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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】カメラカバー及び開閉操作具
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20230106BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230106BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20230106BHJP
【FI】
H04N5/225 430
G03B15/00 S
G03B17/56 H
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019015002
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2020123869
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000116172
【氏名又は名称】ワールド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100140361
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 幸二
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 享
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】金子 拓史
(72)【発明者】
【氏名】吉竹 直行
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-222187(JP,A)
【文献】特開平11-064929(JP,A)
【文献】特開2002-135630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G03B 15/00
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井部に備えられた監視カメラを遮蔽するカメラカバーであって、
前記監視カメラを囲んだ状態で前記天井部に取り付け可能な台座部と、
この台座部に取り付けられた状態で前記監視カメラを開放可能に収容する収容部と、
この収容部に収容可能に前記台座部に支持された状態で外部からの押圧により前記監視カメラを遮蔽及び開放する遮蔽扉と、
を備えたことを特徴とするカメラカバー。
【請求項2】
前記遮蔽扉の下方からの押圧により当該遮蔽扉の縁部と前記台座部とを連結及び脱離させる一対の連結具を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカメラカバー。
【請求項3】
前記収容部には、前記遮蔽扉により閉となることが可能な開口部が形成され、
前記遮蔽扉は、前記台座部にて回動可能に支持されたことを特徴とする請求項1または2に記載のカメラカバー。
【請求項4】
前記開口部が開となるように前記遮蔽扉の回動を付勢する付勢部材と、
前記付勢された回動を減速させる回転減速部と
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載のカメラカバー。
【請求項5】
前記収容部には、前記台座部に対する取り付けの位置決め孔が形成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカメラカバー。
【請求項6】
前記遮蔽扉の頂上部は、略水平に形成されたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカメラカバー。
【請求項7】
前記台座部の周縁部には、この周縁部に沿う長孔状の取り付け孔が形成されたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のカメラカバー。
【請求項8】
前記台座部の縁部には、前記遮蔽扉が前記収容部に収容された際に当該遮蔽扉を制止する制止部が備えられたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のカメラカバー。
【請求項9】
