(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20230105BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
(21)【出願番号】P 2018193211
(22)【出願日】2018-10-12
【審査請求日】2021-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】弁理士法人太田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100100103
【氏名又は名称】太田 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100173163
【氏名又は名称】石塚 信洋
(74)【代理人】
【識別番号】100134522
【氏名又は名称】太田 朝子
(74)【代理人】
【識別番号】100135024
【氏名又は名称】本山 敢
(72)【発明者】
【氏名】飯隈 浩文
(72)【発明者】
【氏名】高橋 淳
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0133317(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0055686(US,A1)
【文献】特開2003-312454(JP,A)
【文献】特開2001-154725(JP,A)
【文献】特開2008-198188(JP,A)
【文献】特開2003-114943(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0304306(US,A1)
【文献】特開2006-103463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の点検者を支援するための情報処理装置であって、
前記車両を点検する手順を表す第1のWeb画面を表示するための第1のWeb画面データを作成する制御部と、
前記第1のWeb画面データを第1の通信端末に送信する画面データ送信部と、
前記第1の通信端末に表示された前記第1のWeb画面を閲覧する前記車両の点検者である第1のユーザによる前記第1の通信端末の操作により前記第1の通信端末から送信される、前記車両の点検の進行状況を表す進行情報と、点検した内容及び点検した結果を表す点検情報と、を受信する受信部と、を備え、
前記制御部は、前記第1の通信端末から送信される前記進行情報及び前記点検情報に基づいて、次の点検の内容を示す前記第1のWeb画面データと、前記点検情報を表す第2のWeb画面を表示するための第2のWeb画面データと、を作成し、
前記画面データ送信部は、前記第1のWeb画面データを前記第1の通信端末に送信し、前記第2のWeb画面データを前記車両の点検についてのアドバイスを行う第2のユーザが操作する第2の通信端末に送信する、情報処理装置。
【請求項2】
前記第2のWeb画面データは、前記第1のユーザが前記車両の点検中に気付いた点を記録したメモ画像を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、点検の対象となる前記車両と当該車両の車両識別番号とを対応付ける、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記車両識別番号及び当該車両識別番号に対応する車両の前記点検情報を表す前記第2のWeb画面データを作成する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記点検情報は、前記
第1のユーザによる操作により前記第1の通信端末から送信される前記車両を構成する部品の電気的特性を含み、
前記制御部は、前記電気的特性を表す情報を含む前記第2のWeb画面データを作成する、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータ
を、
車両を点検する手順を表す第1のWeb画面を表示するための第1のWeb画面データを作成する制御部と、
前記第1のWeb画面データを第1の通信端末に送信する画面データ送信部と、
前記第1の通信端末に表示された前記第1のWeb画面を閲覧する前記車両の点検者である第1のユーザによる前記第1の通信端末の操作により前記第1の通信端末から送信される、前記車両の点検の進行状況を表す進行情報と、点検した内容及び点検した結果を表す点検情報と、を受信する受信部と、を備え、
前記制御部は、前記第1の通信端末から送信される前記進行情報及び前記点検情報に基づいて、次の点検の内容を示す前記第1のWeb画面データと、前記点検情報を表す第2のWeb画面を表示するための第2のWeb画面データと、を作成し、
