱交換器65は、流路切換弁101の下流かつ気液分離器64の上流に設けられる。室外熱交換器65は、例えば車両のエンジンルーム(電気自動車においてはモータルーム)内に配置される。室外熱交換器65は、冷却水と外気との間で熱交換を行う。室外熱交換器65には、車両の走行や室外ファン(図示省略)の回転によって、外気が導入される。
【0043】
第3冷却水回路70は、第2ポンプとしての電動ポンプ71と、加熱器としての電気温水ヒータ72と、蓄電池熱交換部としての蓄電池熱交換器73と、流路切換弁101と、を有する。
【0044】
電動ポンプ71は、電気温水ヒータ72の上流かつ流路切換弁101の下流に設けられる。電動ポンプ71は、電動モータ(図示省略)によって駆動されて第3冷却水回路70内の冷却水を吸入吐出して循環させる。電動ポンプ71は、コントローラからの指令信号によって回転速度が制御される。
【0045】
電気温水ヒータ72は、蓄電池熱交換器73の上流かつ電動ポンプ71の下流に設けられる。電気温水ヒータ72は、電気が供給されることによって発熱する電気ヒータである。電気温水ヒータ72は、コントローラからの指令信号によって出力が制御される。電気温水ヒータ72は、第3冷却水回路70内の冷却水を加熱して温度を上昇させる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3を加熱する場合に冷却水を加熱する。
【0046】
蓄電池熱交換器73は、蓄電池3と冷却水との間で熱交換を行う。蓄電池熱交換器73は、高温の冷却水で蓄電池3を加熱するか、若しくは低温の冷却水で蓄電池3を冷却する。蓄電池3は、駆動用モータ2への電力を供給するものである。
【0047】
流路切換弁101は、一対の弁体120と、弁体120を回転可能に収容するハウジング110と、を備えるロータリ弁である。流路切換弁101は、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60とを連結させる第1モードと、第1冷却水回路50と第3冷却水回路70とを連結させる第2モードと、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とを連結させる第3モードと、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とがいずれも連結されずに独立している第4モードと、に切り換え可能である。流路切換弁101の具体的な構成については、
図11から
図22を参照しながら、後で詳細に説明する。
【0048】
<各運転モード>
続いて、
図2から
図10を参照して、温度制御システム1の各運転モードについて説明する。
図2から
図10では、冷媒又は冷却水が流通する部分を太実線で示し、冷媒又は冷却水の流通が停止する部分を細実線で示す。
【0049】
<冷凍サイクル回路の運転モード>
まず、
図2から
図6を参照して、冷凍サイクル回路20の各運転モードについて説明する。
【0050】
<冷房モード>
図2は、冷凍サイクル回路20が冷房モードで運転されて空調装置10が冷房運転を行う場合について説明する図である。冷房モードは、車室内を冷房する場面で稼働するモードである。
【0051】
HVACユニット11では、エアミックスドア13は、ケース14内を流れる空気がヒータコア22をバイパスする位置に調整される。
【0052】
冷凍サイクル回路20では、可変絞り機構27は、冷媒を減圧膨張させる絞り状態に切り換えられる。可変絞り機構28は、冷媒の通過を遮断する閉状態に切り換えられる。流路切換弁31は、バイパス通路30内の冷媒の流通を遮断する閉状態に切り換えられる。流路切換弁33は、室外熱交換器23への冷媒が流通する開状態に切り換えられる。
【0053】
電動コンプレッサ21にて圧縮された冷媒は、高温高圧状態のままヒータコア22及び流路切換弁33を通過して室外熱交換器23に流入する。このとき、エアミックスドア13は、ケース14内を流れる空気がヒータコア22をバイパスさせる位置にあるため、ヒータコア22にて冷媒と空気との間で熱交換は行われない。
【0054】
室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外熱交換器23を通過する空気との間で熱交換を行い液化する。室外熱交換器23にて液化した冷媒は、逆止弁35を通過した後、可変絞り機構27を介してエバポレータ25に流入する。このとき、可変絞り機構27は、室外熱交換器23から流入した液相冷媒を減圧膨張させる。
【0055】
エバポレータ25に流入した冷媒は、ケース14内を流れる空気との間で熱交換を行い、ケース14内を流れる空気の熱によって気化する。エバポレータ25に流入した冷媒と熱交換を行ったケース14内の空気は、冷却及び除湿されてケース14内を通過してゆく。これにより、車室内が冷房及び除湿される。エバポレータ25にて気化した冷媒は、逆止弁36を通過した後、気液分離器24を介して再び電動コンプレッサ21に供給される。
【0056】
冷房モードでは、上記のように冷媒が冷凍サイクル回路20内を循環することで、ケース14内を流れる空気が冷却及び除湿される。
【0057】
<冷房・蓄電池冷却モード>
図3は、冷凍サイクル回路20が冷房・蓄電池冷却モードで運転されて空調装置10が冷房運転を行う場合について説明する図である。冷房・蓄電池冷却モードは、蓄電池3の温度が高く蓄電池3を冷却する必要があり、かつ車室内を冷房する場面で稼働するモードである。
【0058】
HVACユニット11では、エアミックスドア13は、ケース14内を流れる空気がヒータコア22をバイパスする位置に調整される。
【0059】
冷凍サイクル回路20では、可変絞り機構27は、冷媒を減圧膨張させる絞り状態に切り換えられる。可変絞り機構28は、冷媒を減圧膨張させる絞り状態に切り換えられる。流路切換弁31は、バイパス通路30内の冷媒の流通を遮断する閉状態に切り換えられる。流路切換弁33は、室外熱交換器23への冷媒が流通する開状態に切り換えられる。
【0060】
電動コンプレッサ21にて圧縮された冷媒は、高温高圧状態のままヒータコア22及び流路切換弁33を通過して室外熱交換器23に流入する。このとき、エアミックスドア13は、ケース14内を流れる空気がヒータコア22をバイパスさせる位置にあるため、ヒータコア22にて冷媒と空気との間で熱交換は行われない。
【0061】
室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外熱交換器23を通過する空気との間で熱交換を行い液化する。室外熱交換器23にて液化した冷媒は、逆止弁35を通過した後で分岐し、一部が可変絞り機構28を介して冷却水-冷媒熱交換器26に流入し、残りが可変絞り機構27を介してエバポレータ25に流入する。このとき、可変絞り機構27及び可変絞り機構28は、室外熱交換器23から流入した液相冷媒を減圧膨張させる。
【0062】
エバポレータ25に流入した冷媒は、ケース14内を流れる空気との間で熱交換を行い、ケース14内を流れる空気の熱によって気化する。エバポレータ25に流入した冷媒と熱交換を行ったケース14内の空気は、冷却及び除湿されてケース14内を通過してゆく。これにより、車室内が冷房及び除湿される。エバポレータ25にて気化した冷媒は、逆止弁36を通過した後、気液分離器24を介して再び電動コンプレッサ21に供給される。
【0063】
一方、冷却水-冷媒熱交換器26に流入した冷媒は、冷却水回路40内を流れる冷却水との間で熱交換を行い気化する。これにより、冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水の温度が低下する。温度が低下した冷却水は、蓄電池熱交換器73にて蓄電池3を冷却する。蓄電池3の冷却については、温度制御システム1の各運転モードの説明にて、後で詳細に説明する。冷却水-冷媒熱交換器26にて気化した冷媒は、エバポレータ25から流出した冷媒と合流し、気液分離器24を介して再び電動コンプレッサ21に供給される。
【0064】
冷房・蓄電池冷却モードでは、上記のように冷媒が冷凍サイクル回路20内を循環することで、ケース14内を流れる空気が冷却及び除湿されると共に、蓄電池3を冷却することが可能である。
【0065】
<除湿暖房モード>
図4は、冷凍サイクル回路20が除湿暖房モードで運転されて空調装置10が除湿暖房運転を行う場合について説明する図である。除湿暖房モードは、車室内を除湿すると共に暖房する場面で稼働するモードである。
【0066】
HVACユニット11では、エアミックスドア13は、ケース14内を流れる空気の一部又は全部がヒータコア22を通過する位置に調整される。
【0067】
冷凍サイクル回路20では、可変絞り機構27は、冷媒を減圧膨張させる絞り状態に切り換えられる。可変絞り機構28は、冷媒を減圧膨張させる絞り状態に切り換えられる。流路切換弁31は、バイパス通路30内の冷媒が流通する開状態に切り換えられる。流路切換弁33は、室外熱交換器23への冷媒の流通を遮断する閉状態に切り換えられる。
【0068】
電動コンプレッサ21にて圧縮された冷媒は、ヒータコア22に流入し、ヒータコア22を通過する空気との間で熱交換を行い液化する。ヒータコア22を通過して加熱された空気は、ケース14から車室内へ導かれる。これにより、車室内が暖房される。
【0069】
ヒータコア22にて液化した冷媒は、流路切換弁31を通過した後で分岐し、一部が可変絞り機構28を介して冷却水-冷媒熱交換器26に流入し、残りが可変絞り機構27を介してエバポレータ25に流入する。このとき、可変絞り機構27及び可変絞り機構28は、室外熱交換器23から流入した液相冷媒を減圧膨張させる。
【0070】
エバポレータ25に流入した冷媒は、ケース14内を流れる空気との間で熱交換を行い、ケース14内を流れる空気の熱によって気化する。エバポレータ25に流入した冷媒と熱交換を行ったケース14内の空気は、除湿されてケース14内を通過してゆく。エバポレータ25にて気化した冷媒は、気液分離器24を介して再び電動コンプレッサ21に供給される。
【0071】
一方、冷却水-冷媒熱交換器26に流入した冷媒は、冷却水回路40内を流れる冷却水との間で熱交換を行い気化する。冷却水-冷媒熱交換器26にて気化した冷媒は、エバポレータ25から流出した冷媒と合流し、気液分離器24を介して再び電動コンプレッサ21に供給される。
【0072】
除湿暖房モードでは、上記のように冷媒が冷凍サイクル回路20内を循環することで、ケース14内を流れる空気をエバポレータ25にて除湿し、ヒータコア22にて加熱(リヒート)して車室内を除湿暖房することができる。
【0073】
<暖房モード>
図5は、冷凍サイクル回路20が暖房モードで運転されて空調装置10が暖房運転を行う場合について説明する図である。暖房モードは、車室内を暖房する場面で稼働するモードである。
【0074】
HVACユニット11では、エアミックスドア13は、ケース14内を流れる空気がヒータコア22を通過する位置に調整される。
【0075】
冷凍サイクル回路20では、可変絞り機構27は、冷媒の流れを遮断する閉状態に切り換えられる。可変絞り機構28は、冷媒を減圧膨張させる絞り状態に切り換えられる。流路切換弁31は、バイパス通路30内の冷媒が流通する開状態に切り換えられる。流路切換弁33は、室外熱交換器23への冷媒の流通を遮断する閉状態に切り換えられる。
【0076】
電動コンプレッサ21にて圧縮された冷媒は、ヒータコア22に流入し、ヒータコア22を通過する空気との間で熱交換を行い液化する。ヒータコア22を通過して加熱された空気は、ケース14から車室内へ導かれる。これにより、車室内が暖房される。
【0077】
ヒータコア22にて液化した冷媒は、流路切換弁31を介して可変絞り機構28に導かれる。可変絞り機構28に導かれた冷媒は、可変絞り機構28にて減圧膨張し、冷却水-冷媒熱交換器26に流入する。冷却水-冷媒熱交換器26に流入した冷媒は、冷却水回路40内を流通する冷却水との間で熱交換を行い気化する。冷却水-冷媒熱交換器26にて気化した冷媒は、気液分離器24を介して再び電動コンプレッサ21に供給される。
【0078】
暖房モードでは、上記のように冷媒が冷凍サイクル回路20内を循環することで、ケース14内を流れる空気をヒータコア22にて加熱して車室内を暖房することができる。
【0079】
<蓄電池冷却モード>
図6は、冷凍サイクル回路20が蓄電池冷却モードで運転される場合について説明する図である。蓄電池冷却モードは、蓄電池3の温度が高く蓄電池3を冷却する必要があり、かつ車室内の空調を必要としない場面で稼働するモードである。
【0080】
HVACユニット11は、車室内の空調を必要としないため、ブロワの回転が停止しており、ケース14内を空気が流れない状態である。
【0081】
冷凍サイクル回路20では、可変絞り機構27は、冷媒の通過を遮断する閉状態に切り換えられる。可変絞り機構28は、冷媒を減圧膨張させる絞り状態に切り換えられる。流路切換弁31は、バイパス通路30内の冷媒の流通を遮断する閉状態に切り換えられる。流路切換弁33は、室外熱交換器23への冷媒が流通する開状態に切り換えられる。
【0082】
電動コンプレッサ21にて圧縮された冷媒は、高温高圧状態のままヒータコア22及び流路切換弁33を通過して室外熱交換器23に流入する。このとき、HVACユニット11内には空気が流れていないので、ヒータコア22にて冷媒と空気との間で熱交換は行われない。
【0083】
室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外熱交換器23を通過する空気との間で熱交換を行い液化する。室外熱交換器23にて液化した冷媒は、逆止弁35を通過した後、可変絞り機構28を介して冷却水-冷媒熱交換器26に流入する。このとき、可変絞り機構28は、室外熱交換器23から流入した液相冷媒を減圧膨張させる。
【0084】
冷却水-冷媒熱交換器26に流入した冷媒は、冷却水回路40内を流れる冷却水との間で熱交換を行い気化する。これにより、冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水の温度が低下する。温度が低下した冷却水は、蓄電池熱交換器73にて蓄電池3を冷却する。蓄電池3の冷却については、温度制御システム1の各運転モードの説明にて、後で詳細に説明する。冷却水-冷媒熱交換器26にて気化した冷媒は、気液分離器24を介して再び電動コンプレッサ21に供給される。
【0085】
蓄電池冷却モードでは、上記のように冷媒が冷凍サイクル回路20内を循環することで、車室内の空調を行わずに蓄電池3を冷却することが可能である。
【0086】
<温度制御システムの運転モード>
次に、
図7から
図10を参照して、温度制御システム1の各運転モードについて説明する。なお、
図7から
図10では、冷凍サイクル回路20は複数の運転モードで運転可能な場合もあるため、特定の運転モードの場合の冷媒の流通及び停止については図示していない。
【0087】
<第1運転モード>
図7は、温度制御システム1が第1運転モードで運転される場合について説明する図である。
【0088】
冷却水回路40では、流路切換弁101が第1モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60とが連結され、第3冷却水回路70は独立している。
【0089】
このとき、冷凍サイクル回路20は、暖房モード又は除湿暖房モードで運転される。
【0090】
第1冷却水回路50及び第2冷却水回路60では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁101を通過して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。
【0091】
冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水の熱によって、冷凍サイクル回路20内の冷媒を蒸発させる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水は、室外熱交換器65に導かれる。室外熱交換器65では、外気との熱交換が行われ、冷却水の温度が上昇する。室外熱交換器65を通過した冷却水は、気液分離器64を通過して、再び電動ポンプ61に供給される。
【0092】
このように、第1冷却水回路50及び第2冷却水回路60では、室外熱交換器65にて外気から冷却水に吸熱し、駆動系熱交換器63にて駆動用モータ2の廃熱によって冷却水が加熱される。加熱された冷却水は、冷却水-冷媒熱交換器26に導かれ、冷却水-冷媒熱交換器26にて冷却水から冷媒に吸熱する。これにより、冷凍サイクル回路20では、外気から吸熱すると共に駆動用モータ2の廃熱を利用して、暖房運転又は除湿暖房運転を行うことができる。
【0093】
一方、第3冷却水回路70では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3の温度が低く、蓄電池3を加熱する必要がある場合に作動する。蓄電池熱交換器73では、蓄電池3と熱交換を行い、蓄電池3が加熱される。蓄電池3との熱交換によって温度が低下した冷却水は、再び電動ポンプ71に導かれる。
【0094】
このように、第3冷却水回路70では、電気温水ヒータ72によって冷却水を加熱し、温度が上昇した冷却水との熱交換によって蓄電池熱交換器73にて蓄電池3を加熱することができる。
【0095】
<第2運転モード>
図8は、温度制御システム1が第2運転モードで運転される場合について説明する図である。
【0096】
冷却水回路40では、流路切換弁101が第2モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第3冷却水回路70とが連結され、第2冷却水回路60は独立している。
【0097】
このとき、冷凍サイクル回路20は、冷房モード、冷房・蓄電池冷却モード、蓄電池冷却モード、又は暖房モードで運転される。
【0098】
第1冷却水回路50及び第3冷却水回路70では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71からは、冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水が吐出される。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、冷凍サイクル回路20が冷房モード、冷房・蓄電池冷却モード、又は蓄電池冷却モードで運転される場合には作動しない。蓄電池熱交換器73では、蓄電池3と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、再び冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。
【0099】
なお、電気温水ヒータ72は、冷凍サイクル回路20が暖房モードで運転される場合であって、暖房運転を行うために蓄電池3の廃熱だけでは不充分な場合に作動する。この場合、電気温水ヒータ72にて冷却水を加熱すると共に、蓄電池熱交換器73にて蓄電池3の廃熱によって冷却水が加熱される。加熱された冷却水は、冷却水-冷媒熱交換器26に導かれ、冷却水-冷媒熱交換器26にて冷却水から冷媒に吸熱する。これにより、冷凍サイクル回路20では、電気温水ヒータ72と熱交換を行うと共に蓄電池3の廃熱を利用して、暖房運転を行うことができる。
【0100】
このように、第1冷却水回路50及び第3冷却水回路70では、冷却水-冷媒熱交換器26によって冷却された冷却水を用いて蓄電池3を冷却することができる。また、冷凍サイクル回路20が暖房モードの場合には、電気温水ヒータ72の熱を利用した暖房運転が可能である。
【0101】
一方、第2冷却水回路60では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、室外熱交換器65に導かれる。室外熱交換器65では、外気との熱交換によって冷却水が冷却される。室外熱交換器65にて冷却された冷却水は、気液分離器64を通過して、再び電動ポンプ61に導かれる。
