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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】薬剤包装装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20230105BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021185899
(22)【出願日】2021-11-15
(62)【分割の表示】P 2017137148の分割
【原出願日】2017-07-13
(65)【公開番号】P2022010305
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 隆行
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-000508(JP,A)
【文献】特開昭60-145898(JP,A)
【文献】特開2017-121411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
B43L 13/00
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を包材で包装する薬剤包装装置であって、
各々がペン先を有する複数のペンと、
前記複数のペンを保持するペン保持部と、
前記ペン保持部によって保持された前記複数のペンの前記ペン先を前記包材に対して当
接または離隔させるように、前記ペン保持部を駆動する駆動機構とを備え、
前記複数のペンは、前記ペン先とは反対側に位置する後端部をさらに有し、
前記複数のペンの前記後端部には、ペンの種類を識別するための情報が視覚的に表示さ
れており、
前記ペン保持部は、
前記複数のペンを個別に後方から挿抜可能に保持するペン保持部本体と、
前記ペン保持部本体に対して着脱可能に取り付けられ、前記ペン保持部本体に取り付
けられた状態では、前記複数のペンの前記後端部を後方から係止する着脱部とを備える
薬剤包装装置。
【請求項2】
前記着脱部が前記ペン保持部本体に取り付けられた状態でも、前記複数のペンの前記後
端部を視認可能である、請求項に記載の薬剤包装装置。
【請求項3】
前記薬剤包装装置は、
前記着脱部に設けられる被検出部と、
前記駆動機構に設けられ、前記被検出部を検出する検出部とをさらに備え、
前記検出部は、前記着脱部が前記ペン保持部本体に取り付けられた状態のときに、前記
被検出部を検出する、請求項またはに記載の薬剤包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬剤包装装置である薬剤分包装置の一例が特開2001-508号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1に記載された装置は、表示部形成装置を備える。この表示部形成装置は、色の異なる複数のペンを支持している。フレームに、複数のペンにそれぞれ対応するように複数のソレノイドが取り付けられている。各ペンのペン先は、ソレノイドによって薬包帯に押し付けられる。各ペンは、ソレノイドが動作しないときにはフレームに形成された溝に収納されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された表示部形成装置では、ペンの交換に関する作業性のことは考慮されていない。
【0005】
そこで、本発明は、薬剤を包材で包装すると共に、ペンで包材に表示部を形成することができ、しかもペンの交換作業を容易にすることができる薬剤包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に基づく薬剤包装装置は、薬剤を包材で包装する薬剤包装装置であって、各々がペン先を有する複数のペンと、上記複数のペンを保持するペン保持部と、上記ペン保持部によって保持された上記複数のペンの上記ペン先を上記包材に対して当接または離隔させるように、上記ペン保持部を駆動する駆動機構とを備え、上記複数のペンは、上記ペン先とは反対側に位置する後端部をさらに有し、上記複数のペンの上記後端部には、ペンの種類を識別するための情報が視覚的に表示されており、上記ペン保持部は、上記複数のペンを個別に後方から挿抜可能に保持する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、薬剤を包材で包装すると共に、ペンで包材に表示部を形成することができ、しかもペンの交換作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置の斜視図である。
図2】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置の一部である包装機本体部の内部の模式図である。
図3】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置で用いられる包材の説明図である。
図4】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるホッパ部材の近傍の説明図である。
図5】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部と包材との位置関係の説明図である。
図6】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の第1の斜視図である。