前記遮蔽扉の縁部には、前記監視カメラを遮蔽させる際に押圧を受ける受動部が設けられたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のカメラカバー。
【請求項10】
前記遮蔽扉は、前記監視カメラを開放させる際に押圧を受ける操作部を備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のカメラカバー。
【請求項11】
前記収容部の頂上部には、前記遮蔽扉を操作する開閉操作具と磁気接触可能な第一磁石部が備えられたことを特徴とする請求項10に記載のカメラカバー。
【請求項12】
前記操作部は、前記開閉操作具と磁気接触可能な磁石から成ることを特徴とする請求項11に記載のカメラカバー。
【請求項13】
請求項11または12に記載のカメラカバーの開閉操作具であって、
前記第一磁石部と磁気接触可能な操作金具を備えたことを特徴とする開閉操作具。
【請求項14】
前記操作金具の先端部には、前記操作部を押圧する押圧部位が形成されたことを特徴とする請求項13に記載の開閉操作具。
【請求項15】
前記操作金具は、前記遮蔽扉の操作時に前記第一磁石部と対向しない面において、前記第一磁石部と磁気的に反発する第二磁石部が備えたことを特徴とする請求項13または14に記載の開閉操作具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラを遮蔽するカメラカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病院や福祉施設等の施設においては、施設の利用者の安全管理のために、監視カメラが施設内に設置されている。一方、利用者は、監視カメラの撮影により、自身のプライバシーが侵害されるのではないかという不安を抱くことがある。この場合、監視カメラの電源を停止させて撮影が行われないようにすればよいのであるが、監視カメラは電源が停止していることが外観から判断できないので、利用者の不安は払拭されない。
【0003】
このような不安を解消すべく、例えば、特許文献1のような監視カメラ装置は、撮影を行なわない場合にカメラの本体を遮蔽することが可能な開閉カバーを備えることにより、利用者はプライバシーが侵害されていないことを認識できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-222187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の監視カメラは、カメラ本体が開閉カバーにより遮蔽が可能となっているので、プライバシーが侵害されるのではないかという利用者の不安は軽減される。
【0006】
しかしながら、前記開閉カバーは電気制御により開閉するものなので、開閉カバーの部品点数が多くなると共に前記開閉のために電源が必須となる。それゆえに、監視カメラの初期コスト及び維持管理コストが高くなり、利用者にとっては経済的な負担となる。また、前記開閉カバーは前記カメラの付属部品であるので、カメラカバーを備えていない既存の監視カメラに容易には適用できない。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑み、監視カメラの利用者のニーズに応じて低コスト且つ取り扱い性を向上させながら、監視カメラの遮蔽をいつでも任意に行い、監視カメラの利用者のストレス及び経済的な負担の軽減を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明の一態様は、天井部に備えられた監視カメラを遮蔽するカメラカバーであって、前記監視カメラを囲んだ状態で前記天井部に取り付け可能な台座部と、この台座部に取り付けられた状態で前記監視カメラを開放可能に収容する収容部と、この収容部に収容可能に前記台座部に支持された状態で外部からの押圧により前記監視カメラを遮蔽及び開放する遮蔽扉と、を備える。
【0009】
本発明の一態様は、前記カメラカバーにおいて、前記遮蔽扉の下方からの押圧により当該遮蔽扉の縁部と前記台座部とを連結及び脱離させる一対の連結具を備える。
【0010】
本発明の一態様は、前記カメラカバーにおいて、前記収容部には、前記遮蔽扉により閉となることが可能な開口部が形成され、前記遮蔽扉は、前記台座部にて回動可能に支持さている。
【0011】
本発明の一態様は、前記カメラカバーにおいて、前記開口部が開となるように前記遮蔽扉の回動を付勢する付勢部材と、前記付勢された回動を減速させる回転減速部とをさらに備える。
