(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置及び測定方法
(51)【国際特許分類】
E02D 1/00 20060101AFI20230106BHJP
G01N 3/08 20060101ALI20230106BHJP
【FI】
E02D1/00
G01N3/08
(21)【出願番号】P 2022178454
(22)【出願日】2022-11-07
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】202210823180.8
(32)【優先日】2022-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520448452
【氏名又は名称】浙大城市学院
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】胡 成宝
(72)【発明者】
【氏名】李 冰
(72)【発明者】
【氏名】魏 綱
(72)【発明者】
【氏名】張 遠見
(72)【発明者】
【氏名】賽 育良
(72)【発明者】
【氏名】范 暁真
(72)【発明者】
【氏名】余 剣英
(72)【発明者】
【氏名】尹 ▲しん▼晟
(72)【発明者】
【氏名】薛 恵心
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206960258(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第101975687(CN,A)
【文献】中国実用新案第215004723(CN,U)
【文献】特開2003-139673(JP,A)
【文献】特開2013-238445(JP,A)
【文献】特開2019-191022(JP,A)
【文献】特開昭62-266461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 1/00
G01N 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置であって、ブラケットと、移動ビームと、巻上げ機構と、円筒装置と、プーリアセンブリと、原土と、スクリューアンカーと、けん引ロープと、力測定装置とを含み、前記移動ビームは、前記ブラケットに取り付けられ、且つ前記ブラケットに対して第一の水平方向に沿って移動可能であり、前記巻上げ機構は、前記移動ビームに取り付けられ、且つ前記移動ビームに対して前記第一の水平方向に垂直な第二の水平方向に沿って移動可能であり、前記円筒装置は、両端が開口された円筒を含み、前記円筒の前記巻上げ機構に面する側に縦方向スリットが設けられ、前記プーリアセンブリは、縦方向スリットに対応して前記円筒の側壁に取り付けられ、且つ円筒に対して鉛直方向に移動可能であり、前記プーリアセンブリは、固定プーリを含み、前記原土は、前記円筒内に充填され、且つ前記原土の頂部は、傾斜状で設置され、原土の頂部は、少なくとも一つの傾斜面からなり、前記スクリューアンカーは、前記原土に埋設され、前記けん引ロープの一方端は、前記巻上げ機構に接続され、他方端は、前記円筒の頂部開口を貫通して前記スクリューアンカーに直接接続され、又は、前記固定プーリを迂回して前記縦方向スリットを貫通した後に、前記スクリューアンカーに接続され、前記スクリューアンカーの前記けん引ロープに近い部分の中心軸線は、前記スクリューアンカーの横断面中心と同一の直線に位置し、前記力測定装置は、前記けん引ロープに取り付けられ、
前記巻上げ機構は、巻上げ磁力部材を介して前記移動ビームに吸着固定され、前記移動ビームの長さ延在方向は、前記第二の水平方向であり、
前記移動ビームの両端は、ビーム磁力部材を介して前記ブラケットに吸着固定され、
前記円筒装置は、前記円筒の下方に設けられたシャーシをさらに含み、前記シャーシの頂部に位置決め溝が設けられ、前記円筒の底端は、前記位置決め溝内に回転可能に設けられる、ことを特徴とする海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置を用いた、海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定方法であって、前記円筒内に充填された前記原土の頂部は、少なくとも一つの傾斜面からなり、この測定方法は、
ブラケットを組み立て、且つ前記ブラケットを試験サイトに取り付けるステップS10と、
移動ビームを前記ブラケットに取り付け、そして巻上げ機構を前記移動ビームに取り付けるステップS20と、
スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点O
1を原点とし、三次元空間幾何座標系O
1-XYZを確立し、ここで、三次元空間幾何座標系O
1-XYZのX軸方向は、巻上げ機構が移動可能な第二の水平方向に平行であり、Y軸方向は、移動ビームが移動可能な第一の水平方向に平行であり、Z軸方向は、円筒の中心軸線に平行であり、前記スクリューアンカーとZ軸とのなす角γ、前記スクリューアンカーのXO
1Y平面での投影とX軸とのなす角α、前記スクリューアンカーが前記けん引ロープに接続された接続点O
1の、X軸方向に沿って前記円筒の内側面から離れた事前埋設水平距離t
sb、前記スクリューアンカーの事前埋設深さh
4、前記スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点の、Z軸方向に沿う対応する原土の厚さh
3、前記原土
の頂部の傾斜角度βを決定し、且つ前記円筒の厚さt
b、前記固定プーリの中心から前記円筒の外側面までの水平距離t
bc、前記固定プーリの半径R、前記円筒の上縁から前記巻上げ機構までの縦方向距離h1、前記円筒の高さh
2、及び前記固定プーリの幾何中心から前記円筒の上縁の縦方向距離hcを測定するステップS30と、
縦方向スリットが開設され及びプーリアセンブリが取り付けられた前記円筒装置を予め決定された試験サイト位置に置くステップS40であって、前記円筒装置の前記円筒が透明材料で製造されるステップS40と、
前記けん引ロープが前記固定プーリを迂回するか否かの臨界角度γ′を計算するステップS50であって、γ′の計算式は、
予め決定されたγと計算された臨界角度γ′とを比較し、前記けん引ロープが前記固定プーリを迂回する必要があるか否かを決定するステップS60と、
前記けん引ロープが前記固定プーリを迂回する必要がある場合、予め決定されたα及びγに基づいて、巻上げ機構の、スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点O
1に対する位置、及び固定プーリのZ軸方向に沿う前記円筒での位置を計算し、計算された位置データに基づいて前記巻上げ機構及び前記固定プーリの位置を調整し、それに応じて前記円筒を回転させて、前記縦方向スリットを前記巻上げ機構に向かせ、前記けん引ロープが前記固定プーリを迂回する必要がない場合、予め決定されたα及びγに基づいて、前記巻上げ機構の、前記スクリューアンカーが前記けん引ロープに接続された接続点O
1に対する空間相対座標位置を計算し、得られた位置データに基づいて前記巻上げ機構の位置を調整すればよいステップS70と、
予め決定されたγと臨界角度γ′との比較結果に基づいて、前記けん引ロープを前記巻上げ機構から引いて前記固定プーリを迂回した後に、前記スクリューアンカーに接続し、又は、前記けん引ロープを前記巻上げ機構から引いて前記固定プーリを迂回せず前記スクリューアンカーに直接接続し、且つ前記けん引ロープに力測定装置を取り付けるステップS80と、
原土を前記円筒内に均一に充填し、前記原土の充填高さ位置が前記スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点O
1の事前埋設深さh
