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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】ブロックチェーンを用いた電子文書署名
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/64 20130101AFI20230106BHJP
   H04L 9/32 20060101ALI20230106BHJP
   G09C 1/00 20060101ALI20230106BHJP
【FI】
G06F21/64
H04L9/32 200Z
G09C1/00 640D
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021526411
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2019043266
(87)【国際公開番号】W WO2020046498
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-01-20
(31)【優先権主張番号】16/116,723
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522322549
【氏名又は名称】ジェイツー・クラウド・サービシース・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】アドルリ,マヘンダー・ラジュ
【審査官】中里 裕正
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0048216(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0283920(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108197891(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107403303(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/64
H04L 9/32
G09C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子文書署名のための方法であって、
前記方法は:
複数のユーザのうちの第1のユーザによって管理される第1のデバイスから文書を受信するステップ;
前記文書のハッシュを生成し、前記文書の前記ハッシュをブロックチェーンのブロックに提供するステップ;
前記第1のデバイスから前記第1のユーザの署名情報を受信するステップであって、前記署名情報は前記文書に関連付けられて、署名済み文書を形成する、ステップ;
前記第1のユーザによって管理される前記第1のデバイスから受信した前記署名情報に関連する取引情報を生成し、前記取引情報を前記ブロックチェーンのブロックに提供するステップ;
前記署名済み文書のハッシュ値を生成し、前記署名済み文書の前記ハッシュ値を前記ブロックチェーンのブロックに提供し、前記署名済み文書をストレージに保存するステップ;
前記署名済み文書を、前記複数のユーザのうちの第2のユーザによって管理される第2のデバイスに提供するステップ;
前記第2のユーザの追加の署名情報を前記第2のデバイスから受信するステップであって、前記追加の署名情報は前記署名済み文書に関連付けられて、アップデート/署名済み文書を形成する、ステップ;
受信した前記第2のユーザの前記追加の署名情報に関連する追加の取引情報を生成し、前記追加の取引情報を前記ブロックチェーンのブロックに提供するステップ;及び
前記アップデート/署名済み文書のハッシュを生成し、前記アップデート/署名済み文書の前記ハッシュを前記ブロックチェーンのブロックに提供するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記アップデート/署名済み文書を、前記第1のユーザによって管理される前記第1のデバイスに提供するステップ;
検証情報を前記第1のユーザから受信するステップ;
前記第1のユーザからの前記検証情報を、前記ブロックチェーンのブロックに提供するステップ
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ブロックチェーンを表示して、前記文書、前記署名済み文書、及び前記アップデート/署名済み文書の取引履歴を提供するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記取引情報又は前記追加の取引情報は、取引タイプ、ユーザ情報、文書のステータス、及び日時情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ストレージは、クラウドベースストレージプラットフォームを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記署名情報又は前記追加の署名情報は、電子又はデジタル署名情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記文書のハッシュを生成するステップ、又は前記署名済み文書のハッシュを生成するステップ、又は前記アップデート/署名済み文書のハッシュを生成するステップは、前記文書、前記署名済み文書、又は前記アップデート/署名済み文書の電子データにハッシュ関数を適用するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ハッシュ関数は、SHA256又はRIPEMD関数を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
電子文書署名のためのシステムであって、
前記システムはプロセッサを備え、
前記プロセッサは、それぞれ1人のユーザによって管理される複数のデバイスと通信し、また前記プロセッサに:
複数のユーザのうちの第1のユーザによって管理される第1のデバイスからの文書にアクセスすること;
前記文書のハッシュを生成し、前記文書の前記ハッシュをブロックチェーンのブロックに提供すること;
前記第1のデバイスから前記第1のユーザの署名情報を受信し、前記署名情報を前記文書に関連付けることによって、署名済み文書を形成すること;
前記第1のユーザによって管理される前記第1のデバイスから受信した前記署名情報に関連する取引情報を生成し、前記取引情報を前記ブロックチェーンのブロックに提供すること;
前記署名済み文書のハッシュを生成し、前記署名済み文書の前記ハッシュを第2のブロックに提供し、前記署名済み文書をストレージに保存すること;
