(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】接着剤組成物及びヒト皮膚に貼り付けるための素材
(51)【国際特許分類】
A61L 24/06 20060101AFI20230105BHJP
A61L 28/00 20060101ALI20230105BHJP
A61L 24/08 20060101ALN20230105BHJP
A61L 24/10 20060101ALN20230105BHJP
【FI】
A61L24/06
A61L28/00
A61L24/08
A61L24/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018014745
(22)【出願日】2018-01-31
【審査請求日】2021-01-18
(32)【優先日】2017-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518036854
【氏名又は名称】ビー.ブラウン メディカル
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MEDICAL
【住所又は居所原語表記】204 Avenue de Marechal Juin,92100 Boulogne Billancourt,France
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビュルロ,デルフィーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ラサール,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ラレット,ローレン
【審査官】参鍋 祐子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/157278(WO,A1)
【文献】特開2006-263042(JP,A)
【文献】特開平08-294528(JP,A)
【文献】国際公開第2009/087877(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/021271(WO,A1)
【文献】特開2005-118564(JP,A)
【文献】特開昭60-020976(JP,A)
【文献】特開平01-099564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 24/00
A61L 28/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続相及び親水コロイドの不連続相を含み、
前記連続相は、
(i)1~12重量%のスチレン-イソプレン-スチレン又はスチレン-ブタジエン-スチレン系逐次ポリマーと、
(ii
)1~15
重量%のブチルエラストマー系ポリマー
と、
(iii)1~10%未満のエチレン酢酸ビニル系ポリマーと、
を含み、
これら3種のポリマーの合計は10~40%であり、ここで、%は、接着剤組成物の全重量に対する重量基準であり、
実質的に極性油を含まない及び/又は極性相が10重量%未満である、ヒト皮膚への貼り付けを提供するための接着剤組成物。
【請求項2】
連続相及び親水コロイドの不連続相を含み、
前記連続相は、
(i)1~12重量%のスチレン-イソプレン-スチレン又はスチレン-ブタジエン-スチレン系逐次ポリマーと、
(ii
)1~15
重量%のブチルエラストマー系ポリマーと25重量%までのポリイソブチレン系ポリマーとの混合物
と、
(iii)1~10%未満のエチレン酢酸ビニル系ポリマーと、
を含み、
これら3種のポリマーの合計は10~40%であり、ここで、%は、接着剤組成物の全重量に対する重量基準であり、
実質的に極性油を含まない及び/又は極性相が10重量%未満である、ヒト皮膚への貼り付けを提供するための組成物。
【請求項3】
前記連続相は、
(i)2~8重量%のスチレン-イソプレン-スチレン又はスチレン-ブタジエン-スチレン系逐次ポリマーと、
(ii)(a)2~10%のブチルエラストマー系ポリマー、又は2~10%のブチルエラストマー系ポリマーと25重量%までのポリイソブチレン系ポリマーとの混合物と、
(iii)2~10%未満のエチレン酢酸ビニルポリマーと、
を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
