(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20230105BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
G08B25/04 K
H04M11/04
(21)【出願番号】P 2019014865
(22)【出願日】2019-01-30
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】佐久嶋 和生
(72)【発明者】
【氏名】高宮 晶子
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-191534(JP,A)
【文献】登録実用新案第3032015(JP,U)
【文献】特開2014-209694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B19/00-31/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部、及び、前記操作部がユーザによって操作されたことが検知されると外部に信号を送信する通信部を備える操作端末によって送信された前記信号を受信する受信部と、
所定の期間内の第一時間帯において前記信号が受信された場合に、第一通知情報を出力し、前記所定の期間内の前記第一時間帯と異なる第二時間帯において前記信号が受信された場合に、前記第一通知情報と異なる第二通知情報を出力する出力部と
、
前記ユーザによって使用される機器の動作が検出された時刻に基づいて前記第一時間帯を決定する決定部とを備える
情報処理システム。
【請求項2】
前記出力部は、前記第一時間帯において複数回前記信号が受信された場合に、前記第二通知情報を出力する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記決定部は、前記ユーザによって使用される機器の動作が検出された時刻を開始時刻とする一定期間を前記第一時間帯として決定する
請求項
1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記機器は、電子レンジである
請求項
1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
操作部、及び、前記操作部がユーザによって操作されたことが検知されると外部に信号を送信する通信部を備える操作端末によって送信された前記信号を受信する受信部と、
所定の期間内の第一時間帯において前記信号が受信された場合に、第一通知情報を出力し、前記所定の期間内の前記第一時間帯と異なる第二時間帯において前記信号が受信された場合に、前記第一通知情報と異なる第二通知情報を出力する出力部と
、
機器を使用するための前記ユーザの動作が検出された時刻に基づいて前記第一時間帯を決定する決定部を備える
情報処理システム。
【請求項6】
前記出力部は、前記第一時間帯において複数回前記信号が受信された場合に、前記第二通知情報を出力する
請求項
5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記決定部は、前記ユーザの動作が検出された時刻を開始時刻とする一定期間を前記第一時間帯として決定する
請求項
5または6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記機器は、冷蔵庫であり、
前記ユーザの動作は、前記ユーザが前記冷蔵庫の扉を開ける動作、または、前記ユーザが前記冷蔵庫の扉を閉める動作である
請求項
5~7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記第一通知情報は、前記ユーザが無事に食事を終えたことを通知するための情報であり、
前記第二通知情報は、前記ユーザに異常が発生したことを通知するための情報である
請求項1~
8のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
操作部、及び、前記操作部がユーザによって操作されたことが検知されると外部に信号を送信する通信部を備える操作端末によって送信された前記信号を受信し、
所定の期間内の第一時間帯において前記信号が受信された場合に、第一通知情報を出力し、前記所定の期間内の前記第一時間帯と異なる第二時間帯において前記信号が受信された場合に、前記第一通知情報と異なる第二通知情報を出力
し、
前記ユーザによって使用される機器の動作が検出された時刻に基づいて前記第一時間帯を決定する
情報処理方法。
【請求項11】
操作部、及び、前記操作部がユーザによって操作されたことが検知されると外部に信号を送信する通信部を備える操作端末によって送信された前記信号を受信し、
所定の期間内の第一時間帯において前記信号が受信された場合に、第一通知情報を出力し、前記所定の期間内の前記第一時間帯と異なる第二時間帯において前記信号が受信された場合に、前記第一通知情報と異なる第二通知情報を出力
し、
機器を使用するための前記ユーザの動作が検出された時刻に基づいて前記第一時間帯を決定する
情報処理方法。
【請求項12】
請求項
