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7203592車両管理サーバおよびコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】車両管理サーバおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0235 20230101AFI20230105BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20230105BHJP
【FI】
G06Q30/02 370
G06Q30/02 398
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018240697
(22)【出願日】2018-12-25
(65)【公開番号】P2020102081
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591069086
【氏名又は名称】パーク二四株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100101384
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 成夫
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 章
(72)【発明者】
【氏名】表原 徹
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-092205(JP,A)
【文献】特開2012-018456(JP,A)
【文献】特開2016-192050(JP,A)
【文献】特開2016-045949(JP,A)
【文献】国際公開第2017/179282(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両共有サービスにおけるサービス対象車両および車両共有サービスに対する電子クーポンを提供するための情報を管理する車両管理サーバであって、
サービス対象車両の利用状況や予約に関する車両管理データを蓄積する車両管理データベースと、
所定の電子クーポンの内容および発行条件に関するクーポンデータを蓄積しているクーポンデータベースと、
サービス対象車両の利用を欲するユーザに係る通信端末から送信される予約データを受信する予約データ受信手段と、
前記の予約データ受信手段が受信した予約データに含まれるサービス対象車両の貸出場所および貸出時間に関するデータと前記のクーポンデータとを用いて前記の発行条件に適合する電子クーポンを選択する適切クーポン選択手段と、
前記の適切クーポン選択手段が選択した電子クーポンを前記の予約データに係るユーザに係る通信端末へ送信する選択クーポン送信手段と、
を備えた車両管理サーバ。
【請求項2】
前記の適切クーポン選択手段には、前記の予約データに係るシェアカーが保管されている駐車場を特定するための駐車場データを受信する駐車場データ受信手段と、
前記の予約データに係る利用開始予定時刻および終了予定時刻または利用時間を特定する予定日時等データを受信する予定日時等データ受信手段と、
前記の駐車場データおよび前記の予定日時等データに基づいて当該予約データに係るシェアカーが立ち寄ることが可能な立ち寄り可能エリアを算出する立ち寄り可能エリア算出手段と、
前記の立ち寄り可能エリアに該当する電子クーポンを前記のクーポンデータベースから選択する適切クーポン選択手段と、
を備えた車両管理サーバ。
【請求項3】
前記の適切クーポン選択手段には、前記の予約データに係る目的地データを受信する目的地データ受信手段と、
前記の予約データに係る利用開始予定時刻および終了予定時刻または利用時間を特定する予定日時等データを受信する予定日時等データ受信手段と、
前記の目的地データおよび前記の予定日時等データに基づいて当該予約データに係るシェアカーが立ち寄ることが可能な立ち寄り可能エリアを算出する立ち寄り可能エリア算出手段と、
前記の立ち寄り可能エリアに該当する電子クーポンを前記のクーポンデータベースから選択する適切クーポン選択手段と、
を備えた請求項1または請求項2に記載の車両管理サーバ。
【請求項4】
前記の目的地データを用いて当該目的地までの経路を算出する経路算出手段を備え、
前記の立ち寄り可能エリア算出手段は、前記の経路算出手段が算出した目的地までの経路沿いの所定領域を立ち寄り可能エリアに含めて算出することとした
請求項2または請求項3のいずれかに記載の車両管理サーバ。
【請求項5】
前記のユーザが自らの予約に係るサービス対象車両に乗車してから所定の端末を介して目的地を入力して送信した場合に、その目的地データを受信する車両データ受信手段を備え、
前記の車両データ受信手段は、当該サービス対象車両の現在位置である車両位置データを受信することとし、
前記の適切クーポン選択手段は、前記の目的地データおよび前記の車両位置データをも用いて電子クーポンを選択することとした
請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両管理サーバ。
【請求項6】
前記のサービス対象車両におけるエンジンのオンオフデータを取得するエンジンデータ受信手段を備え、
そのエンジンデータ受信手段は、前記のオンオフデータに係る時刻データをも取得することとし、
前記の適切クーポン選択手段は、前記の時刻データを伴う前記のオンオフデータをも用いて電子クーポンを選択することとした
請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両管理サーバ。
【請求項7】
前記のクーポンデータベースにおいては、電子クーポンの属性データとして当該クーポンを使用した場合に係る概算時間データを含むこととし、
前記の選択クーポン送信手段は、前記の適切クーポン選択手段が選択した電子クーポンが複数存在する場合に、その電子クーポンを所定の種類毎に分類して送信することとした
請求項1から請求項6のいずれかに記載の車両管理サーバ。
【請求項8】
前記の経路算出手段は、サービス対象車両の現在位置データおよび返却地データを用いて返却経路を算出し、
その返却経路および返却予定時刻から概算した返却可能時刻と前記の返却予定時刻の差である余裕時間を概算する余裕時間概算手段を備え、
前記の適切クーポン選択手段は、前記の余裕時間との関係で選択可能な電子クーポンを選択することとした
請求項4から請求項7のいずれかに記載の車両管理サーバ。
【請求項9】
車両共有サービスにおけるサービス対象車両および車両共有サービスに対する電子クーポンを提供するための情報を管理する車両管理サーバを制御するコンピュータプログラムであって、
前記の車両管理サーバには、 サービス対象車両の利用状況や予約に関する車両管理データを蓄積する車両管理データベースと、
所定の電子クーポンの内容および発行条件に関するクーポンデータを蓄積しているクーポンデータベースと、
を備えており、
前記のコンピュータプログラムは、 サービス対象車両の利用を欲するユーザに係る通信端末から送信される予約データを受信する予約データ受信手順と、
その予約データ受信手順にて受信した予約データに含まれるサービス対象車両の貸出場所および貸出時間に関するデータと前記のクーポンデータとを用いて前記の発行条件に適合する電子クーポンを選択する適切クーポン選択手順と、
その適切クーポン選択手順にて選択した電子クーポンを前記の予約データに係るユーザに係る通信端末へ送信する選択クーポン送信手順と、
を前記の車両管理サーバに実行させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記の適切クーポン選択手順は、
前記の予約データに係るシェアカーが保管されている駐車場を特定するための駐車場データを受信する駐車場データ受信手順と、
前記の予約データに係る利用開始予定時刻および終了予定時刻または利用時間を特定する予定日時等データを受信する予定日時等データ受信手順と、
前記の駐車場データおよび前記の予定日時等データに基づいて当該予約データに係るシェアカーが立ち寄ることが可能な立ち寄り可能エリアを算出する立ち寄り可能エリア算出手順と、
前記の立ち寄り可能エリアに該当する電子クーポンを前記のクーポンデータベースから選択する適切クーポン選択手順と、
を含むこととした請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記の適切クーポン選択手順は、
前記の予約データに係る目的地データを受信する目的地データ受信手順と、
前記の予約データに係る利用開始予定時刻および終了予定時刻または利用時間を特定する予定日時等データを受信する予定日時等データ受信手順と、
前記の目的地データおよび前記の予定日時等データに基づいて当該予約データに係るシェアカーが立ち寄ることが可能な立ち寄り可能エリアを算出する立ち寄り可能エリア算出手順と、
前記の立ち寄り可能エリアに該当する電子クーポンを前記のクーポンデータベースから選択する適切クーポン選択手順と、
を含むこととした請求項9または請求項10のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記の目的地データを用いて当該目的地までの経路を算出する経路算出手順を前記の車両管理サーバに実行させるとともに、
前記の立ち寄り可能エリア算出手順においては、前記の経路算出手順にて算出した目的地までの経路沿いの所定領域を立ち寄り可能エリアに含めて算出することとした
請求項10または請求項11のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記のユーザが自らの予約に係るサービス対象車両に乗車してから所定の端末を介して目的地を入力して送信した場合に、その目的地データを受信する車両データ受信手順と、
当該サービス対象車両の現在位置である車両位置データを受信する現在位置データ受信手順と、を前記の車両管理サーバに実行させるとともに、
前記の立ち寄り可能エリア算出手順においては、前記の目的地データおよび前記の車両位置データをも用いて電子クーポンを選択することとした
