(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】発泡性飲料注出装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20230106BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2018248742
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】591036996
【氏名又は名称】フジテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 達夫
(72)【発明者】
【氏名】山岸 正則
(72)【発明者】
【氏名】村井 威仁
(72)【発明者】
【氏名】古市 弘
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-192098(JP,A)
【文献】特開2017-193351(JP,A)
【文献】特開2015-034057(JP,A)
【文献】登録実用新案第3205761(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00- 3/04
A23L 2/00
A23P 30/40
B65D 83/00
G07F 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注出装置本体と、
発泡性飲料注出部と、
前記発泡性飲料注出部の第1流路内の発泡性飲料から泡を生成する泡生成部と、
前記発泡性飲料を注出する発泡性飲料注出状態と、前記泡を注出する泡注出状態と、前記発泡性飲料および前記泡の注出を停止する注出停止状態とを切り替える操作部と
、
前記発泡性飲料注出部の前記第1流路に前記発泡性飲料を供給するポンプと
を具備し、
前記泡注出状態において前記第1流路に供給される前記発泡性飲料の流量は、前記発泡性飲料注出状態において前記第1流路に供給される前記発泡性飲料の流量よりも小さくなるように構成されて
おり、
前記発泡性飲料注出状態における前記ポンプの出力を第1出力と定義し、前記泡注出状態における前記ポンプの出力を第2出力と定義するとき、前記第2出力は、ゼロより大きく前記第1出力よりも小さい出力である
発泡性飲料注出装置。
【請求項2】
前記第1流路を閉塞可能な閉鎖部材を更に具備し、
前記注出停止状態において、前記第1流路は、前記閉鎖部材によって閉塞されている
請求項
1に記載の発泡性飲料注出装置。
【請求項3】
前記第1流路を閉塞可能な閉鎖部材を更に具備し、
前記閉鎖部材は、前記第1流路を閉塞する第1位置と、前記第1流路の最小断面積が所定値よりも大きくなるように前記第1流路を開放する第2位置と、前記第1流路の最小断面積が前記所定値よりも小さくなるように前記第1流路を開放する第3位置との間で、位置変更可能であり、
前記注出停止状態では、前記閉鎖部材は、前記第1位置にあり、
前記発泡性飲料注出状態では、前記閉鎖部材は、前記第2位置にあり、
前記泡注出状態では、前記閉鎖部材は、前記第3位置にある
請求項1に記載の発泡性飲料注出装置。
【請求項4】
注出装置本体と、
発泡性飲料注出部と、
前記発泡性飲料注出部の第1流路内の発泡性飲料から泡を生成する泡生成部と、
前記発泡性飲料を注出する発泡性飲料注出状態と、前記泡を注出する泡注出状態と、前記発泡性飲料および前記泡の注出を停止する注出停止状態とを切り替える操作部と、
前記第1流路を閉塞可能な閉鎖部材と、
前記発泡性飲料注出部の前記第1流路に前記発泡性飲料を供給するポンプ
と
を具備し、
前記泡注出状態において前記第1流路に供給される前記発泡性飲料の流量は、前記発泡性飲料注出状態において前記第1流路に供給される前記発泡性飲料の流量よりも小さくなるように構成されており、
前記閉鎖部材は、前記第1流路を閉塞する第1位置と、前記第1流路の最小断面積が所定値よりも大きくなるように前記第1流路を開放する第2位置と、前記第1流路の最小断面積が前記所定値よりも小さくなるように前記第1流路を開放する第3位置との間で、位置変更可能であり、
前記注出停止状態では、前記閉鎖部材は、前記第1位置にあり、
前記発泡性飲料注出状態では、前記閉鎖部材は、前記第2位置にあり、
前記泡注出状態では、前記閉鎖部材は、前記第3位置にあり、
前記泡生成部は、前記第1流路を規定する第1管部材に接触配置される超音波振動子を含み、
前記泡注出状態となるように前記操作部が操作されると、前記ポンプの作動に先行して前記超音波振動子が発振するように構成されている
発泡性飲料注出装置。
【請求項5】
前記泡生成部は、前記第1流路を規定する第1管部材に接触配置される超音波振動子を含み、
前記発泡性飲料注出状態では、前記ポンプの出力が前記第1出力であり、かつ、前記超音波振動子が非作動状態であり、
前記泡注出状態では、前記ポンプの出力が前記第2出力であり、かつ、前記超音波振動子が作動状態である
請求項
1または2に記載の発泡性飲料注出装置。
【請求項6】
注出装置本体と、
発泡性飲料注出部と、
前記発泡性飲料注出部の第1流路内の発泡性飲料から泡を生成する泡生成部と、
前記発泡性飲料を注出する発泡性飲料注出状態と、前記泡を注出する泡注出状態と、前記発泡性飲料および前記泡の注出を停止する注出停止状態とを切り替える操作部と、
前記発泡性飲料注出部の前記第1流路に前記発泡性飲料を供給するポンプ
と
を具備し、
前記泡注出状態において前記第1流路に供給される前記発泡性飲料の流量は、前記発泡性飲料注出状態において前記第1流路に供給される前記発泡性飲料の流量よりも小さくなるように構成されており、
前記泡生成部は、前記第1流路を規定する第1管部材に接触配置される超音波振動子を含み、
前記泡注出状態から前記注出停止状態となるように前記操作部が操作されると、前記超音波振動子が非作動状態になった後に、前記ポンプの作動が停止するように構成されている
発泡性飲料注出装置。
【請求項7】
前記第1流路を規定する第1管部材は、前記超音波振動子が接触配置される第1部分、および、可撓性を有する第2部分を含む
請求項
4乃至6のいずれか一項に記載の発泡性飲料注出装置。
【請求項8】
発泡性飲料容器から前記発泡性飲料注出部の注出口までの注出流路は、前記第1流路を含む1本の流路によって構成されており、
前記第1流路は、前記発泡性飲料を注出する飲料注出流路であるとともに、泡を注出する泡注出流路である
請求項1乃至
7のいずれか一項に記載の発泡性飲料注出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性飲料注出装置、および、発泡性飲料注出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビールサーバーを用いて、ビールおよび泡を注出する技術が知られている。ビールの泡には、クリーミーな泡(キメの細かい泡、すなわち、微細な泡)と、カニ泡(キメの粗い泡)とがある。キメの細かい泡ほど、泡の存在が長持ちするため、ビールサーバーからグラス、ジョッキ等の飲み物容器にビールおよび泡が注出された後、飲み物容器にはキメの細かい泡(クリーミーな泡)が形成されていることが好ましい。
【0003】
関連する技術として特許文献1には、泡出装置付きのビールコックが記載されている。特許文献1には「ボディ内の流路および吐出管の内面に泡が付着して残り、この泡が次にコップにビールを注ぎ込むときに、泡が泡をよぶようになってビールを泡立たせて、基準とするレベルまでビールをきれいに注ぎ込むことができない」旨記載されている。そして、特許文献1に記載のビールコックでは、次にビールを注ぎ出すときに泡立ちが生じないように、泡用流路をビール用の流路から遮断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、状態の良い泡を注出可能な発泡性飲料注出装置、および、発泡性飲料注出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0007】
