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特許7203740アルミ端子及び銅アルミトランジションコネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】アルミ端子及び銅アルミトランジションコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/18 20060101AFI20230105BHJP
   H01R 4/62 20060101ALI20230105BHJP
   H01R 13/03 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
H01R4/18 A
H01R4/62 A
H01R13/03 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019544964
(86)(22)【出願日】2017-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2017107579
(87)【国際公開番号】W WO2018082486
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2019-06-25
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】201610966186.5
(32)【優先日】2016-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519157831
【氏名又は名称】吉林省中贏高科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王超
【合議体】
【審判長】平田 信勝
【審判官】尾崎 和寛
【審判官】内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6538203(US,B1)
【文献】実開平3-24266(JP,U)
【文献】特開2004-200094(JP,A)
【文献】米国特許第4214121(US,A)
【文献】特開平11-86921(JP,A)
【文献】実開昭58-49888(JP,U)
【文献】特開2015-50081(JP,A)
【文献】特開2001-68180(JP,A)
【文献】実開昭56-110581(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/00-4/22
H01R 4/58-4/72
H01R 13/00-13/08
H01R 13/15-13/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミ導線を挿入するための挿入キャビティを含むアルミ端子であって、
前記挿入キャビティは、内径が前記アルミ導線の芯線の外径と整合する第一キャビティと、内径が前記アルミ導線の絶縁層の外径と整合する第二キャビティとを含み、
前記第一キャビティの後端と前記第二キャビティの前端とが接続されており、
記挿入キャビティの最小肉厚は、前記絶縁層の肉厚の1/6倍以上であり、
前記第一キャビティの内壁と前記芯線との間には、前記芯線と前記第一キャビティとが導通するための導電被覆層が設けられており、
前記アルミ導線が前記挿入キャビティに挿入されると、前記アルミ導線の前記芯線が、前記アルミ導線の前記挿入キャビティへの挿入方向において、前記第一キャビティによって覆われることを特徴とするアルミ端子。
【請求項2】
前記挿入キャビティの最大肉厚は、前記絶縁層の肉厚の18倍以下であることを特徴とする請求項1に記載されたアルミ端子。
【請求項3】
前記第一キャビティと前記第二キャビティとの接続箇所の内壁は、面取り構造であることを特徴とする請求項1に記載されたアルミ端子。
【請求項4】
前記導電被覆層は、少なくとも15wt%の導電部分と、せいぜい85wt%のキャリア部分とを含むことを特徴とする請求項1に記載されたアルミ端子。
【請求項5】
前記導電被覆層は、主に30-90wt%の導電部分と、10-70wt%のキャリア部分とからなることを特徴とする請求項に記載されたアルミ端子。
【請求項6】
前記導電部分は、少なくとも金粉末、銀粉末、銅粉末、アルミ粉末、亜鉛粉末、鉄粉末、カドミウム粉末、マグネシウム粉末、リチウム粉末、錫粉末、又はニッケル粉末のいずれかを含むことを特徴とする請求項又は請求項に記載されたアルミ端子。
【請求項7】
前記導電部分は、主に黒鉛粉からなることを特徴とする請求項又は請求項に記載されたアルミ端子。
【請求項8】
前記キャリア部分は、樹脂基体と接着剤とを含むことを特徴とする請求項又は請求項に記載されたアルミ端子。
【請求項9】
前記キャリア部分は、更に、架橋剤、カップリング剤、又は分散剤の中の一種又は二種以上を含むことを特徴とする請求項に記載されたアルミ端子。
【請求項10】
銅端子と、少なくとも一個の請求項1から請求項のいずれか一項に記載されたアルミ端子とを含む銅アルミトランジションコネクタであって、
前記銅端子は、前記アルミ端子の第一キャビティの前端に固定されていることを特徴とする銅アルミトランジションコネクタ。
【請求項11】
前記銅端子は、前記第一キャビティの前端に溶接されていることを特徴とする請求項10に記載された銅アルミトランジションコネクタ。
【請求項12】
前記銅端子は、摩擦溶接又は抵抗溶接又はレーザー溶接又は電子線溶接又は圧接方法で前記第一キャビティの前端に固定されていることを特徴とする請求項11に記載された銅アルミトランジションコネクタ。
【請求項13】
前記銅端子は、中空状構造であることを特徴とする請求項10に記載された銅アルミトランジションコネクタ。
【請求項14】
前記銅端子と前記第一キャビティの前端との接続面は、平面であることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか一項に記載された銅アルミトランジションコネクタ。
【請求項15】
前記銅端子と前記第一キャビティの前端との接続面は、折り面であることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか一項に記載された銅アルミトランジションコネクタ。
【請求項16】
前記アルミ端子の数は、少なくとも二個以上であり、前記アルミ端子は、水平方向に沿って一列に並んでいると共に、隣り合うアルミ端子の側壁は、固定されて互いに接続されていることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか一項に記載された銅アルミトランジションコネクタ。
