IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立アプライアンス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-給湯機 図1
  • 特許-給湯機 図2
  • 特許-給湯機 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】給湯機
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/212 20220101AFI20230105BHJP
   F24H 15/395 20220101ALI20230105BHJP
【FI】
F24H15/212
F24H15/395
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021192638
(22)【出願日】2021-11-29
(62)【分割の表示】P 2019144159の分割
【原出願日】2019-08-06
(65)【公開番号】P2022016678
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 耕士
(72)【発明者】
【氏名】古河 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】山本 信果
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-178009(JP,A)
【文献】国際公開第2018/066037(WO,A1)
【文献】特開2004-219005(JP,A)
【文献】特開2012-112632(JP,A)
【文献】特開2018-119732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 15/212
F24H 15/395
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンク内の湯が減ってきた場合に沸き上げ制御を行う湯切れ防止機能を備え、この湯切れ防止機能を入り切り設定可能な貯湯式給湯機であって、太陽光発電により発電された電気によって前記貯湯タンク内の湯を沸き上げる指示を手動で行う太陽光発電指示手段と、HEMSコントローラからの指示により指示に従ったHEMS昼間沸き上げを行うことを設定するHEMS設定手段とを有し、前記太陽光発電指示手段が操作された場合、または前記HEMS設定手段により設定した場合、前記湯切れ防止機能を「切」に設定する貯湯式給湯機。
【請求項2】
前記太陽光発電指示手段による沸き上げまたは前記HEMS昼間沸き上げが終了した際、前記湯切れ防止機能を復帰させる請求項1に記載の貯湯式給湯機。
【請求項3】
自動で復帰する際にポップアップで報知する請求項2に記載の貯湯式給湯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽光発電連携貯湯式給湯機として、HEMS機器からの翌日の気象情報が良好であり、太陽光発電が十分に行うことができるとされた場合に、他の時間帯よりも電気料金が安価な時間帯(情報を受け取った日の深夜)による沸き上げ運転における湯の沸き上げ量を少なくして、翌日の昼間に太陽電池によって発電された電力で必要量沸き上げ運転することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-119732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術は、例えば、前日深夜の気象予報では、翌日の天候が良好ではないと予報され、太陽光発電による沸き上げ運転の予定されないと判断されたとする。