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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】間仕切りの補強構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20230105BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
E04B2/74 531Z
E04G23/02 D
E04B2/74 531R
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018247144
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020105861
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(74)【代理人】
【識別番号】100206106
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 正史
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-331773(JP,A)
【文献】特開2008-057153(JP,A)
【文献】特開2018-197467(JP,A)
【文献】特開2011-157771(JP,A)
【文献】特開2001-032415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72 - 2/82
E04G 23/02
E04B 1/343
E06B 1/00 - 1/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に間隔を存する状態で床面側から立設する複数の縦支柱と、該縦支柱に支持される状態で設けられる横架材と、これら縦支柱、横架材に組み付けられる縦横の枠材と、これら縦横の枠材によって囲撓される空間に配設される板材とを備えて構成した間仕切りにおいて、前記縦支柱に、縦枠材の見付け面部に当接する状態で補強縦材を取付けるにあたり、縦支柱は、下端縁部が床面に固定される床レールに支持され、上端縁部が天井面には至らない自立型のものであり、補強縦材は下端縁部が床面に支持されていることを特徴とする間仕切りの補強構造。
【請求項2】
補強縦材は、縦支柱に固定される補強縦支柱と、該補強縦支柱に取り付けられる補強縦枠材とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の間仕切りの補強構造。
【請求項3】
補強縦材と床レールとのあいだは、縦枠材の見付け面部が床レールに対して見込み方向に延出していることで隙間が形成され、該隙間は、上端縁部が縦枠材の下端縁部に当接する状態で床レールに固定される補助金具を介して塞がれていることを特徴とする請求項1または2記載の間仕切りの補強構造。
【請求項4】
左右方向に間隔を存する状態で床面側から立設する複数の縦支柱と、該縦支柱に支持される状態で設けられる横架材と、これら縦支柱、横架材に組み付けられる縦横の枠材と、これら縦横の枠材によって囲撓される空間に配設される板材とを備えて構成した間仕切りにおいて、前記縦支柱に、縦枠材の見付け面部に当接する状態で補強縦材を取付けるにあたり、該補強縦材は、縦支柱に固定される補強縦支柱と、該補強縦支柱に取り付けられる補強縦枠材とを備えて構成されるとともに、補強縦材の床面への支持は、補強縦支柱の下端縁部が床面に固定される支持金具を介して床面に支持されることでなされていることを特徴とする間仕切りの補強構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物の室内空間を仕切るため建て付けられる間仕切りの補強構造の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、建造物の室内空間を仕切るため、間仕切りを建て付けることが試みられるが、このような間仕切りを、床面から天井面にまで至る構成にした場合、該間仕切りは、上下両持ち状になって床面側だけでなく天井面側からの支持も受けた構造になって強度的に強いものにすることができるが、天井面にまでは至らない所謂自立型のものにした場合、床面側からだけの片持ち状の支持構造となり、どうしても強度的に弱いものになる。特に、間仕切りが天井部にまで至らない自立型のものである場合に、前記強度的に弱いことに加え、上端側部位が押さえのない遊端構造になるため前後方向に振れ(揺れ)易いものになって安定性に欠けるという問題がある。
