(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】両面露光のアライメント装置、方法、及び設備
(51)【国際特許分類】
G03F 9/00 20060101AFI20230105BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20230105BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
G03F9/00 A
G03F7/20 501
H05K3/00 G
H05K3/00 H
(21)【出願番号】P 2021513258
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2018121967
(87)【国際公開番号】W WO2020124406
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-04-23
(73)【特許権者】
【識別番号】521093244
【氏名又は名称】江蘇影速集成電路装備股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】傅志偉
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-048273(JP,A)
【文献】特開2000-250232(JP,A)
【文献】特開2013-213853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
G03F 9/00
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面露光のアライメント装置であって、
位置決めマークと、
マーキングマークと、
位置取得手段と
不透明な被露光試料を載置するための試料載置手段と、
を備え、
前記マーキングマークが
前記試料載置手段に位置し、
かつ前記被露光試料に覆われる位置にあり、
前記位置決めマークが前記試料載置手段に位置し、かつ前記被露光試料に覆われない位置にあり、
前記位置決めマークと前記マーキングマークとの距離が20mm未満であるか、及び/又は変形防止材を介して接続されており、
前記位置決めマークは、前記マーキングマークの位置をリアルタイムで決定するために使用されるものであり、
前記マーキングマークは、
前記被露光試料にマーキングを施すために使用されるものであり、
前記位置取得手段は、前記位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得するためのものであり、
前記位置取得手段が前記位置決めマークの位置情報を取得し、
前記位置決めマークの位置情報に基づいて、前記被露光試料の一方の面をアライメントして露光し、
前記被露光試料の他方の面を露光するとき、
前記位置取得手段が前記位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得し、リアルタイムで取得された前記位置決めマークの位置情報に基づいて、前記マーキングマークの位置情報を決定し、
前記マーキングマークの位置情報に基づいて、
前記被露光試料の他方の面の露光パターンの位置を決定して、
アライメントして露光
し、
前記試料載置手段はアルミニウム合金材料である、または前記変形防止材は熱膨張係数の小さい材料である、
ことを特徴とする、両面露光のアライメント装置。
【請求項2】
前記位置決めマークと前記マーキングマークとの相対位置の変化量が、前記被露光試料の両面露光を行う際に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マーキングマークを介して前記被露光試料にマーキングを施すためのマーキング手段とをさらに備
えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記マーキングマークが前記試料載置手段の縁辺部に位置することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
両面露光のアライメント装置に適用される両面露光のアライメントの方法であって、
試料載置手段に位置し、かつ不透明な被露光試料に覆われない位置にある位置決めマークの位置情報を取得することと、
前記位置決めマークの位置情報に基づいて、前記被露光試料の一方の面を
アライメントして露光することと、
前記被露光試料の他方の面を露光するとき、前記位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得することと、
リアルタイムで取得された前記位置決めマークの位置情報に基づいて、
前記試料載置手段に位置し、かつ前記被露光試料に覆われる位置にあるマーキングマークの位置情報を決定することと、
前記マーキングマークの位置情報に基づいて、
前記被露光試料の他方の面をアライメント
して露光することと
を含
み、
前記位置決めマークと前記マーキングマークとの距離が20mm未満であるか、及び/又は変形防止材を介して接続されており、
前記試料載置手段はアルミニウム合金材料である、または前記変形防止材は熱膨張係数の小さい材料である、
ことを特徴とする、両面露光のアライメントの方法。
【請求項6】
前記被露光試料の一方の面を露光する前に、
被露光試料の一方の面を露光する際の位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得するとともに、取得した位置決めマークの位置情報に基づいて、被露光試料の一方の面に中間マークを露光することであって、当該中間マークは、その位置する面の露光パターンの位置を決定する、中間マークを露光することをさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記マーキングマークを介して前記被露光試料の他方の面にマーキングを施す前に、
前記被露光試料のサイズに応じて少なくとも2つのマーキングマークを選択することと、
選択されたマーキングマークに対応する位置決めマークを覆うことなく、前記被露光試料で前記マーキングマークを覆うことと
をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記マーキングマークの位置情報に基づいて、被露光試料の他方の面をアライメント露光することが、
前記マーキングマークの位置情報に基づいて、前記被露光試料の他方の面の露光パターンの位置をリアルタイムで決定することと、
リアルタイムで決定した前記被露光試料の他方の面の露光パターンの位置に基づいて前記被露光試料の他方の面を露光することと
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記マーキングマークを介して前記被露光試料の他方の面にマーキングを施すこと、を含むことを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から4のいずれか一項に記載の両面露光のアライメント装置を備えることを特徴とする、露光設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面露光のアライメント装置、方法、及び設備に関し、プリント回路板の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
レーザーダイレクトイメージング(laser direct imaging,LDI)露光機は、内層回路板の製造において、プリント回路板(Printed Circuit Board,PCB)の両面のパターンの正確な位置合わせを確保するために、PCBの両面の画像を正確にアライメントする必要がある。
【0003】
製造に際して、通常、レーザマーキング方式で2つのマークを自律的にマーキングして、内層PCBの正確な位置合わせを行う。真空チャックの底部にマーク露光絞りを有し、内層PCBの第1面の露光印刷を行うときに、マーク露光絞りによりPCBの他方の面の縁辺の非露光領域にレーザマーキング方式で2つのマークをマーキングし、回路板を反転させた後、PCBの面にレーザマーキングされた2つのマークの座標と、マーキングされた2つのマークの絞りの座標とからPCBの回転及び並進を算出することによって、PCBの両面のパターンの正確な位置合わせを達成する。従って、内層PCBの正確な位置合わせを達成するには、マーク露光絞りの位置を正確に位置決めする必要があることが分かる。
【0004】
しかしながら、マーク露光絞りが金属製真空チャックに固定されており、真空チャックの長さが500mm以上であり、製造作業が進むにつれて、機台内部の温度が大きく変化すると、金属製真空チャックが温度の影響を受けて熱膨張収縮することがあり、そして、真空チャックの中央に真空チャンバを有し、真空引きしてPCBを吸着する際にチャンバ内部の真空度が-20kpaに達し、真空チャック全体が20kpaの圧力を受けて、真空チャックの本体が変形してしまい、該変形が不規則的な非線形変形であり、熱膨張収縮及び真空吸着の両方により真空チャックが変形するので、チャックの縁辺に取り付けられたマーク露光絞りの位置も変化する。露光時に、マーク露光絞りが露光すべきPCBに覆われているため、同時又はリアルタイムにキャリブレーションすることができず、それゆえに従来のマーク露光絞りの位置決め方法は、所定の時間間隔毎に、キャリブレーション時に、マーク露光絞りを補正して位置決めするが、補正間隔時間内に真空チャックが膨縮又は変形すると、マーク露光絞りの位置が変化するため、従来の位置決め方法は、マーク露光絞りをPCBの連続露光時に同時又はリアルタイムに正確に位置決めすることができない。
【発明の内容】
【0005】
本発明は、補正間隔時間内に真空チャックが膨縮又は変形してマーク露光絞りの位置が変化することにより、位置合わせずれが生じるという従来の問題を解決するために、両面露光のアライメント装置、方法、及び両面露光のアライメント装置を備えた露光設備を提供する。
【0006】
本発明の第1の目的は、両面露光のアライメント装置を提供することにあり、この装置は、
位置決めマークと、マーキングマークと、位置取得手段とを備え、
位置決めマークは、マーキングマークの位置をリアルタイムで決定することによって、マーキングマークの位置に基づいて、被露光試料の露光パターンの位置を決定し、
マーキングマークは、被露光試料にマーキングを施し、
位置取得手段は、位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得する。
【0007】
任意選択的に、位置決めマークとマーキングマークとの相対位置の変化量が、被露光試料の両面露光を行う際に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さい。
【0008】
任意選択的に、位置決めマークとマーキングマークとの距離が20mm未満であるか、及び/又は変形防止材を介して接続されている。
【0009】
任意選択的に、この装置は、
被露光試料を載置するための試料載置手段と、マーキングマークによって被露光試料にマーキングを施すためのマーキング手段とをさらに備え、
マーキングマークが試料載置手段に位置する。
【0010】
任意選択的に、マーキングマークが試料載置手段の縁辺部に位置する。
【0011】
任意選択的に、マーキングマークが位置決めマークと一対一に対応し、位置決めマークは、対応するマーキングマークの位置を決定する。
【0012】
本発明の第2の目的は、両面露光のアライメント装置に適用される両面露光のアライメントの方法を提供することにあり、この方法は、
被露光試料の一方の面を露光することと、
マーキングマークによって被露光試料の他方の面にマーキングを施すことと、
位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得することと、
リアルタイムで取得された位置決めマークの位置情報に基づいて、マーキングマークの位置情報を決定することと、
マーキングマークの位置情報に基づいて、試料の他方の面をアライメント露光することと、を含む。
【0013】
任意選択的に、被露光試料の一方の面を露光する前に、
