(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】多目的清掃キット
(51)【国際特許分類】
A47L 13/38 20060101AFI20230105BHJP
【FI】
A47L13/38 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021208642
(22)【出願日】2021-12-22
【審査請求日】2022-01-31
(31)【優先権主張番号】10-2020-0186366
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0175821
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516289845
【氏名又は名称】プラテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】朴 賛文
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-040365(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0273966(US,A1)
【文献】特開平08-275916(JP,A)
【文献】登録実用新案第3169531(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/00-13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多目的清掃キットであって、
底面(110)、上面(120)及び側面(130)によって画定された内部空間(140)を備え、霜取りスクレーパ(150)が形成され、前記内部空間(140)が、その中にゴミを掃き入れるのに適合されたちり取り本体(100)と、
下部に、ブラシ(211)を保持するブラシホルダ(210)を確実に挿入できるようにする挿入溝(220)が形成され、上部に、清掃ブラシホルダ(300)を受け入れる受入孔(240)を有する円筒形ハンドル(230)が形成されたほうき本体(200)と、
ハンドル(310)、スリーブ(320)及びハンドル(310)に保持される円筒形清掃ブラシ(330)を有する清掃ブラシホルダ(300)と
を備え、
ほうき本体(200)が、ちり取り本体(100)の内部空間(140)に挿入可能であり、
清掃ブラシホルダ(300)が、ほうき本体(200)の円筒形ハンドル(230)内に折り畳んで挿入されるように構成され、
円筒形清掃ブラシ(330)を保持するハンドル(310)が、スリーブ(320)内で前後に移動可能である
ことを特徴とする多目的清掃キット。
【請求項2】
前記ちり取り本体(100)が、その両内壁から突出し、ほうき本体(200)が、所定の深さを超えてちり取り本体(100)の内部に挿入されることを防止するストッパ(160)を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の多目的清掃キット。
【請求項3】
ちり取り本体(100)、ほうき本体(200)及び清掃ブラシホルダ(300)を備えた多目的清掃キットであって、
前記清掃ブラシホルダ(300)が、該清掃ブラシホルダ(300)と一体に形成された円筒形清掃ブラシ(300)を保持するハンドル(310)と、ハンドル(310)の外面に沿って横方向にスライド可能なスリーブ(320)とを有し、
円筒形清掃ブラシ(330)が露出する外面の一端に規制突起(360)が形成され、前記規制突起(360)が、スリーブ(320)がハンドル(310)から分離することを防止し、
前記スリーブ(320)がスリット(321)を有し、該スリット(321)が、スリーブ(320)の上部及び下部の両方を貫通するように形成され、かつ、スリット(321)の一方の内端に規制突起(360)が隣接した状態でスリット(321)に規制突起(360)が篏合し、
前記スリーブ(320)が、円筒形清掃ブラシ(330)及びスリーブ(320)のほうき本体(200)の受入孔(240)への挿入を容易にするよう清掃ブラシ(330)の外面に沿ってスライド可能である
ことを特徴とする多目的清掃キット。
【請求項4】
前記スリーブ(320)が、円筒形清掃ブラシ(330)の外面に沿ってスライド可能であり、
円筒形清掃ブラシ(330)のスリーブ(320)の外部への露出長を調整しつつ、円筒形清掃ブラシ(330)の拡がりを防止することを通して、円筒形清掃ブラシ(330)の曲り強度を調整することを可能にする
