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<図1>
  • 特許-画像生成装置及び撮像装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】画像生成装置及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/10 20230101AFI20230105BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20230105BHJP
【FI】
H04N9/07 A
H04N5/232 290
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020531386
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(86)【国際出願番号】 JP2019028470
(87)【国際公開番号】W WO2020017638
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】P 2018136621
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】510064440
【氏名又は名称】株式会社ナノルクス
(74)【代理人】
【識別番号】110003753
【氏名又は名称】弁理士法人シエル国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173646
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 桂子
(72)【発明者】
【氏名】石神 光一朗
(72)【発明者】
【氏名】角 博文
(72)【発明者】
【氏名】祖父江 基史
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/159041(WO,A1)
【文献】特開2015-173451(JP,A)
【文献】特開2014-135627(JP,A)
【文献】特開2017-5484(JP,A)
【文献】特開2013-255144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 9/07
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体撮像素子から出力された相互に波長又は波長域が異なる可視光に基づく3種以上の可視光信号に、前記固体撮像素子から出力された相互に波長又は波長域が異なる近赤外光に基づく2種以上の近赤外光信号を任意の割合で合成して3種以上の第1色信号を生成する第1色信号生成部を有し、
前記2種以上の近赤外光信号は、前記3種以上の可視光信号と同時に取得されたものであり、少なくとも、ピーク波長が700~870nmの範囲にある近赤外光に基づく第1近赤外光信号とピーク波長が870~2500nmの範囲にある近赤外光に基づく第2近赤外光信号とを含み、
前記第1色信号生成部では、各光信号の品質及び/又は強度に応じて、前記可視光信号と前記近赤外光信号の合成比率を変える画像生成装置。
【請求項2】
前記第1色信号生成部では、前記3種以上の可視光信号及び前記2種以上の近赤外光信号に信号処理を施した後でこれらを合成する請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記固体撮像素子から出力された光信号を、前記可視光信号と前記近赤外光信号とに分離して出力する信号分離部を有し、
前記信号分離部で分離された可視光信号及び近赤外光信号が前記第1色信号生成部に入力される請求項1又は2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記固体撮像素子から出力された前記3種以上の可視光信号と、前記2種以上の近赤外光信号又は前記可視光に基づく成分と前記近赤外光に基づく成分の両方を含む2種以上の混合光信号から3種以上の第2色信号を生成する第2色信号生成部と、
前記第1色信号と前記第2色信号を合成してカラー画像を生成する画像生成部と
を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記第2色信号生成部では、前記3種以上の可視光信号に前記2種以上の近赤外光信号又は前記混合光信号を足し合わせて3種以上の第2色信号を生成する請求項4に記載の画像生成装置。
【請求項6】
前記第2信号生成部では、前記可視光信号、前記近赤外光信号及び前記混合光信号のいずれかを選択して前記第2色信号を生成する請求項4に記載の画像生成装置。
【請求項7】
前記画像生成部では、前記第1色信号と前記第2色信号の差分が、前記第2色信号に足し合わされる請求項4~6のいずれか1項に記載の画像生成装置。
【請求項8】
前記第1色信号と前記第2色信号の差分は、ノイズ低減処理が施された後、前記第2信号に足し合わされる請求項7に記載の画像生成装置。
