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  • 特許-環状ギャップミル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】環状ギャップミル
(51)【国際特許分類】
   B02C 17/16 20060101AFI20230105BHJP
   B02C 17/18 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
B02C17/16 Z
B02C17/18 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021524977
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2019080356
(87)【国際公開番号】W WO2020094696
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】18205435.3
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501003320
【氏名又は名称】ビューラー・アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Buehler AG
【住所又は居所原語表記】Gupfenstrasse 5, CH-9240 Uzwil, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】コーネル フレーフェル
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアート ナーター
(72)【発明者】
【氏名】アヒム フィリップ シュトゥアム
(72)【発明者】
【氏名】パスカル エッカー
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】西独国特許出願公開第03614721(DE,A)
【文献】特開昭58-128159(JP,A)
【文献】特開平07-124491(JP,A)
【文献】特開2005-262027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 1/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性の粉砕物を加工するためのミルであって、該ミルが、
概して円筒形に形成されたロータ(1)であって、
ロータ壁(11)と、
該ロータ壁(11)に取り付けられた複数の工具(13)と、
ロータ分離リング(12)と、
ロータハブ(14)と、
少なくとも1つの引張りロッド(15)と
を有するロータ(1)と、
ステータ内壁(21)を備えた、前記ロータ(1)を内部に収容しているステータ(2)と、
ステータ分離リング(22)と、
製品供給部(41)と、
製品導出部(42)と
を有しており、
前記ロータ壁(11)および前記ロータ分離リング(12)が、前記引張りロッド(15)により前記ロータハブ(14)内に緊締されており、
前記ロータ分離リング(12)が、回転対称の中空円筒体として形成されており、
前記ロータ壁(11)が、回転軸線(19)に対して回転対称であり、かつ前記回転軸線(19)に対して垂直な対称面に対して鏡像対称であり、
前記ステータ内壁(21)と前記ロータ壁(11)との間に、粉砕室(7)が形成されており、前記粉砕物を、前記製品供給部(41)を介して前記粉砕室(7)内に導入し、かつ前記製品導出部(42)を介して前記粉砕室(7)から導出することができ、
前記ロータ分離リング(12)と前記ステータ分離リング(22)との間に、ギャップ(s)が形成されており、該ギャップ(s)を通じて、前記粉砕室(7)内に収容されている前記粉砕物が前記製品導出部(42)へと導出され、
前記粉砕室(7)の側面が、前記ステータ分離リング(22)により形成され、該ステータ分離リング(22)は、回転対称の中空円筒体として形成されており、かつ対称面に対して鏡像対称である、
ミル。
【請求項2】
前記ロータ分離リング(12)および/または前記ステータ分離リング(22)が、セラミック、硬質合金または硬化された金属から形成されている、請求項記載のミル。
【請求項3】
前記ステータ内壁(21)が、前記回転軸線(19)に対して回転対称であり、前記対称面に対して鏡像対称である、請求項1または2記載のミル。
【請求項4】
前記ロータ壁(11)における前記工具(13)の配置が、前記回転軸線(19)に対して回転対称であり、前記対称面に対して鏡像対称である、請求項1から3までのいずれか1項記載のミル。
【請求項5】
前記ステータ内壁(21)に配置された複数の粉砕工具をさらに備え、該粉砕工具の配置が、特に前記回転軸線(19)の回りで回転対称であり、かつ前記対称面に対して鏡像対称である、請求項1から4までのいずれか1項記載のミル。
【請求項6】
前記粉砕室(7)の粉砕ギャップ幅が、20~60mmである、請求項1から5までのいずれか1項記載のミル。
【請求項7】
ステータ内径Dに対するステータ長さLの比が、2~4であり、かつ/または前記粉砕室(7)の粉砕ギャップ幅Sに対するステータ長さLの比が15~30である、請求項1から6までのいずれか1項記載のミル。