【0102】
このように、第3冷却水回路70では、駆動系熱交換器63にて駆動用モータ2の廃熱を冷却水に吸熱し、室外熱交換器65にて外気に放熱することによって、駆動用モータ2を冷却することができる。
【0103】
<第3運転モード>
図9は、温度制御システム1が第3運転モードで運転される場合について説明する図である。
【0104】
冷却水回路40では、流路切換弁101が第3モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とが連結されている。
【0105】
このとき、冷凍サイクル回路20は、暖房モードで運転される。
【0106】
冷却水回路40では、電動ポンプ61及び電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁101を通過して電動ポンプ71に供給される。
【0107】
電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。このとき、電気温水ヒータ72は、暖房運転を行うために駆動用モータ2の廃熱及び蓄電池3の廃熱では不充分な場合に作動する。蓄電池熱交換器73では、冷却水と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁101を通過して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水から冷媒に吸熱する。これにより、冷凍サイクル回路20を暖房モードで運転することができる。冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水は、室外熱交換器65に導かれる。室外熱交換器65では、外気との熱交換によって温度が上昇する。室外熱交換器65を通過した冷却水は、気液分離器64を通過して、再び電動ポンプ61に供給される。
【0108】
このように、温度制御システム1では、外気から吸熱すると共に駆動用モータ2及び蓄電池3の廃熱を利用し、更に必要に応じて電気温水ヒータ72によって冷却水を加熱することで、冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる冷却水の温度が上昇する。これにより、冷凍サイクル回路20では、暖房モードで運転を行うことが可能である。
【0109】
<第4運転モード>
図10は、温度制御システム1が第4運転モードで運転される場合について説明する図である。
【0110】
冷却水回路40では、流路切換弁101が第4モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とがいずれも連結されずに独立している。
【0111】
このとき、冷凍サイクル回路20は、冷房モードで運転されるか又は運転が停止される。
【0112】
第2冷却水回路60では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁101を通過して室外熱交換器65に導かれる。室外熱交換器65では、外気との熱交換によって冷却水が冷却される。室外熱交換器65にて冷却された冷却水は、気液分離器64を通過して、再び電動ポンプ61に供給される。
【0113】
一方、第3冷却水回路70では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3の温度が低く、蓄電池3を加熱する必要がある場合に作動する。蓄電池熱交換器73では、冷却水と熱交換を行い、蓄電池3が加熱される。蓄電池3との熱交換によって温度が低下した冷却水は、流路切換弁101を通過して、再び電動ポンプ61に供給される。
【0114】
このように、温度制御システム1では、第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とに各々独立して冷却水を循環させることによって、駆動用モータ2を冷却すると共に蓄電池3を加熱することが可能である。
【0115】
<流路切換弁>
続いて、
図11から
図22を参照して、流路切換弁101について説明する。
【0116】
まず、
図11から
図13を参照して、流路切換弁101の構成について説明する。
図11は、流路切換弁101の斜視図である。
図12は、流路切換弁101の分解斜視図である。
図13は、流路切換弁101の平面図である。
【0117】
図12に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、シール部材130と、伝達機構140と、カバー部材150と、アクチュエータ160と、を有する。流路切換弁101は、一対の弁体120と、弁体120を回転可能に収容するハウジング110と、を備えるロータリ弁である。
【0118】
図11に示すように、ハウジング110は、角部が曲面状に形成される略直方体形状の箱である。ハウジング110は、一対の弁体120を収容する。
図12に示すように、ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(ここでは6つ)の接続孔112と、連通孔113と、を有する。ハウジング110は、第1ハウジング110Aと、第2ハウジング110Bと、に分割されて形成される。
【0119】
第1ハウジング110Aは、一対の弁体収容部111と、6つの接続孔112と、連通孔113と、を有する。第1ハウジング110Aは、弁体収容部111に弁体120を収容すると共にシール部材130を挿入可能なように、天面が開口して形成される。
【0120】
第2ハウジング110Bは、第1ハウジング110Aの開口部を閉塞する蓋である。第2ハウジング110Bは、第1ハウジング110A内に形成される弁体収容部111の開口部を閉塞する。第2ハウジング110Bは、第1ハウジング110Aとの間でシール部材130を押圧する。第2ハウジング110Bは、複数のボルト110Cが締結されることによって第1ハウジング110Aに固定される。第2ハウジング110Bにおける第1ハウジング110Aの反対側には、伝達機構140を収容する歯車収容室115が形成される。
【0121】
弁体収容部111は、弁体120が回転可能に配置される円筒状の空間である。弁体収容部111は、一方の弁体120Aを収容する弁体収容部111Aと、他方の弁体120Bを収容する弁体収容部111Bと、を有する。各々の弁体収容部111には、3つの接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置される。
【0122】
接続孔112は、弁体収容部111とハウジング110の外部とを連通させる。接続孔112は、第1ハウジング110Aから外部に向けて突出する円筒状の管部材の内周に形成される。接続孔112は、弁体収容部111の内周面に開口する。接続孔112は、弁体収容部111における弁体120の周方向に並べて配置される。接続孔112は、一対の弁体120のいずれかにおける後述する一方側通路121又は他方側通路122と連通する。
【0123】
図13に示すように、接続孔112は、一方の弁体120Aを挟むように設けられる第1接続孔としての接続孔112A及び第2接続孔としての接続孔112Bと、他方の弁体120Bを挟むように設けられる第3接続孔としての接続孔112C及び第4接続孔としての接続孔112Dと、一方の弁体120Aと他方の弁体120Bとを挟むように設けられる第5接続孔としての接続孔112E及び第6接続孔としての接続孔112Fと、を有する。
【0124】
弁体収容部111Aには、接続孔112Aと接続孔112Eと接続孔112Bと連通孔113とが、周方向に90度間隔で順に設けられる。即ち、接続孔112Aと接続孔112Bとは同じ直線上に設けられ、接続孔112Eと連通孔113とは同じ直線上に設けられ、これらの直線は互いに直角に交差する。弁体収容部111Bには、接続孔112Dと接続孔112Fと接続孔112Cと連通孔113とが、周方向に90度間隔で順に設けられる。即ち、接続孔112Cと接続孔112Dとは同じ直線上に設けられ、接続孔112Fと連通孔113とは同じ直線上に設けられ、これらの直線は互いに直角に交差する。
【0125】
一方の弁体収容部111Aと他方の弁体収容部111Bに各々連通する隣り合う一対の接続孔112A,112Cは、第1冷却水回路50(基準ループ)によって連結される。一方の弁体収容部111Aに連通する一対の接続孔112B,112Eは、第3冷却水回路70(第2ループ)によって連結される。他方の弁体収容部111Bに連通する一対の接続孔112D,112Fは、第2冷却水回路60(第1ループ)によって連結される。
【0126】
図12に示すように、連通孔113は、各々の弁体収容部111の間を連通させる。具体的には、連通孔113は、一方の弁体収容部111Aと他方の弁体収容部111Bとの最も近い位置の壁部が切り欠かれることで連通する通路である。連通孔113は、接続孔112Eと接続孔112Fとを結ぶ直線上に設けられる。連通孔113は、弁体収容部111の内周面に開口する。
【0127】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。一対の弁体120は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
【0128】
弁体120には、回転中心を挟んで一方側通路121と他方側通路122とが内部に画成される(
図14B参照)。これらの一方側通路121と他方側通路122とが、弁内通路に該当する。これに限らず、弁体120には、一対の弁内通路に限らず、少なくとも一つの弁内通路が内部に画成されればよい。
【0129】
一方側通路121の一対の開口部は、弁体120の外周に周方向に90度間隔で設けられる。また、他方側通路122の一対の開口部は、弁体120の外周に周方向に90度間隔で設けられる。即ち、一方側通路121の一対の開口部と他方側通路122の一対の開口部とは、弁体120の外周に周方向に90度間隔で並べて配置される。
【0130】
各々の弁体120内の一方側通路121及び他方側通路122と連通孔113とによって、ハウジング110内には、接続孔112を2つずつ連通させる3つの流路が形成される。
【0131】
このように、流路切換弁101では、回転中心周りに回転可能な一対の弁体120と、一対の弁体120を収容するハウジング110と、が設けられ、弁体120が収容される各々の弁体収容部111が連通孔113を介して連通している。そのため、一対の弁体120を各々回転させることで、弁体120内に画成される弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)を通じて複数の接続孔112どうしを直接接続したり、弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)及び連通孔113を介して複数の接続孔112を接続したり、多くのモードの切り換えが可能である。したがって、簡素な構成で多くのモードの切り換えが可能な流路切換弁101を提供することができる。
【0132】
一対の弁体120は、単一のアクチュエータ160によって共に回転駆動される。これにより、簡素な構成で弁体120を回転駆動できると共に、別々のアクチュエータで駆動する場合の協調制御が不要になる。弁体120Aは、アクチュエータ160によって第1位置と第2位置と第3位置とに切り換えられる。弁体120Bは、アクチュエータ160によって第1位置と第2位置とに切り換えられる。弁体120の位置の切り換えについては、
図14Aから
図16Bを参照しながら、後で詳細に説明する。
【0133】
シール部材130は、第1シール部材131と、一対の第2シール部材132と、を有する。第1シール部材131は、楕円形に形成され一対の弁体収容部111の外周をシールする。第2シール部材132は、円形に形成され各々の弁体120の回転軸の外周をシールする。
【0134】
伝達機構140は、駆動歯車141と、第1従動歯車142と、第2従動歯車143と、を有する。
【0135】
駆動歯車141は、アクチュエータ160の出力軸に連結される。駆動歯車141は、アクチュエータ160の駆動力によって回転する。駆動歯車141は、第1従動歯車142及び第2従動歯車143と噛合している。第1従動歯車142は、一方の弁体120Aの回転軸に連結される。第1従動歯車142は、駆動歯車141が回転することによって回転する。第2従動歯車143は、他方の弁体120Bの回転軸に連結される。第2従動歯車143は、駆動歯車141が回転することによって回転する。
【0136】
伝達機構140は、流路切換弁101を第1モードと第2モードと第3モードとに切り換え可能な構成を例示するものである。これに代えて、流路切換弁101を第1モードと第2モードと第3モードとに加えて第4モードにも切り換え可能な伝達機構を設けてもよい。伝達機構140の動作については、
図14Aから
図16Bを参照しながら、後で詳細に説明する。
【0137】
カバー部材150は、第2ハウジング110Bの歯車収容室115を閉塞する蓋である。カバー部材150は、複数のボルト150Aが締結されることによって第2ハウジング110Bに固定される。
【0138】
アクチュエータ160は、カバー部材150における第2ハウジング110Bの反対側に設けられる。アクチュエータ160は、複数のボルト160Aが締結されることによってカバー部材150に固定される。アクチュエータ160の出力軸は、カバー部材150を挿通して駆動歯車141に連結される。アクチュエータ160は、コントローラからの指令信号によって回転して伝達機構140のモードを切り換え、流路切換弁101を各モードに切り換える。
【0139】
<流路切換弁の各モード>
続いて、
図14Aから
図16Bを参照して、流路切換弁101の第1モード、第2モード、及び第3モードについて各々説明する。
【0140】
まず、
図14A及び
図14Bを参照して、流路切換弁101の第2モードについて説明する。
図14Aは、流路切換弁101が第2モードに切り換えられたときの伝達機構140の動作について説明する図である。
図14Bは、第2モードに切り換えられた流路切換弁101の断面図である。
【0141】
図14Aに示すように、伝達機構140では、駆動歯車141の歯141aと第1従動歯車142の歯142aとが噛み合っており、駆動歯車141の歯141aと第2従動歯車143の歯143aとが噛み合っている。
【0142】
このとき、
図14Bに示すように、弁体120Aは、一方側通路121が接続孔112Aと接続孔112Eとを連通させ、他方側通路122が接続孔112Bと連通孔113とを連通させている。また、弁体120Bは、一方側通路121が接続孔112Cと連通孔113とを連通させ、他方側通路122が接続孔112Dと接続孔112Fとを連通させている。このとき、接続孔112Bと接続孔112Cとは、弁体120Aの他方側通路122と連通孔113と弁体120Bの一方側通路121とを介して連通している。このときの弁体120Aと弁体120Bとの位置は、共に第1位置である。
【0143】
これにより、第1冷却水回路50と第3冷却水回路70とが連結され、第2冷却水回路60は独立した状態になる。
【0144】
次に、
図15A及び
図15Bを参照して、流路切換弁101の第1モードについて説明する。
図15Aは、流路切換弁101が第1モードに切り換えられたときの伝達機構140の動作について説明する図である。
図15Bは、第1モードに切り換えられた流路切換弁101の断面図である。
【0145】
図14A及び
図14Bに示す状態からアクチュエータ160を作動させ、駆動歯車141を時計回りに回転させると、第1従動歯車142及び第2従動歯車143が反時計回りに90度回転して、
図15Aに示す状態になる。このとき、第1従動歯車142と共に弁体120Aも反時計回りに90度回転し、第2従動歯車143と共に弁体120Bも反時計回りに90度回転して、
図15Bに示す状態になる。
【0146】
図15Aに示すように、伝達機構140では、駆動歯車141の歯141aと第1従動歯車142の歯142aとが噛み合っているのに対して、駆動歯車141の歯141aと第2従動歯車143の歯143aとは噛み合っていない。駆動歯車141と第2従動歯車143とは、歯141a,143aが形成されていない面141b、143bで当接している。
【0147】
このとき、
図15Bに示すように、弁体120Aは、一方側通路121が接続孔112Aと連通孔113とを連通させ、他方側通路122が接続孔112Bと接続孔112Eとを連通させている。また、弁体120Bは、一方側通路121が接続孔112Cと接続孔112Fとを連通させ、他方側通路122が接続孔112Dと連通孔113とを連通させている。このとき、接続孔112Aと接続孔112Dとは、弁体120Aの一方側通路121と連通孔113と弁体120Bの他方側通路122とを介して連通している。このときの弁体120Aと弁体120Bとの位置は、共に第2位置である。
【0148】
これにより、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60とが連結され、第3冷却水回路70は独立した状態になる。
【0149】
次に、
図16A及び
図16Bを参照して、流路切換弁101の第3モードについて説明する。
図16Aは、流路切換弁101が第3モードに切り換えられたときの伝達機構140の動作について説明する図である。
図16Bは、第3モードに切り換えられた流路切換弁101の断面図である。
【0150】
図15A及び
図15Bに示す状態からアクチュエータ160を作動させ、駆動歯車141を時計回りに更に回転させると、第1従動歯車142が反時計回りに90度回転して、
図16Aに示す状態になる。このとき、第1従動歯車142と共に弁体120Aも反時計回りに90度回転して、
図16Bに示す状態になる。
【0151】
図16Aに示すように、伝達機構140では、駆動歯車141の歯141aと第1従動歯車142の歯142aとが噛み合っているのに対して、駆動歯車141の歯141aと第2従動歯車143の歯143aとは噛み合っていない。駆動歯車141と第2従動歯車143とは、歯141a,143aが形成されていない面141b,143bで当接しているので、駆動歯車141が回転しても回転しない。
【0152】
なお、この状態から駆動歯車141を反時計回りに回転させると、駆動歯車141の歯141aと第2従動歯車143の歯143aとが再び噛み合い、第2従動歯車143は時計回りに回転することができる。
【0153】
このとき、
図16Bに示すように、弁体120Aは、一方側通路121が接続孔112Bと連通孔113とを連通させ、他方側通路122が接続孔112Aと接続孔112Eとを連通させている。また、弁体120Bは、一方側通路121が接続孔112Cと接続孔112Fとを連通させ、他方側通路122が接続孔112Dと連通孔113とを連通させている。このとき、接続孔112Bと接続孔112Dとは、弁体120Aの一方側通路121と連通孔113と弁体120Bの他方側通路122とを介して連通している。このときの弁体120Aの位置は、第3位置であり、弁体120Bの位置は、第2位置のままである。
【0154】
これにより、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とがすべて連結される。
【0155】
以上のように伝達機構140が作動することで、単一のアクチュエータ160を用いた場合にも、弁体120Bを第1位置と第2位置とに切り換え、弁体120Aを第1位置と第2位置と第3位置とに切り換えることができ、流路切換弁101を第1モードと第2モードと第3モードとに切り換えることができる。
【0156】
<熱交換装置>
次に、
図17から
図20を参照して、流路切換弁101が適用される熱交換装置100について説明する。
【0157】
図17に示すように、熱交換装置100は、熱交換器としての冷却水-冷媒熱交換器26と、流路切換弁101と、可変絞り機構28と、取付部材としてのブラケット170と、冷却水流路部材180と、を備える。
