(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20230105BHJP
H01L 31/047 20140101ALI20230105BHJP
H01L 31/0749 20120101ALI20230105BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 540
H01L31/06 460
(21)【出願番号】P 2018179316
(22)【出願日】2018-09-25
【審査請求日】2021-03-24
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発 先端複合技術型シリコン太陽電池、高性能CIS太陽電池の技術開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100112715
【氏名又は名称】松山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】土津田 義久
(72)【発明者】
【氏名】鄒 柳民
(72)【発明者】
【氏名】上遠野 浩一
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-088754(JP,A)
【文献】特開2015-159286(JP,A)
【文献】特開2017-228629(JP,A)
【文献】特開2016-092421(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0116120(KR,A)
【文献】特開2017-055117(JP,A)
【文献】特開2011-054831(JP,A)
【文献】特開2014-127553(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0103408(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/119
H01L 31/18-31/20
H01L 51/42-51/48
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電型を有する複数の第1の半導体層上に配置された複数の第1の電極と、前記第1の導電型と反対の第2の導電型を有する複数の第2の半導体層上に配置され、かつ、前記複数の第1の電極と交互に配置された複数の第2の電極とを有する裏面接合型光電変換素子と、
前記第1および第2の半導体層の長手方向である第1の方向に交差する第2の方向に沿って配置され、かつ、前記複数の第1の電極に電気的に接続された第1の配線と、前記第2の方向に沿って配置され、かつ、前記複数の第2の電極に電気的に接続された第2の配線とを有する配線基板と、
前記複数の第1の電極と前記第2の配線との複数の第1の交差部において前記第1の電極と前記第2の配線との間に配置されるとともに、前記複数の第2の電極と前記第1の配線との複数の第2の交差部において前記第2の電極と前記第1の配線との間に配置された第1の絶縁部材と、
前記第1の方向における前記第1の配線と前記第2の配線との間に前記第2の方向に沿って配置された第2の絶縁部材とを備え、
前記第1の電極は、前記第1および第2の方向において前記第1および第2の絶縁部材によって囲まれた導電性接着層によって前記第1の配線に接続され、
前記第2の電極は、前記第1および第2の方向において前記第1および第2の絶縁部材によって囲まれた導電性接着層によって前記第2の配線に接続され
、
前記第1の絶縁部材と前記第2の絶縁部材とは、異なる樹脂からなる、太陽電池モジュール。
【請求項2】
第1の導電型を有する複数の第1の半導体層上に配置された複数の第1の電極と、前記第1の導電型と反対の第2の導電型を有する複数の第2の半導体層上に配置され、かつ、前記複数の第1の電極と交互に配置された複数の第2の電極とを有する裏面接合型光電変換素子と、
前記第1および第2の半導体層の長手方向である第1の方向に交差する第2の方向に沿って配置され、かつ、前記複数の第1の電極に電気的に接続された第1の配線と、前記第2の方向に沿って配置され、かつ、前記複数の第2の電極に電気的に接続された第2の配線とを有する配線基板と、
前記複数の第1の電極と前記第2の配線との複数の第1の交差部において前記第1の電極と前記第2の配線との間に配置されるとともに、前記複数の第2の電極と前記第1の配線との複数の第2の交差部において前記第2の電極と前記第1の配線との間に配置された第1の絶縁部材と、
前記第1の方向における前記第1の配線と前記第2の配線との間に前記第2の方向に沿って配置された第2の絶縁部材とを備え、
前記第1の電極は、前記第1および第2の方向において前記第1および第2の絶縁部材によって囲まれた導電性接着層によって前記第1の配線に接続され、
前記第2の電極は、前記第1および第2の方向において前記第1および第2の絶縁部材によって囲まれた導電性接着層によって前記第2の配線に接続され、
前記第1の絶縁部材は、前記第2の絶縁部材よりも粘度が高い、太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記第2の絶縁部材の一部は、前記第1の絶縁部材の一部に重なっている、請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
第1の導電型を有する複数の第1の半導体層上に配置された複数の第1の電極と、前記第1の導電型と反対の第2の導電型を有する複数の第2の半導体層上に配置され、かつ、前記複数の第1の電極と交互に配置された複数の第2の電極とを有する裏面接合型光電変換素子と、
前記第1および第2の半導体層の長手方向である第1の方向に交差する第2の方向に沿って配置され、かつ、前記複数の第1の電極に電気的に接続された第1の配線と、前記第2の方向に沿って配置され、かつ、前記複数の第2の電極に電気的に接続された第2の配線とを有する配線基板と、
前記複数の第1の電極と前記第2の配線との複数の第1の交差部において前記第1の電極と前記第2の配線との間に配置されるとともに、前記複数の第2の電極と前記第1の配線との複数の第2の交差部において前記第2の電極と前記第1の配線との間に配置された第1の絶縁部材と、
前記第1の方向における前記第1の配線と前記第2の配線との間に前記第2の方向に沿って配置された第2の絶縁部材とを備え、
前記第1の電極は、前記第1および第2の方向において前記第1および第2の絶縁部材によって囲まれた導電性接着層によって前記第1の配線に接続され、
前記第2の電極は、前記第1および第2の方向において前記第1および第2の絶縁部材によって囲まれた導電性接着層によって前記第2の配線に接続され、
前記第2の絶縁部材の一部は、前記第1の絶縁部材の一部に重なっている
、太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記裏面接合型光電変換素子と前記配線基板との距離は、前記第1の絶縁部材の厚みによって決定される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光電変換装置として裏面接合型太陽電池を用いた太陽電池モジュールの製造方法が開示されている。この製造方法によって製造された太陽電池モジュールは、裏面接合型太陽電池の電極の伸張方向と配線基板の配線材の伸張方向とが直交する方向に配線材が配置された構造を有する。