【請求項9】
前記第2色信号は、鮮鋭化処理が施された後、前記第1信号と足し合わされる請求項7又は8に記載の画像生成装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の画像生成装置と、
相互に波長又は波長域が異なる3以上の可視光及び相互に波長又は波長域が異なる2以上の近赤外光を検出する固体撮像素子を備え、被写体から受光した可視光及び近赤外光をそれぞれの電気信号に変換する撮像部と
を備える撮像装置。
【請求項11】
被写体に前記2以上の近赤外光を照射する照明部を備える請求項10に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光と近赤外光とからカラー画像を生成する画像生成装置及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体で反射された赤外線や被写体が放射する赤外線を検出し、被写体のカラー画像を形成する画像撮影装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の画像撮影装置では、近赤外波長領域においても、可視波長領域と同様の被写体分光反射率特性が見られることを利用して、近赤外光からカラー画像を生成している。具体的には、同一被写体を可視光下で目視したときの色と相関関係が高い近赤外領域の光を検出し、その検出情報から疑似的に表示色を生成している。この技術を利用すれば、極低照度環境や暗闇においても、カラー画像を撮像することが可能となる。
【0003】
また、従来、近赤外光を利用して、低照度下で撮影したカラー画像を鮮明化する方法が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。特許文献2に記載の撮像装置では、赤外線照明装置を用いて撮影したモノクロ画像と、可視光により撮影したカラー画像を合成することで、低照度下で撮影したカラー画像のコントラストを向上させている。一方、特許文献3に記載の撮像装置では、赤外線照射撮影においてホワイトバランスを適正化し、色再現性を向上させるために、赤外線撮像信号と可視光撮像信号に分けて演算処理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2011/013765号
【文献】特開2011-233983号公報
【文献】特開2010-161453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特許文献2,3に記載の撮像装置は、色情報を可視光信号から得ているため、可視光がほとんどない環境下ではカラー画像を撮影することはできないという問題点がある。これに対して、特許文献1に記載の撮像装置は、近赤外光のみでカラー画像を生成できるため、暗闇(0ルクス)でも撮影可能であるが、可視光との相関関係により色を設定しているため色再現性に課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、可視光が十分にない環境下で撮影しても、鮮明で色再現性に優れたカラー画像を生成することが可能な画像生成装置及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像生成装置は、固体撮像素子から出力された相互に波長又は波長域が異なる可視光に基づく3種以上の可視光信号に、前記固体撮像素子から出力された相互に波長又は波長域が異なる近赤外光に基づく2種以上の近赤外光信号を任意の割合で合成して3種以上の第1色信号を生成する第1色信号生成部を有し、前記2種以上の近赤外光信号は、前記3種以上の可視光信号と同時に取得されたものであり、少なくとも、ピーク波長が700~870nmの範囲にある近赤外光に基づく第1近赤外光信号とピーク波長が870~2500nmの範囲にある近赤外光に基づく第2近赤外光信号とを含み、前記第1色信号生成部では、各光信号の品質及び/又は強度に応じて、前記可視光信号と前記近赤外光信号の合成比率を変える。
前記第1色信号生成部では、前記3種以上の可視光信号及び前記2種以上の近赤外光信号に信号処理を施した後、これらを合成してもよい。
本発明の画像生成装置は、前記固体撮像素子から出力された光信号を、前記可視光信号と前記近赤外光信号とに分離して出力する信号分離部を有し、前記信号分離部で分離された可視光信号及び近赤外光信号が前記第1色信号生成部に入力される構成とすることもできる。
また、本発明の画像生成装置は、前記固体撮像素子から出力された前記3種以上の可視光信号と、前記2種以上の近赤外光信号又は前記可視光に基づく成分と前記近赤外光に基づく成分の両方を含む2種以上の混合光信号から3種以上の第2色信号を生成する第2色信号生成部と、前記第1色信号と前記第2色信号を合成してカラー画像を生成する画像生成部とを有していてもよい。
その場合、前記第2色信号生成部では、例えば前記3種以上の可視光信号に前記2種以上の近赤外光信号又は前記混合光信号を足し合わせて3種以上の第2色信号を生成する。
