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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230106BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018040065
(22)【出願日】2018-03-06
(65)【公開番号】P2019150491
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕一
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
【審査官】荒井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-096187(JP,A)
【文献】特開2013-132534(JP,A)
【文献】特開2018-020244(JP,A)
【文献】特開2016-123486(JP,A)
【文献】特開2019-098037(JP,A)
【文献】特許第6277459(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作可能な操作手段と、
操作有効期間中における前記操作手段の操作が演出に反映される操作演出を実行する操作演出実行手段と、
前記操作手段は、視覚的な態様が変化する発光部を有し、
前記操作有効期間中における前記操作手段の操作が検出されていない状態で、当該操作有効期間が経過するに従い、前記発光部の態様が次第に変化する態様変化演出が実行可能であり、
前記態様変化演出を伴う前記操作演出の方が、前記態様変化演出を伴わない前記操作演出よりも、前記操作演出の結末が遊技者に有利なものとなる蓋然性が高いことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記態様変化演出を伴う前記操作演出は、前記発光部の態様が次第に変化して前記操作有効期間中の特定時点に至るものであり、当該特定時点における前記発光部の態様として複数種の態様が設定されており、前記特定時点における前記発光部の態様により、前記操作演出の結末が遊技者に有利なものとなる蓋然性が示唆されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技者に対し、押しボタン等の操作手段の操作を促す操作演出において、操作手段を示す画像の大きさを変化させる等の演出が発生しうる遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-196490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、操作手段の操作を促す操作演出の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段と、操作有効期間中における前記操作手段の操作が演出に反映される操作演出を実行する操作演出実行手段と、前記操作手段は、視覚的な態様が変化する変化部を有し、前記操作有効期間中における前記操作手段の操作が検出されていない状態で、当該操作有効期間が経過するに従い、前記変化部の態様が変化する態様変化演出が実行可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機によれば、操作手段の操作を促す操作演出の趣向性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかる遊技機の全体図である。
図2】表示領域に表示された識別図柄を示した図である。
図3】操作演出の概要を説明するための図である。
図4】操作演出の種類(遊技者に対して求められる操作態様の種類)を説明するための図である。
図5】操作手段(変化部)の概要を説明するための図である。
図6】視覚的態様変化演出の概要を説明するための図である。
図7】操作有効期間中以外の期間においては変化部の態様が維持されることを説明するための図である。
図8】操作有効期間が途中で終了した場合には、変化部の態様を初期態様に戻すことを説明するための図である。
図9】操作有効期間の特定時点において、変化部の変化量が最も大きくなる例を説明するための図である。
図10】操作有効期間の開始とともに変化部の変化量(初期状態に対する変化量)が大きくなっていき、特定時点で最大となり、その後変化量が小さくなっていく態様を説明するための図である。
図11】静止状態にある可動部と振動状態にある可動部を説明するための図である。
図12】可動演出の概要を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1)全体構成
以下、本発明にかかる遊技機1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。
【0010】