ことを特徴とする請求項3に記載の多目的清掃キット。
【請求項5】
ちり取り本体(100)、ほうき本体(200)及び清掃ブラシホルダ(300)を備えた多目的清掃キットであって、
清掃ブラシホルダ(300)が、円筒形清掃ブラシ(330)を保持するハンドル(310)とスリーブ(320)とを備え、
ハンドル(310)が、二つのハンドル片(311,312)を備え、スリーブ(320)が、ハンドル(310)の外面に沿ってスライド可能にし、
ハンドル片(311,312)の各々が半円筒形状であり、その外面の外端に周方向に各々形成されたスリーブ受け突起(340)及び受入孔受け突起(350)を備え、
前記スリーブ受け突起(340)と受入孔受け突起(350)との間に位置する各ハンドル片の外面が、ハンドル(310)を使用者が保持するためのグリップを形成する
ことを特徴とする多目的清掃キット。
【請求項6】
ハンドル片(311又は312)が、その位置で清掃ブラシ(330)が露出される外面の一端に形成された規制突起(369)を備え、スリーブ(320)がハンドル(310)から分離されることを防止し、
スリーブ(320)がスリット(321)を有し、該スリット(321)が、スリーブ(320)の上部及び下部の両方を貫通するように形成され、かつ、スリット(321)の一方の内端に規制突起(360)が隣接した状態でスリット(321)に規制突起(360)が篏合するように構成されている
ことを特徴とする請求項5に記載の多目的清掃キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在一般に普及しているカーキャンプやキャンプ時の自動車内やテントの清掃、家電製品や家具の清掃等、様々な用途に使用でき、使用者に多くのメリットをもたらす多目的清掃キットに関し、自動車内のシートの隙間等の手が届きにくい場所も容易に清掃できる清掃キットに関する。該清掃キットは、ハンドルにしっかりと挿入され、自動車内部の通気口(エアコンの通気口)やシートの隙間の埃を取り除くのに適合したブラシを有するほうきに、霜取りスクレーパを一体的に形成されたちり取りを容易に組み付けたり分解したりすることができるように構成され、ほうきとちり取りを組み付けたときに自動車のフロントシート裏のポケットに収納できるほど小型化され得る。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車内部の清掃には、清掃機本体への吸引によってゴミや埃を取り除く清掃機が使用されている。しかし、一般的な自動車用清掃機は、吸引管がやや太いため、このような清掃機は、自動車内部の隅やシートのシートバックとシートクッションとの間の隙間のような手が届きにくい場所の塵埃除去には向いていない。
【0003】
また、自動車内部の隙間や角のような手の届きにくい場所の埃は、通常のブラシでは殆ど取り除くことができない。このためが粘着ロールクリーナを使用する使用者も少なくない。しかしながら、粘着ロールクリーナであっても、ロールの径の関係で、このような手が届きにくい場所の埃を取り除くには適していない。
【0004】
このような問題点に鑑みて、韓国実用新案公開第1998-057114号公報(1998年10月15日公開)には、ブラシ本体の一側にハンドルが形成され、ブラシ本体の他側に毛材束が形成されているブラシと、ちり取り本体の一側に埃やゴミを保持する収容溝が形成され、かつ、前記ブラシのブラシ本体を確実に挿入できるように適合された挿入溝が、前記収容溝の上方のちり取り本体のハンドルに形成されたちり取りとを有する清掃キットが開示されている。
【0005】
しかしながら、前記清掃キットは、ブラシがちり取りに挿入され一体となるという利点があるにも拘わらず、自動車内部の隙間や角部のような手が届きにくい場所から埃を効果的に除去できないため、実用化に至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国実用新案公開第1998-057114号公報(考案の名称:「清掃キット」、発行日:1998年10月15日)
【文献】米国特許公開第2005/0273966号公報(発明の名称:「除氷スクレーパ付きちり取り」、公開日:2005年12月15日)
【文献】韓国実用新案登録第20-0184923号(考案の名称:「自動車用多目的清掃具」、公開日:2000年6月1日)
