(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】中間転写部材
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20230105BHJP
B41M 5/00 20060101ALI20230105BHJP
H05B 3/00 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
B41J2/01 101
B41J2/01 125
B41J2/01 401
B41M5/00 100
H05B3/00 335
(21)【出願番号】P 2020500816
(86)(22)【出願日】2018-07-11
(86)【国際出願番号】 IB2018055126
(87)【国際公開番号】W WO2019012456
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-08
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514210005
【氏名又は名称】ランダ コーポレイション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チェチク,ヘレナ
(72)【発明者】
【氏名】リヴァデル,ショーハム
(72)【発明者】
【氏名】バー-オン,マタン
(72)【発明者】
【氏名】アバーエフ,バディム
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/166690(WO,A1)
【文献】特開2013-121671(JP,A)
【文献】特開2007-253347(JP,A)
【文献】特開2009-271422(JP,A)
【文献】特開平10-130597(JP,A)
【文献】特公昭48-043941(JP,B1)
【文献】特開2013-104044(JP,A)
【文献】特表2015-510848(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0221943(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドレスベルトを印刷システム内に設置するためのキットであって、前記キットは、
-前記印刷システムに沿って誘導されるように構成された第1の自由端および第2の自由端を有する可撓性ベルト
であって、前記可撓性ベルトは、前記第1の自由端および前記第2の自由端の各々に小穴継ぎを含み、前記小穴継ぎが互い隣接して位置付けられているときにチャネルが形成される、可撓性ベルトと、
-
熱硬化性テープであって、基板層
、および
前記熱硬化性テープの基板層の上に配置された固形シリコーンゴム層を
備える、熱硬化性テープと、
を
備え、
(1)前記チャネルは、前記熱硬化性テープをその中に収容するようなサイズにされて適合され、
(2)前記熱硬化性テープは、
前記第1の自由端および前記第2の自由端が前記チャネルを形成するように互いに隣接して位置付けられているときに前記可撓性ベルトの第1の自由端および第2の自由端上に貼り付けられて、前記熱硬化性テープの固形シリコーンゴム層を前記可撓性ベルトの第1の自由端および第2の自由端に対して熱硬化させるために加熱され、そのため前記第1の自由端および前記第2の自由端を結合する継ぎ目を形成し、それにより前記可撓性ベルトをエンドレスベルトに変換するように適合される、
キット。
【請求項2】
前記可撓性ベルトは、以下の特性:
1~20メートル、5~20メートル、5~15メートル、5~12メートル、または7~12メートルの範囲内の長さ、
0.1~2.0メートル、0.3~2.0メートル、0.5~2.0メートル、0.75~2.0メートル、0.75~1.5メートル、または0.75~1.25メートルの範囲内の幅、および
50~3000μm、100~3000μm、200~3000μm、200~1500μm、300~1000μm、300~800μm、300~700μm、または100~600μmの範囲内の厚さ
の少なくとも1つを有する、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記固形シリコーンゴム
層は熱硬化性ポリマーを
備える、請求項1または
請求項2に記載のキット。
【請求項4】
前記基板層はガラス繊維層を
備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のキット。
【請求項5】
前記基板層は110μm~170μmの範囲内の厚さを有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のキット。
【請求項6】
前記固形シリコーンゴム層の厚さと前記基板層の厚さとの間の比率は、0.10~0.75の範囲内にある、請求項1乃至
5のいずれか1項に記載のキット。
【請求項7】
前記熱硬化性テープの厚さと前記可撓性ベルトの厚さとの間の比率は、0.15~11.15の範囲内にある、請求項1乃至
6のいずれか1項に記載のキット。
【請求項8】
前記熱硬化性テープの幅と前記可撓性ベルトの長さとの間の比率は、0.01~0.03の範囲内にある、請求項1乃至
7のいずれか1項に記載のキット。
【請求項9】
前記熱硬化性テープのポットライフは、前記固形シリコーンゴム層の有効期間に等しい、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のキット。
【請求項10】
前記キットは、前記熱硬化性テープが前記可撓性ベルトの第1の自由端および第2の自由端に貼り付けられるときに前記熱硬化性テープの下に配置されるように適合され、かつ、前記熱硬化性テープの固形シリコーンゴム層を熱硬化させるために十分な熱を供給し、それにより前記熱硬化性テープを熱硬化させて前記エンドレスベルトを形成するように適合された加熱器を備え、
前記加熱器は加熱表面を含み、前記加熱器は、前記加熱表面の中心よりも前記加熱表面の端部においてより大きい熱密度を提供するように適合される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のキット。
【請求項11】
前記加熱器は、その作動中に、前記加熱表面の中心において第1の作動温度を提供し、前記加熱表面の端部において、前記第1の作動温度よりも高い、第2の作動温度を提供するように適合される、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記加熱器は、その作動中に、前記可撓性ベルトの第1の自由端および第2の自由端が前記加熱表面上に配置されており、前記熱硬化性テープが前記第1の自由端および前記第2の自由端の上に配置されているときに、前記熱硬化性テープの全体にわたって均一温度を提供するように適合される、請求項10または請求項11に記載のキット。
【請求項13】
前記可撓性ベルトは、前記第1の自由端および前記第2の自由端に取り付けられた少なくとも1つの磁気要素を有し、前記加熱器は、前記熱硬化性テープの熱硬化中に前記少なくとも1つの磁気要素を磁力で引き付けるように適合された少なくとも1つの対応する磁気要素を含む、請求項10乃至12のいずれか1項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、全て「INTERMEDIATE TRANSFER MEMBER」というタイトルである、2017年7月14日に出願された米国仮出願第62/532,400号、2018年3月10日に出願された米国仮出願第62/641,296号、および2018年6月3日に出願された米国仮出願第62/679,839号からの優先権を主張する。米国仮出願第62/532,400号、第62/641,296号、および第62/679,839号は全て、本明細書に完全に記載されているかのように、参照によって組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明の分野および背景
本開示は、印刷システムで使用される中間転写部材(ITM)に関し、印刷システムでは、液体インク液滴が像形成ステーションにおいて可動中間転写部材上に置かれ、刷版ステーション(impression station)において中間転写部材から印刷基板に転写される。具体的には、本開示は可撓性細長ベルトとして形成された中間転写部材に関し、その端部は熱硬化性テープを用いて相互に結合されて、エンドレスブランケットまたはベルトを形成する。本開示は、熱硬化性テープおよび中間転写部材を対応する印刷システム内に設置するためのシステムおよび装置にさらに関する。
【0003】
中間転写部材は、細長い可撓性ベルトから形成され、それは、印刷システムを通して装着され、ベルトの自由端が相互に結合されて中間転写部材のエンドレスベルトを形成する。ベルトの自由端を結合するために使用される部分および要素は本明細書では継ぎ目要素と呼ばれる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、いくつかの実施形態では、間接的印刷システムとの併用に適した中間転写部材を形成するために細長ベルトの端部を結合するための熱硬化性テープに関する。
【0005】
本発明は、いくつかの実施形態では、中間転写部材を印刷システムに設置するためのキットに関し、本キットは細長ベルトおよび熱硬化性テープを含む。
【0006】
本発明は、いくつかの実施形態では、細長ベルトおよび熱硬化性テープから形成された中間転写部材を含む印刷システムに関する。
【0007】
本発明は、いくつかの実施形態では、中間転写部材を印刷システムに設置するためのキットに関し、本キットは熱硬化性テープおよび接着剤を含む。
【0008】
本発明は、いくつかの実施形態では、中間転写部材を印刷システムに設置するための方法に関し、中間転写部材は、細長ベルトおよび細長ベルトの端部を継ぎ目で接合する熱硬化性テープを含む。
【0009】
本発明は、いくつかの実施形態では、印刷システムの中間転写部材を形成するために熱硬化性テープを細長ベルトの自由端上に熱硬化させるための加熱器、かかる加熱器を含む印刷システム、およびかかる加熱器を使用する方法に関する。
【0010】
本発明は、いくつかの実施形態では、エンドレスベルトを印刷システムに設置するためのキットに関し、本キットは細長ベルトおよび取付け機構を含む。
【0011】
以下でさらに詳細に説明するように、本発明に従った熱硬化性テープは、基板層およびその基板層上に配置された固形シリコーンゴム層を含む。熱硬化性テープは、印刷システムの適切な経路を通って誘導された可撓性ベルトの第1および第2の自由端上に貼り付けられ、次いで、固形シリコーンゴムを可撓性ベルトの自由端に対して熱硬化させるために加熱され、それにより可撓性ベルトを中間転写部材のエンドレスベルトに変換する。熱は、加熱器によって熱硬化性テープに印加されて、中間転写部材が設置されている印刷システムの一部を形成し得、加熱器は典型的には、熱硬化性テープの加熱中にベルトの自由端の下に配置される。
【0012】
従って、本発明の第1の態様の一実施形態に従い、エンドレスベルトを印刷システムに設置するためのキットが提供され、本キットは、
-印刷システムに沿って誘導されるように構成された第1および第2の自由端を有する可撓性ベルト、
-基板層およびその上に配置された固形シリコーンゴム層を含む、熱硬化性テープ
を含み、
熱硬化性テープは、可撓性ベルトの第1および第2の自由端上に貼り付けて、テープの固形シリコーンゴム層を可撓性ベルトの第1および第2の自由端に対して熱硬化させるために加熱されて、第1および第2の自由端を結合する継ぎ目を形成し、それにより可撓性ベルトをエンドレスベルトに変換するように適合される。
【0013】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは1~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0014】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0015】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~15メートルの範囲内の長さを有する。
【0016】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0017】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは7~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0018】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.1~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0019】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.3~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0020】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.5~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0021】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0022】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.5メートルの範囲内の幅を有する。
【0023】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.25メートルの範囲内の幅を有する。
【0024】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは50~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0025】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0026】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0027】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~1500μmの範囲内の厚さを有する。
【0028】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~1000μmの範囲内の厚さを有する。
【0029】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~800μmの範囲内の厚さを有する。
【0030】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~700μmの範囲内の厚さを有する。
【0031】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~600μmの範囲内の厚さを有する。
【0032】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープは少なくとも8MPaの引張り強度を有する。
【0033】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープは少なくとも45のショアA硬度を有する。
【0034】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープは80以下のショアA硬度を有する。
【0035】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、次の特性は真である、すなわち、
テープは少なくとも8MPaの引張り強度を有する、
テープは少なくとも45のショアA硬度を有する、かつ
熱硬化性テープの強度はテープの硬化中に固形シリコーンゴム層に印加された熱量に直接比例する。
【0036】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、固形シリコーンゴム層は55~65の範囲のショアA硬度を有する。
【0037】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは熱硬化性ポリマーを含む。
【0038】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性ポリマーは白金触媒付加硬化型固形シリコーンゴムを含む。
【0039】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは1.1~1.2g/cm^3の範囲の密度を有する。
【0040】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは1.15g/cm^3の密度を有する。
【0041】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも1か月の有効期間を有する。
【0042】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも6か月の有効期間を有する。
【0043】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも1年の有効期間を有する。
【0044】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは固形シリコーンゴムの有効期間に等しい。
【0045】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも1か月である。
【0046】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも6か月である。
【0047】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも1年である。
【0048】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、基板層はガラス繊維層を含む。
【0049】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、基板層は、ガラス繊維層に結合された、シリコーンコーティング層をさらに含む。
【0050】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、シリコーンコーティング層は、75~80の範囲のショアA硬度を有する。
【0051】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、基板層は110μm~170μmの範囲の厚さを有する。
【0052】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、基板層は160μmの厚さを有する。
【0053】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層は20μm~120μmの範囲の厚さを有する。
【0054】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の厚さと基板層の厚さの比率は、0.10~0.75の範囲である。
【0055】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、硬化性テープは180μm~270μmの範囲の厚さを有する。
【0056】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、テープの厚さとベルトの厚さの比率は、0.15~11.15の範囲である。
【0057】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの長さは可撓性ベルトの幅よりも大きい。
【0058】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの長さは1200mm~1300mmの範囲である。
【0059】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの幅は20mm~30mmの範囲である。
【0060】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、テープの幅とベルトの長さの比率は、0.01~0.03の範囲である。
【0061】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、キットは、熱硬化性テープが可撓性ベルトの第1および第2の端部に貼り付けられる場合に熱硬化性テープの下に配置されるように適合され、熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるために十分な熱を供給し、それにより熱硬化性テープを熱硬化させてエンドレスベルトを形成するように適合された加熱器をさらに含む。
【0062】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、熱硬化されるテープの幅よりも大きい幅を有する加熱表面を含む。本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、加熱表面の端部において加熱表面の中心におけるよりも大きい熱密度が提供されるように設計される。
【0063】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、複数の発熱体を含み、加熱表面の端部において加熱表面の中心におけるよりも大きい熱密度が提供されるように、発熱体は加熱表面にわたって不均等に分散される。
【0064】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体はセラミック板上に印刷される。
【0065】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体はフィラメント上に印刷される。
【0066】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体は雲母片上に印刷される。
【0067】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体はシリコン片上に印刷される。
【0068】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、その作動中に、加熱表面の中心において第1の作動温度を提供し、加熱表面の端部において第2の作動温度を提供するように適合される。
【0069】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、第1の作動温度は140C~180Cの範囲である。
【0070】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、第2の作動温度は180C~220Cの範囲である。
【0071】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、その作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合に、熱硬化性テープにわたって均一温度を提供するように適合される。
【0072】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、均一温度は130C~180Cの範囲である。
【0073】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で1分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0074】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で3分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0075】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で5分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0076】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で10分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0077】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で15分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0078】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で20分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0079】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で1分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0080】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で3分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0081】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で5分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0082】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で10分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0083】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、アルミニウム、銅、および黄銅から成る群から選択された金属から形成される。