又は、前記第2信号生成部において、前記可視光信号、前記近赤外光信号及び前記混合光信号のいずれかを選択して前記第2色信号を生成してもよい。
一方、前記画像生成部では、前記第1色信号と前記第2色信号の差分を、前記第2色信号に足し合わせてもよい。
その際、前記第1色信号と前記第2色信号の差分にノイズ低減処理を施した後、前記第2信号に足し合わせることもできる。
また、前記第2色信号は、鮮鋭化処理が施された後、前記第1信号と足し合わせてもよい。
【0008】
本発明に係る撮像装置は、前述した画像生成装置と、相互に波長又は波長域が異なる3以上の可視光及び相互に波長又は波長域が異なる2以上の近赤外光を検出する固体撮像素子を備え、被写体から受光した可視光及び近赤外光をそれぞれの電気信号に変換する撮像部とを備える。
本発明の撮像装置は、被写体に前記2以上の近赤外光を照射する照明部を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、3種以上の可視光信号と2種以上の近赤外光信号とを特定の条件で合成して色信号を生成しているため、可視光が十分にない環境下においても、鮮明で色再現性に優れたカラー画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態の画像生成装置の構成を示すブロック図である。
図2図1に示す画像生成装置10に入力される光信号を示す図である。
図3図1に示す信号処理部3a,3bの構成例を示すブロック図である。
図4図1に示す信号処理部3a,3bの他の構成例を示すブロック図である。
図5】本発明の第1の実施形態の第1変形例の画像生成装置の構成を示すブロック図である。
図6】本発明の第2の実施形態の画像生成装置の構成を示すブロック図である。
図7図6に示す信号処理部6の構成例を示すブロック図である。
図8図6に示す画像生成部22の構成例を示すブロック図である。
図9図6に示す画像生成部22の他の構成例を示すブロック図である。
図10】本発明の第2の実施形態の第1変形例の画像生成装置の構成を示すブロック図である
図11図10に示す信号分離部4での分離演算例を示す図である。
図12】本発明の第3の実施形態の撮像装置の構成を示すブロック図である。
図13】A~Dは固体撮像素子の画素配置例を示す図である。
図14】固体撮像素子の他の画素配置例を示す図である。
図15】A,Bは図14に示す画素配置の撮像素子を用いてカラー画像を生成する方法を示す図であり、Aは可視光に基づく画像を撮像する場合、Bは近赤外光に基づく画像を撮像する場合を示す。
図16図14に示す画素配置の撮像素子を用いて白黒画像を生成する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0012】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係る画像生成装置について説明する。図1は本実施形態の画像生成装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の画像生成装置10は、3種以上の可視光信号及び2種以上の近赤外光信号からカラー画像を生成するものであり、第1色信号生成部1と、画像生成部2とを備え、更に必要に応じて信号処理部3a,3bが設けられている。
【0013】
[光信号]
図2図1に示す画像生成装置10に入力される光信号を示す図である。図2に示すように、本実施形態の画像生成装置10に入力される可視光信号S,S,Sは、それぞれ固体撮像素子から出力されたものであり、固体撮像素子の可視光画素R,G,Bで検出された相互に波長又は波長域が異なる3種の可視光に基づくものである。また、近赤外光信号SIR1,SIR2は、可視光信号S,S,Sと同時に取得されたものであり、固体撮像素子の近赤外画素IR1,IR2で検出された相互に波長又は波長域が異なる2種の近赤外光に基づくものである。
【0014】
ここで、2種以上の近赤外光信号は、少なくとも、ピーク波長が700~870nmの範囲にある近赤外光に基づく第1近赤外光信号SIR1と、ピーク波長が870~2500nmの範囲、好ましくは870~1100nmの範囲にある近赤外光に基づく第2近赤外光信号SIR2とを含む。これらの波長域の近赤外光信号SIR1,SIR2を用いることで、赤色光R及び緑色光Gなどの可視光の分光特性を近似的に再現することが可能となるため、可視光が十分にない環境でも色再現性に優れたカラー画像を得ることができる。
【0015】
なお、図1及び図2には、3種の可視光信号及び2種の近赤外光信号を用いる場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、可視光信号は3種以上、近赤外光信号は2種以上であればよい。また、本発明は、固体撮像素子において検出対象の可視光及び近赤外光のうち1又は2以上の光が検出されない場合も含み、その場合は、該当する可視光信号又は近赤外光信号は信号強度が0として扱う。
【0016】
[第1色信号生成部1]