被露光試料の一方の面を露光する際の位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得するとともに、取得した位置決めマークの位置情報に基づいて、被露光試料の一方の面に中間マークを露光することであって、中間マークは、その位置する面の露光パターンの位置を決定する、中間マークを露光することをさらに含む。
【0014】
任意選択的に、マーキングマークによって被露光試料の他方の面にマーキングを施す前に、
被露光試料のサイズに応じて少なくとも2つのマーキングマークを選択することと、
選択されたマーキングマークに対応する位置決めマークを覆うことなく、被露光試料でマーキングマークを覆うことと、をさらに含む。
【0015】
任意選択的に、マーキングマークの位置情報に基づいて、試料の他方の面をアライメント露光することは、
マーキングマークの位置情報に基づいて、被露光試料の他方の面の露光パターンの位置をリアルタイムで決定することと、
リアルタイムで決定した被露光試料の他方の面の露光パターンの位置に基づいて、被露光試料の他方の面を露光することと、を含む。
【0016】
本発明の第3の目的は、上述した両面露光のアライメント装置を備える露光設備を提供することにある。
【0017】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。
位置決めマークと、マーキングマークと、位置取得手段とを備え、各被露光試料の露光前に、被露光試料のサイズに応じて適切なマーキングマークを選択し、選択されたマーキングマークに対応する位置決めマークの位置情報を位置取得手段により取得して、マーキングマークの位置情報を取得することによって、該被露光試料の露光時のマーキングマークの位置の所定位置に対する変化量を決定し、該変化量に基づいて、所定の被露光試料の他方の面の露光パターンの位置をリアルタイムで調整する両面露光のアライメント装置を提供することにより、従来技術では、マーキングマークをリアルタイムで位置決めすることができないために、露光時にアライメントずれが生じるという問題を解決し、被露光試料の両面のアライメント精度を向上させる。位置決めマークとマーキングマークとの距離が20mm未満であるか、及び/又は変形防止材を介して接続されることにより、位置決めマークとマーキングマークとの露光中の相対位置の変化量が、被露光試料の露光時に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さいことを確保し、被露光試料の両面のアライメント精度を向上させる。各被露光試料の露光前に、位置取得手段により位置決めマークの位置情報を取得して、マーキングマークの位置情報を取得することによって、該被露光試料の露光時のマーキングマークの位置の所定位置に対する変化量を決定し、該変化量に基づいて、所定の被露光試料の他方の面の露光パターンの位置をリアルタイムで調整して、被露光試料の両面のアライメント精度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、本発明の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、実施例の説明に使用する添付図面を簡単に説明する。以下に説明する図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的努力なしにこれらの図面から他の図面を導き出すこともできることは明らかである。
【0019】
【
図1】本発明の実施例1に係る両面露光のアライメント装置の概略図である。
【
図2】本発明の実施例2及び実施例3に係る両面露光のアライメント装置の概略図である。
【
図3】本発明の実施例における位置決めマークとマーキングマークとが載置用チャックの縁辺の下部にある位置の概略図である。
【
図4】本発明の実施例における位置決めマークとマーキングマークとが載置用チャックの縁辺の一側及び下部にある位置の概略図である。
【
図5】被露光試料を載置用チャックに配置して露光する際の位置の概略図である。
【
図6】本発明の実施例4に係る両面露光のアライメント装置を備える露光設備の概略図である。
【
図7】本発明における位置決めマークとマーキングマークとの位置の正面図であり、1はマーキングマークであり、3は位置決めマークである。
【
図8】本発明における405nmレーザー光源とマーキングマーク及び位置決めマークとの位置関係の断面図であり、1はマーキングマークであり、3は位置決めマークであり、4はレンズであり、5は405nmレーザーであり、6はレーザー制御手段である。
【
図9】本発明の実施例における位置決めマークとマーキングマークとが変形防止材を介して接続される概略図であり、1はマーキングマークであり、2は変形防止材であり、3は位置決めマークである。
【
図10】本発明の実施例5に係る両面露光のアライメントの方法における被露光試料の配置の概略図である。
【
図11】本発明の実施例5に係る両面露光のアライメントの方法における被露光試料の露光プロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
工業的製造において、PCB内層の無孔板の表裏両面の位置合わせ精度が10μm以内であるように要求されるが、この位置合わせ精度に影響する要因には、システムの軸系の繰り返し位置決め精度、載置用チャックシステムの精度及び画像処理精度があり、載置用チャックシステムは、(1)チャック本体に金属材料のアルミニウム合金を用い、温度変化に伴う熱膨張収縮の特性があること、(2)載置用チャックがPCBを真空吸着するが、真空吸着によりチャックの変形を引き起こすことという2つの理由から、PCB内層の無孔板の表裏両面の位置合わせ精度に非常に大きな影響を及ぼす。実際の使用において、アルミニウム合金の熱膨張係数が23μm/℃.mであり、温度変化が±2℃であり、載置用チャックのサイズが650mm(幅)×850mm(長さ)である場合に、その縁辺の変形はそれぞれ
23×4×0.85=78.2μm(長さ)、23×4×0.65=59.8μm(幅)であり、
即ち、チャック本体は、温度変化が±2℃である場合に、幅方向で59.8μm、長さ方向で78.2μm変化した。温度の変化に伴って表裏両面の位置合わせ精度が変わり、10μmの基準を遥かに超えている。