4の位置と面一となる時、前記スクリューアンカーが前記けん引ロープに接続された接続点O
1の、X軸方向に沿って前記円筒の内側面から離れた事前埋設水平距離t
sbに基づいて、前記原土の表層において前記スクリューアンカーの挿入点を決定し、前記スクリューアンカーを挿入点から前記原土内に挿入し、そして前記原土の厚さが所望の厚さに達するまで、原土の充填を継続するステップS90と、
前記原土の頂部を単一傾斜状に配置し、且つ予め決定された傾斜角度βに基づいて前記原土
の頂部の傾斜度を調整するステップS100と、
前記巻上げ機構を起動して試験を行い、前記力測定装置により前記けん引ロープによる前記スクリューアンカーに対する引抜抵抗力を読み出し、同時に前記原土の変化を観測するステップS110と、を含む、ことを特徴とする海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定方法。
【請求項3】
ステップS110の後に、試験過程において、前記スクリューアンカーとZ軸とのなす角γ、及び前記スクリューアンカーのXO
1Y平面での投影とX軸とのなす角αを試験の必要に応じて変更する必要がある場合、前記円筒内の元の原土を除去し、変更後のγに基づいて、前記けん引ロープが前記固定プーリを迂回するか否か状態を修正し、そして修正後のαとγ、再決定されたt
sb、h
4、h
3、β、及びステップS30で測定されたt
b、t
bc、R、h
1、h
2、h
cに基づいて、ステップ50及びステップ50後のステップを実行し、新たなテストを行うステップS120をさらに含む、ことを特徴とする請求項2に記載の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定方法。
【請求項4】
ステップS60では、
0<γ<γ′の場合、前記けん引ロープは、前記固定プーリを迂回する必要がなく、前記固定プーリの前記円筒での位置は、任意であり、
γ′≦γ≦90°の場合、前記けん引ロープは、前記固定プーリを迂回する必要があり、前記円筒でのZ軸方向に沿う前記固定プーリの位置を角度γの大きさに応じて調整する、ことを特徴とする請求項2に記載の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定方法。
【請求項5】
ステップS70では、前記巻上げ機構の、三次元空間座標系O
1-XYZ内における前記スクリューアンカーが前記けん引ロープに接続された接続点O
1に対する空間相対位置座標を計算し、具体的には、
前記巻上げ機構を点Oに簡略化し、
γ′≦γ≦90°の場合、前記固定プーリの幾何中心から前記円筒の上縁までの縦方向距離は、
前記スクリューアンカーが前記けん引ロープに接続された接続点O
1から前記固定プーリの接点までの前記けん引ロープの長さは、
前記固定プーリの接点から前記巻上げ機構までの前記けん引ロープの長さは、
【請求項6】
ステップS90の前に、測定して得られた前記円筒の内径R
1、及び実験前に決定された、スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点O
1の、X軸方向に沿って前記円筒の内側面から離れた事前埋設水平距離t
sb、前記原土の頂部傾斜角度β、前記スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点O
1に対応するZ軸方向での原土の厚さh
3に合わせて、前記原土の頂部の最高点及び最低点のそれぞれに対応するZ軸方向での原土の厚さを計算するステップをさらに含み、
ステップS90では、前記原土の所望の厚さを計算された前記原土の頂部の最高点に対応するZ軸方向での原土の厚さ以上とする必要があり、
ステップS100では、算出された前記原土の頂部の最高点及び最低点のそれぞれに対応するZ軸方向での原土の厚さに基づいて、前記原土の頂部が傾斜角度がβの単一の傾斜面になるまで、前記原土の頂端を削る、ことを特徴とする請求項2に記載の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカープレート試験分野、特に海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中国は、海洋大国であり、海洋面積は陸地総面積の約3分の1を占め、広い海域面積は安全、経済、環境保護などの面で大きな価値を秘めている。現在、多くの海洋工事、例えば、海洋プラットフォーム、海底管トンネル、ケーブルなどは、海洋への配置を加速している。これらの工事は、広くアンカープレート基礎、杭基礎を用いて上部構造をアンカー固定する。現在、各種の形式及び異なるアプリケーションシナリオの杭基礎について多くの研究が行われているが、アンカープレートという比較的新しい基礎形式に対する研究はまだ珍しい。
【0003】
引抜抵抗力を提供する基礎として、アンカープレートの幾何形状は、引抜抵抗力の発揮及びその引抜抵抗故障モードに対して重要な影響を持っている。比較的典型的なアンカープレート基礎は、主に棒状アンカープレート、四角形アンカープレート、円形アンカープレート及びスクリュー形アンカープレートがある。複雑な海洋環境の作用に抵抗するために、現在、吸引力アンカー、貫入アンカー、垂直荷重アンカーなどの海洋工事でよく使われる新型アンカープレート基礎を発展させている。これらの新型アンカープレート構造は、スクリューアンカーから継承され、引抜抵抗荷重特性は、スクリューアンカーに比較的に近い。そのため、スクリューアンカー基礎を採用して室内モデル試験を展開することは、異なる条件での海洋アンカープレート基礎の引抜抵抗力をテストし、且つこれに基づきアンカープレートの引抜抵抗荷重特性を分析する実行可能な方式となっている。それとともに、海洋アンカープレートの引抜抵抗耐荷力の発揮は、それがある海洋地質環境と密接に関連している。大量の海洋探査の結果によれば、海洋底部の基床は全体的に起伏のあるスロープ及び谷の形態であり、且つ下部地層の分布が複雑であることが示される。海洋スロープサイトの応力状態の違いにより、異なる方向の引抜力の作用での同じアンカープレートの引抜抵抗耐荷力の大きさと故障モードと一般的に異なる。明らかに、平面仮定に基づく水平サイトアンカープレートの引抜抵抗試験は、上記海底スロープサイトのアンカープレート基礎には適用されない。そのため、海底スロープサイトアンカープレート基礎の引抜抵抗荷重特性の三次元テスト装置を開発して、複雑な海底スロープサイト条件でのスクリューアンカーの異なる引抜角度での引抜特性及びその発揮メカニズムを研究する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
従来の技術課題について、本発明は、空間内の海底スロープサイトにおけるスクリューアンカーのいずれかの空間角度での引抜を模擬でき、それによってスクリューアンカーの異なる引抜空間角度での海底スロープサイトに対する土層破壊モード及びスクリューアンカーの引抜抵抗耐荷力の発揮メカニズムを明らかにする、海底スロープサイトアンカープレート基礎を模擬する引抜抵抗力の測定装置及び測定方法を提供する。
【0005】
上記発明の目的を実現するために、本発明は、下記技術案を採用する。
【0006】
海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置であって、ブラケットと、移動ビームと、巻上げ機構と、円筒装置と、プーリアセンブリと、原土と、スクリューアンカーと、けん引ロープと、力測定装置とを含み、前記移動ビームは、前記ブラケットに取り付けられ、且つ前記ブラケットに対して第一の水平方向に沿って移動可能であり、前記巻上げ機構は、前記移動ビームに取り付けられ、且つ前記移動ビームに対して前記第一の水平方向に垂直な第二の水平方向に沿って移動可能であり、前記円筒装置は、両端が開口された円筒を含み、前記円筒の前記巻上げ機構に面する側に縦方向スリットが設けられ、前記プーリアセンブリは、縦方向スリットに対応して前記円筒側壁に取り付けられ、且つ円筒に対して鉛直方向に移動可能であり、前記プーリアセンブリは、固定プーリを含み、前記原土は、前記円筒内に充填され、前記原土の頂部は、傾斜状で設置され、前記スクリューアンカーは、前記原土に埋設され、前記けん引ロープの一方端は、前記巻上げ機構に接続され、他方端は、前記円筒の頂部開口を貫通して前記スクリューアンカーに直接接続され、又は、前記固定プーリを迂回して前記縦方向スリットを貫通した後に、前記スクリューアンカーに接続され、前記スクリューアンカーの前記けん引ロープに近い部分の中心軸線は、前記スクリューアンカーの横断面の中心点と同一の直線に位置し、前記力測定装置は、前記けん引ロープに取り付けられる。
