IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

7203764デングウイルス複製阻害剤としての置換インドリン誘導体
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】デングウイルス複製阻害剤としての置換インドリン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/32 20060101AFI20230105BHJP
   A61K 31/404 20060101ALI20230105BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
C07D209/32 CSP
A61K31/404
A61P31/14
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019564166
(86)(22)【出願日】2018-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 EP2018063028
(87)【国際公開番号】W WO2018215315
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-03-23
(31)【優先権主張番号】17172237.4
(32)【優先日】2017-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514010601
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】512320560
【氏名又は名称】カトリック ユニヴェルシテット ルーヴェン
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ボンファンティ,ジャン-フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ケステルイン,バート,ルドルフ,ロマニー
(72)【発明者】
【氏名】バーディオット,ドロテ,アリス,マリー-イヴ
(72)【発明者】
【氏名】マーチャンド,アルナウド,ディディエ,エム
(72)【発明者】
【氏名】コースマンズ,アーウィン
(72)【発明者】
【氏名】フォルタン,ジェローム,マイケル,クロード
(72)【発明者】
【氏名】マーシー,ギョーム,ジーン,モーリス
(72)【発明者】
【氏名】ラボワソン,ピエール,ジャン-マリー,ベルナール
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-527978(JP,A)
【文献】特表2016-520537(JP,A)
【文献】国際公開第2016/050841(WO,A1)
【文献】Chirality,2003年,Vol.15,pp.S143-S149
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の立体化学的異性体形態を含む式(I):
【化1】
[式中、
は、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、又はクロロであり;
は、水素、フルオロ、又はメトキシであり;
は、水素、又はメトキシであり;
Aは、-(CH-(式中、nは、3又は4である);
-O-(CH-(式中、nは、2又は4である);
-O-(CH-(式中、nは、3であり、1つ又は2つのCHは、1つ又は2つのCHで置換されている);
【化2】
-CH-O-(CH-(式中、nは、2である);又は
-X-Y-(式中、Xは、-O-、-OCH-、又は-NH-であり;
Yは、任意選択的に、フルオロで置換されているC3~4シクロアルキルであるか、又は
Yは、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルである)を表す]
の化合物、
又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物
【請求項2】
前記化合物が、
【化3】
【化4】
【化5】
から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物
【請求項3】
前記化合物が、溶媒としてのDMF中で589nmの波長を用いて20℃で測定された比旋光度が(+)を有する、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物
【請求項4】
前記化合物が、
【化6】
【化7】
【化8】
から選択される、請求項3に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物
【請求項5】
がトリフルオロメトキシであり、Rが水素であり、Rが水素である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物
【請求項6】
Aが、-(CH-[式中、nは、3又は4である]を表す、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物
【請求項7】
Aが、-O-(CH-[式中、nは、2又は4である]を表す、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物
【請求項8】
Aが、-O-(CH-[式中、nは、3であり、1つ又は2つのCHは、1つ又は2つのCHで置換されている]を表すか;又はAが、
【化9】
を表す、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物
【請求項9】
Aが、-X-Y-[式中、Xは、-O-、-OCH-、又は-NH-であり;Yは、任意選択的に、フルオロで置換されているC3~4シクロアルキルである]を表す、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物、1種以上の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤又は担体と共に含む医薬組成物。
【請求項11】
第2の又はさらなる活性成分を含む、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記第2の又はさらなる活性成分が、抗ウイルス薬である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
薬剤として使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物含む、医薬組成物。
【請求項14】
デング熱感染の治療において使用するための、及びデング熱感染に付随する疾患の予防又は処置のための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物含む、医薬組成物。
【請求項15】
前記デング熱感染が、DENV-1、DENV-2、DENV-3、又はDENV-4株のウイルスによる感染である、請求項14に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換インドリン誘導体、上記化合物を使用することによってデングウイルス感染を予防又は治療する方法に関し、且つ薬剤として使用するための、より好ましくはデングウイルス感染を治療又は予防する薬剤として使用するための上記化合物にも関する。本発明はさらに、当該化合物の医薬組成物又は組合せ製剤、薬剤として使用するための、より好ましくはデングウイルス感染を予防又は治療するための組成物又は製剤に関する。本発明はまた、当該化合物の調製方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
蚊又はダニによって伝播されるフラビウイルスは、脳炎や出血熱などの人の生命を脅かす感染症を引き起こす。4種のはっきりと区別されるものの、血清型が近似しているフラビウイルスデング、いわゆるDENV-1、DENV-2、DENV-3、及びDENV-4が知られている。デング熱は、世界の殆どの熱帯及び亜熱帯地域、主に都市部及び準都市部に特有である。世界保健機関(World Health Organization)(WHO)によれば、25億人(そのうちの10億人が小児である)がDENV感染の危険性がある(WHO、2002)。毎年、世界で、推定5千万~1億例のデング熱[DF]、50万例の重度のデング熱疾患(すなわち、デング出血熱[DHF]及びデング熱ショック症候群[DSS])、及び20,000人を超える死者が発生している。DHFは、流行地における小児の入院及び死亡の主な要因となっている。総じて、デング熱はアルボウイルス病の最大の原因である。ラテンアメリカ、東南アジア及び西太平洋にある国々(ブラジル、プエルトリコ、ベネズエラ、カンボジア、インドネシア、ベトナム、タイなど)における最近の大流行のために、過去数年に亘って、デング熱の症例数が著しく増加している。この病気が新しい地域に広がっているため、デング熱の症例数が増加しているだけでなく、発生がより深刻化する傾向が見られる。
【0003】
他の血清型に感染すると、既に存在している異種抗体は、新たに感染したデングウイルスの血清型と複合体を形成するが、その病原体を中和することはない。むしろ、細胞へのウイルスの侵入が促進され、それによりウイルスの無制御な複製が生じ、ウイルス力価のピークがより高くなると考えられる。一次感染と二次感染との両方において、ウイルス力価が高くなると、より重症のデング疾患となる。移行抗体は授乳によって容易に乳児に移行することができるため、これは、小児の方が成人より重症デング疾患に冒されやすい理由の1つであり得る。
【0004】
2種以上の血清型が同時に広まった地域は、多重血清型流行地とも呼称されるが、そこでは、二次の、より重度の感染の危険性が増大するため、重度のデング熱疾患の危険性が非常に高くなる。さらに、多重血清型の状況では、より悪性の高い株が出現する可能性が増し、これは、次には、デング出血熱(DHF)又はデング熱ショック症候群の可能性を増大させる。
【0005】
アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti)及びアエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)(ヒトスジシマカ)などの、デングウイルスを運ぶ蚊は地球上を北に移動している。米国疾病対策センター(United States(US)Centers for Disease Control and Prevention(CDC))によれば、それらの蚊はいずれも、現在、テキサス州南部の至る所に存在している。デング熱を運ぶ蚊の北への広がりは、米国に限らず、ヨーロッパでも観察されている。
【0006】
Sanofi Pasteurが製造したデング熱ワクチンであるDengvaxia(登録商標)は、最初にメキシコで承認され、やがてより多くの国で承認された。とは言え、特にDENV-1及びDENV-2に対する効果が限られていること、フラビウイルス未感染患者における効果が低いこと、並びに投薬スケジュールが長期に亘ることから、ワクチンには改善の余地がかなり残されている。
【0007】
これらの欠点の存在にもかかわらず、ワクチンは人口の大部分を保護するため(しかし、デング熱の負担が最も大きい乳幼児は保護されないであろう)、流行環境下では大変革をもたらすものである。また、ワクチンは、投薬スケジュールや、フラビウイルス未感染患者において効果が非常に限られているために、デング熱の非流行地から流行地へ移動する人にとっては、ワクチンは好適なものではなく、価値/費用効率は低いであろう。デング熱ワクチンの上記欠点は、曝露前予防性の抗デングウイルス薬が必要とされる理由である。
【0008】
さらに、今日、デング熱ウイルス感染を治療又は予防する特定の抗ウイルス薬を入手することはできない。動物、より詳細にはヒトにおけるウイルス感染、特にフラビウイルス、より詳細にはデングウイルスにより引き起こされるウイルス感染を予防又は治療する治療用物質に対する大きい未対処の医療ニーズが依然として存在することは明らかである。抗ウイルス力が良好であり、副作用がないか若しくは少なく、複数のデングウイルス血清型に対して広域抗活性を有し、低毒性であり、及び/又は薬物動態学的特性若しくは薬力学的特性が良好である化合物の必要性が高い。
【0009】
国際公開第2010/021878号パンフレットは、炎症性疾患及び中枢性疾患の治療のための低温メントール受容体アンタゴニストとして、2-フェニルピロリジン及びインドリン誘導体を開示している。国際公開第2013/045516号パンフレットは、デングウイルス感染の治療において使用するインドール及びインドリン誘導体を開示している。
【0010】
本発明は、ここで、デングウイルスの4種の血清型のすべてに対して非常に強力な活性を示す化合物、置換インドリン誘導体を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、本発明の化合物によって上記の問題の少なくとも1つを解決することができるという予想外の発見に基づいている。
【0012】
本発明は、現在知られている4種の血清型全てに対して高い抗ウイルス活性を有することが明らかとなった化合物を提供する。本発明はさらに、これらの化合物がデングウイルス(DENV)の増殖を効果的に阻害することを示す。したがって、これらの化合物は、動物、哺乳動物及びヒトにおけるウイルス感染の治療及び/又は予防に、より詳細にはデングウイルス感染の治療及び/又は予防に使用することができる強力な化合物の有用な群である。
【0013】
本発明はさらに、そのような化合物の医薬としての使用、並びに、ウイルス感染、特に、動物又は哺乳動物、より特にはヒトにおけるデングウイルスファミリーに属するウイルスによる感染を治療及び/又は予防する薬剤を製造するための使用に関する。本発明は、そのようなすべての化合物を調製する方法及びそれらを有効量で含む医薬組成物にも関する。
【0014】
本発明は、1種以上のそのような化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量を、任意選択的に1種以上の他の薬剤(別の抗ウイルス剤など)と併用して、それを必要とする患者に投与することにより、ヒトのデングウイルス感染を治療又は予防する方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一態様は、任意の立体化学的異性体形態を含む式(I):
【化1】

[式中、
は、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、又はクロロであり;
は、水素、フルオロ、又はメトキシであり;
は、水素、又はメトキシであり;
Aは、-(CH-(式中、nは、3又は4である);
-O-(CH-(式中、nは、2又は4である);
-O-(CH-(式中、nは、3であり、1つ又は2つのCHは、1つ又は2つのCHで置換されている);
【化2】

-CH-O-(CH-(式中、nは、2である);又は
-X-Y-(式中、Xは、-O-、-OCH-、又は-NH-であり;
Yは、任意選択的に、フルオロで置換されているC3~4シクロアルキルであるか、又は
Yは、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルである)である]
の化合物、
又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは多形体を提供することである。
【0016】
特に上述の化合物は、
【化3】

【化4】

【化5】

を含む群から選択される。
【0017】
第1群の化合物は、式(I)[式中、Aは、-(CH-(式中、nは、3又は4である)を表す]の化合物である。
【0018】
第2群の化合物は、式(I)[式中、Aは、-O-(CH-(式中、nは、2又は4である)を表す]の化合物である。
【0019】
第3群の化合物は、式(I)[式中、Aは、-O-(CH-(式中、nは、3であり、1つ又は2つのCHは、1つ又は2つのCHで置換されている)を表すか;又はAは、
【化6】

を表す]の化合物である。
【0020】
第4群の化合物は、式(I)[式中、Aは、-CH-O-(CH-(式中、nは、2である)を表す]の化合物である。
【0021】
第5群の化合物は、式(I)[式中、Aは、-X-Y-(式中、Xは、-O-、-OCH-、又は-NH-であり;Yは、任意選択的に、フルオロで置換されているC3~4シクロアルキルである)を表す]の化合物である。
【0022】
第6群の化合物は、式(I)[式中、Aは、-X-Y-(式中、Xは、-O-、-OCH-、又は-NH-であり;Yは、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルである)を表す]の化合物である。
【0023】
第7群の化合物は、式(I)[式中、Rは、トリフルオロメトキシであり、Rは、水素であり、Rは、水素である]の化合物である。
【0024】
第8群の化合物は、式(I)[式中、Rは、トリフルオロメトキシであり、Rは、水素であり、Rは、メトキシである]の化合物である。
【0025】
第9群の化合物は、式(I)[式中、Rは、トリフルオロメトキシであり、Rは、メトキシであり、Rは、水素である]の化合物である。
【0026】
第10群の化合物は、式(I)[式中、R1は、トリフルオロメトキシであり、Rは、フルオロであり、Rは、水素である]の化合物である。
【0027】
第11群の化合物は、式(I)[式中、R1は、クロロであり、Rは、メトキシであり、Rは、水素である]の化合物である。
【0028】
本発明の一部は、上記の化合物又はその立体異性体形態、薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは多形体を、1種以上の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤又は担体とともに含む医薬組成物でもある。
【0029】
上記記化合物の薬学的に許容される塩として、その酸付加塩及び塩基塩が挙げられる。好適な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。好適な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。
【0030】
上述の薬学的に許容される酸塩は、式(I)の化合物から生成できる治療活性を有する無毒の酸付加塩形を含むものとする。これらの薬学的に許容される酸付加塩は、塩基の形態をそのような適切な酸で処理することにより容易に得ることができる。適切な酸としては、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩化水素酸若しくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、及び類似の酸などの無機酸;又は例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p-アミノ-サリチル酸、パモ酸、及び類似の酸などの有機酸が挙げられる。
【0031】
本発明の化合物はまた、非溶媒和形態及び溶媒和形態で存在してもよい。用語「溶媒和物」は、本発明の化合物と、1種以上の薬学的に許容される溶媒分子、例えばエタノールとを含む分子複合体を表すために本明細書で使用される。
【0032】
用語「多形体」は、本発明の化合物が2種以上の形態又は結晶構造で存在できることを指す。
【0033】
本発明の化合物は、結晶質又は非晶質の生成物として投与されてもよい。それらは、沈澱、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、又は蒸発乾燥などの方法により、例えば、固体プラグ、粉末、又はフィルムとして得ることができる。それらは、単独で、又は本発明の1種以上の他の化合物と組み合わせて、又は1種以上の他の薬物と組み合わせて投与されてもよい。一般に、それらは、1種以上の薬学的に許容される賦形剤を伴って製剤として投与される。本明細書では「賦形剤」という用語は、本発明の化合物以外の任意の成分を表すために使用される。賦形剤の選択は、特定の投与形態、溶解性及び安定性への賦形剤の影響、並びに剤形の性質などの要因に大きく左右される。
【0034】
本発明の化合物又はその任意のサブグループは、投与目的のために様々な医薬品形態へ製剤化され得る。適切な組成物として、全身投与薬物用に通常用いられる全ての組成物が挙げられ得る。本発明の医薬組成物を調製するために、活性成分としての特定の化合物の有効量が、任意選択的に付加塩形態で、薬学的に許容される担体と均質混合状態で組み合わされるが、その担体は、投与に所望される製剤の形態に応じて、多種多様な形態を取り得る。これらの医薬組成物は、例えば、経口又は直腸投与に好適な単一の剤形であることが望ましい。例えば、組成物を経口剤形に調製する際、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤及び液剤などの経口液体製剤の場合、例えば、水、グリコール類、油、及びアルコールなどの通常の医薬媒体のいずれかを使用することができ、又は散剤、丸剤、カプセル剤及び錠剤の場合、デンプン、糖、カオリン、希釈剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤などの固体担体を使用することができる。投与が容易であるために、錠剤及びカプセル剤が最も有利な経口単位剤形であり、この場合は、言うまでもなく固体医薬担体が使用される。また、使用直前に液体形態に変換することができる固体形態の製剤も含まれる。
【0035】
投与を容易にし、投与量を均一にするために、上述の医薬組成物を単位剤形に製剤化することはとりわけ有利である。本明細書で使用される単位剤形とは、単位投与量として好適である物理的に個別の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性成分を含有する。そのような単位剤形の例は、錠剤(分割錠剤又はコーティング錠剤を含む)、カプセル剤、丸剤、粉末パケット、ウエハー、坐剤、注射用溶液又は懸濁剤など、及びそれらの分離複合剤である。
【0036】
感染症の処置の当業者は、本明細書で以下に示される試験結果から有効量を決定することができるであろう。一般に、有効な1日量は、0.01mg/kg体重~50mg/kg体重、より好ましくは0.1mg/kg体重~10mg/kg体重であろうと考えられる。必要な用量を2、3、4以上の分割用量として、一日の間に適切な間隔をおいて投与することが適切な場合がある。上記分割用量は、例えば、1単位剤形当たり1~1000mg、特に5~200mgの活性成分を含有する単位剤形として製剤化され得る。
【0037】
正確な投与量及び投与頻度は、当業者に周知のとおり、使用される本発明の特定の化合物、治療される特定の病態、治療される病態の重症度、特定の患者の年齢、体重及び全身的な身体状態、並びに個体が摂取している可能性がある他の薬に依存する。さらに、有効量は、治療される対象の応答に応じて、及び/又は本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて、低減又は増加されてもよいことは明らかである。したがって、上記の有効量の範囲は指針であるに過ぎず、本発明の範囲又は使用を、いかなる程度であれ限定することを意図しない。
【0038】
本開示は、本発明の化合物に存在する原子の任意の同位体も含むものとする。例えば、水素の同位体はトリチウム及びデューテリウムを含み、炭素の同位体はC-13及びC-14を含む。
【0039】
本明細書で使用する場合、実線のくさび形結合としてでも破線のくさび形結合としてでもなく、結合が実線としてのみで示されている任意の化学式、又は1個以上の原子の周りに特定の配置(例えばR、S)を有するものとして別の方法で示されている任意の化学式は、それぞれあり得る立体異性体、又は2つ以上の立体異性体の混合物を企図するものである。
【0040】
上記及び下記において、用語「式(I)の化合物」及び「式(I)の合成の中間体」は、その立体異性体形態及びその互変異性体形態を含むものとする。
【0041】
本明細書の上記又は下記において、「立体異性体」、「立体異性形態」又は「立体化学的異性形態」という用語は、互換的に使用される。
【0042】
本発明は、純粋な立体異性体として、又は2種以上の立体異性体の混合物のいずれかとして、本発明の化合物の全ての立体異性体を含む。エナンチオマーは、重ね合わせることができない互いの鏡像となっている立体異性体である。エナンチオマーの対の1:1混合物は、ラセミ体又はラセミ混合物である。ジアステレオマー(又はジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない立体異性体であり、すなわち鏡像の関係にない。二価の環状(部分的)飽和基上の置換基は、シス配置又はトランス配置を有し得る。例えば、化合物が二置換のシクロアルキル基を含有する場合、置換基はシス配置又はトランス配置であり得る。
【0043】
「立体異性体」という用語はまた、配座異性体ともいう回転異性体を含み、式(I)の化合物は形成し得る。
【0044】
したがって、本発明は、化学的に可能な場合は常に、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、回転異性体、及びこれらの任意の混合物を含む。
【0045】
それらの全ての用語、すなわち、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、シス異性体、トランス異性体、及びこれらの混合物の意味は、当業者には公知である。
【0046】
絶対配置は、カーン・インゴルド・プレローグ表示法にしたがって特定される。不斉原子における配置は、R又はSによって特定される。絶対配置が不明の分割立体異性体は、これが平面偏光を回転させる方向に応じて(+)又は(-)によって示すことができる。例えば、絶対配置が不明の分割鏡像異性体は、これらが平面偏光を回転させる方向に応じて(+)又は(-)によって示すことができる。
【0047】
特定の立体異性体が同定される場合、これは、上記立体異性体が他の立体異性体を実質的に含まない、すなわち、他の立体異性体を、50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、より一層好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満しか伴わないことを意味する。したがって、式(I)の化合物が例えば(R)と特定される場合、これは、化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が例えばEと特定される場合、これは、化合物がZ異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が例えばシスと特定される場合、これは、化合物がトランス異性体を実質的に含まないことを意味する。
【0048】
式(I)による化合物のいくつかはまた、その互変異性体形態で存在する場合もある。そのような形態が存在し得る限り、それは、上記の式(I)に明確に示されてはいなくても、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0049】
本発明の式(I)の化合物はすべて、下図にの記号を付けた炭素原子で示すように、少なくとも1個の不斉炭素原子を有する。
【化7】
【0050】
上記キラル中心が存在するため、「式(I)の化合物」は、(R)-エナンチオマー、(S)-エナンチオマー、ラセミ体、又は2種の別個のエナンチオマーの任意の比での任意の可能な組合せであり得る。不斉炭素原子の絶対配置が不明である場合、相対立体化学の記述語は、キラル中心が純粋であるが不明な立体化学を示すために、R又はS(又はR及びS)が使用された。
【0051】
ラジカルAは、追加の不斉炭素原子を導入する置換基を可能にするため、式(I)の化合物は、2つ以上の不斉炭素原子を有し得る。2つ以上の不斉炭素原子の絶対配置が決定されていない場合、相対立体化学は、相対立体化学の記述語であるR及びSを用いて、並びに可能であれば、ラジカルAが環状部分を含む場合、シス及びトランスと組み合わせて示された。
【0052】
ある態様において、本発明は、式(I)の化合物の比旋光度が(-)である、式(I)の化合物の第1群に関する。
【0053】
さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物の比旋光度が(+)である、式(I)の化合物の第2群に関する。
【0054】
ある実施形態において、本発明は、比旋光度が(+)である、式(I)の化合物であって、化合物(1C)、(1D)、(2A)、(4C)、(4D)、(5A)、(6AB)、(6BB)、(7B)、(8B)、(9B)、(10B)、(11B)、(12B)、(13B)、(14A)、(15B)、(17C)、(17D)、(18B)、(19AB)、(19BB)、(20C)、(20D)、(21B)、(22AB)、(22BB)、(23B)、(24B)、(25B)、(27B)、(28AB)、(28BB)、(29AB)、(29BB)、(30A)、(31A)、(32B)、(33C)、及び(33D)からなる群から選択される化合物に関する。
【実施例
【0055】
LC/MS法
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定は、それぞれの方法に明記したLCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)又はUV検出器及びカラムを用いて行った。必要ならば、追加の検出器を含めた(下記の方法の表を参照)。
【0056】
カラムからの流れは、大気圧イオン源を装備した質量分析計(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、データ取込時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ取得は、適切なソフトウェアを用いて行った。
【0057】
各化合物は、それらの実測保持時間(R)及びイオンで表される。データの表に異なる指定がなければ、報告される分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)及び/又は[M-H](脱プロトン化分子)に対応する。化合物を直接イオン化できなかった場合、付加物の種類を記載する(すなわち[M+NH、[M+HCOO]など)。複数の同位体パターンを有する分子(Br、Cl)について、報告される値は、最も低い同位体質量について得られた値である。全ての結果は、使用される方法に通常付随する実験的不確実性を伴って得られた。
【0058】
以下、「SQD」はシングル四重極検出器を意味し、「MSD」は質量選択検出器を意味し、「RT」は室温を意味し、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを意味し、「DAD」はダイオードアレイ検出器を意味し、「HSS」は高強度シリカを意味する。
【0059】
LC/MS法コード(流速はmL/分で表し、カラム温度(T)は℃で表し、分析時間は分で表す)。
【0060】
【表1】
【0061】
SFC/MS法
SFC測定は、二酸化炭素(CO2)及びモディファイヤを送るバイナリポンプ、オートサンプラ、カラムオーブン、400barまでの高圧に耐える高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器で構成される分析超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)システムを使用して行った。質量分析計(MS)が配置されている場合、カラムからの流れを(MS)に導入した。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の特定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、データ取込時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ取得は、適切なソフトウェアを用いて行った。
【0062】
分析SFC/MS法(流速はmL/分で表し、カラム温度(T)は℃で表し、分析時間は分で表し、背圧(BPR)はbarで表す。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
融点
値は、ピーク値又は融解範囲であり、この分析方法に通常付随する実験上の不確実性を伴って得られる。
【0067】
DSC823e(DSCと示す)
複数の化合物について、DSC823e(Mettler-Toledo)で融点を測定した。融点を10℃/分の温度勾配で測定した。最高温度は、300℃であった。
【0068】
旋光度:
旋光度は、ナトリウムランプを備えたPerkin-Elmer 341旋光計で測定し、次のように報告した:[α]°(λ、c g/100ml、溶媒、T℃)。
[α]λ =(100α)/(l×c):式中、lは、経路長(単位:dm)であり、cは、温度T(℃)及び波長λ(単位:nm)における試料の濃度(単位:g/100ml)である。使用した光の波長が589nm(ナトリウムD線)である場合、代わりに記号Dが使用され得る。旋光度の符号(+又は-)は、常に記載されるべきである。この式を使用する場合、濃度及び溶媒を旋光度の後の括弧内に常に記載する。旋光度は度を使用して報告し、濃度の単位は記載されない(g/100mLであると想定する)。
【0069】
立体化学の注記:以下の実施例において、立体化学の指標R及びSは、キラル中心が純粋であるが不明な立体化学を指す。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
実施例1:4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタン酸(化合物1)の合成、並びに立体異性体1A、1B、1C、及び1Dへの分離
【化8】
【0073】
中間体1aの合成:
tert-ブチル4-ブロモ-2-メチルブタノエート[CAS1210410-44-8](1.0g、4.22mmol)のDMF(15mL)中撹拌溶液に、3-アミノ-5-メトキシフェノール[CAS162155-27-3](587mg、4.22mmol)及びCsCO(2.75g、8.43mmol)を添加した。反応物を60℃で65時間撹拌し、室温に到達させた。混合物をHO(100mL)に注ぎ入れた。生成物をCHClで抽出した(2回)。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(50g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc 100/0~50/50の勾配を用いて精製した。所望の画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、CHCNと共蒸発させ、tert-ブチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタノエート、1a(440mg)を得た。
【0074】
中間体1bの合成:
6-(トリフルオロメトキシ)インドリン[CAS959235-95-1](5g、24.6mmol)、2-(4-クロロフェニル)酢酸[CAS1878-66-6](4.2g、24.6mmol)、HATU(14.3g、36.9mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(12.2mL、73.8mmol)のDMF(60mL)中混合物を室温で20時間撹拌した。混合物を、撹拌中のHO(275mL)にゆっくりと注ぎ入れ、得られた懸濁液を50分間撹拌した。固体を濾別し、HOで洗浄した(4×)。固体残留物をトルエン(125mL)に溶解し、紙フィルタ上で濾過し、濾液を減圧下にて蒸発させた。固体残留物をEtO/ヘプタン 2/1(30mL)に入れて撹拌し、濾別し、EtO/ヘプタン 1/1で洗浄し(3×)、減圧下にて50℃で乾燥させて、2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1b(7.33g)を得た。
【0075】
中間体1cの合成:
-70℃、N流下において、THF(41.2mL、41.2mmol)中LiHMDS 1Mを、2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1b(7.33g、20.6mmol)の2-Me-THF(300mL)中溶液に滴加した。混合物を-70℃で50分間撹拌した、トリメチルシリルクロリド(4.21mL、33.0mmol)をゆっくりと添加した。-70℃で35分間撹拌を続け、N-ブロモスクシンイミド(4.03g、22.7mmol)のTHF(40mL)及び2-Me-THF(60mL)中溶液を滴加した。-70℃で3.5時間撹拌した後、NHClの飽和溶液(300mL)で反応をクエンチした。混合物を室温に到達させた。水(50mL)及びブライン(50mL)を添加した。混合物をジイソプロピルエーテル(150mL)で抽出した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させ、CHCNと共蒸発させて、2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(7.87g)を得た。
【0076】
中間体1dの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(850mg、1.96mmol)、tert-ブチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタノエート、1a(620mg、2.10mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(506μL、2.93mmol)のCHCN(30mL)中混合物を60℃で18時間撹拌した。混合物を室温に到達させ、水(125mL)に注ぎ入れた。生成物をEtOで抽出した(2×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾別し、減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(12g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH 100/0/0~40/45/15の勾配を用いて精製した。所望の画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、ジオキサンと共蒸発させ、tert-ブチル4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタノエート、1d(1.27g)を得た。
【0077】
化合物1の合成、並びに立体異性体1A、1B、1C、及び1Dへの分離:
tert-ブチル4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタノエート、1d(1.27g、1.96mmol)のジオキサン(9mL)中4M HCl冷却(氷浴)溶液を、0℃で20分間、及び室温で2時間撹拌した。沈殿物を濾別し、ジオキサンで洗浄し(3×)、固体を空気乾燥させて、4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタン酸をHCl塩(化合物1、900mg)として得た。
【0078】
化合物1(900mg)の4つの立体異性体を分取キラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、iPrOH+0.4% iPrNH)により分離した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。第1の2つの溶出ピークの生成物画分の立体異性体は完全に分離されず、分取キラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)によるさらなる分離を必要とした。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。
【0079】
第1の溶出立体異性体をシリカゲル(12g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH/HOAc 勾配100/0/0/0~40/45/14.7/0.3を用いて精製した。所望の画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、CHCNと共蒸発させた。生成物をCHCN(2mL)及びHO(1.2mL)の溶媒混合物から凍結乾燥させ、立体異性体、1A(63mg)を得た。
【0080】
第2の溶出立体異性体をシリカゲル(12g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH/HOAc 勾配100/0/0/0~40/45/14.7/0.3を用いて精製した。所望の画分を合わせ、蒸発させ、CHCNと共蒸発させた。生成物をCHCN(2mL)及びHO(1.2mL)の溶媒混合物から凍結乾燥させ、立体異性体、1B(79mg)を得た。
【0081】
第3の溶出立体異性体を分取HPLC(固定相:RP XBridge(登録商標)Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.25%NHHCO水溶液、CHCN)により精製した。所望の画分を合わせ、有機揮発物を減圧下にて蒸発させた。残留物を、EtOAc(25mL)及び1N HCl(0.5mL)と混合した。10分間撹拌した後、層を分離した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させて、CHCNと共蒸発させた。残留物をCHCN(1.5mL)及びHO(0.75mL)の溶媒混合物から凍結乾燥させ、立体異性体、1C(62mg)を得た。
【0082】
第4溶出立体異性体をシリカゲル(12g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH/HOAc 勾配100/0/0/0~40/45/14.7/0.3を用いて精製した。所望の画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、CHCNと共蒸発させた。生成物をCHCN(2mL)及びHO(1.2mL)の溶媒混合物から凍結乾燥させ、立体異性体、1D(105mg)を得た。
【0083】
化合物1:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.10(dd,J=7.0,1.3Hz,3H)1.69(dq,J=13.6,6.7Hz,1H)1.91-2.01(m,1H)2.43-2.48(m,1H)3.07-3.26(m,2H)3.61(s,3H)3.85(br t,J=6.5Hz,2H)4.04(td,J=10.3,7.2Hz,1H)4.52(td,J=10.2,6.4Hz,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.75(t,J=2.0Hz,1H)5.89-5.98(m,2H)6.43(d,J=8.6Hz,1H)7.01(dd,J=8.3,1.4Hz,1H)7.33(d,J=8.4Hz,1H)7.40-7.47(m,2H)7.51-7.58(m,2H)8.03(s,1H)12.16(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.14min,MH593
【0084】
立体異性体1A:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.10(d,J=7.0Hz,3H)1.69(dq,J=13.5,6.6Hz,1H)1.91-2.01(m,1H)2.46-2.48(m,1H)3.08-3.27(m,2H)3.61(s,3H)3.85(t,J=6.6Hz,2H)4.04(td,J=10.3,6.9Hz,1H)4.45-4.57(m,1H)5.55(d,J=8.8Hz,1H)5.75(t,J=2.0Hz,1H)5.92-5.96(m,2H)6.43(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.3,1.7Hz,1H)7.33(d,J=8.4Hz,1H)7.40-7.46(m,2H)7.55(d,J=8.6Hz,2H)8.03(s,1H)12.16(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.15min,MH593
[α] 20:-37.6°(c 0.415,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-A):R3.52min,MH593 キラル純度100%.
