(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】浴室ユニット用軟水化装置の設置構造
(51)【国際特許分類】
A47K 4/00 20060101AFI20230105BHJP
【FI】
A47K4/00
(21)【出願番号】P 2018140660
(22)【出願日】2018-07-26
【審査請求日】2021-07-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)株式会社ハウステック刊行 システムバスルーム フェリテプラス・フェリテのパンフレット 2018年3月 (2)第39回ジャパン建材フェア展示 2018年3月16日~17日 (3)ウェブサイト掲載 株式会社ハウステック リリース・お知らせ 2018年3月20日 (4)株式会社ハウステック各ショールームおよび各営業所への卸し 2018年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】301050924
【氏名又は名称】株式会社ハウステック
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【氏名又は名称】山崎 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】横山 大輔
(72)【発明者】
【氏名】安井 崇博
(72)【発明者】
【氏名】古村 賢二
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-159590(JP,A)
【文献】特開2017-018891(JP,A)
【文献】特開2002-282161(JP,A)
【文献】特開2018-099396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/02-4/00
E04H 1/12
C02F 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗い場床と壁と天井とカウンターと水栓器具を備えた浴室ユニット内に設置された軟水化装置において、
前記軟水化装置が、前記洗い場床より上方の前記壁の壁面に配置され
、
前記水栓器具のシャワー吐水口と前記軟水化装置の入水部を通水可能とする入水管と、前記軟水化装置の吐水部とシャワーセットのシャワーホース接続部を通水可能とする吐水管と、が前記壁の浴室ユニット外に配管されていることを特徴とする浴室ユニット用軟水化装置の設置構造。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室ユニット用軟水化装
置において、前記軟水化装置の上方に位置するようにカウンターが前記壁面に
対し支持材を介し設置され、かつ、前記カウンターの天板
が前記支持材を介し前記壁面に着脱可能とされたことを特徴とする浴室ユニット用軟水化装置の設置構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の浴室ユニット用軟水化装置
において、再生水投入口が前記軟水化装置の上面に設けられ、再生水排出口が前記軟水化装置の側面下方に設けられていることを特徴とする浴室ユニット用軟水化装置の設置構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項
3のいずれか一項に記載の浴室ユニット用軟水化装
置において、前記軟水化装置の本体と入水管の流路間に、減圧装置が設けられたことを特徴とする浴室ユニット用軟水化装置の設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室ユニット用軟水化装置の設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室で使用する軟水化装置を浴室内に配置する方法として、軟水化装置を浴室ユニットの構成部材の内部に組み込んで使用する方法と、軟水化装置を浴室の洗い場床に置いて使用する方法がそれぞれ開示されている。
【0003】
特許文献1では、浴室ユニットの構成部材であるカウンター部材の中に軟水化装置を組み込むことで、軟水化装置および配管等を露出させない構成が開示されている。
【0004】
特許文献2では、軟水化装置を浴室ユニットの洗い場床に配置し、水栓とシャワーとの間に配置する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-282161号公報