(ii)(a)ポリイソブチレン系ポリマーを含まない、2~10%のブチルエラストマー系ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
(ii)(a)2~10%のブチルエラストマー系ポリマーを、10~25重量%のポリイソブチレン系ポリマーとの混合物として含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記エチレン酢酸ビニルポリマーは30~70重量%の酢酸ビニルモノマーを含む、請求項1~
5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
10~30%の粘着付与剤樹脂を含む、請求項1~
6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
40~60%の親水コロイドの不連続相を含む、請求項1~
7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記不連続相は、動物起源の生成物を含まない、請求項1~
8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか1項に記載の接着剤組成物と、皮膚と接触していることが意図される組成物の反対面にあるフィルムと、を含む、体液を採取するためのバッグを貼り付けるための素材。
【請求項11】
前記フィルムは、ポリエチレンフィルム若しくはエチレン酢酸ビニルコポリマー、又はこれらの混合物である、請求項
10に記載の素材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、例えばオストミーバッグのような体液を採取するためのバッグ用の接着性素材、又はプラスターのような類似する素材を構成することを意図した接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤組成物は、特に、体液を採取するためのバッグとして知られ、これは、ポリマー、エラストマー等に基づく「連続相」と、実質的に親水コロイドを含む「不連続相」と、を含む。
【0003】
前記連続相は、機能を造り出す組織を持つ異なるコポリマー、ポリマー、エラストマーと、場合によっては、組成物の柔軟性を増加させる機能を持つ可塑剤と、粘着付与剤樹脂と、を含む。
【0004】
組織成分(エラストマー、ポリマー、コポリマー)を可塑剤及び粘着付与剤又は粘着付与剤樹脂から区別するこの用語は、考慮する分野において考慮されるものであり、必ずしも絶対的なものではない。実際、ほとんどのポリマー、コポリマー、及びエラストマーはだいたい組織特性(それらが液体又は油状でない限り)を持ち、可塑剤及び粘着付与剤は、例えば、他の成分又はある種の粘着付与剤樹脂の存在下で、可塑剤機能も持つ。従って、これらの成分の作用は、体液を採取するためのバッグを直接又は間接的に貼り付けるために使用される接着剤組成物のフレームワークにおいて考慮しなければならない。しかし、この用語は、体液を採取するためのバッグの貼り付けに使用される種々の接着剤組成物の区別を可能にする。
【0005】
体液を採取するためのバッグ用の接着剤組成物は、ヒトの、排泄物の除去のための穴の周りの皮膚に直接くっつけることによって、バッグを貼り付けるために使用される。くっつけは1日未満という比較的短時間、又は約1週間という比較的長い時間で行うことができる。従って、これらの種々の用途に使用される接着剤組成物は、固定され続けなければならない時間に応じて、異なる特性を持つ。しかし、それらは全てある数の共通した特性を持つ。
【0006】
体液を採取するためのバッグを貼り付ける接着剤組成物は、先ず、ある種の機械的特性を持たなければならない。これらの機械的特性は、実質的に、第一に、接着剤組成物が皮膚からはがれない、ある重さを持ちうるバッグの機械抵抗であり、次いで、接着剤組成物のレベルで漏れがないことであり、最後に、適切な場所に貼ったり取り外したりする良好な商品であるばかりでなく、とりわけ、患者が接着剤組成物及びバッグの存在をできるだけ忘れるように十分な柔軟性である、心地よさを与えることを意図する良好な適応性である。
【0007】
次いで、体液を採取するためのバッグを貼り付けるための接着剤組成物は、ある種の化学的特性を持たなければならない。接着剤組成物は皮膚の刺激を引き起こさないことが実質的に必要である。
【0008】
