(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】弾性要素と、弾性要素に交互に装着され弾性要素に対して滑動可能で2つが互いに接続される装飾要素とを備えた宝石製品
(51)【国際特許分類】
A44C 11/00 20060101AFI20230105BHJP
【FI】
A44C11/00
(21)【出願番号】P 2019552516
(86)(22)【出願日】2018-03-20
(86)【国際出願番号】 IB2018051863
(87)【国際公開番号】W WO2018172936
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】102017000031034
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519337891
【氏名又は名称】ロベルト・デメリオ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ROBERTO DEMEGLIO S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト・デメリオ
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0345690(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第27112513(EP,A2)
【文献】中国実用新案第204989782(CN,U)
【文献】実開昭54-033294(JP,U)
【文献】特開昭63-168104(JP,A)
【文献】実開平05-068317(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0192745(US,A1)
【文献】特表2007-512920(JP,A)
【文献】特開平09-252815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宝石製品(10)で、宝石製品の全長に渡り宝石製品(10)の伸長方向に沿って伸びる弾性要素(12)と、弾性要素に対して滑動可能なように弾性要素(12)
に装着され、互いに解放可能ではなく接続される複数の装飾要素(14)とを備えた宝石製品(10)であって、
ここで各装飾要素(14)は、長手方向に反対側の一対の第1面(20a,20b)つまり右面(20a)及び左面(20b)のそれぞれを、並びに、半径方向に反対側の一対の第2面(20c,20d)つまり内側面(20c)及び外側面(20d)のそれぞれを有する中空体(20)を備え、
ここで各装飾要素(14)の右面(20a)及び左面(20b)は、第1貫通開口(24a)及び第2貫通開口(24b)をそれぞれに有し、第1及び第2の貫通開口(24a,24b)は、装飾要素(14)の内側空胴(22)と連通し、
ここで、宝石製品(10)は、隣接する装飾要素(14)の各対に関して、接続要素(28)をさらに備え、該接続要素は、弾性要素(12)に装着され、かつ、隣接する装飾要素の対における第1装飾要素(14)と一方側で接続され、隣接する装飾要素の対における第2装飾要素(14)と長手方向の反対側で接続され、それにより、第1及び第2の装飾要素(14)は、最小相対距離の位置と最大相対距離の位置との間で接続要素(28)を滑り互いに対して移動可能であり、
当該宝石製品では、
各接続要素(28)は、第1バヨネット型係合手段(32a,24a,22)によってそれぞれの第1装飾要素(14)に接続され、ここで第1バヨネット型係合手段は、接続要素(28)の第1拡大断面ヘッド部分(32a)によって形成された第1雄型係合部(32a)と、第1貫通開口(24a)によって及び第1装飾要素(14)の本体(20)の内側空胴(22)によって形成された第1雌型係合部(24a,22)とを備え、
各接続要素(28)は、第2バヨネット型係合手段(32b,24b,22)によってそれぞれの第2装飾要素(14)に接続され、ここで第2バヨネット型係合手段は、第1ヘッド部分(32a)に反対側において、接続要素(28)の第2拡大断面ヘッド部分(32b)によって形成された第2雄型係合部(32b)と、第2貫通開口(24b)によって及び第2装飾要素(14)の本体(20)の内側空胴(22)によって形成された第2雌型係合部(24b,22)とを備え、
