(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-04
(45)【発行日】2023-01-13
(54)【発明の名称】乾癬を治療する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20230105BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20230105BHJP
【FI】
A61K39/395 N ZMD
A61P17/06
(21)【出願番号】P 2021538153
(86)(22)【出願日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 US2019049648
(87)【国際公開番号】W WO2020055651
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-03-10
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート・ウィリアム・フリードリック
(72)【発明者】
【氏名】ポール・アラン・クレコトカ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ・ローレンス・タットル
【審査官】伊藤 良子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-543501(JP,A)
【文献】Acta Dermato-Venereologica, 2018.06, Vol.98, No.Suppl.219, p.54
【文献】Journal of the American Academy of Dermatology, 2018.08(online), Vol.79, No.3, p.AB126
【文献】Immunity, 2015, Vol.43, No.6, pp.1040-1051
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/00-39/44
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミリキズマブを含む、乾癬の治療剤であって、前記治療剤が、
a)4回の導入用量のミリキズマブが4週間隔で皮下注射によって患者に投与されるように用いられ、各導入用量が、250mgのミリキズマブを含むことと、
b)維持用量のミリキズマブが8週間隔で皮下注射によって前記患者に投与されるように用いられ、第1の維持用量が、最後の導入用量が投与された4週間後に投与されるように用いられ、各維持用量が、125mgまたは250mgのミリキズマブを含むことを特徴とし、
前記乾癬が、中程度から重度の尋常性乾癬である、治療剤。
【請求項2】
中程度から重度の尋常性乾癬の治療に使用するための医薬品の製造におけるミリキズマブの使用であって、前記治療が、
a)4回の導入用量のミリキズマブを4週間隔で皮下注射によって投与することであって、各誘導用量が、250mgのミリキズマブを含む、投与と、
b)維持用量のミリキズマブを8週間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、第1の維持用量が、最後の導入用量が投与された4週間後に投与され、各維持用量が、125mgまたは250mgのミリキズマブを含む、投与と、を含む、使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、概して、ヒトIL-23のp19サブユニットに結合する抗体を用いて、炎症性疾患、例えば、乾癬を治療する方法に関する。
【0002】
乾癬は、慢性の免疫性炎症性皮膚疾患であり、世界的な発生率は約2%であり、著しい病的状態を伴い、患者のクオリティ・オブ・ライフおよび幸福に実質的な心理社会的影響を与え得る。尋常性乾癬は最も一般的な形態であり、患者の約80~90%に発症し、皮膚上の隆起したプラークとして顕在化する。この疾患は通常、青年期後期から成年期早期に始まり、成年期を通して持続する場合がある。発症した体表面積(BSA)の範囲、ならびに紅斑、硬結、および鱗屑を含む皮膚徴候の程度によって、乾癬の重症度を定義し、患者の約20~30%が中程度から重度の疾患を有する。
【0003】
組織学的には、乾癬は、炎症性浸潤物および過剰増殖性ケラチノサイトを特徴とし、これらは真皮乳頭層内に無傷細胞核(不全角化)、乳頭間突起の伸長、および過剰に入り組んだ脈管構造を保持する。浸潤物は、真皮内の突起したT細胞、樹状細胞(DC)、および好中球からなる。免疫系の調節不全、特に病原性T細胞の活性化は、乾癬の発症に重要な役割を果たすことが十分に実証されている。
【0004】
典型的な臓器特異的T細胞駆動性炎症性疾患である乾癬は、新たなTh集団であるTh17が特定されるまで、数十年にわたってTヘルパー(Th)1型皮膚疾患と見なされていた(Steinman L,Nat Med.,13(2),pp139-145,2007)。実質的な臨床および実験室研究の観察により、インターロイキン(IL)-23/Th17軸が乾癬の病因に不可欠であることが明らかとなった(Di Cesare et al.,J Invest Dermatol.,129(6),pp1339-1350,2009)。サイトカインのIL-12ファミリーのメンバーであるIL-23は、2つのサブユニット、すなわち、IL-12と共有しているp40サブユニットと、IL-23に特異的であると考えられているp19サブユニットとから構成される、ヘテロ二量体タンパク質である。IL-23は、DCおよびマクロファージなどの抗原提示細胞によって産生され、Th17細胞の維持および増幅に重要な役割を果たす(Lee et al.,J Exp Med.,199(1),pp125-130 2004)。加えて、Th17細胞、ならびにIL-17A、IL-17F、IL-21、IL-22、および腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)を含むそれらの下流エフェクター分子は、ヒト乾癬性皮膚病変および循環において増加したレベルで見られる(Boniface et al.,Clin Exp Immunol.,150(3),pp407-415,2007、Kagami et al.,J Invest Dermatol.,130(5),pp1373-1383,2010)。
【0005】
生物学的療法、特にIL-23/Th17軸を標的とするそのような薬剤を用いた乾癬の治療は、乾癬に罹患している患者において臨床活性を示している(Crow JM,Nature,492(7429),S58-S59,2012)。IL-23 p19サブユニットを特異的に標的とする薬剤は、乾癬において臨床活性を示している(Kopp et al.,Nature,14175,2015)。
【0006】
例えば、治療の有効性、安全性、および/または忍容性の観点から、患者に好ましい成果をもたらす乾癬の治療選択肢に対する必要性がある。
【0007】
本発明は、上記の必要性に対処し、炎症性疾患を治療するための方法、特に、抗IL-23p19抗体を特定の量でおよび/または特定の間隔で患者に投与することを含む方法を提供する。一態様では、本発明は、ミリキズマブを患者に投与することを含む、乾癬の治療のための方法を提供し、該方法は、
a)少なくとも1回の導入用量のミリキズマブを患者に投与することであって、導入用量が、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の導入用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを患者に投与することであって、維持用量が、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0008】
本発明の一実施形態では、乾癬は、中程度から重度の尋常性乾癬である。
【0009】
本発明のさらなる実施形態では、乾癬は、頭皮乾癬である。
【0010】
本発明のさらなる実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがない(biologic-naive)。本発明の方法の代替的な実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがある(biologic-experienced)。
【0011】
本発明のなおさらなる実施形態では、少なくとも1回の導入用量は、20mg、30mg、60mg、100mg、120mg、125mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0012】
好ましくは、少なくとも1回の導入用量は、250mgのミリキズマブを含む。
【0013】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回、2回、3回、または4回の導入用量が、患者に投与される。
【0014】
好ましくは、2回の導入用量は、8週間隔で患者に投与される。
【0015】
代替的に好ましくは、3回の導入用量は、4週間隔で患者に投与される。
【0016】
さらに代替的に好ましくは、4回の導入用量は、4週間隔で患者に投与される。
【0017】
本発明のなおさらなる実施形態では、少なくとも1回の導入用量が、皮下投与される。
【0018】
本発明のなおさらなる実施形態では、少なくとも1回の維持用量は、20mg、30mg、100mg、120mg、125mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0019】
好ましくは、少なくとも1回の維持用量は、125mgまたは250mgのミリキズマブを含む。
【0020】
本発明のなおさらなる実施形態では、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された2~16週間後に投与される。
【0021】
本発明のなおさらなる実施形態では、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、12週間、または16週間後に投与される。
【0022】
好ましくは、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された4週間後に投与される。
【0023】
代替的に好ましくは、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された8週間後に投与される。
【0024】
さらに代替的に好ましくは、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された12週間後に投与される。
