(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】スライディング窓戸用環状ローラ装置を備えたスライディング窓戸システム
(51)【国際特許分類】
E05D 15/06 20060101AFI20230106BHJP
【FI】
E05D15/06 106
(21)【出願番号】P 2021516347
(86)(22)【出願日】2019-05-24
(86)【国際出願番号】 KR2019006289
(87)【国際公開番号】W WO2019226022
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2018-0058714
(32)【優先日】2018-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520460258
【氏名又は名称】フィローブ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】イ,クァン-ソク
【審査官】素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/093818(WO,A1)
【文献】実開昭52-072241(JP,U)
【文献】特開平06-255544(JP,A)
【文献】特開平10-082239(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1244670(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1060234(KR,B1)
【文献】米国特許第05273363(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00 - 15/58
B62D 41/00 - 67/00
B65G 3/00 - 9/00
F16C 29/00 - 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライディング窓戸用環状ローラ装置1200及びそれを支持するドアガイドフレームを備えたスライディング窓戸システムであって、
スライディング窓戸を構成するドアシャーシの下端部を収容できるように中央上部に形成されるシャーシ載置部、及び前記シャーシ載置部の下部に提供される荷重支持板1220を一体的に含んで形成されるシャーシ支持部1210と、
ドアの進行方向と垂直に横方向に置かれた円筒状の複数のローリング部材1231、及び前記複数のローリング部材1231がドアの進行方向に沿って互いに一定の間隔を置いて前記荷重支持板1220の表面に輪状に均一に配置されるように、前記複数のローリング部材1231同士を連結するチェーンリンクユニット1232を含み、前記シャーシ支持部1210の前記荷重支持板1220の上部面と下部面及びこれらを連結するようにドアの進行方向側に形成される両端の円弧面の周縁に巻かれて提供される環状(輪状)ローリングユニット1230と、を含むスライディング窓戸用環状ローラ装置1200;並びに
前記スライディング窓戸用環状ローラ装置1200の前記環状ローリングユニット1230を構成する前記複数のローリング部材1231の転動通路を提供するため、ドアの進行方向に沿って転動支持体が提供されるドアガイドフレーム;を含んでなり、
前記環状ローリングユニット1230を構成する前記複数のローリング部材1231のそれぞれが前記荷重支持板1220を軸にして左/右への滑りなくドアシャーシの進行方向に沿って転動できるように案内するために提供される直進案内ユニット1400をさらに含み、
前記直進案内ユニット1400は、
前記荷重支持板1220に形成され、前記荷重支持板1220の周縁にドアシャーシの進行方向に沿って形成される第1案内レール1410と、
前記荷重支持板の前記第1案内レールに対応するように前記複数のローリング部材のそれぞれの外周面にドアシャーシの進行方向に沿って形成される案内溝1420と、
前記複数のローリング部材のそれぞれの外周面に形成される前記案内溝に対応するように、前記ドアガイドフレームの前記転動支持体の上部面にドアシャーシの進行方向に沿って形成される第2案内レール1430と、を含んでなり、
前記複数のローリング部材のそれぞれの外周面に形成される前記案内溝1420の深さが前記第1案内レール1410及び前記第2案内レール1430の高さよりも大きく設定され、