第1バヨネット型係合手段(32a,24a,22)及び第2バヨネット型係合手段(32b,24b,22)は、接続要素(28)とそれぞれの装飾要素(14)との間の連結が、それぞれの装飾要素(14)の雌型係合部(24a,24b,22)への接続要素(28)のそれぞれの雄型係合部(32a,32b)の挿入によって得られるように構成されており、ここで、接続要素(28)は、それぞれの装飾要素(14)に対して既定の第1角度位置に設置され、装飾要素(14)に対する接続要素(28)の既定角度による回転によって、第1角度位置に対して回転された、装飾要素(14)に対して既定の第2角度位置に接続要素(28)が設置され、その第2角度位置では接続要素(28)の雄型係合部(32a,32b)が装飾要素(14)の本体(22)に固定され、接続要素(28)が装飾要素(14)から外れるのを防止する、
ことを特徴とする宝石製品。
【請求項2】
それぞれの接続要素(28)に関して、装飾要素及び接続要素が互いに対して第2角度位置にある状態にて、隣接する第1及び第2の装飾要素(14)に対して接続要素(28)が回転するのを防止する回転防止手段(38,42)をさらに備える、請求項1に記載の宝石製品。
【請求項3】
回転防止手段(38,42)は、接続要素(28)における第1及び第2のヘッド部分(32a,32b)間の中間部分(34)において接続要素(28)に固定されるインサートを備える、請求項2に記載の宝石製品。
【請求項4】
各装飾要素(14)における本体(20)の外側面(20d)は、宝石用原石(18)を受け入れる少なくとも一つの台枠(16)を設けている、請求項1から3のいずれかに記載の宝石製品。
【請求項5】
各装飾要素(14)における本体(20)の第1面(20a,20b)は、半径方向の内側に向かうように互いに傾斜している、請求項1から4のいずれかに記載の宝石製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、例えばブレスレット、ネックレス、あるいはリング等の宝石製品に関する。より具体的には、本発明は、例えばスプリング等で、宝石製品の全長に渡り延在する弾性要素と、弾性要素に対して滑動可能なように弾性要素に交互に装着され、2つが互いに接続される複数の装飾要素と、を備えた宝石製品に関する。
【背景技術】
【0002】
独立請求項1における前置き部分(プリアンブル)に規定した特徴を有する宝石製品は、米国特許出願公開第2016/345690号明細書から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2016/345690号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明は、上で特定したタイプの宝石製品を提供することを目的とし、該宝石製品は、容易に組み立てられ、一度組み立てられると、各装飾要素と隣接する装飾要素との間のある一定の自由な動きを可能にし、よってかなり柔軟であることができる。
【0005】
この及び他の目的は、添付の独立請求項1に規定された特徴を有する宝石製品によって本発明に従い完全に達成される。
【0006】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に規定され、その内容は、以下の記述において一体的で統合的な部分を形成するように理解されるべきものである。
【0007】
要約すると、本発明は、上述したタイプの宝石製品を提供するという概念に基づくもので、ここで、各接続要素は、その第1端で、第1バヨネット型係合手段によって第1装飾要素に接続され、また長手方向において第1端に反対の第2端で、第2バヨネット型係合手段によって第2装飾要素に接続され、第1バヨネット型係合手段は、接続要素の、拡大断面(enlarged section)を有する第1ヘッド部分によって形成された第1雄型係合部と、第1装飾要素の本体の内側空胴と連通した、第1装飾要素の右面における第1貫通開口により形成された第1雌型係合部とを備え、第2バヨネット型係合手段は、接続要素の、拡大断面を有する第2ヘッド部分によって形成された第2雄型係合部と、第2装飾要素の本体の内側空胴と連通した、第2装飾要素の左面における第2貫通開口により形成された第2雌型係合部とを備える。
【0008】
第1バヨネット型係合手段は、次のように構成されている。即ち、各接続要素とそれぞれの第1装飾要素との間の連結は、第1装飾要素に対して既定の第1角度位置に接続要素が配置された状態で、第1装飾要素の第1雌型係合部への接続要素の第1雄型係合部の挿入によって、その後の、第1角度位置に対して回転された、第1装飾要素に対して既定の第2角度位置に接続要素を設置するように、第1装飾要素に対する既定角度による接続要素の回転によって得られる。そのような第2角度位置では、接続要素の雄型係合部は、第1装飾要素の本体に固定され、よって、接続要素が第1装飾要素から外れるのを防止する。
【0009】