【0025】
なおさらに代替的に好ましくは、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された16週間後に投与される。
【0026】
本発明のなおさらなる実施形態では、複数回の維持用量が患者に投与され、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された2~16週間後に投与される。
【0027】
本発明のなおさらなる実施形態では、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、12週間、または16週間後に投与される。
【0028】
好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された4週間後に投与される。
【0029】
代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された8週間後に投与される。
【0030】
さらに代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された12週間後に投与される。
【0031】
なおさらに代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された16週間後に投与される。
【0032】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、第1の維持用量の投与後、4週、8週、または12週間隔(複数可)で投与される。
【0033】
好ましくは、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、4週間隔(複数可)で投与される。
【0034】
代替的に好ましくは、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、8週間隔(複数可)で投与される。
【0035】
さらに代替的に好ましくは、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、12週間隔(複数可)で投与される。
【0036】
本発明のなおさらなる実施形態では、維持用量(複数可)は、皮下注射によって投与される。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、乾癬を治療する方法は、
a)(i)2、3、または4回の導入用量のミリキズマブを、皮下注射によって患者に投与することであって、各導入用量が、250mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを、4週または8週間隔で皮下注射によって患者に投与することであって、第1の維持用量が、最後の導入用量が投与された4週間または8週間後に投与され、各維持用量が、125mgまたは250mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含み、
乾癬は、中程度から重度の尋常性乾癬である。
【0038】
好ましくは、2回の導入用量のミリキズマブは、8週間隔で投与され、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された8週間後に投与される。
【0039】
代替的に好ましくは、3回の導入用量のミリキズマブは、4週間隔で投与され、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された4週間後に投与される。
【0040】
さらに代替的に好ましくは、4回の導入用量のミリキズマブは、4週間隔で投与され、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された4週間後に投与される。
【0041】
さらに好ましくは、各維持用量は、250mgのミリキズマブを含む。
【0042】
代替的に好ましくは、各維持用量は、125mgのミリキズマブを含む。
【0043】
別の態様では、本発明は、ミリキズマブを患者に投与することを含む、乾癬を治療する方法を提供し、該方法は、
a)1回以上の導入用量(複数可)のミリキズマブを、導入期間中に患者に投与することであって、1回以上の導入用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)導入期間の終了時の患者の疾患活性レベルを決定し、
i)導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成していない患者に、1回以上の維持用量(複数可)を投与することであって、1回以上の維持用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
ii)導入期間を超えて高レベルの臨床応答を達成している患者の疾患活性レベルの評価を継続し、患者の疾患活性レベルが高レベルの臨床応答を下回る場合、1回以上の維持用量(複数可)を患者に投与することとであって、1回以上の維持用量(複数可)が、患者が高レベルの臨床応答を再達成するまで投与され、1回以上の維持用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0044】
本発明の一実施形態では、高レベルの臨床応答は、PASI 90以上またはsPGA(0、1)以上の疾患活性レベルである。
【0045】
この治療レジメンは、導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成していない患者が、高レベルの臨床応答に向けて進行を継続するために、1回以上の維持用量を用いて治療を継続することを可能にする。導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成しているそれらの患者は、必要に応じて(PRN)治療される。すなわち、患者の疾患活性レベルが高レベルの臨床応答を下回る場合、患者が高レベルの臨床応答を再達成するまで、患者は1回以上の維持用量(複数可)を用いて治療される。
【0046】
本発明のさらなる実施形態では、乾癬は、中程度から重度の尋常性乾癬である。
【0047】
本発明のなおさらなる実施形態では、乾癬は、頭皮乾癬である。
【0048】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがない。本発明の代替的な実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがある。
【0049】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の導入用量(複数可)は、各々、20mg、30mg、100mg、120mg、125mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0050】
好ましくは、1回以上の導入用量(複数可)は、各々、250mgのミリキズマブを含む。
【0051】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回、2回、3回、または4回の導入用量が、患者に投与される。
【0052】
本発明のなおさらなる実施形態では、導入期間は、12週間または16週間である。
【0053】
好ましくは、導入期間は16週間であり、2回の導入用量が8週間隔で患者に投与される。
【0054】
代替的に好ましくは、導入期間は12週間であり、3回の導入用量が4週間隔で患者に投与される。
【0055】
さらに代替的には、導入期間は16週間であり、4回の導入用量が4週間隔で患者に投与される。
【0056】
本発明のなおさらなる実施形態では、少なくとも1回の導入用量が、皮下投与される。
【0057】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の維持用量(複数可)は、各々、20mg、30mg、100mg、120mg、125mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0058】
好ましくは、1回以上の維持用量(複数可)は、各々、125mgまたは250mgのミリキズマブを含む。
【0059】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の維持用量(複数可)は、皮下注射によって投与される。
【0060】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者が導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成していない場合、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された2~16週間後に投与される。
【0061】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者が導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成していない場合、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、12週間、または16週間後に投与される。
【0062】
好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された4週間後に投与される。
【0063】
代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された8週間後に投与される。
【0064】
さらに代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された12週間後に投与される。
【0065】
なおさらに代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された12週間後に投与される。
【0066】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、第1の維持用量の投与後、4週、8週、または12週間隔(複数可)で投与される。
【0067】
好ましくは、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、4週間隔(複数可)で投与される。
【0068】
代替的に好ましくは、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、8週間隔(複数可)で投与される。