前記シャーシ支持部1210は、前記荷重支持板1220の両サイド部を収容する二つのサイドスロットを含み、
前記二つのサイドスロットのそれぞれが、二つの分割体1221、1222のサイド部を収容するように、前記シャーシ支持部の前記荷重支持板1220をドア(レール)のスライディング進行方向に沿って
前記二つの分割体1221、1222で構成し、横方向で重なる連結端部を回動ピン1225で貫通連結したことを特徴とする、スライディング窓戸システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライディング窓戸用環状ローラ装置を備えたスライディング窓戸システムに関し、より詳しくは、高荷重の大型引き戸/窓または大型水平引戸/窓(以下、「スライディング窓戸」と通称する)をスライディング窓戸が取り付けられる底面に安定的に支持して移動でき、高荷重のスライディング窓戸を支持するローラ装置及びドアガイドフレームの規格を最小化してその取り付け空間を最小化でき、それによって窓に適用される場合は広い視野を確保可能にすることで、多様な分野で優れた適用性を提供するスライディング窓戸システム用環状ローラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、開閉空間の効率性と施工の便宜性などコスト節減の面で、殆どの建築物で窓戸システムとして最も多く使用されるスライディング窓戸システムを構成するドアシャーシ(内部にガラス窓などが取り付けられ得る、以下、ガラス窓が取り付けられたドア、すなわちウィンドウを中心にして説明する)及びドアガイドフレーム(建物の壁面、底面、天井面などに取り付けられ、内部にドアシャーシがスライディングガイドされて開閉されるように取り付けられる)の一般的な構成によれば、
図1a~
図1cにそれぞれ示されたように、ドアガイドフレーム1(「窓枠フレーム」とも称する)のレール2と、ガラスが嵌められるドアシャーシ3(「窓枠フレーム」とも称する)の下部に設けられるローラ6とを備え、ローラ6がレール2上でドアシャーシ3の荷重を支持しながらスライディングする方式で開閉される構造を有している。
【0003】
図1b及び
図1cに示された従来技術によるローラ1の構成をより詳しく見れば、
図1d及び
図1eに示されたように、ドアシャーシ3に設けられる支持ブラケット10、レール2に線接触する円筒状の軸受部20、及び支持ブラケット10に固定されて軸受部20の中心孔20aに挿入される軸30を含む。特に、従来の窓戸用ローラ6の軸受部20は、円筒状の内部部材21、内部部材21の円周に沿って備えられる複数のボール22、それぞれのボール22の間隔を維持するために複数のボール22の間に備えられるボール間隔維持部材23、内部部材21と同心を成して複数のボール22の外側を囲む円筒状の外部部材24、及び外部部材24の外周面を囲む保護部材25を含む。
【0004】
したがって、外力(EF)を加えてドアシャーシ3を動かせば、ドアシャーシ3はローラ6の軸受部20を通じてレール2上で滑らかに摺動するようになる。特に、一つの軸受部20がレール2に線接触しながら移動するため、軸受部20の線接触面(LCP)には集中荷重(P)が伝達される。
【0005】
しかし、このような構造を有する従来の窓戸用ローラ6は、次のような問題を有し得る。
【0006】
第一、ドアシャーシ3の荷重(P)が支持ブラケット10及び軸30を通じて内部部材21の下部に集中的に伝達されれば、第1ボール22aと第2ボール22bとの間が広がりながらボール間隔維持部材23が変形するおそれがある。このような変形は、結局、第1ボール22a及び第2ボール22bの回転を妨害し、軸受部20がレール2上で転動しなくなる結果をもたらし得る。
【0007】
第二、ドアシャーシ3の荷重(P)が大きいと、レール2の反発力(RF)も大きくなって、レール2との線接触面(LCP)に位置する保護部材25及び外部部材24が変形するおそれがある。このような変形は、軸受部20がレール2上で転動しなくなる結果をもたらし得る。
【0008】
第三、上述したボール間隔維持部材23、保護部材25及び外部部材24の変形を防止しようとしてそれらを厚くすることができるが、厚さが増大するとローラ6のサイズが全体的に大きくなるため、取り付け空間が狭い場所には適用できないという問題がある。
【0009】