いくつかの実施形態における発泡性飲料注出装置は、注出装置本体(10)と、発泡性飲料注出部(20)と、前記発泡性飲料注出部(20)の第1流路(21b)内の発泡性飲料から泡を生成する泡生成部(40)と、前記発泡性飲料を注出する発泡性飲料注出状態と、前記泡を注出する泡注出状態と、前記発泡性飲料および前記泡の注出を停止する注出停止状態とを切り替える操作部(50)とを具備する。前記泡注出状態において前記第1流路(21b)に供給される前記発泡性飲料の流量は、前記発泡性飲料注出状態において前記第1流路(21b)に供給される前記発泡性飲料の流量よりも小さくなるように構成されている。
【0008】
上記発泡性飲料注出装置は、前記発泡性飲料注出部(20)の前記第1流路(21b)に前記発泡性飲料を供給するポンプ(30)を更に具備していてもよい。前記発泡性飲料注出状態における前記ポンプ(30)の出力を第1出力と定義し、前記泡注出状態における前記ポンプ(30)の出力を第2出力と定義するとき、前記第2出力は、ゼロより大きく第1出力よりも小さい出力であってもよい。
【0009】
上記発泡性飲料注出装置は、前記第1流路(21b)を閉塞可能な閉鎖部材(60)を更に具備していてもよい。前記注出停止状態において、前記第1流路(21b)は、前記閉鎖部材(60)によって閉塞されていてもよい。
【0010】
上記発泡性飲料注出装置において、前記閉鎖部材(60)は、前記第1流路(21b)を閉塞する第1位置と、前記第1流路(21b)の最小断面積が所定値よりも大きくなるように前記第1流路(21b)を開放する第2位置と、前記第1流路(21b)の最小断面積が前記所定値よりも小さくなるように前記第1流路(21b)を開放する第3位置との間で、位置変更可能であってもよい。前記注出停止状態では、前記閉鎖部材(60)は、前記第1位置にあり、前記発泡性飲料注出状態では、前記閉鎖部材(60)は、前記第2位置にあり、前記泡注出状態では、前記閉鎖部材(60)は、前記第3位置にあってもよい。
【0011】
上記発泡性飲料注出装置において、前記泡生成部(40)は、前記第1流路(21b)を規定する第1管部材(21)に接触配置される超音波振動子(41)を含んでいてもよい。前記泡注出状態となるように前記操作部(50)が操作されると、前記ポンプ(30)の作動に先行して前記超音波振動子(41)が発振するように構成されていてもよい。
【0012】
上記発泡性飲料注出装置において、前記泡生成部(40)は、前記第1流路(21b)を規定する第1管部材(21)に接触配置される超音波振動子(41)を含んでいてもよい。前記発泡性飲料注出状態では、前記ポンプ(30)の出力が前記第1出力であり、かつ、前記超音波振動子(41)が非作動状態であってもよい。前記泡注出状態では、前記ポンプ(30)の出力が前記第2出力であり、かつ、前記超音波振動子(41)が作動状態であってもよい。
【0013】
上記発泡性飲料注出装置は、前記発泡性飲料注出部(20)の前記第1流路(21b)に前記発泡性飲料を供給するポンプ(30)を更に具備していてもよい。前記泡生成部(40)は、前記第1流路(21b)を規定する第1管部材(21)に接触配置される超音波振動子(41)を含んでいてもよい。また、前記泡注出状態から前記注出停止状態となるように前記操作部(50)が操作されると、前記超音波振動子(41)が非作動状態になった後に、前記ポンプ(30)の作動が停止するように構成されていてもよい。
【0014】
上記発泡性飲料注出装置において、前記第1流路(21b)を規定する第1管部材(21)は、前記超音波振動子(41)が接触配置される第1部分(21d)、および、可撓性を有する第2部分(21e)を含んでいてもよい。
【0015】
上記発泡性飲料注出装置において、発泡性飲料容器(C)から前記発泡性飲料注出部(20)の注出口(21a)までの注出流路は、前記第1流路(21b)を含む1本の流路によって構成されていてもよい。また、前記第1流路(21b)は、前記発泡性飲料を注出する飲料注出流路であるとともに、泡を注出する泡注出流路であってもよい。
【0016】
いくつかの実施形態における発泡性飲料注出方法は、発泡性飲料注出部(20)の第1流路(21b)に発泡性飲料を供給することにより、前記発泡性飲料注出部(20)の注出口(21a)から発泡性飲料を注出する発泡性飲料注出工程と、前記第1流路(21b)中の発泡性飲料から泡を生成する泡生成工程と、前記生成された泡を前記注出口(21a)から注出する泡注出工程とを具備する。前記泡生成工程において前記第1流路(21b)に供給される発泡性飲料の流量は、前記発泡性飲料注出工程において前記第1流路(21b)に供給される発泡性飲料の流量よりも小さい。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、状態の良い泡を注出可能な発泡性飲料注出装置、および、発泡性飲料注出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、第1の実施形態におけるビール注出装置を模式的に示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態におけるビール注出装置を模式的に示す概略断面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態におけるビール注出装置を模式的に示す概略断面図である。
【
図4】
図4は、出力切替機構の一例を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、出力切替機構の他の一例を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、交換部品が注出装置本体から取り出される様子を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態におけるビール注出装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態におけるビール注出方法の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第2の実施形態におけるビール注出装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態におけるビール注出装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態におけるビール注出装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態におけるビール注出装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図13】
図13は、出力切替機構の一例を模式的に示す図である。
【
図14】
図14は、ポンプおよび超音波振動子の作動タイミングが、制御装置によって制御される例を模式的に示す図である。
【
図15】
図15は、第2の実施形態におけるビール注出方法の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第3の実施形態におけるビール注出装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図17】
図17は、第3の実施形態におけるビール注出装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図18】
図18は、第3の実施形態におけるビール注出装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図19】
