(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】通信システム、通信装置、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
G08C 15/00 20060101AFI20230105BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20230105BHJP
G01F 3/22 20060101ALI20230105BHJP
G01F 1/00 20220101ALI20230105BHJP
G01F 15/06 20220101ALI20230105BHJP
【FI】
G08C15/00 C
H04Q9/00 311H
G01F3/22 D
G01F1/00 Y
G01F15/06
H04Q9/00 311P
(21)【出願番号】P 2018204098
(22)【出願日】2018-10-30
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】河野 正司
(72)【発明者】
【氏名】中原 正守
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-181789(JP,A)
【文献】特開平06-090298(JP,A)
【文献】特開2010-268341(JP,A)
【文献】特開2008-051648(JP,A)
【文献】特開2016-116025(JP,A)
【文献】特開2018-120459(JP,A)
【文献】特開平8-182073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00-25/04
G01F 1/00, 3/22, 15/06
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの使用量を計測するガスメータと、
前記ガスメータに有線又は無線で接続される通信装置と、
前記通信装置に有線又は無線で接続され
、前記通信装置との無線通信を介して前記ガスメータの計測値を取得するサーバと
を備え、
前記通信装置は、前記通信装置の動作モードを開通モードに切り替える第1操作部を有し、
前記ガスメータは、前記ガスメータから前記通信装置に発呼電文を送信させる第2操作部を有し、
前記通信装置の動作モードが前記開通モードの状態で、前記通信装置が前記発呼電文を受信すると、前記通信装置が前記サーバに対して前記通信装置の識別情報を送信する、通信システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記通信装置の識別情報を受信すると、前記サーバが前記ガスメータと開通したことを認識する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記通信装置の識別情報を受信すると、前記通信装置に対して終了電文を送信する、請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記通信装置は、表示部をさらに有し、
前記通信装置が前記終了電文を受信すると、前記表示部は、前記サーバが前記ガスメータと開通したことを示す開通情報を表示する、請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記通信装置の動作モードが前記開通モードに切り替えられてから所定時間内に前記通信装置が前記発呼電文を受信しない場合、前記通信装置は前記開通モードを終了させる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2操作部は、前記ガスのテスト遮断スイッチである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
サーバ及びガスメータの各々に有線又は無線で接続される通信装置であって、
前記通信装置の動作モードを開通モードに切り替える第1操作部と、
前記サーバ及び前記ガスメータと通信する通信部と、
前記通信部を制御する制御部と
を備え、
前記ガスメータは、前記ガスメータから前記通信装置に発呼電文を送信させる第2操作部を備え、
前記通信装置の動作モードが前記開通モードの状態で、前記通信部が前記発呼電文を受信すると、前記通信部が前記サーバに対して前記通信装置の識別情報を送信するように、前記制御部が前記通信部を制御
し、
前記通信部は更に、前記ガスメータから取得された計測値を無線通信を介して前記サーバに送信する、通信装置。
【請求項8】