【0084】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、加熱表面は、2.35W/cmK~40W/cmKの範囲の熱伝導率を有する。
【0085】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性細長ベルトは、第1および第2の端部に取り外し可能に取り付けられた位置決め配置を有し、位置決め配置は、熱硬化性テープの熱硬化中にベルトの第1および第2の端部を加熱器の加熱表面上に位置付けるために適合される。
【0086】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの磁気要素を含み、かつ加熱器は、熱硬化性テープの熱硬化中に位置決め配置の少なくとも1つの磁気要素を磁力で引き付けるように適合された少なくとも1つの対応する磁気要素を含む。
【0087】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの磁気要素は、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部の各々に取り外し可能に取り付けられた磁性金属片を含む。
【0088】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの対応する磁気要素は、少なくとも1つのサマリウムコバルト磁石を含む。
【0089】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、両面接着剤を含む。
【0090】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの固定ピンを含み、かつ加熱器は、熱硬化性テープの熱硬化中に少なくとも1つの固定ピンを受け入れるように適合された、少なくとも1つの対応する固定穴を含む。
【0091】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの細長い隆起部を含み、かつ加熱表面は、熱硬化性テープの熱硬化中に少なくとも1つの細長い隆起部を受け入れて係合するように適合された、少なくとも1つの対応する細長い溝を含む。
【0092】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、静電力発生配置を含む。
【0093】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、非断熱材で形成される。本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも0.8W/cmKの熱伝導率を有する。
【0094】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは、第1および第2の端部の各々に小穴継ぎ(rebate)を含み、小穴継ぎが相互に隣接して位置付けられている場合にチャネルが形成され、チャネルは熱硬化性テープをその中に収容するようなサイズにされて適合される。
【0095】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、小穴継ぎの各々は140μm~250μmの範囲の深さを有する。
【0096】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの強度は、その硬化の後、テープの硬化中に固形シリコーンゴム層に印加された熱量に直接比例する。
【0097】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも200Nの荷重に耐えることが可能である。
【0098】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも220Nの荷重に耐えることが可能である。
【0099】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも250Nの荷重に耐えることが可能である。
【0100】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、350Nを超える荷重に耐えることができない。
【0101】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、380Nを超える荷重に耐えることができない。
【0102】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、400Nを超える荷重に耐えることができない。
【0103】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、250N~350Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0104】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、220N~380Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0105】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、200N~400Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0106】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、(i)可撓性ベルトは、各側方縁部の少なくとも一部に沿って複数の側方形成を含み、かつ(ii)可撓性ベルトの自由端の各一方における各側方縁部上の側方形成の少なくとも1つは、取付け機構に取り付けるために適合された固着構造を含み、取付け機構は、可撓性ベルトの各側方縁部の対向する自由端において側方に延在している形成の1つを取り付けるために適合される。
【0107】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、キットは、少なくとも2つの取付け機構を追加として含み、各々は、ベルトの各側方縁部の対向する自由端において少なくとも2つの固着構造を係合し、取付け機構によって係合された固着構造と関連付けられた側方に延在している形成を取り付け、それにより可撓性ベルトの各側方縁部の対向する自由端を取り付けるように適合される。
【0108】
本発明の第1の態様のいくつかの実施形態では、各固着構造は、対応する側方形成を通してベルトの表面に直角の方向に延在する圧着ピン穴を含み、かつ各取付け機構は、圧着ピン穴の直径以下の直径を有し、ベルトの側方縁部の一方の対向する自由端の各々に1つの、2つの圧着ピン穴に同時に係合するように適合された、圧着ピンを含む。
【0109】
本発明の第1の態様の任意の実施形態は、それらが矛盾しなければ、相互に組み合わされ得ること、およびかかる組合せ(すなわち、簡潔にするために明示的には書かれていないものを含む)の一部または全部は、本発明の実施形態としてここで明示的に企図されることが理解される。
【0110】
本発明の第2の態様の一実施形態に従い、
-エンドレスベルトを含む中間転写部材(ITM)であって、エンドレスベルトは、
(i)基板層およびその上に配置された固形シリコーンゴム層を含む、熱硬化性テープ、ならびに
(ii)第1および第2の端部を有する可撓性細長ベルトであって、第1および第2の端部は熱硬化性テープによって継ぎ目で結合される、可撓性細長ベルト
を含む、中間転写部材(ITM)、
-インクの液滴が中間転写部材の外表面に塗布されてインク像を形成する像形成ステーション、
-インク像を乾燥させてインク残留フィルムを残すための乾燥ステーション、ならびに
-残留フィルムがシートまたはウェブ基板シートに転写される刷版ステーション
を含む、印刷システムがさらに提供される。
【0111】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは1~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0112】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0113】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~15メートルの範囲内の長さを有する。
【0114】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0115】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは7~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0116】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.1~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0117】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.3~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0118】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.5~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0119】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0120】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.5メートルの範囲内の幅を有する。
【0121】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.25メートルの範囲内の幅を有する。
【0122】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは50~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0123】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0124】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0125】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~1500μmの範囲内の厚さを有する。
【0126】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~1000μmの範囲内の厚さを有する。
【0127】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~800μmの範囲内の厚さを有する。
【0128】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~700μmの範囲内の厚さを有する。
【0129】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~600μmの範囲内の厚さを有する。
【0130】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化性テープは少なくとも8MPaの引張り強度を有する。
【0131】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化性テープは少なくとも45のショアA硬度を有する。
【0132】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化性テープは80以下のショアA硬度を有する。
【0133】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化性テープは45~80の範囲のショアA硬度を有する。
【0134】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、固形シリコーンゴム層は55~65の範囲のショアA硬度を有する。
【0135】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、次の特性は真である、すなわち、
テープは少なくとも8MPaの引張り強度を有する、
テープは少なくとも45のショアA硬度を有する、かつ
熱硬化性テープの強度はテープの硬化中に固形シリコーンゴム層に印加された熱量に直接比例する。
【0136】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは熱硬化性ポリマーを含む。
【0137】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性ポリマーは白金触媒付加硬化型固形シリコーンゴムを含む。
【0138】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは1.1~1.2g/cm^3の範囲の密度を有する。
【0139】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは1.15g/cm^3の密度を有する。
【0140】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも1か月の有効期間を有する。
【0141】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも6か月の有効期間を有する。
【0142】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも1年の有効期間を有する。
【0143】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは固形シリコーンゴムの有効期間に等しい。
【0144】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも1か月である。
【0145】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも6か月である。
【0146】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも1年である。
【0147】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、基板層はガラス繊維層を含む。
【0148】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、基板層は、ガラス繊維層に結合された、シリコーンコーティング層をさらに含む。
【0149】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、シリコーンコーティング層は、75~80の範囲のショアA硬度を有する。
【0150】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、基板層は110μm~170μmの範囲の厚さを有する。
【0151】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、基板層は160μmの厚さを有する。
【0152】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層は20μm~120μmの範囲の厚さを有する。
【0153】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の厚さと基板層の厚さの比率は、0.10~0.75の範囲である。
【0154】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープは、180μm~270μmの範囲の厚さを有する。
【0155】
本発明の第2態様のいくつかの実施形態では、テープの厚さとベルトの厚さの比率は、0.15~11.15の範囲である。
【0156】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの長さは可撓性ベルトの幅よりも大きい。
【0157】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの長さは1200mm~1300mmの範囲である。
【0158】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの幅は20mm~30mmの範囲である。
【0159】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、テープの幅とベルトの長さの比率は、0.01~0.03の範囲である。
【0160】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも200Nの荷重に耐えることが可能である。
【0161】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも220Nの荷重に耐えることが可能である。
【0162】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも250Nの荷重に耐えることが可能である。
【0163】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、350N以下の荷重に耐えることが可能である。
【0164】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、380N以下の荷重に耐えることが可能である。
【0165】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、400N以下の荷重に耐えることが可能である。
【0166】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、250N~350Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0167】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、220N~380Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0168】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、200N~400Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0169】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、中間転写部材は、継ぎ目の破損がなければ少なくとも2週間の期間、130C~170Cの範囲の作動温度で印刷システムにおいて間接インクジェット印刷のために使用される。
【0170】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性細長ベルトは、第1および第2の端部の各々に小穴継ぎを含み、エンドレスベルトでは、熱硬化性テープは、相互に隣接して位置付けられている小穴継ぎによって形成されたチャネル内に収容される。
【0171】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、小穴継ぎの各々は140μm~250μmの範囲の深さを有する。
【0172】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、印刷システムは、中間転写部材の下に配置されて、熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるのに十分な熱を供給し、それにより熱硬化性テープを第1および第2の端部に対して熱硬化させてエンドレスベルトを形成するように適合された加熱器を含む。
【0173】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、熱硬化されるテープの幅よりも大きい幅を有する加熱表面を含む。
【0174】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、印刷システムのベルト支持システムの部分を形成し、印刷システムの作動中にエンドレスベルトを誘導するように適合された隣接するローラーが取り付けられる。
【0175】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、加熱表面の端部において加熱表面の中心におけるよりも大きい熱密度が提供されるように設計される。
【0176】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、複数の発熱体を含み、加熱表面の端部において加熱表面の中心におけるよりも大きい熱密度が提供されるように、発熱体は加熱表面にわたって不均等に分散される。
【0177】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体はセラミック板上に印刷される。
【0178】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体はフィラメント上に印刷される。
【0179】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体は雲母片上に印刷される。
【0180】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体はシリコン片上に印刷される。
【0181】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、その作動中に、加熱表面の中心において第1の作動温度を提供し、加熱表面の端部において第2の作動温度を提供するように適合される。
【0182】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、第1の作動温度は140C~180Cの範囲である。
【0183】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、第2の作動温度は180C~220Cの範囲である。
【0184】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、その作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合に、熱硬化性テープにわたって均一温度を提供するように適合される。
【0185】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、均一温度は130C~180Cの範囲である。
【0186】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で1分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0187】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で3分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0188】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で5分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0189】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で10分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0190】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で15分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0191】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で20分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0192】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で1分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0193】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で3分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0194】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で5分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0195】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で10分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0196】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、アルミニウム、銅、および黄銅から成る群から選択された金属から形成される。