【0003】
また、特許文献2には、太陽電池モジュールが開示されている。この太陽電池モジュールは、複数の太陽電池と、導電性配線とを備える。複数の太陽電池の各々は、半導体基板と半導体基板の背面に第1方向に長く形成され、互いに異なる極性を有する第1電極と第2電極とを備える。導電性配線は、各太陽電池に備えられた半導体基板の背面に第1方向と交差する第2方向に長く配置され、第1および第2電極に導電性接着剤を介して接続され、複数の絶縁層によって第1および第2電極と絶縁されている。そして、第1電極と導電性配線との接続部は、第1方向において、第2電極と導電性配線との接続部と異なる位置に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5093821号公報
【文献】特許第6321099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1,2に開示された太陽電池モジュールにおいては、電極と配線とを接続する半田ペーストおよび導電性接着剤等の接続材料が太陽電池の面内方向において広がり、流れ出すことによって短絡不良を生じる可能性がある。また、流れ広がることによって、電極と配線とを接続するために十分な接続高さを確保できず、接続不良を生じる可能性がある。
【0006】
また、特許文献1においては、裏面接合型太陽電池と配線基材との接合強度を十分に確保できず、接続不良を生じるという問題がある。
【0007】
そこで、この発明の実施の形態によれば、短絡不良および接続不良を抑制可能な太陽電池モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(構成1)
この発明の実施の形態によれば、太陽電池モジュールは、裏面接合型光電変換素子と、配線基板と、第1および第2の絶縁部材とを備える。裏面接合型光電変換素子は、第1の導電型を有する複数の第1の半導体層上に配置された複数の第1の電極と、第1の導電型と反対の第2の導電型を有する複数の第2の半導体層上に配置され、かつ、複数の第1の電極と交互に配置された複数の第2の電極とを有する。配線基板は、第1および第2の半導体層の長手方向である第1の方向に交差する第2の方向に沿って配置され、かつ、複数の第1の電極に電気的に接続された第1の配線と、第2の方向に沿って配置され、かつ、複数の第2の電極に電気的に接続された第2の配線とを有する。第1の絶縁部材は、複数の第1の電極と第2の配線との複数の第1の交差部において第1の電極と第2の配線との間に配置されるとともに、複数の第2の電極と第1の配線との複数の第2の交差部において第2の電極と第1の配線との間に配置される。第2の絶縁部材は、第1の方向における第1の配線と第2の配線との間に第2の方向に沿って配置される。そして、第1の電極は、第1および第2の方向において第1および第2の絶縁部材によって囲まれた導電性接着層によって第1の配線に接続され、第2の電極は、第1および第2の方向において第1および第2の絶縁部材によって囲まれた導電性接着層によって第2の配線に接続される。
【0009】
(構成2)
構成1において、第1の絶縁部材と第2の絶縁部材とは、異なる樹脂からなる。
【0010】
(構成3)
構成1または構成2において、第1の絶縁部材は、第2の絶縁部材よりも粘度が高い。
【0011】
(構成4)
構成1から構成3のいずれかにおいて、第2の絶縁部材の一部は、第1の絶縁部材の一部に重なっている。
【0012】
(構成5)
構成1から構成4のいずれかにおいて、裏面接合型光電変換素子と配線基板との距離は、第1の絶縁部材の厚みによって決定される。
【発明の効果】
【0013】
太陽電池モジュールにおいて、短絡不良および接続不良を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】この発明の実施の形態1による太陽電池モジュールの構造を概略的に示す断面図である。
【
図2A】
図1に示す裏面接合型光電変換素子の第1の平面図である。
【
図2B】
図1に示す裏面接合型光電変換素子の第2の平面図である。
【
図2C】
図1に示す裏面接合型光電変換素子の第3の平面図である。
【
図3】
図2A~
図2Cに示す線III-III間における裏面接合型光電変換素子の断面図である。
【
図4】
図2A~
図2Cに示す線IV-IV間における裏面接合型光電変換素子の断面図である。
【
図5】
図1に示す太陽電池モジュールの製造工程を示す第1の工程図である。
【
図6】
図1に示す太陽電池モジュールの製造工程を示す第2の工程図である。
【
図7】
図1に示す太陽電池モジュールの製造工程を示す第3の工程図である。
【
図8】
図1に示す太陽電池モジュールの製造工程を示す第4の工程図である。
【
図9】
図3に示す絶縁部材6,7および配線22の領域における拡大図である。
【
図10】実施の形態2による太陽電池モジュールの構造を概略的に示す断面図である。
【
図14】実施の形態3による太陽電池モジュールの構造を概略的に示す断面図である。
【
図18】
図14に示す太陽電池モジュールの製造工程を示す第1の工程図である。
【
図19】
図14に示す太陽電池モジュールの製造工程を示す第2の工程図である。
【
図20】
図14に示す太陽電池モジュールの製造工程を示す第3の工程図である。
【
図21】
図14に示す太陽電池モジュールの製造工程を示す第4の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0016】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による太陽電池モジュールの構造を概略的に示す断面図である。
【0017】
図1を参照して、この発明の実施の形態1による太陽電池モジュール100は、裏面接合型光電変換素子10と、配線基板20と、透光性基板30と、裏面保護材40とを備える。
【0018】
接着剤50は、後述する絶縁部材6,7および導電性接着層8を含む。そして、接着剤50は、絶縁部材6,7によって裏面接合型光電変換素子10を配線基板20に固定するとともに裏面接合型光電変換素子10と配線基板20の配線とを電気的に絶縁し、導電性接着層8によって裏面接合型光電変換素子10を配線基板20の配線に電気的に接続する。即ち、裏面接合型光電変換素子10Aは、接着剤50によって配線基板20に固定され、配線基板20の配線と電気的に絶縁されるとともに配線基板20の配線に電気的に接続される。そして、裏面接合型光電変換素子10、配線基板20および接着剤50は、封止剤60によって封止される。
【0019】
裏面接合型光電変換素子10の光入射側には、透光性基板30が配置され、裏面接合型光電変換素子10の裏面側には、裏面保護材40が配置される。
【0020】
透光性基板30は、透光性を有する材料からなる板状部材であり、例えば、ガラスおよび透明プラスチックである。裏面保護材40は、耐候性を有する樹脂製のフィルムまたはシート部材、またはガラス、プラスチックおよび金属等を含む板状部材からなる。
【0021】
なお、
図1には、1個の裏面接合型光電変換素子10のみが示されているが、実際には、太陽電池モジュール100は、配線基板20によって電気的に接続された複数の裏面接合型光電変換素子10を含む。
