(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】操作可能な多機能装置を備えたオートバイ
(51)【国際特許分類】
B62K 23/02 20060101AFI20230105BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20230105BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20230105BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20230105BHJP
B62J 50/22 20200101ALI20230105BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20230105BHJP
【FI】
B62K23/02
G06F3/02 500
G06F3/14 350A
H04M1/00 U
B62J50/22
B62J45/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020209947
(22)【出願日】2020-12-18
【審査請求日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】A 51131/2019
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】516256272
【氏名又は名称】ケーティーエム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】KTM AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス オット
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-144794(JP,A)
【文献】特開2018-069796(JP,A)
【文献】特開2013-184547(JP,A)
【文献】特開2017-171277(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0210683(US,A1)
【文献】特開2001-071966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 23/02
G06F 3/02
G06F 3/14
H04M 1/00
B62J 50/22
B62J 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートバイであって、前記オートバイは、
・前記オートバイ(10)の走行状態および動作パラメータについての情報を表示するディスプレイユニット(3)と、
・前記ディスプレイユニット(3)を制御する制御命令を生成可能な操作ユニット(1)と、
・ホルダ(12)に着脱可能に固定可能な、スクリーン(14)を備えた多機能装置(2)であって、前記多機能装置(2)にはアプリケーションがインストール可能であり、前記アプリケーションにより、前記多機能装置(2)にインストールされた別の複数のアプリケーション(7)がオープン可能であり、前記アプリケーションによってオープン可能な別の複数の前記アプリケーション(7)の選択は、前記スクリーン(14)にピクトグラムの形態で表示可能である多機能装置(2)と、
・前記アプリケーションを制御する制御命令と、前記アプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーション(7)を制御する制御命令と、を前記多機能装置(2)に伝送可能な制御ユニットと、
を備えたオートバイにおいて、
前記アプリケーションを制御する制御命令と、前記アプリケーションによってオープン可能な別の複数の前記アプリケーション(7)を制御する制御命令と、は、前記操作ユニット(1)によって生成可能であり、前記ディスプレイユニット(3)の制御と、前記多機能装置(2)の制御と、の間で切り換える切換装置(16)が設けられ、
前記オートバイ(10)の走行状態についての、かつ/または、動作パラメータについての情報が、前記多機能装置(2)に伝送可能であり、前記多機能装置(2)の前記スクリーン(14)は、前記ディスプレイユニット(3)に対する付加的なスクリーンとして機能する、
ことを特徴とする、オートバイ。
【請求項2】
前記操作ユニット(1)は、ハンドル(11)におけるハンドルスイッチとして構成されている、請求項1記載のオートバイ。
【請求項3】
前記切換装置(16)は、前記操作ユニット(1)の操作要素として構成されている、請求項1または2記載のオートバイ。
【請求項4】
前記切換装置(16)は、前記操作ユニット(1)のスイッチとして構成されている、請求項1または2記載のオートバイ。
【請求項5】
前記アプリケーションを制御する制御命令と、前記アプリケーションによってオープン可能な別の複数の前記アプリケーション(7)を制御する制御命令と、を無線で前記多機能装置(2)に伝送可能な送信ユニット(6)が設けられている、請求項1から4までのいずれか1項記載のオートバイ。
【請求項6】
無線命令を送信する前記送信ユニット(6)は、ブルートゥース(登録商標)規格にしたがって構成されている、請求項5記載のオートバイ。
【請求項7】
前記送信ユニット(6)により、前記オートバイの走行状態についての、かつ/または、動作パラメータについての情報が、前記多機能装置(2)に、伝送可能である、請求項
5または6記載のオートバイ。
【請求項8】
前記送信ユニット(6)により、前記オートバイの走行状態についての、かつ/または、動作パラメータについての情報が、前記多機能装置(2)に、無線で伝送可能である、請求項
5または6記載のオートバイ。
【請求項9】
前記制御ユニットにより、前記オートバイの走行状態についての、かつ/または、動作パラメータについての情報が、前記多機能装置(2)に、伝送可能である、請求項1から8までのいずれか1項記載のオートバイ。