前記署名済み文書を、前記複数のユーザのうちの第2のユーザによって管理される第2のデバイスに提供すること;
前記第2のユーザの追加の署名情報を前記第2のデバイスから受信し、前記追加の署名情報を前記署名済み文書に関連付けることによって、アップデート/署名済み文書を形成すること;
受信した前記第2のユーザの前記追加の署名情報に関連する追加の取引情報を生成し、前記追加の取引情報を前記ブロックチェーンのブロックに提供すること;及び
前記アップデート/署名済み文書のハッシュを生成し、前記アップデート/署名済み文書の前記ハッシュを前記ブロックチェーンのブロックに提供すること
を実行させる命令を保存するメモリと通信する、システム。
【請求項10】
前記プロセッサは更に:
前記アップデート/署名済み文書を、前記第1のユーザによって管理される前記第1のデバイスに提供し;
検証情報を前記第1のユーザから受信し;
前記第1のユーザからの前記検証情報を、前記ブロックチェーンのブロックに提供する
よう構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは更に、前記ブロックチェーンを表示して、前記文書、前記署名済み文書、及び前記アップデート/署名済み文書の取引履歴を提供するよう構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記取引情報及び前記追加の取引情報は、取引タイプ、ユーザ情報、文書のステータス、及び日時情報を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記ストレージは、クラウドベースストレージを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のユーザからの前記署名情報、又は前記第2のユーザからの前記追加の署名情報は、電子署名又はデジタル署名を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサは更に、前記文書、前記署名済み文書、又は前記アップデート/署名済
み文書の電子データにハッシュ関数を適用するよう構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記ハッシュ関数は、SHA256又はRIPEMD関数を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムは、前記複数のユーザが2因子認証を用いてアクセスするウェブサイト又はモバイルアプリケーションを含む、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子文書署名、特にブロックチェーン技術を用いた電子文書署名に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の電子文書署名方法及びプラットフォームは一般に、詐欺又は改ざんを受けやすく、迅速、効率的、かつ正確な取引確認又は取引履歴を当事者に提供できない場合がある。従って、全ての当事者が利用可能な改ざん耐性を有する文書取引履歴、より優れた詐欺防止のためのセキュリティの向上、及びより迅速な送信確認を提供する、文書の電子又はデジタル署名及び安全な転送のためのシステム及び方法に対する需要が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
簡潔に述べると、本開示は、デジタル又は電子文書署名のためのシステム及び方法に関する。本開示のシステム及び方法により、例えば複数のユーザ又は当事者が、1つ以上の電子文書をアップロードして署名できる。更に、アップロード及び署名済み文書に関連するユーザ/当事者による各取引(例えばアップロード、署名、検証等)に関連する取引詳細又は情報を生成して、ブロックチェーンの1つ以上のブロックに提供できる。アップロード及び署名済み文書の電子情報をハッシュ化することもでき、ハッシュ値をブロックチェーンの1つ以上のブロックに提供できる。このブロックチェーン技術は一般に、暗号化を適用することで、取引の安全性を保証すること、及び取引履歴を全ての当事者にとって即座に利用可能とすることによって、当事者間に高いレベルのセキュリティ、コンプライアンス、透明性、及び信頼を提供する環境を提供する。従って本開示の実施形態によると、不変の/改ざん耐性を有する取引履歴を、アップロード及び電子/デジタル署名済み文書の全てのユーザ/当事者に提供できる。更に本開示の実施形態は、詐欺防止性及びセキュリティが向上し、送信確認がより迅速であり、損失の防止及びコスト節減につながる、軽く、高速で、信頼できる文書管理プラットフォームを提供できる。
【0004】
例えば、システム又はプラットフォームは、2人以上の当事者による1つ以上の文書の電子又はデジタル署名を容易にすることができる。当事者は、上記システム/プラットフォームの一部であるか又は上記システム/プラットフォームと通信するウェブサイト及び/又はモバイルアプリケーション等のアプリケーションを通して、1つ以上のアカウントを作成してよい(例えば当事者は、上記ウェブサイト又はアプリケーションへのログインのために、ユーザ名及びパスワード等のユーザ資格証明、又は他の好適な検証情報を生成又は選択してよい)。当事者のうちの1人、例えば送信者は、自身の資格情報を用いてウェブサイト又はアプリケーションにログインして、1つ以上の文書(例えばPDF、Word(登録商標)文書等)をアップロードしてよい。送信者は更に、1つ以上のアップロード済み文書に、(例えばウェブサイト又はスマートフォンアプリケーションのテキストフィールドで)名称又はラベルを付与する又は割り当てることができる。
【0005】
上記システムは更に、1つ以上のアップロード済み文書のハッシュを生成する。ある変形例では、上記システムは、暗号学的ハッシュ関数(例えばSHA256又はRIPEMD関数)を、1つ以上のアップロード済み文書の電子情報に適用でき、例えば上記システム/プラットフォームは、1つ以上の文書の電子情報を入力として受け取り、ハッシュ関数を適用して、いずれの入力長を固定長の出力(例えば固定長のハッシュ値)に変換できる。送信者は、1つ以上のアップロード済み文書に、電子又はデジタル署名するか、あるいは自身のデジタル又は電子署名情報を提供する(例えば自身のイニシャルで電子署名を行う、スケッチで電子署名を行う、又は他の方法でデジタル若しくは電子署名情報を生成する)こともできる。取引情報、又はデジタル署名情報の詳細は、ブロックチェーンの1つ以上のブロックに保存でき、上記取引情報/詳細は、文書のハッシュ、日時、当事者情報(例えば検証済み電子メールID)、又は他の好適な情報を含むことができる。
【0006】