【0022】
図2A~
図2Cは、それぞれ、
図1に示す裏面接合型光電変換素子10の第1から第3の平面図である。
図3は、
図2A~
図2Cに示す線III-III間における裏面接合型光電変換素子10の断面図である。
図4は、
図2A~
図2Cに示す線IV-IV間における裏面接合型光電変換素子10の断面図である。なお、
図2Aは、光入射側と反対側から見た裏面接合型光電変換素子10のp型拡散層、n型拡散層および電極の平面図である。
図2Bは、光入射側と反対側から見た裏面接合型光電変換素子10の導電性接着層および絶縁部材の平面図である。
図2Cは、光入射側と反対側から見た裏面接合型光電変換素子10の配線、配線基板の平面図である。この図では、配線基板は、透過しており、配線が見えている。また、
図2A~
図2C、
図3および
図4においては、x軸、y軸およびz軸を規定する。
【0023】
図2A~
図2C、
図3および
図4を参照して、裏面接合型光電変換素子10は、半導体基板1と、反射防止膜2と、パッシベーション膜3と、電極4,5とを含む。
【0024】
半導体基板1は、例えば、n型単結晶シリコン基板からなり、100~200μmの厚さを有する。また、半導体基板1は、例えば、(100)の面方位および1~10Ωcmの比抵抗を有する。そして、半導体基板1は、光入射側の表面にテクスチャ構造を有する。
【0025】
半導体基板1は、光入射側の表面と反対側の表面(テクスチャ構造が形成された面と反対側の面)側にp型拡散層11およびn型拡散層12を有する。p型拡散層11は、x-y平面においてn型拡散層12を取り囲むように配置される。
【0026】
p型拡散層11は、y軸方向に離間して配置された複数のp型拡散層を含む領域を有する。n型拡散層12は、y軸方向に複数のp型拡散層と交互に配置された複数のn型拡散層を含む領域を有する。
【0027】
p型拡散層11は、p型不純物として、例えば、ボロン(B)を含む。ボロンの濃度は、例えば、1×1019cm-3~1×1020cm-3である。また、p型拡散層11の深さは、例えば、0.1μm~0.5μmである。
【0028】
n型拡散層12は、n型不純物として、例えば、リン(P)を含む。リンの濃度は、例えば、1×1019cm-3~1×1020cm-3である。また、n型拡散層12の深さは、例えば、0.1μm~0.5μmである。
【0029】
反射防止膜2は、半導体基板1の光入射側の表面に配置される。反射防止膜2は、例えば、酸化シリコンおよびシリコンナイトライドの積層構造からなる。この場合、酸化シリコンが半導体基板1に接して配置され、シリコンナイトライドが酸化シリコンに接して配置される。そして、反射防止膜2は、例えば、100~1000nmの膜厚を有する。
【0030】
パッシベーション層3は、半導体基板1の光入射側の表面と反対の表面側においてp型拡散層11およびn型拡散層12に接してp型拡散層11およびn型拡散層12上に配置される。
【0031】
パッシベーション膜3は、酸化シリコン、窒化シリコンおよびアルミナ等からなる。そして、パッシベーション膜3は、例えば、50nm~100nmの膜厚を有する。
【0032】
電極4は、パッシベーション膜3に設けられた複数の開口を介してp型拡散層11およびパッシベーション膜3に接して配置される。そして、電極4は、y軸方向に離間して配置され、x軸方向に連続して配置される(
図2Aおよび
図4参照)。
【0033】
電極5は、パッシベーション膜3に設けられた複数の開口を介してn型拡散層12およびパッシベーション膜3に接して配置される。そして、電極5は、y軸方向に離間して配置され、x軸方向に連続して配置される(
図2Aおよび
図3参照)。
【0034】
電極4,5の各々は、例えば、銀からなり、100~3000nmの厚さを有する。
【0035】
絶縁部材6は、x軸方向において所定の間隔でy軸方向に沿って配置される(
図2B参照)。即ち、絶縁部材6は、配線22と配線23との間においてy軸方向に沿って配置される(
図2C参照)。
【0036】
絶縁部材7は、電極4上において、x軸に沿って導電性接着層8と交互に配置されるとともに、電極5上において、x軸に沿って導電性接着層8と交互に配置される。そして、電極4上における絶縁部材7の配置位置は、x軸方向において、電極5上における絶縁部材7の配置位置と異なる。また、絶縁部材7は、電極4上および電極5上において、x軸方向において隣接する2つの絶縁部材6,6間に配置される。
【0037】
絶縁部材6は、例えば、0.1~2mmの幅(x軸方向の長さ)を有し、絶縁部材7は、電極4,5の幅(x軸方向の長さ)よりも大きい幅(x軸方向の長さ)を有する。絶縁部材7の厚みは、例えば、5~50μmである。この絶縁部材7の厚みは、電極4,5の材料である金属の凹凸度合いよりも大きい厚みである。絶縁部材7の厚みを5~50μmに設定することによって、電極4,5の凸部が絶縁部材7を突き破って短絡するのを防止できる。
【0038】
絶縁部材6は、裏面接合型光電変換素子10と配線基板20とを圧着保持することにより裏面接合型光電変換素子10と配線基板20との接合強度を増し、太陽電池モジュール100の信頼性が向上する。
【0039】
絶縁部材6,7の各々は、例えば、樹脂からなる。そして、絶縁部材6,7は、相互に異なる樹脂からなる。絶縁部材6が樹脂Aからなり、絶縁部材7が樹脂Bからなるとすると、樹脂Bは、樹脂Aよりも粘度が高く、樹脂Aよりもハロゲン系の不純物が少ない。樹脂Aは、例えば、エポキシ樹脂からなり、樹脂Bは、例えば、エポキシ樹脂またはポリイミドからなる。樹脂Aは、例えば、後述する
図8の工程(r)において100~180℃の温度で10
5Pa・s以下の粘度を有し、樹脂Bは、例えば、後述する
図8の工程(r)において100~180℃の温度で10
5Pa・s以上の粘度を有する。樹脂Aは、100℃前後で柔らかくなり、100℃~180℃で溶融するものが好ましい。樹脂Bは、100~180℃前後で高粘度のものが好ましい。樹脂Bの粘度を上述した範囲に設定することによって、絶縁部材7が裏面接合型光電変換素子10の面内方向に広がり、流れ出ることを抑制できる。その結果、太陽電池モジュール100における短絡不良を抑制できる。
【0040】
導電性接着層8は、電極4または電極5に接して配置される。(
図2B参照)。そして、電極4上の導電性接着層8は、配線基板20の配線22と電気的に接続され、電極5上の導電性接着層8は、配線基板20の配線23と電気的に接続される(
図2B,
図2C,
図3,
図4参照)。そして、導電性接着層8は、例えば、低融点はんだ、導電性接着剤および導電性ペースト等からなる。
【0041】
導電性接着層8は、電極4上において、x軸に沿って絶縁部材7と交互に配置されるとともに、電極5上において、x軸に沿って絶縁部材7と交互に配置される。そして、電極4上における導電性接着層8の配置位置は、x軸方向において、電極5上における導電性接着層8の配置位置と異なる。また、導電性接着層8は、電極4上および電極5上において、x軸方向において隣接する2つの絶縁部材6,6間に配置される。
【0042】
