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特許7203517ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20230105BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20230105BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20230105BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20230105BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
A63F13/35
A63F13/53
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018112795
(22)【出願日】2018-06-13
(65)【公開番号】P2019213712
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細田 高敬
(72)【発明者】
【氏名】高橋 亮太
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-159948(JP,A)
【文献】特開2015-047469(JP,A)
【文献】特開2015-150070(JP,A)
【文献】特開2014-213137(JP,A)
【文献】特許第5105497(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置を、
前記複数の端末装置を操作する複数のプレイヤの識別情報をそれぞれ取得する識別情報取得処理部、
前記識別情報に基づいて抽選対象となる仮想景品のラインナップを前記識別情報ごとに決定するラインナップ決定処理部、
前記ラインナップの中から所定の当選確率に基づいて前記仮想景品の抽選を実行する抽選実行処理部、
前記抽選により当選した前記仮想景品を前記プレイヤに提供する景品提供処理部、
前記識別情報に基づいて前記プレイヤの所持品に関わる所持品情報を取得する所持品情報取得処理部、
として機能させ、
前記ラインナップは、
前記ラインナップ決定処理部により決定される際に前記識別情報に基づいて変更される対象となる変更対象枠と、前記識別情報に関わらず変更されない固定枠と、を有しており、
前記ラインナップ決定処理部は、
前記変更対象枠に選出可能な前記仮想景品から前記所持品情報に含まれるものを除外した前記仮想景品が前記変更対象枠に優先的に含まれるように、前記ラインナップを決定する、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記情報処理装置を、
前記ラインナップ決定処理部により決定された前記ラインナップの変更指示を前記プレイヤから受け付ける変更指示受付処理部、
前記変更指示を受け付けた場合に、所定の条件に基づいて前記ラインナップを変更するラインナップ変更処理部、
としてさらに機能させる、
請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ラインナップ変更処理部は、
前記所定の条件として、前記変更対象枠に含まれる前記仮想景品が直前の前記変更対象枠と重複せず、且つ、前記変更対象枠に選出可能な前記仮想景品から前記所持品情報に含まれるものを除外した前記仮想景品が前記変更対象枠に優先的に含まれるように、前記ラインナップを変更する、
請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記情報処理装置を、
前記変更対象枠に含まれる前記仮想景品の少なくとも一部を目玉景品として表示する目玉景品表示処理部、
としてさらに機能させる、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記仮想景品は、
希少価値が異なる複数の種別に分類されており、
前記変更対象枠は、
前記希少価値が最も高い前記種別に分類された前記仮想景品で構成される、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記情報処理装置を、
前記景品提供処理部により当選した前記仮想景品が前記プレイヤに提供された場合に、前記所持品情報を更新する所持品情報更新処理部、
としてさらに機能させる、
請求項乃至のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
前記複数の端末装置を操作する複数のプレイヤの識別情報をそれぞれ取得するステップと、
前記識別情報に基づいて抽選対象となる仮想景品のラインナップを前記識別情報ごとに決定するステップと、
前記ラインナップの中から所定の当選確率に基づいて前記仮想景品の抽選を実行するステップと、
前記抽選により当選した前記仮想景品を前記プレイヤに提供するステップと、
を有し、
前記ラインナップは、
前記識別情報ごとに決定される際に前記識別情報に基づいて変更される対象となる変更対象枠と、前記識別情報に関わらず変更されない固定枠と、を有しており
前記ラインナップを前記識別情報ごとに決定するステップでは、
前記変更対象枠に選出可能な前記仮想景品から前記識別情報に基づいて取得した前記プレイヤの所持品に関わる所持品情報に含まれるものを除外した前記仮想景品が前記変更対象枠に優先的に含まれるように、前記ラインナップを決定する、
ゲーム処理方法。
【請求項9】
複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置であって、
前記複数の端末装置を操作する複数のプレイヤの識別情報をそれぞれ取得する識別情報取得処理部と、
前記識別情報に基づいて抽選対象となる仮想景品のラインナップを前記識別情報ごとに決定するラインナップ決定処理部と、
前記ラインナップの中から所定の当選確率に基づいて前記仮想景品の抽選を実行する抽選実行処理部と、
