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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】カゴ台車用カバー
(51)【国際特許分類】
   B62B 5/00 20060101AFI20230105BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
B62B5/00 Z
B62B3/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018192220
(22)【出願日】2018-10-11
(65)【公開番号】P2020059409
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】501484747
【氏名又は名称】市川産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】市川 秀之
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0090430(US,A1)
【文献】特開平11-300335(JP,A)
【文献】特開2009-006938(JP,A)
【文献】独国実用新案第202017106104(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 5/00
B62B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で方形状に形成された底板、前記底板の下方に設けられて同底板を床面上で移動させるための車輪、前記底板の3辺上にそれぞれ起立した格子状の柵体および前記柵体が設けられていない前記底板の1辺上に形成された開口部を横断する状態で着脱自在に架設させる棒状の架設バーをそれぞれ備えるカゴ台車における前記開口部に設けられるカゴ台車用カバーであって、
前記架設バーに着脱自在に引っ掛けられる引掛け具と、
前記引掛け具から下垂した状態で設けられて前記開口部を覆う屈曲自在なシート状の下部覆い体とを備え
前記引掛け具の直下の前記下部覆い体の上部部分に前記開口部の幅方向に延びる剛体からなる中間補強部材が設けられていることを特徴とするカゴ台車用カバー。
【請求項2】
請求項1に記載したカゴ台車用カバーにおいて、さらに、
前記下部覆い体の下部部分に前記開口部の幅方向に延びる剛体からなる下部補強部材が設けられていることを特徴とするカゴ台車用カバー。
【請求項3】
平面視で方形状に形成された底板、前記底板の下方に設けられて同底板を床面上で移動させるための車輪、前記底板の3辺上にそれぞれ起立した格子状の柵体および前記柵体が設けられていない前記底板の1辺上に形成された開口部を横断する状態で着脱自在に架設させる棒状の架設バーをそれぞれ備えるカゴ台車における前記開口部に設けられるカゴ台車用カバーであって、
前記架設バーに着脱自在に引っ掛けられる引掛け具と、
前記引掛け具から下垂した状態で設けられて前記開口部を覆う屈曲自在なシート状の下部覆い体とを備え
前記下部覆い体の下部部分に前記開口部の幅方向に延びる剛体からなる下部補強部材が設けられていることを特徴とするカゴ台車用カバー。
【請求項4】
平面視で方形状に形成された底板、前記底板の下方に設けられて同底板を床面上で移動させるための車輪、前記底板の3辺上にそれぞれ起立した格子状の柵体および前記柵体が設けられていない前記底板の1辺上に形成された開口部を横断する状態で着脱自在に架設させる棒状の架設バーをそれぞれ備えるカゴ台車における前記開口部に設けられるカゴ台車用カバーであって、
前記架設バーに着脱自在に引っ掛けられる引掛け具と、
前記引掛け具から下垂した状態で設けられて前記開口部を覆う下部覆い体と
前記下部覆い体における前記引掛け具側の端部から上方に延びて設けられて前記開口部を覆うシート状の上部覆い体と、
前記上部覆い体の上部部分を前記開口部の両側の前記柵体に着脱自在に連結する上部連結具とを備えることを特徴とするカゴ台車用カバー。
【請求項5】
請求項4に記載したカゴ台車用カバーにおいて、さらに、
前記上部覆い体の上部部分に前記開口部の幅方向に延びる剛体からなる上部補強部材が設けられていることを特徴とするカゴ台車用カバー。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載したカゴ台車用カバーにおいて、
前記上部覆い体は、
前記架設バーが露出する架設バー開口部を備えることを特徴とするカゴ台車用カバー。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載したカゴ台車用カバーにおいて、さらに、