10または11に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などで店員を呼び出すために押されるコールボタンが知られている。特許文献1には、このようなコールボタンを用いた情報伝送システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コールボタンが押しボタンを1つのみ有するシンプルな構成である場合などには、1つのコールボタンを用いて内容が異なる複数種類の通知を行うことは難しい。例えば、ユーザの無事を示すポジティブな通知、及び、ユーザに異常が発生したことを示すネガティブな通知の両方を実現するためには、ユーザが無事である場合に操作されるコールボタン、及び、ユーザに異常が発生した場合に操作されるコールボタンの2つのコールボタンが必要となる。
【0005】
本発明は、1つの操作端末を用いて複数種類の通知を実現することができる情報処理システム、及び、情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、操作部、及び、前記操作部がユーザによって操作されたことが検知されると外部に信号を送信する通信部を備える操作端末によって送信された前記信号を受信する受信部と、所定の期間内の第一時間帯において前記信号が受信された場合に、第一通知情報を出力し、前記所定の期間内の前記第一時間帯と異なる第二時間帯において前記信号が受信された場合に、前記第一通知情報と異なる第二通知情報を出力する出力部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、操作部、及び、前記操作部がユーザによって操作されたことが検知されると外部に信号を送信する通信部を備える操作端末によって送信された前記信号を受信し、所定の期間内の第一時間帯において前記信号が受信された場合に、第一通知情報を出力し、前記所定の期間内の前記第一時間帯と異なる第二時間帯において前記信号が受信された場合に、前記第一通知情報と異なる第二通知情報を出力する。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理システム、及び、情報処理方法によれば、1つの操作端末を用いて複数種類の通知を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る見守りシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る見守りシステムの動作例1のシーケンス図である。
【
図4】
図4は、第一時間帯の決定動作例1のシーケンス図である。
【
図5】
図5は、第一時間帯の決定動作例2のシーケンス図である。
【
図6】
図6は、第一時間帯の決定動作例3のシーケンス図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る見守りシステムの動作例2のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[見守りシステムの構成]
まず、実施の形態に係る見守りシステムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る見守りシステムの機能構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示されるように、実施の形
態に係る見守りシステム10は、コールボタン20と、情報処理システム30と、分電盤60と、電子レンジ70と、開閉センサ80と、冷蔵庫90と、第一情報端末100と、第二情報端末110とを備える。情報処理システム30は、制御装置40及びサーバ装置50を含む。見守りシステム10が備える構成要素のうちサーバ装置50、第一情報端末100、及び、第二情報端末110以外の構成要素は、建物120に設置される。建物120は、例えば、集合住宅または戸建住宅などの住宅であるが、介護施設または病院などであってもよい。
【0015】
見守りシステム10において、建物120に居住するユーザは、例えば、高齢者である。ユーザは、体調に異変を感じた場合などにコールボタン20を押す。そうすると、コールボタン20から送信された検知信号が制御装置40を介してサーバ装置50に送信される。検知信号を受信したサーバ装置50は、見守りサービスを提供する事業者が使用する第一情報端末100にユーザに異常が起きたことを通知するための通知情報を送信する。この結果、見守りサービスを提供する事業者のオペレータなどにより、建物120への訪問者の手配が行われる。また、サーバ装置50は、ユーザの家族(例えば、遠方に離れて暮らす家族)が使用する第二情報端末110に第二通知情報を送信することにより、ユーザの家族に直接通知を行うこともできる。
【0016】
ところで、見守りシステム10においては、コールボタン20が押されたことは、原則としてユーザに異常が発生したことの通知に使用されるが、別の用途にも使用したい場合がある。例えば、見守りサービスを提供する事業者が食事を配送するサービスも提供しているような場合、ユーザが食事を無事に食べ終えたことを当該事業者に通知するためにコールボタン20を使用したい場合がある。しかしながら、コールボタン20は1つしか押しボタン21を有しておらず、押しボタン21の押し分けにより異常が発生したのか食事が完了したのかを区別することはできない。
【0017】
そこで、見守りシステム10は、コールボタン20が押された時間帯によって異常が発生したのか食事が完了したのかを区別する。以下、このような見守りシステム10が備える各構成要素について説明する。
【0018】
[コールボタン]