表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認されるものである。なお、一部の図においては、遊技盤90に覆われずに露出する表示領域911の形状を簡略化して記載する(方形状に記載する)が、当該部分の大きさや形状は適宜変更可能である。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0013】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄80(図2参照)が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。なお、一部の図においては、識別図柄80の記載を省略するが、基本的には、当否判定結果を報知する報知演出が実行されている最中は、当該識別図柄80(識別図柄群)が表示され続ける。
【0014】
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄80(識別図柄群)の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0015】
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留図柄(図示せず)が表示装置91の表示領域911に表示される。本実施形態では、数値が取得されたタイミングが早いものから(いわゆる保留消化が早いものから)順に左から並ぶよう表示される。保留図柄を表示する専用の表示装置が設けられていてもよい。保留図柄の態様は常に同じであってもよいし、対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり)信頼度と称することもある)が高まったことを示唆する通常の保留図柄とは異なる態様の一または複数種の特殊図柄が設定されていてもよい。
【0016】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0017】
2)操作手段およびそれを用いた操作演出
2-1)操作手段の基本的構成
操作手段10は、遊技者が演出に関与するために設けられた部材である。本実施形態における操作手段10はいわゆる「押しボタン」である。操作手段10は、原位置と当該原位置よりも所定量下方に変位した操作位置との間を変位可能に設けられている。少なくとも、当該操作手段10が操作位置に位置したことは図示されないセンサにより検出される。当該操作手段10は「押しボタン」に限られるわけではない。遊技者自らが力を加えることで、所定範囲を変位することが可能なものであり、操作位置に位置したことがセンサ等により検出されるものであればよい。また、操作方向(操作態様)が複数設定された構成であってもよい。例えば、前後方向に押し引きすることが可能なレバーであってもよい。また、複数の操作手段10が設けられた構成としてもよい。
【0018】
2-2)操作演出の基本的態様
操作演出は、遊技者に対し、操作手段10を操作することを促す(要求する)演出である。本実施形態にかかる遊技機1は、実行される場面や、求められる操作態様(後述)が異なる複数種の操作演出が発生するものである。操作演出においては、操作手段10の操作が演出に反映される操作有効期間が設定される。当該操作有効期間中は、操作有効期間の残り時間や経過時間を示すようなメータ11(図3等参照)や数字(カウントダウンされる数字)が表示されるようにしてもよい。また、遊技者が操作手段10を操作すべきタイミング(時機)が訪れたことを容易に把握できるようにするため、操作手段10を表した操作画像12(図3等参照。操作手段10を表した画像であることが分かれば、その態様はどのようなものであってもよい)や、操作手段10を操作すべき旨の表示13(図3等参照。例えば「押せ!」といった表示)がなされるようにするとよい。なお、当該操作演出の態様はあくまで一例である。遊技者に対し、操作手段10の操作を求めるような態様の演出の全てが操作演出に含まれるものとする。
【0019】
操作演出において求められる操作手段10の操作態様としては種々考えられる。操作手段10を一度だけ原位置から操作位置に変化させる単操作、操作手段10を原位置から操作位置に変位させることを複数回繰り返す(単操作を複数回繰り返す)連続操作(いわゆる「連打」)、操作手段10を原位置から操作位置に変位させた操作状態とし、その状態を維持する維持操作(いわゆる「長押し」)等を例示することができる。本実施形態にかかる遊技機1は、単操作を促す操作演出(図4(a)参照。以下、単操作演出と称することもある)、連続操作を促す操作演出(図4(b)参照。以下、連続操作演出と称することもある)、維持操作を促す操作演出(図4(c)参照。以下、維持操作演出と称することもある)のいずれも発生する。
【0020】
3)操作演出中に発生する態様変化演出
以下、上記操作演出中に発生する態様変化演出について説明する。なお、以下で説明する事項の一部のみ実行可能な構成としてもよい。また、操作演出が発生した場合、以下の態様変化演出が必ず発生するものでなくてもよい。
【0021】
3-1)視覚的態様変化演出