【0085】
立体異性体1B:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.09(d,J=7.0Hz,3H)1.69(dq,J=13.6,6.6Hz,1H)1.91-2.01(m,1H)2.44-2.48(m,1H)3.08-3.27(m,2H)3.61(s,3H)3.79-3.90(m,2H)4.04(td,J=10.4,7.2Hz,1H)4.52(td,J=10.2,6.6Hz,1H)5.55(d,J=8.8Hz,1H)5.75(t,J=2.0Hz,1H)5.92-5.97(m,2H)6.43(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.44(d,J=7.8Hz,2H)7.55(d,J=7.2Hz,2H)8.03(s,1H)12.16(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.15min,MH593
[α] 20:-65.3°(c 0.455,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-A):R4.15min,MH593 キラル純度97.1%.
【0086】
立体異性体1C:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.11(d,J=7.0Hz,3H)1.70(dq,J=13.5,6.5Hz,1H)1.90-2.03(m,1H)2.44-2.49(m,1H)3.07-3.25(m,2H)3.62(s,3H)3.86(t,J=6.6Hz,2H)3.98-4.11(m,1H)4.46-4.57(m,1H)5.56(d,J=8.6Hz,1H)5.76(t,J=2.1Hz,1H)5.90-5.99(m,2H)6.44(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=7.9,1.8Hz,1H)7.34(d,J=8.4Hz,1H)7.44(d,J=8.4Hz,2H)7.55(d,J=7.8Hz,2H)8.04(s,1H)12.18(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.15min,MH593
[α] 20:+35.2°(c 0.455,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-A):R2.84min,MH593 キラル純度99.3%.
【0087】
立体異性体1D:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.10(d,J=7.0Hz,3H)1.70(dq,J=13.5,6.6Hz,1H)1.92-2.02(m,1H)2.46-2.49(m,1H)3.09-3.29(m,2H)3.62(s,3H)3.80-3.92(m,2H)4.05(td,J=10.5,7.0Hz,1H)4.53(td,J=10.4,6.5Hz,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.76(t,J=2.0Hz,1H)5.93-5.97(m,2H)6.44(d,J=8.6Hz,1H)7.01(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.34(d,J=8.1Hz,1H)7.40-7.47(m,2H)7.56(d,J=8.4Hz,2H)8.04(s,1H)12.17(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.15min,MH593
[α] 20:+64.3°(c 0.42,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-A):R2.65min,MH593 キラル純度98.1%.
【0088】
実施例2:4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタン酸(化合物2)の合成、並びにエナンチオマー2A及び2Bへのキラル分離
【化9】
【0089】
中間体2aの合成:
メチル4-ブロモ-2,2-ジメチルブタノエート[CAS4833-99-2](2.5g、12mmol)のDMF(35mL)中撹拌溶液に、3-アミノ-5-メトキシフェノール[CAS162155-27-3](1.66g、12mmol)及びCsCO(7.79g、23.9mmol)を添加した。反応物を60℃で65時間撹拌し、室温に到達させた。混合物をHO(150mL)に注ぎ入れた。生成物をCHClで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(25g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/CHCl/MeOH 100/0/0~0/100/0~0/99/1の勾配を用いて精製した。所望の画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、トルエンと共蒸発させた。固体を減圧下にて50℃で乾燥させて、メチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタノエート、2a(440mg)を得た。
【0090】
中間体2bの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(1.57g、3.61mmol)、メチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタノエート、2a(970mg、3.63mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(961μL、5.58mmol)のCHCN(25mL)中混合物を、55℃で18時間撹拌した。混合物を室温に到達させ、水(125mL)に注ぎ入れた。生成物をEtOで抽出した(2×)。合わせた有機層を、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(40g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH 100/0/0~40/45/15の勾配を用いて精製した。所望の画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、ジオキサンと共蒸発させ、メチル4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタノエート、2b(2.24g)を得た。
【0091】
化合物2の合成、並びにエナンチオマー2A及び2Bへの分離:
水中の1M NaOH(9mL、9mmol)を、メチル4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタノエート、2b(2.24g、3.61mmol)のジオキサン(15mL)中撹拌溶液に添加した。反応混合物を室温で4日間撹拌した。1N HCl(10mL)をゆっくりと添加した。20分間撹拌した後、生成物をEtOで抽出した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させた。残留物(2.9g)をシリカゲル(80g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH/HOAc 勾配100/0/0/0~40/45/14.7/0.3を用いて精製した。所望の画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、ジイソプロピルエーテルと共蒸発させた。残留物(1.6g)を、分取HPLC(固定相:RP XBridge(登録商標)Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:0.5%NHAc水溶液+10%CHCN、MeOH)によりさらに精製した。生成物画分を合わせ、有機揮発物を減圧下にて蒸発させた。残留物を2-Me-THF(300mL)とブラインとの間で分配した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(12g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH/HOAc 勾配100/0/0/0~0/75/24.5/0.5~40/45/14.7/0.3を用いてさらに精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。泡状固体を45℃で減圧下にて乾燥させて、4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタン酸(化合物2、0.97g)をラセミ混合物として得た。
【0092】
化合物2のエナンチオマー(800mg)を分取キラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により分離した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。第1の溶出生成物を、EtOAc(15mL)、水(5mL)及び1N HCl(1mL)と混合した。15分間撹拌した後、層を分離した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させて、MeOHと共蒸発させた。残留物を、氷浴で冷却しながら、水(4mL)及びMeOH(1.5mL)でトリチュレートした。固体を濾別し、HO/MeOH 4/1で洗浄し(4×)、減圧下、45℃で乾燥させてエナンチオマー2A(292mg)を得た。第2の溶出生成物を、EtOAc(15mL)、水(5mL)及び1N HCl(1mL)と混合した。30分間撹拌した後、層を分離した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させて、MeOHと共蒸発させた。残留物を、氷浴で冷却しながら、水(4mL)及びMeOH(1.5mL)でトリチュレートした。固体を濾別し、HO/MeOH 2/1で洗浄し(4×)、減圧下、45℃で乾燥させてエナンチオマー2B(342mg)を得た。
【0093】
化合物2:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.13(d,J=2.6Hz,6H)1.87(t,J=7.2Hz,2H)3.08-3.27(m,2H)3.61(s,3H)3.85(t,J=7.2Hz,2H)4.04(td,J=10.4,7.2Hz,1H)4.52(td,J=10.2,6.2Hz,1H)5.54(d,J=8.8Hz,1H)5.74(t,J=2.0Hz,1H)5.90-5.96(m,2H)6.43(d,J=8.6Hz,1H)7.01(dd,J=8.3,1.4Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.39-7.48(m,2H)7.50-7.60(m,2H)8.03(s,1H)12.19(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.22min,MH607
【0094】
エナンチオマー2A:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.13(d,J=2.6Hz,6H)1.87(t,J=7.3Hz,2H)3.08-3.27(m,2H)3.61(s,3H)3.85(t,J=7.2Hz,2H)3.97-4.12(m,1H)4.52(td,J=10.3,6.5Hz,1H)5.54(d,J=8.6Hz,1H)5.74(t,J=2.1Hz,1H)5.90-5.96(m,2H)6.43(d,J=8.6Hz,1H)7.01(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.39-7.49(m,2H)7.55(d,J=8.6Hz,2H)8.03(s,1H)12.20(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.23min,MH607
[α] 20:+49.6°(c 0.56,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-B):R6.47min,MH607 キラル純度100%.
【0095】
エナンチオマー2B:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.13(d,J=2.6Hz,6H)1.87(t,J=7.2Hz,2H)3.08-3.28(m,2H)3.61(s,3H)3.85(t,J=7.2Hz,2H)4.04(td,J=10.3,7.3Hz,1H)4.52(td,J=10.3,6.5Hz,1H)5.54(d,J=8.8Hz,1H)5.74(t,J=2.0Hz,1H)5.90-5.96(m,2H)6.43(d,J=8.6Hz,1H)7.01(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.41-7.46(m,2H)7.55(m,J=8.6Hz,2H)8.03(s,1H)12.20(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.23min,MH607
[α] 20:-49.2°(c 0.445,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-B):R7.18min,MH607 キラル純度98.8%.
【0096】
実施例3:4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタン酸(化合物3)の合成
【化10】
【0097】
中間体3aの合成:
5-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-4-オン(930mg、8.29mmol)を、33%HBrのAcOH(8mL)中溶液と混合した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、氷水(50mL)に注ぎ入れた。10分間撹拌した後、生成物を濾別し、水で洗浄し(5×)、減圧下にて45℃で乾燥させて、1-(2-ブロモエチル)シクロプロパン-1-カルボン酸、3a(753mg)を得た。
【0098】
中間体3bの合成:
1-(2-ブロモエチル)シクロプロパン-1-カルボン酸、3a(540mg、2.8mmol)のMeOH(11mL)中溶液を、氷浴で冷却しながら、N雰囲気下にて撹拌した。塩化チオニル(304μL、4.2mmol)を滴加した。反応混合物を室温で40時間撹拌した。溶媒を減圧下にて蒸発させ、CHCNと共蒸発させて、メチル1-(2-ブロモエチル)シクロプロパン-1-カルボキシレート、3b(380mg)を得た。
【0099】
中間体3cの合成:
メチル1-(2-ブロモエチル)シクロプロパン-1-カルボキシレート、3b(380mg、1.84mmol)のDMF(10mL)中撹拌溶液に、3-アミノ-5-メトキシフェノール[CAS162155-27-3](250mg、1.80mmol)及びCsCO(1.17g、3.59mmol)を添加した。反応生成物を60℃で18時間撹拌し、室温に到達させた。混合物をHO(60mL)に注ぎ入れた。生成物をEtOで抽出した(2×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下にて蒸発させて、トルエンと共蒸発させた。残留物をシリカゲル(12g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/CHCl/MeOH 100/0/0~0/100/0~0/99/1の勾配を用いて精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、CHCNと共蒸発させ、メチル1-(2-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)エチル)シクロプロパン-1-カルボキシレート、3c(220mg)を得た。
【0100】
中間体3dの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(320mg、0.736mmol)、メチル1-(2-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)エチル)シクロプロパン-1-カルボキシレート、3c(220mg、0.829mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(254μL、1.47mmol)の2-ブタノール(7.5mL)中混合物を、55℃で16時間撹拌した。混合物を室温に到達させ、水(25mL)に注ぎ入れた。生成物をEtOで抽出した(2×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(12g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH 100/0/0~60/30/10の勾配を用いて精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、ジオキサンと共蒸発させて、メチル1-(2-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)エチル)シクロプロパン-1-カルボキシレート、3d(456mg)を得た。
【0101】
化合物3の合成:
水中の1M NaOH(1.84mL、1.84mmol)を、メチル1-(2-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)エチル)シクロプロパン-1-カルボキシレート、3d(0.456mg、0.737mmol)のジオキサン(3mL)中撹拌溶液に添加した。反応混合物を室温でN雰囲気下にて42時間撹拌した。水(15mL)及び1N HCl(2mL)を添加した。10分間撹拌した後、生成物を濾別し、水で洗浄し(3×)、減圧下にて45℃で乾燥させた。残留物を分取HPLC(固定相:RP XBridge(登録商標)Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.25%NHHCO水溶液、CHCN)により精製した。生成物画分を合わせ、有機溶媒を蒸発させた。残存する水溶液をEtOで抽出した(2×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させて、MeOHと共蒸発させた。得られた発泡体をHO/MeOH 3/1(4mL)に入れて撹拌し、濾別し、HO/MeOH 3/1で洗浄し(3×)、減圧下にて45℃で乾燥させて、1-(2-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)エチル)シクロプロパン-1-カルボン酸(化合物3、255mg)をラセミ混合物として得た。
【0102】
化合物3:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 0.73-0.84(m,2H)1.00-1.11(m,2H)1.81-1.91(m,2H)3.07-3.26(m,2H)3.62(s,3H)3.97(t,J=7.3Hz,2H)4.05(td,J=10.3,7.3Hz,1H)4.52(td,J=10.2,6.6Hz,1H)5.55(d,J=8.6Hz,1H)5.77(t,J=2.1Hz,1H)5.90-5.98(m,2H)6.42(d,J=8.6Hz,1H)7.00(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.39-7.49(m,2H)7.55(d,J=8.4Hz,2H)8.03(s,1H)12.19(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-B):R2.19min,MH605
【0103】
実施例4:4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-3-メチルブタン酸(化合物4)の合成、並びに立体異性体4A、4B、4C、及び4Dへの分離
【化11】
【0104】
中間体4aの合成:
エチル4-ブロモ-3-メチルブタノエート[CAS56703-10-7](1.0g、4.78mmol)のDMF(15mL)中撹拌溶液に、3-アミノ-5-メトキシフェノール[CAS162155-27-3](666mg、4.78mmol)及びCsCO(3.12g、9.57mmol)を添加した。反応物を70℃で16時間撹拌し、室温に到達させた。混合物をHO(75mL)に注ぎ入れた。生成物をEtOで抽出した(2×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(25g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc 100/0~50/50の勾配を用いて精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、CHCNと共蒸発させ、エチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-3-メチルブタノエート、4a(430mg)を得た。
【0105】
中間体4bの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(430mg、1.15mmol)、エチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-3-メチルブタノエート、4a(430mg、1.61mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(396μL、2.30mmol)のCHCN(15mL)中混合物を、60℃でN雰囲気下にて18時間撹拌した。混合物を室温に到達させ、水(75mL)中に注ぎ入れた。生成物をEtOで抽出した(2×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(12g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH 100/0/0~40/45/15の勾配を用いて精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、EtOHと共蒸発させ、エチル4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-3-メチルブタノエート、4b(714mg)を得た。
【0106】
化合物4の合成、並びに立体異性体4A、4B、4C、及び4Dへの分離:
水中の1M NaOH(2.9mL、2.9mmol)を、エチル4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-3-メチルブタノエート、4b(714mg、1.15mmol)のジオキサン(5mL)及びEtOH(2mL)の溶媒混合物中撹拌溶液に添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。1N HCl(3mL)をゆっくりと添加した。2分間撹拌した後、生成物をEtOで抽出した(2×)。合わせた有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(40g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH/HOAc 100/0/0/0~40/45/14.7/0.3の勾配を用いて精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。残留物をEtO(5mL)中で撹拌した。固体を濾別し、EtOで洗浄し(3×)、減圧下にて50℃で乾燥させて、4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-3-メチルブタン酸(化合物4、290mg)をラセミ混合物として得た。
【0107】
化合物4(274mg)の4つの立体異性体を分取キラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、iPrOH+0.4% iPrNH)により分離した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。第2及び第3の溶出ピークの生成物画分の立体異性体は完全に分離されず、分取キラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)によるさらなる分離を必要とした。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。4つの立体異性体をCHCN及び水の溶媒混合物から凍結乾燥させることにより凝固させ、立体異性体4A(72mg)、4B(35mg)、4C(35mg)、及び4D(67mg)を得た。
【0108】
化合物4:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 0.96(d,J=6.6Hz,3H)2.05-2.15(m,1H)2.16-2.28(m,1H)2.39(dd,J=15.4,5.5Hz,1H)3.08-3.27(m,2H)3.62(s,3H)3.65-3.75(m,2H)4.05(td,J=10.4,7.2Hz,1H)4.43-4.59(m,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.76(t,J=2.0Hz,1H)5.93(t,J=1.8Hz,1H)5.97(s,1H)6.43(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.43(d,J=7.8Hz,2H)7.55(d,J=8.4Hz,2H)8.03(br s,1H)12.10(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-B):R2.07min,MH593
【0109】
立体異性体4A:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 0.96(d,J=6.8Hz,3H)2.05-2.13(m,1H)2.22(dq,J=13.1,6.6Hz,1H)2.33-2.40(m,1H)3.06-3.21(m,2H)3.62(s,3H)3.65-3.76(m,2H)4.05(td,J=10.4,7.2Hz,1H)4.52(td,J=10.1,6.4Hz,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.76(t,J=2.0Hz,1H)5.93(t,J=1.9Hz,1H)5.97(t,J=1.7Hz,1H)6.43(d,J=8.6Hz,1H)7.00(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.43(m,J=8.6Hz,2H)7.55(m,J=8.6Hz,2H)8.03(br s,1H)11.51(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-B):R2.04min,MH593
[α] 20:-59.6°(c 0.245,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-C):R5.84min,MH593 キラル純度100%.
【0110】
立体異性体4B:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 0.96(d,J=6.6Hz,3H)2.07-2.14(m,1H)2.22(dq,J=13.2,6.5Hz,1H)2.38(dd,J=15.2,5.5Hz,1H)3.02-3.23(m,2H)3.62(s,3H)3.65-3.76(m,2H)4.04(td,J=10.3,7.3Hz,1H)4.52(td,J=10.5,6.2Hz,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.76(t,J=2.0Hz,1H)5.93(t,J=1.8Hz,1H)5.97(t,J=1.7Hz,1H)6.43(d,J=8.6Hz,1H)7.00(dd,J=8.0,1.4Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.41-7.46(m,2H)7.55(m,J=8.4Hz,2H)8.03(br s,1H)12.00(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-B):R2.04min,MH593
[α] 20:-47.5°(c 0.255,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-C):R6.34min,MH593 キラル純度98.0%.
【0111】
立体異性体4C:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 0.96(d,J=6.6Hz,3H)2.06-2.14(m,1H)2.22(dq,J=13.3,6.4Hz,1H)2.37(dd,J=15.3,5.6Hz,1H)3.08-3.22(m,2H)3.62(s,3H)3.66-3.74(m,2H)4.04(td,J=10.5,7.0Hz,1H)4.52(td,J=10.2,6.6Hz,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.76(t,J=2.1Hz,1H)5.93(t,J=1.7Hz,1H)5.97(t,J=1.8Hz,1H)6.44(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.44(m,J=8.6Hz,2H)7.55(m,J=8.6Hz,2H)8.03(br s,1H)10.85-12.62(m,1H)
LC/MS(方法 LC-B):R2.04min,MH593
[α] 20:+47.7°(c 0.26,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-C):R6.31min,MH593 キラル純度100%.
【0112】
立体異性体4D:
H NMR(360MHz,DMSO-d)δ ppm 0.96(d,J=7.0Hz,3H)2.06-2.15(m,1H)2.17-2.28(m,1H)2.38(dd,J=15.4,5.5Hz,1H)3.07-3.26(m,2H)3.62(s,3H)3.65-3.76(m,2H)4.05(td,J=10.2,7.3Hz,1H)4.52(td,J=10.3,6.4Hz,1H)5.57(d,J=8.8Hz,1H)5.76(t,J=2.0Hz,1H)5.93(t,J=1.5Hz,1H)5.97(t,J=1.5Hz,1H)6.46(d,J=8.4Hz,1H)7.01(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.33(d,J=8.4Hz,1H)7.44(m,J=8.4Hz,2H)7.55(m,J=8.4Hz,2H)8.03(br s,1H)11.95(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-B):R2.04min,MH593
[α] 20:+60.7°(c 0.285,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-C):R7.58min,MH593 キラル純度100%.