図7】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の第2の斜視図である。
図8】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の第3の斜視図である。
図9】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の正面図である。
図10】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の側面図である。
図11】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示形成部の背面図である。
図12】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの第1の斜視図である。
図13】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの第2の斜視図である。
図14】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの側面図である。
図15】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部の第1の斜視図である。
図16】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部の第2の斜視図である。
図17】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部の正面図である。
図18】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンの斜視図である。
図19】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える保持部蓋の第1の斜視図である。
図20】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える保持部蓋の第2の斜視図である。
図21】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える保持部蓋の側面図である。
図22】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える保持部蓋の平面図である。
図23】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示部形成部から保持部蓋を取り外した状態の斜視図である。
図24】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える表示部形成部から保持部蓋を取り外し、さらに複数のペンの全てを抜き取った状態の斜視図である。
図25】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える覆い部本体の第1の斜視図である。
図26】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える覆い部本体の第2の斜視図である。
図27】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える覆い部本体の正面図である。
図28】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える覆い部本体の側面図である。
図29】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える可動部の第1の斜視図である。
図30】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える可動部の第2の斜視図である。
図31】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える可動部の正面図である。
図32】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備える可動部の側面図である。
図33】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部ソケットの第1の斜視図である。
図34】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部ソケットの第2の斜視図である。
図35】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペン保持部ソケットの平面図である。
図36】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの開口部の開閉の説明図である。
図37】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの、開口部が閉状態にあるときの第1の斜視図である。
図38】本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置が備えるペンユニットの、開口部が閉状態にあるときの第2の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