第1色信号生成部1は、可視光信号S,S,Sに近赤外光信号SIR1,SIR2を任意の割合で合成して、カラー画像生成用の3種以上の第1色信号Rl,Gl,Blを生成するものである。その際、可視光信号S,S,Sと近赤外光信号SIR1,SIR2の合成比率は、色再現性重視の観点から、輝度やクロマレベル(彩度)などの光信号の品質及び/又は光信号の強度(信号レベル)に応じて変更する。
【0017】
例えば、可視光信号S,S,Sの品質や強度が低いとき、近赤外光信号SIR1,SIR2の品質や強度が高いとき、又は、可視光信号S,S,Sと近赤外光信号SIR1,SIR2との相互関係から近赤外光信号SIR1,SIR2が有効なときは、近赤外光信号SIR1,SIR 比率を高くする。これにより、近赤外光固有の偽色を目立たなくなり、生成されるカラー画像の画質を高め、被写体の動的な変化に自然な連続性を確保した動画を得ることができる。なお、可視光信号と近赤外光信号の合成比率は、各光信号の品質や強度に加えて、露光量や照明光の照射量などを考慮して決定してもよい。
【0018】
また、一の画像における合成比は、画像全体で同じにしてもよいが、局所的に変えることもできる。画像全体で一様な合成比をとする場合は、例えば一定画素範囲の積分値などを用いて合成比を決定することができる。その際の画素範囲は、観察時に重視されるような有効領域内であることが望ましいが、有効領域に対して、各応答レベルの検出部を設けることが難しい場合は、簡易な代替手法として、有効画素の外側である端部に、小規模な検出専用領域を設けて、その領域だけの検出結果から判断してもよい。
【0019】
一方、画素領域ごとに異なる比率で合成する場合は、隣接画素の応答や、局所的に周辺画素の応答にフィルタ処理を行った結果を用いて合成比を決定することができる。比較する2種のペアは1組の情報だけでなく、複数組を用いてもよく、任意の重み平均などにより1つの代表的な成分比情報に換算して利用してもよい。
【0020】
更に、合成比率を局所的に変調する場合は、例えば、画素毎に独立して異なる合成比を与えることによって、最終的に得られる画像全体の画質を最適化することができる。画素毎に独立して異なる合成比を与える場合は、演算のための負荷やコストが高くなるデメリットもあるが、近赤外光信号が可視光の光量不足を補うことができる。撮影画角の中で可視光の照射光量は必ずしも均一ではないため、位置や領域ごとに合成比を変えることにより、可視光の応答を補い、画面全体での過不足が抑えることができるため、適正な画質が得られる。
【0021】
[画像生成部2]
画像生成部2は、第1色信号生成部1で生成した第1色信号Rl,Gl,Blからカラー画像を生成する。その際、必要に応じて、ホワイトバランス(White Balance:WB)、画像補間(Interpolation:ITP)、色補正(Color Correction)、階調補正(Tone Correction)及びノイズ低減(Noise Reduction:NR)などの現像処理を行う。
【0022】
[信号処理部3a,3b]
本実施形態の画像生成装置10には、前述した構成に加えて、第1色信号生成部1に入力する可視光信号S,S,S及び近赤外光信号SIR1,SIR2に対して各種信号処理を施す信号処理部3a,3bが設けられていてもよい。図3は信号処理部3a,3bの構成例を示すブロック図である。図3に示すように、信号処理部3a,3bには、それぞれ、ホワイトバランス調整部WB、画像補間処理部ITP、色補正処理部CC及び階調補正部Toneなどが設けられている。
【0023】
ホワイトバランス調整部WBでは、被写体の無彩色表面が無彩色として表現されるように可視光信号S,S,S及び近赤外光信号SIR1,SIR2のレベルが整えられる。その際、近赤外光信号が3種であればそれぞれ赤色R,緑色G、青色Bとして処理をすればよいが、図3に示すように近赤外光信号が2種の場合は、例えば近赤外光信号SIR1を赤色(R)とみなし、近赤外光信号SIR2を緑色(G)とみなし、青色(B)はないとみなして処理すればよい。
【0024】
画像補間処理部ITPは、カラーフィルタ配列によって、カラーフィルタの種類ごとに画素位置が異なる信号(画素位置ごとにカラーフィルタの種類が異なる信号)に対して、補間演算を行い、全画素位置について、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3種類の信号を得る。ここで、近赤外光信号が2種の場合は、前述したホワイトバランスと同様に、近赤外光信号SIR1を赤色(R)とみなし、近赤外光信号SIR2を緑色(G)とみなし、青色(B)はないとみなして処理すればよい。
【0025】
色補正処理部CCでは、例えば3×3のリニアマトリクス演算による色補正を実行する。その際、リニアマトリクス係数を調整することにより、多様な被写体の色を適切に表現することができる。具体的には、可視光信号S,S,S及び近赤外光信号SIR1,SIR2のそれぞれについて、目的とする色再現性が得られるように予め係数を決めておき、それらの係数を用いて例えば下記数式1及び数式2により計算される。
【0026】
【数1】
【0027】
