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特許7203906回動機構、結合金具および回動機構の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】回動機構、結合金具および回動機構の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/14 20060101AFI20230105BHJP
   F16B 7/20 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
F16L37/14
F16B7/20 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021102394
(22)【出願日】2021-06-21
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】391001169
【氏名又は名称】櫻護謨株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川崎 哲治
(72)【発明者】
【氏名】玉田 和之
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-304185(JP,A)
【文献】特開2002-286184(JP,A)
【文献】特開平03-037493(JP,A)
【文献】特開2009-035931(JP,A)
【文献】特開2011-085263(JP,A)
【文献】特開昭51-105623(JP,A)
【文献】国際公開第2011/150449(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/14
F16B 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1内周面と、第1外周面と、前記第1内周面において前記第1内周面の軸を中心とした周方向に延びる第1溝と、を有する円筒状の外部材と、
前記外部材に回動可能に挿入され、前記第1内周面に対向する第2外周面と、前記第2外周面において前記周方向に延びるとともに前記第1溝と対向する第2溝と、を有する内部材と、
前記第1溝および前記第2溝により形成される空間に配置され、前記軸と平行な軸方向における前記外部材と前記内部材の相対的な移動を規制する複数の円弧状の係止片と、
を備え
前記第1溝は、
前記軸方向と直交する第1係止平面と、
前記軸方向と直交し、前記第1係止平面と対向する第2係止平面と、
を有し、
前記第2溝は、
前記軸方向と直交し、前記軸を中心とした半径方向において前記第1係止平面と並ぶ第3係止平面と、
前記軸方向と直交し、前記半径方向において前記第2係止平面と並ぶ第4係止平面と、
を有し、
前記複数の係止片の各々は、
前記軸方向と直交し、前記第1係止平面および前記第3係止平面と接触する第5係止平面と、
前記軸方向と直交し、前記第2係止平面および前記第4係止平面と接触する第6係止平面と、
を有し、
さらに、前記複数の係止片の各々は、前記周方向に長尺であり、かつ前記半径方向における幅が前記軸方向における幅よりも大きい扁平な形状を有している、回動機構。
【請求項2】
前記第1溝は、前記第1内周面を前記周方向に一周する環状であり、
前記第2溝は、前記第2外周面を前記周方向に一周する環状であり、
前記複数の係止片は、前記軸を中心とした環状に配置されている、
請求項1に記載の回動機構。
【請求項3】
前記外部材は、前記第1溝と前記第1外周面の間を貫通するとともに前記複数の係止片の各々が通過可能な形状を有するスロットを備えている、
請求項1または2に記載の回動機構。
【請求項4】
前記スロットは、前記周方向に沿う円弧状であり、
前記複数の係止片の各々の前記周方向における長さは、前記スロットの前記周方向における長さよりも小さい、
請求項に記載の回動機構。
【請求項5】
前記スロットを塞ぐ蓋部材をさらに備えている、
請求項またはに記載の回動機構。
【請求項6】
前記外部材は、
前記軸方向における端部と、
前記スロットと前記端部の間を前記軸方向に貫通する第1連結孔と、
を有し、
前記蓋部材は、前記軸方向に貫通する第2連結孔を有し、
前記蓋部材が前記スロットに嵌め込まれたときに前記第1連結孔と前記第2連結孔の位置が揃い、この状態において連結部材を前記第1連結孔と前記第2連結孔に挿入することにより前記蓋部材が前記スロットに対して固定される、
請求項5に記載の回動機構。
【請求項7】
前記外部材は、前記軸方向に並ぶ複数の前記第1溝を有し、
前記内部材は、前記軸方向に並ぶ複数の前記第2溝を有し、
前記複数の係止片は、複数の前記第1溝および複数の前記第2溝により形成される複数の前記空間にそれぞれ配置されている、
