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特許7204234並直列接続歩行ロボットの構築方法及びその並直列接続歩行ロボット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】並直列接続歩行ロボットの構築方法及びその並直列接続歩行ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20230106BHJP
【FI】
B25J5/00 C
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020505370
(86)(22)【出願日】2018-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 CN2018097761
(87)【国際公開番号】W WO2019024839
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】201710644487.0
(32)【優先日】2017-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517411298
【氏名又は名称】ハン、ファンユアン
【氏名又は名称原語表記】HAN,Fangyuan
【住所又は居所原語表記】King Mountain Villa 7,Block A,302 room,Nanguan District,Changchun,Jilin 130022,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ファンユアン
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101973027(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104972453(CN,A)
【文献】国際公開第2004/041486(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/168799(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並直列接続歩行ロボットの構築方法であって、
(1)足並列機構と上腿機構を構築するステップであって、
足並列機構を構築し、
各足並列機構が1つの足フットアーチプラットフォームと、3つの趾骨分岐チェーンと、3つの足指とを含み、3つの趾骨分岐チェーンが足フットアーチプラットフォームに固定され接続されており、接続点が1つの三角形の3つの頂点にあり、3つの趾骨分岐チェーンの下端に足指が接続されており、3つの足指が1つの足指三角形を形成し、足並列機構が1つの昇降式立脚であり、趾骨分岐チェーンが、Tz、TzTx、TzTy、TzTxTy、RxTz、RyTz、RxTzTx、RyTzTy又はRxRyTzという自由度で組み合わせられた機構であり、
上腿機構を構築し、
上腿機構が上プラットフォーム、下プラットフォーム、及び上プラットフォームと下プラットフォームとを接続する1つ以上の上腿分岐チェーンを含み、上腿分岐チェーンが1つのモーションペア、1つ又は複数の直列機構、又は1つの並直列接続機構であり、上腿機構が1つから5つの自由度を有する機構であり、1つから5つの自由度がTx、Ty、Tz、Rz、Rx又はTx、Ty、Tz、Rz、Rx、Ryにおける自由度の任意の組合せであり、1自由度、2自由度、3自由度、4自由度、5自由度を含む、
ステップと、
ここにおいて、直角座標系は、座標系のXY平面は水平面であり、Z軸は水平面に対して垂直であり、X方向は歩行ロボットの進行方向であり、Y方向は横方向運動方向であり、
Tは移動自由度を示し、
Tx、Ty、TzはそれぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の移動自由度を示し、
Rは回転自由度、又は回転ペアを示し、
Rx、Ry、RzはそれぞれX軸周り、Y軸周り、Z軸周りの回転自由度を示す、
(2)並直列接続レッグ機構を構築するステップであって、
並直列接続レッグ機構が1つの上腿機構と1つの足並列機構とを含み、足並列機構が上腿機構の下方にあり、両者が直列に接続されて1つの並直列接続レッグ機構となり、足並列機構の足フットアーチプラットフォーム又は上腿機構の下プラットフォームを選択して共通の1つのフットアーチプラットフォームとする、
ステップと、
(3)2つの適切なレッグ機構A、Bを選択するステップであって、
上述の並直列接続レッグ機構において、1つの並直列接続レッグ機構を選択してレッグ機構Aとし、
上述の並直列接続レッグ機構及び足並列機構において、1つの並直列接続レッグ機構又は足並列機構を選択してレッグ機構Bとし、
2つのレッグ機構の自由度の組合せ要求として、
2つのレッグ機構に少なくとも1つのRz自由度、1つのTx或いはTyの自由度を有し、又は少なくとも1つの並直列接続レッグ機構の上腿機構がRz自由度と、Tx或いはTy自由度とを同時に有し、又は2つの上腿機構が何れもRz自由度とTx、Ty自由度を有する、
ステップと、
(4)AとBとの2つのレッグ機構を接続し、並直列接続歩行ロボットを構築するステップであって、
AとBとの2つのレッグ機構が2つの並直列接続レッグ機構である場合、AとBとの2つのレッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが固定接続され、接続されている2つの上プラットフォームが1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構が1つの並直列接続歩行ロボットとなり、
2つのレッグ機構の一方が並直列接続レッグ機構であり、他方が足並列機構である場合、並直列接続レッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが足並列機構の足フットアーチプラットフォームに固定接続され、接続されている2つのプラットフォームが1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構が1つの並直列接続歩行ロボットとなり、接続時に、上腿分岐チェーン、フットアーチプラットフォーム、中足骨分岐チェーン、足指及び足指三角形の配置要求として、
2つのレッグ機構の各上腿分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのフットアーチプラットフォームは一方が高く他方が低いか、或いは一方が内側にあり他方が外側にあるか、或いは一方が前にあり他方が後ろにあり、互いに干渉せず、 2つのレッグ機構の中足骨分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の足指の水平面への投影が重ならず、
接続されている2つのレッグ機構の足指三角形の重心の間の距離が2つの足指三角形の外接円の半径の和より小さく、且つ2つの足指三角形の水平面への投影が重なる部分がある、
ステップと、
を含む、並直列接続歩行ロボットの構築方法。
【請求項2】
請求項1に記載の並直列接続歩行ロボットの構築方法で構築される並直列接続歩行ロボットであって、
AとBとの2つのレッグ機構を含み、一方のレッグ機構Aが並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構Bが並直列接続レッグ機構又は足並列機構であり、2つのレッグ機構の上部が接続されており、並直列接続レッグ機構が足並列機構と上腿機構とを含み、 足並列機構について、
1つの足フットアーチプラットフォームと、3つの趾骨分岐チェーンと、3つの足指とを含み、3つの趾骨分岐チェーンが足フットアーチプラットフォームに固定され接続されており、接続点が1つの三角形の3つの頂点にあり、3つの趾骨分岐チェーンの下端に足指が接続されており、3つの足指が1つの足指三角形を形成し、足並列機構が1つの昇降式立脚であり、中足骨分岐チェーンが1つ又は複数の自由度を有する分岐チェーンであり、趾骨分岐チェーンの自由度の組合せが、Tz、TzTx、TzTy、TzTxTy、RxTz、RyTz、RxTzTx、RyTzTy、及びRxRyTzの自由度の組合せのうちの1種以上であり、3つの中足骨分岐チェーンが同一の分岐チェーンであるか、或いは異なる分岐チェーンであり、
上腿機構について、
上プラットフォーム、下プラットフォーム、及び上プラットフォームと下プラットフォームとを接続する1つ以上の上腿分岐チェーンを含み、下プラットフォームがフットアーチプラットフォーム型のプラットフォームであり、上腿分岐チェーンが1つのモーションペア、1つ又は複数の直列機構、又は1つの並直列接続機構である上腿機構であって、1つから5つの自由度を有する機構であり、1つから5つの自由度がTx、Ty、Tz、Rz、Rx又はTx、Ty、Tz、Rz、Ryにおける各自由度の任意の組合せであり、 並直列接続レッグ機構について、
1つの上腿機構と1つの足並列機構とを含み、足並列機構が上腿機構の下方にあり、両者が直列に接続されて1つの並直列接続レッグ機構となり、足並列機構と上腿機構とが1つのプラットフォームを共用し、両者が1つのフットアーチプラットフォームを介して接続され、
AとBとの2つのレッグ機構について、
一方のレッグ機構Aが並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構Bが並直列接続レッグ機構又は足並列機構であり、
2つのレッグ機構の自由度の組合せ要求として、
2つのレッグ機構の上腿機構には少なくとも1つのRz自由度、1つのTx或いはTyの自由度を有し、又は少なくとも1つの並直列接続レッグ機構の上腿機構はRz自由度と、Tx或いはTy自由度とを同時に有し、又は2つの上腿機構は何れもRz自由度とTx、Ty自由度を有し、
2つのレッグ機構が何れも並直列接続レッグ機構である場合、AとBとの2つのレッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが固定接続され、接続されている2つの上プラットフォームは1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構は1つの並直列接続歩行ロボットとなり、一方のレッグ機構が並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構が足並列機構である場合、並直列接続レッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが足並列機構の足フットアーチプラットフォームに固定接続され、接続されている2つの上プラットフォームは1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構は1つの並直列接続歩行ロボットとなり、
2つのレッグ機構の各上腿分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのフットアーチプラットフォームは一方が高く他方が低いか、或いは一方が内側にあり他方が外側にあるか、或いは一方が前にあり他方が後ろにあり、互いに干渉せず、 2つのレッグ機構の中足骨分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の足指の水平面への投影は重ならず、
接続されている2つのレッグ機構の足指三角形の重心の間の距離は2つの足指三角形の外接円の半径の和より小さく、且つ2つの足指三角形の水平面への投影は重なる部分がある、並直列接続歩行ロボット。
【請求項3】
前記趾骨分岐チェーンが少なくとも1つの中足骨分岐チェーンを有し、Z軸方向の移動自由度以外に、水平方向の1つ又は2つの移動自由度も有する、請求項2に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項4】
その上腿機構が空間並列機構又は並直列接続機構であり、その自由度の組合せが3TRz、(3T0R)Rz、(3TRz)Rz、及び(TxTy)Rzのうちの1種であり、
ここにおいて、3TRzは、3つの移動自由度(T)と、1つのZ軸周りの回転自由度(Rz)とからなる機構を示し、
(3T0R)Rzは、(3T0R)機構と、1つのZ軸周りの回転自由度(Rz)と直列になる機構を示し、そのうち、3T0Rは、3つの移動自由度(T)と、0個回転自由度(R)となる機構を示し、
(3TRz)Rzは、(3TRz)と、1つのZ軸周りの回転自由度(Rz)と直列になる機構を示し、
(TxTy)Rzは、(TxTy)と、1つのZ軸周りの回転自由度(Rz)と直列になる機構を示し、そのうち、TxTyは、X軸方向の移動自由度(Tx)と、Y軸方向の移動自由度(Ty)とからなる機構を示す、請求項2に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項5】
前記上腿機構が平面並列機構であり、その自由度の組合せがTxTyRz、TxTy、TxRz、及びTyRzのうちの1種である、請求項2に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項6】
前記AとBとの2つのレッグ機構の足指三角形の重心の間の距離は、
a.2つのレッグ機構の足指三角形の中心の間の距離が0又は0.20(Ra+Rb)未満であるという場合、及び
b.2つのレッグ機構の足指三角形の中心の間の距離が0.30(Ra+Rb)以上、0.70(Ra+Rb)以下であるという場合、
のうちの1種であり、
RaがAレッグ機構の足指三角形の外接円の半径であり、
RbがBレッグ機構の足指三角形の外接円の半径である、請求項2に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項7】
Aレッグ機構と、Bレッグ機構と、骨盤とを含み、前記レッグ機構の中足骨分岐チェーンの1番目のモーションペアは、
A、中足骨分岐チェーンの1番目のモーションペアが複動式移動ペアであり、移動ペアの軸線がフットアーチプラットフォームの平面に対して垂直であることと、
B、中足骨分岐チェーンの1番目のモーションペアが回転ペアであり、中足骨分岐チェーンがPHRHPであり、回転ペアの軸線がフットアーチプラットフォームの平面に対して垂直であることと、ここにおいて、PHRHPは、移動ペアPと、螺旋ペアHと、回転ペアRと、螺旋ペアHと、移動ペアPとからなる直列機構を示す、
C、中足骨分岐チェーンの1番目のモーションペアが回転ペアであり、回転ペアの軸線とフットアーチプラットフォームの平面とが平行であることと、の3種のモーションペアのうちの1種である、請求項2に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項8】
前記骨盤に1つの大円環が接続されており、前記大円環と骨盤平面とが同一の平面にあり、大円環の中心と骨盤の中心とが同一の位置にあり、大円環の直径が足指三角形の外接円の直径より大きい、請求項7に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項9】
前記大円環がテレスコピックリングである、請求項8に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項10】
その前記レッグ機構について、少なくとも1つのレッグ機構における足指が全て輪式回転ペアからなる足指であり、輪式回転ペアの軸線がファンデーションプラットフォームの平面に対して平行であり、少なくとも1つの輪式回転ペアが操舵輪であり、車輪にロック装置又は制動装置を有する、請求項2、7、8、9の何れか1項に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項11】
前記足並列機構について、そのフットアーチプラットフォームに1つの伝動ケースが取り付けられており、その伝動ケースに1つの入力端と、2つ又は3つの出力端とを有し、1つの出力端に1つの中足骨分岐チェーンが接続されており、2つ又は3つの出力端が対向する又は相反する移動方向又は回転方向を有し、伝動ケースの形状がフットアーチの全体又は一部の形状に一致している、請求項2乃至6の何れか1項に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項12】
前記2つの並直列接続レッグ機構における6つの足指が2つの平行な直線に位置し、直線毎に3つの足指がある、請求項2に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項13】
前記2つの上腿機構の股関節プラットフォームのうち、少なくとも1つの上腿機構の股関節プラットフォームが最下方にある、請求項2に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項14】
前記一方の上腿機構の股関節プラットフォームが最下方に位置し、他方の上腿機構の股関節が最上方に位置し、最上方と最下方との2つのプラットフォームのフレームが周辺又は中心において接続されており、最上方と最下方との2つのプラットフォームのフレームがそれぞれディスク型であり、上方のプラットフォームが凸なディスク型であり、下方のプラットフォームが凹なディスク型であり、2つのディスク型プラットフォームが係合されて1つの円盤型骨盤となり、上腿のフットアーチ型プラットフォーム、分岐チェーン及び機器が最上方と最下方との2つの股関節プラットフォームの間に位置し、円盤型骨盤の周囲に孔を有し、孔内に中足骨分岐チェーンを有し、2つの並直列接続レッグ機構のいずれにも複動式中足骨分岐チェーンが配置されており、複動式中足骨分岐チェーンが1つ又は1セットの駆動を共用し、伝動装置により一緒に駆動されるか、或いはクラッチにより変換されて駆動されることにより、1つの双面並直列接続歩行ロボット又はクローラロボットを構成する、請求項2に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項15】
前記円盤型骨盤の外周が弾性材料から製造され、円盤型骨盤の外側円環と、隣接する2つの孔の接続部分とを含む、請求項14に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項16】
前記円盤型骨盤周囲の孔縁とその足骨分岐チェーンとの間は、テレスコピック性能を有する材料又は構造で接続され、1つの密閉構造となる、請求項14、15の何れか1項に記載の並直列接続歩行ロボット。
【請求項17】
(1)一方のレッグが立脚相であり、ホイルが自由に回転し、滑走レッグであり、他方のレッグが遊脚相であり、駆動レッグである、準備状態と、
(2)遊脚相レッグにおける3つのホイルの少なくとも1つを完全に制動し、1つ又は複数の片方向制動された、或いは完全に制動された車輪が速やかに着地し、高速に蹴り出し、1番目のレッグを駆動して運動させ、そして持ち上げて前に移動させ、立脚相レッグの操舵輪によって方向を変更する、1回目の蹴り出し付勢(2.1)と、遊脚相レッグにおける3つのホイルの少なくとも1つを完全に制動し、1つ又は複数の完全に制動された車輪が再び速やかに着地し、高速に蹴り出し、1番目のレッグを駆動して引き続き運動させ、そして持ち上げて前に移動させ、立脚相レッグの操舵輪によって方向を制御すると共に、腰を前に移動させるという方法一、及び遊脚相レッグが速やかに着地し、立脚相滑走レッグに変換し、また立脚相レッグにおける3つのホイルの少なくとも1つを完全に制動し、1つ又は複数の完全に制動された車輪が駆動レッグに変換し、高速に蹴り出し、他方のレッグを駆動して運動させ、そして持ち上げて前に移動させ、立脚相レッグの操舵輪によって方向を制御するという方法二から何れか1つを選択する、2回目の蹴り出し付勢(2.2)とを備える、運動過程と、
(3)上述の運動過程を繰り返し、遠距離運動、又は立脚相レッグを制動する操作aと、遊脚相レッグを着地させ、制動する操作bと、立脚相レッグを制動すると共に、遊脚相レッグを着地させ、制動する操作cとの3つの操作の少なくとも1つを実現し、ロボットを停止させるステップとを含む、移動方法で移動する、請求項10に記載の並直列接続歩行ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は並直列接続歩行ロボットの構築方法及びその並直列接続歩行ロボットを開示しており、従来の二足歩行ロボット構造の改良に関するものであり、歩行ロボットの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来の二足歩行ロボットは主に、バイオニック歩行ロボットとノンバイオニック歩行ロボットとの2種類がある。ノンバイオニック歩行ロボットとしては、主に中国特許201010292424.1(以下では、「文献1」と略称)に開示されている技術案がある。この種の歩行ロボット技術案において、一部は並列機構の下方に広義移動ペアが直列接続される構造を有し(文献1における請求項10に開示されている技術案)、その共通の特徴として、2つのレッグ機構において、各レッグ機構は何れも1つの並列機構と3つの広義移動ペア(「下腿」と称する)とからなる。前記並列機構自体はRx自由度とRy自由度とを含み、また3つの広義移動ペアもRx自由度とRy自由度を形成できるため、上腿機構におけるRx自由度とRy自由度は冗長自由度である。また、前記並列機構自体はTz自由度を含み、3つの広義移動ペアもZ向自由度を有するため、腿機構におけるZ方向自由度は冗長自由度である。この幾つかの冗長自由度の存在により、文献1に開示されている歩行ロボットは、1、モーションペアが多く、機体の高さが大きく、走破性が悪く、2、機体にRx、Ry方向の傾斜が発生した場合、下腿が地面に垂直にならないことが発生し、下腿の受力状況が悪くなり、登坂能力が制限される。これによる問題として、同様な歩行機能を図るために、より多くのモーションペアが必要となり、且つ性能は十分に発揮できない。