同様に、第2バヨネット型係合手段は、次のように構成されている。即ち、各接続要素とそれぞれの第2装飾要素との間の連結は、第2装飾要素に対して既定の第1角度位置に接続要素が配置された状態で、第2装飾要素の第2雌型係合部への接続要素の第2雄型係合部の挿入によって、その後の、第1角度位置に対して回転された、第2装飾要素に対して既定の第2角度位置に接続要素を設置するように、第2装飾要素に対する既定角度による接続要素の回転によって得られる。そのような第2角度位置では、接続要素の雄型係合部は、第2装飾要素の本体に固定され、よって、接続要素が第2装飾要素から外れるのを防止する。
【0010】
よって、隣接する装飾要素の各対の互いの接続は、以下の工程によって得られる。即ち、
- 接続要素及び第1装飾要素が互いに対して上述の第1角度位置に配置された状態で、第1装飾要素の第1雌型係合部への接続要素の第1雄型係合部の挿入、
- 互いに対して上述の第2角度位置に第1装飾要素及び接続要素を配置するように、第1装飾要素に対する接続要素の回転、
- 接続要素及び第2装飾要素が互いに対して上述の第1角度位置に配置された状態で、第2装飾要素の第2雌型係合部への接続要素の第2雄型係合部の挿入、並びに、
- 互いに対して上述の第2角度位置に第2装飾要素及び接続要素を配置するように、第2装飾要素に対する接続要素の回転。
【0011】
よって宝石製品の組み立ては、特に簡単で速い。
【0012】
好ましくは、それぞれの接続要素は、第1回転防止(rotation-preventing)手段及び第2回転防止(anti-rotation)手段と結合され、ここで第1回転防止手段は、第1装飾要素及び接続要素が互いに対して上述の第2角度位置にあるとき、接続要素が第1装飾要素に対して回転するのを防止し、第2回転防止手段は、第2装飾要素及び接続要素が互いに対して上述の第2角度位置にあるとき、接続要素が第2装飾要素に対して回転するのを防止する。このような構成において、一旦、上述の第1及び第2のバヨネット型係合手段によって接続要素が第1及び第2の装飾要素に連結されると、第2角度位置から第1角度位置への、2つの装飾要素のそれぞれに対する接続要素の逆回転は防止され、したがって、両方の装飾要素からの接続要素の離脱もまた防止される。
【0013】
好ましくは、第1及び第2の回転防止手段は、例えば溶接によって接続要素に固定される適切な形状のインサートによって形成される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明による宝石製品の例示としてのブレスレットの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のブレスレットの一部における側面図である。
【
図3】
図3は、
図1のブレスレットにおける装飾要素の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1のブレスレットにおける装飾要素の側面図である。
【
図5】
図5は、
図1のブレスレットにおける装飾要素の正面図である。
【
図6】
図6は、
図1のブレスレットにおける接続要素の斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1のブレスレットにおける接続要素の側面図である。
【
図8】
図8は、
図1のブレスレットにおける接続要素の正面図である。
【
図9】
図9は、
図1のブレスレットにおける接続要素と装飾要素との間の回転ロックの一例を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、
図1のブレスレットにおける接続要素と装飾要素との間の回転ロックの更なる例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照して、限定されない例示として単に与えられる以下の詳細な記述から、より明らかになるであろう。
【0016】
図1を参照して、本発明の実施形態による宝石製品が10で大まかに示されている。ここに提案される実施形態では、宝石製品10は、ブレスレットであり、よって、以下の記述部分では、便宜上、ブレスレットと呼ばれるであろう。あるいはまた、宝石製品は、ネックレス又はリングであってもよい。
【0017】
ブレスレット10は、基本的に、ブレスレットの全長にわたり延在する弾性要素12(その長さの一部が
図2に示されている)と、弾性要素に対して滑動可能であるように弾性要素12に交互に装着され互いに接続される複数の装飾要素14とを備える。
【0018】
弾性要素12は、好ましくは、機械ばね(また、この理由から、以後、便宜上、ばねと呼ばれるだろう)、例えば円筒形つる巻ばねによって形成される。
【0019】
ブレスレット10は、