送信者は、更なる当事者又は受信者に、(例えば電子メール、テキストメッセージ、又は他の好適な通知手段で)署名要求を送信することもできる。アップロード済み文書に署名するために、上記更なる当事者又は受信者もまた、ウェブサイト/アプリケーションに登録できる(例えば、上記更なる当事者は、上記ウェブサイト又はアプリケーションへのログインのために、ユーザ名及びパスワード等のユーザ資格証明、又は他の好適な検証情報を生成又は選択してよい)。続いて上記更なる当事者又は受信者は、アップロード済み文書をダウンロードし、1つ以上の上記文書に自身のデジタル又は電子署名情報を提供できる。上記更なる当事者又は受信者の取引情報、又はデジタル署名情報の詳細(例えば文書のハッシュ、日時、検証済み電子メールID等の当事者情報等)もまた、ブロックチェーンの1つ以上のブロックに保存できる。
【0007】
更に受信者は、1つ以上の署名済み文書を送信者に返すことができる。次に送信者は、この署名済み文書を検証して、取引を完了できる。文書ファイルは、InterPlanetary File System(IPFS)、Amazon(登録商標)Web Services S3、又は他のクラウドベースファイルストレージプラットフォームといったファイルストレージプラットフォームに保存できる。当事者は、ブロックチェーン内のアップロード及び署名済み文書の不変の取引履歴を確認することもできる。
【0008】
いくつかの変形例では、電子文書署名のためのシステムは、それぞれが1人のユーザ又は当事者によって管理されている複数のデバイスと通信する、1つ以上のプロセッサを有することができる。上記1つ以上のプロセッサは更に、命令を保存したメモリと通信する。上記1つ以上のプロセッサは、複数のユーザのうちの第1のユーザによって管理される第1のデバイスからの文書にアクセスし、また上記第1のデバイスから上記第1のユーザの署名情報を受信する。上記1つ以上のプロセッサは、上記署名情報を上記文書に関連付けることにより、署名済み文書を形成する。上記1つ以上のプロセッサはまた、上記第1のデバイスから受信した上記署名情報に関連する取引情報を生成し、上記取引情報をブロックチェーンの現在のブロックに提供する。いくつかの変形例では、取引情報は、取引タイプ、当事者情報、文書のステータス、日時情報、又は他のいずれの好適な情報、又はこれらの組み合わせを含むことができる。上記1つ以上のプロセッサはまた、上記署名済み文書のハッシュを生成し、上記署名済み文書の上記ハッシュをブロックチェーンの現在のブロックに提供する。例えば上記1つ以上のプロセッサは、ハッシュ関数を上記署名済み文書の電子データ又は情報に適用するよう構成される。上記署名済み文書は、クラウドベースストレージ又は他の好適なメモリ若しくはストレージといったストレージに提供又は保存できる。
【0009】
更に、上記1つ以上のプロセッサは、上記署名済み文書を、上記複数のユーザのうちの第2のユーザによって管理される第2のデバイスに提供し、(例えば上記第2のユーザが上記文書に署名するために自身のデジタル署名情報を提供したときに)上記第2のユーザの追加の署名情報を上記第2のデバイスから受信する。上記追加の署名情報を上記署名済み文書に関連付けることによって、アップデート/署名済み文書を形成できる。上記1つ以上のプロセッサはまた、受信した上記第2のユーザの上記追加の署名情報に関連する追加の取引情報を生成し、上記追加の取引情報を上記ブロックチェーンの現在のブロックに提供する。上記1つ以上のプロセッサは更に、上記アップデート/署名済み文書のハッシュを生成し(例えば上記1つ以上のプロセッサは、ハッシュ関数を上記アップデート/署名済み文書の電子データ又は情報に適用するよう構成され)、上記アップデート/署名済み文書の上記ハッシュを上記ブロックチェーンの現在のブロックに提供する。
【0010】
更に、上記1つ以上のプロセッサは、上記アップデート/署名済み文書を、上記第1のユーザによって管理される上記第1のデバイスに提供して、上記アップデート/署名済み文書が受信又は署名されたことの検証情報を上記第1のユーザから受信するよう構成される。続いて上記1つ以上のプロセッサは、上記第1のユーザからの上記検証情報を、上記ブロックチェーンの現在のブロックに提供する。
【0011】
また更に、上記1つ以上のプロセッサは、上記ブロックチェーンに関連する情報を表示して、上記文書、上記署名済み文書、及び上記アップデート/署名済み文書の取引履歴を提供するよう構成されていてよい。
【0012】
更なる変形例では、方法は、複数のユーザのうちの第1のユーザによって管理される第1のデバイスから文書を受信するステップと、上記第1のデバイスを使用する上記第1のユーザから、電子署名又は他のデジタル署名情報といった署名情報を受信するステップとを含むことができる。上記署名情報を上記文書に関連付けることによって、署名済み文書を形成できる。
【0013】
上記第1のユーザから受信した上記署名情報に関連する取引情報も生成できる。上記取引情報は、上記ブロックチェーンの現在のブロックに提供できる。ある例では、取引情報は、取引タイプ、ユーザ情報、文書のステータス、日時情報、又は他のいずれの好適な情報、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0014】
上記署名済み文書のハッシュを更に生成でき、ハッシュ値を上記ブロックチェーンの現在のブロックに提供できる。上記署名済み文書の上記ハッシュは、暗号学的ハッシュ関数を上記署名済み文書の電子データ又は情報に適用すること(例えば固定長のハッシュ値を生成すること)によって生成できる。上記署名済み文書もまた、クラウドベースストレージプラットフォーム又は他の好適なファイルストレージプラットフォームといったストレージに提供又は保存できる。
【0015】
更に上記方法は、上記署名済み文書を、上記複数のユーザのうちの第2のユーザによって管理される第2のデバイスに(例えば上記文書にアクセスして署名するためのリクエストを上記第2のユーザから受信したときに)提供するステップを含むことができる。上記第2のユーザからの追加の署名情報を、上記第2のデバイスから更に受信でき、上記追加の署名情報を上記署名済み文書に関連付けることによって、アップデート/署名済み文書を形成できる。
【0016】
更に、受信した上記追加の署名情報に関連する追加の取引情報を生成して、上記ブロックチェーンの現在のブロックに提供できる。(例えば暗号学的ハッシュ関数を上記アップデート/署名済み文書の電子データ又は情報に適用することによって)上記アップデート/署名済み文書のハッシュも生成して、上記ブロックチェーンの現在のブロックに提供できる。
【0017】
上記方法はまた、上記アップデート/署名済み文書を、上記第1のユーザによって管理される上記第1のデバイスに提供するステップと、(例えば上記第1のユーザが、上記第2のユーザ又は他の1人以上のユーザが上記アップデート/署名済み文書に適切に署名したことを検証したときに)上記第1のユーザから検証情報を受信するステップとを含むことができる。上記検証情報もまた、上記ブロックチェーンの現在のブロックに提供できる。