【0069】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者が導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成しており、その後、患者の疾患活性レベルが高レベルの臨床応答を下回る場合、
i)第1の維持用量が患者に投与され、
ii)疾患活性レベルが、第1の維持用量の投与後、4週、8週、または12週間隔(複数可)で評価され、
iii)患者が高レベルの臨床応答を達成していない場合、および患者が高レベルの臨床応答を再達成するまで、さらなる維持用量が疾患活性レベルの各評価後に投与される。
【0070】
導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成しているそれらの患者は、必要に応じて(PRN)治療される。患者の疾患活性レベルが高レベルの臨床応答を下回る場合、患者は、第1の維持用量を投与される。患者の疾患活性レベルは、第1の維持用量の投与後、4週間(または代替的には、8週間もしくは12週間)評価される。第1の維持用量の投与後に患者が高レベルの臨床応答を再達成していない場合、さらなる維持用量が投与される。この評価/治療サイクルは、患者が高レベルの臨床応答を再達成するまで継続する。その後、患者は、必要に応じて再び治療される。すなわち、さらなる維持用量(複数可)を用いた治療は、患者の疾患レベルが再び高レベルの臨床応答を下回るまで中断される。
【0071】
本発明のなおさらなる実施形態では、疾患活性は、第1の維持用量の投与後、4週間隔で評価され、患者が高レベルの臨床応答を再達成するまで、さらなる維持用量が各評価後に投与される。
【0072】
本発明のなおさらに代替的な実施形態では、疾患活性は、第1の維持用量の投与後、8週間隔で評価され、患者が高レベルの臨床応答を再達成するまで、さらなる維持用量が各評価後に投与される。
【0073】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の維持用量(複数可)は、皮下注射によって投与される。
【0074】
さらなる態様では、本発明は、ミリキズマブを患者に投与することを含む、乾癬を治療する方法を提供し、該方法は、
i)1回以上の導入用量(複数可)のミリキズマブを、患者が臨床的寛解を達成するまで投与することであって、1回以上の導入用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
ii)患者の疾患活性レベルをモニタリングし、患者の疾患活性が臨床的寛解を下回る場合、1回以上の維持用量(複数可)のミリキズマブを投与することであって、1回以上の維持用量(複数可)が、患者が臨床的寛解を再達成するまで投与され、1回以上の維持用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0075】
本発明の一実施形態では、臨床的寛解は、PASI 100またはsPGA(0)の疾患活性レベルである。
【0076】
この治療レジメンは、患者が臨床的寛解を達成するまで患者を治療することと、その後、必要に応じて(PRN)患者を治療することとを含む。
【0077】
本発明のさらなる実施形態では、乾癬は、中程度から重度の尋常性乾癬である。
【0078】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがない。代替的な実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがある。
【0079】
本発明のなおさらなる実施形態では、疾患活性は、第1の導入用量の投与後、4週、8週、または12週間隔(複数可)で評価され、患者が臨床的寛解を達成していない場合、さらなる導入用量(複数可)が疾患活性レベルの評価後に投与される。
【0080】
患者の疾患活性レベルは、第1の導入用量の投与後、4週間(または代替的には、8週間もしくは12週間)評価される。第1の導入用量の投与後に患者が臨床的寛解を達成していない場合、さらなる導入用量が投与される。この評価/治療サイクルは、患者が臨床的寛解を達成するまで継続する。
【0081】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の導入用量(複数可)は、各々、20mg、30mg、100mg、120mg、125mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0082】
好ましくは、1回以上の導入用量(複数可)は、各々、250mgのミリキズマブを含む。
【0083】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者の疾患活性レベルが臨床的寛解を下回る場合、
i)第1の維持用量のミリキズマブが患者に投与され、
ii)疾患活性が、第1の維持用量の投与後、4週、8週、または12週間隔(複数可)で評価され、
iii)患者が臨床的寛解を再達成していない場合、さらなる維持用量(複数可)が疾患活性レベルの各評価後に投与される。
【0084】
患者の疾患活性レベルが臨床的寛解を下回る場合、患者は、第1の維持用量を投与される。患者の疾患活性レベルは、第1の維持用量の投与後、4週間(または代替的には、8週間もしくは12週間)評価される。第1の維持用量の投与後に患者が臨床的寛解を再達成していない場合、さらなる維持用量が投与される。この評価/治療サイクルは、患者が臨床的寛解を再達成まで継続する。その後、患者は、必要に応じて再び治療される。すなわち、さらなる維持用量(複数可)を用いた治療は、患者の疾患レベルが再び臨床的寛解を下回るまで中断される。
【0085】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の維持用量(複数可)は、各々、20mg、30mg、100mg、120mg、125mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0086】
好ましくは、1回以上の維持用量(複数可)は、各々、125mgまたは250mgのミリキズマブを含む。
【0087】
本発明の方法は、患者が、ミリキズマブのより少ない投与を受けながら、臨床的改善を経験することを可能にするという利点を提供する。
【0088】
さらなる態様では、本発明は、乾癬の治療において使用するためのミリキズマブを提供し、治療は、
a)少なくとも1回の導入用量のミリキズマブを投与することであって、導入用量が、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の導入用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを投与することであって、維持用量が、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0089】
本発明の一実施形態では、乾癬は、中程度から重度の尋常性乾癬である。
【0090】
本発明のさらなる実施形態では、乾癬は、頭皮乾癬である。
【0091】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがない。本発明の方法の代替的な実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがある。
【0092】
本発明のなおさらなる実施形態では、少なくとも1回の導入用量は、20mg、30mg、100mg、120mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0093】
好ましくは、少なくとも1つの導入用量は、250mgのミリキズマブを含む。
【0094】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回、2回、3回、または4回の導入用量が、患者に投与される。
【0095】
好ましくは、2回の導入用量は、8週間隔で患者に投与される。
【0096】
代替的に好ましくは、3回の導入用量は、4週間隔で患者に投与される。
【0097】
代替的に好ましくは、4回の導入用量は、4週間隔で患者に投与される。
【0098】
本発明のなおさらなる実施形態では、少なくとも1回の導入用量が、皮下投与される。
【0099】
本発明のなおさらなる実施形態では、少なくとも1回の維持用量は、20mg、30mg、100mg、120mg、125mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0100】
好ましくは、少なくとも1回の維持用量は、125mgまたは250mgのミリキズマブを含む。
【0101】
本発明のなおさらなる実施形態では、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された2~16週間後に投与される。
【0102】
本発明のなおさらなる実施形態では、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、12週間、または16週間後に投与される。
【0103】
好ましくは、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された4週間後に投与される。
【0104】
代替的に好ましくは、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された8週間後に投与される。
【0105】
さらに代替的に好ましくは、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された12週間後に投与される。
【0106】
なおさらに代替的に好ましくは、少なくとも1回の維持用量は、最後の導入用量が投与された16週間後に投与される。
【0107】
本発明のなおさらなる実施形態では、複数回の維持用量が患者に投与され、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された2~16週間後に投与される。
【0108】
本発明のなおさらなる実施形態では、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、12週間、または16週間後に投与される。
【0109】
好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された4週間後に投与される。
【0110】
代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された8週間後に投与される。
【0111】
