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特許7203358リチウムイオン電池用負極活物質及びリチウムイオン電池
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  • 特許-リチウムイオン電池用負極活物質及びリチウムイオン電池 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】リチウムイオン電池用負極活物質及びリチウムイオン電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/38 20060101AFI20230105BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20230105BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20230105BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALI20230105BHJP
   C01B 33/32 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
H01M4/38 Z
H01M4/36 A
H01M10/052
H01M10/0566
C01B33/32
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019557074
(86)(22)【出願日】2018-10-26
(86)【国際出願番号】 JP2018039807
(87)【国際公開番号】W WO2019107032
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2017230214
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内山 洋平
(72)【発明者】
【氏名】山本 格久
(72)【発明者】
【氏名】明楽 達哉
(72)【発明者】
【氏名】林田 和朗
【審査官】小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-095301(JP,A)
【文献】特開2016-225207(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121324(WO,A1)
【文献】特開2013-161705(JP,A)
【文献】特表2012-527741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/13-4/62
H01M 10/05-10/0587
C01B 33/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビッカース硬度150Hv以上のナトリウムシリケート相と、
前記ナトリウムシリケート相中に分散したシリコン粒子と、を含む複合粒子を有し、
前記シリコン粒子の含有量は、前記複合粒子の総質量に対して20質量%~95質量%であり、前記シリコン粒子の平均粒径は、500nm以下である、リチウムイオン電池用負極活物質。
【請求項2】
前記ナトリウムシリケート相は、NaO・XSiO{1≦X≦9}で表されるナトリウムシリケートを含む、請求項1に記載のリチウムイオン電池用負極活物質。
【請求項3】
前記複合粒子の平均粒径は、3μm~20μmの範囲である、請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用負極活物質。
【請求項4】
前記複合粒子のBET比表面積は、3 /g以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用負極活物質。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用負極活物質を有する負極と、正極と、溶媒とリチウム塩を含む電解質と、を備えたリチウムイオン電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リチウムイオン電池用負極活物質及びリチウムイオン電池に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン(Si)、SiOで表されるシリコン酸化物などのシリコン材料は、黒鉛などの炭素材料と比べて単位体積当りに多くのリチウムイオンを吸蔵できることが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、SiOを黒鉛と混合して負極活物質としたリチウムイオン電池が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-233245号公報