(構成)
図1図38を参照して、本発明に基づく実施の形態1における薬剤包装装置について説明する。本実施の形態における薬剤包装装置101の外観を図1に示す。図1に示すように、薬剤包装装置101は、包装機本体部81と、制御部82とを備える。包装機本体部81は、前面の一部に開閉可能な前扉63を備える。包装機本体部81は、前面に取出し口64を有する。薬剤包装装置101は、清掃ノズル65を備える。清掃ノズル65はホース66を介して包装機本体部81に接続されている。包装機本体部81は、上面に錠剤投入部61と散剤投入口62a,62bとを備える。制御部82は、ディスプレイ82aとキーボード82bとを備える。
【0010】
包装機本体部81の内部のいくつかの構成要素について模式的に図2に示す。図2に示すのは、包装機本体部81の内部の構成のあくまで一例である。図2に示すように、包装機本体部81は、上部にホッパシュート11を備える。ホッパシュート11の下端はホッパ部材12の内部に薬剤を落とすように配置されている。ホッパ部材12の下端は二つ折りになっている包材10の隙間に薬剤を落とすように配置されている。包材10は、たとえば包装シートである。包材10は、たとえばセロハンを主材料とする基材と、熱溶着可能な層、すなわちたとえばポリエチレンを主材料とする層との2層構造であってよい。包材10は、ロール13の状態で包装機本体部81の内部に設置されている。ロール13は、たとえば前扉63を開けることによってユーザがアクセス可能な位置に配置されている。ユーザは、前扉63を開けた状態でロール13を交換することができる。ロール13から繰り出された包材10は、矢印91に示すように適宜送られ、ホッパ部材12の下端を受け入れつつ搬送される。包材10は、図3に示すように二つ折りとなっている。包材10は、左側部10aと右側部10bとを含む。左側部10aと右側部10bとは、底部10cを介してつながっている。包材10は、図3に示す矢印93のように進行する。図4に示すように、ホッパ部材12は、上部にホッパ部材入口67を有し、下部にホッパ部材出口68を有する。ホッパ部材12の下部は、包材10の左側部10aと右側部10bとの間に挿入されている。薬剤1は、ホッパ部材入口67からホッパ部材12の内部に投入され、包材10の左側部10aと右側部10bとの間に落下する。包材10は、シール機構14によってシールされる。送りローラ16によって包材10は矢印93の向きに搬送される。
【0011】
包装機本体部81の内部において、適当な箇所に表示部形成部20が設置される。以下では、包材10が搬送される方向に沿って、「上流」および「下流」という表現を用いる。表示部形成部20は、図2に例示したようにホッパ部材12が包材10の隙間に薬剤1を落下させる位置よりも上流側に配置されてもよく、シール機構14より下流側に配置されてもよい。
【0012】
表示部形成部20が包材10に対して作用する部分の一例を図5に示す。ここでは、ガイドバー17によって包材10の進行方向が切り替わる箇所において、表示部形成部20が包材10に近接して配置されている。表示部形成部20は、ペンユニット21と、ペンユニット支持機構22とを含む。ペンユニット21はペンユニット支持機構22によって支持されている。
【0013】
ここではガイドバー17によって包材10の進行方向が切り替わる箇所において表示部形成部20が包材10に近接して配置され、この位置で包材10に対する書き込み作業が行なわれるものとして示したが、これはあくまで一例である。表示部形成部20は、包材10は平坦な状態で搬送されている区間の途中において包材10に近接して配置され、この位置で包材10に対する書き込み作業が行なわれるものであってもよい。
【0014】
表示部形成部20を単独で取り出して斜め下から見たところを図6に示す。図6に示すように、ペンユニット21は、覆い部本体21aと、ペン保持部23と、ペン保持部ソケット30とを備える。ペン保持部ソケット30はペン保持部23の前端近傍の一部を受け入れるカップ形状の部材である。ペン保持部23は、ペンユニット21のうちペン保持部23以外の部分に対して着脱可能である。ペンユニット21は、複数のペン24を備える。ここでは、ペン24の数は4であるものとして説明するが、ペン24の数を4としたのはあくまで一例であって、ペン24の数は4以外であってもよい。たとえばペンユニット21はペン24を1つしか備えない構成であってもよい。ペン24は、ペン保持部ソケット30の底面に設けられた貫通孔を通過して覆い部本体21aの内側において突出している。
【0015】
表示部形成部20を異なる向きから見たところを図7に示す。図7に示すように、ペン保持部23は保持部蓋26を備える。保持部蓋26はボタン26aを備える。ボタン26aは保持部蓋26の外周の1ヶ所において外向きに突出するように設けられている。表示部形成部20をさらに異なる向きから見たところを図8に示す。ペンユニット21は、覆い部本体21aの内側に重なるように可動部27を備える。図8では可動部27が開いている状態を示している。ペンユニット支持機構22は、ペンユニット21に対向するように第1の磁気センサ28aおよび第2の磁気センサ28bを備える。ペンユニット支持機構22は、ステッピングモータ41,42を備える。ステッピングモータ41による回転は、歯車43を介してペンユニット21に伝達される。
【0016】
表示部形成部20の正面図を図9に示し、側面図を図10に示し、背面図を図11に示す。図9に示すように、本実施の形態では、ペンユニット21の外周面に沿うように第1の磁気センサ28aおよび第2の磁気センサ28bが配置されている。