【数2】
【0028】
階調補正部Toneは、光量に対して線形な応答特性をもつ各光信号に対して、画像として適正な階調となるように補正を行う。具体的には、光量に対して線形な応答である入力信号に対して、ディスプレイ表示などを想定した符号化規格に合わせて非線形変換を行う。階調補正部Toneでの変換特性(変換関数)は、画像の見え方を補正したり表現するために、意図的な非線形特性を加える場合もあり、また、変換処理も、数式を用いたり、1次元の数値テーブルを与えて補間したり、多様な操作方法を適用することができる。
【0029】
なお、信号処理部3a,3bで行う各処理は、前述したホワイトバランス、画像補間、色補正及び階調補正に限定されるものではなく、これらの処理に加えて又はこれらの処理に代えて、黒レベル補正(BK)、色空間変換(CSC)及びノイズ低減(NR)などの処理を行うこともできる。また、各処理の順番は図3に示す順に限定されるものではなく、その実施位置も適宜設定することができる。
【0030】
更に、可視光信号S,S,Sと近赤外光信号SIR1,SIR2で異なる処理を行ってもよく、また、これらの処理の一部又は全部を、第1色信号生成部1に入力前の可視光信号S,S,S及び近赤外光信号SIR1,SIR2ではなく、第1色信号生成部1から出力された第1色信号Rl,Gl,Blに対して行ってもよい。
【0031】
図4は信号処理部3a,3bの他の構成例を示すブロック図である。固体撮像素子から出力された近赤外光信号は、可視光信号に比べて色分離が十分でなく、無彩色付近に集約される。また、信号空間(色空間)内の位置によって、状態の差が大きく、分布が複雑である。そこで、本実施形態の画像生成装置では、信号処理部3a,3bを図4に示すような構成とすることにより、このような光信号に対して確実な補正効果を得ることができる。
【0032】
具体的には、可視光信号S,S,Sを処理する信号処理部3aには、ホワイトバランス調整部WB、画像補間処理部ITP、色補正処理部CC1、階調補正部Tone及び色空間変換部CSCをこの順に設け、近赤外光信号SIR1,SIR2を処理する信号処理部3bには、ホワイトバランス調整部WB、画像補間処理部ITP、階調補正部Tone、色空間変換部CSC及び色補正処理部CC2をこの順に設ける。
【0033】
色空間変換部CSCは、下記数式3に示すマトリクス計算により、可視光信号及び近赤外信号を輝度色度信号に変換するものである。変換先の空間は、次の補正段階の係数を区別するための仮想の分離空間であり、一時的な仮の信号空間(Y’,Cb’,Cr’)である。
【0034】
【数3】
【0035】
上記数3における各係数は、任意に設定することができるが、例えばY’をITU-RBT.709規格に適合させる場合は、以下のようになる。
RY=0.2126, aGY=0.7152, aBY=0.0722
Rb=-0.1146, aGb=-0.3854, aBb=0.5
Rr=0.5, aGr=-0.4542, aBr=-0.0458
【0036】
なお、色空間変換部CSCにおける処理は、必ずしも出力信号の規格に従う必要はなく、各光信号に補正効果を与えるために都合のよい空間に調整することもできる。例えば、Cb’、Cr’の各軸をそれぞれB=G及びR=Gの条件に割り当てる場合は、下記のように変更すればよい。
Rb=0, aGb=-0.5, aBb=0.5
Rr=0.5, aGr=-0.5, aBr=0
【0037】
色補正処理部CC2は、階調補正後に色空間補正が行われた輝度色度信号S,SCb,SCrに対して色補正を行うものであり、例えば下記数式4に示すマトリクス計算式を用いて行われる。
【0038】
【数4】
【0039】
上記数式4における係数は、4×3種類あるが、適用時にCb’、Cr’の各入力信号の極性を参照して、次のように2×3種類を選択すればよい。
Cb’≧0のとき sbY=sbY+, sbb=sbb+, sbr=sbr+
Cb’<0のとき sbY=sbY-, sbb=sbb-, sbr=sbr-
Cr’≧0のとき srY=srY+, srb=srB+, srr=srr+
Cr’<0のとき srY=srY-, sRB=srb-, srr=srr-
【0040】
また、各係数の設定は、次のような値で補正は無効であるが、この状態から各係数を変更して調整することによって、少ないパラメータ操作でも、多様な被写体の色をある程度独立に表現することができる。
bY+=sbY-=0, srY+=srY-=0
bb+=sbb-=1.0, srb+=srb-=0
br+=sbr-=0, srr+=srr-=1.0
【0041】
このように、図4に示す信号処理部3a,3bでは、可視光については、階調補正前の線形な光信号S,S,Sに対して色補正を行い、近赤外光については、階調補正後に色空間補正が行われた輝度色度信号S,SCb,SCrに対して色補正を行う。これにより、近赤外光信号を用いても、色再現性の高いカラー画像を生成することができる。
【0042】