【0018】
上記方法は更に、上記ブロックチェーンに含まれる又は関連する上記情報を表示して、上記文書、上記署名済み文書、又は上記アップデート/署名済み文書の取引履歴を提供するステップを含むことができる。
【0019】
本開示の様々な目的、特徴、利点は、以下の「発明を実施するための形態」を、添付の図面と併せて解釈して検討すれば、当業者には明らかになるであろう。
【0020】
図の簡略化及び明確化のために、図面に図示されている要素は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを理解されたい。例えばいくつかの要素の寸法は、他の要素に比べて誇張されている場合がある。以下の本明細書の図面に関して、本開示の教示が組み込まれた実施形態を図示及び説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名のためのシステム又はプラットフォームの概略図を示す。
図2図2は、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名に関するフローチャートを示す。
図3図3は、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名のためのプロセスのブロック図を示す。
図4図4は、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名のためのプロセスのフローチャートを示す。
図5A図5A~5Fは、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名のためのプラットフォームの例示的なスクリーンショットを示す。
図5B図5A~5Fは、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名のためのプラットフォームの例示的なスクリーンショットを示す。
図5C図5A~5Fは、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名のためのプラットフォームの例示的なスクリーンショットを示す。
図5D図5A~5Fは、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名のためのプラットフォームの例示的なスクリーンショットを示す。
図5E図5A~5Fは、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名のためのプラットフォームの例示的なスクリーンショットを示す。
図5F図5A~5Fは、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名のためのプラットフォームの例示的なスクリーンショットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
異なる複数の図面における同一の参照符号の使用は、類似した又は同一の項目を示す。
【0023】
本開示の教示の理解を支援するために、以下の説明を図面と併せて提供する。この説明は、本教示の様々な実装形態及び実施形態を開示し、本教示の説明を支援するために提供されているが、本明細書中に記載される実装形態、特徴、及び実施形態は、本教示の範囲又は適用可能性に対する限定として解釈してはならない。
【0024】
図1は、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名のためのシステム10の概略図を示す。システム10は、文書(例えばポータブルドキュメントフォーマット(PDF)文書、Microsoft(登録商標)Word文書(.doc、.docx等)、又は「.tiff」文書、「.rtf」文書、「.odt」文書等といった他の好適な文書若しくはファイル)のアップロード、及び複数のユーザ又は当事者管理型デバイス16を用いた上記文書への署名情報14(例えばデジタル又は電子署名情報)の提供を容易にするための、(例えばソフトウェア製品、モバイルアプリケーション、ウェブベースアプリケーション等を含む)文書管理プロバイダ12等の1つ以上のコンピュータ実装型製品又はプラットフォームを含むことができる。文書管理プロバイダ12は更に、(例えばユーザ/当事者が文書のアップロード、署名、又は確認を行ったときの)取引情報の生成、及び上記文書のハッシュの生成を容易にし、上記ハッシュは、ブロックチェーン18のブロックに提供されることになり、これによって例えば、アップロード及び署名済み文書の不変の取引履歴を、システムのユーザ/当事者にとって利用可能とすることができる。上記文書は更に、InterPlanetary File System(IPFS)、Amazon(登録商標)Web Services(AWS)、又は他の好適なウェブ若しくはクラウドベースのシステム若しくはプラットフォームといったクラウドベースストレージ/コンピューティングプラットフォーム20を用いて、保存、共有、又はアクセスできる。
【0025】
いくつかの変形例では、システム又はプラットフォーム10は、2人以上の当事者又はユーザが1つ以上の文書に署名するのを容易にすることができる。当事者は、2要素認証又はその他の多要素認証を用いて文書管理プロバイダにアクセスできる。例えば当事者は、文書管理プロバイダ12へのアクセスのための1つ以上のアカウントを生成してよい(例えば当事者は、管理型デバイス16を用いて文書管理プロバイダ12に関連するウェブサイト又はアプリケーションにログインするために、ユーザ名及びパスワード等のユーザ資格証明、又は他の好適な検証情報を生成又は選択してよい)。当事者のうちの1人、例えば送信者は、自身の資格証明を用いて(例えばログインによって)文書管理プロバイダ12にアクセスしてよく、次にこの送信者は、1つ以上の文書(例えば、PDF、Word(登録商標)文書、例えば「.doc」、「.docx」等、又は「.tiff」文書、「.rtf」文書、「.odt」文書等といった他の好適な文書若しくはファイルフォーマット)をアップロードできる。送信者はまた、1つ以上のアップロード済み文書に、(例えばウェブサイト又はアプリケーションのテキストフィールドで)名称又はラベルを付与する又は割り当てることができる。
【0026】
システム10、又は文書管理プロバイダ12は、1つ以上のアップロード済み文書のハッシュを生成できる。ある変形例では、システム10、又は文書管理プロバイダ12は、暗号学的ハッシュ関数(例えばSHA256又はRIPEMD関数)を上記1つ以上のアップロード済み文書の電子情報に適用でき、例えば上記システム/プラットフォームは、上記1つ以上の文書の上記電子情報を入力として受け取り、ハッシュ関数を適用して、いずれの入力長を固定長の出力、例えば固定長のハッシュ値に変換できる。