【請求項10】
前記制御ユニットにより、前記オートバイの走行状態についての、かつ/または、動作パラメータについての情報が、前記多機能装置(2)に、無線で伝送可能である、請求項1から8までのいずれか1項記載のオートバイ。
【請求項11】
前記オートバイ(10)の前記走行状態についての、かつ、前記動作パラメータについての前記情報は、前記多機能装置(2)の前記スクリーン(14)に表示可能である、請求項7
から10までのいずれか1項記載のオートバイ。
【請求項12】
前記アプリケーションによってオープン可能な別の複数の前記アプリケーション(7)のうちの少なくとも1つは、ナビゲーション機能を有する、請求項1から
11までのいずれか1項記載のオートバイ。
【請求項13】
前記多機能装置(2)は、スマートフォンとして構成されている、請求項1から
12までのいずれか1項記載のオートバイ。
【請求項14】
前記操作ユニット(1)は、矢印キー(17a、17b)および/または多方向スイッチを有する、請求項1から
13までのいずれか1項記載のオートバイ。
【請求項15】
前記多方向スイッチは、4方向、5方向または6方向スイッチである、請求項
14記載のオートバイ。
【請求項16】
前記多機能装置(2)は、外部装置(4、5)によって生成されて伝送される前記アプリケーションを制御する制御命令と、前記アプリケーションによってオープン可能な別の複数の前記アプリケーション(7)を制御する制御命令と、を受信可能である受信装置を有する、請求項1から
15までのいずれか1項記載のオートバイ。
【請求項17】
前記アプリケーションによってオープン可能な別の複数の前記アプリケーション(7)のうちの少なくとも1つは、外部装置(4、5)に対する制御機能を有する、請求項1から
16までのいずれか1項記載のオートバイ。
【請求項18】
前記多機能装置(2)は、外部装置(4、5)に対する制御機能を有する前記アプリケーションによって生成される制御命令を前記外部装置(4、5)に無線で伝送可能な送信装置を有する、請求項
17記載のオートバイ。
【請求項19】
前記送信装置は、無線命令を送信するために、ブルートゥース(登録商標)規格にしたがって構成されている、請求項
18記載のオートバイ。
【請求項20】
前記ホルダ(12)は、前記多機能装置(2)の充電装置(13)を有する、請求項1から
19までのいずれか1項記載のオートバイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下、すなわち、
・オートバイの走行状態および動作パラメータについての情報を表示するディスプレイユニットと、
・ディスプレイユニットを制御する制御命令を生成可能な操作ユニットと、
・ホルダに着脱可能に固定可能な、スクリーンを備えた多機能装置と、を有し、多機能装置にはアプリケーションがインストール可能であり、このアプリケーションにより、多機能装置にインストールされた別の複数のアプリケーションがオープン可能であり、アプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーションの選択は、スクリーンにピクトグラムの形態で表示可能であり、オートバイはさらに
・アプリケーションを制御する制御命令と、このアプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーションを制御する制御命令とを多機能装置に伝送可能な制御ユニットと、を備えたオートバイを含むセットに関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第102016203194号明細書には、オートバイ機能、特に表示機能に作用を及ぼす操作ユニットを備えたオートバイが示されている。ここでは、特に、無線装置機能に作用を及ぼすために、無線装置制御命令を出力するように構成されている付加操作ユニットが設けられている。制御装置は、操作ユニットおよび付加操作ユニットにデータ技術的に接続されており、制御装置は、オートバイ機能を制御するように、かつ付加操作ユニットによって出力される無線装置制御命令を受信するように構成されており、無線装置制御命令に基づき、制御装置に設けられている送信装置を介して、無線装置、例えば携帯電話のような無線装置を制御することができる。この操作ユニットは、付加操作ユニットがハンドルに配置されており、これにより、オートバイの操作から気が逸らされてしまうという欠点を有する。このことは、安全上の大きなリスクである。
【0003】
独国特許出願公開102016202729号明細書には、オートバイ用のハンドルスイッチが示されており、このハンドルスイッチは、例えばオートバイのコックピットに組み込まれたナビゲーション装置の操作だけに適した複合スイッチを有し、このスイッチは、他方では別のスイッチとの調和が図られている。これにより、ナビゲーション装置は、運転者により、複合スイッチを介して操作可能であるのに対し、運転者は、運転姿勢のままでかつ既存のスイッチを介してオートバイの別の機能を制御可能である。ハンドルスイッチのケーシングには、複合スイッチも別のスイッチも配置されている。ナビゲーション装置は、スマートフォンまたは類似の携帯型電子装置によって置き換え可能である。複合スイッチが、ハンドルにおける付加的な操作ユニットであり、その操作によって気が逸れてしまい、このことは、特にオートバイにおいて安全上の大きなリスクになってしまうという欠点がこのハンドルスイッチにも伴う。
【0004】
ますます多くのオートバイにおいて、バイクツーリング中に異なる機能に使用されるスマートフォン用のホルダが組み込まれている。多くの場合にこのようなオートバイは、旧式のオートバイもしくはそのディスプレイが、ナビゲーション装置またはスマートフォンとの結合によって、例えばナビゲーション機能または音楽機能のようなコネクティビティ機能を提供しないオートバイである。この際にホルダは、後からオートバイに固定されることが多い。この際に特に高く評価されるのは、バイクツーリングの際はいずれにせよつねに携行されるスマートフォンを介するナビゲーションの利点である。しかしながらこのように固定されるスマートフォンの操作は極めて困難であり、走行中には実践的にまったく不可能であり、とりわけオートバイグローブによっては、スマートフォンのキー操作もタッチスクリーンも利用できない。