第四、軸受部20の形状、及び軸30を挿入するため円筒状の軸受部20に形成された中心孔20aは、取り付け空間の高さが増加する要因になる。すなわち、軸受部20が中心孔20aを有する以上、取り付け空間の高さを低減するには限界がある。
【0010】
ここで、取り付け空間とは、ローラ6が取り付けられるために既に決められた空間であって、ドアシャーシ3の高さが決まっていて任意に取り付け空間の高さを変更できない場合には、従来のローラ6を取り付けられないおそれがあり、それにもかかわらずローラ6を取り付けようとする場合は、ドアシャーシ3の内部に別途の取り付け空間を確保しなければならないため、ドアシャーシ3の内部に設けられるガラス窓(ウィンドウガラス)の高さを減らすしかなく、完全に開放された視野を提供するという面では不利である。
【0011】
さらに、窓の大型化趨勢によってドアシャーシ3の大きい荷重が持続的にドアガイドフレーム1に加えられる過程で、荷重が集中されるレール2部位が沈むか又は変形しながら開閉動作に障害が生じる問題がある。
【0012】
そこで、上述したローラの転動障害の問題を解決するための一つの方案として、下部ローラ方式と異なるハンガー方式が提案された。該方式では、高荷重に耐えられる大型ローラをドアガイドフレームの上部フレームに形成されたレールに取り付けて使用するハンガー構造を提示している。しかし、このようなハンガー方式の場合は、特にレール中間が垂れ下がる問題を解決し難いという問題がある。
【0013】
特に、近年一般に使用されるペアガラス窓戸システムでは、高さ3,000mm、幅3,000mm、厚さ6mmのガラスを2枚重ね合わせて使用する場合を例に挙げれば、その重量が300kgにも達する。これを支持するため従来技術によるローラを改良して使用する場合は、その直径が約45mmにも至り、取り付け空間の問題が生じる。さらに特別なケースとして、窓の幅をより広くして窓を閉めた状態でもより開放された視野を確保しようとするか、または、窓を摺動させて窓を開けた状態で大型物品(大型トラックなど)の移動通路を提供しようとする場合は、幅約6,000mm(6m)のペアガラスを備えたスライディング窓戸(重量約600kg)が必要となるが、このような場合は従来技術によるローラでは必要な支持力を提供することができない。
【0014】
これ程の大きい規模ではなく、1,200mm×2,400mm程度の一般的な規模のスライディング窓戸の場合にも、ペアガラスで構成するようになれば、重量が100kgにも達する。そこに従来技術による一般的なローラ(耐荷重30kg)を使用する場合は、二つのローラを一列に連続配置するローラ対を窓戸の両側に取り付けて120kgの重量に耐えるようにする。しかし、近年、窓の高級化により高重量のサッシハードウェアが取り付けられる場合が増え、耐荷重の増加のため、配置されるローラの規格(直径)が増大することが多く、直径の増大したローラを収容するため窓フレーム(アルミニウムフレーム)の下端部の高さが高まり、これによって熱損失が増加(エネルギー効率が減少)する問題につながっている。
【0015】
このような問題を解決するための改善方案の一つとして、本願出願人による特許文献1によれば、新たな構造のローラ装置として提供された戸車部200は、
図2a~
図2eに示されたように、下部が開放されたハウジング210、ハウジング210の内部に設けられて移動用サッシ300の荷重を支持する平板状の荷重支持板220、及び移動用サッシ300が窓枠100の中央レール110に沿って移動する場合、荷重支持板220を軸にして回転するように荷重支持板220に巻かれる輪状ローリングユニット230を含む。ここで、輪状ローリングユニット230は、複数のローリング部材231、及び複数のローリング部材231が互いに一定間隔を置いて荷重支持板220の表面に均一に配置されるように複数のローリング部材231同士を連結するリンクユニット232を含む。
【0016】
また、
図2eに示されたように、上述した戸車部200は、輪状ローリングユニット230を荷重支持板220の左/右への滑りなく案内する案内ユニット240をさらに含む。一例として、案内ユニット240は、荷重支持板220に形成され、その周縁に沿って形成される案内レール241、及び案内レール241に対応するように複数のローリング部材231のそれぞれに形成される案内溝242を含む。
【0017】
輪状ローリングユニットを含む他の改善方案の一つとして、本願出願人による特許文献2によれば、
図3a~
図3dに示された荷重支持板120を軸にして回転するように荷重支持板120に巻かれる輪状ローリングユニット200を含んでなる環状ローラ装置が提示された。