その結果、絶縁部材7および導電性接着層8の各々は、x軸方向およびy軸方向に沿ってジグザグ状に配置される。そして、x軸方向およびy軸方向の両端部に配置された導電性接着層8以外の1つの導電性接着層8は、x軸方向およびy軸方向の両方において絶縁部材6または絶縁部材7によって囲まれている。また、x軸方向の両端部に配置された導電性接着層8は、x軸方向の両側で絶縁部材6によって囲まれるとともにy軸方向の一方側で絶縁部材7によって囲まれており、y軸方向の両端部に配置された導電性接着層8は、x軸方向の両側で絶縁部材6によって囲まれるとともにy軸方向の一方側で絶縁部材7によって囲まれている。
【0043】
従って、後述する太陽電池モジュール100の製造工程において、塗布された導電性接着層8は、x軸方向およびy軸方向へ広がり、流れるのを抑制され、太陽電池モジュール100における短絡不良を抑制できる。また、導電性接着層8のx軸方向およびy軸方向への広がりを抑制することで、電極4と配線22を接続するために必要な導電性接着層8の高さ、および電極5と配線23を接続するために必要な導電性接着層8の高さを確保でき、接続不良を抑制できる。
【0044】
配線基板20は、絶縁性基板21と、配線22,23とを含む。配線22,23は、絶縁性基板21上に配置される。配線22,23は、櫛形の平面形状を有する(
図2C参照)。そして、配線22は、y軸方向に延び、導電性接着層8によって電極4に電気的に接続される。また、配線23は、y軸方向に延び、導電性接着層8によって電極5に電気的に接続される。配線22,23の各々は、例えば、0.5~2mmの幅(x軸方向の長さ)を有する。そして、配線22と配線23との間隔(x軸方向の長さ)は、例えば、0.1~1.5mmである。
【0045】
絶縁性基板21は、絶縁性材料からなり、例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびポリイミド等のフィルムからなる。
【0046】
配線22,23の各々は、導電性材料からなり、例えば、アルミニウム、銅、銀、スズおよび亜鉛等の少なくとも1種を含む導電性材料からなる。配線22,23の各々は、1層のみからなる単層構造であってもよく、2層以上からなる複数層構造であってもよい。配線22,23の少なくとも一部の表面には、例えば、防錆処理および黒化処理等の表面処理を施してもよい。
【0047】
上述したように、電極4は、導電性接着層8によって配線基板20の配線22に電気的に接続されており、電極5は、導電性接着層8によって配線基板20の配線23に電気的に接続されているが、電極4と配線22との電気的な接続および電極5と配線23との電気的な接続は、圧着等の電気的に接続が取れる方法であればよい。
【0048】
また、上述したように、絶縁部材7は、絶縁部材6よりも粘度が高いので、裏面接合型光電変換素子10と配線基板20との間隔は、絶縁部材7によって確保され、絶縁部材7の厚みによって決定される。そして、絶縁部材7は、電極4と配線22との間の絶縁性、および電極5と配線23との間の絶縁性を保持する。一方、絶縁部材6は、裏面接合型光電変換素子10と配線基板20の絶縁性基板21とを接着させる。
【0049】
なお、
図2Aにおいては、電極4、電極5およびn型拡散層12は、y軸方向において、複数配置されているが、その数は、限定されない。
【0050】
また、
図2Cにおいては、配線22,23の各々は、x軸方向において、複数配置されているが、配線22,23の各々の数は、限定されない。
【0051】
図5から
図8は、それぞれ、
図1に示す太陽電池モジュール100の製造工程を示す第1から第4の工程図である。なお、
図5から
図8に示す工程図は、
図2A~
図2Cに示す線III-III間における断面図を用いて示されている。
【0052】
図5を参照して、裏面接合型光電変換素子10の製造が開始されると、半導体基板1’を準備する(
図5の工程(a))。なお、半導体基板1’は、半導体基板1と同じ面方位、比抵抗および導電型を有する。
【0053】
そして、半導体基板1’の一方の面に保護膜29を形成する(
図5の工程(b))。保護膜29は、例えば、酸化シリコンおよび窒化シリコンからなり、例えば、スパッタリングによって形成される。
【0054】
その後、保護膜29が形成された半導体基板1’をNaOHおよびKOH等のアルカリ溶液(例えば、KOH:1~5wt%、イソプロピルアルコール:1~10wt%の水溶液)を用いてエッチングする。これによって、保護膜29が形成された半導体基板1’の面と反対側の表面が異方性エッチングされ、ピラミッド形状のテクスチャ構造が形成される。そして、保護膜29を除去することによって半導体基板1が得られる(
図5の工程(c)参照)。
【0055】
引き続いて、半導体基板1のテクスチャ構造が形成された表面に反射防止膜2を形成する(
図5の工程(d))。より具体的には、例えば、スパッタリング法によって、酸化シリコンおよびシリコンナイトライドを半導体基板1上に順次堆積することによって反射防止膜2を形成する。
【0056】
工程(d)の後、半導体基板1のテクスチャ構造が形成された表面と反対側の表面(=裏面)の一部にBSG(Boron Silicate Glass)膜31を形成する(
図5の工程(e))。この場合、BSG膜31の膜厚は、例えば、300~1000nmである。
【0057】
その後、BSG膜31を850~900℃で熱処理することによって、BSG膜31からボロン(B)を半導体基板1へ拡散させ、残ったBSG膜31をフッ化水素水溶液によって除去する。これによって、p型拡散層11が半導体基板1の裏面側に形成される(
図6の工程(f))。
【0058】
引き続いて、半導体基板1の裏面の一部にPSG(Phosphorus Silicate Glass)膜32を形成する(
図6の工程(g))。この場合、PSG膜32の膜厚は、例えば、300~1000nmである。
【0059】
その後、PSG膜32を850~900℃で熱処理することによって、PSG膜32からリン(P)を半導体基板1へ拡散させ、残ったPSG膜32をフッ化水素水溶液によって除去する。これによって、n型拡散層12が半導体基板1の裏面側に形成される(
図6の工程(h))。
【0060】
そして、パッシベーション膜3をp型拡散層11およびn型拡散層12上に形成する(
図6の工程(i))。この場合、例えば、スパッタリング法によって酸化シリコンを形成することによってパッシベーション膜3をp型拡散層11およびn型拡散層12上に形成する。
【0061】
次に、レジストをパッシベーション膜3上に塗布し、フォトリソグラフィを用いてレジストをパターンニングし、そのパターンニングしたレジストをマスクとしてパッシベーション膜3をエッチングすることによって開口33をパッシベーション膜3に形成する(
図7の工程(j))。
【0062】
その後、例えば、蒸着法によって金属(例えば、銀)を、開口33を有するパッシベーション膜3の全面に形成し、その形成した金属(例えば、銀)をレジストとフォトリソグラフィを用いてパターンニングすることによって電極5を形成する(
図7の工程(k))。なお、
図7の工程(k)においては、スクリーン印刷によって電極5を形成してもよい。また、
図7の工程(k)には、図示されていないが、電極4も、電極5と同時に形成される。これによって、裏面接合型光電変換素子10が完成する。
【0063】
工程(k)の後、絶縁性基板21の全面に金属箔34(例えば、銅箔)を接着剤によって接着する(
図7の工程(l))。
【0064】