コールボタン20は、操作装置の一例である。コールボタン20は、押しボタン21がユーザによって操作されたこと(具体的には、押されたこと)を外部装置に通知するための装置である。コールボタン20は、押しボタン21と、検知部22と、通信部23と、記憶部24とを備える。
【0019】
押しボタン21は、操作部の一例であり、ユーザによって操作されるボタンである。押しボタン21は、コールボタン20の外部に信号を送信するために操作されるボタンであり、コールボタン20は、例えば、押しボタン21を1つだけ備える。
【0020】
検知部22は、押しボタン21が押されたか否かを検知する。検知部22は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0021】
通信部23は、押しボタン21がユーザによって操作されたことが検知部22によって検知されると外部に信号を送信する。通信部23は、具体的には、コールボタン20が制御装置40と通信を行うための通信回路である。通信部23は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部23が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0022】
記憶部24は、検知部22が実行するプログラム、及び、コールボタン20のIDなどが記憶される記憶装置である。記憶部24は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0023】
[制御装置]
制御装置40は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するHEMS(Home Energy Management System)コントローラであり、建物120内に設置され、建物120内に設置された機器の消費電力を管理する。また、制御装置40は、機器の状態取得、及び、建物120内(あるいは、建物120の敷地内)に設置された機器の制御などを行う。制御装置40は、例えば、家電機器メーカなどの事業者によって提供される。制御装置40は、HEMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。制御装置40は、制御部41と、通信部42と、記憶部43とを備える。
【0024】
制御部41は、制御装置40に関する制御を行う。制御部41は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0025】
通信部42は、制御装置40が、コールボタン20、サーバ装置50、分電盤60、及び、開閉センサ80と通信を行うための通信回路である。通信部42は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部42が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0026】
記憶部43は、制御部41が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部43は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0027】
[サーバ装置]
サーバ装置50は、第一通知情報及び第二通知情報を選択的に送信するための情報処理を行う。サーバ装置50は、例えば、上記家電機器メーカによって提供されるが、他の事業者によって提供されてもよい。サーバ装置50は、情報処理部51と、通信部52と、記憶部53と、計時部54とを備える。
【0028】
情報処理部51は、第一通知情報及び第二通知情報を選択的に送信するための情報処理を行う。情報処理部51は、具体的には、出力部57と、決定部58とを備える。情報処理部51は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0029】
通信部52は、サーバ装置50が、制御装置40、第一情報端末100、及び、第二情報端末110と通信を行うための通信回路である。通信部52は、制御装置40を介してコールボタン20と通信を行うこともできる。通信部52は、具体的には、受信部55及び指定受付部56を含む。通信部52が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0030】
記憶部53は、情報処理部51が実行するプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部53は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0031】
計時部54は、現在時刻を計測する装置である。計時部54は、タイマ回路またはリアルタイムクロックなどによって実現される。
【0032】
[分電盤及び電子レンジ]
分電盤60は、建物120における電気使用量(言い換えれば、消費電力量)を分岐回路ごとに計測し、計測した電気使用量を示す電気使用量情報を制御装置40に送信する装置である。分岐回路に電子レンジ70が接続されれば、制御装置40は当該分岐回路の電気使用量情報をモニタすることで、電気使用量が増加したタイミングを電子レンジ70の動作が開始されたタイミングとして検出することができる。
【0033】