【0007】
ここで一実施例では、前記巻上げ機構は、巻上げ磁力部材を介して前記移動ビームに吸着固定され、前記移動ビームの長さ延在方向は、前記第二の水平方向である。
【0008】
ここで一実施例では、前記移動ビームの両端は、ビーム磁力部材を介して前記ブラケットに吸着固定される。
【0009】
ここで一実施例では、前記円筒装置は、前記円筒の下方に設けられたシャーシをさらに含み、前記シャーシの頂部に位置決め溝が設けられ、前記円筒の底端は、前記位置決め溝内に回転可能に設けられる。
【0010】
本発明の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置の有益な効果は、以下のとおりである。本発明の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置は、両端が開口された底なし円筒を含む円筒装置を設置し、スクリューアンカーを円筒に置かれた原土内に埋設し、且つ原土の頂部が少なくとも一つの傾斜面からなるように設置し、けん引ロープを介して巻上げ機構とスクリューアンカーを接続し、試験時、巻上げ機構がけん引ロープを巻き取ることで、円筒内に埋められたスクリューアンカーに引抜力を加えることで、空間内の海底スロープサイト環境におけるスクリューアンカーに対する引抜模擬を実現することができ、ブラケットに移動ビームを取り付け、移動ビームに巻上げ機構を取り付け、移動ビームがブラケットに対して第一の水平方向に沿って移動可能であり、巻上げ機構が移動ビームに対して第一の水平方向に垂直な第二の水平方向に沿って移動可能であるように設置し、且つ円筒の側壁に縦方向スリットを設置し、プーリアセンブリを取り付け、プーリアセンブリが円筒に対して鉛直方向に移動可能であるように設置し、試験時、試験の必要に応じて、選択的に第一の水平方向に沿って巻上げ機構の位置を変更し、第二の水平方向に沿って巻上げ機構の位置を変更し、鉛直方向に沿ってプーリアセンブリの位置を変更し、円筒を回転させることで、スクリューアンカーの空間引抜角度を変更することができる。したがって、本発明の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置は、空間内の海底スロープサイトにおけるスクリューアンカーのいずれかの空間角度での引抜試験を模擬でき、それによってスクリューアンカーの異なる空間角度の引抜での海底スロープサイトに対する土層破壊モード及びスクリューアンカーの引抜抵抗耐荷力の発揮メカニズムを明らかにする、スクリューアンカーの工事設計及び施工を指導する目的を達成する。
【0011】
また、本発明の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置は、構造が簡単であり、且つ試験の必要に応じてスクリューアンカーの空間引抜角度を柔軟に設置でき、試験コストを節約するだけではなく、スクリューアンカーの限界引抜抵抗耐荷力、引抜故障メカニズム及びその変化規則をより正確に取得することができる。
【0012】
海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定方法であって、以上に記載の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置に基づくものであり、前記海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置の原土の頂部は、少なくとも一つの傾斜面からなり、この測定方法は、
ブラケットを組み立て、且つ前記ブラケットを試験サイトに取り付けるステップS10と、
移動ビームを前記ブラケットに取り付け、そして巻上げ機構を前記移動ビームに取り付けるステップS20と、
スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点O
1を原点とし、三次元空間幾何座標系O
1-XYZを確立し、ここで、三次元空間幾何座標系O
1-XYZのX軸方向は、巻上げ機構が移動可能な第二の水平方向に平行であり、Y軸方向は、移動ビームが移動可能な第一の水平方向に平行であり、Z軸方向は、円筒の中心軸線に平行であり、前記スクリューアンカーとZ軸とのなす角γ、前記スクリューアンカーのXO
1Y平面での投影とX軸とのなす角α、前記スクリューアンカーが前記けん引ロープに接続された接続点O
1の、X軸方向に沿って前記円筒の内側面から離れた事前埋設水平距離t
sb、前記スクリューアンカーの事前埋設深さh
4、前記スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点の、Z軸方向に沿う対応する原土の厚さh
3、前記原土頂部の傾斜角度βを決定し、且つ前記円筒の厚さt
b、前記固定プーリの中心から前記円筒の外側面までの水平距離t
bc、前記固定プーリの半径R、前記円筒の上縁から前記巻上げ機構までの縦方向距離h1、前記円筒の高さh
2、及び前記固定プーリの幾何中心から前記円筒の上縁の縦方向距離hcを測定するステップS30と、
縦方向スリットが開設され及びプーリアセンブリが取り付けられた前記円筒装置を予め決定された試験サイト位置に置くステップS40であって、前記円筒装置の前記円筒が透明材料で製造されるステップS40と、
前記けん引ロープが前記固定プーリを迂回するか否かの臨界角度γ′を計算するステップS50であって、γ′の計算式は、
予め決定されたγと計算された臨界角度γ′とを比較し、前記けん引ロープが前記固定プーリを迂回する必要があるか否かを決定するステップS60と、
前記けん引ロープが前記固定プーリを迂回する必要がある場合、予め決定されたα及びγに基づいて、巻上げ機構の、スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点O
1に対する位置、及び固定プーリのZ軸方向に沿う前記円筒での位置を計算し、計算された位置データに基づいて前記巻上げ機構及び前記固定プーリの位置を調整し、それに応じて前記円筒を回転させて、前記縦方向スリットを前記巻上げ機構に向かせ、前記けん引ロープが前記固定プーリを迂回する必要がない場合、予め決定されたα及びγに基づいて、前記巻上げ機構の、前記スクリューアンカーが前記けん引ロープに接続された接続点O
1に対する空間相対座標位置を計算し、得られた位置データに基づいて前記巻上げ機構の位置を調整すればよいステップS70と、
予め決定されたγと臨界角度γ′との比較結果に基づいて、前記けん引ロープを前記巻上げ機構から引いて前記固定プーリを迂回した後に、前記スクリューアンカーに接続し、又は、前記けん引ロープを前記巻上げ機構から引いて前記固定プーリを迂回せず前記スクリューアンカーに直接接続し、且つ前記けん引ロープに力測定装置を取り付けるステップS80と、
原土を前記円筒内に均一に充填し、前記原土の充填高さ位置が前記スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点O
1の事前埋設深さh
4の位置と面一となる時、前記スクリューアンカーが前記けん引ロープに接続された接続点O
1の、X軸方向に沿って前記円筒の内側面から離れた事前埋設水平距離t