【0017】
ペンユニット21を単独で取り出したところを図12に示す。ペンユニット21は、前側の端部に覆い部本体21aを備える。ペンユニット21の内部に配置された複数のペン24は、互いに平行に配置されている。複数のペン24は、軸線90の周りに配置されている。複数のペン24はそれぞれペン先24aを有する。複数のペン24のペン先24aは、同じ向きを向いている。複数のペン24のペン先24aは、軸線90に垂直な一定の平面内に配置されている。可動部27は、軸線90を中心として回動可能となっている。保持部蓋26は、複数の磁石26eを備える。複数の磁石26eは保持部蓋26の外周面においてそれぞれ間隔をあけて配置されている。複数の磁石26eは、複数のペン24にそれぞれ対応するように配置されている。複数の磁石26eは等角度間隔で配置されていてもよい。
【0018】
ペンユニット21を異なる向きから見たところを図13に示す。ペン保持部23は、ペン保持部本体25と保持部蓋26とを備える。保持部蓋26はペン保持部本体25の後端に接続されている。保持部蓋26は、中心孔26fを有する。保持部蓋26は、複数の貫通孔26dを有する。複数の貫通孔26dの数は4であるものとして説明するが、これはあくまで一例である。貫通孔26dの数は4以外であってもよい。通常、貫通孔26dの数はペン24の数と等しく設定される。実際に設置されるペン24の数は、貫通孔26dの数より少なくてもよい。複数の貫通孔26dは中心孔26fの周りを取り囲むように配置されている。中心孔26fからは中心棒29の先端が露出している。複数の貫通孔26dの各々からは後端部24bが露出している。後端部24bはペン24の一部である。ペンユニット21をさらに異なる向きから見たところを図14に示す。
【0019】
ペンユニット支持機構22に設けられた第1の磁気センサ28a(図6図9参照)は保持部蓋26の磁石26e(図12図14参照)を検出するためのものである。第1の磁気センサ28aで磁石26eを検出することによって、ペン保持部23が後述の回転の停止位置にあるか否かを検出することができる。
【0020】
ペンユニット支持機構22に設けられた第2の磁気センサ28b(図7図9参照)は、保持部蓋26の磁石26e(図12図14参照)を検出するためのものである。第2の磁気センサ28bで磁石26eを検出することによって、ペン保持部23が正しく装着されているか否かを検出することができる。ペン保持部23が所定の角度位置にあるときに、第2の磁気センサ28bによって検出される対象が何もない場合には、ペン保持部23が正しく装着されていないと判断することができる。この判断は、制御部82(図1参照)によって行なうことができる。制御部82は、ペン保持部23が正しく装着されていないと判断した場合には、エラーメッセージを出すなどしてユーザにその旨を知らせることができる。本実施の形態では、前記所定の角度位置は、可動部27が後述の閉位置となる角度位置であり、ペン保持部23が後述の回転角度-123°となる角度位置である。第2の磁気センサ28bが磁石26eを検出できるのは、ペン保持部本体25(図15参照)がペンユニット21に正しく装着されており、かつ、保持部蓋26がペン保持部本体25に正しく装着されているときに限られるので、第2の磁気センサ28bによる検出結果を参照することで、ペン保持部本体25がペンユニット21に正しく装着されているか否かだけでなく、保持部蓋26がペン保持部本体25に正しく装着されているか否かをも確認することができる。
【0021】
本実施の形態では、第2の磁気センサ28bで磁石26eを検出することによって、ペン保持部23が正しく装着されているか否かを検出することとしているが、これはあくまで一例である。ペンユニット支持機構22には、第2の磁気センサ28bに代えて、反射型の光センサが用いられてもよい。保持部蓋26には、磁石26eに代えて、光反射部が設けられてもよい。光反射部は、保持部蓋26の外周面に全周にわたって形成されてもよい。この場合、ペン保持部23の角度位置にかかわらず、ペン保持部23が正しく装着されているか否かを検出することができる。
【0022】
本実施の形態では、ペンユニット支持機構22は、第3の磁気センサ28c(図6図8図9参照)をさらに備える。可動部27には、後述の磁石27cが設けられる(図29図30参照)。可動部27が後述の閉位置にあるとき、すなわちペン保持部23が後述の回転角度-123°となるとき、第3の磁気センサ28cによって磁石27cを検出することができる。第3の磁気センサ28cによって磁石27cを検出した位置を基準にして、ステッピングモータ41を回転させることで、複数のペン24の中のいずれかのペン24のペン先24aを選択的に、覆い部本体21aの開口部21rに対応する位置に移動させることができる。
【0023】
ペン保持部23を単独で取り出したところを図15に示す。ペン保持部23を異なる向きから見たところを図16に示す。ペン保持部本体25は複数のペン24を保持している。複数のペン24の各々の外周面の一部は、ペン保持部本体25の外周に沿って露出している。ペン保持部本体25は、外周面に溝25aを有する。溝25aは、ペン保持部本体25の長手方向に沿って配置されている。ペン保持部23の正面図を図17に示す。
【0024】
ペン24を単独で取り出したところを図18に示す。ペン24は、ペン先24aと、後端部24bと、中間部24cとを備える。ペン先24aにはインクが含まれている。中間部24cは、ペン先24aと後端部24bとの間に配置されている。中間部24cは、ほぼ円筒形の外面を有する。後端部24bには、ペン先24aに配置されたインクの色を示すマークが配置されていてもよい。ペン24は、油性ペンであってよい。