請求項9から請求項12のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記のサービス対象車両におけるエンジンのオンオフデータを取得するエンジンデータ受信手順と、
そのエンジンデータ受信手順にて取得したエンジンのオンオフデータに係る時刻データを取得するオンオフ時刻データ受信手順と、を前記の車両管理サーバに実行させるとともに、
前記の立ち寄り可能エリア算出手順においては、前記の時刻データを伴う前記のオンオフデータをも用いて電子クーポンを選択することとした
請求項9から請求項13のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記のクーポンデータベースにおいては、電子クーポンの属性データとして当該クーポンを使用した場合に係る概算時間データを含むこととし、
前記の選択クーポン送信手順においては、前記の適切クーポン選択手段が選択した電子クーポンが複数存在する場合に、その電子クーポンを所定の種類毎に分類して送信することとした
請求項9から請求項14のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
サービス対象車両の現在位置データおよび返却地データを用いて返却経路を算出する返却経路算出手順と、
その返却経路算出手順が算出した返却経路および返却予定時刻から概算した返却可能時刻と前記の返却予定時刻の差である余裕時間を概算する余裕時間概算手順と、を前記の車両管理サーバに実行させるとともに、
前記の適切クーポン選択手順においては、前記の余裕時間との関係で選択可能な電子クーポンを選択することとした
請求項12から請求項14のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーシェアリングまたはレンタカーを媒介とした電子クーポンの発行に関して、より合理的な発行を可能とする情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車両を複数のユーザが使うという視点でサービスを捉えた時、従来のレンタカーサービスに加え、複数の車両を複数のユーザが共同で使用するカーシェアリングサービスが普及している。レンタカーサービスは、会員登録をしなくても利用可能である場合が多いが、事業者が提供するカーシェアリングサービスは会員登録を前提とすることがほとんどである。
【0003】
事業者が提供するカーシェアリングサービスを利用する利用者は、カーシェアリングの会員登録を済ませて会員ユーザとなる。会員登録は、氏名や住所の他、利用料金の支払い口座などの会員データを予め登録する。その登録データは、会員データベースへ蓄積されるとともに、会員であることを認証するためのIDカード(図中「会員カード」、「登録済みカードα」と表している)が事業者から発行される。このIDカードには、そのユーザが会員であることを認証するために必要なデータがICチップへ格納されたICカードであり、シェアカーに搭載されたカードリーダ(車両解錠センサ)にかざすことでそのデータが読み取れるようになっている。施錠されているシェアカーの解錠も、前記の登録済みカードにて行う。
【0004】
前記のICカードに代わって、会員ユーザに係るスマートフォンへユーザが会員であることを認証するために必要なデータを記憶させ、そのスマートフォンにてシェアカーの解錠施錠ができるようにするシステムもある。
以下において、図を用いた説明などでは、ICカードを使うこととして説明する。
【0005】
会員ユーザは、前述の会員IDと通信機器としての携帯電話やパーソナルコンピュータなど情報端末とを用いて、利用予定の時間帯などを事前に連絡する予約制度を活用する。会員ユーザは、利用日時になったら、カーシェアリング用の自動車を確保している駐車場に出向いて直接利用する。
【0006】
カーシェアリングに用いる車両(サービス対象車両、シェアカー)には、データ処理装置として、カーシェアリング管理サーバ(車両管理サーバ)との無線通信を実行する車載機と、カーシェアリングのユーザ(会員登録済みユーザ)が乗車した場合に情報の伝達や意思表示の入力が行える多機能カーナビゲーション装置と、サービス対象車両の解錠、施錠をするための車両解錠センサとを備えている。この車載器と車両管理サーバとの通信によって、車両の貸し出し、返却に関する管理を自動化(無人化)している。
前記の多機能カーナビゲーション装置は、GPS(Global Position System)を利用して現在位置データを取得し、車載機を介して車両管理サーバへ位置データを送信している。
【0007】
以下、図1から図3を用いて、更に詳しく説明する。以下、カーシェアリングサービスに用いる自動車を「シェアカー」と表記する。
図1では、カーシェアリングサービスを実行するための情報機器を説明している。すなわち、サービス提供者に係る車両管理サーバ、カーシェアリングに用いるサービス対象車両、およびサービス対象車両を利用するユーザに係る情報端末において、どのような情報がやり取りされるかを示している。
【0008】
図2は、利用希望者である会員ユーザが、所定の日時、場所において、シェアカーを利用したい旨、予約を行う場合の情報の流れを図示している。
会員は、パソコンやスマートフォンを用いて、予約データを車両管理サーバへ送信する。登録済みカードαのカード番号をあわせて送信する必要があるが、車両管理サーバから提供されているカーシェアリング専用のアプリケーションを用いれば、入力作業は簡易化される。
予約データには、会員を特定するためのデータ(カード番号)、所定の日時、シェアカーがプールされている場所、利用時間、などが含まれる。
【0009】
車両管理サーバには、前述の会員に関する属性情報や、利用料金に関するデータなどを格納している会員データベース、シェアカーの利用状況、予約状況などのデータを格納している車両管理データベースが存在する。
会員ユーザに係る通信端末から送信された予約データは、車両管理サーバの予約データ受信手段が受信し、会員データベースおよび車両管理データベースを用いて、予約が可能か否か、予約可能判断手段が判断する。そして、予約の可否についての予約可否データを、予約可否出力手段が前記の通信端末へ返信する。
【0010】
予約可能である旨の返信の後、会員ユーザが予約手続きを完了した場合、完了した予約データ(予約に係る会員情報、利用日時、利用時間など)を、予約に係るサービス対象車両(シェアカー)の車載機へ送信する。この通信は、無線通信である。
【0011】
図3は、予約実行の当日、サービス対象車両(シェアカー)の利用を開始する際、および使用中の様子を示している。
会員ユーザは、サービス対象のある駐車場へ出向く。駐車場に複数のシェアカーがあっても、その会員ユーザがどの車両を使うべきであるかは、電子メールにて予め知らされている。
サービス対象車両の情報処理装置は、車両管理データベースから予約データを受信している。図中で「予約データ受信手段」と記載しているが、具体的に予約データを受信するのは車載機である。
【0012】
会員ユーザは、登録済みカードαをシェアカーの車両解錠センサ(車の後部ガラスの内側に設置されているカードリーダ)へかざす。すると、シェアカーのドアロックが解錠され、会員ユーザは乗車が可能である。
乗車してエンジンを掛けると、多機能カーナビゲーション装置のタッチパネルが作動する。
乗車を開始した旨は、車載機を介して車両管理サーバへ送信される。また、シェアカーの位置データは、定期的に車両管理サーバへ送信される。
【0013】
さて、特許文献1には、カーシェアリング利用者に対する電子クーポンの的確な発行、店舗や商業施設への来店者が車での来店者か否かといったマーケティングデータのより的確な取得を実現するための技術が開示されている。たとえば、車両の位置データおよびエンジンのオフデータを用いて、車両の位置データに適合する電子クーポンを送信し、利用者にとってもクーポン発行側(クーポンに係る事業を提供する事業者)にとっても、的確なデータ受信およびデータ送信を実行できる。事前予約の際に目的地データが登録されていれば、その目的地データに応じた電子クーポンを送信することも可能である。
【0014】
また、特許文献2には、地域交通の車両の利用者が必要なタイミングでサービス情報を配信することにより、新たな地域情報の利用を促すための技術が開示されている。
【0015】
特許文献3には、推定した感情に基づいて、よりユーザに適した情報を提示することができる技術が開示されている。
より具体的には、図3などを用いた実施形態に、走行中の車両を運転しているユーザに対して、現在位置、道路状況、運転者の視線などの情報から、より適した情報を提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】特開2016-45949号公報
【文献】特開2016-192050号公報
【文献】特開2017-201499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
特許文献1に開示された技術においては、特に、前述した「目的地データに応じた電子クーポンの事前送信」が、市場において評価されている。ただし、以下のような課題も抽出されるようになってきた。図4図5に基づいて説明する。
【0018】
第一に、カーシェアリング予約時に目的地データを登録した場合、該当する電子クーポンが多すぎる場合がある、という課題である。予約をしようとする会員ユーザにとって、多すぎる情報は選択に困る可能性が高い。電子クーポンを発行する事業者にとっても、発行した電子クーポンを会員ユーザに選んでもらえない可能性が高くなってしまう(図4参照)。
【0019】
予約を遂行した会員ユーザにおいては、目的地での用事に要する時間から予約時間を決めている。すると、提示されたクーポンを使用した場合に要する時間が読めなければ、返却予定時刻までに返却できるかどうか判断に迷うこととなる。その結果、会員ユーザは、提示されたクーポンを使用せずに返却地へ急ぐこととなってしまう可能性がある(図5参照)。
【0020】