【発明の概要】
【0005】
ところで、シリコン粒子を負極活物質として用いたリチウムイオン電池においては、充放電サイクル特性の改善が望まれている。
【0006】
そこで、本開示の目的は、シリコン粒子を負極活物質として用いたリチウムイオン電池の充放電サイクル特性の低下を抑制することが可能なリチウムイオン電池用負極活物質およびリチウムイオン電池を提供することにある。
【0007】
本開示の一態様であるリチウムイオン電池用負極活物質は、ビッカース硬度150Hv以上のナトリウムシリケート相と、前記ナトリウムシリケート相中に分散したシリコン粒子と、を含む複合粒子を有する。
【0008】
本開示の一態様であるリチウムイオン電池は、上記リチウムイオン電池用負極活物質を有する負極と、正極と、溶媒とリチウム塩とを含む電解質と、を備える。
【0009】
本開示の一態様によれば、シリコン粒子を負極活物質として用いたリチウムイオン電池の充放電サイクル特性の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の一例である負極活物質粒子を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
負極活物質としてシリコン粒子を用いた場合、電池の充放電時には、例えば、下記の反応が起こる。
【0012】
充電:Si+4Li+4e → LiSi
放電:LiSi → Si+4Li+4e
通常、シリコン粒子は、上記の充放電反応に伴う体積変化が大きいため、充放電サイクルを重ねると粒子構造が破壊され、電池の充放電サイクル特性が低下する。そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、所定硬度以上のナトリウムシリケート相にシリコン粒子を分散させることで、充放電反応に伴うシリコン粒子の体積変化を抑え、粒子構造の破壊を抑制することができることを見出し、以下に示す態様のリチウムイオン電池用負極活物質を想到するに至った。
【0013】
本開示の一態様であるリチウムイオン電池用負極活物質は、ビッカース硬度150Hv以上のナトリウムシリケート相と、前記ナトリウムシリケート相中に分散したシリコン粒子と、を含む複合粒子を有する。ビッカース硬度150Hv以上のナトリウムシリケート相にシリコン粒子を分散させることで、充放電反応に伴うシリコン粒子の体積変化が低減され、粒子構造の破壊が抑制される。また、ナトリウムシリケート相は、リチウムイオンとの反応性が低く、良好なリチウムイオン伝導性を示すため、ナトリウムシリケート相自身の体積変化は小さく、リチウムイオンがナトリウムシリケート相内を比較的スムーズに移動すると考えられる。これらのことから、本開示の一態様であるリチウムイオン電池用負極活物質を用いることで、電池の充放電サイクル特性の低下が抑制されると考えられる。
【0014】
以下、実施形態の一例について詳細に説明する。実施形態の説明で参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは、現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
【0015】
実施形態の一例であるリチウムイオン電池は、上記負極活物質を含む負極と、正極と、非水電解質とを備える。正極と負極との間には、セパレータを設けることが好適である。リチウムイオン電池の構造の一例としては、正極及び負極がセパレータを介して巻回されてなる電極体と、電解質とが外装体に収容された構造が挙げられる。或いは、巻回型の電極体の代わりに、正極及び負極がセパレータを介して積層されてなる積層型の電極体など、他の形態の電極体が適用されてもよい。リチウムイオン電池は、例えば円筒型、角型、コイン型、ボタン型、ラミネート型など、いずれの形態であってもよい。
【0016】
[正極]
正極は、例えば金属箔等からなる正極集電体と、当該集電体上に形成された正極合材層とで構成されることが好適である。正極集電体には、アルミニウムなどの正極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。正極合材層は、正極活物質の他に、導電材及び結着材を含むことが好適である。また、正極活物質の粒子表面は、酸化アルミニウム(Al)等の酸化物、リン酸化合物、ホウ酸化合物等の無機化合物の微粒子で覆われていてもよい。
【0017】
正極活物質としては、Co、Mn、Ni等の遷移金属元素を含有するリチウム遷移金属酸化物が例示できる。リチウム遷移金属酸化物は、例えばLiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNi1-y、LiCo1-y、LiNi1-y、LiMn、LiMn2-y、LiMPO、LiMPOF(M;Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bのうち少なくとも1種、0<x≦1.2、0<y≦0.9、2.0≦z≦2.3)である。これらは、1種単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