【0018】
しかし、このような従来技術による輪状ローリングユニットを備えた環状ローラ装置は、それが支持する荷重が増加すると、相互連結されるローリング部材の個数を増やして(
図4aと
図4bとを比較)接点の個数を増加させることで、
図3dに示されたように荷重負担能力を増加できるため、正常な窓戸システムでは高い効用性を奏する。しかし、
図4a及び
図4bに示されたように、窓枠2に設けられたレール430が水平面にならないか又は窓1の下部が完全な平面にならない場合(図示された垂直変位「Δh(θ)」が発生する場合)は、荷重支持板100に巻かれる輪状ローリングユニット300を構成する複数のローリング部材310(311、312)のうち一部のみがレール430と接点を形成することで、
図4cに示されたように、一部ローリング部材のみに過度な荷重(P3、P4)が印加される問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【文献】韓国特許第10-1060234号公報(2011年9月1日公告)
【文献】韓国特許第10-1244670号公報(2013年3月21日公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、従来技術の問題点を解決するためのものであり、ドアシャーシの下部に取り付けられて高荷重のスライディング窓戸を移動でき、必要な取り付け空間の高さを最小化して窓戸のうちガラスで開放される部分を最大化することでより開放された視野を提供できる新たな構造のローラ装置として提案されたスライディング窓戸用環状ローラ装置において、窓枠に設けられたレールが水平面にならないか又は窓の下部が完全な平面にならない場合にも、荷重支持板に巻かれる輪状ローリングユニットを構成する複数のローリング部材の全体で接点が形成されて、それぞれのローリング部材に過度な荷重が印加されないようにする構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するため、本発明によれば、スライディング窓戸用環状ローラ装置1200及びそれを支持するドアガイドフレームを備えたスライディング窓戸システムであって、スライディング窓戸を構成するドアシャーシの下端部を収容できるように中央上部に形成されるシャーシ載置部、及び前記シャーシ載置部の下部に提供される荷重支持板を一体的に含んで形成されるシャーシ支持部と、ドアの進行方向と垂直に横方向に置かれた円筒状の複数のローリング部材、及び前記複数のローリング部材がドアの進行方向に沿って互いに一定の間隔を置いて前記荷重支持板の表面に輪状に均一に配置されるように、前記複数のローリング部材同士を連結するチェーンリンクユニットを含み、前記シャーシ支持部の前記荷重支持板の上部面と下部面及びこれらを連結するようにドアの進行方向側に形成される両端の円弧面の周縁に巻かれて提供される環状(輪状)ローリングユニットと、を含むスライディング窓戸用環状ローラ装置;並びに前記スライディング窓戸用環状ローラ装置の前記環状ローリングユニットを構成する前記複数のローリング部材の転動通路を提供するため、ドアの進行方向に沿って転動支持体が提供されるドアガイドフレーム;を含んでなり、前記環状ローリングユニットを構成する前記複数のローリング部材のそれぞれが前記荷重支持板を軸にして左/右への滑りなくドアシャーシの進行方向に沿って転動できるように案内するために提供される直進案内ユニットを含み、前記直進案内ユニットは、前記荷重支持板に形成され、前記荷重支持板の周縁にドアシャーシの進行方向に沿って形成される第1案内レールと、前記荷重支持板の前記第1案内レールに対応するように前記複数のローリング部材のそれぞれの外周面にドアシャーシの進行方向に沿って形成される案内溝と、前記複数のローリング部材のそれぞれの外周面に形成される前記案内溝に対応するように、前記ドアガイドフレームの前記転動支持体の上部面にドアシャーシの進行方向に沿って形成される第2案内レールと、を含んでなり、前記複数のローリング部材のそれぞれの外周面に形成される前記案内溝の深さが前記第1案内レール及び前記第2案内レールの高さよりも大きく設定され、前記シャーシ支持部の前記荷重支持板をドア(レール)のスライディング進行方向に沿って二つの分割体で構成し、重なる連結端部を回動ピンで貫通連結したことを特徴とする、スライディング窓戸システムを提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0023】
