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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】巻上げシステム
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20230105BHJP
   E06B 9/74 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E06B9/74 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019015376
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2020122341
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】板井 亮祐
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開平7-40995(JP,U)
【文献】特開2016-194194(JP,A)
【文献】実開平5-81496(JP,U)
【文献】登録実用新案第3148106(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/16
E06B 9/00
E06B 9/02
E06B 9/06-9/18
E06B 9/40-9/50
E06B 9/56-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部の開閉を行うための開閉体を開閉機を介して巻き上げるための巻上げシステムであって、
前記開閉機の回転軸に接続された駆動手段であって、前記開閉機を電動で駆動させるための駆動手段と、
前記開閉体を収納する収納手段の外部に設けられ、且つ前記駆動手段に対して直接又は間接に接続された駆動側配線に取り付けられたコネクタであって、前記駆動手段に電力を供給する電源手段に対して直接又は間接に接続された電源側配線を着脱自在に接続するためのコネクタと、
前記駆動手段の駆動によって前記開閉体の巻き上げを指示する巻上信号の入力を受け付ける操作手段と、
前記操作手段と電気的に接続された制御手段であって、前記操作手段による前記巻上信号の入力の有無に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、
前記コネクタを、前記建物の床面に位置する作業者が当該コネクタと前記電源側配線との着脱作業を実施可能となる位置に配置し、
前記電源側配線は、
前記コネクタ側に位置する第1電源側配線と、
前記電源手段側に位置する第2電源側配線と、を備え、
前記第1電源側配線を介して前記制御手段と前記コネクタとを相互に接続すると共に、前記第2電源側配線を介して前記制御手段と前記電源手段とを相互に接続することにより、前記電源側配線、前記操作手段、及び前記制御手段を搬送可能とした、
巻上げシステム。
【請求項2】
建物の開口部の開閉を行うための開閉体を開閉機を介して巻き上げるための巻上げシステムであって、
前記開閉機の回転軸に接続された駆動手段であって、前記開閉機を電動で駆動させるための駆動手段と、
前記開閉体を収納する収納手段の外部に設けられ、且つ前記駆動手段に対して直接又は間接に接続された駆動側配線に取り付けられたコネクタであって、前記駆動手段に電力を供給する電源手段に対して直接又は間接に接続された電源側配線を着脱自在に接続するためのコネクタと、
前記収納手段の外部に設けられ、且つ前記コネクタに電気的に接続された操作手段であって、前記駆動手段の駆動によって前記開閉体の巻き上げを指示する巻上信号の入力を受け付ける操作手段と、
前記収納手段の外部又は内部に設けられ、前記操作手段による前記巻上信号の入力の有無に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、
前記コネクタを、前記建物の床面に位置する作業者が当該コネクタと前記電源側配線との着脱作業を実施可能となる位置に配置し、
前記駆動側配線は、
前記コネクタ側に位置する第1駆動側配線と、
前記駆動手段側に位置する第2駆動側配線と、を備え、
前記第1駆動側配線を介して前記制御手段と前記コネクタとを相互に接続すると共に、前記第2駆動側配線を介して前記制御手段と前記駆動手段とを相互に接続することにより、前記操作手段及び前記制御手段を前記建物の躯体又は前記収納手段に設置可能とした、
巻上げシステム。
【請求項3】
建物の開口部の開閉を行うための開閉体を開閉機を介して巻き上げるための巻上げシステムであって、
前記開閉機は、第1制御手段によって制御される電動式の開閉機であり、
前記開閉機の回転軸に接続された駆動手段であって、前記開閉機を電動で駆動させるための駆動手段と、
前記開閉体を収納する収納手段の外部に設けられ、且つ前記駆動手段に対して直接又は間接に接続された駆動側配線に取り付けられたコネクタであって、前記駆動手段に電力を供給する電源手段に対して直接又は間接に接続された電源側配線を着脱自在に接続するためのコネクタと、
前記駆動手段の駆動によって前記開閉体の巻き上げを指示する巻上信号の入力を受け付ける操作手段と、
前記操作手段にて受け付けられた前記巻上信号の入力の有無に基づいて前記駆動手段を制御する第2制御手段と、を備え、
前記コネクタを、前記建物の床面に位置する作業者が当該コネクタと前記電源側配線との着脱作業を実施可能となる位置に配置し、
前記第2制御手段は、前記操作手段による前記巻上信号の入力が受け付けられている場合には、前記第1制御手段による前記開閉機の制御を中止する旨を指示する中止信号を前記第1制御手段に対して出力する、
巻上げシステム。
【請求項4】
前記コネクタを、前記開口部の近傍に位置する前記建物の躯体の部分のうち前記床面よりも上方側の部分に対して直接又は間接に取り付けた、
請求項1から3のいずれか一項に記載の巻上げシステム。
【請求項5】
前記コネクタを収納するためのコネクタ収納手段を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の巻上げシステム。
【請求項6】
前記電源手段は、100Vの商用交流電源である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の巻上げシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻上げシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の壁等に設けられた開口部には、火災発生時の延焼を防止する防災手段として、開口部を閉鎖する防火シャッターが設けられている。この防火シャッターにおいては、シャッターカーテンを火災発生時にのみ降下させればよく頻繁に降下させる必要がないので、手動式の防火シャッターが多く用いられている。このような防火シャッターに対しては、シャッターカーテンを火災発生時に正常に降下可能であることを確認するため、点検作業が定期的に行われている。この点検作業においては、シャッターカーテンによって開口部を閉鎖した後、シャッターカーテンを巻上げて初期状態に復帰させるために、シャッターカーテンを巻上げる巻上げ作業を行っている。しかしながら、上述の如き手動式の防火シャッターにおいては、シャッターカーテンを手動で巻上げる必要があるため、作業者の労力が大きかった。特に、シャッターの開閉方向の長さ(高さ)が比較的高い場合や点検対象となるシャッターの数が多い場合には、巻上げ作業を手動で行うことは、作業者にとって大きな負担となっていた。
【0003】
そこで、このような作業者の負担を軽減するために、例えば、防火シャッターを構成するシャッター収納部の内部において防火シャッターを構成する開閉機の回転軸と着脱自在に接続された駆動部であって、開閉機を電動で駆動させるための駆動部と、開閉機と駆動部とを水平方向に並設した状態で、駆動部を開閉機の筐体に対して着脱自在に固定する固定部と、シャッター収納部の外部において商用電源と配線を介して接続された操作部であって、操作入力を受け付ける操作部と、シャッター収納部の内部において、駆動部と配線及びコネクタを介して電気的に接続された制御ユニットであって、操作部を介して受け付けられる巻上信号の入力の有無に基づいてシャッターカーテンの巻上げを行う制御部を備える制御ユニットと、を備えた巻上げ装置が開示されている(特許文献1参照)。また、上記コネクタは、シャッター収納部の内部に配置されたコネクタであって、制御ユニットから張り出された配線と操作部側に位置する配線とを着脱自在に接続するコネクタと、シャッター収納部の外部において操作部よりも上方位置に配置されたコネクタであって、上記操作部側に位置する配線と操作部から張り出された配線とを着脱自在に接続するコネクタとを備えている。このような巻上げ装置によれば、作業者が床面上にいながら巻上げ作業を行うことができるため、巻上げ作業を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-194194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の巻上げ装置においては、上述したように、コネクタをシャッター収納部の内部に配置すると共に、コネクタをシャッター収納部の外部において操作部よりも上方位置に配置するので、例えば、制御ユニットをシャッター収納部の内部に配置した状態で、配線及びコネクタを用いて制御ユニットと操作部とを接続する作業を行う場合には、作業者が当該作業をシャッター収納部の周辺位置又はその近傍位置の如き高所位置で行う必要があるので、作業者の安全性を確保することが難しくなるおそれがあった。したがって、上記作業の安全性の観点からは改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、コネクタと配線との着脱作業を簡易且つ安全に行うことが可能となる、巻上げシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の巻上げシステムは、建物の開口部の開閉を行うための開閉体を開閉機を介して巻き上げるための巻上げシステムであって、前記開閉機の回転軸に接続された駆動手段であって、前記開閉機を電動で駆動させるための駆動手段と、前記開閉体を収納する収納手段の外部に設けられ、且つ前記駆動手段に対して直接又は間接に接続された駆動側配線に取り付けられたコネクタであって、前記駆動手段に電力を供給する電源手段に対して直接又は間接に接続された電源側配線を着脱自在に接続するためのコネクタと、前記駆動手段の駆動によって前記開閉体の巻き上げを指示する巻上信号の入力を受け付ける操作手段と、前記操作手段と電気的に接続された制御手段であって、前記操作手段による前記巻上信号の入力の有無に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記コネクタを、前記建物の床面に位置する作業者が当該コネクタと前記電源側配線との着脱作業を実施可能となる位置に配置し、前記電源側配線は、前記コネクタ側に位置する第1電源側配線と、前記電源手段側に位置する第2電源側配線と、を備え、前記第1電源側配線を介して前記制御手段と前記コネクタとを相互に接続すると共に、前記第2電源側配線を介して前記制御手段と前記電源手段とを相互に接続することにより、前記電源側配線、前記操作手段、及び前記制御手段を搬送可能とした。
【0008】
