(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】自転車電動化装置
(51)【国際特許分類】
B62M 6/50 20100101AFI20230105BHJP
B62J 45/414 20200101ALI20230105BHJP
B62J 45/412 20200101ALI20230105BHJP
B62J 45/423 20200101ALI20230105BHJP
【FI】
B62M6/50
B62J45/414
B62J45/412
B62J45/423
(21)【出願番号】P 2020509765
(86)(22)【出願日】2019-03-05
(86)【国際出願番号】 JP2019008585
(87)【国際公開番号】W WO2019188042
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-04-15
(31)【優先権主張番号】P 2018066143
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 仁
(72)【発明者】
【氏名】橋本 一輝
(72)【発明者】
【氏名】内田 嵩
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0347408(US,A1)
【文献】特開2004-025913(JP,A)
【文献】特開2015-037896(JP,A)
【文献】特開2000-280972(JP,A)
【文献】特開平11-139381(JP,A)
【文献】米国特許第05842535(US,A)
【文献】特開平07-172372(JP,A)
【文献】特開2009-190443(JP,A)
【文献】特開2018-027778(JP,A)
【文献】特開平06-183389(JP,A)
【文献】特開平08-244670(JP,A)
【文献】特開2000-006874(JP,A)
【文献】特開2000-142547(JP,A)
【文献】特開2002-120787(JP,A)
【文献】特表2012-508140(JP,A)
【文献】特開2014-193683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/45- 6/50, 6/60-6/65,7/12
B62J 45/40-45/423,99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車に着脱自在に取り付けられる自転車電動化装置であって、
前記自転車の速度を算出する算出部と、
前記自転車のペダルへの踏力を推定する推定部と、
電動モータと、
ローラーと、
前記電動モータに電力を供給するバッテリと、
前記自転車の進行方向における加速度を検出する加速度センサと、
算出された前記速度、及び、推定された前記踏力に基づいて前記電動モータを駆動することにより、前記ローラーを介して前記自転車の車輪に補助駆動力を与える制御部と、
前記算出部、前記推定部、前記電動モータ、前記ローラーの少なくとも一部、前記バッテリ及び前記制御部を収容する筐体とを備え、
前記制御部は、前記算出部によって算出された前記自転車の速度、
並びに、前記加速度
及びテーブル情報から推定された前記踏力に基づいて、前記電動モータの駆動により発生する補助駆動力の大きさを決定
し、
前記テーブル情報は、前記加速度センサによって検出される加速度と前記ペダルへの踏力との対応関係を示す
自転車電動化装置。
【請求項2】
前記ローラーは、前記筐体から突出して前記自転車の前記車輪に接しており、この状態で前記電動モータによって回転されることで前記車輪に補助駆動力を与える
請求項1に記載の自転車電動化装置。
【請求項3】
さらに、前記車輪のホイールに光を出射する光学式エンコーダを備え、
前記算出部は、前記光学式エンコーダによって出力される前記車輪の回転量を示す信号に基づいて前記自転車の速度を算出する
請求項1または2に記載の自転車電動化装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記自転車の前輪に補助駆動力を与える
請求項1~3のいずれか1項に記載の自転車電動化装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記算出部によって算出された前記自転車の速度に基づいて前記電動モータに前記補助駆動力を発生させるかどうかを決定し、前記加速度
及び前記テーブル情報から推定された前記踏力、
並びに、算出された前記速度に基づいて、前記電動モータの駆動により発生する補助駆動力の大きさを決定する
請求項1~4のいずれか1項に記載の自転車電動化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車電動化装置、及び、車輪に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ペダルへの踏力などの人力駆動力に、電動モータによる補助駆動力を付加することで、楽に走行できる電動自転車が知られている。