【0197】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、加熱表面は、2.35W/cmK~40W/cmKの範囲の熱伝導率を有する。
【0198】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、可撓性細長ベルトは、第1および第2の端部に取り外し可能に取り付けられた位置決め配置を有し、位置決め配置は、熱硬化性テープの熱硬化中にベルトの第1および第2の端部を加熱器の加熱表面の上に位置付けるために適合される。
【0199】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの磁気要素を含み、かつ加熱器は、熱硬化性テープの熱硬化中に位置決め配置の少なくとも1つの磁気要素を磁力で引き付けるように適合された少なくとも1つの対応する磁気要素を含む。
【0200】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの磁気要素は、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部の各々に取り外し可能に取り付けられた磁性金属片を含む。
【0201】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの対応する磁気要素は、少なくとも1つのサマリウムコバルト磁石を含む。
【0202】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、両面接着剤を含む。
【0203】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの固定ピンを含み、かつ加熱器は、熱硬化性テープの熱硬化中に少なくとも1つの固定ピンを受け入れるように適合された、少なくとも1つの対応する固定穴を含む。
【0204】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの細長い隆起部を含み、かつ加熱器は、熱硬化性テープの熱硬化中に少なくとも1つの細長い隆起部を受け入れて係合するように適合された、少なくとも1つの対応する細長い溝を含む。
【0205】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、静電力発生配置を含む。
【0206】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、非断熱材で形成される。
【0207】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも0.8W/cmKの熱伝導率を有する。
【0208】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの強度は、その硬化の後、テープの硬化中に固形シリコーンゴム層に印加された熱量に直接比例する。
【0209】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、(i)可撓性細長ベルトは、各側方縁部の少なくとも一部に沿って複数の側方形成を含み、(ii)可撓性ベルトの自由端の各一方における各側方縁部上の側方形成の少なくとも1つは、取付け機構に取り付けるために適合された固着構造を含み、かつ(iii)印刷システムは、各々がベルトの側方縁部の一方の対向する自由端において少なくとも2つの固着構造と係合してその少なくとも2つの固着構造と関連付けられた側方に延在している形成を取り付け、それにより可撓性ベルトの各側方縁部の対向する自由端を取り付ける、少なくとも2つ取付け機構をさらに含む。
【0210】
本発明の第2の態様のいくつかの実施形態では、各固着構造は、対応する側方形成を通してベルトの表面に直角の方向に延在する圧着ピン穴を含み、かつ各取付け機構は、圧着ピン穴の直径以下の直径を有し、ベルトの側方縁部の一方の対向する自由端の各々に1つの、2つの圧着ピン穴に同時に係合する、圧着ピンを含む。
【0211】
本発明の第2の態様の任意の実施形態は、それらが矛盾しなければ、相互に組み合わされ得ること、およびかかる組合せ(すなわち、簡潔にするために明示的には書かれていないものを含む)の一部または全部は、本発明の実施形態としてここで明示的に企図されることが理解される。
【0212】
本発明の第3の態様の一実施形態に従い、第1および第2の自由端を有する可撓性ベルトからエンドレスベルトを形成する方法も提供され、本方法は、
第1および第2の自由端が印刷システム内に配置された加熱器の上に位置づけられるように可撓性ベルトが印刷システムのベルト経路を通して装着される場合に、次:
(i)基板層およびその上に配置された固形シリコーンゴム層、またはそれらのそれぞれ一部を含む、熱硬化性テープを、可撓性ベルトの第1および第2の自由端の上に貼り付けること、ならびに
(ii)熱硬化性テープの固形シリコーンゴム層を可撓性ベルトの第1および第2の自由端に対して熱硬化させて、第1および第2の自由端を結合する継ぎ目を形成し、それにより可撓性ベルトをエンドレスベルトに変換すること
を実行することを含む。
【0213】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトはその側面に沿って側方形成を含み、本方法は、可撓性ベルトを印刷システムに沿って誘導するために印刷システムの側方トラックと形成を係合することによりベルト経路を通して可撓性ベルトを装着することをさらに含む。
【0214】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、本方法は、加熱器を中間転写部材の下に提供することをさらに含み、熱硬化は加熱器を動作させて熱硬化のために十分な熱を供給することを含む。
【0215】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、本方法は、熱硬化性テープを貼り付けた後、熱硬化の前に、熱硬化性テープとベルトとの間の間隙を密閉するために熱硬化性テープの露出面の上および/または周囲に接着剤を塗布することをさらに含む。
【0216】
本発明の第3の態様の別の実施形態に従い、第1および第2の自由端を有する可撓性ベルトからエンドレスベルトを形成する方法が追加として提供され、本方法は、
-基板層およびその上に配置された固形シリコーンゴム層、またはそれらのそれぞれ一部を含む、熱硬化性テープを提供すること、
-固形シリコーンゴム層を熱硬化させるために十分な熱を供給するように適合された加熱器を提供すること、
-第1および第2の自由端を加熱器の上に位置付けるように印刷システムのベルト経路を通して可撓性ベルトを装着すること、
-熱硬化性テープを、可撓性ベルトの第1および第2の自由端の上に貼り付けること、ならびに
-加熱器を使用して、熱硬化性テープの固形シリコーンゴム層を可撓性ベルトの第1および第2の自由端に対して熱硬化させて、第1および第2の自由端を結合する継ぎ目を形成し、それにより可撓性ベルトからエンドレスベルトを形成すること
を含む。
【0217】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、本方法は、熱硬化性テープを貼り付けた後、熱硬化の前に、熱硬化性テープとベルトとの間の間隙を密閉するために熱硬化性テープの露出面の上および/または周囲に接着剤を塗布することをさらに含む。
【0218】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは1~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0219】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0220】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~15メートルの範囲内の長さを有する。
【0221】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0222】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは7~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0223】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.1~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0224】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.3~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0225】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.5~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0226】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0227】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.5メートルの範囲内の幅を有する。
【0228】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.25メートルの範囲内の幅を有する。
【0229】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは50~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0230】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0231】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0232】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~1500μmの範囲内の厚さを有する。
【0233】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~1000μmの範囲内の厚さを有する。
【0234】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~800μmの範囲内の厚さを有する。
【0235】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~700μmの範囲内の厚さを有する。
【0236】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~600μmの範囲内の厚さを有する。
【0237】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化の後、テープは少なくとも8MPaの引張り強度を有する。
【0238】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化の後、テープは少なくとも45のショアA硬度を有する。
【0239】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化性テープは80以下のショアA硬度を有する。
【0240】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化の後、テープは45~80の範囲のショアA硬度を有する。
【0241】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、固形シリコーンゴム層は55~65の範囲のショアA硬度を有する。
【0242】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、次の特性は真である、すなわち、
テープは少なくとも8MPaの引張り強度を有する、
テープは少なくとも45のショアA硬度を有する、かつ
熱硬化性テープの強度はテープの硬化中に固形シリコーンゴム層に印加された熱量に直接比例する。
【0243】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは熱硬化性ポリマーを含む。
【0244】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性ポリマーは白金触媒付加硬化型固形シリコーンゴムを含む。
【0245】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは1.1~1.2g/cm^3の範囲の密度を有する。
【0246】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは1.15g/cm^3の密度を有する。
【0247】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも1か月の有効期間を有する。
【0248】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも6か月の有効期間を有する。
【0249】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも1年の有効期間を有する。
【0250】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは固形シリコーンゴムの有効期間に等しい。
【0251】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも1か月である。
【0252】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも6か月である。
【0253】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも1年である。
【0254】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、基板層はガラス繊維層を含む。
【0255】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、基板層は、ガラス繊維層に結合された、シリコーンコーティング層をさらに含む。
【0256】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、シリコーンコーティング層は、75~80の範囲のショアA硬度を有する。本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、基板層は110μm~170μmの範囲の厚さを有する。
【0257】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層は20μm~120μmの範囲の厚さを有する。
【0258】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の厚さと基板層の厚さの比率は、0.10~0.75の範囲である。
【0259】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、硬化性テープは、180μm~270μmの範囲の厚さを有する。
【0260】
本発明の第3態様のいくつかの実施形態では、テープの厚さとベルトの厚さの比率は、0.15~11.15の範囲である。
【0261】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの長さは可撓性ベルトの幅よりも大きい。
【0262】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの長さは1200mm~1300mmの範囲である。
【0263】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの幅は20mm~30mmの範囲である。
【0264】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、テープの幅とベルトの長さの比率は、0.01~0.03の範囲である。
【0265】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、熱硬化性テープの幅よりも大きい幅を有する加熱表面を含む。
【0266】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化は、加熱器を作動させて、少なくとも130Cの温度を最大で1分間の間、熱硬化性テープにわたって均一に提供することを含む。
【0267】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化は、加熱器を作動させて、少なくとも130Cの温度を最大で3分間の間、熱硬化性テープにわたって均一に提供することを含む。
【0268】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化は、加熱器を作動させて、少なくとも130Cの温度を最大で5分間の間、熱硬化性テープにわたって均一に提供することを含む。
【0269】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化は、加熱器を作動させて、少なくとも130Cの温度を最大で10分間の間、熱硬化性テープにわたって均一に提供することを含む。
【0270】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化は、加熱器を作動させて、少なくとも130Cの温度を最大で15分間の間、熱硬化性テープにわたって均一に提供することを含む。
【0271】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化は、加熱器を作動させて、少なくとも130Cの温度を最大で20分間の間、熱硬化性テープにわたって均一に提供することを含む。
【0272】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化は、加熱器を作動させて、加熱表面の端部において加熱表面の中心におけるよりも大きい熱密度を提供することを含む。
【0273】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化は、加熱器を作動させて、加熱器の加熱表面の中心において第1の作動温度を提供し、加熱器の加熱表面の端部において第2の作動温度を提供することを含む。
【0274】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、第1の作動温度は140C~180Cの範囲である。
【0275】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、第2の作動温度は180C~220Cの範囲である。
【0276】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、加熱器を作動させることは、加熱器を作動させて、第1および第2の作動温度を最大で1分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させることを含む。
【0277】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、加熱器を作動させることは、加熱器を作動させて、第1および第2の作動温度を最大で3分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させることを含む。
【0278】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、加熱器を作動させることは、加熱器を作動させて、第1および第2の作動温度を最大で5分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させることを含む。
【0279】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、加熱器を作動させることは、加熱器を作動させて、第1および第2の作動温度を最大で10分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させることを含む。
【0280】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、加熱器を作動させることは、加熱器を作動させて、第1および第2の作動温度を最大で15分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させることを含む。
【0281】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、加熱器を作動させることは、加熱器を作動させて、第1および第2の作動温度を最大で20分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させることを含む。
【0282】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、加熱器を作動させることは、加熱器の加熱表面の温度が最大で1分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように加熱器を作動させることを含む。
【0283】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、加熱器を作動させることは、加熱器の加熱表面の温度が最大で3分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように加熱器を作動させることを含む。
【0284】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、加熱器を作動させることは、加熱器の加熱表面の温度が最大で5分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように加熱器を作動させることを含む。
【0285】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、加熱器を作動させることは、加熱器の加熱表面の温度が最大で10分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように加熱器を作動させることを含む。
【0286】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、本方法は、
-ベルト経路を通して可撓性ベルトを装着する前に、第1および第2の自由端に位置決め配置を取り付けること、ならびに
-熱硬化性テープを貼り付ける前に、位置決め配置を使用して、第1および第2の自由端を加熱器に対して定位置に位置付けること
をさらに含む。
【0287】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、本方法は、熱硬化の後に、位置決め配置を可撓性ベルトから取り除くことをさらに含む。
【0288】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの磁気要素を含み、かつ位置決めは、少なくとも1つの磁気要素を加熱器の少なくとも1つの対応する磁気要素に磁力で係合することを含む。
【0289】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、両面接着剤を含む。
【0290】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの固定ピンを含み、かつ位置決めは、少なくとも1つの固定ピンを対応する固定穴に係合することを含む。
【0291】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの細長い隆起部を含み、かつ位置決めは、少なくとも1つの細長い隆起部を対応する溝と係合することを含む。
【0292】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、静電力発生配置を含む。
【0293】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、非断熱材で形成される。
【0294】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも2.35W/cmK~40W/cmKの熱伝導率を有する。
【0295】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、本方法は、
-ベルト経路を通して可撓性ベルトを装着する前に、可撓性ベルトの第1および第2の自由端の各々に小穴継ぎを形成すること、ならびに
-ベルト経路を通して可撓性ベルトを装着した後、小穴継ぎを相互に隣接して位置付けてチャネルを形成すること
をさらに含み、
-熱硬化性テープを貼り付けることは熱硬化性テープをチャネル内に収容することを含む。
【0296】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、小穴継ぎを形成することは、140μm~250μmの範囲の深さを有する小穴継ぎを形成することを含む。