しかし、当日予報に反して天気が良い場合、ユーザが太陽光発電の電気を利用して当日の昼間沸き上げを実施したいと考えたとしても当日の昼間沸き上げを実施することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、設定されたその日にも昼間沸き上げを可能とする給湯機を提供することができる給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記事情に鑑みてなされた本発明は、貯湯タンク内の湯が減ってきた場合に沸き上げ制御を行う湯切れ防止機能を備え、この湯切れ防止機能を入り切り設定可能な貯湯式給湯機であって、太陽光発電により発電された電気によって前記貯湯タンク内の湯を沸き上げる指示を手動で行う太陽光発電指示手段と、HEMSコントローラからの指示により指示に従ったHEMS昼間沸き上げを行うことを設定するHEMS設定手段とを有し、前記太陽光発電指示手段が操作された場合、または前記HEMS設定手段により設定した場合、前記湯切れ防止機能を「切」に設定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、設定されたその日にも昼間沸き上げを可能とする給湯機を提供することができる給湯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の給湯システムの構成図
図2】実施例1のリモコン装置の外観図
図3】(a)~(m)実施例1の設定表示画面
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下では、水を加熱して湯を生成する熱源としてヒートポンプを用いた給湯システム(給湯機)を例に説明を行うが、ガス燃焼機を熱源として用いても良い。
【実施例1】
【0010】
[給湯システム]
図1は実施例1の給湯機11を含む給湯システムの構成図である。給湯機11は、湯を生成するヒートポンプユニット13と、生成された湯を貯湯する貯湯タンク12と、貯湯タンク12内の湯量を検知する貯湯量検知部と、給湯熱交換器14と、追いだき熱交換器18と、を有する。
また、給湯機11は、ユーザからの入力を受け付けたりユーザへの情報を出力するリモコン装置6と、リモコン装置6からの入力に応じて動作する制御部の一例としての本体側制御基板10と、外気温度を検知する外気温度センサ40と、浴槽15の水位の変動を検知する水位センサ41と、を有する。
【0011】
ヒートポンプユニット13は、清水源の一例としての水道管19から配管20等を経て供給される水を加熱して温水を生成し、貯湯タンク12に供給できる。ヒートポンプユニット13は、例えば毎日所定の時間帯(深夜時間帯等)に貯湯タンク12に湯を供給する沸き上げ運転を行う。沸き上げ運転における沸き上げ量は、毎回貯湯タンク12を満タンにするものでもよいし、各日の温水使用量を学習して変動するようにしても良い。
【0012】
貯湯タンク12の湯は、浴室50に配された浴槽15に供給されることができる。清水源としては、水道管19や井戸水等の外部の給水源等を採用できる。清水とは、利用者が直接接触し得る状態を未だ経ていない使用前の水を指すものであり、給水源からの水や貯湯タンク12に貯溜されている水を含むものである一方、浴槽15等に供給されたような汚れを含む使用後の水ではない。給湯機11には、湯を一般給湯端末(蛇口、シャワー、混合栓17等)に供給する一般給湯回路21と、湯を浴槽15に供給する給湯部を有する湯はり回路とが含まれる。一般給湯回路21の途中に配接されている流量調整弁31によって給湯時の流量を制御しており、本体側制御基板10からの指示により流量変動を可能としている。
【0013】
給湯熱交換器14は、水道管19からの低温水を貯湯タンク12内の湯と熱交換させて加熱し、浴槽15とは別の場所で利用される給湯用の湯を生成する。例えば台所や浴室50内のシャワーやカラン等への湯を生成できる。給湯機は、貯湯タンク12に張り付いている各温度センサより貯湯タンク12の残熱湯量を算出しており、出湯、あるいは熱交換による熱の使用は、その前後の残熱湯量の差分より累計流量の増減を把握することが可能である。
【0014】
[リモコン装置6]
図2は(a)リモコン装置6の外観図である。
リモコン装置6は、浴室内のふろリモコン6aと、浴室以外の部屋(例えば台所)に設けられた台所リモコン6bとしてそれぞれ配されている。各リモコン装置6は、発音部33と、使用者からの入力を受付ける入力部4と、各種の情報を出力する出力部としての表示部5を備えている。
入力部4は、足し湯指令部41、水量設定部42、目標ふろ温度設定部43、湯はり指令部44、追焚指令部45、選択部46、メニューボタン48を有する。
表示部5は、種々の画像(画面)を表示できるものであって、図2では給湯温度表示部51、目標ふろ温度表示部53、を表示している。
【0015】
足し湯指令部41を操作すると、例えば給湯温度表示部51に示される温度程度の、所定量の湯水が浴槽15に供給される。