そのようなバッグは、長い年月知られてきた。これらのバッグは概して、ポリマーとしてSIS又はSBS系ポリマーを含み、場合によっては、PIB又はブチルエラストマー系ポリマーとの混合物を含む。しかし、そのようなポリマー混合物は完全ではない。特に、PIBの添加が有益な場合、ある種の脱凝集を招く。従って、皮膚に素早く置くことができるために実質的な「粘着」を持ち、バッグの重さと制約を支持するために腹部の浮き上がりに一致させることにより強く付着し、難なく残留物を残すことなく除去するのに十分な凝集力を持つ組成物を得ることを可能にするポリマーの製剤を持つことが望まれる。
【0009】
米国特許第4855335号明細書には、12%~20%の鉱物油と、30%~40%の粘着付与剤樹脂と、15%~30%の親水コロイドと、5%~10%の1種又は数種のポリイソブチレンと、7%~15%のスチレンコポリマーと、1%~8%のエチレン酢酸ビニルコポリマーと、を含む組成物が記載されている。EVAは寸法安定性を増加することが示されている。
【0010】
しかし、この製剤は十分ではなく、特に樹脂及び/又は親水コロイドの量が、現在の組成物には適切ではない。
【0011】
国際特許出願WO2011/157278号には、10~50%のEVA及び極性油を含む極性相と、10~50%のスチレンブロックポリマー、及びポリイソブチレン又はブチルエラストマーを含む極性相と、60%までの親水コロイドと、を含む接着剤組成物が記載されている。
【0012】
しかし、この製剤は十分ではなく、極性相、特に極性油の存在により、組成物の成分に関して制約を負わせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】米国特許第4855335号明細書
【文献】国際公開WO2011/157278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明は、従来技術の制約がなく、求められる解決策を得ることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、ヒト皮膚への貼り付けを確実にすることを意図した接着剤組成物であり、該組成物は、連続相と、親水コロイドの不連続相とを含み、連続相は、
(i)1~12重量%(ここで、%は接着剤組成物の全重量に対する重量基準)のスチレン-イソプレン-スチレン又はスチレン-ブタジエン-スチレン系逐次ポリマーと、
(ii)(a)1~15%のブチルエラストマー系ポリマー、場合によっては25重量%までのポリイソブチレン系ポリマーとの混合物、又は(b)ブチルエラストマー系ポリマーを含まない、10%を超え30%までのポリイソブチレン系ポリマーと、
(iii)1~10%未満のエチレン酢酸ビニル系ポリマーと、を含み、これら3種のポリマーの合計は10~40%である。
【0016】
一実施形態によれば、前記組成物は、実質的に極性油を含まない及び/又は極性相は10重量%未満である。
【0017】
他の実施形態によれば、前記連続相は、
(i)2~8重量%のスチレン-イソプレン-スチレン又はスチレン-ブタジエン-スチレン系逐次ポリマーと、
(ii)(a)2~10%のブチルエラストマー系ポリマー、場合によっては、25重量%までのポリイソブチレン系ポリマーとの混合物と、
(iii)2~10%未満のエチレン酢酸ビニルポリマーと、を含む。
【0018】
他の実施形態によれば、前記連続相は、
(ii)(a)ポリイソブチレン系ポリマーを含まない、2~10%のブチルエラストマー系ポリマーを含む。
【0019】
他の実施形態によれば、前記連続相は、
(ii)(a)2~10%のブチルエラストマー系ポリマーを、10~25重量%のポリイソブチレン系ポリマーとの混合物として含む。
【0020】
他の実施形態によれば、前記連続相は、
(i)2~8重量%のスチレン-イソプレン-スチレン又はスチレン-ブタジエン-スチレン系逐次ポリマーと、
(ii)(b)ブチルエラストマー系ポリマーを含まない、15%~30%のポリイソブチレン系ポリマーと、
(iii)2~10%未満のエチレン酢酸ビニルポリマーと、を含む。
【0021】
他の実施形態によれば、前記エチレン酢酸ビニルポリマーは、30~70重量%の酢酸ビニルモノマーを含む。
【0022】
他の実施形態によれば、前記組成物は、10~30%の粘着付与剤樹脂を含む。
【0023】
他の実施形態によれば、前記組成物は、40~60%の親水コロイドの不連続相を含む。
【0024】