前記下部覆い体の下部部分を前記開口部の両側の前記柵体または前記底板に着脱自在に連結する下部連結具を備えることを特徴とするカゴ台車用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流倉庫などにおいて多数の荷物を収容して移動させるカゴ台車に用いられるカゴ台車用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物流の現場においては、多数の荷物の運搬および一時的な保管のためにカゴ台車が用いられている。カゴ台車は、キャスタなどの車輪を備えた底板上の三方の側面を格子状の柵体で囲むとともに残余の一方の側面が荷物の出し入れ口として開口して形成されている。このカゴ台車には、例えば、下記特許文献1に示すように、収容する荷物を保護しつつ盗難を防止するためにカゴ台車全体を覆うカゴ台車用カバーとしての運搬台車用盗難防止カバーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-218985号公報
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたカゴ台車用カバーは、カゴ台車用カバーをカゴ台車の上方から被せて装着するとともにカゴ台車に被せられたカゴ台車用カバーを上方に抜き取ることで取り除くため、カゴ台車用カバーの取り付け作業および取り外し作業が極めて煩雑であるという問題がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、簡単に取り付けおよび取り外しを行うことができるカゴ台車用カバーを提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、平面視で方形状に形成された底板、底板の下方に設けられて同底板を床面上で移動させるための車輪、底板の3辺上にそれぞれ起立した格子状の柵体および柵体が設けられていない底板の1辺上に形成された開口部を横断する状態で着脱自在に架設させる棒状の架設バーをそれぞれ備えるカゴ台車における開口部に設けられるカゴ台車用カバーであって、架設バーに着脱自在に引っ掛けられる引掛け具と、引掛け具から下垂した状態で設けられて開口部を覆う屈曲自在なシート状の下部覆い体とを備え、引掛け具の直下の下部覆い体の上部部分に開口部の幅方向に延びる剛体からなる中間補強部材が設けられていることにある。
【0007】
また、本発明の他の特徴は、前記カゴ台車用カバーにおいて、さらに、下部覆い体の下部部分に開口部の幅方向に延びる剛体からなる下部補強部材が設けられていることにある。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、平面視で方形状に形成された底板、底板の下方に設けられて同底板を床面上で移動させるための車輪、底板の3辺上にそれぞれ起立した格子状の柵体および柵体が設けられていない底板の1辺上に形成された開口部を横断する状態で着脱自在に架設させる棒状の架設バーをそれぞれ備えるカゴ台車における開口部に設けられるカゴ台車用カバーであって、架設バーに着脱自在に引っ掛けられる引掛け具と、引掛け具から下垂した状態で設けられて開口部を覆う屈曲自在なシート状の下部覆い体とを備え、下部覆い体の下部部分に開口部の幅方向に延びる剛体からなる下部補強部材が設けられていることにある。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、平面視で方形状に形成された底板、底板の下方に設けられて同底板を床面上で移動させるための車輪、底板の3辺上にそれぞれ起立した格子状の柵体および柵体が設けられていない底板の1辺上に形成された開口部を横断する状態で着脱自在に架設させる棒状の架設バーをそれぞれ備えるカゴ台車における開口部に設けられるカゴ台車用カバーであって、架設バーに着脱自在に引っ掛けられる引掛け具と、引掛け具から下垂した状態で設けられて開口部を覆う下部覆い体と、下部覆い体における引掛け具側の端部から上方に延びて設けられて開口部を覆うシート状の上部覆い体と、上部覆い体の上部部分を開口部の両側の柵体に着脱自在に連結する上部連結具とを備えることにある。
【0010】
このように構成した本発明の特徴によれば、カゴ台車用カバーは、引掛け具をカゴ台車における架設バーに引っ掛けるだけでカゴ台車に取り付けて積載した荷物の開口部側を簡単に保護することができるとともに、この引掛け具を架設バーから取り外すだけでカゴ台車から簡単に取り外すことができる。
【0011】
また、このように構成した本発明の特徴によれば、カゴ台車用カバーは、下部覆い体が屈曲自在なシート状に形成されているため荷物の形状に応じて変形することで荷物に損傷を与えることを防止できるとともに、カゴ台車への非装着時においては丸めたり折り畳んでコンパクトに保管することができる。
【0012】
また、このように構成した本発明の特徴によれば、カゴ台車用カバーは、引掛け具の直下の下部覆い体の上部部分に開口部の幅方向に延びる剛体からなる中間補強部材が設けられているため、架設バーに取り付けた際における下部覆い体の上部部分の両端の垂れ下がりを防止できるとともに、カゴ台車用カバーを使用する作業者が中間補強部材を把持することで下部覆い体の上部部分の垂れ下がりを防ぎながら架設バーに対して容易に脱着することができる。
【0013】
また、このように構成した本発明の特徴によれば、カゴ台車用カバーは、下部覆い体の下部部分に開口部の幅方向に延びる剛体からなる下部補強部材が設けられているため、下部覆い体全体に下方に向かって張力を与えて張ることができるとともに下部覆い体の下部の捲れを防いで荷物を精度良く保護することができる。