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、シートの隙間等の自動車内部の手の届き難い場所を容易に清掃することができる多目的清掃キットを提供するものであり、霜取りスクレーパが一体に形成されたちり取りを、シートの隙間や自動車内部の通気口(エアコンの通気口)から埃を除去するのに適合され、ハンドル内にしっかり挿入される清掃ブラシを有するほうきに簡単に組付けたり分解したりすることができ、ほうきとちり取りがコンパクトに組み立てられるようにすることで、シートの裏側のポケットに収容することができるようにされている。
【0008】
本発明の一態様によれば、多目的清掃キットは、底面(110)、上面(120)及び側面(130)によって画定された内部空間(140)を備え、霜取りスクレーパ(150)が形成され、前記内部空間(140)が、その中にゴミを掃き入れるのに適合されたちり取り本体(100)と、下部に、ブラシ(211)を保持するブラシホルダ(210)を確実に挿入できるようにする挿入溝(220)が形成され、上部に、清掃ブラシホルダ(300)を受け入れる受入孔(240)を有する円筒形ハンドル(230)が形成されたほうき本体(200)と、円筒形清掃ブラシ(330)を保持するハンドル(310)を備えた清掃ブラシホルダ(300)とを有する。
【0009】
ほうき本体(200)のブラシホルダ(210)は、ちり取り本体(100)の内部空間(140)に挿入されて収容され得、清掃ブラシホルダ(330)は、ほうき本体(200)の円筒形ハンドル(230)の受入孔(240)に挿入されて収容され得る。
【0010】
本発明によれば、清掃キットは、ほうき本体(200)のブラシホルダ(210)を、ちり取り本体(100)の内部空間(140)に挿入して収容できるようにし、かつ、円筒形清掃ブラシ(330)を保持する清掃ブラシホルダ(300)を、ほうき本体(200)の受入孔(240)に挿入して収容できるようにすることで、収容及び運搬に要するスペースを最小化し得る。従って、清掃キットは、自動車のフロントシートの背面のポケットや、運転席ドア又は助手席ドアの内側の下部スペースに収容するのに充分にコンパクトになり得る。
【0011】
清掃キットの使用時に、円筒形清掃ブラシ(330)は、ほうき本体(200)の受入孔(240)から引き出され、それにより、使用者は、円筒形清掃ブラシ(330)を使用して、エアコンの吹き出し口やシートの隙間等の自動車の内部の手の届き難い場所から埃を容易に除去することができるようにされている。ほうき本体(200)のブラシホルダ(210)は、通常のほうきとして使用される。使用者は、ブラシのグリップを手で握った状態でブラシ(211)を使用することで、シートのシートバックとシートクッションとの間の隙間等を含めた自動車の内部を徹底的に清掃することができる。
【0012】
また、ちり取り本体(100)は、自動車の内部からゴミや埃を集めて廃棄するために使用され、また、ちり取り本体(100)の側面から突出する霜取りスクレーパ(150)は、冬季に自動車の窓に付着した霜を除去するために使用される。
【0013】
本発明による清掃キットは、通常の清掃用具を使用して清掃するのが困難な手が届き難い場所を容易に清掃することができ、また、自動車のシート等のポケットに収容するのに充分な小型化が可能になることから、カーキャンプやキャンプをしている間に自動車の内部やテントの内部を掃除するのに使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の上記及び他の態様、特徴及び利点は、添付の図面と併せて与えられる以下の実施形態の説明から明らかになる。
【
図1】本発明による多目的清掃キットの斜視図であり、ちり取り本体、ほうき本体、及び円筒形清掃ブラシホルダが組み立てられた状態を示している。
【
図2】本発明による多目的清掃キットの斜視図であり、ちり取り本体、ほうき本体、及び円筒形清掃ブラシホルダが相互に分離された状態を示している。
【
図4】第一の実施形態に係る清掃ブラシホルダの分解斜視図である。
【
図5(a)】清掃ブラシホルダの一方のハンドル片の内部を示す概略平面図である。
【
図5(b)】清掃ブラシホルダの他方のハンドル片の内部を示す概略平面図である。
【
図6(a)】第一の実施形態に係る清掃ブラシホルダの断面図であり、清掃ブラシホルダのハンドル片の内部で、円筒形清掃ブラシの毛材束がスリーブによってまとめられている状態を示している。
【
図6(b)】第一の実施形態に係る清掃ブラシホルダの断面図であり、清掃ブラシが使用可能な状態になるようにスリーブを移動させた状態を示している。
【
図8】ほうき本体をちり取り本体に挿入して組み付けた状態の多目的清掃キットの縦断面図である。
【
図9】使用者がちり取り本体を保持した状態を示す図である。
