IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サフランの特許一覧 ▶ サフラン・エアクラフト・エンジンズの特許一覧 ▶ サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンティフィクの特許一覧 ▶ アソシアシヨン・プール・ラ・ルシェルシュ・エ・ル・デブロプマン・ドゥ・メトード・エ・プロセシュス・アンデュストリエル−アルミンの特許一覧

<>
  • 特許-ターボエンジン部品の非破壊的制御方法 図1
  • 特許-ターボエンジン部品の非破壊的制御方法 図2
  • 特許-ターボエンジン部品の非破壊的制御方法 図3
  • 特許-ターボエンジン部品の非破壊的制御方法 図4
  • 特許-ターボエンジン部品の非破壊的制御方法 図5
  • 特許-ターボエンジン部品の非破壊的制御方法 図6
  • 特許-ターボエンジン部品の非破壊的制御方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】ターボエンジン部品の非破壊的制御方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/2055 20180101AFI20230105BHJP
【FI】
G01N23/2055 310
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019528497
(86)(22)【出願日】2017-11-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 FR2017053277
(87)【国際公開番号】W WO2018096302
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-09-08
(31)【優先権主張番号】1661602
(32)【優先日】2016-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】306047664
【氏名又は名称】サフラン
(73)【特許権者】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(73)【特許権者】
【識別番号】311016455
【氏名又は名称】サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンティフィク
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
(73)【特許権者】
【識別番号】515281787
【氏名又は名称】アソシアシヨン・プール・ラ・ルシェルシュ・エ・ル・デブロプマン・ドゥ・メトード・エ・プロセシュス・アンデュストリエル-アルミン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レマーチャ,クレマン
(72)【発明者】
【氏名】ロメロ,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】アルノー,アレクシアーヌ
(72)【発明者】
【氏名】プルードン,アンリ
(72)【発明者】
【氏名】エルブラン,ティボー
【審査官】横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-507700(JP,A)
【文献】特開平05-312736(JP,A)
【文献】特開平05-059473(JP,A)
【文献】特公昭50-001455(JP,B1)
【文献】米国特許第04696024(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0239068(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0089845(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0328079(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00 - G01N 23/2276
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボエンジン部品の微細構造を分析する方法であって、ターボエンジン部品は、少なくとも1つの結晶グレインを含み、方法は、
a)部品の基本体積を通して電磁放射線のビームを放射し、部品を通過する電磁放射線に関する回折情報を記録するステップと、
b)部品の所与の領域に対してステップa)を繰り返すステップと、
c)各前記基本体積の結晶の空間的配向を決定し、その基本体積が同じ結晶配向に従って配向されている少なくとも1つの第1の結晶グレインの存在を推測するステップと、
d)前記第1のグレインの結晶の空間的配向と部品から取られた所定の方向との間の角度差を計算し、それを第1の所定の閾値と比較するステップと、
e)前のステップで行った比較から、部品の使用状態を決定するステップと、
を含み、
方法は、
i.回折情報から、所与の領域内に少なくとも第1および第2の別個の結晶グレインが存在することを識別するステップと、
ii.回折情報から部品の前記第2のグレインの空間的配向を決定するステップと、
iii.前記第2のグレインの空間的配向と部品の前記所定の方向との間の角度偏差を計算し、それを第1の所定の閾値と比較するステップと、
iv.前記第1のグレインの空間的配向と前記第2のグレインの空間的配向との間の角度差を計算し、それを第2の所定の閾値と比較するステップと、
v.ステップd)、iii)およびiv)において部品の使用状態を決定するステップと
をさらに含む方法。