請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の回動機構。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の回動機構と、
前記外部材に設けられ、結合相手の金具と結合可能な結合部と、
を備える結合金具。
【請求項9】
前記内部材は、流路を有する円筒状である、
請求項8に記載の結合金具。
【請求項10】
前記結合部は、
前記外部材の前記軸方向の端部において前記周方向に配列され、前記周方向に突出するフックが形成された複数の突起部と、
隣り合う前記突起部の間にそれぞれ形成された複数の凹部と、
を備え、結合相手の金具が備える同形状の結合部と結合可能である、
請求項9に記載の結合金具。
【請求項11】
請求項5または6に記載の回動機構の製造方法であって、
前記外部材を用意し、
前記内部材を用意し、
前記第1溝と前記第2溝が対向するように、前記外部材に前記内部材を回動可能に挿入し、
前記第1溝および前記第2溝により形成される空間に対し、前記スロットを通じて前記複数の円弧状の係止片を順次挿入し、
前記複数の係止片を挿入し終えた後、前記蓋部材により前記スロットを塞ぐ、
回動機構の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの部材を回動可能に連結する回動機構、当該回動機構を備えた結合金具および当該回動機構の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
送水作業を伴う様々な分野において、複数の送水路の連結用に雌雄の区別が無い結合金具が利用されている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の結合金具は、周方向に並ぶ複数の突起部と、これら突起部の間の凹部とを備えている。この結合金具は、突起部を同形状の接続相手の結合金具の凹部に挿入し、当該接続相手の結合金具に対し相対的に回動させることで、当該接続相手の結合金具と連結される。さらに、結合時とは逆方向にこれら結合金具を相対的に回動させることで、両金具の結合が解除される。
【0004】
この種の結合金具を結合させたり、結合を解除したりする際には、両金具を回動させる必要がある。上記特許文献1においては、複数のボールを用いて金具の管台を回動可能とする回動機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6686047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の配管用スイベルジョイント等の回動機構は、一般的に重量が大きく、必ずしも使用性に優れたものではない。また、回動機構にボールを用いる場合には、当該ボールと各部材の接触部分において局所的に高い圧縮応力が発生し得るため信頼性を十分に確保できない可能性がある。さらには、圧縮応力やせん断応力などの応力計算が複雑となるため、回動機構の設計および製造が容易ではない。
【0007】
その他にも、従来の回動機構には種々の改善の余地がある。また、送水路の連結用の結合金具について上述した問題は、他種の構造物の回動機構においても同様に生じ得る。そこで、本発明は、使用性や信頼性が改善された回動機構、当該回動機構を備える結合金具および当該回動機構の製造方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る回動機構は、円筒状の外部材と、内部材と、複数の円弧状の係止片と、を備えている。前記外部材は、第1内周面と、第1外周面と、前記第1内周面において前記第1内周面の軸を中心とした周方向に延びる第1溝と、を有している。前記内部材は、外部材に回動可能に挿入され、前記第1内周面に対向する第2外周面と、前記第2外周面において前記周方向に延びるとともに前記第1溝と対向する第2溝と、を有している。前記複数の係止片は、前記第1溝および前記第2溝により形成される空間に配置され、前記軸と平行な軸方向における前記外部材と前記内部材の相対的な移動を規制する。
【0009】
好ましくは、前記第1溝は前記第1内周面を前記周方向に一周する環状であり、前記第2溝は前記第2外周面を前記周方向に一周する環状であり、前記複数の係止片は前記軸を中心とした環状に配置されている。
【0010】
前記第1溝は、前記軸方向と直交する第1係止平面と、前記軸方向と直交し、前記第1係止平面と対向する第2係止平面と、を有してもよい。また、前記第2溝は、前記軸方向と直交し、前記軸を中心とした半径方向において前記第1係止平面と並ぶ第3係止平面と、前記軸方向と直交し、前記半径方向において前記第2係止平面と並ぶ第4係止平面と、を有してもよい。この場合において、前記複数の係止片の各々は、前記第1係止平面および前記第3係止平面と接触する第5係止平面と、前記第2係止平面および前記第4係止平面と接触する第6係止平面と、を有してもよい。