図1では通常の使用状態において示されており、ここでは、装飾要素14は、互いに接触している。このような状態において、ブレスレット10は、ここに図示される実施形態によれば、実質的に円形の伸長方向に沿って伸びる。あるいはまた、ブレスレット10は、通常の使用状態において非円形の伸長方向に沿って、例えば楕円あるいは類似の形状に沿って、伸びるように構成されてもよい。伸長方向は、平面、以後、伸長平面と記す、にある。以後の記述及び請求範囲において、用語「長手方向の(longitudinal)」は、伸長方向に接する方向を示すように使用され、一方、用語「半径方向の」は、伸長方向に垂直で伸長平面に存在する方向を示すように使用される。
【0020】
ブレスレット10は、閉鎖されていない。ブレスレット10を身につけるため、ユーザーは、単にブレスレット10を、ばね12の弾性作用に反して装飾要素14を最大相対距離まで互いに離して移動して伸ばせばよい。ブレスレット10を自由にすることによって、装飾要素14は、ばね12の弾性作用の下で互いに接触して元に戻る(
図1に示す、通常の使用状態)。
【0021】
図に示す実施形態では、装飾要素14は、一もしくは複数の宝石用原石あるいはダイヤモンド18を受け入れるために台枠16を設けている。しかしながら、台枠の存在は、発明の本質的特徴ではない。
【0022】
図2から
図10を参照して、ブレスレット10の各装飾要素14の構造、及び各装飾要素14が互いに隣接する2つの装飾要素のそれぞれを接続する方法が詳細に記述される。
【0023】
各装飾要素14は、好ましくは概ね平行六面体形状を有する本体20を備える。本体20は、内側空胴22を有する中空体である。本体20は、金属、特に金等の貴金属で作製される。本体20は、例えば機械加工あるいはマイクロ鋳造法(micro-casting process)によって製造されてもよい。本体20は、第1の対の、長手方向に反対側の面20a,20b、つまり右面20a及び左面20b、第2の対の、半径方向に反対側の面20c,20d、つまり内側面20c及び外側面20d、並びに、第3の対の側面20e有する(
図3から
図5)。
【0024】
長手方向に反対側の2つの面20a,20bは、半径方向における内側、つまり伸長方向に沿って伸びる周囲の中心の方に向かうように、互いに都合良く傾斜している。しかしながら、それらの面は、通常の使用状態において曲線よりも一もしくは複数の直線部分を有するブレスレットあるいはネックレスの製造を可能にするため、互いに平行であってもよいかもしれない。
【0025】
右面20aは、内側空胴22と連通する第1貫通開口24aを有する。同様に、左面20bは、内側空胴22と連通する第2貫通開口24bを有する。第1及び第2の貫通開口24a,24bは、好ましくは互いに同一であり、かつ、一方向に細長い形状、例えば長軸(主軸)が垂直に、つまり本体20の内側面20cに垂直に、配向され、及び4つの丸い角部を有する、実質的に長方形形状を有する。
【0026】
半径方向に対向する2つの面20c,20dは、好ましくは、互いに平行に、特に伸長方向の接線方向に配置されている。必要な場合には(図示された実施形態のように)、本体20の外側面20dは、一もしくは複数の台枠16を有する。提案した例では、2つの台枠16が設けられ、それらのそれぞれは、それぞれダイヤモンド18を受け入れるように構成されている。しかしながら、異なる数の台枠16が設けられてもよい。
【0027】
2つの側面20eは、好ましくは、互いに平行で伸長平面に平行に配置されている。図面に示された実施形態によれば、2つの側面20eは、それぞれ、内側空胴22と連通する、例えば溝の形態における開口あるいは窓26を有するが、完全に閉じられているかもしれない。
【0028】
図2は、3つの連続した装飾要素14を示し、ここで最初の2つ(左から右への順において)は、互いに最大相対距離(Dで示された)で位置決めされており、一方、最後の2つは、一方の右面20aと他方の左面20bとが接触した状態で、互いに距離なしで位置決めされている。
【0029】
さらに、装飾要素14の各対に関して、製品10は、接続要素28を備え、該接続要素は、伸長方向に沿って延在し、一方側(左側)において第1バヨネット型係合手段によって装飾要素14(以下、第1装飾要素と記す)と接続され、他方側(右側)において第2バヨネット型係合手段によって他方の装飾要素14(以下、第2装飾要素と記す)と接続される。
【0030】
接続要素28は、ばね12が延在する長手方向貫通穴30を有する(
図2)。
【0031】
図6から
図8に示すように、接続要素28は、第1装飾要素14に面し第1装飾要素14の第1貫通開口24aの形状に対応した形状を有する拡大断面を有する第1ヘッド部分32aと、長手方向において反対側で、第2装飾要素14に面し第2装飾要素14の第2貫通開口24bの形状に対応した形状を有する拡大断面を有する第2ヘッド部分32bとを備える。接続要素28の中間部分(34で指し示された)は、少なくとも一対の平坦で平行な面36を有し、該面36は、組み立てられた状態において、接続要素に接続された2つの装飾要素14に対して長手方向において接続要素28が滑るための案内面としての機能を果たす。