さらに代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された12週間後に投与される。
【0112】
なおさらに代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された16週間後に投与される。
【0113】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、第1の維持用量の投与後、4週、8週、または12週間隔(複数可)で投与される。
【0114】
好ましくは、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、4週間隔(複数可)で投与される。
【0115】
代替的に好ましくは、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、8週間隔(複数可)で投与される。
【0116】
さらに代替的に好ましくは、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、12週間隔(複数可)で投与される。
【0117】
本発明の方法のなおさらなる実施形態では、維持用量(複数可)は、皮下注射によって投与される。
【0118】
本発明の好ましい実施形態では、治療は、
a)(i)2、3、または4回の導入用量のミリキズマブを、皮下注射によって患者に投与することであって、各導入用量が、250mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを、4週または8週間隔で皮下注射によって患者に投与することであって、第1の維持用量が、最後の導入用量が投与された4週間または8週間後に投与され、各維持用量が、125mgまたは250mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含み、
乾癬は、中程度から重度の尋常性乾癬である。
【0119】
好ましくは、2回の導入用量のミリキズマブは、8週間隔で投与され、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された8週間後に投与される。
【0120】
代替的に好ましくは、3回の導入用量のミリキズマブは、4週間隔で投与され、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された4週間後に投与される。
【0121】
さらに代替的に好ましくは、4回の導入用量のミリキズマブは、4週間隔で投与され、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された4週間後に投与される。
【0122】
さらに好ましくは、各維持用量は、250mgのミリキズマブを含む。
【0123】
代替的に好ましくは、各維持用量は、125mgのミリキズマブを含む。
【0124】
本発明の一態様では、ミリキズマブは、乾癬の治療において使用するために提供され、治療は、
a)1回以上の導入用量(複数可)のミリキズマブを、導入期間中に患者に投与することであって、1回以上の導入用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)導入期間の終了時の患者の疾患活性レベルを決定し、
i)導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成していない患者に、1回以上の維持用量(複数可)を投与することであって、1回以上の維持用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
ii)導入期間を超えて高レベルの臨床応答を達成している患者の疾患活性レベルの評価を継続し、患者の疾患活性レベルが高レベルの臨床応答を下回る場合、1回以上の維持用量(複数可)を患者に投与することとであって、1回以上の維持用量(複数可)が、患者が高レベルの臨床応答を再達成するまで投与され、1回以上の維持用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0125】
本発明の一実施形態では、高レベルの臨床応答は、PASI 90以上またはsPGA(0、1)以上の疾患活性レベルである。
【0126】
本発明のさらなる実施形態では、乾癬は、中程度から重度の尋常性乾癬である。
【0127】
本発明のなおさらなる実施形態では、乾癬は、頭皮乾癬である。
【0128】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがない。本発明の代替的な実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがある。
【0129】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の導入用量(複数可)は、各々、20mg、30mg、100mg、120mg、125mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0130】
好ましくは、1回以上の導入用量(複数可)は、各々、250mgのミリキズマブを含む。
【0131】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回、2回、3回、または4回の導入用量(複数可)が、患者に投与される。
【0132】
本発明のなおさらなる実施形態では、導入期間は、12週間または16週間である。
【0133】
好ましくは、導入期間は16週間であり、2回の導入用量が8週間隔で患者に投与される。
【0134】
代替的に好ましくは、導入期間は12週間であり、3回の導入用量が4週間隔で患者に投与される。
【0135】
さらに代替的には、導入期間は16週間であり、4回の導入用量が4週間隔で患者に投与される。
【0136】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の導入用量(複数可)は、皮下投与される。
【0137】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の維持用量(複数可)は、各々、20mg、30mg、100mg、120mg、125mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0138】
好ましくは、1回以上の維持用量(複数可)は、各々、125mgまたは250mgのミリキズマブを含む。
【0139】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の維持用量(複数可)は、皮下注射によって投与される。
【0140】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者が導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成していない場合、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された2~16週間後に投与される。
【0141】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者が導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成していない場合、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、12週間、または16週間後に投与される。
【0142】
好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された4週間後に投与される。
【0143】
代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された8週間後に投与される。
【0144】
さらに代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された12週間後に投与される。
【0145】
なおさらに代替的に好ましくは、第1の維持用量は、最後の導入用量が投与された12週間後に投与される。
【0146】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、第1の維持用量の投与後、4週、8週、または12週間隔(複数可)で投与される。
【0147】
好ましくは、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、4週間隔(複数可)で投与される。
【0148】
代替的に好ましくは、1回以上のさらなる維持用量(複数可)は、8週間隔(複数可)で投与される。
【0149】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者が導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成しており、その後、患者の疾患活性レベルが高レベルの臨床応答を下回る場合、
i)第1の維持用量が患者に投与され、
ii)疾患活性レベルが、第1の維持用量の投与後、4週、8週、または12週間隔(複数可)で評価され、
iii)患者が高レベルの臨床応答を達成していない場合、および患者が高レベルの臨床応答を再達成するまで、さらなる維持用量が疾患活性レベルの各評価後に投与される。
【0150】
本発明のなおさらなる実施形態では、疾患活性は、第1の維持用量の投与後、4週間隔で評価され、患者が高レベルの臨床応答を再達成するまで、さらなる維持用量が各評価後に投与される。
【0151】
本発明のなおさらに代替的な実施形態では、疾患活性は、第1の維持用量の投与後、8週間隔で評価され、患者が高レベルの臨床応答を再達成するまで、さらなる維持用量が各評価後に投与される。
【0152】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の維持用量(複数可)は、皮下注射によって投与される。
【0153】
さらなる態様では、本発明は、乾癬の治療において使用するためのミリキズマブを提供し、治療は、
iv)1回以上の導入用量(複数可)のミリキズマブを、患者が臨床的寛解を達成するまで投与することであって、1回以上の導入用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
v)患者の疾患活性レベルをモニタリングし、患者の疾患活性が臨床的寛解を下回る場合、1回以上の維持用量(複数可)のミリキズマブを患者が臨床的寛解を再達成するまで投与することであって、1回以上の維持用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0154】