そして、金属箔34の全面にレジストを塗布し、その塗布したレジストをフォトリソグラフィによってパターンニングしてレジストパターン35を形成する(
図7の工程(m))。
【0065】
引き続いて、レジストパターン35をマスクとして金属箔34をエッチングし、配線22,23を形成する(
図8の工程(n))。
【0066】
その後、樹脂Bを配線22上に印刷し、その印刷した樹脂Bを100~200℃前後で硬化して絶縁部材7を配線22上に形成する(
図8の工程(o))。
【0067】
そして、樹脂Aを絶縁部材7と配線23との間に印刷し、その印刷した樹脂Aを100℃程度で熱処理して絶縁部材6を絶縁性基板21上に形成する(
図8の工程(p))。この場合、樹脂Aは、絶縁部材7(樹脂B)よりも高くなるように供給される。
【0068】
引き続いて、導電性接着層8を配線23上に塗布する(
図8の工程(q))。なお、
図8の工程(q)には、図示されていないが、導電性接着層8は、工程(q)において、配線22上にも塗布される。そうすると、裏面接合型光電変換素子10の電極4,5が導電性接着層8に接するように裏面接合型光電変換素子10を配線基板20上に配置し、100~180℃の温度で裏面接合型光電変換素子10と配線基板20とを圧着する(
図8の工程(r))。そして、裏面接合型光電変換素子10および配線基板20を封止剤60で封止し、透光性基板30および裏面保護材40を取り付けて太陽電池モジュール100が完成する。
【0069】
なお、絶縁部材6、絶縁部材7および導電性接着剤8は、裏面接合型光電変換素子10上に形成してもよい。この場合、絶縁部材6、絶縁部材7および導電性接着剤8を配線基材上に形成する必要はない。また、絶縁部材6、絶縁部材7および導電性接着剤8を形成する方法は、印刷に限らず、ディスペンサー方式等であってもよい。
【0070】
更に、
図8の工程(r)によって、絶縁部材6は、低くなり、裏面接合型光電変換素子10と配線基板20との距離は、絶縁部材7の厚みとほぼ同じになるように絶縁部材7によって確保される。
【0071】
更に、
図8の工程(r)によって、絶縁部材6が裏面接合型光電変換素子10と配線基板20とを圧着保持することにより裏面接合型光電変換素子10と配線基板20との接合強度を増し、太陽電池モジュール100の信頼性が向上する。
【0072】
更に、
図8の工程(q)からも明らかなように、導電性接着層8は、
図8の紙面上、左右方向および
図8の紙面に垂直な方向において絶縁部材6または絶縁部材7によって囲まれているので、絶縁性基板21の面内方向において、広がり、流れ出ることはない。従って、太陽電池モジュール100における短絡不良を抑制できる。
【0073】
更に、工程(n)に示すように、配線22,23は、レジストパターン35をマスクとして金属箔34をエッチングすることによって形成されるので、配線22と配線23との間隔を狭く設定することが可能であり、配線22,23の密度を高くできる。その結果、配線22,23は、電極4,5の長手方向(=x軸方向)と交差する方向(=y軸方向)に沿って配置されるので、配線22と電極4の接続箇所および配線23と電極5との接続箇所を増加できる。
【0074】
即ち、配線22,23を電極4,5の長手方向(=x軸方向)に沿って配置した場合、配線22,23の密度は、y軸方向における電極4と電極5との間隔によって律速されるが、配線22,23を電極4,5の長手方向(=x軸方向)と交差する方向に沿って配置した場合、配線22,23の配置位置は制限されないので、配線22と電極4の接続箇所および配線23と電極5との接続箇所を増加できる。また、配線22,23を電極4,5の長手方向(=x軸方向)に沿って配置した場合、電極4と電極5との間隔が配線22,23の密度によって律速されることもあるが、配線22,23を電極4,5の長手方向(=x軸方向)と交差する方向に沿って配置した場合、電極4と電極5との配置位置が制限されないので、電極密度を増加できる。
【0075】
従って、電極4,5を介してより多くのキャリア(電子および正孔)を収集し易くなり、裏面接合型光電変換素子10の変換効率を向上できる。
【0076】
なお、スリット加工等により線状に加工した金属箔線を接着剤によって絶縁性基板21に接着することで配線基板20を形成してもよい。この場合、上述したフォトリソグラフィ方式に比べると、配線の密度が低くなるが、フォトリソグラフィ方式に比べ、安価に配線基板20を製作できることから、太陽電池モジュール100を低コスト化できる。
【0077】
図9は、
図3に示す絶縁部材6,7および配線22の領域における拡大図である。
図9を参照して、
図8の工程(r)において、裏面接合型光電変換素子10が配線基板20と圧着されるとき、絶縁部材6(樹脂A)が溶融されるので、絶縁部材6は、
図9の紙面上、左右方向に突出し、一部が絶縁部材7(樹脂B)上に配置される。
【0078】
その結果、絶縁部材7(樹脂B)は、絶縁部材6(樹脂A)によって絶縁性基板21の方向へ押さえられる。従って、太陽電池モジュール100においては、裏面接合型光電変換素子10が配線基板20からはがれるのを抑制できる。
【0079】
なお、上記においては、半導体基板1は、n型単結晶シリコンからなると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、半導体基板1は、p型単結晶シリコン、n型多結晶シリコンおよびp型多結晶シリコンのいずれかからなっていてもよい。
【0080】
[実施の形態2]
図10は、実施の形態2による太陽電池モジュールの構造を概略的に示す断面図である。
【0081】
図10を参照して、実施の形態2による太陽電池モジュール100Aは、
図1に示す太陽電池モジュール100の裏面接合型光電変換素子10を裏面接合型光電変換素子10Aに変えたものであり、その他は、太陽電池モジュール100と同じである。
【0082】
裏面接合型光電変換素子10Aは、接着剤50によって、配線基板20に固定され、配線基板20の配線と電気的に絶縁されるとともに配線基板20の配線に電気的に接続される。そして、裏面接合型光電変換素子10A、配線基板20および接着剤50は、封止剤60によって封止される。
【0083】
裏面接合型光電変換素子10Aの光入射側には、透光性基板30が配置され、裏面接合型光電変換素子10Aの裏面側には、裏面保護材40が配置される。
【0084】
なお、
図10には、1個の裏面接合型光電変換素子10Aのみが示されているが、実際には、太陽電池モジュール100Aは、配線基板20によって電気的に接続された複数の裏面接合型光電変換素子10Aを含む。
【0085】
図11A~
図11Cは、それぞれ、
図10に示す裏面接合型光電変換素子10Aの第1から第3の平面図である。
図12は、
図11A~
図11Cに示す線XII-XII間における裏面接合型光電変換素子10Aの断面図である。
図13は、
図11A~
図11Cに示す線XIII-XIII間における裏面接合型光電変換素子10Aの断面図である。なお、
図11Aは、光入射側と反対側から見た裏面接合型光電変換素子10Aのp型拡散層、n型拡散層および電極の平面図である。
図11Bは、光入射側と反対側から見た裏面接合型光電変換素子10Aの導電性接着層および絶縁部材の平面図である。
図11Cは、光入射側と反対側から見た裏面接合型光電変換素子10Aの配線、配線基板の平面図である。この図では、配線基板は、透過しており、配線が見えている。また、