【0014】
また、このように構成した本発明の特徴によれば、カゴ台車用カバーは、下部覆い体における引掛け具側の端部である上縁部から上方に延びて設けられて開口部を覆うシート状の上部覆い体を備えているため、開口部における架設バーから上方部分を覆って積荷を保護することができる。また、上部覆い体は、シート状に形成されているため、使用しない場合においては引掛け具に対して下方に下垂させることで架設バーから上方への荷物の積み込みまたは積み降ろしの作業を行い易くすることができる。
【0015】
また、本発明の他の特徴は、前記カゴ台車用カバーにおいて、さらに、上部覆い体の上部部分に開口部の幅方向に延びる剛体からなる上部補強部材が設けられていることにある。
【0016】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、カゴ台車用カバーは、上部覆い体の上部部分に開口部の幅方向に延びる剛体からなる上部補強部材が設けられているため、上部覆い体の捲れを防いで上部連結具の連結作業を容易化できるとともに荷物を精度良く保護することができる。
【0017】
また、本発明の他の特徴は、前記カゴ台車用カバーにおいて、上部覆い体は、架設バーが露出する架設バー開口部を備えることにある。
【0018】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、カゴ台車用カバーは、上部覆い体が架設バーが露出する架設バー開口部を備えているため、カゴ台車に取り付けられた状態においても作業者は架設バーを使用することができる。
【0019】
また、本発明の他の特徴は、前記カゴ台車用カバーにおいて、さらに、下部覆い体の下部部分を開口部の両側の柵体または底板に着脱自在に連結する下部連結具を備えることにある。
【0020】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、カゴ台車用カバーは、下部覆い体の下部分を下部連結具で固定できるため、底板上の積荷の荷崩れを防止できる。また、本発明に係るカゴ台車用カバーは、3つの柵体とともに底板上にゴミ箱のような袋状の収容スペースを形成できるため、球形や異形の安定性の悪い形状の荷物であっても安定的に収容できるとともに収容スペース内に荷物を投げ込んで入れることもでき収容作業を容易化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係るカゴ台車用カバーが取り付けられたカゴ台車の外観構成の概略を示す斜視図である。
図2図1に示すカゴ台車の外観構成の概略を示した斜視図である。
図3図1に示すカゴ台車用カバーが内蔵する中間補強部材、下部補強部材および上部補強部材の外観構成の概略を示す斜視図である。
図4図2に示すカゴ台車に図1示すカゴ台車用カバーにおける下部覆い部を取り付けたカゴ台車の外観構成の概略を示す斜視図である。
図5図2に示すカゴ台車の底板上に架設バーの高さ付近まで荷物を積み上げた状態のカゴ台車の外観構成の概略を示す斜視図である。
図6】本発明の変形例に係るカゴ台車用カバーが取り付けられたカゴ台車の外観構成の概略を示す斜視図である。
図7】本発明の他の変形例に係るカゴ台車用カバーが取り付けられたカゴ台車の外観構成の概略を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るカゴ台車用カバーの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るカゴ台車用カバー100が取り付けられたカゴ台車90の外観構成の概略を示す斜視図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。このカゴ台車用カバー100は、カゴ台車90の開口部96を覆うための器具である。
【0024】
まず、カゴ台車用カバー100を説明する前に、このカゴ台車用カバー100の装着対象であるカゴ台車90について説明しておく。カゴ台車90は、図2に示すように、物流倉庫内やトラックの荷台内などの物流流現場において複数の荷物WKを収容して移動させるための道具であり、主として、底板91、キャスタ92、柵体93,94,95および架設バー97をそれぞれ備えて構成されている。なお、図1および図2においては、荷物WKを二点鎖線で示している。
【0025】
底板91は、荷物WKを載置する部品であり、金属材、木材または樹脂材を平面視で方形の板状体に形成して構成されている。本実施形態においては、底板91は、金属材を平面視で長方形状の板状体に形成して構成されている。この底板91は、キャスタ92によって水平な姿勢で支持されている。キャスタ92は、カゴ台車90を移動させるための車輪であり、底板91の下面の四隅にそれぞれ設けられている。これらのキャスタ92は、底板91とともに3つの柵体93,94,95をそれぞれ支持している。
【0026】