請求項2に記載の巻上げシステムは、建物の開口部の開閉を行うための開閉体を開閉機を介して巻き上げるための巻上げシステムであって、前記開閉機の回転軸に接続された駆動手段であって、前記開閉機を電動で駆動させるための駆動手段と、前記開閉体を収納する収納手段の外部に設けられ、且つ前記駆動手段に対して直接又は間接に接続された駆動側配線に取り付けられたコネクタであって、前記駆動手段に電力を供給する電源手段に対して直接又は間接に接続された電源側配線を着脱自在に接続するためのコネクタと、前記収納手段の外部に設けられ、且つ前記コネクタに電気的に接続された操作手段であって、前記駆動手段の駆動によって前記開閉体の巻き上げを指示する巻上信号の入力を受け付ける操作手段と、前記収納手段の外部又は内部に設けられ、前記操作手段による前記巻上信号の入力の有無に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記コネクタを、前記建物の床面に位置する作業者が当該コネクタと前記電源側配線との着脱作業を実施可能となる位置に配置し、前記駆動側配線は、前記コネクタ側に位置する第1駆動側配線と、前記駆動手段側に位置する第2駆動側配線と、を備え、前記第1駆動側配線を介して前記制御手段と前記コネクタとを相互に接続すると共に、前記第2駆動側配線を介して前記制御手段と前記駆動手段とを相互に接続することにより、前記操作手段及び前記制御手段を前記建物の躯体又は前記収納手段に設置可能とした。
【0009】
請求項3に記載の巻上げシステムは、建物の開口部の開閉を行うための開閉体を開閉機を介して巻き上げるための巻上げシステムであって、前記開閉機は、第1制御手段によって制御される電動式の開閉機であり、前記開閉機の回転軸に接続された駆動手段であって、前記開閉機を電動で駆動させるための駆動手段と、前記開閉体を収納する収納手段の外部に設けられ、且つ前記駆動手段に対して直接又は間接に接続された駆動側配線に取り付けられたコネクタであって、前記駆動手段に電力を供給する電源手段に対して直接又は間接に接続された電源側配線を着脱自在に接続するためのコネクタと、前記駆動手段の駆動によって前記開閉体の巻き上げを指示する巻上信号の入力を受け付ける操作手段と、前記操作手段にて受け付けられた前記巻上信号の入力の有無に基づいて前記駆動手段を制御する第2制御手段と、を備え、前記コネクタを、前記建物の床面に位置する作業者が当該コネクタと前記電源側配線との着脱作業を実施可能となる位置に配置し、前記第2制御手段は、前記操作手段による前記巻上信号の入力が受け付けられている場合には、前記第1制御手段による前記開閉機の制御を中止する旨を指示する中止信号を前記第1制御手段に対して出力する。
【0010】
請求項4に記載の巻上げシステムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の巻上げシステムにおいて、前記コネクタを、前記開口部の近傍に位置する前記建物の躯体の部分のうち前記床面よりも上方側の部分に対して直接又は間接に取り付けた。
【0011】
請求項5に記載の巻上げシステムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の巻上げシステムにおいて、前記コネクタを収納するためのコネクタ収納手段を備える。
【0012】
請求項6に記載の巻上げシステムは、請求項1から5のいずれか一項に記載の巻上げシステムにおいて、前記電源手段は、100Vの商用交流電源である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の巻上げシステムによれば、収納手段の外部に設けられ、且つ駆動手段に対して直接又は間接に接続された駆動側配線に取り付けられたコネクタであって、駆動手段に電力を供給する電源手段に対して直接又は間接に接続された電源側配線を着脱自在に接続するためのコネクタを備え、コネクタを、建物の床面に位置する作業者が当該コネクタと電源側配線との着脱作業を実施可能となる位置に配置したので、作業者が地上にいながら上記着脱作業を実施でき、従来技術(コネクタをシャッター収納部の内部に配置し、且つコネクタをシャッター収納部の外部において操作部よりも上方位置に配置した技術)に比べて、作業者が収納手段付近で上記着脱作業を行う必要がなくなることから、上記着脱作業を簡易且つ安全に行うことが可能となる。
また、操作手段と、操作手段と電気的に接続された制御手段と、を備え、第1電源側配線を介して制御手段とコネクタとを相互に接続すると共に、第2電源側配線を介して制御手段と電源手段とを相互に接続することにより、電源側配線、操作手段、及び制御手段を搬送可能としたので、電源側配線、操作手段、及び制御手段をまとめて搬送することができる。よって、例えば、建物において開閉体、開閉機、駆動手段、コネクタ、及び駆動側配線を備える開閉装置が複数設置されている場合に、電源側配線、操作手段、及び制御手段からなるセットを1つ用意しておくだけで、このセットを用いて各開閉装置の開閉体の巻上げを行うことができ、巻上げシステムの設置コストの低減化を図りやすくなる。
【0015】
請求項2に記載の巻上げシステムによれば、収納手段の外部に設けられ、且つ駆動手段に対して直接又は間接に接続された駆動側配線に取り付けられたコネクタであって、駆動手段に電力を供給する電源手段に対して直接又は間接に接続された電源側配線を着脱自在に接続するためのコネクタを備え、コネクタを、建物の床面に位置する作業者が当該コネクタと電源側配線との着脱作業を実施可能となる位置に配置したので、作業者が地上にいながら上記着脱作業を実施でき、従来技術(コネクタをシャッター収納部の内部に配置し、且つコネクタをシャッター収納部の外部において操作部よりも上方位置に配置した技術)に比べて、作業者が収納手段付近で上記着脱作業を行う必要がなくなることから、上記着脱作業を簡易且つ安全に行うことが可能となる。
また、収納手段の外部に設けられ、且つコネクタに電気的に接続された操作手段と、収納手段の外部又は内部に設けられた制御手段と、を備え、第1駆動側配線を介して制御手段とコネクタとを相互に接続すると共に、第2駆動側配線を介して制御手段と駆動手段とを相互に接続することにより、操作手段及び制御手段を建物の躯体又は収納手段に設置可能としたので、駆動側配線、操作手段、及び制御手段をまとめて躯体又は収納手段に設置することができる。よって、上記着脱作業を行う際に制御手段及び操作手段を搬送する必要がなくなるため、電源側配線を用いて操作手段及び制御手段を接続する場合に比べて、上記着脱作業の効率化を図りやすくなる。
【0016】
請求項3に記載の巻上げシステムによれば、収納手段の外部に設けられ、且つ駆動手段に対して直接又は間接に接続された駆動側配線に取り付けられたコネクタであって、駆動手段に電力を供給する電源手段に対して直接又は間接に接続された電源側配線を着脱自在に接続するためのコネクタを備え、コネクタを、建物の床面に位置する作業者が当該コネクタと電源側配線との着脱作業を実施可能となる位置に配置したので、作業者が地上にいながら上記着脱作業を実施でき、従来技術(コネクタをシャッター収納部の内部に配置し、且つコネクタをシャッター収納部の外部において操作部よりも上方位置に配置した技術)に比べて、作業者が収納手段付近で上記着脱作業を行う必要がなくなることから、上記着脱作業を簡易且つ安全に行うことが可能となる。
また、開閉機が、第1制御手段によって制御される電動式の開閉機であり、巻上信号の入力を受け付ける操作手段と、操作手段にて受け付けられた巻上信号の入力の有無に基づいて駆動手段を制御する第2制御手段と、を備え、第2制御手段が、操作手段による巻上信号の入力が受け付けられている場合には、中止信号を第1制御手段に対して出力するので、中止信号の出力を行わない場合に比べて、第1制御手段による開閉機の制御と第2制御手段による駆動手段の制御とが同時に行われることで開閉機又は駆動手段が故障することを回避できる。
【0017】
請求項4に記載の巻上げシステムによれば、コネクタを、開口部の近傍に位置する建物の躯体の部分のうち床面よりも上方側の部分に対して直接又は間接に取り付けたので、上記着脱作業の作業性を維持しながら、コネクタを安定して取り付けることができる。
【0018】
請求項5に記載の巻上げシステムによれば、コネクタを収納するためのコネクタ収納手段を備えるので、コネクタ収納手段にコネクタを収納できる。よって、コネクタが外部から露出することを防止できることから、例えば、コネクタを常設する場合において第三者によってコネクタが不用意に触れられることを回避しやすくなる。
【0019】
請求項6に記載の巻上げシステムによれば、電源手段が、100Vの商用交流電源であるので、他の電源手段に比べて電力を比較的確保しやすくなるため、巻上げシステムの使用性を高めやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態1に係る開閉装置を概念的に示す正面図である(一部図示省略)。
図2図1の収納部の周辺領域を示す図である(一部図示省略)。
図3図2のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。
図4】蓋部を閉じた状態のコネクタ収納部を示す正面図である。
図5】実施の形態1に係る巻上げ処理のフローチャートである。
図6】実施の形態2に係る開閉装置を概念的に示す正面図である(一部図示省略)。
図7】蓋部を閉じた状態のコネクタ収納部を示す正面図である。
図8】実施の形態3に係る開閉装置を概念的に示す正面図である(一部図示省略)。
図9】実施の形態3に係る巻上げ処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る巻上げシステムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部の開閉を行うための開閉体を開閉機を介して巻上げるための巻上げシステムに関するものである。
【0024】
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、天井、又は床等)において窓や入り口を設置するために形成された開口部である。また、開閉体、開閉機、及び巻上げシステムを備える「開閉装置」とは、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、重量シャッター、軽量シャッター、窓シャッター、パイプシャッター等を含む概念である。また、開閉装置の開閉構造は任意であり、例えば「上下開閉式の開閉装置」、「左右開閉式の開閉装置」等として構成することができる。また、開閉装置の駆動方式は任意であり、例えば、「手動式の開閉装置」、「電動式の開閉装置」等が該当する。以下、実施の形態1、2では、開閉装置が、商業施設の如き建物の外壁に設けられた上下開閉式且つ手動式のシャッター装置である場合について説明し、実施の形態3では、開閉装置が、建物の外壁に設けられた上下開閉式且つ電動式のシャッター装置である場合について説明する。
【0025】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0026】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る巻上げシステムについて説明する。この実施の形態1は、開閉装置が、手動式のシャッター装置であり、後述の電源側配線に接続された後述の巻上側制御部を備える形態である。
【0027】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る巻上げシステムが適用される開閉装置の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を開閉装置の左右方向(-X方向を開閉装置の左方向、+X方向を開閉装置の右方向)、図3のY方向を開閉装置の前後方向(+Y方向を開閉装置の前方向(建物の屋外側の方向)、-Y方向を開閉装置の後方向(建物の屋内側の方向))、図1のZ方向を開閉装置の上下方向(+Z方向を開閉装置の上方向、-Z方向を開閉装置の下方向)と称する。
【0028】
開閉装置1は、図1から図3に示すように、概略的に、収納部10、ガイドレール20、開閉体30、巻取軸40、駆動側軸受部41、従動側軸受部(図示省略)、開閉機50、自動閉鎖装置(図示省略)、手動閉鎖装置(図示省略)、及び巻上げシステム60を備えている。ただし、開閉装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