返却地へ急いだ会員ユーザは、返却予定時刻よりも早くシェアカーを返却する可能性があり、その場合には、カーシェアリングサービスの運営者としては、売上が下がることとなってしまう(図5参照)。
電子クーポンを発行する事業者にとっても、発行した電子クーポンを会員ユーザに選んでもらえない可能性が高いこととなる(図4図5参照)。
【0021】
第二に、会員ユーザによる予約時と会員ユーザが実際の運転をする時点とでは、会員ユーザもクーポン発行事業者も状況が異なる可能性があるが、その状況変化に対応することが困難である、という課題である。すなわち、会員ユーザとしては、当日に予定の変更があり得るし、クーポン発行事業者としてもサービス内容の変更もあり得るが、そうした場合に「目的地データに応じた電子クーポンの事前送信」では、対応できないからである(図4参照)。
【0022】
特許文献1に開示されている「車両の位置データおよびエンジンのオフデータを用いた車両の位置データに適合する電子クーポン送信」については、カーシェアリングを運用する事業者として、以下のような第三の課題にも直面するようになった。
すなわち、シェアカー車両の位置データをタイムリーに取得することや、エンジンのオフデータの受信に伴って電子クーポンを送信することは、管理対象のシェアカーの台数が増大に伴って送受信するデータ量が増えている。そのため、通信コストやデータ送受信やその管理のための設備負荷が増えてしまうという課題である。
【0023】
本発明が解決しようとする課題は、カーシェアリングやレンタルカーの車両共有サービスを利用する利用者に対する電子クーポンの発行について、利用者、電子クーポン発行者、車両共有サービス事業者のいずれにとっても、より合理的な運用を実現するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
(第一の発明)
第一の発明は、車両共有サービスにおけるサービス対象車両および車両共有サービスに対する電子クーポンを提供するための情報を管理する車両管理サーバに係る。
すなわち、サービス対象車両の利用状況や予約に関する車両管理データを蓄積する車両管理データベースと、
所定の電子クーポンの内容および発行条件に関するクーポンデータを蓄積しているクーポンデータベースと、
サービス対象車両の利用を欲するユーザに係る通信端末から送信される予約データを受信する予約データ受信手段と、
前記の予約データ受信手段が受信した予約データに含まれるサービス対象車両の貸出場所および貸出時間に関するデータと前記のクーポンデータとを用いて前記の発行条件に適合する電子クーポンを選択する適切クーポン選択手段と、
前記の適切クーポン選択手段が選択した電子クーポンを前記の予約データに係るユーザに係る通信端末へ送信する選択クーポン送信手段と、
を備えた車両管理サーバに係る(図7参照)。
【0025】
(用語説明)
「車両共有サービス」とは、カーシェアリングを管理運営するサービス、およびカーレンタルサービスの両方を指すものとする。
「サービス対象車両」とは、カーシェアリングであれば「シェアカー」、カーレンタルサービスであれば「レンタルされる車両(レンタカー)」を指すものとする。
【0026】
「電子クーポン」とは、駐車料金の割引や無償化、商品やサービスの提供、サービスの付加、車両共有サービスの利用料金の割引、経済的価値のあるポイントの付与など、あるいはそれらとの割引との組合せなども含まれる。
サービス対象車両の利用を希望する者は、事業者に係るサービス対象車両を用いたカーシェアリングの場合には、予め会員登録をした会員ユーザであることが一般的である。
【0027】
電子クーポンを送信する「ユーザに係る通信端末」は、ユーザが予め定めている通信端末であるほか(図7における「携帯情報端末」参照)、予約データを送信した通信端末を含めることとしてもよい(図7参照)。
電子クーポンの内容を送信するタイミングは、上位概念としての発明では限定していない。予約時(図7参照)のほか、予約リマインド時(図10参照)や、予約遂行時(図11参照)、それらの全て、とすることもできる。たとえば、予約リマインド時や予約遂行時に送信することとすれば、予約時には存在しなかった新たな(または改訂された)電子クーポンに基づくサービスの適用も受けられる可能性を確保できることとなる。
【0028】
(作用)
本発明に係る車両管理サーバの車両管理データベースには、サービス対象車両の利用状況や予約に関する車両管理データを蓄積している。また、クーポンデータベースには、所定の電子クーポンの内容および発行条件に関するクーポンデータを蓄積している
サービス対象車両の利用を欲するユーザは、自らに係る通信端末から送信する。送信された予約データは、車両管理サーバの予約データ受信手段が受信する。受信した予約データに含まれるサービス対象車両の貸出場所および貸出時間に関するデータと前記のクーポンデータとを用いて、前記の発行条件に適合する電子クーポンを適切クーポン選択手段が選択する。そして、選択された電子クーポンを選択クーポン送信手段が前記の予約データに係るユーザに係る通信端末へ送信する。
【0029】
予約データに含まれるサービス対象車両の貸出場所および貸出時間に関するデータや、クーポンの発行条件などによって、発行されるクーポンが選択され絞られる。したがって、ユーザには絞られたクーポンが送信され、選びやすくなる。クーポン発行者および車両共有サービス事業者は、ユーザに選ばれやすいクーポンを提供できることとなる。
【0030】
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明における適切クーポン選択手段は、以下のように限定してもよい。
すなわち、前記の適切クーポン選択手段には、前記の予約データに係るシェアカーが保管されている駐車場を特定するための駐車場データを受信する駐車場データ受信手段と、
前記の予約データに係る利用開始予定時刻および終了予定時刻または利用時間を特定する予定日時等データを受信する予定日時等データ受信手段と、
前記の駐車場データおよび前記の予定日時等データに基づいて当該予約データに係るシェアカーが立ち寄ることが可能な立ち寄り可能エリアを算出する立ち寄り可能エリア算出手段と、
前記の立ち寄り可能エリアに該当する電子クーポンを前記のクーポンデータベースから選択する適切クーポン選択手段と、を備える(図8参照)。
【0031】
(用語説明)
「予約データに係るシェアカーが保管されている駐車場」とは、シェアカーの利用を予約したユーザがシェアカーの利用開始をする駐車場である。
「立ち寄り可能エリア」とは、駐車場データおよび予定日時等データから算出される、シェアカーが物理的に移動可能なエリアとなる。駐車場の位置データから半径何キロメートルといった単純な算出アルゴリズムのほか、予約遂行日時の天候や高速道路などの環境を考慮したり、予約遂行日時に特有なイベント情報などをも考慮したりする算出アルゴリズムであってもよい。
【0032】
(作用)
予約データに係るシェアカーが保管されている駐車場を特定するための駐車場データを、駐車場データ受信手段が受信する。 また、予約データに係る利用開始予定時刻および終了予定時刻または利用時間を特定する予定日時等データを予定日時等データ受信手段が受信する。 受信した駐車場データおよび前記の予定日時等データに基づいて当該予約データに係るシェアカーが立ち寄ることが可能な立ち寄り可能エリアを、立ち寄り可能エリア算出手段が算出する。そして、立ち寄り可能エリアに該当する電子クーポンを適切クーポン選択手段がクーポンデータベースから選択する。
【0033】
立ち寄り可能エリアを使って電子クーポンを選択するので、ユーザへ送信されるクーポンは、物理的に使うことが可能な電子クーポンのみに絞られる。ユーザはクーポンを選びやすく、車両管理サーバとしては、使われる可能性の無い電子クーポンを送信しなくて済み、通信量を抑えることとなる。
【0034】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明における適切クーポン選択手段は、以下のように限定してもよい。
すなわち、前記の適切クーポン選択手段には、前記の予約データに係る目的地データを受信する目的地データ受信手段と、
前記の予約データに係る利用開始予定時刻および終了予定時刻または利用時間を特定する予定日時等データを受信する予定日時等データ受信手段と、
前記の目的地データおよび前記の予定日時等データに基づいて当該予約データに係るシェアカーが立ち寄ることが可能な立ち寄り可能エリアを算出する立ち寄り可能エリア算出手段と、
前記の立ち寄り可能エリアに該当する電子クーポンを前記のクーポンデータベースから選択する適切クーポン選択手段と、
を備えた車両管理サーバとするのである(図9参照)。
【0035】
(作用)
予約データに係る目的地データを、目的地データ受信手段が受信する。 また、予約データに係る利用開始予定時刻および終了予定時刻または利用時間を特定する予定日時等データを、予定日時等データ受信手段が受信する。 目的地データおよび前記の予定日時等データに基づいて、当該予約データに係るシェアカーが立ち寄ることが可能な立ち寄り可能エリアを、立ち寄り可能エリア算出手段が算出する。 そして、立ち寄り可能エリアに該当する電子クーポンを、適切クーポン選択手段がクーポンデータベースから選択する。
【0036】
立ち寄り可能エリアを使って電子クーポンを選択するので、ユーザへ送信されるクーポンは、物理的に使うことが可能な電子クーポンのみに絞られる。ユーザはクーポンを選びやすく、車両管理サーバとしては、使われる可能性の無い電子クーポンを送信しなくて済み、通信量を抑えることとなる。
【0037】
(第一の発明のバリエーション3)
第二のバリエーションにおける適切クーポン選択手段は、以下のように限定してもよい。
すなわち、前記の目的地データを用いて当該目的地までの経路を算出する経路算出手段を備え、
前記の立ち寄り可能エリア算出手段は、前記の経路算出手段が算出した目的地までの経路沿いの所定領域を立ち寄り可能エリアに含めて算出することとするのである。
すなわち、「経路算出手段」は、サービス対象車両にカーナビゲーション装置が備えられていることとは別に、車両管理サーバに備えられている(図11参照)。
【0038】
(作用)