【請求項17】
前記アルミ端子の数は、少なくとも二個以上であり、前記アルミ端子は、水平方向に沿って一列に並んでいると共に、隣り合うアルミ端子は、互いに隔たっていることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか一項に記載された銅アルミトランジションコネクタ。
【請求項18】
前記銅端子は、三方構造であり、前記アルミ端子の数は、三個であり、前記三個のアルミ端子の第一キャビティの前端は、それぞれ前記三方構造の三つの端子表面に対応していると共に、対応する第一キャビティの前端と対応する端子表面とは、固定されて互いに接続されていることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか一項に記載された銅アルミトランジションコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動車両に設置された銅アルミトランジションコネクタにおけるアルミ端子及び、前記アルミ端子を使用して形成された銅アルミトランジションコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電力設備、殊に駆動車両の電力設備において、その端子は、通常銅材料で製造される。若し前記端子及びアルミ導線(前記アルミ導線は芯線と前記芯線を被覆している絶縁層とを含み、前記芯線の主成分はアルミ又はアルミ合金である)が直接に互いに接続されると、接触抵抗が大きくなる。設備が長期運転、過負荷又は短絡する場合、接続箇所は急速に温度が上昇して事故が引き起こされる。そのため、一般的に処理された銅アルミコネクタ又は銅アルミトランジション片が使用されている。
【0003】
中国実用新案CN 203312469 Uは、主に電力設備とアルミ導線との間にトランジション接続するための銅アルミ端子を公開している。その主要な接続は、アルミ線、アルミ管及び銅接続端子を含む。その中で、前記アルミ線は、配線ハーネスと配線ハーネスの外で被覆している絶縁層とを含み、前記アルミ管は、アルミ線に巻きつけ、一端が前記アルミ線の端部の絶縁層が除去された配線ハーネスにあり、他端が隣り合う絶縁層にある。前記アルミ管の内部は、階段状であり、内階段表面と前記絶縁層の端面とを整合する。
【0004】
しかし、このような構成の銅アルミ端子は、アルミ管の寸法について制限がされていないと共に、常用のアルミ管の降伏強度は、一般的に30 MPaほどである。そのため、アルミ導線を圧着する際に、若しアルミ管の肉厚が薄すぎると、アルミ管にクラックが現れること又はスクラッチ後に顕著なクラックが現れる。これにより、銅アルミ端子の全体的な機械性能に影響することを引き起こしやすい。また、アルミ管の肉厚が厚すぎると、増加した肉厚は、製品の圧着性能や、機械性能、電気性能に対する改善が僅かであり、且つ更に多量のアルミ材料を使用する必要があり、製造コストがかなり増加する。
【0005】
同時に、アルミ導線とアルミ管との間に圧着方法によって接続されているので、若し圧着効果がよくなければ、アルミ管とアルミ導線の芯線との間に又はアルミ導線の芯線の間に隙間が残りやすく、空気と水とが隔たりにくく、同時に、更に芯線が空気に酸化されて腐食され、芯線とアルミ管との間の抵抗が増加することを引き起こし、アルミ導線とアルミ管との間の導電性がかなり低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】なし
【非特許文献】
【0007】
【文献】中国実用新案第203312469号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の技術の不足を克服するため、本発明の第一目的は、圧着過程にそれ自体にクラックが現れることを防止し、製造された製品のコストの合理化に有利である上、それ自体とアルミ導線との間の導電性を向上させることができるアルミ端子を提供する。本発明の第二発明目的は、前記アルミ端子を使用した銅アルミトランジションコネクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第一目的を実現するため、本発明で使用する技術態様は、具体的に下記のようである。
アルミ導線を挿入するための挿入キャビティを含むアルミ端子であって、前記挿入キャビティは、内径が前記アルミ導線の芯線の外径と整合する第一キャビティと、内径が前記アルミ導線の絶縁層の外径と整合する第二キャビティとを含み、前記第一キャビティの後端と前記第二キャビティの前端とが接続されている。前記アルミ導線を圧着する際にクラックが現れることが減少できるように、前記挿入キャビティの最小肉厚は、前記絶縁層の肉厚の1/6倍以上である。
好適に、前記挿入キャビティの最大肉厚は、前記絶縁層の肉厚の18倍以下である。
好適に、前記第一キャビティと前記第二キャビティとの接続箇所の内壁は、面取り構造である。
好適に、前記第一キャビティの前端には、開口が設けられている。
好適に、前記第一キャビティの内壁と前記芯線との間には、前記芯線と前記第一キャビティとが導通するための導電被覆層が設けられている。
更に、前記導電被覆層は、少なくとも15wt%の導電部分と、せいぜい85wt%のキャリア部分とを含む。
更に、前記導電被覆層は、主に30-90wt%の導電部分と、10-70wt%のキャリア部分とからなる。
更に、前記導電部分は、少なくとも金粉末、銀粉末、銅粉末、アルミ粉末、亜鉛粉末、鉄粉末、カドミウム粉末、マグネシウム粉末、リチウム粉末、錫粉末、又はニッケル粉末のいずれかを含む。
或いは、前記導電部分は、主に黒鉛粉からなる。
更に、前記キャリア部分は、樹脂基体と接着剤とを含む。
【0010】
上記第二目的を実現するため、本発明で使用する技術態様は、具体的に下記のようである。
銅端子と、少なくとも一個の上記アルミ端子とを含む銅アルミトランジションコネクタであって、前記銅端子は、前記アルミ端子の第一キャビティの前端に固定されている。
好適に、前記銅端子は、前記第一キャビティの前端に溶接されている。
更に、前記銅端子は、摩擦溶接又は抵抗溶接又はレーザー溶接又は電子線溶接又は圧接方法で前記第一キャビティの前端に固定されている。
好適に、前記銅端子は、中空状構造である。
更に、前記銅端子と前記第一キャビティの前端との接続面は、平面である。
或いは、前記銅端子と前記第一キャビティの前端との接続面は、折り面である。