【0025】
保持部蓋26を単独で取り出したところを図19に示す。保持部蓋26を異なる向きから見たところを図20に示す。保持部蓋26の側面図を図21に示す。保持部蓋26の平面図を図22に示す。図19および図22では、中心孔26fの中にロック板26gが見えている。ロック板26gは、ボタン26aと一体的に形成されている。ボタン26aおよびロック板26gを含む1枚の一体物の金属板が用意され、保持部蓋26の内部に配置されている。ボタン26aを保持部蓋26の中心軸に向かって押し込むことにより、ロック板26gは図22における下方に変位する。これにより、中心孔26fの空間にロック板26gが入り込まない状態が実現され、その結果、中心孔26fに中心棒29が出入り可能となる。
【0026】
表示部形成部20から保持部蓋26を取り外したところを図23に示す。ペンユニット21の後端に複数の後端部24bが突出している。複数の後端部24bに取り囲まれるようにして中心棒29が突出している。中心棒29は先端近傍にくびれ部を有する。くびれ部は、ロック板26gと係合するための部分である。ロック板26gがくびれ部に入り込むことにより、保持部蓋26はロックされた状態、すなわち、保持部蓋26はペン保持部23から外れない状態となる。複数のペン24は、後端部24bを引っ張ることによってペンユニット21から抜き取ることができる。複数のペン24の全てを抜き取った状態を図24に示す。ペンユニット21の後端に複数のペン収容部25dが開口している。ペン24をペン収容部25dに挿入することによって、図23に示したようにペン24を装着することができる。
【0027】
ペンユニット21の一部である覆い部本体21aを単独で取り出したところを図25に示す。覆い部本体21aを異なる向きから見たところを図26に示す。覆い部本体21aの正面図を図27に示す。覆い部本体21aの側面図を図28に示す。覆い部本体21aは開口部21rを有する。ここで示す例では、覆い部本体21aは、円錐台と円柱形とをつなぎ合わせた形状の部分を含む。開口部21rは、この部分から一部を切り取るようにして設けられたものである。
【0028】
可動部27を単独で取り出したところを図29に示す。可動部27を異なる向きから見たところを図30に示す。可動部27の正面図を図31に示す。可動部27の側面図を図32に示す。可動部27は開口部27aを有する。可動部27の開口部27aの大きさは、覆い部本体21aの開口部21rの大きさとほぼ同じである。
【0029】
ペン保持部ソケット30を単独で取り出したところを図33に示す。ペン保持部ソケット30は、ペン24を通すための複数の開口部30aを有する。ペン保持部ソケット30は、外周面に突起30bを備える。ペン保持部ソケット30を異なる向きから見たところを図34に示す。ペン保持部ソケット30は、内周面に突起30cを備える。突起30cは、ペン保持部23のペン保持部本体25の外周面に設けられた溝25a(図15図17参照)と係合する。突起30cおよび溝25aによって、ペン保持部23とペン保持部ソケット30とが、軸線90まわりの周方向に互いに位置決めされる。ペン保持部ソケット30の平面図を図35に示す。
【0030】
ペン保持部23は、磁力によってペン保持部ソケット30に着脱可能に保持される。ペン保持部23には、被吸着部23aが設けられる(図15図17参照)。被吸着部23aは、ペン保持部23のペン保持部本体25の前端部に取り付けられる。被吸着部23aは、磁性体で形成された板部材である。ペン保持部ソケット30には、被吸着部23aを磁力によって吸着する磁石30dが設けられる(図12参照)。磁石30dは、ペン保持部ソケット30の底部に設けられる。被吸着部23aが磁石30dの磁力によって吸着されることで、ペン保持部23がペン保持部ソケット30に着脱可能に保持される。
【0031】
薬剤包装装置101は、薬剤1を包材10で包装する薬剤包装装置であって、ペン先24aを有する少なくとも1つのペン24を保持するペン保持部23と、ペン保持部23によって保持された上記少なくとも1つのペン24のペン先24aを包材10に対して当接または離隔させるように、ペン保持部23を駆動する駆動機構と、ペン保持部23によって保持された上記少なくとも1つのペン24のペン先24aを覆う覆い部31とを備える。覆い部31は、包材10に臨むように開口する開口部21rを有する覆い部本体21aと、覆い部本体21aに沿って移動することで、開口部21rを開閉する可動部27とを備える。
【0032】
図36図38を参照して、ペンユニット21における可動部27の移動の様子を説明する。覆い部本体21aの開口部21rが開閉される。図36では、開口部21rが完全に開状態にある様子を示している。可動部27が図36における矢印96の向きに移動することによって、開口部21rは図37に示すように閉状態となる。閉状態となっているときのペンユニット21を異なる向きから見た様子を図38に示す。ペンユニット21はペン保持部ソケット30とともに回動する歯車44を備える。
【0033】