ガスの使用量を計測するガスメータと、前記ガスメータに有線又は無線で接続される通信装置と、前記通信装置に有線又は無線で接続されるサーバとを用いた通信方法であって、
前記通信装置に備えられる第1操作部が操作されることによって、前記通信装置の動作モードが開通モードに切り替えられる工程と、
前記通信装置の動作モードが前記開通モードの状態で、前記ガスメータに備えられる第2操作部が操作されることによって、前記ガスメータから前記通信装置に発呼電文が送信される工程と、
前記通信装置が前記発呼電文を受信すると、前記通信装置が前記サーバに対して前記通信装置の識別情報を送信する工程と、
前記サーバが前記通信装置の識別情報を受信すると、前記サーバが前記ガスメータと開通したことを前記サーバが認識する工程と
、
前記サーバが前記通信装置との無線通信を介して前記ガスメータの計測値を取得する工程と
を備える、通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信装置、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の通信システムは、ガスメータと、サーバと、通信装置とを備える。サーバは、ガスメータからの電文を受信する。通信装置は、ガスメータとサーバとを接続する通信回線上に介在する。通信装置がサーバに対して発呼する際に、通信装置は、ガスメータのメータIDをガスメータとの通信により取得し、取得したメータIDを含む電文をサーバに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ガスメータには、メータIDを持たない5ビットメータも含まれる。5ビットメータは、既に多くの需要家宅に設置されている。ガスメータが5ビットメータの場合、サーバに対してメータIDが送信されないので、サーバが通信装置を識別することができなかった。
【0005】
需要家がガスの使用を開始する際、サーバに対してガスメータを開通させる開通処理が行われる。従来、開通処理は、ガスメータが5ビットメータの場合にも対応できるように下記の手順で行われていた。
【0006】
まず、ガスメータ側の第1作業者が、ガスメータに通信装置を接続する。次に、サーバ側の第2作業者が、サーバから通信装置を介してカスメータの計測値を取得する。次に、第2作業者が第1作業者に電話連絡して、サーバが取得したガスメータの第1計測値と、第1作業者が視認しているガスメータの第2計測値とが一致しているか否かを確認する。第1計測値が第2計測値と一定している場合、第2作業者は開通処理が成功したと判断する。第1計測値が第2計測値と一定しない場合、第2作業者は開通処理が失敗したと判断する。
【0007】
しかし、開通処理が行われる際、2人の作業者が連絡を取り合って作業しなければならず、煩雑であった。
【0008】
本発明は、作業者が開通処理を容易に行うことができる通信システム、通信装置、及び通信方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の局面によれば、通信システムは、ガスメータと、通信装置と、サーバとを備える。前記ガスメータは、ガスの使用量を計測する。前記通信装置は、前記ガスメータに有線又は無線で接続される。前記サーバは、前記通信装置に有線又は無線で接続される。前記通信装置は、前記通信装置の動作モードを開通モードに切り替える第1操作部を有する。前記ガスメータは、前記ガスメータから前記通信装置に発呼電文を送信させる第2操作部を有する。前記通信装置の動作モードが前記開通モードの状態で、前記通信装置が前記発呼電文を受信すると、前記通信装置が前記サーバに対して前記通信装置の識別情報を送信する。
【0010】
本発明の第2の局面によれば、通信装置は、サーバ及びガスメータの各々に有線又は無線で接続される。通信装置は、第1操作部と、通信部と、制御部とを備える。前記第1操作部は、前記通信装置の動作モードを開通モードに切り替える。前記通信部は、前記サーバ及び前記ガスメータと通信する。前記制御部は、前記通信部を制御する。前記ガスメータは、前記ガスメータから前記通信装置に発呼電文を送信させる第2操作部を備える。前記通信装置の動作モードが前記開通モードの状態で、前記通信部が前記発呼電文を受信すると、前記通信部が前記サーバに対して前記通信装置の識別情報を送信するように、前記制御部が前記通信部を制御する。
【0011】