【0021】
一方、PCBを真空吸着する際に、載置用チャック本体は650mm(幅)×850mm(長さ)×23mm(厚さ)のアルミニウム合金製部品であり、中央に真空チャンバを有し、真空引きする際に、チャンバ内部の真空度が-20kpaに達し、載置用チャック全体が20kpaの圧力を受けて、チャック本体に不規則な非線形変形が発生し、実際に測定したところ、変形量が5μm前後であり、10μmの基準を超えていないが、システムの位置合わせ精度において50%占めており、それによる影響も大きい。
【0022】
上述した理由(1)に対して、インバー、大理石、炭化珪素等の熱膨張係数の低い材料が提案されているが、これらの材料は、加工難度が高く、大理石、炭化珪素が割れやすく、また、アルミニウム合金に比べて5~10倍のコストがかかるので、使用できない。
【0023】
上述した理由(2)として、チャック本体の変形が不規則な非線形であるため、その変化の規則性を見つけることができず、解決することもできない。
【0024】
製造に際して、PCBでマーク孔を覆うため、現在一般的に使用されている方法は、定期的に補正して位置決めすることによってチャック本体の温度に伴う変化及び真空吸着によるチャックの変形を補正するが、載置用チャック本体の変形量をリアルタイムで決定することができない。
【0025】
本発明の目的、技術的手段及び利点をより明確にするために、以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
本実施例は、両面露光のアライメント装置を提供し、
図1に示すように、この装置は、
位置決めマーク11と、マーキングマーク12と、位置取得手段13とを備え、
位置決めマーク11は、マーキングマーク12の位置をリアルタイムで決定することによって、マーキングマーク12の位置に基づいて、被露光試料の露光パターンの位置を決定し、
マーキングマーク12は、被露光試料にマーキングを施し、
位置取得手段13は、位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得する。
【0027】
本発明の実施例は、位置決めマークと、マーキングマークと、位置取得手段とを備え、位置取得手段により位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得することによって、マーキングマークのリアルタイム位置情報を取得して、マーキングマークのリアルタイム位置情報に基づいて、被露光試料の他方の面をアライメント露光する両面露光のアライメント装置を提供することにより、従来技術では、マーキングマークをリアルタイムで正確に位置決めすることができないために、露光時にアライメントずれが生じるという問題を解決し、被露光試料の両面のアライメント精度を向上させるという効果が得られる。
【実施例2】
【0028】
本実施例は、両面露光のアライメント装置及び方法を提供し、
図2に示すように、この装置は、
位置決めマーク11と、マーキングマーク12と、位置取得手段13と、試料載置手段14と、マーキング手段15とを備え、
位置決めマーク11は、マーキングマーク12の位置をリアルタイムで決定することによって、マーキングマーク12の位置に基づいて、被露光試料の露光パターンの位置を決定し、
マーキングマーク12は、被露光試料にマーキングを施し、
位置取得手段13は、位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得し、
位置決めマーク11とマーキングマーク12との相対位置の変化量が、被露光試料の両面露光を行う際に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さく、位置決めマーク11とマーキングマーク12との距離が20mm未満であるか、及び/又は変形防止材を介して接続されており、
試料載置手段14は、被露光試料を載置し、マーキング手段15は、マーキングマーク12によって被露光試料にマーキングを施し、
マーキングマーク12が試料載置手段14に位置する。
【0029】
本実施例では、被露光試料がPCBであり、試料載置手段が、PCBを載置して固定する載置用チャックであり、載置用チャックがアルミニウム合金材料で製造され、マーキングマーク12が載置用チャックに位置するマーキング孔であり、位置取得手段13がCCDカメラであり、マーキング手段15が405nmレーザー光源であることを例として説明する。
【0030】
具体的には、PCBが載置用チャックに載置された場合に、405nmレーザー光源がPCBの光源方向に向かう面にマーキングを施すように、マーキング孔を覆うとともに、CCDカメラが位置決めマークの位置情報を取得するように、位置決めマークを覆わないことを確保し、該位置決めマークは、載置用チャックに位置する位置決め孔であってもよいし、該位置決め孔とマーキング孔との距離が20mm未満であり、
図9に示すように、マーキング孔と変形防止材を介して接続されるマーカであってもよく、作業中の位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量が、PCBの両面露光を行う際に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さいことを満たすだけでよい。
例えば、PCBの表裏両面のアライメント精度が10μm以内であるように要求される場合に、該所定値を2μmにし、該位置決めマークが載置用チャックに位置する位置決め孔である場合に、該位置決め孔とマーキング孔との距離を20mm未満にし、PCBの露光に際して、載置用チャックの材質であるアルミニウム合金の熱膨張係数が23μm/℃.mであり、露光中の温度変化の範囲が±2℃であると、該位置決め孔とマーキング孔との相対位置の変化量が23×4×0.02=1.8μm<2μmとなり、そして、アルミニウム合金の局部的な剛性が全体的な剛性よりも大きいため、位置決め孔とマーキング孔との距離が小さい場合に、真空による影響が無視できるほど小さくなり、実際に測定したところ、該位置決め孔とマーキング孔との相対位置の変化量が、所定値の2μm未満である基準を満たす。