好適に、前記アルミ端子の数は、少なくとも二個以上である。前記アルミ端子は、水平方向に沿って一列に並んでいると共に、隣り合うアルミ端子の側壁は、固定されて互いに接続されている。
或いは、前記アルミ端子の数は、少なくとも二個以上である。前記アルミ端子は、水平方向に沿って一列に並んでいると共に、隣り合うアルミ端子は、互いに隔たっている。
また、前記銅端子は、三方構造である。前記アルミ端子の数は、三個である。前記三個のアルミ端子の第一キャビティの前端は、それぞれ前記三方構造の三つの端子表面に対応していると共に、対応する第一キャビティの前端と対応する端子表面とは、固定されて互いに接続されている。
【発明の効果】
【0011】
従来の技術に比べ、本発明は以下の有益な効果を奏する:
1、発明者は、数多くの圧縮試験と創造性に富む改善過程とから総括した。アルミ端子の挿入キャビティは、アルミ導線を圧着する際に受けた圧縮変形がその挿入キャビティ自体の肉厚より大きい場合、挿入キャビティにクラックが現れやすい。その上、発明者は、更に、挿入キャビティの最小肉厚とアルミ導線の絶縁層の肉厚との両者の間の値の関係が制御できれば、アルミ導線を圧着する際に挿入キャビティの圧縮変形範囲が有効に制御できる。これにより、挿入キャビティにクラックが現れることを避けると発見した。アルミ端子に約30 MPaの圧力を加えた圧縮試験にも証明し、若し挿入キャビティの最小肉厚は、アルミ導線の絶縁層の肉厚の1/7又は1/8又は1/9又は1/10又は1/11又は1/12に設定すれば、本発明のアルミ端子の表面に顕著なクラックが現れたが、挿入キャビティの最小肉厚は、アルミ導線の絶縁層の肉厚の1/6又は1/5又は1/4又は1/3又は1/2又は1又は2又は3……又は15倍又は18倍又は20倍に設定する際に、同じ圧力を加えた場合、本発明のアルミ端子の表面にクラックが現れなかった。そのため、発明者は、挿入キャビティの最小肉厚が少なくとも絶縁層の肉厚の1/6倍に設定されると、アルミ導線を圧着する際にアルミ端子にクラックが現れることが有効に減少できる、と考える。
【0012】
同時に、前記挿入キャビティの最小肉厚が前記絶縁層の肉厚の1/6倍以上のこの臨界値であると、銅端子と銅アルミコネクタに形成する際に、アルミ端子とアルミ導線との接続箇所における衝撃強度が増加することができ、その両者の電気接続性能を更に保障する。
【0013】
2、前記挿入キャビティの最大肉厚は、前記絶縁層の肉厚の18倍以下である。アルミ端子がその必須の電気性能と圧着性能との要求に満足できることを保障したという前提で、更にアルミ端子の製造コストを節約することができる。
【0014】
3、前記挿入キャビティの第一キャビティと第二キャビティとの接続箇所の内壁は、面取り構造である。前記面取り構造は、押し出す際にアルミ端子に顕著なクラックが現れることが避けられ、且つ圧縮する際に直角が芯線と絶縁層とに対して圧痕又は摩擦の痕を作ることが有効に避けられる。これにより、製品性能に影響することを避ける。
【0015】
4、前記第一キャビティの内壁と前記芯線との間の導電被覆層は、内壁と芯線との間の電気接続を改善することができる上、内壁と芯線との間の空気、水分及びその他の不純物を排除することができ、芯線が酸化されることを防止すると共に、芯線とアルミ端子との間の抵抗が減少し、芯線とアルミ端子との間の抵抗が時間の推移に連れて酸化等の原因によって上昇することを避ける。これにより、アルミ導線とアルミ端子との間の導電性が更に改善する。
【0016】
5、前記導電被覆層は、少なくとも15 wt%の導電部分と、せいぜい85 wt%のキャリア部分とを含み、導電性と導電被覆層との流動性を有効に保証することができる。
【0017】
6、前記導電被覆層は、主に30-90 wt%の導電部分と、10-70 wt%のキャリア部分とからなる。導電部分の成分の割合が30-90 wt%の間においては、アルミ導線とアルミ端子との間の導電性を更に有効に確保することができる。
【0018】
7、前記導電部分は、少なくとも金粉末、銀粉末、銅粉末、アルミ粉末、亜鉛粉末、鉄粉末、カドミウム粉末、マグネシウム粉末、リチウム粉末、錫粉末、又はニッケル粉末のいずれかを含む。生産者は、実際の予算に応じて導電被覆層の組成を機敏に調整することが可能である。例えば、必要な導電性に満足したという前提で、より高い導電金属粉末の使用を適切に減少させることが可能である。これにより、生産コストを節約する。
【0019】
8、前記導電部分は、主に黒鉛粉からなる。前述のように金粉末、銀粉末、銅粉末、アルミ粉末、亜鉛粉末、鉄粉末、カドミウム粉末、マグネシウム粉末、リチウム粉末、錫粉末、又はニッケル粉末等の金属粉末を導電成分として使用することに比べ、導電部分の生産コストを顕著に低減することが可能である。
【0020】
9、前記キャリア部分は、樹脂基体と接着剤とを含む。前記キャリア部分は、更に、架橋剤、カップリング剤、又は分散剤の中の一種又は二種以上を含む。前記樹脂基体は、導電部分と有効に結合でき、隙間を充填し、空気、水分及び不純物が第一キャビティと芯線との間に残ることを避ける。前記分散剤は、導電部分を平均的に分布させるために使用する。前記接着剤は、キャリア部分と導電部分との間の接着力を向上させるために使用する。前記架橋剤は、前記導電被覆層の全体的な強度と弾力性とを増加させるために使用する。前記カップリング剤は、導電被覆層における成分の相互の結合作用を強くさせるために使用する。
【0021】
10、銅端子が摩擦溶接又は抵抗溶接又はレーザー溶接又は電子線溶接又は圧接方法で前記アルミ端子の第一キャビティの前端に固定されていることによって製造された銅アルミトランジションコネクタは、銅とアルミとの間の一次電池反応を有効に避けることができ、前記銅アルミトランジションコネクタの力学的性能と電気性能とを保証する。
【0022】
11、銅アルミトランジションコネクタの銅端子は、中空状構造である。必要な導電性に満足したという前提で、銅材料の消耗を更に有効に節約することが可能である。製造された銅アルミトランジションコネクタの生産コストを低減することに有利である上、前記銅アルミトランジション端子の質量を軽量化にさせることに有利である。
【0023】
12、前記銅アルミトランジションコネクタにおいて、前記銅端子とアルミ端子の第一キャビティの前端との接続面が平面である場合には、溶接を実施する際に、銅、アルミ端子の端子表面を揃えやすいので、溶接を実施しやすく、且つ銅、アルミ端子の間に固着作用が強く、同時に溶接ビードや気孔等の溶接質量問題を引き起こしやすくなく、不良品率がかなり減少して生産コストを節約する上、銅アルミトランジションコネクタの使用過程における安全信頼性を向上させることに有利である。
【0024】