【0011】
前記外部材は、前記第1溝と前記第1外周面の間を貫通するとともに前記複数の係止片の各々が通過可能な形状を有するスロットを備えてもよい。
【0012】
例えば、前記スロットは、前記周方向に沿う円弧状であり、前記複数の係止片の各々の前記周方向における長さは、前記スロットの前記周方向における長さよりも小さい。
【0013】
好ましくは、前記回動機構は、前記スロットを塞ぐ蓋部材をさらに備えている。
【0014】
前記外部材が前記軸方向に並ぶ複数の前記第1溝を有し、前記内部材が前記軸方向に並ぶ複数の前記第2溝を有し、前記複数の係止片が複数の前記第1溝および複数の前記第2溝により形成される複数の前記空間にそれぞれ配置されてもよい。
【0015】
一実施形態に係る結合金具は、前記回動機構と、前記外部材に設けられ、結合相手の金具と結合可能な結合部と、を備えている。
【0016】
このような結合金具において、前記内部材は、流路を有する円筒状であってもよい。
【0017】
例えば、前記結合部は、前記外部材の前記軸方向の端部において前記周方向に配列され、前記周方向に突出するフックが形成された複数の突起部と、隣り合う前記突起部の間にそれぞれ形成された複数の凹部と、を備え、前記結合相手の金具が備える同形状の結合部と結合可能である。
【0018】
一実施形態に係る製造方法においては、第1内周面と、第1外周面と、前記第1内周面において前記第1内周面の軸を中心とした周方向に延びる第1溝と、前記第1溝と前記第1外周面の間を貫通するスロットと、を有する円筒状の外部材を用意し、前記第1内周面に対向する第2外周面と、前記第2外周面において前記周方向に延びる第2溝と、を有する内部材を用意し、前記第1溝と前記第2溝が対向するように、前記外部材に前記内部材を回動可能に挿入し、前記第1溝および前記第2溝により形成される空間に対し、前記スロットを通じて複数の円弧状の係止片を順次挿入し、前記複数の係止片を挿入し終えた後、蓋部材により前記スロットを塞ぐことにより、回動機構が製造される。
【発明の効果】
【0019】
例えば、本発明によれば、使用性や信頼性に優れた回動機構、当該回動機構を備える結合金具、および当該回動機構の製造方法を提供することができる。本発明が奏する具体的な効果は、後述する実施形態において明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、一実施形態に係る回動機構の概略的な分解斜視図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿う外部材の概略的な断面図である。
図3図3は、図1のIII-III線に沿う外部材の概略的な断面図である。
図4図4は、図1のIV-IV線に沿う内部材の概略的な断面図である。
図5図5は、図1に示した係止片を拡大した斜視図である。
図6図6は、組み立てられた回動機構の一部の概略的な断面図である。
図7図7は、組み立てられた回動機構の他の一部の概略的な断面図である。
図8図8は、適用例に係る結合金具の概略的な側面図である。
図9図9は、図8に示す結合金具を軸方向に沿って見た概略的な正面図である。
図10図10は、結合された2つの結合金具の一部を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
回動機構、結合金具および回動機構の製造方法の一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
[回動機構]
図1は、本実施形態に係る回動機構1の概略的な分解斜視図である。この回動機構1は、例えば送水路等の管類を接続するための結合金具や、建物の柱を構成する部材同士の連結構造など、種々の部材の連結に適用することができる。
【0022】
回動機構1は、外部材2と、内部材3と、複数の係止片4とを備えている。外部材2および内部材3は、軸AXを中心として回動可能に連結される。以下の説明においては、軸AXと平行な軸方向DX、軸AXを中心とした半径方向DR、および、軸AXを中心とした周方向Dθを定義する。
【0023】
[外部材]
図2は、図1のII-II線に沿う外部材2の概略的な断面図である。図1および図2に示すように、外部材2は、内周面20(第1内周面)と、外周面21(第1外周面)と、軸方向DXにおける端部22,23とを有した円筒状である。ただし、外部材2の形状はこの例に限られない。外部材2に対し、さらに付加的な要素が連結されてもよい。
【0024】
内周面20は、端部23寄りに位置する大径部20aと、端部22寄りに位置する小径部20bとを有している。大径部20aおよび小径部20bは、軸方向DXに並んでいる。小径部20bの直径は、大径部20Aの直径よりも小さい。
【0025】
外周面21は、端部23寄りに位置する小径部21aと、端部22寄りに位置する大径部21bとを有している。小径部21aおよび大径部21bは、軸方向DXに並んでいる。小径部21aの直径は、大径部21bの直径よりも小さい。