【0113】
実施例5:2-(1-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロピル)酢酸(化合物5)の合成、並びにエナンチオマー5A及び5Bへのキラル分離
【化12】
【0114】
中間体5aの合成:
メチル2-(1-(ブロモメチル)シクロプロピル)アセテート[855473-50-6](306mg、1.478mmol)を、3-メトキシ-5-ニトロフェノール[7145-49-5](250mg、1.478mmol)及びKCO(306mg、2.217mmol)のDMF(2.5mL)中溶液に滴加した。混合物を60℃で16時間撹拌した。反応物を0℃まで冷却し、水及び氷で希釈した。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下にて濃縮して、メチル2-(1-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)シクロプロピル)アセテート、5aを得た。収量は定量的とみなされた。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0115】
中間体5bの合成:
触媒量の10%Pd/C(300mg、0.282mmol)を含有する、メチル2-(1-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)シクロプロピル)アセテート、5a(520mg、1.761mmol)のMeOH(8mL)中溶液を、大気圧のH下にて室温で18時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)ショートパットの濾過により除去し、濾過ケーキをEtOAcで数回すすいだ。合わせた濾液を蒸発させて、メチル2-(1-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロピル)アセテート、5b(390mg)を得て、これをさらに精製することなく、次工程で使用した。
【0116】
中間体5cの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(250mg、0.575mmol)、メチル2-(1-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロピル)アセテート、5b(184mg、0.575mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(200μL、1.15mmol)のCHCN(7.5mL)中混合物を、60℃で18時間撹拌した。溶媒を減圧下にて濃縮した。氷/水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(30μm、24g、ヘプタン/EtOAc 75/25)により精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。残留物をCHCN/ジイソプロピルエーテルから結晶化し、乾燥させて、メチル2-(1-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロ-メトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロピル)アセテート、5c(206mg)を得た。
【0117】
化合物5の合成、並びにエナンチオマー5A及び5Bへの分離:
水(1.63mL)中のLiOH一水和物(63mg、1.502mmol)を、メチル2-(1-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロピル)アセテート、5c(186mg、0.3mmol)のTHF(3.7mL)中溶液に滴加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。3N HClを添加して反応混合物を酸性化し、水溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をCHCN/ジイソプロピルエーテルから結晶化し、乾燥させて、2-(1-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロピル)酢酸(化合物5、115mg)を得た。
【0118】
化合物5(71mg)のエナンチオマーの分離を、分取キラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)Diacel AD 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により実施した。両方のエナンチオマーについて、生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。残留物を水とEtOとの間で分配した。1N HClの添加により混合物をpH1~2まで酸性化し、層を分離した。水層をEtOで再度抽出した。合わせた有機層を、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させた。残留物を50℃で減圧下にて乾燥させて、エナンチオマー5A(22mg)及びエナンチオマー5B(23mg)をオフホワイト粉末として得た。
【0119】
化合物5:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.49-0.55(m,4H)2.33(s,2H)2.99-3.25(m,2H)3.62(s,3H)3.73(s,2H)4.05(td,J=10.40,7.25Hz,1H)4.52(td,J=10.25,6.31Hz,1H)5.57(d,J=9.14Hz,1H)5.74(s,1H)5.92(s,1H)5.95(s,1H)6.45(d,J=9.14Hz,1H)7.02(br d,J=9.14Hz,1H)7.34(d,J=8.20Hz,1H)7.44(d,J=8.20Hz,2H)7.55(d,J=8.51Hz,3H)8.03(s,1H)12.01(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.18min,MH605
MP=111°C
【0120】
エナンチオマー5A:
H NMR(360MHz,DMSO-d)δ ppm 0.46-0.58(m,4H)2.33(s,2H)3.04-3.27(m,2H)3.61(s,3H)3.72(s,2H)4.05(td,J=10.2,7.3Hz,1H)4.52(td,J=10.2,6.6Hz,1H)5.57(d,J=9.1Hz,1H)5.74(t,J=2.0Hz,1H)5.92(t,J=1.6Hz,1H)5.94-5.97(m,1H)6.45(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.4Hz,1H)7.44(d,J=8.4Hz,2H)7.51-7.59(m,2H)8.03(s,1H)12.12(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.15min,MH605
[α] 20:+37.0°(c 0.135,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-E):R5.84min,MH605 キラル純度100%.
【0121】
エナンチオマー5B:
H NMR(360MHz,DMSO-d)δ ppm 0.46-0.57(m,4H)2.33(s,2H)3.05-3.26(m,2H)3.61(s,3H)3.72(s,2H)4.05(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.52(td,J=10.3,6.4Hz,1H)5.57(d,J=8.8Hz,1H)5.74(t,J=2.0Hz,1H)5.92(t,J=1.8Hz,1H)5.94-5.97(m,1H)6.45(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.44(d,J=8.4Hz,2H)7.50-7.61(m,2H)8.03(s,1H)12.11(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.15min,MH605
[α] 20:-48.8°(c 0.16,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-E):R6.53min,MH605 キラル純度100%.
【0122】
実施例6A:(1R,2R)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボン酸(化合物6A)の合成、並びに立体異性体6AA及び6ABへの分離
【化13】
【0123】
中間体6aの合成:
エチル2-ホルミルシクロプロパンカルボキシレート[20417-61-2](9mL、67.996mmol)のMeOH(200mL)中溶液に、NaBH(5.15g、133.993mmol)を0℃で少しずつ添加し、混合物を0℃で2時間撹拌した。CHCl及び水を添加した。層を分離し、水層をCHClで抽出し、合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮して、エチル2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボキシレート、6a(9.15g)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0124】
中間体6bの合成:
ジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(4.8g、20.809mmol)を、3-メトキシ-5-ニトロフェノール[7145-49-5](3.2g、18.917mmol)、エチル2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボキシレート、6a(3g、20.809mmol)、及びPPh(5.46g、20.809mmol)のTHF(150mL)中溶液に、少しずつ添加した。反応物を室温にてN下で18時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。粗残留物を分取LC(不規則なSiOH 20~45μm、220g、ヘプタン/EtOAc 85/15~75/25)により精製した。純粋な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、メチル2-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレート、6b(1.4g)を得た。
【0125】
中間体6cの合成、並びにエナンチオマー6d及び6eへのキラル分離:
触媒量の10%Pd/C(750mg、0.704mmol)を含有する、メチル2-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレート、6b(1.3g、4.402mmol)のEtOH(65mL)中溶液を、大気圧のH下にて室温で4時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)ショートパットの濾過により除去し、濾過ケーキをEtOAcで数回すすいだ。合わせた濾液を蒸発させた。粗残留物を分取LC(不規則なSiOH 20~45μm、40g、ヘプタン/EtOAc 80/20)により精製した。純粋な画分を合わせ、溶媒を蒸発乾固して、メチル2-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレート、6c(780mg)を得た。エナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)AD-H 5μm 250×30mm、移動相:80%CO、20%EtOH)により分離し、第1の溶出エナンチオマー、6d(trans R,R、344mg、[α] 20:-78.6°(c0.257、DMF))、及び第2の溶出エナンチオマー、6e(trans S,S、371mg、[α] 20:+74.5°(c0.251、DMF))を得た。
【0126】
中間体6fの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(376mg、0.864mmol)、(1R,2R)-メチル2-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレートメトキシフェノキシ)メチル)シクロプロピル)アセテート、6d(344mg、1.297mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(298μL、1.729mmol)のCHCN(12mL)中混合物を、80℃で5時間撹拌した。溶媒を減圧下で濃縮した。氷/水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(25~30μm、40g、ヘプタン/EtOAc 80/20)により精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、(1R,2R)-メチル2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボキシレート、6f(500mg)を得た。
【0127】
化合物6Aの合成、並びに立体異性体6AA及び6ABへのキラル分離:
水(10mL)中のLiOH一水和物(169mg、4.039mmol)を、(1R,2R)-メチル2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロ-プロパンカルボキシレート、6f(500mg、0.808mmol)のTHF(10mL)中溶液に滴加した。反応混合物を室温で18時間、及び45℃で5時間撹拌した。3N HClを添加して溶液を酸性化し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(20~45μm、40g、ヘプタン/EtOAc 80/20)により精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、(1R,2R)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボン酸(化合物6A、780mg)を得た。2つの立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:55%CO、45%iPrOH)により分離して、ヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させた後に、第1の溶出立体異性体6AA(123mg)及び第2の溶出立体異性体6AB(125mg)を得た。
【0128】
立体異性体6AA:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.75-0.96(m,1H)1.00-1.07(m,1H)1.44-1.57(m,1H)1.57-1.70(m,1H)3.09-3.27(m,2H)3.62(s,3H)3.69(br dd,J=10.25,7.72Hz,1H)3.80-3.95(m,1H)4.00-4.09(m,1H)4.39-4.65(m,1H)5.57(br d,J=8.51Hz,1H)5.76(s,1H)5.95(s,1H)5.97(s,1H)6.46(br d,J=8.83Hz,1H)7.02(br d,J=8.20Hz,1H)7.34(d,J=8.20Hz,1H)7.44(d,J=8.51Hz,2H)7.55(br d,J=8.20Hz,2H)8.04(br s,1H)12.02(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.95min,MH591
[α] 20:-78.0°(c 0.282,DMF)
キラルSFC(方法SFC-G):R1.08min,MH591 キラル純度99.82%.
【0129】
立体異性体6AB:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.79-0.90(m,1H)1.00-1.08(m,1H)1.43-1.57(m,1H)1.57-1.72(m,1H)2.95-3.27(m,2H)3.62(s,3H)3.63-3.78(m,1H)3.78-3.98(m,1H)4.00-4.09(m,1H)4.29-4.65(m,1H)5.57(br d,J=8.83Hz,1H)5.76(br s,1H)5.95(s,1H)5.96(s,1H)6.46(br d,J=8.51Hz,1H)7.01(br d,J=7.57Hz,1H)7.34(br d,J=7.88Hz,1H)7.44(br d,J=7.88Hz,2H)7.55(br d,J=7.88Hz,2H)8.04(br s,1H)11.88(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.95min,MH591
[α] 20:+12.9°(c 0.272,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-G):R1.87min,MH591 キラル純度99.55%.
【0130】
実施例6B:(1S,2S)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボン酸(化合物6B)の合成、並びに立体異性体6BA及び6BBへの分離
【化14】
【0131】
中間体6gの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(405mg、0.932mmol)、(1S,2S)-メチル2-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレートメトキシフェノキシ)メチル)シクロプロピル)アセテート、6e(371mg、1.398mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(321μL、1.864mmol)のCHCN(12mL)中混合物を、80℃で48時間撹拌した。溶媒を減圧下で濃縮した。氷/水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(25~30μm、40g、ヘプタン/EtOAc 80/20)により精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、(1S,2S)-メチル2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボキシレート、6g(580mg)を得た。
【0132】
化合物6Bの合成、並びに立体異性体6BA及び6BBへのキラル分離:
水(10mL)中のLiOH一水和物(203mg、4.846mmol)を、(1S,2S)-メチル2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレート、6g(600mg、0.969mmol)のTHF(10mL)中溶液に滴加した。反応混合物を室温で7時間撹拌した。3N HClを添加して溶液を酸性化し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(20~45μm、40g、ヘプタン/EtOAc 80/20)により精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、(1S,2S)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロパンカルボン酸(化合物6B、348mg)を得た。2つの立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:55%CO、45%iPrOH)により分離して、ヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させた後に、第1の溶出立体異性体6BA(109mg)及び第2の溶出立体異性体6BB(102mg)を得た。
【0133】
立体異性体6BA:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.73-0.98(m,1H)0.98-1.08(m,1H)1.49-1.58(m,1H)1.58-1.71(m,1H)3.00-3.27(m,2H)3.61(s,3H)3.68(dd,J=10.40,7.57Hz,1H)3.84(dd,J=10.56,6.15Hz,1H)4.00-4.08(m,1H)4.50-4.57(m,1H)5.57(d,J=8.83Hz,1H)5.75(s,1H)5.95(s,1H)5.96(s,1H)6.46(br d,J=8.83Hz,1H)7.01(br d,J=7.25Hz,1H)7.33(d,J=7.88Hz,1H)7.44(d,J=8.51Hz,2H)7.55(d,J=8.51Hz,2H)8.03(s,1H)12.26(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.82min,MH591
[α] 20:-12.5°(c 0.28,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-G):R1.10min,MHなし,キラル純度100%.
【0134】
立体異性体6BB:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.78-0.95(m,1H)1.00-1.08(m,1H)1.48-1.59(m,1H)1.59-1.68(m,1H)2.91-3.25(m,2H)3.61(s,3H)3.68(br dd,J=10.40,7.57Hz,1H)3.84(dd,J=10.56,6.15Hz,1H)4.00- 4.09(m,1H)4.30-4.58(m,1H)5.57(d,J=8.83Hz,1H)5.75(s,1H)5.95(s,1H),5.96(s,1H)6.45(br d,J=8.83Hz,1H)7.01(br d,J=7.88Hz,1H)7.33(d,J=8.20Hz,1H)7.44(d,J=8.20Hz,2H)7.55(d,J=8.20Hz,2H)8.03(s,1H)12.11(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.81min,MH591
[α] 20:+81.4°(c 0.28,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-G):R1.87min,MHなし,キラル純度99.02%.
【0135】
実施例7:(1r,3r)-3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)シクロブテン-カルボン酸(化合物7)の合成、並びにエナンチオマー7A及び7Bへの分離
【化15】
【0136】
中間体7aの合成:
流下にて、エチル3-ヒドロキシシクロブタンカルボキシレート[17205-02-6](1g、6.936mmol)のCHCl(30mL)中溶液に、ピリジン(0.838mL)、及びトシル無水物(2.49g、7.63mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、ジエチルエーテル(200mL)中に懸濁させ、0.5M塩酸(2×60mL)、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(2×60mL)、水(60mL)、及びブライン(50mL)で洗浄した。溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、エチル3-(トシルオキシ)シクロブタンカルボキシレート、7a(2.0g)を得た。
【0137】
中間体7bの合成:
エチル3-(トシルオキシ)シクロブタンカルボキシレート、7a(1.94g、6.504mmol)を、3-メトキシ-5-ニトロフェノール[7145-49-5](1.0g、5.912mmol)及びKCO(981mg、7.095mmol)のDMF(10mL)中混合物に滴加した。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下にて蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 95/5~85/15)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、(1r,3r)-エチル3-(3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、7b(1.1g)を得た。
【0138】
中間体7cの合成:
触媒量の10%Pd/C(396mg、0.373mmol)を含有する、(1r,3r)-エチル3-(3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、7b(1.1g、3.725mmol)のEtOH(20mL)中溶液を、大気圧のH下にて室温で4時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)ショートパットの濾過により除去し、濾過ケーキをMeOHで数回すすいだ。合わせた濾液を減圧下で蒸発させ、(1r,3r)-エチル3-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、7c(920mg)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0139】
中間体7dの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(1.072g、2.467mmol)、(1r,3r)-エチル3-(3-アミノ-5-メトキシ-フェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、7c(720mg、2.714mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(850μL、4.934mmol)のCHCN(32mL)中混合物を、60℃で4日間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を1N HCl及びブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、(1r,3r)-エチル3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、7d(1.6g)を得て、これを次工程でそのまま使用した。
【0140】
化合物7の合成、並びにエナンチオマー7A及び7Bへのキラル分離:
0℃にて、LiOH一水和物(325mg、7.75mmol)を、(1r,3r)-エチル3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、7d(1.6g、2.585mmol)のTHF/水/MeOH(1/1/1)(30mL)中溶液に少しずつ添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を水で希釈し、3N HClを添加して、溶液を酸性化した。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(15~40μm、80g、CHCl/MeOH 100/0~98/2)により精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、(1r,3r)-3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)シクロブテン-カルボン酸(化合物7、1.16g)を得た。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:55%CO、45%MeOH)により分離して、ヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させた後に、第1の溶出エナンチオマー7A(358mg)及び第2の溶出エナンチオマー7B(388mg)を得た。
【0141】
化合物7:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.19-2.30(m,2H)2.57(qd,J=6.8,3.6Hz,2H)2.95-3.05(m,1H)3.08-3.27(m,2H)3.61(s,3H)4.03(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.53(td,J=10.4,6.3Hz,1H)4.68(quin,J=6.7Hz,1H)5.54(d,J=8.5Hz,1H)5.62(s,1H)5.85(s,1H)5.92(s,1H)6.53(d,J=8.5Hz,1H)7.01(br d,J=7.9Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.45(d,J=8.2Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.04(s,1H)12.34(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.95min,MH591
【0142】
エナンチオマー7A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.20-2.28(m,2H)2.53-2.60(m,2H)2.95-3.04(m,1H)3.07-3.26(m,2H)3.60(s,3H)4.03(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.52(td,J=10.2,6.3Hz,1H)4.67(t,J=6.8Hz,1H)5.53(d,J=8.5Hz,1H)5.61(t,J=2.0Hz,1H)5.84(s,1H)5.91(s,1H)6.52(d,J=8.5Hz,1H)7.01(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.03(s,1H)12.24-12.40(m,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.96min,MH591
[α] 20:-41.6°(c 0.298,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-H):R1.25min,MH591,キラル純度100%.
【0143】
エナンチオマー7B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.19-2.28(m,2H)2.57(qd,J=6.8,3.9Hz,2H)2.95-3.04(m,1H)3.08-3.25(m,2H)3.60(s,3H)4.03(td,J=10.5,7.1Hz,1H)4.53(td,J=10.4,6.3Hz,1H)4.67(quin,J=6.7Hz,1H)5.53(d,J=8.5Hz,1H)5.61(t,J=2.0Hz,1H)5.84(s,1H)5.91(s,1H)6.52(d,J=8.5Hz,1H)7.01(dd,J=8.0,1.4Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.03(s,1H)12.32(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.95min,MH591
[α] 20:+43.7°(c 0.332,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-H):R2.05min,MH591,キラル純度100%.
【0144】
実施例8:(1s,3s)-3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)シクロブテン-カルボン酸(化合物8)の合成、並びにエナンチオマー8A及び8Bへの分離
【化16】
【0145】
中間体8aの合成:
流下にて、(1r,3r)-エチル3-ヒドロキシシクロブタンカルボキシレート[160351-88-2](1.86g、12.901mmol)のCHCl(50mL)中溶液に、ピリジン(1.56mL)、及びトシル無水物(4.63g、14.192mmol)を添加した。混合物を室温で6時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、ジエチルエーテル(200mL)中に懸濁させ、0.5M塩酸(2×60mL)、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(2×60mL)、水(60mL)、及びブライン(50mL)で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(1r,3r)-エチル3-(トシルオキシ)シクロブタンカルボキシレート、8a(3.97g)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0146】
中間体8bの合成:
(1r,3r)-エチル3-(トシルオキシ)シクロブタンカルボキシレート、8a(3.85g、12.904mmol)を、3-メトキシ-5-ニトロフェノール[7145-49-5](1.98g、11.73mmol)及びKCO(1.95g、14.07mmol)のDMF(20mL)中混合物に滴加した。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下にて蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、120g、ヘプタン/EtOAc 95/5~85/15)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、(1s,3s)-エチル3-(3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、8b(2.04g)を得た。
【0147】
中間体8cの合成:
触媒量の10%Pd/C(735mg、0.691mmol)を含有する、(1s,3s)-エチル3-(3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、8b(2.04g、6.908mmol)のEtOH(50mL)中溶液を、大気圧のH下にて室温で4時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)ショートパットの濾過により除去し、濾過ケーキをEtOAcで数回すすいだ。合わせた濾液を減圧下で蒸発させ、(1s,3s)-エチル3-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、8c(1.8g)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0148】
中間体8dの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(1.5g、3.462mmol)、(1s,3s)-エチル3-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、8c(870mg、3.462mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(1.19mL、6.924mmol)のCHCN(30mL)中混合物を、80℃で16時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで洗浄した。有機層を1N HCl及びブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。化合物をCHCN/EtOから結晶化し、中間体8(画分1、820mg)を得た。濾液を減圧下で濃縮して、別のバッチの粗中間体8(画分2、1g)を得た。
【0149】
692mg(1.592mmol)の1cから出発し、(上記と同じ反応条件を使用して)反応を繰り返した。反応生成物をEtOから結晶化し、中間体8(画分3、400mg)を得た。濾液を減圧下で濃縮して、別のバッチの中間体8(画分4、600mg)を得た。画分2及び4を合わせ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 90/10~70/30)により精製した。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、画分5(250mg)を得た。画分1、3、及び5を合わせ、乾燥させて、(1s,3s)-エチル3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、8d(1.53g)を得た。
【0150】
化合物8の合成、並びにエナンチオマー8A及び8Bへのキラル分離:
0℃にて、LiOH一水和物(318mg、7.58mmol)を、(1s,3s)-エチル3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)シクロブタンカルボキシレート、8d(1.53g、2.529mmol)をTHF/水/MeOH(1/1/1)(30mL)中溶液に少しずつ添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を水で希釈し、3N HClを添加して、溶液を酸性化した。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(15~40μm、40g、CHCl/MeOH 100/0~98.5/1.5)により精製した。純粋な画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、(1s,3s)-3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)シクロブタンカルボン酸(化合物8、1.26g)を得た。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×20mm、移動相:55%CO、45%EtOH)により分離して、エーテル/ジイソプロピルエーテルから凝固させた後に、第1の溶出エナンチオマー8A(442mg)及び第2の溶出エナンチオマー8B(433mg)を得た。
【0151】
化合物8:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.03-2.13(m,2H)2.57-2.66(m,2H)2.66-2.76(m,1H)3.08-3.26(m,2H)3.61(s,3H)4.04(td,J=10.2,7.3Hz,1H)4.44-4.58(m,2H)5.54(d,J=8.5Hz,1H)5.66(s,1H)5.87(s,1H)5.94(s,1H)6.49(d,J=8.5Hz,1H)7.02(br d,J=8.2Hz,1H)7.34(d,J=8.2Hz,1H)7.45(d,J=8.2Hz,2H)7.55(d,J=8.2Hz,2H)8.04(s,1H)12.27(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.90min,MH591
【0152】
エナンチオマー8A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.01-2.14(m,2H)2.55-2.72(m,3H)3.08-3.24(m,2H)3.61(s,3H)4.04(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.41-4.57(m,2H)5.54(d,J=8.8Hz,1H)5.66(s,1H)5.86(s,1H)5.93(s,1H)6.48(br d,J=8.8Hz,1H)7.01(br d,J=8.2Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.2Hz,2H)8.03(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.90min,MH591
[α] 20:-47.1°(c 0.274,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-I):R1.18min,MH591,キラル純度100%.
【0153】
エナンチオマー8B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.02-2.13(m,2H)2.55-2.70(m,3H)3.06-3.25(m,2H)3.61(s,3H)4.04(td,J=10.2,7.3Hz,1H)4.39-4.57(m,2H)5.54(d,J=8.8Hz,1H)5.66(s,1H)5.86(s,1H)5.93(s,1H)6.48(br d,J=8.8Hz,1H)7.01(br d,J=7.9Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.2Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.03(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.91min,MH591
[α] 20:+40.0°(c 0.25,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-I):R2.16min,MH591,キラル純度100%.
【0154】
実施例9:3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸(化合物9)の合成、並びにエナンチオマー9A及び9Bへのキラル分離
【化17】
【0155】
中間体9aの合成:
3-メトキシ-5-ニトロフェノール[7145-49-5](1.1g、6.4mmol)、ジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(TBAD、1.65g、7.04mmol)、及びトリフェニルホスフィン(2.35g、8.96mmol)を、室温でN雰囲気下にて、乾燥THF(25mL)中に溶解させた。メチル3-(ヒドロキシルメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート[180464-87-3](1.0g、6.4mmol)の乾燥THF(5mL)中溶液を滴加した(発熱)。反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて、残留黄色油をシリカゲル(100g)のカラムクロマトグラフィーにより、EtOAc:EtOH(3:1)/ヘプタン 0/100~50/50の勾配を用いて精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。残留物を少量のEtOでトリチュレートした。固体を濾別し、少量のEtOで洗浄し、減圧下にて50℃で乾燥させて、メチル3-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート 9a(1.06g)を得た。
【0156】
中間体9bの合成:
触媒量の10%Pd/C(366mg、0.34mmol)を含有する、メチル3-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート、9a(1.06g、3.44mmol)のMeOH(150mL)中溶液を、大気圧のH下にて室温で10分間水素付加した。触媒をN雰囲気下にてCelite(登録商標)ショートパットの濾過により除去し、濾過ケーキをMeOHで数回すすいだ。合わせた濾液を蒸発させて、メチル3-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート、9b(961mg)を黒色油として得て、これをさらに精製することなく、次工程で使用した。
【0157】
中間体9cの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(1.16g、2.67mmol)、メチル3-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート、9b(961mg、3.47mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(689μL、4.0mmol)のCHCN(50mL)中混合物を、80℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下にて蒸発させ、残留物をCHClに溶解させた。有機溶液を1N HCl及び水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(100g)のカラムクロマトグラフィーにより、EtOAc:EtOH(3:1)/ヘプタン 0/100~50/50の勾配を用いて精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。残留物を少量のヘプタン/EtOAc 10/1中に懸濁させ、固体を濾別し、少量のヘプタンで洗浄した。固体を減圧下にて50℃で乾燥させて、メチル3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート、9c(1.21g)を白色粉末として得た。
【0158】
化合物9の合成、並びにエナンチオマー9A及び9Bへの分離:
LiOH(92mg、3.84mmol)を、メチル3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボキシレート、9c(1.21g、1.92mmol)の、MeOH(20mL)、THF(40mL)及び水(20mL)の溶媒混合物中溶液に添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。1N HCl(1mL)を添加し、有機揮発物を減圧下にて蒸発させた。残留水性混合物を水で希釈し、1N HClでpH2まで酸性化し、EtOで2回抽出した。合わせた有機層を、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させた。残留物を減圧下にて50℃で乾燥させ、3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロ-メトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸(化合物9、1.06g)を淡黄色固体として得た。
【0159】
化合物9のエナンチオマー(994mg)を分取キラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)Diacel OD 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により分離した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させた。第1の溶出生成物をEtOAcと水との間で分配した。1N HClを添加し、層を分離した。水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させ、減圧下にて50℃で乾燥させて、エナンチオマー9A(353mg)を得た。第2の溶出生成物をEtOAcと水との間で分配した。1N HClを添加し、層を分離した。水層をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させ、減圧下にて50℃で乾燥させて、エナンチオマー9B(193mg)を得た。
【0160】
化合物9:
H NMR(360MHz,DMSO-d)δ ppm 1.92(s,6H)3.06-3.27(m,2H)3.62(s,3H)3.87(s,2H)4.06(td,J=10.3,7.1Hz,1H)4.52(td,J=10.2,6.6Hz,1H)5.58(d,J=8.8Hz,1H)5.75(t,J=2.0Hz,1H)5.92-5.97(m,2H)6.46(d,J=9.1Hz,1H)7.01(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.34(d,J=8.1Hz,1H)7.41-7.47(m,2H)7.51-7.58(m,2H)8.03(br s,1H)12.37(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.09min,MH617
【0161】
エナンチオマー9A:
H NMR(360MHz,DMSO-d)δ ppm 1.92(s,6H)3.07-3.25(m,2H)3.61(s,3H)3.87(s,2H)3.98-4.11(m,1H)4.51(td,J=10.2,6.4Hz,1H)5.57(d,J=8.8Hz,1H)5.75(t,J=2.0Hz,1H)5.92-5.96(m,2H)6.46(d,J=9.1Hz,1H)7.01(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.44(d,J=8.4Hz,2H)7.50-7.59(m,2H)8.03(br s,1H)12.37(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-B):R1.91min,MH617
[α] 20:-43.6°(c 0.5,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-D):R5.26min,MH617 キラル純度98.6%.