本発明の第3の局面によれば、通信方法は、ガスメータと、通信装置と、サーバとを用いる。前記ガスメータは、ガスの使用量を計測する。前記通信装置は、前記ガスメータに有線又は無線で接続される。前記サーバは、前記通信装置に有線又は無線で接続される。通信方法は、前記通信装置に備えられる第1操作部が操作されることによって、前記通信装置の動作モードが開通モードに切り替えられる工程を備える。通信方法は、前記通信装置の動作モードが前記開通モードの状態で、前記ガスメータに備えられる第2操作部が操作されることによって、前記ガスメータから前記通信装置に発呼電文が送信される工程を備える。通信方法は、前記通信装置が前記発呼電文を受信すると、前記通信装置が前記サーバに対して前記通信装置の識別情報を送信する工程を備える。通信方法は、前記サーバが前記通信装置の識別情報を受信すると、前記サーバが前記ガスメータと開通したことを前記サーバが認識する工程を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、作業者が開通処理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係るテレメータシステムの構成を示すブロック図である。
【
図8】開通処理が行われる手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0015】
図1を参照して、本発明の実施形態に係るテレメータシステム100について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るテレメータシステム100の構成を示すブロック図である。
【0016】
テレメータシステム100は、本発明の通信システムの一例である。通信システムは、複数の需要家の各々のガスの使用量を示す情報を収集するシステムである。
【0017】
図1に示すように、テレメータシステム100は、サーバ10と、センタ側網制御部20と、親機30と、複数の子機40と、複数のガスメータ50とを備える。
【0018】
親機30は、センタ側網制御部20を介してサーバ10と有線又は無線で接続される。複数の子機40の各々は、親機30及びセンタ側網制御部20を介してサーバ10と有線又は無線で接続される。複数の子機40は、それぞれ、複数のガスメータ50と有線又は無線で接続される。接続されることは、通信可能であることを示す。
【0019】
サーバ10は、親機30、及び複数の子機40を介して、複数のガスメータ50の各々が計測した計測値を収集する。
【0020】
センタ側網制御部20は、サーバ10が親機30と通信するための通信処理を仲介する。センタ側網制御部20と親機30とは、例えば、PHS網、FOMA網、及びLTE網のような広域無線網N1に接続される。センタ側網制御部20と親機30とは、広域無線網N1を介して互いに無線通信を行う。
【0021】
なお、本実施形態では、センタ側網制御部20と親機30とを広域無線網N1により接続するが、本発明はこれに限定されない。センタ側網制御部20と親機30とは、有線のIP網、及び公衆網のような通信網で互いに接続されてもよい。また、センタ側網制御部20と親機30とは、有線接続されてもよい。また、広域無線網N1に複数の親機30が接続されてもよい。
【0022】
センタ側網制御部20は、例えば、通信事業者の公衆網に設けられる。センタ側網制御部20は、広域無線網N1を介して親機30及び子機40のような端末側の装置の通信を制御する。
【0023】
センタ側網制御部20がサーバ10から電文を受信した場合、センタ側網制御部20は、広域無線網N1の通信規格に準拠した通信方式で端末側の装置へ電文を送信する。また、センタ側網制御部20は、広域無線網N1を介して端末側の装置から電文を受信した場合、受信した電文をサーバ10へ送信する。
【0024】
親機30は、広域無線網N1を介して、センタ側網制御部20及びサーバ10のようなセンタ側の装置に接続される。親機30は、狭域無線網を介して複数の子機40の各々に接続される。
【0025】
親機30は、複数の子機40の各々と無線接続される。親機30は、複数の子機40の各々と無線通信可能である。
【0026】
狭域無線網、及びセンタ側網制御部20を介して子機40がサーバ10から電文を受信した場合、子機40は、受信した電文が自機宛の電文であるか否かを判定する。子機40が受信した電文の宛先アドレスとして子機40の識別番号が指定されている場合、受信した電文が自機宛の電文であると子機40が判定する。そして、子機40は、受信した電文に含まれるデータの内容に基づいて各種の処理を実行することができる。
【0027】
複数の子機40は、それぞれ、複数のガスメータ50と有線又は無線で接続される。本実施形態では、複数の子機40は、それぞれ、複数のガスメータ50と電線1により有線接続される。
【0028】
子機40は、本発明の通信装置の第1例である。
【0029】