【0003】
また、上述の文献1に開示されている歩行ロボットの下腿は1つのZ方向自由度しかなく(Pペア)、足指の間隔は変化(調節)できず、3つの着地点は独立で調節できないため、足場の選択は制限される。従って、路面追従性が悪い。障害乗り越え能力は十分に発揮できない。
【0004】
上述のノンバイオニック歩行ロボットは、更に1つの共通の欠点があり、即ち歩行だけで移動し、構造化路面において移動速度が低く、効率が高くない。
【0005】
このようなノンバイオニック歩行ロボットについて、中国特許201510275161.6(以下では、「文献2」と略称)に開示されている両面対称ロボットの技術案(文献2の請求項13~17)もある。そのレッグ機構は文献1に開示されている技術案であるため、上述の問題は同様に文献2に開示されている両面対称ロボットの技術案に存在する。
【0006】
従って、この種の歩行ロボットは、共通の欠点は以下のとおりである。
1、並列機構におけるRx自由度とRy自由度は冗長自由度であるため、並列機構のモーションペアが多く、構造が複雑である。
2、並列機構は空間並列機構であり、またZ方向自由度は冗長自由度であるため、体積が大きく、機体の高さが大きく、走破性が悪い。
3、足並列機構の分岐チェーンは1つの自由度しかなく、足指の間隔は変化できないため、足場の選択は制限され、路面追従性が悪く、障害乗り越え能力が悪く、場合によっては走破性にも影響する。
4、移動方式が単一であり、構造路面における移動速度が低く、効率が低い。
5、両面運動の歩行ロボット技術案も、多くのモーションペアが必要であり、且つ機体の高さが大きく、構造も複雑であり、走破性が悪い。
【発明の開示】
【0007】
従来技術に存在する課題を解決するために、本発明は、以下の特徴を有するロボットを提供することにより、従来技術に存在する課題を解決した。本発明は以下の目的を達成できる。
【0008】
1、本発明は並直列接続歩行ロボットを構築する新しい方法を提供しており、Rx、Ry冗長自由度及びZ方向自由度の冗長自由度による問題を解決したため、少ない自由度で同様な歩行運動を図ると共に、より優れた性能を達成できる。
【0009】
2、本発明は上述の方法を実現した並直列接続歩行ロボットをさらに提供しており、このような歩行ロボットは少ないモーションペアで同様な歩行運動を図れると共に、より優れた性能を達成できる。
【0010】
本発明が技術課題を解決するために用いる技術案は以下のとおりである。
【0011】
並直列接続歩行ロボットの構築方法であって、
(1)足並列機構と上腿機構を構築するステップであって、
足並列機構を構築し、
各足並列機構が1つの足フットアーチプラットフォームと、3つの趾骨分岐チェーンと、3つの足指とを含み、3つの趾骨分岐チェーンが足フットアーチプラットフォームに固定され接続されており、接続点が1つの三角形の3つの頂点にあり、3つの趾骨分岐チェーンの下端に足指が接続されており、3つの足指が1つの足指三角形を形成し、足並列機構が1つの昇降式立脚であり、趾骨分岐チェーンが、Tz、TzTx、TzTy、TzTxTy、RxTz、RyTz、RxTzTx、RyTzTy又はRxRyTzという自由度で組み合わせられた機構であり、
上腿機構を構築し、
上腿機構が上プラットフォーム、下プラットフォーム、及び上プラットフォームと下プラットフォームとを接続する1つ以上の上腿分岐チェーンを含み、上腿分岐チェーンが1つのモーションペア、1つ又は複数の直列機構、又は1つの並直列接続機構であり、上腿機構が1つから5つの自由度を有する機構であり、1つから5つの自由度がTx、Ty、Tz、Rz、Rx又はTx、Ty、Tz、Rz、Rx、Ryにおける自由度の任意の組合せであり、1自由度、2自由度、3自由度、4自由度、5自由度を含む、
ステップと、
(2)並直列接続レッグ機構を構築するステップであって、
並直列接続レッグ機構が1つの上腿機構と1つの足並列機構とを含み、足並列機構が上腿機構の下方にあり、両者が直列に接続されて1つの並直列接続レッグ機構となり、足並列機構の足フットアーチプラットフォーム又は上腿機構の下プラットフォームを選択して共通の1つのフットアーチプラットフォームとする、
ステップと、
(3)2つの適切なレッグ機構A、Bを選択するステップであって、
上述の並直列接続レッグ機構において、1つの並直列接続レッグ機構を選択してレッグ機構Aとし、
上述の並直列接続レッグ機構及び足並列機構において、1つの並直列接続レッグ機構又は足並列機構を選択してレッグ機構Bとし、
2つのレッグ機構の自由度の組合せ要求として、
2つのレッグ機構に少なくとも1つのRz自由度、1つのTx(或いはTy)の自由度を有し、又は少なくとも1つの並直列接続レッグ機構の上腿機構がRz自由度と、Tx(或いはTy)自由度とを同時に有し、又は2つの上腿機構が何れもRz自由度とTx、Ty自由度を有する、
ステップと、
(4)AとBとの2つのレッグ機構を接続し、並直列接続歩行ロボットを構築するステップであって、
AとBとの2つのレッグ機構が2つの並直列接続レッグ機構である場合、AとBとの2つのレッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが固定接続され、接続されている2つの上プラットフォームが1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構が1つの並直列接続歩行ロボットとなり、
2つのレッグ機構の一方が並直列接続レッグ機構であり、他方が足並列機構である場合、並直列接続レッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが足並列機構の足フットアーチプラットフォームに固定接続され、接続されている2つのプラットフォームが1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構が1つの並直列接続歩行ロボットとなり、接続時に、上腿分岐チェーン、フットアーチプラットフォーム、中足骨分岐チェーン、足指及び足指三角形の配置要求として、
2つのレッグ機構の各上腿分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのフットアーチプラットフォームは一方が高く他方が低いか、或いは一方が内側にあり他方が外側にあるか、或いは一方が前にあり他方が後ろにあり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の中足骨分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の足指の水平面への投影が重ならず、
接続されている2つのレッグ機構の足指三角形の重心の間の距離が2つの足指三角形の外接円の半径の和より小さく、且つ2つの足指三角形の水平面への投影が重なる部分がある、
ステップと、
を含む、並直列接続歩行ロボットの構築方法。
【0012】
並直列接続歩行ロボットの構築方法で構築される並直列接続歩行ロボットであって、
AとBとの2つのレッグ機構を含み、一方のレッグ機構Aが並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構Bが並直列接続レッグ機構又は足並列機構であり、2つのレッグ機構の上部が接続されており、並直列接続レッグ機構が足並列機構と上腿機構とを含み、
足並列機構について、
1つの足フットアーチプラットフォームと、3つの趾骨分岐チェーンと、3つの足指とを含み、3つの趾骨分岐チェーンが足フットアーチプラットフォームに固定され接続されており、接続点が1つの三角形の3つの頂点にあり、3つの趾骨分岐チェーンの下端に足指が接続されており、3つの足指が1つの足指三角形を形成し、足並列機構が1つの昇降式立脚であり、中足骨分岐チェーンが1つ又は複数の自由度を有する分岐チェーンであり、趾骨分岐チェーンの自由度の組合せが、Tz、TzTx、TzTy、TzTxTy、RxTz、RyTz、RxTzTx、RyTzTy、及びRxRyTzの自由度の組合せのうちの1種以上であり、3つの中足骨分岐チェーンが同一の分岐チェーン或いは異なる分岐チェーンであってもよく、
上腿機構について、
上プラットフォーム、下プラットフォーム、及び上プラットフォームと下プラットフォームとを接続する1つ以上の上腿分岐チェーンを含み、下プラットフォームがフットアーチプラットフォーム型のプラットフォームであり、上腿分岐チェーンが1つのモーションペア、1つ又は複数の直列機構、又は1つの並直列接続機構である上腿機構であってもよく、1つから5つの自由度を有する機構であり、1つから5つの自由度がTx、Ty、Tz、Rz、Rx又はTx、Ty、Tz、Rz、Ryにおける各自由度の任意の組合せであり、
並直列接続レッグ機構について、
1つの上腿機構と1つの足並列機構とを含み、足並列機構が上腿機構の下方にあり、両者が直列に接続されて1つの並直列接続レッグ機構となり、足並列機構と上腿機構とが1つのプラットフォームを共用し、両者が1つのフットアーチプラットフォームを介して接続され、
AとBとの2つのレッグ機構について、
一方のレッグ機構Aが並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構Bが並直列接続レッグ機構又は足並列機構であり、
2つのレッグ機構の自由度の組合せ要求として、
2つのレッグ機構の上腿機構には少なくとも1つのRz自由度、1つのTx(或いはTy)の自由度を有し、又は少なくとも1つの並直列接続レッグ機構の上腿機構はRz自由度と、Tx(或いはTy)自由度とを同時に有し、又は2つの上腿機構は何れもRz自由度とTx、Ty自由度を有し、
2つのレッグ機構が何れも並直列接続レッグ機構である場合、AとBとの2つのレッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが固定接続され、接続されている2つの上プラットフォームは1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構は1つの並直列接続歩行ロボットとなり、
一方のレッグ機構が並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構が足並列機構である場合、並直列接続レッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが足並列機構の足フットアーチプラットフォームに固定接続され、接続されている2つの上プラットフォームは1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構は1つの並直列接続歩行ロボットとなり、
2つのレッグ機構の各上腿分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのフットアーチプラットフォームは一方が高く他方が低いか、或いは一方が内側にあり他方が外側にあるか、或いは一方が前にあり他方が後ろにあり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の中足骨分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の足指の水平面への投影は重ならず、
接続されている2つのレッグ機構の足指三角形の重心の間の距離は2つの足指三角形の外接円の半径の和より小さく、且つ2つの足指三角形の水平面への投影は重なる部分がある、並直列接続歩行ロボット。
【0013】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0014】
1、本発明はレッグ機構として新規の並直列接続機構を提供しており、並列機構の主な利点を大体保留したため、構造の剛性が大きく、構造がコンパクトで、安定である。動力性能がよく、積載能力が強い。誤差累積が少なく、制御精度が高い。方向転換がスムーズであり、登坂能力が強く、エネルギー消費特性が優れる。制御及び軌道計画を行いやすい。
【0015】
2、同様な歩行運動を完成するには、文献におけるロボットの自由度よりも6つほど少ない。例えば、厳しい坂を登れる歩行ロボットについて、本発明は12個の自由度が必要であるのに対し、文献1は18個の自由度であり、また従来のバイオニックロボットはより多くの自由度が必要である。本発明はより少ないモーションペア、より低い機体の高さで、同様な歩行運動を図り、走破性がよりよく、登坂能力がより強く、受力状態がより優れる。
【0016】
3、中足骨分岐チェーンが2つ以上の移動自由度を有する並直列接続歩行ロボットについて、足指の間隔は変化でき、各足場を個々に選択でき、路面追従性が向上し、走破性も向上する。
【0017】
4、中足骨分岐チェーンの末端に車輪(輪式回転ペア)が設計されたため、並直列接続歩行ロボットは2種の移動方式があり、構造路面において車輪で移動し、移動速度及び効率は大幅に向上する。
【0018】
5、本発明は、両面歩行機能、輪行機能及び回転移動機能を同時に有する移動ロボットをさらに提供している。両面運動の並直列接続歩行ロボットの技術案は少ないモーションペアを有し、構造も簡単である。且つ機体の高さが小さく、走破性が良い。片面で移動する場合、余計な運動部材がない。
【0019】
6、運動が安定であり、精確な画像が得られる。本発明は運動過程において、各種の状態(坂にある状態を含む)で機体が略水平状態を保つことができるため、ビデオ画像撮影の場合の大きなブレを回避しており、精確な画像が得られる。自立制御にも良好な根拠を提供した。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は4種のうちの1種の足並列機構の斜視概要図である。
図2図2は4種のうちの1種の足並列機構の斜視概要図である。
図3図3は4種のうちの1種の足並列機構の斜視概要図である。
図4図4は4種のうちの1種の足並列機構の斜視概要図である。
図5図5は冗長自由度を有する中足骨分岐チェーンの略図である。
図6図6は2つの互いに関連する中足骨分岐チェーンの伝動の略図である。
図7図7は10種のうちの1種の上腿機構の平面図である。
図8図8は10種のうちの1種の上腿機構の平面図である。
図9図9は10種のうちの1種の上腿機構の平面図である。
図10図10は10種のうちの1種の上腿機構の平面図である。
図11図11は10種のうちの1種の上腿機構の平面図である。
図12図12は10種のうちの1種の上腿機構の平面図である。
図13図13は10種のうちの1種の上腿機構の平面図である。
図14図14は10種のうちの1種の上腿機構の平面図である。
図15図15は10種のうちの1種の上腿機構の平面図である。
図16図16は10種のうちの1種の上腿機構の平面図である。
図17図17図16の上腿機構の1つの分岐チェーンの断面図である。
図18図18は自由度が少ない3種のうちの1種の並直列接続レッグ機構の斜視略図である。
図19図19は自由度が少ない3種のうちの1種の並直列接続レッグ機構の斜視略図である。
図20図20は自由度が少ない3種のうちの1種の並直列接続レッグ機構の斜視略図である。
図21図21は全自由度の並直列接続レッグ機構の斜視略図である。
図22図22は、ホイルを有し、足指の間隔が調節できる2種のうちの1種の並直列接続レッグ機構の斜視略図である。
図23図23は、ホイルを有し、足指の間隔が調節できる2種のうちの1種の並直列接続レッグ機構の斜視略図である。
図24図24は、ホイルを有し、両面歩行できる2種のうちの1種の並直列接続レッグ機構の斜視略図である。
図25図25は、ホイルを有し、両面歩行できる2種のうちの1種の並直列接続レッグ機構の斜視略図である。
図26図26は全自由度の内外式の並直列接続歩行ロボットの斜視略図である。
図27図27はもう1種の全自由度の内外式の並直列接続歩行ロボットの平面図である。
図28図28は、図27の2つのレッグ機構の分岐チェーンの断面図である。
図29図29は、図27の2つのレッグ機構の分岐チェーンの断面図である。
図30図30は、ホイルを有する全自由度の両面並直列接続歩行ロボットの斜視略図である。
図31図31は2種のうちの1種の交差式全自由度の並直列接続歩行ロボットの斜視略図である。
図32図32は2種のうちの1種の交差式全自由度の並直列接続歩行ロボットの斜視略図である。
図33図33は、図31、32の2種の全自由度の並直列接続歩行ロボットのレッグ機構の分岐チェーンの断面図である。
図34図34は2種のうちの1種のバリエーションによるフットアーチ1.1である。
図35図35は2種のうちの1種のバリエーションによるフットアーチ1.1である。
図36図36は4種のうちの1種のフットアーチの組合せ案である。
図37図37は4種のうちの1種のフットアーチの組合せ案である。
図38図38は4種のうちの1種のフットアーチの組合せ案である。
図39図39は4種のうちの1種のフットアーチの組合せ案である。
図40図40は実施例10(両面爬行歩行並直列接続ロボット)の正面図である。
図41図41は実施例10の平面図である。
図42図42は1自由度複動式中足骨分岐チェーン図である。
図43図43は2自由度複動式中足骨分岐チェーン図である。
【符号の説明】
【0021】
図において、足並列機構の符号は、足並列機構1、足並列機構上プラットフォーム(足フットアーチプラットフォーム)1.1、中足骨分岐チェーン1.2、足指1.3、輪式回転ペア(車輪)1.4、伝動ケース1.5、入力端1.6、及び出力端1.7である。上腿機構の符号は、上腿機構2、上腿上プラットフォーム2.1、上腿分岐チェーン2.2、及び上腿下プラットフォーム(上腿フットアーチプラットフォーム)2.3である。並直列接続レッグ機構の符号は、並直列接続レッグ機構3、足並列機構3.1、上腿機構3.2、及びフットアーチプラットフォーム3.3である。並直列接続歩行ロボットの符号は、並直列接続歩行ロボット4、Aレッグ4.1、Bレッグ4.2,及び骨盤4.3である。そして、大円環5.1がある。
【0022】
図34~43において、1.1aはAレッグフットアーチ、1.1bはBレッグフットアーチである。1.2aはAレッグ中足骨分岐チェーン、1.2bはBレッグ中足骨分岐チェーンである。3.1aはAレッグ股関節(寛骨)、3.1bはBレッグ股関節である。1.8は複動式中足骨分岐チェーン伝動ケース、4.4は外側円環、4.5は孔密閉装置である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、図面及び実施例を組み合わせて本発明を更に詳細に説明する。
【0024】
並直列接続歩行ロボットの構築方法であって、特にAとBとの2つのレッグ機構を含んでなる歩行ロボットの構築方法であり、その構築方法は以下の通りである。
【0025】
(1)足並列機構(昇降式立脚機構)及び上腿機構を構築する。
【0026】
足並列機構(昇降式立脚機構)を構築する。
【0027】
各足並列機構が1つの足フットアーチプラットフォームと、3つの中足骨分岐チェーンと、3つの足指とを含み、3つの中足骨分岐チェーンが足フットアーチプラットフォームに固定され接続されており、接続点が1つの三角形の3つの頂点にある。3つの中足骨分岐チェーンの下端に足指が接続されており、3つの足指が1つの足指三角形を形成する。中足骨分岐チェーンが、Tz、TzTx、TzTy、TzTxTy、TzRx、TzRy、TzTxRx、TzTyRy、TzRxRyという自由度で組み合わせられた機構であり、
3つの中足骨分岐チェーンはそれぞれ独立した活動空間を占め、互いに干渉せず、3つの中足骨分岐チェーンは同一の分岐チェーン或いは異なる分岐チェーンであってもよい。
【0028】
Y形、O形、C(U、V)形、T形、三角形、蝶形などの足フットアーチプラットフォームは何れも足フットアーチプラットフォーム配置時に選択可能な形状である。この数種の構造は1つの近似した表現である。また、この数種の形状にも限られない。
【0029】
座標系及び符号の意味について
直角座標系は以下のように立てられる。座標系のXY平面は水平面であり、Z軸は水平面に対して垂直であり、X方向は歩行ロボットの進行方向であり、Y方向は横方向運動方向である。