そこでこのような間仕切りの強度アップを図るため、間仕切りの左右方向中間部に袖パネル部を見込み方向(前後方向)に突出するようにして設けることが試みられている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-96133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが前記袖パネル部を設けることで強度アップを図ったものの場合、該袖パネル部が邪魔になって室内の有効空間が狭くなるだけでなく、袖パネル部に人がぶつかったりする等の問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、左右方向に間隔を存する状態で床面側から立設する複数の縦支柱と、該縦支柱に支持される状態で設けられる横架材と、これら縦支柱、横架材に組み付けられる縦横の枠材と、これら縦横の枠材によって囲撓される空間に配設される板材とを備えて構成した間仕切りにおいて、前記縦支柱に、縦枠材の見付け面部に当接する状態で補強縦材を取付けるにあたり、縦支柱は、下端縁部が床面に固定される床レールに支持され、上端縁部が天井面には至らない自立型のものであり、補強縦材は下端縁部が床面に支持されていることを特徴とする間仕切りの補強構造である。
請求項の発明は、補強縦材は、縦支柱に固定される補強縦支柱と、該補強縦支柱に取り付けられる補強縦枠材とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の間仕切りの補強構造である。
請求項の発明は、補強縦材と床レールとのあいだは、縦枠材の見付け面部が床レールに対して見込み方向に延出していることで隙間が形成され、該隙間は、上端縁部が縦枠材の下端縁部に当接する状態で床レールに固定される補助金具を介して塞がれていることを特徴とする請求項1または2記載の間仕切りの補強構造である。
請求項4の発明は、左右方向に間隔を存する状態で床面側から立設する複数の縦支柱と、該縦支柱に支持される状態で設けられる横架材と、これら縦支柱、横架材に組み付けられる縦横の枠材と、これら縦横の枠材によって囲撓される空間に配設される板材とを備えて構成した間仕切りにおいて、前記縦支柱に、縦枠材の見付け面部に当接する状態で補強縦材を取付けるにあたり、該補強縦材は、縦支柱に固定される補強縦支柱と、該補強縦支柱に取り付けられる補強縦枠材とを備えて構成されるとともに、補強縦材の床面への支持は、補強縦支柱の下端縁部が床面に固定される支持金具を介して床面に支持されることでなされていることを特徴とする間仕切りの補強構造である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、間仕切りは、縦支柱に取り付けられる補強縦材により補強されることになって、従来のように中間に袖パネル部を用いないでの補強をすることができるが、この場合に、床レールに支持される縦支柱が天井面にまでは至らない自立型の間仕切りであっても、床面に支持される補強縦材による補強がなされることになって、確実な強度アップが図れることになる
請求項の発明とすることにより、補強縦材が、縦支柱に固定される補強縦支柱と、該補強縦支柱に取り付けられる補強縦枠材とにより構成されている結果、補強縦材をより強いものにできることになって間仕切りの一層の強度アップが図れることになる。
請求項の発明とすることにより、補強縦材を設けたことにより、該補強縦材と床レールのあいだに隙間が形成されることになるが、この隙間が、上端縁部が縦枠材の下端縁部に当接する状態で床レールに固定される補助金具により塞がれることになる結果、該補助金具による縦枠材側の補強支持もできることになって、間仕切りの更なる補強を達成できることになる。
