(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】アブソリュートロータリエンコーダ
(51)【国際特許分類】
G01D 5/347 20060101AFI20230105BHJP
G01D 5/244 20060101ALI20230105BHJP
G01D 5/36 20060101ALI20230105BHJP
B25J 19/02 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
G01D5/347 110M
G01D5/244 B
G01D5/36 W
B25J19/02
(21)【出願番号】P 2018226384
(22)【出願日】2018-12-03
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000104630
【氏名又は名称】キヤノンプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(72)【発明者】
【氏名】工藤 耕輔
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 遼
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-59714(JP,A)
【文献】特開2002-250639(JP,A)
【文献】特開2014-134532(JP,A)
【文献】特開2016-14612(JP,A)
【文献】特開2014-178227(JP,A)
【文献】特開2015-87194(JP,A)
【文献】特開2011-133286(JP,A)
【文献】特開2014-206429(JP,A)
【文献】特表2009-501918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/38
B25J 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる径で設けられた第1トラックおよび第2トラックを備えるスケールと、
前記スケールに対して相対移動可能であり、前記第1トラックおよび前記第2トラックを読み取る第1センサと、
前記スケールの径方向において前記第1センサと対向するように配置され、前記スケールに対して相対移動可能であり、前記第1トラックおよび前記第2トラックを読み取る第2センサと、
前記第1センサが前記第1トラックを読み取ることで得られる信号に基づく第1周期信号と前記第1センサが前記第2トラックを読み取ることで得られる信号に基づく第2周期信号との差分を取ることで
第1絶対位置信号を生成するとともに、前記第2センサが前記第1トラックを読み取ることで得られる信号に基づく第3周期信号と前記第2センサが前記第2トラックを読み取ることで得られる信号に基づく第4周期信号との差分を取ることで
第2絶対位置信号を生成する処理部と、を有し、
前記処理部は、前記
第1絶対位置信号と前記
第2絶対位置信号とを平均化することで生成された
第3絶対位置信号と前記第1周期信号とを合成することで生成された
第4絶対位置信号、および前記
第3絶対位置信号と前記第3周期信号とを合成することで生成された
第5絶対位置信号を平均化することで、前記スケール、前記第1センサまたは前記第2センサのうち少なくともいずれかの絶対位置を示す
第6絶対位置信号を生成することを特徴とするアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項2】
前記処理部は、前記
第1絶対位置信号および前記
第6絶対位置信号を生成する第1の処理部と、前記
第2絶対位置信号を生成する第2の処理部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項3】
前記処理部は、前記
第1絶対位置信号を生成する第1の処理部と、前記
第2絶対位置信号を生成する第2の処理部と、前記
第6絶対位置信号を生成する第3の処理部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項4】
前記処理部は、整数倍した前記第1周期信号と整数倍した前記第2周期信号との差分を取ることで前記
第1絶対位置信号を生成するとともに、整数倍した前記第3周期信号と整数倍した前記第4周期信号との差分を取ることで前記
第2絶対位置信号を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項5】
前記第1トラックは、互いに周期が異なる、第1の周期パターンおよび第2の周期パターンを含み、
前記第2トラックは、前記第1および第2の周期パターンと周期が異なる第3の周期パターンおよび、前記第1から第3の周期パターンと周期が異なる第4の周期パターンを含み、
前記処理部は、前記第1および第2の周期パターンのそれぞれに対応する信号を処理することで前記第1周期信号を生成し、前記第3および前記第4の周期パターンのそれぞれに対応する信号を処理することで前記第2周期信号を生成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項6】