目的地データ受信手段が受信した目的地データを用いて、当該目的地までの経路を経路算出手段が算出する。そして、その経路に沿った所定領域が立ち寄り可能エリアに含まれ、当該経路に関わる電子クーポンが選択される。
ユーザは、その経路を選んで立ち寄り場所を選択する余地が生まれたり、経路選択の指針になったりする。
【0039】
(第一の発明のバリエーション4)
第一の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記のユーザが自らの予約に係るサービス対象車両に乗車してから所定の端末(たとえば多機能カーナビゲーション装置)を介して目的地を入力して送信した場合に、その目的地データを受信する車両データ受信手段を備え、
前記の車両データ受信手段は、当該サービス対象車両の現在位置である車両位置データを受信することとし、
前記の適切クーポン選択手段は、前記の目的地データおよび前記の車両位置データをも用いて電子クーポンを選択することとするのである(図11参照)。
【0040】
(作用)
ユーザが自らの予約に係るサービス対象車両から予約遂行時に目的地を入力して送信した場合に、その目的地データを車両データ受信手段が受信する。車両データ受信手段は、当該サービス対象車両の現在位置である車両位置データを受信する。適切クーポン選択手段は、目的地データおよび車両位置データをも用いて電子クーポンを選択する。
【0041】
ユーザが予約時に目的地を入力していない場合、またはユーザが予約時に入力していた目的地と異なる場合にも、適切な電子クーポンの発行が可能となる。
【0042】
(第一の発明のバリエーション5)
第一の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、サービス対象車両におけるエンジンのオンオフデータを取得するエンジンデータ受信手段を備え、
そのエンジンデータ受信手段は、前記のオンオフデータに係る時刻データをも取得することとし、
前記の適切クーポン選択手段は、前記の時刻データを伴う前記のオンオフデータをも用いて電子クーポンを選択することとするのである(図11参照)。
前記の「オンオフデータ」は、時刻データのみならず車両位置データに紐付けられたデータであることが望ましい。
【0043】
(用語説明)
「エンジンデータ」の「エンジン」とは、電気自動車の場合には車体を駆動させるメインモータとなる。一般にエンジンデータには、オンオフデータのほか、エンジンの回転数、車両の最高時速、車両の加速度などが含まれ、多くのデータは常時ではなく完結的に管理サーバへ送信する。ただし、エンジンを切った旨のオフデータは、タイムリーに管理サーバへ送信することが望ましい。
【0044】
(作用)
サービス対象車両におけるエンジンのオンオフデータをエンジンデータ受信手段が取得する。前記のオンオフデータには、時刻データを伴っている。時刻データを伴うオンオフデータを用い、クーポンデータベースに蓄積された条件を検証することによって、適切な電子クーポンの選択に寄与する。
クーポン提供者は、予約時から内容を変更した最新のクーポンを発行することができ、それをユーザへ届けることができる。
【0045】
(第一の発明のバリエーション6)
第一の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記のクーポンデータベースにおいては、電子クーポンの属性データとして当該クーポンを使用した場合に係る概算時間データを含むこととし、
前記の選択クーポン送信手段は、前記の適切クーポン選択手段が選択した電子クーポンが複数存在する場合に、その電子クーポンを前記の概算時間データを用いて所定の種類毎に分類して送信することとするのである(図14図15参照)。
【0046】
「概算時間データ」とは、たとえば、電子クーポンがランチタイムに対するドリンク無料サービスである場合ならば、ランチタイムにおけるドリンク付きの客の平均滞在時間が概算時間データとなる。また、電子クーポンがグッズプレゼントであれば、概算時間データは、ゼロ(受け取るために並ばないことが前提であれば)となる。
「電子クーポンを所定の種類毎に分類」するとは、たとえば、時間が掛かる/掛からないという観点からの分類である。より具体的には、クーポンを使ったサービス(たとえば肩こりマッサージ)を注文すると15分といった所定の時間が必ず経過するサービスと、クーポンを使っても時間の係らないサービス(たとえばグッズプレゼント)とを、分類する。
【0047】
分類の具体的手段としては、電子クーポンの色分け、フォルダ分け、などがある(図14(A)参照)。
なお、概念的には、「分類」を選択クーポン送信手段が実行する、と考えることができる場合と、適切クーポン選択手段が実行する、と考えることができる場合とがある。
【0048】
(作用)
適切クーポン選択手段が選択した電子クーポンが複数存在する場合、その電子クーポンを選択クーポン送信手段が所定の種類毎に分類して送信する。受信したユーザは、複数のクーポンの中から選ぶ作業が効率的となる。
クーポン発行者としては、分類されることで、結果としてユーザに発見して貰いやすく、更に使って貰いやすくなる。
【0049】
(第一の発明のバリエーション7)
第一の発明における前述のバリエーション3は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の経路算出手段は、サービス対象車両の現在位置データおよび返却地データを用いて返却経路を算出し、
その返却経路および返却予定時刻から概算した返却可能時刻と前記の返却予定時刻の差である余裕時間を概算する余裕時間概算手段を備え、
前記の適切クーポン選択手段は、前記の余裕時間との関係で選択可能な電子クーポンを選択することとするのである(図15参照)。
【0050】
(用語説明)
「余裕時間概算手段」が「返却経路および返却予定時刻から返却可能時刻」や、「その返却可能時刻と返却予定時刻との差である余裕時間」を「概算する」としているのは、返却経路に基づいて返却に実際にかかる時間を正確に算出するのは困難だからである。
【0051】
(作用)
サービス対象車両の現在位置データおよび返却地データを用いて、経路算出手段が返却経路を算出する。算出されたその返却経路および返却予定時刻から概算した返却可能時刻と前記の返却予定時刻の差である余裕時間を、余裕時間概算手段が概算する。
適切クーポン選択手段は、概算された余裕時間と、クーポンを使用した場合に要する時間とを勘案し、余裕時間内に収まるような電子クーポンを選択する。たとえば、余裕時間が1時間と概算された場合、クーポンによるサービス提供を受ける場所へ移動し、そのクーポンを使ったサービスを受けても1時間以内で収まるような電子クーポンだけを抽出するのである。
【0052】
(第二の発明)
第二の発明は、 車両共有サービスにおける車両および車両共有サービスに対する優待サービスを提供するための情報を管理する車両管理サーバを制御するためのコンピュータプログラムに係る。
前記の車両管理サーバは、 車両の利用状況や予約に関する車両管理データを蓄積する車両管理データベースと、 所定の優待サービスの内容および発行条件に関するデータを蓄積しているクーポンデータベースと、を備えている。
そして、コンピュータプログラムは、 サービス対象車両の利用を欲するユーザに係る通信端末から送信される予約データを受信する予約データ受信手順と、
その予約データ受信手順にて受信した予約データに含まれるサービス対象車両の貸出場所および貸出時間に関するデータと前記のクーポンデータとを用いて前記の発行条件に適合する電子クーポンを選択する適切クーポン選択手順と、
その適切クーポン選択手順にて選択した電子クーポンを前記の予約データに係るユーザに係る通信端末へ送信する選択クーポン送信手順と、
を車両管理サーバに実行させることとしたコンピュータプログラムである。
【0053】
第二の発明は、サービス対象車両を利用する利用者が当該サービス対象車両に乗車して向かう予定の目的地を入力した場合に、その目的地データを受信する目的地データ受信手順を、車両管理サーバに実行させることとしてもよい。
【0054】
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明は、以下のようにしてもよい。
すなわち、 前記の適切クーポン選択手順は、
前記の予約データに係るシェアカーが保管されている駐車場を特定するための駐車場データを受信する駐車場データ受信手順と、
前記の予約データに係る利用開始予定時刻および終了予定時刻または利用時間を特定する予定日時等データを受信する予定日時等データ受信手順と、
前記の駐車場データおよび前記の予定日時等データに基づいて当該予約データに係るシェアカーが立ち寄ることが可能な立ち寄り可能エリアを算出する立ち寄り可能エリア算出手順と、
前記の立ち寄り可能エリアに該当する電子クーポンを前記のクーポンデータベースから選択する適切クーポン選択手順と、
を含むこととしてもよい。
【0055】
(第二の発明のバリエーション2)
第二の発明は、以下のようにしてもよい。
すなわち、前記の適切クーポン選択手順は、
前記の予約データに係る目的地データを受信する目的地データ受信手順と、
前記の予約データに係る利用開始予定時刻および終了予定時刻または利用時間を特定する予定日時等データを受信する予定日時等データ受信手順と、
前記の目的地データおよび前記の予定日時等データに基づいて当該予約データに係るシェアカーが立ち寄ることが可能な立ち寄り可能エリアを算出する立ち寄り可能エリア算出手順と、
前記の立ち寄り可能エリアに該当する電子クーポンを前記のクーポンデータベースから選択する適切クーポン選択手順と、
を含むこととしてもよい。
【0056】
(第二の発明のバリエーション3)
第二の発明は、以下のようにしてもよい。
すなわち、前記の目的地データを用いて当該目的地までの経路を算出する経路算出手順を前記の車両管理サーバに実行させるとともに、
前記の立ち寄り可能エリア算出手順においては、前記の経路算出手順にて算出した目的地までの経路沿いの所定領域を立ち寄り可能エリアに含めて算出することとしてもよい。
【0057】
(第二の発明のバリエーション4)
第二の発明は、以下のようにしてもよい。