前記画面データ送信部は、前記第1のWeb画面データを前記第1の通信端末に送信し、前記第2のWeb画面データを前記車両の点検についてのアドバイスを行う第2のユーザが操作する第2の通信端末に送信する、
車両の点検者を支援するための情報処理装置として機能させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の点検を援助する技術がある。例えば、特許文献1には、走行中の車両の累積走行距離を検出し、当該累積走行距離が予め設定された累積走行距離になった場合には、当該走行中の車両に予め設定した項目の点検が必要である旨のメッセージを送信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に異常が発生する場合には、車両の診断手順書に沿って点検者が異常が発生した車両を点検する。当該点検者が診断手順書を参照しても車両の異常の原因がわからない場合には、当該車両のメーカーの特約店等のアドバイザに問い合わせをし、当該アドバイザのからの回答に基づいて点検作業を実施する。
【0005】
しかし、点検者から問い合わせを受けたアドバイザは、車両の点検の進行状況等の情報を逐一点検者から聞き取る場合には、アドバイスするために必要な情報をアドバイザが取得するために時間がかかる。また、アドバイザが正確な情報を点検者から取得できなかった場合には、当該アドバイザは点検者に対して正確なアドバイスをすることができない。
【0006】
特許文献1に記載の技術は、車両の走行中に点検内容を通知する技術であるため、点検者に点検のアドバイスをすることを目的とした技術ではない。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、車両の点検者に点検手順を示し、当該点検手順に基づいて実施された点検の結果を第三者に簡易に開示することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、車両の点検者を支援するための情報処理装置であって、前記車両を点検する手順を表す第1のWeb画面を表示するための第1のWeb画面データを作成する制御部と、前記第1のWeb画面データを第1の通信端末に送信する画面データ送信部と、前記第1の通信端末に表示された前記第1のWeb画面を閲覧する前記車両の点検者である第1のユーザによる前記第1の通信端末の操作により前記第1の通信端末から送信される、前記車両の点検の進行状況を表す進行情報と、点検した内容及び点検した結果を表す点検情報と、を受信する受信部と、を備え、前記制御部は、前記第1の通信端末から送信される前記進行情報及び前記点検情報に基づいて、次の点検の内容を示す前記第1のWeb画面データと、前記点検情報を表す第2のWeb画面を表示するための第2のWeb画面データと、を作成し、前記画面データ送信部は、前記第1のWeb画面データを前記第1の通信端末に送信し、前記第2のWeb画面データを前記車両の点検についてのアドバイスを行う第2のユーザが操作する第2の通信端末に送信する、情報処理装置が提供される。
【0009】
情報処理装置は、前記第2のWeb画面データを記憶する記憶部を、更に備えてもよい。
【0010】
前記制御部は、点検の対象となる前記車両と当該車両の車両識別番号とを対応付けてもよい。
【0011】
前記制御部は、前記車両識別番号及び当該車両識別番号に対応する車両の前記点検情報を表す前記第2のWeb画面データを作成してもよい。
【0012】
前記点検情報は、前記第1のユーザによる操作により前記第1の通信端末から送信される前記車両を構成する部品の電気的特性を含み、前記制御部は、前記電気的特性を表す情報を含む前記第2のWeb画面データを作成してもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、車両を点検する手順を表す第1のWeb画面を表示するための第1のWeb画面データを作成する制御部と、前記第1のWeb画面データを第1の通信端末に送信する画面データ送信部と、前記第1の通信端末に表示された前記第1のWeb画面を閲覧する前記車両の点検者である第1のユーザによる前記第1の通信端末の操作により前記第1の通信端末から送信される、前記車両の点検の進行状況を表す進行情報と、点検した内容及び点検した結果を表す点検情報と、を受信する受信部と、を備え、前記制御部は、前記第1の通信端末から送信される前記進行情報及び前記点検情報に基づいて、次の点検の内容を示す前記第1のWeb画面データと、前記点検情報を表す第2のWeb画面を表示するための第2のWeb画面データと、を作成し、前記画面データ送信部は、前記第1のWeb画面データを前記第1の通信端末に送信し、前記第2のWeb画面データを前記車両の点検についてのアドバイスを行う第2のユーザが操作する第2の通信端末に送信する、車両の点検者を支援するための情報処理装置として機能させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、車両の点検者に点検手順を示し、当該点検手順に基づいて実施された点検の結果を第三者に簡易に開示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】第1の通信端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】点検作業のフローを示す第1のWeb画面の一例を表す図である。