13、前記銅アルミトランジションコネクタにおいて、前記銅端子とアルミ端子の第一キャビティの前端との接続面が折り面である場合には、銅端子とアルミ端子との有効接触面積がかなり増加し、良好な導電性を確保し、且つ銅、アルミ端子を溶接する際に力学的性能を強くさせ、銅、アルミ端子の接触面の抵抗が減少する。
【0025】
14、前記銅アルミトランジションコネクタにおいて、前記アルミ端子の数が少なくとも二個以上である場合には、前記銅アルミトランジションコネクタの使用効率を顕著に向上させることが可能である。前記銅アルミトランジションコネクタは、新エネルギー自動車等の大電流搭載設備において複数個の端子に代えて接続することができ、空間を節約し、コストを節約した上、組み立てる効率を向上させた。
【0026】
上記の説明は本発明の技術態様の概要のみである。本発明の技術手段を更に明瞭に理解でき、明細書の内容に従って実施することができるため、且つ本発明の上記とその他の目的、特徴と利点とを更に明らかにさせて理解させやすいため、以下、特に好適な実施例を挙げ、添付する図面を合わせ、下記のように詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明のアルミ端子の第1の好適な実施形態とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図2】本発明のアルミ端子の第2の好適な実施形態とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図3】本発明のアルミ端子の第3の好適な実施形態とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図4】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第1の好適な実施形態とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図5】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第2の好適な実施形態とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図6】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第3の好適な実施形態の第1の構造とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図7】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第3の好適な実施形態の第2の構造とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図8】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第3の好適な実施形態の第3の構造とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図9】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第3の好適な実施形態の第4の構造とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図10】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第4の好適な実施形態とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図11】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第5の好適な実施形態とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図12】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第6の好適な実施形態の第1の構造とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図13】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第6の好適な実施形態の第2の構造とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図14】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第7の好適な実施形態とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図15】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第8の好適な実施形態の第1の構造とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図16】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第8の好適な実施形態の第2の構造とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図17】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第9の好適な実施形態とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図18】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第10の好適な実施形態とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図19】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第11の好適な実施形態とアルミ導線の接続構造とを示す図である。
図20】本発明の銅アルミトランジションコネクタ構造の第12の好適な実施形態における三方構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の予定の発明目的を達成するための使用された技術手段と効果とを更に述べるように、以下、添付する図面及び好適な実施例を合わせ、本発明の発明を実施するための形態、構造、特徴及びその効果について、下記のように詳しく説明する。