請求項4の発明とすることにより、補強縦材は、補強縦支柱の下端縁部が床面に固定される支持金具を介して床面に支持されることで下端縁部の補強がなされる結果、補強縦材の補強が床面から直接支持されたものとなって補強強度の向上が図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】間仕切りの正面図である。
図2】間仕切りの縦横の補強材を分解した状態を示す斜視図である。
図3】間仕切りの横断面図である。
図4】(A)(B)は間仕切りの横架材部位の縦断面図、縦支柱の下端縁部位の縦断面図である。
図5】縦支柱部位の要部縦断面図である。
図6】(A)(B)は補強横架材を取り付けた状態を示す要部縦断面図、補強横枠材を取り付けた状態を示す要部縦断面図である。
図7】(A)(B)は補強縦支柱を縦支柱に固定した状態を示す部位の要部横断面図、補強縦枠材を補強縦支柱に固定した状態を示す部位の要部横断面図である。
図8】縦支柱の下端部部位の横断平面図である。
図9】(A)(B)(C)は補助金具取付け状態を示す分解斜視図、支持金具取付け状態を示す分解斜視図、支持金具取付け部位の要部横断面図である。
図10】端間仕切り部が設けられた状態の補強縦部材の上端部位の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1はビル等の建造物の室内空間を仕切るため建て付けられる間仕切りであって、該間仕切り1は、床面Fに設けられる床レール2に対して見付け方向(左右方向)に間隙を存して複数の縦支柱(縦方向の骨材)3が立設され、該縦支柱3間にガラス板等の薄板状の板材4が組込まれたものとして構成されるが、上端縁部については天井面Hから離間した(天井面Hよりも低くなった)自立型のものとして構成されている。そして本実施の形態の間仕切り1は、左右端縁部が躯体壁部に支持されない(取付けられない)ものであるため、左右両端縁部には、見込み方向(前後方向)互いに逆側に向けて延出した端間仕切り部1aが設けられたものになっているが、本発明は、このような構成に限定されるものではない。
【0009】
前記縦支柱3はC型の型材で構成され、左右の見込み面部3aの下端縁部が切り欠かれていることで見付け面部3bが床レール2を前後方向から跨ぐ状態で外嵌した構成になっているが、縦支柱3には、縦枠材5の嵌合溝部5bが外嵌組み込みされているが、縦枠材5には、板材4の左右端縁部を嵌合(嵌入)組み込みして支持するための支持溝部5aが、溝底面部5eを前記嵌合溝部5bの溝底面部と共通する状態で形成されている。
この場合に図3に示すように、左右方向中間部位の縦支柱3に対しては、縦枠材5が左右方向両側(見付け方向両側)から嵌合組み込みされている。
これに対し、左右方向端縁部部位の縦支柱3のうち、端間仕切り部1aが設けられるとは反対側に後述する補強縦材17が設けられることになる縦支柱3(図3の右側端の縦支柱3)については、板材4を嵌合支持するため前記縦枠材5が左右方向内側から組込みれる一方、外側からは支持溝部のない縦枠材6が組込まれている。
一方、左右方向端縁部部位の縦支柱3のうち、端間仕切り部1aが設けられる側の縦支柱3(図3の左側端の縦支柱3)については、支持溝部5aが形成された縦枠材5と、支持溝部のない縦枠材6とが前後方向から嵌合組込みされた構造になっている。
そして本実施の形態においては、隣接する縦枠材5、6または5、6間に、縦支柱3の面部が溝底面部になる状態で凹溝状の縦目地Xが形成された構成となっている。
【0010】
一方、隣接する縦支柱3の上端縁部間には、冂字形をした横架材(横方向の骨材)7の左右端縁部が左右の見込み面部3aに突き当てられた状態で、L字形をしたコーナー金具8を介して縦支柱3と横架材7とが一体的に固定され、これによって縦支柱3と横架材7とにより縦横に一体化された枠組み(骨組み)構造になっているが、横架材7に対して、上側からは前記縦枠材5と同様、支持溝部9aを備えた天井面H側の第一の横枠材(笠木枠材)9の嵌合溝部9bが外嵌組み込みされる一方で、下側からは板材4を取り付けるため係脱自在な押し縁部10cを備えた第二の横枠材10の嵌合溝部10bが外嵌組み込みされている。尚、10aは板材4を嵌合組込みするため押し縁部10cを組み付けた状態にすることで形成される支持溝部である。