【
図5】点検作業の具体的な手順を示す第1のWeb画面の一例を表す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る第2のWeb画面の一例を示す図である。
【
図7】情報処理装置が第1の通信端末からWeb画面データを送信するためのプログラムを実行するように要求してから、情報処理装置が第1の通信端末から車両情報を受信するまでの情報処理装置による処理を示すフローチャート図である。
【
図8】情報処理装置が第1の通信端末から送信されるデータに応じて第1のWeb画面データを第1の通信端末に送信することを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
<1.情報処理システム>
本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて
図1を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。情報処理システムは、情報処理装置10、第1の通信端末20、車両30及び第2の通信端末40を備える。情報処理装置10、第1の通信端末20及び第2の通信端末40はネットワーク15を介して接続されている。
【0018】
ここで、第1の通信端末20のユーザである第1のユーザは、車両30を点検する点検者であり得る。当該点検者は、第1の通信端末20が備える表示装置に表示されるWeb画面を閲覧しながら車両30の点検を行う。また、第2の通信端末40のユーザである第2のユーザは、車両30の点検者に車両30の点検についてのアドバイスを行うアドバイザであり得る。
【0019】
(情報処理装置)
図2を用いて、情報処理装置10の構成について説明する。情報処理装置10は、車両30の点検の進行状況を表す進行情報に基づいて前記車両30を点検する手順を表す第1のWeb画面を表示するための第1のWeb画面データを作成し、当該第1のWeb画面データを第1の通信端末20に送信する機能を有する。また、情報処理装置10は、前記第1の通信端末20に表示された前記第1のWeb画面を閲覧するユーザによる前記第1の通信端末20の操作により前記第1の通信端末20から送信される前記進行情報及び前記第1の通信端末20から送信される点検情報及び車両情報を受信する機能を有する。さらに、情報処理装置10は、前記点検情報及び車両情報を表す第2のWeb画面を表示するための第2のWeb画面データを作成し、当該第2の通信端末40に前記第2のWeb画面データを送信する機能を有する。これらの情報処理装置10が有する機能は、情報処理装置10が備える制御部110、通信部120及び記憶部130により実現される。
【0020】
制御部110は、Web画面を表示するためのWeb画面データを作成する機能を有する。ここで、Web画面とは、WWW(World Wide Web)システムを利用したインターネット上で公開可能な画面である。また、Web画面データは、テキストデータ、HTML(Hyper Text Markup Language)によるレイアウト情報、文書中に埋め込まれた画像、音声、又は動画等の情報により構成され得る。制御部110は、作成したWeb画面データを通信部120又は記憶部130に伝達する。通信部120に伝達されたWeb画面データは、ネットワーク15を介して、当該ネットワーク15に接続された第1の通信端末20又は第2の通信端末40等に送信され得る。
【0021】
制御部110は、車両30の進行情報に基づいて車両30を点検する手順を表す第1のWeb画面を表示するための第1のWeb画面データを作成する。より具体的には、制御部110は、記憶部130に記憶されたWeb画面データの元データを用いて、車両30の進行情報に基づいてWeb画面データを作成する。なお、当該進行情報は、第1の通信端末20からネットワーク15を介して情報処理装置10に送信され得る。
【0022】
また、制御部110は、点検された車両30を車両識別番号(VIN:Vehicle Identification Number)と対応付ける機能を有する。後述のように、第1の通信端末20から点検者が車両30を点検した内容や点検した結果等を表す点検情報がネットワーク15を介して情報処理装置10に送信される。制御部110は、当該点検情報と車両識別番号を対応付けて、当該点検情報を記憶部130に記憶させる。