前記第1センサおよび第2センサは、検出周期が異なる検出部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項7】
前記第1および第2センサは、検出周期を切り替え可能な検出部を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項8】
前記第1センサと前記第2センサの対向配置角は、絶対位置の信頼性を表す丸め誤差が閾値を超えない範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項9】
前記閾値は、0.4であることを特徴とする請求項8に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項10】
回転する可動部と、
前記可動部の回転位置を検出可能な請求項1から9のいずれか1項に記載のアブソリュートロータリエンコーダと、を有することを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アブソリュートロータリエンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、周期が異なる2つの周期パターンから2組の2相信号を生成し、一方の組の2相信号の位相と他方の組の2相信号の位相との差(位相差)からスケール又はセンサの絶対位置を検出するアブソリュートロータリエンコーダが知られている。しかしながら、アブソリュートロータリエンコーダにおいて、精度良く絶対位置を検出するためには、スケールの回転軸に対しスケールが偏心した際の偏心対策が必要となる。特許文献1には、偏心成分をキャンセルした絶対角度信号と偏心成分を持つ絶対角度信号の差分を取ることで、偏心成分を抽出するアブソリュートロータリエンコーダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のアブソリュートロータリエンコーダでは、偏心成分を抽出することはできるが、偏心成分を補正することはできず、取り付け許容範囲を広げることはできない。
【0005】
本発明は、取り付け許容範囲を広げることが可能なアブソリュートロータリエンコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としてのアブソリュートロータリエンコーダは、互いに異なる径で設けられた第1トラックおよび第2トラックを備えるスケールと、スケールに対して相対移動可能であり、第1トラックおよび第2トラックを読み取る第1センサと、スケールの径方向において第1センサと対向するように配置され、スケールに対して相対移動可能であり、第1トラックおよび第2トラックを読み取る第2センサと、第1センサが第1トラックを読み取ることで得られる信号に基づく第1周期信号と第1センサが第2トラックを読み取ることで得られる信号に基づく第2周期信号との差分を取ることで第1絶対位置信号を生成するとともに、第2センサが第1トラックを読み取ることで得られる信号に基づく第3周期信号と第2センサが第2トラックを読み取ることで得られる信号に基づく第4周期信号との差分を取ることで第2絶対位置信号を生成する処理部と、を有し、処理部は、第1絶対位置信号と第2絶対位置信号とを平均化することで生成された第3絶対位置信号と第1周期信号とを合成することで生成された第4絶対位置信号、および第3絶対位置信号と第3周期信号とを合成することで生成された第5絶対位置信号を平均化することで、スケール、第1センサまたは第2センサのうち少なくともいずれかの絶対位置を示す第6絶対位置信号を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取り付け許容範囲を広げることが可能なアブソリュートロータリエンコーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1のエンコーダの構成を示す図である。
【
図2】実施例1のスケールに設けられたトラックを示す図である。
【
図4】実施例1の検出周期の切り替えの説明図である。
【
図5】実施例1の第1の処理部および第2の処理部の構成を示す図である。
【
図6】実施例1の第1の処理と第2の処理を示すフローチャートである。
【
図8】絶対位置が正しく取得できている状態の丸め誤差を示すグラフである。
【
図9】絶対位置が正しく取得できていない可能性が高い状態の丸め誤差を示すグラフである。
【
図10】偏心補正を行わずに絶対位置信号を取得する場合の丸め誤差を示す図である。
【
図11】偏心補正を行って絶対位置信号を取得する場合の丸め誤差を示す図である。
【
図12】対向配置角と丸め誤差との関係を示す図である。
【
図13】実施例2のエンコーダの構成を示す図である。
【
図14】実施例2のスケールに設けられたトラックを示す図である。
【
図16】実施例2のセンサのスケールの読み取り領域を示す図である。
【
図17】実施例2の第1の処理部、第2の処理部および第3の処理部の構成を示す図である。
【
図18】実施例3のエンコーダの構成を示す図である。
【
図20】実施例4のロボットアームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