【0027】
更に送信者は、上記1つ以上のアップロード済み文書に電子署名する、デジタル署名する、又は自身のデジタル若しくは電子署名情報を(例えばイニシャルを用いて電子的に、スケッチを用いて電子的に、若しくはデジタル若しくは電子署名情報を他の方法で生成して)提供することができる。取引情報、又はデジタル署名情報の詳細を生成して、ブロックチェーン18の1つ以上のブロックに保存する。上記取引情報/詳細は、文書のハッシュ、日時、検証済み電子メールID等の当事者情報、又は他のいずれの好適な取引詳細若しくは情報、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0028】
送信者は続いて、(例えば電子メール、テキストメッセージ、又は他の好適なメッセージ送信メカニズム若しくは通知手段を介して)更なる当事者又は受信者に署名リクエストを送信できる。アップロード済み文書に署名するために、上記更なる当事者又は受信者もまた、ウェブサイト/アプリケーションに登録する(例えば、上記更なる当事者は、管理型デバイス16を用いた上記ウェブサイト又はアプリケーションへのログインのために、ユーザ名及びパスワード等のユーザ資格証明、又は他の好適な検証情報を生成又は選択してよい)ことで、サインイン又はログインを可能とすることができる。
【0029】
サインイン/ログイン中、上記更なる当事者又は受信者は、アップロード及び署名済み文書をダウンロードでき、続いて自身のデジタル又は電子署名情報を上記1つ以上の文書に提供できる。上記更なる当事者又は受信者の取引情報、又はデジタル署名情報の詳細(例えば文書のハッシュ、日時、検証済み電子メールID等の当事者情報等)もまた、ブロックチェーン18の1つ以上のブロックに保存できる。受信者は更に、1つ以上の署名済み文書を送信者に送り返すことができ、送信者は検証を行って取引を完了できる。従って当事者(例えば送信者、受信者、又は他の当事者)は、ブロックチェーン内のアップロード及び署名済み文書の不変の取引履歴を確認できるようになる。
【0030】
図1は更に、文書管理プロバイダ12又は他のコンピュータ実装型製品が、ユーザ若しくは当事者管理型デバイス16上に常駐できるか、又はユーザ若しくは当事者管理型デバイス16によってアクセスできることを示している。ユーザ管理型デバイス16は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、PDA、又は他の好適な移動体コンピューティングデバイスといった、ハンドヘルド移動体デバイスを含むことができる。更に、又はあるいは、ユーザ管理型デバイス16は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション等といったパーソナルコンピューティングデバイスを含むことができるが、本開示から逸脱することなくいずれの好適なコンピューティングデバイスを使用できる。文書管理プロバイダ12にアクセスする、又は文書管理プロバイダ12を実行するデバイス16はまた、インターネット、ピア・ツー・ピアネットワーク、又は他のいずれの好適なプライベート若しくはパブリックネットワーク、又はこれらの組み合わせといった、1つ以上のネットワーク22にアクセスすることによって、ユーザ/当事者が、文書のアップロード、文書へのアクセス、文書への自身の署名情報の提供を行うことができるようにするよう構成できる。デバイス16は、有線接続、例えばイーサネットケーブル、又は無線接続、例えばWiFi、Bluetooth(登録商標)、例えば3G、4G、LTE、5G等のセルラー接続、又はこれらの組み合わせによって、ネットワークにアクセスできる。
【0031】
各管理型デバイス16は更に、中央処理装置(CPU)又はハードウェア若しくはソフトウェア制御論理といった少なくとも1つのプロセッサ、ROM及び/又は他のタイプの不揮発性メモリ、並びにランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM)等の少なくとも1つのストレージ又はメモリを含むことができる。管理型デバイス16は更に、外部デバイス、並びにキーボード、マウス、タッチスクリーン、及び/又はビデオディスプレイ等の様々な入出力(I/O)デバイスと通信するための、1つ以上のポートを含んでよい。しかしながら、管理型デバイス16は、いずれの好適な目的のために、いずれの形態の情報又はデータの、計算(compute)、計算(calculate)、決定、分類、処理、送信、受信、取得、発信、切り替え、保存、表示、通信、証明、検出、記録、複製、取り扱い、又は利用を行うために動作可能な、いずれの好適なコンピューティング用構成要素を含んでよい。
【0032】
文書管理プロバイダ12の1つ以上の構成要素は、メモリに保存でき、管理型デバイス16の1つ以上のプロセッサによって実行又はアクセスできる。しかしながら、更に、又はあるいは、文書管理プロバイダ12の1つ以上の構成要素は、デバイス16と通信する(例えばプロセッサ並びにメモリ及び/又はストレージを有する)他のコンピューティングデバイスに保存でき、及び/又は上記他のコンピューティングデバイスからアクセスできる。例えば文書管理プロバイダ12の1つ以上の構成要素は、ウェブベース又はクラウドベースとすることができ、ウェブ若しくはクラウドサービスプロバイダ又は他の好適なエンティティによって管理されるデータ管理センターの一部であるコンピューティングデバイス(サーバ等)の1つ以上のメモリ又はストレージに保存でき、また上記1つ以上のメモリ又はストレージからアクセスできる。
【0033】
図2は、複数の当事者又はユーザによるブロックチェーンを用いた電子文書署名に関するフローチャート100を示す。図2に示すように、102では、当事者、例えば送信者は、(例えば資格証明又は他の好適な認可情報を入力又は提供することによって)ウェブサイト又はモバイルアプリケーションにログインすることで、文書管理プロバイダ12にアクセスしてよい。送信者がウェブサイト/モバイルアプリケーションへのアクセスを得た後、送信者は、(104において)デジタル又は電子署名情報の受信のために1つ以上の文書をアップロードできる。104では、送信者は(必要に応じて)、(例えば自身のデジタル又は電子署名情報を1つ以上のアップロード済み文書に提供することによって)1つ以上のアップロード済み文書に署名することもできる。
【0034】
続いて106では、1つ以上の文書を、他の更なる当事者(又は受信者)の確認又は署名情報の受信のために、上記他の更なる当事者(又は受信者)に送信又は提供する。108では、送信者が1つ以上の文書のアップロード、署名、又は確認に成功したかどうかを判断してよい(例えば文書若しくは署名情報が正しくフォーマットされているかどうか、又は当事者若しくは送信者101が文書を適切に確認したかどうかを判断してよい)。108において成功と判断されると、1つ以上の文書のアップロード、署名又は確認に関連する取引詳細又は情報が生成され、(110において)ブロックチェーン18の1つ以上のブロックに提供される。また、108において成功と判断されると、1つ以上の文書が、クラウドベースファイルストレージプラットフォーム20(例えばIPFS又はAWS S3)に提供される。