【0030】
符号ついて(下も同じ)、
Tは移動自由度を示し、
Tx、Ty、TzはそれぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の移動自由度を示し、
Rは回転自由度、又は回転ペアを示し、
Rx、Ry、RzはそれぞれX軸周り、Y軸周り、Z軸周りの回転自由度を示す。
【0031】
足並列機構は1つのセミクローズド並列機構であり、主に昇降と立ち上がりとの基本的な機能を有するため、足並列機構は昇降式立脚とも称され、足並列機構は1つの昇降式立脚として単独で適用できる。セミクローズド並列機構とは、立脚相の場合が閉ループ機構、遊脚相の場合が開ループ機構であるという特殊な並列機構である。
【0032】
中足骨分岐チェーン及び足指に関する詳細な説明は、後文の「足並列機構について」、「中足骨分岐チェーンについて」、及び「足指について」を参照すること。
【0033】
上腿機構を構築する。
【0034】
上腿機構が上プラットフォーム、下プラットフォーム、及び上プラットフォームと下プラットフォームとを接続する1つ以上の上腿分岐チェーンを含み(1つのモーションペアからなる分岐チェーン)、上腿機構の下プラットフォームは上腿フットアーチプラットフォームとも称される。上腿機構の上プラットフォームは寛骨とも称される。上腿分岐チェーンが1つのモーションペア、1つ又は複数の直列機構、又は1つの並直列接続機構であってもよい。上腿機構が1つから5つの自由度を有する機構である。1つから5つの自由度がTx、Ty、Tz、Rz、Rx又はRyにおける自由度の任意の組合せであり、1自由度、2自由度、3自由度、4自由度、5自由度を含む。上腿機構としては、空間機構、平面機構、並直列接続機構、又は単一モーションペアの数種の類型がある。
【0035】
Y形、O形、C(U、V)形、T形、三角形、蝶形などの上腿フットアーチプラットフォームは何れも上腿フットアーチプラットフォーム配置時に選択可能な形状である。また、この数種の形状にも限られない。
【0036】
上腿機構は、その主な機能が水平方向の運動及びZ軸線周りの回転を提供することである。Z方向の移動自由度はあってもなくてもよい。2つのレッグ機構は何れもRx自由度又はRy自由度を含まないことが好ましい。
【0037】
複数の分岐チェーンの上腿機構としては、同一の分岐チェーンも、異なる分岐チェーンも適用できる。Rx自由度又はRy自由度を含まない上腿機構は、最少で1つの自由度、最多で4つの自由度である。Rx自由度又はRy自由度を含む上腿機構は、最多で5つの自由度である。
【0038】
足並列機構(昇降式立脚機構)と上腿機構の構築には前後がない。
【0039】
上腿機構に関する詳細な説明は、後文の「上腿機構について」という部分を参照すること。
【0040】
(2)並直列接続レッグ機構を構築する。
【0041】
並直列接続レッグ機構が1つの上腿機構と1つの足並列機構とを含み、足並列機構が上腿機構の下方にあり、両者が直列に接続されて1つの並直列接続レッグ機構となる。足並列機構の足フットアーチプラットフォームと上腿機構の上腿フットアーチプラットフォームとは1つのプラットフォームを共用する。共通のプラットフォームはフットアーチプラットフォームと称される。
【0042】
(3)2つの適切なレッグ機構A、Bを選択する。
【0043】
上述の並直列接続レッグ機構において、1つの並直列接続レッグ機構を選択してレッグ機構Aとし、
上述の並直列接続レッグ機構及び足並列機構において、1つの並直列接続レッグ機構又は足並列機構を選択してレッグ機構Bとする。
【0044】
2つのレッグ機構の自由度の組合せ要求として、
2つのレッグ機構に少なくとも1つのRz自由度、1つのTx(或いはTy)の自由度を有し、又は少なくとも1つの並直列接続レッグ機構の上腿機構がRz自由度と、Tx(或いはTy)自由度とを同時に有する。2つの上腿機構が何れもRz自由度とTx、Ty自由度を有することが最も好ましい。Tz自由度はあってもなくてもよい。
【0045】
各レッグ機構の足並列機構は何れもRx、Ry、Tz自由度を有するため、2つのレッグ機構が互いに協力することで、正常な足運びと方向転換を完成できる。
【0046】
並直列接続レッグ機構+並直列接続レッグ機構と、並直列接続レッグ機構+足並列機構と、の2種の組合せがある。
【0047】
(4)AとBとの2つのレッグ機構を接続し、並直列接続歩行ロボットを構築する。
【0048】
AとBとの2つのレッグ機構の接続は以下のとおりである。
【0049】
AとBとの2つのレッグ機構が2つの並直列接続レッグ機構である場合、AとBとの2つのレッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが固定接続され、接続されている2つの上プラットフォームが1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構が1つの並直列接続歩行ロボットとなり、
AとBとの2つのレッグ機構の一方のレッグ機構が並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構が足並列機構である場合、並直列接続レッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが足並列機構の足フットアーチプラットフォームに固定接続され、接続されている2つのプラットフォームが1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構が1つの並直列接続歩行ロボットとなる。
【0050】
接続時に、上腿分岐チェーン、フットアーチプラットフォーム、中足骨分岐チェーン、足指及び足指三角形の配置要求として、
2つのレッグ機構の各上腿分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのフットアーチプラットフォームは一方が高く他方が低いか、或いは一方が内側にあり他方が外側にあるか、或いは一方が前にあり他方が後ろにあり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の中足骨分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の足指の水平面への投影が重ならず、
接続されている2つのレッグ機構の足指三角形の重心の間の距離が2つの足指三角形の外接円の半径の和より小さく、且つ2つの足指三角形の水平面への投影が重なる部分がある。
【0051】
フットアーチプラットフォームの選択及び配置について、主な目的は、2つのフットアーチプラットフォームがそれぞれ独立した活動空間を有することを保証することにより、その上に取り付けられている中足骨分岐チェーンも独立した活動空間を有することを保証することにある。
【0052】
2つのレッグ機構を接続する目的は、2つの構造が複雑なレッグ機構を、互いに含まれ、互いに入り込むように接続し、各運動部材が何れも自分の活動空間を有することを保証することにより、2つのレッグ機構の運動を合理的に設定し、各種の歩行移動を図ることにある。
【0053】
ロボットの重心は通常、2つのレッグにおける上プラットフォームの中心を結んだ線分の中点に位置する。また、この重心は通常、2つの足指三角形の重心を結んだ線分の中点の真上に配置されている。
【0054】
2つのレッグ機構の接続に関する詳細な説明は、後文の「2つのレッグ機構の接続と骨盤について」という部分を参照すること。
【0055】
上述の構築方法を実現する並直列接続歩行ロボットは、AとBとの2つのレッグ機構を含み、一方のレッグ機構Aが並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構Bが並直列接続レッグ機構又は足並列機構であり、AとBとの2つのレッグ機構の上部が接続されている。
【0056】
並直列接続レッグ機構は足並列機構と上腿機構とを含む。
【0057】
足並列機構(昇降式立脚機構)について
足並列機構が1つの足フットアーチプラットフォームと、3つの中足骨分岐チェーンと、3つの足指とを含み、3つの中足骨分岐チェーンが足フットアーチプラットフォームに固定され接続されており、接続点が1つの三角形の3つの頂点にある。3つの中足骨分岐チェーンの下端に足指が接続されており、3つの足指が1つの足指三角形を形成する。足並列機構は1つのセミクローズド並列機構であり、セミクローズド並列機構は特殊な並列機構である。足並列機構は1つの昇降式立脚である。従って、足並列機構は昇降式立脚とも称される。
【0058】
中足骨分岐チェーンが1つ又は複数の自由度を有する分岐チェーンである。趾骨分岐チェーンの自由度の組合せが、Tz、TzTx、TzTy、TzTxTy、RxTz、RyTz、RxTzTx、RyTzTy、及びRxRyTzの自由度の組合せのうちの1種以上である。
【0059】
典型的な中足骨分岐チェーンは、上述の自由度の組合せに対応して、それぞれP、PP、PP、RP、RP、PPP、RPP、RPP、UPである。
【0060】
Y形、O形、C(U、V)形、T形、三角形、蝶形などのフットアーチプラットフォームは何れもフットアーチプラットフォーム配置時に選択可能な形状である。また、この数種の形状にも限られない。フットアーチ形状及び配置については、文献1を参照することができる。
【0061】
3つの中足骨分岐チェーンはそれぞれ独立した作動空間を占め、互いに干渉しない。3つの分岐チェーンは同一の分岐チェーン或いは異なる分岐チェーンであってもよい。
【0062】
Rx、Ry自由度のみを有するレッグ機構は1つの立脚であり、他の機能がない。
【0063】
昇降立ち上がり機能を有するレッグ機構を提供するために、前記各中足骨分岐チェーンは何れも1つのZ方向の移動自由度を有する。回転ペアからなる1自由度の中足骨分岐チェーンは、足指の間隔を変更可能である。軸線がフットアーチプラットフォーム平面にある回転ペアは、垂直方向の移動成分もあるが、水平方向の移動成分もある。水平方向の移動成分は、足指の間隔を変更させるために用いられる。
【0064】
足指の間隔をよりうまく個々に変更できるレッグ機構を提供するために、前記並直列接続歩行ロボットの足並列機構の中足骨分岐チェーンは少なくとも1つの中足骨分岐チェーンを有し、1つのZ軸方向の移動自由度以外に、水平方向の1つ又は2つの移動自由度をさらに有する。即ち、Tz自由度と1つ又は2つの水平方向の移動自由度を有する。
【0065】
実際に、足並列機構の主な機能は1つの昇降式立脚である。従って、足並列機構は1つの昇降式立脚として単独で適用できる。有水平方向の自由度を有する中足骨分岐チェーンは、足指の間隔を調節できるだけではなく、水平方向の移動自由度も提供できる。
【0066】
足指の間隔を変更できない足並列機構(例えば、文献1に開示されている歩行ロボット)は、決められた幅を有する2つの平行な木板でしか歩行できない。足指の間隔を変更すると、様々な幅の平行な木板で歩行できる。ひいては、丸木橋を小さい歩幅で歩行できる。路面に対する適応能力を向上させた。
【0067】
足並列機構に関する詳細な説明は、後文の「足並列機構について」、「中足骨分岐チェーンについて」及び「足指について」の3つの部分を参照すること。
【0068】
上腿機構について
上腿機構が上プラットフォーム、下プラットフォーム、及び上プラットフォームと下プラットフォームとを接続する1つ又は1つ以上の上腿分岐チェーンを含み(1つのモーションペアからなる分岐チェーン)、上腿機構の下プラットフォームは上腿フットアーチプラットフォームとも称される。上腿分岐チェーンが1つのモーションペア、1つ又は複数の直列機構、又は1つの並直列接続機構であってもよい。
【0069】
上腿機構が1つから5つの自由度を有する機構である。上腿機構の1つから5つの自由度がTx、Ty、Tz、Rz、Rx又はTx、Ty、Tz、Rz、Ryにおける各自由度の任意の組合せであり、1自由度、2自由度、3自由度、4自由度、5自由度を含み、計36種である。そのうち、14種の機構はRx又はRy自由度を有さず、4種の構造は平面機構である。
【0070】
Y形、O形、C(U、V)形、T形、三角形、蝶形などの上腿フットアーチプラットフォームは何れも上腿フットアーチプラットフォーム配置時に選択可能な形状である。また、この数種の形状にも限られない。
【0071】
Rx又はRy自由度を含む上述の機構は、最適な上腿機構ではない。2つのレッグ機構は何れもRx自由度又はRy自由度を含まない技術案が好ましい。
【0072】
上腿機構が空間並列機構又は並直列接続機構である場合、その空間機構と並直列接続機構の自由度の組合せは3TRz、3T0R、(3T0R)Rz、(3TRz)Rz、(TxTy)Rzである。空間機構における最も好ましい自由度の組合せは3TRz,並直列接続機構における最も好ましい技術案は(3T0R)Rz、と(TxTy)Rz、(RzTxTy)Rzである。並直列接続機構におけるRzは連続的に方向転換できる。
【0073】
従って、その上腿機構が空間並列機構又は並直列接続機構である場合、好ましい技術案は、その自由度の組合せが3TRzと(3T0R)Rz、(TxTy)Rz、(TxTyRz)Rzにおける1種であるものである。
【0074】
一方、2つのレッグ機構の上腿機構が何れも平面機構である場合、構造は最も簡単であり、冗長自由度は一切ない。従って、平面機構は上腿機構における最も好ましい技術案である。その自由度の組合せはTxTyRz、TxTy、TxRz、TyRzにおける1種である。3自由度の平面機構はそのうちの最も好ましい技術案である。
【0075】
上腿機構について、その主な機能は水平方向の運動とZ軸線周りの回転を提供することである。水平方向の運動とZ軸線周りの回転は2つのレッグに分布されてもよく、1つのレッグに集められてもよく、或いは2つのレッグのいずれにもあってもよい。上腿機構はTz、Rx、Ryの冗長自由度を有することが許される。ただし、Rx、Ry自由度は1つのレッグ機構に同時に現れてはいけない。
【0076】
上腿機構の上プラットフォームは寛骨とも称される。
【0077】
上腿機構に関する詳細な説明は、後文の「上腿機構について」という部分を参照すること。
【0078】
並直列接続レッグ機構について
並直列接続レッグ機構は1つの上腿機構と1つの足並列機構とを含み、足並列機構が上腿機構の下方にあり、両者が直列に接続されて1つの並直列接続レッグ機構となる。足並列機構と上腿機構とが1つのフットアーチプラットフォームを共用し、両者がこの共通のプラットフォームを介して接続されている。共通のプラットフォームはフットアーチプラットフォームと称される。
【0079】
構築並直列接続レッグ機構の主な目的は、足並列機構に足運びと方向転換などの機能を有させることにある。並直列接続レッグ機構は冗長自由度を有することが許される。
【0080】
2つのレッグ機構の要求は以下の通りである。
【0081】
構造の要求として、一方のレッグ機構が並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構が並直列接続レッグ機構又は足並列機構である。
【0082】
自由度の組合せ要求として、
2つのレッグ機構の上腿機構には少なくとも1つのRz自由度、1つのTx(或いはTy)の自由度を有し、又は少なくとも1つの並直列接続レッグ機構の上腿機構はRz自由度と、Tx(或いはTy)自由度とを同時に有する。最も好ましい技術案は、2つの上腿機構が何れもRz自由度とTx、Ty自由度を有するものである。上腿機構のTz自由度はあってもなくてもよい。各レッグ機構の足並列機構は何れもRx、Ry、Tz自由度を有するため、2つのレッグ機構は正常な足運びと方向転換を完成できる。
【0083】
組合せは2種類ある。組合せ一として、Aレッグ機構は並直列接続レッグ機構であり、Bレッグ機構は並直列接続レッグ機構である。組合せ二として、Aレッグ機構は並直列接続レッグ機構であり、Bレッグ機構は足並列機構である。
【0084】
2つの全自由度の並直列接続レッグ機構は、組み合わせられて1つの並直列接続歩行ロボットを構成できる。1つの全自由度の並直列接続レッグ機構と1つの少自由度のレッグ機構又は足並列機構も、組み合わせられて1つの並直列接続歩行ロボットを構成できる。2つの少自由度のレッグ機構は、一定の自由度条件を満たした場合こそ、組み合わせられて並直列接続歩行ロボットを構成できる。
【0085】
AとBとの2つのレッグ機構の接続
2つのレッグ機構が何れも並直列接続レッグ機構である場合、AとBとの2つのレッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが固定接続され、接続されている2つの上プラットフォームは1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構は1つの並直列接続歩行ロボットとなる。
【0086】
一方のレッグ機構が並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構が足並列機構である場合、並直列接続レッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが足並列機構の足フットアーチプラットフォームに固定接続され、接続されている2つのプラットフォームは1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構は1つの並直列接続歩行ロボットとなる。
【0087】
接続時、上腿分岐チェーン、フットアーチプラットフォーム、中足骨分岐チェーン、足指及び足指三角形の配置要求として、
2つのレッグ機構の各上腿分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのフットアーチプラットフォームは一方が高く他方が低いか、或いは一方が内側にあり他方が外側にあるか、或いは一方が前にあり他方が後ろにあり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の中足骨分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の足指の水平面への投影は重ならない。
【0088】
接続されている2つのレッグ機構の足指三角形の重心の間の距離は2つの足指三角形の外接円の半径の和より小さく、且つ2つの足指三角形の水平面への投影は重なる部分がある。
【0089】
Y形、O形、C(U、V)形、T形、三角形、蝶形などのフットアーチプラットフォームは何れもフットアーチプラットフォーム配置時に選択可能な形状である。この数種の構造は1つの近似した表現である。また、この数種の形状にも限られない。2つのフットアーチプラットフォームの配置は、互いに干渉しないことが最高準則である。
【0090】
実際に、上腿分岐チェーン、フットアーチプラットフォーム、足指及び足指三角形の総的な要求として、各部材は何れも自分の独立した活動範囲を有し、互いに干渉しない。一部の特殊な空間において(例えば、2つの活動空間の境において)、作動空間に一部の重なりがあることが許され、制御することにより、この場合も、人間の2つのレッグと同様に、互いに干渉しない目的を達成できる。このような配置は、制御することにより、より優れた性能を得られる。
【0091】
ロボットの重心は通常、2つのレッグにおける上プラットフォームの中心を結んだ線分の中点に位置する。また、この中点は通常、2つの足指三角形の重心を結んだ線分の中点の真上に配置されている。
【0092】
接続する目的は、2つの構造が複雑なレッグ機構を、互いに含まれ、互いに入り込むように接続し、各運動部材が何れも自分の活動空間を有することを保証することにより、2つのレッグ機構の運動を合理的に設定し、各種の歩行移動を図ることにある。接続された後、2つのレッグ機構の上腿分岐チェーンはそれぞれの活動空間を有する必要がある。接続された後、2つの中足骨分岐チェーンもそれぞれの活動空間を有する必要がある。
【0093】
2つの足指三角形の重心の間の距離について、以下の通り2つの好ましい構造案が存在する。
【0094】
AとBとの2つのレッグ機構の上プラットフォームが固定接続され、2つのレッグ機構の足指三角形の重心の間の距離は、
a、2つのレッグ機構の足指三角形の中心の間の距離が0又は0.20(Ra+Rb)未満であるという場合(実施例1参照)、及び
b、2つのレッグ機構の足指三角形の中心の間の距離が0.30(Ra+Rb)以上、0.70(Ra+Rb)以下であるという場合(実施例3参照)、
のうちの1種であり、
RaがAレッグ機構の足指三角形の外接円の半径であり、
RbがBレッグ機構の足指三角形の外接円の半径である。
【0095】
1種目は1つの等方的な接続方案であり、内外式構造案と称される(実施例1、2参照)。2種目は1つの異方的な技術案であり、交差式構造案と称される(実施例3、4参照)。
【0096】
内外式構造案について、2つの同一のレッグ機構であれば、2つの上プラットフォームを接続する場合は、約60度の位相差がある。
【0097】