sbに基づいて、前記原土の表層において前記スクリューアンカーの挿入点を決定し、予め決定されたαとγに基づいて、前記スクリューアンカーを挿入点から前記原土内に挿入し、そして前記原土の厚さが所望の厚さに達するまで、原土の充填を継続するステップS90と、
前記原土の頂部を単一傾斜状に配置し、且つ予め決定された傾斜角度βに基づいて前記原土頂部の傾斜度を調整するステップS100と、
前記巻上げ機構を起動して試験を行い、前記力測定装置により前記けん引ロープによる前記スクリューアンカーに対する引抜抵抗力を読み出し、同時に前記原土の変化を観測するステップS110と、を含む。
【0013】
ここで一実施例では、ステップS110の後に、試験過程において、前記スクリューアンカーとZ軸とのなす角γ、及び前記スクリューアンカーのXO1Y平面での投影とX軸とのなす角αを試験の必要に応じて変更する必要がある場合、前記円筒内の元の原土を除去し、変更後のγに基づいて、前記けん引ロープが前記固定プーリを迂回するか否か状態を修正し、そして修正後のαとγ、再決定されたtsb、h4、h3、β、及びステップS30で測定されたtb、tbc、R、h1、h2、hcに基づいて、ステップ50及びステップ50後のステップを実行し、新たなテストを行うステップS120をさらに含む。
【0014】
ここで一実施例では、ステップS60では、
0<γ<γ′の場合、前記けん引ロープは、前記固定プーリを迂回する必要がなく、前記固定プーリの前記円筒での位置は、任意であり、
γ′≦γ≦90°の場合、前記けん引ロープは、前記固定プーリを迂回する必要があり、前記円筒でのZ軸方向に沿う前記固定プーリの位置を角度γの大きさに応じて調整する。
【0015】
ここで一実施例では、ステップS70では、前記巻上げ機構の、三次元空間座標系O
1-XYZ内における前記スクリューアンカーが前記けん引ロープに接続された接続点O
1に対する空間相対位置座標を計算し、具体的には、
前記巻上げ機構を点Oに簡略化し、
γ′≦γ≦90°の場合、前記固定プーリの幾何中心から前記円筒の上縁までの縦方向距離は、
前記スクリューアンカーが前記けん引ロープに接続された接続点O
1から前記固定プーリの接点までの前記けん引ロープの長さは、
前記固定プーリの接点から前記巻上げ機構までの前記けん引ロープの長さは、
【0016】
ここで一実施例では、ステップS90の前に、測定して得られた前記円筒の内径R1、及び実験前に決定された、スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点O1の、X軸方向に沿って前記円筒の内側面から離れた事前埋設水平距離tsb、前記原土の頂部傾斜角度β、前記スクリューアンカーがけん引ロープに接続された接続点O1に対応するZ軸方向での原土の厚さh3に合わせて、前記原土の頂部の最高点及び最低点のそれぞれに対応するZ軸方向での原土の厚さを計算するステップをさらに含み、
ステップS90では、前記原土の所望の厚さを計算された前記原土の頂部の最高点に対応するZ軸方向での原土の厚さ以上とする必要があり、
ステップS100では、算出された前記原土の頂部の最高点及び最低点のそれぞれに対応するZ軸方向での原土の厚さに基づいて、前記原土の頂部が傾斜角度がβの単一の傾斜面になるまで、前記原土の頂端を削る。
【0017】
本発明に記載の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定方法の有益な効果は、以下のとおりである。本発明に記載の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定方法は、以上に記載の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置を採用することで、海底スロープサイトにおける異なる空間引抜角度でのスクリューアンカーによる原土に対する破壊モード及び引抜抵抗耐荷力発揮メカニズムを開示することで、スクリューアンカーの工事設計を指導する目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、図面及び実施例を結び付けながら本発明についてさらに説明する。
【
図1】本発明の一実施例に示す海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置から第一のカメラ、第二のカメラ、レーザー変位センサを除去した後の斜視構造概略図である。
【
図4】円筒、第一のカメラ、第二のカメラ及びレーザー変位センサからなる組立体の平面図である。
【
図5】本発明の一実施例による海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置の、スクリューアンカーに接続されたけん引ロープ部分とZ軸とのなす角がγ′<γ<90°にある時の部分概略図である。
【
図6】本発明の一実施例による海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置の、スクリューアンカーに接続されたけん引ロープ部分とZ軸とのなす角がγ′=γにある時の部分概略図である。
【
図7】本発明の一実施例による海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置の、スクリューアンカーに接続されたけん引ロープ部分とZ軸とのなす角がγ=90°にある時の部分概略図である。
【
図8】本発明の一実施例による海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置の、スクリューアンカーに接続されたけん引ロープ部分とZ軸とのなす角が0<γ<γ′にある時の部分概略図である。
【
図9】本発明の一実施例による海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置の、スクリューアンカーに接続されたけん引ロープ部分とZ軸とのなす角がγ=0にある時の部分概略図である。
【
図10】
図1の円筒、原土、スクリューアンカー、プーリ装置からなる組立体の構造概略図である。
【
図11】円筒、原土、スクリューアンカー、プーリ装置からなる組立体の他の実施例での構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施例1、
図1~
図11を参照すると、本発明の一実施例による海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置であり、ブラケット1と、移動ビーム21と、巻上げ機構31と、円筒装置4と、プーリアセンブリ5と、原土6と、スクリューアンカー7と、けん引ロープ8と、力測定装置9とを含み、移動ビーム21は、ブラケット1に取り付けられ、且つブラケット1に対して第一の水平方向に沿って移動して取り付け位置を変更することができ、巻上げ機構31は、移動ビーム21に取り付けられ、且つ第二の水平方向に沿って移動して取り付け位置を変更することができ、第二の水平方向は、第一の水平方向に垂直であり、円筒装置4は、両端が開口された円筒41を含み、円筒41の巻上げ機構31に面する側に縦方向スリット411が設けられ、プーリアセンブリ5は、縦方向スリット411に対応して円筒41の側壁に取り付けられ、且つ円筒41に対して鉛直方向に移動して、プーリアセンブリ5の円筒41での取り付け位置を変更することができ、プーリアセンブリ5は、固定プーリ51を含み、固定プーリ51の中心線は、縦方向スリット411の延在方向に垂直であり、原土6は、円筒41内に充填され、原土6の頂部は、傾斜状で設置され、スクリューアンカー7は、原土6に埋設され、けん引ロープ8の一方端は、巻上げ機構31に接続され、他方端は、円筒41の頂部開口を貫通してスクリューアンカー7に直接接続され、又は、固定プーリ51を迂回して縦方向スリット411を貫通した後に、スクリューアンカー7に接続され、スクリューアンカー7のけん引ロープ8部分に近い中心軸線は、スクリューアンカー7の横断面中心点と同一の直線に位置し、つまりスクリューアンカー7に近いけん引ロープ8部分は、スクリューアンカー7と同軸線に設置され、力測定装置9は、けん引ロープ8に取り付けられる。