前記抽選により当選した前記仮想景品を前記プレイヤに提供する景品提供処理部と、
を有し、
前記ラインナップは、
前記ラインナップ決定処理部により決定される際に前記識別情報に基づいて変更される対象となる変更対象枠と、前記識別情報に関わらず変更されない固定枠と、を有しており
前記ラインナップ決定処理部は、
前記変更対象枠に選出可能な前記仮想景品から前記識別情報に基づいて取得した前記プレイヤの所持品に関わる所持品情報に含まれるものを除外した前記仮想景品が前記変更対象枠に優先的に含まれるように、前記ラインナップを決定する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された端末機器によりプレイされるいわゆるオンラインゲームにおいて、ゲーム上で使用できるキャラクタやアイテム等の仮想景品が抽選によってユーザに提供される、いわゆる抽選ゲームが知られている。
【0003】
このようなゲームの一例として、例えば特許文献1には、抽選に際しプレイヤに対して所定の対価を要求する場合(例えば有料抽選)には、当該プレイヤが保持しているアイテムと一致するアイテムが選択される確率が、プレイヤに対価を要求しない場合(例えば無料抽選)に当該アイテムが選択される確率よりも低くなるように、抽選確率を制御するゲーム制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5105497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術によれば、プレイヤが所定の対価を支払って抽選を行う場合に、既に自分が保有しているアイテムとは別のアイテムを取得できる可能性が高まる。しかしながら、一般的に各プレイヤが保有するアイテムはそれぞれ異なるため、各プレイヤが所望するアイテムもそれぞれ異なるのが通常である。そして、上記従来技術では抽選対象であるアイテムが固定的であるため、抽選対象の中に所望するアイテムが含まれるか否かや、含まれる場合でもその度合いがプレイヤによって異なる場合が生じうる。このため、プレイヤによっては抽選ゲームに参加する意欲が削がれる等、興趣性の低下を招く可能性があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、抽選ゲームの興趣性を向上できるゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法、情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置を、前記複数の端末装置を操作する複数のプレイヤの識別情報をそれぞれ取得する識別情報取得処理部、前記識別情報に基づいて抽選対象となる仮想景品のラインナップを前記識別情報ごとに決定するラインナップ決定処理部、前記ラインナップの中から所定の当選確率に基づいて前記仮想景品の抽選を実行する抽選実行処理部、前記抽選により当選した前記仮想景品を前記プレイヤに提供する景品提供処理部、として機能させる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明の記録媒体は、上記ゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体である。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、前記複数の端末装置を操作する複数のプレイヤの識別情報をそれぞれ取得するステップと、前記識別情報に基づいて抽選対象となる仮想景品のラインナップを前記識別情報ごとに決定するステップと、前記ラインナップの中から所定の当選確率に基づいて前記仮想景品の抽選を実行するステップと、前記抽選により当選した前記仮想景品を前記プレイヤに提供するステップと、を有する。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、複数の端末装置と通信可能に接続された情報処理装置であって、前記複数の端末装置を操作する複数のプレイヤの識別情報をそれぞれ取得する識別情報取得処理部、前記識別情報に基づいて抽選対象となる仮想景品のラインナップを前記識別情報ごとに決定するラインナップ決定処理部、前記ラインナップの中から所定の当選確率に基づいて前記仮想景品の抽選を実行する抽選実行処理部、前記抽選により当選した前記仮想景品を前記プレイヤに提供する景品提供処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のゲームプログラム等によれば、抽選ゲームの興趣性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表すシステム構成図である。
図2】サーバの機能的構成の一例を表すブロック図である。
図3】抽選ゲームの画面表示の一例を表す説明図である。
図4】仮想景品のラインナップの一例を表す説明図である。
図5】ラインナップ決定処理部による処理の一例を表す説明図である。
図6】ラインナップ決定処理部による処理の他の例を表す説明図である。
図7】ラインナップ変更処理部による処理の一例を表す説明図である。
図8】ラインナップ変更処理部による処理の一例を表す説明図である。
図9】ラインナップ変更処理部による処理の一例を表す説明図である。
図10】ラインナップ変更処理部による処理の他の例を表す説明図である。
図11】ラインナップ変更処理部による処理の他の例を表す説明図である。
図12】ラインナップ変更処理部による処理の他の例を表す説明図である。
図13】サーバのCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