スライディング窓戸でさらに開放された視野の確保を追求する近年の設計トレンドとスライディング窓戸の適用分野の限界問題を解決できるように、スライディング窓戸のスライディング作用を提供するローラの軸受部の線接触面に移動物体の荷重が完全に集中される従来技術と異なって、本発明では複数のローリング部材がスライディング窓戸の荷重を均一に分散しながら支持するため、従来技術に比べてより高荷重のスライディング窓戸を支持することができる。
【0024】
そして、本発明の望ましい一実施形態によれば、直進案内ユニットを備えることで、荷重支持板が傾いても環状ローリングユニットが傾いた方向に偏る現象を予め防止でき、環状ローリングユニットが回転する間に発生し得る、荷重支持板の左側または右側に環状ローリングユニットが滑る現象を予め防止することができる。さらに、窓枠に設けられたレールが水平面にならないか又は窓の下部が完全な平面にならない場合にも、相互回動自在にレールの進行方向に沿って連結された荷重支持板に巻かれる輪状ローリングユニットを構成する複数のローリング部材の全体にかけてより多くの接点が形成されることで、一部のローリング部材に過度な荷重が印加されることを防止することができる。
【0025】
また、二つの分割体で構成し、重なる分割体の連結端部を回動ピンで貫通連結して構成した本発明による荷重支持板を所定の角度だけ折り曲げる場合、環状ローリングユニットを構成する複数のローリング部材がチェーンリンクユニットによって全体的に連結された状態でも荷重支持板に嵌め込んで組み立てることができ、製作工程の単純化を図ることができる。
【0026】
さらに、このように高荷重のスライディング窓戸を安定的に摺動できると同時に必要な取り付け空間の高さを最小化することで、窓戸のうちガラスで開放される部分を最大化できるだけでなく、良好なエネルギー効率を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1a】従来のスライディング窓戸システムを示した図である。
【
図1b】従来のスライディング窓戸システムを示した図である。
【
図1c】従来のスライディング窓戸システムを示した図である。
【
図1d】従来のスライディング窓戸システムで使用される窓戸用ローラ装置の詳細構造を示した正断面図である。
【
図1e】
図1dのII-IIに沿った断面図である。
【
図2a】特許文献1による環状ローラ装置を示した図である。
【
図2b】特許文献1による環状ローラ装置を示した図である。
【
図2c】特許文献1による環状ローラ装置を示した図である。
【
図2d】特許文献1による環状ローラ装置を示した図である。
【
図2e】特許文献1による環状ローラ装置を示した図である。
【
図3a】特許文献2による環状ローラ装置を示した図である。
【
図3b】特許文献2による環状ローラ装置を示した図である。
【
図3c】特許文献2による環状ローラ装置を示した図である。
【
図3d】特許文献2による環状ローラ装置を示した図である。
【
図4a】
図2a~
図2eに示された環状ローラ装置の問題的状況を例示した図である。
【
図4b】
図3a~
図3dに示された環状ローラ装置の問題的状況を例示した図でる。
【
図4c】
図4a及び
図4bに示された状態における圧力分析ダイヤグラムである。
【
図5a】本発明の一実施形態による環状ローラ装置の斜視図である。
【
図5b】本発明の一実施形態による環状ローラ装置の底面斜視図である。
【
図6a】
図5a及び
図5bに示された本発明の一実施形態による環状ローラ装置の主要部の組み立て過程を示した分解斜視図である。
【
図6b】本発明の付加的な効果を説明するため、本発明の一実施形態による環状ローラ装置の主要部を非分解状態で組み立てる過程を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態による環状ローラ装置の結合状態の構造を示した断面図及び平面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による環状ローラ装置の作用状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態について、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者が容易に実施できるように詳しく説明する。ただし、本発明は様々な相異なる形態で具現でき、ここで説明される実施形態によって限定されないことを理解せねばならない。