以上詳述したように、本実施形態の画像生成装置は、固体撮像素子において同時に取得された3種以上の可視光信号と2以上の近赤外光信号を用い、信号の品質や強度に応じてこれらの合成比を調整して得た色信号からカラー画像を生成しているため、可視光が十分にない環境下で撮影しても、鮮明で色再現性に優れたカラー画像が得られる。
【0043】
そして、本実施形態の画像生成装置を適用することにより、撮像系で撮影条件(可視光撮影か近赤外光撮影か)を変更するのではなく、現像系で合成条件を変えることで、撮影環境の明るさの変化に対応することが可能となるため、可視光の量にかかわらず、高品質なカラー画像が得られる撮像装置を実現することができる。本実施形態の画像生成装置は、監視カメラのように長時間動画を撮影する撮像装置に特に好適である。
【0044】
(第1の実施形態の第1変形例)
前述した第1の実施形態では、可視光と近赤外光がそれぞれ異なる画素で検出される撮像素子を用いた場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可視光と近赤外光を同一画素で検出する撮像素子にも適用することができる。
【0045】
図5は本発明の第1の実施形態の第1変形例の画像生成装置の構成を示すブロック図である。なお、図5においては、図1に示す画像生成装置10の構成要素と同じものには同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図5に示すように、本変形例の画像生成装置11は、第1色信号生成部1、画像生成部2及び信号処理部3a,3bに加えて、信号分離部4が設けられている。
【0046】
[信号分離部4]
信号分離部4は、固体撮像素子から出力された光信号を、可視光信号と近赤外光信号とに分離して出力するものである。この信号分離部4では、固体撮像素子の近赤外光画素から出力された可視光成分と近赤外光成分の両方を含む混合光信号SR+IR1,SG+IR2,SB+IR3が、近赤外光信号SIR1,SIR2,SIR3と、可視光信号S,S,Sに分離される。
【0047】
そして、分離された可視光信号S,S,Sは、可視光画素から出力された可視光信号S,S,Sと共に出力されて信号処理部3a又は第1信号生成部1に入力し、分離された近赤外光信号SIR1,SIR2,SIR3は、信号処理部3b又は第1信号生成部1に入力される。なお、固体撮像素子の近赤外光画素が近赤外光のみを検出する構成の場合、即ち、固体撮像素子から可視光と近赤外光の両方を含む信号が出力されない場合は、信号分離部4は不要である。また、固体撮像素子で検出される近赤外光が2波長(域)の場合は、信号分離部4からは2種類の近赤外光信号SIR1,SIR2が出力される。
【0048】
本変形例の画像生成装置は、信号分離部4を備えているため、固体撮像装置の画素が可視光と近赤外光の両方を検出するような構成であっても、前述した第1の実施形態と同様に、可視光が十分にない環境下で撮影しても、鮮明で色再現性に優れたカラー画像を生成することが可能である。なお、本変形例における上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態と同様である。
【0049】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像生成装置について説明する。図6は本実施形態の画像生成装置を示すブロック図である。なお、図6においては、図1に示す画像生成装置10の構成要素と同じものには同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図6に示すように、本実施形態の画像生成装置20には、第1色信号生成部1、画像生成部22及び信号処理部3a,3bに加えて、第2色信号生成部5及び信号処理部6が設けられている。
【0050】
[第2色信号生成部5]
第2色信号生成部5は、固体撮像素子から出力された可視光信号S,S,Sと近赤外光信号SIR1,SIR2,SIR3から、第2色信号Rh,Gh,Bhを生成するものである。前述した第1色信号生成部1では、色再現性を重視して可視光信号と近赤外光信号を合成しているが、第2色信号生成部5では、信号対雑音比(signal-to-noise ratio:SN比)を重視して、可視光信号と近赤外光信号を合成する。
【0051】
第2色信号Rh,Gh,Bhを生成する方法としては、例えば、可視光信号S,S,Sと近赤外光信号SIR1,SIR2,SIR3を足し合わせる方法、或いは、可視光信号S,S,Sと近赤外光信号SIR1,SIR2,SIR3のいずれかを選択する方法などを用いることができる。
【0052】
[信号処理部6]
図7は信号処理部6の構成例を示すブロック図である。図7に示すように、信号処理部6は、前述した第2信号生成部5で生成した第2色信号Rh,Gh,Bhに対して、各種信号処理を施すものであり、ホワイトバランス調整部WB、画像補間処理部ITP及び階調補正部Toneなどを備えている。これら、ホワイトバランス調整部WB、画像補間処理部ITP及び階調補正部Toneの処理は、前述した信号処理部3a,3bと同様である。
【0053】
[画像生成部22]