【0162】
エナンチオマー9B:
H NMR(360MHz,DMSO-d)δ ppm 1.93(s,6H)3.08-3.25(m,2H)3.62(s,3H)3.88(s,2H)4.00-4.11(m,1H)4.52(td,J=10.2,6.6Hz,1H)5.58(d,J=8.8Hz,1H)5.76(t,J=1.8Hz,1H)5.92-5.98(m,2H)6.47(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.4Hz,1H)7.44(d,J=8.4Hz,2H)7.51-7.60(m,2H)8.04(br s,1H)12.38(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-B):R1.91min,MH617
[α] 20:+42.2°(c 0.41,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-D):R6.47min,MH617 キラル純度99.5%.
【0163】
実施例10:(1s,3s)-3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロ-メトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブテンカルボン酸(化合物10)の合成、並びにエナンチオマー10A及び10Bへのキラル分離
【化18】
【0164】
中間体10aの合成:
流下にて、メチル3-(ヒドロキシメチル)シクロブタンカルボキシレート[89941-55-9](1.4g、9.71mmol)のCHCl(20mL)中溶液に、ピリジン(1.17mL)、及びトシル無水物(3.49g、10.682mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、ジエチルエーテル(200mL)中に懸濁させ、0.5M塩酸(2×50mL)、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(2×50mL)、及びブライン(50mL)で洗浄した。混合物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、メチル3-((トシルオキシ)メチル)シクロブタンカルボキシレート、10a(2.15g)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0165】
中間体10b及び10cの合成:
3-((トシルオキシ)メチル)シクロブタンカルボキシレート、10a(2.15g、7.206mmol)を、3-メトキシ-5-ニトロフェノール[7145-49-5](1.22g、7.206mmol)及びKCO(1.5g、10.809mmol)のDMF(14mL)中混合物に滴加した。混合物を60℃で16時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下にて蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 85/15~80/20)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固した。立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralpack(登録商標)AD-H 5μm 250×30mm、移動相:55%CO、45%MeOH)により分離し、(1s,3s)-メチル3-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)シクロブタンカルボキシレート、10b(541mg)、及び(1r,3r)-メチル3-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)シクロブタンカルボキシレート、10c(428mg)を得た。
【0166】
中間体10dの合成:
触媒量の10%Pd/C(191mg、0.179mmol)を含有する、(1s,3s)-メチル3-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)シクロブテン-カルボキシレート、10b(530mg、1.795mmol)のMeOH(10mL)中溶液を、大気圧のH下にて室温で4時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)ショートパットの濾過により除去し、濾過ケーキをMeOHで数回すすいだ。合わせた濾液を減圧下で蒸発させ、(1s,3s)-メチル3-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブタンカルボキシレート、10d(480mg)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0167】
中間体10eの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(580mg、1.334mmol)、(1s,3s)-メチル3-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブタンカルボキシレート、10d(460mg、1.734mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(460μL、2.667mmol)のCHCN(10mL)中混合物を、60℃で48時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで溶かした。有機層を1N HCl及び水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、EtO/ジイソプロピルエーテルからの結晶化後に、(1s,3s)-メチル3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブテン-カルボキシレート、10e(625mg)を得た。
【0168】
化合物10の合成、並びにエナンチオマー10A及び10Bへのキラル分離:
0℃にて、LiOH一水和物(127mg、3.029mmol)を、(1s,3s)-メチル3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブタンカルボキシレート、10e(625mg、1.01mmol)のTHF/水/MeOH(1/1/1)(15mL)中溶液に少しずつ添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、水で希釈した。3N HClを添加して溶液を酸性化し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をEtO/ジイソプロピルエーテルから結晶化して、(1s,3s)-3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブテン-カルボン酸(化合物10、440mg)を得た。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Whelk(登録商標)O1(S,S)5μm 250×21.1mm、移動相:58%CO、42%MeOH)により分離して、ヘプタン/ジイソプロピルエーテル/エーテルから凝固させた後に、第1の溶出エナンチオマー10A(116mg)及び第2の溶出エナンチオマー10B(119mg)を得た。
【0169】
化合物10:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.87-1.99(m,2H)2.18-2.30(m,2H)2.53-2.61(m,1H)2.97(quin,J=8.9Hz,1H)3.08-3.27(m,2H)3.62(s,3H)3.78(br d,J=6.3Hz,2H)4.05(td,J=10.4,7.2Hz,1H)4.52(td,J=10.3,6.5Hz,1H)5.57(d,J=8.8Hz,1H)5.72-5.78(m,1H)5.94(s,2H)6.45(br d,J=8.8Hz,1H)6.95-7.06(m,1H)7.34(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.2Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.04(s,1H)12.08(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.94min,MH605
MP=128°C
【0170】
エナンチオマー10A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.84-1.97(m,2H)2.15-2.30(m,2H)2.53-2.61(m,1H)2.94(quin,J=8.9Hz,1H)3.07-3.25(m,2H)3.61(s,3H)3.77(br d,J=6.3Hz,2H)4.05(td,J=10.4,6.9Hz,1H)4.52(td,J=10.3,6.1Hz,1H)5.57(d,J=8.8Hz,1H)5.74(t,J=1.9Hz,1H)5.93(s,2H)6.44(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.0,1.4Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.2Hz,2H)8.03(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.08min,MH605
[α] 20:-44.0(c 0.314,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-J):R1.63min,MH605,キラル純度100%.
【0171】
エナンチオマー10B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.85-1.97(m,2H)2.17-2.28(m,2H)2.53-2.58(m,1H)2.94(quint,J=8.8Hz,1H)3.07-3.24(m,2H)3.61(s,3H)3.72-3.82(m,2H)4.05(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.52(td,J=10.4,6.9Hz,1H)5.57(d,J=8.8Hz,1H)5.72-5.77(m,1H)5.93(s,2H)6.44(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.0,1.4Hz,1H)7.33(d,J=7.9Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.03(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.08min,MH605
[α] 20:+45.5°(c 0.308,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-J):R2.14min,MH605,キラル純度99.57%.
【0172】
実施例11:(1r,3r)-3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブテン-カルボン酸(化合物11)の合成、並びにエナンチオマー11A及び11Bへのキラル分離
【化19】
【0173】
中間体11aの合成:
触媒量の10%Pd/C(148mg、0.139mmol)を含有する、(1r,3r)-メチル3-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)シクロブテン-カルボキシレート、10c(410mg、1.388mmol)のMeOH(10mL)中溶液を、大気圧のH下にて室温で4時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)ショートパットの濾過により除去し、濾過ケーキをMeOHで数回すすいだ。合わせた濾液を減圧下で蒸発させ、(1r,3r)-メチル3-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブタンカルボキシレート、11a(370mg)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0174】
中間体11bの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(460mg、1.058mmol)、(1r,3r)-メチル3-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブタンカルボキシレート、11a(365mg、1.376mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(365μL、2.117mmol)のCHCN(8mL)中混合物を、60℃で48時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで溶かした。有機層を1N HCl及び水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、EtO/ジイソプロピルエーテルからの結晶化後に、(1r,3r)-メチル3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブタンカルボキシレート、11b(515mg)を得た。
【0175】
化合物11の合成、並びにエナンチオマー11A及び11Bへのキラル分離:
0℃にて、LiOH一水和物(105mg、2.496mmol)を、(1r,3r)-メチル3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブタンカルボキシレート、11b(515mg、0.832mmol)のTHF/水/MeOH(1/1/1)(15mL)中溶液に少しずつ添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、水で希釈した。3N HClを添加して溶液を酸性化し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、24g、CHCl/CHOH 100/0~98/2)により精製した。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、(1r,3r)-3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロブタンカルボン酸(化合物11、460mg)を得た。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Whelk(登録商標)O1(S,S)5μm 250×21.1mm、移動相:58%CO、42%MeOH)により分離して、エーテル/ジイソプロピルエーテルから結晶化した後に、第1の溶出エナンチオマー11A(121mg)及び第2の溶出エナンチオマー11B(120mg)を得た。
【0176】
化合物11:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.92-2.04(m,2H)2.21-2.31(m,2H)2.57-2.62(m,1H)3.04-3.26(m,3H)3.63(s,3H)3.88(br d,J=6.9Hz,2H)4.00-4.11(m,1H)4.47-4.58(m,1H)5.57(d,J=8.8Hz,1H)5.78(s,1H)5.96(br d,J=9.7Hz,2H)6.45(br d,J=8.8Hz,1H)7.02(br d,J=8.2Hz,1H)7.34(d,J=8.2Hz,1H)7.45(d,J=8.2Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.04(s,1H)12.12(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.95min,MH605
【0177】
エナンチオマー11A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.94-2.03(m,2H)2.21-2.31(m,2H)2.55-2.62(m,1H)3.04-3.25(m,3H)3.62(s,3H)3.87(d,J=7.3Hz,2H)4.04(td,J=10.4,6.9Hz,1H)4.52(td,J=10.2,6.3Hz,1H)5.57(d,J=8.8Hz,1H)5.78(t,J=1.9Hz,1H)5.94(s,1H)5.96(s,1H)6.45(d,J=8.5Hz,1H)7.01(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.03(s,1H)12.12(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.08min,MH605
[α] 20:-43.3°(c 0.319,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-J):R1.73min,MH605,キラル純度100%.
【0178】
エナンチオマー11B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.92-2.02(m,2H)2.21-2.32(m,2H)2.55-2.62(m,1H)3.04-3.25(m,3H)3.62(s,3H)3.87(d,J=6.9Hz,2H)4.05(td,J=10.3,7.1Hz,1H)4.52(td,J=10.3,6.5Hz,1H)5.57(d,J=8.8Hz,1H)5.78(t ,J=1.9Hz,1H)5.94(s,1H)5.96(s,1H)6.45(br d,J=8.8Hz,1H)7.01(br d,J=8.2Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.03(s,1H)12.16(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.08min,MH605
[α] 20:+45.5°(c 0.323,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-J):R2.36min,MH605,キラル純度99.61%.
【0179】
実施例12:3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)プロパン酸(化合物12)の合成、並びにエナンチオマー12A及び12Bへのキラル分離
【化20】
【0180】
中間体12aの合成:
1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(66mg、0.591mmol)を、3-メトキシ-5-ニトロフェノール[7145-49-5](2.0g、11.825mmol)、エチルアセチレンカルボキシレート(1.2mL、11.825mmol)のCHCl2(20mL)中溶液に添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を水中に注ぎ入れ、層をデカントした。有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下にて蒸発させて、エチル3-(3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)アセテート、12a(3.22g、E/Z混合物)を得た。
【0181】
中間体12bの合成:
エチル3-(3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)アセテート、12a(3.2g、11.97mmol)及びPd/C(10%)(2.5g、2.395mmol)のCHOH(100mL)中混合物を、3barの圧力下にて3時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)パットの濾過により除去した。濾過ケーキをCHOHですすぎ、合わせた濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 75/25)により精製を行った。純粋な画分を合わせて蒸発乾固し、エチル3-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)プロパノエート、12b(1.8g)を得た。
【0182】
中間体12cの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(1.0g、2.301mmol)、エチル3-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-プロパノエート、12b(716mg、2.991mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(793μL、4.602mmol)のCHCN(29mL)中混合物を、60℃で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで溶かした。有機層を1N HCl及び水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 75/25)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)プロパン酸、12c(660mg)を得た。
【0183】
化合物12の合成、並びにエナンチオマー12A及び12Bへのキラル分離:
0℃にて、LiOH一水和物(79mg、1.889mmol)を、3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)プロパン酸、12c(560mg、0.944mmol)のTHF/水/MeOH(1/1/1)(15mL)中溶液に少しずつ添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、水で希釈した。3N HClを添加し、溶液を酸性化した。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物を逆相(固定相:YMC-DispoPack AT ODS-25:120g、移動相:75%NHHCO 0.2%、25%CHCN~35%NHHCO 0.2%、65%CHCNの勾配)により精製した。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)プロパン酸(化合物12、126mg)を得た。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×20mm、移動相:65%CO、35%iPrOH(+0.3%iPrNH))により70mgバッチに分離し、CHCN(2mL)/水(8mL)の混合物中で凍結乾燥させた後、第1の溶出エナンチオマー12A(30mg)及び第2の溶出エナンチオマー12B(35mg)を得た。
【0184】
化合物12:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 2.56(t,J=6.1Hz,2H)3.04-3.26(m,2H)3.61(s,3H)3.95-4.11(m,3H)4.43-4.61(m,1H)5.56(d,J=8.6Hz,1H)5.74(s,1H)5.94(br d,J=7.1Hz,2H)6.46(d,J=9.1Hz,1H)7.00(br d,J=8.1Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.43(d,J=8.1Hz,2H)7.55(d,J=8.6Hz,2H)8.03(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.84min,MH565
【0185】
エナンチオマー12A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.62(br t,J=6.0Hz,2H)3.09-3.24(m,2H)3.62(s,3H)4.00-4.10(m,3H)4.47-4.57(m,1H)5.58(d,J=8.8Hz,1H)5.75(s,1H)5.95(br d,J=6.6Hz,2H)6.49(br d,J=8.8Hz,1H)7.02(br d,J=8.2Hz,1H)7.34(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.04(s,1H)12.04-12.63(m,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.83min,MH565
[α] 20:-47.3°(c 0.275,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-K):R2.50min,MH565,キラル純度100%.
【0186】
エナンチオマー12B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.58-2.67(m,2H)3.08-3.25(m,2H)3.62(s,3H)3.99-4.12(m,3H)4.52(td,J=10.3,6.1Hz,1H)5.58(s,1H)5.75(s,1H)5.95(br d,J=6.6Hz,2H)6.50(br s,1H)7.02(br d,J=7.9Hz,1H)7.34(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.04(s,1H)12.35(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.83min,MH565
[α] 20:+41.8°(c 0.297,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-K):R4.34min,MH565,キラル純度99.1%.
【0187】
実施例13:5-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)ペンタン酸(化合物13)の合成、並びにエナンチオマー13A及び13Bへのキラル分離
【化21】
【0188】
中間体13aの合成:
メチル5-ブロモ-バレレート[CAS5454-83-1](1.06mL、7.19mmol)のDMF(25mL)中撹拌溶液に、3-アミノ-5-メトキシフェノール[CAS162155-27-3](1.0g、7.19mmol)、及びCsCO(4.68g、14.4mmol)を添加した。反応物を60℃で18時間撹拌し、室温に到達させた。混合物をHO(125mL)に注ぎ入れた。生成物をCHClで抽出した(2×)。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(25g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc 100/0~50/50の勾配を用いて精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、CHCNと共蒸発させた。生成物を減圧下にて45℃で乾燥させて、メチル5-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)ペンタノエート、13a(200mg)を得た。
【0189】
中間体13bの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(340mg、0.78mmol)、メチル5-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)ペンタノエート、13a(198mg、0.78mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(270μL、1.56mmol)のCHCN(30mL)中混合物を、60℃で18時間撹拌した。混合物を室温に到達させ、水(150mL)に注ぎ入れた。生成物をEtOで抽出した(2×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(40g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH 100/0/0~40/45/15の勾配を用いて精製した。生成物画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、ジオキサンと共蒸発させ、メチル5-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)ペンタノエート、13b(475mg)を得た。
【0190】
化合物13の合成、並びにエナンチオマー13A及び13Bへの分離:
水中の1M NaOH(1.96mL、1.96mmol)を、メチル5-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)ペンタノエート、13b(475mg、0.78mmol)のジオキサン(5mL)中撹拌溶液に添加した。反応混合物を室温で4.5時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)、1N HCl(2.1mL)で希釈した。10分間撹拌した後、生成物を2-Me-THFで抽出した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて蒸発させた。残留物をシリカゲル(40g)のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/EtOAc/EtOH/HOAc 100/0/0/0~40/45/14.7/0.3の勾配を用いて精製した。生成物画分を合わせ、残留量が約7.5mLになるまで減圧下で蒸発させ、反応生成物を沈殿させた。固体を濾別し、EtOAc/ヘプタン 1/3で洗浄し(3×)、減圧下にて45℃で乾燥させて、5-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)ペンタン酸(化合物13、139mg)をラセミ混合物として得た。
【0191】
化合物13のエナンチオマー(112mg)を分取キラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)Diacel OD 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)により分離した。第1の溶出生成物を含有する画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、CHCNと共蒸発させた。残留物をCHCN(1.5mL)及び水(1mL)の溶媒混合物から凍結乾燥させ、エナンチオマー13A(39mg)を得た。第2の溶出生成物を含有する画分を合わせ、減圧下にて蒸発させ、CHCNと蒸発させた。残留物をCHCN(1.75mL)及び水(1.25mL)から凍結乾燥させ、エナンチオマー13B(33mg)を得た。
【0192】
化合物13
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.55-1.69(m,4H)2.25(t,J=7.0Hz,2H)3.07-3.26(m,2H)3.62(s,3H)3.83(t,J=5.9Hz,2H)4.05(td,J=10.4,7.2Hz,1H)4.52(td,J=10.3,6.4Hz,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.75(t,J=2.0Hz,1H)5.91-5.97(m,2H)6.42(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.3,1.7Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.38-7.48(m,2H)7.55(d,J=8.6Hz,2H)8.03(br s,1H)12.01(s,1H)
LC/MS(方法 LC-A):R1.13min,MH593
【0193】
エナンチオマー13A:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.55-1.69(m,4H)2.24(t,J=7.0Hz,2H)3.07-3.26(m,2H)3.62(s,3H)3.83(t,J=5.9Hz,2H)4.05(td,J=10.5,7.3Hz,1H)4.52(td,J=10.3,6.4Hz,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.75(t,J=2.1Hz,1H)5.92-5.96(m,2H)6.42(d,J=8.6Hz,1H)7.01(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.39-7.48(m,2H)7.55(d,J=8.6Hz,2H)8.03(br s,1H)12.02(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-B):R2.08min,MH593
[α] 20:-48.6°(c 0.43,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-D):R5.27min,MH593 キラル純度100%.
【0194】
エナンチオマー13B:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.55-1.69(m,4H)2.24(t,J=7.2Hz,2H)3.04-3.25(m,2H)3.62(s,3H)3.83(t,J=5.9Hz,2H)4.05(td,J=10.4,7.2Hz,1H)4.52(td,J=10.3,6.2Hz,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.75(t,J=2.0Hz,1H)5.92-5.96(m,2H)6.42(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.1,1.5Hz,1H)7.33(d,J=8.1Hz,1H)7.42-7.46(m,2H)7.55(d,J=8.6Hz,2H)8.03(br s,1H)12.00(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-B):R2.08min,MH593
[α] 20:+48.3°(c 0.42,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-D):R6.94min,MH593 キラル純度100%.
【0195】
実施例14:5-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロ-メトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)ペンタン酸(化合物14)の合成、並びにエナンチオマー14A及び14Bへのキラル分離
【化22】
【0196】
中間体14aの合成:
雰囲気下のシールドチューブにて、PdCl(PPh(1.5g、2.2mmol)を、1-ブロモ-3-メトキシ-5-ニトロベンゼン[CAS16618-67-0](5.0g、22mmol)、メチルアクリレート(6.0mL、67mmol)のCHCN(45ml)及びトリエチルアミン(12mL)中脱気溶液に添加した。反応物を70℃で18時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、120g、ヘプタン/EtOAc 90/10~75/25の勾配)により精製し、(E)-メチル3-(3-メトキシ-5-ニトロフェニル)アクリレート、14a(2.0g)を得た。
【0197】
中間体14bの合成:
0℃のN下にて、ジイソブチル水素化アルミニウム(CHCl中1M)(20mL、20mmol)を、(E)-メチル3-(3-メトキシ-5-ニトロフェニル)アクリレート、14a(2.4g、10.12mmol)のCHCl(65ml)中溶液に滴加した。反応物を室温までゆっくりと温めて、2時間撹拌した。混合物を、HCl(3N)でクエンチし、CHClで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、(E)-3-(3-メトキシ-5-ニトロフェニル)プロパ-2-エン-1-オール、14b(2.1g)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0198】
中間体14cの合成:
0℃のN下にて、デスマーチンペルヨージナン(24mL、11.04mmol)を、(E)-3-(3-メトキシ-5-ニトロフェニル)プロパ-2-エン-1-オール、14b(2.1g、10.04mmol)のCHCl(64mL)中溶液にゆっくりと添加し、混合物を室温で72時間撹拌した。水を添加し、混合物を濾過した。濾液をCHClで抽出し、MgSO上で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させて、(E)-3-(3-メトキシ-5-ニトロフェニル)アクリルアルデヒド、14c(2.5g)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0199】
中間体14dの合成:
下で、(カルボエトキシメチレン)トリフェニルホスホラン(5.0g、14.48mmol)を、(E)-3-(3-メトキシ-5-ニトロフェニル)アクリルアルデヒド、14c(2.5g、9.65mmol、80%純度)のCHCl(62mL)中混合物に一度に添加し、室温で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、80g、ヘプタン/EtOAc 85/15~60/30の勾配)により精製し、(2E,4E)-エチル5-(3-メトキシ-5-ニトロフェニル)ペンタ-2,4-ジエノエート、14d(2.1g)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0200】
中間体14eの合成:
(2E,4E)-エチル5-(3-メトキシ-5-ニトロフェニル)ペンタ-2,4-ジエノエート、14d(1.9g、6.85mmol)のEtOH(40mL)及びEtOAc(6.7mL)中混合物を、触媒としてのPd/C(10%)(0.73g、0.69mmol)とともに、大気圧のH下で18時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)パッドに通して濾過することによって除去した。Celite(登録商標)をEtOAcで洗浄し、合わせた濾液を減圧下にて濃縮した。残留物を、触媒としてのPd/C(10%)(0.73g、0.69mmol)とともに大気圧のH下にて72時間、EtOH(40mL)及びEtOAc(6.7mL)中で再水素付加した。触媒をCelite(登録商標)パッドに通して濾過することによって除去した。Celite(登録商標)をEtOAcで洗浄し、合わせた濾液を減圧下にて濃縮して、エチル5-(3-アミノ-5-メトキシフェニル)ペンタノエート、14e(1.4g)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0201】
中間体14fの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(1.6g、3.71mmol)、エチル5-(3-アミノ-5-メトキシフェニル)ペンタノエート、14e(1.4g、5.57mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(1.3mL、7.43mmol)のCHCN(19mL)中混合物を、80℃で18時間撹拌した。混合物をEtOAcで溶かし、0.5N HCl(2回)及び水で洗浄した。有機層を、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、40g、ヘプタン/EtOAc 85/15~75/25)により精製を行い、エチル5-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)ペンタノエート、14f(1.8g)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0202】
化合物14の合成、並びにエナンチオマー14A及び14Bへのキラル分離:
LiOH一水和物(0.62g、15mmol)の水(16mL)中溶液を、エチル5-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)ペンタノエート、14f(1.8g、2.98mmol)のTHF(36mL)中溶液に添加した。混合物を室温で18時間撹拌した。LiOH一水和物(0.62g、15mmol)を再添加し、混合物を室温にて24時間撹拌した。溶液をHCl(3N)で酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、40g、CHCl/MeOH 100/0~98/2)により精製し、5-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)ペンタン酸(化合物14、920mg)を得た。エナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)AD-H 5μm 250×30mm、移動相:55%CO、45%EtOH)により分離して、ペンタン/EtOから凝固させた後に、第1の溶出エナンチオマー14A(248mg)及び第2の溶出エナンチオマー14B(263mg)を得た。
【0203】
化合物14:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.47(br s,4H)2.15-2.22(m,2H)2.34-2.43(m,2H)3.07-3.26(m,2H)3.62(s,3H)3.92-4.14(m,1H)4.40-4.64(m,1H)5.56(br d,J=8.83Hz,1H)6.00(s,1H)6.13(br s,1H)6.20(s,1H)6.37(br d,J=8.51Hz,1H)7.01(br d,J=7.88Hz,1H)7.33(br d,J=7.88Hz,1H)7.44(br d,J=8.20Hz,2H)7.56(br d,J=8.20Hz,2H)8.04(br s,1H)12.01(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.18min,MH577
【0204】
エナンチオマー14A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.40-1.61(m,4H)2.14-2.24(m,2H)2.33-2.42(m,2H)3.06-3.23(m,2H)3.62(s,3H)3.92-4.18(m,1H)4.40-4.59(m,1H)5.40-5.69(m,1H)6.00(s,1H)6.13(s,1H)6.20(s,1H)6.30-6.47(m,1H)6.91-7.12(m,1H)7.28-7.38(m,1H)7.44(d,J=8.20Hz,2H)7.56(d,J=8.51Hz,2H)7.95-8.29(m,1H)11.99(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.21min,MH577
[α] 20:+55.8°(c 0.312,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-L):R1.32min,MHなし,キラル純度100%.