【請求項8】
前記粉砕室(7)に、少なくとも部分的に粉砕補助体(3)が充填されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のミル。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載のミルをメンテナンスする方法であって、以下のステップ、すなわち
前記ミルからロータ(1)を取り外す、取外しステップ、
引張りロッド(15)を解除することによりロータハブ(14)からロータ壁(11)およびロータ分離リング(12)を分離する、分離ステップ、
前記ロータ壁(11)および/または前記ロータ分離リング(12)を、前記回転軸線(19)に対して垂直に延びる反転軸線を中心として180°だけ回転させる、回転ステップ、
前記ロータ壁(11)および前記ロータ分離リング(12)を反転させられた向きで前記引張りロッド(15)により前記ロータハブ(14)内に緊締する、緊締ステップであって、前記ロータハブ(14)の、前記分離ステップ前に前記ロータ分離リング(12)に隣接して配置されていた側が、当該緊締ステップ後に前記ロータ分離リング(12)に同様に隣接して配置されている、緊締ステップおよび
前記ミル内に前記ロータ(1)を組み込む、組込みステップ
を有している、ミルをメンテナンスする方法。
【請求項10】
前記組込みステップと、前記取外しステップとの間に、さらに
前記ミルからステータ内壁(21)およびステータ分離リング(22)を取り外す、取外しステップ、前記ステータ内壁(21)および/または前記ステータ分離リング(22)を、前記回転軸線(19)に対して垂直に延びる反転軸線を中心として180°だけ回転させる、回転ステップおよび前記ステータ内壁(21)および前記ステータ分離リング(22)を反転させられた向きで前記ミル内に組み込む、組込みステップ
をさらに有している、請求項記載の方法。
【請求項11】
請求項1から8までのいずれか1項記載のミルにおいて使用するためのステータセットであって、該ステータセットが、ステータ(2)およびステータ内壁(21)を有しており、該ステータ(2)および前記ステータ内壁(21)が、カバーと、前記ステータセットの、それぞれ反対に位置する側に配置されている出口フランジとの間に配置されており、前記ステータ内壁(21)が、前記回転軸線(19)に対して垂直な対称面に対して鏡像対称である、ステータセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アジテータミル、特に環状ギャップミルのロータに関する。
【0002】
アジテータミルは、既に液体中における固体の粉砕および分散において、幅広い用途を有している。アジテータミルは、たとえば接着材、印刷インキ、化粧品または医薬品の製造時に使用されている。慣用の構造形式は、環状ギャップミルである。環状ギャップミルでは、ロータとステータとの間の粉砕室において粉砕補助体により分散物が製造される。このためには、ロータおよび/またはステータに、たとえば円形ピンの形の粉砕工具が取り付けられていてよい。粉砕物は、供給通路を介して粉砕室内へとガイドされ、粉砕室内で粉砕され、粉砕補助体を抑留する分離領域(若しくは分離装置)を介して導出される。分離(セパレータ)装置は、分離スクリーンから成っていることが多いが、ギャップとして形成することもできる。
【0003】
環状ギャップミルは、通常、製品の長い滞留時間と、内部における詰め込み流を有している。引きずり力により、出口側に特に多くの粉砕体があり、これによりこの箇所において、分離領域だけではなくステータ、ロータおよびロータに取り付けられた工具の高められた摩耗が生じる。このことは、構成部材の非対称の摩滅につながり、このことは特定の構成群の頻繁な交換につながる。
【0004】
したがって、本発明の目的は、構成部材、特にロータの使用期間を延長することである。この課題は、本発明により、独立請求項に記載の特徴により解決される。従属請求項は、本発明の実施形態を記載している。
【0005】
本発明によれば、アジテータミルのための概して円筒形のロータが提供される。ロータは、ロータ壁と、該ロータ壁に取り付けられた複数の工具と、ロータ分離リングと、ロータハブと、少なくとも1つの引張りロッドとを有している。ロータ壁とロータ分離リングとは、引張りロッドによりハブ内に緊締されており、これにより結合される。ロータ分離リングは、回転対称の中空円筒体として構成されている。ロータ壁は、回転軸線に対して回転対称であり、かつ回転軸線に対して垂直な対称面に対して鏡像対称である。好適には、このことは、ロータ壁における工具の配置にも当てはまる。ロータ分離リングは、セラミック、硬質合金、硬化された金属等のような極めて耐久性のある材料から成形されていることが望ましい。
【0006】