特許文献1には、車速センサを備えた電動自転車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電動モータを備えていない自転車を電動化することができる、自転車電動化装置及び車輪を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る自転車電動化装置は、自転車に取り付けられる自転車電動化装置であって、前記自転車の速度を算出する算出部と、前記自転車のペダルへの踏力を推定する推定部と、電動モータと、前記電動モータに電力を供給するバッテリと、算出された前記速度、及び、推定された前記踏力に基づいて前記電動モータを駆動することにより、前記自転車の車輪に補助駆動力を与える制御部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る車輪は、自転車に取り付けられる車輪であって、車輪本体と、前記自転車の速度を算出する算出部と、前記自転車のペダルへの踏力を推定する推定部と、電動モータと、前記電動モータに電力を供給するバッテリと、算出された前記速度、及び、推定された前記踏力に基づいて前記電動モータを駆動することにより、前記車輪本体に補助駆動力を与える制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電動モータを備えていない自転車を電動化することができる、自転車電動化装置及び車輪が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る自転車電動化装置が取り付けられた自転車の外観図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る自転車電動化装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る自転車電動化装置の動作のフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態2に係る車輪の外観図である。
【
図5】
図5は、実施の形態2に係る車輪の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0011】
(実施の形態1)
[構成]
まず、実施の形態1に係る自転車電動化装置の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る自転車電動化装置が取り付けられた自転車の外観図である。
図2は、実施の形態1に係る自転車電動化装置の機能構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示されるように、自転車電動化装置20は、自転車10への取付構造を備え、電動モータを備えていない自転車10に着脱自在に取り付けられる。取付構造は、例えば、ねじを用いたねじ止め構造であるが、取り付け用の爪等を利用した係合構造であってもよい。自転車電動化装置20は、自転車電動化装置20が取り付けられた自転車10を電動化することができる。自転車電動化装置20は、例えば、自転車10のメインフレーム11に取り付けられ、自転車10の前輪12を電動化する。なお、自転車電動化装置20は、立パイプ14などに取り付けられ自転車10の後輪13を電動化してもよい。
【0013】
図1及び
図2に示されるように、自転車電動化装置20は、具体的には、光学式エンコーダ21と、加速度センサ22と、信号処理部23と、記憶部24と、電動モータ25と、ローラー26と、バッテリ27と、筐体28とを備える。光学式エンコーダ21以外の構成要素は、筐体28内に収容されている。
【0014】
光学式エンコーダ21は、自転車10のフォーク15に取り付けられ、前輪12のホイール16に光を出射する。光学式エンコーダ21は、例えば、反射型のエンコーダであり、ホイール16で反射された光に応じた変調信号を出力する。光学式エンコーダ21は、透過型のエンコーダであってもよく、この場合、光学式エンコーダ21は、前輪12のホイール16を通過した光に応じた変調信号を出力する。なお、自転車電動化装置20は、光学式エンコーダ21に代えて、磁気式エンコーダを備えてもよい。
【0015】
加速度センサ22は、加速度を検出し、加速度を示す信号を出力する。加速度センサ22は、少なくとも自転車10の進行方向における加速度を検出する。
【0016】
信号処理部23は、自転車電動化装置20における信号処理を行い、電動モータ25を制御する。信号処理部23は、具体的には、算出部23a、推定部23b、及び、制御部23cを備える。信号処理部23は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0017】
記憶部24は、信号処理部23が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部24は、具体的には、半導体メモリによって実現される。
【0018】
電動モータ25は、自転車10を電動化するための駆動源である。電動モータ25は、バッテリ27から供給される電力を用いてローラー26を回転させる。
【0019】
ローラー26は、自転車10の前輪12に接しており、この状態で電動モータ25によって回転されることで前輪12に補助駆動力を与える。なお、電動モータ25およびローラー26の間には、例えば、クラッチ機構が設けられ、前輪12に補助駆動力を与えない場合にはローラー26は空回りする。
【0020】
バッテリ27は、電動モータ25に電力を供給する電源である。バッテリ27は、例えば、リチウムイオン電池などの二次電池(つまり、蓄電池)である。
【0021】
[動作]
自転車電動化装置20は、電動モータ25によって自転車10の前輪12を継続的に動かすのではなく、自転車10に電動アシスト機能を付与することができる。電動アシスト機能とは、自転車10の速度、及び、ペダル17への踏力に基づいて、自転車10の前輪12に適応的に補助駆動力を与える機能である。以下、自転車電動化装置20の動作について説明する。