【0012】
本発明の一態様は、前記カメラカバーにおいて、前記収容部には、前記台座部に対する取り付けの位置決め孔が形成されている。
【0013】
本発明の一態様は、前記カメラカバーにおいて、前記遮蔽扉の頂上部は、略水平に形成されている。
【0014】
本発明の一態様は、前記カメラカバーにおいて、前記台座部の周縁部には、この周縁部に沿う長孔状の取り付け孔が形成されている。
【0015】
本発明の一態様は、前記カメラカバーにおいて、前記台座部の縁部には、前記遮蔽扉が前記収容部に収容された際に当該遮蔽扉を制止する制止部が備えられている。
【0016】
本発明の一態様は、前記カメラカバーにおいて、前記遮蔽扉の縁部には、前記監視カメラを遮蔽させる際に押圧を受ける受動部が設けられている。
【0017】
本発明の一態様は、前記カメラカバーにおいて、前記遮蔽扉は、前記監視カメラを開放させる際に押圧を受ける操作部を備える。
【0018】
本発明の一態様は、前記収容部の頂上部には、前記遮蔽扉を操作する開閉操作具と磁気接触可能な第一磁石部が備えられている。
【0019】
本発明の一態様は、前記カメラカバーにおいて、前記操作部は、前記開閉操作具と磁気接触可能な磁石から成る。
【0020】
本発明の一態様は、前記カメラカバーの開閉操作具であって、前記第一磁石部と磁気接触可能な操作金具を備える。
【0021】
本発明の一態様は、前記開閉操作具において、前記操作金具の先端部には、前記操作部を押圧する押圧部位が形成されている。
【0022】
本発明の一態様は、前記開閉操作具において、前記操作金具は、前記遮蔽扉の操作時に前記第一磁石部と対向しない面において、前記第一磁石部と磁気的に反発する第二磁石部が備えられている。
【発明の効果】
【0023】
以上の本発明によれば、監視カメラの利用者のニーズに応じて低コスト且つ取り扱い性を向上させながらも監視カメラの遮蔽をいつでも任意に行えるので、監視カメラの利用者のストレス及び経済的な負担の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態であるカメラカバーの側面図。
図2】前記カメラカバーの正面図。
図3】前記カメラカバーの底面図。
図4】前記カメラカバーの取り扱いを説明した斜視図。
図5】前記カメラカバーが開である場合の収容部並びに遮蔽扉の斜視図。
図6】(a)は開閉操作棒の操作金具が収容部の第一磁石部と遮蔽扉の受動部との間に介在した状態を説明した縦断面図、(b)は当該開閉操作棒によりカメラカバーが閉じた際の収容部並びに遮蔽扉の状態を説明した縦断面図、(c)は当該開閉操作棒の平面図、(d)は当該開閉操作棒による遮蔽扉の開操作を説明した縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0026】
図1に示された本実施形態のカメラカバー1は、図4に例示された室内の天井部10のコーナー付近に配置された既存の監視カメラ11を遮蔽するカメラカバーであって、台座部2、収容部3、遮蔽扉4及び一対の連結具5を備える。以下、台座部2、収容部3、遮蔽扉4及び連結具5の態様例について説明する。
【0027】
(台座部2)
台座部2は、監視カメラ11を囲んだ状態で天井部10に取り付け可能となっている。
【0028】
台座部2は、図3に例示されたように略ドーナツ板状の鋼材からなり、図1の監視カメラ11の配置が可能な開口部20が形成されている。前記鋼材としては、ステンレス鋼に例示される周知の鋼材が適用される。
【0029】
台座部2の周縁部21は、前記鋼材の加工により、収容部3に嵌め込まれる嵌め込み部22と、遮蔽扉4を回動可能に支持する一対の第一支持部23と、図1の位置決め突起部29を支持する第二支持部24と、連結具5を支持する第三支持部25とを備える。
【0030】
また、図1,3に示されたように、周縁部21には、遮蔽扉4が収容部3に収容された際に遮蔽扉4の回動を制止する制止部26が設けられている。制止部26は、ウレタンゴムに例示される弾性部材により円柱状に形成され、ネジ等の固定具により台座部2の周縁部21上に固定されている。
【0031】
さらに、図3に示されたように、周縁部21には、天井部10に螺着される固定ネジ(図示省略)の取り付け孔27が適宜に配置形成されている。取り付け孔27は、台座部2の周方向に沿う円弧状の長孔状に形成され、この長孔の一端側には、取り付け孔27の幅径よりも大径な円形孔271が形成されている。