【0158】
冷却水-冷媒熱交換器26は、冷媒が循環する冷媒循環部(図示省略)と冷却水が循環する冷却水循環部(図示省略)とが積層方向に交互に積層されてなる。冷却水-冷媒熱交換器26は、冷媒入口26aと冷媒出口26bとを有する。
【0159】
冷媒入口26aからは、室外熱交換器23から逆止弁35を通過した冷媒、又はヒータコア22から流路切換弁31を通過した冷媒が供給される。冷媒出口26bからは、冷却水-冷媒熱交換器26内で熱交換を行った後、気液分離器24へ導かれる冷媒が排出される。
【0160】
流路切換弁101は、ハウジング110の底部が冷却水-冷媒熱交換器26の側面と対峙し、アクチュエータ160が冷却水-冷媒熱交換器26から最も離間した位置になるように配置される。
【0161】
流路切換弁101は、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる。流路切換弁101における各々の弁体収容部111には、少なくとも2つ(ここでは3つ)の接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置される。連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。
【0162】
ブラケット170は、熱交換装置100を車両に取り付けるための板状部材である。ブラケット170の一方の平面には、冷却水-冷媒熱交換器26が取り付けられる。ブラケット170の他方の平面には、冷却水流路部材180が取り付けられる。ブラケット170には、車両にボルト締結するための複数(ここでは4つ)の取付穴171が設けられる。また、ブラケット170は、流路切換弁101を固定するための一対のアーム部172を有する(
図19参照)。
【0163】
冷却水流路部材180は、第1冷却水回路50を構成するものである。
図18に示すように、冷却水流路部材180内には、流路切換弁101の接続孔112Aと冷却水-冷媒熱交換器26とを連結する冷却水流路181と、流路切換弁101の接続孔112Cと冷却水-冷媒熱交換器26とを連結する冷却水流路182と、が形成される。
【0164】
図20に示すように、冷却水流路部材180は、一対のプレート部材180a,180bによって形成される。プレート部材180aとプレート部材180bとは、積層方向と同じ方向に重ねられて互いに接合される。冷却水流路部材180は、一対のプレート部材180a,180bによって、積層方向に扁平に形成される。
【0165】
プレート部材180a及びプレート部材180bには、冷却水流路181と冷却水流路182とを形成するための凹部が各々設けられる。
図19及び
図20に示すように、プレート部材180aには、冷却水-冷媒熱交換器26と連結される一対の冷却水流通口183と、接続孔112Aと連結される冷却水流通口184と、接続孔112Cと連結される冷却水流通口185と、が設けられる。
【0166】
プレート部材180aには、一対のボス186が設けられる。一対のボス186は、ブラケット170の取付穴171と同じ位置に設けられ、ブラケット170と共に車両にボルト締結される。
【0167】
以上のように、連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。また、第1冷却水回路50を構成する冷却水流路部材180は、一対のプレート部材180a,180bによって、積層方向に扁平に形成される。
【0168】
これにより、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向の一端側にて、扁平に形成される冷却水流路部材180によって冷却水の流路が連結されるので、熱交換装置100の小型化が可能である。したがって、熱交換装置100の車両へのレイアウト性を向上させることができる。
【0169】
<熱交換装置の変形例>
次に、
図21及び
図22を参照して、熱交換装置100の変形例について説明する。この変形例は、
図17から
図20に示す熱交換装置100に、冷媒-温水熱交換器29が更に設けられるものである。
【0170】
熱交換装置100は、第1熱交換器としての冷却水-冷媒熱交換器26と、第2熱交換器としての冷媒-温水熱交換器29と、流路切換弁101と、可変絞り機構28と、冷媒通路接続部材としての冷媒流路部材37と、取付部材としての一対のブラケット170A,170Bと、冷却水流路部材180と、を備える。
【0171】
冷却水-冷媒熱交換器26は、冷媒が循環する第1冷媒循環部(図示省略)と冷却水が循環する第1冷却水循環部(図示省略)とが積層方向に交互に積層されてなる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって、冷却水が冷却される。冷却水-冷媒熱交換器26は、冷媒入口(図示省略)と冷媒出口26bとを有する。冷却水-冷媒熱交換器26は、冷却水流路部材180の一対の冷却水流通口183と各々連結される一対の冷却水出入口(図示省略)を有する。
【0172】
冷媒入口は、積層方向におけるブラケット170Aが設けられる一端側に設けられる。冷媒入口からは、冷媒-温水熱交換器29を通過した冷媒が供給される。冷媒出口26bは、積層方向の他端側に設けられる。冷媒出口26bからは、冷却水-冷媒熱交換器26内で熱交換を行った後、気液分離器24へ導かれる冷媒が排出される。
【0173】
冷却水出入口は、積層方向の一端側に設けられる。冷却水出入口は、冷却水流路部材180を介して流路切換弁101の接続孔112A又は接続孔112Cと各々連結される。
【0174】
冷媒-温水熱交換器29は、冷媒が循環する第2冷媒循環部(図示省略)と冷却水が循環する第2冷却水循環部(図示省略)とが積層方向に交互に積層されてなる。冷媒-温水熱交換器29は、冷却水-冷媒熱交換器26と積層方向が同じになるように並列に配置される。
【0175】
冷媒-温水熱交換器29は、冷凍サイクル回路20内の冷媒と温水との熱交換を行い、冷媒の熱を用いて温水を加熱するものである。即ち、冷媒-温水熱交換器29では、冷媒との熱交換によって、冷却水が冷却される。冷媒-温水熱交換器29にて加熱された温水は、空調に用いられる空気を加熱するのに用いられる。冷媒-温水熱交換器29は、冷媒入口29aと、冷媒出口(図示省略)と、冷却水入口29cと、冷却水出口29dと、を有する。
【0176】
冷媒入口29aは、積層方向におけるブラケット170Bとは反対の他端側に設けられる。冷媒入口29aからは、電動コンプレッサ21にて圧縮された冷媒が供給される。冷媒出口は、積層方向の一端側に設けられる。冷媒出口からは、冷媒-温水熱交換器29内で熱交換を行った後、冷媒流路部材37に導かれる冷媒が排出される。
【0177】
冷却水入口29c及び冷却水出口29dは、積層方向の他端側に設けられる。冷却水入口29cからは、室外熱交換器65を通過した冷却水が供給される。冷却水出口29dからは、冷媒-温水熱交換器29にて熱交換を行った後、ヒータコア22に導かれる冷却水が排出される。
【0178】
流路切換弁101は、ハウジング110の底部が冷却水-冷媒熱交換器26の側面と対峙し、アクチュエータ160が冷却水-冷媒熱交換器26から最も離間した位置になるように配置される。
【0179】
流路切換弁101は、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる。流路切換弁101における各々の弁体収容部111には、少なくとも2つ(ここでは3つ)の接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置される。連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。
【0180】
冷媒流路部材37は、積層方向における一端側に設けられる。冷媒流路部材37は、冷却水-冷媒熱交換器26と冷媒-温水熱交換器29との間で第1冷媒循環部と第2冷媒循環部とを連通させる。冷媒流路部材37には、冷媒-温水熱交換器29にて熱交換を行った冷媒が供給される。
【0181】
冷媒流路部材37からは、冷却水-冷媒熱交換器26とエバポレータ25とに冷媒が分岐して導かれる。冷媒流路部材37には、冷媒流路部材37内を流通して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる冷媒の流れを絞る可変絞り機構28と、冷媒の圧力を検出する圧力センサ37bと、が設けられる。
【0182】
ブラケット170A及びブラケット170Bは、熱交換装置100を車両に取り付けるための板状部材である。
【0183】
ブラケット170Aの一方の平面には、冷却水-冷媒熱交換器26が取り付けられる。ブラケット170Aの他方の平面には、冷却水流路部材180と冷媒流路部材37とが取り付けられる。ブラケット170Aには、車両にボルト締結するための複数の取付穴171Aが設けられる。
【0184】
ブラケット170Bの一方の平面には、冷媒-温水熱交換器29が取り付けられる。ブラケット170Bの他方の平面には、冷媒流路部材37が取り付けられる。ブラケット170Bには、車両にボルト締結するための複数の取付穴171Bが設けられる。
【0185】
冷却水流路部材180は、第1冷却水回路50を構成するものである。冷却水流路部材180の構成は、
図17から
図20に示す熱交換装置100と形状が異なるだけであるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0186】
以上のように、連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。また、冷却水-冷媒熱交換器26と冷媒-温水熱交換器29とは、積層方向が同じになるように並列に配置される。また、第1冷却水回路50を構成する冷却水流路部材180は、積層方向に扁平に形成される。
【0187】
これにより、冷却水-冷媒熱交換器26及び冷媒-温水熱交換器29の積層方向の一端側にて、扁平に形成される冷却水流路部材180によって冷却水の流路が連結されるので、熱交換装置100の小型化が可能である。したがって、熱交換装置100の車両へのレイアウト性を向上させることができる。
【0188】
<温度制御システムの変形例>
続いて、
図23から
図30Bを参照して、熱交換装置100が適用される温度制御システム1の変形例について説明する。以下では、
図1に示す温度制御システム1と異なる点を中心に説明し、同様の機能を有する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0189】
まず、
図23を参照して、変形例に係る温度制御システム1の全体構成について説明する。
図23は、温度制御システム1の構成図である。
【0190】
温度制御システム1は、車両(図示省略)に搭載されるシステムであって、車室(図示省略)内の空調を行うと共に、駆動系発熱体としての駆動用モータ2を冷却して蓄電池3の温度を調整するものである。温度制御システム1は、空調装置10と、冷却水が循環する冷却水回路340と、を備える。
【0191】
<冷却水回路>
冷却水回路340は、基準ループとしての第1冷却水回路50と、第1ループとしての第2冷却水回路60と、第2ループとしての第3冷却水回路70と、第4冷却水回路380と、流路切換弁101と、流路切換弁201と、を有する。
【0192】
第4冷却水回路380は、第1連通路としての連通路381と、第2連通路としての連通路382と、を有する。
【0193】
連通路381は、流路切換弁201が第1モードに切り換えられたときに、第3冷却水回路70における流路切換弁101の上流と、第2冷却水回路60における気液分離器64の下流とを連結する。連通路381には、流路切換弁201が第2モードに切り換えられたときには、冷却水が流通しない。連通路381は、流路切換弁201が第3モードに切り換えられたときに、第2冷却水回路60における流路切換弁101の下流と気液分離器64の下流とを連通させるバイパス通路を構成する。
【0194】
連通路382は、流路切換弁201が第1モードに切り換えられたときに、第3冷却水回路70における蓄電池熱交換器73の下流と第2冷却水回路60における流路切換弁101の下流とを連結する。連通路382は、流路切換弁201が第2モードに切り換えられたときには、冷却水が流通しない。連通路382は、流路切換弁201が第3モードに切り換えられたときに、第2冷却水回路60における流路切換弁101の下流と気液分離器64の下流とを連通させるバイパス通路を構成する。
【0195】
流路切換弁201は、一対の弁体120と、弁体120を回転可能に収容するハウジング210と、を備えるロータリ弁である。流路切換弁201は、第3冷却水回路70における蓄電池熱交換器73の下流と第2冷却水回路60における駆動系熱交換器63の下流とを連結させる第1モードと、第3冷却水回路70における蓄電池熱交換器73の下流と流路切換弁101とを連結させる第2モードと、第3冷却水回路70における蓄電池熱交換器73の下流と流路切換弁101とを連結させると共に、第2冷却水回路60における気液分離器64の下流と第2冷却水回路60における流路切換弁101の上流とを連結させる第3モードと、に切り換え可能である。流路切換弁201の具体的な構成については、
図28Aから
図30Bを参照しながら、後で詳細に説明する。
【0196】
<各運転モード>
続いて、
図24から
図27を参照して、温度制御システム1の各運転モードについて説明する。
図24から
図27では、冷却水が流通する部分を太実線で示し、冷却水の流通が停止する部分を細実線で示す。なお、
図24から
図27では、冷凍サイクル回路20は複数の運転モードで運転可能な場合もあるため、特定の運転モードの場合の冷媒の流通及び停止については図示していない。
【0197】
この温度制御システム1では、
図1に示す温度制御システム1と同様の運転モード(第1運転モード、第2運転モード、第3運転モード、及び第4運転モード)での運転が可能である。ここでは、
図1に示す温度制御システム1にて説明した運転モードについての説明は省略する。
【0198】
<第5運転モード>
図24は、温度制御システム1が第5運転モードで運転される場合について説明する図である。
【0199】
冷却水回路340では、流路切換弁101が第2モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第3冷却水回路70とが連結され、第2冷却水回路60は独立している。また、流路切換弁201が第1モードに切り換えられている。
【0200】
このとき、冷凍サイクル回路20は、冷房モード、冷房・蓄電池冷却モード、又は暖房モードで運転される。
【0201】
冷却水回路340では、電動ポンプ61及び電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。
【0202】
電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁101を通過して室外熱交換器65に導かれる。このとき、駆動系熱交換器63を通過した冷却水は、後述するように、第3冷却水回路70からの冷却水と合流して室外熱交換器65に導かれる。
【0203】
室外熱交換器65では、外気との熱交換によって冷却水が冷却される。室外熱交換器65にて冷却された冷却水は、気液分離器64を通過した後で分岐して、一部が連通路381に導かれて流路切換弁201及び流路切換弁101を通過して第1冷却水回路50の冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。
【0204】
冷凍サイクル回路20が冷房モードで運転されている場合には、冷却水-冷媒熱交換器26には冷媒が流通していないので、冷媒と冷却水との熱交換は行わない。冷凍サイクル回路20が冷房・蓄電池冷却モード又は暖房モードで運転されている場合には、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。冷却水-冷媒熱交換器26を通過した冷却水は、第3冷却水回路70の電動ポンプ71に供給される。一方、気液分離器64を通過した後で分岐した残りの冷却水は、再び電動ポンプ61に供給される。
【0205】
電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。このとき、電気温水ヒータ72は作動していない。蓄電池熱交換器73では、冷却水と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁201を通過して連通路382を介して第2冷却水回路60における室外熱交換器65の上流に導かれ、第2冷却水回路60内の冷却水と合流する。
【0206】
このように、温度制御システム1では、室外熱交換器65によって冷却された冷却水を用いて駆動用モータ2及び蓄電池3を冷却し、冷却水-冷媒熱交換器26に冷媒が流通している状態では、冷却水-冷媒熱交換器26にて更に冷却された冷却水を用いて蓄電池3を冷却することが可能である。
【0207】
<第6運転モード>
図25は、温度制御システム1が第6運転モードで運転される場合について説明する図である。
【0208】
冷却水回路340では、流路切換弁101が第2モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第3冷却水回路70とが連結され、第2冷却水回路60は独立している。また、流路切換弁201が第2モードに切り換えられている。
【0209】
このとき、冷凍サイクル回路20は、冷房・蓄電池冷却モード又は暖房モードで運転される。
【0210】
第1冷却水回路50及び第3冷却水回路70では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71からは、冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水が吐出される。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、冷凍サイクル回路20が冷房・蓄電池冷却モードで運転される場合には作動しない。蓄電池熱交換器73では、蓄電池3と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁201及び流路切換弁101を介して再び冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。
【0211】
なお、電気温水ヒータ72は、冷凍サイクル回路20が暖房モードで運転される場合であって、暖房運転を行うために蓄電池3の廃熱だけでは不充分な場合に作動する。この場合、電気温水ヒータ72にて冷却水を加熱すると共に、蓄電池熱交換器73にて蓄電池3の廃熱によって冷却水が加熱される。加熱された冷却水は、冷却水-冷媒熱交換器26に導かれ、冷却水-冷媒熱交換器26にて冷却水から冷媒に吸熱する。これにより、冷凍サイクル回路20では、電気温水ヒータ72と熱交換を行うと共に蓄電池3の廃熱を利用して、暖房運転を行うことができる。
【0212】
一方、第2冷却水回路60では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、室外熱交換器65に導かれる。室外熱交換器65では、外気との熱交換によって冷却水が冷却される。室外熱交換器65にて冷却された冷却水は、気液分離器64を通過して、再び電動ポンプ61に導かれる。
【0213】
このように、温度制御システム1では、冷却水-冷媒熱交換器26によって冷却された冷却水を用いて蓄電池3を冷却すると共に、室外熱交換器65にて冷却された冷却水を用いて駆動用モータ2を冷却することが可能である。
【0214】
<第7運転モード>
図26は、温度制御システム1が第7運転モードで運転される場合について説明する図である。
【0215】