図3は、自転車電動化装置20の動作のフローチャートである。
【0022】
まず、信号処理部23の算出部23aは、自転車10の速度を算出する(S11)。算出部23aは、光学式エンコーダ21から変調信号を取得する。変調信号は、ホイール16を構成するスポークの有無に応じて変調されており、前輪12の回転量(言い換えれば、回転数)を間接的に示す信号である。算出部23aは、変調信号に基づいて、単位時間あたりに光学式エンコーダ21の前を通るスポークの数を特定し、特定されたスポークの数に基づいて、前輪12の単位時間当たりの回転量を特定する。算出部23aは、前輪12の単位時間当たりの回転量と、前輪12の大きさとに基づいて自転車10の速度を算出することができる。
【0023】
なお、前輪12が備えるスポークの数、及び、前輪12の大きさなどは、例えば、自転車電動化装置20が備える操作受付部(図示せず)が受け付けるユーザの操作に基づいて当該ユーザによって設定されるが、あらかじめ定められていてもよい。
【0024】
また、前輪12の単位時間当たりの回転量と自転車10の速度とが対応付けられた第一テーブル情報が記憶部24に記憶されていてもよい。この場合、算出部23aは、第一テーブル情報を参照することで、前輪12の回転量から自転車10の速度を算出することができる。
【0025】
次に、推定部23bは、自転車10のペダル17への踏力を推定する(S12)。ペダル17への踏力は、言い換えれば、ペダル17に加わるトルクである。推定部23bは、加速度センサ22によって検出される自転車10の進行方向における加速度(より具体的には、加速度を示す信号)に基づいてペダル17への踏力を推定する。
【0026】
ユーザがペダル17を踏み込むとき、つまり、踏力が大きいときには、進行方向における加速度が大きくなると考えられる。そこで、推定部23bは、自転車10の進行方向における加速度が大きいほど、踏力が大きいと推定する。
【0027】
例えば、記憶部24には、加速度センサ22によって検出される加速度とペダル17への踏力とが対応付けられた第二テーブル情報が記憶され、推定部23bは、第二テーブル情報を参照することで、加速度から踏力を推定する。第二テーブル情報における、加速度とペダル17への踏力との対応関係は、実験的または経験的に適宜定められる。第二テーブル情報においては、加速度が大きいほど当該加速度に対応付けられた踏力が大きくなる。
【0028】
なお、第二テーブル情報に代えて、加速度と踏力との関係を示す関係式(関数)が記憶部24に記憶されてもよい。関係式は、実験的または経験的に適宜定められる。関係式は、加速度の値が大きくなるほど大きい踏力の値を返す。
【0029】
次に、制御部23cは、ステップS11において算出された速度、及び、ステップS12おいて推定された踏力に基づいて電動モータ25を駆動することにより、ローラー26を介して自転車10の前輪12に補助駆動力を与える(S13)。
【0030】
制御部23cは、具体的には、算出された速度、及び、推定された踏力に基づいて、電動モータ25の駆動により発生する補助駆動力の大きさを決定する。制御部23cは、速度が第一閾値(例えば、時速10km)未満の場合には、電動モータ25を駆動することで、ペダル17への踏力の2倍以下の補助駆動力を発生させる。制御部23cは、速度が第一閾値よりも大きい第二閾値(例えば、時速24km)以上の場合は、電動モータ25に補助駆動力を発生させない。制御部23cは、速度が第一閾値以上第二閾値未満の場合には、電動モータ25を駆動することで、速度に応じた補助駆動力を発生させる。なお、このような補助駆動力の与え方は一例である。
【0031】
自転車電動化装置20は、自転車10のペダル17と機械的に接続されていないため、ペダル17への踏力を直接計測することはできないが、ペダル17への踏力を推定することができる。自転車電動化装置20は、このようなペダル17への踏力の推定により、自転車10に電動アシスト機能を付与することができる。
【0032】
なお、上述の踏力の推定方法は、一例である。踏力の推定には、加速度に代えて、前輪12の角速度が用いられてもよい。この場合、自転車電動化装置20は、前輪12に取り付けられる角速度センサを備え、角速度センサから前輪12の角速度を取得する。また、踏力の推定には、加速度に加えて、前輪12の角速度、自転車10の重量、及び、自転車10の状態方程式等が用いられてもよい。また、踏力の推定には、人工知能(AI:Artificial Intelligence)が用いられてもよい。
【0033】
[効果等]
以上説明したように、自転車10に取り付けられる自転車電動化装置20は、自転車10の速度を算出する算出部23aと、自転車10のペダル17への踏力を推定する推定部23bと、電動モータ25と、電動モータ25に電力を供給するバッテリ27と、算出された速度、及び、推定された踏力に基づいて電動モータ25を駆動することにより、自転車10の車輪に補助駆動力を与える制御部23cとを備える。
【0034】
このような自転車電動化装置20は、電動モータを備えていない自転車10に電動アシスト機能を付与することができる。つまり、自転車電動化装置20は、電動モータを備えていない自転車を電動化することができる。ユーザは、自転車10に自転車電動化装置20を取り付けることで容易に自転車10を電動化することができる。
【0035】