【0023】
また、制御部110は、点検情報を表す第2のWeb画面を表示するための第2のWeb画面データを作成する機能を有する。第2のWeb画面データは、通信部120によりネットワーク15を介して、ネットワーク15に接続された任意の通信端末に送信される。第2のWeb画面データは、例えば、第2の通信端末40に送信される。これにより、第2の通信端末40が備える表示装置に第2のWeb画面が表示され、第2のユーザは、当該第2のWeb画面を閲覧することにより車両30の点検情報を確認することができる。
【0024】
さらに、制御部110は、車両識別番号と車両30とを対応付けて点検情報を表す第2のWeb画面データを作成し得る。当該第2のWeb画面データが例えば第2の通信端末40に送信されると、当該第2の通信端末40が備える表示装置に車両識別番号と対応付けられた車両30の点検情報が表示され、第2のユーザは車両30の点検情報を車両識別番号に対応付けて認識することができる。
【0025】
通信部120は、外部の通信端末と通信する。より具体的には、通信部120は、第1のWeb画面データを第1の通信端末20に送信する。これにより、第1の通信端末20が備える表示装置に第1のWeb画面が表示される。第1のユーザは、当該第1のWeb画面に表示された点検手順を閲覧しながら車両30を点検することができる。
【0026】
また、通信部120は、車両30の点検内容又は点検結果等の点検情報を表す第2のWeb画面データを第2の通信端末40に送信する。第2のWeb画面データを受信した第2の通信端末40が備える表示装置に第2のWeb画面が表示される。第2のユーザであるアドバイザは、当該第2のWeb画面を閲覧しながら、第1のユーザである点検者に車両30の点検についてのアドバイスを行うことができる。
【0027】
記憶部130は、情報を記憶する機能を有する。例えば、記憶部130は、車両30の進行情報、点検情報、Web画面データ、Web画面データの元データ及びWeb画面データを作成するためのプログラム等を記憶する機能を有する。記憶部130が有する機能は、記憶部130が備える点検情報記憶部131、画面データ記憶部132又はプログラム記憶部133により実現される。記憶部130は、記憶した情報を制御部110又は通信部120に伝達する。
【0028】
点検情報記憶部131は、車両30の進行情報、点検内容及び点検結果等の点検情報を記憶する機能を有する。点検情報記憶部131は、記憶した点検情報を制御部110に伝達する。制御部110は、当該点検情報に基づいて、Web画面データを作成する。
【0029】
画面データ記憶部132は、制御部110が作成したWeb画面データ及びWeb画面データの元データを記憶している。画面データ記憶部132は、Web画面データの元データを制御部110に伝達する。制御部110は、当該元データに基づいてWeb画面データを作成する。また、画面データ記憶部132は、Web画面データを通信部120に伝達する。通信部120は当該Web画面データを例えば外部の第1の通信端末20等の通信端末に送信する。
【0030】
プログラム記憶部133は、Web画面データを作成するためのプログラムを記憶している。制御部110は、当該プログラムに基づいて、Web画面データを作成する。
【0031】
(第1の通信端末)
次に、
図3を用いて、第1の通信端末20の構成について説明する。第1の通信端末20は、情報処理装置10から受信したWeb画面データに基づいて、Web画面を表示する機能を有する。また、第1の通信端末20は、第1のユーザからの当該第1の通信端末20への入力に応じて、車両30の点検情報を、ネットワーク15を介して情報処理装置10の送信する機能を有する。さらに、第1の通信端末20は、車両30から車両情報を取得し、ネットワーク15を介して当該車両情報を送信する機能を有する。第1の通信端末20が有する機能は、第1の通信端末20が備える取得部210、通信部220、情報制御部230、記憶部240、入力部250及び表示部260により実現される。
【0032】
取得部210は、車両30から車両情報を取得する機能を有する。車両情報は、例えば、エンジン回転速度、車両30におけるエンジン等の各種のパーツの温度、トラブルコード等の各種の車両30の状態を表す情報であり得る。取得部210は、取得した車両情報を通信部220又は情報制御部230に伝達する。
【0033】
通信部220は、ネットワーク15を介して情報処理装置10と通信する機能を有する。例えば、通信部220は、取得部210が取得した車両情報又は第1の通信端末20のユーザが当該第1の通信端末に入力した車両30の点検情報を、ネットワーク15を介して情報処理装置10に送信する。