【0029】
本発明の一実施形態によるスライディング窓戸システムを構成する環状ローラ装置及びその組み立て過程が、
図5a及び
図5bに斜視図として、
図6aに分解斜視図として、
図6bに側面度として示されており、また、その結合状態の作用状態断面図が
図7及び
図8に示されている。
【0030】
まず、これら図面を参照すると、本発明の一実施形態によるスライディング窓戸システムは、スライディング窓戸用環状ローラ装置1200及びそれを支持するドアガイドフレームを備えたスライディング窓戸システムであって、スライディング窓戸を構成するドアシャーシの下端部を収容できるように中央上部に形成されるシャーシ載置部、及び前記シャーシ載置部の下部に提供される荷重支持板1220を一体的に含んで形成されるシャーシ支持部1210と、ドアの進行方向と垂直に横方向に置かれた円筒状の複数のローリング部材1231、及び前記複数のローリング部材1231がドアの進行方向に沿って互いに一定の間隔を置いて前記荷重支持板1220の表面に輪状に均一に配置されるように、前記複数のローリング部材1231同士を連結するチェーンリンクユニット1232を含み、前記シャーシ支持部1210の前記荷重支持板1220の上部面と下部面及びこれらを連結するようにドアの進行方向側に形成される両端の円弧面の周縁に巻かれて提供される環状(輪状)ローリングユニット1230と、を含むスライディング窓戸用環状ローラ装置1200;並びに前記スライディング窓戸用環状ローラ装置1200の前記環状ローリングユニット1230を構成する前記複数のローリング部材1231の転動通路を提供するため、ドアの進行方向に沿って転動支持体が提供されるドアガイドフレーム;を含んでなり、前記環状ローリングユニット1230を構成する前記複数のローリング部材1231のそれぞれが前記荷重支持板1220を軸にして左/右への滑りなくドアシャーシの進行方向に沿って転動できるように案内するために提供される直進案内ユニット1400を含み、前記直進案内ユニット1400は、前記荷重支持板1220に形成され、前記荷重支持板1220の周縁にドアシャーシの進行方向に沿って形成される第1案内レール1410と、前記荷重支持板の前記第1案内レールに対応するように前記複数のローリング部材のそれぞれの外周面にドアシャーシの進行方向に沿って形成される案内溝1420と、前記複数のローリング部材のそれぞれの外周面に形成される前記案内溝に対応するように、前記ドアガイドフレームの前記転動支持体の上部面にドアシャーシの進行方向に沿って形成される第2案内レール1430と、を含んでなり、前記複数のローリング部材のそれぞれの外周面に形成される前記案内溝1420の深さが前記第1案内レール1410及び前記第2案内レール1430の高さよりも大きく設定され、前記シャーシ支持部の前記荷重支持板1220をドア(レール)のスライディング進行方向に沿って二つの分割体1221、1222で構成し、横方向で重なる連結端部を回動ピン1225で貫通連結したことを特徴とする、スライディング窓戸システムを提供する。
【0031】
本発明の一実施形態に使用されるスライディング窓戸用環状ローラ装置1200は、
図5a及び
図5bに示されたように、荷重支持板1220を含むシャーシ支持部1210及び環状ローリングユニット1230を含んでなる。
【0032】
ここで、シャーシ支持部1210の両側に形成された荷重支持板1220は、平板状であって、環状ローリングユニット1230の回転軸の役割を果たしながら、スライディング窓戸の荷重を両側で均一に支持する。このような荷重支持板1220が、従来のように中心孔(
図1dの参照符号20aを参照)が形成される円筒状ではなく、平板状であることで、広い面積を通じて荷重を伝達し支持する役割を提供するため、その高さを著しく低減することができる。その結果、取り付け空間の高さが低い場合にも取り付けが可能になる。さらに、本発明のように、荷重支持板1220がドア(レール)のスライディング進行方向に沿って二つの分割体1221、1222で構成され、分割体1221、1222が横方向で重なる連結端部を回動ピン1225で貫通連結することで、窓枠に設けられた第2案内レール1430が水平面にならないか又は窓の下部が完全な平面にならない場合(図示された垂直変位「Δh(θ)」が発生する場合)にも、本発明による荷重支持板1220に巻かれる輪状ローリングユニット1230を構成する複数のローリング部材1231のうち相当数のローリング部材が窓枠に設けられた第2案内レール1430との接点(P1~P7)を形成(