【0020】
試験時、巻上げ機構31は、けん引ロープ8を巻き取ることで円筒装置4内に埋設されたスクリューアンカー7を引き上げ、試験の目的を達成し、試験過程において、スクリューアンカー7は、けん引ロープ8により加えられた引抜力を原土6に分散させる。
【0021】
図1に示すように、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された点O
1を原点としてO
1-XYZ三次元空間幾何座標系を確立し、第一の水平方向をY軸方向と、第二の水平方向をX軸方向と設定し、スクリューアンカー7とZ軸とのなす角をγと、スクリューアンカー7のXO
1Y平面での投影とX軸とのなす角をαと設定し、α及びγをスクリューアンカー7の空間引抜角度と呼ぶ。
図6に示すように、接続巻上げ機構31がスクリューアンカー7のけん引ロープ8と直線状態となり、且つ固定プーリ51に接する状態となるようにγを調節すると、この時、スクリューアンカーとZ軸とのなす角γは、=γ′であり、この角度値γは、けん引ロープ8が固定プーリ51を迂回する必要があるか否かを決定する近接角度値である。0<γ<γ′の場合、
図8及び
図9に示すように、けん引ロープ8が固定プーリ51を迂回する必要がなく、この時、角度γが比較的に小さく、けん引ロープ8が円筒41の上縁に接触することないため、固定プーリ51を迂回する必要がなく、γ′≦γ≦90°の場合、
図5~
図7に示すように、けん引ロープ8が固定プーリ51を迂回する必要があり、この時、角度γが比較的に大きく、固定プーリ51を使用せず、けん引ロープ8が円筒41の側壁に接触し、接触後、円筒41は、けん引ロープ8に対して比較的に大きい抵抗を発生させ、この抵抗が引抜試験のテスト精度に影響を与えるため、固定プーリ51を使用する必要があり、この角度範囲内において、角度を変更する必要がある場合、Z軸方向に沿って円筒41での固定プーリ51の位置を調整すれば、実現することができる。したがって、試験時、プーリアセンブリ5と円筒41の側壁における縦方向スリット411を組み合わせることで、α及びγの0°-90°範囲内のいずれか一つの角度でスクリューアンカー7を引抜することを実現することができる。
【0022】
試験時、本発明は、スクリューアンカー7に対して異なる空間引抜角度の引抜試験を行うことができ、引抜角度α及びγの少なくとも一つが変わり、且つけん引ロープ8が固定プーリ51を迂回しない場合、α及びγに基づいて、三次元空間座標系O1-XYZにおける巻上げ機構の、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O1に対する相対座標位置を計算し、得られた位置データに基づいて巻上げ機構の位置を調整することで、スクリューアンカー7の空間引抜角度が必要な角度に達することを実現することができる。
【0023】
引抜角度α及びγの少なくとも一つが変わり、且つけん引ロープ8が固定プーリ51を迂回する場合、α及びγに基づいて、三次元空間座標系O1-XYZ内における巻上げ機構の、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O1に対する位置、及び円筒41での、固定プーリ51のZ軸方向に沿う位置を計算し、計算された位置データに基づいて巻上げ機構及び固定プーリ51の位置を調整し、それに応じて、円筒41を回転させることで、円筒41の縦方向スリット411を巻上げ機構に向かせ、スクリューアンカー7の空間引抜角度が必要な角度に達することを実現することができる。
【0024】
本実施例では、巻上げ機構31は、巻上げ磁力部材32を介して移動ビーム21に吸着固定される。巻上げ磁力部材32は、試験の必要に応じて、第二の水平方向に沿って移動ビーム21での巻上げ機構31の取り付け位置を替えることができる。ここで第二の水平方向は、移動ビーム21の長さ延在方向である。さらに、移動ビーム21にビーム摺動レール211が設けられ、ビーム摺動レール211は、第二の水平方向に沿って延在し、巻上げ磁力部材32は、ビーム摺動レール211と滑合する。ビーム摺動レール211の設置により、巻上げ機構31が第二の水平方向に沿って移動して位置を変更する時、ガイドの役割を果たすことを確保し、巻上げ機構31がZ軸方向に沿って変位して試験結果に影響を与えることを回避することができる。
【0025】
巻上げ磁力部材32は、磁石又は電磁石である。無論、第二の水平方向に沿って移動ビーム21での巻上げ機構31の取り付け位置を変更することを実現する構造は、巻上げ磁力部材32に限らない。他の実施例では、さらに長孔とボルトの嵌合方式により実現されてもよく、即ち第二の水平方向に沿って延在した長孔を移動ビーム21に設置し、そして巻上げ機構31を長孔とボルトの嵌合方式により移動ビーム21に固定する。
【0026】
移動ビーム21の両端は、ビーム磁力部材22を介してブラケット1に吸着固定される。ビーム磁力部材22の設置により、試験の必要に応じて、第一の水平方向に沿ってブラケット1での巻上げ機構31の取り付け位置を容易に変更することができる。ビーム磁力部材22は、磁石又は電磁石である。
【0027】
具体的には、ブラケット1は、レール縦ビーム11と支持アセンブリ14とを含み、レール縦ビーム11の数は、二本であり、二本のレール縦ビーム11は、平行で対称的に設置され、支持アセンブリ14の数は、二つであり、二つの支持アセンブリ14は、レール縦ビーム11の下方に位置し、且ついずれも二つのレール縦ビーム11に接続され、二つの支持レバー16は、それぞれレール縦ビーム11の両端に対応して設置され、移動ビーム21の両端は、ビーム磁力部材22を介して二つのレール縦ビーム11に吸着固定され、ここで、第一の水平方向は、レール縦ビーム11の長さ延在方向である。
【0028】
さらに好適には、レール縦ビーム11は、L型であり、レール縦ビーム11は、垂直に接続された第一のプレート12と第二のプレート13とを含み、第一のプレート12と第二のプレート13との間には、第一の水平方向に沿って延在した縦方向スライドレールが形成され、二つのレール縦ビーム11の縦方向スライドレールは、互いに面し、移動ビーム21の両端は、それぞれ二つのレール縦ビーム11の縦方向スライドレール内に位置し、且つビーム磁力部材22を介して第二のプレート13に吸着固定される。レール縦ビーム11を縦方向レール付きの構造に設置し、移動ビーム21の端部を縦方向レール内に位置させることで、レール縦ビーム11は、第二の水平方向及びZ軸方向での移動ビーム21の移動を限制し、巻上げ機構31が第一の水平方向に沿って変位する正確度を確保することができる。
【0029】
ビーム磁力部材は、磁石又は電磁石である。無論、第一の水平方向に沿ってブラケット1での移動ビーム21の位置を実現する構造は、ビーム磁力部材22に限らず、他の実施例では、長孔とボルトの嵌合方式により実現されてもよく、即ちレール縦ビーム11に長孔を設置し、移動ビーム21を長孔とボルトの嵌合方式によりブラケット1のレール縦ビーム11に固定する。
【0030】
本実施例では、各支持アセンブリ14は、接続ビーム15と二つの支持レバー16とを含み、接続ビーム15は、二つのレール縦ビーム11の第二のプレート13に接続され、二つの支持レバー16は、それぞれ接続ビーム15の両端に接続され、且つそれぞれ二つのレール縦ビーム11の第二のプレート13に固定される。各支持レバー16の底部に支持脚プレート161が設けられ、支持脚プレート161は、膨張ネジを介して試験サイトに固定される。
【0031】