交差式構造案について、通常は一方のレッグ機構の足指が他方の足指三角形の中心にある必要がある。
【0098】
機体が反転した場合に依然として歩行できる並直列接続歩行ロボットを提供するために、Aレッグ機構と、Bレッグ機構と、骨盤とを含み、並直列接続歩行ロボットの2つのレッグ機構の中足骨分岐チェーンは、
A、中足骨分岐チェーンの1番目のモーションペアが複動式移動ペアであり、移動ペアの軸線がフットアーチプラットフォームの平面に対して垂直である中足骨分岐チェーンと、
B、中足骨分岐チェーンの1番目のモーションペアが回転ペアであり、中足骨分岐チェーンがPHRHPであり、回転ペアの軸線がフットアーチプラットフォームの平面に対して垂直である中足骨分岐チェーンと、
C、中足骨分岐チェーンの1番目のモーションペアが回転ペアであり、回転ペアの軸線とフットアーチプラットフォームの平面とが平行である中足骨分岐チェーンと、のうちの1種又は2種の組合せである。
【0099】
このように、両面歩行できるロボットが形成される。複動式移動ペア又はPHRHP分岐チェーンは何れも2つの出力端を有し、一方が上にあり、他方が下にあり、両面とも作動できる。回転ペアは回転することにより、中足骨分岐チェーンの出力端を他方の面に移転し、両面とも歩行移動できる。
【0100】
中足骨分岐チェーンモーションペアの順序番号について、フットアーチに接続されるモーションペアの番号は第1号であり、第1号に接続されるモーションペアの番号は第2号であり、その他はこれによって類推する。
【0101】
並直列接続歩行ロボットが側立状態で移動できない、或いは歩行状態に変換できないことを防止するために、並直列接続両面歩行ロボットの骨盤に1つの大円環を接続し、この大円環は骨盤と同一の平面にあり、この大円環の中心と骨盤の中心とは同一の位置にある。大円環の直径が足指三角形の外接円の直径より大きい。
【0102】
これにより、機体が反転した場合に側立できず、歩行状態に変換できるロボットを提供した。
【0103】
大円環は円環と、楕円環と、凸多角形と、一部の途切れがある環とを含む。側立が発生した場合、環と2つの足指とは3つの支持点を形成する。この3つの支持点(1つの環足三角形又は多角形を形成する)で水平地面に接触する場合、ロボット機体の重心の水平面への投影は、この環足三角形又は多角形の外にある。機体は倒れる。3つ又は6つの足指が改めて着地し、歩行機能を回復させる。円ではない環について、半径とは環の縁から骨盤の中心までの距離である。
【0104】
多角形又は途切れがある円環は、側立できないという目的しか実現できない。円環は側立防止機能と回転移動機能とを有する。円環の技術案は多角形の技術案より優れており、途切れがある技術案よりも優れている。
【0105】
円環の作用として、ロボット機体は側立できず、2つの方向へ倒れて、歩行機能を回復できる。極端な場合、ロボット機体は側立しかできなければ(例えば、1つの60~70度、或いはより急な斜面に立ち、倒れることができない)、このロボットは回転移動できる。回転移動では、急な斜面から離れて、歩行機能を回復できる。これにより、両面歩行でき、回転移動できるロボットを提供した。
【0106】
大円環付きの両面歩行ロボットの走破性を向上させ、正常に歩行する場合の横方向のサイズを低減するために、前記大円環をテレスコピックリングとする。大円環を大きくしたり小さくしたりする如何なる展開可能機構も、テレスコピックリングに適用できる。参考文献1には、参考になる技術案がある。
【0107】
歩行もでき輪行もできるレッグ機構を提供するために、少なくとも1つのレッグ機構の足指は全て輪式回転ペアからなる足指であり、輪式回転ペアの軸線はファンデーションプラットフォームの平面に対して平行である。車輪にはロック装置又は制動装置を有する。輪式回転ペアは操舵輪と定方向輪であってもよく、定方向輪の軸線は進行方向に対して垂直である。
【0108】
3つの中足骨分岐チェーンの自由度が異なる場合、又は足指の間隔を変更するための分岐チェーンが1つ又は2つしかない場合、足指三角形の重心の位置は(元の足指三角形に比べて)大きく変化する。これにより、制御はより困難になる。3つの中足骨分岐チェーンにおける足指が何れも独立で移動できれば、自由度(主動ペア)は多くなる。
【0109】
この課題を解決するために、フットアーチプラットフォームに1つの伝動ケースを取り付けるように設計し、この伝動ケースに1つの入力端と、2つ又は3つの出力端とを有し、1つの出力端に1つの中足骨分岐チェーンが接続されている。
【0110】
2つ又は3つの出力端は、対向する又は相反する移動方向又は回転方向を有する。伝動ケースの形状は、フットアーチの全体又は一部の形状に一致している。中足骨分岐チェーンの上方は出力端に接続されている。伝動ケースが取り付けられているフットアーチプラットフォームは他方のフットアーチプラットフォームの独立した運動に影響しない。
【0111】
対向する又は相反する移動又は回転とは、入力端に1つの決められた入力があった場合、2つ又は3つの出力端に接続されている中足骨分岐チェーンにおける足指の間の距離は小さくなる(対向する移動と称される)が、入力端にもう1つの決められた入力があった場合、足指の間の距離は大きくなる(相反する移動と称される)。例えば、求心的な移動は対向する移動である。
【0112】
伝動ケースは、フットアーチプラットフォームの一部又は全体と同一又は近い形状を有する。2つの出力端の場合、伝動ケースの形状はフットアーチの一部の形状に一致している。3つの出力端の場合、伝動ケースの形状はフットアーチの全体の形状に一致している。
【0113】
2つの出力端の伝動ケースの伝動例として、PHRHP伝動チェンで中足骨分岐チェーンを駆動する。PHRHP伝動チェンのRペアは主動ペアであり、2つのHペアは螺旋方向が相反し、回転ペア1つの方向が主動である場合、2つの移動ペアの出力端は、互いに近づくか、或いは互いに離れる。1つの回転ペアが2つの足指を調節する目的を実現した。
【0114】
3つの出力端の伝動ケースの伝動例について説明する。Y型のフットアーチプラットフォームを例とする。伝動ケースはY形状である。1つの入力端は中間にあり、入力端はそれぞれ2つの歯車と噛み合わせられ、入力端は主動歯車であり、他の2つの歯車は従動歯車である。さらに3つの端部歯車はY型伝動ケースの最外端に取り付けられており、中間にある主動歯車は1つの端部歯車を駆動し、中間にある他の2つの従動歯車はそれぞれ他の2つの端部歯車を駆動する。6つの歯車の軸線は水平面にある。3つの端部歯車はそれぞれ1つの中足骨分岐チェーンに接続されている。主動端が1つの入力を有する場合、3つの足指は、互いに近づくか、或いは互いに離れる。1つの回転ペアが3つの足指を調節する目的を実現した。
【0115】
伝動ケースの作用は、2つ又は3つの足指が同期して運動し、足指の相対的な位置を変更し、三角形をある対称的な変化をもたらし、重心の位置の変化が小さく、制御しやすいということである。伝動ケースの設計は周知の技術に属し、様々な設計案がある。ここでは繰り返し述べない。
【0116】
以下、関連名詞及び関連構造を詳細に説明する。
【0117】
足並列機構について
足並列機構は独立したレッグ機構であり、並直列接続レッグ機構の1つの重要な構成部分でもある。
【0118】
足並列機構の主な機能は、X軸線周りの回転自由度を提供し、Y軸線周りの回転自由度及びZ方向の移動自由度を提供することである。多自由度の分岐チェーンはさらに、足指の間隔を変更し、水平方向の移動自由度を提供することもできる。ホイル付きの分岐チェーンは、輪行と歩行との2つの機能を有する。従って、足並列機構の主な作用としては、1、各種の不平坦な表面で、機体の水平、或いはある決められた姿勢を保持して走行でき、2、足上げ運動を実現する。
【0119】
足並列機構はその自由度によって分類すると、2自由度、3自由度があり、1自由度から9自由度までの足並列機構がある。冗長自由度を加えた場合、種類はより多くなる。
【0120】
中足骨分岐チェーンについて
中足骨分岐チェーンはフットアーチプラットフォームに接続されている分岐チェーンであり、フットアーチプラットフォームと地面との間の支持である。特定の自由度の組合せを有する分岐チェーンである。動物の足指と足首との間の中足骨に相当するが、中足骨とは異なり、中足骨分岐チェーンは長さ、角度などを変更できる。
【0121】
中足骨分岐チェーンは、0自由度の中足骨分岐チェーン(足並列機構毎に最多でも1つしかない)と、1自由度の中足骨分岐チェーン(Tz自由度)と、2自由度の中足骨分岐チェーン(TzTx、TzTy、TzRx、TzRy自由度の組合せ)と、3自由度の中足骨分岐チェーン(TzTxTy、TzTxRx、TzTyRy、TzRxRy自由度の組合せ)と、ホイル付きの中足骨分岐チェーン(操舵輪と、定方向輪とを含み、ホイル付きの中足骨分岐チェーンは最多で5个自由度がある)と、の5つの状況がある。
【0122】
3つの中足骨分岐チェーンが同一の分岐チェーン或いは異なる分岐チェーンであってもよい。3つの中足骨分岐チェーンはそれぞれ独立した作動空間を占め、互いに干渉しない。
【0123】
1つの0自由度の中足骨分岐チェーンは、1つのレバーである。1つの0自由度の中足骨分岐チェーンと2つの1自由度の中足骨分岐チェーンとはマッチングされ、1つの足並列機構を形成し、1つの立脚機構を形成することができる。このレッグ機構は、Z方向の移動自由度を有さず、昇降機能がない。このようなレッグ機構の歩行ロボットでは、上下波動式の間欠運転しかできない。
【0124】
1自由度の中足骨分岐チェーンは、1つのZ方向の移動自由度しかない。3つの1自由度の中足骨分岐チェーンは、1つの足並列機構を形成し、各中足骨分岐チェーンは何れもZ方向の移動自由度(Z方向の自由度成分を有する自由度を含む)を有する。例えば、1つの移動ペアPからなる中足骨分岐チェーンについて、その移動ペアの軸線は水平面に対して垂直である。また、1つの回転ペアR又は平行四辺形のモーションペアPaからなる中足骨分岐チェーンについて、その回転ペアの軸線は水平面に対して平行であり、R、Paモーションペアが回転する際に、Z方向の運動成分を有する。R又はPaを適用する時に、R又はPaの回転角度が90度に近い場合、Z方向の成分は略ゼロであり、且つ足上げの時に動揺空間が大きい。しかし、この場合は、水平方向の成分が大きく、足指の間隔を変更するために用いられるという利点もある。
【0125】
2つのモーションペアからなる1自由度の中足骨分岐チェーンであるPP(Pペアの軸線は重なっている)もあり、2番目のPペアは消極ペアであり、減衰用のものである。3つのモーションペアからなる分岐チェーンであるRHP(3つのモーションペアの軸線は重なっている)もあり、上下移動の自由度を形成し、動力入力は回転ペアである。
【0126】
移動ペアからなる1自由度の中足骨分岐チェーンで形成される足並列機構は足指の間隔を調節できない昇降式立脚である。回転ペアからなる1自由度の中足骨分岐チェーンで形成される足並列機構は足指の間隔を調節できる昇降式立脚である。
【0127】
2つの移動自由度の中足骨分岐チェーン
1つのモーションペアからなる2自由度の中足骨分岐チェーンは、例えば、2つの並進の平行四辺形類の複雑なモーションペア(2-RPR平行四辺形類の複雑なモーションペアと、3-UU平行四辺形類の複雑なモーションペアとを含み、2次元の純粋並進のユニバーサルヒンジとも称される)である。2つのモーションペアからなる2自由度の中足骨分岐チェーンは、例えば、PP(2つのPペアの軸線が互いに垂直である)、RP、RR、PaP、PC、PaPP、PaR、RCである。3つのモーションペアからなる2自由度の中足骨分岐チェーンは、例えば、PPP(前の2つのPペアの軸線が互いに垂直であり、後ろの2つのPペアの軸線は重なっている)、PCC、PaPPである。最後の1つのモーションペアは消極ペアであり、減衰用のものである。
【0128】
2自由度の中足骨分岐チェーンで形成される足並列機構は足指の間隔を変更できる昇降式立脚である。2移動自由度の中足骨分岐チェーンは、足指の着地点の選択範囲を大きくする以外に、歩幅を大きくして、足並列機構の1つのTx自由度を追加することもできる。進行方向の歩行速度を加速し、溝を飛び越える能力を向上させることができる。Tx自由度を有する上腿機構について、Tx自由度は1つの冗長自由度である。
【0129】
3つの移動自由度の中足骨分岐チェーンについて、移動自由度の組合せはTxTyTz、RxTzTx、RyTzTy、RxRyTzである。
【0130】
1つのモーションペアからなる3自由度の中足骨分岐チェーンとしては、3つの並進のユニバーサルMが挙げられる。2つのモーションペアからなる3自由度の中足骨分岐チェーンとしては、UP分岐チェーン、PI分岐チェーン、CP分岐チェーン又はU*P分岐チェーンが挙げられる。3つの並進の並列機構としては、3-UPUが挙げられる。直列機構としては、RRR、PPaPが挙げられる。3自由度の中足骨分岐チェーンで形成される足並列機構は足指の間隔を変換できる昇降式立脚である。
【0131】
3つの移動自由度の中足骨分岐チェーンは、より大きな範囲内(2次元)で足指の着地点を選択でき、歩幅を大きくすることができる。3つの自由度の中足骨分岐チェーンは、より大きな足指の着地点の選択範囲以外に、進行方向及び横方向の歩行速度を加速し、溝を飛び越える能力を向上させることができる。
【0132】
中足骨分岐チェーンとしては主に直列機構が適用される。場合によって並列機構も適用できるが、構造が複雑であり、作動プロセスの動揺空間が大きい。3つの平移自由度の中足骨分岐チェーンは、並列機構を用いると、複雑となり、レッグの重量が増加してしまう。しかし、より高い積載能力を有する。
【0133】
2つ又は3つの自由度的中足骨分岐チェーンは、機体が水平状態であるか傾斜状態であるかにかかわらず、その軸線が制御によって地面に対して垂直となり、受力状態が最適化されている。また、どううような構造サイズでは、登坂能力は向上する(5~10度だけ向上する)。
【0134】
中足骨分岐チェーンとしては、独立した自由度を有する上述の分岐チェーン以外に、互いに関連している中足骨分岐チェーンも挙げられる。互いに関連している中足骨分岐チェーンは、少ない自由度で、足指のある対称的な移動を図ることができ、足指の間隔も変更しているが、重心の位置に大きな変化をもたらすこともない。
【0135】
構造路面における移動速度を向上させるために、足指部に1つの車輪を取り付け、即ち輪式回転ペアRwを取り付け、車輪軸線はファンデーションプラットフォームの平面に対して平行であり、定方向輪の軸線は進行方向に対して垂直である。ホイルは、方向転換自由度を有するものと、方向転換自由度を有さないものとの2種を含む。ホイル付きの中足骨分岐チェーンの例としては、PRw、PPRw、PPPRw、RPRw、RPPRw、RRw、RRRw、RRPRw、RPRw、PaRw、PaRRw、PaPRw、PaPPRw、PPRwが挙げられる。操舵輪を有する中足骨分岐チェーンは最多で5つの自由度である。
【0136】
フットアーチプラットフォームは3つの中足骨分岐チェーンに接続されており、1つの完全なフットアーチとなる。フットアーチの高さは変化可能である。一部の中足骨分岐チェーンは、足指の間隔も変化可能である。
【0137】
中足骨分岐チェーンにおいて、2つのPペアの軸線が重なると、減衰用の1つの消極ペアを有する。2つのPペアの軸線が垂直であると、2つの主動ペアであり、2つの自由度の分岐チェーンとなる。
【0138】
以上の符号の意味について、Uはタイガーヒンジを表し、Pは広義移動ペアを表し、Rは回転ペアを表し、Rwは輪式回転ペア、即ち車輪を表し、Cは円柱ペアを表し、Hは螺旋ペアを表し、Paは平行四辺形のモーションペアを表し、U*とIは2つの並進の平行四辺形の複雑なモーションペアを表し、2つの純粋並進のユニバーサルヒンジとも称され、Mは3つの並進の平行四辺形類の複雑なモーションペアを表す。
【0139】
いずれの中足骨分岐チェーンを用いても、大きな安定範囲を得るように、足指三角形をできる限り大きくする必要がある。
【0140】
中足骨分岐チェーンの長さ変化量が大きいほど、登坂能力は強くなる。登坂能力を提供するために、中足骨分岐チェーンは移動変化量を増加すべきである。例えば、複数の移動ペアを用いて、移動量を増加することができる。
【0141】
中足骨分岐チェーンとフットアーチプラットフォームとの接続については、1番目のモーションペアの軸線とフットアーチプラットフォーム平面との関係に注意すべきである。例えば、Pペア又はRHPは中足骨分岐チェーンとして、1番目のモーションペアの軸線がファンデーションプラットフォームの平面に対して垂直である。PP(PがPに対して垂直である)又はPRは中足骨分岐チェーンとして、1番目のモーションペアの軸線はファンデーションプラットフォームの平面に対して平行である。RR、RP又はRPPは中足骨分岐チェーンとして、1番目のモーションペアの軸線はファンデーションプラットフォームの平面に対して平行である。
【0142】
足指について
3つの足指は同一直線上に存在せず、通常は1つの正三角形又は二等辺三角形の3つの頂点にある。無論、3つの中足骨分岐チェーンとフットアーチプラットフォームとの接続点も同一直線上に存在しない。
【0143】
足指は多種の構造形式を有する。天井、壁面などの特殊な表面で作動するために、足指部に、パッド、電磁石などを取り付けることができる。着地時の衝撃を低減し、歩行ロボットの安定性を向上させるために、足指の下部に弾性減衰装置を取り付ける。例えば、足指に弾性スペーサを取り付けるか、或いは中足骨分岐チェーンの末端に消極移動ペアを取り付け、1つのモーションペア類型の緩衝器を取り付ける。足指部の下端形状は半球状又は楕球状であることが好ましい。これは各種の路面に適応できる。ホイルも特殊な足指である。足指の下部には、測距センサ及び圧力センサなどが取り付けられてもよい。
【0144】
上腿機構について
上腿機構は、特定の自由度と自由度との組合せを有する機構である。1自由度の上腿機構は6種あり、そのうちの4種の上腿機構にはRx又はRy自由度がない。2自由度の組合せの上腿機構は14種あり、そのうちの6種の上腿機構にはRx又はRy自由度がない。3自由度の組合せの上腿機構は9種あり、そのうちの3種の上腿機構にはRx又はRy自由度がない。四自由度の組合せの上腿機構は5種あり、そのうちの1種の上腿機構にはRx又はRy自由度がない。五自由度の組合せの上腿機構は2種あり、そのうちの0種の上腿機構にはRx又はRy自由度がない。
【0145】
各種の自由度の組合せ(包括1自由度を含む)の上腿機構のうち、14種の上腿機構はRx又はRy自由度がなく、22種の上腿機構はRx又はRy自由度を有する。14種のRx自由度もRy自由度もない上腿機構のうち、1自由度の上腿機構を除くと、10種の上腿機構がある。この10種の上腿機構は並列機構又は直列機構であってもよい。3自由度と4自由度の上腿機構は4種あり、この4種は並直列接続機構であってもよい。10種のRx自由度もRy自由度もない上腿機構のうち、Tz自由度を有する上腿機構を除くと、4種の機構は何れも平面上腿機構である。
【0146】
Rx又はRy自由度を含む上腿機構は、特殊な場面に適用されると利点がある。例えば、多数の作動場面は、傾斜した路面において機体の水平姿勢が要求される場面である。
【0147】
上腿機構は、直列機構、並列機構、並直列接続機構、或いは単一モーションペアであってもよい。複数の分岐チェーンの上腿機構について、同一の分岐チェーン又は異なる分岐チェーンは何れも適用できる。1つのレッグ機構は水平軸線周りに回転する自由度を有しなくてもよいが、或いは水平軸線周りに回転する自由度が1つしかない。Rx自由度とRy自由度とは1つの上腿機構に同時に現れてはいけない。
【0148】
上腿機構が2つ又は複数の分岐チェーンを有する場合、各分岐チェーンを互いに干渉しなくすべきである。これは、機構が満たさなければならない条件でもある。
【0149】
上腿機構としては、空間機構、並直列接続機構、平面機構、或いは単一モーションペアが挙げられる。以下、それぞれ説明する。
【0150】
空間機構について、その自由度の組合せは、3TRzと、3T0Rと、3TRzRxと、3TRzRyと、3TRxと、3TRyとを含む。
【0151】
空間機構は多種の構造形式がある。空間並列機構は、(3-UPU)、(3-PUU)、(3-CPP)機構などの3T0R機構、及び4-UPU並列機構などの3TRz機構である。
【0152】
並直列接続機構は、例えば、自由度の組合せが(3T0R)Rz、(3TRz)Rz、Rz(3TRz)、(3TRz)Rx、(3TRz)Ry、(3T)Rx、(3T)Ry、(TxTy)Rz、(TxTyRz)Rzなどである。上述の空間機構又は後述の平面機構は1つの回転ペアRzを直列接続すればよい。Z軸周りに回転する自由度は、冗長自由度を有することが許される。
【0153】