ガスメータ50は、需要家毎に設置される。ガスメータ50は、需要家のガスの使用量を計測する。
【0030】
ガスメータ50は、固有のメータIDを持たない5ビットメータであり、5ビット系の電文フォーマットによりセンタ側の装置と通信する機能を有する。なお、ガスメータ50の種類は、特に限定されない。ガスメータ50は、例えば、メータIDを設定可能な8ビットメータでもよい。また、ガスメータ50は、固有のメータIDを持つUバスメータでもよい。
【0031】
メータIDは、ガスメータ50を識別するためにガスメータ50に割り当てられた記号である。記号は、例えば、文字、数字、1次元コード、2次元コード、及び/又は、マークを含む。
【0032】
複数の子機40は、子機40A~子機40Cを含む。ガスメータ50は、ガスメータ50A~ガスメータ50Cを含む。子機40A~子機40Cは、それぞれ、ガスメータ50A~ガスメータ50Cに接続される。
【0033】
サーバ10は、子機40Aを介してガスメータ50Aの計測値を取得する。サーバ10は、子機40Bを介してガスメータ50Bの計測値を取得する。サーバ10は、子機40Cを介してガスメータ50Cの計測値を取得する。
【0034】
次に、
図2を参照して、サーバ10について説明する。
図2は、サーバ10の構成を示すブロック図である。
【0035】
図2に示すように、サーバ10は、記憶部11と、制御部12と、通信部13とを有する。
【0036】
記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。記憶部11は、制御部12によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0037】
記憶部11は、登録情報αを記憶する。登録情報αは、サーバ10が親機30と、複数の子機40とを管理するための情報である。登録情報αは、親機30の識別情報31a(
図3参照)と、複数の子機40の各々の識別情報とを含む。すなわち、親機30の識別情報31aと、複数の子機40の識別情報とは、サーバ10に予め登録されている。親機30の識別情報31aは、親機30を識別するために親機30に割り当てられた記号である。子機40の識別情報は、子機40を識別するために子機40に割り当てられた記号である。
【0038】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部12は、記憶部11に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、サーバ10の各要素を制御する。
【0039】
通信部13は、広域無線網N1に接続され、広域無線網N1を介して無線通信を行う。通信部13は、例えば、LANボードのような通信モジュールである。
【0040】
次に、
図3を参照して、親機30について説明する。
図3は、親機30の構成を示すブロック図である。
【0041】
図3に示すように、親機30は、記憶部31と、制御部32と、操作部33と、表示部34と、広域無線通信部35と、狭域無線通信部36と、アンテナ(不図示)とを有する。
【0042】
記憶部31は、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部31は、制御部32によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0043】
記憶部31は、親機30の識別情報31aを記憶する。
【0044】
制御部32は、プロセッサーを含む。制御部32は、記憶部31に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、親機30の各要素を制御する。
【0045】
操作部33は、親機30に対する指示を受け付ける。操作部33は、例えば、ディップスイッチと、プッシュスイッチとを含む。
【0046】
表示部34は、例えば、保守作業を行う作業者に通知すべき情報を表示する。表示部34は、例えば、LED、及び/又は、液晶表示パネルを含む。
【0047】
広域無線通信部35は、アンテナを通じて電波を送信及び受信することによって、広域無線網N1を介した無線通信を行う。広域無線通信部35は、例えば、FOMA又はLTEのような広域通信可能な通信モジュールである。
【0048】
広域無線通信部35は、アンテナにて電波を受信した場合、受信した電波をデコードすることにより電文を取得する。広域無線通信部35は、デコードして得られる電文を制御部32へ出力する。制御部32は、例えば、広域無線通信部35から電文を取得した場合、取得した電文に応じた処理を行う。
【0049】