【0031】
同様に、位置決めマークが変形防止材を介してマーキング孔に接続されたマーカである場合に、変形防止材の温度による影響が小さいので、該位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量を無視することができる。
【0032】
実際の使用において、変形防止材は、温度による影響が小さいインバー、大理石、セラミック等の熱膨張係数の小さい材料を用いることができ、例えば、インバーの熱膨張係数が0.8μm/℃/m、大理石の熱膨張係数が5μm/℃/m、セラミックの熱膨張係数が7μm/℃/mであり、位置決めマークとマーキング孔とを接続する変形防止材の長さが100mmになっても、±2℃の温度変化の範囲において、変形防止材の変形量がそれぞれ0.8×4×0.1=0.32μm、5×4×0.1=2μm、7×4×0.1=2.8μmとなり、そして、実際の使用においては該変形防止材の長さが100mmになることはないが、上述した位置決めマークとマーキング孔との距離が20mmである場合に、±2℃の温度変化の範囲において、変形防止材の変形量がそれぞれ0.8×4×0.02=0.064μm、5×4×0.02=0.4μm、7×4×0.02=0.56μmとなるため、該位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量を無視することができる。
【0033】
より高いアライメント精度の要求を満たすために、位置決めマークとマーキングマークとの距離を20mm未満の任意の値にすることができる。
【0034】
露光に際して、CCDカメラが位置決めマークの位置情報を取得し、PCBの他方の面を露光するときに、CCDカメラが取得した位置決めマークの位置情報に基づいて、マーキング孔の位置情報を決定することによって、マーキング孔の位置情報に基づいてPCBの他方の面の露光パターンの位置を決定して、露光する。
【0035】
説明の便宜上、PCBの両面をそれぞれA面及びB面とし、
例えば、システムに記録されたマーキング孔の初期キャリブレーション位置を
とし、位置決めマークの初期キャリブレーション位置を
とし、あるPCBを露光する際に、位置決めマークのリアルタイム位置を
とし、CCDカメラが取得した位置決めマークのシステムに記録された初期位置に対する位置変化が、
であり、
位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量を無視することができるので、マーキング孔の位置変化が、
でもあり、
マーキング孔のB面におけるマーキング位置の理論値を
とし、
回路板を上下反転させた場合に、PCBの高さをHとし、PCBの底辺Xの座標を
とし、
上述したマーキング孔のB面におけるマーキング位置の理論値に基づいて、マーキング孔のB面における所望の位置
を得、
反転させた後のB面で実際に捕捉したマーキング孔の位置が
であり、
アライメント結果が
であり、
露光パターンのA面での位置
をY軸ミラー反転させて
を得、
即ちB面でのパターンの位置が
である。
【0036】
本発明の実施例は、位置決めマークと、マーキングマークと、位置取得手段とを備え、位置取得手段により位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得することで、マーキングマークのリアルタイム位置情報を取得して、マーキングマークのリアルタイム位置情報に基づいて、被露光試料の他方の面をアライメント露光する両面露光のアライメント装置を提供することにより、従来技術では、マーキングマークをリアルタイムで正確に位置決めすることができないために、露光時にアライメントずれが生じるという問題を解決し、位置決めマークとマーキングマークとの距離が20mm未満であるか、及び/又は変形防止材を介して接続されることにより、位置決めマークとマーキングマークとの露光中の相対位置の変化量が、被露光試料の露光時に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さいことを確保して、被露光試料の両面のアライメント精度を向上させるという効果が得られる。
【0037】
実際の露光に際して、マーキングマークが位置決めマークと一対一に対応してもよく、位置決めマークが対応するマーキングマークの位置を決定し、1つのマーキングマークが2つ以上の位置決めマークに対応して、該マーキングマークの位置情報を総合的に決定するような一対多対応でもよく、複数のマーキングマークが1つの位置決めマークに対応してもよく、該位置決めマークが上述した複数のマーキングマークの位置を対応して決定する。
【0038】
本発明の以下の実施例3及び実施例4は、マーキングマークと位置決めマークとの一対一対応関係を例として説明するが、マーキングマークと位置決めマークとの位置関係は
図7に示す通りである。
【実施例3】
【0039】
本実施例は、両面露光のアライメント装置及び方法を提供し、
図2に示すように、この装置は、
位置決めマーク11と、マーキングマーク12と、位置取得手段13と、試料載置手段14と、マーキング手段15とを備え、
位置決めマーク11は、マーキングマーク12の位置をリアルタイムで決定することによって、マーキングマーク12の位置に基づいて、被露光試料の露光パターンの位置を決定し、
マーキングマーク12は、被露光試料にマーキングを施し、
位置取得手段13は、位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得し、
位置決めマーク11とマーキングマーク12との相対位置の変化量が、被露光試料の両面露光を行う際に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さく、位置決めマーク11とマーキングマーク12との距離が20mm未満であるか、及び/又は変形防止材を介して接続されており、
試料載置手段14は、被露光試料を載置し、マーキング手段15は、マーキングマーク12によって被露光試料にマーキングを施し、
マーキングマーク12が試料載置手段14に位置する。
【0040】