画像生成部22は、第1色信号生成部1で生成した色再現性重視の第1色信号Rl,Gl,Blと、第2色信号生成部5で生成したSN比重視の第2色信号Rh,Gh,Bhからカラー画像を生成するものである。その際、色再現性重視の第1色信号Rl,Gl,Blに含まれるノイズの低減や、SN比重視の第2色信号Rh,Gh,Bhにおけるエッジ表現や鮮鋭度の調整を行うことが好ましい。
【0054】
図8及び図9は画像生成部22の構成例を示すブロック図である。画像生成部22では、例えば、図8に示すように、第1色信号Rl,Gl,Blと第2色信号Rh,Gh,Bhの差分をとり、この差分に対してノイズ低減処理部NRでノイズ低減処理を施す。そして、ノイズ低減された差分を、再度第2色信号Rh,Gh,Bhに加算してカラー画像を得る。
【0055】
また、図9に示すように、ノイズ低減処理部NRの他に鮮鋭化処理部SHを設け、第2色信号Rh,Gh,Bhにエッジ強調やシャープネスなどの鮮鋭化処理を施してもよい。この場合、鮮鋭化処理が施された第2色信号Rh,Gh,Bhに、ノイズ低減された差分が加算される。
【0056】
色再現性重視の第1色信号Rl,Gl,Blにはノイズが比較的多く含まれる。この第1色信号Rl,Gl,Blに含まれるノイズは、入力信号から直接低減してもよいが、図8及び図9に示すように、SN比重視の第2色信号Rh,Gh,Bhとの差分に対してノイズ低減処理をすることにより、効果的にノイズを低減することができる。
【0057】
以上詳述したように、本実施形態の画像生成装置では、固体撮像素子で同時に取得された可視光信号と近赤外信号を用いて、色再現性重視の第1色信号Rl,Gl,BlとSN比重視の第2色信号Rh,Gh,Bhを生成し、これら2種類の信号からカラー画像を生成しているため、可視光の量に関わらず、鮮明でかつ色再現性に優れたカラー画像を得ることができる。なお、本実形態における上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態及びその変形例と同様である。
【0058】
(第2の実施形態の第1変形例)
前述した第2の実施形態では、可視光と近赤外光がそれぞれ異なる画素で検出される撮像素子を用いた場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可視光と近赤外光を同一画素で検出する撮像素子にも適用することができる。
【0059】
図10は本変形例の画像生成装置の構成を示すブロック図である。なお、図10においては、図6に示す画像生成装置20の構成要素と同じものには同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図10に示すように、本変形例の画像生成装置21は、信号処理部3a,3bの手前に信号分離部4が設けられている以外は、前述した第2の実施形態の画像生成装置20と同じである。
【0060】
図11は信号分離部4での分離演算例を示す図である。例えば、固体撮像素子において可視光を3波長、近赤外光検出を2波長検出した場合、図10に示すように、画像生成装置21には、可視光信号S,S,Sと、可視光成分と近赤外光成分の両方を含む混合光信号SR+IR1,SG+IR2が入力される。そして、これらの光信号は、信号分離部4において、可視光信号S,S,Sと近赤外光信号SIR1,SIR2に分離される。
【0061】
その際、可視光信号と近赤外光信号とに分離する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、図11に示すように、赤色光Rに対応する可視光信号Sと、緑色光Gに対応する可視光信号SG、青色光Bに対応する可視光信号Sはそのまま出力する。また、赤色光Rに対応する成分と近赤外光IR1に対応する成分を含む混合光信号SR+IR1から可視光信号Sを引くことで、近赤外光信号SIR1が得られる。
【0062】
更に、緑色光Gに対応する成分と近赤外光IR2に対応する成分を含む混合光信号SG+IR2から可視光信号Sを引いた信号と、青色光Bに対応する成分と近赤外光IR2に対応する成分を含む光信号SB+IR2から可視光信号Sを引いた信号との平均をとることで、近赤外光信号SIR2が得られる。そして、これらの5種類の光信号は、必要に応じて信号処理が施された後、第1色信号生成部1に入力される。
【0063】
一方、第2色信号生成部5では、固体撮像素子から出力された可視光信号S,S,Sと混合光信号 R+IR1 ,SG+IR2から、第2色信号Rh,Gh,Bhが生成される。第2色信号Rh,Gh,Bhの生成には、前述した第2の実施形態と同様に、可視光信号S,S,Sと混合光信号SR+IR1,SG+IR2を足し合わせる方法や、可視光信号S,S,Sと混合光信号SR+IR1,SG+IR2のどちらかを選択する方法などを用いることができる。
【0064】
なお、本実施形態の画像生成装置における上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態、その変形例及び第2の実施形態と同様である。