他の実施形態によれば、前記不連続相は、大部分がセルロース繊維、カルボキシメチルセルロース、ナトリウム、架橋またはその他、及びヒドロキシエチルセルロースから選択される少なくとも1種の化合物を含み、加えて、グアあるいはカラヤゴム、又はアラビアゴム等のゴムに類似する化合物、並びにキサンタン、ジャガイモデンプン等のデンプン、アルギン酸塩、ペクチン、ゼラチン、サイリウム、キャロブ抽出物、アガロース、カラギーナン、ポリアクリルアミド、またはこれらの混合物と、を含む。
【0025】
他の実施形態によれば、前記不連続相は、動物起源の生成物を含まない。
【0026】
また、本発明の目的は、本発明による接着剤組成物と、皮膚との接触が意図される該組成物の反対面にあるフィルムと、を含む、体液を採取するためのバッグを貼り付ける素材である。
【0027】
他の実施形態によれば、前記フィルムは、ポリエチレンフィルム若しくはエチレン酢酸ビニルコポリマー、又はこれらの混合物であり、より好ましくは厚さが25~100μmである。
【0028】
従って、本発明は、接着剤組成物、即ち、圧力による接着性がある組成物を提供する。
【0029】
3種の化合物、SIS又はSBS、EVA、並びにブチルエラストマー及び/又はPIBを示された比率によるポリマー質量で使用することにより、解決策及び3つの追加の挙動を得ることができる。スチレンコポリマー(SIS又はSBS)により、実質的に即座に行われる粘着力、凝集力、及び接着剤組成物における構造を持つ接着剤を得ることができる。EVAは、より可塑的にすることによって、ネットワークの弾力を減らすことができる。ポリイソブチレン(PIB)又はブチルは、より強い接着性を与えることにより、特に、低分子量で接着剤組成物の順応性を増すことにより、樹脂から引き継ぐことを可能にする。
【0030】
この出願では、全ての%は、接着剤組成物の総重量に対する重量基準である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
SIS又はSBS系ポリマー
これらのポリマーは、当該分野で従来からあるものであり公知である。これらは、スチレン及びイソプレン又はブタジエン(又はこれら2種の混合物)に基づくブロックコポリマーである。
【0032】
スチレン-イソプレン-スチレン又はスチレン-ブタジエン-スチレン系連続相の組織コポリマーは、好ましくは、スチレン-イソプレン-スチレン逐次コポリマーで構成される。これらポリマーは、種々の量の2連シーケンス又は3連シーケンスを持つジブロック又はトリブロックを含みうる。
【0033】
これらのポリマーの説明に関し、国際特許出願WO2011/157278号、第8頁、第6~18行に明確に記載され、それを参照することができる。また、米国特許第4855335号明細書、第3欄、第16~23行にも明確に記載され、それを参照することができる。
【0034】
本発明によれば、適切なスチレン-イソプレン-スチレン又はスチレン-ブタジエン-スチレン組織系コポリマーの例として、例えば、シェルケミカル社のある種のコポリマー「Kraton」、例えばD11タイプ(D1161、D1117、及びD1112)、又はデクスコ社の「Vector4113」やシェル社の「Cariflex S-1707」のようなこれらのコポリマーが挙げられる。
【0035】
ブチル又はPIB系ポリマー
これらのポリマーも従来からあるものである。
【0036】
従来から用語「ブチル」で識別されているポリマーは、低い割合のイソプレンを含むポリブチルエラストマーである。エクソン社の名称ブチル268又はTogliatti/Nizhnekamskの名称ブチルBKの商品を使用することができる。
【0037】
ブチルエラストマーの分子量は用途に適合させ、例えば、分子量Mnが200,000~600,000である。
【0038】
また、ポリマーPIBも当業者に周知である。BASFから入手しうるOppanol類も使用することができ、例えば、B10、B12、及びB15のグレードがある。PIBの分子量は用途に適合させ、例えば、分子量Mnが100,000未満、好ましくは40,000~60,000である。
【0039】
EVA
この種類のポリマーもまた公知である。例えば、30~70重量%の酢酸ビニルモノマーを含むものを使用することができる。
【0040】
グレード400あるいは700のLEVAMELT類、又はEvatane類も使用することができる。
【0041】
粘着付与剤樹脂
本発明で使用される粘着付与剤樹脂は従来から存在するものである。