本実施例では、被露光試料がPCBであり、試料載置手段が、PCBを載置して固定する載置用チャックであり、載置用チャックがアルミニウム合金材料で製造され、マーキングマーク12が載置用チャックに位置するマーキング孔であり、位置取得手段13がCCDカメラであり、マーキング手段15が405nmレーザー光源であることを例として説明する。
【0041】
マーキング手段の405nmレーザー光源とマーキングマーク及び位置決めマークとの位置関係の断面図は
図8に示す通りである。
具体的には、PCBが載置用チャックに載置された場合に、405nmレーザー光源がPCBの光源方向に向かう面にマーキングを施すように、マーキング孔を覆うとともに、CCDカメラが位置決めマークの位置情報を取得するように、位置決めマークを覆わないことを確保し、該位置決めマークは、載置用チャックに位置する位置決め孔であってもよいし、該位置決め孔とマーキング孔との距離が20mm未満であり、マーキング孔と変形防止材を介して接続されるマーカであってもよく、作業中の位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量が、PCBの両面露光を行う際に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さいことを満たすだけでよい。
例えば、PCBの表裏両面のアライメント精度が10μm以内であるように要求される場合に、該所定値を2μmにし、該位置決めマークが載置用チャックに位置する位置決め孔である場合に、該位置決め孔とマーキング孔との距離を20mm未満にし、PCBの露光に際して、載置用チャックの材質であるアルミニウム合金の熱膨張係数が23μm/℃.mであり、露光中の温度変化の範囲が±2℃であると、該位置決め孔とマーキング孔との相対位置の変化量が23×4×0.02=1.8μm<2μmとなり、そして、アルミニウム合金の局部的な剛性が全体的な剛性よりも大きいため、位置決め孔とマーキング孔との距離が小さい場合に、真空による影響が無視できるほど小さくなり、実際に測定したところ、該位置決め孔とマーキング孔との相対位置の変化量が、所定値の2μm未満である基準を満たす。
【0042】
同様に、位置決めマークが変形防止材を介してマーキング孔に接続されたマーカである場合に、変形防止材の温度による影響が小さいので、該位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量を無視することができる。
【0043】
実際の使用において、変形防止材は、温度による影響が小さいインバー、大理石、セラミック等の熱膨張係数の小さい材料を用いることができ、例えば、インバーの熱膨張係数が0.8μm/℃/m、大理石の熱膨張係数が5μm/℃/m、セラミックの熱膨張係数が7μm/℃/mであり、位置決めマークとマーキング孔とを接続する変形防止材の長さが100mmになっても、±2℃の温度変化の範囲において、変形防止材の変形量がそれぞれ0.8×4×0.1=0.32μm、5×4×0.1=2μm、7×4×0.1=2.8μmとなり、そして、実際の使用においては該変形防止材の長さが100mmになることはないが、上述した位置決めマークとマーキング孔との距離が10mmである場合に、±2℃の温度変化の範囲において、変形防止材の変形量がそれぞれ0.8×4×0.02=0.064μm、5×4×0.02=0.4μm、7×4×0.02=0.56μmとなるため、該位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量を無視することができる。
【0044】
より高いアライメント精度の要求を満たすために、位置決めマークとマーキングマークとの距離を20mm未満の任意の値にすることができる。
【0045】
露光に際して、PCBのサイズに応じてマーキングマークを選択し、
図3、
図4及び
図5に示すように、PCBのサイズに応じて任意のマーキングマークを選択する。
【0046】
該マーキングマークは、載置用チャックの任意の位置にあってもよい。
【0047】
露光に際して、CCDカメラが位置決めマークの位置情報を取得し、PCBの他方の面を露光するときに、CCDカメラが取得した位置決めマークの位置情報に基づいて、マーキング孔の位置情報を決定することによって、マーキング孔の位置情報に基づいてPCBの他方の面の露光パターンの位置を決定して、露光する。
【0048】
説明の便宜上、PCBの両面をそれぞれA面及びB面とし、
例えば、システムに記録されたマーキング孔の初期キャリブレーション位置を
とし、位置決めマークの初期キャリブレーション位置を
とし、あるPCBを露光する際に、位置決めマークのリアルタイム位置を
とし、CCDカメラが取得した位置決めマークのシステムに記録された初期位置に対する位置変化が、
であり、
位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量を無視することができるので、マーキング孔の位置変化が、
でもあり、
マーキング孔のB面におけるマーキング位置の理論値を
とし、
回路板を上下反転させた場合に、PCBの高さをHとし、PCBの底辺Xの座標を
とし、
上述したマーキング孔のB面におけるマーキング位置の理論値に基づいて、マーキング孔のB面における所望の位置
を得、
反転させた後のB面で実際に捕捉したマーキング孔の位置が
であり、
アライメント結果が
であり、
露光パターンのA面での位置
をY軸ミラー反転させて
を得、
即ちB面でのパターンの位置が
である。
【0049】
本発明の実施例は、位置決めマークと、マーキングマークと、位置取得手段とを備え、各被露光試料の露光前に、位置取得手段により位置決めマークの位置情報を取得して、マーキングマークの位置情報を取得することによって、該被露光試料の露光時のマーキングマークの位置の所定位置に対する変化量を決定し、該変化量に基づいて、所定の被露光試料の他方の面の露光パターンの位置をリアルタイムで調整する両面露光のアライメント装置を提供することにより、従来技術では、マーキングマークをリアルタイムで位置決めすることができないために、露光時にアライメントずれが生じるという問題を解決し、被露光試料の両面のアライメント精度を向上させる。位置決めマークとマーキングマークとの距離が20mm未満であるか、及び/又は変形防止材を介して接続されることにより、位置決めマークとマーキングマークとの露光中の相対位置の変化量が、被露光試料の露光時に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さいことを確保し、被露光試料の両面のアライメント精度を向上させる。各被露光試料の露光前に、位置取得手段により位置決めマークの位置情報を取得して、マーキングマークの位置情報を取得することによって、該被露光試料の露光時のマーキングマークの位置の所定位置に対する変化量を決定し、該変化量に基づいて、所定の被露光試料の他方の面の露光パターンの位置をリアルタイムで調整して、被露光試料の両面のアライメント精度を向上させる。