【0297】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの強度は、その硬化の後、テープの硬化中に固形シリコーンゴム層に印加された熱量に直接比例する。
【0298】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープを含むエンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも200Nの荷重に耐えることが可能である。
【0299】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープを含むエンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも220Nの荷重に耐えることが可能である。
【0300】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープを含むエンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも250Nの荷重に耐えることが可能である。
【0301】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープを含むエンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、350Nを超える荷重に耐えることができない。
【0302】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープを含むエンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、380Nを超える荷重に耐えることができない。
【0303】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープを含むエンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、400Nを超える荷重に耐えることができない。
【0304】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープを含むエンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、250N~350Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0305】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープを含むエンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、220N~380Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0306】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープを含むエンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、200N~400Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0307】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、本方法は、熱硬化の後、継ぎ目の破損がなければ少なくとも2週間の期間、150Cの作動温度で印刷システムにおいてエンドレスベルトを作動させることをさらに含む。
【0308】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは、その各側方縁部の少なくとも一部に沿って複数の側方形成を含み、可撓性ベルトの自由端の各一方における各側方縁部上の側方形成の少なくとも1つは、取付け機構に取り付けるために適合された固着構造を含み、本方法は、少なくとも1つの取付け機構を、ベルトの各側面のそれぞれ第1および第2の自由端の各々の側方形成と関連付けられた固着構造に結合し、それによりベルトの第1および第2の自由端を相互に取り付けるステップを追加として含む。
【0309】
本発明の第3の態様のいくつかの実施形態では、各固着構造は、側方形成を通してベルトの表面に直角の方向に延在する圧着ピン穴を含み、かつ各取付け機構は、一対の垂直部材を含む圧着ピンを含み、結合するステップは、
(a)ベルトの各側方縁部に対して1つの圧着ピンの、2つの圧着ピンを、それぞれ一対の圧着ピン穴を通してベルトのそれぞれ第1および第2の自由端の各々の最終的な側方形成内に挿入し、それによりベルトの第1および第2の自由端を相互に近接して保持すること、ならびに
(b)圧着ピンの各々の垂直部材の端部を圧着すること
を含む。
【0310】
本発明の第3の態様の別の実施形態に従い、印刷ステーションおよび刷版ステーションを含む印刷システム内の基板上に像を印刷する方法がさらに提供され、本方法は、
-印刷システム内で、本発明の第3の態様における本明細書で開示する方法に従いエンドレスベルトを形成すること、
-エンドレスベルトの表面上に像をインクジェット印刷すること、
-エンドレスベルトを回転させて、像を印刷ステーションから刷版ステーションに移動させること、および
-エンドレスベルトの表面から基板上に像を転写させること
を含む。
【0311】
本発明の第3の態様の任意の実施形態は、それらが矛盾しなければ、相互に組み合わされ得ること、およびかかる組合せ(すなわち、簡潔にするために明示的には書かれていないものを含む)の一部または全部は、本発明の実施形態としてここで明示的に企図されることが理解される。
【0312】
本発明の第4の態様の任意の実施形態に従い、印刷システム内で使用されるエンドレスベルトを形成するために可撓性ベルトの第1および第2の端部を結合するための熱硬化性テープが提供され、本熱硬化性テープは、
-基板層、および
-その基板層上に配置された固形シリコーンゴム層
を含む。
【0313】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の厚さと基板層の厚さの比率は、0.10~0.75の範囲である。
【0314】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープは少なくとも8MPaの引張り強度を有する。
【0315】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープは少なくとも45のショアA硬度を有する。
【0316】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化性テープは80以下のショアA硬度を有する。
【0317】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープは45~80の範囲のショアA硬度を有する。
【0318】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、固形シリコーンゴム層は55~65の範囲のショアA硬度を有する。
【0319】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、次の特性は真である、すなわち、
テープは少なくとも8MPaの引張り強度を有する、
テープは少なくとも45のショアA硬度を有する、かつ
熱硬化性テープの強度はテープの硬化中に固形シリコーンゴム層に印加された熱量に直接比例する。
【0320】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層は熱硬化性ポリマーを含む。
【0321】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは1.1~1.2g/cm^3の範囲の密度を有する。
【0322】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは1.15g/cm^3の密度を有する。
【0323】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも1か月の有効期間を有する。
【0324】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも6か月の有効期間を有する。
【0325】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも1年の有効期間を有する。
【0326】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは固形シリコーンゴムの有効期間に等しい。
【0327】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも1か月である。
【0328】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも6か月である。
【0329】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも1年である。
【0330】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、基板層はガラス繊維層を含む。
【0331】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、基板層は、ガラス繊維層に結合された、シリコーンコーティング層をさらに含む。
【0332】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、シリコーンコーティング層は、75~80の範囲のショアA硬度を有する。
【0333】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、基板層は110μm~170μmの範囲の厚さを有する。
【0334】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層は20μm~120μmの範囲の厚さを有する。
【0335】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、硬化性テープは、180μm~270μmの範囲の厚さを有する。
【0336】
本発明の第4態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの厚さとエンドレスベルトの厚さの比率は、0.15~11.15の範囲である。
【0337】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの長さは可撓性ベルトの幅よりも大きい。
【0338】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの長さは1200mm~1300mmの範囲である。
【0339】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの幅は20mm~30mmの範囲である。
【0340】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、テープの幅とエンドレスベルトの長さの比率は、0.01~0.03の範囲である。
【0341】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの強度は、その硬化の後、テープの硬化中に固形シリコーンゴム層に印加された熱量に直接比例する。
【0342】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の可撓性ベルト上への熱硬化の後、テープを含む可撓性ベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも200Nの荷重に耐えることが可能である。
【0343】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の可撓性ベルト上への熱硬化の後、テープを含む可撓性ベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも220Nの荷重に耐えることが可能である。
【0344】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の可撓性ベルト上への熱硬化の後、テープを含む可撓性ベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも250Nの荷重に耐えることが可能である。
【0345】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の可撓性ベルト上への熱硬化の後、テープを含む可撓性ベルトの20mmのセグメントは、室温で、350Nを超える荷重に耐えることができない。
【0346】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の可撓性ベルト上への熱硬化の後、テープを含む可撓性ベルトの20mmのセグメントは、室温で、380Nを超える荷重に耐えることができない。
【0347】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の可撓性ベルト上への熱硬化の後、テープを含む可撓性ベルトの20mmのセグメントは、室温で、400Nを超える荷重に耐えることができない。
【0348】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の可撓性ベルト上への熱硬化の後、テープを含む可撓性ベルトの20mmのセグメントは、室温で、250N~350Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0349】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の可撓性ベルト上への熱硬化の後、テープを含む可撓性ベルトの20mmのセグメントは、室温で、220N~380Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0350】
本発明の第4の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の可撓性ベルト上への熱硬化の後、テープを含む可撓性ベルトの20mmのセグメントは、室温で、200N~400Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0351】
本発明の第4の態様の任意の実施形態は、それらが矛盾しなければ、相互に組み合わされ得ること、およびかかる組合せ(すなわち、簡潔にするために明示的には書かれていないものを含む)の一部または全部は、本発明の実施形態としてここで明示的に企図されることが理解される。
【0352】
本発明の第5の態様の一実施形態に従い、
-エンドレスベルトを含む中間転写部材(ITM)であって、エンドレスベルトは、第1および第2の端部を有する可撓性細長ベルトを含み、第1および第2の端部は継ぎ目で結合されている、中間転写部材(ITM)、
-中間転写部材の下に配置されて、第1および第2の端部に継ぎ目を取り付けるために十分な熱を供給するように適合された加熱器、
-インクの液滴が中間転写部材の外表面に塗布されてインク像を形成する像形成ステーション、
-インク像を乾燥させてインク残留フィルムを残すための乾燥ステーション、ならびに
-残留フィルムがシートまたはウェブ基板シートに転写される刷版ステーション
を含む、印刷システムがさらに提供される。
【0353】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、継ぎ目は、熱硬化型接着剤を含み、加熱器は、継ぎ目の熱硬化型接着剤を熱硬化させるために十分な熱を供給するように適合される。
【0354】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、継ぎ目の幅よりも大きい幅を有する加熱表面を含む。
【0355】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、印刷システムのベルト支持システムの部分を形成し、印刷システムの作動中にエンドレスベルトを誘導するように適合された隣接するローラーが取り付けられる。
【0356】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、加熱表面の端部において加熱表面の中心におけるよりも大きい熱密度が提供されるように設計される。
【0357】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、複数の発熱体を含み、加熱表面の端部において加熱表面の中心におけるよりも大きい熱密度が提供されるように、発熱体は加熱表面にわたって不均等に分散される。
【0358】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、発熱体はセラミック板上に印刷される。
【0359】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、発熱体はフィラメント上に印刷される。
【0360】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、発熱体は雲母片上に印刷される。
【0361】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、発熱体はシリコン片上に印刷される。
【0362】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、その作動中に、加熱表面の中心において第1の作動温度を提供し、加熱表面の端部において第2の作動温度を提供するように適合される。
【0363】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、第1の作動温度は140C~180Cの範囲である。
【0364】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、第2の作動温度は180C~220Cの範囲である。
【0365】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、継ぎ目が第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で1分間の間、提供し、それにより継ぎ目を熱硬化させるように適合される。
【0366】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、継ぎ目が第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で3分間の間、提供し、それにより継ぎ目を熱硬化させるように適合される。
【0367】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、継ぎ目が第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で5分間の間、提供し、それにより継ぎ目を熱硬化させるように適合される。
【0368】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、継ぎ目が第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で10分間の間、提供し、それにより継ぎ目を熱硬化させるように適合される。
【0369】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、継ぎ目が第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で15分間の間、提供し、それにより継ぎ目を熱硬化させるように適合される。
【0370】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、継ぎ目が第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で20分間の間、提供し、それにより継ぎ目を熱硬化させるように適合される。
【0371】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で1分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0372】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で3分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0373】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で5分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0374】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で10分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0375】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、その作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、継ぎ目が第1および第2の端部上に置かれている場合に、継ぎ目にわたって均一温度を提供するように適合される。
【0376】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、均一温度は130C~180Cの範囲である。
【0377】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱表面は、アルミニウム、銅、および黄銅から成る群から選択された金属から形成される。
【0378】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、加熱表面は、2.35W/cmK~40W/cmKの範囲の熱伝導率を有する。
【0379】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは1~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0380】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0381】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~15メートルの範囲内の長さを有する。
【0382】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0383】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは7~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0384】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.1~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0385】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.3~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0386】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.5~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0387】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0388】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.5メートルの範囲内の幅を有する。
【0389】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.25メートルの範囲内の幅を有する。
【0390】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは50~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0391】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0392】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0393】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~1500μmの範囲内の厚さを有する。
【0394】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~1000μmの範囲内の厚さを有する。
【0395】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~800μmの範囲内の厚さを有する。
【0396】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~700μmの範囲内の厚さを有する。
【0397】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~600μmの範囲内の厚さを有する。