【0034】
また、通信部220は、情報処理装置10が作成したWeb画面データを当該情報処理装置10から受信する。通信部220は、当該Web画面データを、情報制御部230を介して表示部260に伝達する。
【0035】
情報制御部230は、第1の通信端末20が有する情報を第1の通信端末20が備える各機能部に伝達する機能を有する。例えば、情報制御部230は、通信部120が受信したWeb画面データを表示部260に伝達する。これにより、表示部260に当該Web画面データに基づくWeb画面が表示される。
【0036】
記憶部240は、情報を記憶する機能を有する。記憶部240は、例えば取得部210が車両30から取得した車両情報、入力部250に入力された情報等を記憶する。記憶部240に記憶された情報は、情報制御部230を介して通信部120に伝達され、当該通信部120により例えば情報処理装置10に送信される。
【0037】
入力部250は、情報制御部230に情報を入力する機能を有する。入力部250は、例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の公知の入力装置であり得る。第1のユーザは、当該入力装置を操作することにより情報制御部230に例えば点検の進行状況又は点検結果等を表す点検情報を入力し得る。入力された情報は、通信部120を介して情報処理装置10に送信され得る。
【0038】
表示部260は、画像を表示する各種の公知のモニターである。表示部260には、例えば、通信部120が情報処理装置10から受信した第1のWeb画面データに基づくWeb画面が表示される。第1のユーザは、当該第1のWeb画面を閲覧することにより、車両30の点検手順を確認することができる。
【0039】
ここで、
図4及び
図5を用いて、表示部260に表示される第1のWeb画面について説明する。
図4は、点検作業のフローを示す第1のWeb画面の一例を表す図である。
【0040】
まず、
図4に示す第1のWeb画面310について説明する。第1のWeb画面は、例えば、車両30の点検の開始画面を表すWeb画面であり得る。第1のWeb画面310には、開始ボタン311、点検内容を表す画像312及び次の点検内容を表す画像313が表示されている。なお、第1のWeb画面310には、点検の対象となる車両30の車両識別番号が表示されていてもよい。
【0041】
第1のWeb画面310を閲覧する第1のユーザが入力部250を用いて点検情報を情報制御部230に入力することにより、情報制御部230が各種の制御を実施する。例えば、第1のユーザが入力部250を用いて開始ボタン311を操作すると、情報制御部230は取得部210を介して車両30から車両識別番号等の車両情報を取得し得る。当該車両情報は、第1の通信端末20から情報処理装置10へ送信される。これにより、情報処理装置10において、点検の対象となる車両30と当該車両30の車両識別番号とが対応付けられ得る。
【0042】
車両30の点検作業は、所定の手順で実施され得る。画像312には、点検手順の各ステップで実施される点検内容に対応する番号が表示されている。当該画像312に点検内容を表す画像が含まれてもよいし、当該画像312とは別に例えば点検手順等に点検内容が記載されてもよい。点検者は、点検手順を確認しながら車両30を点検する。さらに、画像312a、312b又は312cのうち点検者が点検しているステップ以外のステップに対応する画像312は灰色で表示されてもよい。さらに、点検を開始時には第1のWeb画面310の1番の点検の画像312a以外の画像312が灰色で表示され得る。
【0043】
例えば、点検者が画像312aに対応する点検の結果と所定の基準を比較してYes又はNoを判定し、当該判定の結果に応じて次の点検を行う。画像313は、画像312に対応する点検の内容に応じた次に点検の内容を示す画像である。例えば、点検者が画像312aの点検が終了した後に画像313aに示す点検を行う場合には、点検者は1番の作業に相当する点検を実施すればよいことを認識できる。また、画像313bの点検を行う場合には、点検者は2番の点検の内容の点検をすればよいことを認識することができる。
【0044】
図5は、点検作業の具体的な手順を示す第1のWeb画面320の一例を表す図である。第1のWeb画面320は、点検手順のうちのあるステップの点検内容を表すWeb画面である。画像321a、321b及び321cは、あるステップの点検を実施するための1~3番の手順の内容を表す画像である。点検者は、当該画像321に沿って車両30を点検する。
【0045】