すなわち、前記のユーザが自らの予約に係るサービス対象車両に乗車してから所定の端末を介して目的地を入力して送信した場合に、その目的地データを受信する車両データ受信手順と、
当該サービス対象車両の現在位置である車両位置データを受信する現在位置データ受信手順と、を前記の車両管理サーバに実行させるとともに、
前記の立ち寄り可能エリア算出手順においては、前記の目的地データおよび前記の車両位置データをも用いて電子クーポンを選択することとしてもよい。
【0058】
(第二の発明のバリエーション5)
第二の発明は、以下のようにしてもよい。
すなわち、前記のサービス対象車両におけるエンジンのオンオフデータを取得するエンジンデータ受信手順と、
そのエンジンデータ受信手順にて取得したエンジンのオンオフデータに係る時刻データを取得するオンオフ時刻データ受信手順と、を前記の車両管理サーバに実行させるとともに、
前記の立ち寄り可能エリア算出手順においては、前記の時刻データを伴う前記のオンオフデータをも用いて電子クーポンを選択することとしてもよい。
【0059】
(第二の発明のバリエーション6)
第二の発明は、以下のようにしてもよい。
すなわち、前記のクーポンデータベースにおいては、電子クーポンの属性データとして当該クーポンを使用した場合に係る概算時間データを含むこととし、
前記の選択クーポン送信手順においては、前記の適切クーポン選択手段が選択した電子クーポンが複数存在する場合に、その電子クーポンを所定の種類毎に分類して送信することとしてもよい。
【0060】
(第二の発明のバリエーション7)
第二の発明は、以下のようにしてもよい。
すなわち、サービス対象車両の現在位置データおよび返却地データを用いて返却経路を算出する返却経路算出手順と、
その返却経路算出手順が算出した返却経路および返却予定時刻から概算した返却可能時刻と前記の返却予定時刻の差である余裕時間を概算する余裕時間概算手順と、を前記の車両管理サーバに実行させるとともに、
前記の適切クーポン選択手順においては、前記の余裕時間との関係で選択可能な電子クーポンを選択することとしてもよい。
【0061】
第二の発明に係るコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。
ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体である。例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-R、CD-RW、MO(光磁気ディスク)、DVD-R、DVD-RW、フラッシュメモリなどである。
また、この発明に係るプログラムを格納したコンピュータから、通信回線を通じて他の端末手段へ伝送することも可能である。
【発明の効果】
【0062】
第一の発明によれば、利用者、電子クーポン発行者、車両共有サービス事業者のいずれにとっても、より合理的な電子クーポンの発信に寄与する車両管理サーバを提供することができた。
第二の発明によれば、利用者、電子クーポン発行者、車両共有サービス事業者のいずれにとっても、より合理的な電子クーポンの発信に寄与する車両管理サーバ制御のコンピュータプログラムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】一般のカーシェアリングを示すハードウェア構成の概略図である。
図2】一般のカーシェアリングの予約シーンを示すブロック図である。
図3】一般のカーシェアリングの利用シーンを示すブロック図である。
図4】カーシェアリングサービスに伴う現状の電子クーポンの発行とその問題点(α)を示す概略図である。
図5】カーシェアリングサービスに伴う現状の電子クーポンの発行とその問題点(β)を示す概略図である。
図6】カーシェアリングサービスに伴う現状の電子クーポンの発行とその問題点(γ)を示す概略図である。
図7】本発明に係る実施形態におけるカーシェアリングの予約時のクーポン発行を示すブロック図である。
図8】主要部の詳細を示すブロック図である。
図9】主要部の詳細を示すブロック図である。
図10】予約したカーシェアリングのリマインド時のクーポン発行を示すブロック図である。
図11】カーシェアリングの予約遂行時のクーポン発行を示すブロック図である。
図12】カーシェアリングを利用して目的地へ到達する直前のクーポン発行をカーナビゲーション装置の画面として示した図である。
図13】カーシェアリングを利用して目的地へ到達する直前に発行されたクーポンの詳細表示をさせた場合のカーナビゲーション装置の画面として示した図である。
図14】カーシェアリングを利用して目的地へ到達した場合のクーポン発行を、カーナビゲーション装置の画面として示した図である。
図15】クーポンデータベースのデータ構造を中心に示した適切クーポン選択手段のブロック図である。
図16】車両が目的地へ到着した場合のクーポン発行を示すフローチャートである。
図17】クーポン利用によってカーシェアリングサービスを延長する場合を、カーナビゲーション装置の画面として示した図である。
図18】目的地到着時のおまかせクーポンの発行を示すブロック図である。
図19】おまかせクーポン発行を、カーナビゲーション装置の画面として示した図である。
図20】目的地到着時のおまかせクーポンの発行を示すブロック図である。
図21】目的地から返却地へ向かうまでの間にクーポンが発行される手順を示すフローチャートである。
図22】目的地から返却地へ向かうまでの間に優先クーポンが発行される手順を示すフローチャートである。
図23】電子クーポンが使用される手順を示すブロック図である。
図24】電子クーポンが使用された後の手順を示すブロック図である。
図25】目的地へ到着してから電子クーポンが使われた場合を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。ここで使用する図面は、図7から図25である。図1から図3は、従来技術の説明に用いたが、以下の実施形態においても、基本的な構成は同じであるので、必要に応じて参照する。また、図6は、図23などに示す実施形態との関係で説明する補足のための図である。
【0065】
以下、カーシェアリングサービスに用いる自動車(サービス対象車両)を「シェアカー」と表記する。
また、多機能カーナビゲーション装置のタッチパネルの表示画面のデザインや表示される文言は、適宜変更される。
本実施形態において説明するカーシェアリングを利用するには、管理および運営上の都合から、まず会員登録を済まさなければならないこととしている。すなわち、以下の実施形態に示すサービスを受けることができる「車両利用希望者」や「利用者」は、全て会員登録を済ませて「会員ユーザ」となっている。
【0066】
会員登録は、氏名や住所の他、利用料金の支払い口座などの会員データを予め登録する。その登録データは、会員データベースへ蓄積されるとともに、会員であることを認証するためのIDカード(図1では中「登録済みカードα」と表している)が発行される。このIDカードには、そのユーザが会員であることを認証するために必要なデータがICチップへ格納されたICカードであり、シェアカーに搭載されたカードリーダ(車両解錠センサ)にかざすことでそのデータが読み取れるようになっている。施錠されているシェアカーの解錠も、前記の登録済みカードにて行う。
【0067】
なお、ICカードの代わりに、会員登録によって発行された会員IDを非接触通信が可能な携帯情報機器(代表的にはスマートフォン)へインストールすることで、その携帯情報機器を用いることとしているカーシェアリングサービスもある。
【0068】
図7
図7は、車両管理サーバと、サービス対象車両(シェアカー)に搭載されたデータ処理装置と、シェアカーを利用する会員に係る携帯通信端末(スマートフォンを含む携帯電話、タブレット型PCなど)の関係を示している。
サービス対象車両には、車両管理サーバとの無線通信を実行する車載機、カードリーダとしての車両解錠センサ、およびカーナビゲーションのみならずカーシェアリングに関する各種の案内や会員ユーザからの連絡事項などを入出力する多機能カーナビゲーション装置が、データ処理装置として搭載されている(図1参照)。
【0069】
車両管理サーバは、サービス対象車両に関するデータを蓄積する車両管理データベース、電子クーポンに関するデータを蓄積するクーポンデータベース、会員ユーザに関するデータを蓄積する会員データベースを備える。前記の車両管理データベースには、サービス対象車両の予約に関する予約データを蓄積する予約データベースと、サービス対象車両を駐車している駐車場に関するデータを蓄積する駐車場データベースとを備える。
【0070】
会員ユーザは、会員カードのカード番号と通信端末とを用いて予約データを車両管理サーバへ送信する。車両管理サーバでは、その予約データを予約データ受信手段が受信する。そして、会員データベースにてカード番号を認証し、予約データベースを参照し、予約可否出力手段が予約の可否を判断する。判断結果は、予約可否出力手段が前記の通信端末へ返信する。
予約が可能な場合に、会員ユーザが予約の確定を意思表示することで予約が完了する。
【0071】
予約が可能であって予約が完了した場合、予約データに係る予約日時や目的地などのデータに適したクーポンデータをクーポンデータから抽出するのが適切クーポン選択手段である。抽出した電子クーポンは、予約完了出力手段にて前記の通信端末へ送信される。また、予約に係るサービス対象車両の車載機へも送信される。
更に、電子クーポン送信手段が予約した会員ユーザに係る携帯通信端末へ予約完了データと電子クーポンを出力する。
【0072】
図8
図8は、前述の適切クーポン選択手段を中心に、どのようなデータを用いて適切なクーポンを選択するかを詳述した図である。
電子クーポンの原資は、電子クーポンを使用できる商店などのスポンサーが提供し、車両管理サーバの管理運営者へ委託する。ポイント特典の場合には、車両管理サーバの管理運営者(カーシェアリング事業者)が提供する場合もある。
【0073】
予約に係るサービス対象車両が保管されている駐車場データ(たとえば、五反田第2パーク)を、駐車場データ受信手段が受信する。そして、その駐車場の位置データ(たとえば、品川区五反田一丁目~)を駐車場データベースから駐車場位置データ受信手段が取得する。