【0032】
接続要素28の第1ヘッド部分32aは、上述の第1バヨネット型係合手段の第1雄型係合部として作用し、一方、第1貫通開口24aは、第1装飾要素14の本体20の内側空胴22と共に、上述の第1バヨネット型係合手段の第1雌型係合部として作用する。同様に、接続要素28の第2ヘッド部分32bは、上述の第2バヨネット型係合手段の第2雄型係合部として作用し、一方、第2貫通開口24bは、第2装飾要素14の本体20の内側空胴22と共に、上述の第2バヨネット型係合手段の第2雌型係合部として作用する。
【0033】
隣接する装飾要素14の各対の接続要素28による接続は、以下のステップにより得られる。即ち、
- 第1ヘッド部分32aの断面の長軸(主軸)が第1貫通開口24aの長軸(主軸)に一致し、それにより第1ヘッド部分32aが第1貫通開口24aを貫通可能になるように、接続要素28及び第1装飾要素14が第1角度位置において互いに対して配置された状態で、第1装飾要素14の本体20の内側空胴22へ、接続要素28の第1ヘッド部分32aを挿入すること、
- 上述で規定した第1角度位置に対してある角度(一般的に30度と150度との間の角度、好ましくは90度)にて回転した第2角度位置に第1装飾要素14及び接続要素28を互いに対して配置して、それにより接続要素28の第1ヘッド部分32aが第1装飾要素14の本体20から外れるのを防止するように、第1装飾要素14に対して接続要素28を回転すること、
- 接続要素28及び第2装飾要素14が互いに対して上述の第1角度位置に配置された状態で、第2貫通開口24bを通り第2装飾要素14の本体20の内側空胴22へ接続要素28の第2ヘッド部分32bを挿入すること、並びに、
- 上述の第2角度位置に接続要素28及び第2装飾要素14を互いに対して配置し、それによって接続要素28の第2ヘッド部分32bが第2装飾要素14の本体20から外れるのを防止するように、第2装飾要素14に対して接続要素28を回転すること。
【0034】
隣接する装飾要素14の各対に関して上述のステップを繰り返すことによって(隣接する装飾要素14の最後の対を除く可能性があり、その最後の対は、好ましくは、例えば別の接続要素を使用することによって互いに連結され、この接続要素は、例えば、対向するその両端にラッチを設け、該ラッチは、隣接する2つの装飾要素の本体に溶接された、当該ラッチと協働するインサートによって、装飾要素の本体に固定されるように配置されている。)、宝石製品10の完全なアセンブリが得られる。
【0035】
好ましくは、接続要素から装飾要素が外れる危険性を避けるために、それは上述の第2角度位置から上述の第1角度位置へ接続要素が偶然に回転した場合に起こる場合があり、第1回転防止手段は、各接続要素28に結合し、接続要素28及び第1装飾要素14が上述の第2角度位置にあるときに第1装飾要素14に対する接続要素28の回転を防止し、また同様に、第2回転防止手段は、接続要素28及び第2装飾要素14が上述の第2角度位置にあるときに第2装飾要素14に対する接続要素28の回転を防止するように配置される。これにより、一旦、上述の第1及び第2のバヨネット型係合手段によって、接続要素28が第1及び第2の装飾要素14に連結されると、第2角度位置から第1角度位置への、2つの装飾要素14のそれぞれに対する接続要素28の逆回転は、防止される。
【0036】
図9に示すように、回転防止手段は、ピン形状のインサート38によって形成されてもよく、インサート38は、接続要素28の中間部分34に設けた円周溝40に、例えば溶接によって接続要素28に固定され、また、接続要素28のヘッド部分32a,32bの断面の長軸と平行にその長手方向軸が配列される。
【0037】
また、
図10に示すように、回転防止手段は、円盤形状インサート42によって形成されてもよく、インサート42は、接続要素28の中間部分34に、例えば溶接によって、接続要素28に固定される。
【0038】
インサート38及びインサート42の両方は、接続要素28及びそれに連結される2つの装飾要素14が長手方向において互いに対して滑動可能で、一方、接続要素28がそれに連結される2つの装飾要素14に対して回転防止可能なように、構成されている。
【0039】
本発明により達成可能な主な利点は、一方では、宝石製品の組み立ての容易さ及び速さであり、他方では、例えば2mmのオーダーにおける幅を有する、非常に縮小された寸法の装飾要素を有する宝石製品を作製可能にすることである。
【0040】
当然ながら、発明の原理は変更されないままで、実施形態及び構造上の詳細は、添付の請求範囲に規定される発明の権利範囲から逸脱することなく、制限されない例示によって記述され完全に説明されたものから広く変更されてもよい。