図14】サーバのハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、図1を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のプレイヤによってそれぞれ操作される複数の端末装置3と、サーバ5を有する。複数の端末装置3とサーバ5は、例えばLANやインターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークNWは無線又は有線のいずれでもよい。また、図1ではサーバ5が1台のコンピュータで構成されているが、複数台のコンピュータで構成されてもよい。
【0015】
端末装置3は、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯型ゲーム機等である。但し、これらに限定されるものではなく、例えば、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、据え置き型のゲーム機等としてもよい。端末装置3は、各種の表示及びプレイヤによる各種の入力操作が行われるタッチパネル7を有する。プレイヤは、指やペン等によりタッチパネル7に接触することで所望の操作入力を行う。
【0016】
タッチパネル7の検出方式は、特に限定されるものではないが、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式等、種々の検出手法を採用することが可能である。なお、端末装置3は、タッチパネル7以外に、ボタンやスイッチ等の入力部を備えてもよい。
【0017】
サーバ5(情報処理装置の一例)は、いわゆるサーバコンピュータである。サーバ5は、ゲームサービスを受ける各プレイヤの端末装置3からのネットワークNWを介したアクセスを受け付けて、各プレイヤのゲーム情報を記録装置に蓄積して管理し、各プレイヤにネットワークNWを介したオンラインゲームサービスを提供する。
【0018】
サーバ5によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲームプログラム(アプリケーションソフトウェアともいう)がサーバ5に実装されており、端末装置3でゲームを実行するのではなく、端末装置3でのプレイヤの操作入力に応じてサーバ5でゲームを実行し、その実行結果を各プレイヤの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各プレイヤの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームをプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ5が提供してもよい。また、サーバ5でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式等で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲームをサーバ5が提供してもよい。あるいは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)などの動作環境を基に作成されるアプリケーションソフトウェアによって実行される、いわゆるソーシャルゲームをサーバ5が提供してもよい。なお、端末装置3にゲームプログラムの一部をインストールし、サーバ5だけでなく端末装置3においても部分的にゲーム処理が実行されるようにしてもよい。
【0019】
<2.サーバの機能的構成>
次に、図2図12を用いて、サーバ5の機能的構成の一例について説明する。
【0020】
図2に示すように、サーバ5は、仮想景品データベース9と、所持品情報データベース11と、識別情報取得処理部13と、所持品情報取得処理部15と、ラインナップ決定処理部17と、目玉景品表示処理部19と、変更指示受付処理部21と、ラインナップ変更処理部23と、抽選実行処理部25と、景品提供処理部27と、所持品情報更新処理部29とを有する。
【0021】
仮想景品データベース9には、抽選ゲームで提供される複数の仮想景品が格納されている。「仮想景品」は、サーバ5又は端末装置3で実行される各種のゲーム上で使用可能なキャラクタ(男性キャラクタ、女性キャラクタ、動物キャラクタ、人間や動物以外の仮想的な生物キャラクタ、キャラクタカード等)や、アイテム(例えば武器、防具、装具、各種効能を備えた道具や物品等)等である。仮想景品データベース9では、仮想景品ごとに当選確率が予め設定されている。
【0022】
所持品情報データベース11には、各プレイヤがゲーム内で所持する所持品(獲得した仮想景品を含む)に関わる所持品情報がプレイヤごとに格納されている。すなわち、プレイヤの識別情報と所持品情報とが関連付けられて格納されている。所持品情報は、抽選ゲームの実行によりプレイヤが仮想景品を獲得する度に最新の内容に更新される。
【0023】
識別情報取得処理部13は、複数の端末装置3を操作する複数のプレイヤの識別情報をそれぞれ取得する。「識別情報」は、プレイヤを一意に特定することが可能な情報であれば特に限定されるものではないが、例えばプレイヤがオンラインゲームを利用するためのアカウント情報等である。
【0024】
所持品情報取得処理部15は、所持品情報データベース11を参照し、上記識別情報取得処理部13により取得した識別情報に基づいてプレイヤの所持品情報を取得する。
【0025】
ラインナップ決定処理部17は、上記識別情報に基づいて抽選対象となる仮想景品のラインナップを識別情報(プレイヤ)ごとに決定する。このとき、ラインナップ決定処理部17は、上記所持品情報取得処理部15により取得した所持品情報に基づいて、プレイヤが所持していない仮想景品が優先的に含まれるようにラインナップを決定する。具体的には、仮想景品のラインナップは、ラインナップ決定処理部17により決定される際に識別情報に基づいて変更される対象となる変更対象枠と、識別情報に関わらず変更されない固定枠とを有しており、ラインナップ決定処理部17は、変更対象枠に選出可能な仮想景品から所持品情報に含まれるものを除外した仮想景品が変更対象枠に優先的に含まれるように、ラインナップを決定する。
【0026】
目玉景品表示処理部19は、上記変更対象枠に含まれる仮想景品の少なくとも一部を目玉景品として表示する。目玉景品として表示されるのは、変更対象枠に含まれる仮想景品の全部でもよいし一部でもよい。