図19は、実施形態におけるビール注出装置を模式的に示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施形態における発泡性飲料注出装置、および、発泡性飲料注出方法に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しとなる説明は省略される。なお、実施形態において、「発泡性飲料」が、ビールである場合の例について説明する。しかし、実施形態における「発泡性飲料」は、ビールに限定されない。実施形態における「発泡性飲料」は、ビール以外の発泡酒(例えば、「麦芽又は麦を原料の一部とした酒類で発泡性を有するもの」)であってもよい。この場合、以下の実施形態における「ビール」の記載は、「発泡性飲料」あるいは「発泡酒」に読み替えられる。発泡性飲料は、アルコール含有の発泡性飲料であることが好ましいが、発泡性飲料は、ノンアルコールビールであってもよい。
【0020】
(第1の実施形態)
図1乃至
図8を参照して、第1の実施形態におけるビール注出装置1A、および、ビール注出方法について説明する。
図1乃至
図3は、第1の実施形態におけるビール注出装置1Aを模式的に示す概略断面図である。
図4は、出力切替機構Mの一例を模式的に示す図である。
図5は、出力切替機構Mの他の一例を模式的に示す図である。
図6は、交換部品(21、24、25)が注出装置本体10から取り出される様子を模式的に示す図である。
図7は、第1の実施形態におけるビール注出装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図8は、第1の実施形態におけるビール注出方法の一例を示すフローチャートである。
【0021】
第1の実施形態におけるビール注出装置1Aは、注出装置本体10と、ビール注出部20と、ポンプ30と、泡生成部40と、操作部50とを備える。
【0022】
図1に記載の例では、注出装置本体10は、筐体である。注出装置本体10は、ベース部10aと、蓋部10bとを備えていてもよい。
図1に記載の例では、注出装置本体10が、ヒンジ部10cを備え、ベース部10aと蓋部10bとがヒンジ部10cを介して連結されている。注出装置本体10内には、ビール容器Cが配置されていてもよい。また、注出装置本体10は、ビール容器C内のビールを冷却する冷却機構を備えていてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、注出装置本体10は、注出装置本体10内の温度を維持する断熱構造(断熱壁)を備えていてもよい。
【0023】
ビール注出部20は、注出口21aを備えた第1管部材21を有する。第1管部材21は、ビールBが通過する第1流路21bを規定する。第1管部材21は、1つの部品によって構成されていてもよく、複数の部品のアセンブリによって構成されていてもよい。
【0024】
ポンプ30は、直接的または間接的に、ビール注出部20の第1流路21bにビールを供給する。換言すれば、ポンプ30は、流路に沿ってビールを移動させるための駆動源として機能する。より具体的には、ポンプ30は、ビール容器C内にガス(例えば、空気)を供給することにより、ビール容器C内のビールを第1流路21bに向けて押し出す。
図1に記載の例では、ポンプ30は、注出装置本体10外の空気をビール容器C内に供給することにより、ビール容器C内のビールBを第1流路21bに向けて押し出す。
【0025】
泡生成部40は、第1流路21b内のビールから泡を生成する。
図1に記載の例では、泡生成部40は、第1流路21bを規定する第1管部材21に接触配置される超音波振動子41を含む。そして、超音波振動子41が振動することにより、第1流路21b内のビール、換言すれば、第1管部材21内のビールから泡が生成される。
【0026】
操作部50は、注出口21aからビールが注出されるビール注出状態と、注出口21aから泡が注出される泡注出状態と、注出口21aからのビールおよび泡の注出が停止している注出停止状態とを切り替える。操作部50は、例えば、操作レバー51を含む。
図2に例示されるように、操作レバー51が第1方向DR1に操作されると、注出口21aからビールが注出されるビール注出状態となる。また、
図3に例示されるように、操作レバー51が第2方向DR2(例えば、第1方向DR1とは反対の方向)に操作されると、注出口21aから泡が注出される泡注出状態となる。操作レバー51が中立位置(
図1を参照。)に戻ると(例えば、操作レバー51から手を離すと)、注出口21aからのビールおよび泡の注出が停止している注出停止状態となる。
図1乃至
図3に記載の例では、操作部50は、操作レバー51を含む。代替的に、操作部50は、操作レバー51の代わりに、押しボタン、タッチパネル等を含んでいてもよい。
【0027】
第1の実施形態において、泡注出状態において第1流路21bに供給されるビールの流量(換言すれば、泡注出状態において、単位時間当たりに、第1流路21bに供給されるビールの量)は、ビール注出状態において第1流路21bに供給されるビールの流量(換言すれば、ビール注出状態において、単位時間当たりに、第1流路21bに供給されるビールの量)よりも小さくなるように構成されている。泡注出状態において第1流路21bに供給されるビールの流量を小さくすることにより、泡注出状態において第1流路21bを流れるビールの流量(または流速)を小さくすることができる。その結果、第1流路21bにおいて、良好に泡が生成され、注出口21aから状態の良い泡(より具体的には、キメの細かい泡)が注出される。
【0028】
第1の実施形態では、泡注出状態において第1流路21bに供給されるビールの流量を小さくするために、上述の泡注出状態におけるポンプ30の出力が、上述のビール注出状態におけるポンプ30の出力よりも小さくなるように構成されている。より具体的には、ビール注出状態におけるポンプ30の出力を「第1出力」と定義し、泡注出状態におけるポンプ30の出力を「第2出力」と定義するとき、第2出力は、ゼロより大きく第1出力よりも小さい出力である。
【0029】
第1の実施形態におけるビール注出装置1Aは、操作部50の操作に応じて、ポンプ30の出力を、ゼロと、第1出力と、第2出力との間で切り替える出力切替機構Mを有していてもよい。なお、第2出力は、ゼロと第1出力との間の出力、換言すれば、ゼロより大きく第1出力よりも小さい出力を意味する。
【0030】
図4を参照して、出力切替機構Mの一例について説明する。
図4に記載の例では、出力切替機構Mは、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第1電源PS1、および、第2電源PS2を含む。
【0031】
図4の真ん中の図に例示されるように、操作部50が、中立位置にあるとき、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2がOFFとなる。第1スイッチSW1および第2スイッチSW2がOFF状態であるとき、ポンプ30には電力が供給されない。よって、ビール注出装置1Aは、注出口21aからのビールおよび泡の注出が停止している注出停止状態となる。
【0032】
図4の上側の図に例示されるように、ビール注出状態となるように操作部50が操作されると、第1スイッチSW1がONとなり、第2スイッチSW2がOFFとなる。この場合、ポンプ30には、第1電源PS1および第2電源PS2から電力(
図4に記載の例では、6Vの電圧に対応する電力)が供給される。その結果、ポンプ30の出力は、相対的に高出力な第1出力となる。
【0033】
他方、
図4の下側の図に例示されるように、泡注出状態となるように操作部50が操作されると、第1スイッチSW1がOFFとなり、第2スイッチSW2がONとなる。この場合、ポンプ30には、第1電源PS1から電力(
図4に記載の例では、3Vの電圧に対応する電力)が供給され、第2電源PS2からは電力が供給されない。その結果、ポンプ30の出力は、相対的に低出力な第2出力となる。