各実施例で説明するアブソリュートロータリエンコーダは、光学機器等の各種装置に用いられ、該装置内の可動部材の移動に応じたスケールとセンサとの相対移動に伴って可動部材の絶対位置を検出可能である。
【実施例1】
【0011】
図1は、本実施例のエンコーダ1aの構成を示す図である。エンコーダ1aは、スケール10、センサ(第1センサ)20、センサ(第2センサ)30および処理部500aを有する。処理部500aは、第1の処理部40および第2の処理部50を備える。エンコーダ1aは、可動部材の絶対位置を検出する反射型の光学式アブソリュートロータリエンコーダである。本実施例では、エンコーダ1aが絶対位置として可動部材の回転軸(不図示)の回転位置(回転角)を検出する場合について説明する。
【0012】
なお、本実施例では、エンコーダ1aの一例として反射型の光学式アブソリュートロータリエンコーダについて説明するが、本発明はこれに限定されない。本発明は、検出方式が異なるエンコーダ、例えば透過型の光学式アブソリュートロータリエンコーダ、磁気式アブソリュートロータリエンコーダ、および電磁誘導式磁気式アブソリュートロータリエンコーダにも適用可能である。
【0013】
スケール10は、可動部材の回転軸に一体回転するように取り付けられている。センサ20,30は、固定部材に取り付けられている。センサ20,30は、スケール10に対して相対移動可能であり、スケール10の径方向において、互いに対向するように取り付けられている。なお、スケール10を固定部材に取り付け、センサ20,30を互いに対向するように可動部材の回転軸に取り付けてもよい。
【0014】
図2は、スケール10の一部を拡大した図であり、スケール10にそれぞれが異なる径で設けられた複数(本実施例では2つ)のトラック11,12を示している。各トラックには、一定の周期(ピッチ)で交互に配置された反射部(図中、黒色部分)と非反射部(図中、白色部分)を含む周期パターンが設けられている。また、各トラックには、互いにピッチが異なる複数(本実施例では2つ)の周期パターンが検出方向に直交する方向(以降、スケール幅方向という)に沿って交互に設けられている。具体的には、トラック11には、ピッチP1の周期パターンとピッチP2の周期パターンがスケール幅方向に沿って交互に設けられている。ピッチP1,P2の周期パターンの格子数はそれぞれ、1649と388である。また、トラック12には、ピッチQ1の周期パターンとピッチQ2の周期パターンがスケール幅方向に沿って交互に設けられている。ピッチQ1,Q2の周期パターンの格子数はそれぞれ、1632と384である。ピッチP1とピッチQ1、およびピッチP2とピッチQ2の周期パターンの格子数はほぼ等しい関係にある。
【0015】
図3は、センサ20,30の構成を示す図である。センサ20は、光源200および複数(本実施例では2つ)の受光部(検出部)201,202を備える。光源200および受光部201,202は、同一平面上に配置されている。光源200は、LED等の発光素子により構成されている。受光部201は、光源200から射出されてトラック11の反射部で反射した光を光電変換する複数の光電変換素子(受光素子)により構成されている。受光部202は、光源200から射出されてトラック12の反射部で反射した光を光電変換する複数の光電変換素子(受光素子)により構成されている。スケール10とセンサ20が相対変位すると、その相対変位量に応じて受光部201,202における受光素子が受光する反射光の強度が変化する。センサ20は、受光部201における受光強度の変化に応じた正弦波状の信号を出力するとともに、受光部202における受光強度の変化に応じた正弦波状の信号を出力する。なお、上記ではセンサ20の構成について説明したが、上記説明の光源200を光源300、受光部201,202を受光部301,302と置き換えることでセンサ30の説明となる。
【0016】
次に、
図4を参照して、検出周期の切り替えについて説明する。検出周期の切り替えは、信号A(+),B(+),A(-),B(-)を出力する受光素子を変更することで行われる。
【0017】
図4(A)は、受光部201がピッチP1の周期パターン、または受光部202がピッチQ1の周期パターンを読み取る場合の受光部の構成を示している。この場合、検出周期はピッチP1またはピッチQ1であり、受光素子20a,20b,20c,20dの出力はそれぞれ、信号A(+),B(+),A(-),B(-)として扱われる。
【0018】
図4(B)は、受光部201がピッチP2の周期パターン、または受光部202がピッチQ2の周期パターンを読み取る場合の受光部の構成を示している。この場合、検出周期はピッチP2またはピッチQ2であり、位置検出方向に沿って16個配置された受光素子を隣り合う4つごとに1組とし、各組の出力はそれぞれ、信号A(+),B(+),A(-),B(-)として扱われる。
【0019】
信号A(+),B(+),A(-),B(-)に対してA=A(+)-A(-)およびB=B(+)-B(-)の式で表される処理を行うことで、互いに位相が異なる2相の疑似正弦波信号A,Bが生成される。
【0020】