【0027】
図3に、抽選ゲームの画面表示の一例を示す。図3に示す例では、抽選を実行するための抽選ボタン31、仮想景品のラインナップを一覧表示するための表示ボタン33、仮想景品のラインナップを変更するための変更ボタン35が表示されている。また、これらのボタン31,33,35の下方に、上記目玉景品表示処理部19により目玉景品が表示されている。この例では、「SR-2」、「SR-5」、「SR-12」の3つの仮想景品が目玉景品として表示されている。
【0028】
図4に、仮想景品のラインナップの一例を示す。なお、上記表示ボタン33が操作された場合には、当該ラインナップが適宜の表示態様で表示される。また、この図4を含む各図面では、説明を容易とするために各仮想景品を希少度と番号のみで簡易化して図示しているが、例えばキャラクタの容姿やアイテムの外観、それらのパラメータ等が描画されてもよい。
【0029】
図4に示す例では、抽選対象となる仮想景品の数は例えば100個であり、当選確率は全て1%となっている。またこの例では、仮想景品は希少価値が異なる3種類の種別「ノーマル」、「レア」、「スーパーレア」に分類されている。例えば63個の仮想景品が「ノーマル」、34個の仮想景品が「レア」、3個の仮想景品が「スーパーレア」に分類されている。したがって、「ノーマル」の仮想景品が当選する確率は63%となり、当選確率が最も高く、最も希少価値が低い種別となっている。また、「スーパーレア」の仮想景品が当選する確率は3%となり、当選確率が最も低く、最も希少価値が高い種別となっている。また、「レア」の仮想景品が当選する確率は34%となり、「ノーマル」と「スーパーレア」の中間の希少価値の種別となっている。
【0030】
本実施形態では、「ノーマル」及び「レア」が固定枠、「スーパーレア」が変更対象枠として設定されている。したがって、「スーパーレア」に分類された3個の仮想景品は識別情報に基づいて変更される一方、「ノーマル」及び「レア」に分類された残りの97個の仮想景品は識別情報に関わらず変動しない。なお、変更対象枠の仮想景品は識別情報(プレイヤ)ごとに必ず異なる訳ではなく、各プレイヤの所持品の状況によっては同一となる可能性もある。
【0031】
なお、仮想景品の数や当選確率の値、各種別の個数は上記以外の値としてもよい。また、仮想景品の種別は3種類に限定されるものではなく、例えば1種類(種別なし)としてもよいし、3以外の複数種類としてもよい。また、分類の方法も希少度に限定されるものではなく、例えばキャラクタの強さやアイテムの効能の大きさ等、その他の方法で分類してもよい。また、例えば「レア」と「スーパーレア」を変更対象枠としたり、全部の種別を変更対象枠として固定枠を無くす等、固定枠と変更対象枠の設定を上記以外としてもよい。
【0032】
図5及び図6に、上記ラインナップ決定処理部17による処理の一例を示す。図5及び図6に示す例では、変更対象枠に選出可能な仮想景品として、「スーパーレア」に分類される例えば20個の仮想景品(「SR-1」~「SR-20」)が用意されている。以下では、当該仮想景品のリストを提供品リスト37という。ラインナップ決定処理部17は、提供品リスト37とプレイヤの所持品情報とを比較して、提供品リスト37からプレイヤの所持品を除外する。以下では、当該所持品が除外された仮想景品のリストを未所持品リスト39という。
【0033】
ラインナップ決定処理部17は、変更対象枠が埋まるまで、未所持品リスト39の優先順位を上、提供品リスト37の優先順位を下として、対象となるリストから仮想景品を選出する。この際、同一リスト内から同じ景品を複数回選出せず、また、同一リスト内ではランダムに選出する。
【0034】
例えば図5に示す例では、未所持品リスト39の景品数(この例では10個)が変更対象枠(3個)よりも多い。このため、ラインナップ決定処理部17は、未所持品リスト39から変更対象枠(この例では3個)をランダムに選出して変更対象枠を埋める。この例では、「SR-2」、「SR-5」、「SR-12」の3個の仮想景品が変更対象枠に選出されており、その他の固定枠の97個の仮想景品と合わされて図4に示すラインナップとなる。
【0035】
一方、未所持品リスト39の景品数が変更対象枠(3個)と同じである場合には、ラインナップ決定処理部17は、未所持品リスト39に含まれる仮想景品の全部を変更対象枠に選出する。
【0036】
他方、例えば図6に示すように、未所持品リスト39の景品数(この例では2個)が変更対象枠(3個)よりも少ない場合には、ラインナップ決定処理部17は、まず未所持品リスト39に含まれる仮想景品の全部を変更対象枠に選出する。次に、残りを提供品リスト37からランダムに選出して変更対象枠を埋める。この例では、「SR-3」、「SR-10」、「SR-14」の3個の仮想景品が変更対象枠に選出されている。すなわち、プレイヤの所持状況(例えば所持品が非常に多い場合)によっては変更対象枠に所持品が含まれる場合がある。以上のようにして、ラインナップ決定処理部17は、プレイヤが所持していない仮想景品が優先的に含まれるようにラインナップ(変更対象枠)を決定する。
【0037】
図2に戻り、変更指示受付処理部21は、ラインナップ決定処理部17により決定されたラインナップの変更指示をプレイヤから受け付ける。プレイヤは、前述の変更ボタン35(図3参照)を操作することでラインナップの変更指示を行うことができる。
【0038】
ラインナップ変更処理部23は、上記変更指示受付処理部21により変更指示を受け付けた場合に、所定の条件に基づいてラインナップを変更する。具体的には、ラインナップ変更処理部23は、変更対象枠に含まれる仮想景品が直前の変更対象枠と重複せず、且つ、変更対象枠に選出可能な仮想景品から所持品情報に含まれるものを除外した仮想景品が変更対象枠に優先的に含まれるように、ラインナップを変更する。
【0039】
なお、上記ラインナップ変更処理部23がラインナップの変更を実行する条件として、変更指示を受け付けたこと以外に、例えば、プレイヤによる対価の支払い(所定のアイテムの使用、仮想通貨の支払い等)や、最後にラインナップを変更してから一定期間が経過していること等を加えてもよい。