【0029】
[アルミ端子構造1(直角)]
図1に示すように、本発明のアルミ端子1の第1の構造は、アルミ導線2を挿入するための挿入キャビティを含む。前記挿入キャビティは、内径が前記アルミ導線2の芯線21の外径と整合する第一キャビティ11と、内径が前記アルミ導線2の絶縁層22の外径と整合する第二キャビティ12とを含み、前記第一キャビティ11の後端と前記第二キャビティ12の前端とが接続されている。前記挿入キャビティの最小肉厚Hは、前記絶縁層の肉厚の1/6倍以上である
【0030】
取り付ける際に、先ず、アルミ導線2の前端の絶縁層22を、前記芯線21を露出するように除去してから、アルミ導線2を前記挿入キャビティの中に挿入し、且つ前記芯線21の露出部分を前記第一キャビティ11の中に位置させると共に、未除去の一部分の絶縁層22を前記第二キャビティ12の中に位置させる。そして、アルミ端子1に約30 MPaの圧力を加える。これにより、前記アルミ端子1とその内部に位置する一部分のアルミ導線2との圧着固定を実現する。
【0031】
圧縮試験によって、常圧において、アルミ端子1に30 MPaの圧力を加えた場合、若し挿入キャビティの最小肉厚は、アルミ導線の絶縁層の肉厚の1/7又は1/8又は1/9又は1/10又は1/11又は1/12に設定すれば、本発明のアルミ端子の表面に顕著なクラックが現れたが、挿入キャビティの最小肉厚は、アルミ導線の絶縁層の肉厚の1/6又は1/5又は1/4又は1/3又は1/2又は1又は2又は3……又は15倍又は18倍又は20倍に設定する際に、同じ圧力を加えた場合、本発明のアルミ端子1の表面にクラックが現れなかった。そのため、本発明の挿入キャビティの最小肉厚が少なくとも前記絶縁層の肉厚の1/6であると、アルミ導線2を圧着する際にアルミ端子1にクラックが現れることが有効に減少できる。
【0032】
同時に、前記挿入キャビティの最小肉厚Hが前記絶縁層22の肉厚の1/6倍以上のこの臨界値であると、銅端子3と銅アルミコネクタに形成する際に、アルミ端子1とアルミ導線2との接続箇所における機械的な強度を保証することができ、その両者の電気接続性能を更に保障する。
【0033】
説明する必要があるのは、図1に示すアルミ端子1は、第一キャビティ11と第二キャビティ12との厚さが均一であり、且つ第一キャビティ11の肉厚が第二キャビティ12の肉厚より大きいので、本構成において、前記挿入キャビティの最小肉厚Hは、実質的に図1に示す第二キャビティ12の最小肉厚である。勿論、本領域の技術者にとっては、挿入キャビティの最小肉厚Hに対する理解は、上記図1に示す形態に限るはずがなく、第一キャビティ11の肉厚が第二キャビティ12の肉厚に等しい場合、前記挿入キャビティの最小肉厚Hは、第一キャビティ11の最小肉厚又は第二キャビティ12の最小肉厚である。或いは、第一キャビティ11の肉厚が第二キャビティ12の肉厚より小さい場合、前記挿入キャビティの最小肉厚Hは、第一キャビティ11の最小肉厚である。また、第一キャビティ11の肉厚と第二キャビティ12の肉厚とがグラデーション式又はステップ式である場合、この際に、前記挿入キャビティの最小肉厚Hは、第一キャビティ11と第二キャビティ12との両者の肉厚における最小値として理解すべきである。
【0034】
なお、アルミ端子1がその必須の電気性能と圧着性能との要求に満足できることを保障したという前提で、更にアルミ端子1の製造コストを節約することができる。本アルミ端子1の構造の更なる改善として、前記挿入キャビティの最大肉厚は、前記絶縁層22の肉厚の18倍以下である(即ち、前記挿入キャビティの最大肉厚は、せいぜい前記絶縁層22の肉厚の18倍である)。
【0035】
前記第一キャビティ11と第二キャビティ12との断面は、矩形である。前記第一キャビティ11の内径は、前記アルミ導線の芯線21の外径よりやや大きく、前記第二キャビティ12の内径は、前記芯線21の直径とアルミ導線の絶縁層22の肉厚の2倍との和よりやや大きい。
【0036】
前記芯線21の主成分は、アルミ又はアルミ合金である。前記芯線21は、一本の芯線からなるものであってもよく、複数本の芯線が絡み合うからなるものであってもいい。
【0037】
前記アルミ導線2とアルミ端子1との間の導電性を向上させるため、前記第一キャビティ11の内壁と前記芯線21との間は、前記芯線21と第一キャビティ11とが導通するための導電被覆層(図示しない)が設けられている。前記導電被覆層が設けられたので、第一キャビティ11の内壁と芯線21との間の電気接続を改善することができる上、更に前記内壁と芯線21との間の空気、水分及びその他の不純物を排除することができ、芯線21が酸化されることを防止すると共に、芯線21とアルミ端子1との間の抵抗が減少する。同時に、前記導電被覆層は、芯線とアルミ端子との間の抵抗が時間の推移に連れて酸化等の原因によって上昇することを避け、アルミ導線2とアルミ端子1との間の導電性を更に改善する目的を最終的に達成した。
【0038】
前記導電被覆層の流動性を増加させるため、前記導電被覆層は、少なくとも15 wt%の導電部分と、せいぜい85 wt%のキャリア部分とを含む。
【0039】
前記導電部分を導電被覆層の内部に平均的に分布させることができ、アルミ導線2とアルミ端子1との間の導電性を確保するため、本アルミ端子の構造の更なる改善として、前記導電被覆層は、主に30-90 wt%の導電部分と、10-70 wt%のキャリア部分とからなる。
【0040】
具体的に、前記キャリア部分は、樹脂基体と接着剤とを含む。前記キャリア部分は、更に、架橋剤、カップリング剤、又は分散剤の中の一種又は二種以上を含む。前記樹脂基体は、導電部分と有効に結合でき、隙間を充填し、空気、水分及び不純物が第一キャビティ11と芯線21との間に残ることを避ける。前記分散剤は、導電部分を平均的に分布させるために使用する。前記接着剤は、キャリア部分と導電部分との間の接着力を向上させるために使用する。前記架橋剤は、前記導電被覆層の全体的な強度と弾力性とを増加させるために使用する。前記カップリング剤は、導電被覆層における成分の相互の結合作用を強くさせるために使用する。
【0041】
本アルミ端子構造の導電部分の第1の好適な組成成分として、前記導電部分は、少なくとも金粉末、銀粉末、銅粉末、アルミ粉末、亜鉛粉末、鉄粉末、カドミウム粉末、マグネシウム粉末、リチウム粉末、錫粉末、又はニッケル粉末のいずれかを含む。
【0042】
下記の表は、異なる種類の金属粉末を使用して形成された導電被覆層が、異なる導電成分の割合における導電性試験のデータである。


【0043】