狭域無線通信部36は、アンテナを介して電波を送信及び受信することによって、子機40との間で、所定の無線通信方式にて通信を行う。無線通信方式としては、例えば、特定小電力無線方式が採用される。特定小電力無線方式では、426MHz帯域の他、より通信速度の速い920MHz帯域が用いられる。狭域無線通信部36は、例えば、920MHz帯域通信用のRF-LSIを使用した通信モジュールである。
【0050】
狭域無線通信部36は、例えば、電文の送信先の子機40を探索するための探索信号として、ビーコンを間欠的に送信する。ビーコンには、親機30を識別するための無線機番号が含まれている。また、狭域無線通信部36は、例えば、子機40が送信したビーコンを受信した場合、ピーコンに含まれる無線機番号により特定される子機40に電文を送信する。なお、本実施形態では、狭域無線通信部36は、ビーコンを用いて他の通信装置と通信する。他の通信装置は、親機30、及び/又は、複数の子機40のうち自機以外の子機40を示す。しかし、本発明はこれに限定されない。狭域無線通信部36は、間欠的にビーコンを送信していなくてもよい。この場合、狭域無線通信部36は、例えば、以下の手順で他の通信装置と通信する。まず、狭域無線通信部36は、他の通信装置に電文を送信する際に、他の通信装置を起動するための起動信号を送信する。そして、他の通信装置が起動信号に対する応答を返すと、狭域無線通信部36は、他の通信装置に電文を送信する。
【0051】
次に、
図4及び
図5を参照して、子機40Aについて説明する。
図4は、子機40Aの構成を示すブロック図である。
図5は、子機40Aを示す図である。
【0052】
図4及び
図5に示すように、子機40Aは、記憶部41と、制御部42と、操作部43と、表示部44と、狭域無線通信部45と、接続部46と、アンテナ47とを有する。
【0053】
記憶部41は、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部41は、制御部42によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0054】
記憶部41は、子機40Aの識別情報41aを記憶する。
【0055】
制御部42は、プロセッサーを含む。制御部42は、記憶部41に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、子機40Aの各要素を制御する。
【0056】
操作部43は、子機40Aに対する指示を受け付ける。操作部43は、例えば、ディップスイッチ43aと、プッシュスイッチ43bとを含む。ディップスイッチ43aは、例えば、子機40Aの動作モードを開通モード、及び待ち受けモードのうちのいずれかのモードに切り替える指示を受け付ける。プッシュスイッチ43bは、ディップスイッチ43aが受け付けた指示を、制御部42に実行させる。
【0057】
操作部43は、本発明の第1操作部の第1例である。
【0058】
開通モードは、開通処理が行われるときの子機40Aの動作モードを示す。開通処理は、サーバ10に対してガスメータ50Aを開通させる処理を示す。言い換えれば、開通処理は、サーバ10が子機40Aを介してガスメータ50Aと通信可能に接続されたことを、サーバ10に認識させる処理を示す。
【0059】
待ち受けモードは、子機40Aがサーバ10からの指示に応じて動作するときの子機40Aの動作モードを示す。子機40Aの動作モードが待ち受けモードのとき、子機40Aはサーバ10からの指示待ちの状態になる。
【0060】
子機40Aの動作モードが開通モードの状態で、開通処理が行われる。そして、開通処理の完了後、子機40Aの動作モードが待ち受けモードに切り替えられる。その結果、サーバ10は、子機40Aを介してガスメータ50Aの計測値を取得することが可能になる。
【0061】
表示部44は、例えば、保守作業を行う作業者に通知すべき情報を表示する。表示部44は、例えば、LED、及び液晶表示パネルを含む。
【0062】
狭域無線通信部45は、アンテナ47を介して電波を送信及び受信することによって、親機30との間で、所定の無線通信方式にて通信を行う。狭域無線通信部45は、親機30の狭域無線通信部36と同様の構成及び機能を有する。
【0063】
接続部46は、1又は複数のポートを備える。接続部46は、電線1によってガスメータ50Aと有線接続される。接続部46は、電線1を介してガスメータ50の計測値を取得する。狭域無線通信部45及び接続部46は、本発明の通信部の一例である。
【0064】
子機40B及び子機40Cの各々は、子機40Aと同じ構成を有する。
【0065】
次に、
図6及び
図7を参照して、ガスメータ50Aについて説明する。