【0040】
図7図12に、上記ラインナップ変更処理部23による処理の一例を示す。なお、提供品リスト37は前述の図5及び図6と同様である。ラインナップ変更処理部23は、提供品リスト37から現時点において変更対象枠に登場している仮想景品を除外する。以下では、当該登場している仮想景品が除外された仮想景品のリストを未登場品リスト41という。またラインナップ変更処理部23は、未登場品リスト41とプレイヤの所持品情報とを比較して、未登場品リスト41からプレイヤの所持品を除外する。以下では、当該所持品が除外された仮想景品のリストを未登場且つ未所持品リスト43という。
【0041】
ラインナップ変更処理部23は、変更対象枠が埋まるまで、未登場且つ未所持品リスト43の優先順位を上、未登場品リスト41の優先順位を下として、対象となるリストから仮想景品を選出する。この際、同一リスト内から同じ景品を複数回選出せず、また、同一リスト内ではランダムに選出する。
【0042】
例えば図8は、ラインナップ決定処理部17により変更対象枠が「SR-2」、「SR-5」、「SR-12」の3個の仮想景品に決定された状態から、ラインナップ変更処理部23によりラインナップが変更される場合である。なお、図8に示す未登場且つ未所持品リスト43は図7と同様である。図8に示す例では、未登場且つ未所持品リスト43の景品数(この例では7個)が変更対象枠(3個)よりも多い。このため、ラインナップ変更処理部23は、未登場且つ未所持品リスト43から変更対象枠(この例では3個)をランダムに選出して変更対象枠を埋める。この例では、変更対象枠が「SR-2」、「SR-5」、「SR-12」の3個の仮想景品から「SR-7」、「SR-14」、「SR-18」の3個の仮想景品に変更されている。
【0043】
図9は、上記図8に示す状態からさらにラインナップが変更される場合(ラインナップの変更が複数回行われる場合)である。現時点の変更対象枠が「SR-7」、「SR-14」、「SR-18」となっているため、未登場且つ未所持品リスト43は図8から変更されている。図9に示す例でも、未登場且つ未所持品リスト43の景品数(この例では7個)は変更対象枠(3個)よりも多いため、ラインナップ変更処理部23は、未登場且つ未所持品リスト43から変更対象枠(この例では3個)をランダムに選出して変更対象枠を埋める。この例では、変更対象枠が「SR-7」、「SR-14」、「SR-18」の3個の仮想景品から「SR-5」、「SR-10」、「SR-12」の3個の仮想景品に変更されている。
【0044】
なお、変更後の変更対象枠に含まれる仮想景品は直前の変更対象枠とは全て異なるが、さらにその前の変更対象枠とは重複しうる。
【0045】
一方、未登場且つ未所持品リスト43の景品数が変更対象枠(3個)と同じである場合には、ラインナップ変更処理部23は、未登場且つ未所持品リスト43に含まれる仮想景品の全部を変更対象枠に選出する。
【0046】
他方、例えば図10に示すように、未登場且つ未所持品リスト43の景品数(この例では2個)が変更対象枠(3個)よりも少ない場合には、ラインナップ変更処理部23は、まず未登場且つ未所持品リスト43に含まれる仮想景品の全部を変更対象枠に選出する。次に、残りを未登場品リスト41からランダムに選出して変更対象枠を埋める。
【0047】
例えば図11は、ラインナップ決定処理部17により変更対象枠が「SR-2」、「SR-5」、「SR-12」の3個の仮想景品に決定された状態から、ラインナップ変更処理部23によりラインナップが変更される場合である。なお、図11に示す未登場且つ未所持品リスト43は図10と同様である。図11に示す例では、未登場且つ未所持品リスト43の景品数(この例では2個)が変更対象枠(3個)よりも少ない。このため、ラインナップ変更処理部23は、まず未登場且つ未所持品リスト43に含まれる仮想景品の全部を変更対象枠に選出する。次に、残りを未登場品リスト41からランダムに選出して変更対象枠を埋める。この例では、変更対象枠が「SR-2」、「SR-5」、「SR-12」の3個の仮想景品から「SR-3」、「SR-10」、「SR-14」の3個の仮想景品に変更されている。
【0048】
このように、プレイヤの所持状況(例えば所持品が非常に多い場合)によっては変更対象枠に所持品が含まれる場合がある。すなわち、変更対象枠に含まれる仮想景品が直前の変更対象枠と重複しないことを、プレイヤが所持していないことよりも優先的な条件として、ラインナップが変更される。
【0049】
図12は、上記図11に示す状態からさらにラインナップが変更される場合(ラインナップの変更が複数回行われる場合)である。現時点の変更対象枠が「SR-3」、「SR-10」、「SR-14」となっているため、未登場且つ未所持品リスト43は図11から変更されている。図12に示す例では、未登場且つ未所持品リスト43の景品数(この例では3個)は変更対象枠(3個)と同じであるため、ラインナップ変更処理部23は、未登場且つ未所持品リスト43に含まれる仮想景品の全部を変更対象枠に選出する。この例では、変更対象枠が「SR-3」、「SR-10」、「SR-14」の3個の仮想景品から「SR-2」、「SR-5」、「SR-12」の3個の仮想景品に変更されている。すなわち、変更後の変更対象枠に含まれる仮想景品は2回前の変更対象枠と全て重複する結果となっている。
【0050】
以上のようにして、ラインナップ変更処理部23は、変更対象枠に含まれる仮想景品が直前の変更対象枠と重複せず、且つ、プレイヤの未所持品が変更対象枠に優先的に含まれるように、ラインナップを変更する。
【0051】
図2に戻り、抽選実行処理部25は、ラインナップ決定処理部17により決定されたラインナップ、又は、ラインナップ変更処理部23により変更されたラインナップの中から所定の当選確率に基づいて仮想景品の抽選を実行する。また、景品提供処理部27は、抽選により当選した仮想景品をプレイヤに提供する。
【0052】