【0029】
(構成-収納部)
図1に戻り、収納部10は、開閉体30を収納するための収納手段である。この収納部10は、例えば天井納まり式の収納ケースを用いて構成されており(又は露出納まり式の収納ケースであってもよい)、具体的には、鋼製の中空体にて形成されており、図1から図3に示すように、建物における開口部3の上端部よりも上方に設置されている(具体的には、建物の天井9bよりも上方に設置されている)。また、この収納部10の内部には、巻取軸40が収納されていると共に、巻取軸40にて開閉体30が巻上げられた状態では、開閉体30の少なくとも一部も収納部10の内部に収納される。
【0030】
また、図2図3に示すように、この収納部10は、駆動側軸受板11、駆動側取付片12、従動側軸受板13、従動側取付片(図示省略)、及びケース板14を備えている。
【0031】
(構成-収納部-駆動側軸受板、駆動側取付片)
駆動側軸受板11は、収納部10の収納空間の左端部を覆うための板材であり、図2図3に示すように、上記収納空間の左端部を覆うように略垂直に設けられ、駆動側取付片12に対して固定具等によって接続されている。駆動側取付片12は、建物の躯体2(具体的には、外壁)に対して駆動側軸受板11を取り付けるための板材であり、図3に示すように、駆動側軸受板11よりも後方において躯体2と対向するように設けられており、躯体2に対して固定具等によって接続されている。
【0032】
(構成-収納部-従動側軸受板、従動側取付片)
従動側軸受板13は、上記収納空間の右端部を覆うための板材であり、図2に示すように、上記収納空間の右端部を覆うように略垂直に設けられ、従動側取付片に対して固定具等によって接続されている。従動側取付片は、躯体2に対して従動側軸受板13を取り付けるための板材であり、従動側軸受板13よりも後方において躯体2と対向するように設けられており、躯体2に対して固定具等によって接続されている。
【0033】
(構成-収納部-ケース板)
ケース板14は、上記収納空間の背面、上面、及び下面を覆うための湾曲状の板材であり、図2図3に示すように、上記収納空間の背面、上面、及び下面を覆うように設けられ、躯体2に対して固定具等によって接続されている。
【0034】
また、図3に示すように、収納部10の下方側に位置する天井9bには、開閉体30を中心とする建物の屋外側と建物の屋内側にそれぞれまぐさ10aが設けられている。そして、これらまぐさ10aの相互間には、まぐさ開口10bが、開口部3の左右方向全長にわたって形成されていることで、このまぐさ開口10bを介して開閉体30の出し入れが行われる。
【0035】
(構成-ガイドレール)
図1に戻り、ガイドレール20は、開閉体30を開口部3の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、例えば横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、図1に示すように、開閉装置1の左右の各端部において、上下方向に略沿う方向で配置されており、躯体2に対して直接的に固定されており、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
【0036】
(構成-開閉体)
開閉体30は、開口部3の開閉を行うものであり、具体的には、巻取軸40の回転駆動によって閉鎖移動又は開放移動されることで、開閉体30の状態を全開状態、全閉状態、又は半開状態にすることができる。この開閉体30は、例えば公知のシャッターカーテンを用いて構成されている。具体的には、図1に示すように、複数のスラット31を備えており、各スラット31の上下の両端部に形成された嵌合部(図示省略)を介して複数のスラット31が相互に嵌合接続されている。また、この開閉体30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。また、この開閉体30の下端部には、座板33が接続されている。この座板33は、全閉状態において建物の床面9aと近接し、又は接触するように配置されたものであり、開閉体30の下端部の左右方向全長にわたって形成されている。
【0037】
(構成-巻取軸)
巻取軸40は、開閉体30を開閉移動させるためのものである(なお、図3では、巻取軸40の最大巻き径Mが図示されている)。この巻取軸40は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、図2図3に示すように、左右方向に沿って設置されている。また、この巻取軸40には開閉体30の上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸40を回転させることで、連結スラットを介して開閉体30を開閉移動させることができる。
【0038】
また、図2に示すように、この巻取軸40には、駆動側フランジ部(図示省略)、及び従動側シャフト部40aが設けられている。このうち、駆動側フランジ部は、巻取軸40と駆動側軸受部41とを接続するための接続手段であり、略円柱状体にて形成されており、当該駆動側フランジ部の軸方向が左右方向に沿うように配置され、駆動側軸受部41(具体的には、後述する駆動側軸受部本体)に対して固定具等によって接続されている。従動側シャフト部40aは、巻取軸40と従動側軸受部とを接続するための接続手段であり、長尺な棒状体にて形成されており、図2に示すように、従動側シャフト部40aの軸方向が左右方向に沿うように配置され、従動側軸受部に対して回転可能に挿入されている。
【0039】
(構成-駆動側軸受部)
駆動側軸受部41は、巻取軸40を回転可能に支持するための軸受部であり、図3に示すように、駆動側軸受部本体(図示省略)及び巻取軸側スプロケット42を備えている。
【0040】
このうち、駆動側軸受部本体は、駆動側軸受部41の基本構造体であり、例えば公知の駆動軸等を用いて構成されており、駆動側フランジ部に対して固定具等によって接続されていると共に、駆動側軸受板11に対して嵌合構造等によって回転可能に固定されている。また、巻取軸側スプロケット42は、開閉機50からの回転駆動力を伝達部材43(例えば、環状のローラチェーン等)を介して駆動側軸受部本体に伝達するためのものである。この巻取軸側スプロケット42は、例えば公知のスプロケット等を用いて構成されており、図3に示すように、駆動側軸受部本体における巻取軸40側の端部とは反対側の端部(具体的には、駆動側軸受部本体の右端部)又はその近傍に設けられており、駆動側軸受部本体に対して固定具等によって固定されている。
【0041】
(構成-従動側軸受部)
従動側軸受部は、巻取軸40を回転可能に支持するためのものである。この従動側軸受部は、例えば従動側シャフト部40aを回転可能に接続可能な公知のベアリング部材等を用いて構成され、従動側軸受板13の巻取軸40側の側面(具体的には、従動側軸受板13の左側面)に設けられている。具体的には、従動側シャフト部40aを挿入した状態で配置され、従動側軸受板13に対して固定具等によって固定されている。
【0042】
(構成-開閉機)
図1に戻り、開閉機50は、開閉体30の巻上げ又は巻出しを行うためのものであり、具体的には、手動で巻取軸40を回転駆動することによって開閉体30を閉鎖移動又は開放移動させる。この開閉機50は、例えば公知の手動式の開閉機等を用いて構成され、図1に示すように、収納部10の外部において、巻取軸40よりも前方位置であり、且つ駆動側軸受部41の近傍に設けられている。
【0043】
また、この開閉機50は、図2図3に示すように、入力軸51、出力軸52、開閉機側スプロケット53、開閉機本体54、及び手動操作部55を備えている。
【0044】
このうち、入力軸51は、連結軸(図示省略)を介して回転駆動力を出力軸52に伝達するための回転軸である。この入力軸51は、図2に示すように、当該入力軸51の一部が開閉機本体54の右端部から外部に向けて突出するように配置されており、開閉機本体54に対して回転可能に固定されている。また、出力軸52は、入力軸51から連結軸を介して伝達された回転駆動力を巻取軸40に伝達するためのものである。この出力軸52は、図2に示すように、当該出力軸52の一部が開閉機本体54の左端部から外部に向けて突出するように配置されており、開閉機本体54に対して回転可能に固定されている。また、開閉機側スプロケット53は、出力軸52から伝達された回転駆動力を伝達部材43を介して巻取軸側スプロケット42に伝達するためのものであり、図2に示すように、出力軸52の左端部に固定されている。
【0045】
また、開閉機本体54は、開閉機50の基本構造体であり、接続板50aを介して駆動側軸受部41に対して固定具等によって固定されており、減速部、調速部、及びブレーキ部を備えている(いずれも図示省略)。このうち、減速部は、連結軸を介して出力軸52の回転速度を減速させるためのものであり、例えば公知の減速機等を用いて構成されている。また、調速部は、連結軸を介して出力軸52の回転速度を調整するためのものであり、例えば公知の調速機等を用いて構成されている。また、ブレーキ部は、開閉体30の自重による閉鎖移動を停止するためのブレーキ手段であり、例えば公知のブレーキ手段等を用いて構成されている。
【0046】
また、手動操作部55は、ブレーキ部の解放操作を手動で行うための手動操作手段である。この手動操作部55は、例えばワイヤ式の操作手段を用いて構成されており、図2に示すように、手動操作部55の一部が開閉機本体54から外部に露出するように設けられていると共に、手動操作部55の他の一部がブレーキ部に接続されている。このような手動操作部55により、手動操作部55を手動で引張ることでブレーキ部の解放操作を行うことにより、開閉体30を自重で閉鎖移動させることができる。
【0047】
(構成-自動閉鎖装置)
自動閉鎖装置は、開閉機50のブレーキ部を自動で解放させることにより、開閉体30を自重閉鎖させる自動ブレーキ解放手段であり、例えば公知の自動閉鎖装置等を用いて構成されており、収納部10の外部に設けられている。ここで、「開閉機50のブレーキ部を解放させる」とは、開閉機のブレーキ部を開閉機50の出力軸52に作用させないことを意味する。具体的には、実施の形態1では、図示しない防災盤からの火災検知信号が入力されると、開閉機50の解放レバー(図示省略)を図示しない作動部を介して解放操作することにより開閉機50のブレーキ部を解放させることで、開閉体30を自重で閉鎖移動させる。
【0048】
(構成-手動閉鎖装置)
手動閉鎖装置は、開閉機50のブレーキ部を手動で解放させることにより、開閉体30を自重閉鎖させる手動ブレーキ解放手段であり、例えば公知の手動閉鎖装置(一例として、押しボタン式の手動閉鎖装置)等を用いて構成されており、収納部10の外部に設けられている。ここで、「開閉機50のブレーキ部を解放させる」とは、具体的には、実施の形態1では、手動閉鎖装置を介して第1操作が行われると、開閉機50の解放レバーを作動部を介して解放操作することにより開閉機50のブレーキ部を解放させることで、開閉体30を自重で閉鎖移動させる。また、手動閉鎖装置を介して第2操作が行われると、開閉機50の解放レバーを解放操作される前の状態に戻すことにより開閉機50のブレーキ部を作用させることで、開閉体50の自重による閉鎖移動を停止させる。
【0049】
(構成-巻上げシステム)
図1に戻り、巻上げシステム60は、開閉体30を開閉機50を介して巻上げるためのシステムであり、図1に示すように、駆動部61、第1コネクタ部62、第2コネクタ部63、第3コネクタ部64、上限検知部65、回数検知部66、コネクタ収納部67、及び巻上側制御ユニット70を備えている。
【0050】