【0398】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、中間転写部材は、継ぎ目の破損がなければ少なくとも2週間の期間、130C~170Cの範囲の作動温度で印刷システムにおいて間接インクジェット印刷のために使用される。
【0399】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性細長ベルトは、第1および第2の端部に取り外し可能に取り付けられた位置決め配置を有し、位置決め配置は、熱硬化型接着剤の熱硬化中に可撓性ベルトの第1および第2の端部を加熱器の上に位置付けるために適合される。
【0400】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの磁気要素を含み、かつ加熱器は、熱硬化型接着剤の熱硬化中に位置決め配置の少なくとも1つの磁気要素を磁力で引き付けるように適合された少なくとも1つの対応する磁気要素を含む。
【0401】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの磁気要素は、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部の各々に取り外し可能に取り付けられた磁性金属片を含む。
【0402】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの対応する磁気要素は、少なくとも1つのサマリウムコバルト磁石を含む。
【0403】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、両面接着剤を含む。
【0404】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの固定ピンを含み、かつ加熱器は、熱硬化型接着剤の熱硬化中に少なくとも1つの固定ピンを受け入れるように適合された、少なくとも1つの対応する固定穴を含む。
【0405】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの細長い隆起部を含み、かつ加熱表面は、熱硬化型接着剤の熱硬化中に少なくとも1つの細長い隆起部を受け入れて係合するように適合された、少なくとも1つの対応する細長い溝を含む。
【0406】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、静電力発生配置を含む。
【0407】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、非断熱材で形成される。本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも0.8W/cmKの熱伝導率を有する。
【0408】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、(i)エンドレスベルトは、各側方縁部の少なくとも一部に沿って複数の側方形成を含み、(ii)可撓性ベルトの自由端の各一方における各側方縁部上の側方形成の少なくとも1つは、固着構造を含み、かつ(iii)少なくとも2つ取付け機構は各々、側方に延在している形成と関連付けられた少なくとも2つの固着構造とベルトの側方縁部の対向する自由端の各一方において係合して、その少なくとも2つの固着構造と関連付けられた側方に延在している形成を相互に取り付け、それにより可撓性ベルトの各側方縁部上の対向する自由端を取り付ける。
【0409】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、固着構造は、側方に延在している形成を通してベルトの表面に直角の方向に延在する圧着ピン穴を含み、かつ各取付け機構は、圧着ピン穴の直径以下の直径を有し、ベルトの側方縁部の一方の自由端の各々に1つの、2つの圧着ピン穴に同時に係合する、圧着ピンを含む。
【0410】
本発明の第5の態様のさらなる実施形態によれば、本発明の第5の態様に従った印刷システムのエンドレスベルトを形成する方法も提供され、本方法は、
-可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱器の上に相互に隣接して置かれるように、可撓性細長ベルトを印刷システムのベルト経路を通して装着すること、
-可撓性ベルトの第1および第2の自由端の上に継ぎ目を貼り付けること、ならびに
-加熱器を使用して、可撓性ベルトの第1および第2の自由端に継ぎ目を取り付けて、第1および第2の自由端を結合し、それにより可撓性ベルトをエンドレスベルトに変換すること
を含む。
【0411】
本発明の第5の態様の別の実施形態によれば、本発明の第5の態様の印刷システムのエンドレスベルトを形成する方法がさら提供され、本方法は、
-可撓性ベルトの第1および第2の自由端に位置決め配置を取り付けること、
-可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱器の上に相互に隣接して置かれるように、可撓性細長ベルトを印刷システムのベルト経路を通して装着すること、
-位置決め配置を使用して、第1および第2の自由端を加熱器に対して定位置に位置付けること
-可撓性ベルトの第1および第2の自由端の上に継ぎ目を貼り付けること、ならびに
-加熱器を使用して、可撓性ベルトの第1および第2の自由端に継ぎ目を取り付けて、第1および第2の自由端を結合し、それにより可撓性ベルトをエンドレスベルトに変換すること
を含む。
【0412】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、本方法は、取付けの後に、位置決め配置を可撓性ベルトから取り除くことをさらに含む。
【0413】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、本方法は、ベルト経路を通して可撓性ベルトを装着する前に、可撓性ベルトの第1および第2の自由端の各々に小穴継ぎを形成すること、ならびにベルト経路を通して可撓性ベルトを装着した後、小穴継ぎを相互に隣接して位置付けてチャネルを形成することをさらに含み、継ぎ目を貼り付けることは継ぎ目をチャネル内に置くことを含む。
【0414】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、小穴継ぎを形成することは、140μm~250μmの範囲の深さを有する小穴継ぎを形成することを含む。
【0415】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、取り付けることは、加熱器を作動させて、加熱器の端部において加熱器の中心におけるよりも大きい熱密度を提供することを含む。
【0416】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、取り付けることは、加熱器を作動させて、加熱器の中心において第1の作動温度を提供し、加熱器の端部において第2の作動温度を提供することを含む。
【0417】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、第1の作動温度は140C~180Cの範囲である。
【0418】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、第2の作動温度は180C~220Cの範囲である。
【0419】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは、その各側方縁部の少なくとも一部に沿って複数の側方形成を含み、可撓性ベルトの自由端の各一方における各側方縁部上の側方形成の少なくとも1つは、固着構造を含み、本方法は、少なくとも1つの取付け機構を、ベルトの各側面のそれぞれ第1および第2の自由端の各々の側方形成と関連付けられた固着構造に結合し、それによりベルトの第1および第2の自由端を相互に取り付けるステップを追加として含む。
【0420】
本発明の第5の態様のいくつかの実施形態では、各固着構造は、側方形成を通してベルトの表面に直角の方向に延在する圧着ピン穴を含み、かつ各取付け機構は、一対の垂直部材を含む圧着ピンを含み、結合することは、
a.ベルトの各側方縁部に対して1つの圧着ピンの、2つの圧着ピンを、それぞれ一対の圧着ピン穴を通してベルトのそれぞれ第1および第2の自由端の各々の最終的な側方形成内に挿入し、それによりベルトの第1および第2の自由端を相互に近接して保持すること、ならびに
b.圧着ピンの各々の垂直部材の端部を圧着すること
を含む。
【0421】
本発明の第5の態様の別の実施形態に従い、印刷ステーションおよび刷版ステーションを含む印刷システム内の基板上に像を印刷する方法がさらに提供され、本方法は、
-印刷システム内で、本発明の第5の態様の方法に従ってエンドレスベルトを形成すること、
-エンドレスベルトの表面上に像をインクジェット印刷すること、
-エンドレスベルトを回転させて像を印刷ステーションから刷版ステーションに移動させること、および
-エンドレスベルトの表面から基板上に像を転写させること
を含む。
【0422】
本発明の第5の態様の任意の実施形態は、それらが矛盾しなければ、相互に組み合わされ得ること、およびかかる組合せ(すなわち、簡潔にするために明示的には書かれていないものを含む)の一部または全部は、本発明の実施形態としてここで明示的に企図されることが理解される。
【0423】
本発明の第6の態様の一実施形態に従い、エンドレスベルトを印刷システムに設置するためのキットがさらに提供され、本キットは、
-基板層およびその上に配置された固形シリコーンゴム層を含む、熱硬化性テープ、ならびに
-接着剤
を含み、
熱硬化性テープは、可撓性ベルトの第1および第2の自由端上に貼り付けて、テープの固形シリコーンゴム層を可撓性ベルトの第1および第2の自由端に対して熱硬化させるために加熱されて、第1および第2の自由端を結合する継ぎ目を形成し、それにより可撓性ベルトをエンドレスベルトに変換するように適合され、
接着剤は、熱硬化性テープが硬化される場合に熱硬化性テープと可撓性ベルトの少なくとも一部との間の間隙を充填して密閉するように適合される。
【0424】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープが可撓性ベルトの第1および第2の自由端上に貼り付けられる場合に、接着剤は、熱硬化性テープの露出面の上および周囲に塗布されるように適合される。
【0425】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、接着剤は二液型接着剤を含み、二液は、熱硬化性テープへのその塗布前に混合するように適合される。
【0426】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープは少なくとも8MPaの引張り強度を有する。
【0427】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープは少なくとも45のショアA硬度を有する。
【0428】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化性テープは80以下のショアA硬度を有する。
【0429】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、テープは45~80の範囲のショアA硬度を有する。
【0430】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、固形シリコーンゴム層は55~65の範囲のショアA硬度を有する。
【0431】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、次の特性は真である、すなわち、
テープは少なくとも8MPaの引張り強度を有する、
テープは少なくとも45のショアA硬度を有する、かつ
熱硬化性テープの強度はテープの硬化中に固形シリコーンゴム層に印加された熱量に直接比例する。
【0432】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは熱硬化性ポリマーを含む。
【0433】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性ポリマーは白金触媒付加硬化型固形シリコーンゴムを含む。
【0434】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは1.1~1.2g/cm^3の範囲の密度を有する。
【0435】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは1.15g/cm^3の密度を有する。
【0436】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも1か月の有効期間を有する。
【0437】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも6か月の有効期間を有する。
【0438】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴムは少なくとも1年の有効期間を有する。
【0439】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは固形シリコーンゴムの有効期間に等しい。
【0440】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも1か月である。
【0441】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも6か月である。
【0442】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープのポットライフは少なくとも1年である。
【0443】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、基板層はガラス繊維層を含む。
【0444】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、基板層は、ガラス繊維層に結合された、シリコーンコーティング層をさらに含む。
【0445】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、シリコーンコーティング層は、75~80の範囲のショアA硬度を有する。
【0446】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、基板層は110μm~170μmの範囲の厚さを有する。
【0447】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層は20μm~120μmの範囲の厚さを有する。
【0448】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層の厚さと基板層の厚さの比率は、0.10~0.75の範囲である。
【0449】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、硬化性テープは、180μm~270μmの範囲の厚さを有する。
【0450】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの長さは1200mm~1300mmの範囲である。
【0451】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの幅は20mm~30mmの範囲である。
【0452】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、キットは、第1および第2の自由端を有する可撓性ベルトをさらに含み、可撓性ベルトは印刷システムに沿って誘導されるように構成される。
【0453】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは1~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0454】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0455】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~15メートルの範囲内の長さを有する。
【0456】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0457】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは7~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0458】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.1~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0459】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.3~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0460】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.5~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0461】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0462】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.5メートルの範囲内の幅を有する。
【0463】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.25メートルの範囲内の幅を有する。
【0464】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは50~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0465】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0466】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0467】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~1500μmの範囲内の厚さを有する。
【0468】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~1000μmの範囲内の厚さを有する。
【0469】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~800μmの範囲内の厚さを有する。
【0470】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~700μmの範囲内の厚さを有する。
【0471】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~600μmの範囲内の厚さを有する。
【0472】
本発明の第6態様のいくつかの実施形態では、テープの厚さとベルトの厚さの比率は、0.15~11.15の範囲である。
【0473】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの長さは可撓性ベルトの幅よりも大きい。
【0474】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、テープの幅とベルトの長さの比率は、0.01~0.03の範囲である。
【0475】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、キットは、熱硬化性テープが可撓性ベルトの第1および第2の端部に貼り付けられる場合に熱硬化性テープの下に配置されるように適合され、熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるために十分な熱を供給し、それにより熱硬化性テープを熱硬化させてエンドレスベルトを形成するように適合された加熱器をさらに含む。
【0476】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、熱硬化されるテープの幅よりも大きい幅を有する加熱表面を含む。
【0477】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、加熱表面の端部において加熱表面の中心におけるよりも大きい熱密度が提供されるように設計される。
【0478】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は複数の発熱体を含み、加熱表面の端部において加熱表面の中心におけるよりも大きい熱密度が提供されるように、発熱体は加熱表面にわたって不均等に分散される。
【0479】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体はセラミック板上に印刷される。
【0480】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体はフィラメント上に印刷される。
【0481】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体は雲母片上に印刷される。
【0482】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、複数の発熱体はシリコン片上に印刷される。
【0483】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、その作動中に、加熱表面の中心において第1の作動温度を提供し、加熱表面の端部において第2の作動温度を提供するように適合される。
【0484】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、第1の作動温度は140C~180Cの範囲である。
【0485】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、第2の作動温度は180C~220Cの範囲である。
【0486】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、その作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合に、熱硬化性テープにわたって均一温度を提供するように適合される。
【0487】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、均一温度は130C~180Cの範囲である。
【0488】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で1分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0489】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で3分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0490】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で5分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0491】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で10分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0492】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で15分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0493】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器の作動中、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部が加熱表面上に置かれていて、熱硬化性テープが第1および第2の端部上に置かれている場合、加熱器は、第1および第2の作動温度を最大で20分間の間、提供し、それにより熱硬化性テープの固形シリコーンゴムを熱硬化させるように適合される。
【0494】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で1分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0495】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で3分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0496】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で5分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0497】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、最大で10分間の期間内に第1および第2の作動温度に到達するように適合される。
【0498】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱器は、アルミニウム、銅、および黄銅から成る群から選択された金属から形成される。