図4(C)は、センサ20のスケール10の読み取り領域を示している。受光部201は、検出周期がピッチP1に設定されると、ピッチP1の周期パターン11aを読み取る。この場合、ピッチP1に対応する互いに約90度の位相差を持つ2相の疑似正弦波信号(P1の2相信号)が出力される。受光部201は、検出周期がピッチP2に設定されると、ピッチP2の周期パターン11bを読み取る。この場合、ピッチP2に対応する互いに約90度の位相差を持つ2相の疑似正弦波信号(P2の2相信号)が出力される。
【0021】
また、受光部202は、検出周期がピッチQ1に設定されると、ピッチQ1の周期パターン12aを読み取る。この場合、ピッチQ1に対応する互いに約90度の位相差を持つ2相の疑似正弦波信号(Q1の2相信号)が出力される。受光部202は、検出周期がピッチQ2に設定されると、ピッチQ2の周期パターン12bを読み取る。この場合、ピッチQ2に対応する互いに約90度の位相差を持つ2相の疑似正弦波信号(Q2の2相信号)が出力される。
【0022】
受光部201によるトラック上での読み取り領域113および受光部202によるトラック上での読み取り領域123は、光源から照射された光を各受光部で受光されるように反射する範囲である。各読み取り領域は、トラックにおいてスケール幅方向に沿って交互に配置された2つの周期パターンの組み合わせを複数含むように設定されている。
【0023】
なお、上記ではセンサ20の検出周期の切り替えについて説明したが、上記説明の受光部201,202を301,302と置き換えることでセンサ30の検出周期の切り替えの説明となる。
【0024】
また、本実施例ではセンサから互いに約90度の位相差を持つ2相信号が出力される場合について説明したが、後述するように位相を検出可能な信号であれば3相信号や三角波信号などが出力されてもよい。
【0025】
図5は、第1の処理部40および第2の処理部50の構成を示す図である。第1の処理部40は、ADコンバータ401、位相演算部402、絶対位置演算部403および平均処理部404を有する。第2の処理部50は、ADコンバータ501、位相演算部502および絶対位置演算部503を有する。以下、第1の処理部40で行われる処理を第1の処理、第2の処理部50で行われる処理を第2の処理という。
【0026】
図6は、第1の処理と第2の処理を示すフローチャートである。ステップS40_1~S40_8の処理が第1の処理に相当し、ステップS50_1~S50_6の処理が第2の処理に相当する。まず、第1の処理について説明する。
【0027】
ステップS40_1では、ADコンバータ401は、受光部201,202から出力される各2組の2相信号(P1,P2の2相信号とQ1,Q2の2相信号)をデジタル信号に変換する。
【0028】
ステップS40_2では、位相演算部402は、ADコンバータ401によりデジタル信号に変換された各2組の2相信号から位相を算出する。2相信号は前述したように互いに約90度の位相差を持つ信号(正弦波信号と余弦波信号)であるため、位相演算部402はarctan演算によって位相を算出する。以下の説明では、P1の2相信号から算出された位相をθP1、P2の2相信号から算出された位相をθP2、Q1の2相信号から算出された位相をθQ1、Q2の2相信号から算出された位相をθQ2とする。前述したように、ピッチP1,P2,Q1,Q2の周期パターンの格子数はそれぞれ、1649,388,1632,384である。そのため、位相θP1,θP2,θQ1,θQ2はそれぞれ、1649周期の信号、388周期の信号、1632周期の信号、384周期の信号となる。
【0029】
なお、本実施例では、arctan演算によって位相を算出する場合について説明したが、特定の範囲内での位置を表すものであれば位相以外のパラメータを算出してもよい。
【0030】
ステップS40_3では、絶対位置演算部403は、まず、以下の式(1)~(3)を用いて97周期の信号(θP97)、388周期の信号(θP388)および1649周期の信号(θP1649)を算出する。ただし、MOD(x、y)はxを被除数とし、yを除数としたときの剰余を表す。
【0031】
【0032】
ここで、算出された信号の1周期内の精度は、θP1649が一番高く、θP97が一番低くなる。そこで、本実施例では、θP1649の精度を持つ97周期の信号を算出する。具体的には、
図7に示されるように、θP388はトラック全周で0~2πまで388回変化する一方、θP97はトラック全周で0~2πまで97回変化する。すなわち、θP97の位相の変化量はθP388の1/4である。
【0033】
本実施例では、絶対位置演算部403は、以下の式(4),(5)を用いてθP388の周期数m20_4およびθP388の精度を持つ97周期の信号x388_97を算出する。ただし、ROUND(x)は、xの小数第一位を四捨五入した整数値を表す。
【0034】
【0035】
次に、絶対位置演算部403は、以下の式(6),(7)を用いてθP1649の周期数m20_17およびθP1649の精度を持つ97周期の信号(第1周期信号)x1649_97を算出する。
【0036】
【0037】