図8を参照)できるため、
図4cに示されたように一部のローリング部材のみに過度な荷重(P3、P4)が印加される問題を緩和することができる。
【0033】
参考までに、本発明で使用される環状ローリングユニット1230は、
図5a、
図5b、
図6a及び
図6bに示されたように、荷重支持板1220を軸にして回転するように、シャーシ支持部1210の両側の荷重支持板1220に巻かれる。具体的には、環状ローリングユニット1230は、複数のローリング部材1231と、複数のローリング部材1231が互いに一定の間隔(G)を置いて荷重支持板1220の表面、すなわち上部面、下部面、及び両端の円弧面に均一に配置されるように複数のローリング部材1231同士を連結するチェーンリンクユニット1232と、を含む。これによって、ローリング部材1231の個数及びチェーンリンクユニット1232の長さなどを調節することで、荷重支持板1220の全体長さに合わせて環状ローリングユニット1230の長さを調節することができる。
【0034】
前記複数のローリング部材1231は、それぞれ、図示されたように、スライディング窓戸の進行方向と垂直に横方向に置かれた円筒状で形成され、図示されたように、荷重支持板1220の底面とドアガイドフレームの転動支持体の上面との間に介在され、スライディング窓戸の荷重を支持しながら接触転動してその外周面が回転移動することで、スライディング窓戸を移動させることができる。また、複数のローリング部材1231のそれぞれは自己潤滑素材からなり得る。自分潤滑素材を使用する場合、オイルのような潤滑剤を別途に使用しなくてもよいため、コストを低減できるだけでなく、周辺の汚染を防止することができる。
【0035】
一方、複数のローリング部材1231を荷重支持板1220に組み立てる状態を見れば、
図6aに示されたように1次的に組み立てた後、最後のチェーンリンクユニット1232を連結して組み立てを完成することもでき、
図6bに示されたように、二つの分割体1221、1222で構成し、重なる分割体1221、1222の連結端部を回動ピン1225で貫通連結して構成した本発明による荷重支持板1220を所定の角度だけ折り曲げる場合、環状ローリングユニット1230を構成する複数のローリング部材1231がチェーンリンクユニット1232によって全体的に連結された状態でも荷重支持板1220に嵌め込んで組み立てることができ、製作工程の単純化を図ることができる。
【0036】
そして、上述した直進案内ユニット1400は、前記環状ローリングユニット1230を構成する複数のローリング部材1231のそれぞれが荷重支持板1220の左/右へと滑ることなくスライディング窓戸、すなわちドアシャーシの進行方向に沿って回転できるように環状ローリングユニット1230を案内する役割をする。
【0037】
このような前記直進案内ユニット1400によって、荷重支持板1220が左右に傾いても環状ローリングユニット1230が一側に偏る現象(すなわち、スライディングドアの円滑な直進を妨害する現象)を予め防止でき、環状ローリングユニット1230が回転する間に発生し得る、荷重支持板1220の左側または右側に環状ローリングユニット1230が滑る現象を予め防止することができる。それによって、外部のチェーンリンクユニット1232がシャーシ支持部またはドアガイドフレームと摩擦することを予め防止できることで、チェーンリンクユニット1232の摩損によって環状ローリングユニット1230が切断される問題を予め防止することができる。
【0038】
また、図示されたように、複数のローリング部材1231が荷重支持板1220の両端で円滑に回転できるように、荷重支持板1220の分割体1221、1222の両端(前端、後端)は円弧面で形成されることが望ましい。
【0039】
以上、本発明の望ましい実施形態(主に、「ペアガラスを備えた窓」)について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、多様な形態のスライディング窓戸(ドアまたは窓)に適用される場合を含み、特許請求の範囲に示された本発明の基本概念を用いた当業者の多くの変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属することは言うまでもない。