【0499】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、加熱表面は、2.35W/cmK~40W/cmKの範囲の熱伝導率を有する。
【0500】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性細長ベルトは、第1および第2の端部に取り外し可能に取り付けられた位置決め配置を有し、位置決め配置は、熱硬化性テープの熱硬化中にベルトの第1および第2の端部を加熱器の加熱表面の上に位置付けるために適合される。
【0501】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの磁気要素を含み、かつ加熱器は、熱硬化性テープの熱硬化中に位置決め配置の少なくとも1つの磁気要素を磁力で引き付けるように適合された少なくとも1つの対応する磁気要素を含む。
【0502】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの磁気要素は、可撓性細長ベルトの第1および第2の端部の各々に取り外し可能に取り付けられた磁性金属片を含む。
【0503】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの対応する磁気要素は、少なくとも1つのサマリウムコバルト磁石を含む。
【0504】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、両面接着剤を含む。
【0505】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの固定ピンを含み、かつ加熱器は、熱硬化性テープの熱硬化中に少なくとも1つの固定ピンを受け入れるように適合された、少なくとも1つの対応する固定穴を含む。
【0506】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも1つの細長い隆起部を含み、かつ加熱表面は、熱硬化性テープの熱硬化中に少なくとも1つの細長い隆起部を受け入れて係合するように適合された、少なくとも1つの対応する細長い溝を含む。
【0507】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、静電力発生配置を含む。
【0508】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、非断熱材で形成される。
【0509】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、位置決め配置は、少なくとも0.8W/cmKの熱伝導率を有する。
【0510】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは、第1および第2の端部の各々に小穴継ぎを含み、小穴継ぎが相互に隣接して位置付けられている場合にチャネルが形成され、チャネルは熱硬化性テープをその中に収容するようなサイズにされて適合される。
【0511】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、各小穴継ぎは140μm~250μmの範囲の深さを有する。
【0512】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、熱硬化性テープの強度は、その硬化の後、テープの硬化中に固形シリコーンゴム層に印加された熱量に直接比例する。
【0513】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも200Nの荷重に耐えることが可能である。
【0514】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも220Nの荷重に耐えることが可能である。
【0515】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、少なくとも250Nの荷重に耐えることが可能である。
【0516】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、350Nを超える荷重に耐えることができない。
【0517】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、380Nを超える荷重に耐えることができない。
【0518】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、400Nを超える荷重に耐えることができない。
【0519】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、250N~350Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0520】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、220N~380Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0521】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、テープの固形シリコーンゴム層の熱硬化の後、熱硬化したテープを含む、エンドレスベルトの20mmのセグメントは、室温で、200N~400Nの範囲の荷重に耐えることが可能である。
【0522】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、(i)可撓性ベルトは、各側方縁部の少なくとも一部に沿って複数の側方形成を含み、かつ(ii)可撓性ベルトの自由端の各一方における各側方縁部上の側方形成の少なくとも1つは、取付け機構に取り付けるために適合された固着構造を含み、取付け機構は、可撓性ベルトの各側方縁部の対向する自由端において側方形成の一方を取り付けるために適合される。
【0523】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、キットは、少なくとも2つの取付け機構を追加として含み、各々は、ベルトの各側方縁部の対向する自由端において少なくとも2つの固着構造を係合し、取付け機構によって係合された固着構造と関連付けられた側方に延在している形成を取り付け、それにより可撓性ベルトの各側方縁部の対向する自由端を取り付けるように適合される。
【0524】
本発明の第6の態様のいくつかの実施形態では、各固着構造は、対応する側方に延在している形成を通してベルトの表面に直角の方向に延在する圧着ピン穴を含み、かつ各取付け機構は、圧着ピン穴の直径以下の直径を有し、ベルトの側方縁部の一方の対向する自由端の各々に1つの、2つの圧着ピン穴に同時に係合するように適合された、圧着ピンを含む。
【0525】
本発明の第6の態様の任意の実施形態は、それらが矛盾しなければ、相互に組み合わされ得ること、およびかかる組合せ(すなわち、簡潔にするために明示的には書かれていないものを含む)の一部または全部は、本発明の実施形態としてここで明示的に企図されることが理解される。
【0526】
本発明の第7の態様の一実施形態に従い、エンドレスベルトを印刷システムに設置するためのキットが追加として提供され、本キットは、
-印刷システムに沿って誘導されるように構成された第1および第2の自由端を有する可撓性ベルトであって、可撓性ベルトは、その各側方縁部の少なくとも一部に沿って複数の側方形成を含み、
可撓性ベルトの自由端の各一方における各側方縁部上の側方形成の少なくとも1つは、取付け機構に取り付けるために適合された固着構造を含む、可撓性ベルト、
-各々が、ベルトの各側方縁部の対向する自由端において少なくとも2つの固着構造を係合し、取付け機構によって係合された固着構造と関連付けられた側方に延在している形成を取り付け、それにより可撓性ベルトの各側方縁部の対向する自由端を取り付けるように適合される、少なくとも2つの取付け機構
を含む。
【0527】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、各固着構造は、対応する側方形成を通してベルトの表面に直角の方向に延在する圧着ピン穴を含み、かつ各取付け機構は、圧着ピン穴の直径以下の直径を有し、ベルトの側方縁部の一方の対向する自由端の各々に1つの、2つの圧着ピン穴に同時に係合するように適合された、圧着ピンを含む。
【0528】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは1~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0529】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~20メートルの範囲内の長さを有する。
【0530】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~15メートルの範囲内の長さを有する。
【0531】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは5~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0532】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは7~12メートルの範囲内の長さを有する。
【0533】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.1~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0534】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.3~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0535】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.5~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0536】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~2.0メートルの範囲内の幅を有する。
【0537】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.5メートルの範囲内の幅を有する。
【0538】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは0.75~1.25メートルの範囲内の幅を有する。
【0539】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは50~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0540】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0541】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~3000μmの範囲内の厚さを有する。
【0542】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは200~1500μmの範囲内の厚さを有する。
【0543】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~1000μmの範囲内の厚さを有する。
【0544】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~800μmの範囲内の厚さを有する。
【0545】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは300~700μmの範囲内の厚さを有する。
【0546】
本発明の第7の態様のいくつかの実施形態では、可撓性ベルトは100~600μmの範囲内の厚さを有する。
【0547】
本発明のいくつかの実施形態は付随する図面を参照して本明細書で説明される。説明は、図面と共に、本発明のいくつかの実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。図面は、実例説明を目的とし、実施形態の実際の詳細を本発明の基本的な理解のために必要以上に詳細に示すことは意図していない。分かりやすくするために、図面に示されるいくつかの物体は原寸に比例していない。
図面中、
【図面の簡単な説明】
【0548】
【
図2】本発明の一実施形態に従い、細長ベルトの第1および第2の端部を結合して中間転写部材のエンドレスベルトを形成するために使用可能な熱硬化性テープの概略、断面図である。
【
図3】熱硬化性テープを硬化させるために位置付けられた細長ベルトの第1および第2の端部ならびに熱硬化性テープの概略断面図である。
【
図4】印刷システムを通して装着して中間転写部材のエンドレスベルトを形成する細長ベルトの先端を示す。
【
図5】印刷システムの中間転写部材の支持システムの一端部の斜視図であり、支持システムは、本発明の一実施形態に従って、中間転写部材の継ぎ目を熱硬化させるための加熱器を含む。
【
図6】
図5の支持システムの部分を形成する加熱器の一実施形態の概略上面平面図であり、加熱器は印刷システムのエンドレスベルトの継ぎ目を硬化させるために使用される。
【
図7】
図2および
図3の継ぎ目を硬化させるためのその作動中の、
図6の加熱器の概略断面図である。
【
図8A】本発明の一実施形態に従った、側方形成をもつ中間転写部材の2つの端部を、いくつかの側方形成の詳細図と共に、示す概略平面図である。
【
図8B】本発明の一実施形態に従い、中間転写部材の端部のそれぞれの位置を硬化させるための圧着ピンの概略立面図である。
【
図8C】本発明の一実施形態に従い、
図8Bの圧着ピンを用いて固定された、
図8Aのいくつかの側方形成の概略平面図である。
【
図9】本発明の実施形態に従い、中間転写部材を設置するための方法のそれぞれの流れ図を示す。
【
図10】本発明の実施形態に従い、中間転写部材を設置するための方法のそれぞれの流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0549】
本発明は、いくつかの実施形態では、細長ベルトの端部を結合して、間接印刷システムとの使用に適した中間転写部材として使用するエンドレスベルトを形成するための熱硬化性テープに関する。
【0550】
本発明は、いくつかの実施形態では、印刷システムに設置する中間転写部材を形成するためのキットに関し、キットは細長ベルトおよび熱硬化性テープを含む。
【0551】
本発明は、いくつかの実施形態では、細長ベルトおよび熱硬化性テープから形成された中間転写部材を含む印刷システムに関する。
【0552】
本発明は、いくつかの実施形態では、中間転写部材を印刷システムに設置するためのキットに関し、本キットは熱硬化性テープおよび接着剤を含む。
【0553】
本発明は、いくつかの実施形態では、印刷システムに設置する中間転写部材を形成するための方法に関し、中間転写部材は、細長ベルトおよび細長ベルトの端部を継ぎ目で接合する熱硬化性テープを含む。
【0554】
本発明は、いくつかの実施形態では、印刷システムの中間転写部材を形成するために熱硬化性テープを細長ベルトの自由端上に熱硬化させるための加熱器、ならびにかかる加熱器を含む印刷システムおよびその使用のための方法、ならびにかかる加熱器を使用する方法に関する。
【0555】
本発明は、いくつかの実施形態では、エンドレスベルトを印刷システムに設置するためのキットに関し、本キットは細長ベルトおよび取付け機構を含む。
【0556】
本発明は、可撓性細長ベルトの自由端を結合する従来技術の方法を使用する場合に生じる問題を解決することを意図する。
【0557】
現在使用されている多くの方法では、可撓性細長ベルトの自由端は、縮合硬化される継ぎ目要素によって相互に結合される。言い換えれば、ベルトの端部に貼り付けられる継ぎ目要素は、湿潤環境において硬化するか、または重合し、それによりベルトの端部を結合してエンドレスベルトを形成するポリマーを含む。継ぎ目要素の湿度に対する感度、および空気中に常に存在する湿度に起因して、継ぎ目要素は、ポリマーの環境への露出から15分以内だけ使用できる。追加として、継ぎ目要素内のポリマーの縮合硬化の後、継ぎ目がその初期強度を有するために少なくとも1時間待つ必要があり、継ぎ目がその完全な強度に達するために24時間が必要とされる。そのため、中間転写部材の設置は、システムの作業を少なくとも1時間、いくつかの事例では24時間もの間、中断させる。
【0558】
継ぎ目要素として使用可能ないくつかの工場形成テープが存在し、それは、ユーザーが液状ポリマーを基板に塗布する必要がない。かかるテープは熱硬化性であるが、典型的にはエポキシを含み、それは、ITMが典型的にそれから形成されるベルトなどの、シリコーンベルトとの使用には適していない。他の従来技術テープは感圧接着剤を含み、感圧接着剤では、テープ中に含まれるシリコンまたはポリマーの硬化温度は固定ではなく、熱硬化が起こる圧力状態に依存する。
【0559】
本発明は、環境の湿度にも硬化中の圧力にも敏感ではなく、長い有効期間およびポットライフを有する、熱硬化性接着テープを提供することにより従来技術の欠陥を解決する。本発明のテープで結合された端部を有するITMは、故障することなく、通常の印刷速度で、少なくとも2週間、作動するために十分な強度である。
【0560】
本明細書の教示の原理、使用および実装は、付随の説明および図面を参照してより良く理解され得る。本明細書の説明および図面を検討すると、当業者は過度の努力または実験なしで、本発明を実装することが可能である。図中、同様の参照番号は全体を通して同様の部分を参照する。
【0561】
少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は必ずしも、その出願を本明細書に記載する構成要素および/または方法の構成および配置の詳細に制限していないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態が可能であるか、または様々な方法で実施もしくは実行可能である。本明細書で採用される表現および用語は便宜的であり、制限と見なされるべきではない。
【0562】
本発明の追加の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載され、一部分において当業者には説明から容易に明らかであるか、または本明細書の書面説明およびクレーム、ならびに添付の図面で説明されているとおりに本発明を実施することによって理解される。本発明の実施形態の様々な特徴および部分的組合せは、他の特徴および部分的組合せを参照することなく採用され得る。
【0563】
材料、方法および例を含む、前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、当然のことながら、本発明の例に過ぎず、本発明の本質および特徴をクレームされるとおりに理解するための概要または枠組みを提供することを意図しており、必ずしも制限することは意図していない。
【0564】
本明細書の説明およびクレームの文脈では、用語「継ぎ目(seam)」、「ベルト継ぎ目」および「ブランケット継ぎ目」は区別しないで使用されて、細長ベルトの第1および第2の自由端を相互に結合し、それによりITMとして使用可能な、連続ループまたはエンドレスベルトを形成するために使用される材料または物質に関連し得る。
【0565】
本明細書の説明およびクレームの文脈では、用語「ブランケット」および「ベルト」は区別しないで使用されて、ITMとしての使用のためなど、印刷システム内の印刷表面としての使用に適した表面に関連する。ブランケットは、連続ループを形成するために細長ブランケットの第1および第2の端部を結合することによって形成された、「エンドレスブランケット」であり得る。
【0566】
本明細書の説明およびクレームの文脈では、用語「テープ」は2つの要素を相互に結合するために利用可能な材料または物質の延伸に関連する。
【0567】
本明細書の説明およびクレームの文脈では、用語「熱硬化性」は、実質的に固定もしくは高い温度で硬化または重合する物質または材料に関連し、その温度は周囲温度よりも著しく高い。硬化は、硬化時における環境内の加熱または湿度条件とは実質的に無関係である。ここで、間接印刷プロセスを実装する印刷システム10の略図である、
図1を参照する。
【0568】
システム10は、複数のガイドローラー232、240、250、251、253、および242の上に取り付けられた可撓性エンドレスベルトを含む中間転写部材(ITM)210を含む。
【0569】
本明細書では、ITMは、継ぎ目によって結合された端部を有する細長ベルト、エンドレスベルト、または連続ループベルトとも呼ばれ得る。
【0570】
いくつかの実施形態では、ITM210のベルトは、最大で20メートルまでの長さ、および典型的には、5~20、5~15、5~12、または7~12メートルの範囲内の長さを有する。いくつかの実施形態では、ITM210のベルトは、最大で2.0メートルまで、および典型的には、0.3~2.0、0.75~2.0、0.75~1.5、または0.75~1.25メートルの範囲内の幅を有する。
【0571】
いくつかの実施形態では、ITM210のベルトは、最大で3000μmまで、および典型的には、200~3000、200~1500、300~1000、300~800、300~700、100~3000、50~3000、または100~600μmの範囲内の厚さを有する。
【0572】
図1の例では、ITM210(すなわち、そのベルト)は時計回りの方向に動く。ベルトの動きの方向は、上流および下流方向を定義する。ローラー242、240はそれぞれ、像形成ステーション212の上流および下流に配置される-従って、ローラー242は「上流ローラー」と呼ばれ得、他方、ローラー240は「下流ローラー」と呼ばれ得る。
【0573】
図1のシステムは以下をさらに含む、
(a)インク像(図示せず)をITM210の表面上に(例えば、乾燥処理フィルム上への液滴付着によって)形成するように構成された像形成ステーション212(例えば、印刷バー222A~222Dを含む、各印刷バーはインクジェットヘッド(複数可)を含む)。
(b)インク像を乾燥させるための乾燥ステーション214。
(c)インク像がITM210の表面からシートまたはウェブ基板に転写される刷版ステーション216。
図1の特定の限定されない例では、刷版ステーション216は刷版シリンダ220および圧縮可能ブランケットまたはベルト219を搬送するブランケットシリンダ218を含む。いくつかの実施形態では、加熱器231が、像転写ステーションの2つのシリンダ218と220との間のニップ(nip)の直前に提供されて、インクフィルムを粘着性にするのを支援し、それにより基板(例えば、シート基板またはウェブ基板)に転写するのを容易にし得る。基板フィードは概略的に示されている。
(d)ITM210の表面が清浄にされるクリーニングステーション258。
(e)ITM表面上の液体処理配合(例えば、水性処理配合)の(例えば、均一の厚さの)層が形成できる処理ステーション260(例えば、
図1ではブロックとして概略的に示されている)。
【0574】
当業者は、
図1に示されている全ての構成要素が必要とは限らないことを理解するであろう。
【0575】
印刷システムの例示的な記述は出願者のPCT公開第WO2013/132418号および第WO2017/208152号で開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0576】
ベルトの主要な目的は、インク像をインクジェットヘッドから受け取り、乾燥されているが乱されていない、その像を刷版ステーション216で基板に転写することである。図面には示されていないが、ITMを形成するベルトは、所望の特性を転写部材に付与するために複数の層を有し得る。具体的には、ベルトは剥離層を含み得、それは、インク像を受け取って適切な放出特性を有する外側層である。
【0577】
剥離層および中間転写部材の限定されない例は、出願者のPCT公開第WO2013/132432号、第WO2013/132438号および第WO2017/208144号で開示されており、全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0578】
いくつかの印刷システムでは、中間転写部材は任意選択として、準拠したインクのITMとの相互作用をさらに高めるか、または乾燥されたインク像の基板への剥離をさらに容易にするか、または所望の印刷効果を提供するために、処理ステーション260で処理され得る。
【0579】
処理流体の例示的な説明は、出願者のPCT出願公開第WO2017/208246号で開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0580】
図面には示されていないが、基板は連続ウェブであり得、その場合、入力および出力スタックは供給ローラーおよび繰出しローラーによって置き換えられる。基板搬送システムは、例えば、ガイドローラーおよびウェブのたるみを取るダンサーを使用してそれを刷版ステーションと適切に位置合わせすることにより、それに応じて適合される必要がある。
【0581】
図1の限定されない例では、印刷システムは両面印刷を達成できないが、基板シートを反転し、同じニップにそれらを二度目に通して両面システムを提供することが可能である。さらなる代替として、印刷システムはインク像を基板の反対側に転写するための第2の刷版ステーションを含み得る。
【0582】
本発明の実施形態では、ベルト210は、自由端を相互に固定するために使用される手段が転写部材に不連続を形成して、継ぎ合わされる。具体的には、以下でさらに詳細に説明するように、ITMは、第1および第2の自由端を有する最初は平らな細長い可撓性ベルトから形成され(印刷システム内へのその設置前)、印刷システム内に設置される場合、