【
図10】第一の実施形態に係る清掃ブラシホルダの正面図であり、ハンドル片の内部の円筒形ブラシがスリーブにより円筒形状に保持された状態を示している。
【
図12(a)】第二の実施形態に係る清掃ブラシホルダの斜視図であり、スリーブを外した状態を示している。
【
図12(b)】第二の実施形態に係る清掃ブラシホルダの斜視図であり、スリーブを組付けた状態を示している。
【
図13(a)】第二の実施形態に係る清掃ブラシホルダの縦断面図であり、スリーブの移動によって清掃ブラシの毛材束が集められた状態(清掃ブラシホルダがほうき本体の受孔に挿入可能な状態)を示している。
【
図13(b)】第二の実施形態に係る清掃ブラシホルダの縦断面図であり、清掃ブラシが使用可能な状態になるようにスリーブを移動させた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を当業者が容易に実施できるように、本発明の幾つかの実施形態を、添付図面を参照して説明する。
【0016】
本発明は、様々な方法で具体化することができ、以下の実施形態に限定されるものではないことは理解されるべきである。
【0017】
全ての図面は概略図であり、縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。
【0018】
図面では、部品の相対的な寸法や比率は、分かりやすくするために誇張されたり縮小されたりすることがあり得る。従って、図面は本質的に例示であり、限定的なものではない。
【0019】
尚、本明細書及び添付図面を通じて、同様の構造、要素、又は構成要素は、同様の符号で示される。
【0020】
図1は、本発明による多目的清掃キットの斜視図であり、ちり取り本体、ほうき本体、及び円筒形清掃ブラシホルダが組み立てられた状態を示している。また、
図2は、本発明による多目的清掃キットの斜視図であり、ちり取り本体、ほうき本体、及び円筒形清掃ブラシホルダが相互に分離された状態を示している。
【0021】
【0022】
図4は、第一の実施形態に係る清掃ブラシホルダの分解斜視図である。
【0023】
図5(a)は、清掃ブラシホルダの一方のハンドル片の内部を示す概略平面図であり、
図5(b)は清掃ブラシホルダの他方のハンドル片の内部を示す概略平面図である。
【0024】
図6(a)は、第一の実施形態に係る清掃ブラシホルダの断面図であり、清掃ブラシホルダのハンドル片の内部で、円筒形清掃ブラシの毛材束がスリーブによってまとめられている状態を示している。
【0025】
図6(b)は、第一の実施形態に係る清掃ブラシホルダの断面図であり、清掃ブラシが使用可能な状態になるようにスリーブを移動させた状態を示している。
【0026】
【0027】
図8は、ほうき本体をちり取り本体に挿入して組み付けた状態の多目的清掃キットの縦断面図である。
【0028】
図9は、使用者がちり取り本体を保持した状態を示す図である。
【0029】
図10は、第一の実施形態に係る清掃ブラシホルダの正面図であり、ハンドル片の内部の円筒形ブラシがスリーブにより円筒形状に保持された状態を示している。
【0030】
【0031】
図12(a)は、第二の実施形態に係る清掃ブラシホルダの斜視図であり、スリーブを外した状態を示している。
【0032】
図12(b)は、第二の実施形態に係る清掃ブラシホルダの斜視図であり、スリーブを組付けた状態を示している。
【0033】
図13(a)は、第二の実施形態に係る清掃ブラシホルダの縦断面図であり、スリーブの移動によって清掃ブラシの毛材束が集められた状態(清掃ブラシホルダがほうき本体の受孔に挿入可能な状態)を示している。
【0034】
図13(b)は、第二の実施形態に係る清掃ブラシホルダの縦断面図であり、清掃ブラシが使用可能な状態になるようにスリーブを移動させた状態を示している。
【0035】
本発明による多目的清掃キットは、ちり取り本体100を備え、該ちり取り本体100は、底面110、上面120、及び側面130によって規定される内部空間140を有し、その上に霜取りスクレーパ150が形成されており、前記内部空間140は、その内部にゴミが掃き込まれるよう適合され、前記ちり取り本体100は、その両内側側壁に、ちり取り本体100へのほうき本体200の所定深さ以上の挿入を阻止するストッパが形成され、それにより、ブラシ211の曲がりや、ブラシ211の内部空間140の底部への接触による不具合を防止することができるように構成されている。
【0036】
また、前記内部空間140の入口側における、ちり取り本体100の上面120の縁部の中央には、使用者がちり取り本体100を持ちやすいように、把持溝121が形成されている。