平面機構の自由度の組合せは、TxTyRz、TxTzRz、TyTzRz、TxTy、TxTz、TyTz、TxRz、TyRz、TzRzの多種がある。構成される機構は並列機構と直列機構とを含む。例えば並列機構は、3-RRR、3-RPS、3-RPR、3-RPR、3-PRP、3-PaPaRz機構などである。例えば直列機構は、RRR、RPR、PaPaRz機構であり、さらに、PRz、RzU*、(CC)Rz機構などがある。これらの平面並列機構は何れも本発明に適用できる。
【0154】
単一モーションペアで形成される機構は簡単である。例えばTxはPペアで形成され、TyはPペアで形成され、RzはRペアで形成され、TzRzはCペアで形成される。単一モーションペアI、M、U*も利用可能なものである。
【0155】
Txと、Tyと、Rzとの3つの自由度を同時に有する上腿機構は全自由度の上腿機構と称される。Tx、Ty、Rz自由度以外に、他の自由度も有する上腿機構は、冗長自由度の上腿機構と称される。Tx、Ty、Rz自由度のうちの何れかの自由度が欠けている上腿機構は少自由度の上腿機構と称され、例えば、Tx、Ty、Tz自由度を有する上腿機構は少自由度の上腿機構と称される。
【0156】
上腿機構は機能によって、方向転換の上腿機構と、単方向足移動の上腿機構と、両方向足移動の上腿機構と、単方向足移動方向転換の上腿機構と、両方向足移動方向転換の上腿機構と、冗長自由度の上腿機構と、に分類される。
【0157】
数多くの上腿機構のうち、上腿機構を選択する原則として、並列機構は直列機構より優れており、Rx、Ryを含まない機構は1つのRx又はRyを含む機構より優れており、一部の場合、Tzを含まない機構はTzを含む機構より優れており、一部の場合、並直列接続機構は並列機構より優れており、一部の場合、平面並列機構は空間並列機構より優れており、一部の場合、冗長分岐チェーン並列機構は全(丁度)分岐チェーン並列機構(自由度数が分岐チェーン数に等しい並列機構)より優れている。
【0158】
並直列接続レッグ機構について
並直列接続レッグ機構の構築は、1つの足並列機構と1つの上腿機構とを接続することである。任意の足並列機構と任意の上腿機構は、1つのフットアーチプラットフォームを共用する限り、何れも並直列接続レッグ機構を構成できる。
【0159】
並直列接続レッグ機構を構築する目的は、足並列機構に、足運び、方向転換機能を有させることにある。上腿機構と足並列機構との接続部材はフットアーチプラットフォームであり、両者は1つのフットアーチプラットフォームを共用する。簡単に言うと、接続されていて1つのフットアーチプラットフォームを共用する上腿機構と足並列機構は1つの並直列接続レッグ機構である。
【0160】
並直列接続レッグ機構は足並列機構のRx、Ry、Tz自由度以外に、上腿機構がまた、少なくとも、1、進行方向の運動自由度Txと、2、横方向の運動自由度Tyと、3、Z軸線周りに回転する自由度Rzと、の3つの自由度のうちの1つの自由度をさらに有する。
【0161】
足並列機構の立ち上がり、足上げ機能は、上腿機構の進行方向の運動自由度と協力して進行方向の足運び機能を完成する。足並列機構の立ち上がり、足上げ機能は、上腿機構の横方向の運動自由度と協力して横方向の足運び機能を完成する。足並列機構の立ち上がり、足上げ機能は、上腿機構の方向転換の運動自由度と協力して方向転換機能を完成する。
【0162】
最も好ましい並直列接続レッグ機構は6つ以上の自由度がある。並直列接続レッグ機構の主な機能は、立ち上がり、足運び、及び方向転換機能。並直列接続レッグ機構としては、単方向足運びレッグ、両方向足運びレッグ、方向転換レッグ、単方向足運び方向転換レッグ、全能レッグ、足指の間隔を調節できるレッグなどが挙げられる。
【0163】
並直列接続レッグ機構は他の冗長自由度を許す。本発明はRx、Ry自由度が同時に冗長であるものを解消している。単一のRx、Ry自由度の冗長は許される。他の自由度の冗長も許される。
【0164】
冗長自由度の並直列接続歩行ロボットは2種ある。
【0165】
上腿機構に冗長自由度が現れることは、以下の2種に分けられる。1、上腿機構にTz、Rx又はRy自由度を有すると、足並列機構の自由度と重なり合い、冗長自由度が形成される。例えば、上腿機構には3TRz又はTxRxが適用されると、3TRzにTz自由度の冗長が現れ、TxRxにRx自由度の冗長が現れる。2、上腿機構自身に自由度の冗長が現れる。例えば、上腿機構として3自由度の平面機構を用い、さらに1つのRzを直列接続すると、Rzに冗長自由度が現れる。冗長自由度の上腿機構を有する並直列接続レッグ機構は必然的に冗長自由度の並直列接続レッグ機構である。
【0166】
足並列機構に自由度が現れることは、以下の2種に分けられる。1、足並列機構において、中足骨分岐チェーンが何れも2つの自由度又は3つの自由度であれば、足並列機構はTy又はTx自由度を有する。それとマッチングする上腿機構もTy又はTx自由度を有するものであれば、Ty又はTx自由度の冗長が現れる。2、中足骨分岐チェーン自身に自由度の冗長を有する。例えば、中足骨分岐チェーンに2つの軸線が重なる移動ペア(又は円柱ペア)を有すると、そのうちの1つは緩衝器(消極ペア)であり、緩衝器は冗長自由度である。また例えば、3つの軸線が平行である回転ペアの場合、中足骨分岐チェーンとして、最下方の回転ペアは消極ペアであり、緩衝器として用いるため、この場合も1つの冗長自由度を有する(図5参照)。冗長自由度の足並列機構を有する並直列接続レッグ機構は必然的に冗長自由度の並直列接続レッグ機構である。
【0167】
冗長自由度の並直列接続レッグ機構は、レッグ機構の適用に影響しない。場合によっては、いいことである可能性がある。
【0168】
2つのレッグ機構の接続と骨盤について
任意の2つの並直列接続レッグ機構で、或いは任意の1つの並直列接続レッグ機構と任意の1つの足並列機構接続でも、並直列接続歩行ロボットを形成できるわけではない。例えば、2つの図18におけるレッグ機構は歩行並直列接続ロボットを形成できない。そのロボットに方向転換能力がないためである。2つのレッグ機構は、自由度の要求を満たす以外に、構造的にも一定の要求を満たさなければならない。
【0169】
2つの全自由度の並直列接続レッグ機構は、組み合わせられて1つの並直列接続歩行ロボットを構成できる。1つの全自由度の並直列接続レッグ機構と1つの少自由度のレッグ機構又は足並列機構も、組み合わせられて1つの並直列接続歩行ロボットを構成できる。2つの少自由度のレッグ機構は、一定の自由度条件を満たした場合こそ、組み合わせられて並直列接続歩行ロボットを構成できる。足並列機構の水平方向の自由度は上腿機構と協力して歩行移動を実現できることもあるが、このは最適な選択ではない。例えば、1つの方向転換上腿機構に1つの足指の間隔が調節できる単方向の足並列機構をマッチングすることで、1つの並直列接続レッグ機構が構成される。2つのこのような並直列接続レッグ機構は1つの並直列接続歩行ロボットを構成できる。明らかに、これは好ましいものではない。しかし、このような冗長自由度を有すると、上腿機構の足移動自由度に故障が現れた場合、歩行ロボットはまたこの冗長自由度によって歩行できることは、潜在的なメリットである。
【0170】
2つのレッグ機構を接続した骨盤は、さらに機体(ボディ)及び操作ハンドなどの取り付けに用いられる。
【0171】
無論、2つの並直列接続レッグ機構を接続する場合、2つのレッグ機構の足指は何れも下方にあるべきであり、2つのレッグ機構のサイズを略同一にすべきである。
【0172】
接続後の2つの上腿機構は、1層、2層又は多層の機構を形成する。主に以下の数種に分けられる。
【0173】
1層構造について、骨盤、Aレッグの上腿分岐チェーン及びBレッグの上腿分岐チェーン、Aレッグのフットアーチプラットフォーム及びBレッグのフットアーチプラットフォームは何れも同じ層にある。
【0174】
2層構造について、骨盤は一層にあり、Aレッグの上腿分岐チェーン及びBレッグの上腿分岐チェーンは骨盤と同じ層にあり、AレッグのフットアーチプラットフォームとBレッグのフットアーチプラットフォームとは同じ層にある。例えばRPR分岐チェーンについて、RRR分岐チェーンは腿機構に用いられる(実施例2、3、4参照)。2層構造は、1つの並直列接続レッグ機構と1つの足並列機構とが組み合わせられて形成される並直列接続歩行ロボットをさらに含む。一方のレッグ機構には上腿分岐チェーンがない。足並列機構のフットアーチプラットフォームと並直列接続レッグ機構の上プラットフォームとは1層を構成し、並直列接続レッグ機構のフットアーチプラットフォームは1層を構成し、計2層である。
【0175】
3層構造について、骨盤は一層にあり、Aレッグの上腿分岐チェーン及びBレッグの上腿分岐チェーンは骨盤と同じ層にあり、Aレッグのフットアーチプラットフォームは第2層にあり、Bレッグのフットアーチプラットフォームは第3層にある(例えば、実施例1参照)。
【0176】
4層構造について、活動空間を大きくするために、Aレッグの上腿分岐チェーン(骨盤を含む)は単独で1層を占め、Bレッグの上腿分岐チェーン(骨盤を含む)は単独で1層を占める。2つのレッグ機構の上腿分岐チェーンは大きな動揺空間を有することが許され、Aレッグのフットアーチプラットフォームは第3層にあり、Bレッグのフットアーチプラットフォームは第4層にある。このような構造は、2つの骨盤が上下となって一体になるように接続されている。
【0177】
1つの上腿機構の上プラットフォームとその分岐チェーンとはそれぞれが1層を占めると、1つの並直列接続歩行ロボットは6層を有する可能性がある。
【0178】
2つのフットアーチプラットフォームが一方が高く他方が低いか、或いは一方が内側にあり他方が外側にあるか、或いは一方が前にあり他方が後ろにあり、互いに干渉しないという要求について、1つを満たせばよい。フットアーチプラットフォームの構造は、凸であっても平面であっても凹であってもよい。フットアーチプラットフォームの形状は、Y、T、O、C、V、U、三角形、蝶形などの多種の構造形式があり、この数種の構造は1つの近似した表現に過ぎない。また、この数種の構造形式にも限られない。2つのフットアーチプラットフォームを配置する目標は、2つのフットアーチプラットフォームの干渉を防止し、2つのフットアーチプラットフォームにそれぞれの活動空間を提供し、2つの中足骨分岐チェーンにそれぞれの活動空間を提供することにある。フットアーチプラットフォームの設計目的を満たす各種の形状は何れもフットアーチプラットフォームを構成することができる。フットアーチの構造及び配置に関しては文献1を参照すること。
【0179】
本発明の並直列接続レッグ機構の特徴は、レッグの足上げ機能と足移動機能とが分離しており、両者はカップリングせず、制御しやすい。
【0180】
以下、幾つかの説明を行う。
中足骨分岐チェーンの移動自由度とは、足指という点の移動自由度である。従って、回転ペアに取り付けられている足指は、移動自由度を有するものである。記号列で示す自由度の組合せにおいて、字母の順序は自由度の順序を意味しない。例えば、Rz(3T0R)とRz(3TRz)とは一緒であり、順序とは無関係である。本発明の並直列接続歩行ロボットの外部は、密閉式構造を用いてることができ、防火、防水又は輻射防止の場面に用いられる。本発明の駆動については、運動部材の慣性を低減するように、遠隔駆動を適用する(例えば、固定の電機は歯ベルトで遠隔伝動を図る)ことを提案する。本発明における各種の機構は、特異位相を避けるべきである。本発明の並直列接続レッグ機構に一般的なレッグ機構を配置することも、可能な技術案である。文献1に開示されているレッグ機構を含めて、何れも一般的なバイオニックレッグ機構を配置し、歩行ロボットを構成することができる。本発明は1つのノンバイオニック歩行ロボットである。以下の3つの面に体現されている。第一に、並直列接続レッグ機構の足移動機能と足上げ機能はデカップリングされており、方向転換機能と足上げ機能もデカップリングされている。これは動物界で見られないものである。第二に、2つのレッグは互いに含まれ、互いに入り込む。一方、動物のレッグは何れも1つのソリッド体であり、互いに入り込むことができず、互いに含まれることもできない。第三に、動物は何れも前後のレッグ又は左右のレッグを有するか、或いは前後左右のレッグを全て有する。本発明で提供する歩行ロボットは前後左右のレッグがなく、内外のレッグしかない。従って、本発明はノンバイオニック歩行ロボットである。
【0181】
本発明で提供する並直列接続歩行ロボットの作動過程と文献1の歩行ロボットの作動過程とは略同一である。ここで、幾つかの典型的な並直列接続歩行ロボットの作動過程について簡単に説明する。
【0182】
並直列接続歩行ロボットの自由度が少ないほど、その移動の機能が悪くなる。7個の自由度の場合は、波動式間欠移動と間欠的な方向転換しかできず(角度が大きい場合)、横方向の移動ができない。8個の自由度の場合は自由度の組合せによって、1、水平式間欠移動と間欠的な方向転換しかできず、横方向の移動ができないか、或いは2、波動式間欠移動と連続的な方向転換しかできず、横方向の移動ができないか、或いは3、波動式間欠移動、間欠的な方向転換及び横方向の移動しかできない。1つの自由度を増加すると、ロボットの歩行機能を改善できる。12個の自由度の場合は、各種の移動を行える。足指の間隔が調節できれば、12個以上の自由度が必要であり、この場合は、各種の路面に適合できる。
【0183】
以下、3種類の並直列接続歩行ロボットの歩行作動過程を紹介する。
【0184】
実施例1を例として、内外式全自由度の並直列接続歩行ロボットの作動過程を説明する。
【0185】
1、静安定性を持って直線歩行する。1つの歩容周期内で、停止時、Aレッグが立脚相にあり、Bレッグが遊脚相にあり、歩行中に、骨盤が水平に保持されていると仮定する。
【0186】
Aレッグ上腿機構の上プラットフォームは水平運動して、Bレッグを連れて移動させ、Bレッグの足指三角形も水平運動し、足移動を実現し、所定の位置に到達した場合、或いは最大歩幅に到達した場合、Bレッグにおける各中足骨分岐チェーンを下げ、3つの足指は地面の高さに基づいて、地面に接触し、Bレッグは負荷に耐える。Bレッグを立脚相に変更する。次いで、Aレッグの各中足骨分岐チェーンを上げて(縮める)、Aレッグが遊脚相に変化する。Bレッグ上腿機構の上プラットフォームは水平運動して、Aレッグを連れて移動させると同時に、Aレッグの足指三角形も同方向に水平運動し、足移動を実現し、所定の位置に到達した場合、或いは最大歩幅に到達した場合、Aレッグにおける中足骨分岐チェーンを下げ(伸ばす)、3つの足指は地面の高さに基づいて、地面に接触し、Aレッグは負荷に耐え、Aレッグが改めて立脚相に変化する。1つのサイクルを完成する。上述の過程を繰り返し、直線水平歩行移動を実現する。
【0187】
実際の作動過程から明らかなように、本発明の不平坦な路面への適応は完全に足並列機構によって完成される。足上げの任務は主に足並列機構によって完成され、上腿機構にTz自由度が存在する場合のみ、足上げの任務は足並列機構と上腿機構により共同で完成されるが、上腿機構は副次的な作用しか起こさない。足移動と方向転換機能は主に上腿機構によって完成される。足並列機構の分岐チェーンに2つ又は3つの自由度が存在する場合のみ、足移動と方向転換の任務は足並列機構と上腿機構により共同で完成されるが、足並列機構の足移動機能は副次的な作用に過ぎない。
【0188】
2、静安定性を持って方向転換する。停止時、Aレッグが立脚相にあり、Bレッグが遊脚相にあると仮定する。
【0189】
遊脚相にあるBレッグの足指三角形は上プラットフォームに対して回転し、要求を満たさなければ、上プラットフォームは立脚相Aレッグに連れて同方向に回転する。要求される方向転換角度又は最大方向転換角度に到達した場合、遊脚相のBレッグ足指を下げ、各足指は地面の高さに基づいて、地面に接触し、Bレッグが立脚相に変化し、Aレッグが遊脚相に変化する。立脚相のBレッグがさらに1つの角度だけ回転し、遊脚相Aレッグも1つの角度だけ回転し、要求される方向転換角度に到達する。角度が不足する場合、上述の過程を繰り返し、連続的に方向転換することができる。方向転換中に、ロボットの重心は変化せず、終始立脚相のレッグ機構の3つの足指で形成される安定な三角形内にある。
【0190】
3、静安定性を持って直線歩行すると同時に方向転換する。方向転換中、ロボットの重心は変化しないため、歩行ロボットが直線歩行すると同時に、方向転換することで、歩行中の方向転換を完成できる。
【0191】
このような足取りでは、1つの足取りの最大方向転換角及び最大歩幅は何れも適度に低下する。
【0192】
4、動歩行する。
【0193】
前方へ運動する場合、ロボットの重心が瞬間的に立脚相レッグの安定な三角形の範囲を超えたとしても、ロボットは依然として重心の位置を左右調整する必要がない。例えば、Aレッグが遊脚相にあり、Bレッグが立脚相にある場合、Bレッグが付勢して蹴り出し、上プラットフォームに大きな前向きで稍上向きの速度を与え、重心が速やかに前へ移転し、Aレッグが高速に着地し、重力が完全にAレッグに落ち、Aレッグを立脚相に変更し、Bレッグを上げ、Bレッグを遊脚相に変更することさえすれば、動歩行を実現できる。
【0194】
従って、安定な歩行であれ、動歩行であれ、ロボットは横方向でその重心を調整する必要がない。
【0195】
内外式歩行ロボットは等方性を有する。方向転換しない場合、各方向への歩行はその運動方式が上述の過程と略同一であり、繰り返し述べない。
【0196】
実施例3を例として、交差式歩行ロボットの作動過程を説明する。
【0197】
1、静安定性を持って直線歩行する。
【0198】
停止時、内Aレッグが立脚相にあり、外Bレッグが遊脚相にあると仮定する。2つの足指三角形の中心を結んだ線分を進行方向とする。
【0199】
進行方向へ歩行し、Bレッグ足指が前へ伸びると共に、Aレッグは上腿上プラットフォームを駆動して同一方向へ移動させるため、上プラットフォームは前へ移動し、重心はそれに伴って前へ移動し、Bレッグの足指はそれに伴って前へ移動し、最終的に所要の歩幅或いは最大歩幅に到達した場合、Bレッグ足指が着地して力に耐え、重心はAレッグからBレッグに変化し、Bレッグが立脚相にあり、Aレッグを上げて縮め、Aレッグが遊脚相にある。上プラットフォームは引き続き前へ移動し、重心は引き続きそれに伴って前へ移動し、重心はBレッグの中心に移動する。Bレッグが立脚相にあり、次の足運び運動を開始し、次のサイクルを開始する。
【0200】
2、静安定性を持って方向転換する。遊脚相にあるBレッグは上プラットフォームに対して回転し、要求を満たさなければ、上プラットフォームは立脚相Aレッグに連れて同方向に回転する。要求される方向転換角度又は最大方向転換角度に到達した場合、遊脚相のBレッグを下げ、立脚相に変化し、立脚相のAレッグが遊脚相に変化し、立脚相のレッグがさらに1つの角度だけ回転し、要求される方向転換に到達する。角度が不足する場合、上述の過程を繰り返し、連続的に方向転換することができる。方向転換中に、ロボットの重心は変化せず、終始立脚相のレッグ機構の3つの足指で形成される安定な三角形内にある。
【0201】
実施例7を例として、内外式8自由度の並直列接続歩行ロボットの作動過程を説明する。
【0202】
これは、自由度が最も少ない並直列接続歩行ロボットの一つである。この並直列接続歩行ロボットは間欠式歩行運動しかできない。Bレッグは単方向足運びと方向転換に用いられ、Aレッグは立ち上がりと昇降機能を完成できる。Bレッグは足移動と同時に方向転換でき、方向転換と同時に足運びもできる。歩行過程を説明すると、以下の通りである。Aレッグが立脚相にあり、機体の重心は略変化せず、Bレッグを上げて足移動し、下げる。Bレッグは機体の負荷に耐え、上プラットフォームを支持し、Bレッグは立脚相に変化し、Aレッグを上げ、機体はBレッグの駆動下で前へ移動し、新たな位置に到達した後、Aレッグが伸び、着地し、負荷に耐え、Aレッグはまた立脚相にあり、Bレッグを縮め、Bレッグは遊脚相に変化し、次のサイクルを開始し、連続的な歩行を実現する。
【0203】
この少自由度の歩行ロボットの方向転換過程も間欠的である。過程については、内外式全自由度の並直列接続歩行ロボットの方向転換作動過程を参照し、繰り返し述べない
本発明は多種の素晴らしい実施案がある。各実施案を明瞭で全面的に紹介するために、まず足並列機構の多種の構造案を説明し、次に並直列接続レッグ機構の多種の構造案を説明し、最後に幾つかの典型的な並直列接続歩行ロボットの実施例を紹介する。
【0204】
足並列機構(昇降式立脚)
足並列機構は並直列接続レッグ機構の不可欠な機構であり、並直列接続歩行ロボットのレッグ機構の選択可能なレッグ機構の1つである。従って、非常に重要な機構である。足並列機構は中足骨分岐チェーンの自由度によって、立脚、昇降式立脚、足指の間隔が調節できる単方向の昇降式立脚、足指の間隔が調節できる両方向の昇降式立脚機構、輪行レッグ、回転レッグなどに分けられる。足指三角形の1つの高さは足長と定義され、その底辺は足幅と定義される。
【0205】
以下は、足並列機構の数種の典型的な構造案である。
【0206】
図1~4は異なる4種の足並列機構の斜視図である。足並列機構はレッグ機構として独立で適用され、多数の場合、足運びと方向転換機能とを同時に有する並直列接続レッグ機構とマッチングする時のみ、並直列接続歩行ロボットを構成できる。