操作手段10は、視覚的態様が変化する変化部101を有する。本実施形態における操作手段10は、変化部101および当該変化部101を覆うカバー109を有する(図5参照)。カバー109は光透過性材料(本実施形態では無色透明な材料)で形成されているため、遊技者は当該カバー109を通じて変化部101の態様を視認することができる。当該変化部101の変化は、遊技者の視覚によりその変化が把握できるものであればよい。本実施形態では、変化部101は輝度を変化させることができる光源(LED)を含む。つまり、光源の輝度を変化させることにより変化部101の視覚的態様が変化する。輝度以外の要素、例えば発光色等を変化させることで変化部101の視覚的態様を変化させることができるものとしてもよい。
【0022】
視覚的態様変化演出は、操作有効期間が経過するに従い、変化部101の態様が変化する演出である。操作有効期間の全部において変化部101の態様が変化し続けてもよいし、操作有効期間の一部において変化部101の態様が変化するようにしても(変化部101の態様が維持される期間があっても)よい。操作有効期間中における変化部101の態様が変化する期間を変化期間とすると、当該変化期間においては時間経過とともに変化部101の輝度が次第に高まるように制御される。つまり、本実施形態では、変化期間において、視覚的態様を構成するある一の要素が増加する方向または減少する方向に変化する。したがって、遊技者の視点では、変化部101の態様がいきなり大きく変化する(がらりと態様が変わる)といったものではなく、時間経過とともに徐々に変化していくような変化態様となる。ただし、変化部101の態様がいきなり大きく変化するという変化態様とすることを否定するものではない。
【0023】
本実施形態では、操作有効期間の開始時点においては、変化部101は発光しておらず(輝度は0であり)、そこから操作有効期間の経過とともに次第に輝度が高くなるように変化していく(図6参照)。
【0024】
このような視覚的態様変化演出の発生により、操作演出(操作有効期間中)が煌びやかなものとなり、遊技の趣向性を向上させることが可能である。また、操作有効期間の経過とともに徐々に変化部101の態様が変化していくものであるから、操作有効期間中における時間経過を操作手段10自体が表しているかのような演出態様となる。
【0025】
上記視覚的態様変化演出に関する構成は、以下のように変更、改良、具体化等することができる。なお、以下の例にて説明する事項(技術)を複数組み合わせて適用した構成としてよい。
【0026】
a)操作演出における操作有効期間中以外の期間においては、変化部101の態様が維持されるようにする。例えば、操作演出が開始されると同時に操作有効期間が設定されるのではなく、操作演出が開始される時点と操作有効期間が開始される時点との間に操作手段10の操作が演出に反映されない期間(以下、導入期間と称する)が設定されることがある。当該導入期間においては、例えば、遊技者に対して出される指示(例「敵を倒せ」といった指示)が表示される。また、操作有効期間が終了してから、演出の結末が示されるまでの期間(以下、終了期間と称する)が設定されることもある。
【0027】
これら導入期間や終了期間といった操作手段10の操作が演出に反映されない期間においては、変化部101の態様が維持されるようにする(図7参照)。例えば、導入期間や終了期間においては、変化部101の発光していない状態(輝度が0である状態)が維持されるようにする。このようにすることで、これらの期間は、操作手段10の操作が演出に反映されない期間であることを分かりやすくすることが可能である。なお、上記期間中における操作手段10の態様は、視覚的態様変化演出が開始される時点の態様(後述する初期態様)であることが好ましい。
【0028】
b)操作手段10が操作されることにより操作有効期間が途中で終了することもある。例えば、単操作演出においては、操作有効期間中に操作手段10が操作されることで、当該演出の結末が示されることになる。また、連続操作演出や維持操作演出においては、操作有効期間中の連続操作や維持操作が所定条件を満たすことにより、当該演出の結末が示される場合がある。かかる結末が示されるということは、それ以上操作手段10を操作する必要がないということであるから、当該結末が示されるときには操作有効期間は終了する(時間一杯継続して終了するよりも前に途中で終了する)ことになる。変化部101の態様が次第に変化している最中で操作有効期間が途中で終了した場合には、その時点で変化部101の態様変化を停止する。本実施形態では、変化部101の態様を初期態様(デフォルトの態様)に戻す(図8参照)。例えば、変化部101が全く発光していない状態(輝度0)から次第に輝度を高めていくような変化態様の場合、操作有効期間が途中で終了したときには、即座に変化部101を全く発光していない状態に戻す(図8(c)参照)。このようにすることで、操作有効期間が終了したことが分かりやすくなる。
【0029】