【0005】
従来技術では、オートバイにおいて、コックピットに、例えば回転数および速度のようなオートバイ状態についての重要な情報が表示されるディスプレイユニットの他に付加的に、ナビゲーション装置を配置することも公知であり、この際にこのナビゲーション装置は、データ線路を介してディスプレイユニットに接続される。ここでは、ディスプレイユニットもナビゲーション装置も共に制御可能な操作ユニットを設けることができ、切換装置を介して、ディスプレイユニットまたはナビゲーション装置のどちらを制御するかが選択される。このシステムは、独自仕様のシステムであるため、ユーザための構成の余地はない。さらにこのようなシステムは、必要なデータ線路が付加的な煩雑さになり、またオートバイの組み立ての際にはすでに作製されていなければならないという欠点を有する。したがってこのシステムは、全体として柔軟性のない解決手段であり、さらに後からの取り付けは一般に不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、上述の欠点を回避し、一方において、オートバイの操作から運転者が気を逸らされることなく多機能装置を制御できるようにする、オートバイおよび多機能装置を備えたセットを提供することである。さらに多機能装置の選択される機能について高い柔軟性が得られるようにしたい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の特徴的構成を備えたオートバイによって解決される。
【0008】
本発明によるオートバイには、オートバイの走行状態および動作パラメータについての情報を表示されるディスプレイユニットが含まれている。一般にこのディスプレイユニットは、従来技術においてそれ自体公知の、LCDディスプレイまたはOLEDディスプレイ、例えばいわゆるTFTディスプレイ(Thin-Film-Transistor Display)を備えたディスプレイユニットである。しかしながら、例えば少なくとも部分的にアナログのディスプレイを備えた別のタイプのディスプレイユニットも考えられる。ディスプレイユニットには、現在の走行速度、エンジン回転数、オートバイのキロメートル走行距離、大気温度などの情報が、また例えば、オートバイの(多くの場合警告灯または制御灯の形態の)クリティカルなシステム状態についての安全関連の情報も表示される。
【0009】
ディスプレイユニットを制御する制御命令が生成可能であることにより、操作ユニットによってディスプレイユニットが制御される。これにより、例えば、操作ユニットを含むスイッチによって、どの情報を表示するかを選択可能である。操作者が、オートバイにおいて、例えばオートバイのセットアップに関する種々異なる設定を行うことも可能であり、考えられ得る種々異なる設定が、ディスプレイユニットによって表示され、操作ユニットを介して選択される。いずれにせよ、例えば、操作ユニットのスイッチを操作する際には、ディスプレイユニットを制御する制御命令が生成される。
【0010】
本発明によるセットは、さらに、ホルダに着脱可能に固定可能な、スクリーンを備えた多機能装置を有する。このホルダは、コックピットの領域に、かつ好ましくはディスプレイユニットの近傍に配置されており、これにより、運転者は、ディスプレイユニットも多機能装置のスクリーンも共に視野に入れることができる。多機能装置にはアプリケーションをインストール可能であり、このアプリケーションにより、多機能装置にインストールされる別の複数のアプリケーションをオープン可能である。これらの別のアプリケーションは、ピクトグラムの形態でスクリーンに表示可能である。
【0011】
制御ユニットを用いて、アプリケーションを制御する制御命令を多機能装置に伝送可能である。特にこの制御命令は、運転者によって選択されるアプリケーションのオープンの選択に使用可能であり、引き続いてこのアプリケーションの制御に使用可能である。
【0012】
本発明の好ましい一実施形態において、多機能装置は、スマートフォンとして構成されている。一般にスマートフォンにインストールされるアプリケーションは、オートバイの走行中に操作されるためには数が多すぎる。さらに、大部分のアプリケーションは、オートバイによる走行には無関係である。したがって、本発明によって設けられるアプリケーションは、第1に、オートバイ走行に関連するアプリケーションの選択をスマートフォンのスクリーンに表示するために使用可能である。引き続いて、本発明によるアプリケーションにより、別の複数のアプリケーションのうちの1つが選択され、制御ユニットの制御命令を介して制御される。
【0013】
一般に、本発明によるアプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーションは、例えば、音楽機能を備えたアプリケーション、ナビゲーション機能を備えたアプリケーション、電話機能を備えたアプリケーション、メッセージング機能を備えたアプリケーション、カメラを操作するためのアプリケーション、天候情報を表示または音声再生するためのアプリケーション、ニュースを表示または音声再生するためのアプリケーション、およびこれに類する多くのアプリケーションであってよい。
【0014】
本発明では、アプリケーションを制御する制御命令と、このアプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーションを制御する制御命令とが操作ユニットによって生成可能であり、すなわち、ディスプレイユニットを制御する操作ユニットは、多機能装置にインストールされたアプリケーションを介する多機能装置の制御にも使用されるように構成される。ディスプレイユニットまたは多機能装置のどちらを制御するかを選択するために、ディスプレイユニットの制御と、多機能装置の制御との間で切り換えを行うための切換装置が設けられている。