また床レール2には、左右の縦枠材5に左右両端縁部が突き当てられるようにして上側から外嵌組み込みされる第三の横枠材11が設けられている。そして板材4は、四周枠構造を構成する縦枠材5(または6)、第二、第三の横枠材10、11の支持溝部5a、10a、11aに嵌合組込みされることになる。
因みに第一横枠材9については、第一横枠材9を横架材7に固定するビス16eを塞ぎ材15で目隠しするため支持溝部9aが設けられたものを採用したが、第一横枠材9が上側から視認されないくらい高い位置に配されるものである場合には、そのような配慮は必要なく、このような場合には支持溝部のないもの、例えば縦枠材6と同様のものを採用してもよいことは勿論である。
【0011】
そして本実施の形態においては、各縦枠材5、6、各横枠材9、10、11は、縦支柱3、横架材7に外嵌取付けされた状態になっているが、これら各縦枠材5、6、各横枠材9、10、11は、縦支柱3、横架材7の見込み面部3a、7a、見付け面部3b、7bに対して見込み方向および見付け方向に間隙(空間、スペース)を存する状態でそれぞれ見込み面部、見付け面部が形成されており、これによって縦支柱、横架材に対して、各対応する枠材が中空状になる状態で組み付けられているが、これら面部については、以降、必要がある場合に引出符号をつけて説明をする。
【0012】
次に、この様に構成された間仕切り1の補強構造について具体的に説明をするが、まずは横架材7に補強横材12を設けた場合の補強構造について説明する。
本実施の形態において補強横材12は、横架材7の一方の見付け面部7a側に設けられたものとして説明するが、これに限定されず、前後両側の見付け面部7aに設けたものであってもよい。さらに補強横材12を取り付ける場合に、左右両端部位の縦支柱3のうち、前記端間仕切り部1aが突出する側の縦支柱(図3の左側の縦支柱)3部位については、端間仕切り部1aがあることで補強横材12をここまで延出できないが、反対側の縦支柱3部位については端間仕切り部1aがないので、該縦支柱3部位まで補強横材12を延出したものとして構成することができる。
【0013】
そして本実施の形態の補強横材12は、補強横架材(補強骨材)13と補強横枠材14とを用いて構成されているが、補強横架材13は、見込み方向(前後方向)外側が開口したC型の型材で形成されたものであり、溝底面部となる見付け面部13aが第一横枠材9の見付け面部9cに突き当てられた(当接した)状態で、該見付け面部13a、第一横枠材9の見付け面部9cおよび嵌合溝部9bの溝側面部9dを貫通したビス16を横架材7の見付け面部7aに螺入することで補強横架材13は横架材7に一体的に固定される構成になっているが、本実施の形態では、上側に配される第一横枠材9の見付け面部9cが、下側に配される第二横枠材10の見付け面部10dに対して前後方向手前側に突出した(はみ出た)構造になっているため、補強横架材13の見付け面部13aと第一横枠材9の見込み面部9cとが当接する構成にしたものであって、補強横架材13の見付け面部13aを、第二横枠材10の見付け面部10dに当接するように構成してもよく、さらには第一、第二の横枠材9、10の見付け面部9c、10dの両者に当接するように構成してもよいことは言うまでもない。
このように横架材7に固定される補強横架材13としては、間仕切りの全幅に亘って長い一本の長尺材を用いることが強度上好ましいと言えるが、間仕切り1が左右方向に長い場合、中間で分断(切断)したものを採用することができ、その場合に、左右方向中間の縦支柱3部位で分断したものでなく、該縦支柱3に対して左右方向に越える長尺材、つまり縦支柱3を中間に挟んで見付け方向両側に至るものとすることで、間仕切り1が縦支柱3部位で折れ曲がることに対する補強を図ることができることになる。このことは後述する補強横枠材についても同様である。
【0014】
一方、前記補強横枠材14は、本実施の形態では前記縦枠材5と同様の形状をしているため、支持溝部14aと嵌合溝部14bとを備えた構造になっており、嵌合溝部14bを前後方向手前側から補強横架材13に外嵌した状態で、両溝面部14a、14bに共通の溝底面部14cから補強横架材13の見付け面部13a、第二横枠材10の見付け面部10dにビス16aが螺入されており、これによって、補強横枠材14は補強横架さ材13に一体的に固定されている。勿論、補強横枠材14を、ビス長を長くして横架材7に固定しても本発明を実施することができる。因みにビス16、16aの螺入位置は、左右方向に位置ずれした状態になるよう設定されているが、これに限定されないものであることは勿論である。