所持品情報更新処理部29は、景品提供処理部27により当選した仮想景品がプレイヤに提供された場合に、所持品情報を更新する。
【0053】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU501(後述の図14参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。さらに、以上説明した各処理部は、全部がサーバ5側に実装される場合に限定されるものではなく、その一部又は全部が端末装置3側に実装されてもよい。
【0054】
<3.サーバが実行する処理手順>
次に、図13を用いて、サーバ5のCPU501によって実行される処理手順の一例について説明する。
【0055】
ステップS5では、サーバ5は、識別情報取得処理部13により、複数の端末装置3を操作する複数のプレイヤの識別情報をそれぞれ取得する。
【0056】
ステップS10では、サーバ5は、所持品情報取得処理部15により、所持品情報データベース11を参照し、上記ステップS5で取得した識別情報に基づいて各プレイヤの所持品情報をそれぞれ取得する。
【0057】
ステップS15では、サーバ5は、ラインナップ決定処理部17により、変更対象枠に選出可能な仮想景品(提供品リスト37)から上記ステップS10で取得した所持品情報に含まれるものを除外した仮想景品(未所持品リスト39)が変更対象枠に優先的に含まれるように、ラインナップを決定する。
【0058】
ステップS20では、サーバ5は、目玉景品表示処理部19により、上記ステップS15で決定された変更対象枠に含まれる仮想景品を目玉景品として表示する。
【0059】
ステップS25では、サーバ5は、変更指示受付処理部21により、上記ステップS15で決定されたラインナップの変更指示を受け付けたか否か(変更ボタン35が操作されたか否か)を判定する。ラインナップの変更指示を受け付けていない場合には(ステップS25:NO)、後述のステップS40に直接移る。一方、ラインナップの変更指示を受け付けた場合には(ステップS25:YES)、次のステップS30に移る。
【0060】
ステップS30では、サーバ5は、ラインナップ変更処理部23により、変更対象枠に含まれる仮想景品が直前の変更対象枠と重複せず(未登場品リスト41)、且つ、変更対象枠に選出可能な仮想景品(提供品リスト37)から所持品情報に含まれるものを除外した仮想景品(未登場且つ未所持品リスト43)が変更対象枠に優先的に含まれるように、ラインナップを変更する。
【0061】
ステップS35では、サーバ5は、目玉景品表示処理部19により、上記ステップS30で変更された変更対象枠に含まれる仮想景品を目玉景品として表示する。
【0062】
ステップS40では、サーバ5は、抽選の実行指示があったか否か(抽選ボタン31が操作されたか否か)を判定する。抽選の実行指示がない場合には(ステップS40:NO)、先のステップS25に戻り、抽選の実行指示があるまでステップS25~ステップS35の手順を繰り返す。一方、抽選の実行指示があった場合には(ステップS40:YES)、次のステップS45に移る。
【0063】
ステップS45では、サーバ5は、抽選実行処理部25により、上記ステップS15で決定されたラインナップ、又は、上記ステップS30で変更されたラインナップの中から所定の当選確率に基づいて仮想景品の抽選を実行する。
【0064】
ステップS50では、サーバ5は、景品提供処理部27により、抽選により当選した仮想景品をプレイヤに提供する。
【0065】
ステップS55では、サーバ5は、所持品情報更新処理部29により、上記ステップS50でプレイヤに提供した仮想景品に応じて所持品情報を更新する。以上により、本フローチャートを終了する。
【0066】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
【0067】
<4.実施形態の効果>
本実施形態のゲームプログラムは、複数の端末装置3と通信可能に接続されたサーバ5を、複数の端末装置3を操作する複数のプレイヤの識別情報をそれぞれ取得する識別情報取得処理部13、識別情報に基づいて抽選対象となる仮想景品のラインナップを識別情報ごとに決定するラインナップ決定処理部17、ラインナップの中から所定の当選確率に基づいて仮想景品の抽選を実行する抽選実行処理部25、抽選により当選した仮想景品をプレイヤに提供する景品提供処理部27、として機能させる。
【0068】
いわゆるオンラインゲームにおいて仮想景品の抽選を行う場合、一般的に各プレイヤのゲーム内での所持品はそれぞれ異なるため、各プレイヤが所望する仮想景品もそれぞれ異なるのが通常である。このため、仮に抽選対象である仮想景品のラインナップが固定的である場合、ラインナップの中に所望する仮想景品が含まれるか否か、あるいは、含まれる場合でもその度合いがプレイヤによって異なる場合が生じうる。したがって、プレイヤによっては抽選ゲームに参加する意欲が削がれる等、ゲームの興趣性の低下を招く可能性があった。
【0069】
本実施形態では、複数のプレイヤの識別情報がそれぞれ取得され、その識別情報に基づいて抽選対象となる仮想景品のラインナップが識別情報ごとに決定される。これにより、仮想景品のラインナップをプレイヤごとに変更することができるので、各プレイヤに対して所望の仮想景品が含まれる最適なラインナップを選出することが可能となる。その結果、各プレイヤの抽選ゲームに参加しようという意欲をかき立てることができるので、抽選ゲームの興趣性を向上できる。
【0070】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ5を、識別情報に基づいてプレイヤの所持品に関わる所持品情報を取得する所持品情報取得処理部15、としてさらに機能させ、ラインナップ決定処理部17は、所持品情報に基づいてプレイヤが所持していない仮想景品が優先的に含まれるようにラインナップを決定する。
【0071】