【0015】
このために、切換装置を監視し、切換装置が操作された際には、操作ユニットの操作によってディスプレイユニットに対する制御命令が生成される動作モードから、操作ユニットの操作によって多機能装置に対する制御命令が生成される動作モードへと切り換える、またこの逆に切り換えるコンピュータプログラムが設けられている。
【0016】
操作ユニットは、好適には回転スイッチ、押圧スイッチまたはタンブラスイッチの形態の操作要素を有する。これらの操作要素によって操作ユニットが制御され、例えば、表示される情報またはディスプレイユニットの具体的な表示の仕方が選択されるか、またはオートバイにおける設定が、ディスプレイユニットによって表示される選択に基づいて行われる。操作要素は、切換装置が操作された後、多機能装置の制御にも使用可能である。これにより、運転者の気を過剰に逸らすことなく、多機能装置を制御することができる。インストール可能なアプリケーションおよび別の複数のアプリケーションにより、高い柔軟性が得られる。特に、別のオープン可能なアプリケーションを後から補足するか、または既存のアプリケーションを拡張することできる。
【0017】
ディスプレイユニットが多くの場合にオートバイの寿命全体にわたってそのオペレーティングソフトウェアのアップデートを受け取らないのに対し、特にスマートフォンの形態の多機能装置では、オペレーティングソフトウェアおよびインストールされたアプリケーションのアップデートを定期的にインストール可能である。さらに着脱可能に固定可能な多機能装置それ自体も、比較的短い時間の後、更新されることが可能であり、これにより、多機能装置のハードウェアも最新状態に維持される。
【0018】
どの動作モードが今、アクティブであるか、すなわち操作ユニットが、現在、ディスプレイユニットの制御のために、または多機能装置の制御のために設定されているかが、ディスプレイユニットにより、かつ/または多機能装置のスクリーンに示されるように構成可能である。しかしながらこの目的のために、別の警告灯が操作ユニットに設けられるように構成することも可能である。
【0019】
したがって、例えば、ディスプレイユニットを制御するための市販のスイッチを含むふつうの操作ユニットを介して、ディスプレイユニットにも多機能装置にも制御命令を送信可能である。ここではハンドルにおける付加的な操作ユニットは不要である。操作ユニットそれ自体は、ディスプレイユニットの制御および多機能装置の制御のための操作要素の他に、例えば、走行方向指示器またはホーンを操作するために別の操作要素を有していてよい。
【0020】
多機能装置上の本発明のアプリケーションは、オートバイと、その運転者と、多機能装置との間のインタフェースである。このアプリケーションにより、多機能装置の機能を操作可能である。したがって、インストールされた別の複数のアプリケーションをオープン可能なアプリケーションは、インタフェース・アプリケーションとして使用される。
【0021】
本発明の別の有利な実施形態は、従属請求項に定義されている。
【0022】
本発明の好ましい一実施形態において、操作ユニットは、オートバイのハンドルにおけるハンドルスイッチとして構成されている。ハンドルスイッチにおいて操作要素は、ハンドルから手を離さなくても親指または別の指で操作可能である。これにより、オープン可能な複数のアプリケーションを介し、特に頻繁に使用される複数の機能を走行中に安全に操作可能である。
【0023】
本発明によるアプリケーションを介して多機能装置を操作することとは無関係に、多機能装置のスクリーンをタッチスクリーンとして実施し、これにより、停止時にタッチスクリーンを介して複雑な操作ステップを実行するように構成可能である。例えば、この複雑な操作ステップは、例えばビュー設定または音声出力について設定のようなアプリケーションの一般的な設定であってよい。さらに、ナビゲーション機能を備えたアプリケーションでは、例えば、比較的長いバイクツーリング用に多機能装置のタッチスクリーンを介してナビゲーション目的地をあらかじめ定めるように構成することが可能である。電話機能を備えたアプリケーションでは、タッチスクリーンを介して連絡先をあらかじめ定めることができる。メッセージング機能を備えたアプリケーションでは、通信またはテキストブロックをあらかじめ定めることができる。音楽機能を備えたアプリケーション(ミュージックプレーヤ)では、プレイリストを編集することができる。
【0024】
操作ユニットは、矢印キーの形態の、かつ/または多方向スイッチ、好適には4方向、5方向または6方向スイッチの形態の操作要素を有していてよい。
【0025】
切換装置は、好適にはスイッチの形態の、操作ユニットにおける別の操作要素であってよい。しかしながら別の複数の機能を有する操作要素の特別な操作によって切換装置を操作することも可能である。この操作は、例えば操作要素の長い押下であってよい。
【0026】
好ましい一実施形態においてオートバイは、アプリケーションを制御する制御命令と、このアプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーションを制御する制御命令とを無線で多機能装置に伝送可能な送信ユニットを有する。この送信ユニットは、無線命令を送信するために、特にブルートゥース(登録商標)規格にしたがって構成されていてよい。例えば、伝送にはブルートゥース(登録商標)の典型的な規格HIDプロファイルが使用される。
【0027】
無線伝送によって特に高い柔軟性が得られ、とりわけオートバイ内に、またはオートバイに固定にあらかじめ設けられる有線の線路は不要である。例えば極めて広く使用されているブルートゥース(登録商標)規格にしたがって、規格化された無線命令を使用する際には、有線の線路との接続のために多機能装置がどのようなタイプのプラグを有するかとは無関係に、多種多様な多機能装置をオートバイに接続可能である。送信ユニットそれ自体は、操作ユニットに直接に組み込み可能である。しかしながら、ディスプレイユニットに送信ユニットを配置することも可能である。この場合、多機能装置に対して操作ユニットによって生成される制御命令は、有線の線路を介して送信ユニットに伝送される。