また、自転車電動化装置20は、例えば、さらに、加速度センサ22を備え、推定部23bは、加速度センサ22によって検出される自転車10の進行方向における加速度に基づいて踏力を推定する。
【0036】
このような自転車電動化装置20は、加速度センサ22を用いて踏力を推定することができる。
【0037】
また、自転車電動化装置20は、例えば、さらに、車輪のホイールに光を出射する光学式エンコーダ21を備える。算出部23aは、光学式エンコーダ21によって出力される車輪の回転量を示す信号に基づいて自転車10の速度を算出する。
【0038】
このような自転車電動化装置20は、光学式エンコーダ21を用いて自転車10の速度を算出することができる。
【0039】
また、例えば、制御部23cは、自転車10の前輪12に補助駆動力を与える。
【0040】
このような自転車電動化装置20は、自転車10の前輪12に補助駆動力を与えることができる。
【0041】
(実施の形態2)
[構成]
自転車電動化装置20は、自転車10の車輪の形態で実現されてもよい。以下、実施の形態2に係る車輪について説明する。
図4は、実施の形態2に係る車輪の外観図である。
図5は、実施の形態2に係る車輪の機能構成を示すブロック図である。なお、以下の実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明が行われ、既出事項の説明は省略または簡略化される。
【0042】
図4に示されるように、車輪30は、電動モータを備えていない自転車10の前輪と引き換えに自転車10に取り付けられることで自転車10を電動化することができる装置である。車輪30は、車輪本体31と、インホイールモータ装置32とを備える。なお、車輪30は、自転車10の後輪13と引き換えに自転車10に取り付けられてもよい。車輪30は、自転車10の前輪として使用されてもよいし、自転車10の後輪として使用されてもよい。
【0043】
図5に示されるように、インホイールモータ装置32は、具体的には、加速度センサ22と、信号処理部23と、記憶部24と、電動モータ25と
、バッテリ27とを備える。
【0044】
インホイールモータ装置32において、信号処理部23の算出部23aは、加速度センサ22によって検出される加速度に基づいて自転車10の速度を算出する。算出部23aは、具体的には、加速度センサ22から出力される進行方向における加速度を示す信号を積分することにより、自転車10の進行方向における速度を算出することができる。なお、このような速度の算出方法は、自転車電動化装置20において採用されてもよい。また、車輪30の軸に光学式エンコーダ21(または磁気式エンコーダ)が取り付けられれば、算出部23aは、実施の形態1と同様の算出方法で自転車10の進行方向における速度を算出することもできる。
【0045】
推定部23bによる踏力の推定方法は、自転車電動化装置20と同様である。制御部23cは、算出部23aによって算出された速度、及び、推定部23bによって推定された踏力に基づいて電動モータ25を駆動することにより、車輪本体31に補助駆動力を与える。補助駆動力の大きさの決定方法は、自転車電動化装置20と同様である。
【0046】
このように、車輪30は、自転車10のペダル17と機械的に接続されていないため、ペダル17への踏力を直接計測することはできないが、ペダル17への踏力を推定することができる。車輪30は、このようなペダル17への踏力の推定により、自転車10に電動アシスト機能を付与することができる。
【0047】
[効果等]
以上説明したように、自転車10に取り付けられる車輪30は、車輪本体31と、自転車10の速度を算出する算出部23aと、自転車10のペダル17への踏力を推定する推定部23bと、電動モータ25と、電動モータ25に電力を供給するバッテリ27と、算出された速度、及び、推定された踏力に基づいて電動モータ25を駆動することにより、車輪本体31に補助駆動力を与える制御部23cとを備える。
【0048】
このような車輪30は、電動モータを備えていない自転車10に電動アシスト機能を付与することができる。つまり、車輪30は、電動モータを備えていない自転車10を電動化することができる。ユーザは、自転車10の車輪を車輪30に交換することで容易に自転車10を電動化することができる。
【0049】
また、例えば、車輪30は、自転車10の前輪として用いられる。
【0050】
このような車輪30は、自転車10の前輪として用いられることで、自転車10に電動アシスト機能を付与することができる。ユーザは、自転車10の前輪を車輪30に交換することで容易に自転車10を電動化することができる。
【0051】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではない。
【0052】
例えば、上記実施の形態に係る自転車電動化装置、及び、車輪は、バッテリを回生充電する機能を備えてもよい。
【0053】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、上記実施の形態に係るインホイールモータ装置として実現されてもよい。本発明は、自転車電動化装置または車輪を用いた自転車の制御方法として実現されてもよい。
【0054】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
10 自転車
12 前輪
17 ペダル
20 自転車電動化装置
21 光学式エンコーダ
22 加速度センサ
23a 算出部
23b 推定部
23c 制御部
25 電動モータ
27 バッテリ
30 車輪
31 車輪本体
32 インホイールモータ装置