図11A~
図11C、
図12および
図13においては、x軸、y軸およびz軸を規定する。
【0086】
図11A~11C、
図12および
図13を参照して、裏面接合型光電変換素子10Aは、
図2A~2C、
図3および
図4に示す裏面接合型光電変換素子10の電極4,5をそれぞれ電極4A,5Aに変え、導電性接着層8を導電性接着層8Aに変えたものであり、その他は、裏面接合型光電変換素子10と同じである。
【0087】
電極4Aは、パッシベーション膜3に設けられた複数の開口を介してp型拡散層11およびパッシベーション膜3に接して配置される。そして、電極4Aは、y軸方向に離間して配置され、x軸方向に配置された複数の電極40Aを含む。複数の電極40Aは、x軸方向において所定の間隔で離間してp型拡散層11上に配列される(
図11A,13参照)。
【0088】
このように、拡散層が形成される場合、離間して電極を配置する構成は、電極面積が小さくなるので、電極とパッシベーション膜の界面による光吸収ロスが低減され、特性が向上するので好ましい。
【0089】
電極5Aは、パッシベーション膜3に設けられた複数の開口を介してn型拡散層12およびパッシベーション膜3に接して配置される。そして、電極5Aは、y軸方向に離間して配置され、x軸方向に配置された複数の電極50Aを含む。複数の電極50Aは、x軸方向において所定の間隔で離間してn型拡散層12上に配列される(
図11A,
図12参照)。
【0090】
x軸方向において、複数の電極40Aの隣り合う電極40A間のギャップは、複数の電極50Aの隣り合う電極50A間のギャップと異なる位置に配置される(
図11A参照)。このように、電極40A,40A間と電極50A,50A間のギャップの位置が異なる構成は、配線との接続位置を互いに異なる位置にでき、配線接続が容易になるので、好ましい。
【0091】
電極4A,5Aの各々は、例えば、銀からなり、100~3000nmの厚さを有する。
【0092】
導電性接着層8Aは、x軸方向における電極4A,5Aの両端部上に電極4A,5Aに接して配置される(
図11B参照)。そして、電極4A上の導電性接着層8Aは、配線基板20の配線23と電気的に接続され、電極5A上の導電性接着層8Aは、配線基板の配線22と電気的に接続される(
図11B、
図11C、
図12および
図13参照)。そして、導電性接着層8Aは、例えば、低融点はんだ、導電性接着剤および導電性ペースト等からなる。
【0093】
配線23が導電性接着層8Aによって電極4Aに電気的に接続される場合、例えば、x軸方向において隣り合う2つの電極40A,40Aと2箇所で導電性接着層8Aによって配線23に接続される(
図11B,
図13参照)。また、配線22が導電性接着層8Aによって電極5Aに電気的に接続される場合、例えば、x軸方向において隣り合う2つの電極50A,50Aと2箇所で導電性接着層8Aによって配線22に接続される(
図11B,
図12参照)。このような構成は、隣り合う1組の電極40A,40Aにおいて、一方の電極40Aを介して収集される電荷は、他方の電極40Aを介して収集される電荷とほぼ等しくなり、隣り合う1組の電極40A,40A間の特性差が低減される。隣り合う1組の電極50A,50Aについても同じである。その結果、良好な特性を有する配線接続を実現できる。
【0094】
また、x軸方向において、隣り合う1組の電極40A,40Aは、隣り合う1組の電極40A,40Aの端部付近に設けられた導電性接着層8Aによって同じ配線23に接続され、隣り合う1組の電極50A,50Aは、隣り合う1組の電極50A,50Aの端部付近に設けられた導電性接着層8Aによって同じ配線22に接続される。このように、端部付近で接続する構成は、電極4A,5Aで収集された電流を配線に有効に収集するとともに、隣り合う1組の電極40A,40A、隣り合う1組の電極50A,50Aの接続を配線23,23に容易に接続することができるので、好ましい。
【0095】
また、電極4Aを構成する1つの電極40Aは、複数の配線23に接続され、電極5Aを構成する1つの電極50Aは、複数の配線22に接続される。このような構成は、電極と配線との接続の不良や配線の断線が発生しても、電極と他の配線の接続が維持されているので、特性の低下を最低限にすることができるので好ましい。
【0096】
上述したように、電極4Aは、導電性接着層8Aによって配線基板20の配線23に電気的に接続されており、電極5Aは、導電性接着層8Aによって配線基板20の配線22に電気的に接続されているが、電極4Aと配線23との電気的な接続および電極5Aと配線22との電気的な接続は、圧着等の電気的に接続が取れる方法であればよい。
【0097】
なお、
図11Aにおいては、電極4A、電極5Aおよびn型拡散層12は、y軸方向において、複数配置されているが、その数は、限定されない。
【0098】
太陽電池モジュール100Aは、
図5から
図8に示す工程(a)~工程(r)に従って製造される。この場合、
図7に示す工程(j)において、複数の電極50Aが形成される位置に開口33が形成され、
図7に示す工程(k)において、マスクを用いて金属(例えば、銀)を蒸着することによって複数の電極50Aが形成される。複数の電極40Aについても同じである。
【0099】
太陽電池モジュール100Aにおいても、上述した太陽電池モジュール100と同じ効果が得られる。
【0100】
実施の形態2におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
【0101】
[実施の形態3]
図14は、実施の形態3による太陽電池モジュールの構造を概略的に示す断面図である。
【0102】
図14を参照して、実施の形態2による太陽電池モジュール100Bは、
図1に示す太陽電池モジュール100の裏面接合型光電変換素子10を裏面接合型光電変換素子10Bに変えたものであり、その他は、太陽電池モジュール100と同じである。
【0103】
裏面接合型光電変換素子10Bは、接着剤50によって、配線基板20に固定され、配線基板20の配線と電気的に絶縁されるとともに配線基板20の配線に電気的に接続される。そして、裏面接合型光電変換素子10B、配線基板20および接着剤50は、封止剤60によって封止される。
【0104】
裏面接合型光電変換素子10Bの光入射側には、透光性基板30が配置され、裏面接合型光電変換素子10Bの裏面側には、裏面保護材40が配置される。
【0105】
なお、
図14には、1個の裏面接合型光電変換素子10Bのみが示されているが、実際には、太陽電池モジュール100Bは、配線基板20によって電気的に接続された複数の裏面接合型光電変換素子10Bを含む。
【0106】
図15Aから
図15Cは、それぞれ、
図14に示す裏面接合型光電変換素子10Bの第1から第3の平面図である。
図16は、
図15A~
図15Cに示す線XVI-XVI間における裏面接合型光電変換素子の断面図である。
図17は、
図15A~
図15Cに示す線XVII-XVII間における裏面接合型光電変換素子の断面図である。なお、
図15Aは、光入射側と反対側から見た裏面接合型光電変換素子の第1非晶質半導体層、第2非晶質半導体層および電極の平面図である。
図15Bは、光入射側と反対側から見た裏面接合型光電変換素子の導電性接着層および絶縁部材の平面図である。