【0035】
108において1つ以上の書類のアップロード、署名、又は確認に成功していなかったと判断されると、1つ以上の書類のアップロード、署名、又は確認を正しく行うように送信者を促すことができ、ステップ/アクション104~110を繰り返すことができる。
【0036】
図2は更に、114において、更なる当事者又は受信者が(例えば自身のユーザ資格証明又は他の好適な検証情報を用いて)ウェブサイト又はモバイルアプリケーションにログインして、アップロード済み文書にアクセスして署名できることを示している。受信者がログインすると、受信者は、例えば116において1つ以上のアップロード済み文書にアクセスでき(例えば1つ以上の文書にアクセスでき、又は1つ以上の文書をクラウドベースストレージ20から受信でき)、また更に116において、受信者は自身の電子又はデジタル署名情報を1つ以上の文書に提供できる。
【0037】
続いて118では、受信者が1つ以上の文書へのアクセス又は署名に成功したかどうかに関する判断を行ってよい。成功していない場合、受信者は、1つ以上の書類の署名又は確認を正しく行うように促される。しかしながら、1つ以上の文書へのアクセス及び署名が成功したと判断されると、1つ以上の文書への署名に関連する取引詳細又は情報が生成され、(例えば120において)ブロックチェーン18の1つ以上のブロックに提供される。
【0038】
本開示の範囲から逸脱することなく、図2に示されているステップ又はアクション102~120のいずれを省略又は再配置できることが更に理解されるだろう。追加のアクション又はステップを含むこともでき、例えば全ての必要な当事者が1つ以上の文書にアクセス及び署名した場合、上記1つ以上の文書を、確認のために送信者に提供してよく、また上記確認に関連する取引詳細又は情報を、ブロックチェーン18の1つ以上のブロックに提供してよい。
【0039】
図3は、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名のための方法又はプロセス200に関するブロック図を示す。図3に示すように、当事者又は送信者は、文書管理プロバイダの起動又は開始のリクエストを提供してよく、例えばユーザは、(202において)文書管理プロバイダに関連するウェブサイト又はモバイルアプリケーションを起動して(例えば2因子認証を用いて)アクセスしてよい。204では、文書管理プロバイダが起動又は開始され、206では、送信者が、例えばユーザ資格証明又は他の好適な認証情報を入力することによって、文書管理プロバイダのウェブサイト又はモバイルアプリケーションにログインしてよい。
【0040】
次に208では、文書管理プロバイダは、送信者に対する、1つ以上の文書のアップロード及び署名のリクエストを生成して送信し、210では、送信者は、1つ以上の文書をアップロードしてこれに署名してよい。
【0041】
文書がアップロードされて署名されると、文書管理プロバイダは(212において)1つ以上のアクションを実行する。例えば214では、文書管理プロバイダは、送信者が文書のアップロード及び/又は署名を行うたびに、取引を生成し、これは例えば取引情報の生成を含む。更に、取引が生成されると、(216において)1つ以上のアップロード及び署名済み文書がクラウドベースファイルストレージプラットフォーム20、例えばAWS S3又はIPFSに提供されて保存される。文書管理プロバイダはまた、(218において)1つ以上の取引が発生/生成されたことを送信者(又は他の当事者)に通知する。ある変形例では、文書管理プロバイダは、1つ以上の文書が送信者によってアップロード又は署名されたことの通知を提供する。更に220では、文書管理プロバイダは取引情報をブロックチェーンのブロック32に提供する。
【0042】
図3のブロック32に示すように、取引情報は、取引ID、取引タイプ、当事者識別子、ステータス情報(例えば更なる当事者がアップロード済み文書にアクセスして署名したことを示すもの)、及び(例えば取引が作成された日時を含む)タイムスタンプを含むことができる。ある変形例では、取引IDは、(例えば提供された1つ以上の文書の電子データ又は情報に暗号学的ハッシュ関数を適用することによる)1つ以上のアップロード及び署名済み文書のハッシュを含むことができる。
【0043】
更なる当事者又は受信者は、222において、ウェブサイト又はモバイルアプリケーションにアクセスするためのリクエストを提供してよい(例えば受信者は、文書管理プロバイダのウェブサイト又はモバイルアプリケーションを起動又は開始させてこれにログインしてよい)。
【0044】
ウェブサイト/モバイルアプリケーションにログインしている間に、当事者又は受信者は226において、(224において)クラウドベースストレージ20から取得又はアクセスされた1つ以上のアップロード済み文書に、アクセスして署名できる。
【0045】
受信者が226において1つ以上のアップロード済み文書にアクセスして署名すると、文書管理プロバイダは228において1つ以上のアクションを実行する。例えば230において、文書管理プロバイダは取引を作成し、例えば文書管理プロバイダは取引情報を生成できる。取引の作成後、文書管理プロバイダは232において受信者又は送信者に通知してよい。
【0046】
更に234では、文書管理プロバイダは取引情報をブロックチェーン18のブロック34に保存する。ある変形例では、取引情報は、取引ID、取引タイプ、当事者識別子、ステータス情報(例えば全ての更なる当事者がアップロード済み文書にアクセスして署名したことを示すもの)、及び(例えば取引が作成された日時を含む)タイムスタンプを含むことができる。取引IDは、(例えば、受信者のデジタル署名情報を含む1つ以上の文書の電子データ又は情報に暗号学的ハッシュ関数を適用することによる)1つ以上のアップロード及び署名済み文書のハッシュを含むことができる。
【0047】
本開示の範囲から逸脱することなく、図3に示されているステップ又はアクション202~234のいずれを再配置又は省略でき、また更なるステップ/アクションを追加できることが更に理解されるだろう。
【0048】
図4は、ブロックチェーンを用いた電子文書署名のための方法又はプロセス300のブロック図を示す。図4に示すように、302では、方法又はプロセス300は、1つ以上の文書を、複数のユーザのうちの第1のユーザによって管理される第1のデバイスから受信するステップを含む。方法又はプロセス300はまた、(304において)第1のデバイスから第1のユーザの電子署名情報を受信し、上記署名情報を上記文書に関連付けることによって、署名済み文書を形成するステップを含む。