ステップS40_4では、絶対位置演算部403は、まず、以下の式(8)~(10)を用いて96周期の信号(θQ96)、384周期の信号(θQ384)および1632周期の信号(θQ1632)を算出する。
【0038】
【0039】
次に、絶対位置演算部403は、以下の式(11),(12)を用いてθQ384の周期数n20_4およびθQ384の精度を持つ96周期の信号x384_96を算出する。
【0040】
【0041】
次に、絶対位置演算部403は、以下の式(13),(14)を用いてθQ1632の周期数n20_17およびθQ1632の精度を持つ96周期の信号(第2周期信号)x1632_96を算出する。
【0042】
【0043】
ステップS40_5では、以下の式(15)を用いてトラック全周で1周期となるセンサ20での絶対位置信号(第1位置信号)x20を算出する。
【0044】
【0045】
次に、第2の処理について説明する。ステップS50_1では、ADコンバータ501は、受光部301,302から出力される各2組の2相信号(P1,P2の2相信号とQ1,Q2の2相信号)をデジタル信号に変換する。
【0046】
ステップS50_2では、位相演算部502は、ADコンバータ501によりデジタル信号に変換された各2組の2相信号から位相を算出する。2相信号は互いに約90度の位相差を持つ信号のため、位相演算部502はarctan演算によって位相を算出する。以下の説明では、P1の2相信号から算出された位相をθR1、P2の2相信号から算出された位相をθR2、Q1の2相信号から算出された位相をθS1、Q2の2相信号から算出された位相をθS2とする。また、位相θR1,θR2,θS1,θS2はそれぞれ、1649周期の信号、388周期の信号、1632周期の信号、384周期の信号となる。
【0047】
ステップS50_3では、絶対位置演算部503は、まず、以下の式(16)~(18)を用いて97周期の信号(θR97)、388周期の信号(θR388)および1649周期の信号(θR1649)を算出する。
【0048】
【0049】
次に、絶対位置演算部503は、以下の式(19),(20)を用いてθR388の周期数m30_4およびθR388の精度を持つ97周期の信号y388_97を算出する。
【0050】
【0051】
次に、絶対位置演算部503は、以下の式(21),(22)を用いて、θR1649の周期数m30_17およびθR1649の精度を持つ97周期の信号(第3周期信号)y1649_97を算出する。
【0052】
【0053】
ステップS50_4では、絶対位置演算部503は、まず、以下の式(23)~(25)を用いて96周期の信号(θS96)、384周期の信号(θS384)および1632周期の信号(θS1632)を算出する。
【0054】
【0055】
次に、絶対位置演算部503は、以下の式(26),(27)を用いてθS384の周期数n30_4およびθS384の精度を持つ96周期の信号y384_96を算出する。
【0056】
【0057】
次に、絶対位置演算部503は、以下の式(28),(29)を用いてθS1632の周期数n30_17およびθS1632の精度を持つ96周期の信号(第4周期信号)y1632_96を算出する。
【0058】
【0059】
ステップS50_5では、以下の式(30)を用いてトラック全周で1周期となるセンサ30での絶対位置信号(第2位置信号)x30を算出する。
【0060】
【0061】
ステップS40_6では、平均処理部404は、以下の式(31)を用いて、絶対位置信号x20,x30を平均化することで絶対位置信号(第3位置信号)x1を算出する。この処理を行うことにより、偏心変動耐性を向上することが可能となる。以下の説明において、偏心変動耐性を向上させる処理のことを偏心補正という。
【0062】
【0063】
以下、本発明による偏心変動耐性の向上について説明するが、まず、絶対位置の信頼性を図る指標として、丸め誤差dについて説明する。
【0064】
丸め誤差とは、周期数を求める際の丸め処理における丸め前後の値の差分である。前述した式(4)を例に挙げると、θP388の周期数m20_4を、ROUND(x)を用いて取得している。すなわち、四捨五入して丸めた値が周期数m20_4となっているため、四捨五入する前(丸める前)の値から周期数m20_4を引くと式(4)での丸め誤差を取得することができる。丸め誤差は±0.5の範囲内で表され、+0.5または-0.5に近ければ丸め処理が正しく行われていないと言える。すなわち、周期数がずれ、絶対位置を正しく取得できていない可能性が高いということになる。
【0065】
図8は、絶対位置が正しく取得できている状態の丸め誤差を示すグラフである。
図9は、絶対位置が正しく取得できていない可能性が高い状態の丸め誤差を示すグラフである。
図8および
図9において、(a)~(c)はそれぞれ、丸める前の周期数、丸めた後の周期数、丸める前の周期数と丸めた後の周期数の差分(丸め誤差)を示している。
【0066】
次に、偏心補正を行わずに絶対位置信号を取得する場合の丸め誤差について説明する。ここでは、第1の処理で取得された絶対位置信号x20および信号x1649_97を用いて、センサ20での絶対位置信号を取得する場合について説明する。丸め誤差dは、以下の式(32)で表される。
【0067】
【0068】