【0065】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る撮像装置について説明する。図12は本実施形態の撮像装置の構成を示すブロック図である。図12に示すように、本実施形態の撮像装置30は、撮像部31と、現像部32とを備え、現像部32が前述した画像生成装置10,11,20,21で構成されている。また、本実施形態の撮像装置30には、被写体40に2以上の近赤外光を照射する照明部33が設けられていてもよい。
【0066】
[撮像部31]
撮像部31は、相互に波長又は波長域が異なる3以上の可視光及び相互に波長又は波長域が異なる2以上の近赤外光を検出する固体撮像素子を備え、被写体から受光した可視光及び近赤外光をそれぞれの電気信号に変換して出力するものである。
【0067】
図13A~D及び図14は固体撮像素子の画素配置例を示す図である。固体撮像素子の画素配置は、特に限定されるものではないが、例えば可視光と近赤外光とを別画素で検出する場合は、図13Aに示す画素配置を採ることができる。また、可視光と近赤外光とを同一画素で検出する場合は、図13Bに示す画素配置を採ることができる。
【0068】
更に、撮像部31に被写体40からの反射光を分光する分光素子を設け、2以上の固体撮像素子で可視光と近赤外光を検出してもよく、その場合、例えば図13Cに示すように、一の固体撮像素子で可視光を検出し、他の固体撮像素子で可視光と近赤外光を検出する構成としてもよい。又は、図13Dに示すように、一の固体撮像素子で可視光のみを検出し、他の固体撮像素子で近赤外光のみを検出する構成としてもよい。
【0069】
また、撮像部31の撮像素子は、図14に示すように、赤色光を検出する赤色画素Rと、青色光を検出する青色画素Bと、緑色光を検出する2つの緑色画素Gとで構成される可視光検出領域と、第1の近赤外光を検出する第1近赤外画素IR1と、第2の近赤外光を検出する第2近赤外画素IR2と、第3の近赤外光を検出する2つの第3近赤外画素IR3で構成される近赤外光検出領域とが、交互に配置された構成とすることもできる。
【0070】
図15A,Bは図14に示す画素配置の撮像素子を用いてカラー画像を生成する方法を示す図であり、図15Aは可視光に基づく画像を撮像する場合、図15Bは近赤外光に基づく画像を撮像する場合を示す。図14に示す画素配置の撮像素子を用いて可視光カラー画像を生成する場合は、図15Aに示す可視光検出領域の各画素R,G,Bで検出された光に基づく可視光信号S,S,Sを用いる。具体的には、各画素R,G,Bから出力された可視光信号S,S,Sに信号処理を施し、必要に応じて近赤外光検出領域の画素IR1,IR2,IR3で検出された近赤外光信号SIR1,SIR2,SIR3を合成して、カラー画像を生成する。
【0071】
また、図14に示す画素配置の撮像素子を用いて近赤外光カラー画像を生成する場合は、図15Bに示す近赤外光検出領域の画素IR1,IR2,IR3で検出された光に基づく近赤外光信号SIR1,SIR2,SIR3を用いる。具体的には、各画素IR1,IR2,IR3から出力された近赤外光信号SIR1,SIR2,SIR3に信号処理を施し、必要に応じて可視光信号S,S,Sを合成して、カラー画像を生成する。
【0072】
図16図14に示す画素配置の撮像素子を用いて白黒画像を生成する方法を示す図である。本実施形態の撮像装置では、カラー画像だけでなく特定波長の光に基づく二次元白黒画像を生成することもできる。図14に示す画素配置の撮像素子を用いた場合、赤色光、青色光、緑色光及び波長の異なる3種の近赤外光の6種類の画像を生成することが可能である。その場合、例えば図16に示すように、可視光信号S,S,S及び近赤外光信号SIR1,SIR2,SIR3について、それぞれ個別に信号処理を行い、白黒画像を生成する。
【0073】
なお、本発明の撮像装置に用いられる固体撮像素子は、図13A~D又は図14に示すものに限定されるものではなく、相互に波長又は波長域が異なる3以上の可視光と、相互に波長又は波長域が異なる2以上の近赤外光を検出可能なものであればよい。
【0074】
本実施形態の撮像装置は、前述した画像生成装置を用いているため、可視光の量にかかわらず、鮮明で色再現性に優れたカラー画像を生成することができる。また、本実施形態の撮像装置は、従来の撮像装置のように撮影環境の明るさに応じて、可視光による撮影と、近赤外光による撮影を切り替える必要がないため、切り替え機構や明るさを検出するためのセンサなどが不要となる。なお、実施形態の撮像装置における上記以外の構成及び効果は、前述した第1及び第2の実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0075】
1 第1色信号生成部
2、22 画像生成部
3a,3b,6 信号処理部
4 信号分離部
5 第2色信号生成部
10、11、20,21 画像生成装置
30 撮像装置
31 撮像部
32 現像部
33 照明部
40 被写体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16