【0028】
択一的には、電気的な線路を介して、特にバス線路を介して操作ユニットに、かつ/またはディスプレイユニットに接続されている特別な通信ユニットを設けることも可能である。この際には制御命令を伝送する送信ユニットは、この通信ユニット内に配置可能である。
【0029】
送信ユニットは、操作ユニットとディスプレイユニットとの間に配置することも可能である。この場合、送信ユニットは、操作ユニットの制御命令を受け取って、動作モードに応じてディスプレイユニットまたは多機能装置のいずれかに制御命令を転送する。送信ユニットは、多機能装置への無線通信を可能にするインタフェースとして機能する。送信ユニットは、例えば、ブルートゥース(登録商標)モジュールを備えたマイクロコントローラを有していてよく、この送信ユニットは、いわゆる組み込みシステムの形態のプリント基板に埋め込まれる。この配置において送信ユニットは、操作ユニットおよびディスプレイユニットにワイヤ接続される。
【0030】
本発明の別の一実施形態では、制御ユニットおよび/または送信ユニットにより、オートバイの走行状態についての、かつ/または動作パラメータについての情報が、多機能装置に、好適には無線で伝送可能である。この場合、本発明によるアプリケーション、または本発明によるアプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーションのうちの1つは、走行状態についての、かつ/または動作パラメータについてのこれらの情報をグラフィカルに表示するように構成されている。ここでは、どの情報を多機能装置のスクリーンに表示するかを操作ユニットによって選択できるように構成可能である。多機能装置のスクリーンは、ディスプレイユニットに対する付加的なスクリーンとして機能する。このことは、オートバイの運転者に対してより大きくの情報が表示可能であるという利点を有する。
【0031】
好ましくは、アプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーションのうちの少なくとも1つは、ナビゲーション機能を有するように構成される。この場合、ディスプレイユニットによってオートバイの動作状態についての情報が表示されるのに対し、多機能装置のスクリーンにより、現在地に依存する走行状態についての情報が表示される。ナビゲーション機能は、従来技術においてそれ自体公知のナビゲーション装置の一般的な機能、特にターンバイターンナビゲーションを有していてよい。しかしながら操作ユニットによる制御の際には、例えば、あらかじめ定められたナビゲーション目的地だけが選択可能であるようにすることにより、減少された機能だけが提供されるように構成可能である。
【0032】
複数の制御命令を無線で伝送できる場合、多機能装置は、これらの制御命令を受信可能な受信ユニットを有する。この受信ユニットは、例えば、いわゆるブルートゥース(登録商標)リスナであってよい。次に、受信された制御命令は、本発明によるアプリケーション、および/または本発明によるこのアプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーションに伝送されるか、またはこれらによって読み出される。
【0033】
付加的または択一的には、多機能装置が、外部装置によって生成されて伝送される制御命令を受信するように構成されている受信装置を有するように構成可能である。この受信装置は、送信ユニットによって伝送された制御命令を受信する受信ユニットであってよい。しかしながらこれは、別の装置であってもよい。この受信装置により、外部装置を用いて多機能装置を制御することができる。例えば、この外部装置は、好適にはヘルメットに組み込まれるヘッドセットであってよい。このヘッドセットは、音声命令から多機能装置に対する制御命令を生成して多機能装置に送信する装置を有する。例えば、ヘッドセットでは、音声入力を介して、多機能装置に格納されている連絡先をサーチして場合によっては通話を開始することも可能である。別の実施例は、音声入力によるナビゲーション目的地の選択である。音声命令の考えられ得る実施例は、例えば「地図を開いて」または「…にナビして」である。本発明によるアプリケーションも音声入力によって制御されるように構成可能である。ここでは、操作ユニットの操作要素を操作した後のみ、または操作ユニットの操作要素の操作中にのみ、受信装置を起動するように構成可能である。
【0034】
本発明の別の一実施形態において、多機能装置は、制御命令を1つ以上の外部装置に無線で伝送可能な送信装置を有する。ここでは制御命令は、本発明によるアプリケーションによって、また本発明によるこのアプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーションによって生成される。無線で伝送可能な制御命令は、好適にはブルートゥース(登録商標)規格にしたがった無線命令であってよい。外部装置は、例えば、カメラ、スマートウォッチおよび/またはヘッドセットであってよい。ここでは制御命令により、カメラ、スマートウォッチまたはヘッドセットを起動することができる。制御命令の生成は、多機能装置にインストールされたアプリケーションを制御する操作ユニットにおける入力によって起動することができる。外部装置を制御するために、アプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーションのうちの少なくとも1つは、外部装置に対する制御機能を有するように構成される。
【0035】
しかしながら送信装置は、外部装置にデータを伝送するようにも構成可能である。例えば、多機能装置に格納された、または多機能装置によって受信された楽曲をヘッドセットに伝送可能である。
【0036】