冷却水回路340では、流路切換弁101が第3モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とが連結されている。また、流路切換弁201が第3モードに切り換えられている。
【0216】
このとき、冷凍サイクル回路20は、暖房モードで運転される。
【0217】
冷却水回路340では、電動ポンプ61及び電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。
【0218】
電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁101を通過して電動ポンプ71に供給される。
【0219】
電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、暖房運転を行うために駆動用モータ2の廃熱及び蓄電池3の廃熱では不充分な場合に作動する。蓄電池熱交換器73では、冷却水と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁201及び流路切換弁101を通過して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水は、流路切換弁101、連通路382、及び流路切換弁201を介して連通路381に導かれる。連通路381に導かれた冷却水は、第2冷却水回路60に導かれ、再び電動ポンプ61に供給される。
【0220】
このように、温度制御システム1では、室外熱交換器65を冷却水が流通せずに、駆動用モータ2の廃熱及び蓄電池3の廃熱を利用し、更に必要に応じて電気温水ヒータ72によって冷却水を加熱することで、冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる冷却水の温度が上昇する。これにより、冷凍サイクル回路20では、外気の温度が低く室外熱交換器65にて外気から吸熱できない場合にも、暖房モードで運転を行うことが可能である。
【0221】
<第8運転モード>
図27は、温度制御システム1が第8運転モードで運転される場合について説明する図である。
【0222】
冷却水回路340では、流路切換弁101が第1モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60とが連結され、第3冷却水回路70は独立している。また、流路切換弁201が第1モードに切り換えられている。
【0223】
このとき、冷凍サイクル回路20は、冷房モード又は除湿暖房モードで運転される。
【0224】
冷却水回路340では、電動ポンプ61及び電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。
【0225】
電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁101を通過して第1冷却水回路50の冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。
【0226】
冷凍サイクル回路20が冷房モードで運転されている場合には、冷却水-冷媒熱交換器26には冷媒が流通していないので、冷媒と冷却水との熱交換は行わない。冷凍サイクル回路20が除湿暖房モードで運転されている場合には、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。冷却水-冷媒熱交換器26を通過した冷却水は、後述するように、第3冷却水回路70からの冷却水と合流して室外熱交換器65に導かれる。
【0227】
室外熱交換器65では、外気との熱交換によって冷却水が冷却される。室外熱交換器65にて冷却された冷却水は、気液分離器64を通過した後で分岐して、一部が連通路381に導かれて流路切換弁201及び流路切換弁101を通過して第3冷却水回路70の電動ポンプ71に導かれ、残りが再び電動ポンプ61に供給される。
【0228】
電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。このとき、電気温水ヒータ72は作動していない。蓄電池熱交換器73では、冷却水と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁201を通過して連通路382を介して第2冷却水回路60における室外熱交換器65の上流に導かれ、第2冷却水回路60内の冷却水と合流する。
【0229】
このように、温度制御システム1では、室外熱交換器65にて外気から冷却水に吸熱し、駆動系熱交換器63にて駆動用モータ2の廃熱によって冷却水が加熱される。加熱された冷却水は、冷却水-冷媒熱交換器26に導かれ、冷却水-冷媒熱交換器26にて冷却水から冷媒に吸熱する。これにより、冷凍サイクル回路20では、外気から吸熱すると共に駆動用モータ2の廃熱を利用して、除湿暖房運転を行うことができる。また、温度制御システム1では、室外熱交換器65によって冷却された冷却水を用いて蓄電池3を冷却することが可能である。
【0230】
<流路切換弁の各モード>
続いて、
図28Aから
図30Bを参照して、流路切換弁201の第1モード、第2モード、及び第3モードについて各々説明する。
【0231】
まず、
図28A及び
図28Bを参照して、流路切換弁201の構成について説明する。
図28Aは、流路切換弁201が第1モードに切り換えられたときの伝達機構140の動作について説明する図である。
図28Bは、第1モードに切り換えられた流路切換弁201の断面図である。ここでは、
図14A及び
図14Bに示す流路切換弁101と異なる点を中心に説明し、同様の機能を有する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0232】
流路切換弁201は、一対の弁体120と、弁体120を回転可能に収容するハウジング210と、伝達機構140と、を備えるロータリ弁である。
【0233】
図28Bに示すように、ハウジング210は、一対の弁体120を収容する。ハウジング210は、一対の弁体収容部111と、複数(ここでは4つ)の接続孔112と、連通孔113と、を有する。ハウジング210は、
図14Bに示すハウジング110の6つの接続孔112のうち弁体収容部111Aに開口する2つに栓を取り付けるなどして塞ぐことで得られる。
【0234】
弁体収容部111は、弁体120が回転可能に配置される円筒状の空間である。弁体収容部111は、一方の弁体120Aを収容する弁体収容部111Aと、他方の弁体120Bを収容する弁体収容部111Bと、を有する。一方の弁体収容部111Aには、1つの接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状に交差するように配置される。他方の弁体収容部111Bには、3つの接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置される。
【0235】
接続孔112は、一方の弁体収容部111Aにて連通孔113と交差するように設けられる第1接続孔としての接続孔112Aと、他方の弁体120Bを挟むように設けられる第2接続孔としての接続孔112B及び第3接続孔としての接続孔112Cと、他方の弁体収容部111Bにて連通孔113の延長線上に位置する第4接続孔としての接続孔112Dと、を有する。
【0236】
弁体収容部111Aには、接続孔112Aと連通孔113とが、周方向に90度間隔で設けられる。即ち、接続孔112Aと連通孔113とは互いに直角に交差する方向に設けられる。弁体収容部111Bには、接続孔112Bと接続孔112Cと接続孔112Dと連通孔113とが、周方向に90度間隔で順に設けられる。即ち、接続孔112Bと接続孔112Cとは同じ直線上に設けられ、接続孔112Dと連通孔113とは同じ直線上に設けられ、これらの直線は互いに直角に交差する。
【0237】
接続孔112Aは、連通路381を介して第2冷却水回路60における気液分離器64の下流に接続される。接続孔112Bは、第3冷却水回路70における流路切換弁101の上流に接続される。接続孔112Cは、連通路382に接続される。接続孔112Dは、第3冷却水回路70における蓄電池熱交換器73の下流に接続される。
【0238】
連通孔113は、各々の弁体収容部111の間を連通させる。連通孔113は、弁体収容部111の内周面に開口する。
【0239】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。一対の弁体120は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
【0240】
弁体120には、回転中心を挟んで一方側通路121と他方側通路122とが内部に画成される。これらの一方側通路121と他方側通路122とが、弁内通路に該当する。これに限らず、弁体120には、一対の弁内通路に限らず、少なくとも一つの弁内通路が内部に画成されればよい。
【0241】
このように、流路切換弁201では、回転中心周りに回転可能な一対の弁体120と、一対の弁体120を収容するハウジング210と、が設けられ、弁体120が収容される各々の弁体収容部111が連通孔113を介して連通している。そのため、一対の弁体120を各々回転させることで、弁体120内に画成される弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)を通じて複数の接続孔112どうしを直接接続したり、弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)及び連通孔113を介して複数の接続孔112を接続したり、多くのモードの切り換えが可能である。したがって、簡素な構成で多くのモードの切り換えが可能な流路切換弁201を提供することができる。
【0242】
一対の弁体120は、単一のアクチュエータ160(
図12参照)によって共に回転駆動される。これにより、簡素な構成で弁体120を回転駆動できると共に、別々のアクチュエータで駆動する場合の協調制御が不要になる。弁体120Aは、アクチュエータ160によって第1位置と第2位置と第3位置とに切り換えられる。弁体120Bは、アクチュエータ160によって第1位置と第2位置とに切り換えられる。
【0243】
図28Aに示すように、伝達機構140は、駆動歯車141と、第1従動歯車142と、第2従動歯車143と、を有する。
【0244】
駆動歯車141は、アクチュエータ160の出力軸に連結される。駆動歯車141は、アクチュエータ160の駆動力によって回転する。駆動歯車141は、第1従動歯車142及び第2従動歯車143と噛合している。第1従動歯車142は、一方の弁体120Aの回転軸に連結される。第1従動歯車142は、駆動歯車141が回転することによって回転する。第2従動歯車143は、他方の弁体120Bの回転軸に連結される。第2従動歯車143は、駆動歯車141が回転することによって回転する。
【0245】
次に、
図28A及び
図28Bを参照して、流路切換弁201の第1モードについて説明する。
【0246】
図28Aに示すように、伝達機構140では、駆動歯車141の歯141aと第1従動歯車142の歯142aとが噛み合っており、駆動歯車141の歯141aと第2従動歯車143の歯143aとが噛み合っている。
【0247】
このとき、
図28Bに示すように、弁体120Aは、他方側通路122が接続孔112Aと連通孔113とを連通させ、一方側通路121が遮断されている。また、弁体120Bは、一方側通路121が接続孔112Bと連通孔113とを連通させ、他方側通路122が接続孔112Cと接続孔112Dとを連通させている。このとき、接続孔112Aと接続孔112Bとは、弁体120Aの他方側通路122と連通孔113と弁体120Bの一方側通路121とを介して連通している。このときの弁体120Aと弁体120Bとの位置は、共に第1位置である。
【0248】
次に、
図29A及び
図29Bを参照して、流路切換弁201の第2モードについて説明する。
図29Aは、流路切換弁201が第2モードに切り換えられたときの伝達機構140の動作について説明する図である。
図29Bは、第2モードに切り換えられた流路切換弁201の断面図である。
【0249】
図28A及び
図28Bに示す状態からアクチュエータ160を作動させ、駆動歯車141を時計回りに回転させると、第1従動歯車142及び第2従動歯車143が反時計回りに90度回転して、
図29Aに示す状態になる。このとき、第1従動歯車142と共に弁体120Aも反時計回りに90度回転し、第2従動歯車143と共に弁体120Bも反時計回りに90度回転して、
図29Bに示す状態になる。
【0250】
図29Aに示すように、伝達機構140では、駆動歯車141の歯141aと第1従動歯車142の歯142aとが噛み合っているのに対して、駆動歯車141の歯141aと第2従動歯車143の歯143aとは噛み合っていない。駆動歯車141と第2従動歯車143とは、歯141a,143aが形成されていない面141b、143bで当接している。
【0251】
このとき、
図29Bに示すように、弁体120Aは、一方側通路121が接続孔112Aを遮断し、他方側通路122が接続孔112Cを遮断している。また、弁体120Bは、一方側通路121が接続孔112Cと連通孔113とを連通させ、他方側通路122が接続孔112Bと接続孔112Dとを連通させている。このときの弁体120Aと弁体120Bとの位置は、共に第2位置である。
【0252】
次に、
図30A及び
図30Bを参照して、流路切換弁201の第3モードについて説明する。
図30Aは、流路切換弁201が第3モードに切り換えられたときの伝達機構140の動作について説明する図である。
図30Bは、第3モードに切り換えられた流路切換弁201の断面図である。
【0253】
図29A及び
図29Bに示す状態からアクチュエータ160を作動させ、駆動歯車141を時計回りに更に回転させると、第1従動歯車142が反時計回りに90度回転して、
図30Aに示す状態になる。このとき、第1従動歯車142と共に弁体120Aも反時計回りに90度回転して、
図30Bに示す状態になる。
【0254】
図30Aに示すように、伝達機構140では、駆動歯車141の歯141aと第1従動歯車142の歯142aとが噛み合っているのに対して、駆動歯車141の歯141aと第2従動歯車143の歯143aとは噛み合っていない。駆動歯車141と第2従動歯車143とは、歯141a,143aが形成されていない面141b,143bで当接しているので、駆動歯車141が回転しても回転しない。
【0255】
なお、この状態から駆動歯車141を反時計回りに回転させると、駆動歯車141の歯141aと第2従動歯車143の歯143aとが再び噛み合い、第2従動歯車143は時計回りに回転することができる。
【0256】
このとき、
図30Bに示すように、弁体120Aは、他方側通路122が接続孔112Aと連通孔113とを連通させ、一方側通路121が遮断されている。また、弁体120Bは、一方側通路121が接続孔112Cと連通孔113とを連通させ、他方側通路122が接続孔112Bと接続孔112Dとを連通させている。このとき、接続孔112Aと接続孔112Cとは、弁体120Aの他方側通路122と連通孔113と弁体120Bの一方側通路121とを介して連通している。このときの弁体120Aの位置は、第3位置であり、弁体120Bの位置は、第2位置のままである。
【0257】
以上のように伝達機構140が作動することで、単一のアクチュエータ160を用いた場合にも、弁体120Bを第1位置と第2位置とに切り換え、弁体120Aを第1位置と第2位置と第3位置とに切り換えることができ、流路切換弁201を第1モードと第2モードと第3モードとに切り換えることができる。
【0258】
<流路切換弁の実施例>
続いて、
図31から
図56を参照して、流路切換弁101の各実施例について説明する。
【0259】
<第1実施例>
まず、
図31を参照して、第1実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図31は、第1実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0260】
図31に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、が接続される。
【0261】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(6つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。
【0262】
接続孔112は、一方の弁体120Aを挟むように設けられる第1接続孔としての接続孔112A及び第2接続孔としての接続孔112Bと、他方の弁体120Bを挟むように設けられる第3接続孔としての接続孔112C及び第4接続孔としての接続孔112Dと、一方の弁体120Aと他方の弁体120Bとを挟むように設けられる第5接続孔としての接続孔112E及び第6接続孔としての接続孔112Fと、を有する。
【0263】
接続孔112Dと接続孔112Fとは、第1回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Cとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Eとは、第3回路によって接続される。
【0264】
連通孔113は、各々の弁体収容部111の間を連通させる。
【0265】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。一対の弁体120は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
【0266】
弁体120には、回転中心を挟んで一方側通路121と他方側通路122とが内部に画成される。これらの一方側通路121と他方側通路122とが、弁内通路に該当する。
【0267】
図31に示す状態では、第1回路と第3回路と第2回路とが順に連結されている(第3モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第2回路と第3回路とが連結され、第1回路が独立する(第2モード)。この状態から、弁体120Aと弁体120Bとを共に反時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路が独立する(第1モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路とが互いに連結されず、すべて独立する(第4モード)。
【0268】
<第2実施例>
次に、
図32を参照して、第2実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図32は、第2実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0269】
図32に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、が接続される。
【0270】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(6つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第1実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0271】
接続孔112Eと接続孔112Fとは、第1回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Cとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Dとは、第3回路によって接続される。
【0272】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第1実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0273】