薬剤包装装置101の構成は、以下のように説明することができる。薬剤包装装置101は、薬剤1を包材10で包装する薬剤包装装置であって、各々がペン先24aを有する複数のペン24を着脱可能に保持するペン保持部23と、ペン保持部23を着脱可能に支持し、ペン保持部23によって保持された複数のペン24のペン先24aを包材10に対して当接または離隔させるように、ペン保持部23を駆動する駆動機構とを備える。ペン保持部23が前記駆動機構に取り付けられた状態でも、複数のペン24がペン保持部23に対して個別に着脱可能である。図8などに示したペンユニット支持機構22は、ここでいう駆動機構に該当する。
【0034】
(作用・効果)
本実施の形態では、ペンを交換する際には、少なくとも2通りの方法から選択することができる。第1の方法は、ペン保持部23を前記駆動機構から取り外し、その状態で、ペン保持部23によって保持されるペン24を交換する方法である。この方法は、複数のペンを一度に交換する場合に適している。第2の方法は、ペン保持部23が前記駆動機構に取り付けられた状態で、ペン保持部23によって保持されるペン24を交換する方法である。この方法は、少数のペンを交換する場合に適している。このように2通りの方法から適宜選択することができるので、ペンの交換作業を容易にすることができる。
【0035】
本実施の形態で示したように、複数のペン24は、ペン先24aとは反対側に位置する後端部24bをさらに有し、ペン保持部23は、前記駆動機構によって着脱可能に支持され、複数のペン24を後方から挿抜可能に保持するペン保持部本体25と、ペン保持部本体25に対して着脱可能に取り付けられ、ペン保持部本体25に取り付けられた状態では、複数のペン24の後端部24bを後方から係止する着脱部とを備える。図19などに示した保持部蓋26は、ここでいう着脱部に該当する。図23に示すように、前記着脱部がペン保持部本体25から取り外されることで、複数のペン24がペン保持部本体25に対して後方から挿抜可能となり、前記着脱部は、ペン保持部本体25が前記駆動機構に取り付けられた状態で、ペン保持部本体25に対して着脱可能であることが好ましい。この構成を採用することにより、ペン24を確実に保持することができ、かつ、ペンを容易に交換することができる。
【0036】
本実施の形態で示したように、複数のペン24の後端部24bには、ペンの種類を識別するための情報が視覚的に表示されていることが好ましい。この構成を採用することにより、ペンの種類を見分けることが容易となる。
【0037】
本実施の形態で示したように、前記着脱部としての保持部蓋26がペン保持部本体25に取り付けられた状態でも、複数のペン24の後端部24bを視認可能であることが好ましい。この構成を採用することにより、保持部蓋26を外さなくてもペン24の種類を見分けることができるので、装着されているペンの種類の確認が容易となる。
【0038】
前記着脱部に設けられる被検出部と、前記駆動機構に設けられ、前記被検出部を検出する検出部とをさらに備え、前記検出部は、ペン保持部本体25が前記駆動機構に取り付けられ、かつ、前記着脱部がペン保持部本体25に取り付けられた状態のときに、前記被検出部を検出することが好ましい。図8および図9における第2の磁気センサ28bが検出部に該当する。図12などにおける磁石26eが被検出部に該当する。この構成を採用することにより、ペン保持部23が正しく取り付けられているか否かを検出部によって検出することができる。ペン保持部本体25が正しく取り付けられているか否かの確認と、保持部蓋26が正しく取り付けられているか否かの確認とを、同じ検出部で兼ねて行なうことができるので、部品点数が増えることを抑えることができる。
【0039】
検出部および被検出部は、第2の磁気センサ28bおよび磁石26eに限られない。検出部として、第2の磁気センサ28bに代えて、反射型の光センサが用いられてもよい。被検出部として、磁石26eに代えて、光反射部が用いられてもよい。この場合も、第2の磁気センサ28bおよび磁石26eが用いられる場合と同様の効果が得られる。
【0040】
なお、上記実施の形態のうち複数を適宜組み合わせて採用してもよい。
【0041】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0042】
1 薬剤、10 包材、10a 左側部、10b 右側部、10c 底部、11 ホッパシュート、12 ホッパ部材、13 (包装シートの)ロール、14 シール機構、16 送りローラ、17 ガイドバー、20 表示部形成部、21 ペンユニット、21a 覆い部本体、21r 開口部、22 ペンユニット支持機構、23 ペン保持部、23a 被吸着部、24 ペン、24a ペン先、24b 後端部、24c 中間部、25 ペン保持部本体、25a 溝、25d ペン収容部、26 保持部蓋、26a ボタン、26b 位置合せピン、26d 貫通孔、26e 磁石、26f 中心孔、26g ロック板、27 可動部、27a 開口部、27b 突起、27c 磁石、28a 第1の磁気センサ、28b 第2の磁気センサ、28c 第3の磁気センサ、29 中心棒、30 ペン保持部ソケット、30a 開口部、30b (外周面に設けられた)突起、30c (内周面に設けられた)突起、30d 磁石、31 覆い部、41,42 ステッピングモータ、43,44 歯車、61 錠剤投入部、62a,62b 散剤投入口、63 前扉、64 取出し口、65 清掃ノズル、66 ホース、67 ホッパ部材入口、68 ホッパ部材出口、81 包装機本体部、82 制御部、82a ディスプレイ、82b キーボード、90 軸線、92,93,96 矢印、94 第1回動方向、95 第2回動方向、97 基準角度位置、101 薬剤包装装置。
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