図15Cは、光入射側と反対側から見た裏面接合型光電変換素子の配線、絶縁性基板の平面図である。この図では、絶縁性基板21は、透過しており、配線が見えている。また、
図15A~
図15C、
図16および
図17においては、x軸、y軸およびz軸を規定する。
【0107】
図15A~
図15C、
図16および
図17を参照して、実施の形態3による裏面接合型光電変換素子10Bは、
図2A~
図2C、
図3および
図4に示す裏面接合型光電変換素子10の半導体基板1を半導体基板1Aに代え、パッシベーション膜3を複数の第1非晶質半導体層41および複数の第2非晶質半導体層42に変えたものであり、その他は、裏面接合型光電変換素子10と同じである。
【0108】
半導体基板1Aは、例えば、n型単結晶シリコン基板からなり、100~200μmの厚さを有する。また、半導体基板1Aは、例えば、(100)の面方位および1~10Ωcmの比抵抗を有する。そして、半導体基板1Aは、光入射側の表面にテクスチャ構造を有する。
【0109】
複数の第1非晶質半導体層41は、半導体基板1Aの光入射側の表面と反対側の表面に離間して配置される。この場合、複数の第1非晶質半導体層41は、x-y平面において複数の第2非晶質半導体層42の周囲を囲むように配置される。そして、複数の第1非晶質半導体層41の各々は、i型非晶質半導体層411と、p型非晶質半導体層412とを含む。
【0110】
i型非晶質半導体層411は、半導体基板1Aに接して半導体基板1A上に配置される。i型非晶質半導体層411は、例えば、i型非晶質シリコン、i型非晶質シリコンカーバイド、i型非晶質シリコンナイトライド、i型非晶質シリコンオキサイドおよびi型非晶質シリコンナイトライドオキサイド等からなる。そして、i型非晶質半導体層411は、例えば、5~30nmの膜厚を有する。
【0111】
「i型」とは、完全な真性の状態だけでなく、十分に低濃度(n型不純物濃度が1×1015個/cm3未満、かつp型不純物濃度が1×1015個/cm3未満)であればn型またはp型の不純物が混入された状態のものも含む意味である。
【0112】
また、この発明の実施の形態において、「非晶質シリコン」には、シリコン原子の未結合手(ダングリングボンド)が水素で終端されていない非晶質シリコンだけでなく、水素化非晶質シリコンなどのシリコン原子の未結合手が水素等で終端されたものも含まれるものとする。
【0113】
p型非晶質半導体層412は、i型非晶質半導体層411に接してi型非晶質半導体層411上に配置される。p型非晶質半導体層412は、例えば、p型非晶質シリコン、p型非晶質シリコンカーバイド、p型非晶質シリコンナイトライド、p型非晶質シリコンオキサイドおよびp型非晶質シリコンナイトライドオキサイド等からなる。そして、p型非晶質半導体層412は、例えば、5~30nmの膜厚を有する。
【0114】
p型非晶質半導体層412に含まれるp型不純物としては、例えば、ボロン(B)を用いることができる。また、この発明の実施の形態において、「p型」とは、p型不純物濃度が1×1015個/cm3以上の状態を意味する。
【0115】
複数の第2非晶質半導体層42は、半導体基板1Aの光入射側の表面と反対側の表面において、第1非晶質半導体層41の幅方向(y軸方向)に複数の第1非晶質半導体層41と交互に配置される。そして、複数の第2非晶質半導体層42の各々は、i型非晶質半導体層421と、n型非晶質半導体層422とを含む。
【0116】
i型非晶質半導体層421は、半導体基板1Aに接して半導体基板1A上に配置される。i型非晶質半導体層421は、例えば、i型非晶質シリコン、i型非晶質シリコンカーバイド、i型非晶質シリコンナイトライド、i型非晶質シリコンオキサイドおよびi型非晶質シリコンナイトライドオキサイド等からなる。そして、i型非晶質半導体層421は、例えば、5~30nmの膜厚を有する。
【0117】
n型非晶質半導体層422は、i型非晶質半導体層421に接してi型非晶質半導体層421上に配置される。n型非晶質半導体層422は、例えば、n型非晶質シリコン、n型非晶質シリコンカーバイド、n型非晶質シリコンナイトライド、n型非晶質シリコンオキサイドおよびn型非晶質シリコンナイトライドオキサイド等からなる。そして、n型非晶質半導体層422は、例えば、5~30nmの膜厚を有する。
【0118】
なお、n型非晶質半導体層422に含まれるn型不純物としては、例えば、リン(P)を用いることができる。また、この発明の実施の形態において、「n型」とは、n型不純物濃度が1×1015個/cm3以上の状態を意味する。
【0119】
電極4,5の設置、および配線基板20との接続は、実施の形態1と同様に実施することができる。
【0120】
【0121】
図18を参照して、太陽電池モジュール100Bの製造が開始されると、
図5に示す工程(a)~工程(d)と同じ工程が順次実行される。これによって、半導体基板1Aが得られ(
図18の工程(c))、反射防止膜2が半導体基板1Aの光入射側の表面に形成される(
図18の工程(d))。
【0122】
工程(d)の後、半導体基板1Aのテクスチャ構造が形成された表面と反対側の表面にi型非晶質半導体層36およびp型非晶質半導体層37を順次形成する(
図18の工程(e))。i型非晶質半導体層36およびp型非晶質半導体層37の形成方法は、特に限定されないが、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法が用いられる。
【0123】
i型非晶質半導体層36がi型非晶質シリコン、i型非晶質シリコンカーバイド、i型非晶質シリコンナイトライド、i型非晶質シリコンオキサイドおよびi型非晶質シリコンナイトライドオキサイド等からなる場合、プラズマCVD法を用いてi型非晶質半導体層36を形成するときの条件は、公知であるので、その公知の条件を用いてi型非晶質半導体層36を形成できる。
【0124】
また、p型非晶質半導体層37がp型非晶質シリコン、p型非晶質シリコンカーバイド、p型非晶質シリコンナイトライド、p型非晶質シリコンオキサイドおよびp型非晶質シリコンナイトライドオキサイド等からなる場合、プラズマCVD法を用いてp型非晶質半導体層37を形成するときの条件は、公知であるので、その公知の条件を用いてp型非晶質半導体層37を形成できる。
【0125】
工程(e)の後、p型非晶質半導体層37上にエッチングペースト38を塗布する(
図19の工程(f))。ここで、エッチングペースト38としては、i型非晶質半導体層36およびp型非晶質半導体層37の積層体をエッチングすることができるものであれば、特に限定されない。
【0126】
次に、エッチングペースト38を加熱することによってi型非晶質半導体層36およびp型非晶質半導体層37の積層体の一部を厚さ方向にエッチングする(
図19の工程(g))。これによって、半導体基板1Aの裏面(テクスチャ構造が形成された面と反対側の表面)の一部を露出させる。また、i型非晶質半導体層411およびp型非晶質半導体層412を含む複数の第1非晶質半導体層41が形成される。
【0127】
そして、半導体基板1Aの裏面の露出面およびp型非晶質半導体層412に接するようにi型非晶質半導体層51を形成し、その後、i型非晶質半導体層51の全面に接するようにn型非晶質半導体層52を形成する(
図19の工程(h))。i型非晶質半導体層51およびn型非晶質半導体層52の形成方法は、特に限定されないが、例えば、プラズマCVD法が用いられる。