柵体93,94,95は、底板91上に載置された荷物WKを囲って保持するための部品であり、長尺に延びる金属製、木製または樹脂製の棒材を格子状に組んだ平板状に形成されている。これらの柵体93,94,95は、底板91の長手方向の両端部に柵体93および柵体94がそれぞれ起立した状態で設けられるとともに底板91の2つの長辺のうちの一方の長辺側に柵体95が起立した状態で設けられている。この場合、3つの柵体93,94,95は、互いに隣接する柵体93,94,95同士が互いに連結されている。
【0027】
すなわち、柵体93,94,95は、底板91の3辺上に上方に延びて設けられている。これにより、底板91における残余の1辺上には柵体93,94,95が存在しない開放された開口部96が形成されている。この開口部96は、底板91上に荷物WKを出し入れするための空間であるとともに、後述するカゴ台車用カバー100が設けられる部分である。
【0028】
なお、柵体93,94,95は、本実施形態においては、長尺に延びる金属製の棒体または板状体を上下方向およびこの上下方向に直交する水平方向に交差する格子状に組んで構成されているが、これらの長尺体を上下方向のみまたは水平方向のみに組んで構成してもよいことは当然である。また、カゴ台車90は、底板91の3辺上に荷物WKの収容する板状の部品が設けられていればよいため、柵体93,94,95に代えて平板を設けて構成することもできる。
【0029】
架設バー97は、底板91上に高く積み上げられた荷物WKの開口部96側への荷崩れを防止するとともにカゴ台車90を移動させる際に作業者が手Hで把持する部品であり、長尺に延びる金属製、木製または樹脂製の棒状態で構成されている。本実施形態においては、架設バー97は、金属製の丸棒体で構成されている。この架設バー97は、一方の端部に貫通孔が形成されており柵体93の柱部分に可動的に連結されているとともに、他方の端部が鉤状に屈曲して形成されており柵体94の柱部分に設けられた筒状の嵌合部94aに着脱自在に嵌合するように構成されている。この架設バー97は、開口部96の上下方向における中間部分から上方の部分に設けられている。
【0030】
(カゴ台車用カバー100の構成)
カゴ台車用カバー100は、主として、下部覆い体101と上部覆い体110とで構成されている。下部覆い体101は、開口部96における架設バー97よりも下方部分を覆う部品であり、ポリエステル樹脂材などの樹脂製のシート材を正面視で方形に形成して構成されている。本実施形態においては、下部覆い体101は、上下方向に延びる長方形状に形成されて全面にメッシュを有したシートで構成されている。
【0031】
この下部覆い体101の上部側および下部側は、それぞれ2枚のメッシュシートで袋状に構成されており、これら2枚のメッシュシートの間に中間補強部材102および下部補強部材103がそれぞれ内包されている。また、下部覆い体101には、中間補強部材102を収容する前記上部側に引掛け具104、第1中間連結具105および第2中間連結具106をそれぞれ備えるとともに、下部補強部材103を収容する前記下部側に下部連結具107を備えている。
【0032】
中間補強部材102は、図3に示すように、下部覆い体101の上縁部分に剛性を持たせるための部品であり、自重では大きく湾曲しない程度の剛性を有する金属材、木材、紙材(ボール紙や段ボールなど)または樹脂材からなる板状体で構成されている。本実施形態においては、中間補強部材102は、ポリカーボネート樹脂材やポリプロピレン樹脂材などの樹脂材を開口部96の幅方向に延びる長方形状の板状体に形成して構成されている。
【0033】
下部補強部材103は、図3に示すように、下部覆い体101の下縁部分に剛性を持たせるための部品であり、自重では大きく湾曲しない程度の剛性を有する金属材、木材、紙材(ボール紙や段ボールなど)または樹脂材からなる板状体で構成されている。本実施形態においては、下部補強部材103は、中間補強部材102と同様に、ポリカーボネート樹脂材やポリプロピレン樹脂材などの樹脂材を開口部96の幅方向に延びる長方形状の板状体に形成して構成されている。なお、図1においては、中間補強部材102および下部補強部材103をそれぞれ破線で示している。
【0034】
引掛け具104は、図4に示すように、下部覆い体101を架設バー97に取り付けるための部品であり、金属材、木材または樹脂材を鉤状に形成して構成されている。本実施形態においては、引掛け具104は、金属板を逆向きの略J字状に形成して構成されている。この引掛け具104は、下部覆い体101の上端縁部におけるカゴ台車90の内側となる裏面側に2つ設けられている。この場合、2つの引掛け具104は、帯状に延びる連結帯104aを介して下部覆い体101の上端縁部に取り付けられる。
【0035】
これにより、カゴ台車用カバー100は、架設バー97と下部覆い体101の上端縁部と間に隙間が形成されて下部覆い体101の上端部分を握る作業者の手Hが入れ易いように構成されている。また、この場合、連結帯104aは、樹脂製の繊維を織った帯状体であって引掛け具104が連結した状態で長手方向に自立する程度の剛性を有して構成されることで架設バー97への引掛け具104の引っ掛け作業を容易にすることができる。なお、図4においては、荷物WKおよび作業者の手Hをそれぞれ二点鎖線で示している。