上記の表から、同じ金属粉末については、その添加量が大きいほど、形成された導電被覆層の抵抗率が低く、アルミ導線2とアルミ端子1との間の導電性が良く、逆に、金属粉末の添加量が小さいほど、形成された導電被覆層の抵抗率が大きく、アルミ導線2とアルミ端子1との間の導電性が悪いことが見られる。本表において、同じ種類の金属粉末について、導電性が最も良いのは、金属粉末の添加量が100%の場合に形成された導電被覆層であるが、導電性が最も悪いのは、金属粉末の添加量が15%の場合に形成された導電被覆層である。
【0044】
異なる種類の金属粉末においては、同じ添加量の場合、アルミ粉末、マグネシウム粉末、亜鉛粉末、カドミウム粉末、鉄粉末、錫粉末、ニッケル粉末の使用コストは、比較的に安価である。しかし、マグネシウム粉末が空気中に比較的に活発し、鉄粉末が空気中に酸化されて腐食されやすく、カドミウム粉末と錫粉末との導電性が相対的に低いため、低生産コストを求める場合、アルミ粉末、亜鉛粉末又はニッケル粉末を好適に選んで導電成分とする。一方、銀粉末、銅粉末、金粉末、リチウム粉末においては、銀粉末、銅粉末及び金粉末の導電性は、上記の金属粉末の導電性より良い。同時に、金粉末と銀粉末とは、化学性質が安定であるが、高価であるため、低生産コストの場合に使用するのに不向きである。なお、リチウム粉末は、高価であり、導電性が相対的に普通である。銅粉末は、導電性が比較的に良く、生産コストが比較的に低い。そのため、実際の生産において、生産者は、実際の予算に応じて導電被覆層の導電成分の具体的な組成を機敏に調整することが可能である。例えば、必要な導電性に満足したという前提で、より高い導電部分の使用を適切に減少させることが可能である。これにより、生産コストを節約する。
【0045】
アルミ端子構造の導電部分の第2の好適な組成成分として、前記導電部分は、主に黒鉛粉からなる。
【0046】
下記の表は、黒鉛粉を使用して形成された導電被覆層が、異なる導電成分の割合における導電性試験のデータである。

【0047】
上記の表から、本アルミ端子構造の導電部分の第2の好適な組成成分は、黒鉛粉を使用し、最終的に、キャリア部分の形成された導電被覆層と、対応する導電効果も達成できる。しかし、前述金粉末、銀粉末、銅粉末、アルミ粉末、亜鉛粉末、鉄粉末、カドミウム粉末、マグネシウム粉末、リチウム粉末、錫粉末、又はニッケル粉末等の金属粉末を使用して導電部分とする第1の好適な組成成分と比べ、その導電性がやや悪いが、その形成された導電部分の生産コストが前述第1の好適な組成成分よりも甚だ低く、導電部分の生産コストを顕著に低減することができることが見られる。
【0048】
[アルミ端子構造2(面取り)]
図2は、本発明のアルミ端子の第2の構造を示す。それと図1に示す第1の構造との唯一の区別は、前記第一キャビティ11と第二キャビティ12との接続箇所の内壁が、面取り構造4である。前記面取り構造4は、押し出す際にアルミ端子1に顕著なクラックが現れることが有効に避けられる上、圧縮する際に図1に示す直角が芯線21と絶縁層22とに対して圧痕又は摩擦の痕を作ることを避ける。これにより、製品性能に影響することを避ける。
【0049】
取り付ける際に、先ず、アルミ導線2の前端の絶縁層22を、前記芯線21を露出するように除去してから、アルミ導線2を前記挿入キャビティの中に挿入すればよい。
【0050】
[アルミ端子構造3(開口)]
図3は、本発明のアルミ端子の第3の構造を示す。それと図2に示す第2の構造との唯一の区別は、前記第一キャビティ11の前端に開口が設けられていることである。銅アルミトランジションコネクタが形成された際に、前記アルミ導線2における芯線21を、前記開口を介して銅端子3に接触させることができ、銅端子3と直接に接続させる。
【0051】
また、本発明は前述アルミ端子構造を使用して形成された銅アルミトランジションコネクタを更に公開した。下記は前記銅アルミトランジションコネクタの具体的な構造について更に叙述する。
【0052】
[銅アルミトランジションコネクタ構造1(直角+平面)]
図4は、本発明の第1の銅アルミトランジションコネクタの構造を示す。それは銅端子3と、少なくとも一個の図1に示すアルミ端子1とを含む。前記銅端子3は、前記アルミ端子1の第一キャビティ11の前端に固定されている。第1の銅アルミトランジションコネクタの構造においては、好適な前記アルミ端子1の数は一個である。
【0053】
具体的に、前記銅端子3は、摩擦溶接又は抵抗溶接又はレーザー溶接又は電子線溶接又は圧接方法で前記第一キャビティ11の前端に固定されている。その他の溶接方法を使用して形成された銅アルミトランジションコネクタに比べ、銅とアルミとの間の一次電池反応を有効に避けることができ、前記銅アルミトランジションコネクタの力学的性能と電気性能とを保証する。
【0054】
具体的に、前記銅端子3と前記第一キャビティ11の前端との接続面は、平面である。溶接を実施する際に、銅、アルミ端子の端子表面を揃えやすいので、溶接を実施しやすく、且つ銅、アルミ端子の間に固着作用が強く、同時に溶接ビードや気孔等の溶接質量問題を引き起こしやすくなく、不良品率がかなり減少して生産コストを節約する上、銅アルミトランジションコネクタの使用過程における安全信頼性を向上させることに有利である。
【0055】
[銅アルミトランジションコネクタ構造2(面取り+平面)]
図5は、本発明の第2の銅アルミトランジションコネクタの構造を示す。それは銅端子3と、少なくとも一個の図2に示すアルミ端子1とを含む。前記銅端子3は、前記アルミ端子1の第一キャビティ11の前端に固定されている。第2の銅アルミトランジションコネクタの構造においては、好適な前記アルミ端子1の数は一個である。具体的に、前記銅端子3は、摩擦溶接又は抵抗溶接又はレーザー溶接又は電子線溶接又は圧接方法で前記第一キャビティ11の前端に固定されている。その他の溶接方法を使用して形成された銅アルミトランジションコネクタに比べ、銅とアルミとの間の一次電池反応を有効に避けることができ、前記銅アルミトランジションコネクタの力学的性能と電気性能とを保証する。具体的に、前記銅端子3と前記第一キャビティ11の前端との接続面は、平面である。溶接を実施する際に、銅、アルミ端子の端子表面を揃えやすいため、溶接を実施しやすく、且つ銅、アルミ端子の間に固着作用が強く、同時に溶接ビードや気孔等の溶接質量問題を引き起こしやすくなく、不良品率がかなり減少して生産コストを節約する上、銅アルミトランジションコネクタの使用過程における安全信頼性を向上させることに有利である。
【0056】
[銅アルミトランジションコネクタ構造3(面取り+折り面)]