例えば、画像321cに、車両30を構成する所定の部品の抵抗値を測定することが記載されている。点検者は、当該記載に沿って所定の部品の抵抗値を測定する。画像321cの下に記載のように、当該抵抗値が例えば1Ω未満であるか否かを判定するように点検者に指示する記載がある。点検者は、測定した抵抗値が1Ω未満であるか否かを判定し、当該判定の結果に応じてYesと記載された画像323a又はNoと記載された画像323bを、入力部250を用いて操作し得る。当該操作に応じて、ここでは一例として点検者は8番又は15番の点検を実施する。
【0046】
このとき、点検者が入力部250を用いてYes又はNoと記載された画像323a又は323bを操作することにより、進行情報が情報制御部230を介して通信部120から情報処理装置10に送信される。より具体的には、第1のWeb画面320に示す点検が終了したことを表す情報と、点検の内容がYes又はNoに応じた次の点検作業に進むこととを表す情報が進行情報として情報処理装置10に送信される。また、点検者が入力した車両30の状態を表す情報が情報処理装置10に送信されてもよい。情報処理装置10は、当該進行情報に基づいて新たな第1のWeb画面データを作成し、第1の通信端末20に送信する。これに応じて、表示部260に新たなWeb画面が表示され、点検者は新たなWeb画面を閲覧しながら次の点検を行うことができる。なお、第1の通信端末20は、第1のユーザの操作により第1のWeb画面が閉じた場合に、進行情報や車両30の状態を表す情報を情報処理装置10に送信してもよい。
【0047】
また、点検者は、入力部250を用いて車両30を構成する部品の電気的特性として抵抗値や電圧値等の電気的特性を点検情報として情報制御部230に入力することが可能である。
図5の第1のWeb画面320で示す例では、点検者は、測定された抵抗値を例えば画像322に表示されるように情報制御部230に入力することが可能である。なお、画像322に抵抗値が表示されていない状態で、第1のユーザがYesと記載された画像323a又はNoと記載された画像323bを、入力部250を用いて操作した場合には、第1のWeb画面320にエラー表示がされ得る。
【0048】
抵抗値が情報制御部230に入力されることにより、当該抵抗値は点検情報として、通信部120により情報処理装置10に送信される。制御部110は、当該電気的特性を表す情報を含む第2のWeb画面データを作成し、当該第2のWeb画面データを通信部120を介して第2の通信端末40に送信する。当該第2のWeb画面データに基づく第2のWeb画面を第2の通信端末40が備える表示装置に表示されることにより、当該第2の通信端末40のユーザであるアドバイザは、当該第2のWeb画面を閲覧し、より適切なアドバイスを点検者に行うことができる。
【0049】
(第2の通信端末)
第2の通信端末40は、情報処理装置10から情報を取得し、当該情報を第2の通信端末40が備える表示装置に表示する機能を有する。例えば、第2の通信端末40は、情報処理装置10の情報制御部230が作成した車両30の点検情報を表す第2のWeb画面データを受信し、当該第2のWeb画面データに基づいて第2のWeb画面を表示する。第2のユーザであるアドバイザは、第2のWeb画面を閲覧することにより、点検者が実施した車両30の点検情報を認識することができる。
【0050】
ここで、第2の通信端末40が備える表示装置に表示される第2のWeb画面400について説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係る第2のWeb画面400の一例を示す図である。
図6に示す第2のWeb画面400には、点検作業の各ステップの点検内容を表す画像410a、410b及び410cが表示されている。また、実際に点検者が点検した内容を表す画像410bは四角の枠線420で囲まれている。当該枠線420は、黄色などの目立ちやすい色で表示され得る。第2のユーザは、第2のWeb画面を閲覧することにより、点検者がどのような点検を実施したかを認識することができる。
【0051】
当該画像410bの右側には当該画像410bの点検結果を表すデータ画像430が表示される。なお、当該データ画像430は、点検者が第1の通信端末20に入力し、当該第1の通信端末20から情報処理装置10を介して第2の通信端末40に送信されたデータであり得る。当該データは、点検の対象となった車両30を構成する部品の電気的特性等、点検の際に測定された車両の状態を表す情報であり得る。第2のユーザは、データ画像430を閲覧することにより、点検された車両30の状態をより正確に認識することができる。
【0052】
また、データ画像430の下にはメモ画像440が表示されている。当該メモ画像には、点検者が車両30を点検した際に気付いた点などが表示されている。第2のユーザは、メモ画像440を閲覧することにより、点検された車両30の状態をより正確に認識することができる。
【0053】
<2.処理例>
以下、
図7及び