本発明の一実施形態では、臨床的寛解は、PASI 100またはsPGA(0)の疾患活性レベルである。
【0155】
本発明のさらなる実施形態では、乾癬は、中程度から重度の尋常性乾癬である。
【0156】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがない。代替的な実施形態では、患者は、生物学的製剤の投与を受けたことがある。
【0157】
本発明のなおさらなる実施形態では、疾患活性は、第1の導入用量の投与後、4週、8週、または12週間隔(複数可)で評価され、患者が臨床的寛解を達成していない場合、さらなる導入用量(複数可)が疾患活性レベルの評価後に投与される。
【0158】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の導入用量(複数可)は、各々、20mg、30mg、100mg、120mg、125mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0159】
好ましくは、1回以上の導入用量(複数可)は、各々、250mgのミリキズマブを含む。
【0160】
本発明のなおさらなる実施形態では、患者の疾患活性レベルが臨床的寛解を下回る場合、
i)第1の維持用量のミリキズマブが患者に投与され、
ii)疾患活性が、第1の維持用量の投与後、4週、8週、または12週間隔(複数可)で評価され、
vi)患者が臨床的寛解を再達成していない場合、さらなる維持用量(複数可)が疾患活性レベルの各評価後に投与される。
【0161】
本発明のなおさらなる実施形態では、1回以上の維持用量(複数可)は、各々、20mg、30mg、100mg、120mg、125mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または600mgのミリキズマブを含む。
【0162】
好ましくは、1回以上の維持用量(複数可)は、125mgまたは250mgのミリキズマブを含む。
【0163】
なおさらなる実施形態では、1回以上の維持用量(複数可)は、皮下注射によって投与される。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【
図1】16週目にPASI 90未満を有し、維持期間の16~52週目の間ミリキズマブ300mgを皮下注射(SC)で8週間に1回(Q8W)投与される、プラセボ被験者およびミリキズマブを用いた治療に割り当てられた被験者におけるPASI 90応答者の割合を示す。
【
図2】16週目にPASI 90未満を有し、維持期間の16~52週目の間ミリキズマブ300mgをSCでQ8W投与される、プラセボ被験者およびミリキズマブを用いた治療に割り当てられた被験者におけるPASI 100応答者の割合を示す。
【
図3】
図3a、
図3b、および
図3c:16週目にPASI 90を達成しなかった、中程度から重度の尋常性乾癬に罹患している、投与を受けたことがない患者集団および以前に投与を受けた患者集団の、52週目のPASI 75、PASI 90、およびPASI 1000スコアを示す。
【発明を実施するための形態】
【0165】
乾癬は、ケラチノサイトの分化および過剰増殖、ならびに炎症性T細胞および樹状細胞の顕著な蓄積を特徴とする、皮膚の慢性炎症性疾患である。例えば、免疫学的疾患は、例えば全身療法または光線療法の候補者である患者における、尋常性乾癬、例えば慢性尋常性乾癬、例えば中程度から重度の慢性尋常性乾癬を含む。
【0166】
疾患活性レベルについての様々な尺度がある。
【0167】
乾癬の場合、疾患の重症度は体表面積(BSA)の病変によって特徴付けることができ、5%未満が軽度、5~10%が中程度、10%超が重度と見なされる。BSAの割合は、各患者のBSAにおける乾癬の病変の割合として、0%(病変なし)~100%(完全な病変)の連続スケールで評価され、1%は、患者の手(手掌、指、および親指を含む)の大きさに相当する(National Psoriasis Foundation 2009)。
【0168】
場合によっては、疾患状態は、乾癬領域および重症度指数(PASI)を使用して測定される。PASIは、乾癬治療の展開の現段階における、容認された主要な有効性の尺度である。PASIは、4つの解剖学的領域(頭、体幹、腕、および脚)における体表面の病変の程度と、各領域における鱗屑、発赤、およびプラーク硬結/浸潤(厚さ)の重症度の評価とを組み合わせて、乾癬がない場合は0、最も重度の疾患の場合は72の、全体スコアを算出する(Fredriksson and Pettersson,Dermatologica,157(4),pp238-244,1978)。PASIは、臨床治験において乾癬の重症度の最も頻繁に使用されるエンドポイントおよび尺度である(Menter et al.,J Am Acad Dermatol.,58(5),pp826-850,2008)。臨床的に意味のある応答はPASI 75であり、これはベースラインPASIスコアから少なくとも75%の減少(改善)を表す。乾癬のより高いレベルの消失(PASI 90)、ならびに完全な消散(PASI 100)は、消失レベルの高さと、健康に関連するクオリティ・オブ・ライフ(HRQoL)の高さとの関連の認識が高まっているため、追加的エンドポイントとなっている。ある特定の時点(例えば、12週目または16週目)でベースラインからスコアが75%減少するPASI75(PASI 75)に達する患者の割合は、乾癬治療において、例えば乾癬治療治験において主要エンドポイントとして使用され得る。代替的には、ある特定の時点(例えば、12週目または16週目)でベースラインからスコアが90%減少するPASI90(PASI 90)に達する患者の割合は、乾癬治療において、例えば乾癬治療治験において主要エンドポイントとして使用される。さらに代替的には、ある特定の時点(例えば、12週目または16週目)でベースラインからスコアが100%減少するPASI100(PASI 100)に達する患者の割合は、乾癬治療において、例えば乾癬治療治験において主要エンドポイントとして使用される。
【0169】
場合によっては、疾患状態は、医師による静的総合評価(SPGA)を使用して測定される。sPGAは、特定の時点での患者の乾癬病変の医師による総合評価である(EMA 2004)。表1に示されるように、プラークは、硬結、紅斑、および鱗屑について評価される。
【表1】
【0170】
応答者率の分析では、sPGAスコアは最も近い整数に四捨五入され、患者の乾癬は、消失(0)、最小限(1)、軽度(2)、中程度(3)、重度(4)、または非常に重度(5)として評価される。
【0171】
Itch NRSは、患者が管理する11ポイントの水平スケールで、0および10に固定されており、0は「痒みなし」を表し、10は「考えられる最悪の痒み」を表す。乾癬による患者の痒みの全体的な重症度は、過去24時間の痒みの最悪のレベルを最もよく表す数字を丸で囲むことによって示される。
【0172】
爪乾癬重症度指数(NAPSI)は、指の爪ユニットの病変の領域によって、指の爪床乾癬および指の爪母乾癬の重症度を評価するために使用される。この研究では、指の爪の病変のみが評価される。指の爪は、想像上の水平線と縦線によって四分円に分割される。各指の爪には、各四分円の指の爪床乾癬および指の爪母乾癬の特徴うちのいずれかの存在(スコア1)または不在(スコア0)に応じて、指の爪床乾癬(0~4)および指の爪母乾癬(0~4)のスコアが与えられる。指の爪のNAPSIスコアは、各四分円からの指の爪床と指の爪母のスコアの合計(最大8)である。各指の爪が評価され、すべての指の爪の合計が、総NAPSIスコア(範囲、0~80)となる。
【0173】
乾癬頭皮重症度指数(PSSI)は、発症した頭皮面積および臨床症状の重症度を測定する。PSSIは、紅斑、硬結、および落屑のスコアの合計に、病変のある頭皮領域の程度のスコアを乗じて得られる、複合スコア(範囲、0~72)である。スコアが高いほど重症度が低いことを示す(Thaci et al.,J Eur Acad Dermatol Venerol.,29(2),pp353-360,2015)。
【0174】
掌蹠乾癬重症度指数(PPASI)は、紅斑、硬結、および落屑のスコアの合計に、手掌および足底領域の病変の程度のスコアを乗じて得られる、複合スコア(範囲、0~72)である。
【0175】
皮膚科に関連するクオリティ・オブ・ライフ指数(DLQI)は、患者のHRQoLを評価する、検証済みの、皮膚科特有の、患者が報告する尺度である。このアンケートは、6つの分野、すなわち、症状と感情、日常生活、余暇、仕事と学校、人間関係、および治療にグループ化される10の項目を有する。このスケールの回想期間は、「先週」にわたってである。回答カテゴリには、「まったくない」、「少し」、「かなり」、および「非常に」と、それぞれそれらに対応する0、1、2、および3のスコアがあり、未回答(「当てはまらない」)の回答は、「0」としてスコアが付けられる。合計は、0~30(障害が少ないから多い)の範囲である(Finlay and Khan,Clin Exp Dermatol.,19(3),pp210-216,1994、Basra et al.,Br J Dermatol.,159(5),pp997-1035,2008)。DLQIの合計スコアが0~1の場合、患者のHRQoLに影響はないと見なされ、ベースラインからの5ポイントの変化は、臨床的に重要な最小差(MCID)の閾値と見なされる(Khilji et al.,Br J Dermatol.,147(supplement 62),50,2002、Hongbo et al.,J Invest Dermatol.,125(4),pp659-664,2005)。
【0176】
乾癬症状スケール(PSS)は、4つの症状(痒み、疼痛、刺痛、および灼熱感)、3つの徴候(発赤、鱗屑、およびひび割れ)、および症状/徴候に関連する不快感に関する1つの項目についての、患者が管理する評価である。回答者は、自分の乾癬の症状に基づいて質問に答えるよう求められる。患者の乾癬からの各個別の症状/徴候の全体的な重症度は、過去24時間の各症状/徴候の最悪のレベルを最もよく表す0~10の数値評価スケール(NRS)から数値を選択することによって示され、ここで0は症状/徴候なし、10は考えられる最悪の症状/徴候である。0~10の範囲の症状の重症度スコアは、機器の水平スケール上で患者によって示される、選択された数値の値である。8つの個別の項目の各々に、0~10のスコアが付けられ、痒み、疼痛、刺痛、灼熱感、発赤、鱗屑、ひび割れ、および不快感の項目スコアとして報告される。加えて、0(症状なし)から40(考えられる最悪の症状)の範囲の症状スコアと、0(徴候なし)から30(考えられる最悪の徴候)の徴候スコアが報告される。