【請求項2】
第1の所定の閾値が、-15°~15°である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第2の所定の閾値が、-12°~12°である、請求項に記載の方法。
【請求項4】
偏差の中の1つがそれが比較される所定の閾値よりも大きい場合に、使用状態の決定が部品の廃棄をもたらす、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
グレインの存在の識別が、部品を通過した放射線の回折像を、好ましくは分析される部品と同じ種類の部品内の既知のグレイン配向に相当する基準回折像を含むデータベースと比較することによって実行され、または回折像上のピークの位置を、データベースに含まれる既知のピーク基準位置と比較することによって実行される、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
基準回折像が、実際の部品上または結晶学的観点からデジタル的にシミュレートされた部品上での実験により得られた回折像である、請求項に記載の方法。
【請求項7】
回折情報が、部品を通して回折されたビームから得られた回折像からなる、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
部品がターボエンジンタービンのブレードであり、部品上に取られた所定の方向がブレードの足部と頂部との間に延在する長手方向である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
電磁放射線のビームがX線ビームである、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
部品の所与の領域の全ての結晶グレインの識別が実行され、部品の所与の領域が部品全体に相当する、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品の内部構造、より詳細にはターボエンジン部品の物質グレインの結晶配向の非破壊的制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作動しているか固定されているかにかかわらず、ターボエンジン部品、特にタービンブレードは、ターボエンジン作動中に大きな機械的応力を受ける。したがって、ブレードは、ターボエンジンの適切な動作に影響を及ぼし得るそれらの劣化を防止し、かつ破片の生成を防止するために強い耐久性が必要である。これらのブレードは単結晶構造を有し、グレイン成長はグレインセレクタ(grain selector)によって制御される。これらのブレードは、冷却を確実にするための内部空洞を含む複雑な幾何学的形状を有し、単結晶構造を有し、グレイン成長はグレインセレクタによって制御される。
【0003】
ブレードがターボエンジンに取り付けられる前に、ブレードが仕様に従って製造されることを確実にするために、一連の制御操作を実行することが通常である。
【0004】
これは、結晶配向とも呼ばれる、ブレードの物質のグレインの配向を決定すること、およびブレード内の異質グレインを探すことによって実施され得る。確かに、異なるグレインの配向がより等しい、またはほぼ等しいほど、ブレードはより耐久性があることが知られている。
【0005】
ブレード内の異質グレインは、単結晶ブレードの製造工程中または熱処理段階中に発生する可能性がある。それは、その結晶配向が成長配向とは異なる、様々なサイズのブレードの一部である。異質グレインはブレード内にランダムに現れるので、それはブレードの表面上に配置され、外壁に接触する可能性があり、またはブレードの内部空洞内に留まる可能性がある。
【0006】
グレイン配向を制御するための1つの既知の方法は、ブレードを化学的に腐食し、次いで溶液中のブレードを観察することである。ブレード上のグレインの分離配向、すなわち異なるグレイン配向は、ブレード上の光の反射の変化、したがってブレード上の多少なりとも明瞭な領域の変化によって目に見えるようになる。
【0007】
この方法は、ブレードの外部制御、すなわち表面状態について満足できるものであるが、しかしブレードの内部構造の制御は部品を切断することによってのみ可能であり、したがってそれは部品を破壊することを意味する。したがって、連続生産の場合、ブレードの内部結晶構造の制御は、部品の工業化および製造工程の制御の実施中にのみ実施される。
【0008】
しかしながら、タービンブレードはますます複雑な内部空洞を有しており、これが内部グレインが現れる顕著な確率につながり、早期のブレード老化の危険性を意味する。したがって、ブレードを個々に非破壊的に制御することがますます重要になってきている。
【0009】
ブレードの物質グレインの配向の変化は、グレインセレクタによって制御される結晶成長軸線に相当する理論的配向に関して、角度シフトによって達成されることに留意されたい。この成長軸線はエンジンの積み重ね軸線に相当し、回転軸線に対して半径方向に延在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、より具体的には、この問題に対する簡単で効率的かつ費用効果の高い解決策を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のために、本発明は、ターボエンジン部品の少なくとも1つのグレインの結晶配向を制御する方法であって、
a)部品の基本体積を通して電磁放射線のビームを放射し、部品を通過する電磁放射線に関する回折情報を記録するステップと、
b)部品の所与の領域に対してステップa)を繰り返すステップと、
c)各前記基本体積の結晶の空間的配向を決定し、その基本体積が同じ結晶配向に従って配向されている少なくとも1つの第1の結晶グレインの存在を推測するステップと、