【0034】
図4に記載の例では、出力切替機構Mは、電気的回路を含む。この場合、簡易な構成で、ポンプ30の出力を切り替えることができる。なお、電気的回路は、電気回路であってもよいし、電子回路であってもよいし、電気回路と電子回路との組み合わせであってもよい。
【0035】
図5を参照して、出力切替機構Mの他の一例について説明する。
図5に記載の例では、出力切替機構Mは、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3、第1電源PS1、第2電源PS2、および、超音波振動子41に接続された超音波発振回路UCを含む。
【0036】
図5の真ん中の図に例示されるように、操作部50が、中立位置にあるとき、第1スイッチSW1乃至第3スイッチSW3がOFFとなる。第1スイッチSW1乃至第3スイッチSW3がOFF状態であるとき、ポンプ30および超音波発振回路UCには電力が供給されない。よって、ビール注出装置1Aは、注出口21aからのビールおよび泡の注出が停止している注出停止状態となる。
【0037】
図5の上側の図に例示されるように、ビール注出状態となるように操作部50が操作されると、第1スイッチSW1がONとなり、第2スイッチSW2および第3スイッチSW3がOFFとなる。この場合、ポンプ30には、第1電源PS1および第2電源PS2から電力(
図5に記載の例では、6Vの電圧に対応する電力)が供給される。その結果、ポンプ30の出力は、相対的に高出力な第1出力となる。他方、超音波発振回路UCには電力が供給されない。以上のことから、ビール注出状態となるように操作部50が操作されると、注出口21aからビールが注出される。
【0038】
他方、
図5の下側の図に例示されるように、泡注出状態となるように操作部50が操作されると、第1スイッチSW1がOFFとなり、第2スイッチSW2および第3スイッチSW3がONとなる。この場合、ポンプ30には、第1電源PS1から電力(
図5に記載の例では、3Vの電圧に対応する電力)が供給され、第2電源PS2からは電力が供給されない。その結果、ポンプ30の出力は、相対的に低出力な第2出力となる。また、超音波発振回路UCには、電力が供給される(より具体的には、超音波発振回路UCには、第1電源PS1から電力が供給される。)。その結果、超音波振動子41が振動する。以上のことから、泡注出状態となるように操作部50が操作されると、注出口21aから状態の良い泡が注出される。
【0039】
図5に記載の例では、出力切替機構Mは、電気的回路を含む。この場合、簡易な構成で、ポンプ30の出力を切り替えることができる。なお、電気的回路は、電気回路であってもよいし、電子回路であってもよいし、電気回路と電子回路との組み合わせであってもよい。
【0040】
図5に記載の例では、ポンプ30の出力を切り替える出力切替機構Mが、超音波発振回路UCを含む。この場合、操作部50を操作することにより、ポンプ30の出力を第1出力とし、かつ、超音波振動子41を非作動状態とするビール注出状態と、ポンプ30の出力を第2出力とし、かつ、超音波振動子41を作動状態とする泡注出状態とを切り替えることができる。
【0041】
本出願の発明者は、第1流路21bを規定する第1管部材21に接触配置される超音波振動子41を用いて、第1流路21b内のビールから泡を生成する場合、第1流路21b内を流れるビールの流速は、通常のビール注出で用いられる流速よりも低いことが好ましいことを発見した。
図5に記載の例では、ポンプ30の出力「小」と、超音波振動子41の発振「有」とを連動させ、ポンプ30の出力「大」と、超音波振動子41の発振「無」とを連動させることにより、ビール注出時の注出速度を低下させることなく、泡注出時の泡の状態を良くしている。
【0042】
なお、
図4および
図5に記載の例では、出力切替機構Mは、電気的回路を含む。代替的に、あるいは、付加的に、出力切替機構Mは、ポンプ30の出力を切り替える制御装置を含んでいてもよい。また、当該制御装置は、ポンプ30の出力の制御に加え、超音波振動子41のON/OFF制御を実行するようにしてもよい。
【0043】
(任意付加的な構成)
続いて、第1の実施形態において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0044】
図6に記載の例では、第1流路21bを規定する第1管部材21は、交換可能な交換部品(例えば、使い捨て部品)である。第1管部材21は、超音波振動子41が接触配置される第1部分21dと、可撓性を有する第2部分21eとを含んでいてもよい。第1部分21dは、第2部分21eよりも硬質である。第1部分21dは、例えば、硬質樹脂によって形成され、第2部分21eは、例えば、軟質樹脂によって形成される。第1部分21dが硬質であることにより、超音波振動子41の振動が、第1部分21dを介して、第1流路21b内のビールに効果的に伝達される。また、第2部分21eが可撓性を有することにより、第1管部材21に多少の製造誤差がある場合であっても、第1管部材21を適切に注出装置本体10に配置することが可能となる。さらに、第2部分21eが可撓性を有する場合、第2部分21eを、後述の閉鎖部材60(第2の実施形態を参照。)によって閉塞される被閉塞部として利用することが可能となる。
【0045】
図6に記載の例では、第1管部材21は、可撓管212である第2部分21eと、剛性管211とのアセンブリよって構成されている。剛性管211の一部が、超音波振動子41に接触する第1部分21dとして機能する。剛性管211は、屈曲部211cを有していてもよい。
【0046】
図6に記載の例では、第1管部材21の先端部(より具体的には、屈曲部211cよりも先端側の部分)は、流路断面積が注出口21aに向かうにつれて大きくなるように形成されている。他方、第1管部材21のうち先端部以外の部分(より具体的には、屈曲部211cよりも基端側の部分)は、流路断面積がビールの流れ方向に沿って変化しない。代替的に、第1管部材21の流路断面積は、先端部であるか先端部以外の部分であるかに関わらず、一定であってもよい。
【0047】
図6に記載の例では、第1管部材21と、ビール容器C内に配置されるダウンチューブ24とが、接続部材25を介して連結されている。そして、第1管部材21と、ダウンチューブ24と、接続部材25とが、交換可能な交換部品(例えば、使い捨て部品)である。第1管部材21と、ダウンチューブ24と、接続部材25とは、ビールと直接接触する接液部品である。接液部品が交換可能であることにより、換言すれば、注出装置本体10が実質的に非接液部品のみによって構成されていることにより、注出装置本体10の洗浄頻度を少なくすることが可能である。なお、交換部品(21、24、25)が、金属部品を含まない場合には、交換部品の分別廃棄が容易となる。
【0048】
図6に記載の例では、接続部材25に、第2流路25bが形成されている。第2流路25bは、第1管部材21によって規定される第1流路21bと、ダウンチューブ24によって規定される第3流路24bとを連通する。
【0049】
図6に記載の例では、接続部材25に、ガス流路25gが形成されている。ガス流路25gは、ビール容器C内にガスを供給するための流路として機能する。
図6に記載の例では、ガス流路25gは、接続部材25の上面の開口と連通しており、当該接続部材25の上面は、シール部材S1が接触配置される被シール面25sとして機能する。
【0050】
図6に記載の例では、接続部材25の外周面に環状のシール部材S2が配置されている。接続部材25が、ビール容器Cに装着されると、シール部材S2は、接続部材25とビール容器Cとの間の隙間をシールする。
図6に記載の例では、接続部材25は、ビール容器Cの首部に装着される蓋部材として機能する。
【0051】