絶対位置信号x20には、以下の式(33)で表される偏心分の誤差ε0が上乗せされる。RopM、RopSはそれぞれ、トラック11における光学中心、トラック12における光学中心を表している。
【0069】
【0070】
式(32)では、誤差97*ε0が上乗せされることとなり、丸め誤差が大きくなる。信号x1649_97にも同じように誤差が上乗せされるが、誤差97*ε0に比べて極めて小さいため、今回の説明では省略する。
図10は、偏心補正を行わずに絶対位置信号を取得する場合の丸め誤差を示す図である。以上説明したように、偏心補正を行わずに絶対位置信号を取得する場合、偏心分の誤差が上乗せされ、丸め誤差が大きくなってしまう。
【0071】
次に、偏心補正を行って絶対位置信号を取得する場合の丸め誤差について説明する。ここでは、平均処理部404により取得された絶対位置信号x1と信号x1649_97を用いて、センサ20での絶対位置信号を取得する場合について説明する。丸め誤差dは、以下の式(34)で表される。
【0072】
【0073】
絶対位置信号x1には、偏心分の誤差ε0が上乗せされる。ただし、絶対位置信号x1は対向するように配置されたセンサ20,30から読み出した絶対位置信号を平均したもの(偏心補正を行ったもの)であるため、偏心分の誤差ε0は以下の式(35)で表される。
【0074】
【0075】
誤差ε0は、sinθとsin(θ+180°)を加算していることから、0となることは明らかである。したがって、偏心補正を行うことで偏心分の誤差ε0を除去することが可能となり、丸め誤差が大きくならないようにすることが可能となる。
図11は、偏心補正を行って絶対位置信号を取得する場合の丸め誤差を示す図である。
【0076】
以下、
図12を参照して、センサ20,30の対向配置角について説明する。
図12は、センサ20,30の対向配置角と丸め誤差との関係を示す図である。図中の配置角は、スケール10の径方向を含む平面において、スケール10の径中心に対してセンサ20,30がなす角を意味している。対向配置角は、丸め誤差が閾値を超えない範囲内に設定される。本実施例では、絶対位置の信頼性を考慮し、丸め誤差の閾値は0.4に設定される。ただし、丸め誤差は偏心量に応じて変化するため、
図12のグラフ曲線は一例を示しているに過ぎない。
【0077】
ステップS40_6の処理後、絶対位置演算部403,503で絶対位置信号x1を処理し、さらに精度の良い絶対位置信号を算出する。ステップS40_7では、絶対位置演算部403は、以下の式(36),(37)を用いて、絶対位置信号x1および信号x1649_97を合成する。これにより、信号x1649_97の周期数m20_97および信号x1649_97の精度を持つ絶対位置信号(第4位置信号)x1649_1が算出される。
【0078】
【0079】
ステップS50_6では、絶対位置演算部503は、以下の式(38),(39)を用いて、絶対位置信号x1および信号y1649_97を合成する。これにより、信号y1649_97の周期数m30_97および信号y1649_97の精度を持つ絶対位置信号(第5位置信号)y1649_1が算出される。
【0080】
【0081】
ステップS40_8では、平均処理部404は、以下の式(40)を用いて絶対位置信号x1649_1,y1649_1を平均化することで絶対位置信号z1を算出する。
【0082】
【0083】
以上説明したように、本実施例では、回転軸に対しスケール10が偏心している場合でも、精度良く絶対位置信号z1を算出可能である。これにより、取り付け許容範囲を広げることが可能となる。
【実施例2】
【0084】
図13は、本実施例のエンコーダ1bの構成を示す図である。エンコーダ1bは、スケール110、センサ120、センサ130および処理部500bを有する。処理部500bは、第1の処理部140、第2の処理部150および第3の処理部160を備える。エンコーダ1bは、可動部材の絶対位置を検出する反射型の光学式アブソリュートロータリエンコーダである。本実施例では、エンコーダ1bが絶対位置として可動部材の回転軸(不図示)の回転角を検出する場合について説明する。
【0085】
なお、本実施例では、エンコーダ1bの一例として反射型の光学式アブソリュートロータリエンコーダについて説明するが、本発明はこれに限定されない。本発明は、検出方式が異なるエンコーダ、例えば透過型の光学式アブソリュートロータリエンコーダ、磁気式アブソリュートロータリエンコーダ、および電磁誘導式磁気式アブソリュートロータリエンコーダにも適用できる。
【0086】
スケール110とセンサ120,130の取り付けについては実施例1と同様であるため、説明を省略する。以下の説明では、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
【0087】
図14は、スケール110の一部を拡大した図であり、スケール110にそれぞれが異なる径で設けられた複数(本実施例では2つ)のトラック111,112を示している。実施例1では、各トラックには互いにピッチが異なる複数の周期パターンがスケール幅方向に沿って交互に設けられているが、本実施例では、各トラックには所定のピッチを有する周期パターンが設けられている。具体的には、トラック111には、ピッチT1の周期パターンが設けられている。ピッチT1の周期パターンの格子数は97である。トラック112には、ピッチU1の周期パターンが設けられている。ピッチU1の周期パターンの格子数は24である。