一般に、プレイヤにはゲームに応じて用意されている多彩な種類のアイテムをできるだけ多く揃えたいといった要望が存在する。このため、抽選ゲームのラインナップがプレイヤが既に所持している仮想景品ばかりである場合、プレイヤの抽選ゲームに参加しようという意欲が削がれ、ゲームの魅力が低下してしまう。
【0072】
本実施形態では、所持品情報に基づいてプレイヤが所持していない仮想景品が優先的に含まれるようにラインナップが決定される。一般にプレイヤが所持していない仮想景品は、プレイヤが所望する仮想景品である可能性が高い。したがって、各プレイヤに対して抽選ゲームに参加しようという意欲をかき立てることができるので、抽選ゲームの興趣性を向上できる。
【0073】
また、本実施形態では特に、ラインナップは、ラインナップ決定処理部17により決定される際に識別情報に基づいて変更される対象となる変更対象枠と、識別情報に関わらず変更されない固定枠と、を有しており、ラインナップ決定処理部17は、変更対象枠に選出可能な仮想景品(提供品リスト37)から所持品情報に含まれるものを除外した仮想景品(未所持品リスト39)が変更対象枠に優先的に含まれるように、ラインナップを決定する。
【0074】
本実施形態によれば、ラインナップの全部を識別情報ごとに変更するのではなく、その一部である変更対象枠部分のみを変更し、残りの固定枠部分については変更しない。これにより、ゲームの開発負担や情報処理装置の処理負担を軽減できる。また、未所持品リスト39が変更対象枠よりも多い場合にはランダムに選出することにより、ゲームに一定の偶然性及び射幸性を確保できるので、興趣性を向上できる。
【0075】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ5を、ラインナップ決定処理部17により決定されたラインナップの変更指示をプレイヤから受け付ける変更指示受付処理部21、変更指示を受け付けた場合に、所定の条件に基づいてラインナップを変更するラインナップ変更処理部23、としてさらに機能させる。
【0076】
本実施形態によれば、プレイヤが所持していない仮想景品が優先的に含まれるようにラインナップが決定されるので、プレイヤが所望する仮想景品がラインナップに含まれる可能性が高い。しかしながら、プレイヤが所持していない仮想景品(未所持品リスト39)が変更対象枠よりも多い場合にはランダムに選出されるので、プレイヤが所望する仮想景品が必ずしもラインナップに含まれるとは限らない。
【0077】
そこで本実施形態では、プレイヤによるラインナップの変更指示を受け付け可能とし、当該変更指示を受け付けた場合には所定の条件に基づいてラインナップが変更される。これにより、プレイヤは所望する仮想景品がラインナップに含まれない場合には、含まれるようになるまでラインナップを(1回または複数回に亘って)変更することができる。これにより、プレイヤは所望の仮想景品がラインナップに確実に含まれた状態で抽選を実行することができるので、プレイヤの意欲をさらにかき立てることができる。
【0078】
また、本実施形態では特に、ラインナップ変更処理部23は、所定の条件として、変更対象枠に含まれる仮想景品が直前の変更対象枠と重複せず、且つ、変更対象枠に選出可能な仮想景品から所持品情報に含まれるものを除外した仮想景品が変更対象枠に優先的に含まれるように、ラインナップを変更する。
【0079】
プレイヤがラインナップを変更するのは、直前のラインナップに所望の仮想景品が含まれない場合である。このため、変更対象枠に含まれる仮想景品が直前の変更対象枠と重複しないようにラインナップを変更することで、所望の仮想景品が含まれるようになる可能性が高まり、プレイヤの満足度を向上できる。
【0080】
特に、ラインナップの変更に対価(例えば必要なアイテムの使用や仮想通貨の支払い等)が必要である場合において、仮に変更対象枠の仮想景品が直前と重複しうるシステムとした場合には、プレイヤは対価を支払ったにもかかわらず相応の利益が得られない場合が生じ、不満が生ずることとなる。このため、直前の変更対象枠と重複しない条件を、プレイヤが所持していない条件よりも優先的に適用することで、プレイヤに生ずる不満を抑制でき、ゲームの魅力を維持することができる。
【0081】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ5を、変更対象枠に含まれる仮想景品の少なくとも一部を目玉景品として表示する目玉景品表示処理部19、としてさらに機能させる。
【0082】
これにより、プレイヤに対して未所持の仮想景品がラインナップに含まれることをアピールでき、抽選ゲームに参加しようという意欲をさらにかき立てることができる。
【0083】
また、本実施形態では特に、仮想景品は、希少価値が異なる複数の種別(「ノーマル」、「レア」、「スーパーレア」)に分類されており、変更対象枠は、希少価値が最も高い種別(「スーパーレア」)に分類された仮想景品で構成される。
【0084】
これにより、希少価値が最も高い種別の中でプレイヤが所持していない仮想景品がラインナップに含まれることとなるので、抽選ゲームに参加しようという意欲をさらにかき立てることができる。
【0085】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ5を、景品提供処理部27により当選した仮想景品がプレイヤに提供された場合に、所持品情報を更新する所持品情報更新処理部29、としてさらに機能させる。
【0086】
本実施形態では、プレイヤが抽選ゲームに参加して当選した仮想景品を取得する度に、当該プレイヤの所持品情報が更新される。これにより、常に最新の所持品情報を参照しながら仮想景品のラインナップを決定、変更することができる。
【0087】
<5.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0088】
例えば上記実施形態では、所持品情報に基づいてプレイヤが所持していない仮想景品が優先的に含まれるようにラインナップを決定するようにしたが、反対にプレイヤが所持している仮想景品が優先的に含まれるようにラインナップを決定してもよい。これにより、例えばプレイヤが既に所持している所持品と同じ仮想景品に当選した場合に当該所持品のパラメータを変化させる(例えばキャラクタのレベルアップやアイテムの効能の増大等)ゲームシステムを採用している場合に、各プレイヤの抽選ゲームに参加しようという意欲をかき立てることができるので、抽選ゲームの興趣性を向上できる。