図8を用いて、本発明の一実施形態に係る情報処理装置10が実施する処理の一例について説明する。
図7は、情報処理装置10が第1の通信端末20からWeb画面データを作成するためのプログラムを開始するように要求してから、情報処理装置10が第1の通信端末20から車両情報を受信するまでの情報処理装置10による処理を示すフローチャート図である。一方、
図8は、情報処理装置10が第1の通信端末20から送信されるデータに応じて第1のWeb画面データを第1の通信端末20に送信することを示すフローチャート図である。本実施形態では、
図7に示す処理が実施された後に
図8に示す処理が実施される。まず、
図7に示す処理について説明する。
【0054】
まず、第1の通信端末20が、ネットワーク15を介して情報処理装置10に対し、車両30の点検手順を表す第1のWeb画面データを作成するためのプログラムを開始するように要求する(ステップS101)。このとき、例えば、第1のユーザが入力部250を操作することにより情報制御部230にプログラムを開始するように要求する情報を入力する。情報制御部230は、通信部220を介して情報処理装置10に当該情報を送信する。
【0055】
制御部110は、ステップS101での第1の通信端末20からの要求に応じて、第1のWeb画面データを作成するためのプログラムを開始する(ステップS103)。次に、制御部110は、画面データ記憶部132に記憶された元データに基づいて、点検の開始画面を表す開始画面データを第1のWeb画面データとして作成し、通信部120を介して、第1の通信端末20に送信する(ステップS105)。これにより、第1の通信端末20の表示部260に第1のWeb画面として開始画面が表示される。当該開始画面は、例えば、
図4に示したような第1のWeb画面310であり得る。
【0056】
次に、第1の通信端末20は、点検者が車両30の点検を開始することを表す情報を情報処理装置10に送信する(ステップS107)。このとき、点検者は、例えば、入力部250を操作することにより情報制御部230に点検を開始することを表す進行情報を入力する。情報制御部230は、通信部220を介して情報処理装置10に当該進行情報を送信する。
【0057】
次に、情報処理装置10は、第1の通信端末20に車両情報を要求し(ステップS109)、第1の通信端末20は車両30に車両情報を要求する(ステップS111)。これに応じて、車両30は、第1の通信端末20に車両情報を送信する(ステップS113)。さらに、第1の通信端末20は情報処理装置10に当該車両情報を送信する(ステップS115)。このとき、車両情報には、車両識別番号などの各種の車両30に関わる情報が含まれる。制御部110は、点検の対象となる車両30と車両情報に含まれる車両識別番号とを対応付けて点検情報記憶部131に記憶させる。
【0058】
以上、
図8に示す処理について説明した。次に、
図9に示す処理について説明する。
【0059】
まず、制御部110が、進行情報に基づいて第1のWeb画面データを作成し、通信部120が当該第1のWeb画面データを第1の通信端末20に送信する(ステップS201)。当該第1のWeb画面データを受信した第1の通信端末20の表示部260に当該第1のWeb画面データに基づく第1のWeb画面が表示される。
【0060】
次に第1の通信端末20は車両情報、進行情報又は点検情報等の各種の情報を新たに取得し(ステップS203)、記憶部240に記憶する。このとき、第1の通信端末20は、取得部210と車両30とで通信することにより車両30からトラブルコード等の車両情報を取得してもよい。また、第1の通信端末20は、車両30の点検に基づく第1のユーザが入力部250を操作するにより、各種の情報を取得してもよい。
【0061】
第1の通信端末20は、ステップS203で取得した各種の情報を通信部120により情報処理装置10に送信する(ステップS205)。情報処理装置10は、当該情報を点検情報記憶部131に記憶する(ステップS207)。
【0062】
次に、制御部110は、情報の再取得が必要であるか否かを判定する(ステップS209)。情報の再取得が必要であると判定された場合(ステップS209:Yes)、ステップS201に戻り、ステップS201~S209の処理が再度実施される。一方、情報の再取得が必要でないと判定された場合(ステップS209:No)、ステップS211に進む。
【0063】
ステップS209において、情報の再取得が必要でないと判定されると、制御部110は車両30の点検結果を作成する(ステップS211)。このとき、制御部110は、当該点検結果を表すWeb画面を表示するためのWeb画面データを作成する。次に、点検情報記憶部131は、当該点検結果を表す情報を記憶する(ステップS213)。
【0064】