【0036】
第1中間連結具105は、引掛け具104と同様に、下部覆い体101を架設バー97に取り付けるための部品であり、長尺に延びる紐状または帯状に形成されている。本実施形態においては、ナイロン樹脂材やアクリル樹脂材などの樹脂製繊維を織って帯状に延びる帯状体で構成されており、架設バー97に掛け回した際に互いに対向し合う面に一対の面ファスナーが設けられている。この第1中間連結具105は、前記した2つの引掛け具104にそれぞれ隣接して設けられている。なお、この第1中間連結具105は、本発明に係るカゴ台車用カバー100において必須の部品ではなく省略することもできる。
【0037】
第2中間連結具106は、下部覆い体101の上部部分を柵体93,94に固定して安定させるための部品であり、第1中間連結具105と同様に、長尺に延びる紐状または帯状に形成されている。本実施形態においては、第2中間連結具106は、ナイロン樹脂材やアクリル樹脂材などの樹脂製繊維を織った帯状体で構成されており、柵体93,94の各柱部分に掛け回した際に互いに対向し合う面に一対の面ファスナーが設けられている。この第2中間連結具106は、下部覆い体101における中間補強部材102の直下部分の幅方向両端部にそれぞれ設けられている。
【0038】
この場合、各第2中間連結具106は、本実施形態においては、下部覆い体101におけるカゴ台車90の外側となる表面側にそれぞれ設けられているが、裏面側に設けられていてもよい。また、第2中間連結具106は、本発明に係るカゴ台車用カバー100において必須の部品ではなく省略することもできる。
【0039】
下部連結具107は、下部覆い体101の下部部分を柵体93,94に固定して安定させるための部品であり、第2中間連結具106と同様に、長尺に延びる紐状または帯状に形成されている。本実施形態においては、下部連結具107は、ナイロン樹脂材やアクリル樹脂材などの樹脂製繊維を織った帯状体で構成されており、柵体93,94の各柱部分に掛け回した際に互いに対向し合う面に一対の面ファスナーが設けられている。この下部連結具107は、下部覆い体101における下部補強部材103を保持する部分の幅方向両端部にそれぞれ設けられている。
【0040】
この場合、各下部連結具107は、本実施形態においては、下部覆い体101におけるカゴ台車90の外側となる表面側にそれぞれ設けられているが、裏面側に設けられていてもよい。また、下部連結具107は、本発明に係るカゴ台車用カバー100において必須の部品ではなく省略することもできる。
【0041】
上部覆い体110は、開口部96における架設バー97よりも上方部分を覆う部品であり、下部覆い体101と同様に、ポリエステル樹脂材などの樹脂製のシート材を正面視で方形に形成して構成されている。本実施形態においては、上部覆い体110は、全面にメッシュを有したシート材を開口部96の幅方向に延びる長方形状に形成して構成されている。
【0042】
この上部覆い体110の上部側は、2枚のメッシュシートで袋状に構成されており、これら2枚のメッシュシートの間に上部補強部材111が内包されている。また、上部覆い体110には、上部補強部材111を収容する前記上部側に上部連結具112を備えている。なお、図1においては、上部補強部材111を破線で示している。
【0043】
上部補強部材111は、図3に示すように、上部覆い体110の上縁部分に剛性を持たせるための部品であり、自重では大きく湾曲しない程度の剛性を有する金属材、木材、紙材(ボール紙や段ボールなど)または樹脂材からなる板状体で構成されている。本実施形態においては、上部補強部材111は、中間補強部材102および下部補強部材103と同様に、ポリカーボネート樹脂材やポリプロピレン樹脂材などの樹脂材を開口部96の幅方向に延びる長方形状の板状体に形成して構成されている。
【0044】
上部連結具112は、第1中間連結具105と同様に、上部覆い体110を柵体93,94に固定して安定させるための部品であり、第1中間連結具105と同様に、長尺に延びる紐状または帯状に形成されている。本実施形態においては、上部連結具112は、ナイロン樹脂材やアクリル樹脂材などの樹脂製繊維を織った帯状体で構成されており、柵体93,94の各柱部分に掛け回した際に互いに対向し合う面に一対の面ファスナーが設けられている。
【0045】
この上部連結具112は、下部覆い体101における上部補強部材111を保持する部分の幅方向両端部にそれぞれ設けられている。この場合、各上部連結具112は、本実施形態においては、下部覆い体101におけるカゴ台車90の外側となる表面側に設けられているが、裏面側に設けられていてもよい。
【0046】
ここで、カゴ台車用カバー100の製造方法について簡単に説明しておく。まず、作業者は、下部覆い体101の材料となる樹脂製のシート材、中間補強部材102および下部補強部材103をそれぞれ用意する。この場合、材料となるシート材は、カゴ台車90の上下方向の長さが完成品の下部覆い体101の長さよりも長い長方形状に形成されている。次に、作業者は、シート材の長手方向の両端部をそれぞれ中間補強部材102および下部補強部材103を収容可能な長さで内側に折り返すとともに、これらの折り返した部分の先端部を対向するシート材本体に縫合する。これにより、シート材には、長手方向の両端部に中間補強部材102および下部補強部材103を収容可能な大きさの筒状部がそれぞれ形成される。