なお、分電盤60は、電子レンジ70などの機器の電気使用量を計測できる装置の一例であり、制御装置40は、機器の電気使用量を計測できる分電盤60以外の他の装置と通信することにより機器の動作状態を検出することもできる。他の装置は、例えば、スマートメータ(言い換えれば、通信機能を有する電力量計)などである。
【0034】
[開閉センサ及び冷蔵庫]
開閉センサ80は、冷蔵庫90の扉の開閉状態を検出し、検出結果を示す検出情報を制御装置40に送信する装置である。制御装置40は、このような検出情報に基づいて、ユーザが冷蔵庫90の扉を開ける動作、または、ユーザが冷蔵庫90の扉を閉める動作を検出することができる。開閉センサ80は、例えば、扉及び本体の一方に取り付けられ、扉及び本体の他方に取り付けられたマグネットの磁力に基づいて扉の開閉状態を検出する。なお、冷蔵庫90自体が扉の開閉状態を制御装置40に通知する機能を有している場合、開閉センサ80は省略されてもよい。
【0035】
[第一情報端末及び第二情報端末]
第一情報端末100は、見守りサービスを提供する事業者が、サーバ装置50によって送信される通知情報を受信するために使用する情報端末である。第一情報端末100は、例えば、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であるが、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であってもよい。
【0036】
第二情報端末110は、ユーザの家族がサーバ装置50によって送信される通知情報を受信するために使用する情報端末である。第二情報端末110は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であるが、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であってもよい。
【0037】
[動作例1]
以下、見守りシステム10の動作例1について説明する。
図2は、見守りシステム10の動作例1のシーケンス図である。
【0038】
ユーザがコールボタン20の押しボタン21を操作すると、検知部22はこの押しボタン21への操作を検知し(S11)、通信部23に検知信号を制御装置40へ送信させる(S12)。つまり、コールボタン20は、押しボタン21への操作が検知されたことをトリガとして検知信号を送信する。検知信号には、コールボタン20のIDが含まれる。
【0039】
送信された検知信号は、制御装置40の通信部42によって受信される。制御部41は、通信部42によって検知信号が受信されると、通信部42に検知信号をサーバ装置50へ送信させる(S13)。つまり、制御装置40は、検知信号の中継を行う。
【0040】
サーバ装置50の出力部57は、受信部55によって検知信号が受信されると、判定処理を行う(S14)。
図3は、判定処理のフローチャートである。
【0041】
まず、出力部57は、計時部54によって計測される検知信号の受信時刻が第一時間帯に属するか否かを判定する(S21)。第一時間帯は、例えば、ユーザが食事を行う可能性の高い時間帯である。第一時間帯は、例えば、16時から22時までの時間帯であり、あらかじめ定められる。
【0042】
出力部57は、受信時刻が第一時間帯に属すると判定すると(S21でYes)、受信された検知信号が当該第一の時間帯において最初に受信された検知信号であるか否かを判定する(S22)。言い換えれば、出力部57は、受信された検知信号に含まれるコールボタン20のIDと同一のIDを含む別の検知信号が当該第一の時間帯においてこれ以前に受信されていないか否かを判定する。出力部57は、記憶部53に記憶された検知信号の受信履歴を参照することによりこのような判定を行うことができる。
【0043】
出力部57は、受信された検知信号が当該第一時間帯において最初に受信された検知信号であると判定すると(S22でYes)、第一通知情報を出力する(S23)。第一通知情報は、ユーザが無事に食事を終えたことを通知するための情報である。
【0044】
一方、出力部57は、ステップS21において受信時刻が第一の時間帯に属さない(例えば、第一時間帯と異なる第二時間帯に属する)と判定した場合(S21でNo)、及び、受信された検知信号が第一時間帯において最初に受信された検知信号でないと判定した場合(S22でNo)、第二通知情報を出力する(S24)。第二通知情報は、ユーザに異常が発生したことを通知するための情報である。
【0045】
このようなステップS14の判定処理(つまり、ステップS21~ステップS24の処理)が行われた後、通信部52は、出力部57によって出力された通知情報(第一通知情報または第二通知情報)を第一情報端末100へ送信する(S15)。通知情報には、コールボタン20のIDが含まれる。
【0046】
上述のように、第一情報端末100は、見守りサービスを提供する事業者のオペレータによって使用される。例えば、第一情報端末100の記憶部(図示せず)にコールボタン20のIDとユーザの個人情報(具体的には、氏名、建物120の住所、電話番号、ユーザ家族の連絡先、ユーザの家族が使用する第二情報端末110のIDなど)とが対応付けられたユーザ情報が記憶されていれば、第一情報端末100は、通知情報に含まれるコールボタン20のIDに基づいて、コールボタン20を押したユーザを特定することができる。そうすると、第一情報端末100を使用するオペレータは、通知情報に応じた対処を行うことができる。例えば、通知情報が第二通知情報である場合には、オペレータは、訪問者を建物120へ派遣するなどの異常の発生への対処を行うことができる。