【0177】
患者による乾癬の総合評価(PatGA)は、患者が報告する、単一項目のスケールであり、患者は、0~5のNRSの数値を選択することにより、自分の乾癬の「今日」の重症度を0(消失/乾癬なし)~5(重度)にランク付けするよう求められる。
【0178】
本明細書で使用される場合、「治療すること」、「治療する」、または「治療」という用語は、既存の症状、障害、状態、もしくは疾患の進行もしくは重症度を抑制、減速、弱化、低下、もしくは逆転させること、または状態の臨床症状および/もしくは徴候を緩解させることを指す。有益なまたは所望の臨床結果には、検出可能であるかまたは検出不可能であるかにかかわらず、症状の緩和、疾患または障害の程度の低減、疾患または障害の安定化(すなわち、疾患または障害が悪化していない場合)、疾患または障害の進行の遅延または減速、疾患または障害の改善または緩和、および疾患または障害の寛解(部分的であるかまたは全体的であるかにかかわらず)が含まれるが、これらに限定されない。治療を必要とする者には、すでにその疾患に罹患している者が含まれる。
【0179】
本明細書で使用される場合、「臨床的寛解」は、PASI 100、sPGA(0)、または乾癬疾患活性レベルの他の尺度においてそれらと同等の疾患活性レベルの達成を意味する。
【0180】
本明細書で使用される場合、「臨床的に意味のある応答」は、PASI 75、sPGA(2)、または乾癬疾患活性レベルの他の尺度においてそれらと同等の疾患活性レベルの達成を意味する。
【0181】
本明細書で使用される場合、「高レベルの臨床応答」は、PASI 90、sPGA(0、1)、または乾癬疾患活性レベルの他の尺度においてそれらと同等の疾患活性レベルの達成を意味する。
【0182】
本明細書で使用される場合、「導入期間」は、所望の治療効果を達成するために、または所望の治療効果に向けて進行を達成するために、ヒトIL-23のp19サブユニットに結合する抗体、特にミリキズマブを患者に投与することを含む、患者の治療期間を指し、所望の治療効果とは、臨床的寛解(本明細書の上記に定義のとおり)および/または臨床的に意味のある応答(本明細書の上記に定義のとおり)、および/または高レベルの臨床応答(本明細書の上記に定義のとおり)の導入である。「導入期間」は、4週間、8週間、12週間、または16週間の持続期間であり得る。
【0183】
本明細書で使用される場合、「導入用量」は、所望の治療効果を達成するために、または所望の治療効果に向けて進行を達成するために患者に投与される、ヒトIL-23のp19サブユニットに結合する抗体、特にミリキズマブの第1の用量を指し、所望の治療効果とは、臨床的寛解(本明細書の上記に定義のとおり)および/または臨床的に意味のある応答(本明細書の上記に定義のとおり)、および/または高レベルの臨床応答(本明細書の上記に定義のとおり)の導入である。「導入用量」は、単回用量、または代替的には、用量のセットであり得る。「導入用量」は、導入期間中に投与される。
【0184】
本明細書で使用される場合、「維持期間」は、所望の治療効果を維持するために、および/または所望の治療効果の達成に向けて進行を継続するために、ヒトIL-23のp19サブユニットに結合する抗体、特にミリキズマブを患者に投与することを含む、治療期間を指し、所望の治療効果とは、臨床的寛解(本明細書の上記に定義のとおり)および/または臨床的に意味のある応答(本明細書の上記に定義のとおり)、および/または高レベルの臨床応答(本明細書の上記に定義のとおり)である。「維持期間」は、導入期間に続くものであり、したがって、所望の治療効果および/または所望の治療効果の達成に向けて進行が達成されると開始される。
【0185】
本明細書で使用される場合、「維持用量」は、所望の治療効果、すなわち、臨床的寛解(本明細書の上記に定義のとおり)、および/または臨床的に意味のある応答、および/または高レベルの臨床応答(本明細書の上記に定義のとおり)に向けて進行を維持または継続するために患者に投与される、ヒトIL-23のp19サブユニットに結合する抗体、特にミリキズマブのその後の用量を指す。「維持用量」は、導入用量に続いて投与される。「維持用量」は、単回用量、または代替的に、用量のセットであり得る。「維持用量」は、療法の維持期間中に投与される。
【0186】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、抗体模倣物を含むか、あるいは一本鎖抗体およびそれらの断片を含む、抗体またはその特定の断片もしくは部分の構造および/または機能を模倣する抗体の部分を含む、抗体、それらの消化断片、特定の部分、および変異体を包含することがさらに意図される。機能的断片には、ヒトIL-23に結合する抗原結合断片が含まれる。例えば、Fab(例えば、パパイン消化による)、Fab’(例えば、ペプシン消化および部分的還元による)、およびF(ab’)2(例えば、ペプシン消化による)、facb(例えば、プラスミン消化による)、pFc’(例えば、ペプシンまたはプラスミン消化による)、Fd(例えば、ペプシン消化、部分的還元、および再凝集による)、FvまたはscFv(例えば、分子生物学的技術による)断片を含むが、これらに限定されない、IL-12/23またはその一部分に結合することができる抗体断片が、本発明によって包含される(例えば、Colligan et al.,Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,NY,NY,(1994-2001)を参照)。
【0187】
このような断片は、当該技術分野で知られているように、かつ/または本明細書に記載されるように、酵素的切断、合成、または組み換え技術によって生成され得る。抗体はまた、1回以上の終止コドンが天然の終止部位の上流に導入されている抗体遺伝子を使用して、様々な切断型で生成され得る。例えば、F(ab’)2重鎖部分をコードする組み合わせ遺伝子は、重鎖のCH1ドメインおよび/またはヒンジ領域をコードするDNA配列を含むように設計され得る。抗体の様々な部分は、従来の技術によって化学的に接合され得るか、遺伝子工学技術を使用して隣接するタンパク質として調製され得る。
【0188】
本明細書で使用される場合、「ヒトIL-23のp19サブユニットに結合する抗体」は、ヒトIL-23のp19サブユニットに結合するが、ヒトIL-23のp40サブユニットには結合しない抗体を指す。したがって、「ヒトIL-23のp19サブユニットに結合する抗体」は、ヒトIL-23に結合するが、ヒトIL-12には結合しない。
【0189】
CAS登録番号1884201-71-1のミリキズマブは、ヒトIL-23のp19サブユニットを標的とする改変されたIgG4カッパモノクローナル抗体である。抗体およびそれを作製する方法は、米国特許第9,023,358号に記載されている。
【0190】
ヒトIL-23のp19サブユニットに結合する抗体、またはそれを含む医薬組成物は、非経口経路(例えば、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、または経皮)によって投与され得る。
【0191】
「静脈内注入」という用語は、約15分を超える期間、一般的には約30~90分の期間にわたる動物またはヒト患者の静脈への薬剤の導入を指す。
【0192】
「皮下注射」という用語は、薬物容器からの比較的ゆっくりとした持続的な送達による、動物またはヒト患者の皮膚の下、好ましくは、皮膚と下層組織との間のポケット内への薬剤の導入を指す。皮膚をつまむか、または引っ張り上げて下層組織から離すことにより、ポケットが作成され得る。
【0193】
本発明の方法において使用するための抗IL-23p19抗体を含む医薬組成物は、当該技術分野において周知の方法(例えば、Remington:The Science and Practice a/Pharmacy,19th edition(1995),A.Gennaro et al.,Mack Publishing Co.)によって調製することができ、本明細書に開示されるような抗体、および1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む。
【0194】
一態様では、本発明は、ミリキズマブを患者に投与することを含む、乾癬の治療のための方法を提供し、該方法は、
a)少なくとも1回の導入用量のミリキズマブを患者に投与することであって、導入用量が、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の導入用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを患者に投与することであって、維持用量が、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0195】
さらなる態様では、本発明は、ミリキズマブを患者に投与することを含む、乾癬を治療する方法を提供し、該方法は、
a)1回以上の導入用量(複数可)のミリキズマブを、導入期間中に患者に投与することであって、導入用量が、20~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
c)導入期間の終了時の患者の疾患活性レベルを決定し、
i)導入期間の終了時に高レベルの臨床応答を達成していない患者に、1回以上の維持用量(複数可)を投与することであって、1回以上の維持用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
ii)導入期間を超えて高レベルの臨床応答を達成している患者の疾患活性レベルの評価を継続し、患者の疾患活性レベルが高レベルの臨床応答を下回る場合、1回以上の維持用量(複数可)を患者に投与することとであって、1回以上の維持用量(複数可)が、患者が高レベルの臨床応答を再達成するまで投与され、1回以上の維持用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0196】
なおさらなる態様では、本発明は、ミリキズマブを患者に投与することを含む、乾癬を治療する方法を提供し、該方法は、
i)1回以上の導入用量(複数可)のミリキズマブを、患者が臨床的寛解を達成するまで投与することであって、1回以上の導入用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
ii)患者の疾患活性レベルをモニタリングし、患者の疾患活性が臨床的寛解を下回る場合、1回以上の維持用量(複数可)のミリキズマブを投与することであって、1回以上の維持用量(複数可)が、患者が臨床的寛解を再達成するまで投与され、1回以上の維持用量(複数可)が、各々、20mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0197】