【0089】
また例えば、プレイヤがラインナップの変更を1回または複数回繰り返すうちに、やはり以前のラインナップが良かった、という場合も起こりうる。そこで「戻るボタン」等を設けてプレイヤによる戻り指示を受け付け、所望のラインナップまで戻ることを可能としてもよい。この場合、例えばラインナップの変更には対価の支払いが必要な場合でも戻り操作には対価は不要としてもよい。さらに、ラインナップの変更を行う度に変更前のラインナップを順次記録しておき、プレイヤが以前のラインナップ構成を閲覧できるようにしてもよい。この場合、例えば時系列に並べて表示する等、ラインアップを比較可能なように表示してもよい。このような機能を設けることにより、プレイヤは以前のラインナップに戻るか否かを判断し易くなり、利便性を向上できる。
【0090】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0091】
<6.サーバのハードウェア構成>
次に、図14を用いて、上記で説明したCPU501が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現するサーバ5のハードウェア構成の一例について説明する。なお、端末装置3が同様のハードウェア構成を有してもよい。
【0092】
図14に示すように、サーバ5は、例えば、CPU501と、ROM503と、RAM505と、GPU506と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路507と、入力装置513と、出力装置515と、記録装置517と、ドライブ519と、接続ポート521と、通信装置523を有する。これらの構成は、バス509や入出力インターフェース511等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0093】
ゲームプログラムは、例えば、ROM503やRAM505、記録装置517等に記録しておくことができる。
【0094】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体525に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体525は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体525に記録されたゲームプログラムは、ドライブ519により読み出されて、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0095】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置523がこのプログラムを受信する。そして、通信装置523が受信したプログラムは、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0096】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器527に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート521を介し転送され、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0097】
そして、CPU501が、上記記録装置517に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述のラインナップ決定処理部17、ラインナップ変更処理部23等による処理が実現される。この際、CPU501は、例えば、上記記録装置517からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM505に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU501は、例えば、プログラムを通信装置523やドライブ519、接続ポート521を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置517に記録せずに直接実行してもよい。
【0098】
また、CPU501は、各端末装置3のタッチパネル7からネットワークNWを介して入力される信号に加えて、必要に応じて、例えばマウス、キーボード、マイク等の入力装置513から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0099】
GPU506は、CPU501からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0100】
そして、CPU501及びGPU506は、上記の処理を実行した結果を、ネットワークNWを介して各端末装置3のタッチパネル7に出力すると共に、必要に応じて、例えばスピーカーやヘッドフォン等の音声出力部(図示せず)を含む、出力装置515から出力する。さらにCPU501及びGPU506は、必要に応じてこの処理結果を通信装置523や接続ポート521を介し送信してもよく、上記記録装置517や記録媒体525に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0101】
3 端末装置
5 サーバ(情報処理装置)
13 識別情報取得処理部
15 所持品情報取得処理部
17 ラインナップ決定処理部
19 目玉景品表示処理部
21 変更指示受付処理部
23 ラインナップ変更処理部
25 抽選実行処理部
27 景品提供処理部
29 所持品情報更新処理部
525 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14