さらに、本発明に係るロータを備えた、流動性の粉砕物を加工するためのミルが提供される。ミルは、概して円筒形のステータ内壁を備えたステータと、製品供給部と、製品導出部とをさらに有している。ロータは、ステータの内側に配置されており、ステータ内壁とロータ壁との間には、粉砕室が形成されている。粉砕物は、製品供給部を介して粉砕室内へとガイドし、製品導出部を介して粉砕室からガイドすることができる。付加的に、ミルは、ステータ分離リングを有している。ステータ分離リングは、好適には実質的に粉砕室の側面を形成する。粉砕室の対応する側面は、特に好適には完全にステータ分離リングにより形成される。ステータ分離リングは、好適にはロータ分離リングと一緒に、ギャップを形成する。このギャップは、場合によっては粉砕室内に配置されている粉砕補助体からの粉砕物の分離のために役立つ。このギャップは、分離ギャップとも呼ばれる。ステータ分離リングは、好適には同様に回転対称の中空円筒体として構成されており、セラミック、硬質合金または硬化された金属から形成されている。
【0007】
1つの実施形態によれば、ステータ内壁も、回転軸線に対して回転対称であり、かつ対称面に対して鏡像対称である。ステータ内壁にも粉砕工具が配置されている場合、これらの粉砕工具の配置も、回転軸線に対して回転対称であり、かつ対称面に対して鏡像対称であることが望ましい。
【0008】
1つの実施形態によれば、粉砕ギャップ幅、つまり粉砕室の幅は、20mm~60mmであり、ステータ内径に対するステータ長さの比は、2~4であり、かつ/または粉砕ギャップ幅に対するステータ長さの比は、15~30である。
【0009】
ミルの構成部材が摩滅した場合、ミルのメンテナンス時に、対称的に構成された構成部材を回転させて再び挿入し、これにより引き続き使用することができる。このことは、ミルをメンテナンスするための本発明に係る方法により行うことができる。これにより、このような対称的に構成された構成部材、つまり特にロータ、ステータならびにロータ分離リングおよびステータ分離リングの使用期間を延長することができる。
【0010】
別の特徴、利点および詳細は以下の図面から判る。同一の参照符号は、同一または類似のエレメントを示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による環状ギャップミルを示す図である。
図2】ロータ分離リングおよびステータ分離リングを備えた、図1に示した環状ギャップミルの分離ギャップを示す部分図である。
図3図1に示した環状ギャップミルのロータ構成群を示す図である。
【0012】
図1に図示された環状ギャップミルは、通常、粉砕室7を有している。この粉砕室は、ステータ内壁21と、ロータ1のロータ壁11との間に形成されている。ロータ1は、長手方向軸線19を中心として回転可能に支承されている。ロータ壁11には、粉砕室7内に突入する複数の粉砕工具13が取り付けられていてよい。これらの粉砕工具13は、たとえば円形ピンとして構成されていてよいが、別の形状が目的にかなっていることもある。任意に、付加的にステータ内壁21にも工具を取り付けることができる。
【0013】
製品は、製品供給部41を介して粉砕室7内に到達し、この粉砕室7内で粉砕補助体3により分散もしくは粉砕される。製品流は、黒い矢印で示されている。粉砕補助体3が完成した製品と一緒に製品導出部42に到達することを阻止するために、流出側でロータ1にも、ステータ2にも、分離リング12,22が取り付けられている。これらの分離リング12,22が、ギャップsを形成する。このギャップsは、粉砕補助体3が粉砕室7を出ることができないように、寸法設定されている。したがって、特にギャップもしくは分離ギャップsは、使用される粉砕補助体3の直径よりも小さい。つまり、たとえば2mmの典型的な直径を有する粉砕補助体が使用される場合、分離ギャップsは、対応して2mmよりも小さく形成されていて、たとえば約1mmであることが望ましい。同様の関係は、対応して異なって寸法設定された粉砕補助体3にも当てはまる。粉砕補助体3の直径は、用途および使用されるミルに応じて、数マイクロメートル~数ミリメートルまで変えることができる。
【0014】
分離ギャップとも呼ばれるギャップsを備えた分離領域が、図2に示されている。図2図1の詳細図である。分離リング12,22は、セラミック、硬化された金属、硬質合金等のような好適には極めて耐久性のある材料から成形されている。粉砕時に発生する引きずり力に基づいて、ロータ分離リング12およびステータ分離リング22により形成された分離領域において粉砕補助体3の濃度は特に高い。このことは、分離リング12,22と、分離領域の近傍に位置する粉砕工具の列13と、場合によってはステータ内壁21に配置された粉砕工具と、出口側のロータ表面およびステータ内壁表面における高い摩耗をもたらす。特に、分離領域の最も近傍に配置されている粉砕工具の最初の2~3つの列の領域ならびにロータ分離リング12もしくはステータ分離リング22の、粉砕室7に面した側が高い摩耗に曝される。
【0015】