【0047】
次に、作業者は、シート材の長手方向の両端部にそれぞれ形成した前記筒状部に中間補強部材102および下部補強部材103を収容した後、シート材の4辺を別途用意した帯状の布材で挟んで縫合する。次に、作業者は、それぞれ2つずつの帯状体で構成された第1中間連結具105、第2中間連結具106および下部連結具107をそれぞれ用意した後、それぞれシート材における該当する位置に帯状体の一方の端部を縫合する。次に、作業者は、一方の端部に連結帯104aが繋げられた2つの引掛け具104を用意した後、各引掛け具104をシート材における該当する位置に連結帯104aを介して縫合する。これにより、下部覆い体101が完成する。
【0048】
次に、作業者は、上部覆い体110の材料となる樹脂製のシート材および上部補強部材111をそれぞれ用意する。この場合、材料となるシート材は、カゴ台車90の上下方向の長さが完成品の上部覆い体110の長さよりも長い長方形状に形成されている。次に、作業者は、シート材の長手方向の一方の端部を上部補強部材111を収容可能な長さで内側に折り返すとともに、これらの折り返した部分の先端部を対向するシート材本体に縫合する。これにより、シート材には、長手方向の一方の端部に上部補強部材111を収容可能な大きさの筒状部が形成される。
【0049】
次に、作業者は、シート材の長手方向の一方の端部に形成した前記筒状部に上部補強部材111を収容した後、シート材の4辺を別途用意した帯状の布材で挟んで縫合する。次に、作業者は、それぞれ2つずつの帯状体で構成された上部連結具112をそれぞれ用意した後、それぞれシート材における該当する位置に帯状体の一方の端部を縫合する。これにより、上部覆い体110が完成する。
【0050】
次に、作業者は、下部覆い体101における引掛け具104および第1中間連結具105が取り付けられた上縁部と、上部覆い体110における上部補強部材111を保持する側とは反対側の下縁部とを縫合によって互いに連結する。これにより、下部覆い体101の上縁部に屈曲自在に上部覆い体110が連結された状態でカゴ台車用カバー100が完成する。なお、カゴ台車用カバー100の製造方法は、上記工程に限定されるものではないことは当然である。例えば、引掛け具104、第1中間連結具105、第2中間連結具106、下部連結具107および上部連結具112を下部覆い体101と上部覆い体110とを連結した後に取り付けるようにしてもよい。
【0051】
(カゴ台車用カバー100の作動)
次に、上記のように構成したカゴ台車用カバー100の作動について説明する。カゴ台車用カバー100を使用する作業者は、まず、カゴ台車90、積荷となる荷物WKおよびカゴ台車用カバー100をそれぞれ用意する。次に、作業者は、カゴ台車90の底板91上に荷物WKを積む。この場合、作業者は、図5に示すように、架設バー97の高さ近くまで荷物WKを積む。本実施形態においては、作業者は、底板91上に3つの荷物WKを2列で積み上げる。次に、作業者は、図4に示すように、カゴ台車90における架設バー97の先端部を柵体94の嵌合部94aに掛けて開口部96を横断する状態で架設バー97を配置する。なお、図5においては、荷物WKを二点鎖線で示している。
【0052】
次に、作業者は、カゴ台車用カバー100を架設バー97に引っ掛ける。具体的には、作業者は、カゴ台車用カバー100の上部覆い体110を下部覆い体101の表面側に折り曲げて2つの引掛け具104を上方に向かって露出させた状態で下部覆い体101の上端部を把持して2つの引掛け具104を架設バー97にそれぞれ引っ掛ける。この場合、作業者は、下部覆い体101の上部部分に中間補強部材102が内蔵されているため同上部部分を把持し易いとともに同上部部分の垂れ下がりを防いで2つの引掛け具104を起立させて同時に架設バー97に引っ掛けることができる。
【0053】
次に、作業者は、第1中間連結具105、第2中間連結具106および下部連結具107をそれぞれ架設バー97、柵体93および柵体94にそれぞれ巻き付けて固定する。これにより、カゴ台車用カバー100は、下部覆い体101が架設バー97から吊り下がった状態で柵体93および柵体94にそれぞれ固定される。
【0054】
次に、作業者は、底板91上に積み上げられた荷物WKに残りの荷物WKを更に積み上げる。この場合、カゴ台車用カバー100は、架設バー97よりも下方が下部覆い体101によって覆っているため架設バー97よりも下方まで積み上げられた荷物WKの荷崩れや損傷を防止することができる。そして、作業者は、本実施形態においては、作業者は、底板91上に4つの荷物WKを2列で積み上げる。
【0055】