c)操作演出において、操作有効期間中における特定時点で操作手段10を操作することを促すような表示がなされるものとする。例えば、単操作演出において表示されるメータ11に付随して特定時点を示すようなマークMを表示し、当該マークMが示される時点で操作手段10を操作(単操作)することを促すような演出が発生するとする(図9参照)。このようなマークMが表示されることにより、遊技者は、当該マークMが示される時点(特定時点)において操作手段10を操作した場合には何か良いことが発生するのではないかという印象を受ける。特定時点(厳密には、特定時点が「一点」であるとそのタイミングと操作時点をぴったり一致させることは極めて困難であるため、特定時点はある時点(マークMで示される時点)を含む所定の時間幅を有する期間とされる)において操作手段10が操作されたことにより、遊技者に与えられる利益(出玉に関連する利益ではなく、演出上の利益である)はどのようなものであってもよい。何らかの特殊な演出が発生する、携帯端末と連動した演出上のポイント(公知であるため詳細な説明を省略する)が付与されるといったことが例示できる。
【0030】
このような特定時点が設定される単操作演出において、視覚的態様変化演出として、操作有効期間が開始される開始時点から特定時点にかけて、変化部101の態様が次第に変化していき(図9(a)(b)参照)、当該特定時点において変化部101の変化量が最も大きくなる(図9(c)参照)ようにする。例えば、上記実施形態のように、変化部101の輝度が次第に大きくなるような変化態様とするのであれば、特定時点において変化部101の輝度が最も大きくなるような変化態様とする。また、例えば、変化部101の発光色を次第に「赤」に近づけていくような変化態様とするのであれば、特定時点において発光色の「赤」の要素(所定の色の色味)が最も大きくなるような変化態様とする。このように変化部101を変化させることにより、当該変化部101の変化が、特定時点で操作手段10を操作しようとする遊技者の目安となる。
【0031】
特定時点で操作手段10が操作されなかった場合、操作有効期間はそのまま継続されることになる。この場合、特定時点経過後は、変化部101は開始時点における態様に次第に近づいていくように変化させるとよい(図9(d)参照)。例えば、上記実施形態のように、変化部101の輝度が次第に大きくなるような変化態様とするのであれば、特定時点において変化部101の輝度が最も大きくなった後、操作有効期間が経過するに従い、変化部101の輝度が次第に小さくなっていくような変化態様とする。また、例えば、変化部101の発光色を次第に「赤」に近づけていくような変化態様とするのであれば、特定時点において発光色の「赤」の要素が最も大きくなった後、操作有効期間が経過するに従い、発光色の「赤」の要素が次第に小さくなっていくような変化態様とする。このようにすることで、特定時点経過後の時間経過が分かりやすくなる。
【0032】
仮に、操作有効期間の略中間時点に特定時点を設定するとするのであれば、変化部101の変化量が最も大きくなった時点が操作有効期間の略中間時点(折り返し地点)であることを分かりやすく示すことが可能である。また、操作有効期間の開始時点から特定時点にかけて変化部101の態様の変化速度(例えば、輝度が上昇していく速度)と、特定時点から操作有効期間の終了時点(全く操作がなされなかったときの終了時点)にかけての変化部101の態様の変化速度(例えば、輝度が減少していく速度)が、反比例の関係になるように(図10参照)制御することが可能である。
【0033】
なお、連続操作演出や維持操作演出においても、同様の技術思想を適用することが可能である。例えば、連続操作演出において連続操作(連打)を開始すべき時点、維持操作演出において維持操作(長押し)を開始すべき時点を特定時点として、上記と同様の構成とする。
【0034】
d)操作演出において、視覚的態様変化演出が発生することもあれば発生しないこともある設定とする。そして、視覚的態様変化演出が発生したときには、発生しないときに比して、操作演出の結末が遊技者に有利なものとなる蓋然性が高くなるような設定とする。また、操作演出の結末は当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(大当たり信頼度)と関係するものとすれば、視覚的態様変化演出の発生の有無は、大当たり信頼度を示唆するものであるともいえる。つまり、視覚的態様変化演出の発生の有無により、操作演出後(操作演出の結末は操作演出「後」に発生するものとする)に遊技者に有利な事象が発生する蓋然性(以下、単に「信頼度」と称することもある)を示唆するものとする。このようにすれば、視覚的態様変化演出が発生するか否かについて、遊技者が注目する遊技性を実現できる。なお、視覚的態様変化演出が発生したときよりも、視覚的態様変化演出が発生しなかったときの方が、信頼度が高くなるような設定としてもよい。
【0035】
e)視覚的態様変化演出の態様として複数種の態様が設定されたものとする。例えば、操作有効期間中における最大輝度が異なる複数種の態様が設定されたものとする。そして、いずれの態様の視覚的態様変化演出が発生するかにより、信頼度が示唆されるものとする。このようにすれば、変化部101がどのように変化するかについて遊技者が注目する遊技性を実現できる。
【0036】