【0207】
図1は1種目の足並列機構1の斜視図であり、そのフットアーチ1.1は環形のフットアーチであり、そのうち足骨分岐チェーン1.2は移動ペアであり、移動ペアの軸線はフットアーチプラットフォーム平面に対して垂直であり、中足骨分岐チェーンの下端は足指1.3であり、足指1.3の間隔は調節できない。これは1つの昇降式立脚であり、3つの自由度を有する。右下の中足骨分岐チェーンを回転ペアに変換し、回転ペアの軸線が進行方向に対して垂直である場合、足指の間隔は変化できる。
【0208】
図2は2種目の足並列機構1の斜視図であり、そのフットアーチ1.1はT形のフットアーチであり、3つの中足骨分岐チェーン1.2は何れも2つの直列的な回転ペアであり、2つの自由度である。3つの中足骨分岐チェーンは6つの自由度を有する。1番目の回転ペアの軸線は互いに平行である。中足骨分岐チェーンの下端は足指1.3であり、足指1.3の間隔は調節できる。中足骨足並列機構は1つの進行方向の自由度を有する。
【0209】
図3は3種目の足並列機構1の斜視図であり、そのフットアーチ1.1はC形のフットアーチであり、そのうち足骨分岐チェーン1.2は2つの直列的な回転ペアであり、各中足骨分岐チェーンは何れも2つの自由度を有し、足指1.3の間隔は独立で調節できる。足指には輪式回転ペア(車輪)1.4が取り付けられており、車輪の軸線は互いに平行であり、3つの車輪は少なくとも1つの操舵輪を有する。これは、足指の間隔が独立で調節でき且つ輪行できる昇降式立脚である。この足並列機構の中足骨分岐チェーンはフットアーチプラットフォームの上方まで反転することもでき、ロボットが180度だけ反転した場合、依然として歩行と輪行能力を有する。
【0210】
図4は4種目の足並列機構1の斜視図であり、そのフットアーチ1.1はT形フットアーチであり、そのうち足骨分岐チェーン1.2はRP分岐チェーンであり、2つのモーションペアの軸線は互いに垂直であり、中足骨分岐チェーンは2つの自由度を有し、足指の間隔は独立で調節できる。足指には車輪1.4が取り付けられており、定方向輪の軸線は互いに平行であり、3つの車輪は少なくとも1つの操舵輪を有する。これは、足指の間隔が独立で調節でき且つ輪行できる昇降式立脚である。この中足骨分岐チェーンもフットアーチプラットフォームの上方まで反転することもできる。このように、180度だけ反転した場合、ロボットは依然として歩行と輪行に変換できる。
【0211】
図5は消極回転ペアを有する中足骨分岐チェーンであり、それは3つの回転ペアからなり、3つの回転ペアの軸線は互いに平行である。2つの自由度と1つの冗長自由度を有する。最下方の回転ペアは消極ペアであり、減衰用のものである。符号は図1と同じである。
【0212】
図6は2つの出力端を有する伝動ケースの伝動例である。T型フットアーチプラットフォーム1、1を取付プラットフォームとする。伝動ケース1.5はストリップ形状であり、Tフットアーチプラットフォームの「横」に取り付けられている。中間の2つの歯車について、一方は主動歯車であり、入力端1.6であり、それと噛み合わせられている歯車は従動歯車であり、2つの歯車の回転方向は逆である。伝動ケースの両端にはさらに2つの歯車が取り付けられ、2つの出力端1.7であり、中間の主動歯車は一方の端部歯車を駆動し、中間の従動歯車は他方の端部歯車を駆動する。4つの歯車の軸線は水平面にあり、且つ互いに平行である。2つの端部歯車の回転方向は逆である。2つの端部歯車には、それぞれ1つの中足骨分岐チェーン1.2(RR)が接続されている。両端の歯車軸は2つの中足骨分岐チェーンの1番目の回転ペアであり、この2つの回転ペアは関連している。一方の回転ペアは駆動する方である。主動端に1つの入力がある場合、2つの足指1.3は、互いに近づくか、或いは互いに離れる。1つの回転ペアで2つの足指1.3を調節する目的を実現した。この伝動ケースを有すると、4つ又は5つの自由度さえ有すれば、足指の間隔及び足の大きさを変更する目的を実現できる。
【0213】
この伝動ケースの伝動チェンはPHRHPに変換してもよく、中間の回転ペアは主動ペアであり、2つの移動ペアは出力端である。2つの螺旋ペアのネジ方向は逆である。3つの足指1.3の間隔は独立で調節できる。
【0214】
並直列接続レッグ機構
並直列接続レッグ機構は上腿機構と足並列機構からなるため、ここでは上腿機構を先に説明する。
【0215】
上腿機構の自由度によって、上腿機構は、1自由度の上腿機構、2自由度の上腿機構、3自由度の上腿機構、冗長自由度の上腿機構(Rx、Ry、Tz自由度を有する上腿機構は冗長自由度の上腿機構と称される)に分けられる。
【0216】
図7図17は数種の異なる上腿機構の概要図である。
【0217】
図7は2自由度(1TxRz)の上腿機構2の略図であり、その上腿フットアーチプラットフォーム2.3(下プラットフォーム)は環形のフットアーチプラットフォームであり、上プラットフォーム2.1は三角形プラットフォームである。3つの上腿分岐チェーン2.2は2つの自由度(1Tx1Rz)であり、1つの分岐チェーンは冗長分岐チェーンであり、3つの上腿分岐チェーン2.2はそれぞれ1つのPR分岐チェーンと2つのRRR分岐チェーンである。
【0218】
図8はもう1種の2自由度(TxTy0R)の上腿機構2の略図であり、その上腿フットアーチプラットフォーム2.3(下プラットフォーム)は蝶形フットアーチプラットフォームであり、上プラットフォーム2.1は三角形プラットフォームである。3つの上腿分岐チェーン2.2は2つの自由度(TxTy0R)であり、1つの分岐チェーンは消極分岐チェーンであり、3つの上腿分岐チェーン2.2はそれぞれ1つのPaPa分岐チェーンと2つのRPR(或RPS)分岐チェーンである。
【0219】
図9図10図11図12は3種の上腿機構2の略図であり、3つの上腿機構2は何れも全自由度の平面並列機構であり、3つの自由度(TxTyRz)を有し、図10の上腿分岐チェーン2.2はRPR分岐チェーンであり、残りの幾つかの上腿分岐チェーン2.2はRRR分岐チェーンである。その上プラットフォーム2.1はそれぞれ六角形プラットフォームと三角形であり、上腿フットアーチプラットフォーム2.3(下プラットフォーム)はそれぞれ環形のフットアーチプラットフォーム、T型のフットアーチプラットフォーム、三角形のフットアーチプラットフォーム及びC形のフットアーチプラットフォームである。
【0220】
図13図14はもう2種の上腿機構の略図であり、何れも全自由度の平面並列機構であり、3つの自由度(TxTyRz)を有し、3種の上腿分岐チェーン2.2はそれぞれRRR又はRPR分岐チェーンである。上腿フットアーチプラットフォーム2.3はそれぞれ環形と凸多角形であり、その上プラットフォーム2.1の類型は図に示される通りであり、繰り返し述べない
図15はもう1種の上腿機構2の略図であり、それも全自由度の平面並列機構であり、3つの上腿分岐チェーン2.2は何れもPRP分岐チェーンである。その上プラットフォーム2.1と上腿フットアーチプラットフォーム2.3(下プラットフォーム)は何れも円形のプラットフォームである。
【0221】
図16は並直列接続機構の上腿機構2の略図であり、並直列接続機構は1つの平面並列機構と1つの回転ペア2.4が直列接続されてなるものであり、3つの自由度(TxTyRz)を有する。3つの上腿分岐チェーン2.2は何れもRRR分岐チェーンであり、そのうち1つの分岐チェーンは冗長分岐チェーンであり、1つの2自由度並列機構となる。その上プラットフォーム2.1はY型であり、上腿フットアーチプラットフォーム2.3(下プラットフォーム)は環形である。図17図10の並直列接続機構の上腿機構の1つの分岐チェーンの断面図であり、消極分岐チェーンを有する平面2自由度の並列機構には1つの回転ペア2.4が直列されている。中心の回転ペアの軸線は水平面に対して垂直であり、方向転換自由度を提供する。残りの符号は図16と同じである。
【0222】
並直列接続レッグ機構
並直列接続レッグ機構は、多種の類型がある。例えば、立脚、昇降式立脚、方向転換レッグ、方向転換足運びレッグ、単方向足運びレッグ、両方向足運びレッグ、全能レッグ、足指の間隔が調節できる単方向の昇降式立脚、足指の間隔が調節できる両方向の昇降式立脚機構、輪行レッグ、回転レッグなどが挙げられる。以下は、並直列接続レッグ機構の数種の典型的な構造案である。
【0223】
図18図25は異なる数種の並直列接続レッグ機構であり、そのフットアーチプラットフォーム3.3は何れもY型のフットアーチプラットフォームである。
【0224】
図18~20は自由度が少ない3種の並直列接続レッグ機構である。その足並列機構3.2の中足骨分岐チェーンは何れも移動ペアである。
【0225】
図18は方向転換並直列接続レッグ機構3の略図であり、上腿機構3.1は1つの回転ペアからなり、回転ペアの軸線は水平面に対して垂直であり、上プラットフォーム3.1は三角形であり、フットアーチプラットフォーム3.3はY型である。上腿機構は1自由度機構である。足並列機構3.2はYフットアーチプラットフォームを有する昇降式立脚である。方向転換並直列接続レッグ機構は4つの自由度があり、方向転換及び昇降立ち上がり機能を有する。この方向転換レッグ機構は、足運び又はより多くの機能を有する並直列接続レッグ機構とマッチングする場合のみ、歩行ロボットを構成できる。
【0226】
図19は単方向足運び並直列接続レッグ機構3の略図であり、上腿機構3.1は1つの角柱ペアからなり、角柱ペアの軸線は水平であり、足並列機構3.2はYフットアーチプラットフォーム3.3を有する昇降式立脚であり、この単方向足運び並直列接続レッグ機構は4つの自由度があり、足運びと立ち上がりとの2つの機能を有する。角柱ペアはCペアに交換されてもよく、この場合は1つの冗長自由度Rxほど多い。この単方向足運びレッグ機構は、方向転換又はより多くの機能を有する並直列接続レッグ機構とマッチングする場合のみ、歩行ロボットを構成できる。
【0227】
図20は単方向足運び方向転換並直列接続レッグ機構3の略図であり、上腿機構3.1の上腿分岐チェーンは2つの平行する円柱ペアと1つの回転ペアとが直列接続されてなる。円柱ペアの軸線は水平であり、さらに1つの回転ペアが直列接続されており、回転ペアの軸線は水平面に対して垂直であり、上腿機構は2つの自由度(TxRz)を有し、足並列機構3.2はYフットアーチプラットフォーム3.3を有する昇降式立脚であり、単方向足運び方向転換並直列接続レッグ機構は5つの自由度を有し、足運びと、方向転換と、立ち上がりとの3つの機能を有する。この単方向足運び方向転換レッグ機構は各種のレッグ機構とマッチングすることで、歩行ロボットを構成できる。
【0228】
図21は全自由度の並直列接続レッグ機構3である。それらの上腿機構3.1は全自由度の平面並列機構であり、上腿分岐チェーンはRRR分岐チェーンであり、足並列機構3.2は、中足骨分岐チェーンが移動ペアの昇降式立脚である。フットアーチプラットフォーム3.3はY型フットアーチプラットフォームである。図21の機体の高さについて、移動ペアが縮んだ場合、機体の腹部(最下方のフットアーチプラットフォーム)は地面に接触できる。ロボットは爬行できる。このレッグ機構は、任意のレッグ機構とマッチングして歩行ロボットを構成できる。任意の全自由度のレッグ機構は何れも、任意のレッグ機構とマッチングして歩行ロボットを構成できる。
【0229】
図22は1種の並直列接続レッグ機構3の斜視図である。上腿機構3.1は図21の上腿機構と同一である。フットアーチプラットフォーム3.3はY型のプラットフォームであり、足並列機構3.2の中足骨分岐チェーンは2つの自由度を有し、分岐チェーンはRR分岐チェーンであり、2つの回転ペアの軸線は平行であり、足指の間隔は調節でき、中足骨分岐チェーンの出力端にはホイルがあり、少なくとも1つのホイルは操舵輪である。中足骨分岐チェーンは骨盤平面の上方まで反転できる。機体が180度だけ反転した場合、依然として歩行又は輪行できる。
【0230】
図23図22と僅かに異なるもう1種の並直列接続レッグ機構3の斜視図である。上腿機構3.1はフットアーチプラットフォーム3.3を介して足並列機構3.2に接続されている。図22との相違は、中足骨分岐チェーンの2つの自由度がPP分岐チェーンによって完成され、2つの移動ペアの軸線が互いに垂直であり、足指の間隔が調節でき、中足骨分岐チェーンの出力端にホイルがあるということにある。中足骨中足骨分岐チェーンは骨盤平面の上方まで反転できない。符号は図22と同じである。
【0231】
図24は両面歩行の並直列接続レッグ機構3である。上腿機構3.1はフットアーチプラットフォーム3.3を介して足並列機構3.2に接続されている。基本的な機構は図21と同じである。主な差異は、図21の単出力の移動ペアの代わりに図24の両出力の移動ペアが用いられたことにある。明らかであるように、機体が180度だけ反転した場合、依然として歩行できる。この技術案と図25との相違は、両面歩行に変換が必要ではないことにある。2つのこのようなレッグ機構を組み合わせると、両面歩行ロボットを構成できる。骨盤平面内に1つの大円環を取り付けると、側立時は、倒れて歩行状態を回復し、両面歩行を実現できるか、或いはロボットの側立を保持して回転移動できる。
【0232】
図25は大円環を有するレッグ機構である。腿機構3は6つの自由度を有し、両方向足運び機能と方向転換、立ち上がり機能を有する。上腿機構3.1は平面並列機構であり、3つの自由度を有し、上腿分岐チェーンはRRR分岐チェーンであり、足並列機構3.2は3自由度セミクローズド並列機構であり、中足骨分岐チェーンはRP分岐チェーンであり、足指は輪式回転ペアである。足並列機構はYフットアーチ3.3を有する昇降式立脚である。両方向足運びと方向転換と立ち上がりとの3つの機能を有する以外に、歩行の代わりに輪行を用いることもできる。その作動状態について、この並直列接続歩行ロボットは骨盤平面に関して対称である。大円環5.1と骨盤とは1つの平面内にある。大円環の直径は足指三角形の外接円の直径より大きく、側立を保証する場合、機体は倒れて歩行状態を回復できる。
【0233】
2つのこのようなレッグ機構を組み合わせると、両面歩行ロボットを構成でき、歩行と、輪行と、回転との3種の運動方式を有する。1つのレッグ機構に大円環を有すればよく、2つの大円環を設ける必要がない。大円環付きのロボットは、側立時に倒れることもできず歩行することもできない場合、重心の位置を変更することで回転移動を実現することができる。
【0234】
以下、本発明の10個の代表的な実施例について説明する。
【0235】
図26~33は多種の異なる並直列接続歩行ロボットの略図である。後述の実施例において、多数の上腿機構の上腿分岐チェーンは何れもRRR分岐チェーンを適用している。これは表現の便宜のために過ぎない。実際に、実施例における上腿機構の分岐チェーンの代わりに、他の分岐チェーンを用いることも完全に可能である。例えば、RPR分岐チェーン、PRP分岐チェーンに変換することは、何れも可能である。1つの上腿機構には、異なる類型の分岐チェーンを適用することも可能である。
【0236】
後述の実施例において、多数の足並列機構の中足骨分岐チェーンは何れも1つの自由度又は2つの自由度の分岐チェーンを適用している。これも表現の便宜のために過ぎない。実際に、実施例における中足骨機構の分岐チェーンの代わりに、他の多自由度の、或いはより多くのモーションペアの分岐チェーン(冗長自由度を有する中足骨分岐チェーンを含む)を用いることも完全に可能である。例えば、RRR分岐チェーン、RPP分岐チェーンを適用することは、何れも可能である。1つの中足骨分岐チェーンには、異なる類型の中足骨分岐チェーンを適用することも可能である。例えば、5つの自由度の足並列機構は、足上げ、立ち上がりの要求を満たすことができる以外に、足指の間隔も変更できる。
【0237】
後述の各実施例において、接続されている2つのレッグ機構は、その2つの上腿分岐チェーン、2つのフットアーチプラットフォーム、2つの中足骨分岐チェーンは何れもそれぞれの独立した作動空間を有し、互いに干渉しない。2つの隣接する足指の作動空間に一部の重なりがあることも許され、制御する方法で互いの干渉を防止することができる。
【0238】
実施例1(図26)は2つの並直列接続レッグ機構(図21)からなる並直列接続歩行ロボット4であり、Aレッグ機構4.1とBレッグ機構4.2の上プラットフォーム(寛骨の平面は互いに60度ずれている)は接続されており、1つの骨盤4.3を形成する。2つの上腿機構の分岐チェーンは同一の層にある(異なる層にあってもよい)。2つのレッグ機構の上腿分岐チェーンはそれぞれ約60度の扇形空間を占め、互いに干渉しない。2つのY型のフットアーチプラットフォームは異なる高さに位置し、互いに干渉しない。各中足骨分岐チェーンはそれぞれ約60度の扇形空間を占め、互いに干渉しない。その2つのレッグ機構における足指はそれぞれ約60度の扇形空間を占める。各足指は何れも独立した自由な作動空間を有する。これは内外式の並直列接続歩行ロボットである。2つの足指三角形の重心の間隔は略0に等しい。2つの足指三角形の水平面への投影は大部分が重なっており、2つの上プラットフォームの中心は略重なっている。これは等方性を有する並直列接続歩行ロボットである。
【0239】
このロボットの中足骨分岐チェーンの移動ペアがRHP分岐チェーンにより完成されると、ロボットの駆動電機は全て骨盤に取り付けることができる。中足骨分岐チェーンの駆動は、電機を骨盤に取り付け、上腿分岐チェーンの2つの平行する回転ペアの軸線によって、2つの歯ベルトで間接的に伝動して中足骨分岐チェーンを駆動することができる。
【0240】
実施例2(図27)は大小2つの並直列接続レッグ機構からなる並直列接続歩行ロボット4であり、大きい並直列接続レッグ機構4.1については図13を参照し、小さいレッグ機構4.2については図11を参照すること。2つのレッグ機構の上プラットフォームを接続して、1つの骨盤4.3を形成し、2つの上腿機構の分岐チェーンは同一の層にあり、骨盤は他方の層にある(同一の層にあってもよい)。上腿分岐チェーン2.2は何れも自分の活動空間を有し、互いに干渉しない。2つのフットアーチプラットフォームは同一の高さに位置し、一方は凸多角形であり、大きいが、他方はY型であり、小さく、両者は互いに干渉しない。各中足骨分岐チェーン1.2は何れも自分の活動空間を有する。大きいレッグ機構の足指三角形が大きいと、足指の作動空間を大きくすることができる。2つの足指三角形の重心の間の距離は0であり、フットアーチプラットフォーム構造は両面ロボットにも適用できる。図28は大きいレッグ機構の1つの分岐チェーン(上腿分岐チェーンと中足骨分岐チェーンを含む)の断面図である。図29は小さいレッグ機構の1つの分岐チェーン(上腿分岐チェーンと中足骨分岐チェーンを含む)の断面図である。符号は図27と同じである。
【0241】
実施例3(図30)は両面で歩行し輪行する並直列接続歩行ロボット4である。並直列接続レッグ機構は図25のレッグ機構と同じである(大円環がない)。Aレッグ機構4.1とBレッグ機構4.2とは何れも6つの自由度を有し、両方向足運び機能と方向転換、立ち上がり機能を有する。上腿機構は1つの平面並列機構であり、3つの自由度を有し、上腿分岐チェーンはRRR分岐チェーンであり、足並列機構は3自由度のセミクローズド並列機構である。中足骨分岐チェーンはRPRw分岐チェーンである。足並列機構はYフットアーチプラットフォームの足指の間隔が調節できる単方向の昇降式立脚である。
【0242】
2つのレッグ機構の上プラットフォーム(寛骨)の平面は互いに60度ずれていて接続されており、1つの骨盤4.3を形成する。2つの足指三角形重心の間の距離は0である。2つの上腿機構の分岐チェーンは同一の層にある(異なる層にあってもよい)。2つのレッグ機構の分岐チェーンはそれぞれ約60度の扇形空間を占め、互いに干渉しない。2つのY型のフットアーチプラットフォームは異なる高さに位置し、互いに干渉しない。各中足骨分岐チェーンはそれぞれ約60度の扇形空間を占め、互いに干渉しない。中足骨分岐チェーンの端部ホイルを有し、中足骨分岐チェーンは骨盤の上方まで反転し、両面歩行ロボットを形成することができる。
【0243】
骨盤平面内に1つの大円環を取り付けると(図25参照)、側立時に回転できるロボットに変化できる。正常な歩行時の横向サイズを低減するために、大円環を伸縮可能な大円環と設計することができ、大円環は文献2に開示されている展開可能機構に限られない。従って、このロボットは、歩行と輪行と回転との3種の運動方式を有する。これは1つの輪・レッグ結合式の歩行ロボットである。
【0244】