【0088】
図15は、センサ120,130の構成を示す図である。センサ120は、光源1200および複数(本実施例では2つ)の受光部(検出部)1201,1202を有する。光源1200および受光部1201,1202は、同一平面上に配置されている。光源1200は、LED等の発光素子により構成されている。受光部1201は、光源1200から射出されてトラック111の反射部で反射した光を光電変換する複数の光電変換素子(受光素子)により構成されている。受光部1202は、光源1200から射出されてトラック112の反射部で反射した光を光電変換する複数の光電変換素子(受光素子)により構成されている。スケール110とセンサ120が相対変位すると、その相対変位量に応じて受光部1201,1202における受光素子が受光する反射光の強度が変化する。センサ120は、受光部1201における受光強度の変化に応じた正弦波状の信号を出力するとともに、受光部1202における受光強度の変化に応じた正弦波状の信号を出力する。なお、上記ではセンサ120の構成について説明したが、上記説明の光源1200を光源1300、受光部1201,1202を受光部1301,1302と置き換えることでセンサ130の説明となる。
【0089】
受光部1201の受光素子の配置は、実施例1で説明した
図4(A)の受光素子の配置と同様である。受光部1201の検出周期は常に一定で、ピッチT1に一致する又は十分に近い検出周期T1に設定されている。受光部1202の受光素子の配置は、実施例1で説明した
図4(B)の受光素子の配置と同様である。受光部1202の検出周期は常に一定で、ピッチU1に一致する又は十分に近い検出周期4×T1に設定されている。上記では、センサ120について説明したが、上記説明の光源1200を1300、受光部1201,1202を1301,1302と置き換えることでセンサ130の説明となる。
【0090】
図16は、センサ120におけるスケールの読み取り領域を示している。受光部1201は、ピッチT1のパターン1111を読み取る。この場合、ピッチT1に対応する互いに約90度の位相差を持つ2相の疑似正弦波信号(T1の2相信号)が出力される。受光部1202は、ピッチU1のパターン1121を読み取る。この場合、ピッチU1に対応する互いに約90度の位相差を持つ2相の疑似正弦波信号(U1の2相信号)が出力される。受光部1201によるトラック上での読み取り領域1112および受光部1202によるトラック上での読み取り領域1122は、光源から照射された光を各受光部で受光されるように反射する範囲である。なお、上記では、センサ120について説明したが、上記説明の受光部1201,1202を1301,1302と置き換えることでセンサ130の説明となる。
【0091】
なお、本実施例ではセンサから互いに約90度の位相差を持つ2相信号が出力される場合について説明したが、位相を検出可能な信号であれば3相信号や三角波信号などが出力されてもよい。
【0092】
図17は、第1の処理部140、第2の処理部150および第3の処理部160の構成を示す図である。第1の処理部140は、ADコンバータ1401、位相演算部1402および絶対位置演算部1403を有する。第2の処理部150は、ADコンバータ1501、位相演算部1502および絶対位置演算部1503を有する。第3の処理部160は、平均処理部1601を有する。以下、第1の処理部140で行われる処理を第1の処理、第2の処理部150で行われる処理を第2の処理、第3の処理部160で行われる処理を第3の処理という。
【0093】
以下、第1の処理について説明する。ADコンバータ1401は、受光部1201,1202から出力される各2組の2相信号(T1の2相信号とU1の2相信号)をデジタル信号に変換する。位相演算部1402は、ADコンバータ1401によりデジタル信号に変換された各2組の2相信号から位相を算出する。2相信号は前述したように互いに約90度の位相差を持つ信号であるため、位相演算部1402はarctan演算によって位相を算出する。以下の説明では、T1の2相信号から算出された位相(第1周期信号)をθT97、U1の2相信号から算出された位相(第2周期信号)をθU24とする。前述したように、ピッチT1,U1の周期パターンの格子数はそれぞれ97と24である。そのため、位相θT97,θU24はそれぞれ、97周期の信号、24周期の信号となる。
【0094】
なお、本実施例では、arctan演算によって位相を算出する場合について説明したが、特定の範囲内での位置を表すものであれば位相以外のパラメータを算出してもよい。
【0095】
絶対位置演算部1403は、位相θT97,θU24を整数倍して絶対位置を算出する。本実施例では、絶対位置演算部1403は、まず、位相θU24を4倍し、96周期の位相を算出する。次に、絶対位置演算部1403は、以下の式(41)を用いて位相θT97と4倍した位相θU24との位相差からトラック全周で1周期の信号(第1位置信号)x120を算出する。