【0015】
次に間仕切り1の縦支柱3に補強縦材17を設けた構成について説明をする。
この場合に補強縦材17は、補強横材12が設けられた側に設けたものになっているが、これに限定されないものであることは勿論であって、必要において少なくとも一方側に設けたものであればよく、また縦支柱3の全てに補強縦材17を設ける必要はなく、要求される強度に対応して選択された縦支柱3に設けたものとして実施できることは言うまでもない。
【0016】
前記補強縦材17は、縦支柱3に固定される補強縦支柱(補強骨材)18と、該補強縦支柱18に取り付けられる補強縦枠材19とを備えて構成されている。前記補強縦支柱18は、見込み方向外側が開口したC型の型材で形成されたものであり、溝底面部となる見付け面部18aが縦枠材5の見付け面部5cに突き当てられた(当接した)状態で、該見付け面部18aから左右縦枠材5間に形成される縦目地X部位を通って縦支柱3の見付け面部3bにビス16bを螺入することで、補強縦支柱18が縦支柱3に一体的に固定されている。
【0017】
一方、補強縦枠材19は、前記縦枠材5と同様のものを採用している(これに限定されないことは言うまでもない。)が、嵌合溝部19bを補強縦支柱18に外嵌した状態で、支持溝部19aの溝底面部19cから螺入したビス19dを補強縦支柱18の見付け面部18aに螺入することで補強縦枠材19の補強縦支柱18に対する取付け固定ができるが、ビス19dを長いものにして縦支柱3にまで螺入する構成にしても実施することができる。この場合に、ビス16b、19dについても上下方向に位置ずれしたものとして構成しているが、これに限定れないことは言うまでもない。
【0018】
さらに補強縦支柱18の下端縁部には、有底筒状の支持金具20が内嵌しており、該支持金具20の底面部20aから螺入するビス20bを介して支持金具20が床面Fに固定されているが、該支持金具20は、さらにビス20cを介して補強縦支柱18に固定され、このようにすることにより、補強縦支柱18の床面Fに対する固定支持がなされている。
また本実施の形態では、縦枠材5に当接する状態で補強縦材17を設けたことにより、該補強縦材17と床レール2とのあいだには隙間が形成されたものとなり、そこで本実施の形態では、冂字形をした補助金具21の跨面部21aを床レール2に当接した状態で、該跨面部21aをビス21bを用いて床レール2に固定する構成としており、これによって前記隙間は補助金具21により塞がれたものとなっているが、該補助金具21は、上端縁部が縦支柱3および縦枠材5の下端縁部に当接する状態で組み込まれるため、縦支柱3、縦枠材5の下端縁部に対する床面Fからの支持を受けることができるようになっている。尚、2aは床レール2を床面Fに固定するためのビスである。
【0019】
叙述の如く構成された本実施の形態において、間仕切り1は、左右方向に間隔を存する状態で床面F側から立設する複数の縦支柱3と該縦支柱3に支持される状態で設けられる横架材7とにより縦横枠の構造が形成され、これら縦支柱3、横架材7に組み付けられる縦横の枠材5、9、10、11と、これら縦横の枠材5、9、10、11によって囲撓される空間に配される板材4とを備えて構成されたものになっているが、この場合に、補強縦材17は、縦枠材5の見付け面部5cに当接する状態で、縦支柱3にまで螺入するビス16bを介して該縦支柱3に固定支持されているため、間仕切り1を、従来のように左右方向中間部位に立設する縦支柱3から袖パネル部を延設して補強するような必要性が回避され、例えば天井面Hが高く、床面Fと天井面Hとのあいだが広くあいた室内空間を間仕切りしたような場合において、間仕切り1を、中間に袖パネル部を設けたものにしない、あるいは袖パネル部の数を少なくしたものにしても必要な強度を確保できることになって、間仕切り1で仕切った室内空間を袖パネル部による邪魔がない、あるいは低減された状態にして有効に使うことができる。
【0020】