【0205】
エナンチオマー14B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.40-1.53(m,4H)2.15-2.25(m,2H)2.32-2.44(m,2H)3.00-3.27(m,2H)3.62(s,3H)3.95-4.18(m,1H)4.44-4.79(m,1H)5.57(d,J=8.83Hz,1H)6.00(s,1H)6.13(s,1H)6.20(s,1H)6.37(br d,J=8.83Hz,1H)7.02(br d,J=7.25Hz,1H)7.34(d,J=8.20Hz,1H)7.44(d,J=8.20Hz,2H)7.56(d,J=8.51Hz,2H)8.04(s,1H)12.00(m,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.20min,MH577
[α] 20:-53.7°(c 0.326,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-L):R1.74min,MHなし,キラル純度100%.
【0206】
実施例15:4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)ブタン酸(化合物15)の合成、並びにエナンチオマー15A及び15Bへのキラル分離
【化23】
【0207】
中間体15aの合成:
4-エトキシ-4-オキソブチル亜鉛ブロミド(5.2mL、2.6mmol)及びPd(dba)(0.20g、0.22mmol)を、1-ブロモ-3-メトキシ-5-ニトロベンゼン[CAS16618-67-0](0.5g、2.2mmol)、トリ-tert-ブチルホスフィン(87mg、0.43mmol)、及びCsCO(1.4g、4.3mmol)のTHF(8.8mL)中脱気溶液に添加した。反応物をN雰囲気下にて室温で18時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、80g、ヘプタン/EtOAc 95/5~80/20)により精製し、エチル4-(3-メトキシ-5-ニトロフェニル)ブタノエート、15a(370mg)を得た。
【0208】
中間体15bの合成:
エチル4-(3-メトキシ-5-ニトロフェニル)ブタノエート、15a(0.37g、1.38mmol)のEtOH(8.1mL)中混合物を、触媒としてのPd/C(10%)(0.15g、0.14mmol)とともに、大気圧のH下で18時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)パッドに通して濾過することによって除去した。Celite(登録商標)をEtOAcで洗浄し、濾液を減圧下にて濃縮して、エチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェニル)ブタノエート、15b(350mg)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0209】
中間体15cの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(0.43g、0.98mmol)、エチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェニル)ブタノエート、15b(0.35g、1.48mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(0.34mL、2.0mmol)のCHCN(5.1mL)中混合物を、80℃で18時間撹拌した。混合物をEtOAcで溶かし、0.5N HCl(2回)及び水で洗浄した。有機層を、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、40g、ヘプタン/EtOAc 85/15~75/25)により精製を行い、エチル4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)ブタノエート、15c(340mg)を得た。
【0210】
化合物15の合成、並びにエナンチオマー15A及び15Bへのキラル分離:
下にて、LiOH一水和物(0.12g、2.9mmol)の水(3.1mL)中溶液を、エチル4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)ブタノエート、15c(0.34g、0.58mmol)のTHF(7mL)中溶液に添加した。混合物を室温で72時間撹拌した。溶液をHCl(3N)で酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、24g、CHCl/MeOH 100/0~98/2)により精製し、EtOから凝固させた後、4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)ブタン酸(化合物15、285mg)を得た。エナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:65%CO、35%MeOH)により分離して、EtOから凝固させた後、第1の溶出エナンチオマー15A(75mg)及び第2の溶出エナンチオマー15B(85mg)を得た。
【0211】
化合物15:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.66-1.86(m,2H)2.11-2.26(m,2H)2.32-2.44(m,2H)3.03-3.26(m,2H)3.62(s,3H)4.04(td,J=10.32,7.09Hz,1H)4.52(td,J=10.32,6.15Hz,1H)5.56(d,J=8.83Hz,1H)6.00(s,1H)6.14(s,1H)6.21(s,1H)6.38(d,J=8.83Hz,1H)7.01(dd,J=8.20,1.26Hz,1H)7.33(d,J=8.20Hz,1H)7.38-7.50(m,2H)7.56(d,J=8.20Hz,2H)8.03(s,1H)12.01(s,1H)
LC/MS(方法LC-D):R2.96min,MH563
【0212】
エナンチオマー15A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.56-1.87(m,2H)2.11-2.21(m,2H)2.35-2.42(m,2H)3.02-3.22(m,2H)3.62(s,3H)3.97-4.18(m,1H)4.39-4.61(m,1H)5.56(d,J=8.59Hz,1H)5.99(s,1H)6.13(s,1H)6.20(s,1H)6.37(br d,J=9.09Hz,1H)7.00(br d,J=8.59Hz,1H)7.33(d,J=8.08Hz,1H)7.43(d,J=8.59Hz,2H)7.55(d,J=8.59Hz,2H)8.03(s,1H)11.99(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.08min,MH563
[α] 20:-59.0°(c 0.293,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-M):R2.19min,MHなし,キラル純度99.31%.
【0213】
エナンチオマー15B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.60-1.86(m,2H)2.10-2.21(m,2H)2.35-2.42(m,2H)3.02-3.23(m,2H)3.62(s,3H)3.82-4.26(m,1H)4.36-4.71(m,1H)5.56(d,J=9.09Hz,1H)5.99(s,1H)6.13(s,1H)6.20(s,1H)6.37(d,J=9.09Hz,1H)7.00(br d,J=8.59Hz,1H)7.33(d,J=8.08Hz,1H)7.43(d,J=8.59Hz,2H)7.55(d,J=8.59Hz,2H)8.03(s,1H)11.97(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.08min,MH563
[α] 20:+48.0°(c 0.225,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-M):R3.73min,MHなし,キラル純度99.61%.
【0214】
実施例16:3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシベンジル)オキシ)プロパン酸(化合物16)の合成
【化24】
【0215】
中間体16aの合成:
tert-ブチルジメチルシリルクロリド(6.1g、40.48mmol)を、室温にて、(3-アミノ-5-メトキシフェニル)メタノール[1261566-52-2](3.1g、20.24mmol)及びイミダゾール(4.13g、60.71mmol)のCHCl(130mL)中溶液に添加した。反応物を室温で16時間撹拌し、水でクエンチし、CHClで抽出した。有機層を抽出し、水及びブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、120g、ヘプタン/EtOAc 85/15~65/35の勾配)により精製した。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-メトキシアニリン、16a(3.4g)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0216】
中間体16bの合成:
臭化ベンジル(3.8mL、31.8mmol)、3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-メチル)-5-メトキシアニリン、16a(3.4g、12.71mmol)、KCO(5.27g、38,14mmol)、及びDMAP(155mg、1.27mmol)のCHCN(66mL)中混合物を、60℃で18時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、120g、ヘプタン/EtOAc 100/0~90/10の勾配)により精製した。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、N,N-ジベンジル-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-メトキシアニリン、16b(6g)を得た。
【0217】
中間体16cの合成:
TBAF(THF中1M)(15.3mL、15.3mmol)を、N,N-ジベンジル-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-メトキシアニリン、16b(5.69g、12.71mmol)のMe-THF(64mL)中溶液に添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで3回、及びNaHCOの飽和水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、120g、ヘプタン/EtOAc 85/15~75/25の勾配)により精製した。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、(3-(ジベンジルアミノ)-5-メトキシフェニル)メタノール、16c(4.1g)を得た。
【0218】
中間体16dの合成:
エチル3-ブロモプロピオネート(0.126mL、0.99mmol)を、(3-(ジベンジルアミノ)-5-メトキシフェニル)メタノール、16c(300mg、0.90mmol)、NaH(鉱油中60%分散体)(40mg、0.99mmol)のDMF(7.0ml)中溶液に滴加した。反応物を室温で16時間撹拌した。EtOAcで希釈した後、粗物質を、ブラインで洗浄した(5x)。有機層をMgSO上で乾燥させ、蒸発乾固した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、24g、ヘプタン/EtOAc 85/15~75/25)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、エチル3-((3-(ジベンジルアミノ)-5-メトキシベンジル)オキシ)プロパノエート、16d(97mg)を得た。
【0219】
中間体16eの合成:
エチル3-((3-(ジベンジルアミノ)-5-メトキシベンジル)オキシ)プロパノエート、16d(97mg、0.22mmol)のEtOH(1.3mL)及びEtOAc(0.66mL)中混合物を、触媒としてのPd/C(10%)(24mg、0.022mmol)とともに、7barのH圧力下で18時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)パッドに通して濾過することによって除去した。Celite(登録商標)をEtOAcで洗浄し、濾液を減圧下にて濃縮して、エチル3-((3-アミノ-5-メトキシベンジル)オキシ)-プロパノエート、16e(52mg)を得た。
【0220】
中間体16fの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(74mg、0.17mmol)、エチル3-((3-アミノ-5-メトキシベンジル)オキシ)-プロパノエート、16e(52mg、0.21mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(59μL、0.34mmol)のCHCN(0.89mL)中混合物を、80℃で18時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、12g、ヘプタン/EtOAc 85/15~75/25)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、エチル3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシベンジル)オキシ)プロパノエート、16f(48mg)を得た。
【0221】
化合物16の合成:
LiOH一水和物(33mg、0.79mmol)の水(0.43mL)中溶液を、エチル3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシベンジル)オキシ)プロパノエート、16f(48mg、0.079mmol)のTHF(0.97mL)中溶液に添加した。混合物を室温で72時間撹拌した。溶液をHCl(3N)で酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、12g、CHCl/MeOH 100/0~98/2)により精製した。逆相クロマトグラフィー(固定相:YMC-actus Triart-C18 10μm 30×150mm、移動相:65%NHHCO 0.2%、35%CHCN~25%NHHCO 0.2%、75%CHCNの勾配)により第2の精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、CHCN/水中で凍結乾燥させた後、3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシベンジル)オキシ)プロパン酸(化合物16、5mg)を得た。
【0222】
化合物16:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 2.34-2.42(m,2H)3.03-3.23(m,2H)3.49-3.59(m,2H)3.63(s,3H)3.97-4.21(m,2H)4.27(s,2H)4.49-4.57(m,1H)5.58(d,J=8.59Hz,1H)6.11(s,1H)6.21(s,1H)6.33(s,1H)6.48(br d,J=8.59Hz,1H)7.00(br d,J=8.59Hz,1H)7.33(d,J=8.08Hz,1H)7.43(d,J=8.59Hz,2H)7.56(d,J=8.59Hz,2H)8.03(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.84min,MH579
【0223】
実施例17:4-(3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタン酸(化合物17)の合成、並びに立体異性体17A、17B、17C及び17Dへの分離
【化25】
【0224】
中間体17aの合成:
tert-ブチル4-ブロモ-2-メチルブタノエート[CAS1210410-44-8](3.9g、16.446mmol)を、3-メトキシ-5-ニトロフェノール[7145-49-5](2.78g、16.446mmol)及びKCO(3.409g、24.669mmol)のDMF(25mL)中混合物に滴加した。混合物を室温で7時間、及び60℃で16時間撹拌した。0℃まで冷却した後、混合物を水及び氷で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発乾固した。粗残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(20~45μm、80g、移動相:ヘプタン/EtOAc 75/25)により精製した。純粋な画分を合わせ、溶媒を減圧下で蒸発させて、tert-ブチル4-(3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)-2-メチルブタノエート、17a(2.59g)を得た。
【0225】
中間体17bの合成:
tert-ブチル4-(3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)-2-メチルブタノエート、17a(2.9g、8.913mmol)のMeOH(50mL)中混合物を、触媒としてのPd/C(10%)(1.52g、1.426mmol)とともに、大気圧のH下で4時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)パッドに通して濾過することによって除去した。Celite(登録商標)をEtOAcで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。混合物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(20~45μm、40g、移動相:ヘプタン/EtOAc 85/15)により精製した。純粋な画分を合わせ、溶媒を乾燥するまで蒸発させて、tert-ブチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタノエート、17b(2.29g)を得た。
【0226】
中間体17cの合成:
6-(トリフルオロメトキシ)インドリン[CAS959235-95-1](2.5g、12.3mmol)、2-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)酢酸[CAS170737-95-8](2.47g、12.3mmol)、HATU(7g、18.5mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(6.1mL、36.9mmol)のDMF(40mL)中混合物を室温で4時間撹拌した。水及びEtOAcを添加した。有機層を分離し、水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(15~40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 85/15)により精製した。純粋な画分を合わせ、溶媒を減圧下で濃縮して、CHCN/ヘプタンから結晶化させた後、2-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、17c(4.3g)を得た。
【0227】
中間体17dの合成:
-78℃、N流下において、THF中LiHMDS 1M(19.7mL、19.7mmol)を2-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、17c(3.8g、9.8mmol)のTHF(50mL)中混合物に滴加した。TMSCl(1.5mL、11.8mmol)を滴加した。混合物を-78℃で15分間撹拌し、N-ブロモスクシンイミド(1.9g、10.8mmol)のTHF(35mL)中溶液を滴加した。-78℃で2時間撹拌した後、NHClの飽和溶液で反応をクエンチした。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、2-ブロモ-2-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、17d(4.5g)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0228】
化合物17eの合成、並びに立体異性体17f、17g、17h、及び17iへの分離:
2-ブロモ-2-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、17d(2g、4.304mmol)、tert-ブチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタノエート、17b(763mg、2.583mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(1.5mL、8.608mmol)のCHCN(70mL)中混合物を、60℃で6時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、水及び氷で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(25~30μm、40g、ヘプタン/EtOAc 80/20)により精製を行った。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(25~30μm、40g、ヘプタン/EtOAc 85/15)により2回目の精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、tert-ブチル4-(3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタノエート、17e(787mg)を得た。立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)AD-H 5μm 250×30mm、移動相:83%CO、17%EtOH)により分離して、17f及び17gの混合物(348mg)、並びに純粋な17h(164mg)及び17i(184mg)を得た。17f及び17gをキラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)AD-H 5μm 250×30mm、移動相:88%CO、12%EtOH)によりさらに分離して、17f(145mg)及び17g(140mg)を得た。
【0229】
化合物17の合成:
tert-ブチル4-(3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタノエート、17e(180mg、0.265mmol)のHCl(ジオキサン中4M)(3mL)中混合物を、室温で18時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。5mLのトリエチルアミンを添加し、溶液を減圧下で蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、12g、CHCl/MeOH 99/1~96/4)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固した(m=115mg)。残留物を、ペンタン/ジイソプロピルエーテル及び2、3滴のCHCN中で凝固させて、4-(3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタン酸(化合物17、75mg)を得た。
【0230】
立体異性体17Aの合成:
17f(145mg、0.214mmol)のHCl(ジオキサン中4M)(5mL)中混合物を、室温で6時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。5mLのEtNを添加し、溶液を減圧下で蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、12g、CHCl/MeOH 99.5/0.5~95/5)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固した(m=93mg)。残留物を、ペンタン/ジイソプロピルエーテル及び2、3滴のCHCNから凝固させて、立体異性体17A(64mg)を得た。
【0231】
立体異性体17Bの合成:
17g(135mg、0.199mmol)のHCl(ジオキサン中4M)(5mL)中混合物を、室温で18時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。5mLのEtNを添加し、溶液を減圧下で蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、12g、CHCl/MeOH 99.5/0.5~95/5)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固した(m=65mg)。残留物を、ペンタン/ジイソプロピルエーテル及び2、3滴のCHCNから凝固させて、立体異性体17B(38mg)を得た。
【0232】
立体異性体17Cの合成:
17h(162mg、0.239mmol)のHCl(ジオキサン中4M)(5mL)中混合物を、室温で6時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。5mLのEtNを添加し、溶液を減圧下で蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、12g、CHCl/MeOH 99.5/0.5~95/5)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固した(m=85mg)。残留物を、ペンタン/ジイソプロピルエーテル及び2、3滴のCHCNから凝固させて、立体異性体17C(68mg)を得た。
【0233】
立体異性体17Dの合成:
17i(179mg、0.264mmol)のHCl(ジオキサン中4M)(5mL)中混合物を、室温で6時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。5mLのEtNを添加し、溶液を減圧下で蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、24g、CHCl/MeOH 99.5/0.5~95/5)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固した(m=98mg)。残留物を、ペンタン/ジイソプロピルエーテル及び2、3滴のCHCNから凝固させて、立体異性体17D(54mg)を得た。
【0234】
化合物17:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.11(br d,J=6.62Hz,3H)1.54-1.82(m,1H)1.82-2.07(m,1H)3.10-3.22(m,2H)3.62(s,3H)3.77-3.87(m,2H)3.91(s,3H)3.96-4.18(m,1H)4.30-4.43(m,1H)5.60(br d,J=8.20Hz,1H)5.76(br s,1H)5.87(s 1H)5.88(s,1H)6.46(br d,J=8.51Hz,1H)6.98-7.6(m,2H)7.15(br s,1H)7.28-7.44(m,2H)8.03(br s,1H)12.20(br s,1H)(DMSOの下で1HはCH COHがない)
LC/MS(方法 LC-C):R3.16min,MH623
【0235】
立体異性体17A:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.10(br d,J=7.07Hz,3H)1.59-1.82(m,1H)1.82-2.04(m,1H)3.04-3.24(m,2H)3.61(s,3H)3.71-3.87(m,2H)3.90(s,3H)3.96-4.21(m,1H)4.32-4.56(m,1H)5.59(br d,J=8.59Hz,1H)5.75(s,1H)5.85(s,1H)5.87(s,1H)6.44(br d,J=8.59Hz,1H)6.98-7.05(m,2H)7.14(s,1H)7.22-7.53(m,2H)8.02(br s,1H)12.19(br s,1H)(DMSOの下で1HはCH COHがない)
LC/MS(方法 LC-D):R3.07min,MH623
[α] 20:-18.4°(c 0.305,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-N):R4.75min,MH623,キラル純度99.3%.
【0236】
立体異性体17B:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.09(br d,J=6.57Hz,3H)1.64-1.83(m,1H)1.83-2.09(m,1H)3.00-3.23(m,2H)3.61(s,3H)3.68-3.86(m,2H)3.90(m,3H)3.96-4.21(m,1H)4.26-4.56(m,1H)5.59(br d,J=8.08Hz,1H)5.75(br s,1H)5.86(s,1H)5.87(s,1H)6.44(br d,J=8.59Hz,1H)6.97-7.06(m,2H)7.14(s,1H)7.26-7.34(m,2H)8.02(br s,1H)12.20(br s,1H)(DMSOの下で1HはCH COHがない)
LC/MS(方法 LC-D):R3.03min,MH623
[α] 20:-51.0°(c 0.298,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-N):R5.90min,MH623,キラル純度97.94%.
【0237】
立体異性体17C:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.09(d,J=6.57Hz,3H)1.61-1.84(m,1H)1.88-2.02(m,1H)3.07-3.26(m,2H)3.61(s,3H)3.76-3.88(m,2H)3.90(s,3H)3.97-4.18(m,1H)4.27-4.45(m,1H)5.59(br d,J=8.59Hz,1H)5.75(s,1H)5.86(br s,1H)5.87(br s,1H)6.39-6.49(m,1H)6.97-7.02(m,1H)7.02-7.05(m,1H)7.14(d,J=2.02Hz,1H)7.29-7.32(m,1H)7.32-7.37(m,1H)8.02(s,1H)12.19(br s,1H)(DMSOの下で1HはCH COHがない)
LC/MS(方法 LC-C):R3.16min,MH623
[α] 20:+41.6°(c 0.257,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-N):R6.86min,MH623,キラル純度98.89%.
【0238】
立体異性体17D:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.11(d,J=6.94Hz,3H)1.70(dq,J=13.44,6.55Hz,1H)1.97(dq,J=13.64,6.80Hz,1H)3.09 -3.26(m,2H)3.62(s,3H)3.85(br t,J=6.31Hz,2H)3.91(s,3H)3.97-4.09(m,1H)4.31-4.47(m,1H)5.60(br d,J=8.51Hz,1H)5.76(s,1H)5.86(br s,1H)5.88(br s,1H)6.45(br d,J=8.51Hz,1H)7.00-7.08(m,2H)7.15(d,J=1.26Hz,1H)7.32(d,J=8.20Hz,1H)7.34(br d,J=8.20Hz,1H)8.03(br s,1H)12.18(br s,1H)(DMSOの下で1HはCH COHがない)
LC/MS(方法 LC-C):R3.15min,MH623
[α] 20:+15.8°(c 0.297,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-N):R8.14min,MH623,キラル純度98.6%.
【0239】
実施例18:4-(3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチル-ブタン酸(化合物18)の合成、並びにエナンチオマー18A及び18Bへのキラル分離
【化26】
【0240】
中間体18aの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、17d(800mg、1.291mmol)、メチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタノエート、2a(518mg、1.937mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(445μL、2.583mmol)のCHCN(6mL)中混合物を、80℃で48時間撹拌した。混合物を濃縮乾固した。残留物をEtOAcで溶かし、1N HClで(2回)及び水で洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、メチル4-(3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタノエート、18a(950mg)を得た。化合物を次工程でそのまま使用した。
【0241】
化合物18の合成、並びにエナンチオマー18A及び18Bへのキラル分離:
0℃にて、LiOH一水和物(184mg、4.38mmol)を、メチル4-(3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロ-メトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタノエート、18a(950mg、1.459mmol)のTHF/MeOH/水(1/1/1)(30mL)中溶液に少しずつ添加した。混合物を室温で16時間、次いで60℃で16時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。水層を3N HClでpH5~6までゆっくりと酸性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、40g、CHCl/CHOH 100/0~99/1)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固した(m=350mg)。残留物のごく一部をEtO/ジイソプロピルエーテルから結晶化した。沈殿物を濾別し、乾燥させて、4-(3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタン酸(化合物18、25mg)を得た。残留量(290mg)をキラル分離に使用した。エナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:75%CO、25%MeOH)により分離して、ヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させた後に、第1の溶出エナンチオマー18A(68mg)及び第2の溶出エナンチオマー18B(70mg)を得た。
【0242】
化合物18:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.14(d,J=2.2Hz,6H)1.87(t,J=7.1Hz,2H)3.09-3.26(m,2H)3.61(s,3H)3.80-3.88(m,2H)3.90(s,3H)3.98-4.07(m,1H)4.33-4.42(m,1H)5.60(d,J=8.5Hz,1H)5.74(s,1H)5.85(s,1H)5.87(s,1H)6.44(d,J=8.5Hz,1H)6.98-7.06(m,2H)7.15(d,J=1.6Hz,1H)7.33(dd,J=11.7,8.2Hz,2H)8.03(s,1H)12.23(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.40min,MH637
MP=138°C
【0243】
エナンチオマー18A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.14(d,J=2.2Hz,6H)1.87(br t,J=7.1Hz,2H)3.09-3.25(m,2H)3.61(s,3H)3.81-3.87(m,2H)3.90(s,3H)3.98-4.07(m,1H)4.33-4.42(m,1H)5.59(d,J=8.5Hz,1H)5.74(s,1H)5.84(s,1H)5.87(s,1H)6.44(br d,J=8.5Hz,1H)6.98-7.06(m,2H)7.14(d,J=1.9Hz,1H)7.33(dd,J=10.7,8.5Hz,2H)8.02(s,1H)11.94-12.35(m,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.40min,MH637
[α] 20:-30.2°(c 0.315,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-O):R1.31min,MHなし,キラル純度100%.
【0244】
エナンチオマー18B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.13(d,J=2.5Hz,6H)1.87(t,J=7.3Hz,2H)3.10-3.25(m,2H)3.61(s,3H)3.80-3.87(m,2H)3.90(s,3H)4.02(td,J=10.2,7.1Hz,1H)4.33-4.41(m,1H)5.59(d,J=8.8Hz,1H)5.73-5.76(m,1H)5.84(s,1H)5.87(s,1H)6.44(d,J=8.5Hz,1H)6.97-7.08(m,2H)7.14(d,J=1.9Hz,1H)7.33(dd,J=11.2,8.4Hz,2H)8.02(s,1H)11.92-12.44(m,1H)
LC/MS(方法LC-C):R3.40min,MH637
[α] 20:+28.0°(c 0.354,DMF)
キラルSFC(方法SFC-O):R1.60min,MHなし,キラル純度99.45%.
【0245】
実施例19A:(1R,2R)-2-((3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボン酸(化合物19A)の合成、並びに立体異性体19AA及び19ABへの分離
【化27】
【0246】
中間体19aの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、17d(0.37g、0.796mmol)、(1R,2R)-メチル2-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレートメトキシフェノキシ)メチル)シクロプロピル)アセテート、6d(0.317g、1.194mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(0.274mL、1.593mmol)のCHCN(10mL)中混合物を、80℃で6時間撹拌した。反応物を0℃まで冷却し、水及び氷で希釈した。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発乾固した。化合物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(25~30μm、24g、ヘプタン/EtOAc 80/20)により精製した。純粋な画分を合わせ、溶媒を減圧下にて除去し、(1R*,2R*)-メチル2-((3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボキシレート、19a(306mg)を得た。
【0247】
化合物19Aの合成、並びに立体異性体19AA及び19ABへの分離:
LiOH一水和物(77mg、1.826mmol)の水(5mL)中溶液を、(1R,2R)-メチル2-((3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボキシレート、19a(237mg、0.365mmol)のTHF(5mL)中溶液に添加した。混合物を、室温で18時間撹拌し、減圧下で濃縮した。化合物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(20~45μm、24g、CHCl/MeOH 99.5/0.5~98/2)により精製した。純粋な画分を合わせ、減圧下にて濃縮して、(1R,2R)-2-((3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロパンカルボン酸(化合物19A、170mg)を得た。立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:65%CO、35%MeOH)により分離して、CHCN/ジイソプロピルエーテル/ヘプタンから凝固させた後に、第1の溶出立体異性体19AA(67mg)及び第2の溶出立体異性体19AB(59mg)を得た。
【0248】
立体異性体19AA:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.85 -0.95(m,1H)0.99-1.08(m,1H)1.55(dt,J=8.12,4.30Hz,1H)1.57-1.67(m,1H)3.10-3.25(m,2H)3.61(s,3H)3.64-3.73(m,1H)3.83(br dd,J=10.40,6.31Hz,1H)3.90(s,3H)3.98 -4.08(m,1H)4.29-4.44(m,1H)5.60(br d,J=8.51Hz,1H)5.76(s,1H)5.87(s,2H)6.45(br d,J=8.83Hz,1H)6.96-7.07(m,2H)7.14(d,J=1.26Hz,1H)7.31(d,J=8.51Hz,1H)7.32-7.38(m,1H)8.02(br s,1H)12.23(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.84min,MH621
[α] 20:-65.6°(c 0.25,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-P):R1.44min,MHなし,キラル純度100%.