図32に示す状態では、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路が独立している(第1モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路とが順に連結される(第2モード)。この状態から、弁体120Aと弁体120Bとを共に反時計回りに90度回転させると、第1回路と第3回路と第2回路とが順に連結される(第3モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第3回路とが連結され、第2回路が独立する(第4モード)。
【0274】
<第3実施例>
次に、
図33を参照して、第3実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図33は、第3実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0275】
図33に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、が接続される。
【0276】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(6つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第1実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0277】
接続孔112Eと接続孔112Fとは、第1回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Cとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Dとは、第3回路によって接続される。
【0278】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。一対の弁体120は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
【0279】
弁体120Aには、回転中心を挟んで一方側通路121と他方側通路122とが内部に画成される。これらの一方側通路121と他方側通路122とが、弁内通路に該当する。
【0280】
弁体120Bには、回転中心を挟んで対向する一方側通路121と他方側通路122と、一方側通路121及び他方側通路122と周方向に並んで設けられて複数(3つ)の接続孔112と連通孔113とのうち隣り合って設けられる2つを連通させる連通通路126と、が内部に画成される。これらの一方側通路121と他方側通路122と連通通路126とが、弁内通路に該当する。
【0281】
図33に示す状態では、第1回路と第2回路とが連通され、第3回路が遮断されている(第1モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路とが、すべて遮断される(第2モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第3回路とが連結され、第2回路が遮断される(第3モード)。この状態から、弁体120Aと弁体120Bとを共に反時計回りに90度回転させると、第3回路が独立し、第1回路と第2回路とが共に遮断される(第4モード)。この状態から、弁体120Aと弁体120Bとを共に反時計回りに90度回転させると、第2回路が独立し、第1回路と第3回路とが共に遮断される(第5モード)。
【0282】
<第4実施例>
次に、
図34を参照して、第4実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図34は、第4実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0283】
図34に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0284】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(5つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。
【0285】
接続孔112は、一方の弁体120Aを挟むように設けられる第1接続孔としての接続孔112A及び第2接続孔としての接続孔112Bと、他方の弁体120Bを挟むように設けられる第3接続孔としての接続孔112C及び第4接続孔としての接続孔112Dと、連通孔113の延長線上に位置し一方の弁体収容部111Aに連通する第5接続孔としての接続孔112Eと、を有する。
【0286】
接続孔112Dは、第1回路に接続される。接続孔112Cは、第2回路に接続される。接続孔112Bと接続孔112Eとは、第3回路によって接続される。接続孔112Aは、第4回路に接続される。
【0287】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第1実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0288】
図34に示す状態では、第2回路と第3回路と第4回路とが順に連結され、第1回路は遮断されている(第1モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第3回路と第4回路とが順に連結され、第2回路は遮断される。この状態から、弁体120Aと弁体120Bとを共に反時計回りに90度回転させると、第2回路と第4回路とが順に連結され、第3回路が独立し、第1回路が遮断される(第3モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第4回路とが順に連結され、第3回路が独立し、第2回路が遮断される(第4モード)。
【0289】
<第5実施例>
次に、
図35を参照して、第5実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図35は、第5実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0290】
図35に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0291】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(5つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。
【0292】
接続孔112は、一方の弁体120Aを挟むように設けられる第1接続孔としての接続孔112A及び第2接続孔としての接続孔112Bと、他方の弁体収容部111にて接続孔112Fと交差するように設けられる第3接続孔としての接続孔112Dと、一方の弁体120Aと他方の弁体120Bとを挟むように設けられる第4接続孔としての接続孔112E及び第5接続孔としての接続孔112Fと、を有する。
【0293】
接続孔112Dは、第1回路に接続される。接続孔112Aは、第2回路に接続される。接続孔112Bと接続孔112Eとは、第3回路によって接続される。接続孔112Fは、第4回路に接続される。
【0294】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第1実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0295】
図35に示す状態では、第1回路と第4回路とが順に連結され、第2回路と第3回路とは共に遮断されている(第1モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第3回路と第2回路とが順に連結され、第4回路が遮断される(第2モード)。この状態から、弁体120Aと弁体120Bとを共に反時計回りに90度回転させると、第1回路と第4回路とが連結され、第3回路が独立し、第2回路が遮断される(第3モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路が独立し、第4回路が遮断される(第4モード)。
【0296】
<第6実施例>
次に、
図36を参照して、第6実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図36は、第6実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0297】
図36に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、が接続される。
【0298】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(4つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。
【0299】
接続孔112は、一方の弁体120Aを挟むように設けられる第1接続孔としての接続孔112A及び第2接続孔としての接続孔112Bと、他方の弁体収容部111にて連通孔113と交差するように設けられる第3接続孔としての接続孔112Dと、一方の弁体収容部111にて接続孔112A及び接続孔112Bと交差するように設けられる第4接続孔としての接続孔112Eと、を有する。
【0300】
接続孔112Dは、第1回路に接続される。接続孔112Aは、第2回路に接続される。接続孔112Bと接続孔112Eとは、第3回路によって接続される。
【0301】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第1実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0302】
図36に示す状態では、第3回路が独立しており、第1回路と第2回路とは共に遮断されている(第1モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路が連結され、第3回路が独立する(第2モード)。この状態から、弁体120Aと弁体120Bとを共に反時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路とがすべて遮断される(第3モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第3回路と第2回路とが順に連結される(第4モード)。
【0303】
<第7実施例>
次に、
図37を参照して、第7実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図37は、第7実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0304】
図31に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0305】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(4つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。
【0306】
接続孔112は、一方の弁体120Aを挟むように設けられる第1接続孔としての接続孔112A及び第2接続孔としての接続孔112Bと、他方の弁体120Bを挟むように設けられる第3接続孔としての接続孔112C及び第4接続孔としての接続孔112Dと、を有する。
【0307】
接続孔112Dは、第1回路に接続される。接続孔112Cは、第2回路に接続される。接続孔112Bは、第3回路に接続される。接続孔112Aは、第4回路に接続される。
【0308】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第1実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0309】
図37に示す状態では、第2回路と第3回路とが順に連結され、第1回路と第4回路とは共に遮断されている(第1モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第3回路とが順に連結され、第2回路と第4回路とが共に遮断される(第2モード)。この状態から、弁体120Aと弁体120Bとを共に反時計回りに90度回転させると、第2回路と第4回路とが順に連結され、第1回路と第3回路とが共に遮断される(第3モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第4回路とが順に連結され、第2回路と第3回路とは共に遮断される(第4モード)。
【0310】
<第8実施例>
次に、
図38を参照して、第8実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図38は、第8実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0311】
図38に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、が接続される。
【0312】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(5つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。
【0313】
接続孔112は、一方の弁体120Aを挟むように設けられる第1接続孔としての接続孔112A及び第2接続孔としての接続孔112Bと、他方の弁体120Bを挟むように設けられる第3接続孔としての接続孔112C及び第4接続孔としての接続孔112Dと、他方の弁体収容部111Bにて接続孔112C及び接続孔112Dと交差するように設けられる第5接続孔としての接続孔112Fと、を有する。このように、各々の弁体収容部111には、少なくとも2つの接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置される。
【0314】
接続孔112Dと接続孔112Fとは、第1回路によって接続される。接続孔112Cは、第2回路に接続される。接続孔112Aと接続孔112Bとは、第3回路によって接続される。
【0315】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。一対の弁体120は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
【0316】
弁体120には、十字状に配置される接続孔112及び連通孔113のうち隣り合う3か所をT字状に連結するT字通路124が内部に画成される。このT字通路124が、弁内通路に該当する。
【0317】
図38に示す状態では、第1回路と第3回路とが各々独立し、第2回路が遮断されている(第1モード)。この状態から、弁体120Bを180度回転させた場合も同様である。
図38に示す状態から、弁体120Aを時計回りに90度又は270度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路とがすべて遮断される(第2モード)。
図38に示す状態から、弁体120Aを時計回りに180度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第2回路と第3回路とが連結され、第1回路が遮断される(第3モード)。
図38に示す状態から、弁体120Aを回転させないか又は時計回りに180度回転させ、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路が独立する(第4モード)。
図38に示す状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを時計回りに90度又は270度回転させると、第1回路が独立し、第2回路と第3回路とが遮断される(第5モード)。
図38に示す状態から、弁体120Aを回転させないか又は時計回りに180度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第3回路が独立し、第1回路と第2回路とが遮断される(第6モード)。
図38に示す状態から、弁体120Aを時計回りに90度又は270度回転させ、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路が遮断される(第7モード)。
【0318】
<第9実施例>
次に、
図39を参照して、第9実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図39は、第9実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0319】
図39に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、が接続される。
【0320】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(5つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第8実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0321】
接続孔112Dと接続孔112Fとは、第1回路によって接続される。接続孔112A及び接続孔112Cは、第2回路に接続される。接続孔112Bは、第3回路に接続される。
【0322】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第8実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0323】
図39に示す状態では、第2回路と第3回路とが連結され、第1回路が独立している(第1モード)。
図39に示す状態から、弁体120Aを時計回りに90度又は270度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路とがすべて遮断される(第2モード)。
図39に示す状態から、弁体120Aを回転させないか又は時計回りに180度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第2回路と第3回路とが連結され、第1回路が遮断される(第3モード)。
図39に示す状態から、弁体120Aを回転させないか又は時計回りに180度回転させ、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路とがすべて連結される(第4モード)。
図39に示す状態から、弁体120Aを時計回りに90度又は270度回転させ、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路が遮断される(第5モード)。
【0324】
<第10実施例>
次に、
図40を参照して、第10実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図40は、第10実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0325】
図40に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0326】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(5つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第8実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0327】