接続部材25には、ビール容器C内のガスをビール容器C外に放出するガス放出流路25eが形成されていてもよい。接続部材25にガス放出流路25eが形成されている場合、操作部50を操作することにより、ビール注出状態(または、泡注出状態)から注出停止状態に切り替えられた後、ビール容器C内の内圧がより速やかに低下する。ビール容器C内の内圧が速やかに低下することにより、注出口21aからのビールまたは泡の注出が速やかに停止する(換言すれば、注出口21aにおける泡ギレまたは液ギレが改善される)。また、接続部材25にガス放出流路25eが形成されている場合、注出停止状態において、ビール容器C内のビールから発生する炭酸ガスが、ガス放出流路25eから放出される。このため、ビール容器C内のビールから発生する炭酸ガスによって、ビール容器C内のビールが第1流路21bに向けて押し出されることがない。なお、ガス放出流路25eの内径は、ガス流路25gの内径よりも小さいことが好ましい。この場合、ポンプ30の作動時にガス流路25gを介してビール容器C内に供給されたガスのうち、ビールの押し出しに寄与することなくガス放出流路25eから放出されるガスの割合が小さくて済む。
【0052】
図7に例示されるように、蓋部10bが、閉位置に移動されると、蓋部10bに配置された超音波振動子41が、第1管部材21の第1部分21dに接触する。また、蓋部10bが、閉位置に移動されると、蓋部10bに配置されたシール部材S1が、接続部材25の被シール面25sに接触する。
【0053】
図7に記載の例では、蓋部10bに、ポンプ30と、ポンプ30に接続されたガス供給管31とが配置されている。
図7に記載の例では、シール部材S1が、ガス供給管31と接続部材25との間をシールしているため、ポンプ30およびガス供給管31を介して供給されたガス(例えば、空気)が、ガス供給管31と接続部材25との間の隙間から漏出することはない。
【0054】
図7に記載の例では、蓋部10bに、操作部50(より具体的には、操作レバー51)と、ポンプ30および/または超音波振動子41を作動させるスイッチSW(より具体的には、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3)とが配置されている。
【0055】
図6に記載の例では、ビール容器Cからビール注出部20の注出口21aまでの注出流路は、第1流路21bを含む1本の流路(より具体的には、ダウンチューブ24によって規定される第3流路24b、接続部材25によって規定される第2流路25b、および、第1管部材21によって規定される第1流路21b)によって構成されている。また、第1流路21bは、ビールを注出する飲料注出流路であるとともに、泡を注出する泡注出流路である。
【0056】
ビール容器Cからビール注出部20の注出口21aまでの注出流路が一本の流路によって構成されている場合、換言すれば、注出流路が、泡注出専用の泡注出流路とビール注出専用のビール注出流路とからなる2本の注出流路を含まない場合、注出流路の構成および配置をシンプルにすることができる。また、
図6に記載の例のように、ビール容器Cからビール注出部20の注出口21aまでの注出流路(より具体的には、ダウンチューブ24、接続部材25、および、第1管部材21)が、一本の流路を規定し、かつ、当該注出流路が、交換部品によって構成されている場合、交換部品の構造をシンプルにすることができる。この場合、交換部品の製造コストが低減される。
【0057】
(ビール注出方法)
続いて、第1の実施形態におけるビール注出方法の一例について説明する。
【0058】
第1の実施形態におけるビール注出方法は、ビール注出装置1を用いて実行される。第1の実施形態におけるビール注出方法において使用されるビール注出装置1は、第1の実施形態におけるビール注出装置1Aであってもよいし、他のビール注出装置であってもよい。
【0059】
第1ステップST1において、ビール注出部20の注出口21aからビールBが注出される。第1ステップST1は、ビール注出工程である。第1ステップST1は、ビール注出部20の第1流路21bにビールBを供給することにより実行される。なお、第1ステップST1の実行中、操作部50の位置は、ビール注出位置にある(
図2を参照。)。
【0060】
第2ステップST2において、第1流路21b中のビールから泡が生成される。第2ステップST2は、泡生成工程である。第2ステップST2は、例えば、第1流路21bを規定する第1管部材21に接触配置される超音波振動子41を振動させることにより実行される。より具体的には、超音波振動子41が振動することにより、第1流路21b内のビールに振動が伝わり、ビールに振動が伝わる結果、第1流路21b内においてビールから泡が生成される。なお、超音波振動子41によって泡の生成が行われる場合には、泡生成のために第1流路21bの形状を複雑にする必要がない。
【0061】
第3ステップST3において、第2ステップST2で生成された泡が注出口21aから注出される。第3ステップST3は、泡注出工程である。第3ステップST3は、ビール注出部20の第1流路21bにビールBを供給することにより実行される。より具体的には、第1流路21bにビールBを供給することにより、第1流路21b内で生成された泡が、ビールBによって押し出される。第2ステップST2および第3ステップST3の実行中、操作部50の位置は、泡注出位置にある(
図3を参照。)。
【0062】
第1の実施形態におけるビール注出方法では、泡生成工程において第1流路21bに供給されるビールの流量(換言すれば、泡生成工程において、単位時間当たりに、第1流路21bに供給されるビールの量)は、ビール注出工程において第1流路21bに供給されるビールの流量(換言すれば、ビール注出工程において、単位時間当たりに、第1流路21bに供給されるビールの量)よりも小さい。泡注出工程において、第1流路21bを流れるビールの流量(または流速)を小さくすることにより、第1流路21bにおいて、良好に泡が生成される。その結果、注出口21aから状態の良い泡(より具体的には、キメの細かい泡)が注出される。
【0063】
第1の実施形態におけるビール注出方法の泡注出工程において、第1流路21bを流れるビールの流量(または流速)を小さくするためには、泡注出工程におけるポンプ30(より具体的には、ビール注出部20の第1流路21bにビールを供給するポンプ30)の出力を、ビール注出工程におけるポンプ30の出力よりも小さくすればよい。ポンプ30の出力を小さくすることによって、簡易な構成で、より確実に、第1流路21bを流れるビールの流量(または流速)を小さくすることが可能である。
【0064】
ビール注出工程におけるポンプ30の出力を「第1出力」と定義し、泡注出工程におけるポンプ30の出力を「第2出力」と定義する時、第2出力は、第1出力の80%以下、70%以下、60%以下、あるいは、50%以下であることが好ましい。なお、ポンプ30の出力は、ポンプ30に供給される電力、電圧、または、電流を意味していてもよい。代替的に、ポンプ30の出力は、ポンプ30から吐出される流体の流量(例えば、ガス供給管31に供給されるガスの流量)を意味していてもよい。
【0065】
第1の実施形態におけるビール注出方法において、超音波振動子41の作動の有無に連動して、ポンプ30の出力が変更されてもよい。より具体的には、超音波振動子41が作動している状態におけるポンプ30の出力を第2出力(低出力)とし、超音波振動子41が作動していない状態におけるポンプ30の出力を第1出力(高出力)としてもよい。
【0066】
(第2の実施形態)
図9乃至
図15を参照して、第2の実施形態におけるビール注出装置1B、および、ビール注出方法について説明する。
図9乃至
図12は、第2の実施形態におけるビール注出装置1Bの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図13は、出力切替機構Mの一例を模式的に示す図である。
図14は、ポンプ30および超音波振動子41の作動タイミングが、制御装置80aによって制御される例を模式的に示す図である。