【実施例4】
【0050】
本実施例は、両面露光のアライメント装置を備える露光設備を提供し、
図6に示すように、この装置は、
位置決めマーク11と、マーキングマーク12と、位置取得手段13と、試料載置手段14と、マーキング手段15と、露光設備16とを備え、
位置決めマーク11は、マーキングマーク12の位置をリアルタイムで決定することによって、マーキングマーク12の位置に基づいて、被露光試料の露光パターンの位置を決定し、
マーキングマーク12は、被露光試料にマーキングを施し、
位置取得手段13は、位置決めマークの位置情報をリアルタイムで取得し、
露光設備16は、被露光試料を露光し、
位置決めマーク11とマーキングマーク12との相対位置の変化量が、被露光試料の両面露光を行う際に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さく、位置決めマーク11とマーキングマーク12との距離が20mm未満であるか、及び/又は変形防止材を介して接続されており、
試料載置手段14は、被露光試料を載置し、マーキング手段15は、マーキングマーク12によって被露光試料にマーキングを施し、
マーキングマーク12が試料載置手段14に位置する。
【0051】
本実施例では、被露光試料がPCBであり、試料載置手段が、PCBを載置して固定する載置用チャックであり、載置用チャックがアルミニウム合金材料で製造され、マーキングマーク12が載置用チャックに位置するマーキング孔であり、位置取得手段13がCCDカメラであり、マーキング手段15が405nmレーザー光源であることを例として説明する。
【0052】
具体的には、PCBが載置用チャックに載置された場合に、405nmレーザー光源がPCBの光源方向に向かう面にマーキングを施すように、マーキング孔を覆うとともに、CCDカメラが位置決めマークの位置情報を取得するように、位置決めマークを覆わないことを確保し、該位置決めマークは、載置用チャックに位置する位置決め孔であってもよいし、該位置決め孔とマーキング孔との距離が20mm未満であり、マーキング孔と変形防止材を介して接続されるマーカであってもよく、作業中の位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量が、PCBの両面露光を行う際に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さいことを満たすだけでよい。
例えば、PCBの表裏両面のアライメント精度が10μm以内であるように要求される場合に、該所定値を2μmにし、該位置決めマークが載置用チャックに位置する位置決め孔である場合に、該位置決め孔とマーキング孔との距離を20mm未満にし、PCBの露光に際して、載置用チャックの材質であるアルミニウム合金の熱膨張係数が23μm/℃.mであり、露光中の温度変化の範囲が±2℃であると、該位置決め孔とマーキング孔との相対位置の変化量が23×4×0.02=1.8μm<2μmとなり、そして、アルミニウム合金の局部的な剛性が全体的な剛性よりも大きいため、位置決め孔とマーキング孔との距離が小さい場合に、真空による影響が無視できるほど小さくなり、実際に測定したところ、該位置決め孔とマーキング孔との相対位置の変化量が、所定値の2μm未満である基準を満たす。
【0053】
同様に、位置決めマークが変形防止材を介してマーキング孔に接続されたマーカである場合に、変形防止材の温度による影響が小さいので、該位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量を無視することができる。
【0054】
実際の使用において、変形防止材は、温度による影響が小さいインバー、大理石、セラミック等の熱膨張係数の小さい材料を用いることができ、例えば、インバーの熱膨張係数が0.8μm/℃/m、大理石の熱膨張係数が5μm/℃/m、セラミックの熱膨張係数が7μm/℃/mであり、位置決めマークとマーキング孔とを接続する変形防止材の長さが100mmになっても、±2℃の温度変化の範囲において、変形防止材の変形量がそれぞれ、0.8×4×0.1=0.32μm、5×4×0.1=2μm、7×4×0.1=2.8μmとなり、そして、実際の使用においては該変形防止材の長さが100mmになることはないが、上述した位置決めマークとマーキング孔との距離が10mmである場合に、±2℃の温度変化の範囲において、変形防止材の変形量がそれぞれ、0.8×4×0.02=0.064μm、5×4×0.02=0.4μm、7×4×0.02=0.56μmとなるため、該位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量を無視することができる。
【0055】
より高いアライメント精度の要求を満たすために、位置決めマークとマーキングマークとの距離を20mm未満の任意の値にすることができる。
【0056】
露光に際して、PCBを載置用チャックに載置して露光する際に、PCBのサイズに応じて少なくとも2つのマーキングマークを選択し、
図3、
図4、及び
図5に示すように、マーキングマークが載置用チャックの縁辺部の任意の箇所に位置する。
【0057】
選択されたマーキング孔に対応する位置決めマークを覆うことなくPCBでマーキング孔を覆う。
【0058】