この送信装置は、データを、オートバイに、例えば、オートバイに組み込まれた通信ユニットに返送するように構成することも可能である。次にこれらのデータは、例えばディスプレイユニットに表示可能である。しかしながら付加的または択一的には、制御命令をオートバイに伝送するように送信装置を構成することも可能である。これらの制御命令は、アプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーションのうちの1つによって生成可能である。例えば、天候機能を備えたアプリケーションは、雨が予想される際に、例えばABSの感度を上げるように設定する、または特定の回転数に達した際にエンジンを抑制制御するというように、オートバイの種々異なる設定を変更することができる。送信装置は、外部装置によって生成されて伝送され、受信装置によって受信された制御命令をオートバイ制御部に転送するようにも構成可能である。例えば、ヘッドセットを介して、音声命令「方向指示器 左」または「ハイビーム オン」を入力することができ、送信装置を介してオートバイ制御部に転送可能である。次にオートバイ制御部は、これらの命令を実行し、これにより、例えば、走行方向指示器が左へと起動されるか、またはハイビームがオンになる。
【0037】
別の一実施形態において、ホルダは、多機能装置を充電する装置を有する。この装置は、誘導式またはケーブル接続された充電装置であってよい。充電装置は、オートバイのバッテリに接続されていてよい。これにより、走行中に多機能装置を充電することができ、したがって多機能装置は、走行後も引き続いて利用可能である。
【0038】
上述の機能を可能にするために本発明はさらに、オートバイを動作させるためのコンピュータプログラム製品に関する。このコンピュータプログラム製品は複数の命令を含み、命令は、コンピュータによってプログラムが実行される際にこのコンピュータに、
・オートバイの操作ユニットを2つの動作モードで動作させ、一動作モードでは、操作ユニットが操作される際に、オートバイの走行状態について、かつ動作パラメータについての情報を表示するようにディスプレイユニットを制御する制御命令を生成させるのに対し、別の一動作モードでは、操作ユニットが操作される際に、多機能装置にインストールされたアプリケーションを制御する制御命令と、アプリケーションによってオープン可能な、多機能装置にインストールされた別の複数のアプリケーションを制御する制御命令とを生成させて、好適には無線で多機能装置に伝送させ、
・切換装置が操作されたこと監視させ、切換装置が操作された際には動作モードを切り換えさせる。
【0039】
本発明はさらに、上記のようなコンピュータプログラム製品を伝送するデータ搬送信号と、上記のようなコンピュータプログラム製品が記憶されているコンピュータ読み出し可能データ担体と、上記のようなコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み出し可能データ担体を備えたオートバイとに関する。充電装置によって回避されるのは、多機能装置が、走行中にバッテリの消耗によって利用できなくなることである。
【0040】
上述の機能を可能にするために、本発明はさらに、上で説明した多機能装置を動作させるためのコンピュータプログラム製品に関する。このコンピュータプログラム製品は、命令を含み、命令は、多機能装置によってプログラムが実行される際に、多機能装置に、上で説明したオートバイの操作ユニットによって生成される制御命令を受け取らせ、多機能装置にインストールされたアプリケーションをオープンさせて制御させる。このコンピュータプログラム製品は、多機能装置にインストールされた別の複数のアプリケーションをオープン可能に、かつ/または制御可能にするアプリケーションである。
【0041】
本発明はさらに、上記のようなコンピュータプログラム製品を伝送するデータ搬送信号と、上記のようなコンピュータプログラム製品が記憶されているコンピュータ読み出し可能データ担体と、上記のようなコンピュータプログラム製品が記憶されているコンピュータ読み出し可能データ担体を備えた多機能装置とに関する。
【0042】
以下では、図面を参照し、図面の説明に基づいて本発明のさらなる詳細および利点を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】付加操作ユニットを備えた従来技術による操作ユニットの図である。
【
図4b】本発明のさらに別の一実施形態の概略図である。
【
図5】本発明のさらに別の一実施形態の概略図である。
【
図7】ホルダに配置された多機能装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1には、2つの操作ユニット1、1’がハンドル11に固定されている、従来技術のオートバイ10が概略平面図で示されている。ディスプレイユニット3には、例えば速度、エンジン回転数、外気温、冷却液の温度、トリップメータなどのような走行状態についての情報を表示可能な計器が含まれている。ディスプレイユニット3は、このことを目的として押圧スイッチの形態の操作要素を有する操作ユニット1を介して制御される。操作ユニット1に配置される別のスイッチは、例えば、走行方向指示器の起動および停止に、またはホーンの操作に使用される。
【0045】
ここでは操作ユニット1の他に付加的な操作ユニット1’が配置されており、この操作ユニット1’は、ホルダ12に固定されている、スマートフォンの形態の多機能装置2を制御するために使用される。このホルダは、後から取り付けられるホルダであってよい。操作ユニット1の操作により、また付加的な操作ユニット1’の操作により、オートバイ10の運転者は、過度に交通事象から気を逸らされてしまい、このことは大きな安全上のリスクになる。
【0046】
図2には、ハンドル11に取り付けられたハンドルスイッチの形態の操作ユニット1が示されている。操作ユニット1は、2つの矢印キー17a、17bを備えた4方向スイッチを有する。4方向スイッチには右側に、切換装置16としても機能する選択キーが配置されている。左側には、バックスペースキー18が配置されている。4方向スイッチの下方には、4方向スイッチとは異なり、ディスプレイユニット3の制御に使用されるのでなく、例えば、ホーンを操作するため、またはハイビームをスイッチオンするための別の押圧キーもしくは調節スイッチがある。