次に、作業者は、図1に示すように、上部覆い体110を柵体93および柵体94にそれぞれ取り付ける。具体的には、下部覆い体101の上端部から下垂した上部覆い体110を捲り上げて起立状態として上部連結具112を柵体93および柵体94にそれぞれ巻き付けにそれぞれ巻き付けて固定する。この場合、作業者は、上部覆い体110の上部部分に上部補強部材111が内蔵されているため同上部部分を把持し易いとともに同上部部分の垂れ下がりを防いで2つの上部連結具112を容易に柵体93および柵体94にそれぞれ固定することができる。
【0056】
これにより、カゴ台車用カバー100は、下部覆い体101が架設バー97から吊り下がった状態で上部覆い体110が架設バー97より上方の柵体93および柵体94にそれぞれ固定される。すなわち、カゴ台車用カバー100は、下部覆い体101が架設バー97から吊り下がった状態で下部覆い体101および上部覆い体110がそれぞれ柵体93および柵体94に固定されて開口部96を塞ぐ。
【0057】
これにより、作業者は、カゴ台車90を移動させまたは保管したりすることができる。この場合、カゴ台車用カバー100は、開口部96がカゴ台車用カバー100における下部覆い体101および上部覆い体110によって覆っているため底板91上に積み上げられた荷物WKの荷崩れや損傷を防止することができる。
【0058】
次に、作業者は、カゴ台車90から荷物WKを取り出す際には、カゴ台車用カバー100を取り外すことでカゴ台車90から荷物WKを取り出すことができる。具体的には、作業者は、図4に示すように、柵体93および柵体94から上部連結具112をそれぞれ外して上部覆い体110を下方に折り曲げて下部覆い体101の表面側に重ねる。これにより、作業者は、カゴ台車90における架設バー97の上方が開口するため、架設バー97付近およびそれ以上の高さまで積み上げられた荷物WKを取り出すことができる。この場合においても、カゴ台車用カバー100は、架設バー97よりも下方を下部覆い体101が覆っているため架設バー97よりも下方まで積み上げられた荷物WKの荷崩れや損傷を防止することができる。
【0059】
次に、作業者は、図5に示すように、柵体93および柵体94から下部連結具107および第2中間連結具106をそれぞれ取り外した後、第1中間連結具105および引掛け具104を架設バー97から取り外す。そして、作業者は、カゴ台車90における架設バー97を嵌合部94aから取り外して開口部96から除去する。これにより、作業者は、カゴ台車90における開口部96が全開するため、底板91上に積み上げられた残りの荷物WKを取り出すことができる。
【0060】
また、作業者は、カゴ台車90から取り外したカゴ台車用カバー100を上部覆い体110の上縁部側、下部覆い体101の下縁部側または上部覆い体110を下部覆い体101側に二つ折りして下部覆い体101の上縁部側(換言すれば上部覆い体110の下縁部側)からロール状に丸めるまたは折り畳んでカゴ台車用カバー100を保管することができる。この場合、カゴ台車用カバー100は、巻き始めとなる上部補強部材111、下部補強部材103または中間補強部材102を巻き芯としてカゴ台車用カバー100を美しく巻くことができるとともに、終端部となる上部補強部材111または下部補強部材103によってロール体の捲れを防止することができる。
【0061】
なお、本実施形態においては、作業者は、カゴ台車90に荷物WKを3段積み上げた段階でカゴ台車用カバー100の下部覆い体101を取り付けた後、荷物WKを1段積み上げて上部覆い体110を取り付けるように構成した。しかし、作業者は、カゴ台車90に荷物WKを4段、すなわち全部積み上げた後にカゴ台車用カバー100の下部覆い体101および上部覆い体110を取り付けるようにしてもよい。また、作業者は、カゴ台車90に積載する荷物WKの高さが低い場合には、カゴ台車用カバー100の下部覆い体101のみを取り付けるようにしてもよい。さらに、作業者は、荷物WKが球体または異形物などの安定性の悪い形状の場合には、まず、カゴ台車90にカゴ台車用カバー100の下部覆い体101のみを取り付けて底板91上の四方が囲まれた収容スペースを形成して荷物WKを収容するようにしてもよい。
【0062】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、カゴ台車用カバー100は、引掛け具104をカゴ台車90における架設バー97に引っ掛けるだけでカゴ台車90に取り付けて積載した荷物WKの開口部96側を簡単に保護することができるとともに、この引掛け具104を架設バー97から取り外すだけでカゴ台車90から簡単に取り外すことができる。
【0063】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、各変形例の説明においては、上記実施形態と同様の部分については同じ符号を付して重複する説明は省略する。
【0064】
例えば、上記実施形態においては、下部覆い体101および上部覆い体110は、ポリエステル樹脂製の生地で構成した。しかし、下部覆い体101および上部覆い体110は、ポリエステル樹脂以外の樹脂製の生地(例えば、ナイロン樹脂やポリプロピレン樹脂材など)で構成してもよい。また、下部覆い体101および上部覆い体110は、タフタや帆布などの織物で構成してもよい。また、下部覆い体101および上部覆い体110は、樹脂製のフィルムで構成してもよい。
【0065】