一方、予約可否判断手段からは、予約日時および利用終了時刻データ(たとえば、予約日時=10月1日13時、利用終了時刻=15時)を、予約日時等データ受信手段が受信する。
【0074】
立ち寄り可能エリア算出手段は、予約に係る駐車場位置データと予約日時および利用終了時刻とを用いて、立ち寄り可能エリアを算出する。たとえば、駐車場位置データを中心として半径50キロメートル、といったエリア(予約データによる借りる予定時間が13時から15時であり、その2時間で往復できる最大値)を算出する。適切クーポン選択手段は、クーポンデータベースの中から、算出した立ち寄り可能エリアに関わる電子クーポンのみを抽出し、選択されたクーポンとして選択クーポン送信手段を介して、所定の出力先へ出力するのである。
【0075】
会員ユーザからすれば、立ち寄ることが実質的に不可能なエリアの電子クーポンは提示されないので、選択はしやすい。クーポン提供者としても、立ち寄ってもらえない会員ユーザへ電子クーポンが送信されないことに、露出機会の減少というデメリットがあるとしても、実質的に大きな不都合はない。車両管理サーバとしては、送信すべきクーポンが厳選されるので、送信に関わる出力量を絞ることとなり、ハードウェア負担や通信料金を抑えられる。
【0076】
図9
図9もまた、前述の適切クーポン選択手段を中心に、どのようなデータを用いて適切なクーポンを選択するかを詳述した図である。
図8に示した実施形態との相違点は、予約か非判断手段から、目的地データを取得し、立ち寄り可能エリア算出手段が立ち寄り可能エリアを算出するのに活かしている点である。
【0077】
目的地データ受信手段は、予約可否判断手段から目的地を算出する。たとえば、「横浜市街」を目的地として受信したとすれば、横浜市街を中心に半径20キロメートル、という立ち寄り可能エリア(目的地の前後に立ち寄ってから返却予定時刻までに返却地へ戻るエリア)を算出する。
【0078】
会員ユーザからすれば、目的地の近傍以外の電子クーポンは提示されないので、選択はしやすい。クーポン提供者としても実質的にさほどの不都合はなく、車両管理サーバとしては送信すべきクーポンが厳選されるので、ハードウェア負担や通信料金を抑えられる。
【0079】
図10
図10は、適切クーポン選択手段が、予約日時が近づいた会員ユーザに係る携帯通信端末へ、予約のリマインドデータとともに適切なクーポンを選択して送信する状態を示した図である。
クーポン提供者としては、その会員ユーザが予約を完了した時点から改定したクーポンを車両管理サーバのクーポンデータベースへ送っておけば、その改訂したクーポンを会員ユーザに届けることができる、というメリットがある。
【0080】
図11
図11は、サービス対象車両の予約が遂行される時点およびそれ以降において、適切クーポン選択手段が、どのような選択を実行するか、を示している。
【0081】
予約日時に予約に係るサービス対象車両へ乗り込んだ会員ユーザは、多機能カーナビゲーション装置を用いて目的地を入力する。予約時に目的地が入力されている場合には、多機能カーナビゲーション装置へ「目的地」が仮に出力されているが、予約時に入力しなかった場合や、予約時から目的地を変更する場合などにおいては、新たな目的地を入力する。
【0082】
多機能カーナビゲーション装置へ入力された「当日の目的地データ」は、図示を省略した車載機を介して車両管理サーバへ送信され、車両データ受信手段が受信する。そして、その「当日の目的地データ」に適した電子クーポンを、立ち寄り可能エリア算出手段(図8)を含む適切クーポン選択手段が選択する。すると、予約遂行時における最新の電子クーポンが選ばれ、会員ユーザの手元へ届けられることとなる。
【0083】
目的地へ向かっているサービス対象車両は、搭載されたGPS(Global Position System)を介して取得した車両位置データを車両管理サーバへ定期的に送信している。目的地へ到着し、エンジンを切ると、エンジンがオフとなった旨のエンジンデータを車載機が車両管理サーバへ送信している。
【0084】
車両位置データやエンジンデータを受信した車両データ受信手段は、経路算出手段を用いて、目的地までの経路や返却地までの経路についての候補となる経路データを算出し、適切クーポン選択手段が選択するクーポンを選ぶ際に用いることとしてもよい。図中で経路選択手段およびその前後のデータ出入力を破線で示しているのは、必須の構成ではない旨を示す意図である。返却のための経路の算出のみであれば、サービス対象車両に搭載された多機能カーナビゲーション装置でも可能である、というのが必須の構成ではない理由の一つである。
【0085】
図11に示す実施形態によれば、最新の目的地データに応じた電子クーポンを会員ユーザへ届けることができる。車両位置データやエンジンデータを用いた最適な(条件をより絞った)電子クーポンの選択も可能である。経路算出手段を用いた場合には、その算出された経路データにおいて立ち寄り可能なエリアを用いた電子クーポンの選択も可能である。
【0086】
図12
図12(A)は、サービス対象車両から車両位置データを受信し、その車両位置データが目的地の近傍である旨を分析した車両管理サーバが、目的地の近辺で使用できる電子クーポンを抽出し、そのサービス対象車両へ送信したところ、多機能カーナビゲーション装置へ出力された画面の例示である。
【0087】
車両を停止してからカーナビゲーション装置を操作すべき旨、複数の電子クーポンを表示させる用意がある旨、が表示されている。そして、画面下に用意された「はい」、「いいえ」のボタンが用意されており、会員ユーザが「はい」を選択した場合を図示している。
【0088】
図12(B)は、適切クーポン選択手段が選択した電子クーポンの候補を例示したものである。4つが選択されたとして例示しているが、この画面に収まらない場合には、次の画面にも他のクーポンがある旨を画面のどこかで「次頁」などのボタンにて表示する。
【0089】
画面には、クーポンのサービス内容を簡潔に示した文字列と、そのサービスを提供する店舗名とが示された短冊として図示している。画面右上には、前画面に戻るための「戻る」ボタンが、画面右下には、電子クーポンの表示を終えて次の画面へ映るための「確認終了」ボタンが用意されている。
なお、この 図12(B)では、「100円引き Aラーメン屋」の電子クーポンを会員ユーザが選んだ状態を図示している。
【0090】
図13
図13は、選択したクーポンの詳細な説明が、地図とともに表示されている例である。画面の左上には、車両の「現在位置」、クーポンのサービスを提供する「Aラーメン屋の位置」、およびそのAラーメン屋を利用する場合に適切な「最寄りの駐車場」までが一画面で表示される。また、画面の右上端には、前の画面に戻るための「戻る」ボタンが、その「戻る」ボタンの下には、Aラーメン屋の住所や電話番号が表示されている。
【0091】
画面の下には、「このクーポンを自分のスマートフォンに送信する」というボタンが用意されている。会員ユーザがこのボタンをタッチすると、100円引きの電子クーポンが自らのスマートフォンへ送信される。このスマートフォンへの送信は、会員登録の際に登録した携帯情報端末のメールアドレスであり、会員データベースから引用することで、電子クーポンを送信することができる。
【0092】
会員ユーザは、駐車場へサービス対象車両を駐車してもスマートフォンを持ってAラーメン屋へ出向くはずであり、会計時に100円引きのサービスを受けるためにスマートフォンをAラーメン屋にて提示することとなる。
【0093】
図14
図14(A)は、選択したクーポンを分類して表示することができる例を示している。ここでは、クーポンの種類を、目的時間別に三種類、選べるようにしている。その三種類とは、「a.せっかちクーポン(お時間があまりない方へ)」、「b.ゆったりクーポン(お時間に余裕のある方へ)」、「c.おまかせクーポン(ボーナスポイント加算あり)」、である。
画面の下には、「せっかち」、「ゆったり」、「おまかせ」を選択できるボタンを用意している。
【0094】
図14(B)は、せっかちクーポンとして車両管理サーバが選んだ二種類のクーポン(Aラーメン屋の100円引き券、E牛丼の野菜サラダ無料)が、最も画面の上側に位置するように表示されている。また、前の場面で選択しなかった「ゆったりクーポン」も、その一部が見えるように表示されている。
【0095】
図15
図15では、適切クーポン選択手段が、前述のようなクーポンの種類分けができるようにするための構造や、その種類分けをしたクーポンの中から、所定の会員ユーザに適切な(選択しても問題ない)電子クーポンを選択する手順を概念的に図示している。
【0096】
この図に示すクーポンデータベースにおいては、クーポン提供者が準備した電子クーポンを、そのクーポンによって提供されるサービスを受けた場合に掛かる時間の長短別に分けて格納している。
たとえば、短時間クーポンというデータベースには、グッズの進呈や滞在時間が比較的短いサービスに関するクーポンを格納している。また、長時間クーポンというデータベースには、タイムチャージ式のサービス提供などにおいて、その時間を無料で延長する、滞在時間が長いことを前提としたサービスにおいて所定時間の駐車料金を割り引いたり無料化したりする、といったサービスに関するクーポンを格納している。
【0097】
なお、クーポンデータベースにおいて、多数の電子クーポンを予め何らかの基準によって分類しておき、その分類別のタグ付けなどの処理をしておくことで処理時間を短縮できる。
一方、キーワードなどを使って会員ユーザがクーポンを検索することができるようにしてもよい。
【0098】
時間毎に分類されたクーポンデータベースを用いて適切な電子クーポンを選択するため、この図において示す実施形態では、経路選択手段および余裕時間算出手段を備えている。
経路選択手段は、現在位置データおよび返却地データを用いるとともに、渋滞データなど当日現場のデータを用いて返却経路データを算出する。余裕時間算出手段は、その返却経路データと時刻データとを用いて余裕時間を算出する。算出された余裕時間から、会員ユーザが選んでも大丈夫な電子クーポンを適切クーポン選択手段が選択するのである。