【0047】
ディスプレイユニット3が操作要素の操作によって制御される動作モードに、操作ユニット1がある場合、矢印キー17aを操作することにより、ディスプレイユニット3の先行するメニュー位置にガイドする制御命令が生成される。矢印キー17bを操作することにより、操作ユニット1のすぐ次のメニュー位置が呼び出される。キー16aにより、対応するメニュー位置が選択される。バックスペースキー18を操作することにより、より上位の次のメニューレベルが選択される。操作ユニット1の操作によって多機能装置2に対する制御命令が生成されるモードへの切り換えは、切換装置16として機能する選択キーを500msよりも長く押すことによって行われる。
【0048】
切換装置16を操作した後、アプリケーション用の制御命令が生成され、この制御命令により、多機能装置2にインストールされた複数のアプリケーション7がオープン可能になる。このアプリケーションは、第1には、ピクトグラムを用いて、多機能装置2のスクリーン14に複数のアプリケーション7の減少された選択を表示するために、かつ選択を用意するために使用される。矢印キー17a、17bにより、アプリケーションは、種々異なるオープン可能な複数のアプリケーション7間で切り換わる。長く押した際に切換装置16として機能する選択キーを操作することにより、正しく選択されたアプリケーション7がオープンされる。バックスペースキー18を操作することにより、より上位の次のメニューレベルに戻る。切換装置16を改めて長く押すことにより、操作ユニット1の動作モードが再び切り換えられ、ディスプレイユニット3の制御に対する制御命令が生成される。
【0049】
4方向スイッチのキーには、第2の機能が確保されていてよい。例えば、長い、すなわち500msよりも長く続くキー17aの押下により、ナビゲーション機能を有するアプリケーション7が開かれるように構成されていてよい。矢印キー17bを長く操作することにより、音楽機能を備えたアプリケーション7がオープンされる。バックスペースキー18を長く操作することにより、メインメニューにガイドされ、このメインメニューではここでも、オープン可能な複数のアプリケーション7がピクトグラムによって表示される。
【0050】
音楽機能を備えたアプリケーション7の実施例に基づき、操作ユニット1により、アプリケーション7の制御に対して制御命令がどのように生成されて伝送されるかを示す。矢印キー17aを操作することにより、選択されたプレイリストにおける前の曲が選択され、矢印キー17bを操作することによって次の曲が選択される。選択キー16を短く操作することにより、再生が停止される。改めて短く操作することにより、再生が継続される。バックスペースキー18を操作することにより、選択された楽曲が最初から改めて再生される。
【0051】
4方向スイッチのキーは、第2の機能を備えたオープン可能なアプリケーション7を制御するために確保されていてもよい。例えば、キー17aを長く押下することにより、再生される楽曲の音量が増大されるように構成可能である。矢印キー17bを長く操作することにより、音量が減少される。バックスペースキー18を長く操作することにより、メインメニューにガイドされる。切換装置16としても機能する選択キー16を長く操作することにより、多機能装置2が制御される、操作ユニット1の動作モードが終了する。
【0052】
この実施例では、選択キー16は切換装置として使用される。切換装置16に対して、別のスイッチを設けるか、またはディスプレイユニット3に多機能装置2の制御を起動するための選択肢を設けることも考えられる。
【0053】
図3には、本発明の一実施形態が概略図で示されており、ここでは、6方向スイッチを有する操作ユニット1により、バス線路9、例えばCANバス線路を介して、スマートフォンとして構成された多機能装置2に制御命令を伝送可能である。多機能装置2は、ホルダ12に配置されている。バス線路9は、適切なプラグを介して多機能装置2に接続可能である。しかしながら、ホルダ12が送信ユニット6を有し、この送信ユニット6により、無線で多機能装置2に制御命令を伝送可能にすることも可能である。この実施例において、送信ユニット6は、ブルートゥース(登録商標)モジュールとは別の選択肢として使用可能なNFC送信ユニットである。多機能装置2は、受信装置を有する。これにより、ヘッドセット5によって生成されてブルートゥース(登録商標)によって伝送される制御命令を受信可能である。これにより、ボイスコマンドを用いてアプリケーション7を制御可能である。NFC送信ユニットについてのシンボルの他に表示されるシンボルにより、ホルダ12が、誘導式充電装置13を有することが示されている。
【0054】
ここで図示されている実施形態において、操作ユニット1は、6方向スイッチとして構成されており、操作ユニット1は、CANバス9を介してホルダ12に、ひいては送信ユニット6に接続されている。6方向スイッチは、左キーおよび右キーならびに上キーおよび下キーを備えた制御環を有する。この制御環の中央に配置されている押圧スイッチは、切換装置16として機能する。制御環の左上に配置された押圧スイッチは、バックスペースキー18として機能する。このスイッチの他にはクルーズコントロール機能を調節するのに使用される調節スイッチ19が配置されている。後ろの上方の領域には、ハイビームのオンオフに使用されるタンブラスイッチが配置されている。制御環の下方には、走行方向指示器用の調節スイッチが配置されている。この調節スイッチの下方には、ホーン用の押圧スイッチが配置されている。左側には、例えばクルーズコントロール機能のオンオフに使用される別の2つの押圧スイッチが配置されている。
【0055】
図4aには、本発明の別の一実施形態が概略図で示されている。ここでは操作ユニット1は、有線の線路8を介して送信ユニット6に接続されている。送信ユニット6それ自体は、有線の線路8によってディスプレイユニット3に接続されている。送信ユニット6は、マイクロコントローラとブルートゥース(登録商標)モジュールとを有し、これらにより、操作ユニット1によって生成された制御命令は、ブルートゥース(登録商標)を介して多機能装置2に伝送可能である。