【0032】
また、同図に示されたように、周縁部21には、収容部3を台座部2に固定させる固定ネジ(図示省略)の固定孔28が形成されている。固定孔28は、取り付け孔27と同様に円弧状の長孔を成しているが、取り付け孔27よりも短小に形成されている。
【0033】
(収容部3)
収容部3は、図1,2に示されたように、台座部2に取り付けられた状態で監視カメラ11を開放可能に収容する。
【0034】
収容部3は、監視カメラ11を開放させる一方で遮蔽扉4により閉鎖が可能な開口部30が形成された略半球面状の鋼材からなる。前記鋼材としては、台座部2と同様にステンレス鋼に例示される周知の鋼材が適用される。尚、図1,2に示された開口部30は、略4分の1球面状に開口されているが、本発明のカメラカバーの開口部は、監視カメラを開放可能であればよいので、図示の態様に限定されるものではない。
【0035】
また、図1に示されたように、収容部3の頂上部31は、略水平に形成されている。さらに、収容部3の縁部付近には、台座部2の位置決め突起部29と嵌り合う位置決め孔32が形成されている。
【0036】
(遮蔽扉4)
遮蔽扉4は、図1に示されたように、収容部3に収容が可能である一方で、監視カメラ11の遮蔽が可能となっている。特に、本態様の遮蔽扉4は、台座部2にて回動可能に支持された状態で収容部3の開口部20を開閉させることにより、監視カメラ11の開放及び遮蔽が可能となっている。
【0037】
遮蔽扉4は、図1,2に示されたように、略4分の1球面状の鋼材からなる。この鋼材には、台座部2及び収容部3と同様にステンレス鋼に例示される周知の鋼材が適用される。また、遮蔽扉4の頂上部41は、収容部3と同様に、略水平に形成されている。
【0038】
また、遮蔽扉4は、図2に示された付勢部材6及び回転減速部7を介して、台座部2の一対の第一支持部23において、図1に示されたAの位置からBの位置の至る90°の範囲で回動可能に支持されている。
【0039】
付勢部材6は、収容部3の開口部30が閉から開の状態となるように遮蔽扉4を付勢させる。図2に示された付勢部材6には、例えば、鋏みバネ等の周知のバネが適用される。
【0040】
回転減速部7は、付勢部材6により付勢された遮蔽扉4の回動を減速させる。回転減速部7としては、例えば、周知のロータリーダンパーが適用される。
【0041】
(連結具5)
一対の連結具5は、遮蔽扉4に対する外部からの押圧により遮蔽扉4の縁部40と台座部2とを連結及び脱離させる。図1に示されたように、一対の連結具5のうち、一方の連結具5は、図5に示された遮蔽扉4の縁部40の中央部における内面に具備され、他方の連結具5は、図3に示された台座部2の第三支持部25に支持されている。
【0042】
一対の連結具5としては、例えば、周知のプッシュ型のラッチ機構により互いに着脱が可能なものが適用される。
【0043】
尚、連結具5の操作性の向上のため、遮蔽扉4の縁部寄りの部位には、カメラカバー1の開閉操作を行う利用者により操作される開閉操作棒の押圧を受ける操作部42が具備される。操作部42は開閉操作棒の先端部との係合若しくは磁気接触により連結した状態で操作される。
【0044】
開閉操作棒に磁気接触方式が採用された場合、当該開閉操作棒に対応した収容部3、遮蔽扉4の態様としては、図5に示された収容部3、遮蔽扉4が挙げられる。
【0045】
同図の収容部3においては、頂上部31の開口部30(図1,2)に沿う中央部位に第一磁石部33が具備されている。第一磁石部33は、図6に例示された開閉操作棒8の先端付近の部位と磁気接触可能となっている。
【0046】
一方、図1,5に示されたように、遮蔽扉4の縁部40の中央部位には、カメラカバー1の閉操作時に開閉操作棒8の先端部の押圧を受ける受動部43が縁部40から外方方向に張り出して設けられている。
【0047】
(開閉操作棒8)
図6に例示された開閉操作棒8は、磁気接触方式の開閉操作具である。開閉操作棒8は操作本体部81及び操作金具82を備える。操作本体部81は利用者により操作される竿状の部材から成る。操作金具82は、操作本体部81の先端部に取り付けられる板状の鋼材から成り、収容部3の第一磁石部33と磁気接触可能となっている。
【0048】