本発明の好ましい実施形態は、本明細書の上記に記載されている。本発明による用量および用量レジメンの代表的な例を、表2に記載する。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【実施例】
【0198】
実施例1:臨床研究
概要
この研究は、中程度または重度の尋常性乾癬に罹患している被験者における、多施設共同、無作為化、並行群間、プラセボ対照治験の第II相研究である。本研究は、ミリキズマブの皮下(SC)投与が、中程度から重度の尋常性乾癬に罹患している被験者において安全かつ有効であるかどうかを決定するように設計されている。本研究は、最大28日間のスクリーニング期間、16週間の二重盲検SC療法期間、16週目の応答者と非応答者に対する88週間のSC療法、および16週間の経過観察期間を含む。
【0199】
目的
本研究の主要な目的は、中程度から重度の尋常性乾癬に罹患している被験者において、ミリキズマブを用いた治療が、16週目のPASI 90の応答の導入において、プラセボよりも優れているという仮説を検証することである。副次的な目的には、以下が含まれた。
・ミリキズマブを用いた治療の安全性および忍容性を評価すること、
・16週目のPASI 100およびPASI 75の導入において、プラセボと比較したミリキズマブを用いた治療の有効性を評価すること、
・16週目のsPGA 0(消失)およびsPGA 0/1の導入において、プラセボと比較したミリキズマブを用いた治療の有効性を評価すること、
・52、104、および120週目のPASI 100、PASI 90、およびPASI 75の応答に対するミリキズマブの長期的な有効性を特徴付けること、ならびに
・ミリキズマブのPKを特徴付けること。
研究のエンドポイントには、以下が含まれる。
・16週目にPASI 90を達成した被験者の割合、
・有害事象および中止率、
・16週目にPASI 100およびPASI 75を達成した被験者の割合、
・16週目にsPGA 0およびsPGA 0/1を達成した被験者の割合、
・52、104、および120週目にPASI 100、PASI 90、およびPASI 75を達成した被験者の割合、ならびに
・クリアランスおよび分布容積。
【0200】
有害事象を、Medical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)バージョン19.1に従ってコード化し、システム臓器クラス、優先用語、重症度、および被験薬との関係によって要約した。治療下で発生したAE(TEAE)を、ベースライン後に初めて発生したか、または重症度が悪化した事象として定義した。コロンビア自殺重症度評価スケール(C-SSRS、コロンビア大学メディカルセンター[WWW])を使用して、自殺に関連する念慮および行動の発生、重症度、および頻度を把握した。
【0201】
方法
本研究は、スクリーニング期間、16週目にPASI 90を達成する患者に対する2つの治療期間(16週間の二重盲検SC導入療法期間と、88週間のSC維持療法期間)、および16週目にPASI 90を達成しない患者に対する2つの治療期間(16週間の二重盲検SC導入療法期間と、88週間のSC維持療法期間)を含む。維持期間の後に、被験者の安全性を評価し、薬効を研究するための、16週間の経過観察期間が続く。
【0202】
治療を研究するために無作為化された患者の約40%は、以前に少なくとも1つの生物学的療法(抗TNF生物学的製剤、または抗IL-17標的化生物学的製剤)を受けたことがあり、患者の約60%は、生物学的療法を受けたことがない。
【0203】
a)スクリーニング期間
被験者を、ベースライン来診の28日前までに、研究適格性について評価する。ベースライン来診時に、適格性基準を満たすであろう被験者を、4つの導入治療群のうちの1つに無作為化する。
【0204】
この研究の包含基準には、ベースラインの前に少なくとも6か月間、治験責任医師によって慢性尋常性乾癬の診断を確認された成人患者(18~75歳)が含まれた。患者は、スクリーニング時およびベースライン時に、体表面積(BSA)の10%以上の病変、絶対PASIスコア12以上、および医師による静的総合評価(sPGA)スコア3以上を有していなければならず、乾癬の生物学的療法に適格性があると見なされていなければならなかった。ベースラインから8週間以内の抗腫瘍壊死因子(抗TNF)または抗IL-17生物学的製剤の使用は不可とした。ブリアキヌマブを除いて、IL-23を標的とするいかなる生物学的療法の以前の投与も不可とした。患者は、それらの薬物がプロトコルで明確に除外されていない限り、または有害事象(AE)を治療するために変更が必要とされる場合を除いて、研究全体を通して、付随する状態または疾患に対して自分の通常の薬物レジメンの安定した投与量を維持しなければならなかった。局所ステロイドは、研究来診前の24時間を除いて、必要に応じて、顔、腋窩、および/または生殖器に限定して使用を許可した。
【0205】
b)導入期間
16週間の二重盲検導入期間を、0週目および8週目に投与されるミリキズマブの有効性および安全性を確立するように設計する。0週目(ベースライン)に、患者を4つの導入治療群(プラセボ、30mgのミリキズマブをSCで、100mgのミリキズマブをSCで、および300mgのミリキズマブをSCで)のうちの1つに登録し、研究のエンドポイントを適切に評価する。治験に登録された患者を、乾癬の治療のための生物学的療法への以前の投与に基づいて、治療群間で階級化する。盲検治験薬(ミリキズマブまたはプラセボ)を、0週目および8週目に投与する。
【0206】
c)維持期間
維持期間は、88週間の治療からなる。導入期間の終了時(16週目)に、被験者は、2つの治療群のうちの1つにおいて維持期間中の治療を104週目まで継続する。16週目にPASI 90未満を有する、プラセボ被験者およびミリキズマブを用いた治療に割り当てられた被験者全員に、維持期間全体の間ミリキズマブ300mgをSCでQ8W投与する。16週目にPASI 90以上を有する被験者(PRN投薬群)には、疾患活性レベルがPASI 90未満の場合、ベースライン用量レベル割り当てでQ8W以下の頻度でミリキズマブを投与し、この治療をPASI 90以上を回復するまで継続する。
【0207】
維持PRN投薬群の被験者は、3回連続用量での再治療後にPASI90以上を回復しない場合、または1回の再治療用量後にPASI 50未満であるあらゆる被験者は、300mgをQ8Wでの盲検救済治療を受け得る。
【0208】
d)経過観察期間
経過観察期間は、被験者の安全性を評価し、薬効を研究するために、104週目以降の合計16週間、4週間ごとの来診を含むことになる。
【0209】
統計分析
ミリキズマブとプラセボの16週間でのPASI 90の奏効率がそれぞれ60%と3%であると仮定すると、プラセボとの対での比較は、多重比較への調整なしに、0.05の有意レベルでの両側のフィッシャーの正確確率検定を使用して99%超の力を有すると判断した。すべての無作為化された患者を、彼らが割り当てられた用量群(治療の意図)に従って分析した。安全性分析を、少なくとも1回用量の治験薬を投与されたすべての患者に対して実施した。
【0210】
各ミリキズマブ用量レジメン(300mg、100mg、30mg)とプラセボをカテゴリ別のバイナリ有効性と健康成果変数について比較するために、治療、地理的領域(米国/米国外[US/OUS])、および以前の生物学的療法(あり/なし)によるロジスティック回帰分析を使用した。
【0211】
結果:研究集団
スクリーニングされた251人の患者のうち、205人を無作為化して、プラセボ(N=52)、ミリキズマブ30mgをQ8W(N=51)、ミリキズマブ100mgをQ8W(N=51)、およびミリキズマブ300mgをQ8W(N=51)投与した。患者の97%がこの研究の最初の16週間の期間を完了した(
図2)。患者は、一般的に、治療群間で同様のベースライン特性を有した。平均して、患者は47歳、体重89kgで、19年間乾癬に罹患していると診断されていた。すべての治療群において男性患者のほうが多く、患者の約41%が以前に生物学的療法を用いて治療されていた。平均して、患者のベースラインPASIスコアは20であり、BSAの25%が乾癬を発症していた。
【0212】
結果:有効性
16週目に、統計的に有意により高い割合の患者が、プラセボ(0%)と比較して、30mg(29.4%、p=0.009)、100mg(58.8%、p<0.001)、および300mg(66.7%、p<0.001)のミリキズマブ群でPASI 90の応答(主要成果)を達成した(表3)。
【0213】
追加的に、16週目のPASI 75およびsPGA 0/1の奏効率は、それぞれ、プラセボ群の3.8%および1.9%と比較して、30mgのミリキズマブ用量群で52.9%および37.3%、100mgのミリキズマブ用量群で78.4%および70.6%、ならびに300mgのミリキズマブ用量群で74.5%および68.6%(プラセボと比較して、各ミリキズマブ用量群でp<0.001)であった。PASI 100およびsPGA 0の奏効率は、16週目で同一であり、プラセボ群の0%と比較して、30mgのミリキズマブ群で15.7%、100mgのミリキズマブ群で31.4%、および300mgのミリキズマブ群で31.4%であり(プラセボと比較して、30mg用量群でp=0.039;プラセボと比較して、より高用量群でp=0.007)、乾癬の完全な消失を達成した(表3)。PSSI=0で測定される、頭皮乾癬の完全な消失を有する患者の割合は、プラセボ群の5.8%と比較して、30mgのミリキズマブ群で43.1%、100mgのミリキズマブ群で74.5%、および300mgのミリキズマブ群で51.0%であった(プラセボと比較して、各ミリキズマブ用量群でp<0.001)(表2)。本明細書に提示されるすべての16週目の成果において、最も高い応答が、ミリキズマブ100mgおよび300mgの治療群で見られた。
【0214】
絶対PASI閾値において、同様に高い奏効率を観察した。ミリキズマブ100mgまたは300mgを用いて治療された患者の少なくとも80%は、PASIスコアが5以下であり、少なくとも70%は、16週目にPASIスコアが3以下であった。ミリキズマブ300mgを用いて治療された患者の50%超は、絶対PASIスコアが1以下であった。加えて、ミリキズマブ100mgまたは300mgを用いて治療された患者の50%超は、16週目に乾癬で覆われたBSAが1%以下であった(表3)。
【0215】