【0018】
導電材としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素材料等が例示できる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が例示できる。また、これらの樹脂と、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩(CMC-Na、CMC-K、CMC-NH等、また部分中和型の塩であってもよい)、ポリエチレンオキシド(PEO)等が併用されてもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
[負極]
負極は、例えば金属箔等からなる負極集電体と、当該集電体上に形成された負極合材層とで構成されることが好適である。負極集電体には、銅などの負極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極合材層は、負極活物質の他に、結着材を含むことが好適である。結着材としては、正極の場合と同様にフッ素系樹脂、PAN、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。水系溶媒を用いて合材スラリーを調製する場合は、CMC又はその塩(CMC-Na、CMC-K、CMC-NH等、また部分中和型の塩であってもよい)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)又はその塩(PAA-Na、PAA-K等、また部分中和型の塩であってもよい)、ポリビニルアルコール(PVA)等を用いることが好ましい。
【0021】
図1に実施形態の一例である負極活物質粒子の断面図を示す。図1に示す負極活物質粒子10は、ナトリウムシリケート相11と、ナトリウムシリケート相11中に分散したシリコン粒子12と、を含む複合粒子13を備える。図1に示す負極活物質粒子10は、複合粒子13の表面に形成された導電層14を有することが好適である。
【0022】
複合粒子13は、ナトリウムシリケート相11、シリコン粒子12以外の第3成分を含んでいてもよい。第3成分としては、例えば、リチウムシリケート相、シリコン粒子12の表面に形成される自然酸化膜としてのSiO、その他の元素、化合物、不可避的な不純物等が挙げられる。リチウムシリケート相は、例えば、Li2zSiO(2+z)(0<z<2)で表されるリチウムシリケート等であり、具体的には、LiSiO(Z=1)、LiSi(Z=1/2)等である。シリコン粒子12の表面に形成される自然酸化膜のSiOの含有量は、負極活物質粒子10の総量に対して、好ましくは10質量%未満、より好ましくは7質量%未満である。
【0023】
シリコン粒子12は、黒鉛等の炭素材料と比べてより多くのリチウムイオンを吸蔵できることから、シリコン粒子12を用いることで電池の高容量化に寄与する。
【0024】
シリコン粒子12の含有量は、高容量化及びサイクル特性の向上等の観点から、複合粒子13の総質量に対して20質量%~95質量%であることが好ましく、35質量%~75質量%がより好ましい。シリコン粒子12の含有量が低すぎると、例えば充放電容量が低下し、またリチウムイオンの拡散不良により負荷特性が低下する場合がある。シリコン粒子12の含有量が高すぎると、例えば、充放電サイクル特性の低下抑制効果が低減する場合がある。
【0025】
シリコン粒子12の平均粒径は、例えば初回充電前において500nm以下であり、200nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。初回充電後においては、400nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。シリコン粒子12の平均粒径を上記範囲とすることにより、充放電時の体積変化が小さくなり活物質粒子の割れを抑制し易くなる。シリコン粒子12の平均粒径は、負極活物質粒子10の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより測定され、具体的には100個のシリコン粒子12の個々の面積を相当円直径に変換し平均することで求められる。
【0026】
ナトリウムシリケート相11のビッカース硬度は150Hv以上であり、好ましくは300Hv以上である。ナトリウムシリケート相11のビッカース硬度が150Hv未満であると、充放電反応に伴うシリコン粒子の体積変化が低減されず、電池の充放電サイクル特性の低下が抑制されない。ナトリウムシリケート相11のビッカース硬度の上限値は800Hv以下であることが好ましい。ナトリウムシリケート相11のビッカース硬度が800Hvを超えると、800Hv以下の場合と比較して、ナトリウム量が少なくなることで、ナトリウムシリケート相11のリチウムイオン伝導性が低下し、電池の充放電サイクル特性の低下抑制効果が低減する場合がある。