【0099】
たとえば、Aラーメン店の100円引き電子クーポンを、適切クーポン選択手段が選択する場合は、Aラーメン店の平均滞在時間や駐車場への駐車および出庫、返却経路で返却地までに掛かると予想される予想時間などを加味して、返却時刻までに間に合うと算出された場合、である。
【0100】
図16
図16では、サービス対象車両が目的地へ到着した後に、当該車両の次の予約の有無、予約が無い場合に返却時刻を延長することを前提としたクーポンの選択などの手順を示すフローチャートである。
【0101】
サービス対象車両が目的地へ到着し(S1)、エンジン停止の旨を車載機が検知したら、その旨を車両管理サーバが受信する(S2)。その直前に受信した車両位置データが目的地と一致していれば、車両管理サーバにおいて当該サービス対象車両が目的地へ到着したことを推測できる(S3)。
【0102】
続いて、当該サービス対象車両に対して次の予約が入っているか否か(次予約データ)と、現在時刻とを取得する(S4)。車両管理データベースにて次予約データが入っているか否かで(S5)、選択すべきクーポンが異なってくる。次の予約が入っていない場合には、滞在時間が長くなる可能性のあるクーポンが選択できる(S6)。次の予約が入っていないので、返却時刻の延長が可能である旨を多機能カーナビゲーション装置の画面へ出力し、会員ユーザに延長を促す(S7)。
【0103】
次の予約が入っている場合には、滞在時間が短くて済む適切なクーポンを選択し、多機能カーナビゲーション装置の画面へ出力することとなる(S8,S9)。
次の予約が入っていない場合における延長の手続きについては、次の図17で説明するが、延長手続きがなされた場合には、その延長された時間を考慮したクーポンを選択し、多機能カーナビゲーション装置の画面へ出力することとなる(S9)。
【0104】
図17
図17(A)では、図14(A)において「ゆったり」ボタンをタッチした後を想定した多機能カーナビゲーション装置の画面出力を例示している。
このゆったりクーポンとしては、「C整体・接骨院の10分間無料」、「F家具・横浜店の駐車無料券」を例示している。サービスを受けた場合には、いずれも滞在時間が長くなる傾向にある。そこで、画面中央下付近に、カーシェアリングサービスにおける返却時刻を延長するための「延長申し込み画面へ移動」のボタンを用意している。
【0105】
なお、次予約データを検証した結果として延長ができない場合や、図15に示した余裕時間算出手段にて算出された余裕時間が短い場合などは、適切クーポン選択手段は、長時間クーポンを会員ユーザが選択できないように、画面出力する。
【0106】
図17(B)では、画面の左側から中央に掛けて地図画面と現在位置を、画面右には、様々なメニューボタンが出力されており、メニューボタンの中には、延長申し込みボタンが3種類含まれている。
【0107】
図18
図18では、図14(A)において「おまかせ」ボタンを選択できるようにするための構成を示している。また、データを示す斜字体における数字は、その順番を示している。
まず、目的地に着いたサービス対象車両が、車載機を介してエンジンデータ(エンジンを停止させた旨)を車両管理サーバへ送信する(1-2)。また、サービス対象車両は搭載されたGPSを介して車両位置データを定期的に送信している(1-1)。
【0108】
エンジンデータおよび車両位置データを車両データ受信手段で受信した車両管理サーバとしては、車両位置データとエンジンデータとから、サービス対象車両が目的地へ到着した旨を把握できる。受信した車両位置データおよびエンジンデータは、車両管理データベースにおける車両データベースへ蓄積する(2)。
【0109】
適切クーポン選択手段は、当該サービス対象車両に関する次予約データを車両データベースから引き出す(3-1)。また、車両管理サーバに内蔵されている時計から現在時刻(時刻データ)を引き出す(3-2)。そして、次予約データおよび時刻データ、加えて車両データ受信手段が受信した車両位置データ(目的地)を勘案した場合に適切な電子クーポンを、クーポンデータベースから引き出す(3-3)。このときの適切クーポン選択手段に関する詳細な構成や手順は、図15および図16に示したとおりである。
【0110】
なお、図18では、適切クーポン選択手段が外部の渋滞データベースから渋滞データを得て、用いることもできる旨(3-4)を示すため、渋滞データベースを破線で示している。
【0111】
適切クーポン選択手段は、以上のような様々なデータを用いて適切クーポンを選択する(4)。そして、選択された適切クーポンは、おまかせクーポンとしてサービス対象車両へ送信される(5)。
サービス対象車両において、多機能カーナビゲーション装置へ出力されたおまかせクーポンを会員ユーザが選択した場合、会員データベースに蓄積された会員ユーザに係る携帯情報端末のアドレスへ、選択されたおまかせクーポンを送信する(6)。
【0112】
図19
図19は、車両管理サーバから送信された「おまかせクーポン」を多機能カーナビゲーション装置において出力させた場合の例示である。図14(A)において「おまかせ」ボタンを選択した場合に出力される。
【0113】
画面の左側には、サービス対象車両の位置、おまかせクーポンのサービスが受けられる店舗(Bレストラン)の場所、およびおまかせクーポンを利用する場合に使う駐車場の位置が地図上に示されている。
【0114】
地図の下には、「右上のクーポンを選択すると、画面に表示されている駐車場の予約も完了します。カーシェア会員のポイントも100ポイントボーナス加算されます。」という説明文が表示される。
右側には、クーポンの内容、Bレストランの住所と電話番号が表示される。
【0115】
このおまかせクーポンは、会員ユーザに対してタイムマネジメントを代行し、クーポン提供者に対してはクーポン利用を介してお客様を呼び込む、ということとなり、会員ユーザおよびクーポン提供者の両者へメリットを提供している。
【0116】
図20
図20もまた図18と同様、図14(A)において「おまかせ」ボタンを選択できるようにするための構成を示している。
【0117】
図18との相違点は、外部の渋滞データベースに代わって、外部の天気データベースを用いることで、天気データを、適切クーポン選択手段が電子クーポンを選択する際に用いていることである。
【0118】
たとえば、天気データによって目的地付近が雨だった場合、「雨の日割引」といった雨の日に特有なサービス提供している電子クーポンを検索するのである。換言すれば、電子クーポンは、適用条件などのデータを含んでクーポンデータベースに蓄積されているのである。
【0119】
クーポンデータベースは、クーポン提供者から、予約時やリマインド時よりも後で発行した電子クーポンを受け付けることができる。そして、適切クーポン選択手段は、そうした新たな電子クーポンを選択の対象とすることができる。
【0120】
たとえば、クーポン提供者が雨なので客足が悪いと感じ、午後のテコ入れのために緊急クーポンを発行したとして、適切クーポン選択手段が選択する時点に間に合えば、そのクーポンが選択される対象となり得る。
【0121】
なお、図示を省略するが、図20に示した天気データベースと、図18に示した渋滞データベースの両方を用いる車両管理サーバとしての実施形態を提供することも、当然可能である。
【0122】
図21
図21では、サービス対象車両が目的地を出発して返却地に向かってスタートした後に、帰り道に適合するクーポンの選択などの手順を示すフローチャートである。図11では、経路算出手段を含むとして説明したが、サービス対象車両に搭載された多機能カーナビゲーション装置が帰り道ルートを検索する実施形態として説明する。
【0123】
目的地での用事を済ませた会員ユーザがサービス対象車両へ戻り、返却地に向けてスタートする(S11)。サービス対象車両のエンジンを始動させると、エンジンが始動した旨を車載機がエンジンデータとして車両管理サーバへ送信する(S12)。
【0124】
続いて、GPSが取得したサービス対象車両の位置データが車両管理サーバへ送信され、車両管理サーバにおいて、サービス対象車両が目的地を出発した旨を確認する(S13)。一方、サービス対象車両に搭載された多機能カーナビゲーション装置が、帰り道ルートを検索する(S14)。
【0125】
サービス対象車両の車載機は、車両管理サーバから多くの電子クーポンを受信しているが、多機能カーナビゲーション装置が検索した帰り道ルートの周辺において使えるクーポンでなければ、会員ユーザとしては提示されないほうがよい。そこで、帰り道ルートの周辺において使える電子クーポンのみを多機能カーナビゲーション装置にて出力するのである(S15,S16)。
【0126】
出力された電子クーポンを会員ユーザが選択した場合には、選択したその電子クーポンが会員ユーザに係る携帯端末へ送信される(S17,S18)。
【0127】
なお、多機能カーナビゲーション装置が検索した帰り道ルートのデータを車両管理サーバが受信し、その帰り道ルートの周辺に用意された電子クーポンを車両管理サーバの電子クーポン選択手段が選択し、サービス対象車両へ送信する、とする実施形態を提供することも可能である。
【0128】
図22
図22もまた図21と同様、サービス対象車両が目的地を出発して返却地に向かってスタートした後に、帰り道に適合するクーポンの選択などの手順を示すフローチャートである。図21に示した実施形態との大きな相違点は、帰り道ルートはサービス対象車両の多機能カーナビゲーション装置ではなく、車両管理サーバにて実行する点である(図11に示した「経路算出手段」を参照)。
【0129】
目的地から返却地に向けてスタートし(S21)。エンジンが始動した旨を車載機がエンジンデータとして車両管理サーバへ送信し(S22)、サービス対象車両の位置データが車両管理サーバへ送信され、車両管理サーバにおいて、サービス対象車両が目的地を出発した旨を確認する(S23)までは、図21と同様である。
【0130】
受信したエンジンデータおよび位置データと、車両管理サーバの車両管理データベースに蓄積されている返却地とを用いて、帰り道ルートを検索する(S14)。このとき、経路算出手段は、帰り道の候補が複数存在する場合には、ルート上に関連する電子クーポンが存在するルートを優先して出力するようにする。