接続孔112Dは、第1回路に接続される。接続孔112Fは、第2回路に接続される。接続孔112A及び接続孔112Cは、第3回路に接続される。接続孔112Bは、第4回路に接続される。
【0328】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第8実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0329】
図40に示す状態では、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路と第4回路とが連結されている(第1モード)。
図40に示す状態から、弁体120Aを時計回りに270度回転させ、弁体120Bを時計回りに270度回転させると、第1回路と第3回路とが連結され、第2回路と第4回路とが遮断される(第2モード)。
図40に示す状態から、弁体120Aを回転させないか又は時計回りに180度回転させ、弁体120Bを回転させないか又は時計回りに90度回転させると、第2回路と第3回路と第4回路とが連結され、第1回路が遮断される(第3モード)。
図40に示す状態から、弁体120Aを時計回りに270度回転させ、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路とが連結され、第4回路が遮断される(第4モード)。
図40に示す状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路と第4回路とが連結され、第3回路が遮断される(第5モード)。
図40に示す状態から、弁体120Aを回転させないか又は時計回りに180度回転させ、弁体120Bを時計回りに270度回転させると、第1回路と第3回路と第4回路とが連結され、第2回路が遮断される(第6モード)。
図40に示す状態から、弁体120Aを時計回りに270度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度回転させると、第2回路と第3回路とが連結され、第1回路と第4回路とが遮断される(第7モード)。
図40に示す状態から、弁体120Aを回転させないか又は時計回りに180度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度回転させると、第2回路と第3回路と第4回路とが連結され、第1回路が遮断される(第8モード)。
【0330】
<第11実施例>
次に、
図41を参照して、第11実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図41は、第11実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0331】
図41に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0332】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(5つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第8実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0333】
接続孔112Dと接続孔112Fとは、第1回路によって接続される。接続孔112Cは、第2回路に接続される。接続孔112Bは、第3回路に接続される。接続孔112Aは、第4回路に接続される。
【0334】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第8実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0335】
図41に示す状態では、第3回路と第4回路とが連結され、第1回路が独立し、第2回路が遮断されている(第1モード)。
図41に示す状態から、弁体120Aを時計回りに270度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第2回路と第4回路とが連結され、第1回路と第3回路とが遮断される(第2モード)。
図41に示す状態から、弁体120Aを時計回りに180度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第2回路と第3回路と第4回路とが連結され、第1回路が遮断される(第3モード)。
図41に示す状態から、弁体120Aを時計回りに90度又は270度回転させ、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路と第4回路とが遮断される(第4モード)。
図41に示す状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを時計回りに270度回転させると、第1回路と第4回路とが連結され、第2回路と第3回路とが遮断される(第5モード)。
図41に示す状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを時計回りに90度回転させると、第1回路と第3回路とが連結され、第2回路と第4回路とが遮断される(第6モード)。
図41に示す状態から、弁体120Aを時計回りに90度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第2回路と第3回路とが連結され、第1回路と第4回路とが遮断される(第7モード)。
図41に示す状態から、弁体120Aを回転させないか又は時計回りに90度回転させ、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路と第4回路とが連結される(第8モード)。
【0336】
<第12実施例>
次に、
図42を参照して、第12実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図42は、第12実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0337】
図42に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、が接続される。
【0338】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(6つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。
【0339】
接続孔112は、一方の弁体120Aを挟むように設けられる第1接続孔としての接続孔112A及び第2接続孔としての接続孔112Bと、他方の弁体120Bを挟むように設けられる第3接続孔としての接続孔112C及び第4接続孔としての接続孔112Dと、一方の弁体120Aと他方の弁体120Bとを挟むように設けられる第5接続孔としての接続孔112E及び第6接続孔としての接続孔112Fと、を有する。
【0340】
接続孔112Dと接続孔112Fとは、第1回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Cとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Eとは、第3回路によって接続される。
【0341】
連通孔113は、各々の弁体収容部111の間を連通させる。
【0342】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第8実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0343】
図42に示す状態では、第1回路と第3回路とが各々独立し、第2回路が遮断されている(第1モード)。
図42に示す状態から、弁体120Aを時計回りに180度又は270度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第2回路が独立し、第1回路と第3回路とが遮断される(第2モード)。
図42に示す状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを時計回りに180度又は270度回転させると、第1回路が独立し、第2回路と第3回路とが遮断される(第3モード)。
図42に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路とがすべて連結される(第4モード)。
図42に示す状態から、弁体120Aを時計回りに90度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第3回路が独立し、第1回路と第2回路とが遮断される(第5モード)。
【0344】
<第13実施例>
次に、
図43を参照して、第13実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図43は、第13実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0345】
図43に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0346】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(6つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第12実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0347】
接続孔112Dと接続孔112Fとは、第1回路によって接続される。接続孔112Cは、第2回路に接続される。接続孔112Bと接続孔112Eとは、第3回路によって接続される。接続孔112Aは、第4回路に接続される。
【0348】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第8実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0349】
図43に示す状態では、第3回路と第4回路とが連結され、第1回路が独立し、第2回路が遮断されている(第1モード)。
図43に示す状態から、弁体120Aを時計回りに180度又は270度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第2回路と第4回路とが連結され、第1回路と第3回路とが遮断される(第2モード)。
図43に示す状態から、弁体120Aを時計回りに90度回転させ、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路が独立し、第4回路が遮断される(第3モード)。
図43に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路と第4回路とが連結される(第4モード)。
図43に示す状態から、弁体120Aを時計回りに180度又は270度回転させ、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路とが連結され、第3回路と第4回路とが遮断される(第5モード)。
図43に示す状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを時計回りに90度回転させると、第1回路と第3回路とが連結され、第2回路と第4回路とが遮断される(第6モード)。
図43に示す状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを時計回りに180度又は270度回転させると、第1回路と第4回路とが連結され、第2回路と第3回路とが遮断される(第7モード)。
図43に示す状態から、弁体120Aを時計回りに90度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第2回路と第3回路とが連結され、第1回路と第4回路とが遮断される(第8モード)。
図43に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第3回路と第4回路とが連結され、第1回路と第2回路とが遮断される(第9モード)。
【0350】
<第14実施例>
次に、
図44を参照して、第14実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図44は、第14実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0351】
図44に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0352】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(6つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第12実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0353】
接続孔112Dと接続孔112Fとは、第1回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Cとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bは、第3回路に接続される。接続孔112Eは、第4回路に接続される。
【0354】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第8実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0355】
図44に示す状態では、第3回路と第4回路とが連結され、第1回路が独立し、第2回路が遮断されている(第1モード)。
図44に示す状態から、弁体120Aを時計回りに270度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第2回路と第4回路とが連結され、第1回路と第3回路とが遮断される(第2モード)。
図44に示す状態から、弁体120Aを時計回りに180度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第2回路と第3回路とが連結され、第1回路と第4回路とが遮断される(第3モード)。
図44に示す状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを時計回りに90度回転させると、第1回路と第3回路と第4回路とが連結され、第2回路が遮断される(第4モード)。
図44に示す状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを時計回りに180度回転させると、第1回路と第3回路とが連結され、第2回路と第4回路とが遮断される(第5モード)。
図44に示す状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを時計回りに270度回転させると、第1回路と第4回路とが連結され、第2回路と第3回路とが遮断される(第6モード)。
図44に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路と第4回路とがすべて連結される(第7モード)。
図44に示す状態から、弁体120Aを時計回りに90度回転させ、弁体120Bを時計回りに180度又は270度回転させると、第3回路と第4回路とが連結され、第1回路と第2回路とが遮断される(第8モード)。
【0356】
<第15実施例>
次に、
図45を参照して、第15実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図45は、第15実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0357】
図45に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0358】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。
【0359】
接続孔112は、一方の弁体120Aを挟むように設けられる第1,第2接続孔としての接続孔112A,112B及び第3,第4接続孔としての接続孔112C,112Dと、他方の弁体120Bを挟むように設けられる第5接続孔としての接続孔112E及び第6接続孔としての接続孔112Fと、一方の弁体120Aと他方の弁体120Bとを挟むように設けられる第7接続孔としての接続孔112G及び第8接続孔としての接続孔112Hと、を有する。
【0360】
接続孔112Fと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Eとは、第2回路によって接続される。接続孔112Cと接続孔112Dとは、第3回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Gとは、第4回路によって接続される。
【0361】
連通孔113は、各々の弁体収容部111の間を連通させる。
【0362】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。一対の弁体120は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
【0363】
弁体120Aには、回転中心を挟んで対向する一方側通路121と他方側通路122とが内部に画成され、一方側通路121と他方側通路122との間に回転中心を通過して直線状に設けられて複数の接続孔112と連通孔113とのうち直線状に設けられる2つを閉塞させる閉塞部125が設けられる。これらの一方側通路121と他方側通路122とが、弁内通路に該当する。
【0364】
弁体120Bには、回転中心を挟んで一方側通路121と他方側通路122とが内部に画成される。これらの一方側通路121と他方側通路122とが、弁内通路に該当する。
【0365】
図45に示す状態では、第1回路と第2回路とが各々独立しており、第3回路と第4回路とは共に遮断されている(第1モード)。この状態から、弁体120Aを回転させずに弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第2回路とが順に連結され、第3回路と第4回路とが共に遮断される(第2モード)。
図45に示す状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路とが各々独立し、第2回路と第4回路とが共に遮断される(第3モード)。
図45に示す状態から、弁体120Aを時計回りに60度回転させ、弁体120Bを時計回りに90度回転させると、第3回路が独立し、第1回路と第2回路と第4回路とが遮断される(第4モード)。
【0366】
<第16実施例>
次に、
図46を参照して、第16実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図46は、第16実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0367】
図46に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0368】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第15実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0369】
接続孔112Fと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Eとは、第2回路によって接続される。接続孔112Cと接続孔112Dとは、第3回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Gとは、第4回路によって接続される。