【0027】
ナトリウムシリケート相11のビッカース硬度は以下のように測定することができる。粉砕前のブロック状態であるナトリウムシリケート相11を熱硬化性樹脂に埋め込み、400番の研磨紙で研磨してナトリウムシリケート相11の断面を表出させる。さらに2000番の研磨紙、バフ研磨で断面を鏡面仕上げする。ナトリウムシリケート相11は水に溶解する可能性があるため、水を用いずに研磨を行う。研磨後の断面をビッカース硬度計を用い、荷重1kg、保持時間15秒でビッカース硬度を測定する。
【0028】
ナトリウムシリケート相11を構成するナトリウムシリケートは、150Hv以上のビッカース硬度を確保することができれば如何なる組成でもよいが、充放電サイクル特性の低下をより抑制することができる点で、NaO・XSiO{1≦X≦9}で表されるナトリウムシリケートを含むことが好ましい。NaO・XSiOにおいて、Xが1未満であると、ナトリウムシリケート中のナトリウムの割合が高くなり過ぎて、吸湿性が高くなり、ビッカース硬度150Hv以上のナトリウムシリケート相11を形成することが困難となる。また、NaO・XSiOにおいて、Xが9超であると、ナトリウムシリケート中のナトリウムの割合が低くなり過ぎて、例えばナトリウムシリケート相11のリチウムイオン伝導性が低下する場合がある。すなわち、NaO・XSiOにおいて、Xが1未満及び9超のいずれの場合も、Xが1~9の範囲の場合と比較して、電池の充放電サイクル特性の低下抑制効果が低減する場合がある。
【0029】
NaO・XSiO{1≦X≦9}で表されるナトリウムシリケートの含有量は、電池の充放電サイクル特性の低下をより抑制する点等で、ナトリウムシリケート相11の総質量に対して50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上がより好ましい。
【0030】
シリコン粒子12は、微細な粒子の集合により構成されることが好適である。ナトリウムシリケート相11は、珪素とナトリウムが酸素を介し3次元または2次元状態で繋がった形態を呈しており、それが結晶状態でも非晶質状態、或いはその混合体でも構わない。
【0031】
ナトリウムシリケート相11における各元素(Na、Si)の定量は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)を用いて以下の方法により推定することができる。
【0032】
まずナトリウムシリケート相11を加熱した酸溶液(フッ化水素酸と硝酸、硫酸の混酸)で試料を全溶解し、溶解残渣の炭素をろ過して除去後、得られたろ液をICP-AESにて分析して各金属元素のスペクトル強度を測定する。市販されている金属元素の標準溶液を用いて検量線を作成し、ナトリウムシリケート相11に含まれる各金属元素の含有量を算出する。
【0033】
ナトリウムシリケート相11の含有量は、サイクル特性の向上等の観点から、複合粒子13の総質量に対して5質量%~80質量%であることが好ましく、25質量%~65質量%がより好ましい。
【0034】
複合粒子13の平均粒径は、例えば、3~20μmの範囲が好ましく、5~10μmの範囲がより好ましい。ここで、複合粒子13の平均粒径とは、レーザー回折散乱法(例えば、HORIBA製「LA-750」を用いて)で測定される粒度分布において体積積算値が50%となる粒径(体積平均粒径)を意味する。複合粒子13の平均粒径が3μm未満又は20μm超であると、上記範囲を満たす場合と比較して、充放電サイクル特性の低下抑制効果が低減する場合がある。なお、複合粒子13の表面に導電層14が形成されている負極活物質粒子10の場合も同様に、負極活物質粒子10の平均粒径は、3~20μmの範囲が好ましく、5~10μmの範囲がより好ましい。
【0035】
複合粒子13のBET比表面積は、例えば、3g/m以下であることが好ましく、0.5~3g/mの範囲であることがより好ましい。BET比表面積は、JIS R1626記載のBET法(窒素吸着法)に従って測定した値である。複合粒子13のBET比表面積が3g/m超であると、上記範囲を満たす場合と比較して、充放電サイクル特性の低下抑制効果が低減する場合がある。なお、複合粒子13の表面に導電層14が形成されている負極活物質粒子10の場合も同様に、負極活物質粒子10のBET比表面積は、3g/m以下であることが好ましく、0.5~3g/mの範囲であることがより好ましい。
【0036】
リチウムイオン電池用負極活物質としては、複合粒子13のみ又は複合粒子13の表面に導電層14が形成されている負極活物質粒子10のみを単独で用いてもよいし、その他の活物質を併用してもよい。他の活物質としては、例えば黒鉛等の炭素材料が好ましい。炭素材料を併用する場合、複合粒子13又は負極活物質粒子10と炭素材料との割合は、高容量化及び充放電サイクル特性の向上等の点から、質量比で99:1~70:30が好ましい。