【0049】
その後、306では、第1のユーザから受信した署名情報に関連する取引情報を生成し、ブロックチェーンの現在のブロックに提供する。308では、署名済み文書のハッシュを生成し、ハッシュ値をブロックチェーンの現在のブロックに提供する。更に308では、署名済み文書が、クラウドベースストレージプラットフォーム又は他の好適なストレージといった文書ストレージに提供されるか、又は上記文書ストレージに受け取られる。
【0050】
図4に更に示すように、310では、署名済み文書を、複数のユーザのうちの第2のユーザによって管理される第2のデバイスに提供する。312では、第2のユーザの追加の署名情報を第2のデバイスから受信し、上記追加の署名情報を上記署名済み文書に関連付けることによって、アップデート/署名済み文書を形成する。
【0051】
続いて方法300は、(314において)受信した第2のユーザの追加の署名情報に関連する追加の取引情報を生成し、上記追加の取引情報をブロックチェーンのブロックに提供するステップを含む。更に316では、アップデート/署名済み文書のハッシュを生成し、ハッシュ値をブロックチェーンのブロックに提供する。
【0052】
318では、アップデート/署名済み文書を、第1のユーザによって管理される第1のデバイスに提供し、検証情報を第1のユーザから受信する(例えば第1のユーザは、アップデート/署名済み文書が、複数のユーザのうちの全ての必要なユーザによって適切に署名されたことを検証できる)。第1のユーザからの検証情報は更に、ブロックチェーンのブロックに提供される。
【0053】
本開示の範囲から逸脱することなく、図4に示されているステップ又はアクション302~318のいずれを省略又は再配置できることが更に理解されるだろう。
【0054】
更なるステップ又はアクションを含めることもできる。例えば上記方法は、文書の取引履歴を提供するために、ブロックチェーンに関連する又はブロックチェーン内の情報を表示するステップを更に含むことができる。更に上記方法は、アップデート/署名済み文書を、第1のユーザによって管理される第1のデバイスに提供し、第1のユーザから検証情報を受信するステップを含むことができる。第1のユーザからの検証情報は、ブロックチェーンの現在のブロックにも提供できる。
【0055】
図5A~5Fは、ブロックチェーンを用いた電子又はデジタル文書署名を容易にする文書管理プロバイダ12のための例示的なスクリーンを示し、上記スクリーンは、ユーザ管理型デバイス16のディスプレイ40に表示できる。図5Aは、文書管理プロバイダ12のためのログインスクリーン400を示す(これは例えば、当事者が文書管理プロバイダを起動するか又は文書管理プロバイダにアクセスしたときに表示又は提供され得る)。
【0056】
図5Aに示すように、ログインスクリーン400は、多因子認証を要求でき、ユーザ/当事者がログイン資格証明又は他の認証情報を記入又は提供するための1つ以上のテキストフィールド又は入力エリア402、404を有してよい。例えばログインスクリーン400は、当事者が電子メールアドレス及びパスワードをそれぞれ記入するための少なくとも2つの入力402、404と、文書管理プロバイダ12へのログイン又はサインインのために当事者/ユーザが選択/アクティブ化できる少なくとも1つの選択可能なアイコン又はエリア406とを有してよい。
【0057】
図5Bは、当事者(例えば送信者)が文書のアップロード及び署名を行うための例示的な文書アップロード/署名スクリーン408を示す。文書アップロード/署名スクリーン408は、当事者がログインスクリーン400にログイン又はサインインしたときに表示できる。図5Bに示すように、スクリーン408は、文書管理プロバイダにアップロードするべき文書ファイル(例えば「.pdf」文書、「.doc」文書、「.docx」文書、「.tiff」文書、「.rtf」文書、「.odt」文書等)を送信者がブラウズ及び選択できるようにするために選択又はアクティブ化できる、選択可能なアイコン又はエリア410を提供する。しかしながら、本開示の範囲から逸脱することなく、文書へのアクセス、文書の選択、又は文書のアップロードのためのいずれの好適な手段を用いてよい。例えばいくつかの変形例では、スクリーン408は、文書のアイコンを選択して、文書のアップロードのために上記アイコンをドラッグできる、フィールド又はエリアを含むことができる。
【0058】
図5Bは更に、スクリーン408が、アップロード済み文書の電子又はデジタル署名情報を当事者が記入又は提供できるようにする、選択可能なフィールド又はエリア414を更に提供することを示す。例えばいくつかの変形例では、当事者は、当事者管理型デバイス16の入力(例えばマウス、タッチスクリーン等)を用いて、自身のデジタル又は電子署名情報を記述、タイピング、又は生成できる。更に、又はあるいは、当事者は、例えば1つ以上のアイコン又はエリア414を選択又はアクティブ化することによって、自身の電子署名情報(例えば自身のイニシャル若しくは署名のデジタル画像、又は他の好適な電子若しくはデジタル署名情報)をアップロード又は提供することもできる。
【0059】
更に文書アップロード/署名スクリーン408は、文書管理プロバイダの異なる複数の機能に対応する更なるアイコン/選択可能なエリア416、417、418、419も含むことができる。例えば当事者は、署名情報を要求する文書の様々なエリアを切り替える、若しくは移動する、又は署名情報を提供するために様々なアップロード済み文書を切り替える、若しくは選択するために、1つ以上のアイコン/エリア416を選択又はアクティブ化できる。また当事者は、入力、記入、又は提供された署名情報を保存するために、アイコン/エリア417を選択又はアクティブ化できる。
【0060】
更に当事者は、自身の署名の配置を確認するために、1つ以上のアイコン418を選択又はアクティブ化でき、また文書アップロード/署名スクリーンをキャンセルするために、アイコン/エリア419を選択できる。文書アップロード/署名スクリーン408において文書又は署名情報を受信すると、プラットフォームは、アップロード済み文書のハッシュを生成でき、取引及び取引情報を形成でき、上記ハッシュ及び取引情報をブロックチェーンの1つ以上のブロックに提供できる。
【0061】