図2および
図3に関して以下でさらに詳細に説明するように、自由端は継ぎ目を使用して永久的に相互に固定されて、連続ループ(例えば、エンドレスベルト)を形成する。
【0583】
継ぎ目がガイドローラー(
図1)の上を通過する時に滑らかな動きを確実にしてベルトの張力における突然の変化を回避するために、継ぎ目を含むエンドレスベルトの領域を、ベルトの残りと、可能な限りほとんど、同じ厚さにすることが望ましい。
図3は、以下でさらに詳細に説明するように、ベルトの厚さにおける差が、継ぎ目の領域を含め、その長さ全体にわたって、200μm以下であるか、または0~200μmの範囲であることを確実にするために有用な可撓性ベルトおよび熱硬化性テープの配置を例示する。好ましくは、ベルトの厚さは、ベルト全体にわたり、継ぎ目を含む領域でも、実質的に均一である。
【0584】
ベルトの継ぎ目における化学的および/または力学的特性の不連続を回避することも望ましい。好ましくは、インク像またはその一部が継ぎ目上に配置されないが、実質的に均一な特性/特徴を有するベルトの領域上のかかる不連続に関してほぼ実現可能なだけである。望ましくは、継ぎ目は、印刷ローラーが対応する加圧ローラーと係合しない時に刷版ステーションを通過する。
【0585】
ここで、本発明の一実施形態に従い、細長ベルトの第1および第2の自由端を結合して
図1の中間転写部材210のエンドレスベルトループを形成するために継ぎ目として使用可能な熱硬化性テープ600の概略、断面図である、
図2を参照する。
【0586】
図2に見られるように、熱硬化性テープ600は基板層602および基板層602上に配置された固形シリコーンゴム層604を含む。
【0587】
いくつかの実施形態では、基板層602はガラス繊維層を含む。いくつかの実施形態では、基板層は、ガラス繊維層に結合された、シリコーンコーティング層603をさらに含み、シリコーンコーティング層603は、75~80の範囲のショアA硬度を有し得る。いくつかの実施形態では、基板層602は110μm~170μmの範囲の厚さを有する。
【0588】
例えば、基板層602は、米国ニューヨーク州PetersburghのTaconic(登録商標)から市販されている、7101 Blackテープであり得、それは、160μmの総厚さを有する、黒いシリコンでコーティングされたガラス繊維層を含む。しかし、任意の他の適切な基板層が使用され得る。
【0589】
固形シリコーンゴム層604は、任意の適切な手段によって基板層602に結合され、任意の適切な手段は、接着剤層を含み得る。基板層602がシリコーンコーティング層603を含む実施形態では、固形シリコーンゴム層604は、シリコーンコーティング層603から遠位の基板層602の表面に結合される。
【0590】
いくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層604は、白金触媒付加硬化型固形シリコン熱硬化性ゴムの群から選択された熱硬化性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層604の固形シリコーンゴムは、1.1~1.2g/cm^3の範囲の密度、またはいくつかの実施形態では、1.15g/cm^3の密度を有する。いくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層604は20μm~120μmの範囲の厚さを有する。いくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層604は55~65の範囲のショアA硬度を有する。
【0591】
いくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層604の固形シリコーンゴムは、少なくとも1か月、少なくとも6か月、少なくとも1年の有効期間を有する。
【0592】
いくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層604は、追加または代替として、それに印加される熱量が大きければ、硬化した場合、熱硬化性テープ600の強度がより大きくなることを特徴とする。
【0593】
例えば、固形シリコーンゴム層604は、ドイツ、ミュンヘンのWacker Chemieから市販されている、Elastosil(登録商標)Rプラス4066/60から形成され得、それは、適切な厚さを有するために平らにされている。しかし、任意の他の適切な固形シリコーンゴム層または付加硬化型ポリマーが使用され得る。
【0594】
固形シリコーンゴム層604を形成するために固形シリコーンゴムを平らにするため、および熱硬化性テープ600を形成するために固形シリコーンゴム層604を基板層602に結合するための例示的な方法が例1に関して以下で説明される。
【0595】
いくつかの実施形態では、熱硬化性テープ600は、
図2で「T」によって示される、180μm~270μmの範囲の厚さを有する。いくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層604の厚さと基板層602の厚さの比率は、0.10~0.75の範囲である。
【0596】
いくつかの実施形態では、熱硬化性テープ600の長さはITM210(
図1)を形成するために使用される可撓性ベルトの幅よりも大きい。
【0597】
いくつかの実施形態では、熱硬化性テープ600の長さは、
図2で「L」によって示される、1200mm~1300mmの範囲である。
【0598】
いくつかの実施形態では、熱硬化性テープ600の幅は、
図2で「W」によって示される、20mm~30mmの範囲である。
【0599】
いくつかの実施形態では、熱硬化性テープ600の幅とITM210(
図1)を形成するために使用される可撓性ベルトの長さの比率は、0.01~0.03である。
【0600】
いくつかの実施形態では、熱硬化性テープ600のポットライフは層604の固形シリコーンゴムの有効期間に等しい。本出願の文脈では、物体の「ポットライフ」という用語は、その物体が使用可能な期間に関連し、通常の保管状態で、環境によって害されることも変化することもない。本出願では、熱硬化性テープ600のポットライフは、固形シリコーンゴム層604が環境内で非粘着性になるか、または「自己硬化する」ことなくテープが使用できる時間に関連する。いくつかの実施形態では、熱硬化性テープ600のポットライフは、少なくとも1か月、少なくとも6か月、または少なくとも1年である。いくつかの実施形態では、熱硬化性テープ600のこのポットライフは、10%~70%の範囲の湿度を有する環境内でテープが保存される場合に維持される。
【0601】
以下で説明するように、熱硬化性テープ600は、エンドレスベルトを形成するために可撓性ベルトの自由端を貼り付けるように設計される。固形シリコーンゴム層604はベルトの自由端上に熱硬化され、それによりベルトの自由端610および612(
図3)を結合する継ぎ目を形成し、可撓性ベルトをITM210(
図1)として使用可能なエンドレスベルトに変換する。
【0602】
いくつかの実施形態では、テープ600は、固形シリコーンゴム層604の熱硬化の後、テープが少なくとも8MPaの引張り強度を有することを特徴とする。
【0603】
いくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層604の熱硬化の後、テープ600は少なくとも45のショアA硬度を有する。いくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層604の熱硬化の後、テープ600は最大で80のショアA硬度を有する。固形シリコーンゴム層604の熱硬化の後、テープ600は45~80の範囲のショアA硬度を有する。
【0604】
以下の例セクションに示すように、熱硬化性テープ600は、固形シリコーンゴム層604の可撓性ベルト上への熱硬化の後、テープ600の20mmのセグメントが、室温で、少なくとも200N、少なくとも220N、または少なくとも250Nの荷重に耐えることが可能であることをさらに特徴とする。同じ条件下で、テープ600の20mmのセグメントは、室温で、350Nを超えるか、380Nを超えるか、または400Nを超える荷重に耐えることができない。そのため、固形シリコーンゴム層604の可撓性ベルト上への熱硬化の後、テープ600の20mmのセグメントは、室温で、250N~350N、220N~380N、または200N~400Nの範囲内の荷重に耐えることが可能である。
【0605】
いくつかの実施形態では、固形シリコーンゴム層604の特性に起因して、固形シリコーンゴム層604の硬化のためにテープ600に印加される熱量が大きければ、硬化した場合、熱硬化性テープ600の強度がより大きくなる。
【0606】
ここで
図3を参照すると、ITM210を形成するために使用される細長ベルトの第1および第2の端部610および612ならびにテープを硬化させるためにベルトの自由端の上に置かれた熱硬化性テープ600の概略断面図が示されている。
【0607】
従来技術の方法では、ベルトの自由端が接合される場合、それらは相互に隣接するように配置され、継ぎ目が可撓性ベルトの2つの端部上に置かれて、2つの端部を結合し得る。しかし、この方法は、継ぎ目が貼り付けられるベルトの領域は、ベルトの残りの厚さに比べて増大した厚さを有する結果となり、それは、このより厚い領域がガイドローラー(
図1)の上を通過するか、または刷版ステーション216(
図1)を通るときに張力における突然の変化を生じ得る。
【0608】
本発明によれば、
図3に例示するように、継ぎ目を貼り付けても、継ぎ目の領域でITMの厚さが増大しない。この実施形態では、ITM210(
図1)に形成される予定の細長い可撓性ベルト614の自由端610および612は、熱硬化性テープ600を受け入れるための小穴継ぎ618を形成するために削られる。
図3に見られるように、テープ600は幅Wを有し、小穴継ぎ618の各々はテープ600の半分の幅で、幅W/2を有し、そのため自由端610および612が相互に隣接する場合、小穴継ぎ618はテープ600を収容するために十分な幅のチャネルを形成する。
【0609】
テープ600は、固形シリコーンゴム層604を自由端610および612を対向させ、基板層602を実質的にベルト614の上面と同一平面にして、小穴継ぎ618から形成されたチャネル内に置かれる。基板層602がシリコーンコーティング層603を含む、いくつかの実施形態では、シリコーンコーティング層はベルト614の上面と同一平面である。いくつかの実施形態では、接着剤層が小穴継ぎ618上に塗布され、テープ600が接着剤層上に貼り付けられる。
【0610】
いくつかの実施形態では、テープ600は小穴継ぎ618の上に貼り付けられ、接着剤層がテープ600の上およびその周囲の縁部に塗布されて、それによりテープ600によって充填されていない小穴継ぎ618の任意の部分を密閉する。いくつかの実施形態では、接着剤はベルト614の剥離層に塗布されない。例えば、接着剤層は、米国ミシガン州ミッドランドのDow Corningから市販されている3730 A&B接着剤を含み得る。
【0611】
いくつかの実施形態では、小穴継ぎの深さはベルト614の厚さの半分を超えない。いくつかの実施形態では、小穴継ぎの深さは、熱硬化性テープ600の厚さよりも少なくとも25μmまたは少なくとも50μm大きく、そのためテープ600の表面をベルト614の上面と実質的に同一平面に維持しながら、テープ600および接着剤層を収容する。接着剤層が含まれていない実施形態では、小穴継ぎ618の深さは、テープ600の厚さと実質的に等しい可能性がある。いくつかの実施形態では、各小穴継ぎ 618 は140μm~250μmの範囲の深さを有する。
【0612】
図9に関連して以下で説明するように、テープ600はベルト614の第1および第2の端部610および612上に熱硬化される。本明細書の開示およびクレームの文脈では、テープ600の領域またはテープ600を含む領域は、テープ600を含むベルトの200mm~250mmとして定義される。
【0613】
いくつかの実施形態では、ベルトおよびテープまたはテープを取り囲んでいるベルトの領域の可撓性は、可撓性が測定されている領域の矩形片からループを形成することによって測定され得る。ループの高さが次いで測定され、測定されたループの高さが低ければ、それだけ可撓性が大きくなるように、材料の可撓性を示す。
【0614】
本明細書の開示に従ったベルト614およびテープ600を含むベルトの領域の可撓性を試験するために、15mmの幅および150mmの長さを有する、ベルトの矩形片および/またはベルトのテープ領域に前述の試験を適用した。
【0615】
いくつかの実施形態では、テープ600の領域またはテープを取り囲んでいる領域では、ベルト614の可撓性を測定するループの高さは2.2cmであり、他方、継ぎ目を含んでいない、テープの他の領域では、テープの可撓性を測定するループの高さは2.0cmである。いくつかの実施形態では、テープ600を含む領域におけるベルトの可撓性とテープ600を含んでいない領域におけるテープの可撓性の比率は、これらの領域に対して測定されたループの高さにおける比率によって示されるように、0.9である。
【0616】
ベルトおよび/またはテープの延伸性(stretchiness)を測定する1つの方法が例4に関連して以下で説明される。100mm~200mmの範囲の長さおよび20mmの幅を有する細片について例4に関して本明細書で説明するように延伸性が測定される、いくつかの実施形態では、テープ600の領域またはテープを取り囲んでいる領域では、ベルト614の延伸性は27N/mm~41N/mmの範囲であり、他方、継ぎ目を含んでいない、テープの他の領域では、テープの延伸性は24N/mm~37N/mmである。いくつかの実施形態では、テープ600を含む領域におけるベルトの延伸性とテープを含んでいない領域におけるテープの延伸性の比率は、0.85~0.90である。
【0617】
いくつかの実施形態では、ベルトの長さ全体およびテープ600を含むベルトの領域を含め、ベルト614の厚さにおける差異は、最大で200μmである。
【0618】
ここで
図4を参照すると、可撓性細長ベルト614のリーダー630、およびベルト614の側面上に形成された側方形成632が示されており、リーダー630および側方形成632は、印刷システム10(
図1)などの、印刷システムを通してベルト614を装着するために使用されて、ITM210(
図1)などの、中間転写部材のエンドレスベルトを形成する。
【0619】
図4に見られるように、ベルト614およびリーダー630の両方は、ベルトおよびリーダーの縦方向端部上に形成された、側方形成632を含む。
【0620】
側方形成632は、
図4の実施形態に示されているように、ベルト614およびリーダー630の各側縁部に縫い付けられているか、または別の方法で取り付けられたファスナーの半分の歯などの、間隔の置かれた突起であり得る。かかる側方形成は規則的に間隔が置かれる必要はない。
【0621】
代替として、形成は、ベルト614よりも大きい厚さの連続した可撓性押縁(bead)であり得る。側方形成632は、ベルト614の縁部に直接取り付けられ得るか、または、ベルト614を、具体的には、印刷システムの像形成ステーション212(
図1)において平らに維持しながら、
図5を参照して以下で説明および例示される、ガイドトラックの側方チャネル内の形成に係合するための適切な弾性を任意選択として提供できる中間細片を通して取り付けられ得る。
【0622】
側方形成632は、ITMの迅速な動きを含め、印刷システムの動作条件を維持することが可能な任意の材料から作られ得る。適切な材料は、約50℃~250℃の範囲で高温度に耐えることができる。好都合に、かかる材料は摩擦抵抗性でもあり、その動作寿命中、ベルトの動きに悪影響を及ぼし得るサイズおよび/または量のデブリに屈しない。例えば、側方形成632は、二硫化モリブデンで強化されたポリアミドで作ることができる。
【0623】
本発明に従った例示的なベルト側方形成に関するさらなる詳細がPCT公開第WO2013/136220号および第WO2013/132418号に開示されている。かかる側方形成および対応するガイドチャネル(
図5を参照)は典型的には、中間転写部材が剛性支持上に取り付けられる場合、必要ない。
【0624】
可撓性ベルト614のリーダー630は、例えば、
図5および
図8を参照して以下で説明されるように、設置中、ガイドトラックの側方チャネルを通してローラー上を、ベルトを誘導するのを容易にするために、好都合に形成される。
【0625】
図4に例示するように、リーダー630は、印刷システムのベルト経路を通してベルトを装着する場合に先端であるITM210(
図1)を形成する細長ベルトの端部610および612の1つ上に形成される。リーダー630は、それらが印刷システムのベルト経路を辿り得るように可撓性材料で作られるが、たるむ傾向が低くなるように、ベルト614のそれよりも硬い材料で作られ得る。リーダー630は、リーダー630の前縁内に形成されたV字形のカットアウト634を含み、そのカットアウトは、それが印刷システムのベルト経路を通して装着されている間にベルトのたるみを防ぐのに役立つ。
【0626】
リーダー630は、ベルトを装着している間に先端を形成するベルト614の端部610および612の1つから分離可能であり得る。いくつかの実施形態では、リーダー630は、適切なリンクまたはスナップによって端部610および612の1つに分離可能に結合され、適切なリンクまたはスナップは、一旦、ベルト経路を通してベルトが装着されるとリーダーのベルトの先端からの簡単な取り外しを容易にする。いくつかの実施形態では、ベルト614に結合される場合、リーダー630は、ベルトの装着によって引き起こされ得る損傷から小穴継ぎ618を防ぐために、小穴継ぎ618の1つ内または上に置かれる。他の実施形態では、リーダー630は、小穴継ぎ618に隣接した端部610および612の1つに結合される。いくつかのかかる実施形態では、リーダー630は、対応する小穴継ぎを含み得、典型的には傾いている、分離線に沿って端部610および612の1つから分離可能であり得る。
【0627】
以下でさらに詳細に説明するように、一旦、可撓性細長ベルト614が印刷システムのベルト経路を通って引っ張られて、リーダー630がベルト支持システム(
図5)の端部の方にやって来ると、リーダー630は取り除かれて、ベルト614の対向する端部が継ぎ目によって相互に接合され、継ぎ目は、
図4に示すように、傾斜した線636に沿って延在し得る。
【0628】
本発明に従ったリーダーに関するさらなる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO2016/166690号に開示されている。
【0629】
ここで、印刷システムの中間転写部材のベルト支持システム100の一端部の斜視図である、
図5を参照する。
【0630】
ベルト支持システム100は、
図4に例示するように、ベルトの側縁部上の側方形成632を係合できるガイドチャネル642を画定する連続した側方トラックをさらに含み、装着およびその使用中にベルトをその幅方向にピンと張った状態に維持する。ガイドチャネル642は、ベルト側方形成632を受け入れて保持し、ベルトをピンと張った状態に維持するのに適した任意の断面を有し得る。
【0631】
例示的なベルト側方形成およびかかる側方形成を受け入れるために適したガイドチャネルに関するさらなる詳細は、PCT公開第WO2013/136220号および第WO2013/132418号に開示されており、それらは参照により本明細書に組み込まれる。かかる側方形成および対応するガイドチャネルは典型的には、中間転写部材が剛性支持上に取り付けられる場合、必要ない。
【0632】
ベルトの適所への初期誘導は、例えば、ベルト経路を通してベルトを装着してベルトを設置するために手動で、または自動的に動かすことできるチェーンにベルトの端部610および612(
図3)の先端の1つを取り付けたリーダー630(
図4)を固定することにより行われ得る。例えば、ベルト614(
図4)のリーダー630の端部は、各ガイドチャネル642内部に存在するケーブルに取外し可能に取り付けることができる。ケーブル(複数可)を進めると、ガイドチャネルによって画定されたベルト経路の一部に沿ってベルトが進む。
図4に関連して前述したように、最終的に継ぎ目を形成する領域内のベルト614のリーダー630は、継ぎ目以外の領域におけるよりも低い可撓性を有し得る。この局所的な「剛性」は、ベルト614の側方形成632のそれらそれぞれのチャネルへの挿入を容易にし得る。
【0633】
ベルト側方形成をガイドチャネル内に装着するための例示的な方法に関するさらなる詳細は、PCT公開第WO2016/166690号に開示されている。
【0634】
ベルト支持システム100は、本発明の一実施形態に従って、中間転写部材の継ぎ目を熱硬化させるための加熱器をさらに含む。
【0635】
いくつかの実施形態では、
図5を参照して以下で説明するような、加熱器650は、ベルトの自由端、および加熱器が室温における間、その上に配置される、継ぎ目テープを有し、かつ、熱を継ぎ目テープに印加してベルトの自由端にそれを熱硬化させ、それによりITMの閉じたループを形成するように適合される。
【0636】
図5に見られるように、加熱器650は、ローラー240または242(
図1)の1つに隣接したベルトシステム100内に配置され、そのため、ベルト614などの、細長い可撓性ベルトを、ベルト経路を通して装着する場合、ベルトは加熱器650の上に装着される。いくつかの実施形態では、
図5に例示されるような、加熱器650は、ベルトシステム100のフレーム654の上面652に実質的に垂直に、ベルトシステム100の側面上に配置される。
【0637】
ここで、加熱器650の一実施形態の概略上面平面図である、
図6、およびその作動中、ベルト614をITM102(
図1)のエンドレスループに変える継ぎ目を形成するために熱硬化性テープ600(
図2)の細長い可撓性ベルト614(
図3)の自由端610および612上への熱硬化のための、加熱器650の概略断面図である、
図7をさらに参照する。
【0638】
加熱器650は加熱表面652を含み、それは、作動時に、細長い可撓性ベルト614の自由端610および612の下に配置される。いくつかの実施形態では、
図5および
図6に例示されるような、加熱表面652は平行四辺形の形状であり、そのため自由端610および612がそれに沿って相互に隣接する傾斜した線は、加熱表面652の中心に位置する。加熱表面652の長さは典型的には、ベルト614の幅に等しいか、またはそれよりも大きく、加熱板652の幅は、端部610と612との間の継ぎ目の領域全体に熱を供給するために十分に大きい。ベルトの自由端610および612が熱硬化性テープ600によって結合される、
図7に例示する実施形態では、加熱板652の幅は、熱硬化性テープ600の幅に等しいか、またはそれよりも大きい。
【0639】
いくつかの実施形態では、加熱器650または加熱表面652は、アルミニウム、銅、および黄銅から成る群から選択された金属から形成される。いくつかの実施形態では、加熱表面652は、2.35W/cmK~40W/cmKの範囲の熱伝導率を有する。
【0640】
図6に明瞭に見られるように、加熱器650は複数の発熱体654を含み、それは、いくつかの実施形態では、加熱表面652の下に配置される。いくつかの実施形態では、発熱体654は、セラミック板、フィラメント、雲母片、およびシリコン片の少なくとも1つ上に印刷される。
【0641】
いくつかの実施形態では、加熱表面の端部において加熱表面の中心におけるよりも大きい熱密度が提供され得るように、発熱体654は、該加熱表面652にわたって不均等に分散される。ベルトは側方形成の領域内でより厚くなる傾向があり、従って、熱硬化性テープ600が、それらの領域内でその熱硬化に適した温度に達するためにより大きな熱密度が必要とされるので、
図4に関して前述したように、この特徴は、可撓性ベルト614が側方形成632を含む実施形態において特に重要である。
【0642】
より具体的には、加熱器は、ベルトの材料だけを含むベルト614の部分の上にあるテープの中央領域、および、テープ600を加熱表面652からさらに離す、側方形成632の上にあるテープの端部領域の両方において、熱硬化性テープ600にわたって均一に少なくとも130℃の温度を提供するように適合される。
【0643】
より具体的には、加熱器650は、その作動中、
図6に破線の長方形656で示された、加熱表面652の中央領域に140C~180Cの範囲の第1の作動温度を提供し、破線の長方形658で示された、加熱表面652の端部において180C~220Cの範囲の第2の作動温度を提供するように適合される。加熱器650は、かかる温度を最大で1分間、最大で3分間、最大で5分間、最大で10分間、最大で15分間、または最大で20分間の間、提供し、それによりテープ600を熱硬化させるように適合される。加熱器650は、作動の1分以内、作動の2分以内、作動の3分以内、作動の5分以内、または作動の10分以内に作動温度に達するように適合される。
【0644】
図7に明瞭に例示される、いくつかの実施形態では、可撓性細長ベルト614は、端部610および612の一方または両方に取外し可能に取り付けられた位置決め配置670を含む。位置決め配置670は、テープ600のベルトの自由端への熱硬化中に、自由端610および612を加熱表面652上のアバットメント内に位置付けるために適合される。いくつかの実施形態では、加熱器650は、ベルト614の位置決め配置670の係合に適した、対応する位置決め配置672を含む。
【0645】
位置決め配置670は、およびいくつかの実施形態では、位置決め配置672も、テープ600の熱硬化を妨害しないか、または妨げないために、非断熱材で形成される必要がある。いくつかの実施形態では、位置決め配置670および/または位置決め配置672は、少なくとも0.8W/cmKの熱伝導率を有する。
【0646】