また、この巻上げシステム60を構成する各部の接続方法については任意であるが、実施の形態1では、以下の通りとなる。すなわち、図1に示すように、第1コネクタ部62を、第1コネクタ部62よりも駆動部61側に位置する配線4(以下、「駆動側配線4」と称する)を介して駆動部61と電気的に接続している。また、第1コネクタ部62を、第1コネクタ部62よりも電源部69側に位置する配線5(以下、「電源側配線5」と称する)、第2コネクタ部63、及び第3コネクタ部64を介して巻上側制御ユニット70及び電源部69(図1では、コードリール68の配線68aに接続された電源部69)と電気的に接続している。具体的には、電源側配線5は、第1コネクタ部62側に位置する第1電源側配線5a(具体的には、巻上側制御ユニット70又は第2コネクタ部63から張り出された第1電源側配線5a)と、電源部69側に位置する第2電源側配線5b(具体的には、巻上側制御ユニット70又は第3コネクタ部64から張り出された第2電源側配線5b)とを備えており、第1電源側配線5a及び第2コネクタ部63を介して第1コネクタ部62と巻上側制御ユニット70とを相互に接続すると共に、第2電源側配線5b及び第3コネクタ部64を介して巻上側制御ユニット70とコードリール68のコネクタ部(図示省略)とを相互に接続している(この場合には、後述するコネクタ収納部67の蓋部67bは開放されている)。ここで、「電源部69」とは、駆動部61に電力を供給する電源手段であり、実施の形態1では、100Vの商用交流電源を用いて構成されているので、他の電源手段に比べて電力を比較的確保しやすくなる。また、上限検知部65を、配線6(以下、「第1検知側配線6」と称する)を介して駆動部61と電気的に接続していると共に、回数検知部66を図示しない配線(以下、「第2検知側配線」と称する)を介して第1コネクタ部62と電気的に接続している。
【0051】
以上のような接続により、巻上側制御ユニット70と、駆動部61、上限検知部65、及び回数検知部66の各々とが相互間で直接又は間接に通信を行うことが可能となる。また、電源部69からの電力を、巻上側制御ユニット70、駆動部61、上限検知部65、及び回数検知部66に対して直接又は間接に供給することが可能となる。なお、実施の形態1では、駆動側配線4、第1電源側配線5a、第1検知側配線6、及び第2検知側配線は、信号線として機能すると共に、電源線としても機能するものとして説明する。また、第2電源側配線5bは、電源線としてのみ機能するものとして説明する。
【0052】
(構成-巻上げシステム-駆動部)
駆動部61は、開閉機50を電動で駆動させるための駆動手段である。この駆動部61は、例えば公知の駆動手段(一例として、回転軸(図示省略)を備える開閉装置用のモータ等)を用いて構成されており、図1から図3に示すように、収納部10の外部において開閉機50の近傍位置に設けられている。
【0053】
また、この駆動部61の設置方法については任意であるが、実施の形態1では、以下の通りとなる。すなわち、図2に示すように、開閉機50の開閉機本体54に対して固定具によって取り付けられた第1接続部61a(例えば、L字状の板状体である第1接続部61a)と、駆動部61に対して固定具によって取り付けられた第2接続部61b(例えば、L字状の板状体である第2接続部61b)とを固定具によって取り付けると共に、第3接続部61c(例えば、開閉機50の入力軸51及び駆動部61の回転軸の各々と嵌合可能な円筒状の第3接続部61c)を介して開閉機50の入力軸51と駆動部61の回転軸とを着脱自在に接続することにより、駆動部61を開閉機50に対して着脱自在に設置している。ただし、これに限らず、例えば、溶接等によって駆動部61を開閉機50に対して着脱不能に設置してもよい。
【0054】
(構成-巻上げシステム-第1コネクタ部)
図1に戻り、第1コネクタ部62は、駆動部61に電力を供給する電源部69に対して直接又は間接に接続された電源側配線5を着脱自在に接続するためのコネクタである。この第1コネクタ部62は、例えば公知のコネクタ(一例として、雄コネクタ、雌コネクタ)等を用いて構成されており、開口部3の近傍位置に設けられている。
【0055】
また、第1コネクタ部62の設置方法については任意であるが、実施の形態1では、第1コネクタ部62を、床面9aに位置する作業者が第1コネクタ部62と電源側配線5(具体的には、第1電源側配線5a)との着脱作業を実施可能となる位置H1(以下、「作業可能位置H1」と称する)に設置(配置)している。具体的には、図1に示すように、第1コネクタ部62を、コネクタ収納部67の内部に収納していると共に、開口部3の近傍に位置する躯体2の部分のうち床面9aよりも上方側の部分に対して間接に設置している(取り付けている)。ここで、「作業可能位置H1」とは、具体的には、収納部10よりも下方側の位置であり、且つ床面9aよりも上方側の位置であって、床面9aに位置する作業者が器具を用いることなく第1コネクタ部62と電源側配線5とを着脱できる位置であり、例えば、床面9aから上方に800mm程度から1500mm程度離れた位置等が該当する。このような設置により、作業者が地上にいながら上記着脱作業を実施でき、従来技術(コネクタをシャッター収納部の内部に配置し、且つコネクタをシャッター収納部の外部において操作部よりも上方位置に配置した技術)に比べて、作業者が収納部10付近で上記着脱作業を行う必要がなくなることから、上記着脱作業を簡易且つ安全に行うことが可能となる。特に、第1コネクタ部62を、開口部3の近傍に位置する躯体2の部分のうち床面9aよりも上方側の部分に対して間接に取り付けているので、上記着脱作業の作業性を維持しながら、第1コネクタ部62を安定して取り付けることができる。
【0056】
(構成-巻上げシステム-第2コネクタ部)
第2コネクタ部63は、第1コネクタ部62と電気的に接続するためのものである。この第2コネクタ部63は、例えば第1コネクタ部62と着脱自在な公知のコネクタ(一例として、雄コネクタ、雌コネクタ)等を用いて構成されており、図1に示すように、第1電源側配線5aの第1コネクタ部62側の端部に取り付けられている。
【0057】
(構成-巻上げシステム-第3コネクタ部)
第3コネクタ部64は、コードリール68(又は電源部69)と電気的に接続するためのものである。この第3コネクタ部64は、例えばコードリール68のコネクタ部と着脱自在な公知のコネクタ(一例として、雄コネクタ、雌コネクタ)等を用いて構成されており、図1に示すように、第2電源側配線5bの電源部69側の端部に取り付けられている。
【0058】
(構成-巻上げシステム-上限検知部)
上限検知部65は、開閉体30の下端部が建物の天井9bと面一となる位置(以下、「上限位置」と称する)に達しているか否かを検知し、開閉体30の下端部が上限位置に達したことが検知された場合にその旨を示す上限信号を出力する上限検知手段である。この上限検知部65は、例えば公知の検知センサ(一例として、カウンター式のリミットスイッチ等)を用いて構成されており、図1に示すように、収納部10の外部において開閉機50の近傍位置に設けられている。
【0059】
(構成-巻上げシステム-回数検知部)
回数検知部66は、駆動部61の使用回数を検知し、当該検知した使用回数が閾値を上回った場合にその旨を示す信号(以下、「限界回数信号」と称する)を出力する回数検知手段である。ここで、「駆動部61の使用回数」とは、実施の形態1では、第1コネクタ部62、電源側配線5、及び駆動側配線4を介して駆動部61が通電された回数として説明するが、これに限らず、例えば、第1コネクタ部62、電源側配線5、及び駆動側配線4を介して駆動部61が通電された状態において上限検知部65から上限信号が出力された回数であってもよい。この回数検知部66は、例えば公知の検知センサ(一例として、駆動部61の使用回数を表示可能なカウンタ等)を用いて構成されており、図1に示すように、コネクタ収納部67の内部に設けられている。
【0060】
(構成-巻上げシステム-コネクタ収納部)
コネクタ収納部67は、少なくとも第1コネクタ部62を収納する(実施の形態1では、第1コネクタ部62及び回数検知部66を収納する)ためのコネクタ収納手段である。このコネクタ収納部67は、例えば公知の収納ケース(一例として、開閉式の鋼製の収納ケース)等を用いて構成されており、具体的には、図4に示すように、前端部の少なくとも一部が開放された中空状の本体部67aであって、第1コネクタ部62及び回数検知部66を収容する本体部67aと、本体部67aに開閉自在に取り付けられ、且つ本体部67aの開放端を塞ぐ蓋部67bと、蓋部67bを施錠する施錠部67cとを備えている。
【0061】
また、コネクタ収納部67の設置方法については任意であるが、実施の形態1では、第1コネクタ部62及び回数検知部66を収納可能な位置に設置しており、具体的には、図1に示すように、躯体2の部分のうち作業可能位置H1及びその近傍に対応する部分に配置し、躯体2(又はガイドレール20)に対して固定具等によって取り付けている。
【0062】
このようなコネクタ収納部67の構成により、コネクタ収納部67に第1コネクタ部62を収納できる。よって、第1コネクタ部62が外部から露出することを防止できることから、例えば、第1コネクタ部62を常設する場合において第三者によって第1コネクタ部62が不用意に触れられることを回避しやすくなる。
【0063】
(構成-巻上げシステム-巻上側制御ユニット)
図1に戻り、巻上側制御ユニット70は、巻上げシステム60を制御するためのユニットである。この巻上側制御ユニット70は、図1に示すように、収納部10の外部に設けられており、巻上側操作部71、巻上側入力部(図示省略)、巻上側出力部(図示省略)、巻上側電力供給部(図示省略)、及び巻上側制御部(図示省略)を備えている。なお、これら巻上側制御ユニット70を構成する各部は、図示しない配線(具体的には、電源側配線5及び駆動側配線4とは異なる他の配線)を介して相互に電気的に接続されている(つまり、巻上側操作部71は、上記他の配線を介して巻上側制御部と電気的に接続されている)。
【0064】
(構成-巻上げシステム-巻上側制御ユニット-巻上側操作部)
巻上側操作部71は、巻上げシステム60に対する操作入力を受け付ける操作手段である。この巻上側操作部71は、例えば公知の操作手段(一例として、押しボタン式スイッチ等)を用いて構成されており、図1に示すように、回転方向切替スイッチ71a、起動スイッチ71b、及び停止スイッチ71cを備えている。
【0065】
回転方向切替スイッチ71aは、駆動部61の回転軸の回転方向の切り替えを指示するスイッチであり、当該回転方向切替スイッチ71aが操作された場合には、その指示を示す切替信号を出力する。ここで、回転方向切替スイッチ71aを設けた理由は、以下の通りである。すなわち、同一の開閉機50を左右勝手違いに設置することがあり、このような開閉機50の設置方向の違いに伴って開閉体30を巻上げるための回転方向も異なってくるため、この回転方向に合わせて回転軸の回転方向を切り替える必要が生じる。このような切り替えを可能とするため、回転方向切替スイッチ71aが設けられている。
【0066】
起動スイッチ71bは、駆動部61に対して開閉体30の巻上げを指示するスイッチであり、当該起動スイッチ71bが操作された場合には、その指示を示す巻上信号を出力する。
【0067】
停止スイッチ71cは、駆動部61に対して開閉体30の巻上げの停止を指示するスイッチであり、当該停止スイッチ71cが操作された場合には、その指示を示す停止信号を出力する。
【0068】
また、巻上側操作部71の設置方法については任意であるが、実施の形態1では、作業者が床面9aに立った状態で巻上側操作部71の操作を行うことが可能な位置H2(以下、「操作可能位置H2」と称する)に設置しており、具体的には、開閉体30、ガイドレール20、又は躯体2に対して着脱自在に設置する。ここで、「操作可能位置H2」とは、具体的には、図1に示すように、収納部10よりも下方側の位置であり、且つ床面9aよりも上方側の位置であって、床面9aに位置する作業者が器具を用いることなく巻上側操作部71の操作を行うことが可能な位置であり、例えば、床面9aから上方に800mm程度から1500mm程度離れた位置等が該当する。このような設置により、作業者が地上にいながら巻上側操作部71を介して駆動部61を操作することができ、巻上側操作部71を収納部10の近傍に設置した場合に比べて、作業者が巻上側操作部71の操作を簡易且つ安全に行うことが可能となる。ただし、これに限らず、例えば、巻上側操作部71を上記所定の設置対象に設置せずに、作業者が巻上側操作部71の操作時に手にとるようにしてもよい。