【0042】
より正確には、使用される粘着付与剤樹脂、粘着付与剤は、例えばテルペン樹脂に基づく高活性粘着付与剤樹脂及び/又は中程度の活性を持つテルペン樹脂及び/又は低活性であるがさらに補強特性を持つ樹脂の混合物を挙げることができる。適切な試験の説明については、欧州特許第1871845号を参照することができる。
【0043】
これらの粘着付与剤樹脂は従来から存在する。従って、軟化温度が約105℃(環球法)で質量分子量が約1000でありうるテルペン-スチレンのテルペン系樹脂として使用することができる。また補強作用を持つ樹脂も使用することができる。例えば、実質的にα-メチルスチレンから誘導され、質量分子量が、例えば、300と3000との間の熱可塑性ポリマーを使用することができる。従って、組成物の弾力は調整することができる。また、水素化樹脂も完全に使用することができる。
【0044】
そのような樹脂の例として、Regalite、Arkon、Dercolyte、Piccolyte S、Zonatac、Kristalex、Piccotex、及びEscorezの名前の下に市販されている樹脂がある。
【0045】
種々の種類の樹脂のそれぞれの量は、当業者にはよく理解されているように、変化しうる。
【0046】
親水コロイド
親水コロイドの形態で親水性ポリマーにより構成される不連続相は、当該分野で周知の種類のもので、実質的な量の、セルロース繊維、カルボキシメチルセルロース、ナトリウム、架橋またはその他、及びヒドロキシエチルセルロースの化合物と、加えてグアガムと類似する化合物、並びにキサンタン、アルギン酸塩、ペクチン、ゼラチン、サイリウム、キャロブ抽出物、アラビアゴム、アガロース、カラギーナン、及びポリアクリルアミドのような物質を含む。
【0047】
本発明で使用される親水コロイドは従来からあるものである。
【0048】
可塑剤
可塑剤が使用され、より好ましいものは非極性油である。そのような油類又は可塑剤の例として、Durasynの名前の下で入手しうるもののようなポリアルファオレフィンが挙げられる。鉱物油、パラフィン、ひまし油、シェル社の合成パラフィンワックス、Sun社の「Sun5512」樹脂、又はヘラクレス社の「Primol」も使用することができる。
【0049】
接着剤組成物は、他の薬剤又は添加物、例えばキトサン及びα-L-フコースから選択される薬理作用を持つ薬剤、又は抗酸化剤のような添加物を含むことができる。
【0050】
また、本発明は、先に記載した接着剤組成物と、該組成物と反対面上にあり、皮膚と接触しなければならない、当該分野で公知の従来のコーティングフィルムとを含む、体液を採取するためのバッグを貼り付ける素材に関する。
【0051】
そのようなフィルムは、適切な厚みのあるポリエチレン又はEVAフィルムである。
【実施例】
【0052】
組成物の例
表の組成物を、重量基準の比率に従って成分を混合することにより調製した。成分は表に挙げている。導入の順序は表に表している。
【0053】
それぞれを導入した後、良好な均質性を得るために、混合を約10分間行った。最終混合は約50分続けた。このようにして得た組成物を、押出時間約60分で厚さ1mmのシートの形に押出し、体液を採取するためのバッグの貼り付け試験に使用する素材に切断した。
【0054】
次いで、素材を試験する。
【0055】
Fmax及びタック:試験では、引張る前の組成物との接触時間及び引張り速度の条件を決めて、巻上機を使用してあけたパンチを引張り、パンチを引張るために必要な力(Fmax)を測定する。タックは、非常に短い接触時間で同じ試験を行い測定する。
【0056】
F圧縮及び%弛緩:試験は、巻上機を使用して行い、組成物との接触時間を決めて、剛性(F圧縮)及び弛緩能力(%弛緩)を測定する圧縮試験である。
【0057】
以下の表に、組成物及び試験の測定値を示す。
【0058】
【0059】
次に、本発明による組成物の他の特性について考慮する。
【0060】
患者における試験
試験は病院環境の条件で行われ、即ち、貼付け及び剥がしは病院職員によって行われた。病院職員又は患者は、即時接着、組成物を剥がした後の皮膚上の残留物の存在、バッグを付ける装置、バッグを剥がす装置、患者に装着した場合のバッグの順応性及び接着性の数種のパラメーターを判定した。
【0061】
得られた結果は優れており、解決策に到達した。
【0062】
このように、本発明は、接着剤組成物及びオストミーバッグに求められる解決策がある取付け素材に関する。