円筒41の側壁は、透明材料で製造される。本実施例では、透明材料としてPVCプラスチックを選択する。無論、本発明では、円筒41の側壁の透明材料の選択は、PVCプラスチックに限らず、円筒41内の原土6の変化状況を観察しやすいことを実現できる他の透明材料、例えば透明な強化ガラスなども本発明に用いることができる。
【0032】
本実施例では、
図2のように、円筒41の側壁には、縦方向スリット411の少なくとも一側に縦方向スライド移動レール412が設けられ、縦方向スライド移動レール412がプーリアセンブリ5と滑合して設置されることで、プーリアセンブリ5が円筒41の側壁を摺動可能であり、且つプーリアセンブリ5が摺動した後、プーリアセンブリ5の固定を実現することができる。本実施例では、縦方向スリット411の両側にいずれも縦方向スライド移動レール412が設けられる。
【0033】
さらに、円筒41の側壁に位置決めマーク点(図示せず)及び目盛線(図示せず)が設けられる。ここで、目盛線は、原土6の充填厚さを観察するために用いられてもよい。
【0034】
円筒装置4は、円筒41の下方に設けられたシャーシ42をさらに含み、
図3に示すように、シャーシ42の頂部に位置決め溝421が設けられ、円筒41の底端は、位置決め溝421内に回転可能に設けられる。シャーシ42における位置決め溝421の設置により、スクリューアンカー7の空間引抜角度を調節して円筒41を回転させる時、円筒41の中心軸線がずれないことを確保することができる。
【0035】
本実施例では、位置決め溝421は柱状をなしている。他の実施例では、位置決め溝421を環状に設置することができ、位置決め溝421をこの形状として設置することにより、円筒41と原土6の接触面積を減少させることができる。
【0036】
本試験は、海底スロープサイトアンカープレート基礎の引抜抵抗荷重特性に対する研究であり、海底のサイトは、様々な形式に設置されるため、原土6の頂部が少なくとも一つの傾斜面、例えば単一の傾斜面、二つの傾斜面、三つの傾斜面などからなるように設置することができ、傾斜面が二つ以上の場合、すべての傾斜面の傾斜角度がいずれも等しいように設置して、海底の傾斜さが等しい状況での引抜状況を模擬することができ、すべての傾斜面の傾斜角度が等しくなく、海底の傾斜さが等しくない状況での引抜状況を研究することもできる。さらに好適には、単一の傾斜(即ち原土6の頂部が一つの傾斜面からなる)は、比較的に簡単であるとともに、他の傾斜状況を研究する基礎であるため、本実施例では、原土6の頂部が一つの傾斜面からなるように設置し、斜角度がβであり、且つ傾斜方向が円筒41から巻上げ機構31の方向に向かって下へ傾斜であることが好適である。
【0037】
試験の観察を容易にするために、本実施例では、原土6として透明な土を採用する。他の実施例では、原土6にカラーサンド層を設置することができ、カラーサンド層は、円筒41の中心軸線に沿って間隔をおいて設置される。カラーサンド層の設置により、原土6の変形状況をより容易に観察することができる。
【0038】
本発明の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置は、原土6の変化状況を観察するための観察装置をさらに含む。さらに、
図4に示すように、観察装置は、第一のカメラ101と、レーザー変位センサ102と、第二のカメラ103とを含み、第一のカメラ101及びレーザー変位センサ102は、円筒41の側壁に取り付けられ、第二のカメラ103は、円筒41の周辺に設置される。ここで、第一のカメラ101は、巻上げ機構31を巻き取る過程での原土6の上面部分の変形を捕捉するために用いられ、レーザー変位センサ102は、巻上げ機構31を巻き取る過程での原土6の上面部分の変位を捕捉するために用いられ、第二のカメラ103は、巻上げ機構31を巻き取る過程での原土6の周面部分の変形を捕捉するために用いられる。本実施例では、第一のカメラ101、レーザー変位センサ102及び第二のカメラ103の数は、いずれも三つであり、三つの第一のカメラ101、三つのレーザー変位センサ102及び三つの第二のカメラ103は、いずれも円筒41の中心軸線の周りに環状で均一に分布し、第一のカメラ101と、レーザー変位センサ102と、第二のカメラ103とが互い遮蔽することを回避するために、第一のカメラ101と、レーザー変位センサ102と、第二のカメラ103とは、ずれて設置される。
【0039】
本実施例の有益な効果は、以下のとおりである。本発明の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置は、両端が開口された底なし円筒41を含む円筒装置4を設置し、スクリューアンカー7を円筒41に置かれた原土6内に埋設し、且つ原土6の頂部が少なくとも一つの傾斜面からなるように設置され、けん引ロープ8を介して巻上げ機構31とスクリューアンカー7を接続し、試験時、巻上げ機構31がけん引ロープ8を巻き取ることで、円筒41内に埋められたスクリューアンカー7に引抜力を加えることで、空間内の海底スロープサイトにおけるスクリューアンカー7に対する引抜模擬を実現することができ、ブラケット1に移動ビーム21を取り付け、移動ビーム21に巻上げ機構31を取り付け、移動ビーム21がブラケット1に対して第一の水平方向に沿って移動可能であり、巻上げ機構31が移動ビーム21に対して第一の水平方向に垂直な第二の水平方向に沿って移動可能であるように設置し、且つ円筒41の側壁に縦方向スリット411を設置し、プーリアセンブリ5を取り付け、プーリアセンブリ5が円筒41に対して鉛直方向に移動可能であるように設置し、試験時、試験の必要に応じて、選択的に第一の水平方向に沿って巻上げ機構31の位置を変更し、第二の水平方向に沿って巻上げ機構31の位置を変更し、鉛直方向に沿ってプーリアセンブリ5の位置を変更し、円筒41を回転させることで、スクリューアンカー7の空間角度を変更することができる。したがって、本発明の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置は、空間内の海底スロープサイトにおけるスクリューアンカー7のいずれかの空間角度での引抜試験を模擬でき、それによってスクリューアンカー7の異なる空間角度の引抜での海底スロープサイトに対する土層破壊モード及びスクリューアンカー7の引抜抵抗耐荷力の発揮メカニズムを明らかにする、スクリューアンカー7の工事設計及び施工を指導する目的を達成する。
【0040】
また、本発明の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置は、構造が簡単であり、且つa試験の必要に応じてスクリューアンカーの空間角度を柔軟に設置でき、試験コストを節約するだけではなく、スクリューアンカー7の限界引抜抵抗耐荷力、引抜故障メカニズム及びその変化規則をより正確に取得することができる。
【0041】
実施例2、
本実施例は、海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定方法を開示し、実施例1に記載の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置に基づくものであり、ここで、原土6の頂部は、傾斜面からなるように選択され、即ち原土6の頂部は、単一傾斜であり、本実施例の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定方法は、以下のステップを含む。
【0042】
S10において、ブラケット1を組み立て、且つブラケット1を試験サイトに取り付ける。
【0043】
ステップS10は、具体的には、下記ステップを含む。
【0044】
a1において、支持レバー16を膨張ナットを介して試験サイトに固定し、
a2において、レール縦ビーム11と、接続ビーム15と、支持レバー16とをほぞ穴とほぞの方式で接続してブラケット1を組み立てる。
【0045】