【0128】
i型非晶質半導体層51がi型非晶質シリコン、i型非晶質シリコンカーバイド、i型非晶質シリコンナイトライド、i型非晶質シリコンオキサイドおよびi型非晶質シリコンナイトライドオキサイド等からなる場合、プラズマCVD法を用いてi型非晶質半導体層51を形成するときの条件は、公知であるので、その公知の条件を用いてi型非晶質半導体層51を形成できる。
【0129】
また、n型非晶質半導体層52がn型非晶質シリコン、n型非晶質シリコンカーバイド、n型非晶質シリコンナイトライド、n型非晶質シリコンオキサイドおよびn型非晶質シリコンナイトライドオキサイド等からなる場合、プラズマCVD法を用いてn型非晶質半導体層52を形成するときの条件は、公知であるので、その公知の条件を用いてn型非晶質半導体層52を形成できる。
【0130】
工程(h)の後、n型非晶質半導体層52上にエッチングマスク53を塗布する(
図19の工程(i))。エッチングマスク53としては、i型非晶質半導体層51およびn型非晶質半導体層52の積層体をエッチングする際にマスクとして機能することができるものであれば、特に限定されない。
【0131】
次に、エッチングマスク53をマスクとして用いてエッチングを行い、i型非晶質半導体層51およびn型非晶質半導体層52の積層体の一部を厚さ方向にエッチングし、その後、エッチングマスク53を除去する。これによって、p型非晶質半導体層412の表面の一部を露出させる(
図20の工程(j))。また、i型非晶質半導体層421およびn型非晶質半導体層422を含む複数の第2非晶質半導体層42が形成される。
【0132】
そして、n型非晶質半導体層422上に電極5を形成する(
図20の工程(k))。これによって、裏面接合型光電変換素子10Bが完成する。なお、工程(k)には図示されていないが、電極5の形成と同時に、電極4がp型非晶質半導体層412上に形成される。ここで、電極4,5は、メタルマスク等によるマスクを用いてスパッタリングまたは蒸着で形成することができる。メタルマスクは、電極を形成したい場所が開口されており、メタルマスクの機械的強度を維持するために、開口と開口していない部分との比率、最小開口幅、および形状等の制限があるので、開口は、矩形等の単純な形が望ましい。また、開口が様々な場所にあるよりも、開口が配列している方が、機械的強度を維持し易い。また、このようにして形成した電極4,5は、開口幅と形成条件により、膜厚が周辺部から中心部に向かって厚くなる場合がある。
【0133】
工程(k)の後、
図7に示す工程(l),工程(m)および
図8に示す工程(n)~工程(r)と同じ工程を順次実行する(
図20の工程(l),工程(m)および
図21の工程(n)~工程(r))。これによって、太陽電池モジュール100Bが完成する。
【0134】
太陽電池モジュール100Bにおいても、上述した太陽電池モジュール100と同じ効果が得られる。
【0135】
なお、裏面接合型光電変換素子10Bにおいては、第1非晶質半導体層41は、x軸方向に離間して配列された複数の第1非晶質半導体層からなり、第2非晶質半導体層42は、x軸方向に離間して配列された複数の第2非晶質半導体層からなっていてもよい。
【0136】
また、実施の形態3による太陽電池モジュール100Bは、
図11A~11C、
図12および
図13に示す裏面接合型光電変換素子10Aの半導体基板1を半導体基板1Aに変え、パッシベーション膜3を複数の第1非晶質半導体層41および複数の第2非晶質半導体層42に変えた裏面接合型光電変換素子を裏面接合型光電変換素子10Bに代えて備えていてもよい。
【0137】
実施の形態3におけるその他の説明は、実施の形態1,2における説明と同じである。
【0138】
なお、上記においては、配線22,23は、y軸方向に沿って配置され、電極4,5(または電極4A,5A)は、x軸方向に沿って配置されると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、配線22,23は、電極4,5(または電極4A,5A)の長手方向に交差する方向に沿って配置されていればよい。
【0139】
この発明の実施の形態においては、x軸方向は、「第1の方向」を構成し、y軸方向は、「第2の方向」を構成する。
【0140】
また、この発明の実施の形態においては、y軸方向に配置された複数のp型拡散層11または複数の第1非晶質半導体層41は、「複数の第1の半導体層」を構成し、y軸方向に配置された複数のn型拡散層12または複数の第2非晶質半導体層42は、「複数の第2の半導体層」を構成する。
【0141】
更に、この発明の実施の形態においては、x軸方向に配置された複数の電極40Aは、「複数の第1の電極」を構成し、x軸方向に配置された複数の電極50Aは、「複数の第2の電極」を構成する。
【0142】
上述した実施の形態1から実施の形態3によれば、この発明の実施の形態による太陽電池モジュールは、第1の導電型を有する複数の第1の半導体層上に配置された複数の第1の電極と、第1の導電型と反対の第2の導電型を有する複数の第2の半導体層上に配置され、かつ、複数の第1の電極と交互に配置された複数の第2の電極とを有する裏面接合型光電変換素子と、第1および第2の半導体層の長手方向である第1の方向に交差する第2の方向に沿って配置され、かつ、複数の第1の電極に電気的に接続された第1の配線と、第2の方向に沿って配置され、かつ、複数の第2の電極に電気的に接続された第2の配線とを有する配線基板と、複数の第1の電極と第2の配線との複数の第1の交差部において第1の電極と第2の配線との間に配置されるとともに、複数の第2の電極と第1の配線との複数の第2の交差部において第2の電極と第1の配線との間に配置された第1の絶縁部材と、第1の方向における第1の配線と第2の配線との間に第2の方向に沿って配置された第2の絶縁部材とを備え、第1の電極は、第1および第2の方向において第1および第2の絶縁部材によって囲まれた導電性接着層によって第1の配線に接続され、第2の電極は、第1および第2の方向において第1および第2の絶縁部材によって囲まれた導電性接着層によって第2の配線に接続されるものであればよい。
【0143】
第1および第2の電極が、第1および第2の方向において第1および第2の絶縁部材によって囲まれた導電性接着層によってそれぞれ第1の配線および第2の配線に接続されていれば、太陽電池モジュールの製造過程において、塗布された導電性接着層が裏面接合型光電変換素子の面内方向に広がり、流れ出ることを抑制できるので、太陽電池モジュールの短絡不良を抑制できるからである。
【0144】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0145】
この発明は、太陽電池モジュールに適用される。
【符号の説明】
【0146】
1,1A 半導体基板、2 反射防止膜、3 パッシベーション膜、4,5,4A,5A,40A,50A 電極、6,7 絶縁部材、8,8A 導電性接着層、10,10A,10B 裏面接合型光電変換素子、11 p型拡散層、12 n型拡散層、20 配線基板、21 絶縁性基板、22,23 配線、41 第1非晶質半導体層、42 第2非晶質半導体層、100,100A,100B 太陽電池モジュール、411,421 i型非晶質半導体層、412 p型非晶質半導体層、422 n型非晶質半導体層。