【0037】
複合粒子13は、例えば下記の工程1~4を経て作製される。以下の工程は、いずれも不活性雰囲気中で行うことが好ましいが、工程1は大気雰囲気で行うことも可能である。
【0038】
(1)Na原料と、Si原料とを、所定量混合した混合物を加熱溶融し、融液を金属ローラに通し、フレーク化したナトリウムシリケートを作製する。なお、フレーク化したナトリウムシリケートを大気雰囲気で、ガラス転移点以上融点以下の温度で熱処理して、結晶化させてもよい。また、所定量混合した混合物を加熱溶融せずに、結晶融点以下の温度で焼成して固相反応によりナトリウムシリケートを作製してもよい。Na原料は、例えば、酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。Si原料は、酸化ケイ素等が挙げられる。ナトリウム以外の不純物金属(例えば、リチウム、カリウム、カルシウムなど)がナトリウムシリケートに混入することを避けることが望ましいが、不可避の不純物金属が混入してしまう場合は、およそ3mol%以下に抑えることが好ましい。
【0039】
(2)上記ナトリウムシリケートを平均粒径が数μm~数十μm程度に粉砕することにより得られたナトリウムシリケート粉末と、平均粒径が数μm~数十μm程度のSi粉末とを、例えば5:95~80:20の重量比で混合して混合物を作製する。
【0040】
(3)次に、ボールミルを用いて上記混合物を粉砕し微粒子化する。なお、それぞれの原料粉末を微粒子化してから、混合物を作製することも可能である。
【0041】
(4)粉砕された混合物を、例えば600~1000℃で熱処理する。当該熱処理では、ホットプレスのように圧力を印加して上記混合物の焼結体を作製してもよい。また、ボールミルを使用せず、Si粉末及びシリケート粉末を混合して熱処理を行ってもよい。これらの工程を経ることで、複合粒子13を作製することができる。
【0042】
導電層14を構成する導電材料としては、電気化学的に安定なものが好ましく、炭素材料、金属、及び金属化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。当該炭素材料には、正極合材層の導電材と同様に、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛、及びこれらの2種以上の混合物などを用いることができる。当該金属には、負極の電位範囲で安定な銅、ニッケル、及びこれらの合金などを用いることができる。当該金属化合物としては、銅化合物、ニッケル化合物等が例示できる(金属又は金属化合物の層は、例えば無電解めっきにより複合粒子13の表面に形成できる)。中でも、炭素材料を用いることが特に好ましい。
【0043】
複合粒子13の表面を炭素材料で被覆する方法としては、アセチレン、メタン等を用いたCVD法、石炭ピッチ、石油ピッチ、フェノール樹脂等を複合粒子13と混合し、熱処理を行う方法などが例示できる。また、カーボンブラック、ケッチェンブラック等を結着材を用いて複合粒子13の表面に固着させてもよい。
【0044】
導電層14は、複合粒子13の表面の略全域を覆っていることが好適である。導電層14の厚みは、導電性の確保と複合粒子13へのリチウムイオンの拡散性を考慮して、1~200nmが好ましく、5~100nmがより好ましい。導電層14の厚みが薄くなり過ぎると、導電性が低下し、また複合粒子13を均一に被覆することが難しくなる。一方、導電層14の厚みが厚くなり過ぎると、複合粒子13へのリチウムイオンの拡散が阻害されて容量が低下する傾向にある。導電層14の厚みは、SEM又はTEM等を用いた粒子の断面観察により計測できる。
【0045】
[電解質]
電解質は、溶媒と、溶媒に溶解した電解質塩とを含む。電解質は、液体電解質に限定されず、ゲル状ポリマー等を用いた固体電解質であってもよい。溶媒には、例えばエステル類、エーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、及びこれらの2種以上の混合溶媒等からなる非水溶媒や水系溶媒を用いることができる。非水溶媒は、これら溶媒の水素の少なくとも一部をフッ素等のハロゲン原子で置換したハロゲン置換体を含有していてもよい。
【0046】
上記エステル類の例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、γ-ブチロラクトン(GBL)、γ-バレロラクトン(GVL)等の環状カルボン酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル、γ-ブチロラクトン等の鎖状カルボン酸エステルなどが挙げられる。
【0047】