【0037】
すなわち、使用者が、
図9に示すように、使用者が、ちりとり本体100の上面120の縁部の中央に形成された把持溝121に親指を入れ、残りの指と掌で霜取りスクレーパ150を把持することで、塵などのゴミを容易に内部空間140に掃き込むことができるようにされている。
【0038】
また、ちり取り本体100の底面110は、霜取りスクレーパ150に向かって柔軟な湾曲部を形成するように仕上げられている。
【0039】
霜取りスクレーパ150は、その上面に半月状の凹部151が一定間隔で形成されており、自動車の窓の霜取りの際に窓の霜や氷を効率よく除去できるようにされている。
【0040】
具体的には、ちりとり本体100の内部空間140に後述するほうき本体200を挿入し、使用者の親指をほうき本体200の円筒形ハンドル230の下面に当て、残りの指と掌でほうき本体200の上面及びちりとり本体100の上面120を握り、霜取りスクレーパ150を窓に押し当てた状態でちりとり本体100を上下動することにより窓の霜取りを実施することができるようにされている。ここで、窓から剥がされた霜は、ほうき本体200のブラシ211を用いて容易に掃き取ることができる。
【0041】
次に、ほうき本体200について詳細に説明する。
【0042】
ほうき本体200は、使用していない時は、ちりとり本体100の内部空間140に挿入されて収納され、使用時に内部空間140から引き出される。ほうき本体200は、その下面に形成され、ブラシ211を保持するブラシホルダ210が確実に挿入されるように適合された挿入溝220を有し、ブラシ211は、ブラシの一側から他側に向かって徐々に長くなる複数の毛材束で構成され得る。
【0043】
ブラシ211は、同じ長さを有する複数の毛材束で構成してもよいが、ブラシの一側から他側に向かって徐々に長くなる複数の毛材束で構成すると、ブラシ211の長い方の毛材束を用いて自動車のシートのシートバックとシートクッションの間の手の届きにくい場所にあるホコリ等のゴミを容易に除去することができる。
【0044】
ブラシ211は、ブラシホルダ210をほうき本体200の下面に形成された挿入溝220に挿入した後、ブラシホルダ210を挿入溝220に接着剤で固定したり、ネジ止め等でブラシホルダ210をブーム本体200に固定したりすることで使用可能な状態とすることができる。
【0045】
円筒形ハンドル230は、ほうき本体200の上部に形成されており、その外周面に一定間隔で複数の滑り止め突起231が形成されている。前記滑り止め突起231は、円筒形ハンドルの長手方向に沿って延び、使用者の手の滑りを防止する。
【0046】
加えて、ほうき本体200の筒状柄230には、その内部に清掃ブラシホルダ300を受け入れる長尺の受入孔240が形成されている。前記受入孔240に挿入される清掃ブラシホルダ300は、円筒状清掃ブラシ330と、横方向に摺動可能なスリーブ320と、ハンドル310とを含む。
【0047】
ハンドル310は、一体に形成されていてもよいし、二つのハンドル片311及び312で構成されていてもよい。
【0048】
ハンドル310が、二つのハンドル片311及び312からなる場合、ハンドル片311及び312は、それぞれ半円筒形状を有し、組み合わされたときに円筒形状を形成する。また、各ハンドル片311及び312の外周面の外端部には、スリーブ受け突起340と受入孔受け突起350とが周方向に形成されている。スリーブ受け突起340と受入孔受け突起350との間に位置する各ハンドル片の外周面は、ユーザがハンドル310を保持するためのグリップを形成している。
【0049】
ここでは、ハンドル片311及び312が半円筒形状を有するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンドル片311及び312は、ハンドル片311、312を互いに組み立てたり分解したりできる任意の他の形状を有していてもよい。
【0050】
次に、本発明の例示的な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0051】
「第一の実施形態」
二つのハンドル片から成るハンドルを有する清掃ブラシホルダ
【0052】
第一の実施形態では、
図4,
図5(a)及び