露光に際して、CCDカメラが位置決めマークの位置情報を取得し、PCBの他方の面を露光するときに、CCDカメラが取得した位置決めマークの位置情報に基づいて、マーキング孔の位置情報を決定することによって、マーキング孔の位置情報に基づいてPCBの他方の面の露光パターンの位置を決定して、露光する。
【0059】
説明の便宜上、PCBの両面をそれぞれA面及びB面とし、
例えば、システムに記録されたマーキング孔の初期キャリブレーション位置を
とし、位置決めマークの初期キャリブレーション位置を
とし、あるPCBを露光する際に、位置決めマークのリアルタイム位置を
とし、CCDカメラが取得した位置決めマークのシステムに記録された初期位置に対する位置変化が、
であり、
位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量を無視することができるので、マーキング孔の位置変化が、
でもあり、
マーキング孔のB面におけるマーキング位置の理論値を
とし、
回路板を上下反転させた場合に、PCBの高さをHとし、PCBの底辺Xの座標を
とし、
上述したマーキング孔のB面におけるマーキング位置の理論値に基づいて、マーキング孔のB面における所望の位置
を得、
反転させた後のB面で実際に捕捉したマーキング孔の位置が
であり、
アライメント結果が
であり、
露光パターンのA面での位置
をY軸ミラー反転させて
を得、
即ちB面でのパターンの位置が
である。
【0060】
実際に測定したところ、本発明は、システムの軸系の繰り返し位置決め精度が1μm、画像処理精度が1μmであるという前提で、PCB内層の無孔板の表裏両面の位置合わせ精度を10μm以内に確保することができる。
【0061】
本発明の実施例は、位置決めマークと、マーキングマークと、位置取得手段とを備え、各被露光試料の露光前に、被露光試料のサイズに応じて適切なマーキングマークを選択し、選択されたマーキングマークに対応する位置決めマークの位置情報を位置取得手段により取得して、マーキングマークの位置情報を取得することによって、該被露光試料の露光時のマーキングマークの位置の所定位置に対する変化量を決定し、該変化量に基づいて、所定の被露光試料の他方の面の露光パターンの位置をリアルタイムで調整する両面露光のアライメント装置を提供することにより、従来技術では、マーキングマークをリアルタイムで位置決めすることができないために、露光時にアライメントずれが生じるという問題を解決し、被露光試料の両面のアライメント精度を向上させる。位置決めマークとマーキングマークとの距離が20mm未満であるか、及び/又は変形防止材を介して接続されることにより、位置決めマークとマーキングマークとの露光中の相対位置の変化量が、被露光試料の露光時に要求されるアライメント精度に応じて設定された所定値よりも小さいことを確保し、被露光試料の両面のアライメント精度を向上させる。各被露光試料の露光前に、位置取得手段により位置決めマークの位置情報を取得して、マーキングマークの位置情報を取得することによって、該被露光試料の露光時のマーキングマークの位置の所定位置に対する変化量を決定し、該変化量に基づいて、所定の被露光試料の他方の面の露光パターンの位置をリアルタイムで調整して、被露光試料の両面のアライメント精度を向上させる。
【実施例5】
【0062】
本実施例は、
図10及び
図11に示す両面露光のアライメントの方法を提供する。
【0063】
図10に示すように、被露光基板20を試料載置手段14に載置し、選択された位置決めマーク11の位置情報を位置取得手段13により取得する。
【0064】
図11に示すように、選択された位置決めマーク11の位置情報を位置取得手段13により取得し、露光設備16を用いて被露光基板20に位置決めマーク21を露光して、位置決めマーク21をマーキングマーク12により印刷されるマークと一対一に対応させ、位置決めマーク21を被露光基板の表面露光時のパターン位置の位置決めマークとして用い、マーキングマーク12により印刷されるマークを被露光基板の裏面露光時のパターン位置の位置決めマークとして用いることにより、両面のパターンの正確な位置関係を構成することができる。
【0065】
説明の便宜上、PCBの両面をそれぞれA面及びB面とし、
例えば、システムに記録されたマーキング孔の初期キャリブレーション位置を
とし、位置決めマークの初期キャリブレーション位置を
とし、あるPCBを露光する際に、位置決めマークのリアルタイム位置を
とし、CCDカメラが取得した位置決めマークのシステムに記録された初期位置に対する位置変化が、
であり、
位置決めマークとマーキング孔との相対位置の変化量を無視することができるので、マーキング孔の位置変化が、
でもあり、
マーキング孔のB面におけるマーキング位置の理論値を
とし、
露光設備16はA面に、マーキング位置の理論値
を用いて、中間マークである位置決めマーク21を露光し、位置決めマーク21が被露光基板のA面の露光時のパターン位置を決定するためのものであり、
回路板を上下反転させた場合に、PCBの高さをHとし、PCBの底辺Xの座標を
とし、
上述したマーキング孔のB面におけるマーキング位置の理論値に基づいて、マーキング孔のB面における所望の位置
を得、
反転させた後のB面で実際に捕捉したマーキング孔の位置が
であり、
アライメント結果が
であり、
露光パターンのA面での位置
をY軸ミラー反転させて
を得、
即ちB面でのパターンの位置が
である。
【0066】
実際に測定したところ、本発明は、システムの軸系の繰り返し位置決め精度が1μm、画像処理精度が1μmであるという前提で、PCB内層の無孔板の表裏両面の位置合わせ精度を10μm以内に確保することができる。
【0067】
本発明の実施例におけるステップの一部は、ソフトウェアによって実現されることができ、対応するソフトウェアプログラムは、光ディスク又はハードディスクなどの読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができる。
【0068】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するためのものではなく、本発明の精神及び原則内で行われるあらゆる修正、同等置換及び改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。