【0069】
また、巻上側操作部71による巻上信号の出力方法については任意であるが、実施の形態1では、起動スイッチ71bが操作された後に巻上信号を出力し、その後当該操作が継続されていなくても巻上信号を継続して出力する(いわゆる、「自己保持操作」に応じた巻上信号の出力を行う)。これにより、作業者が起動スイッチ71bの操作のために巻上側操作部71に張り付く必要がなくなるため、作業者が別の作業を行いながら開閉体30の巻上げを行うことが可能となる。ただし、これに限らず、例えば、起動スイッチ71bが操作された後に巻上信号を出力し、その後当該操作が継続して行われている間のみ巻上信号を継続して出力してもよい(いわゆる、「押切操作」に応じた巻上信号の出力を行ってもよい)。
【0070】
(構成-巻上げシステム-巻上側制御ユニット-巻上側入力部)
巻上側入力部は、巻上信号、停止信号、切替信号、上限信号、及び限界回数信号の入力を受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子等を用いて構成されている。
【0071】
(構成-巻上げシステム-巻上側制御ユニット-巻上側出力部)
巻上側出力部は、巻上側制御部から出力された信号を駆動部61に出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されている。
【0072】
(構成-巻上げシステム-巻上側制御ユニット-巻上側電力供給部)
巻上側電力供給部は、第2電源側配線5b及びコードリール68の配線68aを介して電源部69から供給された電力を巻上側制御ユニット70の各部に供給すると共に、駆動部61に供給するための電力供給手段である。
【0073】
(構成-巻上げシステム-巻上側制御ユニット-巻上側制御部)
巻上側制御部は、巻上側制御ユニット70の各部を制御すると共に、操作手段による巻上信号の入力の有無に基づいて駆動部61を制御する制御手段である。この制御部は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(なお、後述する他の制御部の構成についても同様とする)。なお、この巻上側制御部によって実行される処理の詳細については後述する。
【0074】
(構成-巻上げシステム-その他の構成)
また、巻上げシステム60の具体的な構成については任意であるが、実施の形態1では、第1電源側配線5aを介して巻上側制御部と第1コネクタ部62とが相互に接続されていると共に、第2電源側配線5bを介して巻上側制御部と電源部69とが相互に接続されていることにより、電源側配線5、巻上側操作部71、及び巻上側制御部が搬送可能に構成されている。具体的には、電源側配線5については、上述したように、第2コネクタ部63を介して第1コネクタ部62と着脱自在に接続されている。また、巻上側操作部71及び巻上側制御部については、これらを含む巻上側制御ユニット70が、開閉体30、ガイドレール20、又は躯体2に対して着脱自在に設置されている。これにより、電源側配線5、巻上側操作部71、及び巻上側制御部をまとめて搬送することができる。よって、例えば、建物において開閉体30、開閉機50、駆動部61、第1コネクタ部62、及び駆動側配線4を備える開閉装置1が複数設置されている場合に、電源側配線5、巻上側操作部71、及び巻上側制御部からなるセットを1つ用意しておくだけで、このセットを用いて各開閉装置1の開閉体30の巻上げを行うことができ、巻上げシステム60の設置コストの低減化を図りやすくなる。
【0075】
このような巻上げシステム60により、従来技術(コネクタをシャッター収納部の内部に配置し、且つコネクタをシャッター収納部の外部において操作部よりも上方位置に配置した技術)に比べて、巻上げシステム60の使用性を高めることが可能となる。
【0076】
(制御処理)
次に、このように構成された巻上げシステム60によって実行される制御処理について説明する。以下の説明では、図5に示す制御処理の説明ではステップを「S」と略記する。制御処理は、巻上げシステム60を制御するための処理である。この制御処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、巻上げシステム60の駆動部61、上限検知部65、回数検知部66、及び巻上側制御ユニット70の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。
【0077】
また、この制御処理の前提については、実施の形態1では、以下の通りとなる。すなわち、制御処理は、開閉装置1の動作確認作業において、開口部3の状態が全開状態から全閉状態になるように、手動閉鎖装置用操作部の第1操作が行われたことで手動閉鎖装置による開閉体50の自重閉鎖移動が行われた後に、開口部3の状態を全開状態に戻す場合に実行されるものとする(すなわち、巻上げシステム60の巻上側操作部71の操作が行われることで駆動部61を用いた開閉体50の巻上げが行われるものとする)。このことから、開口部3の状態は、全閉状態であるものとする。また、駆動部61の回転方向については、開閉体30を巻上げることが可能な回転方向となるように、巻上側操作部71の回転方向切替スイッチ71aを介してあらかじめ切り替えられているものとする。
【0078】
制御処理が起動されると、図5に示すように、SA1において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、巻上側入力部によって巻上信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、巻上信号の入力が受け付けられたと判定されるまで待機し(SA1、No)、巻上信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SA1、Yes)にはSA2に移行する。
【0079】
SA2において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、巻上側入力部によって停止信号、上限信号、又は限界回数信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、停止信号、上限信号、又は限界回数信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SA2、No)にはSA3に移行し、停止信号、上限信号、又は限界回数信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SA2、Yes)にはSA5に移行する。
【0080】
SA3において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、SA1による巻上信号の入力の受け付けが継続しているか否かを判定する。そして、巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、SA1による巻上信号の入力の受け付けが継続していると判定された場合(SA3、Yes)にはSA4に移行し、SA1による巻上信号の入力の受け付けが継続していると判定されなかった場合(SA3、No)にはSA5に移行する。
【0081】
SA4において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、開閉体30を巻上げるように駆動部61を駆動させる。その後、巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、SA2に移行して、SA2において停止信号、上限信号、又は限界回数信号の入力が受け付けられるまでの間、又はSA3において巻上信号の入力の受け付けが継続しなくなるまでの間、SA2からSA4の処理を繰り返す(すなわち、上記駆動部61の駆動を継続して実行する)。なお、この駆動部61の駆動方法については任意であるが、実施の形態1では、SA4の処理が実行されてから後述するSA5が実行されるまでの間、駆動部61の駆動を継続する。
【0082】
SA5において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、駆動部61の駆動を停止させ、その後SA1に移行して、SA1からSA6の処理を繰り返す。なお、SA5の処理前にSA4の処理が行われていない場合(すなわち、駆動部61が停止している場合)には、SA5の処理を行うことなく、SA1に移行してもよい。
【0083】
以上のような制御処理により、巻上側入力部による巻上信号の入力の有無に基づいて駆動部61を制御することができ、作業者の状況に応じたタイミングで開閉体30の巻上げを行うことができる。
【0084】
(効果)
このように実施の形態1によれば、収納部10の外部に設けられ、且つ駆動部61に対して直接又は間接に接続された駆動側配線4に取り付けられた第1コネクタ部62であって、駆動部61に電力を供給する電源部69に対して直接又は間接に接続された電源側配線5を着脱自在に接続するための第1コネクタ部62を備え、第1コネクタ部62を、建物の床面9aに位置する作業者が当該第1コネクタ部62と電源側配線5との着脱作業を実施可能となる位置に配置したので、作業者が地上にいながら上記着脱作業を実施でき、従来技術(コネクタをシャッター収納部の内部に配置し、且つコネクタをシャッター収納部の外部において操作部よりも上方位置に配置した技術)に比べて、作業者が収納部10付近で上記着脱作業を行う必要がなくなることから、上記着脱作業を簡易且つ安全に行うことが可能となる。
【0085】
また、第1コネクタ部62を、開口部3の近傍に位置する建物の躯体2の部分のうち床面9aよりも上方側の部分に対して直接又は間接に取り付けたので、上記着脱作業の作業性を維持しながら、第1コネクタ部62を安定して取り付けることができる。
【0086】
また、第1コネクタ部62を収納するためのコネクタ収納部67を備えるので、コネクタ収納部67に第1コネクタ部62を収納できる。よって、第1コネクタ部62が外部から露出することを防止できることから、例えば、第1コネクタ部62を常設する場合において第三者によってコネクタが不用意に触れられることを回避しやすくなる。
【0087】
また、巻上側操作部71と、巻上側操作部71と電気的に接続された巻上側制御部と、を備え、第1電源側配線5aを介して巻上側制御部と第1コネクタ部62とを相互に接続すると共に、第2電源側配線5bを介して巻上側制御部と電源部69とを相互に接続することにより、電源側配線5、巻上側操作部71、及び巻上側制御部を搬送可能としたので、電源側配線5、巻上側操作部71、及び巻上側制御部をまとめて搬送することができる。よって、例えば、建物において開閉体30、開閉機50、駆動部61、第1コネクタ部62、及び駆動側配線4を備える開閉装置1が複数設置されている場合に、電源側配線5、巻上側操作部71、及び巻上側制御部からなるセットを1つ用意しておくだけで、このセットを用いて各開閉装置1の開閉体30の巻上げを行うことができ、巻上げシステム60の設置コストの低減化を図りやすくなる。
【0088】
また、電源部69が、100Vの商用交流電源であるので、他の電源手段に比べて電力を比較的確保しやすくなるため、巻上げシステム60の使用性を高めやすくなる。
【0089】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る巻上げシステムについて説明する。この実施の形態2は、手動式のシャッター装置であり、駆動側配線に接続された巻上側制御部を備える形態である。ただし、実施の形態2に係る構成及び処理は、特に説明する場合を除いては実施の形態1に係る構成及び処理と同じであるものとし、同一の構成及び処理については、実施の形態1で使用したものと同一の名称又は符号を必要に応じて用いることで、その説明を省略する。