上記エーテル類の例としては、1,3-ジオキソラン、4-メチル-1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,3,5-トリオキサン、フラン、2-メチルフラン、1,8-シネオール、クラウンエーテル等の環状エーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o-ジメトキシベンゼン、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1-ジメトキシメタン、1,1-ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の鎖状エーテル類などが挙げられる。
【0048】
上記ハロゲン置換体としては、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等のフッ素化環状炭酸エステル、フッ素化鎖状炭酸エステル、フルオロプロピオン酸メチル(FMP)等のフッ素化鎖状カルボン酸エステル等を用いることが好ましい。
【0049】
電解質塩は、リチウム塩が用いられる。リチウム塩の例としては、LiBF、LiClO4、LiPF、LiAsF、LiSbF6、LiAlCl4、LiSCN、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(P(C)F)、LiPF6-x(C2n+1(1<x<6,nは1又は2)、LiB10Cl10、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、Li、Li(B(C)F)等のホウ酸塩類、LiN(SOCF、LiN(C2l+1SO)(C2m+1SO){l,mは0以上の整数}等のイミド塩類などが挙げられる。リチウム塩は、これらを1種単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。これらのうち、イオン伝導性、電気化学的安定性等の観点から、LiPFを用いることが好ましい。リチウム塩の濃度は、非水溶媒1L当り0.8~1.8molとすることが好ましい。
【0050】
[セパレータ]
セパレータには、例えば、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、セルロースなどが好適である。セパレータは、セルロース繊維層及びオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂繊維層を有する積層体であってもよい。
【実施例
【0051】
以下、実施例により本開示をさらに説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0052】
<実施例1>
[負極活物質の作製]
炭酸ナトリウム50モル%、酸化ケイ素(SiO)50モル%を混合した。この混合物を、不活性雰囲気中で、1200℃、5時間溶解し、融液を金属ローラーに通して、フレーク状のナトリウムシリケートを作製した。当該ナトリウムシリケートのビッカース硬度は300Hvであった。当該ナトリウムシリケートは、NaOが50モル%、SiOが50モル%の割合であり、NaO・XSiO{X=1}で表されるナトリウムシリケートである。
【0053】
上記ナトリウムシリケートを平均粒径が10μmになるまで粉砕して、ナトリウムシリケート粉末を得た。そして、不活性雰囲気中で、Si粉末(3N、10μm粉砕品)及び上記シリケート粉末を、42:58の質量比で混合し、遊星ボールミル(フリッチュ製、P-5)のポット(SUS製、容積:500mL)に充填した。当該ポットにSUS製ボール(直径20mm)を24個入れてフタを閉め、200rpmで25時間粉砕処理した。その後、不活性雰囲気中で粉末を取り出し、温度600℃の条件で、不活性雰囲気・600℃×4時間の熱処理を行った。熱処理した粉末(以下、複合粒子という)を粉砕し、40μmのメッシュに通した後、石炭ピッチ(JFEケミカル製、MCP250)と混合して、不活性雰囲気・800℃×5時間の熱処理を行い、複合粒子の表面を炭素で被覆して導電層を形成した。炭素の被覆量は、複合粒子、導電層を含む粒子の総質量に対して5質量%である。その後、エルボージェット分級機を用いて平均粒径を10μmに調整した負極活物質を得た。負極活物質のBET比表面積は1g/mであった。
【0054】
[負極活物質の分析]
負極活物質の粒子断面をSEMで観察した結果、ナトリウムシリケートからなるマトリックス中にSi粒子が略均一に分散していることが確認された。負極活物質のXRDパターンには、Si、ナトリウムシリケートに由来するピークが確認された。
【0055】
[負極の作製]
次に、上記負極活物質及びポリアクリロニトリル(PAN)を、95:5の質量比で混合し、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を添加した後、混合機(シンキー製、あわとり練太郎)を用いて攪拌して、負極合材スラリーを調製した。そして、銅箔の片面に負極合材層の1m当りの質量が25gとなるように当該スラリーを塗布し、大気中、105℃で塗膜を乾燥した後、圧延することにより負極を作製した。負極合材層の充填密度は、1.50g/cmとした。