【0370】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。一対の弁体120は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
【0371】
弁体120Aは、回転中心を挟んで対向する一方側通路121と他方側通路122と、一方側通路121と他方側通路122との間に回転中心を通過して直線状に連通する中央通路123と、を有する。これらの一方側通路121と他方側通路122と中央通路123とが、弁内通路に該当する。
【0372】
弁体120Bには、回転中心を挟んで一方側通路121と他方側通路122とが内部に画成される。これらの一方側通路121と他方側通路122とが、弁内通路に該当する。
【0373】
図46に示す状態では、第2回路と第4回路とが順に連結されており、第1回路と第3回路とは各々独立している(第1モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第3回路と第4回路とが順に連結され、第1回路と第2回路とが各々独立する(第2モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第2回路と第3回路とが順に連結され、第1回路と第4回路とが各々独立する(第3モード)。
図46に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第4回路と第2回路とが順に連結され、第3回路が独立する(第4モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路とが順に連結され、第3回路と第4回路とが順に連結される(第5モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路と第2回路とが順に連結され、第4回路が独立する(第6モード)。
【0374】
<第17実施例>
次に、
図47を参照して、第17実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図47は、第17実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0375】
図47に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0376】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、単一の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第15実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0377】
接続孔112Cと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Eとは、第2回路によって接続される。接続孔112Dと接続孔112Fとは、第3回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Gとは、第4回路によって接続される。
【0378】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第16実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0379】
図47に示す状態では、第1回路と第4回路と第3回路とが順に連結されており、第2回路は独立している(第1モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路とが順に連結され、第4回路が独立する(第2モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路とが順に連結され、第2回路と第4回路とが順に連結される(第3モード)。
【0380】
図47に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに90度回転させると、第1回路と第4回路と第3回路と第2回路とが順に連結される(第4モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路とが順に連結され、第3回路と第4回路とが各々独立する(第5モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路と第4回路と第2回路とが順に連結される(第6モード)。
【0381】
<第18実施例>
次に、
図48を参照して、第18実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図48は、第18実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0382】
図48に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0383】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、一対の連通孔113と、を有する。
【0384】
接続孔112は、一方の弁体120Aを挟むように設けられる第1接続孔としての接続孔112A及び第2接続孔としての接続孔112Bと、他方の弁体120Bを挟むように設けられる第3接続孔としての接続孔112C及び第4接続孔としての接続孔112Dと、一方の弁体120Aと他方の弁体120Bとを挟むように設けられる第5,第6接続孔としての接続孔112E,112F及び第7,第8接続孔としての接続孔112G,112Hと、を有する。
【0385】
接続孔112Gと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Cとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Dとは、第3回路によって接続される。接続孔112Eと接続孔112Fとは、第4回路によって接続される。
【0386】
連通孔113は、各々の弁体収容部111の間を連通させる一対の連通孔113A及び113Bを有する。連通孔113Aと連通孔113Bとは、並列に設けられて、各々の弁体収容部111に周方向に並んで開口する。
【0387】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。一対の弁体120は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
【0388】
弁体120には、回転中心を挟んで対向する一方側通路121と他方側通路122と、一方側通路121と他方側通路122との間に回転中心を通過して直線状に連通する中央通路123と、が設けられる。これらの一方側通路121と他方側通路122と中央通路123とが、弁内通路に該当する。連通孔113が2つ設けられ、弁体120内に一方側通路121と他方側通路122と中央通路123とが設けられることによって、ハウジング110内には、接続孔112を2つずつ連通させる4つの流路が形成される。
【0389】
図48に示す状態では、第1回路と第2回路とが順に連結されており、第3回路と第4回路とが順に連結されている(第1モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路と第2回路とが順に連結され、第4回路が独立する(第2モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第4回路と第2回路とが順に連結され、第3回路が独立する(第3モード)。
【0390】
図48に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに60度回転させると、第2回路と第3回路と第4回路とが順に連結され、第1回路が独立する(第4モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第2回路と第3回路とが順に連結され、第1回路と第4回路とが各々独立する(第5モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第2回路と第3回路と第4回路とが順に連結され、第1回路が独立する(第6モード)。
【0391】
図48に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路と第4回路とが順に連結され、第2回路が独立する(第7モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路と第2回路とが順に連結され、第4回路が独立する(第8モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路とが順に連結され、第2回路と第4回路とが順に連結される(第9モード)。
【0392】
<第19実施例>
次に、
図49を参照して、第19実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図49は、第19実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0393】
図49に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0394】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、一対の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第18実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0395】
接続孔112Fと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Cとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Dとは、第3回路によって接続される。接続孔112Eと接続孔112Gとは、第4回路によって接続される。
【0396】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第18実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0397】
図49に示す状態では、第1回路と第2回路と第4回路と第3回路とが順に連結されている(第1モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路が順に連結され、第2回路と第4回路とが各々独立する(第2モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第4回路と第2回路と第3回路とが順に連結される(第3モード)。
【0398】
図49に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに60度回転させると、第2回路と第4回路とが順に連結され、第1回路と第3回路とが各々独立する(第4モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路と第4回路と第2回路とが順に連結される(第5モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第4回路と第2回路と第3回路とが順に連結される(第6モード)。
【0399】
図49に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路と第2回路と第4回路とが順に連結される(第7モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路と第2回路と第4回路とが順に連結される(第8モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第4回路とが順に連結され、第2回路と第3回路とが順に連結される(第9モード)。
【0400】
<第20実施例>
次に、
図50を参照して、第20実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図50は、第20実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0401】
図50に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0402】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、一対の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第18実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0403】
接続孔112Dと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Cと接続孔112Gとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Fとは、第3回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Eとは、第4回路によって接続される。
【0404】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第18実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0405】
図50に示す状態では、第1回路と第2回路とが順に連結され、第3回路と第4回路とが順に連結されている(第1モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路が順に連結され、第3回路と第4回路とが各々独立する(第2モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路が順に連結され、第3回路と第4回路とが各々独立する(第3モード)。
【0406】
図50に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに60度回転させると、第3回路と第4回路とが順に連結され、第1回路と第2回路とが各々独立する(第4モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第2回路と第3回路とが順に連結され、第1回路と第4回路とが各々独立する(第5モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第2回路と第4回路とが順に連結され、第1回路と第3回路とが各々独立する(第6モード)。
【0407】
図50に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを時計回りに60度回転させると、第3回路と第4回路とが順に連結され、第1回路と第2回路とが各々独立する(第7モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路とが順に連結され、第2回路と第4回路とが各々独立する(第8モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第4回路とが順に連結され、第2回路と第3回路とが各々独立する(第9モード)。
【0408】
<第21実施例>
次に、
図51を参照して、第21実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図51は、第21実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0409】
図51に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0410】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、一対の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第18実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0411】
接続孔112Gと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Cとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Dとは、第3回路によって接続される。接続孔112Eと接続孔112Fとは、第4回路によって接続される。
【0412】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。一対の弁体120は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
【0413】
弁体120には、回転中心を挟んで対向する一方側通路121と他方側通路122と、一方側通路121及び他方側通路122と周方向に並んで設けられて接続孔112と連通孔113とのうち隣り合って設けられる2つを連通させる連通通路126と、が設けられる。換言すると、一方側通路121と他方側通路122と連通通路126とは、周方向に並べて設けられ、複数の接続孔112と連通孔113とのうち隣り合う2つを各々連通させる。これらの一方側通路121と他方側通路122と連通通路126とが、弁内通路に該当する。
【0414】
図51に示す状態では、第1回路と第3回路と第4回路と第2回路とが順に連結されている(第1モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路と第2回路とが順に連結され、第4回路が独立する(第2モード)。
【0415】
図51に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに60度回転させると、第2回路と第3回路と第4回路とが順に連結され、第1回路が独立する(第3モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路と第4回路とがすべて独立する(第4モード)。
【0416】
<第22実施例>
次に、
図52を参照して、第22実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図52は、第22実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0417】
図52に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0418】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、一対の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第18実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0419】
接続孔112Gと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Cとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Dとは、第3回路によって接続される。接続孔112Eと接続孔112Fとは、第4回路によって接続される。