【文献】特開2017-018891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の構成では、軟水化装置を収容するためにカウンター部材の張出量が大きくなり、浴槽の設置スペースを縮小させたり、洗面器置台の利用スペースを狭めるなど、軟水化装置を設置することで浴室ユニット内の利用空間を狭めてしまう問題点があった。
また、カウンター部材の設置スペース内にイオン交換樹脂を再生するための塩水タンク及び塩水ライン等の付帯設備を設けており、軟水化装置の大型化とコストアップをまねく等の問題点があった。
【0007】
特許文献2に記載の構成では、軟水化装置が浴室ユニットの洗い場床に配置されて、配管が露出しているために、洗い場の利用時や浴室の清掃時に軟水化装置や配管が邪魔になり、さらに、軟水化装置の転倒や損傷を引き起こすおそれがあるなどの問題点があった。
また、洗い場床の利用スペースの縮小と、配管の露出による外観の悪化と清掃性の悪化を招くなどの問題点があった。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点を鑑みなされたものであって、浴室ユニット内の利用空間を狭めることなく、納まりが良く、さらに清掃性や再生作業が容易な特徴を有する、浴室ユニット内に設置された軟水化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決する手段として、以下の構成を有する。
(1)本発明の浴室ユニット用軟水化装置の設置構造は、洗い場床と壁と天井とカウンターと水栓器具を備えた浴室ユニット内に設置された軟水化装置において、前記軟水化装置が、前記洗い場床より上方の前記壁の壁面に配置され、前記水栓器具のシャワー吐水口と前記軟水化装置の入水部を通水可能とする入水管と、前記軟水化装置の吐水部とシャワーセットのシャワーホース接続部を通水可能とする吐水管と、が前記壁の浴室ユニット外に配管されていることを特徴とする。
(2)本発明の浴室ユニット用軟水化装置の設置構造は、(1)項において、前記軟水化装置の上方に位置するようにカウンターが前記壁面に対し支持材を介し設置され、かつ、前記カウンターの天板が前記支持材を介し前記壁面に着脱可能とされたことを特徴とする。
【0010】
(3)本発明の浴室ユニット用軟水化装置の設置構造は、(1)または(2)項において、再生水投入口が前記軟水化装置の上面に設けられ、再生水排出口が前記軟水化装置の側面下方に設けられていることを特徴とする。
【0011】
(4)本発明の浴室ユニット用軟水化装置の設置構造は、(1)乃至(3)項のうちいずれかにおいて、前記軟水化装置の本体と入水管の流路間に、減圧装置が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、軟水化装置が洗い場床面の上方の壁面に設置されていることで、洗い場床面の清掃性を保持し、利用者と軟水化装置との接触や、軟水化装置の転倒及び損傷の防止を図ることができる。
【0013】
本発明において、浴室壁面に設置したカウンター下方のデットスペースに軟水化装置を設置することで、カウンター下方の空間を有効活用することができ、浴室ユニット内の利用空間の縮小を最小限に留めることができる。
カウンターの天板を着脱できる構成とすることで、軟水化装置のメンテナンス性及び清掃性の向上を図ることができる。また、カウンターの天板を外すことで軟水化装置周囲の壁面を覆い隠す部材を無くすることができるので、カウンター下方壁面の清掃性の向上も図ることができる。
【0014】
本発明において、再生水投入口が軟水化装置の上面に設けられ、再生水排出口が軟水化装置の側面下方に設けられていることで、上方の再生水投入口から再生水を投入し、イオン交換樹脂を通過させた再生水を下方の再生水排出口から排出するという簡単な操作によりイオン交換樹脂の再生作業の容易化を図ることができる。
また、上方の再生水投入口から再生水を投入するという操作のみで再生ができるので、再生するための付帯設備が不要となることで、軟水化装置のコンパクト化とコストダウンを図ることができる。
【0015】
本発明において、水栓器具のシャワー吐水口と軟水化装置の入水部を通水可能とする入水管と、軟水化装置の吐水部とシャワーセットのシャワーホース接続部を通水可能等とする吐水管とを前記壁の裏面側の浴室ユニット外に配管することで、通水する配管の浴室ユニット内への露出防止を図ることができ、軟水化装置を備えた浴室ユニットとして優れた外観品質を確保できる。
【0016】
本発明において、軟水化装置の本体と入水管の流路間に、減圧装置を設けたことで、軟水化装置の本体に加わる水圧を一定以下とすることができ、シャワーヘッドにて吐水・止水を行える水栓装置への適用拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の形態における、浴室ユニット全体を示す斜視図。
【