【0056】
[非水電解液の調製]
エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを、3:7の体積比で混合した混合溶媒に、LiPFを濃度が1.0mol/Lとなるように添加して非水電解液を調製した。
【0057】
[リチウムイオン電池の作製]
不活性雰囲気中で、Niタブを取り付けた上記負極及びリチウム金属箔を、ポリエチレン製セパレータを介して対向配置させることにより電極体とした。当該電極体をアルミニウムラミネートフィルムで構成される電池外装体内に入れ、非水電解液を電池外装体内に注入し、電池外装体を封止して、電池を作製した。
【0058】
<実施例2>
炭酸ナトリウム33.3モル%、酸化ケイ素(SiO)66.6モル%を混合し、この混合物を、不活性雰囲気中で、1200℃、5時間溶解したこと以外は、実施例1と同様にナトリウムシリケートを作製した。当該ナトリウムシリケートのビッカース硬度は310Hvであった。当該ナトリウムシリケートは、NaOが33.3モル%、SiOが66.6モル%の割合であり、NaO・XSiO{X=2}で表されるナトリウムシリケートである。
【0059】
上記ナトリウムシリケートを用いたこと、エルボージェット分級機を用いて平均粒径を1μmに調整した負極活物質を得たこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。実施例2の負極活物質のBET比表面積は8g/mであった。
【0060】
<実施例3>
実施例2のナトリウムシリケートを用いたこと、エルボージェット分級機用いて平均粒径を3μmに調整した負極活物質を得たこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。実施例3の負極活物質のBET比表面積は3g/mであった。
【0061】
<実施例4>
実施例2のナトリウムシリケートを用いたこと、エルボージェット分級機を用いて平均粒径を5μmに調整した負極活物質を得たこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。実施例4の負極活物質のBET比表面積は2g/mであった。
【0062】
<実施例5>
実施例2のナトリウムシリケートを用いたこと、エルボージェット分級機を用いて平均粒径を10μmに調整した負極活物質を得たこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。実施例5の負極活物質のBET比表面積は1g/mであった。
【0063】
<実施例6>
実施例2のナトリウムシリケートを用いたこと、エルボージェット分級機を用いて平均粒径を20μmに調整した負極活物質を得たこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。実施例6の負極活物質のBET比表面積は0.5g/mであった。
【0064】
<実施例7>
実施例2のナトリウムシリケートを用いたこと、エルボージェット分級機を用いて平均粒径を30μmに調整した負極活物質を得たこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。実施例7の負極活物質のBET比表面積は0.3g/mであった。
【0065】
<実施例8>
炭酸ナトリウム20モル%、酸化ケイ素(SiO)80モル%を混合し、この混合物を、不活性雰囲気中で、1500℃、5時間溶解したこと以外は、実施例1と同様にナトリウムシリケートを作製した。当該ナトリウムシリケートのビッカース硬度は350Hvであった。当該ナトリウムシリケートは、NaOが20モル%、SiOが80モル%の割合であり、NaO・XSiO{X=4}で表されるナトリウムシリケートである。
【0066】
上記ナトリウムシリケートを用いたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
【0067】
<実施例9>
炭酸ナトリウム10モル%、酸化ケイ素(SiO)90モル%を混合し、この混合物を、不活性雰囲気中で、1600℃、5時間溶解したこと以外は、実施例1と同様にナトリウムシリケートを作製した。当該ナトリウムシリケートのビッカース硬度は400Hvであった。当該ナトリウムシリケートは、NaOが10モル%、SiOが90モル%の割合であり、NaO・XSiO{X=9}で表されるナトリウムシリケートである。
【0068】
上記ナトリウムシリケートを用いたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
【0069】
<実施例10>