【0056】
多機能装置2も同様にブルートゥース(登録商標)を介してヘッドセット5に接続されている。多機能装置2は、制御命令およびデータをヘッドセット5に伝送可能な送信装置を有する。同時に多機能装置2は、インストールされたアプリケーション7を制御する、ヘッドセット5からの制御命令を受信可能な受信装置も有する。
【0057】
図4bには本発明の別の一実施形態が概略図で示されている。この実施形態は、送信ユニット6が、ディスプレイユニット3の組み込み構成部分である点が、
図4aに示された実施形態と異なっている。
【0058】
動作モードを切り換える本発明によるコンピュータプログラム製品は、例えば、制御ユニット、送信ユニット、通信ユニット、ディスプレイユニットにおいて、または操作ユニットにおいて直接に、オートバイのコンピュータ読み出し可能記憶媒体に格納されている。
【0059】
図5には概略図で本発明の別の一実施形態が示されている。ここでも操作ユニット1は、有線の線路8によってディスプレイユニット3に接続されている。例えばCANバス線路の形態のバス線路9を介して、ディスプレイユニット3は、通信ユニット15に接続されている。通信ユニット15は、オートバイ10の種々異なる構成部分と通信するために使用される。特に、通信ユニット15は、送信ユニット6を有し、この送信ユニット6により、無線で、好適にはブルートゥース(登録商標)規格にしたがって多機能装置2に制御命令を伝送可能である。多機能装置2は、送信装置を有し、この送信装置により、無線で、ここでも好ましくはブルートゥース(登録商標)規格にしたがって、例えばスマートウォッチまたはカメラまたはヘッドセット5のような外部装置4にデータおよび/または制御命令を伝送可能である。さらに、送信装置により、データ、例えば楽曲も外部装置4に、特にヘッドセット5に伝送可能である。
【0060】
多機能装置2はさらに受信装置を有し、この受信装置により、外部装置4からかつ/またはヘッドセット5からデータおよび/または制御命令を受信可能である。
【0061】
図6には、この場合にはスマートフォンの収容部として構成されているホルダ12が示されている。ホルダ12は、充電クレードルおよびこれに接続されている充電ケーブルからなる誘導式充電装置13を有し、充電ケーブルはオートバイ10の電力供給部に接続されている。
【0062】
図7には、ホルダ12に配置されているスマートフォンの形態の多機能装置2の図が示されている。図示されているのは、本発明によるアプリケーションによってオープン可能な別の複数のアプリケーション7についてのピクトグラムを有するスクリーン14である。ここでは、例示的に、走行中に操作ユニット1を介して操作可能ないくつかのアプリケーション7が挙げられている。
【0063】
オープン可能な一アプリケーション7は、ナビゲーション機能を有する。このアプリケーション7は、例えば、自動車運転者に特に好まれているGoogle(登録商標)マップアプリケーションであってよい。というのはこのアプリケーションは、明快かつ簡単に操作でき、さらに優れたリアルタイム交通情報を提供するからである。ここでは、このアプリケーションの機能全体が提供されるのでなく、走行中の動作に適合された、減少された機能が提供されるように構成可能である。Google(登録商標)マップアプリケーションにより、さらに、別のアプリケーションから、特に本発明によるアプリケーション(インタフェース-アプリケーションから)から目的地ガイドをスタートさせることが可能な、広範囲にわたるインタフェースが提供される。さらにナビゲーション目的地をサーチすることができ、比較的に近い周辺地域における場所、例えばガソリンスタンドが提示される。
【0064】
操作ユニット1によって制御可能な別のオープン可能な一アプリケーション7は、音楽機能を有する。これは、例えば、多機能装置2に記憶されている楽曲にアクセスする音楽プレーヤであってよい。しかしながらこれはストリーミングサービスプロバイダであってもよい。
【0065】
本発明によるアプリケーションによってオープン可能な別の一アプリケーション7は、メッセージング機能を有する。これにより、メッセージを受信または送信することができる。このアプリケーション7は、無線で受信した、ヘッドセット5のボイスコマンドを介して制御可能である。さらに多機能装置2によって受信したメッセージは、音声に変換してヘッドセット5に伝送可能である。
【0066】
別の一アプリケーション7は、電話機能を有する。ここでもヘッドセット5によって通話を行うことができる。この際にはヘッドセット5を介し、かつ/または操作ユニット1を介し、連絡先一覧から、呼び出される相手を選択可能である。
【0067】
本発明のアプリケーションによってオープン可能な別の一アプリケーション7は、天候機能を有する。このアプリケーション7を選択することにより、場合によって音声で出力される天気予報が供給され、この際にアプリケーション7は、現在地データにアクセス可能である。
【0068】
さらに、例えばヘルメットまたはオートバイ10に取り付けられている外部カメラを駆動制御する一アプリケーション7をオープンして制御可能である。
【0069】
オープン可能でありかつ駆動制御可能な別の一アプリケーション7により、オートバイ10の走行状態についての、かつ/または動作パラメータについての情報が表示される。このアプリケーション7が停止してしまった際には、多機能装置2のスクリーン14が、ディスプレイユニット3とは別の、付加的なスクリーンとして使用される。
【符号の説明】
【0070】
1 操作ユニット
2 多機能装置
3 ディスプレイユニット
4 外部装置
5 ヘッドセット
6 送信ユニット
7 オープン可能なアプリケーション
8 有線の線路
9 バス線路
10 オートバイ
11 ハンドル
12 ホルダ
13 充電装置
14 スクリーン
15 通信ユニット
16 切換装置
17a、17b 矢印キー
18 バックスペースキー
19 調節スイッチ