【0090】
(構成)
最初に、実施の形態2に係る開閉装置の構成について説明する。実施の形態2に係る開閉装置100は、実施の形態1に係る開閉装置1とほぼ同様に構成されている。ただし、巻上げシステム60の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0091】
(構成-巻上げシステム)
次に、巻上げシステム60の構成の詳細について説明する。巻上げシステム60は、図6に示すように、駆動部61、第1コネクタ部62、第2コネクタ部63、第3コネクタ部64、上限検知部65、回数検知部66、巻上側操作部71、コネクタ収納部67、及び巻上側制御ユニット70を備えている。このうち、巻上側制御ユニット70は、図6に示すように、収納部10の外部に設けられており、巻上側入力部、巻上側出力部、巻上側電力供給部、及び巻上側制御部を備えている(いずれも図示省略)。
【0092】
また、この巻上げシステム60を構成する各部の接続方法については任意であるが、実施の形態2では、以下の通りとなる。すなわち、図6に示すように、第1コネクタ部62を、駆動側配線4を介して駆動部61及び巻上側制御ユニット70と電気的に接続している。具体的には、駆動側配線4は、第1コネクタ部62側に位置する第1駆動側配線4a(具体的には、巻上側制御ユニット70又は第1コネクタ部62から張り出された第1駆動側配線4a)と、駆動部61側に位置する第2駆動側配線4b(具体的には、駆動部61又は巻上側制御ユニット70から張り出された第2電源側配線5b)とを備えており、第1駆動側配線4aを介して第1コネクタ部62と巻上側制御ユニット70とを相互に接続すると共に、第2駆動側配線4bを介して巻上側制御ユニット70と駆動部61とを相互に接続している。また、第1コネクタ部62を、電源側配線5、第2コネクタ部63、第3コネクタ部64、及びコードリール68を介して電源部69と電気的に接続している。また、上限検知部65を、第1検知側配線6を介して駆動部61と電気的に接続していると共に、巻上側操作部71及び回数検知部66を第2検知側配線を介して第1コネクタ部62と電気的に接続している。
【0093】
以上のような接続により、巻上側制御ユニット70と、駆動部61、上限検知部65、回数検知部66、及び巻上側操作部71の各々とが相互間で直接又は間接に通信を行うことが可能となる。また、電源部69からの電力を、巻上側制御ユニット70、駆動部61、上限検知部65、回数検知部66、及び巻上側操作部71に対して直接又は間接に供給することが可能となる。なお、実施の形態2では、第1駆動側配線4a、第2駆動側配線4b、第1検知側配線6、及び第2検知側配線は、信号線として機能すると共に、電源線としても機能するものとして説明する。また、電源側配線5は、電源線としてのみ機能するものとして説明する。
【0094】
(構成-巻上げシステム-巻上側操作部)
巻上側操作部71は、図6に示すように、収納部10の外部に設けられており、起動スイッチ71bを備えている。
【0095】
また、巻上側操作部71による巻上信号の出力方法については任意であるが、実施の形態2では、上述した押切操作に応じた巻上信号の出力を行う。これにより、停止スイッチ71cを巻上側操作部71に設けることなく、作業者による起動スイッチ71bの操作の仕方によって開閉体30の巻上げを実行し、且つ中断することができ、巻上側操作部71の構成を簡素化できる。ただし、これに限らず、例えば、上述した自己保持操作に応じた巻上信号の出力を行ってもよい。
【0096】
(構成-巻上げシステム-その他の構成)
また、巻上げシステム60の具体的な構成については任意であるが、実施の形態2では、第1駆動側配線4aを介して巻上側制御部と第1コネクタ部62とを相互に接続すると共に、第2駆動側配線4bを介して巻上側制御部と駆動部61とを相互に接続することにより、巻上側操作部71及び巻上側制御部を躯体2又は収納部10に設置可能となるように構成されている。具体的には、図6図7に示すように、巻上側操作部71については、コネクタ収納部67の内部において操作可能位置H2に設置されている。この場合には、コネクタ収納部67は、第1コネクタ部62、回数検知部66、及び巻上側操作部71を収納可能な形状及び大きさにて構成される。また、巻上側制御部については、これを含む巻上側制御ユニット70がコネクタ収納部67の内部に収納されている。これにより、駆動側配線4、巻上側操作部71、及び巻上側制御部をまとめて躯体2又は収納部10に設置することができる。よって、上記着脱作業を行う際に巻上側制御部及び巻上側操作部71を搬送する必要がなくなるため、電源側配線5を用いて巻上側制御部及び巻上側操作部71を接続する場合に比べて、上記着脱作業の効率化を図りやすくなる。
【0097】
(制御処理)
次に、このように構成された巻上げシステム60によって実行される制御処理について説明する。実施の形態2に係る制御処理は、実施の形態1に係る制御処理とほぼ同様であるので、その処理の説明を省略する。
【0098】
(効果)
このように実施の形態2によれば、収納部10の外部に設けられ、且つ第1コネクタ部62に電気的に接続された巻上側操作部71と、収納部10の外部又は内部に設けられた巻上側制御部と、を備え、第1駆動側配線4aを介して巻上側制御部と第1コネクタ部62とを相互に接続すると共に、第2駆動側配線4bを介して巻上側制御部と駆動部61とを相互に接続することにより、巻上側操作部71及び巻上側制御部を建物の躯体2又は収納部10に設置可能としたので、駆動側配線4、巻上側操作部71、及び巻上側制御部をまとめて躯体2又は収納部10に設置することができる。よって、上記着脱作業を行う際に巻上側制御部及び巻上側操作部71を搬送する必要がなくなるため、電源側配線5を用いて巻上側制御部及び巻上側操作部71を接続する場合に比べて、上記着脱作業の効率化を図りやすくなる。
【0099】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3に係る巻上げシステムについて説明する。この実施の形態3は、電動式のシャッター装置であり、駆動側配線に接続された巻上側制御部を備える形態である。ただし、実施の形態3に係る構成及び処理は、特に説明する場合を除いては実施の形態2に係る構成及び処理と同じであるものとし、同一の構成及び処理については、実施の形態2で使用したものと同一の名称又は符号を必要に応じて用いることで、その説明を省略する。
【0100】
(構成)
最初に、実施の形態3に係る開閉装置の構成について説明する。実施の形態3に係る開閉装置200は、図8に示すように、概略的に、収納部10、ガイドレール20、開閉体30、巻取軸40、駆動側軸受部41、従動側軸受部、開閉機50、自動閉鎖装置、手動閉鎖装置210、上下限検知部81、開閉側操作部82、連動中継器(図示省略)、開閉側制御ユニット90、及び巻上げシステム60を備えている。
【0101】
(構成-開閉機)
開閉機50は、電動で巻取軸40を回転駆動することによって開閉体30を閉鎖移動又は開放移動させるものである。この開閉機50は、例えば公知の電動式の開閉機等を用いて構成され、図8に示すように、入力軸51、出力軸52、開閉機側スプロケット53、開閉機本体54、及び手動操作部55を備えており、この開閉機本体54は、減速部、調速部、ブレーキ部、及び開閉側駆動部を備えている(いずれも図示省略)。このうち、開閉側駆動部は、出力軸52を電動で回転させるためのものであり、例えば公知の駆動手段(一例として、モータ等)を用いて構成されている。
【0102】
(構成-自動閉鎖装置)
自動閉鎖装置の具体的な動作については任意であるが、実施の形態3では、以下の通りとなる。すなわち、まず、連動中継器が防災盤から火災信号を受信することで連動中継器から図示しない配線を介して制御信号が受信されると、当該制御信号に基づいて開閉機50の解放レバーを解放操作することにより開閉機50のブレーキ部を解放させることで、開閉体30を自重で閉鎖移動させる。その後、連動中継器が防災盤から復旧信号を受信することで連動中継器から配線を介して制御信号が受信すると、当該制御信号に基づいて開閉機50の解放レバーを解放操作される前の状態に戻すことにより開閉機50のブレーキ部を作用させる。
【0103】
(構成-手動閉鎖装置)
手動閉鎖装置210は、図8に示すように、収納部10の外部において開口部3の近傍位置に設けられており、具体的には、躯体2と当接し、又はガイドレール20内に収容されるように配置され、躯体2又はガイドレール20に対して固定されていると共に、配線201を介して連動中継器と電気的に接続されている。また、この手動閉鎖装置210は、例えば、公知の操作手段(一例として、押しボタン式スイッチ等)を用いて構成されており、具体的には、開閉体30を自重で閉鎖移動させるための自重閉鎖制御の操作入力を受け付ける非常ボタン、及び後述する連動中継器によって火災信号又は自重閉鎖信号の入力が受け付けられた後に、開閉装置200を火災信号の入力が受け付けられる前の状態に復旧させるため復旧制御の操作入力を受け付ける復旧ボタンを備えている(いずれも図示省略)。
【0104】
また、手動閉鎖装置210の具体的な動作については任意であるが、実施の形態3では、以下の通りとなる。すなわち、まず、非常ボタンがユーザによって押圧されると、自重閉鎖制御信号を連動中継器を介して自動閉鎖装置に出力する。これにより、上述した自動閉鎖装置によって開閉機50のブレーキ部の解放操作が行われることで、開閉体30を自重で閉鎖移動させることが可能となる。その後、復旧ボタンがユーザによって押圧されると、復旧制御信号を連動中継器を介して自動閉鎖装置に出力する。これにより、上述した自動閉鎖装置によって開閉機50のブレーキ部の解放操作される前の状態に戻す操作が行われる。なお、実施の形態3では、手動閉鎖装置210は、連動中継器と有線で通信するものとして説明するが、これに限らず、例えば、連動中継器と無線で通信するものであってもよく、これら有線式及び無線式の手動閉鎖装置210の両方を設置してもよい(なお、開閉側操作部82についても同様とする)。
【0105】
(構成-上下限検知部)
上下限検知部81は、開閉体30の下端部が上限位置に達しているか否かを検知し、開閉体30の下端部が上限位置に達したことが検知された場合に上限信号を出力すると共に、開閉体30の下端部が、建物の床面9a近傍に設定された位置(例えば、床面9aから所定距離(数cm)だけ上方側に設定された位置等。以下、「下限位置」と称する。)に達しているか否かを検出し、開閉体30の下端部が下限位置に達したことが検知された場合にその旨を示す下限信号を出力する上下限検知手段である。この上下限検知部81は、例えばカウンター式のリミットスイッチ等の公知の検知センサを用いて構成されており、図8に示すように、開閉機50の近傍位置に設置されており、開閉機50に対して固定具等によって接続されている。なお、実施の形態3では、この上下限検知部81は、第1検知側配線6を介して駆動部61と電気的に接続されているものとする。
【0106】
(構成-開閉側操作部)
開閉側操作部82は、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動に関する操作入力を受け付ける開閉側操作手段であり、図8に示すように、収納部10の外部において開口部3の近傍位置に設けられており、具体的には、躯体2と当接し、又はガイドレール20内に収容されるように配置され、躯体2又はガイドレール20に対して固定されている。また、この開閉側操作部82は、例えば、公知のシャッター装置用の操作手段(一例として、押しボタン式スイッチ等)を用いて構成されており、具体的には、開閉体30を電動で開放移動させる開放ボタン、電動で閉鎖移動させる閉鎖ボタン、及び電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる停止ボタンを備えている(いずれも図示省略)。これら開放ボタン、閉鎖ボタン、又は停止ボタンがユーザによって押圧された場合に、当該押圧されたボタンに応じた操作信号(すなわち、開放信号、閉鎖信号、停止信号)を連動中継器及び開閉側制御ユニット90を介して開閉機50に出力することで、開閉機50によって開閉体30が電動で閉鎖移動又は開放移動させたり、あるいは開閉体30の閉鎖移動又は開放移動を電動で停止させることができる。