図5Cは、現在の取引の当事者情報又は詳細を提供する例示的なステータススクリーン420を示し、例えばこれは、ブロックチェーンから取得された情報を表すことができる。ステータススクリーン420は、当事者、例えば送信者が、スクリーン410において(例えば図5Bの確認アイコン/エリア418を選択することによって)文書のアップロード及び署名を確認したときに表示できる。ある変形例では、ステータススクリーン420は、例えば:取引ID又は取引に関連する他の識別子;文書のハッシュ;文書の名称;(例えば送信者が記入/入力できる)文書に対するいずれのコメント;文書のステータス;文書の所有者ID;文書のモデレータID;(例えば取引が「完了(complete)」しており、全ての必要な当事者が、1つ以上のアップロード済み文書にアクセス及び署名したかどうか、又は文書管理プロバイダが、全ての当事者が文書にアクセス及び署名するのを依然として「待機(waiting)」しているかどうかを示す)文書に関するいずれの保留中のアクションを含む、取引情報/詳細の、リスト、テーブル、又は他のグループ化422を含むことができる。ステータススクリーン420はまた、リスト化された取引に対してアクションを実施する(ことによって、例えばアップロード済み文書に署名する、又はアップロード済み文書を検証する)ために選択できる、1つ以上の選択可能なアイコン又はエリア424、及び当事者が取引詳細/情報をダウンロードできるようにする、1つ以上の選択可能なアイコン/エリア426を含むことができる。更にステータススクリーン420は、更なる取引を形成する(例えば文書のアップロード、署名、又は検証を行う)ために選択/アクティブ化できる、1つ以上の選択可能なアイコン/エリア428を含むことができる。
【0062】
図5Dは、他の又は更なる当事者、例えば受信者がアップロード済み文書にアクセス及び署名できるようにする署名スクリーン430のスクリーンショットを示す。当事者は、2因子認証の提供後、例えばログイン資格証明又は他の認証情報を、自身のデバイスに表示されたログインスクリーン400に記入した後、署名スクリーン430にアクセスできる。図5Dに示すように、署名スクリーン430は、当事者が自身の電子又はデジタル署名情報を提供するための、選択可能なフィールド又はエリア432を含む(例えば当事者は、当事者管理型デバイス16の入力を用いてデジタル署名を生成でき、又は署名情報をアップロード済み文書に提供できる)。
【0063】
更に、又はあるいは、当事者は、自身の電子署名情報(例えば自身のイニシャル若しくは署名のデジタル画像、又は他の好適な電子若しくはデジタル署名情報)をアップロード又は提供するために、エリア又はアイコン434を選択又は起動できる。上記更なる当事者が署名スクリーン430において、アップロード済み文書又は提供された署名情報にアクセスするたびに、プラットフォームによって取引及び取引情報を生成して、ブロックチェーンの1つ以上のブロックに提供できる。
【0064】
署名スクリーン430は、文書管理プロバイダの異なる複数の機能に対応する更なるアイコン/選択可能なエリア436、438も含むことができる。例えば署名スクリーン430は、例えば当事者が、文書の異なる複数の部分間、又は署名情報を要求する異なる複数の文書間で、選択、切り替え、又は移動を行うことができるようにする、1つ以上の選択可能なエリア又はアイコン436を有することができる。署名スクリーン430は更に、入力、記入、又は提供された署名情報を保存するために受信者が選択/アクティブ化できる、選択可能なエリア又はアイコンを含むことができる。
【0065】
署名スクリーン430はまた、文書又は取引情報若しくは詳細、例えば文書のキー又はハッシュ値、文書の名称、文書に対するコメント、文書のステータス、文書の所有者、文書モデレータ等のリスト又はグループ化439を提供できる。ある変形例では、文書、又は取引情報/詳細のリスト又はグループ化は、受信者又は他の当事者が文書又は取引情報若しくは詳細を編集又は入力できるようにする、選択可能なテキストフィールドを含むことができる。
【0066】
図5Eは、(例えば当事者/受信者が自身の署名情報を1つ以上のアップロード済み文書に提供したときに表示され得る)ステータススクリーン440を示す。例えば図5Eに示すように、ステータススクリーン420は、例えば:取引ID、又は取引に関連する他の識別子;文書のハッシュ;文書の名称;(例えば受信者又は他の当事者が記入/入力できる)文書に対するコメント;文書のステータス;文書の所有者ID;文書のモデレータID;(例えば受信者の署名情報が「受領(accepted)」されたかどうかを示す)文書に関するいずれの保留中のアクションを含む、ブロックチェーンから取得できる取引情報/詳細のリスト、テーブル、又は他のグループ化442を含むことができる。ステータススクリーン440はまた、リスト化された取引に対してアクションを実施する(ことによって、例えばアップロード済み文書に署名する、又はアップロード済み文書を検証する)ために選択又はアクティブ化できる、1つ以上の選択可能なアイコン又はエリア444、及び当事者が取引詳細/情報をダウンロードできるようにする、1つ以上の選択可能なアイコン/エリア446を含むことができる。
【0067】
図5Fは、文書又は取引詳細、統計等を提供する、文書/取引詳細スクリーン450を示す。ある変形例では、スクリーン450は、ブロックチェーンから取得した情報に少なくとも部分的に基づいて生成できる元帳統計、署名済み文書に関する情報、取引に関する情報を示す、グラフィック又は画像452を提供する。スクリーン450は更に、文書ID、文書の名称、文書の現在のステータス、文書の送信者、文書の受信者、及びタイムスタンプといった、ブロックチェーンに含まれていた取引に関する更なる情報/詳細を含むことができる。文書の詳細はまた、文書の具体的詳細を示すために選択/アクティブ化できる、選択可能なエリア又はアイコン454を提供する。取引情報/詳細は、ブロックチェーン内の情報に関連していてよく、又はブロックチェーン内の情報を含んでよい。
【0068】
以上の説明は全体として、本開示の様々な実施形態を例示及び説明している。しかしながら、本明細書に開示されている本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の上述の構成に対して様々な変更及び修正を実施できること、並びに以上の説明に含まれている、又は添付の図面に図示されている全ての事項は、例示的なものとして解釈されるべきものであり、限定的な意味で解釈してはならないことは、当業者には理解されるだろう。更に本開示の範囲は、上述の実施形態の様々な修正、組み合わせ、追加、改変等を包含するものと解釈されるものとし、これらは本開示の範囲内と見なされるものとする。従って本明細書に記載されている本開示の様々な特性及び特徴は、選択的に相互交換でき、また本開示の他の図示されている実施形態及び図示されていない実施形態に適用でき、更に、これらの実施形態に対する多数の変更、修正、及び追加を、添付の請求項に記載されているような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、実施できる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F