【0047】
なお、
図2では図示されないが、通知情報は、第一情報端末100に加えて、または、第一情報端末100に代えて第二情報端末110に送信されてもよい。例えば、記憶部53にコールボタン20のIDと第二情報端末110のIDとが対応付けられた情報が記憶されていれば、通信部52は、出力部57によって出力された通知情報をユーザの家族が使用する第二情報端末110へ送信することができる。これにより、ユーザが無事に食事を終えたこと、または、ユーザに異常が発生したことがユーザの家族に通知される。
【0048】
なお、通信部52は、第一通知情報は第二情報端末110へ送信し、第二通知情報は第一情報端末100(あるいは、第一情報端末100及び第二情報端末110の両方)に送信するなど、通知情報の種類に応じて送信先を異ならせてもよい。
【0049】
このように、見守りシステム10において、サーバ装置50は、食事の時間帯にコールボタン20が押された場合にはユーザが食事を無事に終えたと解釈し、食事の時間帯以外の時間帯にコールボタン20が押された場合には、ユーザに異常が発生したと解釈する。つまり、コールボタン20に対して同じ操作が行われても、当該操作が行われた時間帯によって解釈が変更される。このような見守りシステム10は、1つのコールボタン20を食事が終わったことの通知、及び、異常が発生したことの通知に兼用することができる。
【0050】
また、上記ステップS22の判定に示されるように、サーバ装置50は、食事の時間帯であっても2回以上コールボタン20が押された場合には、ユーザに異常が発生したと解釈する。これにより、サーバ装置50は、食事の時間帯にユーザに異常が発生した場合に、異常の発生を示す第二通知情報を送信することができる。
【0051】
[第一時間帯の決定動作例1]
上記動作例1では、第一時間帯は、あらかじめ定められた固定の時間帯(例えば、16時から22時までの時間帯)であったが、第一時間帯は、指定されてもよい。
図4は、このような第一時間帯の決定動作例1のシーケンス図である。
【0052】
まず、第一情報端末100は、操作者(例えば、見守りサービスを提供する事業者のオペレータ)の第一時間帯の指定操作を受け付け(S31)、指定操作を受け付けたことをトリガとして指定情報をサーバ装置50へ送信する(S32)。
【0053】
サーバ装置50の指定受付部56は、第一情報端末100によって送信される指定情報を受信する。つまり、指定受付部56は、見守りサービスを提供する事業者のオペレータの第一時間帯の指定を受け付ける。決定部58は、指定情報によって指定される時間帯を第一時間帯に決定する(S33)。決定部58は、具体的には、第一時間帯の設定情報を記憶部53に記憶(更新)する。
【0054】
以上のような決定動作例1によれば、第一時間帯が第一情報端末100の操作者が指定する時間帯に決定される。
【0055】
また、図示されないが、サーバ装置50の指定受付部56は、第二情報端末110によって送信される指定情報を受信してもよい。つまり、指定受付部56は、ユーザの家族の第一時間帯の指定を受け付けてもよい。決定部58は、指定情報によって指定される時間帯を第一時間帯に決定する。これにより、第一時間帯が第二情報端末110の操作者が指定する時間帯に決定される。
【0056】
[第一時間帯の決定動作例2]
また、第一時間帯は、ユーザによって使用される機器(つまり、建物120に設置された機器)の動作が検出された時刻に基づいて決定されてもよい。第一時間帯は、例えば、電子レンジ70の動作が検出された時刻に基づいて決定されてもよい。
図5は、このような第一時間帯の決定動作例2のシーケンス図である。
【0057】
まず、制御装置40の通信部42は、電子レンジ70が接続された分岐回路の電気使用量情報を分電盤60から取得する(S41)。制御部41は、取得された電気使用量情報に基づいて電子レンジ70が動作を開始したと判定すると(S42)、検出通知情報を通信部42にサーバ装置50へ送信させる(S43)。
【0058】
通信部42によって送信された検出通知情報は、サーバ装置50の受信部55によって受信される。決定部58は、検出通知情報が受信された時刻を電子レンジ70の動作開始が検出された時刻とみなし、動作開始が検出された時刻を開始時刻とする一定期間を第一時間帯として決定する(S44)。一定期間は、例えば、1時間であるが特に限定されない。
【0059】
このように、サーバ装置50は、電子レンジ70などのユーザが食事に際して使用する機器の動作状態に基づいて第一時間帯を決定する。ユーザが食事に際して使用する機器は、言い換えれば、食事(または炊事)に関連する生活家電機器である。これにより、サーバ装置50は、食事が行われている時間帯(または、これに近い時間帯)を第一時間帯として決定することができる。なお、ユーザが食事に際して使用する機器としては、電子レンジ70以外に、電磁調理器、オーブントースター、食器洗い乾燥機、及び、電気ポットなどが例示される。
【0060】
[第一時間帯の決定動作例3]
また、第一時間帯は、機器を使用するためのユーザの動作が検出された時刻に基づいて決定されてもよい。第一時間帯は、例えば、冷蔵庫90の扉を開ける動作が検出された時刻に基づいて決定されてもよい。
図6は、このような第一時間帯の決定動作例3のシーケンス図である。
【0061】