d)前記第1のグレインの結晶の空間的配向と部品から取られた所定の方向との間の角度差を計算し、それを第1の所定の閾値と比較するステップと、
e)部品の使用状態を決定するステップと、
を含む方法を提案する。
【0012】
部品の表面の分析のみを実行する従来の技術とは対照的に、本発明は、部品上の複数の異なる位置で、すなわち電磁放射線を放射する手段の反対側の所与の領域内で部品を通って回折された電磁放射線ビームを分析することによって、部品の内部構造の制御を実行することを提案する。電磁放射線は、ブレードの内側に形成され得る、部品の異なる内壁または仕切りを通過することができることに留意されたい。得られた回折パターンは、部品上の結晶グレインの存在を推測し、それらの個々の配向を決定することを可能にする。部品の使用状態を判断することは、例えば、部品が使用可能かどうか、または廃棄する必要があるかどうかである。本発明は、少なくとも1つのグレインの結晶配向を部品の所定の方向と比較することを提案しており、その方向とは、例えば物質のグレインが理想的/理論的状況で延在するべき方向に相当し得る。実際には、回折ビームを介して得られた2次元情報から、ブレードグレインの空間的配向に関する情報が得られる。
【0013】
用語「高エネルギー」は、例えばX線またはガンマ線などの100KVを超えるエネルギーを指す。部品を通過できない放射線は、本明細書では除外される。
【0014】
別の特徴によれば、この方法はさらに、
i.回折情報から、所与の領域内に少なくとも第1および第2の別個の結晶グレインが存在することを識別するステップと、
ii.回折情報から部品の前記第2のグレインの空間的配向を決定するステップと、
iii.前記第2のグレインの空間的配向と部品の前記所定の方向との間の角度偏差を計算し、それを第1の所定の閾値と比較するステップと、
iv.前記第1のグレインの空間的配向と前記第2のグレインの空間的配向との間の角度差を計算し、それを第2の所定の閾値と比較するステップと、
v.ステップd)、iii)およびiv)において部品の使用状態を決定するステップと、
をさらに含む。
【0015】
本発明によれば、2つのグレイン間の配向差もまた考慮されることができ、それは部品の2つのグレイン間の相対状態に基づいて部品の使用状態について決定を下すことを可能にする。
【0016】
本発明は部品の全ての結晶グレインの配向を考慮することができることも理解されたい。この目的のために、各グレインの結晶の空間的配向と部品上で取られた所定の方向との間の角度偏差を測定することで十分であり、そのように測定された各角度偏差は第1の所定の閾値と比較される。加えて、各対のグレイン間の2対2の比較は、上記のステップi~vに関して説明したように実施され得る。
【0017】
本発明の実際的な実施形態では、第1の所定の閾値は-15°~15°の間である。第2の所定の閾値は、-12°~12°の間であり得る。
【0018】
好ましくは、偏差の1つが、それが比較される所定の閾値よりも大きい場合、使用状態の決定が部品の廃棄をもたらす。
【0019】
有利には、グレインの存在の識別は、その部品を通過した放射線の回折像を、好ましくは分析される部品と同じタイプ部品の既知のグレイン配向に相当する基準回折像を含むデータベースと比較することによって実施される。この第1の手法では、相関関数を使用して、得られた回折像とグレイン配向が既知であるデータベース回折像との間の類似性を確立することが可能であろう。
【0020】
回折像上にピーク検出を実行し、そのピーク位置を、結晶配向が知られている既知のピークについて基準位置のデータベースと比較することもやはり可能である。
【0021】
基準回折像は、実際の部品上または結晶学的観点からデジタル的にシミュレートされた部品上での実験により得られた回折像であり得る。好ましくは、回折情報が、部品を通して回折されたビームから得られた回折像からなる。
【0022】
有利には、電磁放射線ビームはX線ビームである。
【0023】
別の特徴によれば、部品の所与の領域内の全ての結晶グレインが識別され、部品の所与の領域が部品全体に相当することができる。
【0024】
添付の図面を参照して、限定しない例によって提供される、以下の説明を読めば、本発明がよりよく理解され、本発明の他の詳細、特徴および利点が容易に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】単一のグレインを含む内部構造を有するタービンブレードの概略斜視図である。
図2】複数のグレインを含む内部構造を有するタービンブレードの概略斜視図である。
図3】制御される部品を通る電磁放射線の回折パターンを得るための装置の概略図である。
図4】単一グレインを含むタービンブレードの概略図である。
図5図4の部品を通して得られた回折像の図である。
図6】2つのグレインを含むタービンブレードの概略図である。
図7図6の部品を通して得られた回折像の図である。 注意として、「グレイン」という用語は、所与の結晶学的配置に従って原子が完全に整列されている領域を指す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、単一のグレイン14を含むタービンブレード10(上部)、およびこのブレード10の内部構造12(下部)を示す。図2は、タービンブレード16(上部)、および異質グレイン20を有するその内部構造18を示す。この異質グレイン20は、理論的内部構造18でグレインシーム22によって区切られている。
【0027】
上述したように、本発明は、部品の製造適合性に関する情報を与え、それによってブレードがターボエンジン内の使用に適しているかどうか、すなわち、それが動作中の機械的応力に耐えるのに適しているかどうかを推測する目的で、ブレードの微細構造を分析するための方法および装置を提案する。