いくつかの実施形態では、ベルトの位置決め配置670は、自由端610および612に取外し可能に取り付けられた磁気片などの、1つ以上の磁気要素を含み、位置決め配置672は少なくとも1つの磁気要素を含む。テープ600のベルト614への熱硬化中、磁気片は加熱器650内の1つ以上の磁石に磁力で引き付けられ、そのため、ベルトの自由端は、その作動中、加熱器650に対して固定される。いくつかのかかる実施形態では、位置決め配置672の磁石は、サマリウムコバルト磁石を含む。いくつかの実施形態では、一旦、ベルトの端部610および612が相互に結合されてベルトがエンドレスループを形成すると、磁気片は、これらの端部から取り除かれ得る。
【0647】
いくつかの実施形態では、位置決め配置670は両面接着剤を含む。
【0648】
いくつかの実施形態では、位置決め配置670は少なくとも1つの固定ピンを含み、位置決め配置672は、テープ600の該熱硬化中に少なくとも1つの固定ピンを受け入れるように適合された、少なくとも1つの対応して配置された固定穴を含む。
【0649】
いくつかの実施形態では、位置決め配置670は、少なくとも1つの細長い隆起部を含み、かつ位置決め配置672は、テープ600の該熱硬化中に少なくとも1つの細長い隆起部を受け入れるように適合された、少なくとも1つの対応して配置された細長い溝を含む。
【0650】
いくつかの実施形態では、位置決め配置670は、ベルト614を加熱器650に結合する静電力を発生するように適合された、静電力発生配置を含む。
【0651】
テープ600がベルト614の端部610および612に熱硬化されてエンドレスベルトを形成した後、
図1に例示されるローラー251などの、テンションローラーが、エンドレスループ、および中間転写部材を、所望の長手方向張力下で維持するために広げられる。
【0652】
ここで、
図8A、
図8Bおよび
図8Cを参照する。
図8Aでは、ベルト614は、本発明で開示する様々な実施形態に従った継ぎ目による接合に備えて相互に近接した2つの端部610、612を有するとして示されている。ベルト614は、前述のように、その長い側面の各々に沿って複数の側方形成632を有することによって特徴付けられ、側方形成632は、とりわけ、間隔を置いた側方形成632とかみ合うために提供された側方ガイド内に存在するか、または側方ガイドを通して移動する場合に、ベルト614に側方張力を印加することを含む、いくつかの機能を果たす。
【0653】
本発明の一実施形態によれば、側方形成部分632は、取付け機構への取付けのために適合された固着構造を含み得る。例えば、例示された実施形態では、固着構造は、取付け機構をその中に挿入するために適合された圧着ピン穴633を含み、取付け機構は、例えば、
図8Bの圧着ピン900などの、圧着ピンであり得る。固着構造に結合されたかかる取付け手段を使用することは、例えば、圧着ピンの2つの圧着ピン穴への挿入は、熱硬化性テープの貼付けおよび/または硬化より前に-およびその間-2つのベルト端部610、612を相互に少なくとも一時的に固定する。
図8Aの詳細な挿入では、側方形成632
L1(ベルト縁部610上の最終的な側方形成)および632
R1(ベルト縁部612上の最終的な側方形成)はそれを通るそれぞれの圧着ピン穴633
L1、633
R1を有する。
【0654】
図8Aは平面図であるので、穴は、側方形成をベルトに直角な方向に通り抜けることが理解できる。任意の側方形成632は、圧着ピン穴、または取付け機構に結合するための任意の他の固着構造を有することができるが、本明細書で例示される特定の限定されない例では、ベルト端部のそれぞれの端部に最も近い側方形成だけが、かかる圧着ピン穴または固着構造を有する。圧着ピン穴633は、
図8Aの「上側(top)」側方縁部(すなわち、平面図面で見ている場合に「上側」)の側方形成632にだけ示されている。熟練した実践者は、図示されていないが、図の「下側」縁部上、すなわち、ベルト614の第2の側方縁部上の対応する側方形成632も、各それぞれのベルト端部610、612の端部に最も近い少なくとも第1の側方形成内に圧着ピン穴633を有することを理解するであろう。
【0655】
いくつかの実施形態では、圧着ピン穴633などの固着構造は、設置前に、すなわち、既存の固着構造または圧着ピン穴をもつ、少なくともいくつかの側方形成部分を製作することにより、側方形成内に提供できる。これは、例えば、側方形成をそのように成形することによって、または成形後、側方形成に穴を開けることによって、達成され得る。代替として、固着構造または圧着ピン穴は後で、ベルトが工場から出荷された後にさえ、または新しいか、もしくは交換ベルトを印刷システム内に設置する時にさえ、追加できる。例えば、圧着ピン穴は、本明細書で説明するように、2つのベルト端部を長期間、相互に取り付けるために硬化性テープを貼り付ける準備をしている間に、側方形成部分にその場で穴を開けることによって側方形成内に形成され得る。いくつかの実施形態では、特別なツールまたは治具がかかる穴開けを容易にするために提供できる。
【0656】
取付け機構、および特に、圧着ピン穴633を含む側方形成の取付けに適した圧着ピン900の限定されない例が、
図8Bに概略的に示されている。この例によれば、圧着ピン900は、ベース部材901および2つの垂直部材902
L、902
Rを含み得る。圧着ピン900は、適切な強度および可撓性の任意の材料で作ることができ、それは、前述の熱硬化プロセスに耐える。例えば、徹底的にではなく、材料は、金属もしくは金属合金、ポリマー、またはポリマー被覆されたか、もしくはポリマーで覆われた金属もしくは金属合金を含むことができる。各垂直部材902は、圧着を容易にするような方法で、垂直線から離れて部分的に曲げられるそれぞれの端部903を有し得る。本出願の文脈では、端部の「圧着」は、端部が水平または水平に近い状態に曲がったままになるように十分な力および精度で端部を曲げることを意味すると解釈されるべきである。
【0657】
かかる圧着の結果が
図8Cに例示されている。側方形成632
L1と632
R1との間の小さい間隙において、圧着ピン900のベース901の対応する部分が見られ-この例では、圧着ピンは、側方形成の下から、圧着ピン穴633
L1、633
R1を通って上へ挿入されている。垂直部材902L、902Rの曲げられたか、または圧着された縁部903L、903Rは、それぞれの圧着ピン穴633から上方に延出し、屈曲または圧着の後、それぞれの側方形成632の上面の部分にわたって位置しているのが見られる。2つの側方形成632
L1および632
R1の間の間隙は、原寸に比例して示されておらず、いくつかの実施形態では、2つの側方形成632
L1および632
R1は、圧着後、接触しているか、またはほぼ接触している可能性がある。
【0658】
ベルト614の側方形成632に関して本明細書で説明する圧着ピンおよび圧着ピン穴は、任意の適切な側方形成および/またはベルト、例えば、参照によって本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2013/136220号および第WO2013/132418号に説明されるものに組み込まれ得ることが理解されよう。
【0659】
例示する実施形態は圧着ピン穴の形の固着構造、および圧着ピンの形の取付け機構に関連するが、任意の他の形式の固着構造および対応する取付け機構が本発明の範囲内と考えられる。
【0660】
ここで、本発明の一実施形態に従い、中間転写部材を設置するための方法の流れ図を示す、
図9を参照する。
【0661】
最初に、ステップ800で、ベルト614(
図4)などの、印刷システムを通して装着するのに適した可撓性細長ベルトが取得される。
【0662】
典型的には、ステップ800で取得されたベルトは、印刷システムを通して装着する準備が整っており、リーダー(630、
図4)、側方形成(632、
図4)、取外し可能な位置決め配置(670、
図7)および/またはベルト(618、
図3)の端部に形成された小穴継ぎを含み得る。
【0663】
いくつかの実施形態では、本方法は、ベルトを印刷システムのベルト経路を通して装着するために準備することも含む。かかる準備は、リーダーおよび/もしくは側方形成をベルトに結合すること、取外し可能位置決め配置をベルトの自由端に結合すること、ならびに/またはベルトの第1および第2の自由端の各々内に小穴継ぎを形成することを含み得る。
【0664】
ステップ806で、細長い可撓性ベルト614が印刷システム10(
図1)のベルト経路を通して装着される。いくつかの実施形態では、これは、該可撓性細長ベルトを印刷システムに沿って誘導するために、側方形成632を印刷システムのガイドチャネル642(
図5)内に係合することによって実行され得る。
【0665】
一旦、ベルト614がベルト経路を通して装着されると、リーダー630が使用される場合、ステップ808で、リーダーは任意選択としてベルトから取り除かれ得る。ステップ810で、自由端610および612は、自由端が相互に隣接するように印刷システム(
図5、
図6)の加熱器650の上に位置付けられ、小穴継ぎ618は、
図3および
図7に例示されるように、チャネルを形成する。いくつかの実施形態では、自由端610および612を加熱器の上に位置付けることは、ベルト614の位置決め配置670を加熱器650の対応する位置決め配置672(
図7)に係合することを含み、そのため自由端610および612は加熱器650およびその加熱表面に対して定位置にある。
【0666】
ステップ812で、基板層および固形シリコーンゴム層を含む、熱硬化性テープ600(
図2)が、ベルト614の第1および第2の自由端610および612に貼り付けられる。端部610および612がチャネルを形成する小穴継ぎを含む実施形態では、熱硬化性テープ600はチャネル内部に置かれる。熱硬化性テープは、その固形シリコーンゴム層604(
図2)がベルト614または小穴継ぎ618の表面に面するように置かれる。いくつかの実施形態では、接着剤層がテープ600とベルト614との間に配置されて、テープがベルト上に熱硬化されるまで、テープ600を自由端610および612に対して定位置に保持する。
【0667】
いくつかの実施形態では、熱硬化性テープ600の自由端610および612への貼付けの後、ステップ813で、接着剤層がテープ600の露出面に塗布される。接着剤層は、小穴継ぎ618とテープ600との間の間隙を充填するように適合され得る。いくつかの実施形態では、接着剤層は二液型接着剤を含み得、二液型接着剤は、混合されて、その硬化前に熱硬化性テープ600に塗布される。例えば、接着剤は、米国ミシガン州ミッドランドのDow Corningから市販されている3730 A&B接着剤であり得る。
【0668】
その後、ステップ814で、固形シリコーンゴム層604がベルト610の第1および第2の自由端610および612に熱硬化され、そのため第1および第2の自由端を結合する継ぎ目を形成し、それにより可撓性細長ベルトをITMとしての使用に適したエンドレスベルトに変換する。
【0669】
いくつかの実施形態では、熱硬化させることは、加熱器650を作動させて、加熱器650の板の加熱の後、少なくとも130℃の温度を1~15分間の範囲の間、熱硬化性テープ600にわたって均一に供給することを含む。いくつかのかかる実施形態では、熱硬化させることは、加熱器650を作動させて、加熱器の加熱表面の中央において140℃~180℃の範囲の第1の作動温度を提供し、側方形成632に起因してベルトがより厚い、加熱表面の端部において180C~220Cの範囲の第2の作動温度を提供することを含む。
【0670】
いくつかの実施形態では、加熱器650は、最大で5分間、最大で10分間、最大で15分間、最大で20分間、または最大で30分間の総期間、作動され、総期間は、加熱器650が作動温度に到達する期間およびテープ600を熱硬化させる期間を含む。
【0671】
位置決め配置670がベルト614に取外し可能に取り付けられた、いくつかの実施形態では、テープ600の熱硬化の後、ステップ816で、位置決め配置が、現在はエンドレスループである、可撓性ベルトから取り除かれる。
【0672】
ITMとして使用されるエンドレスベルトの形成の後、印刷システムは、継ぎ目の破損がなければ、かつベルトの2つの端部の間の分離がなければ、少なくとも2週間の期間、150℃の作動温度で作動され得る。いくつかの実施形態では、印刷システムのかかる作動は、エンドレスベルトの表面へ像をインクジェット印刷すること、エンドレスベルトを回転させて像を印刷ステーション300(
図1)から刷版ステーション550(
図1)へ移動すること、および刷版ステーションで、エンドレスベルトの表面から基板に像を転写することを含む。
【0673】
ここで、本発明の一実施形態に従い、中間転写部材を設置するための方法の別の流れ図を示す、
図10を参照する。
図10の方法は、ステップ810の後で、ステップ812の前にステップ811が追加されていることを除いて、
図9の流れ図に概略する方法と同一である。ステップ811は、取付け機構の使用によってベルトの対向する自由端を少なくとも一時的に結合する方法ステップを含む。例えば、ステップ811は、
図8A~
図8Cに示す圧着ピンおよび圧着ピン穴を使用して達成され得る。例えば、かかる取付け機構は次の動作を含み得る:
-圧着ピン900を、この目的のために手動で相互に近接にできる2つの側方形成632
L1、632
R1内の2つのそれぞれの圧着ピン穴633
L1、633
R1に挿入すること。
-ベルト614の端部610、612の第2の側方縁部上の側方形成632のそれぞれの圧着ピン穴633内に追加の圧着ピン900を挿入すること。
-例えば、受板を有する圧着ツールを使用して、垂直部材902L、902Rの上側端部903L、903Rを内側に圧着し、それにより上側端部903L、903Rを側方形成632の上に向いた部分上にしっかりと折り曲げる。
【0674】
圧着ピンの圧着ピン穴へのかかる結合は、ステップ812に進む前に、2つのベルト端部610、612を少なくとも一時的に、相互に固定させ、ステップ812では、熱硬化性テープがベルト614の自由端610および612に貼り付けられる。
【0675】
圧着ピン900を閉じるための圧着ツールは、別個のツールにできるか、または印刷システムの既存の要素がこの目的のために適合または利用できる。いくつかの実施形態では、本方法のすべてのステップが必ずしも必要ではない。
【0676】
例
ここで、前述の説明と一緒に、本発明を限定されない方法で例示する、以下の例を参照する。
【0677】
例1
熱硬化性テープの形成
米国ニューヨーク州PetersburghのTaconic(登録商標)から市販されていて、黒いシリコンでコーティングされたガラス繊維層を含み、160μmの総厚さを有する、Taconic 7101 blackの形の基板層を、基板層として使用した。
【0678】
ドイツ、ミュンヘンのWacker Chemieから市販されている熱硬化性固形シリコーンゴムである、ある量のElsatosil(登録商標)Rプラス4066/60を基板層に貼り付け、次いで押出機を使用して手動で押し出して固形シリコーンゴム層を形成した。
【0679】
各々が100μmの厚さを有する、ポリエチレンテレフタレート(PET)から形成された2つの基板を、固形シリコーンゴム層および基板層の黒いシリコーンコーティング層に貼り付け、固形シリコーンゴム層が90μm~100μmの範囲の厚さを有するまで、得られた4層構造をカレンダーロールを使用して平らにした。
【0680】
カレンダリングの後、PET層を黒いシリコーンコーティング層から取り除いた。結果として生じる熱硬化性テープが使用のために準備できるまで第2のPET層を固形シリコーンゴム層の上に維持し、テープを貼り付ける直前に固形シリコーンゴム層から取り除いた。
【0681】
結果として生じるテープは、保護PET層を除いて、240~250μmの総厚さを有していた。
【0682】
例2
継ぎ目破損の比較分析
参照により全体として本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2017/208144号に記載のように、複数の細長い可撓性ベルトの第1および第2の端部を継ぎ目で相互に結合してエンドレスベルトループを形成した。
【0683】
ベルト#1に対して、当技術分野で現在使用されている縮合硬化型接着テープである、R4接着剤を使用して端部を結合した。接着テープをベルトの端部に貼り付けて室温でそれに対して硬化させた。
【0684】
ベルト#2および#3に対して、液状シリコーンゴムから形成された付加硬化型接着剤である、D30接着剤を使用して端部を結合した。接着剤をベルトの端部に塗布し、それに対して硬化させた。ベルト#2に対して、硬化は、130℃の温度で20分間かかった。ベルト#3に対して、硬化は、150℃の温度で20分間かかった。
【0685】
ベルト#4および#5に対して、例1で前述したとおりに熱硬化性テープを生成した。次いで、熱硬化性テープを使用して、ベルトの端部をテープの熱硬化によって結合した。ベルト#4に対して、硬化は、130℃の温度で20分間かかった。ベルト#5に対して、硬化は、150℃の温度で5分間かかった。
【0686】
ベルトの各々から試料を取り、各試料は、試料の中央にベルトの第1および第2の端部を結合している継ぎ目の領域を含む、200mmの長さを有し、20mmの幅を有していた。
【0687】
各試料を、chantillonグリップおよび1kNのロードセルを使用する、米国ペンシルベニア州BrewynのAmetek(登録商標)Inc.から市販されている、Lloyd LS5材料試験装置内に置いた。グリップで各試料の両端を掴み、継ぎ目、接着剤、またはベルトの本体が破損するまで、試料を様々な伸張で引っ張り上げた。
【0688】
表1に、各試料を試験した温度条件、破損が生じたときに使用した荷重(N/20mmで)、および破損のタイプを要約する。
【表1】
【0689】
継ぎ目または継ぎ目を形成しているテープがベルトから分離すると接着破損が生じ、継ぎ目要素、または継ぎ目を形成しているテープが破れるかまたは破損すると継ぎ目破損が生じ、また、継ぎ目の領域が完全なままであるが、試料に印加された力に起因してベルトの材料が破れると本体破損が生じる。
【0690】
表1に見られるように、本明細書で開示する熱硬化性テープを使用してその端部を接着したベルト#4およびベルト#5は、ベルト#3の試料を例外として、他のベルトの試料よりも大きい荷重に耐えることができた。しかし、そのベルトの硬化条件は、比較的高温で、比較的長期間(150Cを20分間)であって、それが試料の強度の寄与している可能性がある。追加として、ベルトの各々は、室温で試験した場合、高温で試験した場合よりも大きな荷重に耐えることができた。
【0691】
追加として、表1はベルト#4およびベルト#5に対して、同じ条件で試験した場合、ベルト#5ははるかに大きい荷重に耐えることができることを示す。これは、熱硬化性テープで使用された固形シリコーンゴムの1つの特性は、テープの硬化中により大きな熱密度が提供されると、結果として生じる継ぎ目がそれだけ強くなるという事実に起因し得る。
【0692】
例3
継ぎ目剥離の比較分析
参照により全体として本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2017/208144号に記載のように、3つの細長い可撓性ベルトの各々を、摩耗した領域を含むように処理し、摩耗した領域では、剥離層を形成している、ベルトの上側コーティングを、サンドペーパーを使用してベルトから取り除いた。3つの可撓性ベルトの各々を研削した領域を含むようにさらに処理し、研削した領域では、ベルト材料の一部を、例えば、本明細書で前述したように小穴継ぎを形成するために、研削機を使用して取り除いた。
【0693】
ベルトの各々は、3つの領域、すなわち、剥離領域と呼ばれる、剥離層の未処理部分、摩耗した領域、研削した領域、の各々において、その継ぎ目要素に対する標準的な硬化条件下で、それに貼り付けて硬化させた継ぎ目を有していた。
【0694】
ベルト#1に対して、例2に関して本明細書で前述したR4接着剤を、室温で、3つの領域においてベルト#1に縮合硬化させた。
【0695】
ベルト#2に対して、例2に関して本明細書で前述した、D30接着剤を、3つの領域においてベルト#2に付加硬化させた。硬化は、130Cの温度で20分間かかった。
【0696】
ベルト#3に対して、例1において本明細書で前述したとおりに生成した熱硬化性テープを3つの領域においてベルト上に熱硬化させた。硬化は、130℃の温度で20分間かかった。
【0697】
ベルトの各々の領域の各々から試料を取り、各試料は、200mmの長さおよび15mmの幅を有しており、周辺領域なしで、ベルトに接着された継ぎ目だけを含む。
【0698】
各試料を、英国ボグナーリージスのLloyd Instruments LTDから市販されている、TG34グリップ、および100Nのロードセルを使用する、米国ペンシルベニア州BrewynのAmetek(登録商標)Inc.から市販されている、Lloyd LS5材料試験装置内に置いた。グリップの一方はベルトの部分を掴み、グリップの他方は継ぎ目要素の部分を掴んで、継ぎ目要素がベルトから剥がれるまで、試料を様々な伝搬(propagation)で両側に引っ張った。測定された剥離力は継ぎ目とベルトとの間の分離の平均荷重である。
【0699】
表2に、各試料に対する、ベルト番号、試料を取得したベルトの領域、および継ぎ目要素をベルトから剥がすために印加した力を要約する。
【表2】
【0700】
表2に見られるように、継ぎ目要素または接着剤の各々に対して、継ぎ目要素を研削した領域に貼り付けた場合に最も大きい剥離力を必要とし、継ぎ目要素を剥離領域に貼り付けた場合に最も小さい剥離力を必要とした。
【0701】
追加として、全ての接着剤を比較すると、本発明の熱硬化性テープを研削した領域に貼り付けた場合に最も大きい剥離力を必要とし、それは
図4に関して本明細書で前述したベルトにおいて形成された小穴継ぎと同等である。
【0702】
例4
継ぎ目領域および継ぎ目を含んでいない領域におけるベルトの伸張の比較分析
参照により全体として本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2017/208144号に記載のように、細長い可撓性ベルトを処理して継ぎ合わせて、例1において本明細書で前述したとおり生成された、熱硬化性テープをベルトに熱硬化させることにより閉じたループを形成した。硬化は、130Cの温度で20分間かかった。
【0703】
継ぎ目が試料の中央になるように、継ぎ目を含む領域から2つ、および継ぎ目を含まない領域から2つの、4つの試料をベルトから取得した。各領域から、1つの試料は100mmの長さを有し、別の試料は200mmの長さを有しており、各試料は20mmの幅を有していた。
【0704】
各試料を、米国ペンシルベニア州BrewynのAmetek(登録商標)Inc.から市販されている、バイス(vice)グリップ、および100Nのロードセルを使用する、米国ペンシルベニア州BrewynのAmetek(登録商標)Inc.から市販されている、Lloyd LS5材料試験装置内に置いた。グリップで各試料の両端を掴み、各試験サイクルで、試料を最大で15Nまでの様々な力で上下に引っ張った。試験は総計で20サイクルを含んでいた。サイクルの完了後、試料の最終曲線の勾配を取得して、試料のばね定数を測定した。
【0705】
表3に、各試料に対して測定したばね定数を要約する。
【表3】
【0706】
表3に見られるように、試料の長さの各々に対して、ベルトだけのばね定数は継ぎ目テープを含んでいるベルトのばね定数よりも大きかった。追加として、同じ長さを有する試料に対して、継ぎ目テープを含んでいるベルトとベルトだけに対して測定したばね定数の比率は、0.88~0.91の範囲である。
【0707】
明確にするために、別々の実施形態の文脈で説明される、本発明のある特徴は、単一の実施形態に組み合わせても提供され得ることが理解される。逆に、明確にするために、単一の実施形態の文脈で説明される、本発明の様々な特徴は、別々に、もしくは任意の適切な部分的組合せで、または本発明の任意の他の説明される実施形態に適するとしても提供され得る。様々な実施形態の文脈で説明されるある特徴は、その実施形態がそれらの要素がなければ動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と考えられるべきではない。
【0708】
本開示は、その提示される様々な特定の実施形態に関して、例示のみの目的で説明してきたが、かかる具体的に開示された実施形態は制限するものと考えられるべきではない。かかる実施形態の他の多くの代替、修正および変形は、本明細書における出願者の開示に基づいて当業者には思い付くであろう。それに応じて、かかる代替、修正および変形を全て包含し、添付のクレームの趣旨および範囲、ならびにそれらの意味および等価の範囲内の任意の変更によってのみ拘束されることを意図する。
【0709】
本開示の説明およびクレームでは、動詞「含む(comprise)」、「含む(include)」および「有する(have)」、ならびにその同根語は、動詞の目的語または複数の目的語が必ずしも、動詞の主語または複数の主語の特徴、メンバー、ステップ、構成要素、要素もしくは部分の完全なリストである必要はないことを示すために使用される。
【0710】
本明細書では、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、複数の参照を含み、別段の明確な指示がない限り、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数」を意味する。
【0711】
特に指定のない限り、選択のための選択肢のリストの少なくとも2つのメンバー間での表現「および/または」は、リストされた選択肢の1つ以上の選択が適切であり、行われ得ることを示す。
【0712】
特に指定のない限り、本技術の実施形態の特徴もしくは複数の特徴の状態または関係特性を変更する「実質的(substantially)」および「約(about)」などの形容詞は、その状態または特性は、それが意図する用途のための実施形態の操作に対して相応しい許容範囲内に定義されることを意味すると理解すべきである。
【0713】
本開示を理解または達成するために必要な範囲において、特に、出願者の出願を含む、本明細書で言及する全ての出版物、特許、および特許出願は、参照により全体として、本明細書に完全に記載されるように、明示的に組み込まれる。