炭酸ナトリウム5モル%、酸化ケイ素(SiO)95モル%を混合し、この混合物を、不活性雰囲気中で、1700℃、5時間溶解したこと以外は、実施例1と同様にナトリウムシリケートを作製した。当該ナトリウムシリケートのビッカース硬度は500Hvであった。当該ナトリウムシリケートは、NaOが5モル%、SiOが95モル%の割合であり、NaO・XSiO{X=19}で表されるナトリウムシリケートである。
【0070】
<実施例11>
炭酸ナトリウム4モル%、酸化ケイ素(SiO)96モル%を混合し、この混合物を、不活性雰囲気中で、1700℃、5時間溶解したこと以外は、実施例1と同様にナトリウムシリケートを作製した。当該ナトリウムシリケートのビッカース硬度は800Hvであった。当該ナトリウムシリケートは、NaOが4モル%、SiOが96モル%の割合であり、NaO・XSiO{X=24}で表されるナトリウムシリケートである。
【0071】
<比較例1>
炭酸ナトリウム80モル%、酸化ケイ素(SiO)20モル%を混合し、この混合物を、不活性雰囲気中で、1000℃、5時間溶解したこと以外は、実施例1と同様にナトリウムシリケートを作製した。当該ナトリウムシリケートのビッカース硬度は150Hv未満であった。当該ナトリウムシリケートは、NaOが80モル%、SiOが20モル%の割合であり、NaO・XSiO{X=0.25}で表されるナトリウムシリケートである。
【0072】
上記ナトリウムシリケートを用いたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
【0073】
<比較例2>
炭酸ナトリウム66.6モル%、酸化ケイ素(SiO)33.3モル%を混合し、この混合物を、不活性雰囲気中で、1000℃、5時間溶解したこと以外は、実施例1と同様にナトリウムシリケートを作製した。当該ナトリウムシリケートのビッカース硬度は150Hv未満であった。当該ナトリウムシリケートは、NaOが66.6モル%、SiOが33.3モル%の割合であり、NaO・XSiO{X=0.5}で表されるナトリウムシリケートである。
【0074】
上記ナトリウムシリケートを用いたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
【0075】
[充放電サイクル試験]
各実施例及び各比較例の電池について、以下の方法で充放電サイクル試験を行った。
【0076】
1Itの電流で電圧が0Vになるまで充電を行った後、1.0Itの電流で電圧が1.0Vになるまで放電を行った。上記充放電を300サイクル行った。そして、以下の式により容量維持率を算出した。なお、容量維持率が高いほど充放電サイクル特性の低下が抑制されたことを示す。
【0077】
容量維持率(%)=(300サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
表1に、各実施例及び各比較例の容量維持率の結果を示す。表1の容量維持率は、実施例10の容量維持率を基準(100)として、他の実施例の容量維持率を相対的に示した値である。
【0078】
【表1】
【0079】
比較例1及び2のナトリウムシリケート相は、NaO・XSiO{X<1}で表されるナトリウムシリケートを含み、ビッカース硬度が150Hv未満である。このようなナトリウムシリケート相は吸湿性が非常に高いため、当該ナトリウムシリケート相中に分散したシリコン粒子を含む複合粒子は、負極活物質として機能せず、電池の充放電サイクル試験を行うことができなかった。
【0080】
実施例1~11のナトリウムシリケート相は、NaO・XSiO{1≦X}で表されるナトリウムシリケートを含み、ビッカース硬度が150Hv以上である。このようなナトリウムシリケート相と、当該ナトリウムシリケート相中に分散したシリコン粒子とを含む複合粒子は、シリコン粒子単体を負極活物質とした場合と比較して、充放電サイクルにおける粒子破壊が抑制され、充放電サイクル特性の低下が抑制された。
【0081】
実施例1~11の中では、NaO・XSiO{1≦X≦9}で表されるナトリウムシリケートを含むナトリウムシリケート相を用いた実施例1~9が、NaO・XSiO{9<X}で表されるナトリウムシリケートを含むナトリウムシリケート相を用いた実施例10,11と比較して、充放電サイクル特性の低下がより抑制された。
【0082】
実施例2~7の中では、負極活物質の平均粒径が3μm~20μmの範囲である実施例3~6が、負極活物質の平均粒径が3μm未満又は20μm超である実施例2及び7と比較して、充放電サイクル特性の低下がより抑制された。
【0083】
また、実施例2~7の中では、負極活物質のBET比表面積が3g/m以下である実施例3~7、好ましくは負極活物質のBET比表面積が0.5~3g/mの範囲である実施例3~6が、負極活物質のBET比表面積が3g/m超である実施例2と比較して、充放電サイクル特性の低下がより抑制された。
【符号の説明】
【0084】
10 負極活物質粒子
11 ナトリウムシリケート相
12 シリコン粒子
13 複合粒子
14 導電層
図1