【0026】
内周面20は、半径方向DRに窪んだ2つの溝24A,24B(第1溝)を有している。溝24A,24Bは、互いに軸方向DXに離れ、周方向Dθに延びている。図2の例においては、溝24A,24Bが大径部20aに位置している。
【0027】
具体的には、これら溝24A,24Bは、内周面20を周方向Dθに一周する環状である。溝24A,24Bは、互いに対向する係止平面24a,24b(第1係止平面および第2係止平面)と、これら係止平面24a,24bを繋ぐ底面24cとをそれぞれ有している。
【0028】
図2の例において、係止平面24a,24bは、いずれも軸方向DXと直交する。底面24cは、半径方向DRと直交する曲面である。係止平面24a,24bは、軸方向DXおよび半径方向DRに対して傾斜した平面や曲面であってもよい。
【0029】
図1に示すように、外部材2は、周方向Dθに延びる2つの円弧状のスロット25A,25Bを有している。図1の例においては、これらスロット25A,25Bが軸方向DXに間隔を空けて並んでいる。
【0030】
図3は、図1のIII-III線に沿う外部材2の概略的な断面図である。スロット25A,25Bは、内周面20と外周面21の間を貫通している。より具体的には、スロット25Aは、溝24Aの底面24cと小径部21aの間にわたって形成され、かつ周方向Dθに沿う円弧状の孔である。同様に、スロット25Bは、溝24Bの底面24cと小径部21aの間にわたって形成され、かつ周方向Dθに沿う円弧状の孔である。
【0031】
外部材2は、スロット25Bと端部23の間を貫通する連結孔26aと、スロット25A,25Bの間を貫通する連結孔26bと、スロット25Aの一方の面に形成された連結孔26cとを有している。図3に示すように、連結孔26a,26b,26cは、軸方向DXに並んでいる。連結孔26a,26b,26cの少なくとも一つには、雌ねじが形成されている。連結孔26a,26b,26cは、周方向Dθに間隔を空けて2組設けられている(図1参照)。
【0032】
図1に示すように、回動機構1は、スロット25A,25Bを塞ぐための蓋部材27A,27Bをさらに備えている。蓋部材27A,27Bは、それぞれスロット25A,25Bと嵌め合う円弧状である。
【0033】
蓋部材27A,27Bは、周方向Dθに間隔を空けて設けられた2つの連結孔27aをそれぞれ有している。各連結孔27aは、蓋部材27A,27Bを軸方向DXに貫通している。
【0034】
蓋部材27A,27Bをそれぞれスロット25A,25Bに嵌め込むと、連結孔26a,26b,26c,27aの位置が揃う。これら連結孔26a,26b,26c,27aに対して連結部材5を挿入することにより、蓋部材27A,27Bがスロット25A,25Bに対して固定される。連結部材5は、例えばボルトである。
【0035】
[内部材]
図4は、図1のIV-IV線に沿う内部材3の概略的な断面図である。図1および図4に示すように、内部材3は、内周面30(第2内周面)と、外周面31(第2外周面)と、軸方向DXにおける端部32,33とを有した円筒状である。ただし、内部材3の形状はこの例に限られない。例えば、回動機構1が流路の接続の用途で用いられない場合には、内部材3が中実状であってもよい。また、内部材3に対し、さらに付加的な要素が連結されてもよい。
【0036】
外周面31は、大径部31aと、一対の小径部31bとを有している。大径部31aは、軸方向DXにおいて一対の小径部31bの間に位置している。大径部31aの直径は、小径部31bの直径よりも大きい。図4の例においては、内周面30に凹凸が形成されていない。
【0037】
外周面31は、軸AXに向けて窪んだ2つの溝34A,34B(第2溝)を有している。これら溝34A,34Bは、周方向Dθに延びるとともに、互いに軸方向DXに離れている。図4の例においては、溝34A,34Bが大径部31aに位置している。
【0038】
具体的には、これら溝34A,35Bは、外周面31を周方向Dθに一周する環状である。溝34A,34Bは、互いに対向する係止平面34a,34b(第3係止平面および第4係止平面)と、これら係止平面34a,34bを繋ぐ底面34cとをそれぞれ有している。
【0039】
図4の例において、係止平面34a,34bは、いずれも軸方向DXと直交する。底面34cは、半径方向DRと直交する曲面である。係止平面34a,34bは、軸方向DXおよび半径方向DRに対して傾斜した平面や曲面であってもよい。底面34cの直径は、例えば小径部31bの直径と同じであるが、この例に限られない。
【0040】
[係止片]
図5は、図1に示した係止片4を拡大した斜視図である。係止片4は、周方向Dθに長尺かつ扁平な円弧状であり、外部材2の溝24A,24Bおよび内部材3の溝34A,34Bに挿入可能である。具体的には、係止片4は、内周面40と、外周面41と、一対の係止平面42,43(第5係止平面および第6係止平面)と、一対の側面44,45とを有している。