本発明の第3の銅アルミトランジションコネクタの構造は、それと図5に記載される第2の銅アルミトランジションコネクタ構造との唯一の区別は、前記銅端子3と前記第一キャビティ11の前端との接続面が、折り面である。これにより、銅端子3とアルミ端子1との有効接触面積がかなり増加し、良好な導電性を確保し、且つ銅、アルミ端子を溶接する際に力学的性能を強くさせ、銅、アルミ端子の接触面の抵抗が減少する。
【0057】
そして、本銅アルミトランジションコネクタ構造においては、前記折り面は、V字型である(図6に示すように)。又は、前記折り面は、逆V字型である(図7に示すように)。又は、前記折り面は、台形である(図8に示すように)。又は、前記折り面は、逆台形である(図9に示すように)。説明する必要があるのは、前記折り面は、前述形状以外、その他の、銅端子3とアルミ端子1との有効接触面積が増加できる如何なる折り面の形状が可能である。
【0058】
[銅アルミトランジションコネクタ構造4(開口+面取り)]
図10は、本発明の第4の銅アルミトランジションコネクタの構造を示す。それは銅端子3と、少なくとも一個の図3に示すアルミ端子1とを含む。前記銅端子3は、前記アルミ端子1の第一キャビティ11の前端に固定されている。第4の銅アルミトランジションコネクタの構造においては、好適な前記アルミ端子1の数は一個である。
【0059】
具体的に、前記銅端子3は、摩擦溶接又は抵抗溶接又はレーザー溶接又は電子線溶接又は圧接方法で前記第一キャビティ11の前端に固定されている。その他の溶接方法を使用して形成された銅アルミトランジションコネクタに比べ、銅とアルミとの間の一次電池反応を有効に避けることができ、前記銅アルミトランジションコネクタの力学的性能と電気性能とを保証する。具体的に、前記銅端子3と前記第一キャビティ11の前端の外壁との接続面は、平面である。溶接を実施する際に、銅、アルミ端子の端子表面を揃えやすいので、溶接を実施しやすく、且つ銅、アルミ端子の間に固着作用が強く、同時に溶接ビードや気孔等の溶接質量問題を引き起こしやすくなく、不良品率がかなり減少して生産コストを節約する上、銅アルミトランジションコネクタの使用過程における安全信頼性を向上させることに有利である。
【0060】
[銅アルミトランジションコネクタ構造5(中空+開口)]
本発明の第5の銅アルミトランジションコネクタの構造は、その主要な改善点は、前述の第1、第2、第3、及び第4の銅アルミトランジション端子コネクタ構造の銅端子3を中空構造に設定させる。これにより、必要な導電性に満足したという前提で、銅材料の消耗を更に有効に節約することが可能である。製造された銅アルミトランジションコネクタの生産コストを低減することに有利である上、前記銅アルミトランジション端子の質量を軽量化にさせることに有利である。第4の銅アルミトランジションコネクタの銅端子3を中空構造に設定させる例とし、図11に示すように、前記銅端子3の後端には、更に、前記アルミ導線2の芯線21をその内部に挿通できる入口5が、設けられている。
【0061】
[銅アルミトランジションコネクタ構造6(中空)]
本発明の第6の銅アルミトランジションコネクタの構造は、その主要な改善点は、前述の第1、第2、第3、及び第4の銅アルミトランジション端子コネクタ構造の銅端子3を中空構造に設定させる。これにより、必要な導電性に満足したという前提で、銅材料の消耗を更に有効に節約することが可能である。製造された銅アルミトランジションコネクタの生産コストを低減することに有利である上、前記銅アルミトランジション端子の質量を軽量化にさせることに有利である。第2と第4との銅アルミトランジションコネクタの銅端子3を中空構造に設定させる例とし、図12図13とに示すように、前記中空構造は、具体的に前記銅端子3の内部に形成された一つの密封チャンバ32が設けられている。好適に、前記密封チャンバ32は、角柱体構造、円柱体構造、楕円断面の円柱体構造、又は円錐体構造である。
【0062】
[銅アルミトランジションコネクタ構造7(複数個のアルミ端子+平面)]
本発明の第7の銅アルミトランジションコネクタの構造は、それは銅端子3と、少なくとも一個の図1又は図2又は図3に示すアルミ端子1とを含む。前記銅端子3は、前記アルミ端子1の第一キャビティ11の前端に固定されている。第7の銅アルミトランジションコネクタの構造においては、好適な前記アルミ端子1の数は二個以上である。
【0063】
銅端子3と図2に記載されるアルミ端子1との例とし、図14に示すように、前記アルミ端子1の数は二個である。前記銅端子3は、摩擦溶接又は抵抗溶接又はレーザー溶接又は電子線溶接又は圧接方法で前記第一キャビティ11の前端に固定されている。その他の溶接方法を使用して形成された銅アルミトランジションコネクタに比べ、銅とアルミとの間の一次電池反応を有効に避けることができ、前記銅アルミトランジションコネクタの力学的性能と電気性能とを保証する。
【0064】
更に、前記銅端子3と前記二個のアルミ端子1の第一キャビティ11の前端との接続面は、平面である。溶接を実施する際に、銅、アルミ端子の端子表面を揃えやすいので、溶接を実施しやすく、且つ銅、アルミ端子の間に固着作用が強く、同時に溶接ビードや気孔等の溶接質量問題を引き起こしやすくなく、不良品率がかなり減少して生産コストを節約する上、銅アルミトランジションコネクタの使用過程における安全信頼性を向上させることに有利である。
【0065】
説明する必要があるのは、本銅アルミトランジションコネクタ構造のアルミ端子1の数は、2に限らず、3、4、5、……等の正整数であることも可能である。生産者は、実際の使用需要に応じて前記アルミ端子1の数を確定することが可能であり、使用するのが十分に機敏で便利である。
【0066】
なお、本構造においては、前記アルミ端子は、全部図1に示すアルミ端子1、又は、全部図2に示すアルミ端子1、又は、全部図3に示すアルミ端子1であることが可能で以外、実際状況における必要な銅アルミトランジションコネクタ構造のアルミ端子の具体的な数に応じて、図1又は図2又は図3に示すアルミ端子1において、自由に組み合わせあることも可能である。
【0067】
[銅アルミトランジションコネクタ構造8(複数個のアルミ端子+折り面)]
本発明の第8の銅アルミトランジションコネクタの構造は、それは銅端子3と、少なくとも一個の図1又は図2又は図3に示すアルミ端子1とを含む。前記銅端子3は、前記アルミ端子1の第一キャビティ11の前端に固定されている。第8の銅アルミトランジションコネクタの構造においては、好適な前記アルミ端子1の数は二個以上である。
【0068】
具体的に、前記銅端子3は、摩擦溶接又は抵抗溶接又はレーザー溶接又は電子線溶接又は圧接方法で前記アルミ端子1の第一キャビティ11の前端に固定されている。
【0069】