【0107】
(構成-連動中継器)
連動中継器は、開閉装置200の各部を相互に連動させるものである。この連動中継器は、例えば公知の開閉装置用の連動中継器(一例として、バッテリ等の電源部を有する連動中継器)を用いて構成されており、開閉機50、自動閉鎖装置、手動閉鎖装置210、開閉側操作部82、及び開閉側制御ユニット90と図示しない配線を介して電気的に接続されている。なお、実施の形態3では、建物の停電時においては、連動中継器から自動閉鎖装置及び手動閉鎖装置210に対して電力が供給されることで、開閉体30を自重で閉鎖移動させることを可能にしている。
【0108】
(構成-開閉側制御ユニット)
開閉側制御ユニット90は、開閉機50によって開閉体30の開閉制御を行うためのユニットである。この開閉側制御ユニット90は、図8に示すように、収納部10の外部に設けられ、且つ開閉機50、上下限検知部81、及び開閉側操作部82と配線7(以下、「第1開閉側配線7」と称する。一部図示省略する。)を介して電気的に接続されており、開閉側入力部、開閉側出力部、開閉側電源部、開閉側制御部、及び開閉側記憶部を備えている(いずれも図示省略)。
【0109】
(構成-開閉側制御ユニット-開閉側入力部、開閉側出力部、開閉側電源部)
開閉側入力部は、操作信号、上限信号、又は下限信号の入力を受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子等を用いて構成されている。開閉側出力部は、信号を開閉機50に出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されている。開閉側電源部は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、開閉側制御ユニット90の各部に供給すると共に、上下限検知部81及び開閉側操作部82にも供給するものである。
【0110】
(構成-開閉側制御ユニット-開閉側制御部、開閉側記憶部)
開閉側制御部は、開閉側制御ユニット90の各部を制御する第1制御手段である。なお、実施の形態3では、操作信号の入力に基づいた開閉側制御部の制御によって開閉体30の閉鎖移動又は開放移動が行われている場合には、開閉側制御部は、その旨を示す信号(以下、「開閉制御信号」と称する)を開閉側出力部を介して巻上側制御ユニット70に対して出力するものとする。開閉側記憶部は、開閉側制御ユニット90の動作に必要なプログラム及び各種のデータ(例えば、制御位置情報、後述する閉鎖方向側距離情報、後述する開放方向側距離情報等)を記憶する記憶手段であり、書き換え可能な公知の記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。
【0111】
(構成-巻上げシステム)
巻上げシステム60は、図8に示すように、駆動部61、第1コネクタ部62、第2コネクタ部63、第3コネクタ部64、回数検知部66、巻上側操作部71、コネクタ収納部67、及び巻上側制御ユニット70を備えている。このうち、第1コネクタ部62は、図8に示すように、電源側配線5、第2コネクタ部63、及び第3コネクタ部64を介して電源部69(具体的には、バッテリ、発電機等)と電気的に接続されている。また、巻上側制御ユニット70は、図8に示すように、収納部10の外部に設けられ、且つ開閉側制御ユニット90と配線8(以下、「第2開閉側配線8」と称する)を介して電気的に接続されており、巻上側入力部、巻上側出力部、巻上側電力供給部、及び巻上側制御部を備えている。なお、上述した「巻上側制御部」は、特許請求の範囲における「制御手段」及び「第2制御手段」に対応する。また、この巻上側制御部によって実行される処理の詳細については後述する。
【0112】
(制御処理)
次に、このように構成された巻上げシステム60によって実行される制御処理について説明する。この制御処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態3では、開閉機50、上下限検知部81、開閉側操作部82、開閉側制御ユニット90、並びに巻上げシステム60の駆動部61、回数検知部66、及び巻上側制御ユニット70の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。また、この制御処理の前提については、実施の形態3では、全開状態において、建物で停電が起きてから連動中継器が防災盤から火災信号を受信したことにより(又は開閉側操作部82から自重閉鎖制御信号を受信したことにより)開閉体30を自重で閉鎖移動させ、その後開口部3の状態を全開状態に戻す場合に実行されるものとする(すなわち、巻上げシステム60の巻上側操作部71の操作が行われることで駆動部61を用いた開閉体50の巻上げが行われるものとする)。ただし、これに限らず、例えば、全閉状態において建物で停電が起きている際に、開口部3の状態を全開状態に戻す場合に実行されてもよい。
【0113】
制御処理が起動されると、図9に示すように、SB1において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、巻上側入力部によって開閉制御信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、開閉制御信号の入力が受け付けられていないと判定されるまで待機し(SB1、Yes)、開閉制御信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SB1、No)にはSB2に移行する。このような処理により、開閉側制御ユニット90の開閉側制御部による開閉機50の制御が行われている間には後述するSB2からSB7の処理を実行できないことから、開閉側制御部による開閉機50の制御と巻上側制御部による駆動部61の制御とが同時に行われることで開閉機50又は駆動部61が故障することを回避できる。
【0114】
SB2において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、巻上側入力部によって巻上信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、巻上信号の入力が受け付けられたと判定されなかった場合(SB2、No)にはSB1に移行し、巻上信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SB2、Yes)にはSB3に移行する。
【0115】
SB3において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、巻上側入力部によって停止信号、上限信号、又は限界回数信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、停止信号、上限信号、又は限界回数信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SB3、No)にはSB4に移行し、停止信号、上限信号、又は限界回数信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SB3、Yes)にはSB7に移行する。
【0116】
SB4において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、SB2による巻上信号の入力の受け付けが継続しているか否かを判定する。そして、巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、SB2による巻上信号の入力の受け付けが継続していると判定された場合(SB4、Yes)にはSB5に移行し、SB2による巻上信号の入力の受け付けが継続していると判定されなかった場合(SB4、No)にはSB7に移行する。
【0117】
SB5において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、開閉側制御部による開閉機50の制御を中止する旨を指示する信号(以下、「中止信号」と称する)を巻上側出力部を介して開閉側制御ユニット90に対して出力する。この中止信号の出力方法については任意であるが、実施の形態3では、SB5の処理が実行されてから後述するSB7が実行されるまでの間、連続的又は断続的に出力する。これにより、巻上側制御部が巻上信号の入力が受け付けられている場合には中止信号を開閉側制御部に対して出力できることから、開閉側制御部が当該中止信号に基づいて開閉機50の制御を中止させることができる。よって、中止信号の出力を行わない場合に比べて、開閉側制御部による開閉機50の制御と巻上側制御部による駆動部61の制御とが同時に行われることで開閉機50又は駆動部61が故障することを回避できる。
【0118】
SB6において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、開閉体30を巻上げるように駆動部61を駆動させる。その後、巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、SB3に移行して、SB3において停止信号、上限信号、又は限界回数信号の入力が受け付けられるまでの間、又はSB4において巻上信号の入力の受け付けが継続しなくなるまでの間、SB3からSB6の処理を繰り返す(すなわち、上記駆動部61の駆動を継続して実行する)。
【0119】
SB7において巻上側制御ユニット70の巻上側制御部は、駆動部61の駆動を停止させると共に、中止信号の出力を停止させる。その後、SB1に移行し、SB1からSB7の処理を繰り返す。なお、SB7の処理前にSB5及びSB6の処理が行われていない場合には、SB7の処理を行うことなく、SB1に移行してもよい。
【0120】
以上のような制御処理により、開閉側制御部による開閉機50の制御状況に応じた駆動部61の制御を行うことができることから、巻上げシステム60の使用性を高めることが可能となる。
【0121】
(効果)
このように実施の形態3によれば、開閉機50が、開閉側制御部によって制御される電動式の開閉機であり、巻上信号の入力を受け付ける巻上側操作部71と、巻上側操作部71にて受け付けられた巻上信号の入力の有無に基づいて駆動部61を制御する巻上側制御部と、を備え、巻上側制御部が、巻上側操作部71による巻上信号の入力が受け付けられている場合には、中止信号を開閉側制御部に対して出力するので、中止信号の出力を行わない場合に比べて、開閉側制御部による開閉機50の制御と開閉側制御部による駆動部61の制御とが同時に行われることで開閉機50又は駆動部61が故障することを回避できる。
【0122】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0123】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0124】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。
【0125】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0126】
(巻上げシステムの適用対象)
上記実施の形態3では、巻上げシステム60が、電動式のシャッター装置であり、駆動側配線4に接続された巻上側制御部を備える開閉装置に適用されると説明したが、これに限らず、例えば、電動式のシャッター装置であり、電源側配線5に接続された巻上側制御部を備える開閉装置に適用されてもよい。この場合における制御処理は、実施の形態3に係る制御処理と同様に行われる。