【0420】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第21実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0421】
図52に示す状態では、第1回路と第3回路と第2回路と第4回路とが順に連結されている(第1モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第4回路とが順に連結され、第2回路と第3回路とが各々独立する(第2モード)。
【0422】
図52に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路とが順に連結され、第2回路と第4回路とが順に連結される(第3モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第4回路と第2回路と第3回路とが順に連結される(第4モード)。
【0423】
<第23実施例>
次に、
図53を参照して、第23実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図53は、第23実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0424】
図53に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0425】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、一対の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第18実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0426】
接続孔112Dと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Cと接続孔112Gとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Fとは、第3回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Eとは、第4回路によって接続される。
【0427】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第21実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0428】
図53に示す状態では、第1回路と第3回路と第4回路と第2回路とが順に連結されている(第1モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路とが順に連結され、第3回路と第4回路とが各々独立する(第2モード)。
【0429】
図53に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに60度回転させると、第3回路と第4回路とが順に連結され、第1回路と第2回路とが各々独立する(第3モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路と第4回路とがすべて独立する(第4モード)。
【0430】
<第24実施例>
次に、
図54を参照して、第24実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図54は、第24実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0431】
図54に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0432】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、一対の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第18実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0433】
接続孔112Gと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Cとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Dとは、第3回路によって接続される。接続孔112Eと接続孔112Fとは、第4回路によって接続される。
【0434】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。一対の弁体120は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
【0435】
弁体120Aには、回転中心を挟んで対向する一方側通路121と他方側通路122と、一方側通路121と他方側通路122との間に回転中心を通過して直線状に連通する中央通路123と、が設けられる。これらの一方側通路121と他方側通路122と中央通路123とが、弁内通路に該当する。
【0436】
弁体120Bには、回転中心を挟んで対向する一方側通路121と他方側通路122と、一方側通路121及び他方側通路122と周方向に並んで設けられて接続孔112と連通孔113とのうち隣り合って設けられる2つを連通させる連通通路126と、が設けられる。換言すると、一方側通路121と他方側通路122と連通通路126とは、周方向に並べて設けられ、複数の接続孔112と連通孔113とのうち隣り合う2つを各々連通させる。これらの一方側通路121と他方側通路122と連通通路126とが、弁内通路に該当する。
【0437】
図54に示す状態では、第1回路と第3回路と第4回路と第2回路とが順に連結されている(第1モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路と第4回路と第2回路とが順に連結される(第2モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路と第2回路とが順に連結され、第4回路が独立する(第3モード)。
【0438】
図54に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに60度回転させると、第2回路と第4回路とが順に連結され、第1回路と第3回路とが独立する(第4モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第3回路と第4回路とが順に連結され、第1回路と第2回路とが各々独立する(第5モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第2回路と第3回路とが順に連結され、第1回路と第4回路とが各々独立する(第6モード)。
【0439】
<第25実施例>
次に、
図55を参照して、第25実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図55は、第25実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0440】
図55に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0441】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、一対の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第18実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0442】
接続孔112Gと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Cとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Dとは、第3回路によって接続される。接続孔112Eと接続孔112Fとは、第4回路によって接続される。
【0443】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第24実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0444】
図55に示す状態では、第1回路と第3回路と第4回路とが順に連結され、第2回路が独立している(第1モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第4回路とが順に連結され、第2回路と第3回路とが順に連結される(第2モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路と第4回路とが順に連結され、第3回路が独立する(第3モード)。
【0445】
図55に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路とが順に連結され、第2回路と第4回路とが独立する(第4モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第4回路と第2回路と第3回路とが順に連結される(第5モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第3回路とが順に連結され、第2回路と第4回路とが各々独立する(第6モード)。
【0446】
<第26実施例>
次に、
図56を参照して、第26実施例に係る流路切換弁101について説明する。
図56は、第26実施例に係る流路切換弁101の構成図である。
【0447】
図56に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、を備える。流路切換弁101には、第1回路と、第2回路と、第3回路と、第4回路と、が接続される。
【0448】
ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(8つ)の接続孔112と、一対の連通孔113と、を有する。接続孔112及び連通孔113の構成は、第18実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0449】
接続孔112Dと接続孔112Hとは、第1回路によって接続される。接続孔112Cと接続孔112Gとは、第2回路によって接続される。接続孔112Bと接続孔112Fとは、第3回路によって接続される。接続孔112Aと接続孔112Eとは、第4回路によって接続される。
【0450】
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。弁体120の構成は、第24実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0451】
図56に示す状態では、第1回路と第3回路と第2回路とが順に連結され、第4回路が独立している(第1モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第4回路と第2回路とが順に連結され、第3回路が独立する(第2モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路とが順に連結され、第3回路と第4回路とが順に連結される(第3モード)。
【0452】
図56に示す状態から、弁体120Aを回転させずに、弁体120Bを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路と第4回路とがすべて独立する(第4モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第1回路と第2回路と第3回路と第4回路とがすべて独立する(第5モード)。この状態から、弁体120Bを回転させずに、弁体120Aを反時計回りに60度回転させると、第3回路と第4回路とが順に連結され、第1回路と第1回路とが各々独立する(第6モード)。
【0453】
<作用効果>
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0454】
流路切換弁101は、回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)が内部に画成される弁体120と、一対の弁体120を収容するハウジング110と、を備え、ハウジング110は、弁体120が回転可能に配置される一対の弁体収容部111と、弁体収容部111とハウジング110の外部とを連通させ、一対の弁体120のいずれかにおける弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)と連通する複数の接続孔112と、各々の弁体収容部111の間を連通させる連通孔113と、を有する。
【0455】
この態様によれば、回転中心周りに回転可能な一対の弁体120と、一対の弁体120を収容するハウジング110と、が設けられ、弁体120が収容される各々の弁体収容部111が連通孔113を介して連通している。そのため、一対の弁体120を各々回転させることで、弁体120内に画成される弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)を通じて複数の接続孔112どうしを直接接続したり、弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)及び連通孔113を介して複数の接続孔112を接続したり、多くのモードの切り換えが可能である。したがって、簡素な構成で多くのモードの切り換えが可能な流路切換弁101を提供することができる。
【0456】
また、冷媒が循環する冷媒循環部と冷却水が循環する冷却水循環部とが交互に積層されてなる冷却水-冷媒熱交換器26と、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる流路切換弁101と、を備える熱交換装置100において、流路切換弁101は、回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)が内部に画成される弁体120と、一対の弁体120を収容するハウジング110と、を備え、ハウジング110は、弁体120が回転可能に配置される一対の弁体収容部111と、弁体収容部111とハウジング110の外部とを連通させ、一対の弁体120のいずれかにおける弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)と連通する複数の接続孔112と、各々の弁体収容部111の間を連通させる連通孔113と、を有し、各々の弁体収容部111には、少なくとも2つの接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置され、連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。
【0457】
この構成では、連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。よって、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向の一端側にて、冷却水流路部材180によって冷却水の流路が連結されるので、熱交換装置100の小型化が可能である。したがって、熱交換装置100の車両へのレイアウト性を向上させることができる。
【0458】
また、冷媒が循環する第1冷媒循環部と冷却水が循環する第1冷却水循環部とが交互に積層されてなる冷却水-冷媒熱交換器26と、冷媒が循環する第2冷媒循環部と冷却水が循環する第2冷却水循環部とが交互に積層されてなる冷媒-温水熱交換器29と、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる流路切換弁101と、を備える熱交換装置100において、流路切換弁101は、回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)が内部に画成される弁体120と、一対の弁体120を収容するハウジング110と、を備え、ハウジング110は、弁体120が回転可能に配置される一対の弁体収容部111と、弁体収容部111とハウジング110の外部とを連通させ、一対の弁体120のいずれかにおける弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)と連通する複数の接続孔112と、各々の弁体収容部111の間を連通させる連通孔113と、を有し、各々の弁体収容部111には、少なくとも2つの接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置され、冷却水-冷媒熱交換器26と冷媒-温水熱交換器29とは、積層方向が同じになるように並列に配置され、積層方向の一端側には、冷却水-冷媒熱交換器26と冷媒-温水熱交換器29との間で第1冷媒循環部と第2冷媒循環部とを連通させる冷媒流路部材37と、冷媒流路部材37を流通する冷媒の流れを絞る可変絞り機構28と、が設けられ、冷却水-冷媒熱交換器26にて冷却水が冷却され、冷媒-温水熱交換器29にて冷却水が加熱される。
【0459】
この構成では、連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。また、冷却水-冷媒熱交換器26と冷媒-温水熱交換器29とは、積層方向が同じになるように並列に配置される。よって、冷却水-冷媒熱交換器26及び冷媒-温水熱交換器29の積層方向の一端側にて、冷却水流路部材180によって冷却水の流路が連結されるので、熱交換装置100の小型化が可能である。したがって、熱交換装置100の車両へのレイアウト性を向上させることができる。
【0460】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0461】
100 熱交換装置
101 流路切換弁
1 温度制御システム
2 駆動用モータ(駆動系発熱体)
3 蓄電池
26 冷却水-冷媒熱交換器(冷却水熱交換器,第1熱交換器)
28 可変絞り機構(第2可変絞り機構,絞り弁)
29 冷媒-温水熱交換器(第2熱交換器)
37 冷媒流路部材(冷媒通路接続部材)
40 冷却水回路
50 第1冷却水回路(基準ループ)
60 第2冷却水回路(第1ループ)
63 駆動系熱交換器(駆動系発熱体熱交換部)
65 室外熱交換器
70 第3冷却水回路(第2ループ)
73 蓄電池熱交換器(蓄電池熱交換部)
110 ハウジング
111 弁体収容部
111A 弁体収容部
111B 弁体収容部
112 接続孔
112A 接続孔
112B 接続孔
112C 接続孔
112D 接続孔
112E 接続孔
112F 接続孔
112G 接続孔
112H 接続孔
113 連通孔
113A 連通孔
113B 連通孔
120 弁体
120A 弁体
120B 弁体
121 一方側通路
122 他方側通路
123 中央通路
124 T字通路
125 閉塞部
126 連通通路
160 アクチュエータ
201 流路切換弁
210 ハウジング
【要約】
【課題】簡素な構成で多くのモードの切り換えが可能な流路切換弁を提供する。
【解決手段】流路切換弁101は、回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)が内部に画成される弁体120と、一対の弁体120を収容するハウジング110と、を備え、ハウジング110は、弁体120が回転可能に配置される一対の弁体収容部111と、弁体収容部111とハウジング110の外部とを連通させ、一対の弁体120のいずれかにおける弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)と連通する複数の接続孔112と、各々の弁体収容部111の間を連通させる連通孔113と、を有する。
【選択図】
図12