実施例4(図31)は左右2つの並直列接続レッグ機構からなる並直列接続歩行ロボット4であり、2つのレッグ機構の上プラットフォームは左右にして接続されており、1つの骨盤4.3を形成し、2つの上腿機構の分岐チェーンは同一の層にあり、骨盤4.3は他方の異なる層にあり、左側のレッグ機構4.1のフットアーチプラットフォームはC型のフットアーチプラットフォームであり、右側のレッグ機構4.2のフットアーチプラットフォームはT型のフットアーチプラットフォームであり、2つのフットアーチプラットフォームは同一の高度に位置し、互いに干渉しない。2つの足指三角形は位相が同一であり、右側の足並列機構の1つの足指は左側のレッグ機構の足指三角形の中心に位置する。2つの足指三角形の重心の間の距離は0.5(Ra+Rb)である。これは1つの対称軸線を1つのみ有する並直列接続歩行ロボットであり、異方的な並直列接続歩行ロボットである。進行方向の運動速度は速く、横方向の運動は遅い。図33は1つの分岐チェーン(上腿分岐チェーンと中足骨分岐チェーンを含む)の断面図である。
【0245】
実施例5(図32)はもう1種の左右2つの並直列接続レッグ機構からなる並直列接続歩行ロボット4であり、2つのレッグ機構の上プラットフォームは接続されており、2つの上プラットフォームは1つの長方形の骨盤4.3を形成し、2つの上腿機構の分岐チェーンは同一の層にあり、上腿分岐チェーンは何れもそれぞれの独立した活動空間を有し、骨盤は他方の異なる層にあり(同一の層にあってもよい)、左側のレッグ機構4.1のフットアーチプラットフォームは曲線凸多角形型のフットアーチプラットフォームであり、右側のレッグ機構4.2のフットアーチプラットフォームも曲線凸多角形型のフットアーチプラットフォームであり、2つのフットアーチプラットフォームは異なる高さに位置し、互いに干渉しない。右側の足並列機構の1つの足指は左側のレッグ機構の足指三角形の中心に位置する。左側足並列機構の1つの足指は右側のレッグ機構の足指三角形の中心に位置する。2つの足指三角形の重心の間の距離は0.5(Ra+Rb)である。これは2つの対称軸線を有する並直列接続歩行ロボットであり、異方的な並直列接続歩行ロボットでもある。進行方向の運動速度は速く、横方向の運動は遅い。図33は1つの分岐チェーン(上腿分岐チェーンと中足骨分岐チェーンを含む)の断面図である。
【0246】
実施例6は図18図19とを組み合わせてなる1つの少自由度の並直列接続歩行歩行ロボット(8個の自由度)である。図18は方向転換昇降式立脚であり、図19は単方向足運びレッグ機構である。組み立てる時、2つのレッグ機構の中足骨分岐チェーンはそれぞれ60度の扇形空間を占める。1つのレッグ機構で方向転換昇降立ち上がり機能を完成し、1つのレッグ機構で足運び機能を完成する。このロボットは間欠式の直行と間欠的な方向転換(小さな角度で方向転換する場合、連続的に方向転換できる)の運動しかできない。
【0247】
実施例7は図20図1とを組み合わせてなる8自由度の歩行ロボットである。これは1つの並直列接続レッグ機構と1つの足並列機構とを組み合わせてなる並直列接続歩行ロボットである。図1は昇降式立脚であり、図20は1つの単方向足運び方向転換レッグ機構である。組み立てる時、2つのレッグ機構の中足骨分岐チェーンはそれぞれ60度の扇形空間を占める。一方のレッグ機構で昇降立ち上がり機能を完成し、他方のレッグ機構で方向転換と足運び機能を完成する。このロボットは間欠式の直行と間欠的な方向転換(小さな角度で方向転換する場合、連続的に方向転換できる)の運動しかできない。
【0248】
前文では、多種の構造形式の並直列接続歩行ロボットの技術案を提供した。安定な歩行の安定空間を大きくし、足指の間隔を調整しやすくするために、以下、2行の足指を有する並直列接続歩行ロボットの技術案を設計する。爬行及び両面歩行又は爬行を実現するために、以下、爬行機能と歩行機能とを兼有する並直列接続歩行ロボットの技術案を幾つか提供する。ローラースケートの新しい方法も提供する。後述の実施例8は2行の足指を有する並直列接続歩行ロボットである。実施例9は片面が爬行できる並直列接続歩行ロボットである。実施例10は両面が爬行でき、回転できる並直列接続歩行ロボットである。これは、外側円環が弾性構造を有し、又は密閉構造を有する両面並直列接続歩行ロボットである。
【0249】
上述の多種の技術案において、並直列接続レッグ機構を構築する際に、上腿機構における中足骨分岐チェーンに接続されているプラットフォームはフットアーチプラットフォームとも称され、上腿機構の他方のプラットフォームは股関節プラットフォーム(寛骨)とも称される。並直列接続レッグ機構を構築する際に、上腿機構の上、下プラットフォームの上下順序は随意に配置できる。股関節プラットフォームが最下方に位置する場合、依然として上プラットフォームと称されるか、或いは混乱を避けるために、統一的に股関節プラットフォームと称される。上腿機構の上、下プラットフォームの上下順序、上腿分岐チェーンの上下順序、フットアーチプラットフォームの上下順序は、何れも随意に配置できる。
【0250】
実施例8
2行の足指を有する並直列接続歩行ロボットは、その前記2つの並直列接続レッグ機構における6つの足指は2つの平行な直線に位置し、一本の直線に3つの足指を有する。これはロボットの中立位置時の状態、或いは中立位置から僅かに離れている状態である。実際に作動する場合、3つの足指は何時でも同じ直線にあるわけではない。
【0251】
図26図32の2つの実施例の足指は何れも2行の足指である。足指を2つの平行する直線に配置するために、フットアーチの形状を変更する必要、或いは関連する取付方式を調整する必要、或いはフットアーチ形状と上腿分岐チェーンの相対的な取付位置とを同時に変更する必要がある。
【0252】
フットアーチ形状の変化について、例えばYフットアーチの3つの分岐の長さは同一ではなく、Yフットアーチの3つの分岐は全て直線であるわけではなく(図参照)、Yフットアーチの中心は1つの円環である(図34参照)。また例えば、中空フットアーチの変形について、1つの楕円には3つの内向きのブームが接続されており(図35参照)、ブームの端点には足首関節などが取り付けられている。中足骨分岐チェーンはメインレッグの下プラットフォーム関節の外側又は内側に取り付けられている。バリエーションによるフットアーチの形状は多種の形状であってもよい。
【0253】
他方の方法は中足骨分岐チェーンの取付位置を変更することにより、足指の位置を変更することであり、例えば移動ペアを中足骨分岐チェーンとする場合、中足骨分岐チェーンは膝関節の外側に取り付けられている。
【0254】
3種目の方法は、中足骨分岐チェーンの取付位置を変更せず、足指の位置のみを変更することであり、例えば、RR中足骨分岐チェーンを適用し、足指は足首関節の外側にある。中足骨分岐チェーンの偏りによって、足指の位置を変更する。中足骨分岐チェーンとしてRR分岐チェーンを選択する場合、一般的なバイオニック歩行ロボットの直列腿機構と同様に、各自の作動空間を特定できる。1番目の回転ペアの作動空間としては水平面の上下約60度を選択し、2番目の回転ペアの作動空間として垂線の両側の約50度を選択することもできる。このような中足骨分岐チェーンを両面ロボットに適用することも可能である。無論、中足骨分岐チェーンの取付位置も変更し、足指の位置も変更することも、可能な方法の1つである。
【0255】
もう1つの方法は、2つの足指が2つの平行する直線に配列されているように、2つのフットアーチ三角形の相対的な位置を調整する。
【0256】
この複数の方法又は複数の方法の組合せは、3つの足指が共線である目的を達成できる。
【0257】
足場の地形によりうまく適応させるために、足指の末端には、移動ボールペア又は自在継手が直列接続されている。この直列接続されているボールペア又は自在継手の構造は全ての並直列接続歩行ロボットに適用される。
【0258】
2行(3列)の足指のレイアウトについて、好ましい配置案は図36、37、38、39に示す通りである。
【0259】
図34~39において、小さい円は足指の位置又はフットアーチ分岐チェーンの取付位置(足首関節の位置)を示し、大きい円は膝関節の位置又は上腿分岐チェーンの取付位置を示す。大きい楕円形は1つのレッグの膝関節を示し、大きい楕円形は足指又は中足骨の取付点を示す。2行の足指並直列接続歩行ロボットに用いられる。
【0260】
図36は完全包含式構造の並直列接続歩行ロボットのフットアーチの組合せである。上腿分岐チェーンとフットアーチ型プラットフォームとの接続点は膝関節と称され、3つ又は複数の膝関節は通常1つの三角形又は多角形を形成し、通常は統一的に膝関節三角形と称される。上腿分岐チェーンと他方のプラットフォームとの接続点は股関節と称され、3つ又は複数の股関節は通常1つの三角形又は多角形を形成し、通常は統一的に股関節三角形と称され、接続されている2つの股関節は骨盤と称される。中足骨分岐チェーンとフットアーチ型プラットフォームとの接続点は足首関節と称され、3つの足首関節で1つの足首関節三角形を形成する。3つの足指で1つの足指三角形を形成する。中足骨分岐チェーンがRR分岐チェーンであれば、2番目の回転ペアは中足骨関節と称される。3つの中足骨関節は1つの三角形を形成し、中足骨関節三角形と称される。3つの足指は1つの足指三角形を形成し、この三角形はこのレッグの安定な三角形である。2つのレッグの2つの三角形の共通領域は並直列接続歩行ロボットの共通の領域である。
【0261】
完全包含式構造の並直列接続歩行ロボットは大小2つのレッグ機構であり、一方は外レッグであり、その膝関節三角形が大きく、対応するのはYフットアーチ1.1aである。外レッグの3つの中足骨分岐チェーンは足首(膝)関節の付近に取り付けられており、膝関節三角形(多角形であれば、三角形に簡略化する)は足指三角形と略重なっている。他方は内レッグであり、その膝関節三角形が小さい。それに対応するフットアーチはバリエーションによるY型のフットアーチ1.1bであり、Y型のフットアーチの2つの分岐が長くなり、長くなった端点には中足骨分岐チェーンが取り付けられ、足指三角形(図において、3つの小さい円)は大きくなる。図36において、上方の3つの足指は1つの直線にあり、他の3つの足指はもう1つの直線にあり、2つの直線は平行である。
【0262】
図37は相互包含式構造のフットアーチ配置であり、2つの膝関節三角形は大きさが相当し、その2つの三角形の中心は1つの垂線にある。2つの膝関節三角形に対するY型フットアーチに対して適切なバリエーションを行い、バリエーションフットアーチ1.1a、1.1bを形成する。各レッグの左右2つのフットアーチ分岐は何れも上向き又は下向きに延長する。長くなった端点には中足骨分岐チェーンが取り付けられている。図における上方の3つの足指は1つの直線にあり、図における下方の他の3つの足指はもう1つの直線にあり、2つの直線は平行である。2行の足指を有する並直列接続歩行ロボットを構成する。
【0263】
図38はもう1種の相互包含式構造の並直列接続歩行ロボットであり、2つの膝関節三角形は大きさが相当し、足指は膝関節の下方にあり、2つの三角形の中心は1つの垂線にあるものではない。2つの足指が丁度2つの平行な直線にあるように、2つの中心の間には一定の距離がある。図におけるAレッグフットアーチは1.1aであり、Bレッグフットアーチは1.1bである。
【0264】
図39は一部包含式構造のフットアーチ配置であり、2つの膝関節三角形は逆位相である。1つの膝関節三角形の中心部位は他方レッグの1つの足指である。フットアーチ端点には中足骨分岐チェーンRRが取り付けられている。
【0265】
RR分岐チェーンを用いることにより、足指は膝関節の前下又は後下にある。図38の中上部の3つの足指は1つの直線にあり、他の3つの足指はもう1つの直線にあり、2つの直線は平行である。このフットアーチ配置は図32の実施例に適用され、図32のフットアーチの代わりに、2行の足指を有する並直列接続歩行ロボットを構成する。傾斜した中足骨分岐チェーンについては図43を参照すること。図39において、Aレッグフットアーチは1.1aであり、Bレッグフットアーチは1.1bである。
【0266】
2行の足指の利点について
2行の足指は一部の特殊な路面での歩行運動(例えば、階段の登り降り)に有利である。踏み面の幅に適合するように、2行の足指は2行の足指の間の距離を便利に調整できる。足指の間の距離は踏み面の幅の整数倍である。2行の足指の他方の利点は2つの足指三角形の重なり量が大きく、安定範囲が広い。特に進行方向において、2つの三角形の安定空間は100%重なっている(図36図37における破線で形成された菱形は共通の安定領域である)。共通の安定領域は等方的ではない。一方向の共通の安定範囲は大きい。これは安定条件での高速歩行に有利な条件を作った。2行の足指の技術案は、横方向に歩行する場合、足跡は2行しかない。後述の片面、両面爬行歩行ロボットの技術案も、2行の足指方案として設計されることができる。
【0267】
膝関節三角形は足指三角形と異なる。このように、小さい膝関節三角形に大きい足指三角形を配置することができ、大きい安定性を得る。
【0268】
実施例9 片面爬行・歩行ロボット
前記並直列接続歩行ロボットは、2つの上腿機構の股関節プラットフォームにおいて、少なくとも1つの股関節平面は最下方に位置する。他方の股関節プラットフォームは中間或いは最上方に位置するか、又は最下方の股関節と1つのフレーム平面を共用する。股関節プラットフォームはロボットの腹部を形成する。3つの中足骨分岐チェーンが縮んだ後、3つの足指は腹部と同一の平面に位置するか、或いは腹部平面より高い。腹部は地面することができる。1つの片面歩行ロボットを構成する。このロボットは爬行の方式で移動できる。
【0269】
図26を参照すると、図26における2つの上腿部分が180度だけ反転し、中足骨分岐チェーンを変更しないことで、1つの上腿機構の股関節プラットフォームが機体の最下方に位置する並直列接続歩行ロボットが得られる。
【0270】
実施例10
このような両面爬行(歩行)の並直列接続歩行ロボットについて、一方の股関節プラットフォームは最下方に位置し、他方の股関節プラットフォームは最上方に位置し、2つの股関節プラットフォームのフレームは周辺又は中心において接続されている。2つの股関節プラットフォームのフレームはディスク型であり、上のディスク型は凸であり、下のディスク型は凹であり、2つのディスク型は係合されて1つの円盤型骨盤となる。円盤の周囲には孔(3~6個)があり、孔内には中足骨分岐チェーンを有する。6つの孔がある場合、1つの孔内に1つの中足骨分岐チェーンを有する。上腿機構と機器は2つの股関節平面の間に取り付けられている。2つのレッグ機構のいずれにも複動式中足骨分岐チェーンが配置されており、複動式中足骨分岐チェーンは1つ(1セット)の駆動を共用し、伝動装置により一緒に駆動されるか、或いはクラッチにより変換されて駆動される。両面歩行(又は爬行)並直列接続歩行ロボットを構成する。
【0271】
複動式距骨分岐チェーンは2種ある。一方は単中足骨分岐チェーン型であり、他方は両中足骨分岐チェーン型である。
【0272】
単中足骨分岐チェーン型について
1自由度の中足骨分岐チェーンは、1自由度の中足骨分岐チェーンは2つの出力端を有し、2つの出力端は2つの側面において作動できる。例えばR分岐チェーンとP分岐チェーンが挙げられる。R分岐チェーンとP分岐チェーンは作動空間が大きく、2つの側面において作動できる。回転ペアのR分岐チェーンの作動空間として水平面の上下約90度を選択する。正常な作動及び反転後の作動に適応している。図40の右側の中足骨分岐チェーンを参照すること。
【0273】
2自由度の中足骨分岐チェーンは、例えばRP分岐チェーン、RC分岐チェーン、RR分岐チェーンである。Pペア、Cペアは1つのモーションペアであるが、2つの出力端を有し、上方に1つの出力端があり、下方に1つの出力端がある(図24における3.2参照)。2つの側面における作動を実現する。また例えば、RR分岐チェーンは、1番目の回転ペアの作動空間として水平面の上下約60度を選択する。2番目の回転ペアの作動空間として、垂線の両側の約45度である。作動状態で変換する場合、2番目の回転ペアは大きな角度を回転し、足指を他方側に移動する必要がある。
1つの距骨分岐チェーンの複動式距骨分岐チェーンについて、また別の構造解決案がある。例えば、曲棒(図42参照)からなる距骨分岐チェーンが挙げられる。正常な作動の場合は、凸である。この時、足指は下にある。足指を他方の面に移転すると、曲棒の凸凹特性を以下の通り変更する必要がある。即ち、曲棒の棒端部の軸線周りに180度だけ回転する。足指を他方の面に反転する。このためには、1つの動力を追加することが要求される。
【0274】
両中足骨分岐チェーン型について
2つの中足骨分岐チェーンは、下の方が正常な作動を担当し、上の方が180度反転後の歩行を担当する。2つの中足骨分岐チェーン用1つの駆動装置によりされるか、或いは単独で駆動されるか、或いはクラッチにより変換されて駆動される。
【0275】
図42は両分岐チェーン中足骨分岐チェーンである。1つの回転ペアと2つの曲棒出力端とを有し、一方が上にあり(1.2b)、他方が(1.2a)下にある。一方は駆動して2つの曲棒を連れて回転させる。2つの曲棒の回転方向は同一である。図43は2種目の複動式中足骨分岐チェーンである。中足骨分岐チェーン(1.2a、1.2b)はRR分岐チェーンである。2つの出力端は、一方が上にあり、他方が下にある。一方が伝動ケースを有し、他方が駆動する。伝動ケース1.8はフットアーチ1.1に取り付けられており、伝動ケース1.8内にはクラッチ又は伝動装置があり、異なる状態で異なる曲棒を駆動する。2つの曲棒は円盤内まで縮むことができる。中足骨分岐チェーンの2つの出力端の距離が大きく、厚くされたロボット機体に適合する。この中足骨分岐チェーンのもう1つの特徴として、足指は足首関節の真下にあるものではない。2行の足指を有する並直列接続ロボットに用いられることも可能である。
【0276】
多自由度の複動式中足骨分岐チェーンをさらに有し、構造は上述の中足骨分岐チェーンに類似し、繰り返し述べない。
【0277】
以上で説明した両面並直列接続歩行ロボットにおいて、前記円盤型骨盤の外周が弾性材料で製造される。高空から落ちた場合、機体は弾性変形し、衝撃力を低減し、機体内の機器を保護する。上下股関節プラットフォームの中心は弾性緩衝材料で接続されている。よりよい耐衝撃能力を有する。円盤外には各種のセンサが取り付けられている。
【0278】
以上で説明した両面並直列接続歩行ロボットにおいて、前記中足骨分岐チェーンと孔縁とは、テレスコピック性能を有する材料(防火、防水、防弾、防食などの材料を含む)又は構造で接続され、1つの密閉構造となる。例えば、伸縮性の生地、蛇腹式カバーなどが挙げられる。密閉的な構造は、防塵、防水、輻射防止、防弾、防食などの作用を有する。
【0279】
図40図41は両面環形の歩行ロボットの正面図と平面図であり、図において上腿分岐チェーン(2.2a、2.2b)はRRR分岐チェーンであり、円盤型骨盤4.3と複動式中足骨分岐チェーン(1.2a、1.2b)とを有する。左側は両分岐チェーン複動式1自由度の中足骨分岐チェーンであり、2つの中足骨分岐チェーンは伝動ケース1.8により接続され、伝動される。右側は単分岐チェーン複動式1自由度の中足骨分岐チェーン1.2である。股関節3.1a、3.1bは円盤型骨盤4.3となり、4.4は外側円環であり、外側円環と2つの孔とお間のロッドは弾性材料で製造される。4.5は密閉装置である。
【0280】
両面並直列接続歩行ロボットの作動方式は、歩行と、爬行と、回転とを含む。
【0281】
ロボット機体が扁平であり、例えば円盤型ハウジングである場合、ロボットは不倒翁の特性を有する。これにより、ロボットは正常運動の場合も、180度反転時の運動の場合も、正常な歩行で移動できる(前文で既に説明した)。
【0282】
以下、爬行と回転の作動方式を提供する。
【0283】
爬行について、中足骨分岐チェーンの作動空間を適切に配置することで、ロボットは爬行できる。例えば、中足骨分岐チェーンが最短まで縮んだ場合、骨盤の外面が着地し、この場合の骨盤の外面はロボット腹部であり、中足骨分岐チェーンが長く伸びた場合、ロボット腹部は地面から離れ、レッグはロボットを駆動して移動させる。停止時に、ロボット腹部が着地する。このような構造は2つのレッグ機構の中間部分を各種の機器(例えば、電池、電動機、制御機器発電機など)の取付空間としてレイアウトする。
【0284】
回転について、ある特殊な場合に、ロボットは側立し(倒れることができない)、1つの起立した円環に相当し、地面と1つの交点があり、この場合、駆動レッグ機構によって、ロボットの重心の位置を変更し、円環を回転させる。第1に移動機体を移動でき、第2に側立状態から抜け出し、歩行能力を回復できる。
【0285】
両面並直列接続歩行ロボットの利点は以下の通りである。
【0286】
1、略如何なる状態でも移動能力を有する。両面は歩行や爬行ができ、側立時に回転や歩行方式への変換ができる。
【0287】
2、爬行の場合は、ロボットの全ての重量負荷を積載する必要がなく、且つ機体の高さが低下し、隠蔽性がよい。腹部が着地し、エネルギー消費を除けば、さらに、電池などが腹部の下方に取り付けられ、重心を低下させることができるという利点がある。
【0288】
3、密閉式構造となりやすい。骨盤は腹部として、密閉式構造となる。戦場環境での応用が好適である。表面に適度に装甲し、各種のセンサや情報伝達機器を配備すると、戦場の偵察などの任務に適用できる。