16週目に、痒み、疼痛、灼熱感、または刺痛の症状がなく(PSS症状ドメインスコア=0)、乾癬がクオリティ・オブ・ライフに影響を与えなかった(DLQI 0/1)と報告した患者の割合は、プラセボと比較して、各ミリキズマブ治療群で有意に高く、100mgおよび300mgの治療群で最も高い奏効率が認められた(表3)。
【0216】
生物学的製剤の投与を受けたことがない集団および以前に生物学的療法を受けた集団において、PASI 90の奏効率は、プラセボ(0%)と比較して、100mg(66.7%、47.6%;p=0.001)、300mg(69.0%、63.6%;p=0.001)、および30mg(38.7%、15.0%;p=0.013)で改善した。同様に、両方の集団におけるPASI 100の奏効率は、プラセボ(0%)と比較して、100mg(36.7%、23.8%;p=0.016)、300mg(31.0%、31.8%;p=0.025)、および30mg(22.6%、5.0%、p=0.050)で改善した。また、PASI 75の奏効率は、100mgをQ8Wおよび300mgをQ8Wで、プラセボと比較して、投与を受けたことがない患者集団(80.0%対6.5%および72.4%対6.5%;p<0.001)および以前に投与を受けた患者集団(76.2%対0%および77.3%対0%;p<0.001)において有意に高かった。同様の結果は、30mgをQ8Wで、プラセボと比較して、両方の患者集団において見られた(投与を受けたことがない患者集団:61.3%対6.5%;以前に投与を受けた患者集団:40.0%対0%;p<0.001)。投与を受けたことがない患者集団において、sPGA(0、1)の奏効率は、プラセボ(3.2%)と比較して、100mgをQ8W(80.6%)、300mgをQ8W(69.0%)、および30mgをQ8W(48.4%)(p<0.001)で有意に改善した。以前に生物学的療法を受けた患者集団におけるsPGA(0、1)の奏効率もまた、プラセボ(0%)と比較して、100mgをQ8W(55.0%;p<0.001)、300mgをQ8W(68.2%;p<0.001)、および30mgをQ8W(20.0%;p<0.05)で有意に高かった。
【表3】
【0217】
16週目にPASI 90未満を有する、プラセボ被験者およびミリキズマブを用いた治療に割り当てられた被験者全員に、維持期間全体の間ミリキズマブ300mgをSCでQ8W投与する。
【0218】
52週目に、300mgの維持用量のミリキズマブを36週間投与した後、プラセボ/300mg群の患者の82.0%(n=41)および64.0%(n=32)が、それぞれ、PASI 90および100を達成した。
【0219】
16週目にPASI 90を達成せず、研究の維持期間に入った患者のうち、ミリキズマブ30mg/300mg(N=34)、100mg/300mg(N=21)、および300mg/300mg(N=15)群の、それぞれ、76.5%(n=26)、76.2%(n=16)、および60.0%(n=9)の患者が、52週目にPASI 90を達成した(
図1)。
【0220】
ミリキズマブ30mg/300mg、100mg/300mg、および300mg/300mg群の、それぞれ、47.1%(n=16)、38.1%(n=8)、および33.3%(n=5)の患者が、52週目にPASI 100を達成した(
図2)。
【0221】
16週目にPASI 90以上を有する被験者(PRN投薬群)には、疾患活性レベルがPASI 90未満の場合、ベースライン用量レベル割り当てでQ8W以下の頻度でミリキズマブを投与し、この治療をPASI 90以上を回復するまで継続する。
【0222】
16週目の後、PASI 90の応答が失われるまでの時間の中央値は、ミリキズマブ30mgで15.7週間、ミリキズマブ100mgで11.8週間、およびミリキズマブ300mgで16.3週間であった。PASI 100の応答が失われるまでの時間の中央値は、ミリキズマブ30mgで14.1週間、ミリキズマブ100mgで8.1週間、およびミリキズマブ300mgで12.1週間であった。再治療の4週間後、ミリキズマブ30mgの78.6%、ミリキズマブ100mgの65.4%、およびミリキズマブ300mgの患者の80.0%がPASI 90を再捕捉し、ミリキズマブ30mgの0%、ミリキズマブ100mgの12.5%、およびミリキズマブ300mgの患者の35.7%がPASI 100を再捕捉した。再治療の8週間後、ミリキズマブ30mgの92.9%、ミリキズマブ100mgの88.5%、およびミリキズマブ300mgの96.7%の患者が、PASI 90を再捕捉した。
【0223】
100mgまたは300mgの皮下注射として8週間ごとに投与されたミリキズマブにより、大多数の患者は、16週間の導入治療後に、および32週間の維持療法後に再び、症状が消失またはほぼ消失した皮膚を達成した。すべての有効性成果の奏効率は、プラセボと比較してすべてのミリキズマブ治療群において統計的に有意に高く、ミリキズマブ100mgおよびミリキズマブ300mgの治療群で最も高かった。この治験において、患者のほぼ全員がベースラインで頭皮乾癬に罹患していたが、ミリキズマブ300mg群の患者の50%以上、およびミリキズマブ100mg群の治療群の患者の75%近くが、16週目に明らかな頭皮乾癬に罹患していなかった。
【0224】
ミリキズマブを用いた長期治療(16~52週目)は、16週目にPASI 90を達成しなかった、中程度から重度の尋常性乾癬に罹患している、投与を受けたことがない患者と以前に生物学的製剤を投与された患者の両方において、疾患活性を大幅に改善した(
図3a、3b、および3cを参照)。結果は、ミリキズマブが、以前に生物学的療法を受けた患者の間で高いPASI 90応答を達成するのに効果的であることを示す。
【0225】
結果:安全性
少なくとも1つのTEAEを報告している患者の割合は、この研究の最初の16週間の間、治療群間で同等であった。高血圧の特定の事象は、100mg(3人の患者)および300mg(2人の患者)の用量群で報告されたが、プラセボまたは30mg群では報告されなかった。これらの患者は全員、スクリーニング時またはベースライン時に血圧が上昇していたか、または境界線まで上昇しており、2人は、治療中の既存の高血圧症を有していた。これらの事象はいずれも重篤なものではなく、いずれも中止にはつながらなかった。患者の感染症発症率も、すべての治療群間で同等であった(表4)。最も一般的なAE(あらゆる治療群において少なくとも3人の患者[5%以上])には、ウイルス性上気道およびその他の気道感染症、注射部位の疼痛、高血圧、ならびに下痢が含まれた。
【0226】
治験の最初の16週間の間、死亡は報告されておらず、重大な心臓の有害事象や悪性腫瘍はなかった。3人の患者が、治験の最初の16週間の間に重篤なAE(SAE)を報告した。ミリキズマブ群の1人の患者とプラセボ群の1人の患者は、自殺念慮のSAEを有していた。両方の場合において、各患者は、精神医学的状態の病歴を有していた。精神医学的治療による改善にもかかわらず、両方の患者は研究を中止した。SAEを報告した3人目の患者は、研究来診時にアラニンアミノトランスフェラーゼとアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼが増加していたため入院した。両方の試験の結果は、ULN(正常な上限)の10倍超であった。患者は、研究を開始する数年前に、高コレステロール血症とアルコール乱用の病歴を有していた。他の臨床化学は正常範囲内であり(ビリルビンおよびアルカリホスファターゼ)、血清学は活性または急性のA型、B型、またはC型肝炎感染に対して陰性であった。患者は完全に無症候性であり、アルコールの使用を否定した。患者の肝酵素は、経口リン脂質を用いた療法の後に正常に戻った。しかしながら、治験責任医師は、患者の研究を中止することを決定した。中止後、患者はアルコール乱用を再開したと報告され、経過観察来診時に肝酵素が再び上昇していた。
【表4】
【0227】
この研究の維持期間(16~52週目)中、16週目にPASI 90を達成しなかった患者の間で、最も一般的な(5%以上の)治療下で発生した有害事象(AE)には、鼻咽頭炎(n=25;20.8%)、上気道感染症(n=12;10.0%)、尿路感染症(n=6;5.0%)、関節痛(n=8;6.7%)、腰痛(n=6;5.0%)、頭痛(n=6;5.0%)、注射部位の疼痛(n=7;5.8%)、および高血圧が含まれた。16~52週目の間に、この群において、4人(3.3%)の患者がSAEを経験し、6人(5.0%)の患者がAEのために研究を中止した。
【0228】
この研究の維持期間(16~52週目)中、16週目にPASI 90を達成した患者の間で、治療下で発生した有害事象(AE)は、ミリキズマブ30mgコホートの67%、ミリキズマブ100mgコホートの53%、およびミリキズマブ300mg患者の62%で報告された。2人の患者が重篤なAEを報告し、3人の患者がAEのために中止した(n=1、30mgのミリキズマブ;n=2、100mgのミリキズマブ)。すべてのミリキズマブ群間で、最も一般的なAEは、鼻咽頭炎(10.1%)、上気道感染症(5.1%)、および高血圧症(5.1%)であった。
【0229】
結果:薬物動態(PK)および曝露/応答モデリング
曝露/応答モデルに基づく分析の概要
Q8WでSC投与された30、100、および300mgの用量は、プラセボと比較して有意な有効性を提供し、100および300mgは、16週目に30mgよりも高い有効性を達成した。300mgの用量は、16週目で主要エンドポイントに最高の有効性(PASI 90)を提供し、より早い時点でより高いPASI 90およびPASI 100率を提供する傾向を示した。300mgの用量はまた、16週目以降もより耐久性のある応答を提供した。したがって、研究からの結果は、最高用量(300mg)が最大の有効性を提供したことを示す。
【0230】
研究からの結果はまた、追加の投薬が導入期間中に行われた場合、16週目に有効性がさらに改善されていた可能性があったことを示唆する。この示唆は、16週目の非応答者に第3の用量を投与した後、その用量から4週間~8週間以内に評価した場合に観察される増分利益に基づく。モデルベースの分析とシミュレーションは、0、4、8、および12週目に投与された250mgの用量(合計1000mg)が、16週間の導入期間の終了時に有効性を最大化することを示す。維持期間中250mgをSCでQ8Wの投薬レジメンは、導入期間の終了時に達成された有効性を維持またはさらに強化することが予想される。250mgの用量は、300mgの投薬で観察されたものと区別できない曝露および有効性を達成することが予想される。125mgをQ8WでSCの第2の維持投薬レジメンは、より低い投薬レジメンにおいて有効性を維持し得る。この第2の投薬レジメンは、個々の被験者において、250mgのミリキズマブをQ8WでSCのレジメンで生成された濃度との重複が最小限であるミリキズマブ濃度をもたらすことが予想される。