図2】前記浴室ユニット全体の裏面側を示す斜視図。
【
図3】本発明の第1の形態における、軟水化装置の外観図。
【
図5】給水管と給湯管を省略した状態の軟水化装置を示す側面図。
【
図6】本発明の第1の形態における、軟水化装置の再生作業を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を挙げて本発明の詳細を説明する。
「第1の実施形態」
図1は、本発明の第1の実施形態を示す。図中符号1は浴室ユニットを示し、この浴室ユニット1の構造は、洗い場床110とこの洗い場床110の外周縁部上に載置される、壁120と、壁120上方に設置される天井(図示略)と、浴槽5と、エプロン510と、軟水化装置2と、カウンター140と、水栓器具150と、シャワーホース154と、シャワーヘッド155を主体として構成されている。
【0019】
洗い場床110は平面視矩形状に形成され、洗い場床110の一方の長辺側中央に排水口111が形成されている。排水口111を設けた側の洗い場床110上にエプロン510が立設され、エプロン510に続くように浴槽5が設置されている。
洗い場床110の一方の短辺側に壁120が立設され、この壁120に隣接する浴槽5の短辺側に壁122が立設され、壁120と壁122がほぼ面一になるように左右に隣接配置されている。
【0020】
軟水化装置2は、洗い場床110の短辺側上方の壁120の壁面121に沿って配置され、軟水化装置2の上方には、カウンター140と、水栓器具150と、が壁120の壁面121に沿って、配置されている。
カウンター140は、天板(洗面器置台)141と、支持材142から構成されており、天板(洗面器置台)141の全て又は/及び一部が支持材142より着脱可能とされている。水栓器具150は、裏面側にシャワー吐水口151(
図2参照)を有しており、壁120の裏面側に配置された給水配管160と、給湯配管170に対し、壁120の裏面側において接続されている。
水栓器具150の裏面側には、給水接続部150aと上流入水接続部231と給湯接続部150cが左右に隣接形成され、水栓器具150を設置した位置の壁120に形成された透孔120aを介し壁120の裏面側に、
図2に示すように給水接続部150aと上流入水接続部231と給湯接続部150cが配置されている。また、上流入水接続部231に水栓器具150のシャワー吐水口151が形成されている。
壁120の裏面側において、給水配管160が給水接続部150aに接続され、給湯配管170が給湯接続部150cに接続され、入水管230が上流入水接続部231に接続されている。
【0021】
軟水化装置2は、
図4、
図5に示すように、内部にイオン交換樹脂220が充填された容器状の本体210を有し、本体210の側面下方には、水栓器具150のシャワー吐水口151からの入水管230が接続されている。また、本体210の内部へ水を供給するための、導水管233が設けられ、この導水管233に入水管230が接続されている。
本体210の上方には本体210内部から吐水管240を通し、シャワーホース接続部153へ水を流出させるための送水管243が設けられている。
【0022】
軟水化装置2は、
図3、
図4等に示すように本体210の背面を除く5面をケースカバー280で覆われており、ケースカバー280は前面を覆う前カバー281と、上方を覆う上カバー282と、下方を覆う底カバー283と、から構成される。本体210の背面側下部には板状の受け具270が取り付けられており、本体210と、受け具270と、底カバー283と、上カバー282はネジ部材等の固定具により、壁面121に固定されている。
【0023】
従来品(特許文献2)のケースカバーは、ベースと、左側面カバーと、右側面カバーと、内カバーと上カバー計5個の部品から構成されているが、本発明の軟水化装置2のケースカバー280は、前カバー281と、上カバー282と、底カバー283計3個の部品で構成されており、部品点数を削減することで金型費や管理費を低減することができる。
上カバー282は本体210の上面側と両側面の上部側を覆い、下カバー283は本体210の下面側と両側面の下部側を覆うので、これらに前カバー281を組み合わせることで本体210の6面のうち、5面を覆うことができ、3個の部品で軟水化装置2のケースカバー280を構成できる。
尚、上カバー282と、底カバー283はいずれもコ字形状に成形されているので、左右反転させて使用することで、軟水化装置2を左右勝手違いに配置しても共用して利用することができる。
【0024】
本体210の背面下部側であって下カバー283の背面内下部側には、板材からなる受け具270が取り付けられ、この受け具270には左右に離間してダボ受け具取付孔275が形成されている。また、上カバー282の背面側コーナー部分に張出部が形成され、ここにダボ受け具取付孔276が形成されている。