【0028】
この目的のために、装置22は高エネルギー電磁放射線源24、より詳細には、制御されるべきブレード28に向かってビーム26を放射することができるX線源を含む。それはまた、部品28を通って回折されたビームの2次元の収集および記録のための手段30を含む。第1のマスク32は、放射線源24と部品28との間に配置され、部品28の一部のみが、測定領域を表す入射放射線に露光されるように構成された開口部34を含む。この第1のマスク32は、さらに寄生反射を制限する。線源からの放射線を強く吸収することができる材料でできている第2のマスク33は、記録された信号から直接ビーム(次数0)を除去するために開口部34と位置合わせされる。部品28の制御領域は、コンピュータ制御されるグリッパアーム36によってビーム内に位置決めされ得る。この場合に使用されるアセンブリは、ラウエタイプの伝送アセンブリである。
【0029】
したがって、本発明による装置22は以下のように使用される。X線ビーム26は、部品の基本体積内で部品28を通過し、間接的検出(典型的にはヨウ化セシウムシンチレータを用いる平坦なデジタルセンサ)または直接的検出(RXフォトンカウンタ)を用いて2次元デジタルセンサによって収集される。得られた情報は、回折像として表され得るX線ビーム上の回折情報である(図5)。この回折像は、ブレード38が単結晶グレインを含む場合に得られる回折パターンの一例を表す。
【0030】
このような回折像から、X線で観察された部品の領域内のグレイン数を決定することができる。この識別は、データベースに格納されている基準画像と比較することによって実施可能であり、これらの基準画像は、分析される部品と同じ種類の部品における既知のグレイン配向に相当する。基準回折像が、実際の部品上またはデジタル的にシミュレートされた部品上での実験により得られた回折像である。
【0031】
ブレード38の基本体積の空間的配向を決定した後、次いで方法は、部品の所与の領域、または例えば部品全体の制御を望む場合に部品全体を走査するために、部品をアーム36によって移動するステップで構成される。これにより、各部品の位置で複数の回折情報を提供し、各前記部品の位置で結晶配向を決定することが可能である。
【0032】
次いで、同一の結晶配向を有する基本体積が決定されて、所与のグレイン、例えば第1のグレインを形成する。
【0033】
対象とする前記識別された体積に関してブレード38上で得られた角度配向37と、ブレードの長手方向39、すなわちブレードの足部から上部まで延在し、実質的に半径方向に相当する方向、すなわちターボエンジンのロータの回転軸線に垂直な方向との間の角度偏差(図4)が、次に計算される。
【0034】
この角度偏差αは、-15°~15°の範囲内にあり得る第1の所定の閾値と比較される。実際、この範囲の値を超えると、動作中にブレードに加えられる機械的応力はそのようなグレインにとって高すぎることになり、ブレードを損傷する可能性がある。
【0035】
角度偏差αが第1の閾値よりも大きい場合、ブレードの唯一のグレインが所望の理想的な配向、すなわちブレードの長手方向軸線の配向に対して極めて大きく位置ずれしていることを示すので、そのとき制御されたブレードは廃棄されるべきである。したがって、そのような場合、原子の配向と比較して、ブレードは動作中に過度の機械的応力を受けることになる。
【0036】
次いで、2つの異なるグレインを有するブレード40の第2の可能な構成(図6)では、単一グレインを有するブレードについて得られたものとは異なる回折像(図7)上の回折パターンが得られる。この画像は2つの一連の円42a、44aを含み、第1の一連の円42a(実線)は部品の第1のグレインに相当し、第2の一連の円44a(点線)はブレード40の第2のグレインに相当する。
【0037】
ブレードが2つのグレイン42、44を含むが、理論的には長手方向に配向されたグレインを1つだけ含むべきであるかどうかを決定するために、本発明による方法は、したがって、第1のグレイン42の空間的配向42b、第2のグレイン44の空間的配向44bを決定するステップと、長手方向39からの配向42b、44bのそれぞれの角度偏差αおよびαを測定するステップと、で構成される。2つの角度偏差αおよびαの一方が、第1の閾値より大きい場合、そのときその部品は破棄されるべきである。しかしながら、これら2つの角度偏差αおよびαが第1の所定の閾値より小さい場合、そのとき角度偏差βは、前記第1のグレインの空間的配向と前記第2のグレインの空間的配向との間で計算されなければならず、内部グレイン偏差として説明され得るこの新しい角度偏差βを第2の所定の閾値と比較する。角度偏差βは、廃棄されない部品についての第2の所定の閾値よりも小さくなければならない。
【0038】
したがって、本発明による方法では、グレインが有するべき公称配向に関してグレインの空間的配向が許容可能であるかどうか、および異なる配向のいくつかのグレインの存在もまた許容可能であるかどうかを決定することが可能である。
【0039】
本発明による方法は、ブレードのある部品のみを参照して説明されているが、この方法は、部品の全体の高さにわたって連続して繰り返されることが可能であり、したがって部品の全体の高さにわたって部品の非破壊的制御を実施することができることを理解されたい。
【0040】
グレインの空間的配向から上記の角度偏差測定を実施することを可能にするために、各グレインの空間的配向が最初に収集手段(またはセンサ)マーカ30において得られることに留意されたい。次いで、グリッパアームマーカ36内の収集手段マーカの空間的配向のマーカの変更が行われ、次いで部品38、40のマーカ内のグリッパアームのマーカの変更が行われる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7