操作金具82は、カメラカバー1の開操作時に遮蔽扉4の操作部42を押圧する一方でカメラカバー1の閉操作時に受動部43を押圧する先端部を有する。また、この先端部には、カメラカバー1の開操作時に遮蔽扉4の操作部42と当接してこの操作部42を押圧する押圧部位83が切り欠き形成されている。さらに、この操作金具82は、遮蔽扉4の操作時に第一磁石部33と対向しない面において、第一磁石部33と磁気的に反発する第二磁石部84を備える。
【0049】
(カメラカバー1の取り扱い例)
図1~4を参照しながらカメラカバー1の取り扱い例について説明する。ここでは、図4に示された室内の天井部10のコーナー部に配置された既存の監視カメラ11に適用されるカメラカバー1の取扱いについて説明する。
【0050】
カメラカバー1の取り付け手順の一例について説明する。
【0051】
先ず、図4に示された監視カメラ11が台座部2の開口部20の範囲に位置した状態で台座部2の周縁部21が固定ネジにより天井部10に取り付けられる。この取り付けの際には、前記固定ネジが、台座部2の取り付け孔27の円形孔271に挿通された状態で、天井部10に仮止めされる。次いで、台座部2を周方向に回転させて、台座部2の連結具5の位置が取り付け孔27の全長の範囲で適宜に調整される。次いで、前記固定ネジが締め付けられ、さらに、固定孔28に挿通された固定ネジが締め付けられることにより、台座部2が天井部10に完全固定される。そして、台座部2の位置決め突起部29と収容部3の位置決め孔32とを嵌め合わせると、台座部2の嵌め込み部22が収容部3に嵌り込み、監視カメラ11が収容部3に収められ、天井部10にカメラカバー1が取り付けられた状態となる。
【0052】
以下にカメラカバー1の開閉操作例1,2について説明する。
【0053】
(開閉操作例1)
図6の開閉操作棒8を用いてカメラカバー1を閉にする際には、同図(a)のように利用者による操作本体部81の操作により操作金具82をカメラカバー1の第一磁石部33と受動部43との間に介在させると、操作金具82は第一磁石部33と磁気接触する。これにより、カメラカバー1を開から閉にする際の遮蔽扉4に対する操作金具82が位置決めされる。次いで、操作本体部81の操作により操作金具82が遮蔽扉4の受動部43に宛がわれ、さらに、同図(b)のように操作金具82が天井部10に向けて押上げられると、受動部43は操作金具82の押圧を受けて遮蔽扉4の縁部40が矢印方向に回動して台座部2側に誘導される。そして、図1に示したように、遮蔽扉4側の連結具5が台座部2側の連結具5に当接すると、この両者の連結具5は連結し、収容部3の開口部30は遮蔽扉4により閉となり、監視カメラ11はカメラカバー1により遮蔽された状態となる。
【0054】
開閉操作棒8を用いないでカメラカバー1を開にする際には、遮蔽扉4の頂上部41若しくは操作部42を下方から押圧すると、遮蔽扉4側の連結具5と台座部2側の連結具5とが脱離する。このとき、図1に示された遮蔽扉4は付勢部材6によりAからBの方向に付勢されて収容部3に収容される。そして、この収容部3に収容された遮蔽扉4が制止部26により制止されると、収容部3の開口部30は開となり、監視カメラ11は開口部30から開放された状態となる。
【0055】
(開閉操作例2)
図6の開閉操作棒8を用いてカメラカバー1を閉にする際には、上述の開閉操作例1と同様の閉操作により、収容部3の開口部30が遮蔽扉4により閉となり、監視カメラ11がカメラカバー1により遮蔽される。
【0056】
開閉操作棒8を用いてカメラカバー1を開にする際には、先ず、図6(c)に示したように、操作本体部81の操作により操作金具82の押圧部位83が遮蔽扉4の操作部42に宛がわれる。次いで、この操作部42が同図(d)に示された矢印方向の操作金具82の押圧を受けると、台座部2側の連結具5から遮蔽扉4側の連結具5が脱離する。このとき、図1に示された遮蔽扉4は、付勢部材6によりAからBの方向に付勢されて収容部3に収容され、制止部26により制止する。これにより、収容部3の開口部30は開となり、監視カメラ11は開口部30から開放された状態となる。
【0057】
(本実施形態の効果)
カメラカバー1において、台座部2は監視カメラ11を囲んだ状態で天井部10に取り付け自在であるので、既存の監視カメラ11に対して適用が可能となる。また、収容部3は、台座部2に取り付けられた状態で監視カメラ11を開放可能に収容する。さらに、遮蔽扉4は収容部3に収容可能であると共に台座部2にて回動可能に支持されているので、収容部3の開口部30から監視カメラ11を開放可能に遮蔽する。特に、収容部3の開口部30が遮蔽扉4により閉の状態となっているとき、利用者は監視カメラ11が遮蔽扉4により遮蔽されていることを目視により確認できる。さらに、一対の連結具5は遮蔽扉4の下方からの押圧により遮蔽扉4と台座部2との連結及び脱離が可能であるので、電気的な制御を要することなく、遮蔽扉4の操作を容易に行える。