まず、制御装置40の通信部42は、冷蔵庫90の扉の開閉状態の検出結果を示す検出情報を開閉センサ80から取得する(S51)。制御部41は、取得された検出情報に基づいて冷蔵庫90の扉が開いた(閉状態から開状態に変化した)と判定すると(S52)、検出通知情報を通信部42にサーバ装置50へ送信させる(S53)。
【0062】
通信部42によって送信された検出通知情報は、サーバ装置50の受信部55によって受信される。決定部58は、検出通知情報が受信された時刻をユーザが冷蔵庫90の扉を開ける動作が検出された時刻とみなし、動作が検出された時刻を開始時刻とする一定期間を第一時間帯として決定する(S54)。一定期間は、例えば、1時間であるが特に限定されない。
【0063】
なお、検出通知情報は、冷蔵庫90の扉が閉まった(開状態から閉状態に変化した)と判定された場合に送信されてもよい。つまり、決定部58は、検出通知情報が受信された時刻をユーザが冷蔵庫90の扉を閉じる動作が検出された時刻とみなし、動作が検出された時刻を開始時刻とする一定期間を第一時間帯として決定してもよい。
【0064】
このように、サーバ装置50は、例えば、冷蔵庫90などの機器をユーザが使用するための動作状態に基づいて第一時間帯を決定する。これにより、サーバ装置50は、食事が行われている時間帯(または、これに近い時間帯)を第一時間帯として決定することができる。
【0065】
また、決定動作例3では、開閉センサ80に代えて、ユーザが食事に際して使用する機器の近傍に設置された人感センサが用いられてもよい。このような人感センサによってもユーザの動作を検出することができる。
【0066】
[動作例2]
検知信号の受信時刻が第一時間帯に属するか否かの判定は、制御装置40によって行われてもよい。以下、このような見守りシステム10の動作例2について説明する。
図7は、見守りシステム10の動作例2のシーケンス図である。
【0067】
ユーザがコールボタン20の押しボタン21を操作すると、検知部22はこの押しボタン21への操作を検知し(S61)、通信部23に検知信号を制御装置40へ送信させる(S62)。
【0068】
送信された検知信号は、制御装置40の通信部42によって受信される。通信部42は、受信部の別の一例である。制御部41は、通信部42によって検知信号が受信されると、判定処理を行う(S63)。判定処理については、
図3と同様である。このような判定は、例えば、制御部41によって行われる。判定処理の結果、制御部41は、第一通知情報及び第二通知情報を選択的に出力する。つまり、制御部41は、出力部の別の一例である。
【0069】
判定処理が行われた後、通信部42は、制御部41によって出力された通知情報(第一通知情報または第二通知情報)をサーバ装置50へ送信する(S64)。
【0070】
送信された通知情報は、サーバ装置50の通信部52によって受信される。情報処理部51は、通信部52によって通知情報が受信されると、通信部52に通知情報を第一情報端末100へ送信させる(S65)。つまり、
サーバ装置50は、通知情報の中継を行う。送信された通知情報は、第一情報端末100によって受信される。なお、
図7では図示されないが、通知情報は、第一情報端末100に加えて、または、第一情報端末100に代えて第二情報端末110に送信されてもよい。
【0071】
このように、判定処理は、制御装置40によって行われてもよい。同様に、上記決定動作例1~3で説明された第一時間帯の決定も制御装置40によって行われてもよい。この場合、制御部41は、決定部の別の一例である。つまり、判定処理、及び、第一時間帯の決定は、情報処理システム30(制御装置40またはサーバ装置50)によって行われればよい。
【0072】
[効果等]
以上説明したように、情報処理システム30は、押しボタン21、及び、押しボタン21がユーザによって操作されたことが検知されると外部に検知信号を送信する通信部23を備えるコールボタン20によって送信された検知信号を受信する受信部55と、所定の期間内の第一時間帯において検知信号が受信された場合に、第一通知情報を出力し、所定の期間内の第一時間帯と異なる第二時間帯において検知信号が受信された場合に、第一通知情報と異なる第二通知情報を出力する出力部57とを備える。押しボタン21は、操作部の一例であり、コールボタン20は、操作端末の一例である。
【0073】
このような情報処理システム30は、押しボタン21へ操作が行われた時間帯に応じて出力する通知情報を異ならせることで、1つのコールボタン20を用いて複数種類の通知を実現することができる。
【0074】
また、例えば、出力部57は、第一時間帯において複数回検知信号が受信された場合に、第二通知情報を出力する。
【0075】
このような情報処理システム30は、第一時間帯において複数回検知信号が受信された場合に、通知の種類を変更することができる。
【0076】
また、例えば、情報処理システム30は、さらに、第一時間帯の指定を受け付ける指定受付部56を備える。
【0077】
このような情報処理システム30は、ユーザなどが指定する時間帯に応じて、出力する通知情報を異ならせることができる。
【0078】
また、例えば、情報処理システム30は、さらに、ユーザによって使用される機器の動作が検出された時刻に基づいて第一時間帯を決定する決定部58を備える。
【0079】
このような情報処理システム30は、機器の動作が検出された時刻に基づいて定められる時間帯に応じて、出力する通知情報を異ならせることができる。