【0249】
立体異性体19AB:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.87-0.95(m,1H)0.99-1.07(m,1H)1.50-1.57(m,1H)1.59-1.70(m,1H)3.09-3.24(m,2H)3.61(s,3H)3.63-3.72(m,1H)3.85(br dd,J=10.40,6.31Hz,1H)3.90(s,3H)3.99-4.09(m,1H)4.30-4.44(m,1H)5.60(br d,J=8.51Hz,1H)5.76(s,1H)5.87(s,2H)6.45(br d,J=8.51Hz,1H)7.00-7.09(m,2H)7.14(d,J=1.26Hz,1H)7.30(d,J=8.51Hz,1H)7.34(br d,J=8.20Hz,1H)8.02(br s,1H)12.26(br s,1H)
LC/MS(方法LC-D):R2.85min,MH621
[α] 20:+37.1°(c 0.28,DMF)
キラルSFC(方法SFC-P):R2.20min,MHなし,キラル純度99.84%.
【0250】
実施例19B:(1S,2S)-2-((3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボン酸(化合物19B)の合成、並びに立体異性体19BA及び19BBへの分離
【化28】
【0251】
中間体19bの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、17d(0.39g、0.839mmol)、(1S,2S)-メチル2-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレートメトキシフェノキシ)メチル)シクロプロピル)アセテート、6e(0.334g、1.259mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(0.289mL、1.679mmol)のCHCN(10mL)中混合物を、80℃で7時間撹拌した。反応物を0℃まで冷却し、水及び氷で希釈した。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発乾固した。化合物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(25~30μm、24g、ヘプタン/EtOAc 80/20)により精製した。純粋な画分を合わせ、溶媒を減圧下にて除去し、(1S,2S)-メチル2-((3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボキシレート、19b(308mg)を得た。
【0252】
化合物19Bの合成、並びに立体異性体19BA及び19BBへの分離:
LiOH一水和物(98mg、2.334mmol)の水(5mL)中溶液を、(1S,2S)-メチル2-((3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボキシレート、19b(303mg、0.467mmol)のTHF(5mL)中溶液に添加した。混合物を、室温で18時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。化合物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(20~45μm、24g、CHCl/MeOH 100/0~98/2)により精製した。純粋な画分を合わせ、減圧下にて濃縮して、(1S,2S)-2-((3-((1-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボン酸(化合物19B、250mg)を得た。立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:65%CO、35%MeOH)により分離して、CHCN/ジイソプロピルエーテル/ヘプタンから凝固させた後に、第1の溶出立体異性体19BA(97mg)及び第2の溶出立体異性体19BB(103mg)を得た。
【0253】
立体異性体19BA:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 0.85-0.95(m,1H)0.95-1.09(m,1H)1.54(dt,J=8.34,4.42Hz,1H)1.55-1.66(m,1H)3.09-3.25(m,2H)3.61(s,3H)3.66(dd,J=10.36,7.33Hz,1H)3.85(dd,J=10.61,6.06Hz,1H)3.89(s,3H)3.96-4.12(m,1H)4.26-4.43(m,1H)5.59(d,J=8.59Hz,1H)5.76(s,1H)5.87(s,1H)5.88(s,1H)6.44(d,J=9.09Hz,1H)6.93-7.06(m,2H)7.14(d,J=2.02Hz,1H)7.30(d,J=8.08Hz,1H)7.34(d,J=8.08Hz,1H)8.02(s,1H)12.20(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.84min,MH621
[α] 20:-47.6°(c 0.271,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-P):R1.48min,MHなし,キラル純度100%.
【0254】
立体異性体19BB:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 0.85-0.97(m,1H)0.98-1.07(m,1H)1.51-1.58(m,1H)1.55 -1.67(m,1H)3.07-3.25(m,2H)3.61(s,3H)3.65-3.74(m,1H)3.83(br dd,J=10.36,5.81Hz,1H)3.90(s,3H)3.97-4.14(m,1H)4.30-4.42(m,1H)5.60(br d,J=8.59Hz,1H)5.76(s,1H)5.87(s,2H)6.44(br d,J=8.59Hz,1H)6.98-7.07(m,2H)7.14(d,J=1.52Hz,1H)7.30(d,J=8.08Hz,1H)7.33(br d,J=8.08Hz,1H)8.02(s,1H)12.24(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.84min,MH621
[α] 20:+56.8°(c 0.264,DMF)
キラルSFC(方法SFC-P):R2.12min,MHなし,キラル純度99.59%.
【0255】
実施例20:4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-メトキシ-6-(トリフルオロ-メチル)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2-メチルブタン酸(化合物20)の合成、並びに立体異性体20A、20B、20C、及び20Dへの分離
【化29】
【0256】
中間体20aの合成:
1-メトキシ-4-ニトロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン[CAS654-76-2](24.5g、110.8mmol)、及び4-クロロフェノキシアセトニトリル[CAS3598-13-8](20.4g、121.9mmol)のDMF(100mL)中混合物をtBuOK(27.35g、243.7mmol)のDMF(100mL)中撹拌溶液に-10℃で30分にわたって滴加した。添加後、紫色溶液を-10℃で1時間維持した。500mLの氷水及び500mLの6N HClを添加し、沈殿物を濾別し、水で洗浄し、減圧下で乾燥して、40.4gの2-(5-メトキシ-2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトニトリル、20aを得た(次工程でそのまま使用した)。
【0257】
中間体20bの合成:
2-(5-メトキシ-2-ニトロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトニトリル、20a(26g、99.9mmol)の、エタノール/水(9/1)(500mL)及びAcOH(5.2mL)中溶液を、触媒として10%Pd/C(15.3g)を使用し、圧力3.5Bar下で1時間水素付加した。反応混合物をCelite(登録商標)のパッドで濾過し、濾過ケーキをCHCl及びCHOHの溶媒混合物で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカ60~200μmを充填したガラスフィルターを通して、ヘプタン/EtOAc 80/20を溶離液として使用して濾過した。目的化合物を含有する画分を合わせ、溶媒を減圧下で濃縮して、5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)-1H-インドール、20b(15.6g)を得た。
【0258】
中間体20cの合成:
0℃において、BH-ピリジン(23.5mL、232.4mmol)を5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)-1H-インドール、20b(10g、46.5mmol)のEtOH(60mL)中溶液に滴加した。温度を10℃未満に維持しながら、6N HCl(140mL)をゆっくりと添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。水(200mL)を添加し、混合物をNaOHの濃水溶液でpH8~9になるまで塩基性化した(反応温度を20℃未満に保持した)。沈殿物を濾別し、水で洗浄し(2回)、減圧下でトルエンと共蒸発させて、5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン、20c(9g)を得た。
【0259】
化合物20の合成、並びに立体異性体20A、20B、20C、及び20Dへの分離:
化合物20(330mg)は、中間体20cから出発して化合物1の合成について記載された手順に従って得られた。4つの立体異性体20A(50mg)、20B(18mg)、20C(68mg)、及び20D(32mg)を、この溶出順で、次の2つのキラルSFC分離:(固定相:Chiralpak(登録商標)AD-H 5μm 250×30mm、移動相:40%CO、60%iPrOH)及び(固定相:Chiralcel(登録商標)OJ-H 5μm 250×20mm、移動相:60%CO、40%MeOH)により得て;続いてシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、12g、CHCl/MeOH 99.5/0.5~90/10)により個々の精製を行い、続いてCHCN/ジイソプロピルエーテル/ヘプタンから凝固させた。
【0260】
立体異性体20A:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.10(d,J=7.07Hz,3H)1.60-1.72(m,1H)1.90-2.01(m,1H)3.20-3.32(m,2H)3.61(s,3H)3.79-3.90(m,5H)3.93-4.09(m,1H)4.42-4.53(m,1H)5.53(br d,J=8.59Hz,1H)5.74(s,1H)5.93(br s,1H)5.95(br s,1H)6.38(br d,J=9.09Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(br d,J=8.08Hz,2H)7.55(br d,J=8.08Hz,2H)8.33(s,1H)12.16(br s 1H)(DMSOの下で1HはCH COHがない)
LC/MS(方法 LC-C):R2.95min,MH607
[α] 20:-40.9°(c 0.257,DMF)
キラルSFC(方法SFC-Q):R1.07min,MH607,キラル純度100%.
【0261】
立体異性体20B:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.09(d,J=6.94Hz,3H)1.69(dq,J=13.52,6.53Hz,1H)1.88-2.11(m,1H)3.08-3.28(m,2H)3.53-3.66(m,3H)3.79-3.90(m,5H)3.92-4.11(m,1H)3.92-4.11(m,1H)4.32-4.67(m,1H)5.54(d,J=8.51Hz,1H)5.75(s,1H)5.93(s,1H)5.95(s,1H)6.30-6.45(m,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.20Hz,2H)7.55(d,J=8.20Hz,2H)8.33(s,1H)12.05(br s,1H)(DMSOの下で1HはCH COHがない)
LC/MS(方法LC-C):R2.95min,MH607
[α] 20:-50.0°(c 0.266,DMF)
キラルSFC(方法SFC-Q):R1.07min,MH607,キラル純度100%.
【0262】
立体異性体20C:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.09(br d,J=6.94Hz,3H)1.52-1.83(m,1H)1.86-2.06(m,1H)3.07-3.28(m,2H)3.61(s,3H)3.73-3.91(m,5H)3.94-4.04(m,1H)4.37-4.58(m,1H)5.54(br d,J=8.51Hz,1H)5.75(s,1H)5.93(s,1H)5.95(s,1H)6.39(br d,J=8.51Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(br d,J=8.20Hz,2H)7.55(br d,J=8.20Hz,2H)8.33(s,1H)12.13(br s,1H)(DMSOの下で1HはCH COHがない)
LC/MS(方法LC-C):R2.95min,MH607
[α] 20:+26.0°(c 0.288,DMF)
キラルSFC(方法SFC-Q):R1.56min,MH607,キラル純度99.68%.
【0263】
立体異性体20D:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.09(d,J=7.07Hz,3H)1.60-1.75(m,1H)1.85-1.99(m,1H)3.11-3.27(m,2H)3.61(s,3H)3.77-3.91(m,5H)3.93-4.05(m,1H)4.44-4.56(m,1H)5.54(br d,J=8.59Hz,1H)5.74(s,1H)5.93(br s,1H)5.95(br s,1H)6.38(br d,J=8.59Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.59Hz,2H)7.55(br d,J=8.08Hz,2H)8.33(s,1H)12.22(br s,1H)(DMSOの下で1HはCH COHがない)
LC/MS(方法 LC-C):R2.96min,MH607
[α] 20:+57.4°(c 0.27,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-Q):R2.19min,MH607,キラル純度100%.
【0264】
実施例21:4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-メトキシ-6-(トリフルオロ-メチル)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタン酸(化合物21)の合成、並びにエナンチオマー21A及び21Bへのキラル分離
【化30】
【0265】
中間体21aの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-1-イル)エタノン、20e(904mg、2.014mmol)、メチル4-(3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタノエート、2a(700mg、2.619mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(694μL、4.029mmol)のCHCN(10mL)中混合物を、80℃で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をEtOAcで溶かした。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、メチル4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタノエート、21a(1.58g)を得て、これを次工程でそのまま使用した。
【0266】
化合物21の合成、並びにエナンチオマー21A及び21Bへのキラル分離:
0℃にて、LiOH一水和物(254mg、6.046mmol)を、メチル4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタノエート、21a(1.28g、2.015mmol)のTHF/MeOH/水(15mL)中溶液に添加した。混合物を室温まで温め、48時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、水を添加した。混合物を3N HClでpH4~5まで酸性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、40g、CHCl/CHOH:100/0~98/2)により精製を行った。目的の化合物を含有する画分を合わせ、蒸発乾固した。逆相(固定相:YMC-actus Triart-C18 10μm 30×150mm、移動相:70%水性NHHCO 0.2%、30%CHCN~0%水性NHHCO 0.2%、100%CHCNの勾配)により第2の精製を行った。純粋な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、4-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)-2,2-ジメチルブタン酸(化合物21、455mg)を得た。エナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:55%CO、45%MeOH)により分離して、ヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させた後に、第1の溶出エナンチオマー21A(106mg)及び第2の溶出エナンチオマー21B(103mg)を得た。
【0267】
化合物21:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.13(d,J=3.8Hz,6H)1.87(t,J=7.3Hz,2H)3.14-3.30(m,2H)3.61(s,3H)3.84(m,5H)3.98(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.51(td,J=10.3,6.1Hz,1H)5.52(d,J=8.5Hz,1H)5.73(t,J=1.9Hz,1H)5.92(s,1H)5.94(s,1H)6.39(d,J=8.5Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.33(s,1H)12.23(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.19min,MH621
【0268】
エナンチオマー21A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.08-1.15(m,6H)1.85(t,J=7.3Hz,2H)3.13-3.30(m,2H)3.55-3.65(m,3H)3.80-3.89(m,5H)3.98(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.52(td,J=10.4,6.3Hz,1H)5.54(d,J=8.8Hz,1H)5.73(t,J=1.9Hz,1H)5.92(s,1H)5.95(s,1H)6.38(d,J=8.5Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.5Hz,2H)7.56(d,J=8.5Hz,2H)8.34(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.21min,MH621
[α] 20:-41.7°(c 0.254,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-H):R1.23min,MH621,キラル純度100%.
【0269】
エナンチオマー21B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.08-1.16(m,6H)1.86(t,J=7.1Hz,2H)3.15-3.29(m,2H)3.61(s,3H)3.80-3.90(m,5H)3.98(td,J=10.2,7.3Hz,1H)4.52(td,J=10.4,6.3Hz,1H)5.53(d,J=8.5Hz,1H)5.70-5.75(m,1H)5.92(s,1H)5.95(s,1H)6.38(d,J=8.5Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.5Hz,2H)7.56(d,J=8.5Hz,2H)8.34(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.21min,MH621
[α] 20:+44.0°(c 0.275,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-H):R2.38min,MH621,キラル純度100%.
【0270】
実施例22A:(1R,2R)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボン酸(化合物22A)の合成、並びに立体異性体22AA及び22ABへの分離
【化31】
【0271】
化合物22Aの合成、並びに立体異性体22AA及び22ABへの分離:
化合物22A(284mg)は、化合物6Aの合成について記載した手順を使用して、中間体20eから合成した。2つの立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:50%CO、50%EtOH)により分離して、ペンタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させた後に、第1の溶出立体異性体22AA(79mg)及び第2の溶出立体異性体22AB(74mg)を得た。
【0272】
立体異性体22AA:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.85-0.93(m,1H)1.00-1.08(m,1H)1.54(dt,J=8.12,4.30Hz,1H)1.60 -1.68(m,1H)3.12-3.26(m,2H)3.61(s,3H)3.68(dd,J=10.40,7.57Hz,1H)3.79-3.90(m,4H)3.93-4.05(m,1H)4.50(td,J=10.40,6.31Hz,1H)5.55(d,J=8.51Hz,1H)5.75(s,1H)5.94(s,1H)5.96(s,1H)6.39(d,J=8.83Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.51Hz,2H)7.55(d,J=8.51Hz,2H)8.33(s,1H)12.23(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.80min,MH605
[α] 20:-75.0°(c 0.3,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-R):R0.86min,MHなし,キラル純度100%.
【0273】
立体異性体22AB:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.88(br t,J=9.30Hz,1H)1.02(dt,J=8.43,4.45Hz,1H)1.47-1.58(m,1H)1.59-1.68(m,1H)3.13-3.28(m,2H)3.61(s,3H)3.64-3.72(m,1H)3.84(s,4H)3.92-4.06(m,1H)4.50(td,J=10.32,6.15Hz,1H)5.55(d,J=8.83Hz,1H)5.75(s,1H)5.95(s,1H)5.96(s,1H)6.39(d,J=8.83Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.51Hz,2H)7.55(d,J=8.51Hz,2H)8.33(s,1H)12.08(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.69min,MH605
[α] 20:+10.0°(c 0.281,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-R):R1.84min,MHなし,キラル純度100%.
【0274】
実施例22B:(1S,2S)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボン酸(化合物22B)の合成、並びに立体異性体22BA及び22BBへの分離
【化32】
【0275】
化合物22Bの合成、並びに立体異性体22BA及び22BBへの分離:
化合物22B(257mg)は、化合物6Bの合成について記載した手順を使用して、中間体20eから合成した。2つの立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:50%CO、50%EtOH)により分離して、ペンタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させた後に、第1の溶出立体異性体22BA(49mg)及び第2の溶出立体異性体22BB(61mg)を得た。
【0276】
立体異性体22BA:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.83-1.00(m,1H)0.98-1.09(m,1H)1.54(dt,J=8.35,4.33Hz,1H)1.58-1.70(m,1H)3.13-3.28(m,2H)3.61(s,3H)3.68(dd,J=10.09,7.57Hz,1H)3.78-3.89(m,4H)3.95-4.05(m,1H)4.50(td,J=10.25,6.31Hz,1H)5.55(d,J=8.83Hz,1H)5.75(s,1H)5.95(br s,1H)5.96(br s,1H)6.39(br d,J=8.83Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.51Hz,2H)7.55(d,J=8.51Hz,2H)8.33(s,1H)12.24(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.68min,MH605
[α] 20:-9.3°(c 0.291,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-S):R1.48min,MH605,キラル純度100%.
【0277】
立体異性体22BB:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.82-0.95(m,1H)1.04-1.06(m,1H)1.55(dt,J=8.28,4.22Hz,1H)1.58-1.68(m,1H)3.13-3.28(m,2H)3.61(s,3H)3.68(dd,J=10.40,7.25Hz,1H)3.81-3.88(m,4H)3.95-4.02(m,1H)4.46-4.55(m,1H)5.54(d,J=8.83Hz,1H)5.75(s,1H)5.94(s,1H)5.96(s,1H)6.39(d,J=9.14Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.51Hz,2H)7.55(d,J=8.51Hz,2H)8.33(s,1H)12.20(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.80min,MH605
[α] 20:+80.0°(c 0.275,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-S):R3.12min,MH605,キラル純度99.55%.
【0278】
実施例23:(1s,3s)-3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)シクロブテン-カルボン酸(化合物23)の合成、並びにエナンチオマー23A及び23Bへのキラル分離
【化33】
【0279】
化合物23の合成、並びにエナンチオマー23A及び23Bへのキラル分離:
化合物23A(280mg)は、化合物8の合成について記載した手順を使用して、中間体20eから合成した。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:45%CO、55%EtOH)により分離して、ヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させた後に、第1の溶出エナンチオマー23A(60mg)及び第2の溶出エナンチオマー23B(71mg)を得た。
【0280】
化合物23:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.02-2.15(m,2H)2.58-2.65(m,2H)2.66-2.75(m,1H)3.14-3.29(m,2H)3.61(s,3H)3.84(s,3H)3.98(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.42-4.57(m,2H)5.51(d,J=8.5Hz,1H)5.65(t,J=1.9Hz,1H)5.86(s,1H)5.93(s,1H)6.42(d,J=8.5Hz,1H)7.23(s,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.34(s,1H)12.11-12.40(m,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.76min,MH605
【0281】
エナンチオマー23A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.02-2.15(m,2H)2.57-2.65(m,2H)2.66-2.75(m,1H)3.14-3.28(m,2H)3.61(s,3H)3.84(s,3H)3.98(td,J=10.3,7.1Hz,1H)4.42-4.56(m,2H)5.51(d,J=8.5Hz,1H)5.65(t,J=2.0Hz,1H)5.86(s,1H)5.93(s,1H)6.42(d,J=8.5Hz,1H)7.23(s,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.34(s,1H)12.02-12.49(m,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.75min,MH605
[α] 20:-38.1°(c 0.307,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-R):R0.84min,MH605,キラル純度100%.
【0282】
エナンチオマー23B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.02-2.15(m,2H)2.56-2.75(m,3H)3.14-3.27(m,2H)3.61(s,3H)3.84(s,3H)3.93-4.04(m,1H)4.43-4.57(m,2H)5.51(br d,J=8.5Hz,1H)5.65(s,1H)5.86(s,1H)5.93(s,1H)6.42(br d,J=8.5Hz,1H)7.23(s,1H)7.44(br d,J=8.5Hz,2H)7.55(br d,J=8.5Hz,2H)8.34(s,1H)12.07-12.47(m,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.76min,MH605
[α] 20:+36.9°(c 0.309,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-R):R1.86min,MH605,キラル純度100%.
【0283】
実施例24:(1s,3s)-3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロブタンカルボン酸(化合物24)の合成、並びにエナンチオマー24A及び24Bへのキラル分離
【化34】
【0284】
化合物24の合成、並びにエナンチオマー24A及び24Bへのキラル分離:
化合物24(550mg)は、化合物10の合成について記載した手順を使用して、中間体20eから合成した。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Whelk(登録商標)O1(S,S)5μm 250×21.1mm、移動相:50%CO、50%MeOH)により分離して、EtOから凝固させた後、第1の溶出エナンチオマー24A(190mg)及び第2の溶出エナンチオマー24B(177mg)を得た。
【0285】
化合物24:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.93(br q,J=9.77Hz,2H)2.11-2.32(m,2H)2.53-2.60(m,1H)2.97(quin,J=8.91Hz,1H)3.16-3.30(m,2H)3.62(s,3H)3.74-3.82(m,2H)3.85(s,3H)3.96-4.06(m,1H)4.51(td,J=10.25,5.99Hz,1H)5.55(d,J=8.83Hz,1H)5.74(s,1H)5.94(br s,2H)6.39(d,J=8.51Hz,1H)7.23(s,1H)7.44(d,J=8.51Hz,2H)7.55(d,J=8.51Hz,2H)8.34(s,1H)12.07(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.91min,MH619
【0286】
エナンチオマー24A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.87-2.02(m,2H)2.15-2.30(m,2H)2.52-2.59(m,1H)2.95(qt J=8.83Hz,1H)3.07-3.29(m,2H)3.61(s,3H)3.77(br d,J=6.31Hz,2H)3.84(s,3H)3.95-4.07(m,1H)4.42-4.56(m,1H)5.54(d,J=8.83Hz,1H)5.74(t,J=2.05Hz,1H)5.81-6.01(m,2H)6.38(d,J=8.83Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.51Hz,2H)7.55(d,J=8.51Hz,2H)8.33(s,1H)12.11(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.89min,MH619
[α] 20:-41.5°(c 0.224,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-T):R1.81min,MHなし,キラル純度100%.
【0287】
エナンチオマー24B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.91(q,J=9.35Hz,2H)2.17-2.26(m,2H)2.53-2.61(m,1H)2.94(quin,J=8.91Hz,1H)3.13-3.27(m,2H)3.61(s,3H)3.72-3.79(m,2H)3.84(s,3H)3.90-4.06(m,1H)4.50(td,J=10.32,6.46Hz,1H)5.54(d,J=8.83Hz,1H)5.72-5.75(m,1H)5.91-5.95(m,2H)6.38(d,J=8.83Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.51Hz,2H)7.55(d,J=8.20Hz,2H)8.33(s,1H)12.07(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.89min,MH619
[α] 20:+36.6°(c 0.232,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-T):R2.26min,MHなし,キラル純度98.71%.
【0288】
実施例25:(1r,3r)-3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロブタンカルボン酸(化合物25)の合成、並びにエナンチオマー25A及び25Bへのキラル分離
【化35】
【0289】
化合物25の合成、並びにエナンチオマー25A及び25Bへのキラル分離:
化合物25(310mg)は、化合物11の合成について記載した手順を使用して、中間体20eから合成した。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Whelk(登録商標)O1(S,S)5μm 250×21.1mm、移動相:50%CO、50%MeOH)により分離して、EtO/ペンタンから凝固させた後、第1の溶出エナンチオマー25A(94mg)及び第2の溶出エナンチオマー25B(105mg)を得た。
【0290】
化合物25:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.80-2.04(m,2H)2.22-2.31(m,2H)2.56-2.64(m,1H)3.09(br qt,J=7.33Hz,1H)3.14-3.28(m,2H)3.62(s,3H)3.84(s,3H)3.87(d,J=6.57Hz,2H)3.93-4.06(m,1H)4.45-4.56(m,1H)5.54(d,J=8.59Hz,1H)5.77(s,1H)5.94(s,1H)5.96(s,1H)6.38(d,J=9.09Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.59Hz,2H)7.55(d,J=8.59Hz,2H)8.33(s,1H)12.10(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.87min,MH619
【0291】
エナンチオマー25A:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.91-2.03(m,2H)2.18-2.29(m,2H)2.55-2.62(m,1H)3.01-3.11(m,1H)3.14-3.28(m,2H)3.62(s,3H)3.84(s,3H)3.86(d,J=7.07Hz,2H)3.93-4.05(m,1H)4.42-4.58(m,1H)5.54(d,J=8.59Hz,1H)5.77(s,1H)5.92-5.95(m,1H)5.95-5.98(m,1H)6.38(d,J=8.59Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.08Hz,2H)7.55(d,J=8.08Hz,2H)8.33(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.90min,MH619
[α] 20:-41.1°(c 0.28,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-T):R1.91min,MHなし,キラル純度100%.