なお、かかる構成とする場合、上記c)で説明した内容の一部を組み合わせたものとすることが好ましい。具体的には、変化部101の変化量が最も大きくなる時点がマークM等により示されるものとする。このようにすることで、当該マークMが示される時点において変化部101がどのような態様となっているかにより信頼度が示唆されることになるため、当該信頼度の示唆が分かりやすいものとなる。
【0037】
3-2)可動演出
操作手段10は、自動的に動作することが可能(遊技者が力を加えることなく動作することが可能)な可動部102を有する(図11参照)。本実施形態では、上述した変化部101自体が可動部102でもある。したがって、可動部102の動きは、カバー109を通じて視認される。変化部101と可動部102が別体である構成としてもよい。また、操作手段10全体が可動部102である構成(操作手段10全体が自動的に動作可能な構成)としてもよい。本実施形態における可動部102は、静止した状態(図11(a)参照)と、振動(バイブ)した状態(図11(b)参照)の一方から他方に変化することが可能な部分である。
【0038】
可動演出は、操作有効期間の途中で可動部102の態様が変化する演出である。本実施形態では、操作有効期間の開始時点においては静止した状態にあった可動部102が、当該操作有効期間の途中で振動する演出である(図12参照)。可動部102は、遊技者が視認できる部分(本実施形態ではカバー109を通じて視認可能である)であるため、静止した状態にあった可動部102が振動するという視覚的な変化が発生するという演出であるといえる。また、可動部102の振動が発射装置(発射ハンドル)を通じて遊技者が感じることができる程度のものであれば、触覚的な変化が発生する演出であるということもできる。
【0039】
このような可動演出が発生しうる構成とすることにより、操作有効期間の途中に思いがけない変化が発生するものとなるから、遊技の趣向性を向上させることが可能である。
【0040】
上記可動演出に関する構成は、以下のように変更、改良、具体化等することができる。なお、以下の例にて説明する事項(技術)を複数組み合わせて適用した構成としてよい。
【0041】
a)操作演出において、可動演出が発生することもあれば発生しないこともある設定とする。そして、可動演出が発生したときには、発生しないときに比して、信頼度(信頼度については既述)が高くなるような設定とする。このような構成とすることで、操作演出において、可動演出が発生するか否かについて遊技者が注目する遊技性(静止した状態にある可動部102が振動することを願うことになる遊技性)を実現できる。なお、可動演出が発生しなかったときの方が、発生したときに比して、信頼度が高くなるような設定とすることを否定するわけではない。
【0042】
b)上記可動演出は、操作有効期間の開始時点においては静止した状態にあった可動部102が、当該操作有効期間の途中で振動するというものであるが、操作有効期間の開始時点においては静止した状態にあった可動部102が、当該操作有効期間の途中で静止するという変化が発生するものであってもよい。
【0043】
c)操作有効期間の開始時点においては静止した状態にあった可動部102が、当該操作有効期間の途中で振動した後再び静止した状態に変化し、当該静止した状態にある可動部102が再び振動するような変化が発生するようにしてもよい。つまり、静止した状態と振動した状態が複数回繰り返されることが発生しうるものとしてもよい。上記b)にて説明した構成において、振動した状態と静止した状態が複数回繰り返されることが発生しうるものとしてもよい。
【0044】
この場合、静止状態から振動状態(上記b)の構成においては振動状態から静止状態)への変化を一回とする演出態様が、何回発生したかによって信頼度が示唆されるものとする。例えば、当該演出態様の発生回数が多くなればなるほど信頼度が高くなるような設定とすることが考えられる。
【0045】
d)可動部102の動作態様として複数種の態様が設定されているものとする。当該動作態様の差を設定する手法はどのようなものであってもよい。例えば、振動の振幅や周波数に差をつける手法が考えられる。このような前提条件の下、静止した状態にあった可動部102が、どのような態様で動作(振動)するかに応じて、信頼度が異なるものとする。例えば、動作態様として、第一動作態様~第三動作態様を設定し、可動演出発生せず(信頼度が最も低い)、第一動作態様の発生、第二動作態様の発生、第三動作態様の発生(信頼度が最も高い)の順で信頼度が高くなるような設定とする。このようにすれば、可動部102が動作することだけでなく、可動部102がどのように動作するかにも遊技者が注目する遊技性を実現することができる。
【0046】
また、可動部102の動作態様として複数種の動作態様が設定されたものとした上で、ある動作態様で動作していた可動部102が、別の動作態様に変化することがある構成としてもよい。上記のように各動作態様に信頼度が対応づけられた構成とするのであれば、当該動作態様の変化により、信頼度が高まったということを示すこと(動作態様の変化をいわゆるチャンスアップとして設定すること)ができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0048】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0049】