次に、通信部120は、ステップS211において作成されたWeb画面データを第1の通信端末20に送信する(ステップS215)。当該Web画面データを受信した通信部220は、当該Web画面データを、情報制御部230を介して表示部260に伝達する。
【0065】
次に、表示部260は、ステップS215において伝達されたWeb画面データに基づいてWeb画面を表示する(ステップS217)。これにより、第1のユーザは当該Web画面を閲覧することにより車両30の点検結果を確認することができる。
【0066】
以上、
図8に示す情報処理装置10の処理について説明した。
【0067】
図7及び
図8に示す処理により、情報処理装置10の点検情報記憶部131には、点検者が実施した点検の内容又は点検の結果等の車両30の点検に関わる情報が記憶される。制御部110は、当該点検情報を表す第2のWeb画面データを作成することができる。ネットワーク15に接続された第2の通信端末40は、当該第2のWeb画面データを情報処理装置10から受信し、第2のWeb画面を表示部260に表示させる。
【0068】
<3.効果>
本実施形態に係る情報処理装置10は、第1の通信端末20から送信された進行情報に基づいて、車両30の点検手順を表す第1のWeb画面データを作成し、当該第1の通信端末20に送信する。第1の通信端末20は、当該第1のWeb画面データに基づいて第1のWeb画面を表示する。点検者は、当該第1のWeb画面を閲覧しながら点検作業を実施する。また、点検者は、適宜点検情報を第1の通信端末20に入力し、当該点検情報がネットワーク15を介して情報処理装置10に送信される。
【0069】
また、情報処理装置10は、点検者が実施した点検の内容又は点検の結果等の車両30の点検情報に基づいて、第2のWeb画面データを作成する。当該第2のWeb画面データは第2の通信端末40に送信され、当該第2の通信端末40が備える表示装置に当該第2のWeb画面データに基づく第2のWeb画面が表示される。第2のユーザは、当該第2のWeb画面を閲覧することにより、車両30の点検情報を認識することができる。
【0070】
また、当該第2のWeb画面データは、画面データ記憶部132に記憶されるため、第2の通信端末40はいつでも情報処理装置10と通信することにより第2のWeb画面データを受信し、第2のWeb画面を表示することができる。このため、第2のユーザは、点検者の要求に応じて、いつでも第2のWeb画面を閲覧して点検者にアドバイスを行うことができる。
【0071】
また、車両30の点検情報は、当該車両30の車両識別番号又は当該車両30の型、トラブルコード等の車両情報と対応付けられた状態で情報処理装置10に記憶され得る。このため、情報処理装置10は、車両情報と対応付けられた点検情報を表す第2のWeb画面データを作成し、当該第2のWeb画面データを第2の通信端末に送信する。当該第2の第2のWeb画面データを受信した第2の通信端末40は第2のWeb画面データに基づく第2のWeb画面を表示するため、第2のユーザは、点検情報を車両情報に基いて検索等することができる。
【0072】
<4.補足>
また、上述したWeb画面データを作成する処理やWeb画面データを送信する処理等は、ソフトウェアと、情報処理装置10に内蔵されるCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memomory)およびRAM(Random Access Memomory)などのハードウェアとの協働により実現される。
【0073】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0074】
また、本明細書の画像処理装置の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、画像処理装置の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0075】
本実施形態では、情報処理装置10は、第1の通信端末20が車両30と通信することにより取得した車両識別番号を第1の通信端末20から受信した。これに限らず、第1のユーザによる入力部250の操作により第1の通信端末20に入力された車両識別番号を第1の通信端末20から受信してもよい。この場合、第1のユーザにより入力された車両識別番号が予め定められた規則に反する場合には、表示部260にその旨が表示され得る。
【0076】
なお、情報処理装置10に内蔵されるハードウェアに、上述した情報処理装置10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0077】
10 情報処理装置
110 制御部
120 通信部
130 記憶部
131 点検情報記憶部
132 画面データ記憶部
133 プログラム記憶部
20 第1の通信端末
30 車両
40 第2の通信端末