【0292】
エナンチオマー25B:
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.90-2.04(m,2H)2.19-2.29(m,2H)2.55-2.60(m,1H)3.00-3.30(m,3H)3.62(s,3H)3.84(s,3H)3.86(br d,J=7.07Hz,2H)3.94-4.04(m,1H)4.45-4.55(m,1H)5.54(d,J=8.59Hz,1H)5.77(s,1H)5.88-5.95(m,1H)5.95-5.98(m,1H)6.38(br d,J=8.59Hz,1H)7.23(s,1H)7.43(d,J=8.59Hz,2H)7.55(d,J=8.08Hz,2H)8.33(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.90min,MH619
[α] 20:+40.6°(c 0.32,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-T):R2.48min,MHなし,キラル純度98.68%.
【0293】
実施例26A:(1R,2R)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボン酸(化合物26A)の合成
【化36】
【0294】
中間体26aの合成:
4-ブロモ-2-フルオロ-1-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン[CAS105529-58-6](98.7g、381.1mmol)の濃HSO(98%、200mL)中溶液を、氷浴で0℃まで冷却した。KNO(43.0g、425.3mmol)を少しずつ添加した。添加後、氷浴を取り外し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を、撹拌しながら、氷水(2L)中へと注ぎ入れた。混合物をCHCl(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を、NaHCO飽和水溶液(2×500mL)、ブライン(500mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1-ブロモ-5-フルオロ-2-ニトロ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、26a(117.2g)を得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0295】
中間体26bの合成:
1-ブロモ-5-フルオロ-2-ニトロ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、26a(70.0g、230mmol)及びNHCl(123.2g、2.30mol)の、iPrOH(1L)及び水(330mL)中撹拌懸濁液に、N雰囲気下で、還元鉄粉(64.3g、1.15mol)を添加した。反応混合物を60℃で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(1L)で希釈し、Celite(登録商標)に通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物をEtOAc(1L)と水(800mL)との間で分配した。層を分離し、有機相をブライン(1L)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。減圧下の蒸留(油ポンプ、沸点60~64℃)により残留物を精製した。2-ブロモ-4-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)アニリン、26b(47.3g)を、黄色油として得た。
【0296】
中間体26cの合成:
2-ブロモ-4-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)アニリン、26b(18.4g、67.2mmol)、及びエチニル(トリメチル)シラン(19.9g、202.4mmol、28.00mL)のEtN(300mL)中混合物に、CuI(1.28g、6.72mmol)及びPd(PPhCl(2.40g、3.42mmol)を添加した。反応混合物を、N雰囲気下にて90℃で16時間加熱した。室温まで冷却後、混合物をMTBE(300mL)で希釈し、Celite(登録商標)に通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、220g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、溶離液:石油エーテル中0~5%EtOAcの勾配@100mL/分)により精製した。4-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)-2-((トリメチルシリル)エチニル)アニリン、26c(16.1g、90%純度)を、茶色油として得た。
【0297】
中間体26dの合成:
4-フルオロ-5-(トリフルオロメトキシ)-2-((トリメチルシリル)エチニル)アニリン、26c(16.1g、55.3mmol)及びtBuOK(18.6g、165.8mmol)のNMP(220.00mL)中混合物を、N雰囲気下にて90℃で16時間加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を氷水(1L)中に注ぎ入れ、MTBE(3×300mL)で抽出した。合わせた有機相を水(2×200mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、120g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、溶離液:石油エーテル中0~5%EtOAcの勾配、流速=85mL/分)により精製して、5-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール、26d(11g)生成物を、暗緑色油として得た。残留物を別の画分と合わせ(総量=17.2g)、減圧下の蒸留(油ポンプ、沸点60~64℃)によりさらに精製して、5-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール、26d(14.7g、95%純度)を無色の油として得た。
【0298】
中間体26eの合成:
0℃において、BH-ピリジン(1.2mL、11mmol)を5-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール、26d(500mg、2.3mmol)のEtOH(3.2mL)中溶液にゆっくりと添加した。温度を10℃未満に維持しながら、6N HCl(7.6mL)をゆっくりと添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。水(100mL)を添加し、混合物を濃NaOHでpH14になるまで塩基性化した(温度を20℃未満に保持した)。CHClを添加した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、5-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)インドリン、26e(550mg)を得た。化合物を、さらに精製することなく次工程で使用した。
【0299】
中間体26fの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)酢酸[CAS3381-73-5](0.61g、2.4mmol)、5-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)インドリン、26e(0.55g、2.2mmol、89%純度)、及びDMAP(0.027g、0.22mmol)のCHCl(14mL)中混合物に、EDCI(0.51g、2.7mmol)を添加した。混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を10%KCOの水溶液で希釈した。層をデカントした。有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で濃縮して、2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(5-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、26f(1.1g、紫色油)を得た。化合物を、さらに精製することなく次工程で使用した。
【0300】
化合物26Aの合成:
化合物26A(135mg)は、化合物6Aの合成について記載した手順を使用して、中間体26fから合成した。
【0301】
化合物26A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.87-0.94(m,1H)1.01-1.07(m,1H)1.55(dq,J=8.55,4.40Hz,1H)1.60-1.68(m,1H)3.12-3.30(m,2H)3.61(s,3H)3.68(dd,J=10.40,7.57Hz,1H)3.85(dd,J=10.40,6.31Hz,1H)4.01-4.08(m,1H)4.48-4.55(m,1H)5.57(d,J=8.83Hz,1H)5.75(s,1H)5.94(br s,1H)5.95(br s,1H)6.46(br d,J=8.83Hz,1H)7.40-7.48(m,3H)7.54(d,J=8.51Hz,2H)8.16(br d,J=6.94Hz,1H)12.22(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.97min,MH609
MP=120°C
【0302】
実施例26B:(1S,2S)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボン酸(化合物26B)の合成
【化37】
【0303】
化合物26Bの合成:
化合物26B(150mg)は、化合物6Bの合成について記載した手順を使用して、中間体26fから合成した。
【0304】
化合物26B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 0.86-0.94(m,1H)1.04(dq,J=8.20,4.31Hz,1H)1.55(dq,J=8.43,4.33Hz,1H)1.58-1.67(m,1H)3.12-3.30(m,2H)3.61(s,3H)3.68(dd,J=10.40,7.57Hz,1H)3.85(dd,J=10.25,6.15Hz,1H)4.04(q,J=8.72Hz,1H)4.47-4.55(m,1H)5.57(d,J=8.83Hz,1H)5.75(s,1H)5.94(br s,1H)5.95(br s,1H)6.46(br d,J=8.51Hz,1H)7.40-7.48(m,3H)7.54(d,J=8.51Hz,2H)8.16(br d,J=6.94Hz,1H)12.21(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.97min,MH609
MP=126°C
【0305】
実施例27:(1s,3s)-3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)シクロブテン-カルボン酸(化合物27)の合成、並びにエナンチオマー27A及び27Bへの分離
【化38】
【0306】
化合物27の合成、並びにエナンチオマー27A及び27Bへのキラル分離:
化合物27(175mg)は、化合物8の合成について記載した手順を使用して、中間体26fから合成した。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×20mm、移動相:55%CO、45%EtOH)により分離して、ヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させた後に、第1の溶出エナンチオマー27A(33mg)及び第2の溶出エナンチオマー27B(35mg)を得た。
【0307】
化合物27:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.01-2.17(m,2H)2.57-2.65(m,2H)2.66-2.77(m,1H)3.08-3.28(m,2H)3.61(s,3H)3.99-4.10(m,1H)4.43-4.57(m,2H)5.54(d,J=8.5Hz,1H)5.66(s,1H)5.86(s,1H)5.93(s,1H)6.49(br d,J=8.5Hz,1H)7.45(d,J=8.5Hz,3H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.16(br d,J=6.9Hz,1H)12.06-12.47(m,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.88min,MH609
【0308】
エナンチオマー27A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.00-2.12(m,2H)2.57-2.65(m,3H)3.11-3.25(m,2H)3.60(s,3H)4.04(br d,J=7.3Hz,1H)4.40-4.48(m,1H)4.48-4.57(m,1H)5.53(br d,J=8.5Hz,1H)5.65(s,1H)5.85(s,1H)5.92(s,1H)6.48(br d,J=8.5Hz,1H)7.44(br d,J=8.5Hz,3H)7.54(br d,J=8.5Hz,2H)8.16(br d,J=6.9Hz,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.79min,MH609
[α] 20:-40.5°(c 0.252,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-I):R1.18min,MHなし,キラル純度100%.
【0309】
エナンチオマー27B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.00-2.13(m,2H)2.54-2.67(m,3H)3.10-3.27(m,2H)3.60(s,3H)3.99-4.10(m,1H)4.40-4.48(m,1H)4.48-4.56(m,1H)5.54(br d,J=8.5Hz,1H)5.66(s,1H)5.86(s,1H)5.92(s,1H)6.48(br d,J=8.5Hz,1H)7.44(br d,J=8.5Hz,3H)7.54(br d,J=8.5Hz,2H)8.16(br d,J=6.9Hz,1 cocci)
LC/MS(方法 LC-D):R2.79min,MH609
[α] 20:+37.5°(c 0.333,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-I):R2.56min,MHなし,キラル純度100%.
【0310】
実施例28:(1R,2S)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸(化合物28A)の合成、並びに立体異性体28AA及び28ABへの分離、並びに(1S,2R)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸(化合物28B)の合成、並びに立体異性体28BA及び28BBへの分離
【化39】
【0311】
中間体28a及び28bの合成:
Rh(OPiv).2HO(2mol%、0.599mmol、387mg)を、バブルルームを備えた三口丸底フラスコ中の1-(((2-フルオロアリル)オキシ)メチル)-4-メトキシベンゼン[CAS1673563-84-2](29.9mmol)の無水CHCl(86mL)中溶液に添加した。溶液を0℃まで冷却した後、市販のジクロロメタン中ジアゾエチルアセテート83%(3当量、89.85mmol)の無水CHCl(86mL)中溶液を、流速24mL/時のマイクロポンプを用いてゆっくりと添加した。反応の完了(TLC及び19F NMR分析で示される)まで混合物を室温で撹拌し、減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、9/1~7/3)により精製し、60%収率でジアステレオマーの混合物(dr 53:47)を得た。ジアステレオマーをシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、100/0~80/20)により分離して、trans-エチル2-フルオロ-2-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレート、28a、及びcis-エチル2-フルオロ-2-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレート、28bを得た。
【0312】
中間体28cの合成:
DDQ(1.5当量、27.9mmol、6.33g)を、trans-エチル2-フルオロ-2-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレート、28a(1当量、18.6mmol、5.25g)のジクロロメタン(340mL)及び水(30mL)中溶液に0℃で添加した。混合物を20時間撹拌した。NaHCO飽和水溶液を添加し、混合物を30分間撹拌した。水層をCHClで3回抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO溶液及びブラインで洗浄した。有機層を減圧下で蒸発させ、粗残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、9/1~6/4)により精製し、trans-エチル2-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)-シクロプロパンカルボキシレート、28c(876mg)を得た。
【0313】
中間体28dの合成:
DDQ(1.5当量、15.8mmol、3.6g)を、cis-エチル2-フルオロ-2-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレート、28b(1当量、10.6mmol、2.98g)のジクロロメタン(193mL)及び水(17mL)中溶液に0℃で添加した。混合物を20時間撹拌した。NaHCO飽和水溶液を添加し、混合物を30分間撹拌した。水層をCHClで3回抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO溶液及びブラインで洗浄した。有機層を減圧下で蒸発させ、粗残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、9/1~6/4)により精製し、cis-エチル2-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-カルボキシレート(876mg)を得た。
【0314】
中間体28eの合成:
10℃のN流下にて、ジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(948mg、4.118mmol)を、3-メトキシ-5-ニトロフェノール[7145-49-5](633mg、3.743mmol)、trans-エチル2-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボキシレート、28c(607mg、3.743mmol)、及びPPh(1.08g;4.118mmol)のTHF(30mL)中溶液に少しずつ添加した。反応物を室温にてN下で18時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(15~40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 95/5~80/20)により精製した。純粋画分を合わせて減圧下で濃縮し、trans-メチル2-フルオロ-2-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)シクロプロパン-カルボキシレート、28e(930mg)を得た。
【0315】
中間体28fの合成:
触媒量の10%Pd/C(275mg、0.259mmol)を含有する、trans-メチル2-フルオロ-2-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボキシレート、28e(810mg、2.586mmol)のEtOH(20mL)及びTHF(10mL)中溶液を、大気圧のH下にて室温で4時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)ショートパットの濾過により除去し、濾過ケーキをEtOHで数回すすいだ。合わせた濾液を減圧下で蒸発させて、trans-メチル2-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)-メチル)-2-フルオロシクロプロパンカルボキシレート、28f(710mg)を得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0316】
化合物28gの合成、並びに立体異性体28h、28i、28j、及び28kへの分離:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(927mg、2.133mmol)、trans-メチル2-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)-2-フルオロシクロプロパンカルボキシレート、28f(725mg、2.559mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(735μL、4.265mmol)のCHCN(4mL)中混合物を、80℃で12時間撹拌した。溶媒を減圧下で濃縮した。残留物をEtOAcで溶かした。有機層を1N HClで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(15~40μm、40g、ヘプタン/EtOAc 95/5~80/20)により精製した。純粋な画分を合わせ、減圧下にて蒸発させて、メチル2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-trans-2-フルオロシクロプロパンカルボキシレート、28g(550mg)を得た。4つの立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×20mm、移動相:70%CO、30%EtOH)により分離して、28h(118mg)、28i(114mg)、28j(158mg)及び28k(165mg)を得た。
【0317】
化合物28Aの合成、並びに立体異性体28AA及び28ABへの分離:
LiOH一水和物(23.3mg、0.556mmol)を、立体異性体28h(118mg、0.185mmol)のTHF/MeOH/水(1/1/1)(2mL)中溶液に滴加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を水及び氷で希釈し、1N HClでゆっくりと酸性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、ヘプタン/ジイソプロピルエーテルから結晶化した後に、(1R,2S)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸、28A(110mg)(この反応中、中央のキラル中心で完全なラセミ化が起こった)を得た。
【0318】
化合物28A(100mg)の第2のバッチは、立体異性体28iから出発して同様に得られた。2つのバッチを合わせた。2つの立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×20mm、移動相:65%CO、35%EtOH)により分離して、第1の溶出立体異性体(94mg)及び第2の溶出立体異性体(80mg)を得た。第1の溶出立体異性体を、ジイソプロピルエーテルから凝固させて、立体異性体28AA(47mg)を得た。第2の溶出立体異性体を、ヘプタンから凝固させて、立体異性体28AB(37mg)を得た。
【0319】
化合物28Bの合成、並びに立体異性体28BA及び28BBへの分離:
LiOH一水和物(31.2mg、0.744mmol)を、立体異性体28j(158mg、0.248mmol)のTHF/MeOH/水(1/1/1)(2mL)中溶液に滴加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を水及び氷で希釈し、1N HClでゆっくりと酸性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、MeOH/水から結晶化した後に、(1S,2R)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-2-フルオロシクロプロパン-カルボン酸、28B(100mg)(この反応中、中央のキラル中心で完全なラセミ化が起こった)を得た。
【0320】
28A(105mg)の第2のバッチは、立体異性体28kから出発して同様に得られた。
【0321】
2つの立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:60%CO、30%MeOH)により分離して、第1の溶出立体異性体(88mg)及び第2の溶出立体異性体(78mg)を得た。第1の溶出立体異性体を、ヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、立体異性体28BA(54mg)を得た。第2の溶出立体異性体を、ヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させて、立体異性体28BB(60mg)を得た。
【0322】
立体異性体28AA:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.37(dt,J=11.7,7.1Hz,1H)1.62-1.76(m,1H)2.18-2.31(m,1H)3.07-3.23(m,2H)3.62(s,3H)3.98-4.10(m,1H)4.15-4.29(m,1H)4.43(dd,J=18.9,12.0Hz,1H)4.48-4.57(m,1H)5.58(d,J=8.8Hz,1H)5.78(s,1H)5.97(s,1H)5.99(s,1H)6.49(br d,J=8.8Hz,1H)7.01(br d,J=7.9Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.2Hz,2H)8.03(s,1H)12.71(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.83min,MH609
[α] 20:-43.3°(c 0.3,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-F):R1.98min,MHなし,キラル純度100%.
【0323】
立体異性体28AB:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.32-1.42(m,1H)1.62-1.75(m,1H)2.24(dt,J=18.5,9.2Hz,1H)3.08-3.25(m,2H)3.62(s,3H)3.99-4.08(m,1H)4.13-4.26(m,1H)4.39-4.57(m,2H)5.58(br d,J=8.8Hz,1H)5.78(s,1H)5.96(br s,1H)5.99(br s,1H)6.49(br d,J=8.8Hz,1H)7.01(br d,J=7.6Hz,1H)7.33(br d,J=8.2Hz,1H)7.44(br d,J=8.2Hz,2H)7.55(br d,J=8.2Hz,2H)8.03(br s,1H)12.71(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.84min,MH609
[α] 20:+52.5°(c 0.301,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-F):R3.29min,MHなし,キラル純度100%.
【0324】
立体異性体28BA:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.32-1.42(m,1H)1.62-1.72(m,1H)2.18-2.29(m,1H)3.08-3.23(m,2H)3.62(s,3H)4.04(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.15-4.26(m,1H)4.45(dd,J=18.8,11.8Hz,1H)4.52(td,J=10.5,6.1Hz,1H)5.58(d,J=8.8Hz,1H)5.78(t,J=2.0Hz,1H)5.96(s,1H)5.99(s,1H)6.49(d,J=9.1Hz,1H)7.01(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.5Hz,2H)8.03(s,1H)12.76(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.71min,MH609
[α] 20:-57.1°(c 0.31,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-F):R2.26min,MHなし,キラル純度100%.
【0325】
立体異性体28BB:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.35(dt,J=11.7,7.1Hz,1H)1.59-1.71(m,1H)2.17-2.28(m,1H)3.08-3.25(m,2H)3.62(s,3H)4.04(td,J=10.5,7.1Hz,1H)4.17-4.29(m,1H)4.43(dd,J=19.5,11.7Hz,1H)4.52(td,J=10.4,6.3Hz,1H)5.59(d,J=9.1Hz,1H)5.78(t,J=1.9Hz,1H)5.96(s,1H)5.99(s,1H)6.49(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.0,1.4Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.2Hz,2H)8.03(s,1H)12.79(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.70min,MH609
[α] 20:+38.1°(c 0.289,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-F):R3.68min,MHなし,キラル純度100%.
【0326】
実施例29:(1S,2S)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸(化合物29A)の合成、並びに立体異性体29AA及び29ABへの分離、並びに(1R,2R)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸(化合物29B)の合成、並びに立体異性体29BA及び29BBへの分離
【化40】
【0327】
中間体29aの合成:
10℃のN流下にて、ジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(750mg、3.256mmol)を、3-メトキシ-5-ニトロフェノール[7145-49-5](501mg、2.96mmol)、cis-エチル2-フルオロ-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパンカルボキシレート、28d(480mg、2.96mmol)、及びPPh(854mg、3.256mmol)のTHF(23mL)中溶液に少しずつ添加した。反応物を室温にてN下で18時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(15~40μm、80g、ヘプタン/EtOAc 70/30)により精製した。純粋な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、cis-メチル2-フルオロ-2-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレート、29a(660mg)を得た。
【0328】
中間体29bの合成:
触媒量の10%Pd/C(207mg、0.195mmol)を含有する、cis-メチル2-フルオロ-2-((3-メトキシ-5-ニトロフェノキシ)メチル)-シクロプロパンカルボキシレート、29a(610mg、1.947mmol)のEtOH(15mL)及びTHF(7.5mL)中溶液を、大気圧のH下にて室温で4時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)ショートパットの濾過により除去し、濾過ケーキをEtOHで数回すすいだ。合わせた濾液を蒸発させて、cis-メチル2-((3-アミノ-5-メトキシフェノキシ)メチル)-2-フルオロシクロプロパン-カルボキシレート、29b(560mg)を得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0329】
化合物29cの合成、並びに立体異性体29d、29e、29f、及び29gへの分離:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(716mg、1.647mmol)、cis-メチル2-((3-アミノ-5-メトキシ-フェノキシ)メチル)-2-フルオロシクロプロパンカルボキシレート、29b(560mg、1.977mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(568μL、3.295mmol)のCHCN(3.5mL)中混合物を、80℃で12時間撹拌した。溶媒を減圧下で濃縮した。残留物をEtOAcで溶かした。有機層を1N HClで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(15~40μm、40g、ヘプタン/EtOAc 95/5~80/20)により精製した。純粋な画分を合わせ、減圧下にて蒸発させて、メチル2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-cis-2-フルオロシクロプロパンカルボキシレート、29c(500mg)を得た。4つの立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)AD-H 5μm 250×30mm、移動相:65%CO、35%EtOH)により分離し、29d+29eの混合物(250mg)、29f(125mg)、及び29g(114mg)を得た。29d+29eの混合物をキラルSFC(固定相:Chiralpak(登録商標)AD-H 5μm 250×30mm、移動相:75%CO、25%EtOH)によりさらに分離して、29d(88mg)及び29e(66mg)を得た。
【0330】
化合物29Aの合成、並びに立体異性体29AA及び29ABへの分離:
LiOH一水和物(17.4mg、0.414mmol)を、立体異性体29d(88mg、0.138mmol)のTHF/MeOH/水(1/1/1)(1mL)中溶液に滴加した。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を水及び氷で希釈し、1N HClでゆっくりと酸性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、(1S,2S)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-2-フルオロシクロプロパンカルボン酸、29A(80mg)(この反応中、中央のキラル中心で完全なラセミ化が起こった)を得た。
【0331】
29A(90mg)の第2のバッチは、立体異性体29fから出発して同様に得られた。2つのバッチを合わせた。2つの立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×20mm、移動相:65%CO、35%MeOH)により分離し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、4g、CHCl/MeOH 99/1)によりさらに精製して、第1の溶出立体異性体(43mg)及び第2の溶出立体異性体(40mg)を得た。第1の溶出立体異性体を、ヘプタン/ジイソプロピルエーテル中で凝固させて、立体異性体29AA(29mg)を得た。第2の溶出立体異性体を、ヘプタン/ジイソプロピルエーテル中で凝固させて、立体異性体29AB(27mg)を得た。
【0332】
化合物29Bの合成、並びに立体異性体29BA及び29BBへの分離:
LiOH一水和物(13mg、0.311mmol)を、立体異性体29e(66mg、0.104mmol)のTHF/MeOH/水(1/1/1)(1mL)中溶液に滴加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を水及び氷で希釈し、1N HClでゆっくりと酸性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、MeOH/水から結晶化した後に、(1R,2R)-2-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-2-フルオロシクロプロパン-カルボン酸、29B(60mg)(この反応中、中央のキラル中心で完全なラセミ化が起こった)を得た。
【0333】
29A(100mg)の第2のバッチは、立体異性体29gから出発して同様に得られた。2つのバッチを合わせた。2つの立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×20mm、移動相:70%CO、30%MeOH)により分離し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm、4g、CHCl/MeOH 99/1)によりさらに精製して、第1の溶出立体異性体(38mg)及び第2の溶出立体異性体(31mg)を得た。第1の溶出立体異性体を、ヘプタン/ジイソプロピルエーテル中で凝固させて、立体異性体29BA(24mg)を得た。第2の溶出立体異性体を、ヘプタン/ジイソプロピルエーテル中で凝固させて、立体異性体29BB(20mg)を得た。
【0334】
立体異性体29AA:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.30-1.37(m,1H)1.69(dt,J=19.7,6.9Hz,1H)1.98-2.06(m,1H)3.08-3.24(m,2H)3.63(s,3H)4.01-4.09(m,1H)4.10-4.23(m,2H)4.48-4.57(m,1H)5.59(d,J=8.8Hz,1H)5.81(s,1H)5.99(br d,J=5.7Hz,2H)6.49(br d,J=8.8Hz,1H)7.01(br d,J=7.9Hz,1H)7.33(d,J=7.9Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.2Hz,2H)8.03(br s,1H)12.58(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.67min,MH609
[α] 20:-15.7°(c 0.242,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-P):R2.53min,MHなし,キラル純度100%.
【0335】
立体異性体29AB:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.29-1.38(m,1H)1.69(dt,J=19.5,6.5Hz,1H)1.97-2.10(m,1H)3.08-3.25(m,2H)3.63(s,3H)4.00-4.10(m,1H)4.10-4.23(m,2H)4.52(br d,J=6.0Hz,1H)5.60(br d,J=8.8Hz,1H)5.82(br s,1H)6.00(br d,J=6.6Hz,2H)6.50(br d,J=8.5Hz,1H)7.01(br d,J=7.6Hz,1H)7.34(br d,J=7.9Hz,1H)7.44(br d,J=8.2Hz,2H)7.55(br d,J=8.2Hz,2H)8.04(br s,1H)12.58(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.67min,MH609
[α] 20:+77.4°(c 0.323,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-P):R4.47min,MHなし,キラル純度99.20%.
【0336】
立体異性体29BA:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.33(td,J=9.8,6.6Hz,1H)1.69(dt,J=19.9,6.9Hz,1H)2.03(ddd,J=9.5,7.1,3.0Hz,1H)3.08-3.25(m,2H)3.63(s,3H)4.05(td,J=10.3,7.1Hz,1H)4.10-4.23(m,2H)4.52(td,J=10.2,6.3Hz,1H)5.59(d,J=8.8Hz,1H)5.80-5.84(m,1H)6.00(br d,J=7.6Hz,2H)6.49(br d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.0,1.4Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.2Hz,2H)8.03(s,1H)12.58(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.67min,MH609
[α] 20:-74.2°(c 0.302,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-P):R2.37min,MHなし,キラル純度100%.