具体的に、前記銅端子3と前記アルミ端子1の第一キャビティ11の前端との接続面は、折り面である。これにより、銅端子3とアルミ端子1との有効接触面積がかなり増加し、良好な導電性を確保し、且つ銅、アルミ端子を溶接する際に力学的性能を強くさせ、銅、アルミ端子の接触面の抵抗が減少する。
【0070】
そして、本銅アルミトランジションコネクタ構造においては、前記折り面は、V字型である。又は、前記折り面は、逆V字型である。又は、図15に示すように、前記折り面は、台形である。又は、前記折り面は、逆台形である。又は、図16に示すように、前記折り面は、異形である。説明する必要があるのは、前記折り面は、前述形状以外、その他の、銅端子3とアルミ端子1との有効接触面積が増加できる如何なる折り面の形状が可能である。なお、本銅アルミトランジションコネクタ構造のアルミ端子の数は、2に限らず、3、4、5、……等の正整数であることも可能である。生産者は、実際の使用需要に応じて前記アルミ端子の数を確定することが可能であり、使用するのが十分に機敏で便利である。前記アルミ端子は、全部図1に示すアルミ端子1、又は、全部図2に示すアルミ端子1、又は、全部図3に示すアルミ端子1であることが可能で以外、実際状況における必要な銅アルミトランジションコネクタ構造のアルミ端子の具体的な数に応じて、図1又は図2又は図3に示すアルミ端子1において、自由に組み合わせあることも可能である。
【0071】
[銅アルミトランジションコネクタ構造9(複数個のアルミ端子+平面+アルミ端子一体化)]
図17は、本発明の第9の銅アルミトランジションコネクタ構造を示す。それと図14に示す第7の銅アルミトランジションコネクタ構造との唯一の異なる点は、前記アルミ端子1が、水平方向に沿って一列に並んでいると共に、隣り合うアルミ端子1の側壁が、固定されて互いに接続されていることである。これにより、一度で二個以上のアルミ端子1を銅端子3に溶接させることができ、アルミ端子1を一個ずつ銅端子3に溶接させる必要がなく、組み立てる効率をかなり向上させる。
【0072】
本構造においては、前記アルミ端子1の数は三個に好適する。説明する必要があるのは、本銅アルミトランジションコネクタ構造のアルミ端子1の数は、3に限らず、2、4、5、……等の正整数であることも可能である。生産者は、実際の使用需要に応じて前記アルミ端子1の数を確定することが可能であり、使用するのが十分に機敏で便利である。なお、本構造においては、前記アルミ端子は、全部図1に示すアルミ端子1、又は、全部図2に示すアルミ端子1、又は、全部図3に示すアルミ端子1であることが可能で以外、実際状況における必要な銅アルミトランジションコネクタ構造のアルミ端子の具体的な数に応じて、図1又は図2又は図3に示すアルミ端子1において、自由に組み合わせあることも可能である。
【0073】
また、前記銅アルミトランジションコネクタ構造においては、前記銅端子3と前記各々のアルミ端子1の第一キャビティ11の前端との接続面は、図17に示す平面に限らず、図15図16とに示す折り面であることも可能である。
【0074】
[銅アルミトランジションコネクタ構造10(複数個のアルミ端子+平面+アルミ端子別体化)]
図18は、本発明の第10の銅アルミトランジションコネクタ構造を示す。それと図17に示す第9の銅アルミトランジションコネクタ構造との唯一の異なる点は、前記アルミ端子1が、水平方向に沿って一列に並んでいると共に、隣り合うアルミ端子が、互いに隔たっていることである。
【0075】
[銅アルミトランジションコネクタ構造11(複数個のアルミ端子+平面+一部分のアルミ端子別体化)]
図19は、本発明の第11の銅アルミトランジションコネクタ構造を示す。その特徴は、図17に示す第9の銅アルミトランジションコネクタ構造と図18に示す第10の銅アルミトランジションコネクタ構造との両者を結合させ、具体的な構造は、前記アルミ端子1が、水平方向に沿って一列に並んでいる。その中で、少なくとも二個のアルミ端子の側壁は、互いに接続されて一体になり、その他のアルミ端子1の間及びその他のアルミ端子1と前記の全体と全部隔たっている。
【0076】
本構造においては、前記アルミ端子1の数は三個に好適する。説明する必要があるのは、本銅アルミトランジションコネクタ構造のアルミ端子1の数は、3に限らず、4、5、……等の正整数であることも可能である。生産者は、実際の使用需要に応じて前記アルミ端子1の数を確定することが可能であり、使用するのが十分に機敏で便利である。なお、本構造においては、前記アルミ端子は、全部図1に示すアルミ端子1、又は、全部図2に示すアルミ端子1、又は、全部図3に示すアルミ端子1であることが可能で以外、実際状況における必要な銅アルミトランジションコネクタ構造のアルミ端子の具体的な数に応じて、図1又は図2又は図3に示すアルミ端子1において、自由に組み合わせあることも可能である。
【0077】
[銅アルミトランジションコネクタ構造12(三方構造)]
本発明の第12の銅アルミトランジションコネクタの構造は、その主要な改善点は、銅端子3を三方構造に設けることである。図20に示すように、前記三方は、三つの端子表面31を含む。前記アルミ端子1の数は、三個である。前記三個のアルミ端子の第一キャビティ11の前端は、それぞれ前記三方構造の三つの端子表面31に対応していると共に、対応する第一キャビティ11の前端と対応する端子表面31とは、固定されて互いに接続されている。
【0078】
これにより、銅材料の消耗を有効に節約することができたという前提で、三個のアルミ端子1の間の電気接続を実現し、製造された銅アルミトランジションコネクタの生産コストを低減することに有利である上、前記銅アルミトランジション端子の質量を軽量化にさせることに有利である。
【0079】
三方構造を簡略化して銅アルミトランジションコネクタの生産コストを節約するため、本実施例においては、好適な前記三方構造は、三方管である。
【0080】
上記の実施形態は、本発明の好適な実施形態のみであり、これによって本発明の保護の範囲を限定するものではない。本領域の技術者が本発明の基礎における如何なる非実質的な変化及び置換をするものは、全部本発明に請求している保護の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0081】
1 :アルミ端子
2 :アルミ導線
3 :銅端子
4 :面取り構造
5 :入口
11 :第一キャビティ
12 :第二キャビティ
21 :芯線
22 :絶縁層
31 :端子表面
32 :密封チャンバ
H :最小肉厚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20