しかもこの場合に、縦支柱3を、下端縁部が床面Fに固定される床レール2に支持され、上端縁部が天井面Hには至らない自立型のものとしたときに、補強縦材12についても、下端縁部が床面Fに支持された自立型のものとなる結果、間仕切り1の強度アップを確実に測ることができる。
そのうえこのものでは、補強縦材17が、縦支柱3に固定される補強縦支柱18と、該補強縦支柱18に取り付けられる補強縦枠材19とを備えたものとして構成されている結果、間仕切り1は、床面Fからの支持が、縦支柱3と補強縦支柱18による二重の支持構造となって補強縦材17をより強いものにでき間仕切り1の一層の強度アップが図れることになる。
【0021】
この場合に、補強縦材17の床面Fへの支持は、補強縦支柱18の下端縁部が床面Fに固定される支持金具20を介して床面Fに支持されることになるため、補強縦材17の補強が床面Fから直接支持されたものとなって補強強度の向上が図れると共に、補強縦材17の床面Fへの支持構造が簡単になる。
また、補強縦支柱18と床レール2とのあいだには、補強縦材17を設けたことにより隙間が形成されることになるが、この隙間が、上端縁部が縦枠材5の下端縁部に当接する状態で床レール2に固定される補助金具21により塞がれることになる結果、該補助金具21による縦枠材5側の補強支持もできることになって、間仕切り1の更なる補強を達成できることになる。
さらにまた、このものは補強縦材17の上端部が補強横材12に当接した構成となっており、この結果、縦支柱3、横架材7部位がそれぞれ補強縦材17、補強横材12により補強されることになることに加え、補強縦材17と補強横材12とが当接することによる支持構造による補強も加味することになって、一段と優れた補強構造を提供できることになる。
【0022】
因みに本実施の形態においては、前記補強横材12が設けられた構成になっているが、この補強横材12についても独自の効果がある。つまりこのものでは、前記第一横枠材9に、横架材7にまで螺入するビス16を介して固定支持される補強横材12が取付けられているため、間仕切り1の横架材7部位での補強ができることになる。
しかもこのものでは、縦支柱3の上端縁部に設けられる横架材7に補強横材12が取付けられたものになっており、この結果、このような自立型の間仕切り1において、遊端状になった上端縁部での補強が補強横材12を用いて確実にできることになって、間仕切り1の実質的な補強がなされることになる。
さらにこのものでは、補強横材12は、間仕切り1の左右幅略全体に亘る長尺物として構成されているため、左右方向中間位置に立設する中間位置の縦支柱3に対して左右方向に越えたものとなり、この結果、折れ曲がりやすい左右方向中間位置の縦支柱3部位での強度補強ができることになる。
【0023】
尚、本発明は前記実施の形態のものに限定されないことは勿論であって、補強横材がないもの、つまり補強縦材だけで間仕切りを補強することができ、この場合、図10の第二の実施の形態のように、補強縦材17は、上端縁部を間仕切り1の上端縁部にまで至ったものになると共に、該上端縁部を、塞ぎ材22により塞いだものとしており、このようにしても本発明を実施することができる。
因みにこのものでは、補強縦支柱18を間仕切り1の上端縁部にまでは至らない短いものとする一方、補強縦枠材19を間仕切り1の上端縁部にまで至るものとし、そして塞ぎ材22をL字形の取付け金具22aを用いてビス22bで固定した構成としている。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、建物の室内空間を仕切る間仕切りの補強構造として利用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 間仕切り
2 床レール
3 縦支柱
3a 見込み面部
3b 見付け面部
4 板材
5 縦枠材
5c 見付け面部
7 横架材
7a 見込み面部
7b 見付け面部
9 第一横枠材
9c 見付け面部
12 補強横材
13 補強横架材
13a 見付け面部
14 補強横枠材
17 補強縦材
18 補強縦支柱
18a 見付け面部
19 補強縦枠材
F 床面
H 天井面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10