ステップa2において、レール縦ビーム11の第一のプレート12と第二のプレート13は、一体成形して設置され、レール縦ビーム11は、第二のプレート13を介してそれぞれ接続ビーム15及び支持レバー16とほぞ穴とほぞ方式で組み立てられる。
【0046】
S20において、移動ビーム21をブラケット1に取り付け、そして巻上げ機構31を移動ビーム21に取り付ける。
【0047】
具体的には、移動ビーム21の両端をビーム磁力部材22を介してブラケット1に吸着固定し、巻上げ機構31を巻上げ磁力部材32を介して移動ビーム21に吸着固定する。
【0048】
実施例1で言及したように、第一の水平方向、第二の水平方向に沿ってブラケット1での巻上げ機構31の取り付け位置を調節することができ、本実施例では、第二の水平方向を移動ビーム21の長さ延在方向として、第一の水平方向をレール縦ビーム11の長さ延在方向として選択する。
【0049】
S30において、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O1を原点とし、三次元空間幾何座標系O1-XYZを確立し、ここで、ここで、三次元空間幾何座標系O1-XYZのX軸方向は、巻上げ機構31が移動可能な第二の水平方向に平行であり、Y軸方向は、移動ビーム21が移動可能な第一の水平方向に平行であり、Z軸方向は、円筒41の中心軸線に平行であり、スクリューアンカー7とZ軸とのなす角γ、スクリューアンカー7のXO1のY平面での投影とX軸とのなす角α、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O1の、X軸方向に沿う円筒41の内側面から離れた事前埋設水平距離tsb、スクリューアンカー7の事前埋設深さh4、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点の、Z軸方向に沿う対応する原土6の厚さh3、原土6の頂部の傾斜角度βを決定し、且つ円筒41の厚さtb、固定プーリ51の中心から円筒41の外側面までの水平距離tbc、固定プーリ51の半径R、円筒41の上縁から巻上げ機構31までの縦方向距離h1、円筒41の高さh2、及び固定プーリ51の幾何中心から円筒41の上縁までの縦方向距離hcを測定する。
【0050】
S31において、測定して得られた円筒41の内径R1、及び実験前に決定された、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O1の、X軸方向に沿う円筒41の内側面から離れた事前埋設水平距離tsb、原土6の頂部傾斜角度β、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O1に対応するZ軸方向での原土6の厚さh3に合わせて、原土6の頂部の最高点及び最低点のそれぞれに対応するZ軸方向での原土6の厚さを計算する。
【0051】
具体的には、
図10を参照すると、図におけるAGは、原土6の頂層の最高点に対応するZ軸方向に沿う原土6の厚さH
高であり、EJは、測定して得られた円筒41の内径R
1であり、JKは、原土6の頂層の最低点に対応するZ軸方向に沿う原土6の厚さH
低であり、CIは、試験前に設定された、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O
1に対応するZ軸方向での事前充填原土6の厚さh
3であり、CJは、試験前に設定された、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O
1の、X軸方向に沿う円筒41の内側面から離れた事前埋設水平距離t
sbであるため、
図10における幾何関係から、
したがって、原土6の頂部の最高点に対応するZ軸方向に沿う原土6の厚さは、
原土6の頂部の最低点に対応するZ軸方向に沿う原土6の厚さは、
【0052】
好適には、原土6の頂部の最低点を巻上げ機構31に近接して配置し、土頂6の頂部の最高点を巻上げ機構31から離れるように配置する。
【0053】
S40において、縦方向スリット411が開設され及びプーリアセンブリ5が取り付けられた円筒装置4を予め決定された試験サイト位置に置き、円筒装置4の円筒41は、透明材料で製造される。
【0054】
具体的には、まず、円筒装置4のシャーシ42を予め決定された試験サイト位置に置き、そして縦方向スリット411が開設され及びプーリアセンブリ5が取り付けられた円筒41をシャーシ42に置き、円筒41をシャーシ42に置く時、円筒41の底端をシャーシ42の頂部に設置された位置決め溝421内に回転可能に置くことで、円筒41が回転する時にその中心軸線が変位しない。円筒41を正確な位置まで回転させ、スクリューアンカー7のけん引ロープ8に近い部分のXO1Y平面での投影とX軸とのなす角を正確に決定するために、他の実行可能な実施例では、円筒41の周りに角度目盛線をシャーシ42の頂面に設置することができる。
【0055】
円筒41を透明材料で製造することで、スクリューアンカー7を引抜く時に円筒41を介して原土6の変化を観察することにより有利となる。
【0056】
S41において、円筒装置4の側壁に第一のカメラ101及びレーザー変位センサ102を取り付け、円筒41の周辺に第二のカメラ103を設ける。
【0057】
具体的には、第一のカメラ101、レーザー変位センサ102及び第二のカメラ103の数は、いずれも一つ以上であり、本実施例では、いずれも三つであることを選択し、三つの第一のカメラ101、三つのレーザー変位センサ、三つの第二のカメラ103は、いずれも円筒41の中心軸線の周りに等しい間隔をおいて取り付けられ、第一のカメラ101と、レーザー変位センサ102と、第二のカメラ103とが遮蔽することを防止するために、取り付ける時、第一のカメラ101と、レーザー変位センサと、第二のカメラ103とがずれることが最適である。
【0058】
S50において、けん引ロープ8が固定プーリ51を迂回するか否か臨界角度γ′を計算し、γ′の計算式は、
【0059】
具体的には、
図6に示すように、スクリューアンカー7と巻上げ機構31を接続したけん引ロープ8が直線状であり、且つ固定プーリ51に接する時、この時、けん引ロープ8とZ軸とのなす角γは、=γ′である。
【0060】
S60において、予め決定されたγと計算された臨界角度γとを比較し、けん引ロープ8が固定プーリ51を迂回する必要があるか否かを決定する。
【0061】
具体的には、0<γ<γ′の場合、
図8及び
図9に示すように、けん引ロープ8は、固定プーリ51を迂回する必要がなく、円筒41での固定プーリ51の位置は、任意であってもよく、
γ′≦γ≦90°の場合、
図5~
図7に示すように、けん引ロープ8は、固定プーリ51を迂回する必要があり、円筒41でのZ軸方向に沿う固定プーリ51の位置を角度γの大きさに応じて調整する。
【0062】
S70において、けん引ロープ8が固定プーリ51を迂回する必要がある場合、予め決定されたα及びγに基づいて、巻上げ機構31の、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O1に対する位置、及び円筒41でのZ軸方向に沿う固定プーリ51の位置を計算し、且つ計算された位置データに基づいて巻上げ機構31及び固定プーリ51の位置を調整し、それに応じて円筒41を回転させて、縦方向スリット411を巻上げ機構31に向かせ、けん引ロープ8が固定プーリ51を迂回する必要がない場合、予め決定されたα及びγに基づいて、巻上げ機構31の、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O1に対する空間相対座標位置を計算し、得られた位置データに基づいて巻上げ機構31の位置を調整すればよく、円筒41でのZ軸方向に沿う固定プーリ51の位置は、任意であってもよい。
【0063】
γ′≦γ≦90°の場合、
図5~
図7に示すように、固定プーリ51の幾何中心から円筒41の上縁までの縦方向距離は、
スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O
1から固定プーリ51の接点までのけん引ロープ8の長さは、
固定プーリ51の接点から巻上げ機構31までのけん引ロープ8の長さは、
【0064】
S80において、予め決定されたγと臨界角度γ′との比較結果に基づいて、けん引ロープ8を巻上げ機構31から引いて固定プーリ51を迂回した後に、スクリューアンカー7に接続し、又は、けん引ロープ8を巻上げ機構31から引いて固定プーリ51を迂回せずスクリューアンカー7に直接接続し、且つけん引ロープ8に力測定装置9を取り付ける。
【0065】
S90において、原土6を円筒41内に均一に充填し、原土6の充填高さ位置がスクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O1の事前埋設深さh4の位置と面一となる時、スクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O1の、X軸方向に沿う円筒41の内側面から離れた事前埋設水平距離tsbに基づいて、原土6の表層においてスクリューアンカー7の挿入点を決定し、そして予め決定された角度α及びγに基づいてスクリューアンカー7を挿入点から原土6内に挿入して、スクリューアンカー7とスクリューアンカー7のけん引ロープ8に近い部分を同軸線に設置し、そして原土6の厚さが所望の厚さに達するまで、原土の充填を継続する。
【0066】
具体的には、原土6の充填時、フラットノズル砂時計を使用して原土6を円筒41に均一に充填し、充填中にジオテキスタイルを用いて円筒41の縦方向スリット411を封止し、原土6の充填又は試験中の土漏れを防止し、原土6の変形を観察しやすいために、原土6は、透明な土であることが好ましい。他の実施例では、原土6の変形をよりよく観察するために、原土6に複数のカラーサンド層を設置し、カラーサンド層を円筒41の中心軸線に沿って間隔をおいて設置することができる。
【0067】
スクリューアンカー7を原土6内に置く前、スクリューアンカー7の埋められた深さh4及びスクリューアンカー7がけん引ロープ8に接続された接続点O1に対応するZ軸方向での原土6の厚さh3に合わせて、原土6の初期充填厚さh3-h4を得る。スクリューアンカー7の挿入点を確認する時、スクリューアンカー7の挿入点とこの点に対応する原土6の横断面の中心点をX軸線に位置させる。説明すべきことは、原土6を充填してスクリューアンカー7を埋める過程において、スクリューアンカー7全体を原土6内に埋めてもよく、部分的に原土6の上面に露出させてもよい。
【0068】
ステップ90での原土6の所望の厚さに関して、本実施例では、ステップS31で計算された原土6の頂部の最高点に対応するZ軸方向での原土6の厚さ以上とする必要がある。
【0069】
S100において、原土6の頂部を単一傾斜状に配置し、且つ予め決定された傾斜角度βに基づいて原土6の頂部の傾斜度を調整する。
【0070】
具体的には、ステップS90で計算された原土6の頂部の最高点の、Z軸方向に沿う対応する原土6の厚さ及び最低点の、Z軸方向に沿う対応する原土6の厚さに基づいて、原土6の頂部が傾斜角度がβの単一の傾斜面になるまで、原土6の頂端を削る。原土6の頂端を必要な形状に正確に削りやすいために、他の実施例では、
図11に示すように、円筒41の相対両側にそれぞれ第一の目盛線413及び第二の目盛線414を設置し、円筒装置4を置く時、第一の目盛線413を巻上げ機構31に近接して設置し、第二の目盛線414を巻上げ機構から離れて設置し、削る過程において、第一の目盛線413及び第二の目盛線414により、原土6の頂部の最高点及び最低点のZ軸方向での厚さに達するか否かをそれぞれ決定し、且つ最低点を縦方向スリット411に近接させることで、けん引ロープ8が原土6の頂側面に接触して引抜結果に影響を与えることを回避する。
【0071】
S110において、巻上げ機構31を起動して試験を行い、力測定装置9によりけん引ロープ8によるスクリューアンカー7に対する引抜力を読み出し、同時に原土6の変化を観測する。
【0072】
具体的には、原土6の変化の観察中に、巻上げ機構31を巻き取る過程での原土6の上面部分の変形を第一のカメラ101により捕捉し、巻上げ機構31を巻き取る過程での原土6の上面部分の変位をレーザー変位センサ102により捕捉し、巻上げ機構31を巻き取る過程での原土6の周面部分の変形を第二のカメラ103により捕捉する。
【0073】
S120において、試験過程において、スクリューアンカー7とZ軸とのなす角γ、及びスクリューアンカー7のXO1Y平面での投影とX軸とのなす角αを試験の必要に応じて変更する必要がある場合、円筒41内の元の原土6を除去し、変更後のγに基づいて、けん引ロープ8が固定プーリ51を迂回するか否かの状態を修正し、そして修正後のαとγ、再決定されたtsb、h4、h3、β、及びステップS30で測定されたtb、tbc、R、h1、h2、hcに基づいて、ステップ50及びステップ50以降のステップを実行し、新たなテストを行う。
【0074】
本発明の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定方法は、以上の海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置を採用することで、海底スロープサイトにおける異なる空間引抜角度でのスクリューアンカー7による原土6に対する破壊モード及び引抜抵抗耐荷力発揮メカニズムを開示することで、スクリューアンカー7の工事設計を指導する目的を達成することができる。
【0075】
本発明では、ステップS31の位置は、変更可能であるわけではなく、ステップ90の前であって、ステップS30の後に位置の任意の置き換えを行うことができる。ステップS30の位置は、変動不可能であるわけではなく、ステップS10、S20又はS40の前にしてもよい。
【0076】
以上の内容は、本発明の好適な実施例にすぎず、当業者にとって、本発明の思想に基づき、具体的な実施の形態及び適用範囲においていずれも変更を行うことができ、本明細書の内容は、本発明に対する限制として理解すべきではない。
【符号の説明】
【0077】
1 ブラケット、11 レール縦ビーム、12 第一のプレート、13 第二のプレート、14 支持アセンブリ、15 接続ビーム、16 支持レバー、161 支持脚プレート、21 移動ビーム、211 ビーム摺動レール、22 ビーム磁力部材、31 巻上げ機構、32 巻上げ磁力部材、4 円筒装置、41 円筒、411 縦方向スリット、412 縦方向スライド移動レール、413 第一の目盛線、414 第二の目盛線、42 シャーシ、421 位置決め溝、5 プーリアセンブリ、51 固定プーリ、6 原土、7 スクリューアンカー、8 けん引ロープ、9 力測定装置、101 第一のカメラ、102 レーザー変位センサ、103 第二のカメラ
【要約】
【課題】海底スロープサイトアンカープレート基礎に基づく引抜抵抗力の測定装置及び測定方法を提供する。
【解決手段】一実施例による測定装置は、ブラケットと移動ビームと巻上げ機構と円筒装置とプーリアセンブリと原土とスクリューアンカーとけん引ロープと力測定装置とを含む。移動ビームは、ブラケットに移動可能に取り付けられ、巻上げ機構は、移動ビームに移動可能に取り付けられ、円筒装置は、縦方向スリットが設けられた円筒を含み、プーリアセンブリは、縦方向スリットに対応して円筒に移動可能に取り付けられ、原土は円筒内に充填され、且つ頂部は傾斜状で設置され、スクリューアンカーは原土に埋設され、けん引ロープの一方端は巻上げ機構に接続され、他方端は、スクリューアンカーに直接接続され、又は、固定プーリを迂回して縦方向スリットを貫通してスクリューアンカーに接続され、力測定装置はけん引ロープに設けられる。
【選択図】
図1