図15は、第2の実施形態におけるビール注出方法の一例を示すフローチャートである。
【0067】
第2の実施形態におけるビール注出装置1Bは、第1流路21bを閉塞可能な閉鎖部材60を有する点で、第1の実施形態におけるビール注出装置1Aとは異なる。その他の点では、第2の実施形態におけるビール注出装置1Bは、第1の実施形態におけるビール注出装置1Aと同様である。
【0068】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
【0069】
図9に記載の例では、注出口21aからのビールおよび泡の注出が停止している注出停止状態において、第1流路21bは、閉鎖部材60によって閉塞されている。
【0070】
より具体的には、
図9に記載の例では、第1管部材21が、可撓性を有する第2部分21eを備える。当該第2部分21eが、閉鎖部材60によって押圧されることにより、第2部分21eが、第1流路21bの閉塞部Fとなる。
図9に記載の例では、閉鎖部材60は、棒状または板状の部材であるが、閉鎖部材60の形状は、
図9に記載の例に限定されず任意である。
【0071】
閉鎖部材60は、第1流路21bを閉塞する第1位置(
図9を参照。)と、第1流路21bの最小断面積(より具体的には、閉鎖部材60に対向する位置における第1流路の断面積)が所定値よりも大きくなるように第1流路21bを開放する第2位置(
図10を参照。)と、第1流路21bの最小断面積(より具体的には、閉鎖部材60に対向する位置における第1流路の断面積)が上述の所定値よりも小さくなるように第1流路21bを開放する第3位置(
図11を参照。)との間で、位置変更可能であることが好ましい。
図9乃至
図11に記載の例では、閉鎖部材60は、第1位置から第2位置(または第3位置)に向けて、直線的に移動可能である。代替的に、閉鎖部材60は、第1位置から第2位置(または第3位置)に向けて、曲線的に移動可能であってもよい。
【0072】
操作部50が注出停止位置(すなわち、中立位置)にあるとき、換言すれば、ビール注出装置1Bが注出停止状態であるとき、閉鎖部材60は、第1位置(
図9を参照。)にある。また、操作部50が、ビール注出位置にあるとき、換言すれば、ビール注出装置1Bがビール注出状態であるとき、閉鎖部材60は、上述の第2位置(
図10を参照。)にある。また、操作部50が、泡注出位置にあるとき、換言すれば、泡注出状態であるとき、閉鎖部材60は、上述の第3位置(
図11を参照。)にある。
【0073】
泡注出状態における第1流路21bの最小断面積を、ビール注出状態における第1流路21bの最小断面積よりも小さくすることにより、第1流路21bにおいて、良好に泡が生成される。その結果、注出口21aから状態の良い泡(より具体的には、キメの細かい泡)が注出される。特に、泡注出状態における第1流路21bの最小断面積を、ビール注出状態における第1流路21bの最小断面積よりも小さくし、かつ、泡注出状態におけるポンプ30の出力を、ビール注出状態におけるポンプ30の出力よりも小さくする場合には、注出口21aから注出される泡が良質な泡となる。
【0074】
(任意付加的な構成)
続いて、第2の実施形態において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0075】
図9に記載の例では、操作部50は、ビール注出スイッチ(より具体的には、第1スイッチSW1)を押圧可能な第1押圧部52、および、泡注出スイッチ(より具体的には、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3)を押圧可能な第2押圧部53に加え、閉鎖部材60を押圧可能な第3押圧部54を備える。
【0076】
第3押圧部54は、第1部分54aと第2部分54bとを有する。第1部分54aが、閉鎖部材60を押圧すると、閉鎖部材60は、上述の第1位置(
図9を参照。)に移動し、第2部分54bが、閉鎖部材60を押圧すると、閉鎖部材60は、上述の第3位置(
図11を参照。)に移動する。
【0077】
閉鎖部材60が第3位置(
図11を参照。)にあるときの第1流路21bの最小断面積は、閉鎖部材60が第2位置(
図10を参照。)にあるときの第1流路21bの最小断面積の80%以下、70%以下、60%以下、あるいは、50%以下であることが好ましい。
【0078】
図9に記載の例では、ビール注出装置1Bは、閉鎖部材60を第1位置(
図9を参照。)から第2位置(
図10を参照。)に向かう方向に付勢する付勢部材70(例えば、ばね)を備える。この場合、操作部50がビール注出位置(または、泡注出位置)に移動すると、閉鎖部材60は、付勢部材70の付勢力によって、第1位置から、第2位置(または、第3位置)に自動的に移動する。
【0079】
図9に記載の例では、閉鎖部材60、および/または、付勢部材70が、蓋部10bに配置されている。
【0080】
図12に記載の例では、閉鎖部材60は、超音波振動子41よりも、第1流路21bにおけるビールの流れ方向の上流側に配置されている。超音波振動子41と第1管部材21との間の接触部と、閉鎖部材60(より具体的には、閉鎖部材60の中心軸)との間の距離L1は、例えば、0.5cm以上10cm以下、より好ましくは、1cm以上3cm以下である。
【0081】
第2の実施形態における出力切替機構Mは、第1の実施形態における出力切替機構Mと同様の機構であってもよい。代替的に、
図13に例示されるように、第2の実施形態における出力切替機構Mは、操作部50の位置が泡注出位置に移動されると、ポンプ30の作動に先行して超音波振動子41が発振するように制御する遅延装置80(遅延素子、遅延回路または制御装置)を備えていてもよい。換言すれば、第2の実施形態におけるビール注出装置1Bは、泡注出状態となるように操作部50が操作されると、ポンプ30の作動に先行して超音波振動子41が発振するように構成されていてもよい。
【0082】
第2の実施形態において、ビールの注出動作が完了した後、ビール容器C内の残圧は、大気圧よりも高い。この状態(ビール容器C内の内圧が高い状態)において、操作部50の位置が泡注出位置に切り替えられてポンプ30が作動すると、第1流路21bに供給されるビールの流速が過剰となり、状態の良い泡の生成が妨げられるおそれがある。これに対し、ビール注出装置1Bが、ポンプ30の作動に先行して超音波振動子41が発振するように制御する遅延装置80を備える場合、操作部50の位置が泡注出位置に切り替えられた直後、ビール容器C内の残圧のみによって、ビールが第1流路21bに供給されることとなる。この場合、第1流路21bに供給されるビールの流速が過剰となることが抑制され、超音波振動子41によって状態の良い泡が生成される。また、ビール容器C内の残圧(内圧)が低下した後、換言すれば、所定の遅延時間の後、ポンプ30が作動するため、第1流路21bには、泡を生成するためのビールが継続的に供給されることとなる。
【0083】
第2の実施形態において、超音波振動子41の作動から所定の遅延時間の後に作動するポンプ30の出力(第2出力)は、ビール注出状態におけるポンプ30の出力(第1出力)よりも小さいことが好ましい。ポンプ30の第2出力を小さくすることにより、第1流路21bを流れるビールの流量(または流速)を小さくすることができる。その結果、第1流路21bにおいて、良好に泡が生成され、注出口21aから状態の良い泡(より具体的には、キメの細かい泡)が注出される。
【0084】
なお、ポンプ30の作動に先行して超音波振動子41が発振するようにする制御する遅延装置80は、制御装置80aであってもよい。また、泡注出状態におけるポンプ30の出力(第2出力)を、ビール注出状態におけるポンプ30の出力(第1出力)よりも小さい出力とする装置は、制御装置80aであってもよい。
【0085】