水量設定部42を操作すると、例えば目標ふろ温度表示部53が消滅して湯はり量表示部が表示されるとともに、レベル設定部49の操作を通じて湯はり時の目標湯はり量を変更できる。
目標ふろ温度設定部43を操作すると、目標ふろ温度表示部53が表示されるとともに、レベル設定部49の操作を通じて、湯はり指令及び追焚指令時の目標温度を変更できる。
湯はり指令部44を操作すると、目標ふろ温度程度の温度の湯水が、湯はり量表示部52に表示される量程度、浴槽15に供給される湯はりが行われる。
追焚指令部45を操作すると、浴槽15内に貯留されていた湯水が一部追いだき熱交換器18に供給され、貯湯タンク12の高温水と熱交換して温められ、浴槽15に還流する。
【0016】
選択部46に属する上、下、左、右ボタン(方向ボタン)や決定ボタンを操作すると、表示部5において設定変更可能なパラメータが表示されている場合は、その調整ができる。例えば図2で示す例では、給湯温度表示部51に表示される給湯温度や、目標ふろ温度表示部53に表示される目標ふろ温度を調整できる。選択部46の操作を通じて、後述する選択肢の選択等を行うことができる。
【0017】
メニューボタン48を操作すると、各種設定変更等を行う画面へ遷移するメニュー画面を表示部5に表示させることができる。
【0018】
[深夜時間帯(割安時間帯)の沸き上げ動作]
深夜時間帯(割安時間帯)における沸き上げ運転の動作について説明する。沸き上げ動作は、あらかじめ決められた算出式にて沸き上げ目標温度を算出し、その温度が毎日変動することで沸き上げる熱量を変動させて使用者の使用状況に合わせたお湯を生成している。沸き上げを行う時間帯は、あらかじめユーザが契約している電力契約内容に基づき、設定されている。深夜時間帯の沸き上げ動作とは、他の時間帯よりも電気料金が安価な割安時間帯(例えば23時~7時)で沸き上げ運転を実施する動作であり、他の時間帯よりも電気料金が安価な割安時間帯に貯湯タンク内の液体を所定の温度Aに沸き上げる制御を割安時間帯沸き上げ制御と称するこの割安時間帯に沸き上げる液体(湯)の量は、過去の湯の使用量から所定の計算式若しくは学習制御に基づいて必要熱量を算出する。この必要熱量から湯の温度A及び湯の量を計算で求める。
【0019】
[太陽光発電指示手段、またはHEMS指示による昼間時間帯の沸き上げ動作]
昼間時間帯における沸き上げ運転の動作について説明する。昼間沸き上げ動作は、あらかじめ太陽光発電指示手段、またはHEMS(Home Energy Management System)指示により昼間沸き上げを行うことが決められている場合に、深夜時間帯による沸き上げ分を減らして、本来深夜時間帯に沸き上げるべきだった熱量分を昼間時間帯にシフトして沸き上げ運転を実施する。具体的には、たとえば深夜時間帯で沸き上げる時間が1時~7時までの6時間だった場合に、半分の3時間を昼間時間帯に沸き上げるよう深夜時間帯の沸き上げを4時~7時とし、昼間時間帯の沸き上げ時間が14時~17時であれば、その時間帯で残りの3時間を沸き上げるよう制御する。太陽光発電指示手段は、太陽光発電により発電された電力によって前記貯湯タンク内の湯を沸き上げる指示をリモコン6により手動で行うものである。HEMS設定手段は、HEMSコントローラからの指示により指示に従ったHEMS昼間沸き上げを行うことを設定するものである。この場合、HEMS側は、翌日の気象情報から太陽光発電による電力を利用して給湯機が貯湯タンク内の湯を沸き上げる運転が可能と判断している。
【0020】
[湯切れ防止機能による沸き上げ動作]
湯切れ防止機能による沸き上げ運転の動作について説明する。湯切れ防止は、ユーザがリモコン装置6から設定可能であり、貯湯タンク内の湯の温度が低下して、所定の温度A以下になった場合に電気料金が安価な割安時間帯でなく太陽光により発電された電気ではない商用電力であっても、昼間時間帯に自動で沸き上げ運転を実施する。これにより、湯切れ状態を防止することができる。湯切れ防止機能は、入り切り設定可能である。また、貯湯タンク内の湯が減ってきた場合に、自動で沸き上げ運転を実施するとしてもよい。
【0021】
[リモコン6による太陽光発電利用手動設定手順]
次に太陽光発電で発電された電力で貯湯タンク12内の湯を沸き上げる運転を手動で設定する手順を図3を用いて説明する。図3はリモコン6(風呂リモコン及び台所リモコンがあるが、台所リモコンのほうが便利である。しかし、どちらの表示であってもよく両者で操作を可能としてもよい)の画面遷移である。
【0022】