【0127】
(開閉装置について)
上記実施の形態1から3では、開閉機50、駆動部61、及び巻上側制御ユニット70が収納部10の外部に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、開閉機50、駆動部61、又は巻上側制御ユニット70の少なくとも一部が収納部10の内部に設けられてもよい。
【0128】
(巻上げシステムについて)
上記実施の形態1から3では、巻上げシステム60が、回数検知部66及びコネクタ収納部67を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、回数検知部66又はコネクタ収納部67の少なくともいずれか一方を省略してもよい。ここで、コネクタ収納部67が省略された場合には、第1コネクタ部62は、躯体2に対して直接に取り付けられてもよく、あるいは、ガイドレール20を介して躯体2に対して間接に取り付けられてもよい。
【0129】
また、上記実施の形態1から3では、電源側配線5が、コードリール68を介して電源部69と間接に接続されていると説明したが、これに限らない。例えば、コードリール68を省略して、電源部69と直接に接続されてもよい。
【0130】
また、上記実施の形態1、2では、駆動部61に電力を供給する電源部69が、100Vの商用交流電源であると説明したが、これに限らず、例えば、100Vの商用交流電源以外の他の電源手段(一例として、200Vの商用交流電源、バッテリ、発電機等)であってもよい。
【0131】
(コネクタ収納部について)
上記実施の形態1から3では、コネクタ収納部67が、施錠部67cを備えていると説明したが、施錠部67cを省略してもよい。
【0132】
また、実施の形態3では、コネクタ収納部67に、第1コネクタ部62、回数検知部66、及び巻上側操作部71が収納されていると説明したが、これに限らず、例えば、さらに加えて、開閉側操作部82が収納されてもよい。
【0133】
(巻上側操作部について)
上記実施の形態1では、巻上側操作部71が、電源側配線5及び駆動側配線4とは異なる他の配線を介して巻上側制御部と電気的に接続されていると説明したが、これに限らず、例えば、第1電源側配線5a又は第2電源側配線5bと電気的に接続されてもよい。
【0134】
また、上記実施の形態2、3では、巻上側操作部71が、第2検知側配線(すなわち、電源側配線5及び駆動側配線4とは異なる他の配線)を介して第1コネクタ部62と電気的に接続されていると説明したが、これに限らず、例えば、第1駆動側配線4a、第2駆動側配線4b、又は電源側配線5と電気的に接続されてもよい。
【0135】
また、上記実施の形態3では、巻上側操作部71が、コネクタ収納部67に収納されていると説明したが、これに限らず、例えば、開閉側操作部82又は手動閉鎖装置210に設けられてもよい。
【0136】
(付記)
付記1の巻上げシステムは、建物の開口部の開閉を行うための開閉体を開閉機を介して巻き上げるための巻上げシステムであって、前記開閉機の回転軸に接続された駆動手段であって、前記開閉機を電動で駆動させるための駆動手段と、前記開閉体を収納する収納手段の外部に設けられ、且つ前記駆動手段に対して直接又は間接に接続された駆動側配線に取り付けられたコネクタであって、前記駆動手段に電力を供給する電源手段に対して直接又は間接に接続された電源側配線を着脱自在に接続するためのコネクタと、を備え、前記コネクタを、前記建物の床面に位置する作業者が当該コネクタと前記電源側配線との着脱作業を実施可能となる位置に配置した。
【0137】
付記2の巻上げシステムは、付記1に記載の巻上げシステムにおいて、前記コネクタを、前記開口部の近傍に位置する前記建物の躯体の部分のうち前記床面よりも上方側の部分に対して直接又は間接に取り付けた。
【0138】
付記3の巻上げシステムは、付記1又は2に記載の巻上げシステムにおいて、前記コネクタを収納するためのコネクタ収納手段を備える。
【0139】
付記4の巻上げシステムは、付記1から3のいずれか一項に記載の巻上げシステムにおいて、前記駆動手段の駆動によって前記開閉体の巻き上げを指示する巻上信号の入力を受け付ける操作手段と、前記操作手段と電気的に接続された制御手段であって、前記操作手段による前記巻上信号の入力の有無に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記電源側配線は、前記コネクタ側に位置する第1電源側配線と、前記電源手段側に位置する第2電源側配線と、を備え、前記第1電源側配線を介して前記制御手段と前記コネクタとを相互に接続すると共に、前記第2電源側配線を介して前記制御手段と前記電源手段とを相互に接続することにより、前記電源側配線、前記操作手段、及び前記制御手段を搬送可能とした。
【0140】
付記5の巻上げシステムは、付記1から3のいずれか一項に記載の巻上げシステムにおいて、前記収納手段の外部に設けられ、且つ前記コネクタに電気的に接続された操作手段であって、前記駆動手段の駆動によって前記開閉体の巻き上げを指示する巻上信号の入力を受け付ける操作手段と、前記収納手段の外部又は内部に設けられ、前記操作手段による前記巻上信号の入力の有無に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記駆動側配線は、前記コネクタ側に位置する第1駆動側配線と、前記駆動手段側に位置する第2駆動側配線と、を備え、前記第1駆動側配線を介して前記制御手段と前記コネクタとを相互に接続すると共に、前記第2駆動側配線を介して前記制御手段と前記駆動手段とを相互に接続することにより、前記操作手段及び前記制御手段を前記建物の躯体又は前記収納手段に設置可能とした。
【0141】
付記6の巻上げシステムは、付記1から3のいずれか一項の巻上げシステムにおいて、前記開閉機は、第1制御手段によって制御される電動式の開閉機であり、前記駆動手段の駆動によって開閉体の巻き上げを指示する巻上信号の入力を受け付ける操作手段と、前記操作手段にて受け付けられた前記巻上信号の入力の有無に基づいて前記駆動手段を制御する第2制御手段と、を備え、前記第2制御手段は、前記操作手段による前記巻上信号の入力が受け付けられている場合には、前記第1制御手段による前記開閉機の制御を中止する旨を指示する中止信号を前記第1制御手段に対して出力する。
【0142】
付記7の巻上げシステムは、付記1から6のいずれか一項の巻上げシステムにおいて、前記電源手段は、100Vの商用交流電源である。
【0143】
(付記の効果)
付記1に記載の巻上げシステムによれば、収納手段の外部に設けられ、且つ駆動手段に対して直接又は間接に接続された駆動側配線に取り付けられたコネクタであって、駆動手段に電力を供給する電源手段に対して直接又は間接に接続された電源側配線を着脱自在に接続するためのコネクタを備え、コネクタを、建物の床面に位置する作業者が当該コネクタと電源側配線との着脱作業を実施可能となる位置に配置したので、作業者が地上にいながら上記着脱作業を実施でき、従来技術(コネクタをシャッター収納部の内部に配置し、且つコネクタをシャッター収納部の外部において操作部よりも上方位置に配置した技術)に比べて、作業者が収納手段付近で上記着脱作業を行う必要がなくなることから、上記着脱作業を簡易且つ安全に行うことが可能となる。
【0144】
付記2に記載の巻上げシステムによれば、コネクタを、開口部の近傍に位置する建物の躯体の部分のうち床面よりも上方側の部分に対して直接又は間接に取り付けたので、上記着脱作業の作業性を維持しながら、コネクタを安定して取り付けることができる。
【0145】
付記3に記載の巻上げシステムによれば、コネクタを収納するためのコネクタ収納手段を備えるので、コネクタ収納手段にコネクタを収納できる。よって、コネクタが外部から露出することを防止できることから、例えば、コネクタを常設する場合において第三者によってコネクタが不用意に触れられることを回避しやすくなる。
【0146】
付記4に記載の巻上げシステムによれば、操作手段と、操作手段と電気的に接続された制御手段と、を備え、第1電源側配線を介して制御手段とコネクタとを相互に接続すると共に、第2電源側配線を介して制御手段と電源手段とを相互に接続することにより、電源側配線、操作手段、及び制御手段を搬送可能としたので、電源側配線、操作手段、及び制御手段をまとめて搬送することができる。よって、例えば、建物において開閉体、開閉機、駆動手段、コネクタ、及び駆動側配線を備える開閉装置が複数設置されている場合に、電源側配線、操作手段、及び制御手段からなるセットを1つ用意しておくだけで、このセットを用いて各開閉装置の開閉体の巻上げを行うことができ、巻上げシステムの設置コストの低減化を図りやすくなる。
【0147】
付記5に記載の巻上げシステムによれば、収納手段の外部に設けられ、且つコネクタに電気的に接続された操作手段と、収納手段の外部又は内部に設けられた制御手段と、を備え、第1駆動側配線を介して制御手段とコネクタとを相互に接続すると共に、第2駆動側配線を介して制御手段と駆動手段とを相互に接続することにより、操作手段及び制御手段を建物の躯体又は収納手段に設置可能としたので、駆動側配線、操作手段、及び制御手段をまとめて躯体又は収納手段に設置することができる。よって、上記着脱作業を行う際に制御手段及び操作手段を搬送する必要がなくなるため、電源側配線を用いて操作手段及び制御手段を接続する場合に比べて、上記着脱作業の効率化を図りやすくなる。
【0148】
付記6に記載の巻上げシステムによれば、開閉機が、第1制御手段によって制御される電動式の開閉機であり、巻上信号の入力を受け付ける操作手段と、操作手段にて受け付けられた巻上信号の入力の有無に基づいて駆動手段を制御する第2制御手段と、を備え、第2制御手段が、操作手段による巻上信号の入力が受け付けられている場合には、中止信号を第1制御手段に対して出力するので、中止信号の出力を行わない場合に比べて、第1制御手段による開閉機の制御と第2制御手段による駆動手段の制御とが同時に行われることで開閉機又は駆動手段が故障することを回避できる。
【0149】
付記7に記載の巻上げシステムによれば、電源手段が、100Vの商用交流電源であるので、他の電源手段に比べて電力を比較的確保しやすくなるため、巻上げシステムの使用性を高めやすくなる。
【符号の説明】
【0150】
1 開閉装置
2 躯体
3 開口部
4 駆動側配線
4a 第1駆動側配線
4b 第2駆動側配線
5 電源側配線
5a 第1電源側配線
5b 第2電源側配線
6 第1検知側配線
7 第1開閉側配線
8 第2開閉側配線
9a 床面
9b 天井
10 収納部
10a まぐさ
10b まぐさ開口
11 駆動側軸受板
12 駆動側取付片
13 従動側軸受板
14 ケース板
20 ガイドレール
30 開閉体
31 スラット
33 座板
40 巻取軸
40a 従動側シャフト部
41 駆動側軸受部
42 巻取軸側スプロケット
43 伝達部材
50 開閉機
50a 接続板
51 入力軸
52 出力軸
53 開閉機側スプロケット
54 開閉機本体
55 手動操作部
60 巻上げシステム
61 駆動部
61a 第1接続部
61b 第2接続部
61c 第3接続部
62 第1コネクタ部
63 第2コネクタ部
64 第3コネクタ部
65 上限検知部
66 回数検知部
67 コネクタ収納部
67a 本体部
67b 蓋部
67c 施錠部
68 コードリール
68a 配線
69 電源部
70 巻上側制御ユニット
71 巻上側操作部
71a 回転方向切替スイッチ
71b 起動スイッチ
71c 停止スイッチ
81 上下限検知部
82 開閉側操作部
90 開閉側制御ユニット
100 開閉装置
200 開閉装置
201 配線
210 手動閉鎖装置
H1 作業可能位置
H2 操作可能位置
M 巻取軸の最大巻き径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9