図5(b)に示すように、半円筒状ハンドル片311及び312を互いに組み付け、かつ、分解できるようにするために、一方のハンドル片311の内面の両端には複数の第一連結突起311bが形成され、各第一連結突起311bが連結突起挿入孔311aを備え、前記連結突起挿入孔311aが、他方のハンドル片312の内面に形成された複数の連結突起312aの対応する連結突起312aを受け入れるように構成され、かつ、ハンドル片311の内面の中心には第二連結突起311dが形成され、前記第二連結突起311dには、円筒形清掃ブラシ330を固定するためのブラシ固定突起挿入孔311cが形成されている。
【0053】
ハンドル片311と組立て及び分解が可能な他方のハンドル片312は、ハンドル片311の内面に形成された複数の第一連結突起311bの各連結突起挿入孔311aに対応する位置に形成された複数の連結突起312aを有し、前記連結突起312aが、各連結突起挿入孔311aに確実に挿入されるように構成され、かつ、ハンドル片311の内面に形成された第二連結突起311dのブラシ固定突起挿入孔311cに対応する位置に、ブラシ固定突起312cが形成されており、前記ブラシ固定突起312cが、ブラシ固定突起挿入孔311cに確実に挿入されるようにされている。これにより、ハンドル片311及び312は、必要に応じて、簡単に組付けたり、分解したりすることができる。
【0054】
円筒形清掃ブラシ330は、ハンドルピース311の内側に着座する。ここで、ブラシ固定部331を形成するために、円筒形清掃ブラシ330の毛材束の上端部同士は熱源等を用いた熱接着により接着され、かつ、円筒形清掃ブラシ330のブラシ固定部331の下端から所定距離の部分は、輪ゴムや針金等のバインダ332で結束され、清掃ブラシ330の下端が広がらないようにされ、清掃ブラシ330がその円筒形状を保持できるようにされている。
【0055】
即ち、
図12に示すように、その上端にブラシ固定部331が形成され、輪ゴムや針金等のバインダ332で結束された清掃ブラシ330を、清掃ブラシ330の円筒形状を維持しながらハンドル片311の内部に配置した後、ハンドル片311を他のハンドルピース312に結合すると、ハンドル片311及び312間の結合を介してハンドル310を形成しながら、第一及び第二連結突起311b、311d、連結突起312a、ブラシ固定突起312cにより清掃ブラシ330を所定の位置に固定することができる。
【0056】
また、ハンドル片311又は312には、その外周面の端部に、その位置で清掃ブラシ330が露出する規制突起360が設けられており、ハンドル片311及び312の外周面に沿って横方向にスライド可能に設けられたスリーブ320がハンドル片311及び312から分離しないように構成されている。さらに、前記スリーブ320は、その上側部分及び下側部分を貫通して形成されたスリット321を有し、前記スリット321は、ハンドル片311又は312の外周面に形成された規制突起360にその一方の内端を隣接させて嵌合させられる。
【0057】
ハンドル片311及び312は、ハンドル片311又は312の規制突起360が形成された部分を少し押さえることにより、規制突起360をスリーブ320のスリット321に挿入できるように、可撓性の合成樹脂で形成され得る。
【0058】
「第二の実施形態」
円筒形一体型ハンドルを備えた清掃ブラシホルダ
【0059】
第一の実施形態では、ハンドル310は、相互に組合されたり、分解されたりできる二つのハンドル片311及び312を備えている。第二の実施形態では、ハンドル310は、分離不可能な一体型製品である。
【0060】
輪ゴムや針金で縛られた円筒形清掃ブラシ330は、ハンドル310に固定されている。
【0061】
即ち、円筒形清掃ブラシ330と一体に形成された清掃ブラシホルダ300は、内部に清掃ブラシ330を配置した型で清掃ブラシホルダ300を射出成形することにより得られる。
【0062】
第二の実施形態に係る清掃ブラシホルダ300は、清掃ブラシホルダ300が清掃ブラシ330と一体的に成形されている点を除き、第一の実施形態に係る清掃ブラシホルダと実質的に同一の構造、動作、及び効果を有する。
【0063】
従って、清掃グブラシホルダ300のハンドル310は、その外周面の端部に規制突起360が形成され、その位置で清掃ブラシ330が露出するように構成れ、前記規制突起360は、ハンドル310の外周面に沿ってスライド可能に設けられたスリーブ320が、ハンドル310から分離することを防止する。また、スリーブ320は、その上側部分及び下側部分の両方を貫通して形成されたスリット321を有し、前記スリット321は、その規制突起360に隣接する一方の内側端部が、規制突起360に当てられている。
【0064】
さらに、ハンドル310は可撓性合成樹脂で形成され得、ハンドル310の規制突起360が形成された部分を少し押すことにより、規制突起360をスリーブ320のスリット321に挿入できるようにされている。