○手段1-1
遊技者が操作可能な操作手段と、
操作有効期間中における前記操作手段の操作が演出に反映される操作演出を実行する操作演出実行手段と、
前記操作手段は、視覚的な態様が変化する変化部を有し、
前記操作有効期間の少なくとも一部において、当該操作有効期間が経過するに従い、前記変化部の態様が変化する態様変化演出が実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、操作有効期間が経過するに従い、変化部の態様が変化するという面白みのある演出を実行することが可能である。
【0050】
○手段1-2
前記操作演出における前記操作有効期間以外の期間においては、前記変化部の態様が維持されることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、操作有効期間の経過と、変化部の態様の変化が関連していることを分かりやすくすることが可能である。
【0051】
○手段1-3
前記操作演出では、前記操作有効期間中における特定時点で前記操作手段を操作することを促すような表示がなされ、
前記態様変化演出は、前記操作有効期間が開始される開始時点から前記特定時点にかけて前記変化部の態様が変化していき、当該特定時点において変化量が最も大きくなるものであることを特徴とする手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
このように変化部を変化させることにより、当該変化部の変化が、特定時点で操作手段を操作しようとする遊技者の目安となる。
【0052】
○手段1-4
前記特定時点経過後、前記変化部は、前記開始時点における態様に近づいていくように変化することを特徴とする手段1-3に記載の遊技機。
このようにすることで、特定時点経過後の時間経過が分かりやすくなる。
【0053】
○手段1-5
前記変化部は、前記開始時点から前記特定時点にかけて前記変化部の輝度が高くなっていくものであり、当該特定時点において当該輝度が最も高くなることを特徴とする手段1-3または手段1-4に記載の遊技機。
変化部の態様の変化としては、上記のような輝度の変化を例示することができる。色等を変化させる構成とすると、当該色等の変化が当たり信頼度を示しているものと勘違いされてしまうおそれがあるから、このようなおそれを低減するために、変化部の輝度が変化する構成とするとよい。
【0054】
○手段2-1
遊技者が操作可能な操作手段と、
操作有効期間中における前記操作手段の操作が演出に反映される操作演出を実行する操作演出実行手段と、
前記操作手段は、自動的に動作することが可能な可動部を有し、
前記操作有効期間の途中で、前記可動部の態様が変化する可動演出が実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、操作有効期間の途中で可動部の態様が変化するという面白みのある演出を実行することが可能である。
【0055】
○手段2-2
前記可動演出として、静止した状態にあった前記可動部が、前記操作有効期間の途中で動作する演出が発生することを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このように、静止した状態にある可動部が操作有効期間の途中で動作するようにすることで、遊技者に驚きを与える演出とすることが可能である。
【0056】
○手段2-3
前記可動演出として、継続的に動作する状態にあった前記可動部が、前記操作有効期間の途中で静止した状態に変化する演出が発生することを特徴とする手段2-1または手段2-2に記載の遊技機。
このように、動作した状態にある可動部が操作有効期間の途中で静止するようにすることで、遊技者に驚きを与える演出とすることが可能である(動作する状態にある可動部が操作有効期間の途中で静止することは考えにくい)。
【0057】
○手段2-4
前記可動演出が発生しなかった場合に比して、前記可動演出が発生した場合の方が、前記操作演出の結末が遊技者に有利なものとなる蓋然性が高くなるように設定されていることを特徴とする手段2-1から手段2-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、可動部の態様変化が発生するか否かに注目させる遊技性(可動部の態様変化が発生することを願う遊技性)を実現することが可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 遊技機
10 操作手段
101 変化部
102 可動部
91 表示装置
911 表示領域
図1
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図3
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図12