【0041】
内周面40は、溝34A,34Bの底面34cと同じ曲率を有した曲面である。外周面41は、溝24A,24Bの底面24cと同じ曲率を有した曲面である。係止平面42,43は、軸方向DXと直交する。側面44,45は、周方向Dθと直交する平面である。
【0042】
図5の例においては、内周面40と係止平面42により形成される角部、内周面40と係止平面43により形成される角部、外周面41と係止平面42により形成される角部、外周面41と係止平面43により形成される角部がそれぞれ丸められている。
【0043】
係止片4の周方向Dθにおける長さ(例えば外周面41の長さ)は、スロット25A,25Bの周方向Dθにおける長さ(例えば内周面20の開口部における長さ)よりも小さい。さらに、係止片4の軸方向DXにおける厚さは、スロット25A,25Bの軸方向DXにおける幅よりも小さい。これにより、係止片4をスロット25A,25Bに挿入可能である。
【0044】
なお、係止片4の形状は図5の例に限られない。係止片4は、例えばH型、溝形、丸形、パイプ状などの他の断面形状を有していてもよい。
【0045】
図1の例においては、軸AXを中心として環状に配置された同形状の複数の係止片4により、2組のリングRA,RBが形成されている。リングRAを構成する係止片4は、溝24A,34Aに挿入される。リングRBを構成する係止片4は、溝24B,34Bに挿入される。
【0046】
リングRA,RBは、例えば12個の係止片4によりそれぞれ構成されている。ただし、リングRA,RBを構成する係止片4の数は、12個に限られない。リングRAを構成する係止片4の形状と、リングRBを構成する係止片4の形状とが異なってもよい。この場合において、リングRAを構成する係止片4の数と、リングRBを構成する係止片4の数とが異なってもよい。
【0047】
[回動機構の製造方法]
回動機構1を製造するにあたっては、先ず上述した構造の外部材2、内部材3、複数の係止片4および連結部材5を用意する。
【0048】
続いて、溝24Aと溝34Aが対向し、溝24Bと溝34Bが対向するように、外部材2に内部材3を挿入する。このとき、外部材2と内部材3は互いに回動可能である。
【0049】
外部材2に内部材3を挿入した後、溝24A,34Aにより形成される空間に対し、スロット25Aを通じて複数の係止片4を順次挿入する。例えば、直前に挿入された係止片4を次に挿入する係止片4で周方向Dθに押し込んでいけば、溝24A,34Aにより形成される空間の全体にわたる環状に係止片4を配置することができる。溝24B,34Bにより形成される空間に対しても同様に、スロット25Bを通じて複数の係止片4を順次挿入する。
【0050】
係止片4を挿入し終えると、蓋部材27A,27Bによりスロット25A,25Bをそれぞれ塞ぐ。さらに、連結部材5により蓋部材27A,27Bを外部材2に対して固定する。以上の工程により、回動機構1が完成する。
【0051】
[組み立てられた回動機構の構造]
図6および図7は、組み立てられた回動機構1の一部の概略的な断面図である。図6の断面はスロット25A,25Bおよび蓋部材27A,27Bを含まず、図7の断面はスロット25A,25Bおよび蓋部材27A,27Bを含む。
【0052】
図6に示すように、外部材2の大径部20aと小径部20bの間に形成される段差部が内部材3の大径部31aと小径部31bの間に形成される段差部と接触している。さらに、小径部20bが小径部31bと接触し、大径部20aが大径部31aと接触している。この状態において、溝24A,34Aが半径方向DRに対向し、溝24B,34Bが半径方向DRに対向する。
【0053】
図6に示すように、溝24A,34Aにより形成される空間、および、溝24B,34Bにより形成される空間のそれぞれに対し、係止片4が配置されている。溝24Aの係止平面24aおよび溝34Aの係止平面34aは、半径方向DRに並んでいる。また、溝24Aの係止平面24bおよび溝34Aの係止平面34bは、半径方向DRに並んでいる。係止片4の係止平面42は、係止平面24a,34aと接触している。また、係止片4の係止平面43は、係止平面24b,34bと接触している。溝24B,34Bおよびこれらで形成される空間に配置された係止片4についても同様である。
【0054】
このように係止平面42と係止平面24a,34aが接触し、係止平面43と係止平面24b,34bが接触することにより、外部材2と内部材3が軸方向DXにおいて抜け止めされる。一方で、外部材2と内部材3の周方向Dθにおける相対的な回動は阻害されない。したがって、外部材2と内部材3を自由に回動させることができる。外部材2と内部材3を相対的に回動させる際には、外部材2および内部材3の少なくとも一方と、係止片4とが摺動する。
【0055】