【0096】
【0097】
以下、第2の処理について説明する。ADコンバータ1501は、受光部1301,1302から出力される各2組の2相信号(T1の2相信号とU1の2相信号)をデジタル信号に変換する。位相演算部1502は、ADコンバータ1501によりデジタル信号に変換された各2組の2相信号から位相を算出する。2相信号は前述したようにお互い約90度の位相差を持つ信号であるため、位相演算部1502はarctan演算によって位相を算出する。以下の説明では、T1の2相信号から算出された位相(第3周期信号)をθV97、U1の2相信号から算出された位相(第4周期信号)をθW24とする。前述したように、ピッチT1,U1の周期パターンの格子数はそれぞれ97と24である。そのため、位相θV97,θW24はそれぞれ、97周期の信号、24周期の信号となる。
【0098】
絶対位置演算部1503は、位相θV97,θW24を整数倍して絶対位置を算出する。本実施例では、絶対位置演算部1503は、まず、位相θW24を4倍し、96周期の位相を算出する。次に、絶対位置演算部1503は、以下の式(42)を用いて位相θV97と4倍した位相θW24の位相差からトラック全周で1周期の信号(第2位置信号)x130を算出する。
【0099】
【0100】
以下、第3の処理について説明する。平均処理部1601は、まず、以下の式(43)を用いて信号x120,x130から絶対位置信号(第3位置信号)x1を取得する。この処理を行うことにより、偏心変動耐性を向上することが可能となる。偏心変動耐性の向上については実施例1で説明したため、本実施例では説明を省略する。
【0101】
【0102】
次に、絶対位置演算部1403,1503は、絶対位置信号x1を処理し、さらに精度の良い絶対位置信号を算出する。具体的には、絶対位置演算部1403は、以下の式(44),(45)を用いて、絶対位置信号x1および位相θT97を合成する。これにより、位相θT97の周期数m120_97および位相θT97の精度を持つ絶対位置信号(第4位置信号)x97_1が算出される。
【0103】
【0104】
同様に、絶対位置演算部1503は、以下の式(46),(47)を用いて、絶対位置信号x1および位相θV97を合成する。これにより、位相θV97の周期数n120_97および位相θV97の精度を持つ絶対位置信号(第5位置信号)y97_1が算出される。
【0105】
【0106】
最後に、平均処理部1601は、以下の式(48)を用いて、絶対位置信号x97_1,y97_1を平均化することで絶対位置信号z1を取得する。
【0107】
【0108】
以上説明したように、本実施例では、回転軸に対しスケール110が偏心している場合であっても、精度良く絶対位置信号z1を取得することが可能である。これにより、取り付け許容範囲を広げることが可能となる。
【実施例3】
【0109】
図18は、本実施例のエンコーダ1cの構成を示す図である。エンコーダ1cは、スケール210、センサ220、センサ230および処理部500cを有する。スケール210とセンサ220,230の構成や取り付けについては実施例1または実施例2と同様であるため、説明を省略する。本実施例では、実施例1,2と異なる部分について説明する。
図19は、処理部500cの構成を示す図である。処理部500cは、ADコンバータ2401,2411、位相演算部2402,2412、絶対位置演算部2403,2413および平均処理部2404を有する。処理部500cは、実施例2で説明した第1の処理、第2の処理および第3の処理をすべて実行する。絶対位置信号の取得方法については、実施例2と同様であるため、説明を省略する。
【実施例4】
【0110】
本実施例では、実施例1から3で説明した本発明のエンコーダを搭載した装置の一例について説明する。
図20は、実施例1で説明したエンコーダ1aを搭載したロボットアーム2000を示す図である。ロボットアーム2000では、エンコーダ1aは各軸に取り付けられ、各軸の絶対回転位置を検出するために使用されている。スケール10は各軸において、回転する可動部材に取り付けられている。可動部材は、アクチュエータ(不図示)によって回転する。ロボットアーム2000を駆動させるために可動部材が回転すると、エンコーダ1aによりロボットアーム2000の各軸の絶対回転位置が検出され、その位置情報がCPU(不図示)に出力される。CPUは、その位置情報に基づいてアクチュエータを駆動し、ロボットアーム2000を目標とする位置に移動させる。
【0111】
本発明のエンコーダは、ロボットアーム2000に限らず、プリンタ(光学機器)の印字ヘッドや給紙ローラの位置検出、および複写機(光学機器)の感光ドラムの回転位置検出等、様々な装置の様々な用途で使用することができる。
【0112】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0113】
1a、1b、1c アブソリュートロータリエンコーダ
10、110、210 スケール
11、111 第1トラック
12、112 第2トラック
20、120、220 センサ(第1センサ)
30、130、230 センサ(第2センサ)
500a、500b、500c 処理部