【0080】
また、例えば、決定部58は、ユーザによって使用される機器の動作が検出された時刻を開始時刻とする一定期間を第一時間帯として決定する。
【0081】
このような情報処理システム30は、機器の動作が検出された時刻を開始時刻とする時間帯に応じて、出力する通知情報を異ならせることができる。
【0082】
また、例えば、上記機器は、電子レンジ70である。
【0083】
このような情報処理システム30は、電子レンジの動作が検出された時刻に基づいて定められる時間帯(例えば、ユーザが食事をしていると推定される時間帯)に応じて、出力する通知情報を異ならせることができる。
【0084】
また、例えば、情報処理システム30は、さらに、機器を使用するためのユーザの動作が検出された時刻に基づいて第一時間帯を決定する決定部58を備える。
【0085】
このような情報処理システム30は、ユーザの動作が検出された時刻に基づいて定められる時間帯に応じて、出力する通知情報を異ならせることができる。
【0086】
また、例えば、決定部58は、ユーザの動作が検出された時刻を開始時刻とする一定期間を第一時間帯として決定する。
【0087】
このような情報処理システム30は、ユーザの動作が検出された時刻を開始時刻とする時間帯に応じて、出力する通知情報を異ならせることができる。
【0088】
また、例えば、上記機器は、冷蔵庫90であり、ユーザの動作は、ユーザが冷蔵庫90の扉を開ける動作、または、ユーザが冷蔵庫90の扉を閉める動作である。
【0089】
このような情報処理システム30は、ユーザの冷蔵庫90を開ける動作、または、ユーザが冷蔵庫90を閉める動作が検出された時刻を開始時刻とする時間帯に応じて、出力する通知情報を異ならせることができる。
【0090】
また、例えば、第一通知情報は、ユーザが無事に食事を終えたことを通知するための情報であり、第二通知情報は、ユーザに異常が発生したことを通知するための情報である。
【0091】
このような情報処理システム30は、1つのコールボタン20を用いて、ユーザが無事に食事を終えたことを示す通知、及び、ユーザに異常が発生したことを示す通知の2種類の通知を実現することができる。
【0092】
また、情報処理システム30などのコンピュータによって実行される情報処理方法は、押しボタン21、及び、押しボタン21がユーザによって操作されたことが検知されると外部に検知信号を送信する通信部23を備えるコールボタン20によって送信された検知信号を受信し(S13)、所定の期間内の第一時間帯において検知信号が受信された場合に、第一通知情報を出力し(S23)、所定の期間内の第一時間帯と異なる第二時間帯において検知信号が受信された場合に、第一通知情報と異なる第二通知情報を出力する(S24)。押しボタン21は、操作部の一例であり、コールボタン20は、操作端末の一例である。
【0093】
このような情報処理方法は、押しボタン21へ操作が行われた時間帯に応じて出力する通知情報を異ならせることで、1つのコールボタン20を用いて複数種類の通知を実現することができる。
【0094】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0095】
例えば、上記実施の形態では、情報処理システムが見守りシステムに適用される例について説明されたが、情報処理システムは、見守りシステム以外のシステムに適用されてもよい。また、情報処理システムは、操作部への操作が行われた時間帯に応じて異なる通知情報を出力すればよく、通知情報の具体的な内容、及び、通知の用途については特に限定されない。
【0096】
また、上記実施の形態では、情報処理システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置(例えば、制御装置及びサーバ装置のいずれかの装置)によって実現されてもよい。情報処理システムが複数の装置によって実現される場合、情報処理システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0097】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。また、上記実施の形態で説明された情報の伝達経路は、シーケンス図に示される伝達経路に限定されない。
【0098】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0099】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0100】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0101】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0102】
例えば、本発明は、制御装置またはサーバ装置として実現されてもよい。また、本発明は、上記実施の形態の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0103】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0104】
20 コールボタン(操作端末)
21 押しボタン(操作部)
22 検知部
23 通信部
30 情報処理システム
55 受信部
56 指定受付部
57 出力部
58 決定部
70 電子レンジ
90 冷蔵庫