係止平面42と係止平面24a,34a、および、係止平面43と係止平面24b,34bは、必ずしも同時に接触している必要はない。すなわち、係止片4の軸方向DXにおける厚さを溝24A,24B,34A,34Bの軸方向DXにおける幅よりも僅かに小さくすることで、係止平面42と係止平面24a,34aが接触しているときに係止平面43と係止平面24b,34bの間に隙間が形成されたり、反対に係止平面43と係止平面24b,34bが接触しているときに係止平面42と係止平面24a,34aの間に隙間が形成されたりしてもよい。このような遊びを設けた場合には、外部材2と内部材3をよりスムーズに回動させることができる。
【0056】
図6の例においては、溝24B,34Bにより形成される空間に配置された係止片4の内周面40が溝34Bの底面34cに接触している。さらに、当該係止片4の外周面41が溝24Bの底面24cに接触している。溝24A,34Aおよびこれらで形成される空間に配置された係止片4についても同様である。図6とは異なる例として、内周面40と底面34c、および、外周面41と底面24cの間の少なくとも一方に隙間が形成されてもよい。
【0057】
図7の例においては、蓋部材27A,27Bがそれぞれスロット25A,25Bに嵌められている。さらに、連結部材5が連結孔26a、蓋部材27Bの連結孔27a、連結孔26b、蓋部材27Aの連結孔27a、連結孔26cに対して順に挿入されている。連結部材5の頭部は、端部23と接触している。
【0058】
図7の例においては、連結部材5の頭部の近傍に雄ねじが設けられ、この雄ねじが連結孔26aに設けられた雌ねじに捻じ込まれている。ただし、連結孔26bや連結孔26cに雌ねじが設けられ、連結部材5において当該雌ねじと対応する位置に雄ねじが設けられてもよい。
【0059】
連結孔26cは、省略することも可能である。この場合であっても、蓋部材27A,27Bがそれぞれスロット25A,25Bに固定される。
【0060】
蓋部材27Aを装着した状態において、溝24A,34Aにより形成される空間に配置された係止片4が、当該空間内を周方向Dθに移動可能であることが好ましい。同様に、蓋部材27Bを装着した状態において、溝24B,34Bにより形成される空間に配置された係止片4が、当該空間内を周方向Dθに移動可能であることが好ましい。これにより、外部材2と内部材3をスムーズに回動させることができる。
【0061】
外部材2、内部材3および係止片4は、例えば金属材料で形成することができる。また、外部材2、内部材3および係止片4の少なくとも1つが樹脂により形成されてもよい。この場合においては、回動機構1を軽量化できるとともに、部品同士の滑りが良好となり、スムーズな回動を実現できる。外部材2、内部材3および係止片4は、セラミックなどのさらに他の材料で形成することもできる。
【0062】
外部材2の内周面20、内部材3の外周面31、溝24A,24B,34A,34Bの内面、係止片4の表面のような部品同士の接触部分に対して、グリースの塗布や低摩擦化のための表面処理などの潤滑処理が施されてもよい。これにより、一層スムーズな回動を実現できる。
【0063】
本実施形態にて例示した係止片4ではなくボールを用いた回動機構(スイベル機構)においては、当該ボールおよびその周囲の部材に加わる応力(例えばせん断応力や圧縮応力)が一様ではなく、各部材に要求される強度の計算が複雑である。そのため、回動機構に求められるスペックを実現するための設計が容易ではなく、多大な労力が必要となる場合がある。
【0064】
これに対し、本実施形態に係る回動機構1においては、外部材2と係止片4が主に係止平面24aと係止平面42または係止平面24bと係止平面43で接触する。また、内部材3と係止片4が主に係止平面34aと係止平面42または係止平面34bと係止平面43で接触する。このように、係止片4がそれぞれ外部材2および内部材3と平面同士で接触することにより、各部材に加わる応力や必要な強度の計算が容易となる。結果として、係止片4の形状、溝24A,24B,34A,34Bの形状、各部材の材料などの検討が容易となる。
【0065】
また、係止片4がそれぞれ外部材2および内部材3と平面同士で接触すれば、係止片4や溝24A,24B,34A,34Bには局所的に高い圧縮応力が生じにくい。これにより、回動機構1の信頼性を高めることができる。
【0066】
本実施形態においては、軸方向DXに並ぶ2組の溝(溝24A,34Aと溝24B,34B)が設けられ、それぞれに係止片4が配置されている。このような構成であれば、1組の溝のみを設ける場合に比べ、個々の係止片4に加わる応力を低減できるとともに、外部材2と内部材3のがたつきが抑制される。
【0067】
なお、回動機構1が有する溝の数は、回動機構1に求められるスペックなどに応じて適宜に変形し得る。例えば、外部材2および内部材3に設けられる溝の数は、1つずつであってもよい。また、外部材2および内部材3にそれぞれ3つ以上の溝が設けられてもよい。