昼間沸き上げを実施するか否かを設定をする場合に表示部5に表示されるメニュー画面を図3(a)~(j)に示す。昼間沸き上げを実施するか否かを設定をする場合は、メニューボタン48を操作して図3(a)~(j)に示すような設定画面を表示して操作すると、昼間沸き上げ運転を考慮した沸き上げ運転を実施する。
【0023】
画面(a)で「太陽光発電を利用した沸上を設定しますか?」に対して「する」を選択すると画面(b)に切り替わる。
【0024】
画面(b)にて、「当日」若しくは「翌日」を選択して設定完了した場合に一度だけ昼間沸き上げを実施して、本設定は解除される。これにより、ユーザが当日、あるいは翌日の天気から判断して設定することで太陽光発電を確実に利用できるようになる。
【0025】
ここで、割安時間帯以外の時間帯に沸き上げる制御は、商用電力は割高である時間帯であるので、この給湯機が給電する電力系統内の太陽光発電が発電することが前提である。
【0026】
なお、「毎日」を選択すると後述する設定時間になると毎日昼間沸き上げが実施される。
【0027】
次に、昼間沸き上げの時間設定を説明する。画面(c)にて設定可能時間帯の説明をし、「決定」を押すと、開始時刻を設定する画面(d)が表示されて設定が終了すると、画面(e)によって終了時刻を設定する。なお、設定しようとする時間帯が設定可能条件を満たしていない場合、設定できないようにしてもよいし、注意喚起を促す画面を表示してもよい。画面(f)で時間設定確認(ここではバー表示で10:00~14:00)する。上述したように、太陽光発電指示手段の設定にて利用日の設定ができるが、当日や翌日の設定をした場合、正確な日にちがユーザに伝わりづらい場合があるため、設定の最後に昼間沸き上げを実施する日時をリモコン装置6に表示させてもよい。具体的には画面(g)のような画面を表示してユーザに最終確認を促す。これにより、ユーザは給湯機と自身の認識が合っていることの確認ができる。
【0028】
太陽光発電指示手段、またはHEMS指示による昼間時間帯の沸き上げ動作を実施する際、深夜時間帯の沸き上げ熱量分を昼間時間帯にシフトして深夜時間帯の沸き上げを減らす動作を行うが、このとき深夜時間帯の沸き上げ終了時刻に、前記湯切れ防止機能が設定されている場合は、自動で湯切れ防止機能を「切」に自動設定する。これにより、深夜時間帯の沸き上げ熱量分が通常時に比べて減っているため、貯湯タンク内の熱量も少なく、湯切れ防止機能が作動する所定の温度A以下になりやすい状態であり、意図せず湯切れ防止機能が作動してしまうことを防ぐことができる。その告知を行う画面が画面(h)である。
【0029】
太陽光発電指示手段による沸き上げまたはHEMS指令による昼間沸き上げが終了した際、前記湯切れ防止機能を自動で元の設定に戻す(復帰させる)。これにより、元々のユーザが設定してあった湯切れ防止が、本昼間沸き上げ以外の部分では正常に動作することできる。
【0030】
湯切れ防止機能を元に戻す際、リモコン装置6に画面(k)に示すようなポップアップ画面を表示して報知する。これにより、湯切れ防止設定が自動で変更されてオンになってもユーザがその旨を知ることができる。
【0031】
次に、画面(i)にて改めて設定確認の案内を報知するかどうかの選択が行われる。「する」を選ぶと画面(l)が19:00に表示される。この表示は、太陽光発電指示手段の設定がされている場合のポップアップ画面である。本実施例では、設定がされていない場合に設定未済である場合も所定の時間(19:00)に表示される(図示せず)。これにより、設定がされている場合は、その内容に問題ないか、変更する意思があるかを確認でき、設定がされていない場合は、翌日の昼間沸き上げをする場合に深夜時間帯になる前に設定することで翌日の昼間沸き上げを実施することが可能となる。報知時刻を19:00としたのは、深夜時間帯の始まりが23:00であり、4時間もあれば、設定や取り消しの操作が可能と考えられるからである。
【0032】
この報知設定が終了すると画面(j)にて太陽光発電を利用した沸き上げの設定(割安時間帯以外の時間帯に沸き上げ設定)が完了したことを通知される。
【0033】
[太陽光発電を利用した沸き上げの制御]
前記太陽光発電指示手段、またはHEMS指示による昼間時間帯の沸き上げ動作は、例えば、その日の10:00に「翌日」12:00~14:00を設定した場合、「その日」の天気をみて(例えば、「その日」の13:00頃に急に晴れ間が広がってきた等)、「その日」も昼間沸き上げ(太陽光発電を利用した沸き上げ)を少しでも実施したくなる。この場合、「その日」の昼間時間帯、例えば、14:00~16:00、に「当日」を選択することで昼間沸き上げを実施するができる。