摩耗は片側で、ひいては非対称に発生するので、従来のミルにおける構造に基づいて、分離ギャップsとは反対側のあまり摩耗していないか、または全く摩耗していない構成部材も交換しなければならなかった。集中的に摩耗した構成部材、つまりロータ壁11、ステータ内壁21、ロータ分離リング12およびステータ分離リング22をより長く使用することができるようにするために、これらの構成部材は、本発明によれば対称的に構成されている。特に取り付けられた工具13を備えたロータ壁11は、回転対称であり、かつ回転軸線19に対して垂直な対称面もしくは切断面に対しても対称的に構成されている。さらに、場合によっては配置された工具を備えたステータ内壁21も、このステータ内壁21を、回転軸線19に対して垂直な軸線回りに180°だけ回転した後に再び組み込むことができる。したがって、ステータ内壁21を備えたステータ2は、アジテータミルのカバーと出口フランジとの間に形成され、これらにより規定されているステータセットとして構成されている。カバーは、アジテータミルの製品入口側に配置されており、出口フランジは、製品流出部側に配置されているが、このことは、単に用語的な定義であり、構造的な定義ではない。ステータ内壁21は、同様に、回転軸線19に対して垂直な切断面に対して鏡像対称である。ロータ分離リング12およびステータ分離リング22は、回転対称な中空円筒体として構成されている。ロータ分離リング12およびステータ分離リング22も、回転させて、再び組み込むことができる。
【0016】
これにより、摩耗発生時に、設備を分解し、該当する構成部材、つまりロータ1およびステータ2ならびにロータ分離リング12およびステータ分離リング22を反転させ、再び使用することができる。このことは、それぞれの構成要素の使用期間を2倍にし、これにより従来の設備に比べて著しく持続的な使用を提供する。
【0017】
図3は、最終的に、図1に示したロータ構成群の構造を示している。このロータ構成群は、予め組み立てられたロータ構成群として供給することができる。これにより、交換は簡略化される。ロータ構成群1は、図示された実施形態によれば、取り付けられた粉砕工具13を有するロータ壁11およびロータ分離リング12を有している。これらの構成部材は、ハブ14上に位置固定されている。ハブ14は、少なくとも1つの引張りロッド15により結合される。引張りロッド15は、ハブ14の反対側に位置する部分を緊締し、ハブ14と、反対側に位置する部分との間には、ロータ壁11およびロータ分離リング12が嵌め込まれていて、これにより、軸方向の緊締装置として働く。したがって、少なくとも1つの引張りロッド15を解除することにより、構成群全体を極めて簡単に分解し、粉砕工具13を有するロータ壁11ならびにロータ分離リング12の対称的な構造に基づいて、不均一な摩耗が生じた場合に、反転させて組み立てることができる。引張りロッド15とは別の緊締装置が目的にかなっていることもある。
【0018】
ロータ1の密閉性検査を、予め組み立てられた構成群において実施することができる。
【0019】
粉砕時に熱が発生するので、構成部材への負荷、ひいては摩耗を減じるために、ロータ1もステータ2も冷却することができる。このためには、冷却材が冷却材供給部51,61によりロータ1の内部もしくはステータ2の内部へと案内される。熱交換が行われた後に、冷却材は、冷却材導出部52,62によりロータ1もしくはステータ2から導出され、冷却材回路に供給される。冷却材流は、図1では白い矢印で示されている。ステータへの冷却材供給部61およびステータからの冷却材導出部62は、それぞれステータの互いに反対側に位置する端部に、かつ中心長手方向軸線19に回りに180°だけずらされて配置されていてよい。したがって、ステータ2の回転時に、供給部は導出部として、導出部は供給部として機能する。換言すると、ステータ2は、この構成では対角軸に対して鏡像対称である。
【0020】
粉砕ギャップ幅S、つまりステータ内壁21とロータ壁11との間の粉砕室7の幅は、好適には20~60mmの範囲、特に好適には35~55mmの範囲であり、特に36~45mmであってよい。Lは、ステータ内壁21の長さを示しており、Dは、ステータの内径、dは、粉砕工具13を除くロータ1の外径を示している。好適な比L/Dは、2~4の範囲であるか、または2.7~3.3の範囲である。比L/Sは、好適には15~30、または18~25の範囲にある。
【0021】
ロータ1、ステータ2および分離領域の集中的に摩耗する構成部材の対称的な構造により、損傷または摩耗した構成部材を小さな手間で反転させ、引き続き使用することができ、ひいては使用期間を著しく延長することができる。このためには、さらにロータ構成群が、簡単かつ迅速な分解および組み替えを保証することができるように、軸方向の緊締装置を備えている。このことは、従来のアジテータミルと比べて、著しく資源を大切にする、経済的な作業形式を可能にし、これにより持続的な運転のために働く。さらに、摩耗に応じて、単にロータ構成群だけを替えることもできる。このことは、高い持続性の他に、アジテータミルの使用における高められたフレキシビリティも可能にする。
【0022】
さらに、分離リング12,22のうちの1つの分離リングを交換することにより、分離ギャップ幅sを簡単に変更することができ、これにより種々異なる製品または粉砕補助体サイズに適合させることができる。
【符号の説明】
【0023】
1 ロータ
11 ロータ壁
12 ロータ分離リング
13 粉砕工具
14 ロータハブ
15 引張りロッド
19 回転軸線
2 ステータ
21 ステータ内壁
22 ステータ分離リング
3 粉砕補助体
41 製品供給部
42 製品導出部
51 冷却材供給部 ロータ
52 冷却材導出部 ロータ
61 冷却材供給部 ステータ
62 冷却材導出部 ステータ
7 粉砕室
d ロータの外径
D ステータの内径
L ステータ内壁の長さ
s 分離ギャップ
S 粉砕ギャップ
図1
図2
図3