壁面121に設置されたダボ(図示せず)に前記上カバー282のダボ受け取付孔276を位置合わせし、受け具270のダボ受け具取付孔275を位置合わせしてそれぞれ挿着し、軟水化装置2を壁面121に沿って配置することができ、軟水化装置2の取付作業を容易に行うことができるようになっている。
【0025】
軟水化装置2は洗い場床110の上面に設置されていないため、軟水化装置2に周囲の水垢や、石鹸カスなどの汚れの付着を抑制することができ、軟水化装置2の底面と、軟水化装置2の下方の洗い場床110の清掃等を容易に行うことができるようになっている。
【0026】
また、軟水化装置2は本体210の上方を覆う、上カバー282の上面から、再生水(塩水:
図6参照)410を投入するための再生水投入口250と、この再生水投入口250を覆う着脱自在な投入キャップ251(
図5参照)とを備える。また、軟水化装置2は、本体210の側面下方を覆う底カバー283の側面から再生水(塩水)410を排出するための再生水排水口260と、再生水排水口260を覆う着脱自在な排出キャップ261と、を備える。尚、再生水は陽イオン交換樹脂のイオン交換能力を再生する。
【0027】
図3に示す様に、投入キャップ251と排水キャップ261は、上カバー282、底カバー283を貫通して本体210に螺合されており、これらのカバーを外すことなく、投入キャップ251と排水キャップ261を外し、
図6に示すように容器(ペットボトル)420を装着することで再生水410を本体210に投入することができる。
さらに、投入キャップ251の表面の凸部に起立したリブ251aと、排水キャップ261の表面の凹み部に起立したリブ261aをつまみとして利用することで、各キャップの着脱を容易とすることができる。
【0028】
軟水化装置2を再生させるため、再生水(塩水)410を再生水投入口250から再生水排出口260へ、通過させることで再生作業が行われる。
軟水化装置2のイオン交換樹脂220を再生する手順として、軟水化装置2上部にあるカウンター140の天板(洗面器置台)141を支持材142から取外し、再生水投入口250に備えられている投入口キャップ251と、再生水排出口260に備えられている排出キャップ261を取り外し、本体210内の水を排出する。この後、
図6に示すように、再生水(塩水)410の入った容器(ペットボトル)420の口部を再生水投入口250へ差し込み、再生水(塩水)410をイオン交換樹脂を通過させた後、再生水排出口260より排出させることで、イオン交換樹脂220のイオン交換能力を再生させることができる。
【0029】
本実施形態において、再生水投入口250を軟水化装置2の上面に設け、再生水排出口260を軟水化装置2の側面下方に設けていることで、上方の再生水投入口250から再生水を投入し、イオン交換樹脂220を通過させた再生水を下方の再生水排出口260から排出するという簡単な操作によりイオン交換樹脂220の再生作業の容易化を図ることができる。
また、上方の再生水投入口250から再生水を投入するという操作のみで再生ができるので、再生するための付帯設備が不要となることで、軟水化装置2のコンパクト化とコストダウンを図ることができる。
【0030】
また、イオン交換樹脂の再生処理を行う場合、
図6に示す様に、上カバー282の再生水投入口250は再生水(塩水)410が入った容器(ペットボトル)420の口部先端を差し込んだ状態で保持できる形状とすることで、再生中の容器(ペットボトル)420を手で保持する必要が無くなり、再生作業を容易に行うことができる。
【0031】
軟水化装置2の内部において、
図5に示すように導水管233はL字状のパイプと、減圧装置3と、を備えており、水栓器具150で混合された湯水をシャワー吐水口151から、上流入水接続部231を介し、浴室ユニット1の外(壁120の裏面側)にある入水管230を通し、下流入水接続部232と、導水管233と、を接続することで、軟水化装置2の本体210へ入水することができる。減圧装置3より下流側の導水管233は本体210の側面側底部にL字状のパイプを介し接続されている。
シャワー吐水口151と、上流入水接続部231と、下流入水接続部232と、導水管233と、減圧装置3と、本体210は、それぞれパッキン等を介して、漏水がないように接続されている。
【0032】
減圧装置3は、シャワーヘッド155にて吐水・止水を行うタイプのシャワーヘッドを使用する場合、水道圧による本体210の破損を防止するために配置されており、対応可能なシャワーヘッドを広く選択することができ、利便性を向上させることができる。