【0034】
これは、太陽光発電指示手段により非設定となっており、「その日」、天気が良好であるので太陽光発電による沸き上げを行いたい場合も同様である。
【0035】
しかし、「その日」は、既に「その日」に利用する湯の全量分が前日から「その日」の深夜時間帯に沸き上がってしまっている。このため、貯湯タンク12の中は朝に使用した分を除き、湯で満たされており「その日」はユーザが希望するほど太陽光発電を利用した湯を沸き上げることはできない。
【0036】
そこで、「その日」の太陽光発電を利用した昼間沸き上げにおける沸き上げ目標温度を、「その日」の前日から「その日」の深夜時間帯(割安時間帯)で沸き上げた湯の温度(目標沸き上げ温度)である所定の温度Aより高い目標温度Bに設定する。
【0037】
すなわち、前記ユーザの使用状況によって変動する目標温度Aとは別に、製品が実施可能な最高温度Bにて所定の時間分沸き上げ運転を行うことができる。これにより、貯湯タンク12内の湯の全熱量よりも必要熱量が増えるので、さらなる沸き増しが可能になる。 そして、すでに前日から「その日」の割安時間帯にて沸き上げ運転を実施されていた場合でも、当日の天気などをみて、「その日」に可能な限り昼間沸き上げを行いたいユーザに対して昼間沸き上げ運転を行うことが可能となる。
【0038】
なお、温度Bで沸き上げる湯量であるが、太陽光によって発電された電気を可能な限り湯に変えたいユーザであるので、設定された時間中、温度Bの湯を作り続けてもよい。ただし、例えば、上から4番目の温度センサ30dが温度Bになった時に沸き上げ運転を中止する等の中止条件を設ける必要がある。
【0039】
また、温度Bを最高温度としたが、貯湯タンク12内にある湯の熱量と、予めどの温度センサまで温度Bになったら沸き上げ運転を停止するかを決めておき、その時の必要熱量から差分熱量を計算し、設定された時間内において沸き上げることが可能な温度Bを演算で求めてもよい。
【0040】
この昼間沸き上げ制御が行われる直前の貯湯タンク内の液体の温度が、所定の温度Aとなっている場合に、昼間沸き上げ運転が行われる。これにより、あくまでも貯湯タンク内の残湯量を考慮して、すなわち、高温の湯が相当量残っている場合はそれ以上高温の湯を沸き上げることはできないので、まだ沸き上げる余地があると判断された場合にのみ沸き上げ運転を実施する。
【0041】
ところで、「その日」の昼間沸き上げの設定しようとした時間が夕方近くの場合、太陽光による発電量が減少してしまい、まだ、深夜時間帯でもないため、割高な電気料金による沸き上げ運転となってしまう。
【0042】
その判断を、所定の時間(例えば16時)より前に設定がされれば、当日に所定の目標温度より高い温度(例えば最高温度)にて沸き上げを実施する。この場合、年間を通じて日が沈んでいない時刻を終了時刻とする(例えば16:45)。所定の時間より後に設定された場合は、「その日」の翌日の昼間時間帯に所定の目標温度にて昼間沸き上げを実施する(翌日の設定がない場合)。これにより、ユーザは深く考えなくても自動で適切に昼間沸き上げを行える日に昼間沸き上げ運転を実施することが可能となる。このときの設定は図3(b)の代わりに図3(m)に示すような画面でもよい。図3(m)画面の「1回」を選択した場合に当日か翌日かを自動判別するような制御を行う。
【0043】
以上、本実施例によれば、リモコン6で簡単に太陽光利用沸き上げを設定することができる。また、既に深夜時間帯に必要湯量の全量沸き上げが終了していた場合でも、ユーザの要求により、その日にさらなる太陽光発電による沸き上げが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
4・・・表示部(出力部)
5・・・操作部(入力部)
6・・・リモコン装置
6a・・・風呂リモコン
6b・・・台所リモコン
10・・・本体側制御基板
11・・・給湯機
12・・・貯湯タンク
13・・・ヒートポンプユニット
14・・・給湯熱交換器
15・・・浴槽
16・・・タンクユニット
17・・・混合栓
18・・・追いだき熱交換器
19・・・水道管
20・・・配管
21・・・一般給湯回路
28・・・給湯循環ポンプ
29・・・給湯温度センサ
31・・・流量調整弁
33・・・発音部
40・・・外気温度センサ
41・・・水位センサ(入出浴検知部)
図1
図2
図3