また、上記実施形態においては、下部覆い体101および上部覆い体110は、メッシュ生地で構成した。しかし、下部覆い体101および上部覆い体110は、カゴ台車90の開口部96を覆うことができる材料で構成されていればよい。したがって、下部覆い体101および上部覆い体110は、メッシュ生地よりも目の粗いネット上の生地のほか、孔を有さないシート材で構成することができる。また、カゴ台車用カバー100は、柔軟に屈曲するシート材のほか、剛性を有する材料、例えば、金属製、木材、樹脂材または段ボールなどの紙材からなる板状体で構成することもできる。この場合、板状体からなるカゴ台車用カバー100は、メッシュ状に形成されていてもよいし孔を有さない平板状に形成されていてもよい。また、これらの場合、カゴ台車用カバー100は、透明な材料で構成されていてもよいし、半透明または不透明で構成されていてもよい。
【0066】
また、カゴ台車用カバー100は、図6に示すように、上部覆い体110に架設バー97に対向する位置に架設バー97の少なくとも一部を露出させる貫通孔状の架設バー開口部113を設けることもできる。これによれば、カゴ台車用カバー100は、カゴ台車90に取り付けた状態においても架設バー97をカゴ台車90の前面に露出させることができるため、作業者に架設バー97を把持させて使用させることができる。
【0067】
また、カゴ台車用カバー100は、図6に示すように、下部覆い体101の表面側に物入れ用のポケット108を設けて構成することもできる。これによれば、カゴ台車用カバー100は、ポケット108を透明な材料で構成することで荷物WKの運搬先や品物名などの情報を示した札108aなどを収容することができる。なお、ポケット108は、上部覆い体110に設けてもよいし、外部から内部が視認できない不透明な材料で構成してもよいことは当然である。
【0068】
また、上記実施形態においては、カゴ台車用カバー100は、中間補強部材102、下部補強部材103および上部補強部材111をそれぞれ備えて構成した。しかし、カゴ台車用カバー100は、中間補強部材102、下部補強部材103および上部補強部材111のうちのいずれかまたは全部を省略して構成することもできる。この場合、カゴ台車用カバー100は、中間補強部材102、下部補強部材103および上部補強部材111を収容する筒状部の構成が不要となり構成を簡単化することができる。
【0069】
また、上記実施形態においては、中間補強部材102、下部補強部材103および上部補強部材111は、板状に形成した。しかし、中間補強部材102、下部補強部材103および上部補強部材111は、中実または中空の棒状に形成することもできる。
【0070】
また、上記実施形態においては、第1中間連結具105、第2中間連結具106、下部連結具107および上部連結具112は、面ファスナーを有する帯状体に形成した。しかし、第1中間連結具105、第2中間連結具106、下部連結具107および上部連結具112は、帯状などのベルト状のほか、紐状に形成することもできる。また、第1中間連結具105、第2中間連結具106、下部連結具107および上部連結具112は、布材やゴム材を用いて構成することもできる。また、第1中間連結具105、第2中間連結具106、下部連結具107および上部連結具112は、面ファスナーに代えてまたは加えてバックル、フック、ボタンまたはホックなどを備えて構成することもできる。
【0071】
また、上記実施形態においては、カゴ台車用カバー100は、下部覆い体101の上縁部に上部覆い体110を連結して構成した。しかし、カゴ台車用カバー100は、下部覆い体101のみで構成して上部覆い体110を省略することもできる。
【0072】
また、上記実施形態においては、カゴ台車用カバー100は、上部覆い体110を設けて開口部96の全体を覆うように構成した。しかし、上部覆い体110は、図7に示すように、柵体93,94,95の各上縁部まで長さを延長して底板91に対向する天井部を形成するようにしてもよい。この場合、上部覆い体110は、柵体93、柵体94および95のうちの少なくとも一つに着脱自在に連結する紐状または帯状の天井部連結具114を備えるとよい。これによれば、カゴ台車用カバー100は、カゴ台車90の上方に対しても荷物WKを保護することができる。なお、図7においては、カゴ台車用カバー100内に収容されている中間補強部材102,下部補強部材103および上部補強部材111をそれぞれ破線で示している。
【符号の説明】
【0073】
WK…荷物、H…作業者の手、
90…カゴ台車、91…底板、92…キャスタ、93,94,95…柵体、94a…嵌合部、96…開口部、97…架設バー、
100…カゴ台車用カバー、101…下部覆い体、102…中間補強部材、103…下部補強部材、104…引掛け具、104a…連結帯、105…第1中間連結具、106…第2中間連結具、107…下部連結具、108…ポケット、108a…札、
110…上部覆い体、111…上部補強部材、112…上部連結具、113…架設バー開口部、114…天井部連結具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7