即ち、軟水化装置2の本体210と入水管230の流路間に、減圧装置3を設けたことで、軟水化装置2の本体210に加わる水圧を一定以下とすることができ、シャワーヘッド155にて吐水・止水を行える水栓装置への適用拡大を図ることができる。
【0033】
図4と
図5に示す様に、本体210の天井部に接続された送水管243はL字状のパイプからなり、下流吐水接続部242から、浴室ユニット1の外(壁120の裏面側)に設けられている吐水管240を通し、壁面121に設置されている上流吐水接続部241に接続されている。
水栓器具150のシャワー吐水口151から、シャワーホース154に流水し、シャワーヘッド155から吐水することができる。送水管243と、下流吐水接続部242と、吐水管240と、本体210と、上流吐水接続部241と、シャワーホース接続部153とは、パッキン等を介して、漏水がないように接続される。
【0034】
水道水、又は井戸水を、水栓器具150のシャワー吐水口151から、入水管230を通し、下流入水接続部232と、導水管233と、を介することで、軟水化装置2の本体210へ入水することができる。軟水化装置2の本体210に設けられているイオン交換樹脂220にて軟水化した水を、送水管243が接続された、下流吐水接続部242から、浴室ユニット1の外にある吐水管240を通し、壁面121に設置されている、上流吐水接続部241と、シャワーホース接続部153を介し浴室ユニット1内に設けられているシャワーホース154を介し、シャワーホース154の先端に備えられた、シャワーヘッド155へ送り、シャワーヘッド155から軟水化した水を吐水することができる。
【0035】
これらの配管経路において、給水配管160と給湯配管170に加え、入水管230と吐水管240を浴室ユニット1外(壁12の裏面側)に配管していることで、浴室ユニット1内がすっきりとした外観となり、軟水化装置2を設置した浴室ユニット1として優れた外観品質を実現することができる。
本実施形態では、軟水化装置2が洗い場110の床面の上方の壁面121に床面と適切な間隔をあけて設置されていることで、洗い場床面の清掃性を保持し、利用者と軟水化装置2との接触や、軟水化装置2の転倒及び損傷の防止を図ることができる。
一例として、軟水化装置2は、洗い場110の床面から5~6cm程度以上、上方に設置することが好ましい。軟水化装置2の下方に5cm程度の空間があると、軟水化装置2の奥行きを考慮したとして、装置下方の床面をスポンジ等の清掃用具を用いて清掃し易く、装置下方の壁面の清掃も可能となる。
【0036】
本実施形態において、浴室1の壁面121に設置した天板141の下方のデットスペースに軟水化装置2を設置することで、カウンター140の下方空間を有効活用することができ、浴室ユニット1内の利用空間の縮小を最小限に留めることができる。
また、カウンター140の天板141を着脱できる構成とすることで、軟水化装置2のメンテナンス性及び清掃性の向上を図ることができる。カウンター140の天板141を外すことで軟水化装置周囲の壁面121を覆い隠す部材を無くすることができるので、カウンター下方壁面の清掃性の向上も図ることができる。
【0037】
本実施形態において、水栓器具150のシャワー吐水口151と軟水化装置2の入水部を通水可能とする入水管230と、軟水化装置2の吐水部とシャワーセットのシャワーホース接続部153を通水可能等とする吐水管240とを前記壁120の裏面側の浴室ユニット外に配管することで、通水する配管の浴室ユニット内への露出防止を図ることができ、軟水化装置2を備えた浴室ユニットとして優れた外観品質を確保できる。
また、壁120の裏面側に配置するのは、給水配管160、給湯配管170、入水管230、吐水管240といった配管とそれらの接続部のみであるため、壁120の裏面側のスペースが狭い浴室であっても支障なく設置することができる。
【符号の説明】
【0038】
1…浴室ユニット、110…洗い場床、111…排水口、120…壁、121…壁面、
130…天井、140…カウンター、141…天板(洗面器置台)、142…支持材、
150…水栓器具、151…シャワー吐水口、152…シャワーセット、
153…シャワーホース接続部、154…シャワーホース、155…シャワーヘッド、
160…給水配管、170…給湯配管、
2…軟水化装置、210…本体、220…イオン交換樹脂、
230…入水管、231…上流入水接続部、232…下流入水接続部、233…導水管、240…吐水管、241…上流吐水接続部、242…下流吐水接続部、243…送水管、
250…再生水投入口、251…投入キャップ、
260…再生水排出口、261…排出キャップ、
270…受け具、280…ケースカバー、
281…前カバー、282…上カバー、283…底カバー、
3…減圧装置、410…再生水(塩水)、
420…容器(ペットボトル)、
5…浴槽、510…エプロン。