【0289】
上下対称の並直列接続歩行ロボットは、以下の通りさらに1種の構造形式がある。即ち、2つの並直列接続レッグ機構共用1つの股関節プラットフォームを共用し、1つの骨盤となる。股関節プラットフォームの上方に1つのレッグ機構があり、下方に1つのレッグ機構がある。これは、上下対称の並直列接続歩行ロボットである。両面並直列接続歩行ロボットを構成することもできる。
【0290】
以下、輪・レッグ結合の並直列接続歩行ロボットのローラースケート運動方法を説明する。
【0291】
構造路面におけるロボットの速度を向上させるために、輪行の方法以外に、ローラースケートの構造と方法も設計されている。
【0292】
ローラースケート構造は輪行案と略同一である。
【0293】
ローラースケート方法及び作動過程について、並直列接続歩行ロボットは、輪・レッグ結合方式を用いた後、一般的なローラースケートの方式を用いることにより、ローラースケート運動を実現できる。しかし、一般的なローラースケートの軌跡はS型曲線であり、効率が低い。輪行案は制動装置を有するため、簡単で高効率の新しいローラースケート方法をさらに有する。
【0294】
1、準備状態であって、一方のレッグが立脚相であり、ホイルが自由に回転し、滑走レッグであり、他方のレッグが遊脚相であり(又は虚歩であり、,即ち足指を稍持ち上げるか、或いはレッグの各分岐チェーンが消極ペアであり、力に耐えることがない)、駆動レッグである。
【0295】
2、運動過程において
2.1、1回目の蹴り出し付勢であって、遊脚相レッグにおける3つのホイルの少なくとも1つを完全に制動し、1つ又は複数の制動された車輪が速やかに着地し、高速に蹴り出し、1番目のレッグを駆動して運動させ、そして持ち上げて前に移動させる。立脚相レッグの操舵輪によって方向を変更する。
【0296】
駆動レッグの駆動方式は一足指駆動、又は二足指駆動、又は三足指での同時駆動である。運動する過程において、腰部(骨盤)は立脚相レッグの駆動下で、その安定な範囲内で適切な運動(6つの自由度)を行うことができる。
【0297】
2.2、2回目の蹴り出し付勢であって、2つの方法(方法一、方法二)があり、いずれを選択してもよい。
【0298】
方法一として、遊脚相レッグにおける3つのホイルの少なくとも1つを完全に制動し、1つ又は複数の完全に制動された車輪が再び速やかに着地し、高速に蹴り出し、1番目のレッグを駆動して引き続き運動させ、そして持ち上げる(制動を取り消すことがない)、或いは持ち上げないが制動を取り消す(少なくとも進行方向の制動を取り消し、持ち上げない場合には立脚相レッグと同じ方向の運動を保持する)。また、前に移動させる。立脚相レッグの操舵輪によって方向を制御する。
【0299】
方法二として、遊脚相レッグが速やかに着地し、力に耐え、立脚相レッグに変換し、また原立脚相レッグが駆動レッグに変換し、レッグにおける3つのホイルの少なくとも1つを完全に制動し(制動)、1つ又は複数の完全に制動された車輪が高速に蹴り出し、他方のレッグを駆動して運動させ、そして持ち上げて前に移動させる。立脚相レッグの操舵輪によって方向を制御する。
【0300】
方向転換は操舵輪により完成される以外に、2つのレッグの更迭の間も、運動方向を変換することができる。
【0301】
3、上述の運動過程を繰り返し、遠距離運動、又は
立脚相レッグを制動する操作aと、
遊脚相レッグを着地させ、制動する操作bと、
立脚相レッグを制動すると共に、遊脚相レッグを着地させ、制動する操作cとの3つの操作の少なくとも1つを実現し、ロボットを停止させる。
【0302】
実際に、付勢腿(駆動レッグ)としては、単方向制動機能を有すればよい(後退ができない)。付勢腿として、一足指駆動が簡単であり、他の2つの足指は宙吊りである。路面が滑らかである場合、2つ又は3つの足指で駆動する。
【0303】
新しいローラースケート方法の利点は以下の通りである。
【0304】
駆動(付勢)方向は運動方向と同一であり、直接に後方へ付勢し、駆動効率が高い。重心の位置を変更する必要もなく、制御しやすい。ローラースケートの場合、操舵輪で旋回し、旋回がよりスムーズになる。このローラースケート案は輪行案に比べて、その利点は、運動時にホイルに電動機を配備する必要がないということである。構造の複雑性を低減し、総的な駆動電力を低下させている。輪・レッグ結合式の歩行ロボットは、歩行と、爬行と、輪行と、滑行と、回転と、の5種の移動方式を有する。略如何なる状態でも移動能力を有する。
【0305】
ローラースケートの技術案と2行のレッグの技術案とは各種の構造案の並直列接続歩行ロボットに適用でき、文献1の構造にも適用できる。
【0306】
並直列接続歩行ロボットの利点は、歩幅、足上げ高さがデカップリングされ、制御しやすく、且つ最大の歩幅と大きな障害乗り越え能力とを有する。
【0307】
各種の複雑な路面に適応させるために、足指端部は弾性スペーサを有するか、或いは1つのユニバーサル(ボールペアも可能である)を直列接続し、ユニバーサル又はボールペアの下には弾性スペーサがある。実施例の中足骨分岐チェーンに消極ペア、例えばU、Sモーションペアが設計されてもよい。本発明で提供するレッグ機構はバイオニック的に配置され、前後左右のレッグを有するバイオニック歩行ロボット(二足、四足、六足、八足などを含む)となってもよい。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 並直列接続歩行ロボットの構築方法であって、
(1)足並列機構と上腿機構を構築するステップであって、
足並列機構を構築し、
各足並列機構が1つの足フットアーチプラットフォームと、3つの趾骨分岐チェーンと、3つの足指とを含み、3つの趾骨分岐チェーンが足フットアーチプラットフォームに固定され接続されており、接続点が1つの三角形の3つの頂点にあり、3つの趾骨分岐チェーンの下端に足指が接続されており、3つの足指が1つの足指三角形を形成し、足並列機構が1つの昇降式立脚であり、趾骨分岐チェーンが、Tz、TzTx、TzTy、TzTxTy、RxTz、RyTz、RxTzTx、RyTzTy又はRxRyTzという自由度で組み合わせられた機構であり、
上腿機構を構築し、
上腿機構が上プラットフォーム、下プラットフォーム、及び上プラットフォームと下プラットフォームとを接続する1つ以上の上腿分岐チェーンを含み、上腿分岐チェーンが1つのモーションペア、1つ又は複数の直列機構、又は1つの並直列接続機構であり、上腿機構が1つから5つの自由度を有する機構であり、1つから5つの自由度がTx、Ty、Tz、Rz、Rx又はTx、Ty、Tz、Rz、Rx、Ryにおける自由度の任意の組合せであり、1自由度、2自由度、3自由度、4自由度、5自由度を含む、
ステップと、
(2)並直列接続レッグ機構を構築するステップであって、
並直列接続レッグ機構が1つの上腿機構と1つの足並列機構とを含み、足並列機構が上腿機構の下方にあり、両者が直列に接続されて1つの並直列接続レッグ機構となり、足並列機構の足フットアーチプラットフォーム又は上腿機構の下プラットフォームを選択して共通の1つのフットアーチプラットフォームとする、
ステップと、
(3)2つの適切なレッグ機構A、Bを選択するステップであって、
上述の並直列接続レッグ機構において、1つの並直列接続レッグ機構を選択してレッグ機構Aとし、
上述の並直列接続レッグ機構及び足並列機構において、1つの並直列接続レッグ機構又は足並列機構を選択してレッグ機構Bとし、
2つのレッグ機構の自由度の組合せ要求として、
2つのレッグ機構に少なくとも1つのRz自由度、1つのTx或いはTyの自由度を有し、又は少なくとも1つの並直列接続レッグ機構の上腿機構がRz自由度と、Tx或いはTy自由度とを同時に有し、又は2つの上腿機構が何れもRz自由度とTx、Ty自由度を有する、
ステップと、
(4)AとBとの2つのレッグ機構を接続し、並直列接続歩行ロボットを構築するステップであって、
AとBとの2つのレッグ機構が2つの並直列接続レッグ機構である場合、AとBとの2つのレッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが固定接続され、接続されている2つの上プラットフォームが1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構が1つの並直列接続歩行ロボットとなり、
2つのレッグ機構の一方が並直列接続レッグ機構であり、他方が足並列機構である場合、並直列接続レッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが足並列機構の足フットアーチプラットフォームに固定接続され、接続されている2つのプラットフォームが1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構が1つの並直列接続歩行ロボットとなり、接続時に、上腿分岐チェーン、フットアーチプラットフォーム、中足骨分岐チェーン、足指及び足指三角形の配置要求として、
2つのレッグ機構の各上腿分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのフットアーチプラットフォームは一方が高く他方が低いか、或いは一方が内側にあり他方が外側にあるか、或いは一方が前にあり他方が後ろにあり、互いに干渉せず、 2つのレッグ機構の中足骨分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の足指の水平面への投影が重ならず、
接続されている2つのレッグ機構の足指三角形の重心の間の距離が2つの足指三角形の外接円の半径の和より小さく、且つ2つの足指三角形の水平面への投影が重なる部分がある、
ステップと、
を含む、並直列接続歩行ロボットの構築方法。
[2] [1]に記載の並直列接続歩行ロボットの構築方法で構築される並直列接続歩行ロボットであって、
AとBとの2つのレッグ機構を含み、一方のレッグ機構Aが並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構Bが並直列接続レッグ機構又は足並列機構であり、2つのレッグ機構の上部が接続されており、並直列接続レッグ機構が足並列機構と上腿機構とを含み、 足並列機構について、
1つの足フットアーチプラットフォームと、3つの趾骨分岐チェーンと、3つの足指とを含み、3つの趾骨分岐チェーンが足フットアーチプラットフォームに固定され接続されており、接続点が1つの三角形の3つの頂点にあり、3つの趾骨分岐チェーンの下端に足指が接続されており、3つの足指が1つの足指三角形を形成し、足並列機構が1つの昇降式立脚であり、中足骨分岐チェーンが1つ又は複数の自由度を有する分岐チェーンであり、趾骨分岐チェーンの自由度の組合せが、Tz、TzTx、TzTy、TzTxTy、RxTz、RyTz、RxTzTx、RyTzTy、及びRxRyTzの自由度の組合せのうちの1種以上であり、3つの中足骨分岐チェーンが同一の分岐チェーンであるか、或いは異なる分岐チェーンであり、
上腿機構について、
上プラットフォーム、下プラットフォーム、及び上プラットフォームと下プラットフォームとを接続する1つ以上の上腿分岐チェーンを含み、下プラットフォームがフットアーチプラットフォーム型のプラットフォームであり、上腿分岐チェーンが1つのモーションペア、1つ又は複数の直列機構、又は1つの並直列接続機構である上腿機構であって、1つから5つの自由度を有する機構であり、1つから5つの自由度がTx、Ty、Tz、Rz、Rx又はTx、Ty、Tz、Rz、Ryにおける各自由度の任意の組合せであり、 並直列接続レッグ機構について、
1つの上腿機構と1つの足並列機構とを含み、足並列機構が上腿機構の下方にあり、両者が直列に接続されて1つの並直列接続レッグ機構となり、足並列機構と上腿機構とが1つのプラットフォームを共用し、両者が1つのフットアーチプラットフォームを介して接続され、
AとBとの2つのレッグ機構について、
一方のレッグ機構Aが並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構Bが並直列接続レッグ機構又は足並列機構であり、
2つのレッグ機構の自由度の組合せ要求として、
2つのレッグ機構の上腿機構には少なくとも1つのRz自由度、1つのTx或いはTyの自由度を有し、又は少なくとも1つの並直列接続レッグ機構の上腿機構はRz自由度と、Tx或いはTy自由度とを同時に有し、又は2つの上腿機構は何れもRz自由度とTx、Ty自由度を有し、
2つのレッグ機構が何れも並直列接続レッグ機構である場合、AとBとの2つのレッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが固定接続され、接続されている2つの上プラットフォームは1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構は1つの並直列接続歩行ロボットとなり、一方のレッグ機構が並直列接続レッグ機構であり、他方のレッグ機構が足並列機構である場合、並直列接続レッグ機構の上腿機構の上プラットフォームが足並列機構の足フットアーチプラットフォームに固定接続され、接続されている2つの上プラットフォームは1つの骨盤となり、接続されている2つのレッグ機構は1つの並直列接続歩行ロボットとなり、
2つのレッグ機構の各上腿分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのフットアーチプラットフォームは一方が高く他方が低いか、或いは一方が内側にあり他方が外側にあるか、或いは一方が前にあり他方が後ろにあり、互いに干渉せず、 2つのレッグ機構の中足骨分岐チェーンは何れもその独立した活動空間があり、互いに干渉せず、
2つのレッグ機構の足指の水平面への投影は重ならず、
接続されている2つのレッグ機構の足指三角形の重心の間の距離は2つの足指三角形の外接円の半径の和より小さく、且つ2つの足指三角形の水平面への投影は重なる部分がある、並直列接続歩行ロボット。
[3] 前記趾骨分岐チェーンが少なくとも1つの中足骨分岐チェーンを有し、Z軸方向の移動自由度以外に、水平方向の1つ又は2つの移動自由度も有する、[2]に記載の並直列接続歩行ロボット。
[4] その上腿機構が空間並列機構又は並直列接続機構であり、その自由度の組合せが3TRz、(3T0R)Rz、(3TRz)Rz、及び(TxTy)Rzのうちの1種である、[2]に記載の並直列接続歩行ロボット。
[5] 前記上腿機構が平面並列機構であり、その自由度の組合せがTxTyRz、TxTy、TxRz、及びTyRzのうちの1種である、[2]に記載の並直列接続歩行ロボット。
[6] 前記AとBとの2つのレッグ機構の足指三角形の重心の間の距離は、
a.2つのレッグ機構の足指三角形の中心の間の距離が0又は0.20(Ra+Rb)未満であるという場合、及び
b.2つのレッグ機構の足指三角形の中心の間の距離が0.30(Ra+Rb)以上、0.70(Ra+Rb)以下であるという場合、
のうちの1種であり、
RaがAレッグ機構の足指三角形の外接円の半径であり、
RbがBレッグ機構の足指三角形の外接円の半径である、[2]に記載の並直列接続歩行ロボット。
[7] Aレッグ機構と、Bレッグ機構と、骨盤とを含み、前記レッグ機構の中足骨分岐チェーンの1番目のモーションペアは、
A、中足骨分岐チェーンの1番目のモーションペアが複動式移動ペアであり、移動ペアの軸線がフットアーチプラットフォームの平面に対して垂直であることと、
B、中足骨分岐チェーンの1番目のモーションペアが回転ペアであり、中足骨分岐チェーンがPHRHPであり、回転ペアの軸線がフットアーチプラットフォームの平面に対して垂直であることと、
C、中足骨分岐チェーンの1番目のモーションペアが回転ペアであり、回転ペアの軸線とフットアーチプラットフォームの平面とが平行であることと、の3種のモーションペアのうちの1種である、[2]に記載の並直列接続歩行ロボット。
[8] 前記骨盤に1つの大円環が接続されており、前記大円環と骨盤平面とが同一の平面にあり、大円環の中心と骨盤の中心とが同一の位置にあり、大円環の直径が足指三角形の外接円の直径より大きい、[7]に記載の並直列接続歩行ロボット。
[9] 前記大円環がテレスコピックリングである、[8]に記載の並直列接続歩行ロボット。
[10] その前記レッグ機構について、少なくとも1つのレッグ機構における足指が全て輪式回転ペアからなる足指であり、輪式回転ペアの軸線がファンデーションプラットフォームの平面に対して平行であり、少なくとも1つの輪式回転ペアが操舵輪であり、車輪にロック装置又は制動装置を有する、[2]、[7]、[8]、[9]の何れか1項に記載の並直列接続歩行ロボット。
[11] 前記足並列機構について、そのフットアーチプラットフォームに1つの伝動ケースが取り付けられており、その伝動ケースに1つの入力端と、2つ又は3つの出力端とを有し、1つの出力端に1つの中足骨分岐チェーンが接続されており、2つ又は3つの出力端が対向する又は相反する移動方向又は回転方向を有し、伝動ケースの形状がフットアーチの全体又は一部の形状に一致している、[2]乃至[6]の何れか1項に記載の並直列接続歩行ロボット。
[12] 前記2つの並直列接続レッグ機構における6つの足指が2つの平行な直線に位置し、直線毎に3つの足指がある、[2]に記載の並直列接続歩行ロボット。
[13] 前記2つの上腿機構の股関節プラットフォームのうち、少なくとも1つの上腿機構の股関節プラットフォームが最下方にある、[2]に記載の並直列接続歩行ロボット。
[14] 前記一方の上腿機構の股関節プラットフォームが最下方に位置し、他方の上腿機構の股関節が最上方に位置し、最上方と最下方との2つのプラットフォームのフレームが周辺又は中心において接続されており、最上方と最下方との2つのプラットフォームのフレームがそれぞれディスク型であり、上方のプラットフォームが凸なディスク型であり、下方のプラットフォームが凹なディスク型であり、2つのディスク型プラットフォームが係合されて1つの円盤型骨盤となり、上腿のフットアーチ型プラットフォーム、分岐チェーン及び機器が最上方と最下方との2つの股関節プラットフォームの間に位置し、円盤型骨盤の周囲に孔を有し、孔内に中足骨分岐チェーンを有し、2つの並直列接続レッグ機構のいずれにも複動式中足骨分岐チェーンが配置されており、複動式中足骨分岐チェーンが1つ又は1セットの駆動を共用し、伝動装置により一緒に駆動されるか、或いはクラッチにより変換されて駆動されることにより、1つの双面並直列接続歩行ロボット又はクローラロボットを構成する、[2]に記載の並直列接続歩行ロボット。
[15] 前記円盤型骨盤の外周が弾性材料から製造され、円盤型骨盤の外側円環と、隣接する2つの孔の接続部分とを含む、[14]に記載の並直列接続歩行ロボット。
[16] 前記円盤型骨盤周囲の孔縁とその足骨分岐チェーンとの間は、テレスコピック性能を有する材料又は構造で接続され、1つの密閉構造となる、[14]、[15]の何れか1項に記載の並直列接続歩行ロボット。
[17] (1)一方のレッグが立脚相であり、ホイルが自由に回転し、滑走レッグであり、他方のレッグが遊脚相であり、駆動レッグである、準備状態と、
(2)遊脚相レッグにおける3つのホイルの少なくとも1つを完全に制動し、1つ又は複数の片方向制動された、或いは完全に制動された車輪が速やかに着地し、高速に蹴り出し、1番目のレッグを駆動して運動させ、そして持ち上げて前に移動させ、立脚相レッグの操舵輪によって方向を変更する、1回目の蹴り出し付勢(2.1)と、遊脚相レッグにおける3つのホイルの少なくとも1つを完全に制動し、1つ又は複数の完全に制動された車輪が再び速やかに着地し、高速に蹴り出し、1番目のレッグを駆動して引き続き運動させ、そして持ち上げて前に移動させ、立脚相レッグの操舵輪によって方向を制御すると共に、腰を前に移動させるという方法一、及び遊脚相レッグが速やかに着地し、立脚相滑走レッグに変換し、また立脚相レッグにおける3つのホイルの少なくとも1つを完全に制動し、1つ又は複数の完全に制動された車輪が駆動レッグに変換し、高速に蹴り出し、他方のレッグを駆動して運動させ、そして持ち上げて前に移動させ、立脚相レッグの操舵輪によって方向を制御するという方法二から何れか1つを選択する、2回目の蹴り出し付勢(2.2)とを備える、運動過程と、
(3)上述の運動過程を繰り返し、遠距離運動、又は立脚相レッグを制動する操作aと、遊脚相レッグを着地させ、制動する操作bと、立脚相レッグを制動すると共に、遊脚相レッグを着地させ、制動する操作cとの3つの操作の少なくとも1つを実現し、ロボットを停止させるステップとを含む、移動方法で移動する、[10]に記載の並直列接続歩行ロボット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
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図39
図40
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図43