【0068】
回動機構1の製造時には、上述したようにスロット25A,25Bから係止片4を挿入可能である。このような構造であれば、回動機構1の組み立てが極めて容易である。また、係止片4をスロット25A,25Bから取り出すこともできるので、係止片4の交換や回動機構1の分解も容易である。
【0069】
外部材2と内部材3の回動は、主にこれらに設けられた溝24A,24B,34A,34Bと係止片4により実現されるため、構造がシンプルであり、安価かつ軽量な回動機構1を提供することができる。
以上の他にも、回動機構1は種々の好適な効果を奏する。
【0070】
[適用例]
次に、回動機構1の適用例について説明する。
回動機構1は種々の製品に適用することが可能であるが、ここでは一例として、送水用の流路の結合に用いられる結合金具への適用を想定する。当該結合金具は、消防分野、農業分野、水害発生時における排水、工場や発電所における流路の結合など、種々の場面で利用することができる。また、水以外の流体を流すための流路の結合に用いることも可能である。
【0071】
図8は、本適用例に係る結合金具100の概略的な側面図である。この図においては、結合金具100の一部を破断し、その断面を示している。
【0072】
図1乃至図7の例と同じく、外部材2の内周面20は、大径部20aと、小径部20bとを有している。また、外部材2の外周面21は、小径部21aと、大径部21bとを有している。ただし、図8の例においては、小径部21aが端部22寄りに位置し、大径部21bが端部23寄りに位置している。
【0073】
大径部20aには半径方向DRに窪んだ溝24A,24Bが設けられている。さらに、外部材2は、これら溝24A,24Bに通じるスロット25A,25Bを備えている。スロット25A,25Bは、蓋部材27A,27Bにより閉じられている。蓋部材27A,27Bは、連結部材5により外部材2に固定されている。
【0074】
図1乃至図7の例と同じく、内部材3の外周面31は、大径部31aと、一対の小径部31bとを有している。さらに、大径部31aには軸AXに向けて窪んだ溝34A,34Bが設けられている。内部材3の内周面30は、水が流れる流路に相当する。
【0075】
溝24A,34Aにより形成される空間、および、溝24B,34Bにより形成される空間には、それぞれ複数の係止片4が配置されている。溝24A,24B,34A,34Bおよび係止片4の形状等は、図1乃至図7の例と同様である。
【0076】
図9は、図8に示す結合金具100を軸方向DXに沿って見た概略的な正面図である。図8および図9に示すように、外部材2の端部22には、結合部6が設けられている。結合部6は、複数の突起60を有している。これら突起60は、いずれも同一の形状を有し、周方向Dθにおいて一定の間隔で並んでいる。隣り合う突起60の間には、凹部7が形成されている。複数の突起60は、内部材3の端部32よりも突出している。
【0077】
周方向Dθにおける突起60の一方の側面には、フック61が形成されている。また、周方向Dθにおける突起60の他方の側面には、付勢部材62が設けられている。例えば、付勢部材62は、突起60の内部に大部分が埋められた球体と、この球体を外側に向けて付勢する弾性体とを含むボールプランジャである。
【0078】
内部材3の端部32には、環状のシール材8が設けられている。シール材8は、例えばゴムで形成され、一部が端部32よりも突出している。
【0079】
図8に示すように、大径部31aと端部33の間に位置する小径部31bには、連結部9と、シール材10とが設けられている。連結部9は、例えば結合金具100をホースや配管と接続するためのものであり、図8の例においては雄ねじである。シール材10は、軸方向DXにおいて連結部9と端部33の間に位置している。シール材10は、例えば小径部31bよりも半径方向DRに突出した環状のパッキン(Oリング)である。連結部9により結合金具100がホースや配管と接続されたとき、その内面にシール材10が押し当てられる。
【0080】
結合部6は、結合相手の金具が備える同形状の結合部と結合可能である。すなわち、例えば図8に示す結合金具100を2つ用意すれば、これら結合金具100を結合部6により結合できる。ただし、結合金具100との結合相手は、溝24A,24B,34A,34Bおよび係止片4を備えない結合金具であってもよい。
【0081】
図10は、結合部6により結合された2つの結合金具100の一部を概略的に示す図である。2つの結合金具100を結合する際には、それぞれの軸AXを一致させるとともに、結合部6同士を対向させた状態で両者を軸方向DXに押し合わせる。これにより、2つの結合金具100のそれぞれの突起60が他方の凹部7に挿入される。
【0082】