【0065】
第二の実施形態に係る清掃ブラシホルダの他の構成要素の動作及び効果は、第一の実施形態に係る清掃ブラシホルダと実質的に同じであるため、その説明は省略する。
【0066】
本発明による第一及び第二の実施形態において、ハンドル310の外周面からの規制突起360の高さは、スリーブ320の壁厚より僅かに小さく、かつ、規制突起360の幅(直径)は、スリーブ320のスリット321の厚さより僅かに小さくされ得、スリーブ320が、ハンドル310の外周面に沿って滑らかに摺動できるようにされ得る。
【0067】
使用していない時は、清掃ブラシホルダ300は、スリーブ320を円筒形清掃グブラシ330の外周面上に位置させた状態で、ほうき本体200の受入孔240に挿入されて収納される。この時、スリーブ320は、円筒形清掃ブラシ330が拡がることを防止し、それにより、円筒形清掃ブラシ330が、その原形を維持することができるようにしている。また、使用後に、清掃ブラシホルダ300を、ほうき本体200の受入孔240に再び挿入する時に、円筒形スリーブ320で、使用中に広がった清掃ブラシ330の毛材束を内側に集めることで、受入孔240内への清掃ブラシホルダ300の挿入を毛材束が妨害することが防止される。
【0068】
清掃ブラシホルダ300をほうき本体200の受入孔240から抜いた状態でスリーブ320をハンドル310側に移動させると、円筒形清掃ブラシ330がスリーブ320から露出し、通常のブラシを使用してでは清掃し難い自動車内部の通気口や隙間等の手が届きにくい場所を清掃するために使用可能な状態にすることができる。
【0069】
また、清掃ブラシ330を使用して除去することが困難と思われる自動車の座席にこびりついたゴミは、
図6(a)及び
図10に示すように、スリーブ320を清掃ブラシ330の下端部にできるだけ近づけるように動かすことにより、強化した清掃ブラシ330の下端部を使用して容易に除去することが可能になる。
【0070】
即ち、清掃ブラシ330の使用者は、清掃ブラシ330を使用する場所又は環境に応じて、清掃ブラシ330の外側部分に沿ってスリーブ320をスライドさせてスリーブ320の外側に露出する清掃ブラシ330の長さを調節することによって、清掃ブラシ330の曲げ強度を調節することができる。即ち、清掃ブラシ330は、清掃ブラシ330を使用する場所又は環境に応じて、様々な用途に使用できるように様々な長さに調整することができ、それによって、使用者に多くの利点を提供することができる。
【0071】
第一の実施形態に係る清掃ブラシホルダ300は、上述した組み立て工程と逆の手順で分解することができ、誰でも簡単に円筒形清掃ブラシ330を交換することができる。従って、円筒形清掃ブラシ330を別途購入するだけで、本発明による清掃キットの耐用年数を長くすることができる。
【0072】
第二の実施形態による清掃ブラシホルダ300を採用した場合、清掃ブラシホルダ300のみを交換することにより、又は清掃ブラシホルダ300をスリーブ320と一緒に交換することにより、本発明による清掃キットの耐用年数を長くすることが可能である。
【0073】
本明細書に記載された実施形態は、例示のためにのみ提供され、本発明を限定するものと解釈されるものではなく、本発明の範囲は、本明細書の詳細な説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるものであり、かつ、添付の特許請求の範囲から考えられる全ての改良、変更及び改変並びにその均等物が、本発明の範囲に属すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0074】
100: ちり取り本体
110: 底面
120: 上面
121:把持溝
130: 側面
140: 内部空間
150: 霜取りスクレーパ
151: 半月状凹部
160: ストッパ
200:ほうき本体
210: ブラシホルダ
211: ブラシ
220: 挿入溝
230: 円筒形ハンドル
231: 滑り止めの突起
240: 受入孔
300:清掃ブラシホルダ
310:ハンドル
311、312:ハンドル片
311a: 連結突起挿入孔
311b: 第一連結突起
311c:ブラシ固定突起挿入孔
311d: 第二連結突起
312a: 連結突起
312c:ブラシ固定突起
320: スリーブ
321: スリット
330:清掃ブラシ
331: ブラシ固定部
332:バインダ
340:スリーブ受け突起
350:受入孔受け突起
360: 規制突起