図6は、ガスメータ50Aの構成を示すブロック図である。
図7は、ガスメータ50Aを示す図である。
【0066】
図6及び
図7に示すように、ガスメータ50Aは、ガス管Rに設置される。ガス管Rには、ガスメータ50Aの計測対象であるガスが流れる。ガスは、ガスボンベからガス管Rを通じて需要家に供給される。
【0067】
ガスメータ50Aは、記憶部51と、制御部52と、計測部53と、遮断弁54と、操作部55と、表示部56と、接続部57とを有する。
【0068】
記憶部51は、主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部51は、制御部52によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0069】
制御部52は、プロセッサーを含む。制御部52は、記憶部51に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、ガスメータ50Aの各要素を制御する。
【0070】
計測部53は、ガス管Rに設けられる。計測部53は、ガス管Rを流れるガスの流量を計測することによって、ガスの使用量を計測する。
【0071】
遮断弁54は、ガス管Rに設けられる。遮断弁54が閉じることによって、ガスの流通が遮断される。遮断弁54が開くことによって、ガスの流通が許容される。ガスの流通は、ガス管Rを通じてガスが流れることを示す。
【0072】
操作部55は、ガスメータ50Aに対する指示を受け付ける。操作部55は、例えば、テスト遮断スイッチ55Aと、復帰スイッチ55Bと、容器リセットスイッチ55Cとを含む。
【0073】
テスト遮断スイッチ55Aが操作されることによって、遮断弁54が閉じる。テスト遮断スイッチ55Aは、例えば、磁石を接触されることによって操作される。テスト遮断スイッチ55Aは、例えば、遮断弁54が正常に機能するか否かをテストするために用いられる。
【0074】
テスト遮断スイッチ55Aは、本発明の第2操作部の一例である。
【0075】
復帰スイッチ55Bが操作されることによって、遮断弁54が開く。復帰スイッチ55Bは、例えば、押下されることによって操作される。
【0076】
容器リセットスイッチ55Cが操作されることによって、記憶部51に記憶されているガスボンベ内のガスの残留値がリセットされる。容器リセットスイッチ55Cは、例えば、磁石を接触されることによって操作される。
【0077】
表示部56は、例えば、ガスの使用量を示す情報、及び/又は、ガスメータ50Aの状態を示す情報を表示する。ガスメータ50Aの状態を示す情報は、例えば、テスト遮断スイッチ55Aによるガスのテスト遮断が行われていることを示す情報である。表示部56は、例えば、メータパネル、及び/又は、液晶表示パネルを含む。
【0078】
接続部57は、1又は複数のポートを備える。接続部57は、電線1によって子機40Aと有線接続される。
【0079】
ガスメータ50B及びガスメータ50Cの各々は、ガスメータ50Aと同じ構造を有する。
【0080】
次に、
図1~
図8を参照して、サーバ10に対してガスメータ50Aを開通させる開通処理が行われる手順について説明する。
図8は、開通処理が行われる手順を示すフロー図である。
【0081】
図1~
図8に示すように、ステップS1において、子機40Aがガスメータ50Aに接続される。本実施形態では、作業者が、子機40Aとガスメータ50Aとを電線1で接続する。
【0082】
ステップS2において、子機40Aの動作モードが開通モードになるように、操作部43が操作される。その結果、子機40Aの動作モードが開通モードに切り換わる。子機40Aの動作モードが開通モードに切り換わると、子機40Aが発呼電文の受信待ちの状態になる。発呼電文の説明は後述する。
【0083】
ステップS3において、テスト遮断スイッチ55Aが操作される。
【0084】
ステップS4において、ガスメータ50Aの制御部52は、子機40Aに対して発呼電文を送信する。発呼電文は、電線1を介してガスメータ50Aから子機40Aに送信される。発呼電文は、テスト遮断スイッチ55Aの操作によりガスがテスト遮断されたことを示す情報を含む。
【0085】
ステップS4に示す処理が終了すると、ガスメータ50Aの処理が終了する。
【0086】
ステップS5において、子機40Aが発呼電文を受信する。子機40Aは、発呼電文を受信することで、子機40Aがガスメータ50Aと通信可能に接続されていることを認識する。
【0087】