【0131】
経路算出手段が算出した帰り道ルートのデータは、サービス対象車両へ送信され、多機能カーナビゲーション装置に出力される(S25)。その出力の際には、車両管理サーバが進めたい電子クーポンが存在する場合、その電子クーポンが使いやすいルートを優先的に表示するようにしている。そして、そのルート画面と同じ画面へクーポンを表示させる(S26)。
【0132】
出力された電子クーポンを会員ユーザが選択した場合には、選択したその電子クーポンが会員ユーザに係る携帯端末へ送信される(S27,S28)。
【0133】
この実施形態によれば、クーポン発行者に都合の良い帰り道ルートを会員ユーザへ案内することができる。会員ユーザとして、特段の不都合はなく、不快な思いをすることも想定しにくいので、車両管理サーバの運営者(カーシェアリングサービスの提供者)を含め、いずれにもメリットのある実施形態であると考えられる。
【0134】
図6
図6を用いて、現状のカーシェアリングサービスに伴う電子クーポン発行に関する問題点を分析する。
Aラーメン屋が電子クーポンを発行しているとする。Aラーメン屋は、カーシェアリングサービスを提供している車両管理サーバのみならず、他の媒体(たとえばインターネット広告を活用している場合には、そのネット広告サーバ)にも電子クーポンの発行を依頼している、という場合が多い。図6は、その状況を表現している。
【0135】
さて、カーシェアリングサービスの利用者としてのユーザYは、カーシェアリングサービスを利用した際に、Aラーメン屋が発行した電子クーポンを受信する。
Aラーメン屋は、ネット広告サーバへ電子クーポンを送信し、その電子クーポンはネット広告サーバ内に設けられたクーポンデータベースに蓄積される(1)。ユーザZが自らの端末にてネット広告サーバにアクセスし、そのコンテンツ配信手段を介して閲覧すると(2)、クーポン配信手段を介して電子クーポンが配信されてくる(3)。
【0136】
ユーザZがAラーメン屋を訪れて電子クーポンを使ったサービスを受けたとしても、Aラーメン屋としては、ネット広告サーバという広告媒体にて集客できたのか、カーシェアリングサービスを媒体として集客できたのか、については、検証できない。
【0137】
電子クーポンを発行する媒体毎に電子クーポンの種類を異ならせる、たとえば、電子クーポンのデザインを変更する、という手段を選択すれば、前記の問題(媒体毎の広告効果の検証ができない問題)を解決できる。しかし、広告媒体毎にデザインを変更するのは、広告の準備段階での負担が大きい。
【0138】
図23
図23は、図6にて示した問題点を解決するための構成をブロック図として描いている。データのやり取りに対して数字を入れ、順番を示している。
【0139】
ある場所(図中では「目的地」として図示しているが、目的地に限らなくてよい)へ到着したサービス対象車両は、GPSが取得した車両位置データとエンジンを停止させた旨のエンジンデータとを車両管理サーバへ送信する(1,2)。車両管理サーバにて受信した車両位置データおよびエンジンデータは、車両管理データベースにおける車両データベースに蓄積されるとともに(3-1)、適切クーポン選択手段において用いられる(3-2)。
【0140】
適切クーポン選択手段は、車両位置データなどの条件に基づいてクーポンデータベースから適切な電子クーポンを選択する(3-3)。そして、選択した電子クーポンを、会員データベースに蓄積されたデータを用いて(4-2)、会員ユーザに係る携帯情報端末や多機能カーナビゲーション装置へ適切クーポン送信手段が出力する(5)。
【0141】
電子クーポンを携帯情報端末で受信した会員ユーザがクーポン発行店であるAラーメン屋を訪れ、電子クーポンを使用したとする。Aラーメン店において電子クーポンが使用された旨のクーポン使用データは、車両管理サーバにおけるクーポン使用データ受信手段が受信する(6)。
【0142】
クーポン使用データ受信手段が受信したクーポン使用データは、車両データ受信手段が受信していた車両位置データ、エンジンデータを用いて使用クーポン分析手段が照合し(7-1,7-2,8)、車両管理サーバから発信された電子クーポンか否かを推定することができる。その推定結果は、会員データベースに反映する(8)。
【0143】
図24
図24は、前述した使用クーポン分析手段の(広義の)構成を詳述したブロック図となる。
使用クーポン分析手段は、車両位置データを受信する車両位置データ受信手段と、車両のエンジンのオンオフに関するエンジンデータを受信するエンジンデータ受信手段と、電子クーポンが使用された旨のクーポン使用データ受信手段と、を備える。
【0144】
また、発行および使用された電子クーポンの発行店の住所地データを蓄積しているクーポンデータベースと、クーポン使用データに基づいてクーポンが使用された時刻を特定する使用時刻特定手段と、各種データを用いて車両管理サーバから発行された電子クーポンであるか否かを判断する使用可否判断手段と、を備える。
クーポン使用データにおけるクーポンが使用された時刻は、Aラーメン屋がクーポン使用データを発信する際の時刻、車両管理サーバにおけるクーポン使用データ受信手段がクーポン使用データを受信した時刻などを用いる。
【0145】
使用可否判断手段は、前記のエンジンデータに基づいてエンジンが停止し始めて再びエンジンが始動するまでの停止時刻と、クーポン使用データにおけるクーポン使用時刻とを照合する。
たとえば、エンジンが停止していた時刻が13:05~13:40であり、クーポン使用時刻が13:32であれば、サービス対象車両を駐車している時間内に電子クーポンが使われているので、その電子クーポンは車両管理サーバから発行された電子クーポンである可能性があるということになる。
【0146】
また、使用可否判断手段は、車両位置データと使用された電子クーポンに係る店舗の住所とを照合する。たとえば、サービス対象車両の車両位置データは、駐車場のある横浜市西区海岸2丁目であるとし、電子クーポンに係るサービス提供の店舗住所が横浜市西区海岸1丁目であるならば、その電子クーポンは車両管理サーバから発行された電子クーポンである可能性があるということになる。
【0147】
使用可否判断手段は、前述したように、時刻および場所のデータを照合することで、クーポン使用データに係る電子クーポンが車両管理サーバから発行された電子クーポンであるか否かを判断(推定)できることとなる。
【0148】
なお、図24に示す構成においては、クーポン使用データに係る電子クーポンが車両管理サーバから発行された電子クーポンである、と判断できた場合には、会員ポイント演算手段が会員ユーザに対してポイントを加算する、といった付加手段を備えているとして説明している。加算したポイントに関するデータは、会員データベースへ蓄積する。
【0149】
また、使用可否判断手段の判断結果は、クーポンデータベースへ蓄積する。クーポン発行者に対して、クーポン発行の効果についてのデータとなる。クーポン発行者としては、クーポン発行の効果について検証するための材料とすることができる。
【0150】
図25
図25は、図24に示した構成と処理手順とを簡略化し、フローチャートとして示したものである。
まず、サービス対象車両が、出発前に入力した目的地へ到着したとする(S31)。なお、図24に示した構成によって、発行された電子クーポンの効果検証をすることができるのは、目的地への到着に限らない。
【0151】
予約時に設定した目的地の周辺に、予め用意された電子クーポンが存在するか否かを、適切クーポン選択手段が選択し(S32)、存在する場合には電子クーポンを発行する(S33)。図12および図13においては、会員ユーザが電子クーポンの使用意志を示した場合に、会員ユーザに係る携帯情報端末へ電子クーポンを送信することとして説明しているが、使用意思の確認を省略した場合として、S33の吹き出しを加えている。
【0152】
一方、車両管理サーバにおいては、エンジンデータを受信している(S34)。エンジンデータは停止時刻および再始動時刻を受信するが、この図では停止時刻のエンジンデータを受信したステップのみを示している。
【0153】
会員ユーザが電子クーポンを使用した旨を、車両管理サーバが受信する(S35)。そして、図24で示した使用可否判断手段が、クーポン使用時にエンジンが所定範囲で停止していたか否かを判断する(S36)。クーポン使用時にエンジンが所定範囲で停止していたと判断できる場合には、当該会員ユーザへポイントを加算する(S37)。
【0154】
使用可否判断手段の判断結果を用いることで、電子クーポンの提供者はクーポン発行について、この媒体(カーシェアリング事業サービス)を介する効果を検証することができる。カーシェアリング事業の提供者としては、電子クーポンの配布および使用実績のデータに基づく成功報酬的な収益を得ることが可能となる。
【0155】
なお、図24では、図23における使用クーポン分析手段を詳述したとして説明したが、この使用クーポン分析手段を、車両管理サーバから独立させ、使用クーポン分析サーバとして提供することは当然可能である。
【0156】
換言すれば、カーシェアリングサービスなどの車両共有サービスを運営する事業主体と、その事業主体が媒介して発行する電子クーポンなどの販売促進活動を検証する事業主体とを、別々にすることが可能である。
更に付言すれば、可能と言うだけではなく、電子クーポンの発行者からは、独立性を求められる可能性がある。その要望に応えるためには、車両共有サービスを運営する事業主体と電子クーポンなどの販売促進活動を検証する事業主体とを独立させる必要もある。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、カーシェアリングまたはレンタカーを管理運営するサービス業、カーシェアリングまたはレンタカーを実現するためのサポートをする情報通信サービス業、カーシェアリングまたはレンタカーの運営のためのコンピュータソフトウェアを作成するソフトウェア産業、カードクレジット業などにおいて利用可能性を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25