この挿入に際しては、隣接する突起60にそれぞれ設けられた付勢部材62同士が接触し、周方向Dθへの反発力が生じる。これにより、隣接する突起60にそれぞれ設けられたフック61同士が軸方向DXにおいて係合する。フック61が係合した状態は、付勢部材62の付勢力により維持される。結合時には、双方の結合金具100のシール材8が軸方向DXに押し当てられる。これにより、これら結合金具100の境界部分がシールされる。
【0083】
このように、2つの結合金具100を結合させる際には、それぞれの結合部6が周方向Dθに僅かに回動する必要がある。また、これら結合金具100の結合を解除する際には、結合部6同士を結合時とは逆方向に僅かに回動させ、フック61の係合を解かなければならない。
【0084】
仮に結合金具が回動機構を備えていない場合、2つの結合金具の結合およびその解除に際しては、結合金具およびこれに接続されたホースや配管を全体的に捩じる必要がある。例えば口径(内周面30の直径)が100mm以上の大容量の送水に用いられる大型の結合金具は、数十Kgの重量を有することもあり、結合およびその解除に際して捩じることが容易ではない。
【0085】
これに対し、回動機構1を備える結合金具100においては、ホースや配管に接続された内部材3に対して外部材2が回動可能である。そのため、各結合金具100やこれらに接続されたホース等を捩じることなく結合およびその解除が可能である。さらに、結合時にホースや配管の捻じれが生じていた場合であっても、2つの結合金具100の結合を解除することなくこの捻じれを解消することが可能となる。
【0086】
特に、本適用例のような結合部6の構造においては、2つの結合部6を軸方向DXに突き合わせた際に生じる付勢部材62の反発力により、これら結合部6が相対的に回動する。したがって、結合作業が極めて容易化される。
【0087】
なお、本適用例における結合部6の構造は一例であり、結合部6には継手として使用される種々の構造を適用し得る。例えば、結合部6は、雄ねじまたは雌ねじであってもよい。この場合であっても、当該結合部6と結合相手の金具の結合部との結合およびその解除に際して、両者を相対的に回動させる必要がある。したがって、結合金具100が回動機構1を備えることにより、結合およびその解除が容易となる。
【0088】
また、結合部6は、複数の接続孔を有したフランジであってもよい。この場合においては、同様のフランジを備える結合相手の金具との結合に際して、両者のフランジを相対的に回動させて接続孔の位置を揃える必要がある。したがって、結合金具100が回動機構1を備えることにより、結合およびその解除が容易となる。
【0089】
図2に示した外部材2においては、端部22寄りに小径部20bが設けられ、端部23寄りに大径部20aが設けられているが、端部22寄りに大径部20aが設けられ、端部23寄りに小径部20bが設けられてもよい。また、外部材2の内周面20は、全体的に一定の径を有してもよい。溝24A,24Bは、必ずしも大径部20aに設けられる必要はなく、小径部20bに設けられてもよい。
【0090】
図4に示した内部材3においては、一対の小径部31bの間に大径部31aが設けられているが、少なくとも一方の小径部31bが省略されてもよい。また、内部材3の外周面31は、全体的に一定の径を有してもよい。溝34A,34Bは、必ずしも大径部31aに設けられる必要はなく、いずれかの小径部31bに設けられてもよい。
【0091】
溝24A,24Bの形状は、異なる形状を有してもよい。同様に、溝34A,34Bは、異なる形状を有してもよい。これらの場合において、溝24A,34Aにより形成される空間に配置される係止片4の形状と、溝24B,34Bにより形成される空間に配置される係止片4の形状とが異なる形状を有してもよい。
以上の他にも、本実施形態にて開示した構成は、種々の態様に変形し得る。
【符号の説明】
【0092】
1…回動機構、2…外部材、3…内部材、4…係止片、5…連結部材、6…結合部、24A,24B,34A,34B…溝、25A,25B…スロット、27A,27B…蓋部材、100…結合金具、AX…軸、DX…軸方向、DR…半径方向、Dθ…周方向。
【要約】
【課題】 使用性や信頼性が改善された回動機構を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る回動機構は、円筒状の外部材と、内部材と、複数の円弧状の係止片と、を備えている。前記外部材は、第1内周面と、第1外周面と、前記第1内周面において前記第1内周面の軸を中心とした周方向に延びる第1溝と、を有している。前記内部材は、外部材に回動可能に挿入され、前記第1内周面に対向する第2外周面と、前記第2外周面において前記周方向に延びるとともに前記第1溝と対向する第2溝と、を有している。前記複数の係止片は、前記第1溝および前記第2溝により形成される空間に配置され、前記軸と平行な軸方向における前記外部材と前記内部材の相対的な移動を規制する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10