ステップS6において、子機40Aの狭域無線通信部45がサーバ10に対して開通発呼電文を送信するように、制御部42が狭域無線通信部45を制御する。その結果、開通発呼電文が、親機30を介してサーバ10に送信される。開通発呼電文は、子機40Aの識別情報41aを含む。
【0088】
子機40Aは、サーバ10に対して開通発呼電文を送信すると、終了電文の受信待ちの状態になる。終了電文の説明は後述する。
【0089】
ステップS7において、サーバ10が開通発呼電文を受信する。サーバ10は、開通発呼電文を受信することによって、サーバ10がガスメータ50Aと開通したことを認識する。サーバ10がガスメータ50Aと開通したことは、サーバ10がガスメータ50Aの計測値を取得可能であることを示す。
【0090】
なお、ガスメータ50Aは、5ビットメータなので、固有のメータIDを持たない。従って、サーバ10は、開通発呼電文を受信した以後は、開通発呼電文に含まれる子機40Aの識別情報41aを用いて、ガスメータ50Aを特定及び識別する。
【0091】
ステップS8において、サーバ10の通信部13が子機40Aに対して終了電文を送信するように、制御部12が通信部13を制御する。その結果、終了電文が、サーバ10から親機30を介して子機40Aに送信される。
【0092】
終了電文は、サーバ10がガスメータ50Aと開通したことを示す情報を含む。サーバ10がガスメータ50Aと開通したことは、詳細には、サーバ10が子機40Aを介してガスメータ50Aと開通したことを示す。
【0093】
ステップS8に示す処理が終了すると、サーバ10の処理が終了する。
【0094】
ステップS9において、子機40Aが終了電文を受信する。子機40Aは、終了電文を受信することで、サーバ10がガスメータ50Aと開通したことを認識する。
【0095】
子機40Aが終了電文を受信すると、子機40Aの表示部44が開通情報を表示するように、制御部42が表示部44を制御する。その結果、表示部44に開通情報が表示される。開通情報は、サーバ10がガスメータ50Aと開通したことを示す情報である。作業者は、表示部44に表示される開通情報を視認することによって、開通処理が完了(成功)したことを認識することができる。
【0096】
ステップS10において、子機40Aが開通モードを終了する。
【0097】
なお、ガスメータ50B及びガスメータ50Cの各々についても、ステップS1からステップS10に示すガスメータ50Aと同様の手順で、サーバ10との開通処理が行われる。
【0098】
以上、
図1~
図8を参照して説明したように、ステップS2、ステップS5、及びステップS6において、子機40Aの動作モードが開通モードの状態で、子機40Aが発呼電文を受信すると、子機40Aがサーバ10に対して子機40Aの識別情報41a(開通発呼電文)を送信する。また、ステップS5に示す処理(子機40Aが発呼電文を受信する処理)と、ステップS6に示す処理(子機40Aがサーバ10に対して子機40Aの識別情報41aを送信する処理)とは、子機40Aがガスメータ50Aと通信可能に接続されており、子機40Aとガスメータ50Aとの接続に問題がない場合に行われる。その結果、ステップS7において、サーバ10は、子機40Aの識別情報41aを受信することで、サーバ10が子機40Aを介してガスメータ50Aと開通したことを認識することができる。
【0099】
また、ステップS2において、作業者が操作部43を操作して子機40Aの動作モードを開通モードに切り換えた後、ステップS4において、作業者がテスト遮断スイッチ55Aを操作することで、開通処理に必要な作業者の動作が完了する。従って、サーバ10側に作業者を別途用意する必要がなく、ガスメータ50A側の作業者だけで開設処理を行うことができる。その結果、作業者が開通処理を容易に行うことができる。また、ガスメータ50A側の作業者とサーバ10側の作業者との間で連絡を取り合う必要が無いので、開通処理に要する時間を短縮することができる。
【0100】
また、テレメータシステム100において、開通処理が行われる際、メータIDが使用されないので、5ビットメータのようなメータIDを持たないガスメータに対しても開通処理を行うことができる。また、メータIDを設定可能な8ビットメータ、及び、固有のメータIDを持つUバスメータの各々に対しても、開通処理を行うことができる。従って、ガスメータの種類に関係無く、開通処理を行うことができる。
【0101】
また、5ビットメータ、8ビットメータ、及びUバスメータの各々に対して、作業者が同じ手順で開通処理を行うことができる。従って、作業者は、開通処理を行う際、ガスメータの種類毎に開通処理の手順を変える必要が無いので、開通処理を容易に行うことができる。
【0102】
以上、図面(
図1~