図14に記載の例では、ビール注出スイッチ(より具体的には、第1スイッチSW1)と制御装置80aとが信号伝達可能に接続されている。そして、操作部50の操作によりビール注出スイッチが押圧されると、超音波振動子41が作動しない状態で、ポンプ30が第1出力で作動する。その結果、注出口21aからビールが注出される。
【0086】
また、
図14に記載の例では、泡注出スイッチ(より具体的には、第2スイッチSW2)と制御装置80aとが信号伝達可能に接続されている。そして、操作部50の操作により、泡注出スイッチが押圧されると、超音波振動子41が作動し、超音波振動子41が作動してから所定の遅延時間が経過した後にポンプ30が第2出力で作動する。その結果、注出口21aから、状態の良い泡が注出される。
【0087】
なお、
図14に記載の例では、電源PSと制御装置80aとが別体であるが、電源PSと制御装置80aとが一体的に構成されていてもよい。
【0088】
第2の実施形態において、超音波振動子41の作動開始から、ポンプ30が作動開始するまでの時間、換言すれば、上述の所定の遅延時間は、例えば、0.5秒以上5秒以下、より好ましくは、1秒以上3秒以下である。
【0089】
(ビール注出方法)
続いて、第2の実施形態におけるビール注出方法の一例について説明する。
【0090】
第2の実施形態におけるビール注出方法は、ビール注出装置1を用いて実行される。第2の実施形態におけるビール注出方法において使用されるビール注出装置1は、第2の実施形態におけるビール注出装置1Bであってもよいし、他のビール注出装置であってもよい。
【0091】
第1ステップST101において、ビール注出部20の注出口21aからビールBが注出される。第1ステップST101は、ビール注出工程である。第1ステップST101は、操作部50の位置が、注出停止位置からビール注出位置に変更されて、ビール注出部20の第1流路21bにビールBが供給されることにより実行される。
【0092】
図10に記載の例では、操作部50の位置が、注出停止位置からビール注出位置に変更されることにより、閉鎖部材60の位置が、第1位置(
図9を参照。)から第2位置(
図10を参照。)に変更される。その結果、第1流路21bが開放されて、第1流路21bが全開状態となる。
【0093】
また、
図10に記載の例では、操作部50の位置が、注出停止位置からビール注出位置に変更されることにより、操作部50がビール注出スイッチ(例えば、第1スイッチSW1)を押圧する。その結果、ポンプ30が作動して、第1流路21bにビールが供給される。より具体的には、ガス供給管31を介して、ガス(例えば、空気)が、ビール容器Cに供給される。ビール容器Cに供給されたガスは、ビール容器C内のビールを押圧し、押圧されたビールは、ダウンチューブ24を介して、第1流路21bに供給される。
【0094】
第2ステップST102において、第1流路21b中のビールから泡が生成される。第2ステップST102は、泡生成工程である。第2ステップST102は、例えば、第1流路21bを規定する第1管部材21に接触配置される超音波振動子41を振動させることにより実行される。第2ステップST102は、操作部50の位置が、ビール注出位置(または、注出停止位置)から泡注出位置に変更されることにより実行される。
【0095】
図11に記載の例では、操作部50の位置が、ビール注出位置(または、注出停止位置)から泡注出位置に変更されることにより、操作部50が泡注出スイッチ(例えば、第2スイッチSW2)を押圧する。その結果、超音波振動子41が作動して、第1流路21b内のビールから泡が生成される。
【0096】
また、
図11に記載の例では、操作部50の位置が、ビール注出位置(または、注出停止位置)から泡注出位置に変更されることにより、閉鎖部材60の位置が、第3位置に変更される。その結果、第1流路21bが半開状態となる。なお、本明細書において、半開状態とは、閉塞状態と全開状態との間の状態を意味する。
【0097】
第1ステップST101の実行後、ビール容器C内の内圧は高い。このため、操作部50の位置が、泡注出位置に変更されると、ビール容器C内の内圧によって、ビール容器C内のビールが第1流路21bに供給される。また、超音波振動子41の作用により、第1流路21bに供給されたビールから泡が生成される。
【0098】
図13または
図14に記載の例では、ビール注出装置1は、ポンプ30の作動に先行して超音波振動子41が発振するようにする制御する遅延装置80を備える。このため、操作部50の位置が、ビール注出位置(または、注出停止位置)から泡注出位置に変更されると、最初に超音波振動子41が作動し(ステップST102-1)、その後、ポンプ30が作動する(ステップST102-2)。
【0099】
第2ステップST102(より具体的には、ステップST102-2)におけるポンプ30の出力(第2出力)は、第1ステップST101におけるポンプの出力(第1出力)よりも小さいことが好ましい。第2出力は、例えば、第1出力の80%以下、70%以下、60%以下、あるいは、50%以下である。
【0100】
第3ステップST103において、第2ステップST102で生成された泡が注出口21aから注出される。第3ステップST103は、泡注出工程である。第3ステップST103は、ビール注出部20の第1流路21bにビールBを供給することにより実行される。より具体的には、第1流路21bにビールBを供給することにより、第1流路21b内で生成された泡が、ビールBによって押し出される。
【0101】
第3ステップST103の実行後、泡注出状態から注出停止状態となるように操作部50が操作される。なお、泡注出状態から注出停止状態となるように操作部50が操作されることは、操作部50を中立位置に戻すことを含んでいてもよく、操作部50から手を離すことを含んでいてもよい。泡注出状態から注出停止状態となるように操作部50が操作されると、超音波振動子41が非作動状態になった後に、ポンプ30の作動が停止するように構成されていてもよい。この場合、最初に、第1流路21b内のビールからの泡の生成が停止され、その後、第1流路21bに残存する泡が、ポンプ30の作動状態に伴って供給されるビールによって注出口21aから押し出される。注出停止状態において、第1流路21bに残存する泡が少なくなることにより、次回のビール注出工程の初期段階で、第1流路21bに残存した泡がビールに混入しにくくなる。その結果、次回のビール注出工程の初期段階で、泡が泡を呼ぶ現象の発生が抑制される。
【0102】
なお、超音波振動子41が非作動状態になった後に、ポンプ30の作動が停止するように構成するために、ビール注出装置1Bは、ポンプ30の作動停止に先行して超音波振動子41の作動が停止するように制御する遅延装置80を備えていてもよい。例えば、ビール注出装置1Bは、ポンプ30の作動停止に先行して超音波振動子41の作動が停止するように制御する制御装置80aを備えていてもよい。超音波振動子41の作動停止から、ポンプ30が作動停止するまでの時間は、例えば、0.5秒以上5秒以下、より好ましくは、1秒以上3秒以下である。
【0103】
超音波振動子41が非作動状態になった後に、ポンプ30の作動が停止するようにする点は、上述の第1の実施形態、または、後述の第3の実施形態において採用されてもよい。
【0104】
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、第2の実施形態が、第1流路21bを閉塞可能な閉鎖部材60を有する場合には、ビール容器C内の内圧を、大気圧よりも高い圧力に維持することができる。この場合、ビール容器C内において、ビールから炭酸ガスが放出されることが抑制され、ビールの味の劣化が抑制される。
【0105】
(第3の実施形態)
図16乃至
図18を参照して、第3の実施形態におけるビール注出装置1C、および、ビール注出方法について説明する。
図16乃至
図18は、第3の実施形態におけるビール注出装置1Cの一部分を模式的に示す概略断面図である。