【0337】
立体異性体29BB:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.34(td,J=9.8,6.6Hz,1H)1.69(dt,J=19.9,6.9Hz,1H)2.02(ddd,J=9.5,7.1,3.0Hz,1H)3.09-3.25(m,2H)3.63(s,3H)4.05(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.10-4.22(m,2H)4.52(td,J=10.3,6.5Hz,1H)5.59(d,J=8.8Hz,1H)5.81(t,J=2.0Hz,1H)5.96-6.03(m,2H)6.49(d,J=8.8Hz,1H)7.01(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.55(d,J=8.2Hz,2H)8.03(s,1H)12.58(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.70min,MH609
[α] 20:+12.0°(c 0.3,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-P):R3.73min,MHなし,キラル純度99.14%.
【0338】
実施例30:(1s,3s)-3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロブタンカルボン酸(化合物30)の合成、並びにエナンチオマー30A及び30Bへのキラル分離
【化41】
【0339】
化合物30の合成、並びにエナンチオマー30A及び30Bへのキラル分離:
化合物30(105mg)は、化合物10の合成について記載した手順を使用して、中間体26fから合成した。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OJ-H 5μm 250×20mm、移動相:70%CO、30%MeOH)により分離して、CHCN/水中で凍結乾燥させた後、第1の溶出エナンチオマー30A(43mg)及び第2の溶出エナンチオマー30B(47mg)を得た。
【0340】
エナンチオマー30A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.85-1.98(m,2H)2.17-2.28(m,2H)2.53-2.59(m,1H)2.96(quin,J=8.9Hz,1H)3.09-3.23(m,2H)3.61(s,3H)3.72-3.81(m,2H)4.05(td,J=10.3,7.4Hz,1H)4.51(td,J=10.2,6.5Hz,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.74(s,1H)5.93(s,2H)6.45(br d,J=8.5Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,3H)7.54(d,J=8.5Hz,2H)8.16(br d,J=6.9Hz,1H)11.24-13.06(m,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.08min,MH623
[α] 20:+42.6°(c 0.298,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-F):R2.91min,MHなし,キラル純度100%.
【0341】
エナンチオマー30B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.87-1.99(m,2H)2.16-2.29(m,2H)2.53-2.59(m,1H)2.96(br t,J=8.8Hz,1H)3.11-3.23(m,2H)3.61(s,3H)3.77(br d,J=6.0Hz,2H)4.05(td,J=10.2,7.3Hz,1H)4.51(td,J=10.3,6.5Hz,1H)5.56(d,J=8.8Hz,1H)5.74(s,1H)5.93(s,2H)6.45(br d,J=8.8Hz,1H)7.44(br d,J=8.2Hz,3H)7.54(d,J=8.5Hz,2H)8.16(br d,J=6.9Hz,1H)11.43-12.72(m,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.07min,MH623
[α] 20:-44.2°(c 0.217,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-F):R4.10min,MHなし,キラル純度99.09%.
【0342】
実施例31:(1r,3r)-3-(3-((1-(4-クロロフェニル)-2-(5-フルオロ-6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)メチル)-シクロブタンカルボン酸(化合物31)の合成、並びにエナンチオマー31A及び31Bへのキラル分離
【化42】
【0343】
化合物31の合成、並びにエナンチオマー31A及び31Bへのキラル分離:
化合物31(75mg)は、化合物11の合成について記載した手順を使用して、中間体26fから合成した。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OJ-H 5μm 250×20mm、移動相:70%CO、30%MeOH)により分離して、CHCN/水中で凍結乾燥させた後、第1の溶出エナンチオマー31A(23mg)及び第2の溶出エナンチオマー31B(24mg)を得た。
【0344】
エナンチオマー31A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.90-2.03(m,2H)2.20-2.30(m,2H)2.55-2.62(m,1H)3.07(br t,J=7.7Hz,1H)3.12-3.24(m,2H)3.62(s,3H)3.87(br d,J=6.9Hz,2H)4.05(td,J=10.3,7.1Hz,1H)4.51(td,J=10.4,6.6Hz,1H)5.57(d,J=8.8Hz,1H)5.78(s,1H)5.94(s,1H)5.96(s,1H)6.45(d,J=8.8Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,3H)7.54(d,J=8.5Hz,2H)8.16(br d,J=6.9Hz,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.07min,MH623
[α] 20:+43.1°(c 0.255,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-F):R3.25min,MHなし,キラル純度100%.
【0345】
エナンチオマー31B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.90-2.03(m,2H)2.19-2.31(m,2H)2.55-2.62(m,1H)3.01-3.10(m,1H)3.12-3.23(m,2H)3.62(s,3H)3.86(br d,J=6.9Hz,2H)4.05(td,J=10.2,7.3Hz,1H)4.51(td,J=10.3,6.5Hz,1H)5.57(d,J=8.8Hz,1H)5.78(s,1H)5.94(s,1H)5.95(s,1H)6.45(br d,J=8.8Hz,1H)7.44(d,J=8.5Hz,3H)7.54(d,J=8.2Hz,2H)8.15(br d,J=6.6Hz,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R3.07min,MH623
[α] 20:-43.4°(c 0.244,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-F):R4.85min,MHなし,キラル純度99.09%.
【0346】
実施例32:(1s,3s)-3-(3-((2-(6-クロロ-5-メトキシインドリン-1-イル)-1-(4-クロロフェニル)-2-オキソエチル)アミノ)-5-メトキシフェノキシ)シクロブタンカルボン酸(化合物32)の合成、並びにエナンチオマー32A及び32Bへのキラル分離
【化43】
【0347】
中間体32aの合成:
中間体32a(3.58g)を、中間体26fの合成について記載した手順を使用して、6-クロロ-5-メトキシインドリン[CAS1369041-89-3]から合成した。
【0348】
中間体32bの合成:
中間体32b(210mg)を、中間体8dの合成について記載した手順を使用して、中間体32aから合成した。
【0349】
化合物32の合成、並びにエナンチオマー32A及び32Bへのキラル分離:
化合物32(165mg)は、化合物28の合成について記載した手順を使用して、中間体32bから合成した。2つのエナンチオマーをキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×30mm、移動相:50%CO、50%EtOH)により分離し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(15~40μm;4g、CHCl/CHOH 97/3)により精製して、ヘプタン/ジイソプロピルエーテルから凝固させた後、第1の溶出エナンチオマー32A(26mg)及び第2の溶出エナンチオマー32B(31mg)を得た。
【0350】
化合物32:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.03-2.15(m,2H)2.57-2.66(m,2H)2.66-2.75(m,1H)3.06-3.23(m,2H)3.61(s,3H)3.80(s,3H)3.95(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.43-4.52(m,2H)5.50(d,J=8.5Hz,1H)5.65(t,J=1.9Hz,1H)5.86(s,1H)5.93(s,1H)6.40(d,J=8.5Hz,1H)7.10(s,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.54(d,J=8.5Hz,2H)8.11(s,1H)12.26(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.66min,MH569
【0351】
エナンチオマー32A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.03-2.15(m,2H)2.57-2.66(m,2H)2.66-2.76(m,1H)3.04-3.24(m,2H)3.57-3.64(m,3H)3.80(s,3H)3.89-4.00(m,1H)4.42-4.54(m,2H)5.50(br d,J=8.8Hz,1H)5.65(s,1H)5.86(s,1H)5.93(s,1H)6.40(br d,J=8.5Hz,1H)7.10(s,1H)7.44(d,J=8.2Hz,2H)7.54(br d,J=8.2Hz,2H)8.11(s,1H)12.26(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.56min,MH569
[α] 20:-55.4°(c 0.332,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-R):R1.73min,MHなし,キラル純度100%.
【0352】
エナンチオマー32B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 2.02-2.14(m,2H)2.58-2.65(m,2H)2.66-2.74(m,1H)3.04-3.24(m,2H)3.61(s,3H)3.80(s,3H)3.95(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.42-4.53(m,2H)5.50(d,J=8.5Hz,1H)5.65(t,J=2.0Hz,1H)5.86(s,1H)5.93(s,1H)6.40(d,J=8.5Hz,1H)7.10(s,1H)7.44(d,J=8.5Hz,2H)7.54(d,J=8.5Hz,2H)8.11(s,1H)12.26(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-D):R2.56min,MH569
[α] 20:+53.4°(c 0.35,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-R):R3.16min,MHなし,キラル純度99.59%.
【0353】
実施例33:3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)アミノ)-シクロブタンカルボン酸(化合物33)の合成、並びに立体異性体33A、33B、33C、及び33Dへのキラル分離
【化44】
【0354】
中間体33aの合成:
窒素下にて、3-メトキシ-5-ニトロアニリン[CAS586-10-7](0.50g、2.973mmol)、エチル3-オキソシクロブタンカルボキシレート[CAS87121-89-9](1.27g、8.92mmol)、及び酢酸(0.34mL、5.947mmol)の乾燥EtOH(26mL)中混合物を、室温で30分間撹拌した。NaBHCN(0.374g、5.947mmol)を添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。ブラインを添加し、混合物をCHClで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、24g、ヘプタン/EtOAc 85/15~75/25の勾配)により精製した。純粋な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、エチル3-((3-メトキシ-5-ニトロフェニル)アミノ)シクロブタン-カルボキシレート、33a(820mg)を得た。化合物を、さらに精製することなく次工程で使用した。
【0355】
中間体33bの合成:
触媒量の10%Pd/C(300mg、0.28mmol)を含有する、エチル3-((3-メトキシ-5-ニトロフェニル)アミノ)シクロブタンカルボキシレート、33a(820mg、2.8mmol)のEtOH(16mL)及びEtOAc(14mL)中溶液を、大気圧のH下にて室温で18時間水素付加した。触媒をCelite(登録商標)ショートパットの濾過により除去し、濾過ケーキをEtOAcで数回すすいだ。合わせた濾液を減圧下で蒸発させて、エチル3-((3-アミノ-5-メトキシフェニル)アミノ)シクロブタンカルボキシレート、33b(800mg)を得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0356】
中間体33cの合成:
2-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-1-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エタノン、1c(0.936g、2.154mmol)、エチル3-((3-アミノ-5-メトキシフェニル)アミノ)シクロブタンカルボキシレート、33b(0.74g、2.8mmol)、及びジイロプロピルエチルアミン(0.742mL、4.307mmol)のCHCN(11mL)中混合物を、80℃で18時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、40g、ヘプタン/EtOAc 85/15~70/30)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、エチル3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)アミノ)シクロブタンカルボキシレート、33c(600mg)を得た。
【0357】
化合物33の合成、並びに立体異性体33A、33B、33C、及び33Dへのキラル分離:
LiOH一水和物(0.407g、9.71mmol)の水(5.3mL)中溶液を、エチル3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)-インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)アミノ)シクロブタンカルボキシレート、33c(600mg、0.971mmol)のTHF(12mL)中溶液に添加した。混合物を室温で72時間撹拌し、AcOHで酸性化し、減圧下で濃縮し、トルエンと2回共蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(30μm、24g、CHCl/MeOH 99/1~96/4)により精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固した。逆相クロマトグラフィー(固定相:YMC-actus Triart-C18 10μm 30×150mm、移動相:65%水性NHHCO 0.2%、35%CHCN~25%水性NHHCO 0.2%、75%CHCNの勾配)により第2の精製を行った。純粋な画分を合わせ、蒸発乾固して、3-((3-((1-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-2-(6-(トリフルオロメトキシ)インドリン-1-イル)エチル)アミノ)-5-メトキシフェニル)アミノ)シクロブタンカルボン酸(化合物33、80mg)を得た。立体異性体をキラルSFC(固定相:Chiralcel(登録商標)OD-H 5μm 250×20mm、移動相:60%CO、40%EtOH)により分離し、4つの画分を得て、これをCHCN/水から凍結乾燥させて、立体異性体33A(19mg)、立体異性体33B(24mg)、立体異性体33C(19mg)、及び立体異性体33D(26mg)を得た。
【0358】
立体異性体33A:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.94-2.02(m,2H)2.43(ddd,J=11.8,7.7,4.1Hz,2H)2.91(dt,J=9.5,4.7Hz,1H)3.07-3.21(m,2H)3.56(s,3H)3.78-3.88(m,1H)4.05(td,J=10.4,7.3Hz,1H)4.50(td,J=10.3,6.8Hz,1H)5.38(d,J=1.9Hz,1H)5.43(d,J=8.5Hz,1H)5.46(s,1H)5.60(s,1H)5.63(d,J=6.3Hz,1H)6.19(d,J=8.5Hz,1H)7.00(dd,J=8.2,1.6Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.43(d,J=8.5Hz,2H)7.54(d,J=8.5Hz,2H)8.03(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.86min,MH590
[α] 20:-26.2°(c 0.248,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-I):R1.48min,MHなし,キラル純度100%.
【0359】
立体異性体33B:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.82-1.95(m,2H)2.41-2.47(m,2H)2.68(br t,J=8.5Hz,1H)3.08-3.21(m,2H)3.56(s,3H)3.62(br dd,J=15.4,8.2Hz,1H)4.06(td,J=10.3,7.1Hz,1H)4.46-4.56(m,1H)5.41(s,1H)5.43(br d,J=8.5Hz,1H)5.50(s,1H)5.60(s,2H)6.14(br d,J=8.8Hz,1H)7.01(br d,J=8.2Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.43(d,J=8.5Hz,2H)7.54(d,J=8.5Hz,2H)8.03(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.84min,MH590
[α] 20:-27.9°(c 0.248,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-I):R2.20min,MHなし,キラル純度100%.
【0360】
立体異性体33C:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.93-2.03(m,2H)2.41-2.46(m,2H)2.82-2.95(m,1H)3.07-3.21(m,2H)3.56(s,3H)3.78-3.88(m,1H)4.00-4.11(m,1H)4.45-4.56(m,1H)5.37(s,1H)5.40-5.49(m,2H)5.58-5.66(m,2H)6.19(br d,J=8.5Hz,1H)7.00(br d,J=6.6Hz,1H)7.32(br d,J=8.2Hz,1H)7.43(d,J=8.5Hz,2H)7.54(d,J=8.2Hz,2H)8.02(br s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.86min,MH590
[α] 20:+26.7°(c 0.221,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-I):R2.91min,MHなし,キラル純度100%.
【0361】
立体異性体33D:
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ ppm 1.78-1.96(m,2H)2.40-2.47(m,2H)2.65-2.71(m,1H)3.08-3.21(m,2H)3.56(s,3H)3.58-3.67(m,1H)4.06(td,J=10.2,7.3Hz,1H)4.44-4.56(m,1H)5.38-5.46(m,2H)5.50(s,1H)5.60(s,2H)6.14(br d,J=8.8Hz,1H)7.00(br d,J=6.9Hz,1H)7.33(d,J=8.2Hz,1H)7.43(d,J=8.5Hz,2H)7.54(d,J=8.5Hz,2H)8.03(s,1H)
LC/MS(方法 LC-C):R2.84min,MH590
[α] 20:+23.4°(c 0.295,DMF)
キラルSFC(方法 SFC-I):R5.35min,MHなし,キラル純度100%.
【0362】
【表7】
【0363】
【表8】
【0364】
【表9】
【0365】
【表10】
【0366】
【表11】
【0367】
【表12】
【0368】
【表13】
【0369】
【表14】
【0370】
【表15】
【0371】
【表16】
【0372】
【表17】
【0373】
【表18】
【0374】
【表19】
【0375】
【表20】
【0376】
【表21】
【0377】
【表22】
【0378】
本発明の化合物の抗ウイルス活性
DENV-2抗ウイルス活性
本発明の全ての化合物について、高感度緑色蛍光タンパク質(eGPF)で標識したDENV-2 16681株に対する抗ウイルス活性を試験した。培養培地は、最小必須培地に、2%の熱失活させたウシ胎仔血清、0.04%のゲンタマイシン(50mg/mL)及び2mMのL-グルタミンを加えたもので構成する。ECACCから得たベロ細胞を培養培地に懸濁し、25μLを、既に抗ウイルス化合物を含有している384ウェルプレートに添加した(2500細胞/ウェル)。通常、これらのプレートは、9回の希釈工程で5倍に段階希釈した、100%DMSO中の最終濃度の200倍の試験化合物を含有する(200nL)。さらに、各化合物濃度の試験は4回行われる(最終濃度範囲:25μM~0.000064μM又は最も活性の高い化合物では2.5μM~0.0000064μM)。最終的に、各プレートには、ウイルス対照(化合物を含まず、細胞及びウイルスを含む)、細胞対照(ウイルス及び化合物を含まず、細胞を含む)及び培地対照(細胞、ウイルス及び化合物を含まず、培地を含む)として割り当てられたウェルが含まれる。培地対照として割り当てられたウェルには、ベロ細胞に代えて、25μLの培養培地を加えた。細胞をプレートに加えてすぐに、プレートを室温で30分間インキュベートして、細胞をウェル内に均一に分布させた。次に、プレートを、十分に加湿したインキュベータ(37℃、5%CO)内で翌日までインキュベートした。次いで、eGFPで標識したDENV-2株16681を感染多重度(MOI)0.5で添加した。したがって、15μLのウイルス懸濁液を、試験化合物を含むウェルの全てと、ウイルス対照として割り当てられたウェルとに加えた。並行して、15μLの培養培地を、培地対照及び細胞対照に加えた。次いで、プレートを、十分に加湿したインキュベータ(37℃、5%CO)内で3日間インキュベートした。読み出し日に、自動蛍光顕微鏡を用いて、488nm(青色レーザー)で、eGFPの蛍光を測定した。社内LIMSシステムを使用して、各化合物の阻害用量反応曲線を計算し、半数効果濃度(EC50)を決定した。したがって、試験濃度毎のパーセント阻害(I)を、以下の式を使用して計算する。I=100×(S-SCC)/(SVC-SCC);S、SCC及びSVCは、それぞれ試験化合物、細胞対照及びウイルス対照の各ウェル中のeGFPシグナル量である。EC50は、ウイルスの複製が50%阻害される化合物の濃度を表し、これは、eGFP蛍光強度がウイルス対照と比較して50%低下したことによって測定される。EC50は、線形補間を使用して計算される(表1)。
【0379】
並行して、化合物の毒性を同じ各プレートで評価した。eGFPシグナルの読み出しが終わった時点で、生存細胞染色剤ATPlite 40μLを384ウェルプレートの全ウェルに添加した。ATPは代謝活性のある全ての細胞に存在し、その濃度は細胞がネクローシス又はアポトーシスを起こしたときに非常に急速に減少する。ATPLiteアッセイシステムは、添加されたルシフェラーゼ及びD-ルシフェリンとATPの反応に起因する光の発生に基づいている。プレートを室温で10分間インキュベートした。次に、プレートをViewLuxで測定した。半数細胞毒性濃度(CC50)も決定した。これは、蛍光シグナルを細胞対照ウェルと比較して50%低下させるのに必要な濃度と定義される。最後に、化合物の選択指数(SI)を次のように計算して求めた:SI=CC50/EC50
【0380】
【表23】
【0381】
【表24】
【0382】
【表25】
【0383】
【表26】
【0384】
四価逆転写酵素定量PCR(RT-qPCR)アッセイ
RT-qPCRアッセイでは、本発明の化合物の、DENV-1株TC974♯666(NCPV)、DENV-2株16681、DENV-3株H87(NCPV)及びDENV-4株H241(NCPV)に対する抗ウイルス活性を試験した。したがって、試験化合物の存在下又は非存在下で、DENV-1、DENV-2、DENV-3又はDENV-4をベロ細胞に感染させた。感染3日後に、細胞を溶解し、細胞溶解物を、ウイルスターゲット(DENVの3’UTR;表2)及び細胞の参照遺伝子(β-アクチン、表2)の両方のcDNAの製造に使用した。その後、デュプレックスリアルタイムPCRをLightcycler480装置により行った。生成されたCp値は、これらの標的のRNA発現量に反比例する。試験化合物によりDENV複製が阻害されると、3’UTR遺伝子のCp値がシフトする。他方、試験化合物が細胞毒性を有する場合、β-アクチン発現に同様の効果が観察されよう。比較ΔΔCp法を使用して、EC50を算出する。これは、細胞のハウスキーピング遺伝子(β-アクチン)で正規化したターゲット遺伝子(3’UTR)の相対的遺伝子発現に基づいている。さらに、CC50値を、ハウスキーピング遺伝子β-アクチンについて取得したCp値に基づいて決定する。
【0385】
【表27】
【0386】
培養培地は、最小必須培地に、2%の熱失活させたウシ胎仔血清、0.04%のゲンタマイシン(50mg/mL)及び2mMのL-グルタミンを加えたもので構成した。ECACCから得たベロ細胞を培養培地に懸濁し、既に抗ウイルス化合物を含む96ウェルプレートに75μL/ウェルを、加えた(10000細胞/ウェル)。典型的には、これらのプレートは、9回の希釈工程で5倍に段階希釈した、100%DMSO中の最終濃度の200倍の試験化合物を含有する(500nL;最終濃度範囲:25μM~0.000064μM又は最も活性の高い化合物では2.5μM~0.0000064μM)。さらに、各プレートには、ウイルス対照(化合物を含まず、細胞及びウイルスを含む)及び細胞対照(ウイルス及び化合物を含まず、細胞を含む)として割り当てられたウェルが含まれる。細胞をプレートに加えてすぐに、プレートを、十分に加湿したインキュベータ(37℃、5%CO)で、翌日までインキュベートした。アッセイで約22~24のCp値を得るために、デングウイルス血清型の1型、2型、3型及び4型を希釈した。したがって、25μLのウイルス懸濁液を、試験化合物を含むウェルの全てと、ウイルス対照として割り当てられたウェルとに加えた。並行して、25μLの培養培地を細胞対照に添加した。次いで、プレートを、十分に加湿したインキュベータ(37℃、5%CO)内で3日間インキュベートした。3日後に、上清をウェルから除去し、氷冷PBS(約100μL)で細胞を2回洗浄した。96ウェルプレート内の細胞ペレットを-80℃で少なくとも1日保管した。次いで、Cells-to-CTTM溶解キットを使用し、製造会社のガイドラインにしたがってRNAを抽出した(Life Technologies)。細胞溶解物は-80℃で貯蔵するか、又は、すぐに逆転写工程に使用することができる。
【0387】
逆転写工程の準備として、ミックスA(表3A)を調製し、96ウェルプレートに7.57μL/ウェルで分注した。5μLの細胞溶解物を添加した後、75℃で5分間の変性工程を行った(表3B)。その後、7.43μLのミックスBを添加し(表3C)、逆転写工程を開始して(表3D)、cDNAを生成した。
【0388】
最後に、RT-qPCRミックスであるミックスC(表4A)を調製し、96ウェルLightCycler qPCRプレートに22.02μL/ウェルで分注し、それに3μLのcDNAを添加し、表4Bの条件に従ってLightCycler 480でqPCRを行った。
【0389】
LightCyclerソフトウェア及び社内LIMSシステムを使用して、各化合物の用量反応曲線を算出し、半数効果濃度(EC50)及び半数細胞毒性濃度(CC50)を決定した(表5~8)。
【0390】
【表28】
【0391】
【表29】
【0392】
【表30】
【0393】
【表31】
【0394】
【表32】
【0395】
【表33】
【0396】
【表34】
【0397】
【表35】
【0398】
【表36】
【0399】
【表37】
【0400】
【表38】
【0401】
【表39】

以下の態様を包含し得る。
[1] 任意の立体化学的異性体形態を含む式(I):
【化45-1】
[式中、
は、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、又はクロロであり;
は、水素、フルオロ、又はメトキシであり;
は、水素、又はメトキシであり;
Aは、-(CH -(式中、nは、3又は4である);
-O-(CH -(式中、nは、2又は4である);
-O-(CH -(式中、nは、3であり、1つ又は2つのCH は、1つ又は2つのCH で置換されている);
【化45-2】
-CH -O-(CH -(式中、nは、2である);又は
-X-Y-(式中、Xは、-O-、-OCH -、又は-NH-であり;
Yは、任意選択的に、フルオロで置換されているC 3~4 シクロアルキルであるか、又は
Yは、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルである)である]
の化合物、
又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは多形体。
[2] 前記化合物が、
【化45-3】
【化45-4】
【化45-5】
から選択される、上記[1]に記載の化合物。
[3] 前記化合物が、溶媒としてのDMF中で測定された比旋光度が(+)を有する、上記[1]に記載の化合物。
[4] 前記化合物が、
【化45-6】
【化45-7】
【化45-8】
から選択される、上記[3]に記載の化合物。
[5] R がトリフルオロメトキシであり、R が水素であり、R が水素である、上記[1]に記載の化合物。
[6] Aが、-(CH -[式中、nは、3又は4である]を表す、上記[1]に記載の化合物。
[7] Aが、-O-(CH -[式中、nは、2又は4である]を表す、上記[1]に記載の化合物。
[8] Aが、-O-(CH -[式中、nは、3であり、1つ又は2つのCH は、1つ又は2つのCH で置換されている]を表すか;又はAが、
【化45-9】
を表す、上記[1]に記載の化合物。
[9] Aが、-X-Y-[式中、Xは、-O-、-OCH -、又は-NH-であり;Yは、任意選択的に、フルオロで置換されているC 3~4 シクロアルキルである]を表す、上記[1]に記載の化合物。
[10] 上記[1]~[9]のいずれか一項に記載の化合物を、1種以上の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤又は担体と共に含む医薬組成物。
[11] 第2の又はさらなる活性成分を含む、上記[10]に記載の医薬組成物。
[12] 前記第2の又はさらなる活性成分が、抗ウイルス薬である、上記[11]に記載の医薬組成物。
[13] 薬剤として使用するための、上記[1]~[9]のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
[14] デング熱感染の治療において使用するための、及びデング熱感染に付随する疾患の予防又は処置のための、上記[1]~[9]のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
[15] 前記デング熱感染が、DENV-1、DENV-2、DENV-3、又はDENV-4株のウイルスによる感染である、上記[14]に記載の使用のための式(I)の化合物。
【配列表】
0007203764000001.app