【0058】
したがって、本態様のカメラカバー1によれば、監視カメラ11の利用者のニーズに応じて低コスト且つ取り扱い性を向上させながら、監視カメラ11の遮蔽をいつでも任意に行える。よって、監視カメラ11の利用者のストレス及び経済的な負担の軽減が図られる。
【0059】
また、収容部3の開口部30が閉から開の状態となるように付勢部材6により付勢された遮蔽扉4は、回転減速部7により減速制御された状態で回動するので、遮蔽扉4の静粛及び円滑な動作が可能となる。
【0060】
さらに、収容部3には、台座部2の位置決め突起部29と嵌り合う位置決め孔32が形成されているので、台座部2に対する収容部3の位置決めが容易となり、カメラカバー1の取り付け作業性が向上する。
【0061】
そして、遮蔽扉4の頂上部41は、略水平に形成されているので、遮蔽扉4の下方からの押圧を受け易くなり、遮蔽扉4の開操作を効率的に行える。
【0062】
また、台座部2の周縁部21において、取り付け孔27が形成されたことにより、収容部3の開口部30の方向をカメラカバー1の周方向に調整できるので、カメラカバー1の開口方向を任意に設定できる。
【0063】
さらに、台座部2の周縁部21には、付勢部材6により付勢された遮蔽扉4は制止部26に当接支持されるので、カメラカバー1が開の状態となった場合に遮蔽扉4は収容部3に安定支持される。
【0064】
そして、遮蔽扉4においては、監視カメラ11を遮蔽から開放の状態にする際(遮蔽扉4を開操作する際)に、操作部42は遮蔽扉4の下方から押圧を受けることできるので、カメラカバー1を開にする際の作業性が向上する。
【0065】
また、遮蔽扉4の縁部においては、監視カメラ11を開放から遮蔽の状態にする際(遮蔽扉4を閉操作する際)に、受動部43は遮蔽扉4の下方から開閉操作棒8の押圧を受けることができるので、カメラカバー1を閉にする際の作業性が向上する。
【0066】
さらに、収容部3の頂上部31においては、前記遮蔽の状態にする際に供される開閉操作棒8が第一磁石部33と磁気接触可能となるので、カメラカバー1を開から閉にする際の遮蔽扉4に対する操作金具82の位置決めが容易となる。
【0067】
また、図6(a)のようにカメラカバー1の操作時に第一磁石部33と対向しない操作金具82の面には第一磁石部33と磁気的に反発する第二磁石部84が配置されているので、第一磁石部33と受動部43との間への操作金具82の誤挿入が防止される。
【0068】
そして、操作金具82の先端部においては、押圧部位83が操作部42に当接可能であるので、カメラカバー1を開にする際の操作金具82の操作性が安定する。
【0069】
尚、操作部42は、操作金具82と磁気接触可能な磁石から成ると、操作金具82が操作部42に当接し易くなるので、開閉操作棒8によるカメラカバー1の開操作性がさらに向上する。
【0070】
(本発明の他の態様例)
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲内で様々な態様で実施が可能である。すなわち、本発明のカメラカバーの遮蔽扉は、外部からの押圧により監視カメラの遮蔽及び開放が可能であればよい。したがって、本発明は、上述の図1~3の態様に限定することなく、他の態様として、例えば、遮蔽扉4が収容部3の周方向の押圧を受けて収容部3に収容可能に監視カメラ11を開放及び遮蔽する態様が挙げられ、この態様も本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0071】
1…カメラカバー
2…台座部、20…開口部、21…周縁部、22…嵌めこみ部、23…一対の第一支持部、24…第二支持部、25…第三支持部、26…制止部、27…取り付け孔、28…固定孔、29…位置決め突起部
3…収容部、30…開口部、31…頂上部、32…位置決め孔、33…第一磁気部
4…遮蔽扉、40…縁部、41…頂上部、42…操作部、43…受動部
5…一対の連結具
6…付勢部材
7…回転減速部
8…開閉操作棒、81…操作本体部、82…操作金具、83…押圧部位、84…第二磁気部
10…天井部
11…監視カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6