【0106】
第3の実施形態におけるビール注出装置1Cは、ポンプ30の出力を切り替える出力切替機構Mを備えていない点で、第2の実施形態におけるビール注出装置1Bとは異なる。その他の点では、第3の実施形態におけるビール注出装置1Cは、第2の実施形態におけるビール注出装置1Bと同様である。第3の実施形態では、第1の実施形態または第2の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第3の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第3の実施形態において、第1の実施形態または第2の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
【0107】
第3の実施形態におけるビール注出装置1Cは、閉鎖部材60が、第1流路21bを閉塞する第1位置と、第1流路21bの最小断面積が所定値よりも大きくなるように第1流路21bを開放する第2位置と、第1流路21bの最小断面積が上述の所定値よりも小さくなるように第1流路21bを開放する第3位置との間で位置変更可能であることにより、第1流路21bに供給されるビールの流量を調整する。
【0108】
より具体的には、
図16に例示されるように、注出停止状態(操作部50が、中立位置にある状態)では、閉鎖部材60は、第1位置にある。閉鎖部材60が第1位置にあるとき、閉鎖部材60は、第1流路21bを閉塞する。
図16に記載の例では、操作部50が中立位置にあるとき、ビール注出スイッチ(例えば、第1スイッチSW1)がOFF状態となり、かつ、泡注出スイッチ(例えば、第2スイッチSW2)がOFF状態となる。このため、ポンプ30には、電源PSから電力が供給されない。
【0109】
他方、
図17に例示されるように、ビール注出状態(操作部50が、ビール注出位置にある状態)では、閉鎖部材60は、第2位置にある。閉鎖部材60が第2位置にあるとき、閉鎖部材60は、第1流路21bの最小断面積が所定値よりも大きくなるように第1流路21bを開放する。
図17に記載の例では、操作部50がビール注出位置にあるとき、ビール注出スイッチ(例えば、第1スイッチSW1)がON状態となり、かつ、泡注出スイッチ(例えば、第2スイッチSW2)がOFF状態となる。
図17に記載の例では、ポンプ30には、電源PSから電力が供給され、超音波発振回路UCには電力が供給されない。よって、注出口21aからビールが注出される。
【0110】
また、
図18に例示されるように、泡注出状態(操作部50が、泡注出位置にある状態)では、閉鎖部材60は、第3位置にある。閉鎖部材60が第3位置にあるとき、閉鎖部材60は、第1流路21bの最小断面積が上述の所定値よりも小さくなるように第1流路21bを開放する。
図18に記載の例では、操作部50が泡注出位置にあるとき、ビール注出スイッチ(例えば、第1スイッチSW1)がOFF状態となり、かつ、泡注出スイッチ(例えば、第2スイッチSW2)がON状態となる。
図18に記載の例では、ポンプ30には、電源PSから電力が供給され、超音波発振回路UCにも電力が供給される。よって、注出口21aから泡が注出される。
【0111】
第3の実施形態では、泡注出状態におけるポンプ30の出力が、ビール注出状態におけるポンプ30の出力と同一である。よって、第1流路21bに供給されるビールの流量がポンプ30の出力によって制御されることはない。しかし、第3の実施形態では、閉鎖部材60によって、泡注出状態において第1流路21bに供給されるビールの流量を、ビール注出状態において第1流路21bに供給されるビールの流量よりも小さくすることができる。よって、第3の実施形態においても、状態の良い泡を注出することができる。
【0112】
(ビール注出方法)
第3の実施形態におけるビール注出方法は、第2ステップST102(より具体的には、ステップST102-2)におけるポンプ30の出力(第2出力)が、第1ステップST101におけるポンプの出力(第1出力)と同一である点を除き、第2の実施形態におけるビール注出方法と同じである。第3の実施形態において、第2の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0113】
なお、第3の実施形態において、ポンプ30の作動に先行して超音波振動子41が発振するようにする制御する遅延装置80は、遅延素子であってもよく、遅延回路であってもよく、制御装置80aであってもよい(例えば、第3の実施形態において、
図14に例示された制御機構が採用されてもよい)。
【0114】
図19は、実施形態におけるビール注出装置1を模式的に示す概略斜視図である。ビール注出装置1の注出装置本体10は、注出口21aから滴下するビールを受ける凹部10dを備えていてもよい。凹部10dは、注出口21aの鉛直下方に配置される。
図19に記載の例では、ビール注出装置1は、可搬式のビール注出装置(換言すれば、飲食店の客用テーブルに載置可能なビール注出装置)である。
【0115】
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態にも適用可能である。さらに、各実施形態における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【0116】
例えば、上述の実施形態では、ポンプ30が、注出装置本体10内に配置される例について説明された。代替的に、ポンプ30は、注出装置本体10外に配置されていてもよい。また、上述の実施形態では、ポンプ30が、ガス供給管31を介して、ビール容器C内にガスを供給する例について説明された。代替的に、ガスボンベ等のガス供給源から、ガス供給管31を介して、ビール容器C内にガスが供給されるようにしてもよい。この場合、泡注出状態におけるガスボンベのバルブの開度が、ビール注出状態におけるガスボンベのバルブの開度よりも小さくされてもよい。
【0117】
また、上述の実施形態では、ポンプ30の出力、および/または、閉鎖部材60の位置を変更することにより、泡注出状態において第1流路21bに供給されるビールの流量を、ビール注出状態において第1流路21bに供給されるビールの流量よりも小さくする例について説明された。代替的に、ポンプ30(またはガス供給源)とビール容器Cとを連結するガス流路にガス開放弁を設け、泡注出状態では、当該ガス開放弁を解放し、ビール注出状態では、当該ガス開放弁を閉鎖するようにしてもよい。この場合、ポンプ30(またはガス供給源)およびガス供給管31を介してビール容器Cに供給されるガスの一部がガス開放弁を介して外部に漏出することにより、ポンプ30の出力が低下したのと同様の効果が奏される。
【符号の説明】
【0118】
1、1A、1B :ビール注出装置
10 :注出装置本体
10a :ベース部
10b :蓋部
10c :ヒンジ部
10d :凹部
20 :ビール注出部
21 :第1管部材
21a :注出口
21b :第1流路
21d :第1部分
21e :第2部分
24 :ダウンチューブ
24b :第3流路
25 :接続部材
25b :第2流路
25e :ガス放出流路
25g :ガス流路
25s :被シール面
30 :ポンプ
31 :ガス供給管
40 :泡生成部
41 :超音波振動子
50 :操作部
51 :操作レバー
52 :第1押圧部
53 :第2押圧部
54 :第3押圧部
54a :第1部分
54b :第2部分
60 :閉鎖部材
70 :付勢部材
80 :遅延装置
80a :制御装置
211 :剛性管
211c :屈曲部
212 :可撓管
B :ビール
C :ビール容器
F :閉塞部
M :出力切替機構
PS :電源
PS1 :第1電源
PS2 :第2電源
S1 :シール部材
S2 :シール部材
SW :スイッチ
SW1 :第1スイッチ
SW2 :第2スイッチ
SW3 :第3スイッチ
UC :超音波発振回路