図8)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1)~(7))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0103】
(1)親機30にガスメータ50が接続される場合、サーバ10と、親機30に接続されるガスメータ50との開通処理が行われてもよい。この場合も、ステップS1~ステップS10に示す手順と同様の手順で、親機30に接続されるガスメータ50の開通処理が行われる。この場合、親機30は、本発明の通信装置の第2例となる。
【0104】
(2)ステップS2及びステップS5において、子機40Aの動作モードが操作部43の操作により開通モードに切り替えられてから、第1所定時間内に子機40Aが発呼電文を受信しない場合、子機40Aが開通モードを終了させてもよい。その結果、例えば、作業者の都合で開通処理が中断された場合、開通処理が中断されているにもかかわらず、子機40Aの動作モードが開通モードに保持されることを抑制できる。
【0105】
第1所定時間内に子機40Aが発呼電文を受信しないことは、言い換えれば、第1所定時間内にガスメータ50Aのテスト遮断スイッチ55Aが操作されないことを示す。
【0106】
また、第1所定時間内に子機40Aが発呼電文を受信しない場合、子機40Aの表示部44にエラー情報が表示されてもよい。エラー情報は、開通処理が失敗したことを示す情報である。その結果、作業者は、開通処理が失敗したことを認識することができる。
【0107】
(3)ステップS6及びステップS9において、子機40Aがサーバ10に対して開通発呼電文を送信してから第2所定時間内に終了電文を受信しない場合、子機40Aが開通モードを終了させてもよい。その結果、例えば、サーバ10と子機40Aとの間に通信障害が発生している場合、通信障害が発生しているにもかかわらず、子機40Aの動作モードが開通モードに保持されることを抑制できる。
【0108】
また、子機40Aが第2所定時間内に終了電文を受信しない場合、子機40Aの表示部44にエラー情報が表示されてもよい。その結果、作業者は、サーバ10と子機40Aとの間に通信障害が発生していることを認識することができる。
【0109】
(4)本実施形態では、ステップS6において、子機40Aからサーバ10に送信される開通発呼電文には、子機40Aの識別情報41aが含まれる。しかし、本発明は、これに限定されない。開通発呼電文には、子機40Aの識別情報41aに加えて、第1情報、及び/又は、第2情報が含まれていてもよい。第1情報は、子機40Aの動作モードが開通モードであることを示す情報である。第2情報は、テスト遮断スイッチ55Aの操作によりガスのテスト遮断が実行されたことを示す情報である。
【0110】
(5)本発明の第2操作部は、テスト遮断スイッチ55Aに限定されない。本発明の第2操作部は、ガスメータ50Aに備えられる操作部55のうち、テスト遮断スイッチ55Aと同等の機能を有する操作部でもよい。テスト遮断スイッチ55Aと同等の機能は、具体的には、操作されることによって、ガスメータ50Aから子機40Aに発呼電文を送信させる機能を示す。
【0111】
(6)本実施形態の発呼電文(ステップS4参照)は、ガスがテスト遮断されたことを示す情報を含む。しかし、本発明はこれに限定されない。発呼電文の内容は特に限定されない。ステップS5において、子機40Aは、発呼電文を受信したとき、ガスメータ50Aから何らかの通知があったことを認識できればよい。
【0112】
(7)本実施形態の終了電文(ステップS8参照)は、サーバ10がガスメータ50Aと開通したことを示す情報を含む。しかし、本発明はこれに限定されない。終了電文の内容は特に限定されない。ステップS9において、子機40Aは、終了電文を受信したとき、サーバ10から何らかの通知があったことを認識できればよい。
【0113】
また、終了電文は、子機40Aの設定情報を含んでいてもよい。この場合、子機40Aは、終了電文を受信すると、終了電文に含まれる設定情報に基づいて、自機の設定を行う。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、通信システム、通信装置、及び通信方法の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0115】
10 サーバ
30 親機(通信装置)
40、40A、40B、40C 子機(通信装置)
41a 識別情報
43 操作部(第1操作部)
44 表示部
50、50A、50B、50C ガスメータ
55A テスト遮断スイッチ(第2操作部)
100 テレメータシステム(通信システム)